暇だしぼっちを甘やかすか

  • 1二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 17:10:06

    「はい、これ。今まで借りてた分。遅くなってごめんね」
    「い、いえ……ちゃんと、返してくれたので……」
    「いや、私も反省をした。借りた金を長らく返さないのは御法度。というわけで、お詫びと言ってはなんだけど、今日はぼっちをたっぷり甘やかそうと思う」
    「……え、えぇと……?」
    「つまり、今日一日、ぼっちは私にお願いし放題。お金がかかる様なのは限度があるけど、可能な限り何でも聞いてあげよう」


    「山田リョウのサービスタイム、第二弾だよ」

  • 2二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 17:10:30

    前にちまちまやってた↓のスレとほんのり続いてる様なスレ。安価とダイスでぼリョウがいちゃつきます。2人の空気感なんかは前スレを見て頂ければ幸い。


    暇だしぼっちを撫でて遊ぶか|あにまん掲示板bbs.animanch.com


    ぼっちは何をお願いした?

    🎲>>7

  • 3二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 17:16:19

    耳かき

  • 4二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 17:22:22

    ハグ

  • 5二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 17:23:41

    店長さんに対しての抗議の依頼(盗撮に関して)

  • 6二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 17:33:01

    (冷食の)オムライス作ってこれみたいなことやる

  • 7二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 17:36:32

    添い寝

  • 8二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 17:40:16

    dice1d5=3 (3)

  • 9二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 17:45:45

    また店長が盗撮してる…

  • 10二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 17:58:19

    「お、おねがいというか、相談したいことがあって……店長さんのことなんですけど……」

    「うん?店長?」

    「その、店長さん、監視用って言って私の動画とか写真がいっぱいパソコンの中にあったじゃないですか」

    「…………ああ、あったね」

    「その、やっぱりなんというか、目を付けられてるのが、ちょっと怖くて────」



    「わかった。私に任せておいて。次バイトに行く頃にはどうにかしておく」

    「あ、ありがとうございます……」


    不安げな顔のぼっちを落ち着かせる様に頭を撫でる。

    店長が可愛いもの好きなのは知っている。ぼっちをやたら気にかけているのはそれもあってのことだろう。監視だなんだといっているのは、多分素直になれないせい。そうぼっちに言ってやることもできるけど。


    「…………」


    バイト先として日頃から世話になってはいる。ただ、そこまでフォローしてやる義理はない。


    だって、この子は、私の────


    「リョウさん……?」

    「ん……なんでもない」


  • 11二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 19:36:52

    ん?

  • 12二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 20:28:46

    あぁ^~染み入る^~
    最近辛いスレだらけだから、ここが療養効果のある源泉に思える

  • 13二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 20:37:43

    「さてぼっち、他に何かして欲しいことはある?」

    「え、ええと……」


    🎲>>18


  • 14二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 21:00:15

    2人でキラキラJKみたいなことしてみたい

  • 15二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 21:03:57

    プリクラ撮りたい

  • 16二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 21:05:48

    2人で気ままに旅行。名目上はインスピレーションのためとか

  • 17二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 21:12:05

    唐揚げが食べたい

  • 18二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 21:27:57

    抱き枕になってほしいです(いい匂いしそうだし)

  • 19二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 21:29:10

    リップをお揃いにしたい

  • 20二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 21:52:44

    dice1d6=3 (3)

  • 21二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 22:21:41

    「あ、あの、2人で旅行、とか……」

    「旅行?」

    「いやっあのっそのっなんというか最近あんまりいい歌詞が浮かばなくてインスピレーションのためにというかそのあの」

    「の割にはここ最近爆速で何曲も仕上げてるない?…………"あの日"から」


    あの日が何を指すのかばっちり読み取ったぼっちは途端に黙り込んでしまった。

    そんな様子が面白くて、可愛らしくて、思わずくすっと小さく笑ってしまう。


    dice1d2=2 (2)

    1まあいいや。行こう行こう。

    2要するに、ぼっちは旅行デートがしたいわけね

  • 22二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 22:26:52

    なんだか姉力高いな

  • 23二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 22:47:23

    「でっでっででででっ…………!?」

    「……かーん?」

    「でっ、でっ、でーとって」

    「違う?私とデート、したくないの?」

    「ちがっ……く……なぃ……です……」


    恥ずかしいから認めたくない、けれどしたいかどうかを問われたら「違う」と否定したくなくて、結局蚊の鳴くような声で認めてしまう。そんな葛藤が見えるようだった。


    青春コンプレックスのぼっちがデート。初めて会った時から、本当に色々変わったな、この子。見ていて飽きないところは変わらないけれど。いや、見ていてもっと楽しくなっているから、そこも変わったと言えば変わったのかな。


    「ふふ……それじゃあ、デートしようぜ、ぼっち」

    「うう……はい……」


    さて、行き先はどこにしようか。突発的だから、近場か日帰りで行ける範囲がいいかな。

    ぼっちの負担にならないように人の多い場所を避けて……いい穴場みたいなところないかな……

    それかジャンク屋とか中古の楽器を覗きに行くとか……


    🎲>>28

  • 24二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 22:54:20

    "等々力渓谷公園"
    世田谷にある渓谷
    下北沢からも遠くない意外な自然スポットの穴場だぜ

  • 25二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 23:23:16

    二人きりで江ノ島に行ってみる

  • 26二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 23:37:04

    ホテル

  • 27二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 23:39:46

    神社

  • 28二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 23:43:14

  • 29二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 23:58:24

    このレスは削除されています

  • 30二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 23:58:52

    dice1d5=5 (5)

  • 31二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 00:08:40

    行き先について色々と考える中でネックになったのが、ぼっちの家までの距離だった。もう午後だし、今から向かっても帰る時間を考えると少し慌ただしくなってしまう。どうしたものか。

    「あ…………」

    そうか。

    遠くなるのがダメなら、逆に、"帰ってしまえばいい"。

    「ぼっち、行き先が決まった」
    「あ、はい」

    「今からぼっちの家まで向かうよ」

    「……………………はい?」

  • 32二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 00:22:07

    「…………それって、もう帰れって、こと、ですか」

    「違う違う。私と一緒に帰るんだよ。めちゃくちゃ寄り道しながら、ね」

    「えっと……」


    暗い想像をして暗い表情になったぼっちを宥めつつ説明する。


    「普段のぼっちって、家から真っ直ぐ下北沢に来て、真っ直ぐ帰ってるよね?」

    「はい……」

    「今回は、そんなぼっちが"普段降りない駅"で途中下車するんだ。行ったことないところをGoogleマップ片手にぶらぶら歩いて、飽きたら別の駅に行ったり、疲れたら帰ってもいい。家の近くだけど行ったことない駅、結構あるんじゃない?」

    「あ、最寄駅と降りる駅以外全く降りたことないです……」

    「ん、じゃあこれで行こう。身近だけど身近じゃない、そんなところに行くのも悪くないんじゃない?」

    「な、なるほど……」


    なるほどと言いつつ、いまいちピンと来てなさそうなぼっち。じゃあ、少し喜びそうなのをひとつまみ。


    「あとついでに……これはできたらでいいけど、ぼっちの家に着いたら、私が、そのまぼっちの家に泊まる……とか、どうかな?」

    「あ……」

    「夜まで、私と一緒にいられるけど。どう?」


  • 33二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 00:31:39

    ぼっちちゃんは定期あるけど山田は電車賃持ってるか?

  • 34二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 00:47:22

    >>33

    借金返せるし流石に持っているであろう

  • 35二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 00:50:17

    >>33

    良い感じに進んでるんだから水を差すなと言いたいところだが山田だからな...

    でも旅行と言われたタイミングで否定していないということはそれくらいの持ち合わせはあるんだろう

  • 36二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 03:00:20

    そもそも原作だって急に江ノ島行くことになっても運賃+アイス食えるくらいの待ち合わせは持ってたし
    エスカーで尽きたけど

  • 37二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 09:12:36

    この世界線の山田はきっと大丈夫…

  • 38二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 09:13:13

    楽器買うのちょっと我慢するだけでそのぐらい余裕では

  • 39二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 11:01:59

    カーンが入ってる+510点
    あかんわ、夜まで一緒だなんて誘ってる山田が可愛すぎる。ぼっち、女を見せろ

  • 40二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 11:18:46

    このレスは削除されています

  • 41二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 11:23:00

    ぼっちがご両親に確認を取ってくれて、いきなりだったけれどぼっちの家に泊まれることになった。着替えの用意とか、軽く身支度を整えて、いざ出発……


    「あの、リョウさん。電車賃って大丈夫ですか?」


    改札を抜ける前、ぼっちがそんなことを聞いてきた。いざとなったら私がまた出そう、みたいなことを考えてる顔だな、これは。まあ、今までの私を考えたらそう思うのも無理ないけど。


    「大丈夫、今日一日豪遊するくらいの金はあるから」

    「そ、そうなんですか?」

    「うん。それに────」



     ・・・・・・・・・・・・・

    「もう借りなくても大丈夫そうだし」



    「……………??」

    「…………何でもない。行こうぼっち」

    「あ、はい」


    …………口が滑った。いらないことを言ったな。


  • 42二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 11:26:11

    山田が金借りる理由、そういうのいいよね

  • 43二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 11:29:13

    器用に甘やかすようで不器用だった山田

  • 44二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 14:43:47
  • 45二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 14:52:31

    あえての渋谷

  • 46二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 15:32:42

    六郷土手

  • 47二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 17:37:27

    横浜くらいにしておこう

  • 48二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 17:44:39

    このレスは削除されています

  • 49二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 19:32:09

    日ノ出町駅

  • 50二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 19:42:54

    dice1d4=2 (2)

  • 51二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 19:55:02

    (六郷土手って何がありますか教えて有識者)

  • 52二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 19:57:19

    >>41

    この山田可愛すぎるでしょ。こんなん原作にいたらヒロインになっちゃうから、ここだけで独占しなきゃな……

  • 53二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 20:20:40

    河川敷の公園...?

  • 54二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 00:14:24

    河川敷、止め天神、水門通り商店街くらいか
    8月だったら花火大会があるらしいが

  • 55二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 00:40:28

    小田急線沿いならわかるんだが

  • 56二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 01:22:02

    地方民だけどググったらバイオリン公園とかいうのが出た

  • 57二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 03:06:41

    このレスは削除されています

  • 58二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 03:09:00

    六郷土手駅で降りた。初めて聞く名前、初めて訪れた場所。奇妙な形をしている開けた公園に足を運んでみた。


    「ここ、バイオリン公園って言うらしいね」

    「バイオリン……」

    「うん。多分、この地面の形がバイオリンみたいになってるからそう言う名前なんじゃないかな。ほら」

    「あ、ほんとだ」


    スマホで地図を見せると、確かに細長くしたバイオリンのような形になっているらしい。



    2人してベンチに腰掛けて、少しお喋りすることにした。初めて見る景色を眺めながらだと、不思議と会話もいつもより弾む。


    「バイオリン、結束バンドにも組み込めたらなって考えた事も少しだけあったな」

    「バンドに、ですか?」

    「うん。ぼっちも聞いたことない?普通のバイオリン以外にも、エレキバイオリンとか、そういうのを構成に入れたバンド」

    「えーと……音ゲーに出てくる作中バンドなら……」

    「そっか。バイオリン、面白いよ。ぼっちがやったボトルネック奏法とは、また違った音がロックに混ざるんだ。例えば………ほら、このバンドとか。知ってる?」

    「あ、初めて見ました……」

    「じゃあ、ちょっと聞いてみようか」


    イヤホンの片方を自分の耳にかけて、もう片方をぼっちに差し出す。


    「え、あの……」

    「ほら、一緒に聞こう。ほら、もっと近くに寄って」

    「わ、あ…………あ、ぅぅ……」

    「ふふっ」


    肩を掴んでぐいっとぼっちを引き寄せる。一気に縮まった距離に、ぼっちは照れたように黙り込んだ。

  • 59二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 03:17:34

    きゅんきゅんしちゃう

  • 60二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 08:20:49

    >>41

    意味わかるとほんまこいつって感じだな

    かわいすぎか?

  • 61二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 09:38:34

  • 62二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 12:41:37

    あっあっあっ(尊みと熱量のWパンチで溶けるオタク)

  • 63二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 12:55:59

    最近荒んだスレが多かったから尊みが染みる

  • 64二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 21:03:23

    保守

  • 65二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 02:40:21

    体をピッタリと寄せ合って、2人でイヤホンを分け合って、音楽を聴く。イヤホン半分こ、なんて呼ばれ方をするらしい、カップルのド定番みたいなシチュエーション。まさか、私みたいな陰キャがやる事になるとは思わなかっ────

    「アーティストの楽曲を聴く時は不向きだねこれ。やっぱ両耳でつけて聞いて」
    「あ、風情もムードもへったくれもない……」

    揶揄うような口調から一転していつもの調子に戻ったリョウさんから結局もう片方も受け取ることになりました。まあ、大抵の楽曲は左右に音が割り振られてるいるから、片耳イヤホンで聴いても音が半減するだけになってしまうことが多い。思わぬ落とし穴だった。

  • 66二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 02:47:01

    気を取り直して、リョウさんが勧めてきた曲を聞こうとする。音量を最小にしてから少し上げて、聴きやすい大きさに。流れてきた広告を5秒待って、スキップボタンを押して……

    「……………」

    イヤホンを2人で分けなくなったから、2人して身を寄せ合う必要もない、はず。
    けど、リョウさんの手が、私の肩をそっと抱き寄せたままで。くっつけたままの体から、体温がじんわりと伝わってくる。

    「…………ぅぅ」

    結局、あんまり、集中して聞けなかった。

  • 67二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 09:09:54

    あまーい!

  • 68二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 09:10:23

    季節は春か秋かな?バイオリン公園はこの時期めっちゃ暑そう

  • 69二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 13:06:02

    >>68

    夕方かもしれない

  • 70二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 13:10:48

    >>68

    時期や季節とかは特に決めてないので、とりあえず過ごしやすい天気だったということで

  • 71二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 17:42:14

    あれ?こいつら結婚してないんだっけ?
    レッドカーペット敷きに行かなきゃ(使命感)

  • 72二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 20:53:21

    保守

  • 73二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 23:34:31

    次に行くところ

    (まだ同じ街を回る、六郷土手にある××へ行く、六郷土手から金沢八景までの間の別の駅に行く、もう家に向かう、など)

    🎲>>78

  • 74二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 23:47:23

    横浜駅で降りて周辺を散歩する

  • 75二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 07:13:42

    弘明寺駅

  • 76二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 13:22:33

    行くところ決めてないけど野良猫と出会った

  • 77二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 13:39:40

    買食いをする

  • 78二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 14:06:29

    日ノ出町駅

  • 79二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 15:12:36

    dice1d5=2 (2)

  • 80二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 19:28:26

    とりあえずお寺に行くとして他はどうしよう

  • 81二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 19:41:48

    >>80

    公園に展望台がある

  • 82二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 19:42:14

    のんびりしてていいなぁ

  • 83二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 00:39:34

    >>81

    ランドマークタワーとか、天気が良ければ富士山も見れるのか

  • 84二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 06:59:02

    保守

  • 85二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 15:12:30

    保守

  • 86二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 15:22:38

    次に訪れたのは孔明寺駅。駅名にある通り、すぐ近くにお寺があるらしい。2人して境内案内図を覗き込む。

    「結構広いんですね」
    「お寺ってさ、来たことない、ってことは無いけど、じっくり見て回ることって案外少ないよね」
    「あ、確かに……初詣とか修学旅行でも割とすぐに帰っちゃいますね」
    「せっかくだから、隅々まで歩いて見て回ってみようか」
    「で、ですね」

  • 87二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 16:59:44

    無限にイチャつけ

  • 88二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 20:36:25

    この後2人は

    dice1d4=2 (2)

    1 特に何もなく見て回った

    2 dice1d2=1 (1) (1ぼっち 2リョウ)が転びかけた

    3 恋人繋ぎで手を握った

    4 安価で案を募ってダイス >>92

  • 89二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 21:01:20

    のんびりと歩きながら、2人で境内を見て回る。

    「お寺のお参りの作法ってどんなのがあるんでしたっけ」
    「本格的にやってみようか。グーグル先生の出番だ」

    スマホを片手にお寺の参拝の作法を調べてみたり。

    「何この……何?」
    「7個集めたら願いが叶うやつの願いを叶えた後みたいな……?」
    「そんな石化したドラゴンボールじゃないんだから」

    地面に突き刺さった謎の丸い石を眺めたり。

    「ほほう、これは中々……」
    「え、リョウさんこういうのわかるんですか?」
    「ウム。この漆の花瓶は室町時代初期の作品で──」
    「それさっきのホームページの解説ですよね」
    「バレたか」

    展示品を見て通を気取ってみたりした。

  • 90二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 21:22:58

    陰キャ同士のデートええな

  • 91二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 21:24:50

    お寺にそれほど熱く関心があるわけではないけれど、気ままに見て回って、立て札に書かれた解説を読んだり、時間を気にせずぼんやり眺めているだけでも、不思議と楽しいと感じた。

    「まともにお寺なんて見たの初めてだったけど。案外、こういうのも悪くないね」

    そんな言葉が隣からぽつりと聞こえて、視線を向ける。リョウさんとは、こんな風に、思考が重なることがよくあって。その度に、私は何だか嬉しくなる。

    お寺を楽しめたのも、きっと、リョウさんがいるから、なんだろうな。そんなことをぼんやりと考えながら、よそ見をしていたのがいけなかったのか。普段よりも歩いていて、歩き疲れていたのか。

    「あっ」

    がすっ、と。段差に足を引っ掛けてしまう。倒れる、と思う間もなく、視界に、地面が近づいて来て、

    「────────ぁっ、ぶなっ……」

    すんでのところで、リョウさんが私を抱き止めてくれた。細い腕で、私をがっしりと抱きしめてくるリョウさん。

    「…………はぁー……ぼっち、大丈夫?」

    自分が転びかけたことを自覚するよりも前に、リョウさんが私の顔を覗き込んできて。自他共に認める綺麗な顔が、視界いっぱいに広がってきて。

    「──────っ!?!?」

    心臓が、飛び跳ねた。

    「…………ぼっち?」
    「すっ、すすっ、すいませっ、ありっありがとござっ」
    「落ち着け」

    普通、こういう時は、危うい場面だったことでドキドキするものなんだろうけど。
    今の私は、全然違う理由でドキドキしてしまっていた。

  • 92二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 21:26:28

    定期的に情緒を激しく乱されるぼっちちゃん

  • 93二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 22:41:03

    やっぱこのスレは清涼剤だ……

  • 94二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 06:59:40

    ピュアピュア・ハート

  • 95二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 13:31:28

    はよ結婚しろ

  • 96二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 13:41:14

    「展望台、ですか」

    次に来たのは孔明寺公園展望台。さっき転びかけたぼっちがまた足を引っ掛けないように、それとなく注意しながら階段を登った。

    「うん。今日は雲が少ないし遠くまで見えるね。ほら、富士山とか見える」
    「あ、ほんとだ……」

    夜は夜景が良く映えるらしいけど、今は日中。それでも、少し高い位置から辺りを見渡せる。遠くの山までよく見える。
    展望台、というと思い出すのはやっぱり、結束バンドで過ごした最初の夏のこと。

    「江ノ島の時も思ったけど、周りが開けてる方がいいかもね。ガラス張りの展望台から見るよりいい気がする」
    「で、ですね…… 風とかを肌で感じるから、なんでしょうか」
    「そうかも。解放感があると、景色がより魅力的に見える、みたいなのもあったりしてね」

    ただの高いところからの景色を見ても淡白な反応をするタイプの人間で、郁代なんかは不服そうな反応をしてたっけ。

    「………………江ノ島、また行くのもいいかもね。みんなで行ってもいいし…………今日みたいに、2人だけでも」
    「………………そう、ですね」

    知らない街の景色を眺めているのは、だいたいあの時と同じだけど。
    不思議と、あの時より楽しいと感じた。

  • 97二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 17:58:07

    永遠にイチャイチャしてほしい…

  • 98二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 21:50:33

    無限にかわいい

  • 99二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 03:36:16

    たまらんね

  • 100二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 04:21:44

    なんかこのスレ見てると自然治癒能力が高まっている気がする…
    ほらさっき潰れた右足がもう元通りに

  • 101二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 07:39:40

    このスレからはマイナスイオンが出てる
    無限に深呼吸できる

  • 102二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 17:31:27

    読む救い

  • 103二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 17:42:58

    このスレだけは意地でも守るんだ

  • 104二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 17:43:00

    このレスは削除されています

  • 105二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 17:46:22

    日が傾き始めて、空色にオレンジが混じり始めた。暗くなる前に家に向かい始めよう、ということになって、電車に乗った。

    「思いつきで始めたけど。どうだった?ぼっち」
    「あの、なんて言うか……普段行かないようなところとか、普段はしないようなこととか……普通にする旅行とか、散歩とかとは違う感じで、色々見て回るの、凄く新鮮で……」
    「楽しめた?」
    「はいっ……!とっても、楽しかった、です!」

    歩き回ったせいか、少しだけ疲れの色が見てるけど。今のぼっちは、いつもよりも明るい顔をしていた。見ているこっちまで頬が緩むような、そんな顔。

    「そっか。良かった」
    「リョウさんは、どうでしたか?」
    「ん、私も楽しかった。誘ってくれてありがとね、ぼっち」
    「あ……えへへ……」

    私は私で、普段より歩いたせいで少しだけ疲れているけど。

    その顔が見れただけで、お釣りは充分だな。

    照れたようにはにかむぼっちの顔を見て、そんな風に思った。

  • 106二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 18:47:20

    知ってるぞ、おうちに帰ってからお風呂とかお布団の中でイチャイチャするんだろ?

  • 107二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 22:40:50

    保守

  • 108二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 22:42:44

    気温もスレも暑いのが多い中、高原を吹き抜ける涼風みたいなスレで本当の「生きがい」になってる

  • 109二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 02:09:17

    ぼっちの家の最寄駅まであと数駅。目的地に近づくにつれて、考えることがひとつ。


    私と、ぼっちの、関係を。


    ぼっちのご両親に────


    dice1d2=2 (2)

    1 話す

    2 まだ話さない

  • 110二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 02:21:08

    まだ、話さないでいたい。


    認めてもらえなかったら、という不安もあるし。まだ、2人だけの秘密でいたい気持ちがある。


    ────この臆病者。


    「………………っ」


    頭の片隅にちらついた思考に、少しだけ眉を寄せて首を振った。


    「リョウさん?どうかしたんですか?」

    「いや、なんでもないよ」


    心配そう顔をしたぼっちを宥める。それから、少し重くなった口を開く。


    「…………ねえ、ぼっち」

    「はい?」

    「その、私達のことは……まだご両親には、話さないように……」


    dice1d3=3 (3)

    1 わかりました

    2 話しちゃ、だめ、ですか……

    3 え……もっ、もう話しちゃったんですけど……

  • 111二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 02:25:18

    「…………………………………………えっ」

  • 112二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 02:56:13

    おっ、少しギャグっぽい雰囲気になってきた?(笑)

  • 113二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 04:16:53

    まぁぼっちなら家族に自慢しそうだよな…
    腹括れ山田

  • 114二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 06:52:56

    ぼっちちゃんの家族なら「結婚資金を使う時が来るなんて」って号泣からの「娘をよろしくお願いいたします」だな
    もう逃げられねえぞ

  • 115二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 07:07:58

    いうてまだほっぺにキスしただけの関係やろ?

  • 116二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 15:23:52

    「ただい────」
    「ひとりちゃんおかえりなさ〜い!そしていらっしゃ〜い!!貴女が"リョウさん"ね〜!ひとりちゃんの母です〜!」
    「………………あ、はい……お邪魔、します……あ、あとこれを……つまらないものですが……」
    「あらお土産?わざわざ用意してくれたのね!ありがとう〜!さ、上がって上がって!」
    「は、はい……」

    ぼっちとは似ても似つかないくらいのハイテンションで迎え入れてくれたのは、ボッチのお母さん。明るく元気な人とは聴いていたけど……

    「なんか……凄いエネルギッシュな人だね……」
    「あっ多分リョウさんが来るってことでいつもの5割増しでテンション高くなってます…………」
    「そ、そっか……」

    洗面所を借りて手洗いを済ませ、リビングへ入ると、ぼっちよりも前髪で目元を隠している男性が出迎えてくれた。

    「この前ライブ見に行った時に顔を合わせたけど、話すのは初めてだったね。ひとりの父です。来てくれてありがとう」
    「あ、はい。山田リョウです。今日はお世話になります」
    「あはは、そんなに畏まらなくても大丈夫だよ?」
    「そうそう、むしろ自分の家くらいに思って寛いでくれていいのよ?」
    「いえ、流石にそういうわけには……」
    「あら、遠慮しなくていいのに。だって────」

    「リョウちゃんはもう半分くらいうちの娘みたいなものだもの〜!」
    「いやぁ、まさかひとりが"彼女"を作ってくるなんてねぇ」

    「…………………………ほんとに話しちゃってたか…………」
    「あの、リョウさん、本当に、ごめんなさい……」
    「いや、ぼっちは悪くないから……」

    そういえば、虹夏や郁代達には秘密にするとは言ったけど。家族にも話さないように、とは特に言ってなかったな。
    後藤家から熱烈な歓迎を受けながら、少し前の自分の半端な行動をちょっぴり呪う私だった。

  • 117二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 16:46:28

    親公認でいろいろできるやん

  • 118二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 17:16:04

    外堀なんてなかった

  • 119二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 17:39:42

    親公認カップル!親公認カップル!

  • 120二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 20:36:25

    まだ山田の親が認めてないかもしれない…

  • 121二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 20:39:54

    >>120

    人外を連れて挨拶しに来るとか両親の胃に穴が空くぞ

  • 122二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 22:20:13

    「あー!!」
    「ん……?」

    甲高い大きな声が聞こえて振り返ると、見覚えのあるちびっ子がこっちを指さしていた。ぼっちの妹。確か名前はふたりだったか。

    「ギターに似てる地味な楽器の人だー!」

    ピシッ。

    「ガキがァ……わからせてやろうかこのロリ……!」
    「リョウさん5歳児相手にあったまらないでください」

    おのれ、まだベースの洗脳が足りていなかったか……!
    ベーシストとしてこの幼女の認識を正さねばと、闘志を燃やす私を意に介さず、ふたりは無邪気に私の方にとてててて、と駆け寄って来た。

    「遊びに来たんだね!ねえねえ!一緒に遊ぼ!ふたりおままごとしたい!」
    「お、おままごと……?」
    「あー……リョウさん、もし嫌じゃなかったら、付き合ってあげてくれませんか?」
    「えー……」

    おままごとなんてやる年ではないんだけど、とは思う。が、今日はもともと山田リョウのサービスタイム。ぼっちを甘やかすと決めてるのだった。

    「まあ仕方ない。光栄に思えよちびっ子」
    「わーい!じゃあふたりがJK役で、おねえちゃんはカレシ役で、地味なギターの人は学校の不純異性交遊を認めない厳しすぎる生活指導の先生ね!」
    「待てお前本当に5歳児か?」
    「そんな言葉どこで覚えたのふたり……!?」

    こうして、妙な設定のおままごとに巻き込まれることになった。

  • 123二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 22:42:02

    このレスは削除されています

  • 124二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 22:44:03

    それから、なんというか騒がしい時間だった。よくわからない方向性のままごとに付き合った後は、山のように盛られた唐揚げと共に晩御飯をご馳走になった。ぼっちの大好物らしい。

    満足そうに顔を緩めなつつ頬張るぼっちの顔がなんだか可愛くて、ぼんやりと眺めていたら、今度はぼっちの両親から何やら微笑ましげな目を向けられた。

    恥ずかしくなって目を逸らした。


    途中、ぼっちの両親といろんな話をした。1番饒舌だったのは、元バンドマンのぼっちのお父さん。

    バンド活動の中でのぼっちの様子や、作詞や作曲について色々聞きたがった。それと、洋楽好きなこともあってか、そっちの方向にも、思いの外話が盛り上がった。


    「ほらお父さん、あんまりリョウちゃんと話し込むとひとりちゃんが妬いて拗ねちゃうわよ?」

    「おっ、おかっ、お母さんっっ!!」


    途中、そんなちゃちゃを入れて来たぼっちのお母さんに、ぼっちが爆発しそうになったりもした。


    …………わかってたけど。本当に、私のこと好きだなこいつ。


  • 125二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 00:20:08

    可愛すぎるだろこのぼっちちゃん
    原作のぼリョウを入れ替えようぜ!

  • 126二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 04:15:13

    この後、この2人は一緒にお風呂に


    リョウ dice1d2=1 (1)

    1 入り、たい、かな

    2 流石に恥ずかしい……


    ぼっち dice1d2=1 (1)

    1 入り、たい、かも

    2 むむむむむむむむ……!

  • 127二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 04:46:11

    お風呂キター!

  • 128二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 06:26:59

    相思相愛じゃん

  • 129二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 08:34:03

    結束バンドでもスタイルのいい二人が一緒のお風呂に…

  • 130二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 17:22:20

    保守

  • 131二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 19:56:06

    夕食も終わり、ぼっちの部屋で食休みがてらまったりと過ごす。

    「普段、こんな風に練習してたんだ」
    「あ、はい。中学の頃から、ずっとこうですね」
    「暗いところで弾いてたから、ダンボール被りながらでも弾けるわけか。納得」

    いつもぼっちがギターを弾いている部屋。初めて会ったあの日、ダンボールの中で"いつも弾いている環境と同じ"なんて言ってたけど。押入れの中で演奏していたからなのか、と今更ながら納得した。

    「ひとりちゃーん、リョウちゃーん」

    襖がすすす、と開いて、ぼっちのお母さんが顔を覗かせる。


    「お風呂入ったから、2人一緒に入っちゃって〜」
    「えっ」

    それだけ言って、ぱたんと襖が閉じた。

    「「……………………」」

    しん、と静まり返る部屋。

    2人。一緒に。

    誰と、誰が?

    私と、ぼっちが。

    お風呂?

  • 132二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 19:56:56

    「………………ぁ、ゎ……」


    ちら、とぼっちの顔を見ると、じわじわと赤く染まっていっているところだった。


    「……………………その、ぼっち」

    「あ、ひゃっ、ひゃいっ!?」

    「どうする?」

    「ど、どうする、って」



    「その、お風呂。一緒に、入りたい?」



    「…………………………………………は、い」



    「…………………………わかった」

  • 133二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 20:01:19

    キャー!!(>▽<)

  • 134二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 21:46:12

    2人のえっちちゃん度


    リョウ

    dice1d100=21 (21)


    ぼっち

    dice1d100=22 (22)

  • 135二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 21:51:01

    二人とも緊張してエッチな気分になれなかったんやな…

  • 136二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 21:51:27

    初心かよ~!!!推せる!

  • 137二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 21:53:04

    揃ってほぼ同値なのほんまこやつら

  • 138二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 22:27:16

    狭くて気まずい雰囲気になってそう

  • 139二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 01:14:02

    狭いお風呂であっちこっち触れちゃうんですねわかります

  • 140二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 01:31:59

    案内された浴室に、いつかと同じか、それ以上にギクシャクしながら入って。
    おっかなびっくりとした手つきで互いに背中を流したりして。
    それで今、湯船に2人して浸かっている。お互いに体育座りみたいな姿勢になって、向かい合わせになるような形で。

    『…………………………………………』

    会話が、無い。

    同い年くらいの女子の裸なんてプールの授業やら修学旅行なんかでも目にしてるって言うのに。
    ぼっちと。恋人と。一緒にお風呂入ってるってだけで。普通は安らぐはずなのになんか体がガチガチに緊張してるし。普段とお湯の温度は同じくらいなのにめちゃくちゃ体が熱い気がするし。自分の心臓の音がもの凄くうるさいし。何これ。私どうなってんの。

    ────────ふに。

    『……………………っっっ!!』

    後藤家の浴槽はそこそこ幅があって、高校生の女子2人が入ってもそこまで窮屈とは感じないくらいの大きさはあった。それでも広々と使えるというほどでもなくて、時折互いの体や肌が触れ合ってしまう。

    「あっそのっごめんなさっ」
    「大丈夫、大丈夫だから謝んないで」
    「はっはいっ……ぅぅ」

    私と同じ様に、お湯の温度以外の理由で顔を赤くしたぼっちが小さくうめきながら俯いた。私は私で、そこから何を言えばいいのかわからなくなって黙り込むしか無い。

    嫌では、ない。ぼっちもそうだと思う。お互いこれ以上無いってくらいドギマギして挙動不審になってるけど。この時間は、絶対に嫌じゃない。ただ。色々いっぱいいっぱいになるけれど。

    『…………………………………………』

    のぼせそうだ。二つの意味で。

  • 141二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 01:33:22

    あ~向かい合わせいいですわぞ~

  • 142二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 01:39:35

    dice1d2=1 (1)

    1なんか、視線を感じる……?/リョウさん、体綺麗だな……

    2ぼっち、やっぱりでかいな…/め、めっちゃ胸見られてる……

  • 143二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 01:48:26

    いいぞぼっちもっと見ろ

  • 144二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 01:58:31

    落ち着かない。ものすっごく落ち着かない。
    今日1日はもう、何回もそんな気分になった。リョウさんといるとなんて言うか、息が楽で、自然体でいられる様な感じになる。けれど、体が近かったり、顔が近かったりすると、途端に心臓が暴れ出す。本当に、落ち着かない。今、こうやって一緒にお風呂に入ってる時間だってそうで。

    「……………………………………」

    恥ずかしいやら何やらで顔が見れなくて、目線を下げる。入浴剤も何も入ってないお湯は透き通ってて、水面の下にはお互いの体がよく見える。

    ────リョウさん、体綺麗だな。

    ふと、そんなことを思った。あまり食べないからと言うのもあるらしいけれど、引き締まってて、けど痩せ過ぎてるわけじゃなくて。すらりとしてて、やっぱり綺麗だな、なんて────。

    「…………………………?」

    ふと、視線を感じて目線を上げる。ほんのり赤く染まったリョウさんの顔が、ちょっとジト目になって私のことを見ている。

    「……………………………………見過ぎ」
    「あばばっ!?」

    泡を食った。文字通り水面にあった泡を食べそうになった。

    「すいませんすいません誠に申し訳ありませんリョウさんに私なんかの邪な目を向けてしまい不快な思いをさせてしまって本当にごめんなさっんっぷんっ……」

    必死に謝り倒すしかない私の口を、細い指がぴっと塞いできた。

    「……………………………………べつに、いやとは、いってない」

    「……………………………………」
    「……………………………………」

    そこからはもう、なんかものすごい空気になってしまって。もう出よう、とリョウさんが言い出すまで、2人して固まっていました。

  • 145二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 09:01:04

    へたれどもめ。でもそれが良い!

  • 146二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 16:19:30

    お互いこんな初心でお布団でにゃんにゃんできるんか?

  • 147二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 19:25:21

    お風呂を上がって、パジャマに着替えて、寝る支度を整えた。私達が入浴している間にいつの間にやら準備したのか、当然の様に並んで敷かれた布団が部屋にあった。おそらく主犯はぼっちのお母さんだろう。

    「……………寝ようか」
    「……………そうですね」

    2人して苦笑しつつ、電気を消して布団に潜った。枕が違うと寝られない、なんてのはよくあることだけど、ぼっちの家の布団は不思議と寝心地が良く感じた。

    今日のプチ旅行の疲れもあるけれど、ぼっちは普段からもう少し遅い時間まで起きているらしいし、私も割と遅くまで起きている方で。寝る前に、少し話をすることにした。

    「その、リョウさん……今日1日、本当に楽しかったです」
    「そっか。よかった」

    月明かりが差し込む部屋で、ぽつぽつと言葉を交わす。今日楽しかったこと。明日からの予定のこと。新しく作りたい曲のこと。自然なテンポで話題が進んで、話題が変わる。そんなぼっちと話すのは好きだ。ぼっちも、私と話すのが好きだと言ってくれた。

    「…………えへへ」
    「ん……?どうしたの?」
    「あっ、その…………こうやって、リョウさんと一緒に寝られるのが、その、嬉しくて」
    「…………わ、私も、だよ」

    ふにゃふにゃと笑うぼっち。最近、ぼっちはこうやって素直に感情を口にすることが増えた。私の前だと、特にそれが顕著になるのは、多分気のせいじゃない。
    嬉しいけど、ほんのちょっぴり心臓に悪い。やたらと照れ臭くなりながらになったけど、こっちも同じ気持ちだよ、と返した。

  • 148二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 19:43:25

    布団は一つで十分だろ!

  • 149二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 20:01:34

    流石に1枚だけは狭いから…

  • 150二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 21:55:34

    この初々しいイチャイチャがたまらない

  • 151二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 23:43:38

    >>1のぼ山ほんま最高です 定期的に書いて♡

  • 152二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 07:31:13

  • 153二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 07:31:36

    ふにゃふにゃ笑うぼっちかわいい

  • 154二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 14:00:25

    「────────あの、リョウさん」

    そんな風に、ぼんやりしながら話し込んでいると、不意にぼっちが声のトーンを落とした。

    「ひとつ、聞いてもいいですか?」
    「なに?」

    少し様子が変わったぼっちを不思議に思いながら問い返すと、意を決して、という風に、ぼっちが口を開いた。


    「あの時、私が最初にリョウさんに歌詞を見せたあの日」


    「どうして、私から、お金を借りようって、思ったんですか?」

  • 155二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 14:54:30

    勇気を振り絞った問いかけに、リョウさんが少しだけ息を詰まらせた様な気がした。

    「………………………………どういう、意味?」

    返ってきた声の、言葉尻が少し震えている。私は今、きっと、リョウさんの触れて欲しくないところに手を伸ばしてるんだろう。

    「あの時、私が歌詞を見せようって思ったのは、リョウさんに連絡を入れる直前くらいでした」

    嫌われてしまわないか。そんな風に、怖くならないわけじゃない。

    「でも、その頃にはもう、リョウさんはお店に入ってて……私と合流することになったのは、完全に予定外だった筈です」

    なのに、自分でも不思議なくらい、澱みなく口が回る。疲れてるはずなのに、目が冴えてる。大して良くもないはずの頭がするする回る。

    「本当にお金を持ってなかったなら……建て替えてくれる人が誰もいないのに、1人でお店には、入らないと思います」

    胸の内にある疑問が、滑り落ちるみたいに言葉になっていく。


    「──────あの時、お金が無いって言ってたのは、嘘だったんじゃないですか?」


    『もう借りなくても大丈夫そうだし』

    今日、電車に乗る前にリョウさんがこぼした言葉。言葉の意味を考えて、考えて、考えて…………裏を返せば、それは『お金を借りないと大丈夫じゃない時があった』って事なんじゃないか。自分の手持ちのお金があるのなら、『大丈夫"そう"』なんて言い方にはならない筈。そう思った。

    「それで…………何か、別の理由があって、私からお金を借りたんじゃないか、って……」

    そこまで言い切って、返事を待つ様に口を閉じた。思い違いならそれでいい。けど、何か理由があったとしたら、それを知りたかった。

  • 156二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 18:24:00

    山田が綺麗すぎへん?

  • 157二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 18:41:49

    >>156

    映画版だぞ

  • 158二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 19:10:34

    >>157

    ジャイアンかよw

  • 159二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 20:06:05

    木こりの泉に落ちたんだぞ

  • 160二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 23:10:12

    きれいなジャイアンw

  • 161二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 05:29:40

    「…………いつから、そう思う様になったの?」
    「…………その。リョウさんと、つっ、付き合う様に、なってから。リョウさんとこれまであったこととか、思い返してたら、あれ、ってなって……」
    「そっか」


    「────────うん。ぼっちの言う通りだよ。私はあの時、ちゃんとお金を持ってた」


    「………………やっぱり、そう、だったんですか」
    「………………怒ってる?嘘ついたこと」
    「いえ。ただ、どうしてなのかなは知りたいなって思います」
    「どうして、か」

    ごそ、と布団がずれる音。こちらを向いていたリョウさんが体の向きを変えて、天井を見上げる。

    「────────金を借りていれば、返して欲しくなる。金を借りていれば、関係性は繋がったままになる」
    「え?」

    言葉の意味が直ぐには飲み込めなくて、思わず聞き返す。沈んだ声で、リョウさんは語り始める。

    「ぼっちを結束バンドに繋ぎ止めておきたかった。そのために、嘘をついてまでお金を借りたんだ」

  • 162二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 07:22:03

    原作でも仲良くなるためにぼっちにお金借りてる節はあると思う
    お金借りればぼっちも気を使わなくなるし…

  • 163二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 08:27:26

    なんだこのエモい伏線回収

  • 164二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 13:16:03

    「今でこそ、ぼっちについては色んなことを知ってるけど……あの時は、まだそうじゃなかった。いつも不安そうな顔をしてて、押しつぶされてしまいそうだった。もしかしたら、逃げ出してしまうんじゃないかって、そう思っちゃったんだ。…………郁代のこともあったしね」
    「あ…………」

    逃げたギター事件。虹夏ちゃんやリョウさんにとってはもう済んだ話で、笑い話になっているけれど、それは今だからこそ言える話で。あの時の、特にあのライブ当日の日は、不安でいっぱいだった筈だ。澄ました顔の下に感情を隠して、いつも通りに振る舞おうとする。リョウさんはそんな人だから。

    あの時の不安が、心の奥底にこびりついていたんだ。喜多ちゃんが戻ってきても。喜多ちゃんの事を完全に許していても。メンバーとして憂いなく迎え入れていても。後輩として可愛がっていても。ほんの小さなトラウマのカケラが、胸の中に残っていたんだ。

    バカだよね、と。リョウさんは自分を蔑むみたいに薄く笑った。

    「余計に拗れて、大変なことになるかもしれないって、頭のどこかで思ってたのに。ぼっちのことを不安に負けそうなんて思っておいて、本当に不安に負けたのは私の方で、汚いやり方で、ぼっちとの繋がりを保とうとしたんだ」

    「………………ぼっちは本当は逃げ出さない勇気を持っているのを、その目で見てた筈なのにね」

    「私は、こんな人間なんだ。このことだって、ぼっちが言い出さなかったら、ずっと黙ったままだったと思う。嫌われたくなかった、から」

    そこまで言って、リョウさんは表情を隠すみたいに目を腕で覆った。こっちには顔を向けないけど、背を向けたりはしないのは、リョウさんなりの誠意なんだろうか。

    「…………幻滅した?」

    弱々しく震えるリョウさんの声。

    私は────

  • 165二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 19:24:28

    やはり映画版山田か…

  • 166二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 20:01:05

    オアアアアアアアア(言葉にならない

  • 167二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 21:42:16

    「────嬉しいな、って思います」
    「え…………?」

    言葉の意味が直ぐには飲み込めなくて、思わず聞き返す。穏やかな声で、ぼっちは語り始める。

    「私は、ずっとひとりぼっちだったから。勉強も運動もダメダメで、ギターしかできることがなくて、誰かと話すこともできなくて……」

    「高校に上がるまで、いや、高校に上がっても、結束バンドに入れてもらえるまで、誰かと関わることなんて無かった」

    「家族以外の誰かに必要とされたり、強く求められたりすることなんて、無かった」

    私達と出会うぼっち前のぼっちの軌跡。人付き合いが苦手で、うまく人と関われなかった女の子。

    「だから、嬉しいんです。その、ものすごく不謹慎かもしれないけど……」

    「そんなに、私のことを必要としてくれたんだ、って思うと……やっぱり、嬉しいなって、思います」

    承認欲求、拗らせすぎてますよね、へへへ、なんて。慣れないくせに、冗談めかして言う、ぼっちが、なんだかおかしくて。

    全く、こいつは。本当に、ほん、とうに……っ

  • 168二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 22:01:01

    山田、ぼっちを抱け

  • 169二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 22:17:22

    ここでキスをするんだ。そしてその先にも。
    最善を尽くすんだ、山田。

  • 170二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 23:49:08

    日々の疲れが取れる奇跡のスレ

  • 171二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 04:04:54

    とんでもなく拗らせたことを言ってしまった。気持ち悪がられたらどうしよう。でも私の偽りない本心だし、嘘は言いたくない。

    暗い私の歌詞を、暗くてどうしようもない私を、認めて受け入れてくれたリョウさんだから。

    だから私は、私のどうしようもないところも全部、曝け出して、受け入れてもらいたい。

    だから私も、そんなリョウさんの、どうしようもないかもしれないところも全部、受け入れたい。

    そう思って、誤魔化さない本音をぶちまけた。

    そんな私に向かって、リョウさんは。

    「………………ぁ……」
    「………………………」

    私の胸元に、縋り付くみたいに身を寄せてきた。

  • 172二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 04:08:27

    「────────ひとり」


    え、と思った。初めて会った日に、あだ名を付けてもらってから、久しく聞いてなかった呼び方。


    「ごめんね」


    微かに潤んで聞こえる声。少し震えている肩。服に、小さな雫が染み込む感触がふたつ。察しの悪い私でも、リョウさんが今どんな顔をしてるのかわかった。


    「ありがとう」


    華奢な身体に思わず腕を回す。いつもは私が抱きしめてもらう側だった。不思議な感情で胸がいっぱいになる。


    「………………だいすきだよ」


    「……………私も、です」


    抱きしめる力を強めながら、小さく言葉を返した。

  • 173二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 06:50:37

    えんだあああああああああああああああ

  • 174二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 13:14:51

    ひとり呼びは新鮮だ

  • 175二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 13:21:44

    すごく甘くてとろける
    とても良い

  • 176二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 13:36:15

    ぼっちちゃんにとって自分の書いた歌詞を受け入れてもらえたのって思ってた以上に大きなことだったような気がしてきた

  • 177二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 13:56:51

    >>176

    ギターヒーローがネットで評価されてるといってもただの演奏技術の評価でしかないわけで

    出会って間もないのに後藤ひとりそのものを受け入れてくれるとか激重感情にならないわけないんだよなあ

  • 178二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 14:47:55

    「んぅ…………?」

    窓の外から鳥のさえずりが聞こえる。朝になったのか、と眠気を振り払って目を開ける。普段、朝起きた時には感じない温もりがあって、不思議に思いながら目を向ける。

    「あ………」

    腕の中に、静かに眠るリョウさんがいた。リョウさんの寝ているところを見るなんて初めて……いや、江ノ島の帰りの電車で一度見たっけ。あの時は喜多ちゃんと話していたから、じっくり見つめることなんてなかったけど。

    普段の澄ました顔とは全然違う表情。普段はなら綺麗だなと思う顔は、今はなんだかとっても可愛らしく見える。

    「ふふ」

    朝いちでこんなリョウさんを見れるの、なんだかすごく幸せだなあ。

    そんなことを考えながら、早起きした特権をもう少し堪能するのだった。

  • 179二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 14:48:20

    目を開けたらぼっちの顔面だった。

    「…………………?」
    「あ、おはようございますリョウさん」

    状況にびっくりしていつもより早く目が冴えてくる。何故かボッチに抱きしめられている私。今寝ているのはいつものベッドじゃなくて布団、というかここは見慣れた私の部屋じゃない──そこまで考えて、昨日はぼっちの家に泊まったんだと思い出す。

    そして、寝る前に私とぼっちが話した、あのことも。

    「….……………はぁ」
    「え、ど、どうしたんですか……?」
    「いや……甘やかすって言ったのに、結局最後はこっちが甘やかされちゃったなって思って」
    「そんなことないと思いますけど……1日エスコートしてくれましたし……」
    「こっちが気にするんだよ。これでも先輩の威厳がある」
    「そ、そういうものなんですか……」

    ぼっちはそんな曖昧な返事をした後、ふと思いついたようにこんなことを言った。

    「あっ。その、だったらというか、甘やかして欲しいというか、して欲しいことがあるんですけど」
    「うむ。言ってごらん?」



    「………………その。キス、して欲しいな、って」



    「………………いいよ」

  • 180二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 15:21:35

    優しく包むように、ぼっちの頬に両手を添える。触れた肌はほんのりと熱を持っていた。


    静かに顔を近づける。まだしてもないのに、ぼっちの両目はもう潤んでいて、蕩けたような顔をしていた。


    私にしか見せない顔なんだ、そう思うと堪らなくなる。


    目と鼻の先の距離から、もどかしくなるくらい慎重に、ゆっくりと唇を、触れさせ────






    dice1d2=2 (2)

    1『──────っ』

    2 dice1d2=1 (1) (1後藤母 2ふたりちゃん)が乱入

  • 181二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 15:31:54

    その直前。あと数ミリで触れるというところで、不意に視線を感じた。

    「…………………」

    そちらの方に顔を向けると。

    襖が少し開いていて。そこから思いっきり覗き込んでいる顔が見えた。

    「…………お気になさらず〜」

    ぼっちのお母さんは、昨日見たままののほほんとした顔で、どうぞ続けて、と言わんばかりにひらひらと手を振った。

    『………………………』

    とりあえず、静かにぼっちから離れた。

    ゆらり、と立ち上がるぼっち。

    「────お母さんっっ!!!!!」

    早朝の住宅街に、世にも珍しい怒ったぼっちの心の底からの叫び声が響き渡った。

  • 182二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 15:45:48

    くそっいいところで親フラが!

  • 183二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 16:15:11

    あの後。本当に珍しく怒ったぼっちを宥めるのは割と大変だった。目一杯抱きしめて撫でまくってあげて、ようやく鎮まったあたりで、ご両親との挨拶もそこそこに家から出て下北沢へ向かうことにした。


    「普段、こんな風に登校してるんだね。大変じゃない?」

    「まあ、慣れたらそうでもないです。それに……今日は、リョウさんと一緒だから、楽しい、です」

    「…………そっか」


    私と一緒だから楽しい。最近のぼっちがよく言ってくれる言葉だ。聞いているこっちも嬉しくなるような。そんな言葉を、この先も近くで聴いていたいと思う。


    「ねえ、ぼっち」

    「はい?」

    「次に予定が空いたら、今度は私の家に泊まりに来て欲しい」

    「リョウさんの家に、ですか?」

    「うん。ぼっちのこと、両親にちゃんと言っときたいなって思って」


    「その、私の、恋人のことを、さ」


    「あ…………えへへ」


    恋人。そう言葉に出した私に、ぼっちは照れくさそうにしながら、可愛らしい笑みを浮かべた。


  • 184二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 16:18:35

    おしまい。

    楽しんでいただけたら幸いです。
    安価に参加してくれた方、ハートを押してくれた方、保守してくれた方、皆様ありがとうございました。

  • 185二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 16:58:06

    乙でした!ありがとう!

  • 186二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 17:19:29

    ぼリョウの良さに気づけた良スレ

  • 187二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 17:40:49

    >>186

    山田だけにか

  • 188二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 17:57:09

    お前のせいでぼリョウに目覚めた

  • 189二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 23:35:00

    ぼリョウは目立たないけど激重超火力になるポテンシャルを秘めているのでめっちゃ増えて欲しい

  • 190二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 00:17:17

    やっぱり最高のスレじゃないか、たまげたなあ……

  • 191二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 11:59:40

    このレスは削除されています

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