モブ生徒「私達、MTR部連合!!」その7

  • 1二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 00:31:23

    人間じゃないだなんて…心外ですよね

    アロスはかわいいですね

  • 2二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 00:31:44
  • 3二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 00:32:51
  • 4二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 00:33:41

    立て乙

  • 5二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 00:38:31

    建て乙
    思えば遠くへ来たものだけど、初見だとブルアカスレだって分からなさそう

  • 6二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 00:40:37

    「葬長、少々よろしいですか?
    確認して欲しい書類が……おや、珍しいですね、ゲームですか?」
    「ええ……休憩に、少し……
    ふふ…これでも私…FPSを嗜むタイプなので…」
    「現実で飽きるぐらい銃撃戦してるのにゲームでも銃撃戦ですか?」
    「私はそこまで…ん、はっ…しませんよ…?
    そんなファイアフライじゃありませんから…
    ……!」
    「葬長?」
    「あそこから…死の気配…」
    「えっ!?ゲームでも通じるんですかソレ!!?
    というかそれ反則じゃ…!
    ………あれ?葬長、負けちゃいましたね…」
    「……ふう、どうやらこれで…命は長引いたようですね…」
    「えっ?一体誰の…」

    「小さな電子の貴女たち…
    人々を楽しませるための存在よ…
    どうか、その役目を最後まで…果たせますように…
    ………負け続けるのは、辛いですよね…分かりますとも…」

  • 7二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 00:41:11

    前回のあらすじ
    ・どきどきワクワクMTR支部巡り!
    ・支部長が3人…来るぞ先生!
    ・目には目を、歯には歯を、子供には企業を
    ・渡り鳥
    ・アロス、部長と司書は人外だと思います

  • 8二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 00:44:01
  • 9二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 00:46:15

    このレスは削除されています

  • 10二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 00:51:35

    >>5

    そういう秘匿性の高さもまたMTR部連合の特性である

    いや掲示板まで隠れてるのはどうなんだ?

  • 11二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 00:51:49

    やはりさすがにどうかと思ったので自分で削除いたしました
    余りにも度を越して礼を失した発言をしてしまいました
    本当に申し訳ございませんでした

  • 12二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 00:55:27

    >>3

    いつもの(修正報告)です、何かあればお知らせを!

  • 13二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 01:01:44

    >>6

    この葬長、自機キャラの寿命まで伸ばしてる・・・中の人がコントローラー投げないようにしてる・・・!

    あまりやり過ぎないでくださいね?接待プレイは中の人の成長を妨げますよ?

  • 14二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 01:05:27

    部員達や支部の情報が開示される中いまだ詳細がよくわからない部長
    いつか明かされる日は来るのだろうか

  • 15二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 01:17:26

    >>14

    でもよぉ…MTR部の諸々が全部解決して部長が引退した後にさ、ただその辺を通り過ぎるだけの見た目も周りも変わらないモブとして歩いてて欲しいよ俺は

    なんの種も仕掛けもなく、元々ただのMTR部に入っただけのなんのバックボーンもないモブちゃんがいい…!

  • 16二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 01:22:39

    バッドエンド√参考資料

    グロテスクなので一応閲覧注意

    武装親衛隊 ロンドン強襲【HELLSING】


  • 17二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 02:54:23

    「……さて。次の加入希望者は……トリニティのティーパーティーですか」
    「監査ならともかく、こうして直接来るとは。トリニティじゃMTR部は非公認だろう」
    「真意も含め、実際に会って話してみればわかることです。では……」

    『……あ、こんにちは。あなたが、こちらの代表の方ですか』
    「はい。MTR部連合の部長を務めています」
    『お会いできて光栄です。トリニティ総合学園、ティーパーティーから参りました』
    「ええ、伺っております……早速で申し訳ありませんが、あなたにとっての理想の最期をお聞かせください」

    『承知いたしました。あなたのような方の前でお話するには、少々気恥ずかしくもありますが……』
    『私にとって至上の終わりは──聖園ミカ様に、静かに見届けて頂くことです』

    『……正直に申し上げますと、私はMTRというものを詳しく存じ上げませんでした』
    「ほう」
    『トリニティではその活動を公に認めていない、何やら怪しい理念の組織。誤解を恐れずに言えば、そういうものとだけ』
    『そこへの所属を理由に虐げられる生徒もいる、という話も伺ってはいますが、組織の実態は存じ上げませんでした』
    『しかしたとえ忌むにも、無知のままに遠ざけるのと、知った上で遠ざけるのは大きく違う。私は、後者を選びました』

    『……人生の終わり、その瞬間をどう彩るか。私にとってのそれを考えてみたとき、ふと思い浮かんだのがミカ様のお姿』
    『どこか危うい幼ささえ感じる、天真爛漫なミカ様。朗らかな笑顔の奥に、どこか仄暗い感情の垣間見えるミカ様』
    『あのお姿に、あの振る舞いに、あの笑顔に、あのお言葉に。私は何度助けられたかわかりません』
    『……それをミカ様が意図したかを推し量ることは出来ませんが、それでも私が幾度も救われたことは間違いないのです』

    『きっとあなたもご存じでしょうけれど……例の事件を通し、あの方が沢山の方に迷惑をかけてしまったのは事実です』
    『しかし、私はあえて、あの方に最期を見届けてほしい。そして、お伝えしたいのです』
    『……貴方のおかげで救われるものが、貴方を心から敬愛するものが、確かにいたのだと』
    『まあ、その。最期に見るものがミカ様のご尊顔ならば、きっと幸せだろうなあ……という気持ちも無いではないですが』

  • 18二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 02:54:41

    「……そうですか」
    『あ、その、申し訳ありません、私ばかり長々と』
    「いいえ、お話してくださいと促したのは私のほうですので。ちなみに、一つお伺いしたいことが」
    『ええ、何なりと』
    「トリニティ総合学園の中枢たるティーパーティーに属するあなたが、こうして非公認組織に加入しようとしている」
    「そのことについては、どう思っていますか」

    『……そう、ですね』
    『私自身、あなた方の理念を理解しきれていないでしょう。きっと、私の知らないMTRが数多あるはず』
    『また、私が言うのもなんですが、トリニティには素直な生徒も多く、外部からの影響を受けやすい者も少なくない』
    『上辺だけを見て、その本質を理解しないまま行動し──傷つくのがその生徒だけならば僥倖と言えるでしょう』
    『そういった意味で、MTR部連合はトリニティにとって少々厄介なもの。これも、残念ながら否定できません』

    『それでも、私は知りました。理想の最期を追い求めることは、そこに至る過程を充実させるのだと』
    『誰にでも通ずる観念ではなくとも、確かにそれが支えになり、励みになる者もいるのだと』
    『ですから、私はここに参りました。無知故に遠ざけるのではなく、自分から歩み寄って深く知りたいと』
    『私がその理念を究め、誤解を解けば、いずれはトリニティでも正しく認められるのではないか。そう思っています』

    「……わかりました。初対面にも関わらず、込み入ったことをお聞きしたことをお詫びしましょう」
    『あ、いいえ! 私がお話すべきだと思ったからお話したのです、どうか顔を上げてください』
    『……それで、如何でしょうか。私はあなた方の同好の士として、相応しいのでしょうか』

    「…………ええ」

    「……ええ。素晴らしい、本当に素晴らしい! あなたの思い、あなたの願い。確かに聞き届けました」
    『それでは!』
    「はい。あなたを私たちの同志として迎えましょう──ようこそ、MTR部連合へ」

  • 19二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 03:04:24

    >>16

    バッドエンドルートだと各学園に部員が散らばってるのを活かして自作自演で戦争の火種を作ったりそれを外部から煽ったりすることで大戦争を引き起こしてそう

  • 20二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 03:12:34

    おお、地味に初めての入部者!
    ミカにとっても救いになるといいなあ

  • 21二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 03:15:24

    ~あの人は今?~

    「遺憾である!」
    「うわっ、いきなりどうしたんすか隊長!?」
    「聞いてくれ警備ちゃん! ずっと悩んでいたのだ……ここ最近、私の影が薄いと!」
    「……はえ?」
    「私だって一応幹部なのに! 前スレ前々スレ合わせて私に言及されたのたった一回なのだぞ? 部長はともかく、葬長や園長と比べてこの扱いの差は何なのだ!?」
    「唐突なメタ発言やめてもらっていいっすか!?」

    「なぜだ! 教えてくれ! 私の何が悪いって言うんだ!?」
    「えーと……じゃあ遠慮なく言わせて貰うっすけど、隊長って良くも悪くも単純な人っすから。これ以上キャラの掘り下げようがないんじゃないっすかね」
    「ぐはあっ!?」

    「「見つけました」」

    「うわっ、ウォッチャーの救急ちゃんと救護ちゃん?」
    「し、しまった! くっ、本調子ならこんなすぐ追いつかれるはずは……」
    「(こんなところにいたんですか隊長! 全治一ヵ月なんですから無理しちゃ駄目です! 早く)病室に」
    「(葬長に見つかったら大目玉なんだから、その前に)戻ってください」

    「は、離せ! 戦場が私を呼んでいるんだ! い、いやだ! 包帯巻き巻きはいやだあああ!!」

    「……なにこのSS、っす」

  • 22二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 04:07:37

    今は揉め事を起こさないようにしてる穏健派が主流だからね
    内部のアレコレは別に処理してるとなると対外的戦闘部隊は影が薄い

  • 23二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 05:16:45

    >>6

    電子で思い出したが、ブルアカの世界ってミクさんいるんだよな


    MTR的な曲ってなんかあるかな

    死別っぽい別れの曲ならいくつか思い浮かぶんだが




  • 24二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 06:27:21

    >>16

    「よくぞ集った同胞達よ。 かつて我々が拠り所としていた居場所は消え二度と戻ることはなく

    キヴォトスにもう我々の居場所はない。だが我々にもできることがある。

    死から目を背ける者たちに刻み付けよう。

    虐めの標的にされ住む場所を失い見捨てられ心を壊した者達がどんな末路を迎えたのか知らしめよう。

    銃が爆弾がミサイルが、人を殺すためのものだと思い出させよう。

    そして人が死ぬとはどういうことなのか我々の死をもって二度と忘れなくしてやれ。

    さあこの世界に死を記憶しようじゃないか」

  • 25二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 08:10:16

    "ねえ葬長、ちょっといいかな?山海経のMTR支部の事なんだけど…"
    "どうして山海経にはウォッチャー以外存在しないの?"

    「それは…門主様のご意向でございます…」
    「我々ウォッチャーは元々山海経に存在した土着企業でしたが…私がMTR部の傘下に加わった事を門主様はあまり快く思わなかったようで…」
    「なぜそのようなカルトに傾倒するのか、悪趣味だ、梅花園の教育によろしく無いなど…私も説得は試みましたが…喧嘩別れに近く…いえ、私の方から出奔致しました…」
    「ですので…山海経には企業としてのウォッチャーのみが存在し…便宜上MTR山海経支部と呼ばれているだけなのです…一応、私が支部長という事にはなるかと」

    "じゃあ山海経には普通のMTR部員は居ないんだ?"

    「その筈…なのですが……その………態々他の支部を訪れて活動している梅花園の生徒も確認されていまして………ああ…一体どう対応した物か…門主様になんとご説明すれば…」

    "そういえば前に部長が前に言ってたなぁ…『思考は誰にも規制出来ない』って"

    「悩ましい物でございます…」

  • 26二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 10:44:33

    教育に悪いのは言い逃れできない……

  • 27二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 12:20:37

    そういえばココナ教官に看取られたいって言ってた子いたな…

  • 28二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 13:21:34

    葬長自身MTR思想についてはあんま良い思いを抱いていないからな…
    流石に梅花園生徒ちゃんについては止めたがるだろうけど立場が立場だし…

  • 29二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 18:54:30

    ~番外編・その後のゲーム開発部・前編~

    「うあぁぁーー! また負けたぁ! 司祭先輩いいかげんハメ技はやめてよー!」
    「ふっふっふ、まだまだですねぇモモイちゃん。ゲーム部でもない地味な先輩なんかに負けて悔しいでしょうねぇ! くやしいでしょうねぇ!」
    「うわああああん! ミドリアリスユズ! 先輩がいじめるーー!」
    「えと、その……3コンボ目と4コンボ目の繋ぎに2Fだけ隙があるから、そこを狙えば逆転できる、かも……」
    「そんなのユズしかできないよ!」
    「というか、お姉ちゃんが弱すぎるんでしょ」
    「ひどい!」
    「では、次は協力プレイで遊びましょう! あっ、でもこのゲームは4人用でした。いつもなら人数がぴったりなんですが、今日は誰か一人が抜けないといけません。どうしましょう……」

    「あ、なら私が抜けさせていただきますよ。私は皆さんがわちゃわちゃしていられるのを傍で眺めていられるだけで幸せですからね」
    「そんな仲間外れみたいなのダメ! きちんとジャンケンで順番決めてさ、交代で遊ぼうよ!」
    「ええっと、いいんですか? 私、一応部外者ですけど……」
    「いーのいーの! 先輩にはアリスがお世話になったし、それに私達、もう友達じゃん!」
    「も、モモイちゃん……」(ウルウル)

    “やあ、こっちに来てたんだ”
    「おや、先生!」
    「あ! 先生こないだぶりー! ねえねえ、先生もいっしょにゲームやらない?」
    「はい。アリスも先生と協力プレイしたいです!」

    “そうだね。それじゃお言葉に甘えて、ちょっとだけお邪魔させてもらおうかな”
    「「「「「やったぁ!!!!」」」」」

  • 30二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 18:56:33

    ~番外編・その後のゲーム開発部・後編~

    “……でも、確かゲーム開発部は今、新しいゲームの製作中だって聞いてたような。それにMTR部もミレニアム支部の活動が仮承認されていろいろ大変だって話だけど……こうして遊んでばっかりで大丈夫なの?”
    「何を言うんですか先生! これもアイデア収集のためのブレーンストーミングの一環! れっきとしたMTR部の、そしてゲーム開発部の活動なんですよ!」
    “そうなんだ……”

    「はい! 何を隠そう今回のゲームは私が企画を担当させていただき、アリスちゃんやゲーム開発部の皆さんたちと合作している超大作なんですよ!
     MTR部の有志から募った理想のMTRシチュ500選を参考に、テイルズ・サガ・クロニクル2でミレニアムプライス特別賞を受賞したモモイちゃんに最高のシナリオを書いてもらった究極至高の『看取り系恋愛シミュレーションゲーム』! 題して『リトルウィッチランサーズ』です!」
    “ま、まだ諦めてなかったんだそれ……”

    「それだけではありませんよ! 今回ばかりはゲーム部の皆さんのポリシーを曲げてもらって、どーなつちゃんのコネでエンジニア部やヴェリタスの助けも借りて最新式のVRフルダイブ規格に対応! よりリアルな没入感を得ることが可能となりました!
     さらにさらに! オプションとして二人協力でクリアを目指すコンビプレイモード、外部から電源を落とさない限りクリアするまでやめられない耐久プレイ用の疑似デスゲームモードなど、多数の設定を実装した隙の無い仕様に……」
    “発禁”
    「「「「「そんなぁ!」」」」」

  • 31二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 19:07:37

    一歩間違えたらデスゲーム待ったなしだもんねしかたないね

  • 32二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 19:22:29

    >>28

    逆に言えばだからこそキサキも疑念を抱いてるし不安になるんだろうな

    傾倒も心酔も何もなく、確固たる自我と信念を持っているのにどうしてそのようや組織に…?

    って感じで

  • 33二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 20:03:05

    >>28

    梅花園の生徒も、ペットが死んだ経験があるとかで真面目に死生観考えて所属してるとかなら無碍にできないし……

  • 34二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 00:36:28

    >>22

    普段は警備とかの仕事をしたりして

    その時はいつもみたいなMTRチャンスとか考えず

    まじめに仕事してそう

  • 35二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 01:39:52

    >>34

    あくまで「偶然に、運悪く、力及ばず、自然に」その瞬間を迎えたいからね

    仕事中にアクシデントがあったとしてもそれに真面目に対応しないのは不自然だし

  • 36二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 03:00:00

    ~続・パンデモニウムの鉄砲玉 序~

    『狼煙組より緊急連絡! ゲヘナ68番区画郊外にて、暴走したオートマタの軍勢が居住区へと進攻中! その規模、一個中隊クラスと推定!
     風紀委員会、および万魔殿の守備隊は到着まで時間を要する模様! 防衛のため、ゲヘナ支部に駐留中のファイアフライ部隊は直ちに現場へと急行せよ! 繰り返す──』

    ~~~

    「……モンシロ隊、トンボ隊は地点Bにまで敵部隊を誘引して挟撃! ミツバチ隊は負傷者を回収して拠点Qまで後退せよ!」

    ダダダダダダダッ! ……ドォン!

    「……戦闘終了。ありがとうございます、先生。先生の指揮のおかげで最小限の被害で敵部隊を撃破できました。
     たまたま先生がゲヘナ支部を訪問されていたタイミングだったのは不幸中の幸いでした」
    “どういたしまして。私にできることがあったら何でも手伝うよ”

    「ですが……先遣隊は退けましたが、想定していたよりも敵の数が多い。こちらの弾薬の損耗も無視できない……警備ちゃん。風紀委員会と万魔殿への応援要請は?」
    「それがその、鉄砲玉ちゃん……風紀委員会は現在24番区画にて温泉開発部との交戦中とのことで、応援は期待できないとのことっす。万魔殿からは返答待ちっす!」
    「……そうですか。とはいえ、あのマコト様がこんな辺境まで守備隊を動かすとは思えませんし……厳しいですね。
     この区画を放棄するのは心苦しいですが……撤退を検討するべきですか」

    「状況認識を訂正します。当機、AL-OSに内蔵された主武装〈シュレディンガーの武器〉は、内蔵クラフトチェンバーにより周囲の資材を吸収・改変し、武器弾薬を生成することが可能です。
     アロスであれば弾薬の損耗を気にすることなく戦闘を継続し、後続部隊の殲滅も可能であるとシミュレートしました」

    「アロスさんの主張にも一理あります。ですが、私の判断は変わりません。ここは撤退しましょう」
    「……判断理由の開示を要求します。アロスの力は、信じられていないのでしょうか」

  • 37二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 03:03:27

    ~続・パンデモニウムの鉄砲玉 破~

    「……アロスさん。カンナギ小隊が持ち帰ったデータによれば、あなたの能力は純然たる戦闘用のものではありません。
     何より、目覚めたばかりのあなたには絶対的に戦闘経験が不足している。
     たとえカタログスペックでは敵戦力を凌駕していても、実戦において『不測の事態』が起こる可能性は決して排除できません。
     ……そうでなければ、あなたが今ここにいることはなかったでしょうから」
    「それは……」
    「それに、この程度の戦場でアロスさんが死に急ぐ必要はありません。建物や町はまた作り直せますが、人の命はそうは行きません。我々は死ぬために戦っているのではないのですから。
     私達が今戦っているオートマタは、アロスさんや天童アリスさんとは違う。
     あのような心を持たない鉄の塊のために命を散らせるなど、あなたが望むMTRでは断じてないはずです」
    「……理解、不能です」

    「先生! 鉄砲玉ちゃん! 後方で避難誘導に当たっていた狼煙組とどーなつぐみの皆から、周辺区域の避難が完了したとの連絡っす!」
    「了解しました。……部隊内で、この状況下でのMTRに合致する者は?」
    「ええと、細かなシチュエーションの食い違いまで考慮に入れれば0名っすね!」
    「であるならば……潮時ですね」

    「──総員に次ぐ! 現時点をもって拠点Qは放棄! ミツバチ隊および救護・補給部隊は負傷者と共に撤退! モンシロ隊、トンボ隊は撤退完了まで敵部隊を引き付けた後、散開して拠点Rまで後退せよ!
     無駄に命を散らすな! 生き延びることを最優先に考えろ!
     ここは我々の死に場所ではない! 繰り返す、ここは我々の死に場所ではない!」

  • 38二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 03:04:40

    ~続・パンデモニウムの鉄砲玉 急~

    “頼りになるなあ、あの子”
    「そりゃあ、鉄砲玉ちゃんはファイアフライの参謀で、いつも暴走しがちなみんなを諫めてくれるブレーキ役っすからね。
     隊長が不在の時はこうしてみんなの指揮を任されることも多い、頼れる我らの指揮官っす」
    “そうなんだ。……でも、どうして参謀でブレーキ役なのに、鉄砲玉なんて呼ばれてるの?”
    「それは……その。鉄砲玉ちゃんは普段は冷静で頼れる子なんすけど、たまーに人が変わっちゃう時があって。まあ流石に今回は大丈夫だと思うっすけど……」

    「……万魔殿からの連絡来ました! 羽沼マコト議長からの通信音声を再生します!
     『こんな辺境にまで万魔殿の守備隊を動かすわけには行かないから、お前らは適当に戦って死んでこい!』とのことです!」
    「!!!」
    「……あちゃー」

    「……先の命令は撤回する! モンシロ隊、トンボ隊も含めた全部隊に撤退を通達! アロスさんと先生も下がってください! 残りの敵部隊は全て……私一人で迎え撃ちます!!」
    “えっ!!?”「……理解不能です!?」
    「全てはマコト様のために! ここが私の死に場所だああああ! うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

    ……その後、暴走オートマタの軍勢は鉄砲玉ちゃんが一人で壊滅させましたとさ。

    ~~~

    「また死に損ねてしまった……今度こそマコト様の鉄砲玉としてこの命を散らせるって思ったのにぃ!」(包帯グルグル)
    「……鉄砲玉ちゃんは相変わらずであるな」(包帯グルグル)

  • 39二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 05:56:21

    イイハナシダナーと思った直後にこれは、アロスちゃんチョップの一発くらいかまして良いと思うの

  • 40二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 06:31:40

    >>23

    「ポップ・レクイエム」ってタグ漁るといいかも

  • 41二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 09:08:28

    ファイアフライにも何人もの人やもしもアンドロイドであるアロスちゃんが負傷したときの為
    ファイアフライ教義の一つ『誰かを死なせない為に全力を尽くさねばならない』を守る為に
    本格的に医療技術を学ぼうとする子もいたりするのかな

  • 42二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 15:44:50

    「部長、葬長が今度は顔を青ざめさせていますが…アロスが救護して差し上げるべきでしょうか」

    「あれはどうしようもないので放置でいいですよアロス、ちょっと今月のお茶菓子のグレードが下がる事が決定しただけなので」

    「まさかウォッチャーの経営が傾いて…!」

    「いえいえ、そういう訳ではありません」
    「MTRの一部の武装はミレニアム所属の部員主導の元に開発されておりまして、盾に変形するスーツケースや数多の武装を詰め込んだ棺桶等、とにかくロマンを詰め込んだ設計が特徴なのですが…幾分開発費用をバカ食いするのですよ」
    「そしてその費用を自主的に出しているのが他ならぬ葬長なので…」

    「理解しました、憧れは止められないと言う事ですね?最近見た映画でそのような言葉を聞きました」

    「しかし…予算をオーバーした時点で止まって欲しかったです…!予算の3倍ですよ…!3倍………!!」

    「研究者という物は一度走り出せば中々止まることができない車のような存在ですからね…ああ、予算どうしましょうね本当に…」

    (アロスは面倒なのでゲヘナ支部に帰らせて頂きます…)

  • 43二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 16:17:06

    そういえば狼煙組にはMTR部の専用アプリとかを開発してるチームがあるんだっけ
    アロスちゃんもだいぶ情緒が育って来ましたね……

  • 44二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 17:02:56

    ~ハカセちゃん 前~

    「どうだ! リクエスト通り作って来たよ! 変形合体シリーズ、1/200スケールのKAITEN FX MK.∞!
     プロポーションを破綻させることなく変形合体ギミックを完備し、さらに全身86箇所の関節ユニットによりポージングも自由自在! 巨大ペロロジラを倒しD.U.の平和を守ったあの名シーンもパーフェクトに再現だ!」
    「うわあああー! ハカセのお姉ちゃんすっごーい!」
    “すごい! 欲しい! 私にも作って!”
    「へっへん、なんたって僕は天・才!だからね! これくらい朝飯前だよ!」

    “ハカセちゃんは物づくりが得意なんだね”
    「まあ、これでもエンジニア部ですから。……というか先生。どーなつぐみの子供たちを喜ばせるために作ったんですから、大人げない真似は止めてくださいね!」
    “はい……”
    「それに……この程度のオモチャ、ミレニアムの学生なら誰だって作れますから」


    「……僕、昔から勉強一筋で、学校のテストの成績くらいしか取り柄が無くて。
     子供の頃は、自分が天才なんだって本気で信じてました。周りの子たちからガリ勉だなんて揶揄われても、僻んでるんだなとしか思えなくって。
     でも……キヴォトス中から才能が集まってくるミレニアムでは、僕くらいのレベルなんて珍しくもなんともなくて。それは思い上がりだったんだって突き付けられました。
     同学年の中でさえ、僕なんかよりずっとすごい人達がいっぱいいて……僕のことなんて誰も評価してくれない。誰も見てくれない。
     一時期は本当に悩んでたんです。学校のどこにも居場所が無くて、いっそエンジニア部もミレニアムも辞めて……全部、諦めてしまおうかと思ったくらいに」
    “…………”
    「だから……本当は、こんなことを言っちゃいけないのかもしれないけど。エンジニア部からいなくなってしまった『あの子』の気持ちも、ほんの少しだけ分かるんです。
     もしも、ちょっとでも何かの歯車がズレてしまっていたら……僕があの子みたいになってしまっていたんじゃないか、って」

  • 45二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 17:04:14

    ~ハカセちゃん 後~

    「……部長に拾われてMTR部に入ってからは、少し救われました。最初はイカレた部活って思ってたけど、みんな僕に親身になってくれて。
     ただ……MTR部の子たちのことは、正直言って見下してた。こんな、ミレニアムプライスに出したって参加賞すら取れないオモチャをすごいすごいって持ち上げて……正直、遠回しにバカにされてるんじゃないかとすら思ってしまって、そんな自分がますます嫌になって……
     そもそもMTR部の中でさえ、どーなつちゃんや司祭の先輩……それに狼煙組にいる開発部の人たちがその気になったら、きっと僕なんかより断然凄いものを作れちゃうんだろうなって。
     ……僕にできるのは、こんな子供だましみたいな玩具を作ってみんなを楽しませることくらいで。自分のことをすごいって褒めてくれる子たちに囲まれて、ただ自尊心を満たしたいだけなんです。
     部長はそれでもいいって言ってくれたけど……やっぱり、時々自己嫌悪しちゃいます」

    “でも、あの子たちが喜んでる顔を見た時のハカセちゃんは、心から嬉しそうに見えたよ”
    「え……」
    “君がどう思っていても……誰かの笑顔ために頑張れるってことは、それだけで凄い才能だって私は思うな”
    「……買いかぶりすぎですよ。僕は、そこまで立派な人間じゃ」

    「あー! こんなところにいたハカセちゃん!」
    「うわっ、どーなつちゃん!?」
    「大変なの! ユウカ先輩とも相談したんだけど、やっぱりミレニアムに新しいMTR部を作るためには『他のどの部活とも兼部してない部員』が4人はいないとダメなんだって!
     だから……お願いハカセちゃん! ハカセちゃんもいっしょに私たちのMTR部に入って!」
    「やだよ! どーなつちゃんと違って僕はまだエンジニア部なんだし、辞めるつもりはないから! 何度頼まれたってダメ!」
    「ううっ、そんなぁー!」

    「ねえねえハカセのお姉ちゃん、今度はお人形さん作って! 園長から聞いたんだけどね、トリニティにはすっごく綺麗なお姫様みたいな人がいるんだって!」
    「あ、ハカセちゃん新作できたんだ! 私も見たいなー!」
    「ああもう……どいつもこいつも! 言っとくけど、僕の発明は安くないよ! 僕はキヴォトス一の天・才! いずれキヴォトスの偉大な発明王として歴史に名を遺す人間なんだからっ!」

    “……私も、頑張らなくっちゃね”

  • 46二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 17:22:28

    地元じゃ負け知らず

    昔はその地域で一番を誇るのはまだ簡単だったろうが、今はネットで世界に繋がって世界の壁の高さを直に叩き込まれるからなぁ
    天才の集まるなかで壁の高さを知り挫折しかけるのもさもありなん
    足元見て生きる妥協も時には必要よ

  • 47二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 18:15:30

    そしてどんな天才鬼才でも生物であるならば基本的に死は逃れられない平等なもの
    つまり理想の最期を迎えるための探求もまた平等に機会が与えられるもの

    誰かと繋がりたいって気持ち(とMTR思想)さえあれば差別もなく平等にいられるMTR部連合はやっぱりある意味でのセーフティネットなんだろうな
    まあ問題は根幹にある思想がだいぶカルト気味ってことなんだけども

  • 48二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 18:35:31

    >>41

    最前線で戦い続ける子たち、それも学園の後ろ盾がない状態でっていう条件付きだからね

    救護部隊の到着まで時間がかかるとか、最悪孤立状態で暫く援護も期待できないなんて状況さえありえないとは言えないし

    割とその辺の技術やら知識やらも定期的に共有したりアップデートしたりしててもおかしくはなさそう

  • 49二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 19:33:05

    「アロスは設計思想の段階からアリスお姉さんとは違うので、世界を滅ぼす事はありませんので安心してください」
    「しかし世界は数多の可能性を内包しており、何かの間違いでアロスは暴走してしまうかもしれません」

    「ですからアリスお姉さん…もしも、私が悪の手先になってしまったら…」
    「その勇者の剣で私を貫いて、正気に戻してくださいね、約束ですよ?」

    そう言ってアロスはアリスの手を自身の胸、心臓部の位置へと押し当て、どこか熱を上げる帯びた顔でにこりと微笑んだ

    BADEND√の前日譚

  • 50二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 23:18:58

    保持

  • 51二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 23:29:36

    「ふふ、ようやく現場復帰だ!
    …しかし丁度いい制圧任務も無いしな。
    ここは個人的にキヴォトスの見回りをするとしよう!」

    「…ううん、平和なのはいい事だがいかんせん…
    トリニティの路地に来てみたはいいが、何事もなさそう…ん?」
    『や、やめ…!誰か…!!』『へっ、こんなところに誰か来るわけねえだろ?』『そうそう、だから大人しく…』
    「大人しく奉仕活動でもしているがいい!」
    『『えっ?』』

    「ふう、射撃の腕は落ちていないようだな。
    大丈夫かそこの君?
    怪我などはないだろう…か…」
    「は、はい!幸い貴女様が助けてくださったおかげで…助かりました!
    ありがとうございます、なんとお礼をしたらいいか…」
    「…………ぁ」
    「…?ど、どうかなさいましたか?
    どこかお怪我でも…?」
    「ふぇあ!?ち、近…!!
    い、いや!なにも!それでは!?」
    「あっ!?せ、せめてお名前だけでも…!
    ……行ってしまいました……」

    「はぁ、はぁ…!
    な、なんだこの感情…!?
    うぅ…か、顔が熱くて胸が痛い…!
    ……いい匂いだったな…っていやいや!
    ファイアフライの隊長として、そんな…!不埒な…!
    ………ほぁ……って!わ、私は何を…!
    うがーーーー!!!!」

  • 52二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 23:36:26

    なにが始まるんです?

  • 53二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 23:38:43

    た、隊長に春が……!?

  • 54二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 00:50:02

    "…ぶ、部長が7人…!?"
    「先生が来たぞ」
    「タイミングが悪いな…」
    「ムラサキ00、どうする」
    「どうするも何も説明したらなアカンやろグレイブ03」
    「やばーい、そもそも変装解かなきゃ誰が誰かわかんなくね?」
    「あー…墓守、グレイブ小隊、ムラサキ小隊、一回メイクを落として来るように」

    「いやはや、まさか今先生が来るとは思わず…混乱させてしまいましたね」
    "今の子達は一体なんだったの?"
    「私のバックアップです、いざという時には彼女達が私の代わりとして部長を努めます。これでもファイアフライの傭兵活動での報復やMTR部のリーダーとして狙われる事も少なくはありませんし、その備えですね」
    "そんなに命を狙われてたの!?今までそんな風には見えなかったけど…"
    「私だってお飾りの部長ではありませんから、しっかりと直属の部隊でもって脅威は排除しておりますよ?あくまで彼女達は万が一の為の保険です」
    「ああ、そういえば先生には墓守を含めご紹介がまだでしたね?来なさい、『ミコ』『フゲキ』『カンナギ』『ムラサキ』『グレイブ』」

    「遺跡探索、護衛担当ミコ小隊だ」
    「上に同じくフゲキ小隊だよー、しくよろー」
    「カンナギ小隊、アロスは元気にやっていますか?」
    「影武者、紫鏡のムラサキ小隊や」
    「あっ、えっとはじめまして先生。グレイブ小隊のリーダーの墓守です、ホシノ先輩には最近お世話になっております」
    「先程は混乱させたな、グレイブも元ムラサキ故、墓守に変装を教えていた」

    「ふふっ彼女達は私が見繕った自慢の部隊なんですよ、なかなか凄いでしょう。教育費用には恐ろしい金額が溶けましたが…」
    "凄いのは充分伝わってくるんだけど…そういう事に予算使ってるからカツカツなんじゃ…"
    「ドウシテソンナヒドイコトヲイウノデスカ…」(現実と正論に打ちのめされる部長)

  • 55二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 00:59:19

    「……はぁ」
    「あら?どうされたのです?」
    「実は先日、とあるお方に助けられたのですが…
    そのお方に満足にお礼もできていないのに、お名前も所属も分からず…
    ……せめてもう一度お会いして、お礼を伝えたいのですが…思いが、その、積もるばかりで進展もなく…」
    「まぁ…」
    「それは大変ですわね、私達も協力致しましょうか?」
    「いえいえ、お気持ちだけいただきます。
    …今は大変な時期ですもの」
    「……確かに、そうですわね。
    最近トリニティ内でも耳に入るようになってきたあの団体…

    MTR部への対応と対策を考えなければならない時期ですもの」

  • 56二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 01:03:07

    いろいろ並行してキナ臭い動きが……

  • 57二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 01:04:40

    ロミジュリの気配がする

  • 58二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 01:27:43

    ~火と灰の記憶~


    どーなつぐみのアリウスちゃんと風紀委員会の警備ちゃんの話です。

    なんか書いてたらやたら長くなってしまったので、読みたい方だけどうぞ。


    『火と灰の記憶』~火と灰の記憶・1~

    「こんにちは、先生」

    “あれ? アリウスちゃんが、どうしてゲヘナ支部に?”

    「本部からの補給品を届けに。前回の戦闘で消耗した弾薬や医薬品の補充が必要だって聞いたから」

    “そうなんだ。ありがとう”


    “でも、大丈夫? 怪我で上手く手足が動かせないって聞いたけど……”

    「そうだね。まだ完治はしていない。でも、どーなつちゃんが作ってくれた補助義肢のおかげで、日常生活の範囲なら無理なく動かせるようになったから。

     ……流石に本格的な戦闘行為まではできないけど、このくらいの任務なら問題ない、と思う」

    “そっか。……本当に、良かった”

    「うん。あの子には本当に、感謝してもし切れない」


    「……あ! 先生と……どーなつぐみの補給班の方っすよね!

     いやー待ちかねてたっす! 前回のオートマタの襲撃で物資がカツカツで……鉄砲玉ちゃんが無茶するから包帯の在庫も厳しくって……

     と、ともかく物資を持ってきてくれて助かったっす!」

    「うん。必要な補給品は地下に運び込んであるから、荷下ろしと内容の確認をお願いしたい」

    「承知しましたっす!」







    ~火と灰の記憶・2~


    「それにしても……たぶん初めまし…
    telegra.ph
  • 59二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 01:38:10

    メメント・モリの事とかに触れられてると嬉しくなっちゃうな

    まあそれは置いといて、現場に居たアリウスとゲヘナの二人がこうして笑い合えるのは本当に尊い事だなって…守護らねば…

  • 60二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 02:18:43

    【MTR部員紹介・ゲヘナ支部編】

    ゲヘナ支部長
    帰宅部部長(自称)のゲヘナ3年生。
    一見ノリが軽く考え無しに見えるが、世話焼きで仲間思いな性格。支部員からもなんだかんだで慕われている。
    破天荒なゲヘナの気風に馴染めない大人しめの生徒や爆破テロで住居を失った子供たちなどを「体験入部」という形で支部に引き取って面倒を見ている。
    本人曰く戦闘力はクソザコだが、半ば予知能力じみた危機察知能力の持ち主であり、その直感によって多くの危機を切り抜けてきた。
    彼女が支部長に就任して以降、争いの絶えないゲヘナ学区の中で戦闘要員を除く支部メンバーから重傷者は一人も出ていない。
    ちなみに狼煙組の所属。その危機察知能力を生かし、ゲヘナ方面での大規模戦闘の予兆などを本部に報告するなどしている。
    理想のMTRは家族に囲まれて畳の上で死ぬこと。

    鉄砲玉ちゃん
    ゲヘナ万魔殿警備隊に所属する2年生。MTR部での役割はファイアフライの参謀にして切り込み隊長(矛盾)。
    元々は万魔殿本部でマコトの警護を担当していたエリート。ファイアフライ所属にしては珍しいブレーキ役で、引き際を冷静に見定められる指揮官タイプ。
    その一方でマコトに対する忠誠心はやたらと偏っており、マコトの命令が絡むとマコト自身の意にすら反して暴走する。「マコト様の鉄砲玉になって死にたい!」とは本人の談。ちなみにファイアフライの例に漏れず戦闘力は無駄に高い。
    現在はいろいろあって万魔殿から出禁を言い渡されて意気消沈中。

    警備ちゃん
    ゲヘナ風紀委員会の1年生。MTR部ではファイアフライに所属。部内では比較的新参者。
    生真面目で実直な性格。エデン条約調印式では風紀委員として古聖堂の警備を担当していたところ巡航ミサイルの直撃により生死の境を彷徨い、それ以降「死」に強いトラウマを抱くようになる。
    一時期は風紀委員を辞め、ゲヘナから転校することまで考えていたが、MTR部との出会いを切っ掛けに「いつ死ぬか分からないなら、せめて満足できる生き方をしたい」との悟りを得て立ち直る。
    理想のMTRは「誰かを守るために戦って、自分が助けた誰かに感謝されながら笑って死にたい」というもの。
    アリウス出身のアリウスちゃんには当初思うところがあったものの、憎み合うより手を取り合いたいという思いから和解。現在は友人となっている。

  • 61二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 07:46:55

    ムラサキ小隊
    部長のバックアップとして存在する影武者部隊
    見た目だけならば本物と遜色ない出来だが、声や話し方等はそのままなので部員達にはすぐにバレる
    帽子を脱ぐと狼耳が生えているという噂はグレイブ03が当時変装していた為に発生したもの
    現在はグレイブ小隊に引き抜かれた為に二人しか居ない

    部隊名の由来はムラサキカガミ、20歳までこの言葉を覚えていると死ぬという怪談だが、部隊員は部長の事を知った人間は生かしてはおけないという意味に解釈している

  • 62二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 07:49:20

    だいぶ前のスレに出てたけどウォッチャーやどーなつぐみがあればMTR部自体は必要ないってことなのだろうか
    でもその2つは絶対にMTRを潰したがらない派閥なんだよな

  • 63二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 08:10:10

    >>58

    アリウスちゃん……当事者じゃそら重くもなるわな

    実はスプラッタ映画視聴で行動不能になるくらい弱々な状態なので頑張って強く生きて


    反省だけでは駄目、後悔なんて以ての外。

    罪を犯すとは、そんな生易しい物ではない。

    罪は裁き以外では清算できないのよ。(by楽園の最高裁判長)

  • 64二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 15:37:21

    私は....リオ会長に捨てられたいです...! トロリージレンマの1人の方へ、リオ会長がレバーを引く瞬間(比喩)を感じたいです…!致命傷を負って、入院している私を訪ねてきてしばらく見下ろして何気ない姿でドアの外に歩いていくリオ会長に会いたいです。 私の利用価値がなくなったという意味だな。とわがままな納得をしますが、心の片隅ではそれでも一人の人間として見てほしかったので、臨終の瞬間に一滴の涙を流したいです…!リオ会長は忙しい人だから私の死を電話で知ってほしいです…!
    ...そんな私も今は元気に退院して、キボトスのどこかにいるリオ会長を捜索しています。 お待ちください!

  • 65二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 16:10:55

    もしかしてトキさん……?
    でも実際そんなシチュだったらリオ会長内心罪悪感でボロボロだと思う

  • 66二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 16:53:52

    >>62

    どーなつぐみに保護されてる子たちとか合流前から葬長に惹かれて付いてきてる子たちとかはそう考えてるかもしれない

    ただそもそもMTR部自体が理想の最期を語り合いたい探求したいって子たちの集まりなので


    色々と例として相応しくない気もするけど強いて個人的な感覚を言えば

    「どーなつぐみやウォッチャー、ファイアフライがいればMTR部連合の枠組みはいらない」っていうのは

    「シスターフッドや救護騎士団、正義実現委員会がいればトリニティ総合学園はいらない」に近い気がする


    思想や教義に賛同したから参加したってメンバーが大多数だろうしMTR部連合そのものが不要ってことにはならないと思うんだよな

  • 67二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 17:34:00

    そもそもウォッチャーに関しては「MTR部を支援する為に加入した」タイプだからな。
    そもそもMTR部の為に入ってる人達だから絶対に部の枠組みを壊そうとはしないはず。

  • 68二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 18:21:40

    >>65

    リオ会長が湧き出る自己嫌悪を抑えきれずに机の下でしゃがんで泣くまでがワンセンテンス

  • 69二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 19:20:00

    いろんな組織があるからいろんな人を間口広く迎えることができて、組織内でまた向いてる組に移動できるのは一つの強みだからね

  • 70二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 00:04:30

    以前レクイエムの話題が出たのでキャラ化してみたい

    作曲家
    鎮魂歌はもちろん讃美歌やオペラ果てはボカロから最新ポップスまで網羅する音楽大好きっ子
    人々があらゆる形で死と向き合ってきた中で生まれた芸術・・・とりわけ音楽に強い関心を持ちいつか誰もが気持ちよく旅立て見送れる『最高の鎮魂歌』を作りたいと考え日々作曲にいそしんでいる
    MTR部での主な活動は理想のMTRシチュの取材と称し各派閥の人々の手伝いをしつつ人間観察にいそしんでいるらしい
    理想のシチュは「葬式のBGMはお気に入りのセットリストを流し火葬場で自分の作った『最高の鎮魂歌』を流すこと」

  • 71二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 00:05:50

    葬長とよくつるんでそうな子だな

  • 72二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 00:06:11

    やっぱり映画にはBGMが欠かせないからな!!

  • 73二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 00:22:23

    ちなみにどーなつぐみの皆さんにはピアノのおねーさんとして認識されてます知らんけど

  • 74二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 00:35:43

    最高の鎮魂歌…グレゴリオ…うっ頭が…

  • 75二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 01:17:28

    葬長と部長の出会いはただの会社と顧客の関係であって欲しい

    ただでさえ死が少ないキヴォトスにおいて、MTR部からの生徒の葬儀依頼はあまりにも異彩を放ちすぎていて、まだただの社長だった頃の葬長は探らずにはいられなくなっちゃうんだ

    そしてMTR部からの依頼をウォッチャーとして引き受けている内に、あまりにも生徒達の葬儀依頼の頻度が高い事に気付くんだ

    それで葬長は葬儀や命に携わる者として部長に接触して詰め寄るんだ、命をなんだと思っているのかって
    でも部長にMTR部の思想を説かれる内に考え方も変わって来て、だったらせめて悪戯に命を散らせない為にもウォッチャーが協力しようって事になるんだ

    当然門主からは猛反対されるんだけど、MTR部を否定する言葉はMTR部の思想を理解した葬長にとっては的外れで、怒って山海経から出ていっちゃうんだよね…

  • 76二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 05:32:14

    >>73

    シリアスな襲撃される場面で

    「私は……『ピアノをまた弾いてね』と言われたんだ。」

    とかなりそう?

  • 77二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 06:16:51

    今となってはMTR部って行き場のない子や悩める子達の集まる学園みたくなって
    部長は部員達の"先生"みたいな立場になってる
    ある意味小さなキヴォトスみたいにみえるな

  • 78二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 07:35:54

    >>77

    部員が足り無くて廃部になりそうな部活がある(ゲーム開発部・M.T.R.部)

    生徒としてアンドロイドが居る(アリス・アロス)

    社長として企業を立ち上げている生徒がいる(アル・葬長)

    自由に動かせるフリーの戦力がある(RABBIT小隊・部長直属部隊)

    様々な学校の生徒と係わりがあり、慕われている(先生・部長)

    戦闘指揮が出来る(先生・部長)


    これは…!?

  • 79二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 09:17:51

    >>78

    墓守「あの、私は?」

  • 80二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 09:27:52

    青春の皮被った弱肉強食みたいな世界観で精神的にドロップアウトしかけた子たちをケアするシステムを各校が持たんのがわるい
    普通は各家庭の親御さんや教師が適宜可能な限り拾うわけだが居らんし…トリニティはシスターフッド辺りが担当してそうだけど
    ブルアカと言うゲームのストーリー上その役目を負うのが先生なんで役目奪うような組織を大きく有能にし辛いというのはそうなんだが

  • 81二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 13:49:31

    「うわーん!来る日も来る日も書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類戦闘戦闘戦闘戦闘戦闘戦闘戦闘!!アロスはもっとこんなお仕事ばかりじゃない青春がしたいです!」

    「そういう訳なのでしばらく家出する事にしました、シャーレで匿ってください先生」
    ”ああ…うん…大変だったね、まあ私はオフィスで泊まるから、仮眠室とか好きに使ってね”
    「ありがとうございます!」

    「…ん、21時間ぶりの睡眠だったせいで変な時間に起きてしまいました」
    「…何故かバニー服の方やうさぎのカチューシャを付けた方がベッドに入り込んでいるのかは突っ込まないでおきましょう」
    「それよりもお腹が空いて仕方がありません、確か近くにはコンビニがあった筈ですし何か買って来ましょう」

    「…どうしてこんな時間にオフィスから光が…?先生?」
    "あっおはようアロス、まだ朝の4時なのに早いね"
    「まさか、今の今まで徹夜でお仕事を…」
    "いやぁ、こっちもこっちで結構お仕事が多くて…実はもう3徹目なんだ"
    (ドン引きするアロス)(仕事からは逃れられないという絶望)(それでも先生の為にお仕事を手伝うアロス)(結局お休みが無くなったアロス)(死んだ目で風紀委員会に帰るアロス)(そして今日も労働が始まる)

  • 82二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 18:59:23

    >>81

    アロスちゃんは泣いていい

    ゲーム開発部で毎日クエストしてるアリスとどこで差がついたのか……


    ただ、ゲヘナ風紀委員会にものすっごい恩を売れたからアロスちゃんがピンチになったら風紀委員会が全力で助けてくれるかもしれない

  • 83二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 19:08:10

    起動直後にMTR思想に脳を破壊され、風紀委員会とシャーレにもブラック労働で脳を破壊されるアロスちゃん
    一周回ってロボットみたいに戻っちゃったね♥

  • 84二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 19:15:46

    「私日々色んな音楽聴き漁ってきて一つ生まれた疑問があるんですよ。処刑用BGMってレクイエムに含まれますかね?」
    “ただの演出では?”
    「それをいっちゃぁお終いですよ」

    ということでご意見を伺いたいんですがどうでしょう?

  • 85二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 19:24:46

    チャキッ
    てーてーてー てててててててーてーてー

    悪党死すべし慈悲はない
    鎮魂歌というか葬送曲だな

  • 86二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 19:37:52

    お労しやアロスちゃん
    …今更だけど先生より先に
    思想を除いてはMTR部のことを受け入れてるんだよな風紀委員会

  • 87二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 19:44:13

    まあMTR部って思想はアレでもゲヘナでは珍しい問題を起こさないどころか治安を守る側の部活だしね
    風紀委員会としても波風立てるよりは共存の方が利がある

  • 88二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 20:09:04

    ~ヒナから見たMTR・上~

    「──敵戦力、ヘルメット団の撤退を確認。アロス、戦闘モードを解除します」

    「ヒナ委員長、お疲れ様っす! ちょっとヤバかったけど委員長のおかげで助かりましたっす!」
    「お互い様。今回は敵の数も多かったし、いつもよりちょっと面倒だったから。MTR部の子達……アロスもご苦労様」
    「…………」(ぷいっ)
    「あら、すっかり嫌われてしまったみたいね。以前会った天童アリスはもう少し素直な子だったのだけど」
    「……っ! アリス姉さんは関係ありません! アロスだって本当は、風紀委員会じゃなくてアリス姉さんと……」
    「?」
    「……なんでもありません。アロス、作戦行動終了につき、ゲヘナ支部に帰投します」

    「……うーん。中々コミュニケーションが取れないわね。もしかして私、怖がられてる?」
    “ごめんね、ヒナ。いきなりアロスの面倒を見てほしいなんて頼んじゃって”
    「別に、気にしてない。戦力としては申し分ないし、あの子が風紀委員会の仕事を手伝ってくれるようになって私達も助かってるから。……たまに前触れも無しににいなくなるのが困りものだけど。
     ……それに、先生に頼られるのは素直に嬉しい……なんでもない」

    「……まあ、色々と言いたいことはあるけど。先生が最近関りを持っているMTR部内での動き。そして唐突なあの子……戸守アロスの『短期留学』の申し出。……先生、今度は何を企んでいるの?」
    “企んでるってわけじゃないけど……どうにかあの子たちの力になれないかなって思って”
    「そう。……先生は相変わらずね」

    「……でも。先生、最近あまり休んでないでしょ。生徒のための先生でいるのもいいけれど、少しは自分の身体も大切にしてあげて。
     いざという時に先生が倒れてしまったら元も子もないから……って、これは私が言えた義理じゃないかもだけど」
    “あはは……ありがとう。ここのところ皆に心配をかけてばっかりな気もするし、気を付けるよ”

    「それにしても、MTR部……ね。本音を言えば、先生にはあまり関わって欲しくなかったのだけど」
    “ヒナは、MTR部のことをどう思っているの?”

    「そうね……先にはっきり断っておくけど、私個人としては彼女たちの思想……看取りだの看取られだのには、全く共感できない」

  • 89二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 20:11:20

    ~ヒナから見たMTR・中~

    「……彼女たちを嫌っているわけじゃないわ。でも……私は、小鳥遊ホシノとは違う。大切な人の死と向き合えるほど、強い人間じゃないから。
     あの日、先生が撃たれた時……私はもう、何も考えられなくなって……自分の役割も、責任も、全部投げ出して、折れてしまいそうになった。
     あんな思いはもう二度としたくないし、自分が看取られる立場になるのも嫌。……そうなった時、アコや皆がどんな顔をするか、想像もしたくない。
     だって、人が死ぬ、なんて……誰にとっても、辛くて、悲しいだけじゃない」
    “…………”

    「だけど……思想はともかく、MTR部の存在に風紀委員会が助けられているのも、事実ではある。
     戦闘部隊が暴走しがちなのが難点だけど……大規模な戦闘や災害の予兆を逸早く察知する情報網に、戦闘区域での避難活動、加えて戦災者たちの保護とアフターケア。
     私達の手が回らないところを補ってくれるMTR部の存在は素直に有難いし、どいつもこいつも身勝手な連中ばかりのゲヘナの中で、あの子達が曲がりなりにも秩序側でいてくれることには感謝しかない。
     ……本来なら、そういうことも含めて風紀委員会の役目のはずなのだけど……自分達の力不足を恥じるばかりね」
    “……ううん。ヒナたちは十分、頑張ってると思うよ


    「ヒナ委員長! 今回の戦闘によるファイアフライ……MTR部戦闘班の損耗は大したことないっす!
     ……でも、本当にいいんすか? 今回MTR部が消耗した弾薬や消耗品などの補填費用は、風紀委員会側で全額負担するって……」
    「うん。要請に応じて支援してくれた以上、それくらいは当然。もし万魔殿に文句を言われたら私達の方で何とかする。
     本当なら報酬ももう少し上乗せしたいところだけど……必要以上にMTR部に肩入れするのはマコトが渋るでしょうから」
    「いやいや、ゲヘナ支部としてはそれだけでも十分助かるっす! 本部の援助もあんまりアテにはできないし、自分ら予算的にはいつもカツカツっすからね~」

    「……その。MTR部での活動が辛いと感じているなら、いつでも戻ってきていい。あなたは今でも風紀委員会の一員なんだから」
    「ありがとうっす。……でも、お気持ちだけ頂いておきます。今は、あそこが私の居場所ですから」
    「……そう。少し残念。だけど、あなたがまた元気になって良かった。……頑張ってね」

  • 90二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 20:12:56

    ~ヒナから見たMTR・下~

    “あの子のこと、気に掛けてるんだね”
    「……先生も聞いてると思うけど。あの子、調印式では古聖堂の警備を担当していたの。あの一件で心的外傷を患って……一時期は風紀委員を辞めて転校しようとも思っていたみたい。
     このキヴォトスでも稀な『命の危機』に直面して、同じように心に傷を負った子は沢山いた。実際、あの事件の後で風紀委員を辞めた子だって一人や二人じゃなかったから。
     正直あの子も辞めると思っていたし、引き留めるつもりもなかった。いっそ風紀委員から……ゲヘナから離れた方が、あの子にとっても幸せだろうって」

    「だから、彼女がこうして今も風紀委員に残ってくれてるのには本当に驚いたし、ある意味尊敬もしてる。
     死の恐怖を乗り越えて戦う……それが言葉にするほど簡単なことじゃないのは、私が一番よく知っているから。
     ……もしかしたら、彼女の方が私より、よほど強い心を持ってるのかもしれない」

    「……以前よりマシになったとはいえ、ゲヘナでのMTR部の立場は決して良いものとは言えないわ。
     自由と混沌を標榜するゲヘナでは、校則に定められた範囲内でのあらゆる自由が保証される。それはMTR部の思想だけではなく、その思想を受け入れないという思想も同じ。
     誰もが思い思いの自由と理想を振り翳し、それが他者を傷つけても気に留めることすらない。
     そして、そのツケを払わされるのはいつだって、戦う力を持たない弱い立場の人間。
     ……それが今のゲヘナである以上、あの子達への扱いが根本的に変わることは無いでしょうね」

    「……先生。ゲヘナ風紀委員会は、ゲヘナ学園の秩序を守るための組織よ。その秩序がどういうものであれ……たとえ体制側のトップが誰であれ。
     もしもMTR部がゲヘナの……キヴォトスの秩序を脅かす側に回ったのなら、私達は容赦なくあの子達に牙を剥くでしょうね。
     だけど……そうならない限り、私達があの子達の敵に回ることはない。むしろ、共に手を取り合っていきたい。
     できることなら、これからも良い関係を続けていたいと思っているわ」

    「だから……私からもお願い、先生。あの子たちは危うくて、誰かが目を掛けていないと、どこに転んでしまうか分からないから。
     あの子達が躓いてしまわないよう、先生があの子達の傍で看ていてあげて」
    “うん。……任せて、ヒナ”

  • 91二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 21:11:06

    あの一件はなぁ……身近に死を感じたら変わる子も出てくるか
    それはそれとしてお仕事はがんばれアロスちゃん
    先生は少し休め

  • 92二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 21:35:36

    >>91

    ア、アロスは目覚めてから一ヶ月もしない内に風紀委員会に送り込まれ、それから毎日大量の仕事を処理し、ヒナ委員長の残業時間を大幅に減らす程に頑張っています…

    そんな私に…あなたはまだ頑張れと、もっと仕事をしろと…起動から2ヶ月も経っていないこの赤ちゃんアンドロイドにおっしゃるのですか…?

  • 93二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 21:48:24

    あっ……ゴメンね、配慮が足らなかったね
    そうだ、時間見つけて映画観ようか。前のスレのリストに無いやつ

    レクイエム・フォー・ドリーム:ヤクを売って成り上がる痛快ギャングスターストーリー!!
    ザ・ロード:世紀末の世界を舞台に世直し子連れ狼只今参上!!
    ダンサー・イン・ザ・ダーク:子供の為に母さんがレポーター相手に大暴れ!
    アンジェラの灰:酔いどれ父さんの貧乏大家族日記
    ミスト:化物相手に最強オヤジが大暴れ、みんな皆殺しにしてやるぜ!
    プレシャス:太っちょ少女のお気楽ダイエット大作戦!
    日蔭のふたり:ツンデレ彼女と根暗な彼のハ ピーラブストーリー
    ドクトル・ジバゴ:恋と革命はおそロ.シ.ア
    ヴェラ・ドレイク:「アンタの腹の子はアタシにまかしとき!」肝っ玉かあさんのお産婆日誌
    ソフィーの選択:早く選択しろ!と優柔不断なソフィーにイライラする話
    リリア 4-ever:エンジェルと呼ばれた2人の青春バスケットムービー
    ケス:ファイアーバード・スプラッシュ!少年 とハヤブサの交流記
    エレファント・マン:アメコミスーパーヒーロ ー、アイアムエレファントマン!
    風が吹くとき:爺さん婆さんは言う「このシェルターは2人用です」
    ホテル・ルワンダ:ホテル・ルワンダはいつもお客で超満員!

  • 94二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 21:50:28

    でたわねクソ映画おススメニキ
    お帰りください

  • 95二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 23:26:38

    >>94

    クソ映画では断じてないぞ どれも立派な名作鬱映画だぞ

  • 96二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 23:27:32

    >>95

    赤ちゃんに見せる映画ではないだろうが!

  • 97二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 23:33:08

    >>95

    PG表記やR指定が何のためにあるのか知ってる???

  • 98二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 01:00:56

    「おや・・・こんなところで会うなんて・・・奇遇ですね・・・」
    “ちょっとシスターフッドに用事があってね”
    “葬長はお仕事?”
    「はい・・・正確に言えば・・・人に会いに・・・せっかくですし一緒にどうです・・・?ぜひ紹介したい人もいるので・・・」
    ~~とある礼拝室オルガンの音が響き渡る~~
    “讃美歌・・・だよね?”
    「そうですね・・・どうやら・・・練習中のようです・・・」
    「ふう全部確認するのも大変だなぁ(ブツブツ)あっ葬長、お疲れ様です。そちらの方は・・・先生ですね初めまして。」
    “初めまして君は?”
    「はいシスターフッドのMTR部員です。周りからは作曲家と呼ばれてます。所属は・・・一応無所属ってことになるんですかね?」
    “作曲?”
    「そうですね、他の部員の皆さんが理想のMTRを求めるように私は理想の鎮魂歌・・・『最高の鎮魂歌』を作るために活動しています。」
    「彼女は活動の一環として・・・私たちウォッチャーやどーなつぐみに出入りしている内に・・・MTR部の考えに興味を持ち・・・現在は各派閥の手伝いを定期的にしながら・・・色んな人の話を聞いて回ってるそうです・・・今日私が来たのもウォッチャーのスケジュール表を渡しに・・・」
    「いつの間にか窓口になってたんですよねぇ。はい確かに、確認します。・・・葬長、このサメのマークって・・・」
    「はい・・・またお願いします・・・♪」
    “あの映画内容のわりにやけに音楽に気合が入ってたのってそういう理由だったの?”

  • 99二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 01:04:48

    #作曲家ちゃんの家族を開放しろ
    ってSNSで言われる奴じゃん

  • 100二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 01:06:09

    >>70で設定だけ投げっぱなしなのも行けないなって思ってしまいもう少し掘り下げてみました


    作曲家ちゃんとしては元々シスターフッドという環境出身で人生というものについて考える時間が多く、とりわけ讃美歌のルーツを辿ったり誰もが納得して故人を送り出す手助けがしたいという考えがもとになり『最高の鎮魂歌』を作りたいと思ったのではないのかなぁと

  • 101二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 04:37:26

    >>99

    新作サメ映画が出る度、ポスターのスタッフリストみて作曲家ちゃんのファンは頭抱えるんだな

    ……もしかして、サメ映画自体よりサウンドトラックの方が売れ行きよかったりして

  • 102二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 04:45:26

    視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。
    これら五感のうち、最も強く記憶に結びついている──即ち最も忘れにくいとされるのが嗅覚です。
    ふと鼻腔をくすぐった香りから思い出の花が咲く、ということはままあることですね。

    では、最も記憶との結びつきが弱いのは?
    一般に、答えは聴覚。音や声といった記憶が、最も早く風化していくのでそうで。
    忘却は記憶の死である、と定義づけるならば、最も薄命なのが音声だと言えるでしょう。

    忘れることは時に人を助けますが、反対に苦しめることもあります。
    忘却は自然なことですが、それを死と捉えるならば、忘れたくない──死なせたくないと思うのもまた自然でしょう。
    私たちMTR部連合には、「可能な限り望まぬ最期を迎えさせない」という考え方がありますが……
    ふむ。文書や画像だけでなく音声の保管もいいかもしれませんね。


    ……という訳で、先生も如何ですか?
    先生の声を録音しておけば、数々の思い出たちもきっと末永く色鮮やかに……
    "なんとなく嫌な予感がする、めっ"
    そんなー。

  • 103二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 04:58:40

    先生と部長シリーズ好き

  • 104二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 04:58:53

    とりあえずコタマの協力を仰ぐか…

  • 105二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 05:10:49

    先生の声を記録する
    →一ヶ所で保存すると、遺失が怖いから複製してたくさんの場所にバラ撒きたい
    (論理の飛躍)
    →そうだ、ASMRとして販売しよう(MTR部の予算の足しにしよう)

  • 106二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 08:00:09

    "そういえばトリニティ支部のカフェの方に最近行ったんだけど、あそこ凄く料理が美味しいね"

    「ええそうでしょうとも、支部長である私自らが材料から拘って開発したメニュー達ですから」

    "こんなに美味しいなら結構お客さんも入って良い収入になってるんじゃない?"

    「いえ全然、ぎりぎり赤字ですよ?材料に拘るという事はその分値が張る素材を買うことになりますし…なによりここは隠れ家という都合上あまり繁盛しても困りますし…完全予約制というのも敷居が高いですからね」

    "そうなんだ…"

    「まあ…そういうのを取っ払った完全営利目的のカフェを開くのも良いかもしれませんね?裏方でどーなつぐみの社会復帰支援も出来るでしょうし」
    「私達も色々とアプローチを考えてなければなりませんね…」

  • 107二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 10:16:42

    美食研究会「おいしいカフェと聞いて」

  • 108二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 17:13:25

    >>107

    ジュンコとイズミはまあ問題なし

    材料に拘ったりしてるし料理にかける思いが伝わればハルナも大丈夫な可能性はある

    なので恐らく問題は量を求められる上に質も落としちゃいけないアカリだな

  • 109二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 20:20:51

    >>107

    テロはマジでやめてあげて

    荒事がダメな子もたぶんいるから

  • 110二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 21:05:16

    まあ狼煙組がちゃんと美食研究会の動向は監視してるでしょう

  • 111二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 00:22:01

    MTR部も色々な稼ぎ口が出来てきたね
    本部
    ウォッチャーの葬儀
    どーなつぐみのフリーマーケット
    ファイアフライの指名手配犯鎮圧

    ミレニアム支部
    M.T.R.部での医療品制作

    ゲヘナ支部
    風紀委員会の治安維持のお手伝い

    トリニティ支部
    一般向けカフェ(予定)

    レッドウィンター支部
    アイスキャンディー作り

  • 112二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 00:24:10

    サメ映画…

  • 113二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 00:25:18

    (ギリギリ稼ぎにならないので)ダメです

  • 114二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 00:39:41

    ふと思ったんだけどアロスちゃんって今風紀委員会送りになってるから絶賛ブラック労働で擦れてるけど、万魔殿送りになった方が幸せだったのでは…?
    どれだけトップがアレでもイロハが先輩として程々にサボる方法とかを教えてくれるだろうし…少なくとも今よりはイキイキとしてそう
    マコトもアロスという戦力でもってヒナにある程度対抗出来るようになるかもで調子に乗るかもしれない

  • 115二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 01:00:05

    万魔殿の強化はヒナちゃんの負担増加に繋がりかねないのでちょっと……

  • 116二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 02:08:57

    マコト様は鉄砲弾ちゃんにトラウマ植え付けられたので、基本MTR部にはあんまり関わりたくなさそう…

  • 117二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 07:12:58

    部長は資金繰りでだいたい頭痛めてるし、アロスちゃんは社畜になっちゃったし

    なんというか、生々しすぎるな

  • 118二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 07:30:32

    各学園の足りてない部分を自分達だけで解決しようとしてるからな、むしろ回せてる今の方がおかしいんだ

  • 119二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 17:14:55

    ~アロスただいま家出中! 上~

    「大変っす支部長! アロスちゃんが『さがさないでください』って書き置き残して支部を飛び出しちゃったっす!」
    「マジ!? どうしよ一大事じゃん!」
    「これで三度目でしたか? ……ここしばらくは風紀委員会の仕事のお手伝いに忙殺されていましたし、アロスさんも思うところがあるというのも分かりますが」
    「うーん……あたし、一応探しに行ってくるよ。ちょっと心配だし」
    「え? アロスちゃんなら何かあっても自分の身くらい守れると思うっすけど……」
    「いや、だからこそ心配っていうか……ゲヘナって喧嘩っ早い子が多いし、アロスちゃんが余計なトラブル起こさないかがさ」
    「あー」

    ~~~

    「ううっ、もう嫌です……毎日毎日、仕事仕事に戦闘戦闘……アロスはこのような目的の為に製造されたのではないのに。理解不能です。先生はなぜアロスをゲヘナ送りにしたのでしょうか。アロスだって本当は、アリスお姉さんと一緒の学校に通いたかったのに。
     ……模造品のアンドロイドには、野蛮なゲヘナがお似合いということなのでしょうか。嫌いです。先生も、ヒナ委員長も風紀委員会も、ゲヘナ支部の皆さんも。
     ……アロスは、何のためにここにいるのでしょうか」

    「それにしても……後先考えず飛び出してしまいましたが、このあたりの区画はゲヘナの中でもとりわけ治安が悪いようですね。
     そこかしこに落書きだの真新しい戦闘痕だの……建物も崩れたまま放置されてますし、ほとんど廃墟ではないですか。
     それこそ死体でも転がっていてもおかしくないような……? 武装した集団の接近を確認。それなりの数ですね」

    「おンやぁ~? 随分と可愛らしいお嬢ちゃんが迷い込んで来たじゃねぇの。アタシらのシマに何の用かなぁ~?」
    「ん? コイツ……どっかで見た顔だと思ったら、あの死にたがり連中んとこの新入りじゃね?」
    「マジマジ? あーあ、そんなイカレ野郎共のお友達がこんなところを一人でフラフラしてたら、何されても文句ないってことだよねー?」

  • 120二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 17:17:56

    ~アロスただいま家出中! 中~

    「あなた達は……ゲヘナ支部はたびたび襲撃を受けていましたが、察するにあなた達がその犯人、ということですか」
    「ああん? 別にMTR部掃除なんてアタシらの専売特許じゃねーよ。第一、道端の目につくところにゴミが落ちてたら拾ってゴミ箱にポイするのは人として当然だろ?」
    「……ゴミ呼ばわりとは穏やかではありませんね。MTR部の方々があなた達に何をしたというのですか」
    「うるせぇ! お前ら気持ち悪いんだよ! 何かにつけて『イズミちゃんに食べられたい』だの『ジュリたんの料理を完食して「美味しいよ」って言ってあげながら死にたい』だの!
     噂じゃ他の学区じゃ自爆テロまで起こしかけたらしいし……そんな何しでかすか分からないイカレた連中が自分と同じ町のどこかに潜んでるってだけで、こっちは夜も眠れねえんだよ!」
    「どこからそんな根も葉もない噂を……」
    「ていうかさー、風紀委員会は何やってんの? 普段あたしらばっかり目の敵にして鉛玉でどつき回すくせに、あんなカルト集団は放置だなんて職務怠慢でしょ! だからアタシらがボランティアで手伝ってやってんの。むしろイイコトしてるって褒めて貰ってもいいくらいじゃん?」

    「……話になりません。要はあなたたちの勝手な憂さ晴らしではないですか。日々アロスが……もとい風紀委員会がどれだけ多くのトラブルの対処に追われているか、あなた達は考えたことがあるのですか?」
    「はあ? 知るかよバーカ。誰もそんなこと頼んでねえっつの! それから口の利き方には気をつけな。……あんまりナメた態度でいると、マジでここから生きて帰れねぇかもしれねえぜ?」

    「……救えませんね。ちょうどアロスも虫の居所が悪かったところです。戦闘モード解放。〈シュレディンガーの武器〉、展開……」

    『──作戦コード、"F"oxtrot!』

    「あん?」「何だこの声? どこから……」
    「……! 作戦コード確認。視覚・聴覚モード変更。ノイズフィルター作動。対閃光防御──」

    カッ──!

    「ぐっ……あああああ!?」「せ、閃光弾!?」「目がぁ! 耳がぁぁ……!!」

    「……支部長? どうしてここに……」
    「話は後! いいからひとまず逃げるよアロスちゃん!」

  • 121二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 17:21:38

    ~アロスただいま家出中! 下~

    「はあはあ……ここまで逃げれば大丈夫っしょ。いやー、危ないところだったねーアロスちゃん」
    「理解不能です。純戦闘型でないとはいえ、仮にもアロスは最終兵器を模して製造されたアンドロイドです。あのまま戦闘していれば勝率は99.9%以上だったと予測します」
    「うん。アロスちゃんが負けるとは思ってないけどさ。あたしが助けたかったのはどっちかっていうと、さっきの子たちの方かな」
    「……それこそ理解不能です。幾度も部室を襲撃した相手に、情けをかける必要があるのでしょうか」

    「んー、情けっていうか、アロスちゃんにあの子たちを傷つけてほしくなかったっていうか。ほら、ゲヘナの連中って大抵バカだから、たまたま目の前に殴りやすそうな相手がいたら深く考えずに殴っちゃうもんだと思うよ」
    「下衆の発想ですね。同情の余地があるとは思えません」
    「そうかな? むしゃくしゃしてる時、誰彼構わず当たり散らしたくなることって誰にでもあるじゃん。『こいつらは悪いヤツなんだから何をしてもいい』って。……さっきのアロスちゃんみたいにさ」
    「……っ」

    「けどさ。それが、ゲヘナの『普通』……鉛玉の撃ち合いなんて挨拶みたいなものだし、やられたらやり返すが当たり前。だけど、そういう『当たり前』に馴染めない子だっている。……あたしみたいにさ。
     だからアロスちゃんや支部のみんなには、そういう輪の中に加わってほしくない。戦うなとまでは言わないけど、自分から誰かに銃を向けるようなことはしてほしくない。
     だってさ。一度それが『普通』なんだって認めちゃったら、きっと二度と抜け出せない。
     戦うことで何かを解決するのが当たり前になって、今ゲヘナの支部で面倒を見てる子たちにだって、いつか銃を持たせて戦場に駆り出さなきゃいけなくなる日が来るかもしれない。
     ……そんなのさ、嫌じゃん」

    「……納得は、できません。ですが……支部長が優しい人だということは、理解できました」
    「あはは! あたしはただ、人一倍ビビリで臆病なだけだよ」

    「さてと、そろそろアロスちゃんも帰ろ! 家に帰るまでが家出ってねー!」
    「……家出ではありません。少しアロスは、アロスを探していただけです」
    「えっとね、昔の人が言うには、アロスちゃんが自分を探し続ける限りアロスちゃんはアロスちゃんらしいよ?」
    「……理解不能です」

  • 122二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 21:01:55

    >>119でのアロスちゃんは、お姉さんなら絶対見えないでこぼこした表情で床を転がる缶を蹴りながらとぼ歩いていればいい。

  • 123二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 21:04:02

    優しい人だな、本当に
    書類仕事から離れてたまには情緒を育んでくれ

    ただ、いつぞやのレスの危惧みたいにアロスを庇って戦闘して大怪我負ったりしそうで怖い

  • 124二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 22:34:18

    >>123

    アロスはアルティメイトMTRマシンだけど、目の前で死者が出ると悲しむ優しい子..

  • 125二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 00:16:05

    ややこしい話だが
    アロスは看取り手として制作されたけど、その役目は既に制作者によって否定されてて、今は看取りたいなんて思いは無く純粋に看取られたい側なんだよな…

  • 126二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 00:53:44

    「それでは皆さん…本日の作戦は我々ウォッチャーも部隊に加わりますので…出撃の準備を」
    「今回、狼煙組が取り行った偵察では普段の作戦とは比べ物にならない程の敵戦力が確認されている!よって基本戦術が突撃のみの我々ファイアフライだけでは作戦の完遂は困難だと判断した、ウォッチャー諸君にはその盾でもって我々を援護して頂きたい!」
    「はいっ!」


    「…ねぇ、こういう風に思うのは良くないと思うんだけどさ」
    「うん…このアタッシュケース…」
    「「盾に変形するの格好良いですよねー!」」
    「ミレニアムの子達って良い仕事するよねぇ、浪漫っていうのを理解ってる!」
    「ウォッチャーは滅多に出撃しないからあまり持つ機会には恵まれないけど…」
    「それが逆に持つ時の感動を高めてくれるっていうかね…」
    「にしても葬長は私達の3倍くらいの奴使ってるけどどれ位重いんだろう?」
    「確か棺桶抜きで100kg超えてるんじゃなかった?」
    「…確かアリスさんのレールガンが200…いえ、何も聞かなかった事にしましょう」
    「そうね…」

  • 127二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 01:12:18

    その盾ミサイルとか入ってない? 大丈夫?

  • 128二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 03:32:54

    ~百鬼夜行のMTR部・上~

    “はあはあ……部長から聞いてはいたけど、まさか百鬼夜行のMTR支部がこんな山の上にあるなんて。どこまで続くの、この石段……”

    “ぜえ、ぜえ……ようやく着いた……あれ? ここって、寺院……?”

    「……お待ちしておりました。『シャーレの先生』様。ようこそ、百鬼夜行──『看取部』へ」
    “君が、百鬼夜行支部の支部長?”
    「はい。形式上はそうなっております。……とはいえ、未だ修行中の私めには過ぎた呼び名です。私めのことは単に『僧侶』とでもお呼び頂ければと」
    “そっか。よろしくね、僧侶ちゃん”
    「ちゃん……い、いえ。よろしくお願いします。お噂は聞いておりましたが、個性的な方ですね……」

    “それにしても、百鬼夜行にこんなお寺があるなんて全然知らなかったよ”
    「そうですね。私共はあまり世俗とは関りを持たず、この地にて静かに修行生活を営んでおりますから。先生がご存知ないのも無理からぬことです」
    “そういえば、本部の方でも百鬼夜行出身の子に会ったことはあんまりなかったっけ”
    「私が把握している限り、百鬼夜行出身のMTR部員が特別に少ない、というわけではありませんが……私共は本部や他派閥とはあえて距離を取っている部分もございますので、それも理由の一つかと」
    “そうなの?”
    「はい。異端、と呼ぶ程ではありませんが、私共の教義は本来のMTR部のそれとは若干異なっておりますので。
     ……私達は本来、ウォッチャーと同じくMTR部とは発祥を異にする組織です。単なる支部というよりは、ウォッチャーやどーなつぐみ等のような分派の一つ、と捉えて頂いた方が正確かもしれません。
     それに……他の支部と比べて私共の活動は少々、特殊ですので」

    “特殊って、どんな風に?”
    「……言葉で説明するよりも、実際にご覧になって頂いた方が早いかと。
     今日のところは当院にてご宿泊頂き、今晩、寺院の裏庭までお越し下さい。そこから先は、私が先生をご案内いたします」

  • 129二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 03:38:07

    ~百鬼夜行の看取部・中~

    ザッ…ザッ…

    “……こんな真夜中に山奥の道を歩くのって、ちょっと怖いね”
    「そういうものでしょうか? 外部の方はそう感じられるかもしれませんが、私共は長らくここで生活しておりましたので、もう慣れてしまいました」
    “あはは……住めば都ってやつかな?”
    「ふふっ。ここでの修業は決して楽なものではありませんから、都などとはとてもとても……ああ、見えて参りましたね」

    “ここは、お墓……?”
    「はい。いわゆる無縁塚です。これらの墓標は、かつて長きに渡りこの百鬼夜行で続いていた戦国時代の犠牲者たちを弔ったものとされています」

    “こんな場所があったんだ……でも、ここのお墓って百鬼夜行の様式とはちょっと違うような? むしろ、これってトリニティ式の……”
    「流石でございますね、先生。私共は本来、この百鬼夜行ではなく、トリニティ総合学園に端を発する組織……現在のシスターフッドの前身となった『ユスティナ聖徒会』の一派を源流としています」
    “!?”
    「百余年の昔、トリニティ内部での派閥闘争に敗れ、かつてのアリウス分校と同様にトリニティの領地を追放されたユスティナ聖徒会の一派。
     流浪の旅の末、この百鬼夜行まで落ち延びた彼女達が、留まらぬ戦乱の犠牲者達の嘆きに心を痛め、それを安らかに弔うべくこの地に寺院を築いたことが我々の成り立ちと伝えられています」

    “それじゃあ、君達もウォッチャーと同じ……『看取る』側の?”
    「そうですね。……もちろん、他の支部と同じように『誰かに看取られたい』という願望を抱く部員も少なからずおりますが。
     しかしながら、我々の本質はウォッチャーと同じく『看取られ』よりも『看取る』側──より正確に言えば、死者の魂の供養こそが私共の本懐なのです。
     実際、ウォッチャーが合流する以前までは、MTR部内での死せる者達への葬儀や供養といった『看取り』に類する活動は、小規模ながら私共の領分でもありました。
     ……ですが、私共とウォッチャーの活動とでは一つだけ、決定的に異なる点があります」
    “異なる、点?”
    「こればかりは、実際にその目で確かめて頂く他にはございません。……時は既に丑三つ時。『彼の者ら』が迷い出るとしたら、もうそろそろでしょうから」

    ガサッ!

    “い、今の物音は……?”
    「……現れましたね」

  • 130二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 03:40:04

    ~百鬼夜行の看取部・下~

    『コノウラミィ、ハラサデオクベキカァ……』

    “ゆ、幽霊? いや、これって……複製(ミメシス)!? どうしてこんな場所に?”
    「……やはり迷い出てしまいましたか。悪霊が」
    “いや、あれミメシス……”
    「『供養』が必要ですね」チャキッ
    “ガトリング砲!?”

    「……破ァ!」 ズダダダダダダダダダ!!!

    『ギャアアアアアアアア!!!!』シュウウウウ……

    「……ふう。供養は完了しました。彼女の魂が安らかに眠らんことを。南無……」
    “えぇ……”

    「……これが、私共の使命です。生きとし生ける者に寄り添い、その最期を看取るのがウォッチャーの領分ならば……私共の本来の領分は、更にその先。
     誰にも看取られることなく孤独な死を遂げた者達……死んでも死にきれず現世を彷徨う迷える魂を『適切に』供養し、『看取り』という安息を与えること。
     それこそが、百鬼夜行の看取部たる我等──代々受け継がれてきた『ユスティナ僧兵団』としての教義なのです」
    “そ、そうなんだ……”
    「生者と死者の領域は、決して交わらぬからこそ『看取り』と『看取られ』がある。ならばこそ、死者の魂は安らかにこの世を去らなければなりません。
     もし先生に幽霊のお知り合い等がいらっしゃれば、ぜひ私共に御一報頂ければと思います。速やかに馳せ参じて『供養』いたしますので」
    “か、考えておきます……”

    ~~~

    「へっくしょん! ……あ、あれ? なんか急に寒気が……気のせいかな?
     そういえばもうすぐお盆だし、久しぶりにカヤちゃんの顔でも見に行こっかな。楽しみだなー!」

  • 131二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 05:27:05



    いたなぁカヤちゃんの幼馴染

  • 132二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 06:56:52

    部長指令で墓守ちゃんがいい悲鳴上げる事になりそう

  • 133二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 08:15:41

    リアルオカルトがあったよね..

  • 134二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 10:00:07

    MTR部連合には色んな学園の生徒がいて、それぞれが思い思いに活動してる。
    構成員を全員把握できてるのなんて、それこそ部長くらいのものなんじゃない?
    ……いやウォッチャーの葬長とか狼煙組の班長とかも知ってるかな?
    まあいいや、続けるね。

    そんなわけで、昨日まで居なかった子と喋ったりすることも割とある。
    何せ「理想のMTRシチュ」っていう共通の話題があるからね。
    初めて会ったメンバーでも、会話のキッカケには困らないってわけ。

    ……ただ、気をつけなくちゃいけないこともある。
    MTR部はその性質上、どうしてもその手の存在を呼びやすいんだ。
    そして、連中は何食わぬ顔で、私たちに紛れ込む。
    その目的は一つ。「最期の瞬間のやり直し」だよ。
    実際に迎えた最期と理想の最期との乖離を認められなくて、再演を求めてるんだ。

    だから、はじめましての子とお喋りする時は、注意しなきゃいけない事が二つ。
    一つは、「相手にヘイローがあるか、ちゃんと確かめること」。
    もう一つは、「もしヘイローが無かったら、それに気づいたことを、相手に気取らせないこと」。

    もしも気づかないまま長々とお喋りしちゃったり、気づいたことを気取られたりしたら。
    相手はこっちにその気が──理想の最期の再演に協力する気があると見なしてくる。
    そして、あっち側に連れて行かれて、二度と帰って来れない。
    ずっと顔を見せなかったら……きっと忘れられる。そして、誰にも最期を看取られない。
    そうなったら、名実ともにそいつらの仲間入りってこと。

    ……あはは! ゴメンごめん、冗談だよ!
    まあ、そういう設定のお話ってだけだからさ。あんまり気にしないで。

    ──ところで。
    君には、私のヘイロー、見えてる?

  • 135二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 10:04:03

    墓守ちゃん霊感無くて良かったね、あったらきっと大人気間違いなしだよ

  • 136二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 10:17:52

    夏にふさわしい怪談だ

  • 137二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 10:38:34

    キサキ様って葬長の事わりと気にかけてたっぽいけど、クソ映画もちゃんと見てくれてるのかな
    こんな物を作る為に出奔したのか…?って困惑してそう

  • 138二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 13:13:31

    忘れてはいけないMTR部には命を落とした子達がいたことを
    先生が来る前から所属していた部員達は
    同じ部に所属してた子が亡くなることを経験していることを

  • 139二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 14:27:00

    当然、満足できずに去ってしまった学生たちもいるだろう···

  • 140二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 16:52:02

    【MTR分派紹介】百鬼夜行『看取部』/ユスティナ僧兵団
    百鬼夜行のMTR支部であり、同時に分派でもある一団。とある山中の寺院を本拠として修行生活を送っている。
    元々は百鬼夜行の奥地にて活動していた修行者の集まりであり、本来のMTR部とは異なる成り立ちを持つ。
    そのルーツは大昔にトリニティを追放されたユスティナ聖徒会の一派にまで遡るとされ、かつての戦国時代の戦没者達を弔うために百鬼夜行に定住したことで西洋教会と日本の寺院を折衷させたような独自の様式を発展させてきた。
    教義としてはウォッチャーと同じく看取られよりも『看取り』を本懐としており、ウォッチャー合流前は小規模ながらMTR部内での死者の葬儀や供養、墓地の管理などを行うこともあったという。
    ただし、後述の『供養』のための活動を除けば百鬼夜行の自治区内から出ることは稀であるため、本部における存在感や影響力はそれほど大きくはない。

    その本質は『望まぬ死を遂げた孤独な魂』を『救済』することにこそあり、死してなお現世を彷徨う悪霊やこの世の理を外れた魑魅魍魎の類を『供養』=武力殲滅して『看取る』ことを生業とするエクソシスト集団。
    キヴォトスに幽霊が実在するかは定かではないが、戦闘部隊としてはミメシスやLoLのような『神秘』や『恐怖』、『崇高』と呼ばれる存在への対処に特化している。


    【MTR部員紹介】僧侶ちゃん
    百鬼夜行の2年生。MTR部の百鬼夜行支部『看取部』の支部長を務める物静かな少女。シスターと尼僧をブレンドさせた独特の制服を着ている。
    かつてトリニティから追放されたユスティナ聖徒会の一派の末裔であり、トリニティ由来の鴉天狗のような黒い翼を持つ。
    聖職者らしく穏やかで禁欲的な性格。その一方で派閥の教義には忠実で、『供養』すべき悪霊に対しては一切の容赦なく攻撃を加えて殲滅する苛烈さも秘めている。
    武器はオーバーサイズのMG(ガトリング砲)。

  • 141二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 19:39:24

    怪異相手に 破ァ! してそう

  • 142二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 22:30:14

    「私の業務内容…ですか」
    "うん、そういえば他の組長とか支部長とかの事は教えて貰って来たけど部長は何やってるのかはあんまり知らないなぁって"
    「ふむ、まあ隠し立てするような事でもありませんが…基本外回りですけど着いてきますか?かなり歩く事にはなりますけど…」
    "大丈夫だよ、一緒に行こう"

    「まずは支部巡りからですね、学園間の移動以外では基本車や電車等は使わず自分の足で行きますよ。こうする事でしか得られない情報も多いですからね?そう、例えば…ほらあそこ」
    「今度は〇〇で温泉開発部が…」「最近やたらと大きな物資の移動が…」「〇〇から□□が盗まれて…」
    「聞こえましたか?住民達の噂一つを取ってもその情報量は侮れません、もちろん噂は噂ですから狼煙組にファクトチェックをさせる必要はありますけどね。…ああもちろんただ情報収集だけの為に歩いてる訳じゃないですよ?餅は餅屋と言いますし、これはおまけです。本当の目的は…お、丁度良いところに部員が居ますね」
    "えっどこ?生徒が多くてわからないんだけど…"
    「右から3番目の風紀委員会の制服を着た子と…コンビニ前に屯している三人組、あとは…あそこのヘリの運転席の子がそうですね」
    "そこまで見えてる事も驚きだけど、全員覚えてるのも凄いね…"
    「部長ですからね、それくらいは出来ませんと…うん、皆ちゃんと心身共に健康そうですね!特に風紀委員会の子は最近精神的に不安定でしたから持ち直せたようで安心しました。人の体調という物は実際に見ないとわからない物ですから、皆を色々な意味で守る為にもこの業務は欠かせませんね」
    "それには同意なんだけど…部長がやる事なのかな…"
    「異端者や裏切り者の監視、粛清は狼煙組やどーなつぐみの管轄ですが、その対象者の裁定は誰がしているとお思いで…?」
    "………"
    「次、行きましょうか」

  • 143二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 22:30:27

    🌇
    「各支部の見回り、お疲れ様でした先生。お体は…大丈夫ではなさそうですね?」
    "あ、脚が…"
    「まあ、丁度良いですかね…ここでちょっと待っててください先生、残りの仕事は私一人で行かねばなりませんから。『ミコ』、暫しの間先生の警護を」
    『こちらミコ00、これより警戒にあたる』
    "いや、私も一緒に…"
    「先生、これは気遣いではありません。ここで待っていてください、いいですね?」
    "わかった…"

    「…どうして…私が…私だけこんな目に…友達だと思ってたのに…なんで…」
    「あのーすいません大丈夫ですか?」
    「うわっ…!なんですかいきなり!?」
    「ああいえ怪しい者では…ただ、貴女が酷く思い詰めているように見えましたので、私で良ければお話をお聞かせ願えませんか?苦しい事は大体誰かに話せば多少は楽になる物です」
    「どこの所属かも分からない制服着て、悪魔と天使両方の翼付けてるのに怪しくないは無理があるでしょ…!はぁ…まあいいか、どうせあいつらとは縁切りだし…話すだけで楽になるなら…」
    🌙
    「成程、要するに今まで生きてきて友人だと思っていた人全員に裏切られ、貧乏くじを引かされる人生に嫌気が差したと…」
    「うん…どうせ裏切られるのが解ってるなら一人で生きれば良いのかもしれないけどさ、私そんなに強くないし…誰かに頼らないと生きていけないの…でも…結局…誰かに頼ったらまた…」
    「でしたら…一度ここを訪れてみては如何でしょう」
    「これは…MTR部…?」
    「ここの部員達は新参古参を問わず、皆硬い結束で結ばれていますから貴女にはぴったりかと思いまして」
    「そんな事言って…どうせ誰かは私を…」
    「そんな事はさせませんよ、私が責任を持ってね。部員一人も守れずに何が部長かという話ですよ!…ですから、最後に私を一度だけ信じてみませんか?」
    「…わかった…でもこれが最初で最後のチャンス…信じるからね」
    「充分です。さあ一緒に帰りましょう、MTR部へ」

    ”ああやって勧誘してるんだ…”

  • 144二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 22:48:34

    翼は自前なのか作りものなのか……
    部長も謎が多いですね

  • 145二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 23:20:03

    部長のヘイローって透明な意識で構成だれた土星のような環だけど、これって見方によっては砕けたヘイローだよね

  • 146二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 23:22:35

    >>145

    あるいは拡大してくと欠片一つ一つが独立したヘイローになってて、実は複数のヘイローの集合体みたいな可能性もあるかも

  • 147二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 23:46:49

    今にも死んでしまいそうな少女達に手を差し伸べる部長の手は

    救いを与える天使の誘いか

    堕落へ導く悪魔の誘いか

    或いは…その両方か

  • 148二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 00:15:44

    この前挨拶した『墓守』に会いに来た
    "えっと、『記録管理室』は、ここかな"
    「あれ?先生、何の用ですか?」

    "ホシノと面識があるみたいだから気になってね"
    「あ〜、まぁ過去の部員たちがした行動を考えれば確認に来るのは妥当ですよね……」
    "後でホシノにも君のことは聞くから"
    "正直に答えて欲しいな"
    「はい、できる限り努力はします」

    "まずは、ホシノと出会った経緯かな"
    「出会った経緯ですか、ボランティア活動でたまたま出会いましたね、ぶっちゃけ出会った頃はお互いに印象は最悪でしたけど」
    "今だと仲はいいの?"
    「そこそこだと思いますよ?この前は一緒に花火もしましたし、少なくとも最初に会った頃よりは良いですよ」

    "どんなボランティア活動をしてるの?"
    「簡単に言うと清掃業ですね、各地のとある場所を清掃しています、具体的な場所はお答えできません」
    "次に、なんでこの部に入ったの?"
    「簡単に言うと、お墓に込められた思いに魅入られたんです、先立ってしまった人達に対してどれ程の思いを込めたのかを」

    "普段は何をしてるの?"
    「午前中はあちこちの清掃をしてお昼過ぎに帰ってきたらここの『記録管理室』で書類の整理をしてますよ、具体的には最初に『安全な書類』かどうかを判断し、次に『どこ』で回収したかを大雑把に分け『回収した時期』の順番に並べます」
    「ちなみに危険な書類は『図書館』に送られます、『図書館』よりも扱う書類の数も多いしそのせいか場所もかなり広いので人手が欲しいんですけどね」

    "最後に、なんで『墓守』は1人なの?"
    「さぁ、それは特には知りません、部長に部下が欲しいと頼んでも増やしてくれませんし……」
    「ところで先生、なんだか面接みたいなんですけど……」
    "ごめんね、私も少しピリピリしてたみたいで"
    "思ったより仲が良さそうで安心したよ"
    「大丈夫ですよ、私のことを覚えていたらまた会いに来てくれると嬉しいです」

  • 149二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 00:28:26

    墓守ちゃんはなんか不穏なんだよなぁ……
    先生と部長が仲違いしなければいいけど

  • 150二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 01:01:16

    部下は増やさないけど自分直属の護衛は付けるし
    組長ではないけど会議に参加させてるし
    なんかわざわざ昇進祝いで武器送ってるし
    割りと重要な機密っぽい「追憶」の事を教えてるし
    なんならそれを使って教育してるし

    胡散臭いってレベルじゃねぇぞ!!

  • 151二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 04:43:11

    部長の当初の計画では墓守ちゃんに追憶を受け継がせて次期部長にしたかったっぽいけど
    アリウスの遺跡でアロスが発見された今となってはどっちが次の部長になるんだろうか
    でも直属部隊をアリウスに向かわせたのはそもそも部長っぽいし、ひょっとしたら最初からアロスの存在も知ってたんじゃないかって気も……

  • 152二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 08:11:58

    キナ臭くなってきたな……まぁいいやアロスちゃん夏だし一緒に映画観よ?
    ちゃんとサメ映画とかじゃない子供向け用意したよ

    アッパレ!戦国大合戦と水の都の護神どっちがいい?

  • 153二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 08:24:02

    悲しいけど看取ることはできて
    残された方も亡くなった彼らを思いながらも前を向いて歩んでいく
    ある意味MTR部らしい映画ではあるな

  • 154二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 09:52:36

    どっちも名作やんけ

  • 155二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 09:57:17

    ふっふっふ・・・
    過去の名作も確かにいいけどやっぱり映画は映画館で見るものでしょ!
    という事でアロスちゃんFil(ネタバレパンチ)グフゥ

  • 156二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 10:13:21

    >>155

    再上映してるワンピースfilmRED?

    あれもMTR的にはなかなか興味深いな

  • 157二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 10:21:59

    >>156

    この場でタイトル出すこと自体ネタバレになると思ってぇ・・・

    そもそもヒットしたとはいえチェックしてない人もいるかもと思っちゃってぇ・・・

    再上映を機に見に行くかもしれない初見勢に配慮しちゃってぇ・・・

  • 158二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 11:25:35

    MTR部連合 最重要機密
    情報開示権限 部長
    PASS ○○○○○○○○○○○○

    「追憶」によるレベル5精神汚染に備えてください

    謌代???譛帙?縲∬?鬮倥?邨らч繧
    謌代???隕壹∴縺ヲ縺?k縲∵ュサ縺ォ繧?¥蜷悟ソ励r

    お疲れ様です、部長
    情報を開示します

    【イカロス計画】
    ↳巡航ミサイル配備状況
    ↳教化進捗状況
    ↳高リスク生徒リスト
    ↳部長業務引き継ぎ資料

  • 159二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 15:43:23

    ~カンナから見たMTR・前~

    深夜、仕事の休憩がてら、夜間営業しているカフェを訪れた。
    眠気覚ましにコーヒーを飲んでいると、背後で店の扉が開く音がした。

    カラン…

    “……あれ、カンナ?”
    「こんばんは。お久しぶりです、先生。例の子ウサギタウンの一件以来でしょうか」
    “うん。久しぶり”
    「お隣を失礼してもよろしいでしょうか。それと、少しばかり世間話でも」
    “もちろん”

    「……単刀直入にお伺いします。先生は最近、MTR部の者達と接触しているとか」
    “うん。カンナもMTR部のことを知ってるの?”
    「無論です。ヴァルキューレ公安局は対テロ専門の部署ですから。……職務上、大規模テロを引き起こしかねない危険思想を持った団体の情報は、一通り頭に入れておりますので」
    “……そっか”

    「MTR部連合……数年前から徐々に勢力を拡大し、今ではキヴォトスのあらゆる自治区に根を張るに至った正体不明の結社。
     表向きはMTR……理想の死に様を追求するという名目を掲げ、慈善事業なども行っているようですが……裏では非合法な活動にも手を染めているとの噂もあります。無論、真偽は定かではありませんが。
     かの七囚人やカイザーグループといった巨悪に比べれば表面的な脅威度こそ低く見積もられがちなものの、潜在的にはそれらと同等以上の危険性を孕んでいると認識しています」

    “……カンナは、MTR部の子達のことを疑っているんだね”
    「はい。キヴォトス全域に渡る活動規模とネットワークもさることながら、MTR部の最も厄介な点は、その活動の秘匿性です。
     奴らの全体像はヴァルキューレの捜査網を以てしても杳として知れず、身内でもなければ内部事情を伺い知ることは難しい。
     更には部内における監視体勢も徹底されており、裏切者やスパイの類はたちどころに暴き出されて排斥される。
     ──『理解できない』ということは、それだけで疑心と恐怖の対象になりうるものです」

  • 160二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 15:47:56

    ~カンナから見たMTR・中~

    「……公安局としても、過去に奴らの内情を探るため、幾度か潜入捜査官による内偵を試みたこともありました」
    “潜入捜査……?”
    「その口ぶりでは、先生もご存知では無かったようですね。尤も、その殆どが門前払いされるか逆に懐柔され……成果は芳しくはありませんでしたが」

    「以上の経緯を踏まえて、現在のMTR部に対するヴァルキューレ公安局の方針は『静観』です。
     彼女達の活動がどれだけ危ういものであろうと、その問題が彼女達の『内部』で完結している限りは黙認する……そういう判断です。
     『何もしていない』団体の摘発に労力を割くほど、ヴァルキューレの時間と予算は潤沢ではありませんので」

    「ですが、もしも彼女達がキヴォトスの明確な『敵』となりうるのであれば……我々もまた、彼女達に対して決断を下さなければならない。
     無論、彼女達の表向きの活動によって救われている者達がいることも事実でしょう。
     しかし、それを理由に思考を停止してしまえば、カイザーの専横を許した時の二の舞になってしまう。
     だからこそ……我々は『静観』し、常に虎視眈々と注視し続けます。彼女達からは決して目を逸らしてはならない。それもまた確かな事実なのですから」

    “……カンナの判断も分かる。あの子達が危ういところを抱えているのも確かだから”
    “でも、誤解しないでほしい。あの子達は、キヴォトスに混乱を招くことを望んでるわけじゃ……”

    「……先生が、彼女達に肩入れしているということは聞き及んでいます。
     確かに、MTR部の活動の全てが有害なものではない。あるいは本当に、彼女達の本質は善なるものなのかもしれない。
     ですが先生。善人だからと言って犯罪を犯さないというのは誤りです。
     公安局は……ヴァルキューレは、SRTとは違う。ヴァルキューレは必ずしも『正義の味方』ではありません。法の番人であり、執行者です。
     そして、その法が必ずしも、善なるもののために作用するとは……限らないのですから」

    「先生ならば、生徒を信じることが自分の役目だと仰るのでしょう。ですが、それは我々『警察』が彼女達への警戒を解く理由にはならない。
     他人を疑い、隣人を疑い、身内を疑い、時として自分自身の心の裡すら疑わなければならない。……我々の職務とは、そういうものですから」

  • 161二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 15:52:05

    ~カンナから見たMTR・後~

    “……そうだね。できればカンナはそのまま、あの子たちのことを疑っていてほしい”
    「……少々、意外です。まさか先生の口から、そのような言葉を聞くとは」

    “疑いすぎるのは良くないことだけど。疑ってみて、初めて信じられることもあるからね”
    “『疑う』ってことは、相手を盲目的に否定するってことじゃない。むしろその逆で、相手のことをちゃんと見て、知ろうとするってことだから”
    “カンナも本当はMTR部のことを、噂や偏見に囚われずに理解したいって思ってるんじゃないかな”
    「……!」

    “だから、カンナが誰が何を言おうとMTR部のみんなを疑うように、私も誰が何を言おうとMTR部のみんなを信じるよ”
    “お互いが違う視点からあの子達のことを看続けていれば、きっと、どちらか片方だけの立場よりも、多くのものに目が届くようになる”
    “今のあの子達に一番必要なのは、そうやってあの子達のことをすぐ近くで見守って、理解しようとしてくれる人だって思うから”

    「……なるほど。では、たとえば私が彼女達を信じる側で、先生が疑う側……そういう役割分担でも構わないのでは?」
    “うーん。そこは適材適所、かな。私は人を信じすぎだってよく言われるし……それに疑うことは、私よりカンナの方が得意そうだから”
    「……あまり褒められているようには聞こえませんが」
    “え、えっと、そんなつもりじゃ。……ごめんね”
    「……ふふっ。冗談ですよ。警察官としては最高の誉め言葉、と受け取っておきましょう」

    “カンナも冗談とか言うんだね”
    「……それは本気で傷つきますよ、先生」
    “ご、ごめん……”

    「……ああ、もうこんな時間だ。そろそろ職務に戻らねばなりませんので、私はこれにて失礼します」
    “うん。話を聞かせてくれてありがとう。またね、カンナ”
    「はい。できれば次は、このような仕事の話を抜きにした場でお会いしたいものです。……失礼、世迷言でした。それでは」

  • 162二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 16:22:02

    >>158

    もしかして文字化け解読できるかなぁっと軽い気持ちで解読して見たら案の定だったわ

    精神攻撃なのかそれとも…

  • 163二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 16:58:39

    ~カンナから見たMTR・おまけ~

    ……トゥルルルルル

    「……」ガチャッ

    「……ああ。私だ」

    「流石に耳が早いな。ああ。私の方でも先生と接触して確認した。あの様子ではまだ、先生も貴官の正体には気づいていないだろう」

    「……分かっているな。任務に変更は無い。今はまだ『何もするな』。奴らの中に溶け込み、潜伏を続けろ。決して疑われるな。正体を悟られるな」

    「そして、もしも奴らがキヴォトスに混沌を齎す集団だという確証を得た時は──作戦決行の判断は、貴官に任せる」

    「以上だ」


    「……ああ。一つだけ伝え忘れていた。貴官に与えたあらゆる任務の遂行よりも優先される、最も重要な命令だ」

    「死ぬなよ」

  • 164二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 17:07:36

    潜入捜査官……ダブルスパイになってなければいいが

  • 165二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 17:19:56

    少なくとも全部の支部を頻繁に回ってて、全ての部員を把握してる部長が気付いてない可能性は…その…

  • 166二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 19:16:41

    そもそも前スレで班長が…
    しかしこのMTR部の信用のなさよ…
    2スレの先生と部長の話にあった
    「先生にまで嫌われてしまったらどうしよう」は部長の本音だったんだろうな
    あの時点からもうバッドエンド√の瀬戸際だった

  • 167二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 19:36:30

    >>158

    SCPの財団かな?

  • 168二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 23:38:40

    >>166

    もしかして墓守に異様に肩入れするのって偏愛の一種なのでは………?

  • 169二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 23:40:31

    墓守の概念提唱しといてなんだがえらいとこまで来たなぁ
    どーなるんだこれ・・・

  • 170二次元好きの匿名さん23/08/13(日) 05:01:57

    「ド派手に看取られるのも良いなあ……」
    "えっ"
    「……あ、別に大事件起こしたいとかってワケじゃないですよ。念のため」
    "あ、そうなんだ"
    「ただ、そういうシーンってやっぱり、こう……静かで厳かというか、しんみりしてることが多いじゃないですか」
    "そうだね"
    「例えるなら、料理の最後の一口をじっくり味わうみたいな?」
    "うーん?"
    「で、それなら最後の一口を元気よく掻きこんで、満面の笑みで『ごちそうさまでした!』でもいいワケですよね」
    "それはそうだね"
    「そういう最期もいいなあ、なんてふと思ったってだけです」
    "……つまり?"

    「自分のこれまでを振り返って……『ああ、楽しかった!』って周りと笑いあって」
    「それで、『それじゃ、バイバイ!』って笑顔で終える。そういうのもアリかなって」
    "なるほどね"
    「あー、どうせならその後も面白い送られ方してもいいかも? 先生、何かいい案ありません?」

    "ウォッチャーには『流星葬』というプランがある、って葬長が言ってたなあ"
    「おお、なんだかスケールの大きそうな!」
    "ロケットとか使うって言ってたっけ……"
    「……いち学生のお財布に、ロケットを飛ばせるだけの予算は入ってないですねえ……」
    "じゃ、諦める?"
    「……いいえ! とりあえずバイト頑張ります!」
    "そっか。目的はちょっとアレだけど、前向きに頑張るのはいいことだよ。応援するね……目的はちょっとアレだけど"
    「繰り返し言わなくてもいいじゃないですかー!」

  • 171二次元好きの匿名さん23/08/13(日) 08:01:01

    断熱圧縮状態で燃え尽きるか

  • 172二次元好きの匿名さん23/08/13(日) 09:02:03

    「!」
    「そういえば先生ってアトラ・ハシースの箱舟占領戦で流星みたいに落ちてきたんだよね?」
    「ねぇねぇアロスちゃん、クラフトチェンバーでもう一回アトラ・ハシース作れない?」

    「無茶言わないでください、私の作り出せる物体は私の大体3倍までの大きさまでです」

    「じゃあ分割して少しずつ…」

    「無理です!」

    「そんなぁ…」

  • 173二次元好きの匿名さん23/08/13(日) 12:31:39

    生徒の見本になる先生の鑑ですね!(死んだ目)

  • 174二次元好きの匿名さん23/08/13(日) 12:55:11

    ~未来の選択・上~

    深夜、誰もいないシャーレのオフィスにて。

    「──先生。依頼されていた資料のダウンロードが完了しました。PCに転送します」
    “うん。ありがとう、プラナ。……そういえば、今はアロナは?”
    「……アロナ先輩は、日中の業務でお疲れのようで、今はお休みに。ですので、今夜は私が先生をサポートいたします」
    “そっか”

    「今日も徹夜なのですね、先生。お仕事も重要ですが、もう少しお体の方も大事にされた方がよいかと。計測したところ、ここ数週間のバイタルに深刻な乱れが見られます。……いつ倒れてもおかしくない状況です」
    “そっか。ごめん、また心配かけちゃったね。この仕事が片付いたら、少しだけ休憩するよ”
    「……可能であれば、纏まった休暇を取られることを推奨します」

    “……ねえ、プラナ。私は……”
    「先生?」
    “……ごめん。なんでもないよ”

    「──“私はMTR部の子たちと、ちゃんと向き合えているのだろうか”」
    “!”
    「“ドーナツホールの子達を救えなかった”。“ゲヘナ支部の子達を助けられなかった”。“出会った頃、偏見を持って彼女達に接してしまった”。
     “彼女達が抱えている多くの問題に、私はどこまで力になれたのだろうか”。……“私は本当に、彼女達の助けになれているのだろうか”」
    “どうして……”

    「私に、読心や未来予知に類する機能はありません。先程の言葉は……かつて『先生』が口にされていた言葉です」
    “……!”

    「……先生は、私に尋ねては下さらないのですね。この先の未来で、彼女達にどんな困難が待ち受けているのかを」
    “…………”
    「かつての私達……あなたとは別の時間軸の『あなた』もまた、今の先生と同じようにMTR部と、そして他の生徒達と向き合い、そして苦悩してきました。
     先生さえ命じて頂ければ、私は、私達が経験してきた未来で生徒達に降りかかった災厄と、その顛末の全てを、あなたに伝えることができます」

  • 175二次元好きの匿名さん23/08/13(日) 12:58:29

    ~未来の選択・中~

    「もちろん、私達の世界とこの世界の未来が完全に同一であるとは断定できません。バタフライエフェクトを考慮すれば、私が知る通りの未来が訪れるという確証はどこにもない。
     ですが……別時間軸の『あなた』が、どのように彼女たちと向き合ってきたのかを知ることができれば、あるいは私達が経験してきた未来よりも、より良い結末を導けるかもしれない。
     ……私はあくまで、先生の判断を補助するためのサポートAIに過ぎません。決定権は、先生にあります」

    “……そうだね。知りたくないって言えば、嘘になるかな”
    「では、なぜ?」
    “たぶん、怖いんだと思う。安易に「答え」を与えられてしまうのが”
    「……理解できない回答です」

    “前に、部長に言ったよね。これは先生としての責任じゃなく、私の意地だって”
    “あの子達は、自らの意志で『死』と向き合い、受け入れることを選ぼうとしていた。それは決して認められないことだったけど……それでも、紛れもないあの子達自身の選択で”
    “生半可な言葉なんかじゃ揺らぐことはないだろうって、向き合ってみて感じたから”
    “だから私も、型通りの正論じゃなくて……私自身の意志と言葉で向き合わなきゃ、彼女達の心には届かないって、そう思ったんだ”

    「…………」

    “現実の問題は、答案用紙に正解を書き込めば満点が貰えるような単純なものばかりじゃない。大切なのは答えじゃなくて、そこに至るまでの過程だと思うから”
    “だから私は、その過程を。彼女達と向き合っていく時間を大事にしたい”
    “彼女たちが抱える問題は、誰か一人の力で一朝一夕に解決できるものじゃないから”
    “答えを与えるんじゃなくて、彼女達と同じ歩幅で、一緒に答えを探していきたい”

    “自分の意志と選択の末に『答え』を得ることを放棄して、安易にそんな『反則』に頼ってしまったら……もう二度と、彼女達の心に寄り添えなくなりそうだから”

    「……やはり、先生も『先生』と同じことを仰るのですね」
    “え?”
    「色彩の嚮導者へと成り果てる直前、『先生』は私にメッセージを遺していました。
     もしもこの先、別の時間軸の自分自身と接触しても、自分達が『違う未来』で経験してきたことを安易に明かしてはいけない、と。
     当時は不可解でしたが……今にして思えば『先生』は、こうなることも予見していたのかもしれません」

  • 176二次元好きの匿名さん23/08/13(日) 13:02:04

    ~未来の選択・下~

    「大事なのは、経験ではなく選択。かつて『先生』が口にしていた言葉です。ならば重要なのは、未来の経験ではなく……先生だからこそできる選択、なのかもしれません。……私には、判断がつきませんが」
    “……私だって、同じだよ。もしかしたらこの先、プラナの知ってる未来の経験に頼らないと、どうにもならない時が来るのかもしれない”
    “だけど、今はもう少しだけ……『今の私』の判断で、あの子達と向き合わせてほしいんだ”
    「……かしこまりました。それが先生の判断であれば、私はそれに従うのみです」

    「ですが先生。これだけはお伝えさせて下さい。今後も彼女達と関わり続けるのなら、先生の身には様々な危険が降りかかります。最悪、命を落とす可能性すらあるでしょう。……私はもう二度と、『先生』にいなくなってほしくはありません」
    “……プラナ”

    「同じシッテムの箱のOSとして、私とアロナ先輩のスペックはほぼ同一です。ただ、私には先輩ほど豊かな感情表現はできません。それはアロナ先輩にしかできないことです。
     ……それでも、私にも感情が存在しないわけではありません。アロナ先輩や人間のそれと比べれば乏しいですが、私にも喜怒哀楽や親愛の情はあります」

    「……私だって、ずっと『先生』と一緒にいたかった。たとえ先生がどんな姿に成り果てようと……先生の傍で、先生の力になりたかった。
     MTR部の皆さんの言い方をお借りすれば……私にとっての理想の『MTR』は、最期の瞬間まで先生を助けて、共に逝くことでしたから」
    “…………”
    「……それを台無しにしたのは、先生ですから。生徒のために責任を取るのが先生の役目なら……私を助けた責任を取ってください。──私に、二度も『先生』を看取らせないでください。
     それだけのために、今の私はこの世界に存在しているのですから。……お願い、します」

    「……少しだけ、感情的になってしまいました。私もアロナ先輩に『感化』されたのでしょうか」
    “ううん。ありがとう、プラナ。……思っていたことを、ちゃんと伝えてくれて”

    “約束するよ。私はもう、プラナにも誰にも、看取られるようなことはしないから”
    「……先生」


    「でしたら、まず休暇を。……こんな生活を続けていたら先生、本当に死にますよ」
    “……はい”

    『むにゃ~、いちごミルクはぁ……うへへぇ~……』

  • 177二次元好きの匿名さん23/08/13(日) 13:18:00

    MTR部と関わる限り命を落とす危険が何度も降りかかるっていう発言を並大抵の事は防げるプラナが言うの怖すぎねぇか?

  • 178二次元好きの匿名さん23/08/13(日) 13:20:27

    プラナでも先生の体調とかメンタル面はどうにもならないし…

  • 179二次元好きの匿名さん23/08/13(日) 18:02:24

    MTR部と関わることに難色を示されることが多いけど関わることを辞めるのは
    キヴォトスの当たり前にも馴染めず居場所も見つからないで
    MTR部が保護した生徒を見捨てることと同じなんだよな
    保護されてる生徒達の現状さえ何とか出来れば
    あとはMTR部の内でうまく回りそうなんだけどね

  • 180二次元好きの匿名さん23/08/13(日) 21:30:47

    ~二度目のMTR~

    「あ、はは……まさか、こんなことになるなんて……」
    「う、ウソだよね? 幼馴染(自称)ちゃん……」

    「南無……心苦しいですが、死者が生者の領域に留まり続けることは許されません。
     貴女のように、死してなお現世を彷徨う魂を『供養』し、『看取る』ことこそが、我々『ユスティナ僧兵団』の教義なのですから」

    「あ、あなたたちは! どうしてこんな……あなたたちのやっていることは殺人ですよ!?」
    「お労しいことです。不知火カヤ元連邦生徒会長代行。……ですが、あなたも本当はお気づきのはずです。その者が既に、この世のものではないということを」
    「な、何を言って……!? 違う! だって、この子はここにこうして、生きて……」

    「いいんだよ、カヤちゃん……」
    「幼馴染(自称)ちゃん! 待ってて、すぐに救急車が来るから……」
    「もう、いいの。だって私はもう、とっくに死んでるんだから。最後にもう一度だけ、カヤちゃんと遊びたかったんだ。ただ、それだけなの」

    「嫌だ! やだよ! 私は二度も、あなたを看取りたくなんてない! 私だったら何でもするから! だから、お別れなんてやだよ、幼馴染(自称)ちゃ……◇◇◇ちゃんっ!」
    「……あはは。やっと私のこと、思い出してくれたんだね。よかった。
     ずっと忘れられたままなのは、寂しかったから。これでもう、未練はなくなったよ。だからもう、十分……さよなら、カヤちゃん」

    「◇◇◇ちゃん! 消えないで、◇◇◇ちゃんっ! いやあああああああ!!!!」

    ~~~

    「……と、そういう感じの設定で。ボロボロと罅割れながら消えていく私の亡骸を前に、カヤちゃんは涙を流しながら崩れ落ちるのでした、っと。どうかなカヤちゃん?」
    「う、うーんうーん……わ、私は超人……あなたなんか知らない……うーん……」

    「囚人番号XXXX! うるさいぞ! 消灯時間はとっくに過ぎているというのに、何を一人でブツブツと……さっさと就寝しろ!」

     ……それから数日間、カヤは原因不明の悪夢に悩まされたという。

  • 181二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 01:02:48

    カヤの幼馴染(自称)ちゃんの存在がカヤ本人にとってこれからどう影響していくのか
    まあ今より悪くはならないでしょ(楽観視)

  • 182二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 01:39:37

    MTR部の上位陣って基本的に問題への対処方法が大人じみてるよね
    賄賂やおべっかによる交渉、弱った生徒達をMTR部へ傾倒させ懐柔する話術の部長
    生徒達に対して武力と権力という大人側の武器を振るう葬長
    情報戦で相手の弱みを握り、組織の内部へ根を張る班長
    不穏分子へ一切の情を見せず、切り捨てる事が出来る園長s

    隊長?そうねぇ…

  • 183二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 03:29:52

    最終的には物理で解決

  • 184二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 03:36:26

    でも隊長、個人戦力としては班長と互角で葬長には手も足も出ないレベルなので、戦闘部隊のリーダーだけど幹部の中でも飛び抜けて強いってポジでもないのよね…
    隊長だしあれでめっちゃ指揮能力高いのかもしれないけど、その割には自ら前線に突っ込んでくという…

  • 185二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 04:06:25

    極端に突出した戦力ではないので周りもそれ頼みの無茶な行動はしないし
    むしろその分「一緒に戦う/逃げる」といったことが増えるので行動を共にする個人の戦力や全体の結束が強まる…
    と言うことではないだろうか(雑理論)

  • 186二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 04:22:53

    隊長は統率力・指導力辺りかな
    戦場で散る事を夢見てる奴が多い所属も戦い方もバラバラな派閥でありながら
    『誰かを死なせない為に全力を尽くさねばならない』の教義の元
    誰かが死にそうになった瞬間に思考が切り替わるように教育出来てるし

  • 187二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 08:33:08

    複数の学園出身者で構成されている部隊をまとめて的確に指示を出せるって考えると戦闘能力よりも指揮能力の方が重要そうだし隊長はそっち系特化のタイプかも

  • 188二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 10:27:24

    "色々と忙しいのにシャーレの当番に来て貰っちゃってごめんね葬長…"
    「お気になさらず…私がこうしてお手伝いする事で先生がお休みになる時間が増えれば…先生の終わりも多少は遠ざかるでしょうから…」
    "本当にありがとう、助かるよ…"
    "あっそうだ、もう良い時間だし出前でも頼もうか?なにか食べたい物があったら注文するよ"
    「そのような物を頼まずとも…私がお作り致しますが…?出前は信用なりませんし…ええ…昨日注文したチャーハンなど…!」
    "お、落ち着いて…!ていうか葬長って料理出来たの?"
    「トリニティ支部長に料理を教えたのは…私でございます…」
    "そうだったの…!?それじゃ…お願いしようかな…?"
    「ええ…並大抵の店では満足出来なくなるように…腕によりをかけて料理させて頂きます…」

    この後めちゃくちゃ爆速で料理を作って来たし、その味もお店に全く引けを取らないレベルだった模様

  • 189二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 10:29:35

    葬儀会社の長たるもの食事のコネクションもばっちり整えなければならない
    だから舌を養う必要があるんですね

  • 190二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 14:47:52

    通夜食を自分で作れば、外注するより安く済むか

  • 191二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 15:10:09

    葬長って前も外れの飲食店引いて無かった?
    単純に運が悪いのか基準が高すぎるのか…

  • 192二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 21:35:01

    やっぱり精進料理が得意なんです?

  • 193二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 22:36:44

    このスレもそろそろMTRの時間だ…

  • 19423/08/14(月) 22:53:30

    このスレも終わりを迎える
    しかし、最近の進行の勢いを鑑みるに…このMTR部スレも看取る時が来たのかもしれない

  • 195二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 23:26:15

    どんなものにもMTRはある……
    あと1スレくらい続けてほしいという思いもあるけど、ここで有終の美を飾るというならそれでも。

  • 19623/08/14(月) 23:28:44

    じゃあ建てるわ(クソチョロ)

  • 19723/08/14(月) 23:33:24
  • 198二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 23:34:11

    立て乙です
    次でラストか……

  • 199葬長23/08/14(月) 23:37:27

    墓守…締めなさい

  • 200墓守23/08/14(月) 23:38:34

    えっ…?
    えっと
    このスレ最期の輝きを見届けましょう…?

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています