- 1二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 09:22:23
- 2二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 09:23:16
これだれのお兄ちゃんに言ってるんだ
捉え方によってはブラコン有能チャラ男トレーナーだぞ - 3二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 09:27:00
- 4二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 09:27:49
やめろなんかいい話じゃねえか
- 5二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 09:28:16
トレーナーになるのが夢だったけど夢半ばで亡くなってしまった天国の兄に捧げる…?
- 6二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 09:29:08
ラスサビのところで静かに泣いてるのまで見えた
- 7二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 09:30:58
両親を亡くし妹をトレセンに入学させ担当が付くまで面倒を見てたけどその後姿を消した将来の義兄へ義弟からのメッセージや
- 8二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 09:31:19
担当はフクキタルかアヤベさんかな
- 9二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 09:36:30
- 10二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 09:40:44
たしかに…呼び方変える前、幼い頃に亡くなった兄なんだな…って…
- 11二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 09:44:07
歳の離れたトレーナー兄が夢を果たす前に死んじゃった奴
- 12二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 09:54:46
普段同僚やウマ娘に(話したがらないけど)ふっと話す時は『バカ兄貴』とか『ウチのウマ娘大好きヤロー」とかいう二人称使ってるのに夢叶って感極まった瞬間、大好きだった兄との思い出が蘇って当時の『お兄ちゃん』って呼び方に戻っちゃったんだな。
泣くわ。
- 13二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 09:57:12
ウイニングライブの時兄貴とのツーショットをステージに向けてそう
- 14二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 09:59:05
担当ウマ娘はトレーナーが夜写真に向かって涙声で話しかけてるのは聞いてないフリしてるんだよね
- 15二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 10:05:48
ある日担当が「あなたの夢、私にも背負わせてください」みたいなこと言って、それで初めてお兄ちゃんの事を担当にも話すんだよね
- 16二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 10:08:05
カフェ「あのトレーナーさんに憑いている顔が似ている男の子…泣いているけど凄く嬉しそうにしていますね…」
- 17二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 10:09:05
お兄ちゃんの夢が名ウマ娘トレーナーだからそれを引き継いだとかそんな感じなのかねぇ…
- 18二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 12:01:26
このカテのチャラ男は時々ガチでハートにぶっ刺さる事してくるのなんなの?
- 19二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 15:10:46
- 20二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 15:12:47
夢を継ぐために必死に毎日勉強したり努力したりしたんだよね…手にペンだこ沢山出来てるんだよね…
- 21二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 15:15:05
- 22二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 15:15:21
アヤベさん担当させようぜ
- 23二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 15:16:41
みんなの前ではお兄ちゃんの模倣をしてるけどお兄ちゃんの前では素が出るチャラ男……
- 24二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 15:23:43
スレタイでカレンチャン案件かと思ったらフクキタル案件だったか
- 25二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 15:24:19
これであの兄貴も見直すっしょ?wwwwwマジテン上げだわwwwww
柄にもなくウマ娘ちゃん相手に本気出してみた〜的な感じで?wwwwwオレトレーナーの才能ありすぎぃ!マジ自分が怖いわ〜
がんばったんだよ……オレにもやれたんだよお兄ちゃん…… - 26二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 15:48:12
陽キャだった兄を追う陰キャの弟が、縋る様に性格まで真似をして必死にチャラ男ぶってるでも良いし
クソ真面目だった兄に対しての対抗心から真反対のチャラ男になったけど、兄の遺志を継いで同じ道を目指す事にしたパターンでも良い - 27二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 21:22:31
ちょっと>>3からの概念がハートに刺さったので自分なりに書いてみた。良かったら読んで。担当ウマ娘ちゃんは特定の誰かじゃなくてそれなりに才能のあるモブちゃんだと思ってくれ。
小さい頃の思い出ってのは、どんなに時間が経っても忘れないもんだ。大人になって、社会ってヤツに揉まれて、落ち込んだ時とかに不意に隣にやってきては、肩を組んで慰めてくれる。思い出ってのは、いつだってそうだ。
けど、それは良い事ばかりじゃない。思い出したくない事まで思い出して、その事を滅茶苦茶に意識させちまう事だってある。
「行ってきます、トレーナー」
「おう、俺ゴールで待ってっから。なんならウイニングライブの準備しとくからwwwはえーかwww」
真剣勝負の場には似つかわしくない軽薄な態度と着崩した制服姿。周囲には、白い目で彼を見る者も居た。けれど、担当ウマ娘である彼女は、そんな周囲には目もくれず、自身をここまで導いてくれた彼に力強く頷いた。
「センター、取ってみせますから。では……う、うぇーい」
「いや堅いわwww真面目かwww」
笑う彼の声と、彼女の背中を叩く音が響く。遠慮がちにポーズを取って少し恥ずかしそうに笑った彼女は、肩から背中にかけて強張っていた余計な緊張感を落とすと、ターフへと駆けて行った。
その姿を見送って、彼はそれまでの笑顔を仕舞いこんだ。すぐに踝を返し、応援席へと向かう。
(行くぜ、兄貴。今度こそ────)
- 28二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 21:24:59
新潟レース場。ジュニア級未勝利、芝1800m。3着に終わった彼女のメイクデビューの結果と走り方を踏まえ、彼が彼女と相談して未勝利戦の舞台に選んだのがここだ。
最終コーナーを超えた後の長い最終直線のどこでスパートを掛けるか、ウマ娘の地力は勿論、スタミナの使い方を計算しつつ攻め所を見極める、ある種の戦略も求められるコースだ。
向こう正面のスタート地点で枠入りを進めるウマ娘達を、スタンドに移動した彼も双眼鏡で見つめ、その時を待つ。彼女は、落ち着いた表情で枠入りを待っていた。彼は口元を僅かに上げると、ポケットに突っ込んだ手の先にある写真立てをそっと撫でた。CD音源のファンファーレが鳴ると同時に、彼の脳裏にかつて見た景色が鮮やかに蘇る。
『わぁ……ここがレース場……!』
『よし、一番前で見ようぜ! 遅れるなよ、──!』
『待ってよ、お兄ちゃん!』
二人の子供が、応援スタンドの一番前へと駆けていく。手すりに両腕を乗せて、身を乗り出して目の前を駆け抜けるウマ娘達を見送った。
『すごい……! ウマ娘ってすごいね、お兄ちゃん!』
『だろ? 脚が速くてカッコいい、最高のヒーローさ。そんでな、あそこにいるのがヒーローのリーダーだぜ』
『リーダー?』
背の高い子供が指さした先で、1着のウマ娘が制服を着た大人の人と勝利を分かち合っていた。
『なあ、──。俺はな、あの人みたいになりたいんだ。あの人みたいに、ここの会場みんなが応援してくれるようなヒーローを育てる『トレーナー』になるんだ!』
『なれるよ、お兄ちゃんなら、絶対なれる!』
そう力強く応えた小さい子に、兄はニッと得意げな笑みを浮かべていた。 - 29二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 21:28:33
次の瞬間、向こう正面のゲートが開き、スタンドに歓声が沸き起こる。思い出の中に居た彼の意識も、その歓声に呼び戻されてしまった。慌てて双眼鏡を目に当てる。
出遅れは無し、スタート良好。中段、先行策を取るウマ娘のすぐ後ろに付く、彼女にとっては理想的なポジションだ。
メイクデビューでは先行策を取ったものの、沈んでくる逃げウマ娘を躱した瞬間後続に差されての3着。それからは、併走トレーニングのスケジュールを増やし、適正の合う作戦を模索した。
結果見出した作戦は『前寄りの差し』。ギリギリまで粘ったが、やはり彼女の地力と感覚的に最もスパートに力を入れる為にはこの作戦がベストと判断した。通常の差しより前、けれど出すぎるとペースが狂いかねないという繊細な作戦だけに、スタート直後の絶妙な位置取りを要求されるが、彼女の持つポジションセンスは上手くその位置を捉えていた。
新潟の長い最終直線を100%の力でスパートして走り切る為には、中盤のスタミナ管理も欠かせない。掛かって前に行けば、最後に沈んでしまうだろう。少なくとも、この未勝利戦に出走したウマ娘達は皆冷静だった。強いて言えば、逃げの手を選んだ最内枠の子がやや前に出すぎているような気がするくらいか。
最終コーナーへ差し掛かり、後ろの子が少しずつ前を狙って動き始める。だが、まだ動かない。勝負は、直線に入ってからだ。
メイクデビューや未勝利戦は重賞に比べると走るウマ娘も少なく、レース中の光景はやや寂しく感じると言うのが観客の正直な感想だろう。けれど、走るウマ娘達にとっては、そんな事関係ない。たった一つしかない一着という名のセンターを目指し、ただひたすらに、駆ける。GⅠだろうが、未勝利戦だろうが、目指すべき場所はただ一つ。
(私が一着でゴール板を超えるには、ここではまだ早い)
最終コーナーの中程を超え、後ろの子達が直線へ向けて上がってくる。前後の距離が詰まり、9人の蹄鉄がターフを叩く音が轟々と耳に響く中、彼女はテンポよくブレスを刻みながら心静かにそう唱えた。 - 30二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 21:32:48
初めは、軽そうな人だな、と思った。後、選抜レースはあまり見せ所の無い4着で、ベテランどころか新人トレーナーからも見向きされなかった私に声をかけるなんて、この人はウマ娘なら誰でも良いとか思っているのかな、とも思った。
上級生で言えば、ダイタクヘリオスさんとかと息が合いそうで、正直自分にはとてもじゃないけど合わなさそうなタイプの人。そんな第一印象だった。けれど────
『ちょい待てよ! さっき走ってんの見てさ、君才能あるってマジ即分かったんだって。ウソじゃねえ、君、ヒーローになれっから。絶対ヒーローになれっから、マジで!』
ヒーロー。その言葉を口にした瞬間、彼の目が変わった気がした。どこか子供っぽさを感じるその言葉の裏に、どんな想いが過ったのかは分からない。けれど、その過った"何か"に、その時の瞳の真っ直ぐさに。私の夢を乗せても良いかもしれない。そんな直感的な想いが、私の心を動かした。
『分かりました……ありがとうございます。あの、それでは、これからよろしくお願いします、トレーナー』
『……え、マ?』
『早速ですが、契約の手続きをお願いします』
『よっしゃぁぁぁ!! ウェ~~イ!! 俺今まさにトレーナーデビュー! お前ドリーム掴むメイクデビュー! 頂点目指すぜFooooo!!』
周りのトレーナーの白い目と、一緒に選抜レースに出た子達の気の毒な物を見る目がちょっと、いや大分恥ずかしい。でも、ここから始まるんだ。きっとあの目は、信じていい目だ。そう、今だって。
前に出すぎた最内枠の子が、少しずつ下がってくる。先行策の子がそれを見て二人前に上がったけど、多分、スパートが早い。同じ事を考えているのか、後ろの子達はまだ積極的に動かない。そして、最終直線に入って一瞬と少し、全員が前を向いたその瞬間。
(……ここから、"マジのマジ"で!!)
怒りの衝動のように、右足を思い切り、全力でターフに叩き付ける。少しだけ前傾姿勢になったら、叩き付けた脚を、思い切りブッ放す。イメトレと実際の走りがなかなかかみ合わなくて苦労したのに、今はそれを一つ一つ、スローで追える程にスムーズに身体が動いた。前を捉え、誰も居ないゴールへ向かう為の差し切り体勢、完了。
さあ、飛んでいこう。上昇気流に乗って、ヒーローみたいに。 - 31二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 21:37:05
『さあ全員が前を向いてここで5番が中段から一気に飛び出した! 逃げた1番は下がる! 先行する二人を捉えて並ばずその差を少しずつ広げていく! だがまだ長い直線だ、後続も次々とスパートにかかる!』
レースの展開に合わせて声のボルテージを上げていく実況の声は、彼の耳には入っていなかった。あの日、彼女に見せた真っ直ぐな瞳のまま、夢を誓い合った彼女の走りを見つめていた。
「……行け」
不意に、口から言葉が零れる。それに重なるように、彼の脳裏から思い出が溢れ出し、懐かしい声が重なっていく。
もう二度と会えない、あの人が。大好きだった、あの人が。彼の肩にそっと手を置いた。
いいか? ウマ娘はな、いつだって応援を力に変えるんだ。さあ、声を上げろ!
「行け」
なんだなんだ、そんなんじゃ届かないぞ? 腹から声を出すんだ。
「行けっ……!」
その調子だ! 俺と一緒に届けるんだ、ヒーローにエールを!
「行け!!」
さあ行くぞ──! せーのっ!!
『「行けぇぇぇぇぇぇ!! 走れぇぇぇぇぇぇ!!!!」』
一緒に声を張り上げた。一着だけを目指して走る彼女に、必ず届くと信じて。 - 32二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 21:39:47
なんかとんでもなく素晴らしいSSが始まってる!?
- 33二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 21:40:15
先行策を取った子は、やはりスパートが早かったようだ。このペースなら躱せる。だが、後方からスパートをかけてきた子達の音が死に物狂いで私を捉えようとする。未勝利戦を勝って、一気に弾みをつけて、必ずやあの日憧れた舞台に立つ。その一心で迫ってくる音がする。
でも、それは私も同じ。
「はっ、はっ、はっ、はっ……っ……すぅ……っ!!」
それまでテンポを上げつつ規則正しくリズムを刻んでいた呼吸を止め、思いっ切り息を吸った。
絶対に、譲らない。私は、夢を叶える。そして、あの人が夢見たヒーローになるんだ。
その瞬間、声が聞こえた。いつもの軽い調子じゃない、あの時見た真っ直ぐな目をした誰かの声が。
行け! "俺達の"ヒーロー!!
「……あああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
最後に吸い込んだ息を、絶叫と共に吐き出して、追いすがってきた後続をもう一度風の向こうへ追いやって駆け抜ける。
ゴール板の遥か向こう、何もかも出し切ったせいで減速してすぐに私の身体はターフに崩れ落ちた。
「はぁ……はぁ……っ! っぐ……っは、はぁ……はぁ……!!」
思い出すように、掲示板へと目線を動かす。1着の欄には確かに自分の番号が煌めく星のように点滅していた。
思わず、目頭が熱くなる。思いの丈が溢れそうになる。でも、それはまだ早い。しっかりと全身に意識を回し、立ち上がって歓声を上げるファンの方を向く。
まずは、感謝の一礼。そして、右の拳を、天高く突き上げる。未勝利戦のスタンドに集まった観客たちの拍手喝采が、新たなるヒーローの誕生を祝福していた。
そして、スタンドに居た彼も、左手はポケットの中の写真立てを握りしめ、人差し指を高く空に突き上げて彼女の勝利を祝い、夢の宝石を天に居る大切な人へと捧げた。 - 34二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 21:44:20
「ウェーイwwwお兄ちゃん見てる~? 今から俺の担当ウマ娘が初めてセンターでウイニングライブ踊っちゃいまーすwww」
ウィナーズサークルで地元のTV局のアナウンサーが、カメラと共に取材を始めると同時にマイクを奪い取っての第一声がコレである。
おおよそ担当ウマ娘の初勝利に取る態度ではないものの、向けられたカメラに対し家族に向けて喜びを爆発させるのは珍しい事ではないし、少なくとも、先程までずっと目元を拭い、目元を真っ赤にした彼の様子を見ていた周りの人は、何も言う事は無かった。
「ってか、俺がマイク独占して話しちゃだめじゃんwww一着取ったの俺じゃねえわwww」
やっべやっべ、とわざとらしく笑って、彼はアナウンサーから奪ったマイクを彼女に渡した。彼女は一瞬戸惑ったが、アナウンサーがどうぞ、とばかりにジェスチャーで促したので、彼女はこほん、と咳払い。そして、声を張り上げた。
「私をトレセン学園に送り出してくれたお母さん! 応援してくれたお父さん! 頑張れって言ってくれたみんな!! 私、ここで初めて一着になれました! 今からセンターで、ウイニングライブ踊っちゃいまーす! わたっ……! 私が、せ……センター、でっ……!」
必死に涙を拭う姿に、集まった観客からがんばれ、と声が上がる。その声に応えるように、彼女はもう一度声を張り上げる。
「私がセンターで踊る所、しっかり見ててね! ありがとうございました!」
そう言って頭を下げた彼女の肩を、彼はしっかりと抱きしめ、もう一度集まった人たちにポーズを送る。先程までの態度はどこへやら、涙を抑えきれない彼の姿に、周囲からは暖かい拍手が送られた。
もう、お調子者の新人トレーナーと選抜レース4位の目立たないウマ娘はどこにも居ない。輝き始めた夢の原石を白い目で見て、剰え笑うものは、もう誰一人いなかった。 - 35二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 21:49:19
すき
- 36二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 21:50:00
エエヤン……………………………
- 37二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 21:50:53
『響けファンファーレ、届けゴールまで 輝く未来を、君と見たいから』
未勝利戦のウイニングライブは、やはり重賞と比べると派手さには劣る。それでも、一着になった子も、そうでなかった子も、集まってくれたファンに応えて歌い、踊る。それがウイニングライブだ。そんな彼女達の頑張りを精一杯称えるべく、集まったファンは声援を送り、サイリウムを振るう。
その中で、彼は先程までの軽い調子の笑みを収め、穏やかな表情でセンターで踊る彼女を見ていた。先程はポケットにしまっていた写真立ては、センターに立つ彼女に向ける。
「どうよ、お兄ちゃん。強えだろ? カッコいいだろ? 俺のヒーローは」
小さい頃の思い出ってのは、どんなに時間が経っても忘れないもんだ。けど、それは良い事ばかりじゃない。思い出したくない事まで思い出して、その事を滅茶苦茶に意識させちまう事だってある。例えば、俺が落ち込んだ時に肩を組んでくれる思い出の人は、今はもう居ないって事とかな。
それでも今日は、お兄ちゃんに連れられて、一緒に初めてレース場へ行った日の事を思い出してさ、そんな思い出が今までずっと一緒で、本当に良かったと思えた。あの日、お兄ちゃんの夢を俺が叶えてやるんだって、地元を飛び出して、今日まで全力で突っ走って、本当に良かったと思ったよ。
今日が夢の第一歩だ。お兄ちゃんと俺の夢は、こっからが本番だぜ。
「なあ、お兄ちゃん……もし隣に居るなら、最後まで見ていってくれないか?」
写真立てに話しかけるように一人呟く。ライブの灯りが写真立てに反射して、その中で永遠に輝く笑顔を、より一層輝かせているような気がした。
『I believe 夢の先まで』
未勝利戦の、重賞やGⅠレースには及ばない、小さなライブ会場。それでも、センターに立って、夢を歌い上げて輝く彼女に、彼はいつまでも、いつまでも、隣に立つ一番大切な人と一緒に拍手を送り続けていた。 - 38二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 21:53:17
以上です。ありがとうございました。
レースの描写とか拙いところだらけですまん。でも個人的にはすごい満足してます。この世界線のチャラ男に幸あれ。 - 39二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 21:57:28
ありがとうございましたッ
- 40二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 21:59:40
素晴らしいSSが提供されている
- 41二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 22:18:07
めちゃくちゃいいものが…ありがとう
- 42二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 22:31:10
- 43二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 22:32:48
ウェーイwwwお兄ちゃん見てる〜?
ごめんねぇ〜お兄ちゃんの推しウマ娘ぶち抜いて今からウィニングライヴ中央取っちゃいま〜すwww - 44二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 22:35:50
てっきり担当が一度しかセンター取れなかったカレントレ煽ってるのかと思ったらそうじゃなかった
- 45二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 23:17:30
それはそれで見たい気もする
- 46二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 23:18:34
- 47二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 06:32:33
泥臭いスポ根みたくてそれはそれで好き。そんで死に物狂いで勝つ展開はもっと好き。
- 48二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 09:13:07
チャラ男の担当ウマ娘はエリート兄の担当ウマ娘の姉とかだと個人的にすごくすごい滾る。
- 49二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 09:18:24
病気の兄がウマ娘見ながら「僕もこれだけ走れたらな……」とか言ってたのを聞いてなにも知らないで「治ったらきっと走れるって!」とか言ってた幼いチャラ男がいて
トレーナーになったチャラ男が怪我して諦めそうなウマ娘に担当を申し込んであらゆる治療法を調べた上で「治ったら走れるって!」って言うやつやって - 50二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 09:23:02
「輝く未来を、君と見たいから」の「君」っていろんな妄想ができていいよね…
チャラ男トレーナーが兄と担当の未来を、担当がトレーナーとヒーローになる軌跡を
やっぱ名曲だわ - 51二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 09:55:59
ダミアン・オリヴァーの立てたスレ
- 52二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 13:27:57
- 53二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 13:57:02
担当の名前に「ヒーロー」って入ってそう感
目についたきっかけそのものはそれだったりしそう - 54二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 15:13:17
- 55二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 15:18:04
- 56二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 18:16:47
相変わらずスレタイと中身の温度差がすごい
- 57二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 18:21:36
- 58二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 19:48:07
チャラ男スレは乱立されがちかつ一発ネタばっかだけどたまに珠玉の名作が誕生するから困る
- 59二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 22:04:02
このチャラ男のウマ娘にはGⅠ勝ったらユメヲカケル踊る権利をあげたい。