- 1二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 20:18:49
- 2二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 20:22:10
- 3二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 20:26:48
「ああ、そうだがそれが何か?」
「だ、だったらちゃんと謝りなさいよ!」
「こんな古典的なギャグに引っ掛かるお前が悪いに決まってるだろ。何で俺がごめんなさいしなきゃいけねェんだよ」
「う、うぐぐ・・・!」
「お前はカウガール」
「だ、だから?」
「お前はさァ、まさに昔の古臭い西部劇のステレオタイプ。時代遅れもいいところなんだよ」
「じ、時代遅れですって?」 - 4二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 20:32:09
時代遅れ、その言葉がカウガールの胸に突き刺さった。
「そう、時代遅れ。オールドファッション!お前みたいな西部女なんて流行らねえんだよ」
「よ、よくも言ったわね!」
怒りに震えるカウガールがホルスターの銃を取り出そうとした時だった。
「おせえぞ」
「えっ!?」
いつの間にか、カウガールの背後にあにまやくざが回り込んでいた。
一瞬、まさに一瞬だった。電光石火以上のスピードだった。 - 5二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 20:37:28
「女だからって手加減はしないからな」
カウガールの背後に回ったあにまやくざは、彼女を軽々持ち上げるとブンブン振り回した。
「うわあああ!目が回るぅぅううう!!」
あにまやくざはカウガールをヘリコプターのプロペラみたいに振り回して、振り回してまくった。
「とぅりゃ!!」
そして、そのままカウガールを投げ飛ばした。
投げ飛ばされたカウガールは近くの塀にぶつかって突き破り、空き地に放り出された。
「よ、よくもやったわね!」
カウガールは何とか立ち上がり、あにまやくざに歩み寄る。 - 6二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 20:43:29
「こうなったら脳ミソ撃ち抜いてやる!!」
しかし、あにまやくざの動きは俊敏だ。筋肉質なその体からは想像できないスピードだ。
「だから遅いんだよ!」
またも背後に回られ、今度は左脚の太腿に強烈なチョップを食らわされた。
「くがッ!」
強烈なチョップだ。太腿に強い痛みが走った。
その隙に腰に装着したホルスターと中の銃諸共、あにまやくざに乱暴にベルトから引きちぎられ奪われてしまった。 - 7二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 20:47:43
「そ、そんな!」
「弱っちい西部女だな。聞いて呆れるぜ」
「じゅ、銃を返して!ホルスターも!」
「返せって言われて、返すバカがいるかよ」
あにまやくざはそんなカウガールを嘲笑い、今度は腹パンを食らわした。
「ぐへっ!!」
カウガールはそのまま倒れ、動けなくなってしまった。
「どうやら、これでジ・エンドだな」 - 8二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 20:52:30
倒れて動けなくなったカウガールに歩み寄るあにまやくざ。
「このあにまやくざ様に楯突くからこうなるんだ」
あにまやくざはそのままカウガールから帽子、スカーフ、ブーツを脱がして奪う。
「こいつらは戦利品として持っていくぜ。悪く思うんじゃねえぞ」
そしてペッとカウガールに唾を吐きかけた。
「さーてと、この帽子やブーツ、アンティークショップに行けば高く売れそうだな。まあ、高値でぼったくってやるけどな」 - 9二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 20:56:13
「ま、待ちなさい!」
「あァん!?」
その声の主は、さっきまで倒れて動けなくなっていたカウガールだった。
なんと立ち上がっているではないか。
「ば、バカな!あれだけ食らっておいてまだ立つのか!?」
「わ、私はカウガール。熱き西部魂の持ち主よ」
「何が熱き西部魂だ!笑わせるな!」 - 10二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 21:01:12
カウガールはゆっくりとあにまやくざに歩み寄る。
左脚の太腿は骨が折れているはず。なのに歩いてくる。
こんな華奢な女があれだけの攻撃を受けてなお、立ち上がることにあにまやくざは次第に恐怖を覚えた。
「さあ、帽子やブーツ、銃を返して。さもなくば・・・」
「さもなくば?」
「こうしてやるわ!」
ズゴォ!!あにまやくざの顔面に、カウガールの回し蹴りが直撃した。 - 11二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 21:05:59
「ぶふぇ!!」
あにまやくざの鼻の骨や歯が折れ、血をダラダラと流す。
「お前!あれだけやられておいて、どこにそんなパワーと体力が残っていやがる!」
「一つ教えてあげるわ。西部はまさに弱肉強食の世界。そんな世界を生き残るのに必要なのは死を恐れない、生への執念!」
「な、何だと!?」
「死を恐れ、生きることを諦めた時点で終わりなのよ」 - 12二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 21:11:20
そう、生への執念がカウガールの心や体を動かしているのだ。
「追い詰められ窮地に陥るほど、その執念はより力強く計り知れないものになるのよ」
そして、今度はあにまやくざの首にエルボーを食らわした。
ボキィ!!と首の骨が砕ける音がハッキリと聞こえてきた。
「あ、あ、あががっ・・・」
あにまやくざはとうとう倒れてしまった。
「や、やったわ・・・!!」
あにまやくざを倒したことが嬉しくて、カウガールはそのまま力尽き、再び倒れてしまった。 - 13二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 21:18:15
しばらくして目が覚め、意識を取り戻すカウガール。
気がつくと太腿や腹に包帯が巻かれ、しっかりと手当てされていた。
「おぅ、気がついたようだな」
近くにはあにまやくざが座っていた。自分が目を覚ますのをずっと待っていたようだ。
手当てを施してくれたのも他でもない彼だった。
「悪かったぜ、お前のことを時代遅れだとかバカにしてよ・・・」
「うん、まだ許してないからね」
「えっ!?」
「冗談よ」
「び、ビックリさせんじゃねえよ」 - 14二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 21:25:53
「でも、あにまやくざ。あなたの言う通り、私は時代遅れのカウガール。西部劇なんて今時流行らないもんね」
「おい、何を卑下してんだよ。俺はな、今日のお前の戦いっぷりに感動したんだ。そんな弱気なこと言うと、また腹パン食らわせるぞ」
「あ、あにまやくざ・・・」
「お前は俺の考えを少しだが改めさせてくれたかもしれねえ。それに感謝してんだよ」
あにまやくざはスッと立ち上がる。
「お前のその熱き西部魂、しっかりとキャッチしたぜ。もっと自分に自信持てよ。それじゃあ、俺は用事があるから」
そう言うと、あにまやくざはどこかへと走り去っていった。
カウガールは思わずニコッと微笑んだ。
それ以来、カウガールはあにまやくざと仲良くなったのだった。
THE END - 15二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 08:41:54
カウガールとあにまやくざの取っ組み合い迫力あって面白かった
- 16二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 17:36:32
保守
- 17二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 18:33:38
あにまやくざ、西部劇が嫌いなのかな?