- 1123/04/06(木) 20:00:39
これはあにまん掲示板で立っていた元スレ「ごめんねスレッタ・マーキュリー」を参考にしたSSを掲載するスレです
6話以降のエラン4号がスレッタを誘拐、逃避行の末監禁するストーリーになっています
参考にした元スレ
[閲注]ごめんねスレッタ・マーキュリー|あにまん掲示板でも逃げようとしても無駄だよ。拘束は絶対に外さない。2人でペイルやシン・セー、ガンダムから逃げよう。僕のことを嫌ってもかまわない。僕はただ、君を二度とあんな目に合わせたくない。(ここで逃げれば(株)G…bbs.animanch.com以下注意事項です
・4号×スレッタ
・独自設定、捏造過多
・犯罪行為、残酷な描写あり
・逃避行部分のボリュームアップ
・元スレに書かれたセリフの使用※
※元スレに書かれたセリフの使用は、意図せず思わぬ使い方をしている可能性があります。その際はお申し出くだされば、出来る限り修正をかけます
- 2123/04/06(木) 20:01:12
関連スレです
↓書き逃げSS様。よくお邪魔させてもらっています
書き逃げSS他|あにまん掲示板・タイトル通り、SSを書き逃げしていくスレです・話を思いついたけど、書けるところがない・スレの進行を止めたくない等、投稿したいけどする場所がないとき等に使って下さい・設定だけの箇条書きでもOKです・C…bbs.animanch.com書き逃げSS他 その2|あにまん掲示板・タイトル通り、SSを書き逃げしていくスレです・話を思いついたけど、書けるところがない・スレの進行を止めたくない等、投稿したいけどする場所がないとき等に使って下さい・設定だけの箇条書きでもOKです・C…bbs.animanch.com書き逃げSS他 その3|あにまん掲示板・タイトル通り、SSを書き逃げしていくスレです・話を思いついたけど、書けるところがない・スレの進行を止めたくない等、投稿したいけどする場所がないとき等に使って下さい・設定だけの箇条書きでもOKです・C…bbs.animanch.com書き逃げSS他 その4|あにまん掲示板・タイトル通り、SSを書き逃げしていくスレです・話を思いついたけど、書けるところがない・スレの進行を止めたくない等、投稿したいけどする場所がないとき等に使って下さい・設定だけの箇条書きでもOKです・C…bbs.animanch.com - 3123/04/06(木) 20:02:22
0話。プロローグ。
※誘拐描写があります
↓サンプル↓
カツカツカツ…
アスティカシア学園敷地内。夜も深まった暗闇の中に、小さな靴音が響いていく。
少し急いたような様子で歩く赤毛の少女は、今学園内で何かと話題になっている水星からの転校生、スレッタ・マーキュリーだ。
大体の生徒は寮に戻り、明日の授業へ向けて体を休めている時間。そんな中、住居エリアから離れた道を歩く少女の姿は少々奇異に映るかもしれなかった。
↓以下本文(クリックして下さい)↓
ごめんねスレッタ・マーキュリー ───プロローグ───カツカツカツ…アスティカシア学園敷地内。夜も深まった暗闇の中で、小さな靴音が響いていく
少し急いたような様子で歩く赤毛の少女は、今学園内で何かと話題になっている水星からの転校生、スレッタ・マーキュリーである
大体の生徒は寮に戻り、明日の授業へ向けて体を休めている時間。そんな中、住居エリアから離れた道を歩く少女の姿は少々奇異に映るかもしれなかった
防犯の関係上、あまり夜間に出歩くことが推奨されていないこの学園では、夜時間に切り替わるとぐっと人通りが減る。この先は人工的に作られた小規模な森しかなく、強いて言えばごく小さな散歩道と、体を休めるためのベンチがいくつかある程度の場所である。あたりに人影はまったくなかった
だが迷いなく足を進めていく少女の顔は明るい。弾むような足取りで目的地へと急いでいく
もうすぐ森の端に届く辺りで少女の顔は更に華やいだ。森へと入る手前のベンチで、静かに彼女を待っている人影がいたからである
「…え、エラン、さんっ」
暗闇に少女の上ずった声が響く。待ち人の少年の名はエラン・ケレス。つい先日スレッタと決闘騒ぎを起こした御三家のうちの一人である
少女の声掛けに少年は一瞬目をつむり、次いでベン…telegra.ph - 4123/04/06(木) 20:03:22
1話。怪物が生まれた日(旧題・記憶の欠片 氷星に炎が満ちた日)
※残酷な描写があります
↓サンプル↓
ペイル・テクノロジーズの地下区域の一室で、エラン・ケレスは磔にされていた。
ペイル社に呼び戻され、拘束され、薬を打たれ、まるで実験動物のように体の自由を奪われている。
もしかしたら、動物の方がいくらかマシかもしれなかった。なにせエランはこれからいらない物として焼却される。
対モビルスーツに使われるような高出力のレーザーでこの身を焼かれ、骨も残さず、何もかもが消えてなくなる。
エランに出来ることは何もない。抵抗する気力もなく、ただ最後の時を待つだけだ。
↓以下本文(クリックして下さい)↓
ごめんねスレッタ・マーキュリー─怪物が生まれた日─※残酷な描写があります歌が聞こえる 大切な歌が
ハッピーバースディ トゥーユー
陰気な声で 誰かが歌を口ずさむ
ハッピーバースディ トゥーユー
磔にされた男が 虚ろな眼差しで口ずさむ
ハッピーバースディ ハッピーバースディ
男には それしか残っていないから
ハッピー バース ディ トゥー ユー
それしかないと 思っていたから
ペイル・テクノロジーズの地下区域の一室で、エラン・ケレスは磔にされていた。
ペイル社に呼び戻され、拘束され、薬を打たれ、まるで実験動物のように体の自由を奪われている。
もしかしたら、動物の方がいくらかマシかもしれなかった。なにせエランはこれからいらない物として焼却される。
対モビルスーツに使われるような高出力のレーザーでこの身を焼かれ、骨も残さず、何もかもが消えてなくなる。
エランに出来ることは何もない。抵抗する気力もなく、ただ最後の時を待つだけだ。
朦朧とする意識の中で、少女の顔が思い浮かぶ。
鬱陶しいほど絡んで来ては、鬱陶しいほどまっすぐぶつかってきた、水星から来た赤髪の少女。
彼女がいれば、エランは一人じゃないと思えた。
いまごろ彼女は自分を待って…telegra.ph - 5二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 20:05:45
このレスは削除されています
- 6二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 20:19:28
まとめてくれるのとても助かる
まじで面白い - 7123/04/06(木) 20:29:19
2話。怪物との契約
↓サンプル↓
シャディク・ゼネリの元へ意外な人物が訪ねてきたのは、まだ朝とも昼ともつかない中途半端な時間帯だった。
すでに最終学年になり、必要なカリキュラムの多くを納めているシャディクは自由に行動できる時間が多い。その空いた時間の大半を決闘委員会の雑用や私的な(…そう、私的な)用事に使っているシャディクは、その日も委員会のラウンジでこまごまとした雑用を片づけていた。
開けた空間に一人でいるのも慣れたもので、むしろ委員会メンバーが授業を受けている間、一人だけで気楽に過ごせるこの時間をシャディクは気に入っていた。
そんなシャディクの元にメッセージが届いたのは、ちょうど休憩しようと席を立った時のことだった。何の気なしに覗いたシャディクは次の瞬間に驚きで固まる。
『今から委員会のラウンジに向かう。君に頼みがある』
↓以下本文(クリックして下さい)↓
ごめんねスレッタ・マーキュリー─怪物との契約─※シャディク目線ですシャディク・ゼネリの元へ意外な人物が訪ねてきたのは、まだ朝とも昼ともつかない中途半端な時間だった
すでに最終学年になり、必要なカリキュラムの多くを納めているシャディクは自由に行動できる時間が多い。その空いた時間の大半を決闘委員会の雑用や私的な(…そう、私的な)用事に使っているシャディクは、その日も委員会のラウンジでこまごまとした雑用を片づけていた
開けた空間に一人でいるのも慣れたもので、むしろ委員会メンバーが授業を受けている間、一人だけで気楽に過ごせるこの時間をシャディクは気に入っていた
そんなシャディクの元にメッセージが届いたのは、ちょうど休憩しようと席を立った時のことだった。何の気なしに覗いたシャディクは次の瞬間に驚きで固まる
『今から委員会のラウンジに向かう。君に頼みがある』
差出人の名はエラン・ケレス
彼からの連絡も珍しいが、それ以上に珍しい内容にシャディクは己の目を疑った
頼み?エランが俺に?
エラン・ケレスという人物は、よくも悪くも一人で完結している人間だ
人に頼ったり頼られたり、そういうものとは無縁に思えたのだが、どういう心境の変化だろう
シャディクの頭に水星から来…telegra.ph - 8二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 20:39:40
加筆されてる❗️
嬉しい、書き逃げSSスレでずっと追ってました。
1日で逃亡出来る計画を考えたエラン4号と実現させたシャディクの交渉シーンが読めるとは❗️ - 9二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 20:53:57
スレ立て乙です!
- 10123/04/06(木) 20:57:52
3話。友との語らい
↓サンプル↓
室内に微かな筆記音が響く。
目の前にはグラスレーの寮長であるシャディク・ゼネリが、真剣な眼差しでメモ帳を睨んでいる。
本来なら競い合うはずのライバル会社の人間だが、今のエラン・ケレスにとっては貴重な取引相手だ。
エランの世界は狭く、浅い。その中でもこの男と知り合えたのは、ある意味幸運だったと言える。
誰にも邪魔されないよう手早く話を進めながら、エランはここ数年の出来事を思い浮かべた。
エランは元々、アーシアンの最下層に位置する貧民だ。もう記憶も朧だが、毎日食うものも困るような生活をしていた。
金も力も学もない、小さな子供が大人に抗うことは不可能だ。
庇護してくれる保護者がいなくなった後、気付いた時にはエランはペイル社の強化人士となっていた。
↓以下本文(クリックして下さい)↓
ごめんねスレッタ・マーキュリー─友との語らい─室内に微かな筆記音が響く目の前にはグラスレーの寮長であるシャディク・ゼネリが、真剣な眼差しでメモ帳を睨んでいる
本来なら競い合うはずのライバル会社の人間だが、今のエラン・ケレスにとっては貴重な取引相手だ
エランの世界は狭く、浅い。その中でもこの男と知り合えたのは、ある意味幸運だったと言える
誰にも邪魔されないよう手早く話を進めながら、エランはここ数年の出来事を思い浮かべた
エランは元々、アーシアンの最下層に位置する貧民だ。もう記憶も朧だが、毎日食うものも困るような生活をしていた
金も力も学もない、小さな子供が大人に抗うことは不可能だ
庇護してくれる保護者がいなくなった後、気付いた時にはエランはペイル社の強化人士となっていた
繰り返される実験。並行して行われるモビルスーツの操縦訓練。管理される日々。選定され、作り直される体
実験体として顔も名前も自分の物ではなくなった少年は、僅かに自由にできる意志以外はすべて他人の言うとおりにして生活してきた
学園に送り込まれ、なるべく人と関わらず、優秀な成績を維持しながら、ペイル寮の『エラン・ケレス』として過ごしていく
時折戯れのように投げかけられる指示にも、人形のように淡々と従いながら…telegra.ph - 11123/04/06(木) 22:07:58
4話。夜空の先へ
※少し痛そうな描写があります
シャディク・ゼネリとの取引を終えると、エラン・ケレスは自室に戻りベッドの上に横たわった。
おそらくこれから暫くの間はろくに休めなくなる。今のうちに少しでも仮眠を取って体力を温存しておきたい。
失敗しても成功しても寮の自室で過ごす最後の日だ。エランは目を閉じる前に、ちらりと部屋の隅へ視線を投げかけた。
以前オリジナルのエラン・ケレスが笑いながら見せてきた映像を思い出す。あの辺りに隠しカメラがあるはずだ。
当時は苛立ったものだが、今はオリジナルに少し感謝している。おかげであまり変な行動は取らないよう、注意することができる。
時間にして2、3時間ほど仮眠していると、来客のブザーが鳴った。シャディクの使いだろう。
部屋の外に出ると、シャディクの側近であるサビーナ・ファルディンが立っていた。
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ごめんねスレッタ・マーキュリー─夜空の先へ─※少し痛そうな描写ありシャディクとの取引を終えると、エランは自室に戻りベッドの上に横たわった
おそらくこれから暫くの間はろくに休めなくなる。今のうちに少しでも仮眠を取って体力を温存しておきたい
失敗しても成功しても寮の自室で過ごす最後の日だ。エランは目を閉じる前に、ちらりと部屋の隅へ視線を投げかけた
以前オリジナルのエラン・ケレスが笑いながら見せてきた映像を思い出す。あの辺りに隠しカメラがあるはずだ
当時は苛立ったものだが、今はオリジナルに少し感謝している。おかげであまり変な行動は取らないよう、注意することができる
時間にして2、3時間ほど仮眠していると、来客のブザーが鳴った。シャディクの使いだろう
部屋の外に出ると、シャディクの側近であるサビーナ・ファルディンが立っていた
「シャディクからの荷物だ。ちゃんと渡したぞ」
「サビーナ・ファルディン わざわざありがとう。…シャディク・ゼネリによろしく」
「…ああ、またな」
どこまでシャディクに聞いているのか、サビーナはそっけなく去っていく。代わりに残ったのは頼んでいた荷物だ
見ると律儀に服が入っている中、隠されたように必要な物が詰め込まれていた。ありがたい…telegra.ph - 12123/04/06(木) 23:02:14
5-①話。回る毒(前編)
※犯罪描写があります
目的の場所に着いた時には、エラン・ケレスの心は凪いでいた。
スレッタ・マーキュリーを地球へと連れて行く。その為に何が必要か、エアリアルに夢の記憶を植え付けられてからエランは考え続けていた。
自分は何の力も持っていない貧民だ。都合が悪ければすぐに破棄されて次が補充されるだけの、使い捨ての部品でしかない。だから色々と小細工が必要だった。
暗い中、一人静かにベンチに座る。街灯の光が体を照らし、落とされた影を怪物のように大きく見せる。
───彼女は来るだろうか。
エランは考える。
万全を期すなら、もっといい場所があるはずだった。こんな森の手前のさびれたベンチではなく、彼女が安心して来れる場所を見繕うこともできたはずだ。
でも敢えてそうしなかった。
ここはある意味でとても都合がいい場所だ。人目に付かず、管理施設にも近く、良識ある人ならば呼び出された人を心配するような、問題のある場所だ。
スレッタは地球寮の皆へ律儀に行き先を教えるだろう。その後に彼女が居なくなればどうなるか。…エランの予想は、おそらく大きく外れることはない。
↓以下本文(クリックして下さい)↓
ごめんねスレッタ・マーキュリー─回る毒(前編)─※犯罪行為の描写があります少しずつ毒を作っていく
───僕たちが無事に逃げられるように
少しずつ毒を流していく
───僕たちを追って来られないように
少しずつ、毒を回らせていく
───僕たちが、生きていけるように
少しずつ、少しずつ…
───
………
…………
……………
目的の場所に着いた時には、エラン・ケレスの心は凪いでいた
スレッタ・マーキュリーを地球へと連れて行く。その為に何が必要か、エアリアルに夢の記憶を植え付けられてからエランは考え続けていた
エランは何の力も持っていない貧民だ。都合が悪ければすぐに破棄されて次が補充されるだけの、使い捨ての部品でしかない。だから色々と小細工が必要だった
暗い中、一人静かにベンチに座る。街灯の光が体を照らし、エランの影を怪物のように大きく見せる
───彼女は来るだろうか
エランは考える
万全を期すなら、もっといい場所があるはずだった。こんな森の手前のさびれたベンチではなく、彼女が安心して来れる場所を見繕うこともできたはずだ
でも、エランは敢えてそうしなかった
ここはある意味でとても都合がいい場所だ。人目に付かず、管理施設にも近く、良識ある人ならば呼…telegra.ph - 13二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 23:28:20
- 14123/04/07(金) 00:01:27
- 15123/04/07(金) 00:06:59
5-②話。回る毒(中編)
エラン・ケレスが管理施設へと出向いた時には、辺りは予想通り閑散としていた。
最低限の人員は残して大体のスタッフも引き上げたらしく、受付の顔ぶれも変わっている。
エランは何食わぬ顔で受付へと足を進めると、暇そうな顔をしているスタッフへ声を掛けた。
「決闘委員会の者だけど、予約していた小型巡視艇を借り受けに来た」
「ああ、話は伺っておりますよ、もう夜も遅いのに大変ですね。…おひとりですか?」
受付が訝し気に問いかける。領空外へ行こうというなら数人での見回りが普通なので、この懸念も尤もだった。
エランは受付の言葉に頷くと、すんなりと架空の相方を作り上げた。
「もう一人いるけど少し遅れるそうだ。時間がもったいないし、先に僕だけ船に入って出発の準備をしているよ」
「かしこまりました。では、小型巡視艇使用のためのIDを発行しますので、ご登録をお願いいたします」
「ああ」
平静を装いながら、自らの生徒手帳を取り出す。
登録と同時に持ち主の姿が浮かび上がる為、この時ばかりは他人の生徒手帳は使えない。特にエランはペイル寮の筆頭なので、大抵の管理スタッフには姿と名前を憶えられている。
↓以下本文(クリックして下さい)↓
ごめんねスレッタ・マーキュリー─回る毒(中編)─ エラン・ケレスが管理施設へと出向いた時には、辺りは予想通り閑散としていた。最低限の人員は残して大体のスタッフも引き上げたらしく、受付の顔ぶれも変わっている。
エランは何食わぬ顔で受付へと足を進めると、暇そうな顔をしているスタッフへ声を掛けた。
「決闘委員会の者だけど、予約していた小型巡視艇を借り受けに来た」
「ああ、話は伺っておりますよ、もう夜も遅いのに大変ですね。…おひとりですか?」
受付が訝し気に問いかける。領空外へ行こうというなら数人での見回りが普通なので、この懸念も尤もだった。
エランは受付の言葉に頷くと、すんなりと架空の相方を作り上げた。
「もう一人いるけど少し遅れるそうだ。時間がもったいないし、先に僕だけ船に入って出発の準備をしているよ」
「かしこまりました。では、小型巡視艇使用のためのIDを発行しますので、ご登録をお願いいたします」
「ああ」
平静を装いながら、エランは自らの生徒手帳を取り出した。
登録と同時に持ち主の姿が浮かび上がる為、この時ばかりは他人の生徒手帳は使えない。特にエランはペイル寮の筆頭なので、大抵の管理スタッフには姿と名前を憶えられている。
電源を入れると、久方ぶりに画面が明るくなる。…telegra.ph - 16123/04/07(金) 01:00:37
5-③話。回る毒(後編)
※狂気的な描写があります
エラン・ケレスとスレッタ・マーキュリーを乗せた船は、デブリの間を縫うようにして目的地へと進んでいた。
フロントから遠ざかるごとに、少しずつデブリの数が少なくなっていく。目的の宙域まで近づいた時には、すでにそれほど危険な進路ではなくなっていた。
もう時刻は真夜中に近い。フロントを出てから数時間は経っているが、今のところ追手が迫っている様子はない。
そろそろ次の段階へ行くべきだろう。
探知範囲を拡大して、緊急回避が必要なデブリがないか確認する。とくに問題がないようなので、エランは再び船をオート操作に切り替えた。
さらに目的地も再設定する。場所はフロント73区、アスティカシアの管理施設だ。行きとは違い大回りなルートを通ることになるが、うまくすればこの船は自分の古巣へ帰れることになる。
途中で運悪くデブリに巻き込まれたり、ペイル社やプロスペラ・マーキュリーの陣営に鹵獲される可能性ももちろんある。だがどのような結果になってもエランは構わなかった。それぞれに何らかの旨みがあるからだ。
ついでに通信状態を回復させておく。ペイル社やプロスペラ陣営が近くを通れば、この通信が彼らを引き寄せて貴重な時間を消費させてくれるだろう。更にアスティカシアの管制室がこの船を見つけてくれれば、その後に起きる混乱も大きくなる。
最後にモビルスーツの搬入口のロックを解除する。これで、この船でのメイン作業はすべて終了した。
↓以下本文(クリックして下さい)↓
ごめんねスレッタ・マーキュリー─回る毒(後編)─※狂気的な描写があります少しずつ毒が作られていく
───僕たちは無事に逃げられるんだろうか
少しずつ毒が流れていく
───僕たちはどこまで追われる事になるんだろう
少しずつ、毒が回っていく
───僕たちは、本当に、生きていけるの
少しずつ、少しずつ…
───
────
─────ああ、それなら、いっそ…
………
…………
……………
エラン・ケレスとスレッタ・マーキュリーを乗せた船は、デブリの間を縫うようにして目的地へと進んでいた。
フロントから遠ざかるごとに、少しずつデブリの数が少なくなっていく。目的の宙域まで近づいた時には、すでにそれほど危険な進路ではなくなっていた。
もう時刻は真夜中に近い。フロントを出てから数時間は経っているが、今のところ追手が迫っている様子はない。
そろそろ次の段階へ行くべきだろう。
探知範囲を拡大して、緊急回避が必要なデブリがないか確認する。とくに問題がないようなので、エランは再び船をオート操作に切り替えた。
さらに目的地も再設定する。場所はフロント73区、アスティカシアの管理施設だ。行きとは違い大回りなルートを通ることになるが、うまくすればこの船…telegra.ph - 17123/04/07(金) 01:05:21
ここで一旦休憩し、続きは朝に掲載したいと思います
書き込みやご感想ありがとうございました - 18二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 07:43:56
別のスレで読んでからこのシリーズの続きやお話を読むのを楽しみにしていたので、専スレまで立てていただいてとてもとても嬉しいです!早速読ませていただきました!
- 19123/04/07(金) 08:10:42
6-①話。黒風白雨の小休止(前編)
宇宙空間を漂っていたエラン・ケレスとスレッタ・マーキュリーが救出されたのは、すでに真夜中を大分過ぎ、もうすぐ夜明けになるという時間帯だった。
約束のポイントに近づいた時、すでに近くの宙域に待機していたその船は、光を瞬かせてエランに合図を送って来た。
チカチカ、チカチカ、明暗を繰り返す人工の光が、暗闇に慣れた目に焼き付いていく。
遥か遠く、冷たい天然の光の枠に囲われながら進んできた身には、その光は今にも手に触れられそうなほど近く、温かいものに感じられた。
慎重を重ねて少しずつ近づけられた船から、数人の船員が救命具と共に降りて来る。
彼らはまっすぐにエランとスレッタの元へ近づいて来ると、二人の状態を確認するように素早くこちらを観察して来た。壮年のがっしりした体系の男が、落ち着いた声音で話しかけてくる。
「意識ははっきりしていますね」
「ああ」
エランはしっかりと頷いた。体は疲れ果ててはいるが、意識の方は問題なく保っている。
腕の中の少女を守るためにも…実際は彼女に守ってもらっていたようなものだが、ずっと頭の中を動かしていたからだ。
ごめんねスレッタ・マーキュリー─黒風白雨の小休止(前編)─ 宇宙空間を漂っていたエラン・ケレスとスレッタ・マーキュリーが救出されたのは、すでに真夜中を大分過ぎ、もうすぐ夜明けになるという時間帯だった。約束のポイントに近づいた時、すでに近くの宙域に待機していたその船は、光を瞬かせてエランに合図を送って来た。
チカチカ、チカチカ、明暗を繰り返す人工の光がエランの目に焼き付いていく。
遥か遠く、冷たい天然の光の枠に囲われながら進んできたエランには、その光は今にも手に触れられそうなほど近く、温かいものに感じられた。
慎重を重ねて少しずつ近づけられた船から、数人の船員が救命具と共に降りて来る。
彼らはまっすぐにエランとスレッタの元へ近づいて来ると、二人の状態を確認するように素早くこちらを観察して来た。壮年のがっしりした体系の男が、落ち着いた声音で話しかけてくる。
「意識ははっきりしていますね」
「ああ」
エランはしっかりと頷いた。体は疲れ果ててはいるが、意識の方は問題なく保っている。
腕の中の少女を守るためにも…実際は彼女に守ってもらっていたようなものだが、ずっと頭の中を動かしていたからだ。
「もう一人の彼女は」
「眠っているだけだ。酸素残量も問題なく残っている」…telegra.ph - 20二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 08:11:54
12です。お答え頂けるとは思っておらず、嬉しいです。ありがとうございます。
氷の君なんて渾名付けられちゃう背景が痛ましい子だったなあと改めて思い知りました。
こんな彼がバレンタインSSみたいになっていく過程がとても気になります。
続きが待ち遠しい理由が増えました。ありがとうございます。
- 21123/04/07(金) 08:19:11
書き込みありがとうございます
また昼過ぎに続きを投稿しに来ます
それと本編終了後の二人を書いたこぼれ話ですが、こちらは本編が終了した後に改めて掲載したいと思います - 22123/04/07(金) 12:29:32
6-②話。黒風白雨の小休止(後編)
強化人士を擁護するエランの言葉に、シャディクは俯いて黙り込んだ。頭の中では利点と欠点がせめぎ合っているのだろう。
暫くしてシャディクは顔を上げると、真剣な目でじっと見てきた。
『約束はできない。けど機会があれば利用させてもらう。…それでいいかな?』
「それでいい。ありがとうシャディク・ゼネリ」
目を伏せて頷く。自分がひどい我が儘を言ったと分かっていた。一蹴されないだけありがたい事だった。
気を取り直したようにシャディクは話を続けた。
「気になっていた事がある。色々な証拠をわざと残したと言っていたけど、なぜなんだ?」
「それは簡単だ、ペイルの動きを縛るためだよ」
答えは簡潔に済むが、それだけでは不足かもしれない。少し考えて、補足となる言葉を追加する。
「僕は今の『エラン・ケレス』を務めているけど、僕が消えてもエランという存在自体は消えずに残る。色々な陣営から僕の行動が不審に思われたなら、その後のエラン達は動きづらくなる」
ごめんねスレッタ・マーキュリー─黒風白雨の小休止(後編)─ 強化人士を擁護するエランの言葉に、シャディクは俯いて黙り込んだ。頭の中では利点と欠点がせめぎ合っているのだろう。暫くしてシャディクは顔を上げると、エランを真剣な目でじっと見てきた。
『約束はできない。けど機会があれば利用させてもらう。…それでいいかな?』
「それでいい。ありがとうシャディク・ゼネリ」
エランは目を伏せて頷く。自分がひどい我が儘を言ったと分かっていた。一蹴されないだけありがたい事だった。
気を取り直したようにシャディクは話を続けた。
「気になっていた事がある。色々な証拠をわざと残したと言っていたけど、なぜなんだ?」
「それは簡単だ、ペイルの動きを縛るためだよ」
答えは簡潔に済むが、それだけでは不足かもしれない。少し考えて、補足となる言葉を追加する。
「僕は今の『エラン・ケレス』を務めているけど、僕が消えてもエランという存在自体は消えずに残る。色々な陣営から僕の行動が不審に思われたなら、その後のエラン達は動きづらくなる」
『不審に思われる行動って、例えば水星ちゃんを攫ったと推測されるようなこと?』
シャディクの言葉にエランは頷く。その通りだったからだ。
「…僕は決闘委員会の仕事をで…telegra.ph - 23123/04/07(金) 20:33:05
7-①話。怪物の献身(前編)
※スレッタ目線です。
スレッタ・マーキュリーは夢を見ていた。
エラン・ケレス…今どうしても気になって仕方がない年上の男の子を、優しく抱きしめて慰める夢だ。
夢の中の宇宙空間で、彼はスレッタを救助しようとしているようだった。おそらくモビルスーツから脱出したばかりなのだろう。救助用のハーネスを付けて、彼はどこかへと向かっていた。
エアリアルはどうなったんだろう、スレッタは少し気になったが、それよりも目の前の彼の事が心配になった。
彼は息を荒げて、表情を歪ませていた。体は少し震えていて、変に力が入っている。先日の、決闘後の様子とは大違いだ。
怖がってるんだ。スレッタにはすぐに分かった。
水星での生活を思い出す。老人ばかりの水星で、幼いころのスレッタは常に厄介者扱いされていた。
生活基盤もギリギリで、唯一採掘できる資源のパーメットは他に採掘しやすい月があり、後は人知れず寂れるのを待つばかり。
そんな水星での生活に心が荒れ果ててしまうのは仕方がない。とてもじゃないが目新しい新参者は受け入れられなかっただろう。
今なら納得できる事柄も、幼い子供、それも当事者ともなれば呑み込むことなど出来なかった。
ごめんねスレッタ・マーキュリー─怪物の献身(前編)─完走直前のスレに長編SSを投下したアホ※スレッタ目線です。
スレッタ・マーキュリーは夢を見ていた。
エラン・ケレス…今どうしてもスレッタが気になって仕方がない年上の男の子を、優しく抱きしめて慰める夢だ。
夢の中の宇宙空間で、彼はスレッタを救助しようとしているようだった。おそらくモビルスーツから脱出したばかりなのだろう。救助用のハーネスを付けて、彼はどこかへと向かっていた。
エアリアルはどうなったんだろう、スレッタは少し気になったが、それよりも目の前の彼の事が心配になった。
彼は息を荒げて、表情を歪ませていた。体は少し震えていて、変に力が入っている。先日の、決闘後の様子とは大違いだ。
怖がってるんだ。スレッタにはすぐに分かった。
水星での生活を思い出す。老人ばかりの水星で、幼いころのスレッタは常に厄介者扱いされていた。
生活基盤もギリギリで、唯一採掘できる資源のパーメットは他に採掘しやすい月があり、後は人知れず寂れるのを待つばかり。
そんな水星での生活に心が荒れ果ててしまうのは仕方がない。とてもじゃないが目新しい新参者は受け入れられなかっただろう。
今なら納得できる事柄も、幼いころ…telegra.ph - 24123/04/07(金) 20:36:19
- 25123/04/07(金) 22:03:14
7-②話。怪物の献身(後編)
※スレッタ目線です+微ヤンデレ要素あります
地球へ攫う、とエランは言った。拘束してでも絶対に連れて行く、と彼は言い切った。
どうしてそんなに強い言葉を使うんだろう。スレッタはその理由がまったく分からず、途方に暮れてしまう。
「エランさん…、いまの、どういうこと…ですか?…どうして、そんなこと、言うんですか?」
彼の言うことを少しでも理解したくて、気付けば何度も同じような質問を繰り返していた。きっと、エランなら答えてくれると思ったからだ。
スレッタの疑問に満ちた声に、エランは目を伏せてぽつりと呟いた。
「…必要だから」
地球に行くのが、必要?
スレッタはますます分からなくなる。
「スレッタ・マーキュリー。昨日の夜、僕が言った言葉を覚えてる?」
エランの口調は、いつの間にか穏やかなものに戻っていた。少しだけほっとして、素直に昨日の事を思い浮かべる。
ごめんねスレッタ・マーキュリー─怪物の献身(後編)─※微ヤンデレ要素あります地球へ攫う、とエランは言った。たとえ拘束してでも絶対に連れて行く、と彼は言い切った。
どうしてそんなに強い言葉を使うんだろう。スレッタはその理由がまったく分からず、途方に暮れてしまう。
「エランさん…、いまの、どういうこと…ですか?…どうして、そんなこと、言うんですか?」
彼の言うことを少しでも理解したくて、気付けばスレッタは何度も同じような質問を繰り返していた。きっと、エランなら答えてくれると思ったからだ。
スレッタの疑問に満ちた声に、エランは目を伏せてぽつりと呟いた。
「…必要だから」
地球に行くのが、必要?
スレッタはますます分からなくなる。
「スレッタ・マーキュリー。昨日の夜、僕が言った言葉を覚えてる?」
エランの口調は、いつの間にか穏やかなものに戻っていた。スレッタは少しだけほっとして、素直に昨日の事を思い浮かべる。
夜になって、スレッタは森の近くのベンチへ向かっていた。エランからの連絡を貰い、とても急いでいたのを覚えている。次いで街灯に照らされるエランの姿と、ベンチの陰に置かれた大きなバッグを思い出す。
あの時、彼はスレッタに申し訳なさそうに謝っ…telegra.ph - 26二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 22:32:58
ここのパート特にすこ
- 27二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 22:43:13
逃走中もめっちゃ面白かったから降下後も楽しみや
- 28二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 00:12:41
8話。硬実種子と二者択一
※微ヤンデレ要素あります
生きることは二者択一をし続けることだとエラン・ケレスは思っている。
片方を捨て、片方を拾う。
それはすべてを選べるほど力のある立場ではない、搾取されるだけの子供による精一杯の処世術だった。
周りの子供たちが一人、また一人と脱落していく中、黙々と課題をこなして命を長らえていたあの頃。
影武者になることを命令され、生まれ持った名前と顔を大人たちに差し出したあの日。
先のない生活に絶望が押し寄せ、自らの意志で感情を抑制する方法を学んだあの時間。
すべては二者択一の結果だ。たとえ理不尽に踏みにじられようとも、その前も…その後の判断も自分のものだ。
片方を捨て、片方を拾う。
生への執着が薄れて行っても、その習性は無くなることはない。
ごめんねスレッタ・マーキュリー─硬実種子と二者択一─※ほんの少し閲覧注意です生きることは二者択一をし続けることだとエラン・ケレスは思っている。
片方を捨て、片方を拾う。
それはすべてを選べるほど力のある立場ではない、搾取されるだけの子供による精一杯の処世術だった。
周りの子供たちが一人、また一人と脱落していく中、黙々と課題をこなして命を長らえていたあの頃。
影武者になることを命令され、生まれ持った名前と顔を大人たちに差し出したあの日。
先のない生活に絶望が押し寄せ、自らの意志で感情を抑制する方法を学んだあの時間。
すべては二者択一の結果だ。たとえ理不尽に踏みにじられようとも、その後の判断は自分のものだ。
片方を捨て、片方を拾う。
生への執着が薄れて行っても、その習性は無くなることはない。
そうして、エランにとっての運命の日。
エアリアルの夢から目が覚めたエランは、スレッタ・マーキュリーの命を何があっても拾うことに決めた。捨てるモノの中に自らの命が入っていても構わなかった。
彼女が無事ならそれでいい。彼女が守れればそれでいい。彼女が自分の事を覚えていてくれるのなら、死んだっていい。
それがどのような感情を基にした考えなのか、エ…telegra.ph - 29123/04/08(土) 00:20:57
書き込みありがとうございます
降下後の話は地味なものになると思いますが、よろしければこれからもご覧ください
また朝に続きを載せに来ますが、そろそろ書き溜めた分がなくなって来ました
新作が出来上がるまで裏話などで場を濁したいと思うのですが、需要はおありでしょうか?
とてもくだらない話も飛び出すと思います - 30二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 01:29:32
全部読みたい!!!!!!!!(正直)
需要、あります - 31二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 07:32:45
めっちゃ需要あります!!!
ぜひぜひ!!!!! - 32二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 07:36:08
スレ主のしたいように
- 33123/04/08(土) 08:04:14
9話。友との別れと祈りの言葉
※モブ(オリキャラ)が目立ってきます
エラン・ケレスとスレッタ・マーキュリーの二人は、繋いだ手を離さないままソファに座ってその時を待っていた。
部屋の扉が叩かれる。ノックの音は全部で4回。この船へ来てから、二人はとても丁重に扱われている。
「失礼いたします」
部屋へ入って来た男は、手を繋いで隣り合っている二人を見ても表情を変えなかった。ただほんの少しだけ沈黙すると、静かな声音で約束の時間が来たことを告げた。
ぎゅう、と一瞬強く手を握り、スレッタと顔を向かい合わせる。もう泣いていない彼女は、エランと目を合わせると小さく頷いてくれた。
男の先導で通路を歩く。来た道とは逆の順だが、意識を失っていたスレッタは興味深そうに辺りを見回している。彼女が転ばないように、慎重に手を引いて歩く。
入って来た搬入口から今度は出ていくことになる。手早くハーネスでお互いを繋ぎ合わせている間に、船のスタッフが部屋の空気を抜いて準備を整えてくれる。
外への扉を男が開けると、すでに次の船が並走してエラン達が来るのを待っていた。この船よりも随分と大きな船だ。
見れば向かいにも人がいて、二人が飛び移るのを手助けしてくれるつもりのようだった。
ごめんねスレッタ・マーキュリー─友との別れと祈りの言葉─※オリキャラ多数注意エラン・ケレスとスレッタ・マーキュリーの二人は、繋いだ手を離さないままソファに座ってその時を待っていた。
部屋の扉が叩かれる。ノックの音は全部で4回。この船へ来てから、二人はとても丁重に扱われている。
「失礼いたします」
部屋へ入って来た男は、手を繋いで隣り合っている二人を見ても表情を変えなかった。ただほんの少しだけ沈黙すると、静かな声音で約束の時間が来たことを告げた。
ぎゅう、と一瞬強く手を握り、スレッタと顔を向かい合わせる。もう泣いていない彼女は、エランと目を合わせると小さく頷いてくれた。
男の先導で通路を歩く。来た道とは逆の順だが、意識を失っていたスレッタは興味深そうに辺りを見回している。彼女が転ばないように、慎重に手を引いて歩く。
入って来た搬入口から今度は出ていくことになる。手早くハーネスでお互いを繋ぎ合わせている間に、船のスタッフが部屋の空気を抜いて準備を整えてくれる。
外への扉を男が開けると、すでに次の船が並走してエラン達が来るのを待っていた。この船よりも随分と大きな船だ。
見れば向かいにも人がいて、二人が飛び移るのを手助けしてくれるつもりのようだった。…telegra.ph - 34123/04/08(土) 08:06:33
- 35123/04/08(土) 13:11:51
10-①話。きみが呼ぶ名前(前編)
※更に名前付きオリキャラが目立ってきます
あと少しで中継地点のフロントに着く。
エラン・ケレスは何か忘れている物はないかと、初日に渡されていた荷物を改めて確認した。
数日分の水、食料。着替え。今時珍しい現金に、端末に移し替える事が容易な電子マネーカード。他にも細々とした衛生用品や常備薬が、手ごろなポーチにいくつか纏まって入っている。
すべて一般的なメーカー品で、個人が所有していてもおかしくない品物ばかりだ。用意された服も高額なブランド品などではなく、自分でも知っているような、各フロントで数多く出展されている小売店の物だった。
メーカー名が分からないのは、スレッタ・マーキュリーの手を素手で触らないように用意してもらった手袋くらいだろうか。
今の時代では必須の端末機器は入っていないのだが、これはフロントに着いた後に手に入れられるだろう。市民カードが届けられた後で契約すればいい。この3日は端末など無くても普通に過ごせたので、おそらくは大丈夫だ。
エランは纏められた荷物が入った鞄を手に持った。何の機能も付いていない、使い古されたごく普通のアタッシュケースだ。スレッタにも同様の物が与えられている。
「スレッタ・マーキュリー。必要最低限の品は入っているけど、他にもあった方がいい物は思いつく?…端末機以外で」
「そうですね。暇をつぶせるモノがあれば嬉しいですけど、うーん…」
ごめんねスレッタ・マーキュリー─きみが呼ぶ名前(前編)─※更にオリキャラ注意あと少しで中継地点のフロントに着く。
エラン・ケレスは何か忘れている物はないかと、初日に渡されていた荷物を改めて確認した。
数日分の水、食料。着替え。今時珍しい現金に、端末に移し替える事が容易な電子マネーカード。他にも細々とした衛生用品や常備薬が、手ごろなポーチにいくつか纏まって入っている。
すべて一般的なメーカー品で、個人が所有していてもおかしくない品物ばかりだ。用意された服も高額なブランド品などではなく、自分でも知っているような、各フロントで数多く出展されている小売店の物だった。
メーカー名が分からないのは、スレッタ・マーキュリーの手を素手で触らないように用意してもらった手袋くらいだろうか。
今の時代では必須の端末機器は入っていないのだが、これはフロントに着いた後に手に入れられるだろう。市民カードが届けられた後で契約すればいい。この3日は端末など無くても普通に過ごせたので、おそらくは大丈夫だ。
エランは纏められた荷物が入った鞄を手に持った。何の機能も付いていない、使い古されたごく普通のアタッシュケースだ。スレッタにも同様の物が与えられている。
「スレッタ・マーキ…telegra.ph - 36二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 16:10:46
- 37123/04/08(土) 21:26:35
10-②話。きみが呼ぶ名前(後編)
※引き続きオリキャラ注意+主人公達への偽名設定注意です
「おじさん、こっちだよ」
初老の男に付いていった二人を待っていたのは、背の高い穏やかな表情の男だった。
「久しぶり、ハンスから話は聞いてるよ。この子たちを連れて行けばいいんだろう?」
「おおぅ、そうだ。業突く張りなスペーシアンに捕まらねぇようにな。いい子たちだから面倒ごとは起こさねぇだろうが、頼んだぞぉ」
甥っ子だという割に、あまり初老の男とは似ていない。体は縦に長いが、それほど肉は付いていないように思える。ゆったりとした動作だけが血の繋がりを感じさせた。
一言二言だけ声を掛けると、初老の男は「じゃあな」と言いつつ離れて行った。エランはそれを見送ろうとして、なぜか男に声を掛けていた。
「あの」
咄嗟に声をかけたが、何を言おうとしていたのか自分でも分からない。少し迷った末に、名前を聞くことにした。
「名前だぁ?ああ、それなら甥っ子の名前を聞けばいい。元気でやれよぉ」
初老の男は答えになっていない答えを告げると、ゆったりと背を向けて去っていく。
ごめんねスレッタ・マーキュリー─きみが呼ぶ名前(後編)─※引き続きオリキャラ注意+主人公達への偽名設定注意「おじさん、こっちだよ」
初老の男に付いていった二人を待っていたのは、背の高い穏やかな表情の男だった。
「久しぶり、ハンスから話は聞いてるよ。この子たちを連れて行けばいいんだろう?」
「おおぅ、そうだ。業突く張りなスペーシアンに捕まらねぇようにな。いい子たちだから面倒ごとは起こさねぇだろうが、頼んだぞぉ」
甥っ子だという割に、あまり初老の男とは似ていない。体は縦に長いが、それほど肉は付いていないように思える。ゆったりとした動作だけが血の繋がりを感じさせた。
一言二言だけ声を掛けると、初老の男は「じゃあな」と言いつつ離れて行った。エランはそれを見送ろうとして、なぜか男に声を掛けていた。
「あの」
咄嗟に声をかけたが、何を言おうとしていたのか自分でも分からない。少し迷った末に、名前を聞くことにした。
「名前だぁ?ああ、それなら甥っ子の名前を聞けばいい。元気でやれよぉ」
初老の男は答えになっていない答えを告げると、ゆったりと背を向けて去っていく。
立ち尽くすエランに、穏やかな男は笑いながら教えてくれた。
「僕の名前はゲイブ。おじさんの名前もゲイ…telegra.ph - 38123/04/08(土) 23:41:52
11話。僕の大事なスレッタ
※エアリアル君視点。1人称SSです
早朝のアスティカシア。
いつもは静かなハンガー内が、この日は俄かに騒がしくなった。
ひょいひょいと身軽に近づいてきた女の子が、僕の中を覗きこんでくる。
「チュチュ、どうだった?」
「ダメだ、いないよニカねぇ!」
「そんな…じゃあどこに…」
顔なじみの女の子たちが、とても悲しそうで、焦ったような顔をしている。
僕は知っている。この子たちは、『ニカさん』と『チュチュセンパイ』だ。
彼女たちは僕の中だけじゃなく、僕の後ろや、僕の装甲の隙間まで確認すると、ガッカリしたようにハンガーを出て行った。
それからも、時間差で僕の元にいろいろな人が来た。
ごめんねスレッタ・マーキュリー─僕の大事なスレッタ─※エアリアル君視点。一人称SS。早朝のアスティカシア。
いつもは静かなハンガー内が、この日は俄かに騒がしくなった。
ひょいひょいと身軽に近づいてきた女の子が、僕の中を覗きこんでくる。
「チュチュ、どうだった?」
「ダメだ、いないよニカねぇ!」
「そんな…じゃあどこに…」
顔なじみの女の子たちが、とても悲しそうで、焦ったような顔をしている。
僕は知っている。この子たちは、『ニカさん』と『チュチュセンパイ』だ。
彼女たちは僕の中だけじゃなく、僕の後ろや、僕の装甲の隙間まで確認すると、ガッカリしたようにハンガーを出て行った。
それからも、時間差で僕の元にいろいろな人が来た。
気だるげな『ヌーノさん』。お調子者の『オジェロさん』。
しっかり者の『ティルセンパイ』。占いが得意な『アリヤセンパイ』。
気配り上手な『リリッケさん』。優しくて気弱な『マルタンセンパイ』。
放し飼いにされている『ティコ』や、鶏さんたちまで…。これは、関係ないかな。
でも彼らもなんだかソワソワしている。
いつもとは空気が違う、早朝のアスティカシア。早朝の地球寮。
そんな中、僕の心はジワジワと期待と不安に染まりかけていた。…telegra.ph - 39123/04/08(土) 23:55:16
ご感想ありがとうございます
彼は今回の体験で、少しだけ大人への苦手意識が軽くなりました
本日はこれにて一旦休憩となります
続きは朝…といいたいのですが、実は書き溜めた分がもうありません
一応あと1作SSがあるのですが、4スレに関係ないキャラで占められている雰囲気の異なるSSです
4スレのいなくなった学園での話を裏ルートと呼称しているのですが、その裏ルートのプロローグ的な位置づけです
同時にフロント脱出編のエピローグでもあります
この話が無くても4スレは問題なく読めますが、一応読むと4号の理解度が上がるかと思います
掲載すべきか迷う代物なのですが、特に反対意見がないなら明日の夜に掲載したいと思います
長くなりましたが本日もありがとうございました
- 40二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 00:47:21
メイン以外も読めるの有難い……細かく深く楽しみたいワイには需要ある
- 41二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 01:33:50
スレ主の書かれる文とこのお話の雰囲気が好きなので見せてくださるととてもとても嬉しい
- 42123/04/09(日) 08:03:59
ありがとうございます
では一応注意事項を明記の上、本日の夜に投下しようかと思います
今回はその話の前振りになる裏ルートの存在について書いておきます
・ある意味裏話な裏ルートについて・
元スレに書いていた、ピタゴラスイッチによって平和になった学園側のルートです。
政治パートの主人公はシャディク、戦闘パートの主人公は強化人士5号、この二人が行き詰った時に突破口を開く隠れた主人公がグエル、と設定しています。
捏造に次ぐ捏造により、人物背景などがかなりアニメ本編と違っていますが、彼らがワチャワチャと喧嘩したり協力しあったりしながら、大人たちの陰謀をぶちのめしていく話になります。
ですが、今のところきちんと書く予定はありません。わずかに12話のエピローグにてその姿を垣間見せるだけです。
元スレのたぬきちゃんの発言から捻りだした裏ルートの存在なので、4スレの前には優先順位は下がってしまうのでした…。
どなたか書(描)きたい方がいらっしゃったら、喜んで今の設定を差し上げたいと思います。
以上です
ではまた
- 43123/04/09(日) 13:04:57
0話(プロローグ)の裏話
この話を続きものとして書く予定は最初はありませんでした
元スレの文章を供養の為に書き逃げSSスレさんに投下したところ、思わぬ優しい言葉を頂いてつい元気になって書いてしまったのがこちらです
この話を投下したところまた優しい言葉を頂き…以下ループ…という感じでここまで来てしまいました
この話だけ少し客観的に人物を描写しています。プロローグだから固めがいいよね、という単純な思い込みにより書いた文章ですが、作中の4号の不気味さがうまく出ていればいいなと思っています
ではまた夜に
特に反対意見がなければ、フロント脱出編エピローグ兼、裏ルートプロローグのSSを載せに来ます
- 44123/04/09(日) 21:05:16
12話。エピローグ、あるいは…
※モブ視点、人物背景の捏造、センシティブな表現等が含まれます
【研究員、あるいは監視員】
男は退屈そうにゲームをしていた。
上、下、右、右…。端末機の画面をタップする。
画面の中では派手なエフェクトで敵が爆発している。ピカピカと画面が光を放っているが、音は聞こえてこない。わざと消音にしているからだ。
BGMもなく操作するゲームは退屈でつまらなく感じる。だが、何もしないよりはよほどいい。
男はこれが面白くてプレイしている訳ではない。暇で暇で仕方ない時間をどうにか消費しようとしているだけだ。
ゲーム内のクエストがひと段落ついたので、ついでに壁に備えてある時計を見る。時刻はすでに、就業時間をとっくに過ぎた時間帯だった。
今日だけはあと数時間は交代できない。男は仕方ないとため息をついて、またゲーム画面に視線を戻した。
男はペイル社の社員だった。数年前まではまだマトモな仕事をしていたが、当時の相方が不祥事を起こして、何故か自分まで閑職に追いやられてしまった。
今はしがない監視員をしている。
ごめんねスレッタ・マーキュリー─エピローグ、あるいは…─※色々な視点からのSSです。論理的にアレな大人の話が出てきます。児童性的搾取を思わせるセリフ(未遂)、若干センシティブな表現などが含まれます。【研究員、あるいは監視員】
男は退屈そうにゲームをしていた。
上、下、右、右…。端末機の画面をタップする。
画面の中では派手なエフェクトで敵が爆発している。ピカピカと画面が光を放っているが、音は聞こえてこない。わざと消音にしているからだ。
BGMもなく操作するゲームは退屈でつまらなく感じる。だが、何もしないよりはよほどいい。
男はこれが面白くてプレイしている訳ではない。暇で暇で仕方ない時間をどうにか消費しようとしているだけだ。
ゲーム内のクエストがひと段落ついたので、ついでに壁に備えてある時計を見る。時刻はすでに、就業時間をとっくに過ぎた時間帯だった。
今日だけはあと数時間は交代できない。男は仕方ないとため息をついて、またゲーム画面に視線を戻した。
男はペイル社の社員だった。数年前まではまだマトモな仕事をしていたが、当時の相方が不祥事を起こして、何故か自分まで閑職に追いやられてしまった。
今はしがない監視員をしている。
だがそれも、あと数…telegra.ph - 45123/04/09(日) 23:23:49
すいません。うっかり注意事項を書き加えるのを忘れておりました
こちらのSSは4スレが居なくなった後の学園(+ペイル社)の様子を描写してあります
4号の行動でどのような影響が出始めたかが分かりますが、4スレ的には読まなくても良いSSです
本編では絶対にないような設定のオンパレードとなり、特に人物の過去や背景などがまったく違っております
エラン様や5号、あと居ないとは思うのですが、ジョン・ヴァン・シモンズ君が好きな方はご注意ください
それではまた
本編が始まってドキドキしつつ続きを書きたいと思います
- 46二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 00:30:27
楽しみ保守
- 47123/04/10(月) 08:19:30
また裏話になります
1話。(怪物が生まれた日)(旧題・記憶の欠片 氷星に炎が満ちた日)の裏話
本編の12話が始まる前にはもう話は固まってました。ただ一応12話を見てから書こうかと思っていたところ、衝撃の展開が来てビックリしたのを覚えてます
驚きつつも12話の内容も話に混ぜましたが、比較的うまくいったのではないかと思います
この話で4号の心にスレッタが焼き付きます。その前も彼の中では彼女は大事な存在でしたが、心穏やかに思える対象でした
氷の君の心が少し溶けかけてきたところに、いきなり灼熱の塊がぶち込まれたようなものです。平穏な氷の星が、いきなり熱波が蔓延る蒸気の星に早変わりです
そうして解き放たれた怪物は、1日のうちに様々な爪痕を各陣営に残していくことになるのでした
ちなみに作中で登場したビット達とエアリアルはあくまでイメージです。彼らは別人格なので、ビット達が集まった存在がエアリアル、という訳ではありません
ちゃんとビットの数に対応したセリフの数だったり、異なった性格にしてみたりとしょうもない事にこだわってます
- 48123/04/10(月) 14:29:37
引き続き裏話です
【2話。(怪物との契約)の裏話】
シャディク目線です。
この話を書く前は、どうにか4号だけで脱出できないかと試行錯誤していました
しかしどうにもこうにも上手くいかず、どうにかさせるには4号が世紀の大泥棒にでもならない限りムリだ!と早々に考えるのをギブアップしました
そうして白羽の矢が立ったのが彼、シャディクです
シャディクは本編でも契約や取引などを複数のキャラに持ちかけてきます。ギブアンドテイク、4号の取引相手としてこれ以上の相手はいません
取引材料はちょうどいい物があります。4号の持っている情報です
という訳で4号は早朝に異なる世界の記憶をぶち込まれてから、頭の中で素早く計算をしてシャディクとの取引を決意しました。
店が開くまで情報の取捨選択を頭の中でしつつ、日記帳を手に入れてからは図書館や資料室といったあまり人目に付かない施設で、ものすごい勢いでもって書き上げました
4号の手はエラン様や5号と違ってゴツくて丈夫、という裏設定があるのですが、それがなければ手が壊れてたかもしれません。
多分忙しい1日の中でも特に修羅場っていたのが日記を書いてる時です。4号は頑張りました
そしていよいよシャディクとの取引の場ですが…
「その場その場では正しい選択をしているはずなのに、どんどんまずい方へと誘導されていく」
…そんな不安感のような物を意識して書きました
結果としてその道を選ぶのは(裏ルート的に)大正解ではあるのですが、シャディクの受難の始まりでもあります
- 49二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 19:13:52
保守
- 50二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 22:32:36
たまに寝落ちするので保守助かります
では裏話の続きです
【3話。(友との語らい)の裏話】
最初にこの題名を考えた時は、もう少し皮肉的な意味を込めていました
しかし書いていると2人の空気が穏やかに進行していくので、そのままズバリ、2人には普通の友達となってもらうことにしました
もともと相性が悪いとも言えない2人なので、きっかけさえあれば仲良くなれる余地は十分にあると思えます
そのきっかけとは少しの気の緩みと、少しの歩み寄りです
シャディクはどうも仲良くなりたい相手と取引をしようとしている節があるので、そういう建前を持ってまずは安心したい性質があるのではないかと考えました
今まさに取引をしています。前提条件はクリアです
そこに4号のスレッタへと注がれるまっすぐな思いを見て、驚いたシャディクはついほんの少しの本音を覗かせます
少しのリスペクトと少しの羨ましさ、それが表に現れたシャディクの微笑みを見て、4号も少しだけ心の壁を取り払って歩み寄ります
そうして、2人の間に仄かな友情が芽生えました
ちなみに4号から散々な評価を受けているグエルですが、4号は彼の事が言うほど嫌いではありません。ただ強烈なライバル意識を持っています
こいつには負けたくない、という思いが、厳しめの態度に現れてしまっています
本編設定では興味ないと黒字で書かれてしまってますが、このSSの4号はグエルに男として危機感を抱いている、という独自設定なのでした
- 51二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 02:00:48
保守
- 52123/04/11(火) 08:12:07
また裏話の続きとなります
【4話。(夜空の先へ)の裏話】
この話辺りから捏造が加速していきます。今回は寮生以外の人たちも平等に使える管理施設の存在です
各寮の特色が強いアスティカシアですが、初期のスレッタのように寮からあぶれた人も使える共同施設があるのではないかと考えました
ちなみにこちらの管理施設、高水準なサービスを提供していますが、いちいち料金が掛かるという設定になっています
今回の4号は決闘委員会の予算によるツケで小型巡視艇を借りました
あと受付をしてくれた人にも微妙な設定がありまして、彼は少し年若のお兄さんスタッフです。少し気やすい口調ですが、よく気が付いて笑顔が可愛いと評判になっています
そしてこの話の最後にようやくプロローグ以来のスレッタが登場します(声だけですけど)
それまで淡々と脱出準備を整えていた4号への、ご褒美のようなつもりで最後の会話は書きました
- 53123/04/11(火) 12:39:38
※SS内のイメージを著しく損なう恐れがありますので、レスは繋げないでおきます
【4話。(夜空の先へ)のすごくくだらない方の裏話】
※ある意味閲覧注意です
…本当にしょうもない裏話になりますが、この話を書いている最中にとあるギャグ漫画を読み始めました
シュール系脱出ギャグになると思うのですが、どことなくエラン・ケレスに似た髪形の主人公があの手この手でとある場所から脱出しようと仲間たちと奮闘する内容になっています
この話の影響で何を書いても「4号もこのままだとシュールギャグに突入してしまうのではないか…?読む人もそう思うのではないか…??」という疑心暗鬼に取りつかれた為、危機を感じてそのギャグ漫画を読むのを中止しました
多分読むのを再開するのは本編を全部書き終わってからになると思います(ホントくだらない裏話ですいません) - 54二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 16:31:44
保守
ちゃんとシリアスに見えてるで……! - 55123/04/11(火) 21:20:50
- 56123/04/11(火) 21:24:53
13話。プロローグ、あるいは…
※児童性的搾取を思わせる描写があります
エラン・ケレスは夢を見ていた。
まだ強化人士という言葉すら知らなかった頃。
訳も分からずペイルに連れて来られ、毎日怯えていた頃の夢だ
その頃のエランは■■■という名前だった。ペイルでは味気ない番号で呼ばれていたが、まだそばには唯一その名前を呼んでくれる人がいた。
『■■■…、気を付けて…』
『○○兄、だいじょうぶ?』
柔和な顔をしたその人は、1つ2つ年上なだけなのに自分よりも随分と大柄な体をしていた。もう顔半分ほど背が伸びれば、自分たちに威張っている大人と並ぶくらいの大きさだ。
その彼が、気持ち悪そうに蹲っていた。真っ青な顔をして、ぶるぶると震えている。
いつも頼りにしている存在が弱っている。その事実に、心配と恐怖が心の底からせり上がって来る。
『○○兄、○○兄…』
ごめんねスレッタ・マーキュリー─プロローグ、あるいは…─※児童性的搾取を思わせる描写がありますエラン・ケレスは夢を見ていた。
まだ強化人士という言葉すら知らなかった頃。
訳も分からずペイルに連れて来られ、毎日怯えていた頃の夢だ
その頃のエランは■■■という名前だった。ペイルでは味気ない番号で呼ばれていたが、まだそばには唯一その名前を呼んでくれる人がいた。
『■■■…、気を付けて…』
『○○兄、だいじょうぶ?』
柔和な顔をしたその人は、1つ2つ年上なだけなのに自分よりも随分と大柄な体をしていた。もう顔半分ほど背が伸びれば、自分たちに威張っている大人と並ぶくらいの大きさだ。
その彼が、気持ち悪そうに蹲っていた。真っ青な顔をして、ぶるぶると震えている。
いつも頼りにしている存在が弱っている。その事実に、心配と恐怖が心の底からせり上がって来る。
『○○兄、○○兄…』
彼をガクガクと揺さぶりたかったが、そんな事をしては吐いてしまうかもしれない。
涙目になりながら我慢すると、肩へそっと手を寄せて、背中をいたわるようにゆっくりと撫でていった。
しばらくして、彼は言った。
『■■■…。トイレや、倉庫…。いいや、とにかく一人でどこかの部屋に行くときは、物陰に気を付けるんだよ』…telegra.ph - 57二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 07:05:25
小説にエランへの外見の言及なかったのマジ良かったからこっちまで嬉しくなるわ
- 58123/04/12(水) 08:04:25
感想ありがとうございます
今まで特に外見描写がなかったのはわざとでした - 59123/04/12(水) 08:06:33
【5-①話。(回る毒 前編)の裏話】
※中編、後編のちょっとしたネタバレがあるため注意してください
VSプロスペラ回です
この話は最初は(前・中・後)に分かれる予定はありませんでした
当初の予定では「プロスペラと話し、小型艇に乗り、ベルメリアと話し、宇宙をスレッタと遊泳する」この1本のストーリーを3000~5000文字で書ききるつもりでした
…読めば分かると思いますが、はっきり言って無茶にも程がある構成でした
仕方ないので(前・後)に分け、後々それでも追いつかないので3部構成になりました
フロント脱出編で4号が警戒しているのはペイルとプロスペラですが、その割にプロスペラ側の描写は出てきません
これは底の見えないプロスペラを書くのは難しいと考えたからでもありますが、このお話の時点ではプロスペラはスレッタが誘拐されたとは気づいてないからでもあります
ヘアバンドは盗聴器でもあるのですが、ペイルのように常に監視をしている訳ではなく、スレッタに聞いてもよく分からない部分を補足するためのものでした
最優先で必要になるものでもない為、時間が空いた時に録音した音声を後で聞いていました。忙しいプロスペラですから、日付が変わる前くらいに確認していたと思います
4号がプロスペラに対して堂々と敵対宣言をした後、悠長にスレッタの体を調べていられたのは、夢の世界の記憶で薄々それに感づいていたからです
もしたまたま聞いていたとしても、学園へすぐに駆け付けられるわけでもありません
たとえ学園にすぐ行けたとしても、発信機がなければどこへ向かえばいいのか判断が難しく。更に発信機があってもそれを森に置いていってしまえば、次に4号が向かう場所はプロスペラ側には分からなくなります
これは4号側を監視しているペイルとの違いです。なので学園にいる間だけは、あまりプロスペラを警戒していない4号なのでした
ちなみに4号の「体も頂いていくよ」宣言を後で聞いたプロスペラは、その瞬間に(娘の純潔終わった…)と絶望していました
若い男が若い娘を攫ってすることなんて、ろくでもない事に決まってますから…
- 60123/04/12(水) 13:24:59
いま出先なので裏話更新は夜に行います
- 61二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 19:33:58
保守
- 62123/04/12(水) 22:12:24
保守ありがとうございます
では裏話の続きです
【5-②話。(回る毒 中編)の裏話】
この話は難産でした。具体的に言うと、セキュリティレベルが強すぎて受付のモブが突破できず、4号が行き詰りかけました
最初は特に何も考えずに書いていたのですが、小型とは言え宇宙船を借りるための施設です。それなりに確認作業が入るのではないかと考え、セキュリティを設定したところ、どうしても先に進めなくなりました
特に怪しいのが4号の持っている鞄です。大きいので、目立ちます。
当初設定していた性格のモブでは、どうしてもこの中身を見たがるため、随分と4号を困らせてしまいました
考えた末に、モブの性格を少し変え、慇懃無礼でありながら横着をする、という内面設定に変えてみました
ついでに独自のパイロットスーツなどを持ち込む生徒がいる(主にジェターク)という設定を付け加え、過去に荷物の中身を見る見ないの問答で何度もトラブルになったという過去設定も付け加えました
これによりようやく4号は受付のモブを突破することが出来ました。おそらく旧モブ受付はフロント脱出編一番の強敵でした
実際の文章ではそんな事どこにも描写していないので、本当に無駄な裏設定という感じになります
対してベルメリアさんとの会話はすらすらと書けました。ベルメリアさんのズルい所、研究者としての異常な所がその会話から感じて頂けたら幸いです
それとベルメリアさんに辛辣な口を利く4号ですが、これでもベルメリアさんに懐いている方です。前任者が前任者なので、さもありなん、という感じですが、彼はほんの少しだけ彼女に対して甘えているという設定です
彼女との会話中、4号は何度もショックを受けているのですが、それをわざと描写せずにセリフだけを重ねてみました
この辺りから4号の精神が限界に近づいていきます
- 63二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 00:46:27
はえ〜細かい こんなに深みがあると大丈夫ってわかっててもハラハラする 面白い
- 64123/04/13(木) 08:03:05
>>62 裏話ではないんですが、何か今ならモブの受付を突破できるかもしれないので投下します
「恐れ入ります。では、大変申し訳ありませんが、最後に手荷物の中身を改めさせて頂いてよろしいでしょうか」
「……荷物?」
「はい、お持ちになっている鞄の中身です。規定以上の大きさの持ち物は受付で調べることになっております」
「………」
そんな規則があったことを、エランは今の今まで知らなかった。
委員会の仕事は大抵寮の施設を使っていたし、ごくまれに使う管理施設でも、備え付けの備品を適当に使わせてもらうだけだったからだ。
エランは考えるように口元に指を添えると、困ったように少し首を傾げて見せた。
「…すまない。これには今度発売する商品の完成品が入っていて、自分以外には誰にも見せるなとペイル社から言われているんだ」
「しかし、規則で決まっておりますので」
相手も譲らない。
まさかこんなに頑固なスタッフに当たってしまうとは…。エランはため息を吐きながら、これ見よがしに先ほど使った端末を掲げて見せた。
「すまないがあなたの名前を教えてもらっても?」
「私の名前…ですか?」
「よければ僕の方から上司に直接お伺いを立ててみようと思ってね。あなたの名前と所属、ついでにあなたの直接の上司の名前も教えてもらえれば、交渉もできるかもしれない」
「そ、それは…」
「別に僕は構わないよ。機密事項をあなたに見せてもいいかと通話で聞くだけだ。僕の上司は困るだろうし、あなたと…あなたの上司はこれから困る事になるかもしれないけれど」
「………」
「今はまだ繋がっていないけど、一度繋がれば、あなたの生活は一変するかもしれない。…重ねて言うと、僕は別に構わないよ。あなたがどうなろうと、僕には関係ないから」
殊更に意識して冷たい目線で受付を見やると、あからさまに動揺した相手が腰を折ってきた。
「………も、申し訳、ありませんでした」
「…べつに、謝らなくてもいいよ。むしろ無理を言ったのはこちらの方だ。今の話は上司に言ったりはしないから、安心して」
「あ、ありがとうございます…」
「ではもう行っていいかな?」
「…はい、お気をつけて、いってらっしゃいませ」
「……ありがとう」
(4号の勝ち!…しかし心に大ダメージ!)
- 65123/04/13(木) 08:07:33
- 66二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 12:46:25
頭いい 使えるもんは使おうぜ
- 67123/04/13(木) 13:17:53
感想ありがとうございます
4号は頭がいいですが書いてる人はそうでもないので毎回苦労してネタを捻りだしております
【5-③話。(回る毒 後編)の裏話】その①
この話は前半のアクションの山場として書きました。一応ジャンルはロボット物なので、一度はモビルスーツに乗せて見たかったのもあります
デミトレーナーを自分の思う通りに描写して動かすのは思いのほか楽しいものでした
こちらも地味に捏造設定がありまして、セキュリティの外し方や、一連の動作の登録など、そういう細かい所を都度適当に考えました
あと中編で4号が船の中でやる事がある、と何やら作業してるような説明を入れましたが、これは船が発見されてもすぐに調べられないように各部屋を物理的にロックさせたり、推進剤をタンクに詰め替える作業だったりします
推進剤を多めに入れてくれた受付のお兄さんは、実にいい仕事をしてくれました
そして4号がスレッタを連れてデミトレーナーから出ていくところは、臨場感を出すために文章の書き方を少し工夫してみました
とはいっても似たような手法はすでにスレッタに睡眠薬を嗅がせる時に使っているので、今回はその応用…というか派手バージョンだったりします
うまく描写できていればいいなと思います
- 68二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 20:07:27
規制くらって書き込み出来なかったのが解除されたー!
裏話ありがとうございます。
ミオリネの理事長室泊まるまでのスレッタがいた場所とか、共有施設とか普通にありそうだよね~と思っていたので小型艇借りるシーンとか違和感ありませんでした。レンタル代金を決闘委員会のツケにしてたのは笑ったけど。
逃亡時点でジェターク寮長はラウダになってて、グエルがいないから委員会メンバーの中で権力あるのはシャディクだろうし、まじでフロント管理部に叩き起こされたんだろうなー。 - 69123/04/13(木) 22:26:47
感想ありがとうございます
管理施設はいくつかの棟に分かれていて、宿泊施設、娯楽施設、学習施設、宇宙港施設など色々ある設定です。宇宙港施設だけ規模が大きいので、入り口とかは別に作られてます(描写はしてません)
シャディクはしばらく睡眠不足が続きます
多分しれっとした顔で「そんな仕事は頼んでないのに、エランは一体どうしたんだろうね…」と他の決闘委員会メンバーと話し合ったりしてます
そして養父も巻き込んで、チクチクとペイルに追及していくことになります - 70123/04/13(木) 22:29:53
では裏話の続きです
【5-③話。(回る毒 後編)の裏話】その②
更に山場となる宇宙遊泳についてなのですが、ここの描写は書くのがとても楽しかったです
前編から4号の精神を水、波紋で表現していましたが、どうとう氾濫を起こそうとうねりを上げて来ました
このSSの4号は精神的に耐えるのはそれなりに出来ますが、攻撃するのはそれほど得意ではないという設定にしてあります。根本的に性格が優しいのですね
それをあえて無視して毒と言う名の罠を各陣営に張っていたわけですが、これは4号的には相当無理をしています。良心の呵責を見ないフリしてここまで進んできたわけですが、傷ついた剝き出しの心が4号本人に牙をむいてきました
この辺りの描写は最初から最後までザーッと一気に書き上げてしまい、あとで物足りない所を何回か付け足すくらいで済みました
ただ書き逃げSSさんに投下した後に付け足したところもあるので、初期にご覧になった方にはなんか言葉が増えてるなと思われる方もいるかもしれません
描写を増やしただけなので、ストーリー的には何ら変わりはないです
- 71二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 07:08:17
保守
- 72123/04/14(金) 08:21:31
保守ありがとうございます
裏話の続きは昼過ぎになります - 73123/04/14(金) 14:05:07
裏話の続きです
少し迷いましたがこれも少し話のイメージが変わる恐れがあるためレスは繋げないでおきます
【5-③話。(回る毒 後編)の裏話】その③
この話で心が崩壊する直前に掬い上げられた4号ですが、スレッタが起きる前に心の中で思っていた事が彼の偽りのない本心です
嫌われずに一緒にいる。そんなささやかな願いの達成が難しい立場であると、4号は分かっています。誘拐の実行犯なので仕方ないです。でも4号の本音は嫌われるのはとても怖くていやな事だと思っているのでした
本来なら『ずっとスレッタと仲良く一緒にいたい』という幼くて可愛い願いなんですが、狂気に晒されたせいでものすごい出力でお出しされたのが今回のお話です
ただ4号は根本が優しい少年なので、あのままスレッタが起きなかったとしても最後まで手を下せていたかは分かりません。首に触った時点で手を離してたんじゃないかと思います
それとあのタイミングでスレッタが起きた理由なんですが、単純に4号が名前を連呼してたからです…。う~んむにゃむにゃ、誰かが呼んでるから起きなきゃ…みたいなノリで彼女は目覚めました。身も蓋もないですね
ちなみにとてつもなく残念な事なんですが、こんなヒロイックな宇宙遊泳をしておいて、スレッタの好感度はそんなに上がってません
一応デブリから守る動作そのものにはスレッタはきゅんとしてますが、必要だからと2、3時間も宇宙遊泳したことを告げたら、多分4号はすごく怒られると思います
怖い思いをさせたくないからと4号は黙ってますが、それで正解なのでした…(怒られるので) - 74二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 14:32:16
スレッタ、救助にはプロ意識というか、プライドがあるから危ない宇宙遊泳は怒るでしょうね
4号の戦闘スタイルから空間把握能力は高そうだなと思っていたので宇宙遊泳のシーンの描写は嬉しかったし説得力ありました。
マジで座標だけで目的地に行けるのは凄い能力。 - 75123/04/14(金) 22:15:37
感想ありがとうございます
基本的に4号を立ててくれるスレッタですが、一度怒るともう4号では敵わなくなります
自分が悪いと分かっている場合は、4号は嵐が過ぎ去るのをただ待つのみです…
それと座標ですが、デミトレーナーから出て来る直前まで一応はモニター表示してました
あとは体がクルンと回ったらそれだけでマズイことになるので、空気の放出はとても慎重に行ってます
その辺りきっちり仕事をしてくれたデミトレーナー君に感謝ですね(大破した彼を見ながら)
- 76123/04/14(金) 22:19:29
14話。地球に落ちた種
※スレッタ視点、少し短いです
無事に地球へと降りた船の中から、慎重に一歩を踏み出していく。
「スカーレット、手を」
「はい、エランさん」
補助してくれる彼に感謝しながら思ったのは、匂いが違う、という事だった。
人工的なものとは違う、有機的な匂い。埃っぽく、どこか懐かしい匂い。
搭乗橋の上からぐるりと景色を見渡すと、壁で区切られていない空は、どこまでも続いているように見えた。
いや、事実続いているのだった。
映像ではない不規則な形の雲が、視界を流れていく。
それをスレッタは、不思議な気持ちで眺めていた。
ごめんねスレッタ・マーキュリー─地球に落ちた種─※スレッタ視点です無事に地球へと降りた船の中から、慎重に一歩を踏み出していく。
「スカーレット、手を」
「はい、エランさん」
補助してくれる彼に感謝しながら思ったのは、匂いが違う、という事だった。
人工的なものとは違う、有機的な匂い。埃っぽく、どこか懐かしい匂い。
搭乗橋の上からぐるりと景色を見渡すと、壁で区切られていない空は、どこまでも続いているように見えた。
いや、事実続いているのだった。
映像ではない不規則な形の雲が、視界を流れていく。
それをスレッタは、不思議な気持ちで眺めていた。
スレッタ・マーキュリーは物心ついた頃から水星で暮らして来た。
とはいっても、実際は地面の上で暮らしていた訳ではない。水星は人が根を下ろせるほど優しい星ではなかった。
水星軌道基地「ペビ・コロンボ23」それがスレッタの正確な故郷の名前だ。
天然の小惑星を改造したフロントとは違い、「ぺビ・コロンボ23」は完全な人工物で出来ている。太陽からほど近い水星では、頑丈な特殊金属で囲われた住居でなければ生活はできない。
たとえ小惑星を使えたとしても、その恩恵のほとんどは使用せずに終わってしまうだろう。…telegra.ph - 77二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 22:32:35
でやあああああああああ(萌死)
笑った顔見て自覚とか……
これから大変になるのかラブラブ一直線になるのか……どちらにせよファイト - 78二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 01:18:15
今更だけど元スレのタイトルとはいえこの物語としてのタイトル?(サブタイもあるけど)がごめんねスレッタマーキュリーなのめっちゃ良いな
- 79123/04/15(土) 10:07:01
- 80123/04/15(土) 14:43:40
では裏話の続きです
【6-①話。(黒風白雨の小休止 前編)の裏話】その①
タイトルの黒風白雨とは嵐のことです。嵐の擬人化のごとく暴れまわった4号の休憩回となります
黒風白雨という字面はなんとなくファラクトとエアリアルを彷彿とさせるので、ちょっと気に入ってる名称です
この回からほんのり裏ルートの姿が浮かび上がってきます。4号とスレッタがアスティカシアから去った後、彼らの残したものを武器に子供たちは戦っていくことになります
とはいっても、今回のアイテムは日記帳だけです。主に話に上がって来るのは4号が残した遺書のフリをした日記帳になります
これが元でとあるキャラが復讐の鬼になってしまうのですが、そんな事今の4号とシャディクは知る由もないのでした
それと細かい事ですが、さりげない行動によって4号の内面が推し量れるポイントをいくつか書きました
部屋を見回す(警戒)、スレッタの身柄を人に任せない(警戒)、寝ているスレッタの体に手を回す(警戒)、食料を口にしない(警戒)。などなど。
警戒ばっかりですが、これがシャディクの前だと一気に気が緩んだ行動をし始めます
けっこう分かりやすく態度に出る4号です
- 81二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 18:34:42
4号すげえ張り詰めてる感伝わってきてたわ
- 82二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 20:50:18
- 83123/04/15(土) 20:52:01
では引き続き裏話の続きです
【6-①話。(黒風白雨の小休止 前編)の裏話】その②
今回出て来たシャディクの配下ですが、ある組織に所属している工作員になります。ただし忠誠はシャディク個人に捧げられています
彼らは戦闘は得意ではありませんが隠密行動が得意で、いつも学園の近くの宙域に潜んでシャディクの命令を待っています。必要な物や情報を届けたりと、細々した用事を果たすのが主な役目です
『友との語らい』で間髪入れずに船を用意できるとシャディクが言っていた根拠がこれです
ちなみにダミーも用意するとシャディクは言ってましたが、これは他の輸送船のことです。4号が乗った船とは違い普通に情報発信しながら近くの宙域を航行させてます
ただ4号が頑張ってすごく長い時間を宇宙遊泳したのでタイミングが合わず、ダミーの船たちはペイルなどに調べられることなく終わりました(ダミーの意味…)
今回はいつも待機している場所から少し離れた宙域まで、わざわざ4号たちを迎えに来てくれてます
- 84123/04/16(日) 07:47:08
では裏話です
【6-②話。(黒風白雨の小休止 後編)の裏話】その①
この回で4号が暴れまわった後の整理整頓が行われます
手袋を証拠品と一緒に投げ捨てたり、ヘアバンドを小箱に保護して森に放置したりしてましたが、一応4号は使い方を考えてそうしてました
この証拠品、けっこうな高確率で地球寮の人たちが拾ってくれるだろうと4号は思ってます
夢の世界の記憶で地球寮メンバーの人となりを知っている4号は、彼らのことを信用してます。同郷の仲間でもありますし、何より底抜けのお人よしが揃っていることは見てて分かりますから
なので一応計画には組み込んでますが、それほど深入りはさせないようにシャディクに頼んでいます。株式会社ガンダムの設立がないので、よほどまずい動きをしなければ彼らは大丈夫です
あとはエアリアルも、もしグラスレー側で回収できてもスクラップにしないように強く頼んでいます。4号にとって恩人(?)なので、言葉を尽くしてお願いしたようです
シャディクもエアリアルが有用なのは分かっているので、あまり無茶はしないと約束してくれました
そして問題のエラン様なのですが、彼はとある目的の為に暗躍してます。その目的はフロント編のエピローグSSを読めば何となく分かると思います。言うまでもなく、独自設定です
次の投稿は夜になります
ではまた
- 85二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 18:36:35
このレスは削除されています
- 86123/04/16(日) 18:42:02
まだ興奮冷めやらぬ…!という感じですが、裏話の続きを投稿します
【6-②話。(黒風白雨の小休止 後編)の裏話】その②
デミトレーナーや小型巡視艇ですが、これは4号が思ったよりも綺麗に罠として機能しました
巡視艇を鹵獲したのはペイルですが、船を調べるのに時間を消費したところ、それを学園の管理施設に把握されたりしてます。一応エラン・ケレスから救援信号が届いたから救助しに行ったと言い訳してますが、これにより大破したデミトレーナーをすぐに見つけることが出来なくなりました
そして大破したデミトレーナーですが、普通の一般輸送船に先に発見されました。それも管理施設に報告が行った為、あとでペイルは揉み消すのに大変苦労しました
更に奇跡的に4号が残したスレッタの私物が一部だけ溶けずに残りました。燃料の隣に配置したのですが、特別仕様のアタッシュケースはその装甲も特別仕様なのでした
これを回収した輸送船の船長は、学園に報告したあと一歩遅れてやって来たペイルからの尋問を受けます。いくら何でも強権を行使しすぎて怪しいのですが、アーシアンの船長はスペーシアンの横暴に屈するのでした。…くっ…
そこでペイルはスレッタと4号の死を確信することになります。ガサ入れをしても何も出てこないうえに、近くの宙域にはほかに船が通っていなかった為、生存は絶望的だと報告することになります
面白いくらいに4号の罠にはまってくれてますが、前日まで行動のすべてを把握していた相手のことなので仕方ありません。すべては4号とシャディクの電光石火かつ異常な行動力が悪いのです
ただすべて4号の思う通りに行くわけもなく、学園に残した手袋と証拠品は後に意外な人物に拾われてしまい、裏ルートでのけっこうな分岐点となるのでした
ではまた
- 87123/04/16(日) 18:55:49
思わず14話の感想を書いてしまったのですが、あまりにご機嫌な感想すぎたので消しておきました
一言で言うと、とても…面白かったです…!
とりあえずこのSSは独自設定で最後まで走り抜けたいと思いますので、よろしくお願いします
- 88二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 22:39:14
個人的にifものとしてめちゃくちゃ面白いから2期と齟齬あっても全然オッケー
- 89二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 00:07:29
- 90123/04/17(月) 09:05:00
では裏話の続きです
【7-①話。(怪物の献身 前編)の裏話】その①
スレッタ視点です
冒頭は宇宙遊泳から始まりますが、ここでスレッタの救助にかけるプライド…自信のようなものを書いてあります
なんせ4号相手に上から目線です。救助に関しては誰にも負けません!という気概を感じます
あとはさり気なく4号の技術の高さを感じさせる様子も織り込んでみました
4号視点を読めば分かるのですが、この時の彼はそうとう混乱しています
もしかしたら読んでいる時、デブリの対処とかは大丈夫なの?と心配された方もいるかもしれませんが、こちらがアンサーです。彼は混乱しながらもどこまでも冷静に対処してました
そして彼の気配りに満ちた対応にスレッタはちょっとときめいています
ヒロイックな所にはそんなに心惹かれませんが(なんせ自分でもできるという自負があるので)、自分を気遣ってくれる優しい所にはキュンと来るスレッタなのでした
- 91二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 11:45:33
裏話でペイルの混乱ぶりが知れてちょっとスカッとしました
シャディクのシャディえもんっぷりは14話観た後だと「普通に出来そう」っていう感想になりましたね - 92二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 12:19:35
感想ありがとうございます
書いてる方もペイルに関してはざまぁねぇぜ!と思いながら裏話を考えてました
唯一4号は生きてると確信してるエラン様が黙っているので、ペイル側からの追手は4スレにはかかりません
ちなみにエラン様はラスボスと称してるんですが、正確には第三勢力的位置づけです。裏ルートではけっこうな頻度で子供陣営の有利になるような動きをしてくれます
あとシャディクですが、実は話を考えてる時はシャディえもんすぎるかな?と思ってたんですが、本編で軽々とその上を行かれたので安心してこれからもシャディえもんさせる事にしました
とはいっても地球降下後の出番はほぼないので、裏ルートのシャディえもんっぷりは皆様の想像にお任せしたいと思います
長くなってしまいすいません
裏話の続きはまた夜に行います
ではまた
- 93123/04/17(月) 22:04:47
裏話の続きです
【7-①話。(怪物の献身 前編)の裏話】その②
目覚めてから、スレッタはどこかふわふわしてます
薬の影響もありますが、彼女はまだ自分が学園にいると思い、事態の深刻さに気付いていません。一応すぐに訂正されますが、この辺りの認識の齟齬は、けっこう後々まで引きずる事になります
ただそれがすべて悪いという訳でもなく、スレッタの明るいところに4号は救われ癒やされていくことになります
それから、起きたスレッタに4号はあまりベタベタと近づかないようにしてます。意識を失っている時は体に手を回して守ってましたが、目が覚めた途端にスッと手を離したりと、一応は気を使ってます
4号自身はこの時点ではそんなに意識してませんが、自分がされたら嫌な事をしない、という常識がそうさせました
スレッタ自身が許していくので、身体接触は徐々に増えていくことになります
- 94二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 07:21:04
ほっしゅ
- 95123/04/18(火) 08:13:26
保守ありがとうございます
すいませんちょっと時間取れないので裏話は昼過ぎに投稿しに来ます
ではまた - 96123/04/18(火) 12:18:50
では裏話の続きです
【7-②話。(怪物の献身 後編)の裏話】その①
この話は題名、中身、ともに気に入っています。なんせ愛の告白回なので、気合を入れて書きました
『怪物の献身』というサブタイトルは、『怪物との契約』を書いている時にはもうどこかで使おうと決めていました
健やかに育つことが出来ず、歪でどこか怪物のような心を持ってしまった少年が、その心を命ごと一人の少女へ捧げようとするお話です
ただしあくまで怪物なので、力加減が分からずに少女の心も傷つけてしまいます。自分が想われているとは思ってもいないので、怪物本人は少女の心をそこまで傷つけたつもりはないのでした
そしてここまで激しい愛の告白をしておいて、そんな…!と思うかもしれませんが、4号は自分の発言の意味にまったく気づいてません。つまり、愛の告白をしたとは思っていません
情緒面が未発達だったり色々要因はあるのですが、この時点のスレッタへの愛のなかに、実は『性愛』が含まれていないのです
一応独占欲っぽいものはあるのでアガペーとは違うのですが、一番分かりやすい愛の形がないので、4号は自分でもスレッタへの気持ちがどういうものなのか把握できていません
一番近いのは、園児がお気に入りの友達と一緒にいたい!あそびたい!と力いっぱい主張している感じでしょうか
これは後半に連れて段々と是正されていく予定です。怪物が少しずつ普通の少年になっていくところを、ゆっくりと書いていきたいと思います
ではまた
- 97二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 12:25:13
シャディクにからかわれた時に肯定したり、グエルにライバル心があったり萌芽はちらほらあるんですが過去も現在も色々ありすぎて色恋に割ける心の余裕が無いんですかねえ
誘拐されたのに4号や密航船のスタッフが優しいおかげで現実味がないスレッタの方が恋心を先に自覚する流れに説得力があります
好き - 98123/04/18(火) 21:38:19
感想ありがとうございます。好きと言って頂けて嬉しいです
4号の恋心ですが、今のままでも恋しく思う心自体はあるんですが、それが正しく恋情というものなのかは疑問な感じですね
性愛も含めた恋の種はまだ4号の胸の内に埋まったままです
土壌が整ったら多分一気に成長します
そしてご意見の通り、スレッタの現状把握がふわふわしてるのはほぼ4号のせいです
もう甘やかすだけ甘やかしてます。スレッタには必要なことではあるのですが、もし見ていたらミオリネ辺りが苦言を呈しそうなくらいに甘やかしてます
- 99123/04/18(火) 21:41:15
15話。静かな夜
エラン・ケレスとスレッタ・マーキュリーの二人は、何をするでもなく貨物列車の荷台に揺られていた。
大陸の中央部。まだあまり治安が良くない地域を、少しずつ進んでいく。
本当は一足飛びに治安のいい地域へ行った方がいい。それをエランは分かっていたし、当初はそのつもりで情報を集めようともしていた。
けれど数日前。地球に降下したその日のうちに、スレッタがこの辺りの景色をもっと見ていたいと控えめにお願いをしてきたのだ。
入管ゲートを突破して自由の身になった二人は、具体的にどこへ行くのかを話し合った。そうして、スレッタの口から出てきたのが先のお願い事だった。
よほど降り立った時に見た地球の景色が気に入ったらしい。
この辺りは特に風光明媚な場所という訳ではない。むしろ宇宙へ行く足がある割に寂れているような地域だった。
だが、それが却ってスレッタの琴線に触れたのかもしれない。
土地を効率的に使わなければいけないフロントに比べて、ここは贅沢と言えるほどに人も建物もまばらにしか存在していない。
少し進めば放置された公園や学校があり、植物が至るところに生えていて、野生動物がそれを啄んでいる。
ごめんねスレッタ・マーキュリー─静かな夜─ エラン・ケレスとスレッタ・マーキュリーの二人は、何をするでもなく貨物列車の荷台に揺られていた。大陸の中央部。まだあまり治安が良くない地域を、少しずつ進んでいく。
本当は一足飛びに治安のいい地域へ行った方がいい。それをエランは分かっていたし、当初はそのつもりで情報を集めようともしていた。
けれど数日前。地球に降下したその日のうちに、スレッタがこの辺りの景色をもっと見ていたいと控えめにお願いをしてきたのだ。
入管ゲートを突破して自由の身になった二人は、具体的にどこへ行くのかを話し合った。そうして、スレッタの口から出てきたのが先のお願い事だった。
よほど降り立った時に見た地球の景色が気に入ったらしい。
この辺りは特に風光明媚な場所という訳ではない。むしろ宇宙へ行く足がある割に寂れているような地域だった。
だが、それが却ってスレッタの琴線に触れたのかもしれない。
土地を効率的に使わなければいけないフロントに比べて、ここは贅沢と言えるほどに人も建物もまばらにしか存在していない。
少し進めば放置された公園や学校があり、植物が至るところに生えていて、野生動物がそれを啄んでいる。
管理されたフロント…telegra.ph - 100二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 22:00:52
切ないですが、綺麗ですね
- 101二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 22:21:21
退廃的で静かで綺麗なのが伝わってくるわ……
- 102123/04/18(火) 23:30:15
- 103123/04/19(水) 00:33:28
最新話ですが、ほんの少し修正をかけました
冒頭部分、少し言葉の響きが良くないなと思ったところを直してあります
サンプルと本文の表現が少し違っていますが、内容的には変わりはありません
それではご報告までに - 104123/04/19(水) 08:13:39
裏話の続きです
【7-②話。(怪物の献身 後編)の裏話】その②
前回と同様に喋りまくる4号ですが、けっこう順序立てて話せたのではないかと思います。何も知らないスレッタ相手ですから、4号はとても丁寧に説明しました
ただしプロスペラ関連に関しては一言もしゃべってません。これを言うとスレッタは母親の味方をすると分かり切ってますので、ペイル社だけを悪者にしてスレッタを説得しようとしています
案の定スレッタは母親を妄信した発言を多くします。これには内心で4号は憤っていました
しまいにはトラウマワードの逃げれば1つ、進めば2つに、またもや母親を頼りにする言葉です。うっかり4号も声を荒げてしまいます
ここで4号は思考を切り替えます
───自分が持っているものはスレッタに対する思いだけ、ならすべてを捧げて彼女を助けよう。…たとえ彼女を脅してでも
もはや穏当に説得するプランを4号は投げ捨てました。…若干ヤケになってます
そうして優しいスレッタに対して自分の命を盾に取り、ムリヤリいう事を聞かせる手段を取ったのでした
読んでいる方の中には、4号がいくら力を込めても先に意識を無くしたら(スレッタが手を離すだろうから)命は助かるんじゃ?と疑問に思った方もいるかもしれませんが…。実は4号はそうして意識を無くした場合、次に目覚めた時に自死するつもりでした
けっこう危険な賭けだったと思います。力加減を間違えたらすぐ意識が無くなりますから。もしそんな事になってたら、スレッタは泣き、シャディクも泣き、と散々な結果に終わってました
結果自体は次のお話に持ち越しになるのですが、もうこの時点でスレッタは4号の気迫に吞まれています。彼女が4号に透明な首輪を付けられるまで、秒読み段階なのでした
- 105123/04/19(水) 14:15:06
次の裏話は夜に投稿します
このSSスレには珍しく若干センシティブな内容になったので、真っ昼間からそれはどうかと思った次第です
裏話というよりはIF話になるかと思います
ではまた夜に - 106二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 20:03:01
一応保守
- 107123/04/19(水) 21:35:49
保守ありがとうございます
今回は裏話…というかIFネタの放出になります
珍しくセンシティブな内容なので、レスは繋げないでおきます
【7-②話。(怪物の献身 後編)の裏話】その③
※センシティブ注意です
実はこの話からの分岐で、ものすごい力技で最短かつ最後までハッピーエンドに持っていける方法があります
タイミング的にはここで仕掛けるのが一番安全かつ効果的です
前提条件というか、主に4号の精神状態が変わってしまうので本編では絶対にないルートなのですが、一応明記しておきます
その方法とはズバリ、スレッタをこの時点で性的に襲いまくって身も心も4号のものにする事です
もうそんなの4号じゃないよ!と思うかもしれませんが(実際にこのSSの彼はそんなこと想像すらしないのですが)、仮に性的にスレッタを襲ってそれはもう思うさま貪った後に
「地球に一緒に行って、僕のお嫁さんになって」
と4号が懇願すると、身も心も4号でいっぱいになりついでに息も絶え絶えになったスレッタは
「…はい♡エランさんのお嫁さんになります♡」
となって地球降下後も何のトラブルもなく幸せに暮らせます
つまりちびタヌキとちびキツネと、ついでに犬に囲まれた家族ルートが速攻で開けます
ごめんねスレッタ・マーキュリー完!ハッピーエンド!です
…まぁそんな事にはならないので本当に与太話になります
ゲームに例えると、4号の子供時代からやり直さないとこちらのルートに分岐しないものと思われます
その場合4号の過去が本編よりさらに後ろ暗いことになります
こちらの話はもし需要があれば、こぼれ話とは違うIFストーリーとして短編を書いてみようかなと思います
ただ本編の二人がきちんと結ばれてからになると思うので、いつになるのかは皆目見当がつかないのですが…
それでも良いよという方は気長にお待ち下さい - 108二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 21:46:20
このルートも見てみたいです!
お待ちしております! - 109二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 00:44:58
- 110二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 06:56:19
- 111123/04/20(木) 08:07:37
- 112123/04/20(木) 13:27:59
裏話の続きです
【8話。(硬実種子と二者択一)の裏話】その①
冒頭で4号の生きるスタンスを書いてみました
彼は実のところ相当プライドが高いのではないかと思っています。外的要因で上手くいかない事がほとんどでしょうが、それでも自分なりによく考えて日々を生きているような印象を受けます
自分で決めた事を自分で覆すようなことはしない、という誇り高さも感じます。ある意味素直というか、頑固というか。ミオリネへの興味ない発言やエラン様の真似をしない様子からもうかがい知れます
なのでただ流されるだけでなく、押しつぶされそうな中でも彼は何かしらを自分で選んで来たのではないかと考えました
そうして考え出したのが、この二者択一というスタンスです
スレッタの勇気の呪文と似ているけど違う。彼女よりより切迫した内面を垣間見れるようなモノにしてみました
8話以外ではあまり出てこない言葉ですが、このSSの4号の根幹にはいつでもこの言葉がともにあります
- 113123/04/20(木) 21:37:56
IF話のレスが他よりハートを集めていてちょっとフフッとなりました。正直な人はめちゃくちゃ好きです
センシティブ話は書いた事がないのでどうなるか分かりませんが、自分なりに頑張ろうと思います
では裏話の続きです
【8話。(硬実種子と二者択一)の裏話】その②
4号の冒頭の独白で自分の命が無くなっても彼女を助ける、という決意のようなものがあるのですが、これは4号自身の本当の願いとは少し違っています
実は4号は最低限叶えたい目標を2つ持っています。1つはスレッタが死なずに普通の女の子として生きる事。もう1つはスレッタの心に個人としての『自分』が残る事です
これは本当に最低限の目標です。例えば4号が死んだとしても、スレッタが魔女にならずその心に死んだ4号が思い出として残るなら、目標達成です
ささやかすぎる願いですが、それすら叶えられるか分からない4号は必死です
もしスレッタが4号と共に逃げることを拒否していたら、少し寂し気に笑った4号は、それでも満足そうに死んでいたことでしょう
彼女が死んだ後の自分を忘れるとは思っていません。どこまでも純粋にスレッタという少女の善性を信じています
しかしきちんとした自覚はありませんが、4号自身の本当の願いはいつまでもスレッタと共にありたいというものです
最低限の願いが確実に叶うと確信した後、新たに発生する二者択一で掴み取るものは少しずつ本当の願いに近づいていくのかもしれません
もしかしたらその願い以上のものが手に入る可能性も、あるかもしれません
- 114二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 01:31:32
保守
- 115二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 04:53:23
- 116123/04/21(金) 08:33:11
- 117123/04/21(金) 14:45:47
裏話の続きです
【9話。(友との別れと祈りの言葉)の裏話】その①
4号の大人への苦手意識を軽くする、その序章ともいえる回です
この辺りからモブが目立ってきますが、これは当初の予定にはないものでした
しかし少年が一人の少女を守ろうと奮闘している姿を見て心動かされない大人はいないだろうなと考え、少しだけモブを目立たせることにしました
前々から4号の警戒する姿に思う所ありそうな描写を入れていたのですが、最後の最後に少しだけ私情を出して4号を激励し、姿が見えなくなるまで手を振ってお別れをするシーンを入れました
設定ではこの2人『ケビン』と『ローズ』は、宇宙議会連合から派遣された工作員になります。けれど今はシャディクに個人的に忠誠を誓っています
工作員ですが荒事は苦手で、とてもお人好しな2人です。主が逃がそうとしている少年少女を、実は彼らは最初から気にかけてくれていました
この後もモブおじさんラッシュが続くのですが、4号が彼らに少しだけ心を許していくのは、最初の『ケビン』と『ローズ』の2人がきっかけになっています
それと4スレも地味に進展していて、とうとう手繋ぎ解禁です
元スレでも手繋ぎはけっこう重要ワードになっているので、これから逃走中の2人は手を繋いでいる状態がデフォルトになります
怖い事をした4号の手ではありますが、スレッタは段々と彼の手そのものに安心感を覚えるようになっていきます
その手がエラン様や5号と違ってゴツイという設定なのは、まぁわざとです(学園時代は違いを手袋で隠してました)
- 118二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 22:42:56
では裏話の続きです
【9話。(友との別れと祈りの言葉)の裏話】その②
新しい船に移動すると、4号の警戒度は元に戻ります。新しいモブおじ『ハンス』が登場したからです。彼は研究員のような雰囲気の胡散臭い男ですので、4号のトラウマを刺激する存在になります
ここで今まで省略していた描写を盛り込み、4号がペイル時代から注意深く生きて来た情報を公開しました。そして少しペイルの研究者に対しての恐怖心があると、うっすら分かるように書いてみました
この観察癖ですが、実は今までも決闘委員会のロビーを目だけ動かして見ていたり、ケビンに通された部屋を見回していたりと、一応一貫した態度はさせていました
ちなみに黒風白雨の時は意識を失っているスレッタがそばに居たので洗面所の確認は後回しにしてましたが、シャディクと話し合いをした後に、彼にスレッタを見てもらいつつわざわざ確認しに行ったりしてます
この注意深さが地球降下後でも役立ちます。彼は少しでも危険だと感じたら近づかない(スレッタを近づけさせない)ので、事前に危ないところを回避できたりしています
- 119二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 07:38:34
ほしゅ
- 120123/04/22(土) 07:58:15
保守ありがとうございます
では裏話の続きです
今回はあんまり9話の話題とは言えない事と、何だかメタい裏話になったのでレスは繋げないでおきます
【9話。(友との別れと祈りの言葉)の裏話】その③
※メタ話が強いので注意です
この話でとうとうシャディクともお別れです。彼は書いてる人(スレ主)が想定している以上のことを勝手にセリフで喋ったりしていたので、もうそんな驚きがなくなるのかと書いてて少し寂しくなりました
具体的には黒風白雨の前編での地球へ降下するまでの道のりと、市民カードの存在、そしてランダムネームの下りです。この辺りは勝手にペラペラと喋ってました
スレ主はただ手を動かしてそのシャディえもんっぷりに感心していただけです。そんなに船を乗り継がなくていいんじゃないの…?と思ったりしたのですが、じゃあ別の事言わせるかと思うと彼は途端に喋らなくなりました
なんかよく分からんけど必要なんだな…と思いつつ書き進めていました。これがのちに4号にとっての重要な要素、大人への警戒度下げと偽名に関するモヤモヤの解消エピソードのきっかけになるとはその時は思っていなかったのです
元々考えていた設定のほかに、こうやって突発的に起きるエピソードによってこのSSは作られています
けっこう行き当たりばったりなのでした
そして最後に穏やかにお別れしたシャディクと4号ですが、ここで4号に心の中でこっそりシャディクの事をお祈りさせています
相手に伝わっていないので自己満足に過ぎませんが、少しだけ4号の心が上向きな気持ちになりました
こうやって彼の心は少しずつ豊かになっていきます - 121二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 08:42:22
やっぱ自分のこと実験体としか思ってない連中としか話してなかったら、心も磨耗するよねえ
- 122二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 12:43:26
ご感想ありがとうございます
4号は豊かな感情(水)の持ち主でしたが、心を守るために感情を凍らせて『氷の君』になったという解釈をしています
まぁ言葉は変えてますが摩耗しまくってますね…。よく優しい心を失わなかったと彼には感心しきりです
『氷の君』は夢の記憶を見てから『灼熱の君』になり暴走し始めましたが、地球降下の前あたりから段々と冷えて最終的にはまた豊かな水を湛えるようになる予定です
途中で霧になったり雨が降ったりしますが、隣にはスレッタがいるので大丈夫です
ついでに書くとスレッタは土のイメージです。本来は豊かな土壌なのですが、愛情(水)をそれほど貰えなかったので乾いた不毛の地になってます
4号がせっせと水を飲ませるので、彼女の心もだんだんと潤い豊かになっていきます
何だかすごく長くなってしまいました。すいません
ではまた夜に
- 123二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 12:47:47
恵みの雨が降り注いで豊穣の大地になるんですね
持ちつ持たれつな感じですね - 124二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 22:46:03
感想ありがとうございます
このSSでは4号とスレッタは魂の片割れのような、運命的な2人として書いています
では裏話の続きです
【10-①話。(きみが呼ぶ名前 前編)の裏話】その①
※ほぼオリキャラについての裏話なので注意です
本格的にモブおじラッシュの始まりです。手始めに『ハンス』が暴走し始めました
彼は最初から二面性があるという設定で、慇懃無礼な態度とテキトーな態度、両方の顔をシームレスに使い分けている人物です
性格は捻くれてますが心根はそれほど悪くなく、気に入った相手に何くれと世話を焼いてくれます。今回は4号がすごく警戒しているので、できるだけ離れてあげてました
4号が『こいつはこういうヤツだろう』と予想した人物像を外す役目を持っています。4号は人物観察の方にはそれほど力を入れていなかったので、初見のイメージが外れることもあったりします
そしてさり気なく最初の船の男女、『ケビン』と『ローズ』の名前を教えてくれます。ついでにお前たちのことを気にしてたぞ、と教えてもくれます。そんな事を言ってる本人が4号とスレッタのことを気にしてくれているのですが、それは決して言いません。なんせ、彼は捻くれてますので
実はこの『ハンス』、元々は宇宙議会連合の工作員ではありません。では何なのかというと、シャディクの国(裏ルート設定ではシャディクは亡国の王子)の元国民です。妹と弟を不当にスペーシアンに害された経験を持ち、個人的にスペーシアンを嫌っています。今はシャディクに協力するという条件で宇宙議会連合に所属し、シャディク直下の船の重要な役員になってます
4号とスレッタのことを弟妹と重ねて見ているところもあり、張り詰めた4号をさり気なく窘める場面もあります。逆にスレッタには優しくしてあげてます
ちなみにモブおっさんズ(ケビン含む)全員と知り合いなので、彼に渡りを付ければもう一度好きなモブおっさんに会えます
あとスレッタにあげたタブレットは彼の私物だったりします。元々は彼の弟のもので、中に入っているコミックデータなども弟さんが購入して楽しんでいたものです
- 125二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 23:21:04
毎日朝夕巡回してます
オリキャラの設定細かくてすごいです
アス高の構造も色々設定してるし、やっぱすごいです(語彙無くてすみません)
オリ設定で好きなのはデミトレのプログラム設定。
胸にライフル押し付けて引き鉄を引くシーンを想像したら、「確かにロボットアニメでは見たことのない構図だな」って思いましたもん
裏話も面白すぎます。ありがとうございます。 - 126123/04/22(土) 23:37:41
感想ありがとうございます
こんな妄想の塊を面白いと言って頂けて嬉しいです
オリキャラ設定などやりたい放題しておりますが、きちんと1本のストーリーにできるよう書いていきたいと思います
本編の更新もゆっくりですが行いますので、裏話を読みつつお待ち頂ければ幸いです
- 127123/04/23(日) 08:14:54
少し時間がないので取り急ぎ報告まで
今日の昼過ぎに最新話を投稿しに来ます
推敲してないので投稿後に少し文章を整えたりするかもしれませんが、大筋のストーリーの変更はない予定です
ではまた昼に - 128123/04/23(日) 12:35:46
16話。記憶にない故郷
※登場人物の故郷の捏造があります
貨物列車で一晩を明かした後、まだ日も登り切らない早朝にスレッタ・マーキュリーは目を覚ました。
起きる予兆はあったので、エラン・ケレスはすでに彼女から体を少し離している。
目をコシコシと擦るスレッタに厚手の紙を濡らしたものを手渡しする。かなり丈夫に作られているので布代わりにもできる便利なものだ。何回か使ったら捨てればいいだけなので、重宝している。
「ありがとうございますエランさん。あ、おはようございます…」
「おはよう、まだ降りるまでもう少し時間はあるから、先になにか口にする?」
「…いえ、いいです。お手洗いに行きたくなってしまったら困るので…」
寝起きの彼女が、少し恥ずかし気に断って来る。生理現象なのだから仕方ないと思うのだが、女性は何かと大変なのだろう。
まだ大丈夫です!と報告してくるスレッタに対して、エランは何も言わず頷くだけにしておいた。
「…移動を優先してしまったけど、今度からキチンとした客車を使う事にしようか」
「はい。…いえ、わたしが乗ってみたいとか言ったから、エランさんがわざわざ交渉してくれたのに、ごめんなさい」
ごめんねスレッタ・マーキュリー─記憶にない故郷─※登場人物の故郷を捏造しています貨物列車で一晩を明かした後、まだ日も登り切らない早朝にスレッタ・マーキュリーは目を覚ました。
起きる予兆はあったので、エラン・ケレスはすでに彼女から体を少し離している。
目をコシコシと擦るスレッタに厚手の紙を濡らしたものを手渡しする。かなり丈夫に作られているので布代わりにもできる便利なものだ。何回か使ったら捨てればいいだけなので、重宝している。
「ありがとうございますエランさん。あ、おはようございます…」
「おはよう、まだ降りるまでもう少し時間はあるから、先になにか口にする?」
「…いえ、いいです。お手洗いに行きたくなってしまったら困るので…」
寝起きの彼女が、少し恥ずかし気に断って来る。生理現象なのだから仕方ないと思うのだが、女性は何かと大変なのだろう。
まだ大丈夫です!と報告してくるスレッタに対して、エランは何も言わず頷くだけにしておいた。
「…移動を優先してしまったけど、今度からキチンとした客車を使う事にしようか」
「はい。…いえ、わたしが乗ってみたいとか言ったから、エランさんがわざわざ交渉してくれたのに、ごめんなさい」
しょんぼりするスレッタに首を振る。…telegra.ph - 129二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 14:29:36
ああああああこっちが泣きそう
- 130123/04/23(日) 21:32:31
4号は今回かろうじて泣くのを堪えましたが、彼が本当に泣く回も出て来るかと思います
その際には新たな感動をお届けできるよう、言葉を尽くして書こうと思います
嬉しいお言葉、本当にありがとうございました
- 131二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 21:39:17
このレスは削除されています
- 132123/04/23(日) 23:27:44
※誤字脱字があったので上げ直しました
本編が面白すぎてテンションがまた可笑しくなってます
これが毎週の事になるなら、最終回付近ではどうなってしまうのか今から不安です
とりあえず、こちらのSSは独自設定で突っ走りますのでよろしくお願いします
では裏話の続きです
【10-①話。(きみが呼ぶ名前 前編)の裏話】その②
※またしてもオリキャラの裏話がほとんどになるので注意です
『ハンス』の次に登場するのは初老の男、『大ゲイブ』です。彼はどっしりと構えた歴戦の船乗りで、今は道楽で輸送船の船長をしています
甥っ子も大きくなったので、もうそろそろ引退するか…と思っているのですが、配下の船乗りたちに引き留められている状態です
彼はまさしく一家の大黒柱のように、頼もしい存在として見えるように書きました。4号の目に映る大人は問題のある人物がほとんどでしたが、彼は初見で違うな、と思わせる何かを持っています
その頼もしさには4号も思わず懐いてしまうほどです。彼には4号の大人への過度な偏見を吹き飛ばす役目を果たしてもらいました
実は『大ゲイブ』は2人が密航するに至った表向きのストーリーを、すぐに嘘だと見破ってます。…が、わざわざ突っ込んだりはしません
嗅覚が鋭いので聞いたらまずい事になるなと分かっています。2人が良い子そうなのは見て分かるので、まぁいいかと流してくれてます。目端が利く上に鷹揚な人物です
ちなみに『大ゲイブ』の船だけ基本は無重力状態でして、寝袋は壁に取り付けられていたり、シャワーがなかったりしてます。女の子が長居する環境ではないですが、スレッタはけっこう楽しかったみたいです。4号が比較的リラックスしているのもあって、彼がいる間は楽しくおしゃべりして過ごしました
1人だけの時はタブレットを見ていましたが、お母さんフィルターを突破できないような大人向けの作品もあって、本人的にはとても楽しめたようです
それと名前すら登場しない本当のモブ…2人を案内したり仕事の内容を教えたりしたおっさんですが、彼は何気に『大ゲイブ』の右腕的存在だったりします
初めての仕事に四苦八苦する4号を温かく見守っていました
- 133123/04/24(月) 09:59:06
では裏話の続きです
【10-②話。(きみが呼ぶ名前 後編)の裏話】その①
※こちらもオリキャラ中心の裏話となるので注意です
ここで最後のモブおっさん、『小ゲイブ』の登場です
彼は本当に『大ゲイブ』と血がつながってるの?と大抵の人に思われるような男ですが、目端が利くところと鷹揚なところはそっくりだったりします
あとそっくりなのは笑い方です。喉の奥を鳴らすようにくっくっくっと笑います
彼は友人の『ハンス』が珍しく頼み込んできた4号とスレッタの密航を、気合を入れて叶えてあげようとしています
実は2人が乗り込んだ時、船員のほとんどは休みをあげていて船の中にはいませんでした。ちょうど輸送の仕事がひと段落つく時期で、『小ゲイブ』も休もうかと休日の予定を入れていた矢先の『ハンス』の連絡だったのです
なのでほとんどの船員には休みをあげていましたが、船を動かす必要最低限の人員と船長である『小ゲイブ』は、予定していた休みを返上して2人を送ってあげました
実はタダどころかマイナスの仕事だったのですが、彼は喜んで密航に協力してくれたのでした。少し金遣いに怪しいところはありますが、とても気の良いおっさんです
スレッタが眠っている間に仲良くおしゃべりしていた4号と『小ゲイブ』ですが、この時にしたお話が地球降下後の指針の一つとして地味に役立ってくれています
治安のいいところ、悪いところをさり気なく4号に教えてくれたので、危険な地域は飛行機に乗ってスキップするという選択肢も取れるようになりました
彼は多少情けないところはありますが、何だかんだで大人の知識は頼りになるんだな、ということを4号に教えてくれたのでした
次の裏話は夜になります
ではまた
- 134123/04/24(月) 20:52:02
では引き続き裏話の続きです
【10-②話。(きみが呼ぶ名前 後編)の裏話】その②
※主人公たちの偽名に関する裏話になります
この回で地球に降下した後に使う偽名が2人に与えられます。これは地球で『エラン・ケレス』と『スレッタ・マーキュリー』の名前を使い続けると、さすがにまずいなと思ったからでもあります
ついでにこのエピソードで、4号の名前に対してのわだかまりも解消しようと思い立ちました
実は元スレでは名前や姿に関してのコンプレックスは言及されていませんでした。しかし確実にあるだろうなと思い、監禁話に移行する前にそのわだかまりを解消させることにしました。容姿に関しても同様です
なのでモブおっさんズをフル活用して、偽名や同じ名前に関するアレコレの敷居を下げました。それもあってか、スレッタが無邪気に真っすぐ呼んでくれるならどんな名前でもまぁいいか…という心境に何とか至ってくれました。現状でスレッタが呼ぶ『エラン』は自分だけだというのも大きいかもしれません
新しい名前ですが、『カリバン・エランス』または『サリバン・エランス』のどちらにしようと思っていました。怪物の名前『キャリバン』と『エラン』の名前を組み合わせて使いたかったのです
このSSの4号は怪物っぽいと強調したかったというのもありますが、『エラン』という名前はスレッタにとって特別な物だという思いもありました。なので偽名の方にエランの名を混ぜるという力技で、継続して呼ばせることにしました
そしてスレッタの偽名『スカーレット・マーティン』ですが、これは完全に言葉の響きで決めました。スレッタ・マーキュリーに似た語感で、更に『赤い火星』という意味になるので、何となくスレッタとニアミスをしている感が出せたのではないかと思います
ちなみにこちら、シャディクが偽名を10個程考えて、そのうちの1つがランダムに振り分けられたという設定になっています
アタリとハズレがあるのですが、両方ともわりとハズレな名前です(4号はある意味大アタリです)。ただ知り合いの名前を組み合わせただけの大ハズレな名前が候補にあったので、それでないだけまだマシかな…くらいのアレな名前なのでした
後に『カリバン・エランス』の名前でシャディクに連絡したときは、よりによってその名前を当てたの!?とシャディクに大笑いされることになります
- 135二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 20:54:34
怪物のエランは本人は複雑だろうけど聞いた方はめっちゃ笑いそうなのわかる
- 136123/04/24(月) 21:01:52
- 137二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 01:40:12
保守
- 138123/04/25(火) 08:09:09
保守ありがとうございます
また少し時間が取れないので昼過ぎに裏話の続きを投下しに来ます
ではまた - 139123/04/25(火) 12:35:25
今回はおっさん編の裏話+おまけになります
【10話。(きみが呼ぶ名前 前編+後編)の裏話】+α
ケビンを含めたオリキャラのモブおっさん達ですが、実はそれぞれイメージ元がいます
あくまでイメージなのでその人そのものではないのですが、イメージ元の名前も書いておきます
それと最後に10話の没セリフ集のリンクを貼っておきます。あまりにキャラが濃すぎて没にしたセリフです
・イメージ元・
ケビン=4号
ハンス=シャディク
大ゲイブ=グエル
小ゲイブ=マルタン+オジェロ(ギャンブル?要素のみ)
以上がイメージ元です
あくまでイメージですが、4号は作中で仲のいいシャディクを元にしたハンスとは微妙で、グエルを元にした大ゲイブには懐く面白い現象が起きています。マルタンを元にした小ゲイブとは不思議と相性がいいです
年齢やタイミングが違えば人の関係も変わってくるということですね
あとは没セリフ集を置いておきます。こいつら好き勝手に喋りすぎです
ごめんねスレッタ・マーキュリー─没セリフ集おっさん編─※本編で使わなかった没セリフです。話の展開が少し違っている場合もあります(ハンス+4スレ+地の文)
「お待たせいたしました。よろしければこちらをお使いください。情報のやり取りはできませんが、いくらかの娯楽作品が入っているタブレットです。新しい端末機器を手に入れた際に処分してくだされば結構ですので」
「あ、ありがとうございます…」
スレッタが戸惑いながらも両手で受け取った端末を、エランはじっと見る。視線に気づいた壮年の男は笑顔で説明を付け足した。
「これはスタッフの私物です。古い型ですので、通信機能などは生きておりません。また追跡できるような部品も付け足されておりません。無用な心配などせず、ぜひ気兼ねなくお使いください」
男の言いように引っかかるものはあるが、確かに用意されたのは使い込まれている古い型の端末だ。いつスクラップになってもおかしくないほどに細かな傷がある。
「…ありがとう」
「いいえ。ではそろそろお時間です。先方も港に着いている頃だと思いますので、すぐに引き継ぎいたしましょう」
(ハンス&大ゲイブ)
「俺じゃなくて知り合いの子供らがな。もう実家に帰るっつうんで途中まで乗せて来たんだ」
…telegra.ph - 140二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 19:53:51
保守
- 141123/04/25(火) 22:46:02
保守ありがとうございます
では裏話の続きです
【11話。(僕の大事なスレッタ)の裏話】その①
エアリアル君回です
この回だけ完全なる一人称SSにしてみました。普段は一人称的三人称というか、二つが混ざったような変な文の書き方をしています
一人称を書くのは楽しかったので、もう一回くらいはエアリアル君回を設けてもいいかもしれません
ゆりかごの星を読んでいると、エアリアルはちょっととぼけた所がある印象を受けます。なのでこのSSを書く時にもその辺りは意識していました
そしてゆりかごの星を参考に、こまめに改行を行っています。少々姑息ですが、少しはエアリアルらしさが出ていればいいなと思います
ただ意識してゆりかごの星と違う表現をしているものもあります。それはスレッタの名前です。11話では最後の独白とサブタイトル以外はすべて『彼女』と表記してあります
逆に言えば最後の独白とサブタイトルを目立たせる為に、スレッタの事を『彼女』と呼ばせていました。僕の小さなパイロットさん』から『僕のスレッタ』に呼び方が変わっていますが、これはスレッタはもうエアリアルのパイロットじゃないという事です。
でも家族であることに変わりはありません
それと書いている人(スレ主)はエアリアルの人格を男の子だと思っているので、少しだけ4号に対抗意識を燃やしたりと、年頃(?)の男の子らしさを強調してあります
- 142二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 07:52:14
保守
- 143123/04/26(水) 08:33:45
保守ありがとうございます
では裏話の続きです
【11話。(僕の大事なスレッタ)の裏話】その②
このSSではエアリアルとエリクトは完全に別存在です。なんせガンダムルブリスが健在で、その中にエリクトが眠っているという設定だからです
2期でその辺り覆されたようですが、今更設定を変えるのも難なのでそのまま続行しておきます。別の世界線、別の宇宙のお話だと思ってお気軽に読んでください
ただこちらの話のエアリアルですが、人格の誕生にはエリクト(ルブリス)が思いきり関わっています
情報が伝搬するパーメットの性質を考えた際に、ふと同じところに留まりつつ誰かの思考をキャッチできる環境下にあるパーメットは、その誰かの思考の影響を受けて独自に思考能力を獲得することが出来るんじゃないかと、そう思い立ちました
なんだかその考えが気に入ってしまったので、このSSではそういう独自設定になっています。モビルスーツ…ガンダムなら条件下はばっちりですので
という訳でこのSSではガンダムは基本的には乗り手の思考を元にした人格が自然発生することになってます
基本的にというのは、エアリアルは当時まだ未完成だったにも関わらずエリクト(ルブリス)のパーメットの影響を受けて秘密裏に自我が生え、ファラクトは乗り手の4号以上にエアリアルのパーメットの影響を受けて自我が生えるからです
いきなり例外ばかり発生してますが、思考情報を乗せたパーメット混入によって自我が発生することには変わりありません
乗り手の影響を受けて人格を獲得する正規ルートは、そのままでは時間が掛かるかなと思ってます。例えば強化人士だと、数人の強化人士が再起不能になって初めてガンダムに人格の萌芽が発生するくらいを想定してます
本日は昼に時間が取れないので次は夜に投下しにきます
よければその間、保守や保守代わりの感想、ご質問などしていただけましたら助かります
ではまた夜に
- 144二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 16:21:37
男子として対抗意識燃やすエアリアルくん可愛いな エリーは確かにエアリアルの中にいるけどエアリアルなぜか僕っ子だし本編でも完全にエアリアル=エリーじゃないと個人的に思うから全然アリ
- 145123/04/26(水) 22:02:12
保守代わりの感想ありがとうございます助かりました
ゆりかごの星のヤンチャで優しいエアリアル君が好きになったので、そのイメージで今後も描写すると思います
では裏話の続きです
【11話。(僕の大事なスレッタ)の裏話】その③
このSSではビット達は子供の人格。エアリアルはそれよりちょっと年上を想定しています
『怪物が生まれた日』で最初にビット達が4号に挨拶に来てくれたのは、子供らしくエアリアルよりも好奇心旺盛で怖いもの知らずだからです。エアリアルは情報を4号に渡した後、少し様子を見てました。年長さんらしい慎重さです
本体と切り離された彼らは、いずれ4号の情報に塗りつぶされて消えていく運命にあります。
しかし彼らはそんなこと百も承知で情報を渡しに来てくれました。代わりに僕らの大事なスレッタの事を助けてねと、そういう交換条件でした
決闘中に放出したパーメット(分身体)のほとんどは宇宙に解き放たれ、一部はファラクトへ、ごく一部が監視していたハロへ、そして本命の4号の体へと入りました
ただファラクトの機体に吸い込まれたパーメット(分身体)は、その全部が大人しくファラクトの機体へ収まったわけではありません。ファラクトへ溶けた4号の記憶を回収しつつ、アタッチメント経由で4号の体へと入った根性のある分身体もいました
地球降下後に4号の無くした記憶が甦る描写があったりするのですが、一部の記憶回復はファラクト経由で情報を回収してくれた分身体のお陰だったりします
彼らは少ないながらも4号のパーメット中毒症状も抑えてくれていたりして、体の回復にも役立ってくれています
まさに縁の下の力持ちです
体の回復と言えば、今回さらりと4号の体の具合が常に悪い事を描写しました。今までその描写がなかったのは、4号自身にとってはその状態がデフォルトだからです
地球に降り立ってしばらくは余裕がないですが、余裕が出来れば体調が良くなっている事に気付くこともあるかもしれません
ただ、完治した訳ではありません。それをするにはエアリアル側のパーメット量が足りませんので…
その辺りの描写は、物語全体の最後のほうに書くと思います
- 146二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 00:02:31
ウオオオ知ってたけど4号まじでおいたわしすぎる 頑張れ健康になれ幸せになれ
- 147123/04/27(木) 01:12:22
- 148二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 06:26:40
保守
- 149123/04/27(木) 08:37:17
保守ありがとうございます
裏話の続きですが、何だかものすごく多くなってしまったのでレスは付けないでおきます
ここからしばらく12話の裏話が続きます
【12話。(エピローグ、もしくは…)の裏話】監視員視点その①
モブの監視員視点です
この話を書くのはとても楽しかったです。こういう無自覚でダメな大人視点は、読むのも好きですが書くのも好きと言うことに気付きました
この監視員視点、最初はオムニバス形式ではなく、もっと文章量の多い単独でのSSを書くつもりでした。その場合4号の過去話も詳細に書くつもりだったのですが、あまりに陰惨な描写になると予想されたので取りやめました
この過去描写、4号自身のトラウマ話として別に書くこともあると思います。その際はあまり胸糞にならないように気を付けたいと思います
さて、この監視員ですが、ダメな大人ではあるのですが子供を性的な目で見ることはありません。なので相方の行動には首をかしげていました。そこで止めることもせず上に報告することもなかったのがダメダメだったのですが、彼視点では嫌がらせの一種のように映っていたようです
4号の決死の反撃で明るみに出るまでは、それほど大層なことをしているとは考えていませんでした
でも実際はとても大層なことでした。相方のせいで成績が落ちた子供たちが何人もいたからです
更にはほぼ実用段階まで行った『強化人士エラン・ケレス』にまで手を出していたのですから、相方はすぐに処分されました。まぁ子供に手を出していた大人は1人だけではないのですが、一番深刻な被害を出していたのが彼でした
ちなみに反撃をした4号ですが、ここでも二者択一が発揮されています。ここでの彼の選択は
①【自分の命には…代えられない…っ!】
②【とにかく!殴る!こいつだけは!!】←ピコンッ
でした
もう自分の命など投げ捨てて相手の命(タマ)を取りに行ってます。男らしい4号なのでした - 150二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 11:08:51
ヘルメット投げつけたり6話決闘の時遠距離得意なMSなのに近距離戦挑んできたり思い切りエアリアル蹴ったり結構激しいとこあるし命よりも勝利寄越せってかなり漢らしいよな(本当に本当の極限まで我慢はできるけど)
- 151二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 11:21:30
本編のミオリネの見張りやジェタークの社員がああなのでペイルの見張りがこうでも不思議じゃないよね~という説得力のある性格設定です。
ゲームする位暇でも給料貰えて羨ましい位だけど元相方もそうだけど強化人士の事知ってる社員が普通に解雇で済む訳ないからお察しの未来何でしょうね - 152二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 14:29:01
- 153二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 21:13:17
では裏話の続きです
そういえば前回の裏話では閲覧注意と書いていませんでした。表示漏れ申し訳ありません
今回も若干の閲覧注意です。相方の変態っぷりは留まるところを知りません
【12話。(エピローグ、もしくは…)の裏話】監視員視点その②
※若干の閲覧注意です
前回に引き続き監視員と言うよりは相方の裏話になってしまいますが、4号決死の反撃事件にはおもいきりエラン様も関わってます
実は相方は4号の風呂やトイレに監視カメラを設置しようと提案していました【4話。夜空の先へ参照】。その事になにか粘着質なものを感じたエラン様は、相方を要注意人物として目を付け始めていました。そんな時に事件は起こりました
相方は4号にボコボコにされた後、さらに事情を知って駆け付けたエラン様に念入りに再起不能にされています。…ありがとうエラン様!
4号自身は夢中だったので反撃した後のことはよく覚えていないのですが、監視員はその様子を傍目から見てたのですべて覚えています。エラン様への恐怖心は妥当な物です。4号以上の暴力の嵐でした
監視員自身は報告を怠っただけでしたので、重い処分は免れました。ただ野放しにするわけにもいかず、飼い殺しにされているのが現状です。ここでまた怠け癖が出て4号を逃がしたので、今後は監視員の仕事からも外されます。もしかしたら記憶処理を受けていたりもっとやばい部署へ飛ばされたりしているかもしれません…
ちなみにこの監視員の視点でとうとう外見描写解禁です。周知の事実ではありますがエラン様は美しい容姿をしているんだよ、という情報を改めて公開してみました。ついでに元の4号の容姿もそう悪いものではないんだよ、とさり気なく描写してみました
この外見描写、4号とスレッタが無頓着なのでその後もあまり出てこないと思うのですが、けっこう重要だったりします - 154二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 21:27:51
どこまで整形で変えられるのか知らんけど人種位は同じな方が変える箇所少なくて済みそうな感じはするので、4号も5号も白人じゃないのかな~とは妄想してます
エラン様の美貌の描写も「そうそう」と頷きたくなるものでした
エラン様がいつも意地悪そうな表情なのは無表情でいると変態を引き付けてしまうからなのかもしれませんね - 155二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 21:34:54
- 156123/04/27(木) 23:58:31
感想ありがとうございます
すいません感想のお返しが少し長くなります
アド・ステラの整形技術がどうなっているのか情報があまりないのですが、元の姿かたちと似た人物の方がそっくりにしやすいのは変わらないと思います
こちらのSSではたくさんの人種からパーメット耐性の高い子供たちを集め、その中からエラン・ケレスに似た容姿の者を選んでそれらとは別に育成。食事や運動、睡眠の管理で背格好を同じくらいに成長させ、選ばれた優秀な一人が「強化人士エラン・ケレス」として顔を変えられると想定しています
なので顔以外のものは自前です。4号の手がごつかったり、5号の背が少し低かったりとバラツキがある感じです
出身国については明確に書いていませんが、分かる人には丸わかりですね。森と湖と雨の国です。言うまでもなく捏造です
エラン様の容姿は天然ものですが、それゆえに無頓着になってます。たまに変な人は寄ってきますが、口でも拳でも権力でもボコボコにできる自信があるため、それが表情に滲み出ています
強者オーラを出してますが、本編と変わらず寝顔は間が抜けてます。本人は自分の寝顔など見れないのでどうしようもありません
裏ルートは本編が終わって余裕が出来たらポツポツと単発で書くかもしれないです
さすがに1本のストーリー物として書くことはないかと思います。終わりが見えないので…!
- 157二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 07:31:22
保守
- 158123/04/28(金) 08:10:51
保守ありがとうございます
では裏話の続きです。今回は様視点です
ほぼ本編と関係ない捏造設定で占められてますのでご注意ください
【12話。(エピローグ、もしくは…)の裏話】エラン様視点
※少しシャディクの話も混じります
裏ルートのラスボス、エラン様視点です。彼はこのSSでは自分の目的の為にペイルもプロスペラも利用しています。その目的とはエリクトと同じような存在になる事。つまり、ガンダム化することです
カルド・ラボ博士の意思を継いで、服を着るように精神をガンダムと生身で行き来する。それを最終目標としてペイルのガンダム開発に協力しています
ただあんまり成果は芳しくありません…。なので彼はいつも心のどこかでイライラしています。最終的にはエリーと同じ存在になれるなら今の肉体なんぞモビルスーツのAI(エアリアル)にでもくれてやるわ!という心境に至ります
強化人士に対して『俺』と呼びかけるのは、もちろん皮肉でもあるのですが、自分が肉体を捨て去った後にエラン・ケレスを継いでくれる存在としての意味も含みます。ある意味もう一人の自分です。なので4号に対しての性的嫌がらせには本気でイラついてました
傍目からでは悠々自適にペイル社で過ごしているように見えますが、彼は抜け目なく各部署に足を運んで人脈づくりをしています。今回の4号の逃亡騒ぎでも、彼は特定の部署へ足を運んで4スレが逃げ延びやすいようにフォローしてくれてます
あとはいくら頭が切れても全知全能の存在ではない、という事を示すためにシャディクの存在を察知できていない様子を入れました。4号とスレッタを逃がしたのはプロスペラ陣営の裏切者だと思っているので、まさか第三者が絡んでるとは思いもしてません
さすがは裏ルートの政治パート主人公シャディえもんです。一言も言及がないゆえに、逆にその潜伏力の高さをまざまざと見せつける結果となりました
…話はエラン様に戻りますが、彼は裏ルートでエアリアルを強奪してコンビを組み、やりたい放題する予定です
エアリアルも戸惑って最初は流されていいようにされるのですが、最終的には突っ込みをしたり窘めたりと、友達というか悪友のようなポジションに落ち着きます
最後は主人公側である5号&ファラクトコンビと決闘して雌雄を決します。命のやり取りはしない、爽やかなラスボスキャラです
ではまた - 159二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 11:56:43
シャディえもん確かに凄かったな…
- 160123/04/28(金) 12:20:58
感想ありがとうございます
シャディクはこのSS本編でも裏ルートでも、ヤバいくらいの立ち回りの上手さで何とか子供陣営のフォローをしていく感じです。様々な陣営が四方八方から何かしら仕掛けて来るので大忙しになるのですが、何とか捌ききってくれると思います。(具体的な活躍の仕方はまったく思いついてませんが!)
アニメ本編でもその動向を一番注目しているのはシャディクです
プロスペラとの目隠しボクシング概念がすごく好きなんですよね。シャディクは面白い男すぎます
- 161二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 21:23:03
保守
- 162123/04/28(金) 22:47:21
17話。長い休息の始まり
エラン・ケレスは記憶にない故郷の景色を、もう二度と忘れる事のないようにと丘の上から見下ろしていた。
プラムをもいでからも暫く2人は歩き回り、少し足が痛くなった頃に小休止をする。ちょうど景色の良さそうな丘を見つけたので、そちらへ移動して腰を下ろした。
肩が触れるほど近くにスレッタ・マーキュリーが座り、ごそごそと荷物を漁っている。
「エランさん、お魚の缶詰、開けていいですか?」
「いいけど、この近くにはゴミ箱はないよ」
「きちんと洗って持って帰るから、平気です」
近くに小さな小川があるので、その水を使うつもりなのだろう。井戸の水はまだ湧いているようだが、そちらはすでに水汲み用の道具が朽ちているので使えない。
スレッタは薄く切った黒パンに缶詰の中身と塩ゆでしたジャガイモを乗せると、まずはエランに渡してきた。
「はい、エランさん」
「ありがとう」
ごめんねスレッタ・マーキュリー─長い休息の始まり─ エラン・ケレスは記憶にない故郷の景色を、もう二度と忘れる事のないようにと丘の上から見下ろしていた。プラムをもいでからも暫く2人は歩き回り、少し足が痛くなった頃に小休止をする。ちょうど景色の良さそうな丘を見つけたので、そちらへ移動して腰を下ろした。
肩が触れるほど近くにスレッタ・マーキュリーが座り、ごそごそと荷物を漁っている。
「エランさん、お魚の缶詰、開けていいですか?」
「いいけど、この近くにはゴミ箱はないよ」
「きちんと洗って持って帰るから、平気です」
近くに小さな小川があるので、その水を使うつもりなのだろう。井戸の水はまだ湧いているようだが、そちらはすでに水汲み用の道具が朽ちているので使えない。
スレッタは薄く切った黒パンに缶詰の中身と塩ゆでしたジャガイモを乗せると、まずはエランに渡してきた。
「はい、エランさん」
「ありがとう」
「いいえ。何だかピクニックみたいで、楽しいですね」
それは外で食べる時のスレッタの口癖のようなものだった。彼女はいつも楽しそうに食事をする。
エランに渡したものと同じものを作ると、スレッタはいつもの挨拶をしてから大きく口を開けてぱくりと食べた。
美味しそう…telegra.ph - 163二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 23:04:07
- 164二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 23:52:38
感想ありがとうございます
まったく意識してなかったので言われて初めて気付きました。ホントだ新婚さんだ…!
書いてる人はとうとう本題に入り始めたので緊張しっぱなしでした
楽しく苦しい監禁生活の始まりとなります…(ごくり)
- 165二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 00:30:00
そうだこれ拉致監禁のお話だった 早く監禁パートならんかなーとか微塵も思わんくらい今までもめっちゃ面白かったです
- 166二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 00:42:08
そうだ…これ拉致監禁の話だったよね··· 先生、いろんな意味ですごいです··· 私というヤンデレ拉致監禁閲覧注意大好き狂人オタクまで「え? でも、これどう見ても愛の逃避する悲恋の恋人ないしは新婚夫婦の純愛旅行記だったじゃない?え?監禁? 拉致?? 脅迫??? あ!そうだったんだ!!! 」 させる美しい物話を絞り出すとは··· (合掌)
それでは今後の闇展開、絶対に期待していいのでしょうか。 少し陰気でべたべたする4号を期待していますが、そうでなくてもいい。 幸せにな~れ~! - 167二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 01:43:49
監禁した方なのに苦しむエラン
監禁された方なのに楽しむスレッタ
前のスレのこれがとても面白かったので、今すごくドキドキしています - 168二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 01:55:48
拉致も脅迫もしっかりしてるのに周りが酷すぎて4号優しい……!頑張れ……!となるバグ草 自分もこれ無理やりなの忘れてた 意思を誘導して視野狭窄にさせるママンよりスレッタの優しさを利用して選ばせてはいる4号の方がだいぶマシっていうwww
ワクワク監禁♡パート楽しみです - 169二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 08:00:13
保守
- 170二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 08:08:45
- 171123/04/29(土) 12:53:21
何度か感想返しの際に名前欄に1を入れ忘れていました
多分これからもやらかすと思いますが、今まで通りスルーしていただけると幸いです
では裏話の続きです
【12話。(エピローグ、もしくは…)の裏話】ジョン・ヴァン・シモンズ視点
※アニメ本編に名前だけ登場しているキャラですが、このSSではほぼオリキャラです
ジョン・ヴァン・シモンズ君視点です。シャディクガールズ、レネちゃんのキープ君12号です
彼は人畜無害な雰囲気を出しつつも、意外と抜け目がない人物として書きました。人の懐にスルっと入り込み、目標達成して飄々と帰って来るような奴です。つまり、有能です
『4話。夜空の先へ』で、広場にいる4号へ鞄を届けたりしています。いつの間にか置かれていた、という描写からも分かる通り、気配もさせず動くことが得意です
普段の彼は少し騒がしい普通の男の子です。このSSでも最初は普通の男の子っぽく見えるように心がけました
端末を4号に貸したところの話で初めて「おやっ?」と思った方もいるかもしれません。実際の端末は昼過ぎにサビーナ嬢が届けてくれたので、4号に直接会って渡したところの下りはまるっと作り話です
シモンズ君もシャディク一味の仲間だという設定は、シャディクとガールズの結束の強さを見て自然と考え出されました。レネはキープ君を何人も囲っていますが、ある意味敵の子息をそんなに周りに侍らせて更に守るような発言をするかな…?と思ったのがきっかけです
このSSのグラスレー寮は結構な数のアーシアン孤児たちがねじ込まれています。時間の猶予があれば平和的に乗っ取る事も可能だったかもしれません。その次に目を付けるならブリオンやペイルですが、まだ人員は送り込まれていない状態です
ジェタークだけは家族経営でどうしようもないので、チャンスがあれば力ずくで叩き潰す予定になっています
ではまた夜に - 172二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 13:09:14
今までずっと移動してたから誘拐じゃなくて純情カップルの修学旅行みたいでしたもんね。警備の理由上ずっと同室だったろうにラブコメ漫画みたいな着替え中にうっかりドアを開けてしまったみたいなエロハプニングは絶対起こってないという確信があります。
定住してどういう変化が起きるのか元スレのあれこれがどう調理されて出てきてくれるのかとても楽しみです。 - 173二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 21:08:19
シャディえもん陣営有能すぎ……!
- 174123/04/29(土) 22:38:08
感想ありがとうございます
監禁生活始まるまではおっしゃる通りずっと同室でした。でも4号は着替えなどは見ないように、又は見せないようにきちんと気を使ってました
基本は気を張り詰めていたので、逃避行中はエロハプニングが差し込まれる隙はなかったです
あと元スレのレスの内容はできるだけ拾っていきたいと思っています。中にはたった1レスの為にものすごい下準備をしようとしているのもあったりします
シャディえもん陣営優秀なのが揃ってます。それくらいしないとベネリットグループは崩せそうにないので、人材の大盤振る舞いです
このSSではバックに宇宙議会連合がいるのですが、学園にいる人材は組織じゃなくシャディク個人を中心にがっちり纏まっています
- 175二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 22:45:24
元スレでの押せ押せなスレッタちゃんの理由もなんとなくわかる気がしてきたぞ
- 176二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 22:49:14
- 177123/04/29(土) 22:50:42
では裏話の続きです
【12話。(エピローグ、もしくは…)の裏話】5号視点
※こちらもほぼオリキャラと言ってもいい捏造具合です
裏ルートの主人公、強化人士5号フィフスお兄ちゃんです
彼ももはや半分くらいオリキャラです。生きる動機が家族である4号の為なので、設定の捻じ曲げっぷりはかなりのものになると思います
もう本編の5号は別にいて、たまたま今回はフィフスお兄ちゃんが5号に選ばれたんだよ…つまり別人なんだよ!としたほうがいいかもしれません
この攻めた設定になるには紆余曲折ありまして、スレッタが居なくなった後の裏ルート主人公を誰にしようか悩んだのが始まりです。別にそんなの決めなくてもいいのですが、何となく座りが悪かったのです
政治パートの主人公は早々にシャディクに決まっていました。あとは戦闘パートの主人公です。グエルでもよかったんですが、正直彼の挙動を表現できる自信がまったくありませんでした。そこでもう一人のガンダム搭乗者である強化人士5号はどうかと考えました
ただ5号の内面はその時点ではよく分からない謎の人物でした。おそらく生き残るのに必死だろうと推測はできたのですが、それだけでは主人公の動機づけとしては弱いと感じました
巻き込まれ主人公ならそれでいいんですが、彼はすでに強化人士という渦中に組み込まれています。そこで物語を切り開くための強い動機付けや因縁などが別個に必要だと思ったのです
最初は4号と幼馴染だったくらいで考えたんですが、何となく血縁関係があったという風に設定を強化していました。パーメット耐性や高い能力、似た体型などを考えたら血がつながっている方が自然かなと思いましたので
結果として彼も本編SSに出演することになりました。幼い■■■君に○○兄と呼ばれて懐かれているのは在りし日のフィフスお兄ちゃんです
子供時代のフィフスお兄ちゃんは早熟だったので、何か今よりも頭がいいように描写されています
彼は裏ルートで自我が生えたファラクトと喧嘩しながらも、何だかんだと上手くコンビを組みつつ大人たちの策略を粉砕していきます。おかげで表パートの4スレは平和に過ごせる予定です。…ありがとうフィフスお兄ちゃん!
最終回後には4スレに会いに来て嬉しさのあまり号泣します。それまではぜひ裏パートで頑張って頂きたいと思います
…ちなみに裏パートの描写は(ほぼ)ないです - 178123/04/29(土) 23:20:39
- 179二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 01:01:00
- 180二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 01:02:00
かわいい
- 181二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 06:32:27
- 182123/04/30(日) 08:54:34
- 183123/04/30(日) 12:45:16
18話。ままごとのような生活
アパートに引っ越してから1週間が経った。
初日や次の日はバタバタしていたが、これくらい時間が経つと新しい生活にも慣れてくる。
今のところは食事は出来合いの物を買ってきて、洗濯は一階にあるランドリースペースで洗っている。掃除はこまめにして、できるだけ清潔を保っていた。
総括すると、概ね快適に過ごせている。
自然とルーチンワークが出来上がって来たのだが、ここに来て新しい事に挑戦しようと声を上げた者がいた。
「お料理を…作ってみようと思います」
少し緊張で硬くなった声音で、スレッタ・マーキュリーはそう宣言した。
自炊をする、と簡単に言ったが。実は料理を作った記憶などエラン・ケレスには存在していなかった。
一番古い記憶はたしか、スレッタとの決闘で取り戻した誕生日を祝ってくれた誰かの記憶だ。その後はずいぶんと飛んで、ペイル社の訓練生時代になる。
ペイル社では一般的な勉強の他に、宇宙空間での身の動かし方、モビルスーツの訓練、重火器の取り扱い方、その他様々な技能の学習をしていた。
ごめんねスレッタ・マーキュリー─ままごとのような生活─ アパートに引っ越してから1週間が経った。初日や次の日はバタバタしていたが、これくらい時間が経つと新しい生活にも慣れてくる。
今のところは食事は出来合いの物を買ってきて、洗濯は一階にあるランドリースペースで洗っている。掃除はこまめにして、できるだけ清潔を保っていた。
総括すると、概ね快適に過ごせている。
自然とルーチンワークが出来上がって来たのだが、ここに来て新しい事に挑戦しようと声を上げた者がいた。
「お料理を…作ってみようと思います」
少し緊張で硬くなった声音で、スレッタ・マーキュリーはそう宣言した。
自炊をする、と簡単に言ったが。実は料理を作った記憶などエラン・ケレスには存在していなかった。
一番古い記憶はたしか、スレッタとの決闘で取り戻した誕生日を祝ってくれた誰かの記憶だ。その後はずいぶんと飛んで、ペイル社の訓練生時代になる。
ペイル社では一般的な勉強の他に、宇宙空間での身の動かし方、モビルスーツの訓練、重火器の取り扱い方、その他様々な技能の学習をしていた。
ただ生活全般の知恵は教わらなかった。必要がなかったからだ。
食事など出されたものをただ胃に流し込むだけの時間で、作ろうという発想すらなかった。…telegra.ph - 184123/04/30(日) 21:12:16
最新話見ましたが、子供たちみんな最後まで生き残って欲しいですね
アニメ本編の物語が加速する中、こちらのSSはたまに緩急を加えつつ、段々とゆっくりした空気になっていく予定です
では裏話の続きです
【13話。(プロローグ、もしくは…)の裏話】その①
エピローグ、もしくは…の対になるように書きました。時系列的にはフィフスお兄ちゃんのエピソードよりも少し後になります。裏ルートとか興味ないよ、とスレで意見された時は12話と同じタイトルでお出しする予定でした
ここで4号のトラウマ話が彼視点で顔を出し始めます。【10話。君が呼ぶ名前】でもちらっと書いたのですが、せっかくなので4号の外見に対してのわだかまりも解消しようと思い立ちました
地球降下前に書いた方がすっきりとできるので、いい思い付きだったと思います
スレッタの容姿の認識に関してのあれこれですが、これは小説版を読んでいて、容姿そのものではなくミオリネの髪や瞳の色に見惚れているように読めたことが原因です
水星はスレッタ以外は老人しかいません。おそらくライブラリの中身もアニメや漫画ばかりだったと思います。そんな環境で生身の人間を見てもきちんと容姿の良し悪しが区別できるかな?と疑問に思いました
アニメ本編でも『氷の君』と呼ばれるほど容姿端麗なエラン・ケレスの外見には、そんなに興味がないように見えます
というわけでいまいち人の容姿の美醜が判断できないおとぼけスレッタが爆誕しました
これは4号的には本当に救いになってます。だって中身を見てくれている訳ですから
そんな感じでしばらくの間はスレッタの光に4号は照らされ続けることになります
ちなみに髪の色についての言及で、「探しやすいだけ?」の質問に「概ね、そうです」とスレッタは答えましたが、この「概ね」は探しやすいだけでなくスレッタの好みもきっちり反映されているという意味です
美醜の機微はよく分かりませんが、好きな色くらいは判断できます
何となく空気を読んで「いや明るい色は単にわたしの好みなんです」とか言わない気の利くスレッタなのでした
それとこのSSのスレッタは美醜は判断できませんが、好みの容姿自体は存在してます。初見で(あ、好き…)と惹きつけられるような容姿です
まだそんな存在には出会ってないですが、もし出会ったら隣にいる4号はすごく焦ることになると思います
- 185二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 21:40:05
- 186二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 22:01:36
このレスは削除されています
- 187123/04/30(日) 22:54:36
※プラムと書こうとしてスレッタと書いてしまった欲望駄々洩れの誤字をしていたので一旦削除しました>>186
プラム以外の文は変わってないです。ハートを押してくれた方も申し訳ありませんでした
ありがとうございます!
さっそく緑髪バージョンも保存させて頂きました
どちらを使わせてもらうか非常に迷うのですが…。初見の方が「だれ?」とならないように通常の髪色の方を使用させて頂きます
今日は何度も見てはニヤニヤしていましたが、本当に嬉しい贈りものでした
特に手錠でお互いを繋いでるところがこの二人を象徴してるようで非常にこう…いいです…
プラムをひたと見つめる4号の視線も胸に来ますが、無邪気なスレッタの笑顔もたまらないですね…
これを励みに本編SSも頑張って書いていきますので、これからもぜひお読みください
- 188123/05/01(月) 08:10:16
では裏話の続きです
【13話。(プロローグ、もしくは…)の裏話】その②
※4号の元の容姿について言及しているのでご注意ください
このSSの4号の元の容姿に関してですが、監視員が言っていたように整った容姿を想定しています。ただエラン・ケレスとは系統が違います
人形のように繊細な容姿ではなく、ゴツくはないですがどちらかと言うと男前な容姿です
ただ中身が4号なので元の容姿でも不思議な魅力はあったと思います
なんとなくこんな感じというようなイメージ元のキャラはいるのですが、これは本当に人によって印象が異なると思うので、言及はしないでおきます
それなりに美形なら子供時代から手を出されるんじゃ?と思うかもしれませんが、これはたまたま他にも手を出しやすい子供たちが大勢いたお陰で助かってます
4号は○○兄に言われたように注意深くしていました。さらに成績も上位だったので余計に手を出しにくい存在でした
強化人士になって手を出され始めたのは、エラン・ケレスの容姿が変態にドストライクだったからです。本物には手を出せないけど偽物なら…と誘惑に負けてしまったのでした
ちなみに単純な美しさではエラン・ケレスに軍配が上がります。顔写真を並べてどっちが美形?と尋ねたら100人中99人がエラン・ケレスを指さします。残りの1人はもうどうしようもなく■■■君の容姿が胸に刺さったんだな、くらいに思ってください
これがどっちが好み?という質問だったらもう少し拮抗します。それでもエラン・ケレスが勝つんでしょうが、けっこういい勝負になると思います
ただ、これはあくまでこのSSの4号のイメージに過ぎません。人によってはかなり違ってくると思います。なので4号の元の容姿についての描写が今後出てきた際は、容赦なく読み飛ばしてくれて大丈夫です
本日は昼に時間が取れませんので、次は夜の更新となります
ではまた
- 189二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 17:30:50
4号って人と話す時誰が相手でもちゃんとその人の方向いて目をじっと見る(スレッタには特に前のめりだけど)からある意味魔性 絶対色んな人ドギマギさせてるよ
- 190123/05/01(月) 20:02:49
感想ありがとうございます
最新話(18話)でさっそく4号は親切な店員さんをドギマギさせてます。罪な男なのでした…
では裏話の続きです
【14話。(地球に落ちた種)の裏話】その①
とうとうこの話で4号とスレッタは地球に降りることができました
地球降下後の初めての話は最初からスレッタ目線にしようと決めていました
宇宙の、しかもとてつもない辺境育ちの彼女が地球へ降り立った時、どんな事を思うのかを書いてみたかったのです
空気も重力も気温も、何もしなくても人が立っていられるように地球は出来ています。普段我々がごく普通に享受している事が、スレッタにはとても不思議に思えるだろうなと想像していました
何も知らないスレッタの描写はこれからもちょくちょく挟んでいくと思いますが、最初は異分子だったスレッタが少しずつ地球に馴染んでいく様子を表現出来たらいいなと思います
そういえば4号の『恋の種』もそうですが、地球に降りて来たスレッタ自身も今回『種』と評してみました。無限の可能性を秘めている『種』たちになります。これがどのような芽を出し成長するかはお互いとの様々な経験にかかっています
ところでこれはまったくの余談なのですが、こんなに地球はすべてを受け入れてくれるのに、よくアニメ本編のスペーシアンたちは地球を捨てられたなと変に関心してしまいます
彼らには郷愁の念というものはないのでしょうか?向上心ありすぎです
↓は私事になります
早いものでこのスレも残りわずかとなりました。とてつもなく遅い本編の更新ペースですが、このまま次スレに移行してもいいのか少し悩んでいます
正直1、2ヶ月くらい書き溜めて本編終了にめどが立ってから次スレを立てた方がいいかもしれませんが…
まぁ特に意見がなければ195レス目くらいで次スレを立てようと思います。明日か明後日くらいでしょうか
もし次スレが落ちたらその時はある程度書き溜めてからもう一度立てますのでよろしくお願いします
- 191二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 20:08:02
正直なところこのスレ癒しなんだスレッタも4号も幸せそうで泣ける スレ主が良ければスレ立ててほしい
- 192二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 21:27:46
続きも裏話もとっても気になるので、このまま次スレ希望です
- 193二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 23:06:41
- 194123/05/02(火) 08:06:28
このままでは何だか中途半端になってしまうので
新しいスレ立てをする前に裏話の後半を投下しておきます
【14話。(地球に落ちた種)の裏話】その②
この話で東西南北の言葉の扱いについて言及してみました。太陽は東から昇り西に沈む。そんな常識が宇宙では通用しないんだなとふと思いまして、スレッタの異分子表現に使ってみました
たぶん探せばまだまだ『ここが違うよ宇宙と地球!』シリーズは組めると思うのですが、その場その場で思いついたことを書いているスタイルなので、この先も言及があるかどうかは分かりません。その辺りテキトーです
そして地味に市民カード(ナンバー)についても捏造しています。わざわざペイルが報酬に提示している物なので、アーシアンの身分では気軽にもらえない物ではないかと考えました。なのでスペーシアン用の身分証明書という風に設定してみました
作中でシャディクや4号は色々と地球では有利になると言っていましたが、ものすごく治安の悪い場所では逆に襲われる要因になる代物だったりします
もちろん4号はその辺り弁えていますので、市民カードの効力がキチンと発揮できる場所を中心に活動していく予定です
最後にスレッタの初恋の自覚についてですが、これは彼女の精神にまだ余裕があるから気付けたことです
ついでに精神状態…情緒が4号より成長しているからという理由もあります。つまり精神的には『おねしょた』です
そんなに違いはないですが、小学校低学年と保育園児くらいの差はあります。これは現時点での話で、片方が急速に成長したり、また片方が停滞したり時には逆行したりなどでバランスが変わっていきます
とりあえず切りのいい所まで投下し終わりました
お昼ごろに新しいスレを立てに来ます。それまでに何レスか残しておいてくださると助かります
ではまた
- 195123/05/02(火) 13:52:29
立てました
冒頭に今まで書いたSSを並べましたが、けっこう書いてますね
圧迫感がやばいです
[閲注・CP注]SS ごめんねスレッタ・マーキュリー(4号×スレッタ)その2|あにまん掲示板これはあにまん掲示板で立っていた元スレ「ごめんねスレッタ・マーキュリー」を参考にしたSSを掲載するスレのその2です6話以降のエラン4号がスレッタを誘拐、逃避行の末監禁するストーリーになっています。現在…bbs.animanch.com以下このスレは適当に埋めてください
- 196二次元好きの匿名さん23/05/02(火) 14:17:04
うめ
- 197二次元好きの匿名さん23/05/02(火) 14:50:18
乙うめ
- 198二次元好きの匿名さん23/05/02(火) 15:50:37
乙うめ
表紙かわいい - 199二次元好きの匿名さん23/05/02(火) 18:26:55
乙うめ
- 200二次元好きの匿名さん23/05/02(火) 19:01:54
乙うめ 監禁()ワクワク4号スレ待ってます