クロエの朝は早い

  • 1二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 21:52:08

    カルデアにいた頃は好きな時間に寝て好きな時間に起きることの多い彼女だったが、今回のサバフェスの運営メンバーとなってからは早寝早起き(小学生基準、たまに破られる)を心がけるようになった。
    まだ少し暗くも感じる早朝、窓の外からわずかに聞こえてくる波の音と共に彼女は目を覚ます。そしてそこから10分ほど、隣で眠るマスターの顔を眺めたり起きない程度に頬をつついたりするのが毎朝のルーティンワークだ。

    「…寝言でわたしのことを呼ぶなんてどんな夢を見てるのかしらね、この人は」

    それが終わると身支度を整えるためにシャワールームへと向かう。以前は鍵をかけずにそのまま準備をしていたが、とある事件が起きた後は絶対の信頼を寄せるマスターから『色々と心臓に悪いから鍵をかけようか…』と言われたため、わざわざドアをロックするようになった。

    「♪〜」

    ある程度身支度を済ませた後はマスターも起きていることがほとんどなのでおはようの挨拶を済ませる。その際、今日はどんな寝癖がついているかを確認するのも忘れない。そしてマスターの身支度も終えた後は2人で1階の朝食バイキングへと向かう。

    「さて、ご飯も確保したことだし…今日の打ち合わせを始めましょうか」

    もちろん、2人で食事を共にするのはただイチャイチャしたいから、というわけではない。運営するにあたっての様々な問題や1日のスケジュールの擦り合わせを行うために必要なことなのである。

    「それで、今日のあなたの担当エリアは?……ふんふんなるほど…今回はCエリアね。わたしはAの方を担当するから……あっ、これ美味しい。あなたも食べてみて。はい、あーん…」

    食事を済ませた後は部屋に戻って必要なものを用意し、会場へと向かう。その時には絶対手を繋いで現地まで行くのが2人の間に結ばれた絶対の約束だ。

    「じゃあお昼までお別れね。お互いに暑さとその他もろもろに負けないように頑張りましょ♪」

    会場についてから開演まではあっという間である。警備配置を確認したり、現場の人員に指示を出したり…気づいた時にはすでに開演1分前となっているのがほとんどだ。

  • 2二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 21:52:40

    「よし、それじゃあ今日も気合いを入れていくわよ!」

    開演後はいろんなことが起きすぎてもはやここに記すことが難しいぐらいだ。まぁ逆に言うとそれだけやりがいのある仕事でもある、ということでもあるのだが。

    「は?ギョロ目のキャスターがイルカを連れたサーヴァントに目潰しされたと思ったら、そのキャスターがさらにヒートアップして全方位に触手を発生させた?………今だけ責任者辞めても良いかしら…」

    そんな事件に数回遭遇しつつも職務をきちんとこなしていく。そこまで頑張れるのは彼女なりの責任感と……一緒に仕事をするマスターの存在が大きいからそれなのだろう。

    「うー……疲れた…」

    仕事がひと段落すると、晴れてお昼休憩の時間となる。その時になるとまたマスターと一緒に過ごせるのが彼女のここでの楽しみの1つだ。

    「今日はだいぶエネルギー使ったし、ここはガッツリとピザが食べたいわね……ねぇ、あなたとわたしで1枚ずつ頼んでシェアしない?」

    ほどほどにイチャイチャしながら食事を終えた後はまた職務に戻る。ここでの仕事は午前とあまり変わらないので割愛させてもらう。

    「あ、見つけた!ほら、こっちよこっち!」

    もちろん帰りも時間を合わせて一緒に帰るのがお約束だ。時間がある時は敷地近くにあるモールでショッピングデートをするのだが…あいにく今日はもう日も落ちているため、夕飯の買い出しだけを済ませてさっさとホテルへと戻ることにする。

    「はー、やっぱりこの時間が1番落ち着くわね…♡」

    食事とお風呂を一緒に済ませた後は、マスターに髪のケアをしてもらいながらただダラダラとお喋りをする。クロにとってはまさにご褒美と言える至福の時間だ。

  • 3二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 21:53:13

    「それでその時美遊が……ふわぁ…」

    おっと、体力にはほんの少し自信がある彼女も疲労のせいで流石に眠気が限界に達してきたようだ。そんな様子を見た彼女のパートナーが気遣うように電気を消してそっと彼女を寝かせる。

    「………抱き枕」

    冗談なのか本音なのかわからない言葉。そんな言葉を聞いた彼は少し天井を見上げて思案したのち、壊れ物を扱うように彼女をそっと抱きしめる……もし今電気がついたままなら、嬉しさと照れの入り混じった幸せそうな笑みを浮かべている少女の姿が見られたはず。

    「……おやすみ、マスター…」

    その声と共に重くなった瞼を完全に閉じる。さぁ、明日も頑張らなくちゃ───

  • 4二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 22:00:41

    あ〜可愛い〜

  • 5二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 22:01:36

    この更新頻度とクォリティと量をあにまんに留めておくには惜しすぎる

  • 6二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 22:33:13

    >>5

    ハーメルとか?

  • 7二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 22:43:02

    >>6

    自己主張するスレ主が歓迎されないのは承知の上で言わせてもらいます

    SSの書き方を教えてもらったのがここなのと特に登録とかいらないお手軽さがあまりにも便利すぎて…

  • 8二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 22:47:45

    >>7

    やり方にとやかく言うのはナンセンスだから好きなようにやればいいよ。今のスレたってるのみかけて書き込むスタイルだって好きだし、こっちが勝手に(才能ドブに捨ててんなぁ)って思ってるだけで

    同人誌出すようなことがあれば是非言って欲しいけど

  • 9二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 22:56:46

    >一緒にご飯

    うんうん、仲良しで可愛いね


    >一緒にお風呂

    うん…?

  • 10二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 22:59:44

    >>8

    流石に本にできるほどのものではないので…

    でもありがとうございます!

  • 11二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 23:19:03

    俺は通りすがりのクロエ好き
    今までもこのようなクロエSSがあったらログが欲しいと願う者
    特にこの作者の過去作とか歓迎する所存

  • 12二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 23:26:09

    >>11

    正直自薦とかクソ恥ずかしいことしてる自覚はありますが、そう言われて嬉しくないはずはないので…


    SSって|あにまん掲示板「ほら、早く起きなさいよ」その声に目を覚まし、ベッドの横に立っている彼女の方を見上げてみた。「やっと起きた」その言葉に慌てて時計の方を見たが、まだ少しだけなら起きずにゴロゴロしていても大丈夫な時間であ…bbs.animanch.com

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  • 13二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 00:15:50

    俺は通りすがりのクロエ好き
    目を話している間に過去スレを張ってくれてありがとうございます全部読みます

  • 14二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 01:22:37

    貼ってもらえたしまた読み直してこよう

  • 15二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 13:06:45

    これで実際にマスターも運営側だったらまたクロエ預言者が増えるのか…

  • 16二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 01:02:02

    素晴らしいものを見た

  • 17二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 12:39:27

    このシリーズほんと好き

  • 18二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 22:54:18

    とはいえ、そんなクロエとマスターにも休日はある。休日は決まってどこかで待ち合わせをするのだが、今回は…どうやらそうではないみたいだ。

    「これで準備よし、と……後はぁ…マスター、日焼け止め塗って♡」

    ……何だか見たらまずい展開が繰り広げられる気がするので次の場面まで話を飛ばそう。ちなみに部屋から出てきた2人の内、片方は顔を真っ赤に染め、もう片方は嬉しそうに腕を組んでたと言えば何があったかは大体察してもらえるだろう。

    「あー…何もしないって幸せね…」

    ただ水の上に浮かぶレンタルボートの上でぼーっとするだけの遊び。それは普段は得ることのできない、とてものんびりとした時間…それが大好きな人と一緒なら尚更だ……まぁ、彼女は意外と照れ屋でもあるのでそんなことは直接口には出せないのだが。

    「あ、見て見てマスター!ここ、カップル用のサービスがあるらしいわよ」

    ひとしきり遊んだ後はそのまま海沿いにあるカフェへと入っていく。店内は混み合ってはいないものの、先ほどクロが見つけたサービスのせいかカップルらしき男女が多く見受けられる。

    「へー…こんなベタな2人用のストローなんてあるのね……うん、これにしましょっか♪」

    …どうも今日の彼女はテンションが上がってるせいか、だいぶ肉食系らしい。こっちの方が恥ずかしさで目を背けそうになるぐらいには、積極的に彼女のマスターにアタックをかけている…攻撃をひたすら喰らってる側も何となく嬉しそうなのが幸いか。

    「ねぇ、ミニスカートとホットパンツだったらどっちが好き?」

    食事を終えた後は適当に店を覗いてまわる。もちろん、その時も彼女はマスターへのアピールチャンスを逃さない。現に今も彼に服を選んでもらうことにより、『わたしはあなたのモノ♪』状態を作るための下準備を進めている…というのは建前で実際はクロエの内に秘めた乙女心に従って行動をしている。要するに好きな人とベタなことをしてみたい、というわけである。

    「…あれ、もうこんな時間……意外と暗くなってるわね」

    いろんな店を回って外に出るともう日が落ちかけていて、街灯の灯りがポツポツとつき始めている。その様子を見てそろそろ帰ろうかと思案していt

  • 19二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 22:54:37

    「ふえっ?ちょっと!どこに連れてくのよー!」

    …どうやらもう少しだけデートは続きそうだ。決して離れないように力強く握られる手にドキドキしながら、ひたすらマスターに着いていく。そしてそのまま3分ほど走った先には…

    「………綺麗」

    その視線の先にあるのはそう、満点の星空。ネオンが鮮やかに光り輝く街道から少し離れただけなのに、こんなにも輝きを放つものなのだろうか…そんなことを考えながらふと隣を見る彼女。するとそこには日頃鍛えているとはいえ、流石にいきなり走り出したのは不味かったのか、砂浜に座り込むマスターの姿があった。
    そんな彼の様子を見てクスリと笑いつつ、隣に腰をかける。そしてその小さな身体を預けるようにして普段より少し大きく感じる彼へともたれかかる。

    「ありがと、これはわたしからのお礼♡」

    暗闇の中で一瞬、2つのシルエットが重なる。今日という日が2人にとって特別な日になったのは言うまでもない───

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