[閲注・CP注]SS ごめんねスレッタ・マーキュリー(4号×スレッタ)その7

  • 1123/09/08(金) 23:42:20

    こちらはあにまん掲示板で立っていた元スレ「ごめんねスレッタ・マーキュリー」を参考にしたSSや独自設定などを掲載するスレのその7です
    6話以降のエラン4号がスレッタを誘拐、逃避行の末監禁するストーリーになっています。現在逃避行編は終了し、監禁編を連載しています

    以下注意事項です
    ・4号×スレッタ
    ・独自設定、捏造過多※1
    ・犯罪行為、残酷な描写あり
    ・元スレに書かれたセリフの使用※2

    ※1)このSSの設定はアニメ本編のものとはだいぶ剥離しているものが多いです。独自設定ばかりですので、どうしても気になる方はブラウザバックしてください
    ※2)元スレに書かれたセリフの使用は、意図せず思わぬ使い方をしている可能性があります。その際はお申し出くだされば、出来る限り修正をかけます

  • 2123/09/08(金) 23:42:54

    参考にした元スレはこちら↓

    [閲注]ごめんねスレッタ・マーキュリー|あにまん掲示板でも逃げようとしても無駄だよ。拘束は絶対に外さない。2人でペイルやシン・セー、ガンダムから逃げよう。僕のことを嫌ってもかまわない。僕はただ、君を二度とあんな目に合わせたくない。(ここで逃げれば(株)G…bbs.animanch.com

    元スレを参考にスレ主が書いたSSスレその1はこちら↓

    [閲注・CP注]SS ごめんねスレッタ・マーキュリー(4号×スレッタ)|あにまん掲示板これはあにまん掲示板で立っていた元スレ「ごめんねスレッタ・マーキュリー」を参考にしたSSを掲載するスレです6話以降のエラン4号がスレッタを誘拐、逃避行の末監禁するストーリーになっています参考にした元ス…bbs.animanch.com

    その2はこちら↓

    [閲注・CP注]SS ごめんねスレッタ・マーキュリー(4号×スレッタ)その2|あにまん掲示板これはあにまん掲示板で立っていた元スレ「ごめんねスレッタ・マーキュリー」を参考にしたSSを掲載するスレのその2です6話以降のエラン4号がスレッタを誘拐、逃避行の末監禁するストーリーになっています。現在…bbs.animanch.com

    その3はこちら↓

    [閲注・CP注]SS ごめんねスレッタ・マーキュリー(4号×スレッタ)その3|あにまん掲示板これはあにまん掲示板で立っていた元スレ「ごめんねスレッタ・マーキュリー」を参考にしたSSや独自設定などを掲載するスレのその3です6話以降のエラン4号がスレッタを誘拐、逃避行の末監禁するストーリーになっ…bbs.animanch.com

    その4はこちら↓

    [閲注・CP注]SS ごめんねスレッタ・マーキュリー(4号×スレッタ)その4|あにまん掲示板これはあにまん掲示板で立っていた元スレ「ごめんねスレッタ・マーキュリー」を参考にしたSSや独自設定などを掲載するスレのその4です6話以降のエラン4号がスレッタを誘拐、逃避行の末監禁するストーリーになっ…bbs.animanch.com

    その5はこちら↓

    [閲注・CP注]SS ごめんねスレッタ・マーキュリー(4号×スレッタ)その5|あにまん掲示板こちらはあにまん掲示板で立っていた元スレ「ごめんねスレッタ・マーキュリー」を参考にしたSSや独自設定などを掲載するスレのその5です6話以降のエラン4号がスレッタを誘拐、逃避行の末監禁するストーリーにな…bbs.animanch.com

    その6はこちら↓

    [閲注・CP注]SS ごめんねスレッタ・マーキュリー(4号×スレッタ)その6|あにまん掲示板こちらはあにまん掲示板で立っていた元スレ「ごめんねスレッタ・マーキュリー」を参考にしたSSや独自設定などを掲載するスレのその5です6話以降のエラン4号がスレッタを誘拐、逃避行の末監禁するストーリーにな…bbs.animanch.com
  • 3123/09/08(金) 23:44:07
  • 4123/09/08(金) 23:44:46

    スレにて頂いた素敵な絵です。今回のスレ画像にも使わせてもらっています

    便宜上スレ主が勝手に題名らしきものを付けています

    ありがたいことにたくさんの絵を頂きました。正直なところ常に見せびらかしたいのですが、レスが長くなりますので、保管庫を作ってみました


    花図鑑を見る2人(今回はこちらの絵を使わせて頂きました)


    ↓以前に頂いた絵はこちらに纏めて保管してあります

    ごめんねスレッタ・マーキュリー宝物庫

    ごめんねスレッタ・マーキュリー宝物庫─素敵な頂きもの─こちらは『SS ごめんねスレッタ・マーキュリー』のスレにて頂いた素敵な絵を掲載しています

    花図鑑を見る2人(今回はこちらの絵を使わせて頂きました)



    プラムと2人


    プラムと2人(髪染めバージョン)


    お出かけ前の2人


    夜市へ行く2人


    どれも素敵な宝物です

    ありがとうございました!
    telegra.ph
  • 5123/09/08(金) 23:46:01

    【ごめんねスレッタ・マーキュリー本編SS保管庫】

    基本的に閲覧注意作品となります

    現在0話~26話まで掲載しています

    SSをお読みになりたい場合は↓をクリックして移動先のページの各タイトル名を更にクリックして下さい

    ごめんねスレッタ・マーキュリー本編SS保管庫※こちらは「ごめんねスレッタ・マーキュリー」シリーズのSS保管庫です

     お読みになりたいSSのタイトルをクリックすると各ページへと移動します


    『ごめんねスレッタ・マーキュリー』


    【フロント脱出編】


    0 プロローグ


    1 怪物が生まれた日


    2 怪物との契約


    3 友との語らい


    4 夜空の先へ


    5-① 回る毒 前編


    5-② 回る毒 中編


    5-③ 回る毒 後編


    6-① 黒風白雨の小休止 前編


    6-② 黒風白雨の小休止 後編


    7-① 怪物の献身 前編


    7-② 怪物の献身 後編


    8 硬実種子と二者択一


    9 友との別れと祈りの言葉


    10-① きみが呼ぶ名前 前編


    10-② きみが呼ぶ名前 後編


    11 僕の大事なスレッタ


    12 エピローグ、あるいは…


    13 プロローグ、あるいは…


    【地球降下編】


    14 地球に落ちた種


    15 静かな夜


    16 記憶にない故郷


    17 長い休息の始まり



    【監禁?編】


    18 ままごとのような生活


    19-① 硬実種子の迷い 前編


    19-② 硬実種子の迷い 後編


    20-① 美しい男 前編


    20-② 美しい男 後編


    21 平穏な朝の終わり

    telegra.ph

    なお本編終了後の2人を書いた番外編、『こぼれ話』シリーズは本編が終わった後にこちらのスレに載せる予定となっています

    『こぼれ話』はフロント脱出編までの本編と共に、『書き逃げSS』様のスレに掲載されています


    それと物語の合間のエピソードを書いた『端切れ話』シリーズですが、こちらはまだきちんと纏めてはいない為、お手数ですがお読みになりたい場合はスレ2の後半から最新スレまでの各レスを見て頂くようお願いします

  • 6123/09/08(金) 23:46:55

    という訳でまたまた新たなスレを作ってしまいました
    のんびりとしたスレですがこれからもよろしくお願いします

    また今回使わせて頂いた絵ですが、どうしても全体図を使いたかったので、少し余白部分を作ってあります
    スタイリッシュな人なら格好いいデザインにできるのでしょうが、センスのないスレ主ではこれが限界でした

    では今から前のスレにてリクエストを受け付けたいと思います

  • 7二次元好きの匿名さん23/09/08(金) 23:51:25

    新スレありがとうございます!
    スレ画のイラストもとても温かみのあるステキなイラストですね!

  • 8123/09/09(土) 00:16:28

    >>7

    ありがとうございます!

    スレ絵もとても気に入っております

    というかですね、繊細な色使いがとてもステキで、実は以前いただいた絵を着色してスレ絵にしたことがあるのですが、代わりに色を塗って頂いたらどれほど綺麗だったか…!とちょっと悔しい思いをするほどに綺麗です

    あとスレッタの表情がとても好きです。恋する気持ちに溢れています

    いやぁ本当にいい絵を頂きました



    今書き込みながら気付いたのですが、よく見たらこのスレは12時間保つようになっているようです。10レスつかなくても大丈夫なんですね

    頑張って夜更かししようかと思いましたが、少し見守ったら就寝するとします



    ではまた

  • 9二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 02:41:15

    スレ立ておつです
    確か10までは保守しないと急に落ちるらしいので一応保守しときます

  • 10二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 02:43:18

    保守

  • 11123/09/09(土) 08:23:47

    保守ありがとうございます
    確認してみたら今のところ前のスレがまだ埋まってないようでした。さすがにリクエスト内容も尽きたのだろうと思いますが、貪欲に4スレの糧にしてしまうスレ主を前に、警戒されているのでは…?とも思ってしまうのでした
    まぁすでにいくつかリクエストを頂いているので、最後まで埋まらなくても特に支障はないかなと思います
    リクエスト自体はまだ有効なので、なにかご要望があれば前のスレにて受け付けておりますよ


    ではまた
    本編が更新できればいいんですが、まだ道半ばなので昼も雑談になるかなと思います
    遅筆ですいません

  • 12二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 12:39:36

    >>8

    前スレで絵を書かせて頂いた者です、スレ主様にお礼をと思いまして。絵の細かいところまでコメント頂けて気恥ずかしさもありつつ嬉しかったです、その上に素敵な短編まで見れて本当にありがとうございました。

    私の勝手な妄想だったものを丁寧に膨らませて頂き良いものを読めたなぁととても嬉しかったです。ありがとうございました!

    今後とも楽しみにしています!!

  • 13123/09/09(土) 14:26:15

    >>12

    あの素敵な絵をくれた方ですか、ありがとうございます

    さっそくスレ画像として使わせて頂きました。頂いた際にはテンションの高まりのあまり妄想や妄文が飛び出してしまいましたが、引かれなくてホッとしております

    本編はあとほんの少しだけ厳しい状況が続きますが、その後は黄金の秋が待っている…!そう考えて少しずつ先に書き進めているところです

    しばしの間だけお待ちくださいませ



    ↓ここから先はご報告です

    どうやら前スレのリクエストが埋まったようです


    『紅葉狩りに行く2人』

    『ラブレター、または恋慕の詩を書く4号かスレッタOr間接キスやお酒に酔ったりなど、普段より素直になったり甘酸っぱくなる4スレ』

    『スポーツ勝負をする4スレ』

    『スケッチしたり芸術鑑賞をする4スレ』


    このうち紅葉狩りは季節が秋に限定されますので、ほんの少しだけ保留となります

    本編はいまだ8月末、山場を越えた後にゆっくりと秋を迎えることになります

    紅葉だと場所にも寄りますが10月~11月くらいでしょうか

    その間に本編の4スレも色々とある予定なので、もしかしたらスレを跨いでのリクエストSSになるかもしれません

    ゆっくりとお待ちくださいませ

    今回も様々なリクエストを頂き嬉しく思います。ありがとうございました



    ではまた

  • 14二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 19:43:45

    >>13

    紅葉狩りをリクエストさせて貰った者です!

    全然大丈夫です!スレ主様の書きたい時に書いて下さい!その間ゆっくりSSを楽しみます!

  • 15123/09/09(土) 22:28:04

    >>14

    ありがとうございます

    紅葉の中に佇む4号とスレッタはとても絵になるだろうなぁと思うので、どんな物語にするか楽しく考えたいと思います

    まだ何も詳細は決まってないのですが、2人が笑顔になれるようなものがいいですね

    書くのが楽しみです



    ↓では簡単なご報告です

    今書いている本編SSの最新話ですが、だいたい三分の二くらいを書き終わったところです

    …が、少し過激な内容になるかもしれません。4号のトラウマにダイレクトアタックな感じなので、恐らく非常に不愉快な話になります

    でもここが4号にとっての底になりますので、あとは浮上するのみとなります。まぁ一気に状況が改善する訳ではなく、浮き沈みをしながら少しずつ光の下に近づいていくことになると思いますが、確実に状況は良くなっていきます

    書いている方も苦しいですが、ここが踏ん張りどころです

    今日も寝る前まで書いてみることにします



    ではまた

  • 16二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 06:03:48

    保守

  • 17二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 13:43:24

    >>15

    山あり 谷ありが物語を面白くする要素ですもんね

    2人にとって明るい未来が訪れるなら辛い展開もスパイスとして楽しめます!

  • 18123/09/10(日) 14:21:32

    保守と感想ありがとうございます。最近ではすっかり安心して朝の保守をお任せしてしまっていますね(一応スレの確認はしています)


    >>17

    4号のトラウマに関しては今までも描写していたんですが、今回はより生々しく書いてみました

    多分気分が悪くなる方もいらっしゃるんでしょうが、心を鬼にしてこのまま書きあげようと思っています

    あと若がすごく可哀そうなことになりますが、こちらは散々に4号の急所を突きまくっていた結果なので、甘んじて受け入れてもらうとします

    当初の予定よりはフォローを多めに入れる予定なので、まぁ大丈夫でしょう

    帰ったらまた続きを書くとしますが、おそらく早ければ明日には上げられるかもしれません

    という訳で今日の夜は雑談になると思うのですが、何を書けばいいのやら、仕事をしつつ悩むスレ主なのでした



    ではまた

  • 19二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 21:31:18

    保守

  • 20123/09/10(日) 23:02:03

    保守ありがとうございます
    結局面白そうな雑談ネタが思い浮かばなかったので、簡単な報告だけしておきます

    帰ってから続きを書いていたのですが、あまりの陰鬱さに精神をやられかけました
    しかたないので少しリフレッシュしてきます
    その後にまた作業再開しますが、おそらく今日中には間に合わないのでそのご報告です
    でもほとんどは書き終わっているので、推敲してからでも明日か明後日にはアップできるかと思います
    4号が大爆発する次回、けっこうな人が「うわ…」と思うかもしれませんが、ここが底なので安心?してお読みくださいませ
    でもそう思うのは自分だけで、「なんだ大したことないな…!」と思われる可能性もありますね
    今のところシュレディンガー状態なので、それを確認するためにも早めにアップしたいと思います


    ではまた明日

  • 21二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:06:46

    >>20

    精神を…?無理はしないでくださいね。

    でも大爆発4号君はとても楽しみです

  • 22二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 07:04:07

    まじですか…そんなに…?ちょっと想像できないです…

  • 23二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 07:09:04

    >>20

    一体どうなってしまうんだ4号…色々溜まってた物が一気に爆発するならただ事ではなさそう…

  • 24123/09/11(月) 07:49:46

    おはようございますスレ主です
    労わりのお言葉などありがとうございます
    期待されるほどのものが出来たのかは定かではないですが、頑張ったおかげでSSが出来上がりました。朝からはアレなので昼過ぎにそっと投稿しようと思います

    少しバイオレンスに寄り過ぎまして、自分で書いていてはわわ…となりましたが、最後の最後に特大の希望を描写することで何とか釣り合いを取りました
    当初の予定からは随分と明るい雰囲気になったと思います。むしろバッド系とかも読まれる方には物足りないかもしれないです
    しかしスレ主はお気楽人間なので今回はちょっと大変でした
    さっそくギャグ系の作品とかを見てメンタルを超回復したいと思います


    ではまた昼に

  • 25123/09/11(月) 14:18:53

    27話。解き放たれた厄災

    ※児童性的搾取の表現、暴力的な表現があります。


     エラン・ケレスは元々、暴力とは縁遠い子供だったと思う。

     まだ本来の名前で呼ばれていた頃のことだ。遊び、学び、家の手伝いをし、そんなありふれた毎日に溢れていた。

     ペイル社で教育されてしばらくの間も、暴力とは縁遠い子供だったと思う。

     基礎的な勉強、運動、似たような子供たちと過ごす無機質な集団生活。たまに恐ろしい目にもあったが、あの頃はまだ平和だった。

     手足が伸び、周りにいる子供たちが少なくなってから、少しずつそれは忍び寄って来た。

     基礎的な勉強、運動、検査、実験、いつの間にかそこに重火器の使用訓練や、モビルスーツの操縦訓練も加わっていた。

     まるで何かのパーツを作るかのように、何かの商品を作るかのように、自分たちの体が作り変えられる。そんな毎日を過ごしていた。



     エランは端末を片手に持ち、出来る限りのスピードで狭い裏道を歩いていた。

     アパートへはまだ大分時間がかかる。その間にエランは家で待っているはずのスレッタ・マーキュリーの端末に連絡をしていた。

     耳元で、焦れるほどにゆっくりとした音が繰り返される。


    ごめんねスレッタ・マーキュリー─解き放たれた厄災─※児童性的搾取の表現、暴力的な表現があります。


     映像にノイズが走る。

     薄暗い部屋の中、色々な物が散乱している。

     横たわる男がいる。隅で震える男がいる。

     不機嫌そうな、楽しそうな、不可思議な表情で笑っている男がいる。

     自分はぼんやりとそれを見ている。

     先ほどまで暴力の中心にいたはずなのに、いつのまにかそこから外され、今は別の自分が暴力を振るっている。

     その光景をただぼんやりと見ている。

     両手をかざす。

     誰かに褒められたその両手は、ところどころ皮膚が破れ、血が滲み、手の甲が腫れあがっている。

     薄暗い部屋の中。色々な物が散乱して、そのどれもに赤い色が散らばっている。

     ノイズが走る。

     今見ている映像は、まるで嘘のようだった。



    ………

    …………

    ……………



     エラン・ケレスは元々、暴力とは縁遠い子供だったと思う。

     まだ本来の名前で呼ばれていた頃のことだ。遊び、学び、家の手伝いをし、そんなありふれた毎日に溢れていた。

     ペイル社で教育されてしばらくの間も、暴力とは縁遠い子供だったと思う。

     基礎的な勉強、運動、似たような子供たちと過ごす無機質な集団生活。たまに恐ろしい目にもあったが、あの頃はまだ平和だった。…
    telegra.ph
  • 26二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 14:45:56

    自分の想像以上の展開だった…
    4号の過去は若の4号への想いからある程度は予測は出来たけどタコ殴りは全然予想してなかった
    ちょっと暴言浴びせるくらいかな~なんて軽く考えてました……

    エラン様はアニメの頃から絶対ヤクザの素質があると思っていたので今回の話のエラン様は自分のイメージと完全に一致していてビックリ!

  • 27二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 16:57:12

    エラン様こわ〜

  • 28二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 18:41:33

    本編更新ありがとうございます!

    改めて4号の生い立ちの悲惨さを痛感して読んでいて苦しくなりました…本当につらかったね……
    思っていた以上に容赦のない若への暴力に恐怖を覚えたけど、4号にとって自分の命より大事なスレッタを傷付けた(少なくともそう見えてしまう)のだから怒りは当然なんですよね…地雷踏み抜いてるから余計に。

    全面的に若が悪いことを理解したうえで、それでも許してあげてほしいと身を呈して庇う役員さんの愛情深さにほろりときました。弟発言は「弟のような存在」という比喩でしょうか…?
    最後のクーフェイ老の一撃によって4号が会話のできる状態に戻ってくれることを願います。
    若への怒りは当然だけどやりすぎだし、それと自分のトラウマや心の闇は分けねばならないので。
    頑張れ4号…!

  • 29123/09/11(月) 22:39:14

    感想ありがとうございます

    最近お気に入りの笑えるクトゥルフTRPG動画とかDIY動画とか見て英気を養ってました


    >>26

    バイオレンス過ぎてすいません

    実は構想を練った時から自分の負担も考えずザ・暴力の嵐!という回にしようとは思ってました

    構想を練った段階では暴れまくる4号を前に震えるスレッタという更に酷い描写があったのですが、穏やかな2人のエピソードが積み重なったおかげで、暴力的な現場をスレッタに見せない配慮というものが4号に生まれました

    あとオリジナルの怖いところは構想段階からまったく変わっていませんね。まさにインテリヤクザという体で書きました


    >>27

    お気に入りの人物には優しいですが、自分の邪魔をする存在で、なおかつオリジナルの目から見て何の価値もないと判断を下した人間にはどこまでも冷徹になる。それがこのSSのケレスさんです

    子供たち世代は何やかんやと有能ないい子が多いので、裏ルートではちょっとしたお助けマン的な存在になりながらラスボスルートをエンジョイします

    (裏ルートはものすごくアバウトな設定だけは存在してます)


    >>28

    4号のトラウマの根深さを描写するためにチョコチョコ過去を書いてきましたが、段々と詳細な描写になってきました

    とはいってもこれ以上細かく書いたら胸糞どころではないので、これくらいが限界でしょうか

    途中で過去と現在の境目が判断できなくなっているように書いてみましたが、狙い通りに書けているかは分かりません

    4号は若を殴りながらも、過去の『担当者の男』も、自分の中にある『男としての部分』も殴っていました。むしろ概念的な『性を満たそうとする男』のすべてを殴っていました。ちょっとした心神喪失状態でした

    でも勇者クーフェイ老が渾身のパンチをお見舞いしたので、次回からの状態はちょっと良くなる予定です

    ちなみに役員の彼は若にテキトーな取り巻き欲しいな、という思い付きから登場させたのですが、若の愛嬌が増えるごとに役員の彼の重要度がぐんぐん上がっていきました

    本当に血が繋がっているという訳ではなく、若の一族に使える使用人一家の子供くらいを想定してます。でも修羅場中に血は繋がってないけど弟みたいなもので…!とか悠長に説明している暇はないので、『俺にとっては弟!』と簡潔に叫ばせてみました

    実際のところ若の本当の兄貴よりも兄貴してます

  • 30二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 22:48:08

    「本当の兄よりも兄してる」
    近しい人というより身内からの愛に飢えていたんですかね
    なんとなくですが、潜在的な寂しさを抱えていそうですね

  • 31二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 00:39:56

    あああああ辛い!苦しい!でも面白い!!!!

  • 32123/09/12(火) 06:50:14

    今日はちよっとだけ早起きなスレ主です

    感想ありがとうございます。いつものごとく長くなります


    >>30

    役員の彼は使用人一家に生まれた一人息子で、暖かい家庭で育ちました。しかし頭の出来があまり良くなく、若の兄たちとは話が合いませんでした

    困っていると、一人で寂しく過ごしている幼い若と出会います

    若も役員の彼ほどではありませんが頭の出来が良くありませんでした。家族と話が合わずに、持て余されていました

    そんな二人が仲良くなって遊んでいるうちに、役員の彼のほうは若のことを弟のように思い始めていきました。愛情深く育てられたので、自然と他者にも愛情を抱けるような人間に育っていたのです

    しかし若のほうは、役員の彼との気安い関係を心地よく思ってはいても、本当の家族ではないことが引っ掛かっていました。家族に命令されて仕方なく取り巻きをやってるんだと勘違いをしていたのです

    寂しくなった若は、しだいに可愛がってくれる年上女性との爛れた関係に夢中になっていきます

    そうしてますます本当の家族との溝は深まり、根本的な寂しさの解消は困難なものになっていったのでした


    ただ、若の家族は愛情がまったくないわけではありません

    どう接していいのか迷っている間に、致命的に話が噛み合わなくなってしまっただけなのです

    若の家族は彼らなりに若のことを想っています

    けれど迷っているうちに、若は家族から愛されていると確信できるほどの思い出を貰えないまま、体だけ成長してしまったのでした


    >>31

    ストレートに嬉しい言葉を貰ってニヤニヤしています

    辛くても苦しくてもなお面白いと思ってもらえるとは、頑張って書いた甲斐があったというものです

    やる気をもらえたので、少し休んだらまた続きを書くことにします

  • 33二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 12:22:25

    保守

  • 34二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 16:25:23

    >>32

    30です

    家族といえども、お互いを必ずしも理解しあえる訳ではないですからね

    これから、時間をかけてゆっくり分かりあえるといいですね

  • 35二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 18:43:58

    読み返してて思ったんですが、役員の彼はスレッタのことをカリバンの妹だと思ってるからこそ、とっさに「俺にとっては弟なんだ(君にとっての彼女と同じように、自分も若を大切に思っているんだ)」って、無意識に共感を促すような言葉が出てきたのかな、と…

  • 36二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 22:21:54

    なるほど、家族のような存在か…でも今の4号にはあんまり家族というワードは響かなそう…スレッタからの提案を拒絶したばかりだし…

  • 37123/09/12(火) 22:54:23

    感想と保守ありがとうございます

    昼間は仕事で疲れたうえに何の雑談の種も見つからなかったので、保守されていることを幸いに休憩を優先してしまいました

    おかげでゆっくり休めました。いつも保守ありがとうございます


    >>34

    今回の件で若の家族もものすごい衝撃を受けることになります

    少しの間は騒がしくなりますが、それが落ち着いたら今までよりも歩み寄った家族になるかもしれません


    >>35

    まさにその通りです。役員の彼はアホですがこと人間関係に関しては若や4号よりもはるかに強者です

    この言葉は4号に共感を促す意図で出しました

    共感させたとしてその先に何を期待していたかといいますと、この言葉で4号が少しは落ち着いて攻撃の手を緩めてくれることを期待していました(不発に終わりました)

    それともう1つ、今回の件は若が悪くて自分もそれは分かっているけど、それでも若を守る!どんなに馬鹿でも弟だから守る!だから絶対に引くことはない!という宣言になります。役員の彼からしてみたら、妹に手を出されて激昂する兄と、半死半生になった弟を守る兄、という構図になっていたのです


    >>36

    実は家族と言うワード自体はけっこう4号に効いたりするのですが、今回のド修羅場中の4号にはあまり効きませんでした

    4号はどちらかというと弟側なので、若と対になるのはスレッタではなく4号です。なので役員の彼が兄として共感を得ようとしても、4号的にはピンとは来なかったようです

    むしろ自分は優しい兄(フィフス兄さん)と引き離されたのにこいつは優しい兄(役員の彼)に甘ったれやがって…!とちょっと若に対して思ってました

    スレッタのプロポーズを断った件ですが、これは夫婦になろうという4号側からしたら色も含んだお誘いになるので、ちょっとニュアンスが違くなってしまいます。4号は別に家族が欲しくないわけではないからです。むしろものすごく欲しいと思ってます

    もしスレッタが夫婦ではなくお兄ちゃんになって下さい、と言っていたら、少し悩んだ末に家族になることを受諾していた…かもしれません

  • 38二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 23:01:00

    >>32

    「若の家族は彼らなりに若のことを想っています

    けれど迷っているうちに、若は家族から愛されていると確信できるほどの思い出を貰えないまま、体だけ成長してしまったのでした」

    この説明、刺さりました。

    と、同時に若は自分の寂しさからくる自分の心の穴を埋める為、色んな男性のお相手さんにちょっかいかけてきたっぽいので、カリバンこと4号のタコ殴りはこれまでの尻軽な振る舞いによって訪れた天罰として納得してはいます。

  • 39二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 07:16:19

    保守

  • 40123/09/13(水) 07:54:44

    感想と保守ありがとうございます


    >>38

    朝からなんだかすごく長い文章になった上、裏話にしても良さそうな内容になりました


    若は自分の寂しさを埋めるためお相手がいる女性に甘やかしてもらっていましたが、同時に相手の男に見せびらかす行為もけっこうな頻度で行っていました(サイテー)

    家族や役員の彼は、最初の頃はてっきり爪の甘い若がヘマしたんだと思って慌ててフォローに入っていたのですが、あまりにトラブルが頻発するため最近では大人しくしなさいと嗜めるようになりました

    ちなみにお目付け役だった役員の彼は両親にメチャクチャ怒られました。若様をちゃんと見てるのかこのバカ息子!!と説教されて終いにはゲンコツを食らってます


    実はその辺りは若なりにきちんと考えていて、コイツは自分に何もしてこないな、と相手の男を見極めてから見せびらかすことをしていました。その見立ては間違っていなかったので今まで無事だったのですが、今回は意図せずして一番手を出してはいけない男に手を出してしまいました。恋の魔力の前にはさすがの若の観察力も発揮できなかったようです

    とはいえ若の観察力も絶対のものというわけではありません。一歩間違えれば早い段階で今回のような目に合っていたことでしょう

    怒り狂った4号は、今まで恋人を取られてきた男たちのIFの姿でもあるのでした


    あとこれは余談ですが、浮気した(された)カップルはその多くが別れているのですが、実は女性側の気持ちが冷めきっていたカップルがほとんどだったので遅かれ早かれ破局していた可能性が高かったりします

    カップルの双方が口止め料としてけっこうな額のお金を貰えたため、別れた直後に即生活に困ることになったお姉さんはいないようです

    むしろそれを目的として若と関係を持つ強かなお姉さんがいたりします。そう、実は若は…一部のお姉さんにとってはカモだったのでした

  • 41二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 12:36:37

    若…どんまい!!

  • 42123/09/13(水) 14:55:12

    >>41

    若への優しいお言葉ありがとうございます

    一応若も下心のあるお姉さんの思惑にはうっすら気付いていたりしたのですが、本気の愛を望んでいる訳ではないあくまで代替行為のための関係だったので、ビジネスライクに楽しんでいたようです

    もし若に本気になって傷ついたお姉さんがいたら若もこの行いを反省したはずですが、事前にライトに楽しめそうな人を見繕ってから手を出していたので大丈夫でした

    最初の方に痛い目を見ていた方がよかったんじゃないかと思うのですが、変なところで要領が良い若なのでした



    ↓ここから先は簡単なご報告です

    今日の夜から裏話更新していきます。それが終わったらぼちぼちSSを書いていきます

    本編を進めつつ、リクエストSSを載せていくつもりです

    とは言うものの、実はまだ内容をどうするか決めていないのですが、途中で雑談を交えて時間稼ぎをしつつ書き上げるつもりでいます

    少々お待ちくださいませ



    ではまた夜に

  • 43二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 19:09:16

    保守

  • 44二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 21:30:39

    こんばんは。今さらですが前スレのSSを読み終わったので感想を書きます。

    「はじめての友だち(?)」
    小さい2人がとにかく可愛いです♡
    5ごうオジさんと呼ばれているからエランパパと同年代かと思ったら、まさかの15才!?4号くん、さすがにそれはかわいそうだよ

    「メカぐるみぱにっく」
    メカぐるみえらんはスレッタに嫌がらせしてくる相手に容赦なく攻撃しそう。スレッタの小さな騎士ですね。
    そしてシャディクの発想が素敵です。確かに銀髪のミオリネには白紫のミカエリスの色合いがぴったりだと思います。

    長々とごめんなさい。本編の続きも楽しみです。

  • 45123/09/13(水) 23:03:17

    保守と感想ありがとうございます


    >>44

    この2つの短編はそれぞれ本編SSの息抜きとして思いきり可愛いものを目指して書いたものなので、可愛いと言って頂けると嬉しいです

    あとシャディクへのフォローありがとうございます。彼は『みかえりす型みおりね』が出来上がった時にガールズたちの目から必死に隠そうとしましたがやっぱり隠しきれず、生暖かい目線に晒されることになります


    ↓メカぐるみぱにっくおまけ

    「シャディク」「シャディク…?」「うっわ~シャディクうわ~」「可愛くていいと思うな!」「小さいミオリネちゃんだぁ…」

    「ち、違うんだ!これは…!「ズイットマエニデル)ますたーの『おともだち』とはんだんするわ。わたしは【みかえりす型みおりね・れんぶらん】。よろしくね、おともだちさんたち」うわ~~!」

    ↑メカぐるみばにっくオマケ終わり


    あと5号がおじさんと呼ばれてることなのですが、これはエランパパが5号のことをお前のおじさん(みたいなもの)だよと写真を見せながら言っていたので刷り込まれたものです

    5号は普段ふらふら旅をしているのですが、長期に渡って帰って来なかった時に4号が大きくなって言葉を喋るようになっていて、その間に呼び名が定着していました


    ↓はじめてのともだち(?)オマケ

    「帰ったよー!いやー今回も空振りだった」

    「おう、お帰り。今回は少し掛かったな。チビも大きくなったぞ」

    「あ、ほんとだー。チビちゃん、覚えてる?僕は5号おに」

    「5号オジさん。おかえりなさい」(キンチョー

    「え、いや、僕はおにい」

    「5号オジさん、いつもどんなところに行ってるの?」(キョーミシンシン

    「あの、だからおにい」

    「オジさん?」(クビコテン

    「……オジさんでいいよ。お土産あるよ(オリジナル後でシメる…!)」

    ↑はじめてのともだち(?)オマケ終わり


    一応後で呼び名を訂正しようと頑張ったようですが、「オジさんじゃないの…?」と4号が泣きそうになったため、慌てて「やっぱりオジさんだよ!オジさんのままでいいよ!」と言ってしまいました。なので5号は若いですがオジさんなのです

  • 46123/09/13(水) 23:09:13

    では続けて裏話更新です

    【27話。(解き放たれた厄災)の裏話】その①

    スレ主的大問題回になります
    かねてより予定していたことではありますが、この回を仕上げるのはかなりの気力が必要になりました
    内容も勿論そうなのですが、場面転換が多かったことも原因です。スレ主は場面転換が苦手だったりします
    なら無理して書かなくても…、と思われるかもしれませんが、この方が臨場感のある描写になると思ったのでちょっと頑張ってみました。実際に読んだ方がどう思われるのかは分かりませんが、試みはそれなりに成功したのではないかな…?と思います

    具体的には冒頭から、2年前、現在、2年前、現在…という風に交互に描写を切り替えて進みつつ、途中からは2つの描写を一気に混ぜ合わせてみました
    過去と現在は繋がっています。スレ主としては4号の凄惨な過去を描写することで、現在の4号の恐怖や怒りを理解しやすくなるようにしたかったのです。そして同時に現在の4号の精神状態もより分かりやすくなるよう表現したかったのでした
    地味な事ですがこの話の最初から半ばまではきちんと描写を切り替えるタイミングで行間を空けていました。現在と過去の描写はきっちりと分けられていたのです。これは4号の精神が過去を思い出しつつも、まだ正常に思考できていたからでした
    しかし途中から行間を空けることなく過去の描写がぬるっと入ってきます。これは若を殴っている時の4号の精神状態が大いにバランスを崩し、心の大部分が過去に囚われてしまったからです

    というわけで暴れまわる4号とその暴挙に晒される若の描写はほぼ無くし、過去の出来事を中心に描写してみました
    殴られる若の姿を詳細に書くのは可哀想だったので、その分元担当者の男(変態)を遠慮なくボッコボコにしたというわけです
    この演出にして正解だったな、と書いていて思った瞬間でした

  • 47二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 05:07:28

    そういえば若は元担当者の男みたいに殴られてるものだと勝手に思い込んでました
    暴力描写が少ないなんて全然感じなかったです

  • 48123/09/14(木) 06:51:27

    >>47

    感想ありがとうございます

    若も殴られたり顔が膨れたりしてますが、それは最低限これくらいは必要だろうと思った描写になります。大部分の致命的なダメージ描写は元担当者の男にお任せしてしまいました

    元担当者をアバターのように使い、現在の若がどれだけボコボコになっているか想像してもらおうと思ったのです

    という訳で過去の描写やオリジナルから暴力を受ける元担当者の様子と共に、メチャクチャダメージが入ってそうな若のセリフだけを入れてみました

    これにより若の命が危機的状況になっている緊迫感のようなものを表現できればいいなと思っていました

    具体的な怪我の描写を書くと若が可哀想になってしまうので、できるだけ避けたいという意図もあります

    これはけっこう上手くいったのではないかと思います



    ↓ここから先はご報告です

    裏話更新は今日の昼と夜に行う予定です

    ただ昼に少し用事が入りそうでして、場合によっては昼の更新ができない可能性があります

    もし夕方になっても特になんの更新がなければ、保守か保守代わりの感想など書いて頂けると助かります



    ではまた

  • 49二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 11:02:55

    >>45

    短編のお話2つの裏話が知れて更に「可愛い」が増しました!『メカぐるみパニック』でスレッタやエラン、ミオリネ達のメカぐるみ同士が出会っ(てしまっ)た時の反応が持ち主含め気になります。スレッタやエランはお互いのメカぐるみ作っていた事実に驚いたり嬉しがったり、そんな二人をよそに横恋慕さんことグエルはショックを受けてたりするんだろうな〜と、おおよその検討はつくのですが。


    『はじめてのともだち』、5号おじちゃん優しい。むしろ女の子達は自分そっくりな小さな男の子に「おじちゃん」呼びされてる5号にギャップ萌えしそうですね。

  • 50二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 18:04:00

    保守

  • 51123/09/14(木) 18:41:21

    スレ主です。やはり用事が入り今帰って来たところです。保守や感想ありがとうございます


    >>49

    短編SS気に入って頂けたようで嬉しいです。ちょっと長くなります

    メカぐるみたちは基本的にマスター大好きなので、マスターの姿に似たメカぐるみたちに興味津々で近づいていきます

    でもちょっと好戦的なところがありますので、個体の相性によっては喧嘩を始めたりします

    とはいっても空中を追いかけっことか、超低出力のビームをぱちぱち打ち合ったりとか、てしてしと組み手を始めたりとかその程度です

    同じマスターを持ったメカぐるみは兄妹のような関係になったりします。しゃでぃく&すれったや、らうだ&すれったですね

    4号とスレッタが一緒にいるとそれぞれのメカぐるみたちも仲良く遊び始めます

    グエルがその場に居たらまぁショックでしょうが、グエルのメカぐるみは4スレのメカぐるみに興味を示しつつもマスターの両頬にそれぞれぴたっと張り付いてると思います。ますたーげんきだして(ください)って感じですね

    でもそこにラウダのだりるばるで型ぐえるが登場すると、すっごくそわそわし始めるでしょう

    更にミオリネやシャディクも合流してしまったら、もう賑やか過ぎてすごいことになります


    メカぐるみの性格はモデルにした人の性格をベースにしつつも、マスターの気質にも影響されていたりします

    同じえありある型すれったでも、4号のすれったはちょっとだけクールさんで、ミオリネのすれったはちょっとだけ強気さんで、グエルのすれったはちょっとだけ穏やかさんです

    えありある型すれったを例に挙げましたが、もちろん他のメカぐるみもそれぞれマスターっぽい要素がちょっとだけ付け足されてます



    はじめてのともだち(?)の5号オジさんは4号の年齢+15歳なので、無事に学園を卒業済みです

    そのまま大学に行くこともせず、4号の小さい頃は旅ばっかりしてます。なのであまり女子にキャーキャー言われる環境にはいない感じでしょうか。でも女の子にキャーキャー言われてたらパチンっ☆とウインクくらいはしてくれると思います

    そんな感じでふらふらしていた5号オジさんですが、4号がアスティカシア学園に通うようになってから暫くして一人の女の子を家に連れてきます

    「ようやく見つけたよ」

    と嬉しそうに笑って、その後のオジさんはふらふらする旅をやめて落ち着いたようです

  • 52123/09/14(木) 21:48:12

    朝まで持ちそうないい感じのお時間になったので裏話更新をしておきます

    【27話。(解き放たれた厄災)の裏話】その②

    このお話で今までとはまったく別人のような狂暴性を見せつけた4号ですが、一応根っこは同じ4号で地続きになっているんだということを示すために、前の話に出て来たフレーズや地の文を複数入れてみたりしました

    具体的に書きますとまずは1話『怪物の生まれた日』にて、エアリアル君に見せられた夢の世界で、スレッタが辿って悲劇を最後まで見せられた4号の場面などです
    【ぐつぐつと腸が煮えくり返る。まるで灼熱の炎が腹の内から生まれ出たようだ。今ここにスレッタ・マーキュリーを傷つけた者がいたら、指の骨が見えるまで殴っていただろう】
    という風に書いてあったのですが、最新話でも同じような文をそのまま書いてます。4号はスレッタの手当ての方に気を取られなければ恐らく本当に指の骨が見えるまで殴ってました

    次に13話『プロローグ、あるいは…』にて、冒頭の4号の夢の中で、4号の目を覚まさせる原因となった言葉です
    【『綺麗な顔だなぁ』どこか感嘆とした、おぞましい響きの声が聞こえた気がした】
    最新話では4号のトラウマになっているフレーズの最初の一言として登場させてみました

    最後に20-①話『美しい男 前編』にて、モビルクラフト相手に無茶をした4号に怒鳴り込み、言い訳?しようとしたのでパンチをお見舞いするクーフェイ老です
    【「こらあぁー!お前!新入り!!なんて危険な事をしたんだ!!」】
    【あ、と思った時には彼は殴られていた。あんな綺麗な顔なのに、思いきり拳で殴りつけられていた。】
    これは最新話でも同じようなセリフを書きましたが、まったく違う印象になるだろうタイミングで入れてみました

    こんなところでしょうか。その他にも裏道などに詳しかったり、旅の間にも履いていた鉄板入りの靴を履いていたり、モビルクラフトを停止させた時に使っていた謎の棒状の正体を判明させたりしてます。ちなみに防犯用のペンは端切れ話『エレベーターパニック』の後に防犯グッズを取り扱っているお店で購入しました
    一応は山場になるお話なので、ちょっと集大成のようにしてみたかったというか、過去の描写も使って豪華に文章を装飾してみたのでした

  • 53二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 00:43:40

    今までの積み重ねはこのこの為にあったと言っても過言ではなさそうですね まさに集大成

  • 54二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 07:08:00

    保守

  • 55123/09/15(金) 07:12:56

    感想と保守をありがとうございます


    >>53

    集大成になるような過去の描写多用は、本来ならクライマックスや感動的な話で使うのがよかったのではと思わないでもないですが、バイオレンスな話にノリノリで使ってしまいました

    これで本当のクライマックスになった時はどんな表現になってしまうのか?自分でも予想がつきません

    ちなみに本編SSはまだまだ続きます



    裏話は昼過ぎに更新しに来ます

    ではまた

  • 56123/09/15(金) 13:46:23

    では裏話の続きです

    【27話。(解き放たれた厄災)の裏話】その③

    本当は怖いエラン・ケレス!
    というような最新話でしたが、オリジナルが怖い人だというのは最初の設定から決まっていました
    このSSでの彼は基本的に自分が一番だと思っていて、周りの人を一段低く見ています。彼に自分と同等だと認められたのは本当にごく一部の人たちです。4号ですら少し気に入ってる少年といった風で、積極的に助けようとはしていません
    ただ間接的には色々と手助けをしています
    一見すると嫌がらせや嫌味か?というようなからかいと共に、彼は何かにつけて4号に貴重な情報を与えていました。フロント脱出編でもさりげなく4号に監視カメラがあることや、監視カメラの位置を教えていたりしています
    強化人士に気軽に情報を与えることを現CEOから嗜められたりもしましたが、彼は飄々とした態度を崩さず、得意の舌鋒によって大したことがない事だと思わせ、最後にはけむに巻いています。このおかげで4号はトレーニングルームやお風呂に一時避難することができ、脱出の時にもバレずに発信機を外すことができました
    彼は無能が嫌いです。なのでワザと分かりにくいヒントを与えています。情報に気付いて活用しなければただの嫌がらせで終わるような出し方です
    でも4号は見事に活用してくれました。さらにペイルの大人を出し抜いて脱出したことで、オリジナルの4号への好感度は最終的には更に少し上がることになります
    そんな彼ですが、このSSでは年齢を若く偽っています。それは学園に通う年に合わせる必要があったからです。本来の彼は最新話の段階で22~23歳くらいでしょうか。もう体がほぼ出来上がっています
    15~18の男の子なんて、成長著しい時期です。背はにょきにょきと伸びますし、もし背が中学(に相当する学校)で伸びきっていても体自体は逞しく変化していくでしょう
    なのでオリジナル本人が学園に通った場合、不審に思われる可能性がありました。
    本人は操縦技術が特に優れている訳でもないので学園へ行くには替え玉が必須です。ならもう学園生活まるごと替え玉に任せてしまおうとなったのです。
    というわけで、成長前のオリジナルの背格好に似た優秀なパイロットである4号が選ばれたのでした

  • 57二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 17:50:40

    敵でも味方でもない、有能なら利用するし無能なら切り捨てる
    エラン様のこういうドライなところとても魅力的です

  • 58二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 18:32:57

    実はこのスレのエラン様のファンなので、スレ主さまの解説を聞けるのが楽しみです
    エラン様はパイロット適正以外はオールS〜SSだし、金も権力も喧嘩の上手さもありそうなので「自分が1番」になるのも分かる気がします
    対等に話せるのはシャディクくらいなのかな

  • 59123/09/15(金) 23:16:38

    感想ありがとうございます


    >>57

    オリジナルは人に対する好き嫌いはあっても、それで判断を誤らせたりすることはまずありません

    助けるとしても、何よりも第一に自分のやりたいことがあって、その目的に有用かどうかによって手助けするかを決めています

    基本的には有能は好き、無能は嫌いなオリジナルですが、有能な人だとしても嫌いな人はけっこういます

    大人連中は有能な人でも大体のところを嫌っていると思います

    そんなドライもドライなオリジナルですが、実はただ1人だけ、無能でも有能でも関係ない、そんな物差しでは測れないという唯一無二の人物がいます

    オリジナルにとっての目標であり目的であり大事な人である、エリクトです(注:このSSの超独自設定です)


    >>58

    このスレのエラン様のファン…!ちょっと照れてしまいますねテレテレ

    彼は裏ルートの第三勢力的位置づけかつ最終的なラスボスに収まる人なので、ちょっと大物感を漂わせるよう意識して書いてます

    どうしてパイロット適正があんまりないのか理由はまだ考えてないのですが、ただ単に空間認識能力がそれほど発達していない、という単純な理由でもいいかもしれないなと思ってます

    モビルスーツとかその辺り必須な技能のような気がしますし、訓練すればそれなりに伸びるんでしょうが、たぶん苦手なものを伸ばすよりもたくさんある得意なものを伸ばした方が効率がいいですしね

    という訳でオリジナルはそんなにパイロット適正がないことを恥ずかしく思ったりはしていません。むしろなんで経営に必要ない項目をこんなに持て囃してるんだコイツら…。とベネリットグループの社風を冷めた目で見ています


    そんな彼とまともにやり合えるのは、おっしゃる通り同年代だとシャディクだけでしょう。あとはある意味グエルかなと思います

    グエルの強運と凶運の前には、さすがのオリジナルも翻弄される可能性があります(具体的には何も考えてません)


    基本的に孤高なオリジナルですが、裏ルートでは凹を埋める凸であるところの相棒が生えてきます。誰かと言うと、初心者にも優しいガンダム、エアリアル君です

    エアリアル君はやりたい放題なオリジナルに翻弄されつつも、彼に唯一足りないパイロット適正を埋めることができる相棒として(何が何だか分からない内に)頑張ることになります

  • 60123/09/15(金) 23:20:35

    あれだけ語ったのにまだ少し語り足りないなと思ったので引き続きエラン様の話になります

    【27話。(解き放たれた厄災)の裏話】その④

    まだ4号が華奢な少年だった2年前のことです
    4号がアスティカシア学園に編入するために頑張っていた頃、学園に行った後の強化人士の監視体制などを決める会議が開かれました
    すでに体内には発信機が埋め込まれていますが、識別タグのついでに盗聴器と発信機をつけようとか、寮の自室にも監視カメラを付けようとか、ここで大体の事は決められました
    その会議で執拗に風呂やトイレを含めたすべての部屋にカメラを付けるべきだと主張する人物がいました
    そうです、あの変態(元担当者)です
    基本的に仏心などは出さないオリジナルですが、何か変態(元担当者)の視線に不審なものを感じた彼は、『自分と同じ顔したヤツの下事情とか見られんの?気分悪いから絶対反対』と我が儘を言うフリをして監視カメラの増設を阻止しました
    その後に自分の替え玉である4号のデータを改めて見てみると、ある時期から成績がガクリと伸び悩んでいたことに気付きます。調整台の部屋の監視カメラを見てみると、どうもある時間は加工されて時間がスキップしているようです
    それは必ず4号がパーメットを流されて、ぐったりと力なく調整台の上に寝そべっている時でした
    大体の事情を察したオリジナルは直接会いにいくことにしました。会議からしばらくしてようやく編入手続きが行えることになったので、そのお祝いという口実を引き下げての訪問です。もちろん誰にも事前に告げていません
    オリジナルは無駄が嫌いなので、変態(元担当者)を排除しつつ、自分の代わりの端末として生活することになる少年のケア、メンテナンスをしようと思っていました。この時には4号自身に対しての好意などはまったく存在していませんでした
    しかしオリジナルは、暴れに暴れた4号と、その暴力を受けて地に伏した変態(元担当者)の姿を見つけます
    数年前の自分と同じ顔をした少年は、しかし自分とはまったく違う方法で、必死に自らのプライドを守ろうとしていました
    へぇ。けっこう面白い奴じゃん。そうオリジナルは思います
    以降、4号に対して好感度を若干上げたオリジナルは、彼なりに4号を気に掛けるようになったのでした

  • 61二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 06:48:58

    保守

  • 62二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 13:59:28

    エアリアル(エリクト)と様、どんなやりとりをするのか凄く楽しみ!

  • 63123/09/16(土) 14:26:08

    >>62

    感想ありがとうございます

    実はとてつもなく分かりにくいんですが、このSSのエアリアル君とエリクトは別々の体を持ったまったくの別存在なのです(な、なんだってー!)


    アニメ本編の2クール目が始まる前にフロント脱出編は書いていたので、その影響をモロに受けてしまいました。オリジナルがラスボスになる予定の裏ルートはフロント脱出編の設定をそのまま受け継いでいるので、プロスペラ母さんの目的はクワゼロが本命ではなくスレッタの体を使ったエリクトの完全復活ですし、オリジナルはヴァナディースの遺児ですし、シャディクは亡国の王子だったりします。5号なんか実はアニメ本編とは違う人です(本来の5号は6号あたりにスライドしてます)

    そんな訳でこのSSのエリクトはどうしているかというと、ルブリスの機体ごとどこかの場所に大切に保管されてます。プロローグのルブリスに精神を吸い取られてしまった彼女は、時が止まったままの状態でずっと眠っています


    じゃあエアリアル君は何者だよ、ということなんですが、デリングやノートレット夫妻協力の元、他のルブリスシリーズを素体として作った新たな機体です

    まっさらな状態のAIも載せられていて、それがエアリアル君の意識の元になりました。一応とある理由で思いきりルブリスAIとエリクトの影響を受けてはいるのですが、彼は完全にルブリスAI&エリクトとは違う人格を備えています

    分かりやすく言うとルブリスAIとエリクトは女の子ですが、エアリアルは男の子です


    つまりオリジナルとは男の子同士のバディ関係ということになります。そこに遠慮はありません

    自分のやりたいようにやる!自信たっぷりのオリジナルに目を白黒させつつも、エアリアル君はだんだんと無茶苦茶するオリジナルにツッコミを入れるようになり、対等な存在になっていきます

    おそらく最後の方のエアリアル君はオリジナルを口でやり込めるくらい精神的に強かになっているはずです

    反対にオリジナルの方はエアリアル君の影響でちょっと他人に優しくなります。ラスボスとラスボス機体なんですが、ある意味この2人も裏ルートの主人公なのです

  • 64123/09/16(土) 14:30:29

    前レスに書き忘れました。朝の保守ありがとうございます


    端切れ話。地球降下編(ほろ酔い加減のコンフェッション)

     スレッタが初めて地球へと降りてからそれなりの時間が過ぎた。
     最初は不慣れだった地球特有の現象にも少しずつ慣れてきて、スレッタとエランは途切れ途切れの列車の旅をゆっくりと進んでいた。
     特に期限が決められている旅という訳ではない。気に入った宿があれば何日か泊まることもある。その時も列車に揺られる毎日が続いていたので、路線が途切れたのを幸いに小さな村の民宿に数日ほどお世話になっていた。
     そこのお宿の女将さんはとても料理上手だった。あまりに美味しいのでスレッタがにこにこと料理を食べていると、そばで見ていたエランが宿泊の延期をしてくれた。
     地球は本当に色々なものがある。その中でも特に驚いたのは、見た事のない料理の数々だろうか。量も種類も本当に豊富なので、お店に入ってもいつも目移りしてしまう。
     野菜や果物、お魚など、水星時代では一度も食べられなかった生鮮食品が食べ放題だ。それ以外の加工食品もとても美味しくて、毎日すごく贅沢をしているとスレッタは思う。
     そんな美味しい食材をふんだんに使った女将さんの料理は絶品だった。
     この間はどこまでも伸びるチーズを使った変わった料理が出た。一口大に切った食材をチーズのソースに次々と入れては食べる料理で、スレッタはついぱくぱくとお腹いっぱいになるまで食べてしまった。
     そんな料理上手で素敵な女将さんが、朝食を持ってきたついでにスレッタに話しかけてきた。
    「スカーレットちゃん、今夜はご馳走を作るの。楽しみにしていてね」
    「わぁ、本当ですか。すごく楽しみです」
     女将さんがとても機嫌よさげに言うので、スレッタも嬉しくなって返事をした。いつも美味しいのに、今夜は更にご馳走が出るなんて夢のようだ。
    「お祝い事ですか?」
     すぐそばにいたエランが問いかける。すると女将さんは「そうなの!」と返事をしてくれた。
    「上の息子が久しぶりに帰って来るのよ。遠くの地域の街に働きに出ていたんだけど、十分技術を学んだから改めて村に帰って仕事をするって」
    「わぁ。ご家族が帰って来るんですか?それは嬉しいですね!」
    「とっても嬉しいわ。だから今日はご馳走なの。大きな部屋でパーティも開くから、よかったら参加してちょうだいね。なんと無料サービスよ」

  • 65123/09/16(土) 21:06:45

    >>64

    「ぜひ参加させてくださいっ!…エランさん、あの、いいですか?」

     先走って返事をしてしまったが、エランはこくりと頷いてくれた。スレッタは嬉しくなって、「参加します!」と改めて元気よく返事をした。

    「今日はこれから忙しくなるわね」

     嬉しそうに笑いながら、女将さんは帰っていく。それを見送りながら、スレッタは夢見るようにはぁ…っと息を吐いた。

    「パーティ…楽しみです!」

    「…そうだね」

     スレッタの言葉にエランは小さく笑いながら返事をしてくれる。

     エランさんとパーティ…。

     お城の舞踏会とか、そういうものでない事は分かっている。多分、ホームパーティというものだろう。それでも初めての体験だ。

     スレッタはどんなパーティになるんだろうとドキドキしながら、女将さんが作ってくれた美味しい朝食を、やっぱりにこにこと食べてしまったのだった。


     その日の夜、女将さんに言われた時間に大部屋に行くと、すでにそこはたくさんのご馳走でテーブルがいっぱいになっていた。

    「うわぁ!すごいです」

    「本当。これを一人で作るなんて、彼女はすごい人だね」

     エランも感心したようにテーブルの上の料理を見ている。横を見ればたくさんのジュースの瓶も置いてあって、その綺麗で美味しそうな様子にスレッタは胸が期待に満ち溢れてしまった。

    「スレッタちゃんもカリバンさんも、来てくれたのね。今日はきちんとした集まりというわけではないから、気軽にたくさんお料理を食べて行ってね」

     わざわざ女将さんが話しかけてくれる。スレッタは嬉しくなって「はい!」と元気よく返事をした。

     そこに近づいてくる男の人がいた。とても綺麗なブロンドの髪だ。スレッタが蜂蜜みたいな色だと思っていると、蜂蜜色の彼は親し気に話しかけてきた。

    「こんにちはお嬢さん。うちの宿に泊まってくれてありがとう。いつも年配の方が泊っていることが多いからとっても新鮮だ。そこのハンサムな君もね」

    「ふぇっ、は、はい、どういたしまして…?」

    「…どうも。あなたが女将さんの言っていた方ですね」

     見れば男の人は女将さんにそっくりの顔をしていた。彼が今回のパーティの主役らしい。

    「うん、最近まで遠くの場所で修行してたんだよ。ようやく形になってきたから、この村の力になりたくて帰って来たのさ」

    「わぁ、素敵ですね」

    「………」

  • 66二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 00:40:07

    何の修行なんだろう?料理人?

  • 67123/09/17(日) 07:00:08

    おはようございますスレ主です

    ここに来てうっかりミスを発見したので報告しておきます

    なんと>>65にて女将さんにスレッタの本名を言わせていました。偽名を使う関係上今まで気を付けてはいたんですが、とうとうやってしまいました

    一部分だけ直すことはできないので、ちょっと恥ずかしいですがこのままにしておこうかと思います

    改めてtelegraに移動するときなどは直しておきますのでどうかご了承くださいませ


    >>66

    感想ありがとうございます

    実は修行というのは彼なりのユーモアになりまして、本来ならもっと別の言い回しが似合う職種だったりします

    次の回にはもう答えが出るのですが、少し文章の確認をしますので今すぐにではなく昼過ぎに更新予定となります



    ではまた

  • 68123/09/17(日) 14:13:55

    >>65

     聞けばなんと、彼は医療の技術を学んできたのだという。大きな街と違って農村は常に医者不足だ。それを解消するために子供の頃から頑張って勉強をしていたらしい。

     すでに医療所も大体の準備を整えて、この夏から開業するそうだ。メインは訪問診療とのことだが、少し先の町の病院とも連携ができるように根回しもしているという。

    「時間はかかったけど、子供の頃からの夢がようやく叶いそうだ。このパーティはその幸せのおすそ分けってところかな。料理を作ったのは母さんだけどね」

     じゃあ楽しんでいってね、と言いながら、彼は別の宿泊客のところへと歩いて行った。スレッタは今聞いたばかりの話で胸がどきどきしていた。

    「すごい…子供の頃からの夢を。しかも、村を守るためのお医者さんです。とても立派な人ですね」

    「…そうだね、彼はとても頑張ったんだろう。それよりもスカーレット、もう食べ始めている人もいるようだよ。あちらの皿なんか、ほら」

    「あっちょっと行って取ってきます」

     話をはぐらかされたと気付かないまま、スレッタは料理の方へと意識が向いてしまった。

     美味しそうな料理を取り皿にとって、ついでに葡萄の絵の描かれた瓶のジュースをグラスに注ぎ、わくわくとしながらエランの元に戻っていく。

     パーティ会場となっている大きな部屋には料理の乗ったメインテーブルとは別に、落ち着いて食べられるように簡易テーブルが置いてある。エランは2席分の場所を確保してくれていていて、スレッタが戻ると同時に彼も食事を取りに行った。

     スレッタはエランが戻ってくるまで食事をしないで待つことにした。他の宿泊客は数人程度だが、おそらく全員が出席している。年配の人たちみんなが嬉しそうに食べていて、ふと水星でのことが頭に浮かんだ。

     あの過酷な星にいた老人たちも、美味しいものをお腹いっぱいに食べられれば笑顔になれたんだろうか。そう思って少し寂しい気持ちになる。

    「おまたせ」

    「あ、はい。食べましょう、エランさん」

     エランが戻ったことで、暗い雰囲気は霧散した。今はせっかくのパーティなのだから楽しむことにしよう。

     スレッタはいつもの挨拶を言うと、それを見守っていたエランと一緒にグラスを取り、透明な葡萄ジュースを口に含んだ。

  • 69二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 14:47:01

    そっちか~ てっきり家を継ぐものだとばかり

  • 70二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 15:08:42

    スカーレットちゃんワイン飲んじゃってない???

  • 71二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 16:56:19

    ドイツやスイスあたりのチーズ料理は本当に美味しそうですよね。
    スレッタちゃんも水星では食べられなかった新鮮で美味しい料理を堪能してほしいですね。
    今いるところもおそらく多種多様な料理があるところだと思いますけど

  • 72123/09/17(日) 21:53:42

    感想ありがとうございます


    >>69

    お医者さんでした。彼は小さい頃から村が大好きで、せっかくなら村全体の役に立ちたいと思って医者を志しました

    自分の力で実現可能な事をきちんと考え、着実に目標を達成して来たすごい人だったりします

    喋り方は少しチャラっとしてますが、中身はとても実直な男性です


    >>70

    まぁ、そうです。思いきりワインです

    もしかしたらほろ酔いじゃすまないかもしれません(タイトル…!)


    >>71

    実はこのSSの地球はとある理由により地産地消が基本となっていて、今現在の現実の地球より遠くの土地の食材が手に入りにくい状況になっています(流石に中世とか近代ほどではありません)

    しかし情報は手に入るので、遠くの場所の料理でも材料さえ用意できれば再現可能になっています

    そんなわけでスレッタと4号がいる現在地はドイツやスイスとは少し外れているのですが、原材料はそこでも用意できるため容易に再現可能だったりします

    つまり料理上手な女将さんのチーズフォンデュも食べられるのです。素晴らしいですね



    ↓ここから先はご報告です

    実はコメントを頂いてから、どうしても酔っぱらうスレッタが書きたくなってしまったので、2パターン話を用意することにしました

    スレッタVerと4号Verです

    先に書いていたのは4号の方なのですが、こちらは長くなるので先にスレッタの方を公開しようと思います

    しかしまだ実際の文が書き終わっていないので、あと1、2時間ほどしてからのアップとなります

    telegraに移動する時どうするんだと思わないでもないのですが、書きたくなってしまったので仕方ないですね

    そういう訳で、しばしのお時間を頂きます

  • 73123/09/17(日) 23:10:19

    >>68(スレッタVer)

     美味しい。何だか今まで飲んでいた葡萄ジュースとは味も匂いも違う。こちらの方が芳醇で、刺激的だ。

     スレッタはもう一口くいっと飲むと、にこにこしながら料理に手を付け始めた。

     一口食べる。一口飲む。一口食べる。一口飲む。すぐにグラスの中身は無くなってしまう。

    「…スカーレット、もしかしてそのグラスの中身」

    「ふぇ?なんれすかエランさん?」

     気付いた時には世界がグラグラと揺れていて、スレッタはテーブルに突っ伏してしまった。

     揺れるゆれる。ふわふわと。この感覚はとても覚えがある。無重力空間…懐かしき宇宙だ。

     懐かしい…なんて変なの。スレッタはつい1ヶ月前には学園にいたし、数か月前には水星にいたのに。

     水星。スレッタの故郷。スレッタの我が家。意地悪な老人ばかりで、子供の頃は泣いていたばかりいた。

    『最近まで遠くの場所で修行してたんだよ。この村の力になりたくて帰って来たのさ。子供の頃からの夢がようやく叶いそうだ』

     誇らしそうに誰かが話す。すごい人だ。村に何が必要か考えて、長年の地道な努力で勝ち取った誇りだ。

     それに比べて自分はどうだろう。故郷に学校を。そんな目標を掲げていたものの、具体的なプランは何もなかった。今は自分一人だけが美味しい物を食べて幸せな毎日を過ごしている。

     スレッタは悲しくなって、泣いてしまった。ついさっきまで幸せな気分だったのに、今は真逆の気分だった。

     わたし、駄目な子なんです。悪い子なんです。そう誰かに訴えてみる。

     ───悪い子じゃないよ、きみはとてもいい子だ。優しくて強くて、素敵な子だよ。

     どこからか、そんな優しい声が聞こえてくる。スレッタが泣きごとを言う度に聞こえてくる。スレッタはその声に、何度も何度も慰められた。


    「おはようスレッタ・マーキュリー」

    「はえ?」

     気付いたらタイムスリップしていた。

     夜だと思っていたのに、もう朝になっている。混乱していると、エランが料理が乗ったトレーを手にもっている。ものすごく見覚えのある料理だ。

    「ごはん、食べられそうなら温めて来るよ。安静にしていて」

     あれ?パーティは?ダンスは?寝ぼけた頭で思っていると、何かがひらりと降ってきた。それを見て、大体の事情を察したスレッタは悲鳴を上げて、頭に響いて突っ伏した。


    『お嬢さん、お酒は程々にね☆村のお医者さんより』

  • 74二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 06:15:24

    泣き上戸なスレッタかわいい! 自分と同じ志を持った人がいると比べちゃうよね

  • 75123/09/18(月) 07:14:13

    >>74

    感想ありがとうございます。ちょっと長くなります


    お医者さんがあまりに立派すぎてスレッタが勝手にペシャンコになってしまいました

    とはいっても素面だと自分との差に少しだけ悲しくなる程度で済んだのですが、お酒を呑んで負の心がすごく増幅されてしまいました。ちょっとホームシックにも掛かっていたのかもしれません


    スレッタは半分寝ながらメソメソしてたので描写はないですが、傍から見たら弱音を吐く女の子を必死に慰める少年と、脈とか図って体に異常がないか必死に調べるお医者さんがいました。映えある村の患者さん1号です

    女将さんはすっ飛んできましたが、長年の経験から大丈夫だと分かるとすぐに部屋にスレッタを寝かせてくれました

    料理も取り分けてくれて、すぐに温められるように専用の容器に入れておいてくれました。あとはチンするだけでOKの簡単仕様です(4号でも出来ます)

    実はスレッタに対してすごーく甘い言葉も4号は言ってくれていたのですが、残念なことに彼女はあまり記憶が残らないタイプなのでした…




    ↓ここから先はちょっとしたご報告になります

    4号の酔い方については4号Verにてお目見えしますが、ちょっと長くなるので端切れ話としては最長となります

    だらだらと酔っぱらう4号を書くのが面白くて延々と書いていたい気持ちになってしまいました(オチもこれから書きます)

    昼と夜にアップしますが、翌日にも持ち越す長さっぷりです。それでもよければ後でご覧ください


    ではまた

  • 76二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 07:55:57

    4号くんはここでもアニメでも北国出身者っぽいからお酒は強そうですが果たして

  • 77123/09/18(月) 14:36:10

    >>76

    感想ありがとうございます

    出身地的に考えて本来ならお酒メチャツヨのはずなんですよね。本来なら…

    でも実は今年の2月のバレンタインSSでうっかりゲキヨワの描写をしてしまいまして…

    このSSの4号はお酒を飲んだらすぐ酔っちゃうタイプになってしまいました

    おそらく次の次、夜の更新にてどんな感じに酔うのか分かると思います

  • 78123/09/18(月) 14:38:37

    >>68(4号Ver)

     途端にピリッとした刺激が舌を刺し、口の中に果物のような、花のような香りが広がる。香りと一緒に鼻腔も広がったような錯覚を覚えてビックリしていると、その反応に気付いたエランが「どうしたの?」と聞いてきた。

    「えっと、この葡萄ジュース、今まで飲んでたのと何か違うんです」

     戸惑いながらスレッタが答えると、「それはこの村で造ってるワインだよ」と上から声が降ってきた。

     見上げるとすぐ近くにまた蜂蜜色の髪の息子さん…尊敬すべきこの村のお医者さんが立っていた。宿泊客に挨拶を終えて、ゆっくりと歩きながら部屋の雰囲気を楽しんでいたらしい。

    「え、ワイン…お酒なんですか?」

     驚いていると、息子さん兼お医者さんは「そうだよ」と頷いた。

    「この辺りの土地は昔からワイン造りが盛んでね。料理にもよく使われているし、食事と一緒によく出されてるよ。もしかして、飲んだことなかった?」

     食事と一緒に出ていたのは水だったはず。スレッタが目をぱちぱちしていると、エランが「アルコールの類は避けてもらってました」と言ってきた。ここにきて新事実である。

    「そうなの?美味しいのに」

    「僕らはあまり飲みなれていないので、遠慮してたんです」

    「じゃあ今回は単純に母さんが説明し忘れたんだな。準備とかで忙しかったから、すっぽ抜けちゃったんだ。ごめんね」

     2人の会話を聞きながら、スレッタは目の前のお酒をどうすればいいか悩んでいた。エランが飲まない方がいいと判断したのならそれに従うべきだ。でも勿体なくも感じるし…。

     話し込んでいる彼らを前にうーん、と唸っていると、いつの間にか2人がこちらに顔を向けていた。

    「もしかして、ワインの処分に困ってる?」

     エランが聞いてくれるので、スレッタはこくりと頷く。

    「まだ中身がこんなに残ってます。せっかくの特産品なのに、どうしましょう」

     縋るようにエランを見ると、また上から返事が降ってきた。

    「もしよければ、残りを飲んであげようか?」

    「え?」

     言ったのはお医者の彼だ。自分の飲みさしなのに、いいのだろうか。

    「別に飲みかけとか気にしないし。せっかくの母さんの料理が冷めちゃう前にね」

     だから自分が請け負うよ、と脇からワインに手が伸びてきたところで。

    「いえ、僕が代わりに処分します」

     目の前に大きな手がすっと伸びて、エランがグラスを掴んでいた。

  • 79二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 21:22:05

    おやおや?4号君、いいのかい?

  • 80123/09/18(月) 22:18:00

    >>79

    ホントは良くないのですがこの時の4号は何となく後に引けなくなってました。スレッタの縋るような眼差しに自分が何とかしなきゃと思ったのでしょう。あと大人のいい男を前にして男の子の負けん気が発動していました

    本人的には『(お酒はマトモに飲んだことないけど、きっと大丈夫だろう)』と珍しく楽観的に思っていたのですが…


    まぁ、推して知るべし、という感じになります

  • 81123/09/18(月) 22:20:04

    >>78

    「飲みなれてないって話だけど、大丈夫かい?」

     心配するお医者さんを前に、エランはワインを一口飲んでから頷いた。

    「大丈夫そうです。僕の水は口を付けてないから、交換しようスカーレット」

    「は、はい。ありがとうございます、エランさん」

     か、関節キス…!いや、どうなのだろう。口を付けた場所は違う気がする。でも十分に可能性はある。

     以前初めてコーヒーをシェアした時も関節キスをしてしまったけれど、やっぱり慣れなくてドキドキしてしまう。

    「自分も料理を取ってこよう。もし気分が悪くなったら言うんだよ」

     お医者さんの頼もしい言葉に「はい!」と笑って答えると、彼はにこりと笑って料理を取りに行った。

     さて、気を取り直して改めて食事の開始だ。スレッタはカトラリーを綺麗な持ち方になるように注意しながら、楽しみにしていた料理に手を付けた。

     サラダもスープもとても美味しい。そのままメインを食べようと思っていると、エランの手が途中で止まっているのに気が付いた。

    「エランさん、食べないんですか?」

     彼はワインのグラスにもう一度口を付けると、おもむろに口を開いた。

    「きみはもう少し男性に対しての警戒心を持つべきだと思う」

    「はぁ」

     突然何だろうか。とは思ったものの、実はこの手のことをエランが言うのは初めてではない。地球に降りたばかりの頃はよく言っていた。

     人と目を合わせてはいけないとか、薄着になってはいけないとか。毎日のように言われていた。もちろん今もそれは守っているし、室内だけど帽子もちゃんと被っている。

     でも今改めて言うべきことなんだろうか…?スレッタは首を傾げてしまう。

     この場所には、優しい宿泊客たちと、料理上手な女将さん、オーナーの旦那さん、尊敬すべきお医者さんしかいないというのに…。

    「男は基本肉食獣だ。隙を見せたらダメだよ。ましてや懐いたりしちゃ絶対ダメ。グエル・ジェタークのように突然プロポーズしてくるかもしれない」

    「え?」

     エランの口からポロリと出た名前にスレッタはビックリした。

    「あの時はエアリアルがいたけど、今のきみは走って逃げるしかないんだから、すぐ捕まっちゃう。そしたらまた手繋ぎされて今度は逃げられないかも…。そんなの絶対ダメ」

    「あの、エランさん?」

    どうしたんですか?と聞こうとしたら、ププッと近くで吹き出す声が聞こえてきた。

  • 82二次元好きの匿名さん23/09/19(火) 05:06:00

    4号の本音が漏れちゃうパターン?

  • 83二次元好きの匿名さん23/09/19(火) 06:51:23

    4号って思ったよりスレッタを幼女かなんかだと思ってる?

  • 84123/09/19(火) 08:12:09

    感想ありがとうございます。本当に毎度のごとくですが長くなります


    >>82

    そうです本音駄々洩れです。普段取り繕っているものがアルコールの力ですべて取っ払われることになり、割と率直にものを言うようになります

    理性ではなく本能が圧倒的に強くなっています。なので普段絶対に口にしない内面もスラスラと出てきます


    >>83

    ある意味正解です。この時点での4号にとってのスレッタは保育園児にとっての『大好きな友達』のようなものです

    常に一緒に居たい。常にそばでくっついていたい。誰かに取られるなんてとんでもない。すれったはぼくといっしょなんだ、ほかのこはちかよっちゃダメ!…本能的にはこんな感じのことをスレッタとその周辺に対して思ってます

    つまり4号の方が精神が幼いのです。フロント脱出編ですと本当に保育園レベルです


    そんな彼がスレッタのことを思う時、無意識に自分と同じくらいのレベルで見てしまいます

    彼にとっては自分と同い年の小さいスレッタちゃんというわけです

    一応彼も理性面ではスレッタはきちんとした年頃の女性だという認識はあり、尊敬すべき女性だと思っています

    でも本能の部分では彼女を自分と釣り合うことの出来る存在だと思いたがっているのです

    ちなみにある意味でグエルもそうです。このSSでの彼は4号にとってのライバルポジです

    モニター越しに見たグエルのプロポーズは4号にとてつもない衝撃を与えました

    自分が介入する隙もなくスレッタを取られる可能性がありましたから、ものすごく怖い出来事として心に刻まれたのです

    なので何かとグエルに対しては対抗心を燃やしてます



    ↓ここから先はご報告です

    またもやうっかり誤字をしてしまいました。『間接キス』を『関節キス』と何回か書いてしまいました。これもtelegraに移動するときは直しておこうと思います

    そして実は次の更新分の文章をどうしても書き直したくなってしまいました。本来なら今日の昼に載せる予定だったものです

    帰ってから速攻で書き直そうと思いますが、もしかしたら本日中の更新に間に合わない可能性もあります

    不甲斐ないスレ主で申し訳ありませんが、なんとか1本のストーリーとなるように纏めたいと思いますので、今回の端切れ話の4号Verの続きは少しお時間を頂きたいと思います


    ではまた

  • 85二次元好きの匿名さん23/09/19(火) 15:55:03

    保守

  • 86123/09/19(火) 20:02:24

    保守ありがとうございます。スレ主です
    端末を家に置き忘れたまま出ておりました。出先でメチャクチャ焦りました
    何とか12時間過ぎる前に帰って来れましたが、途中で保守して頂いて胸を撫で下ろしました。よかった

    ではこれから家の用事を済ませ、SSを書き直してからアップしたいと思います
    少しお待ちくださいませ

  • 87123/09/19(火) 22:58:04

    >>81

     目を向けると、取り皿とワインの瓶を持ったままのお医者さんがニヤニヤした顔で立っていた。

    「そうか、男は危険か~。でもきっと彼女は大丈夫だよ」

    「なぜ?」

    「だって立派な彼氏である君が守ってるじゃないか。自分だったら怖くて近づけないよ。…手繋ぎはダメとか、可愛いな~ププ」

     思い切り笑っている。立派なお医者さんにこんな一面があるなんて…!衝撃を受けるスレッタを余所に、彼は長年の友人のようにエランの隣に座ってきた。

    「僕は彼氏じゃないよ」

     おもむろにエランは言い放った。お医者さんはビックリしたように彼の顔を覗き込んでいる。

    「え、彼氏じゃないの?」

    「彼氏じゃないよ」

     目の前で繰り広げられる会話をどういう顔で聞いたらいいのだろう。分かっていたことだが、改めて言われるとちょっぴりショックである。

     ずん…と心が踏まれたようにスレッタが萎れていると、お医者さんはこちらをチラリと見て、またエランに質問していた。

    「でも君、彼女の事すごく大切にしてるみたいだけど」

    「それはそうだよ、だって実際に大切だし。だから彼女のことは力の限り守るよ」

     僕にとって本当に大事な人なんだ。続けて言われた言葉にぴょこりとスレッタの心が復活する。現金なものである。

     お医者さんはこちらの様子を確認しながらも、エランにちょくちょく話しかける。その度にエランはワイン片手に返事をし続け、その度にスレッタの心は落ち込んだり喜んだりと大忙しになってしまった。

    ───僕が彼女にとっての『危険人物』になる可能性?定義によると思うけど、少なくとも乱暴なことはしないよ。悪口も言ったりしない。約束したから絶対守るよ。

     と自信ありげに答えたかと思えば。

    ───彼女は綺麗な髪色が好きなようだけど、前に僕の髪色が地味でも遠くからちゃんと探してくれるって言ってたよ。だからあなたにも負けないよ。

     何故だか少し生意気そうに勝ち誇ったりもする。

    ───僕の周りは酷い大人ばかりだったから、あんな風にはならないって決めてる。彼女のところも酷かったみたい。正直僕は、彼女に故郷には帰って欲しくないな。

     最後の方は少し憤っているようだった。

     何なんだろうか、これは。もしかして夢なんだろうか。スレッタはドキドキするあまり、途中から会話の内容がよく理解できずにいた。しかし情熱的な言葉を浴びせられているのは間違いなかった。

  • 88二次元好きの匿名さん23/09/20(水) 06:04:32

    4号は酔うと饒舌になるタイプか 本音が駄々漏れじゃないか

  • 89123/09/20(水) 07:47:51

    >>88

    感想ありがとうございます

    はい、おっしゃる通り駄々漏れです。あと普段はうまく隠してる内面の幼さも露出してます

    お医者さんがうまく誘導してくれたので上手いことスレッタに関することだけ言ってくれてます

    でも最低限の自制はこれでも働いている方でして、見知らぬ人を前にピタリと人の名前とか地名とかは言わなくなりました

    敬語は取れてますけど




    今回の端切れ話は次で終わりますが、昼過ぎに投下しにくる予定です

    ではまた

  • 90123/09/20(水) 13:47:36

    >>87

     スレッタはだんだんと体が熱くなってきた。

     顔も燃えるように熱い。心臓がとくとくと動いているのが分かる。これは現実なんだろうか。いや、夢かもしれない。

     次の料理を取りに行くことも出来ずにテーブルに縫い付けられてしまう。水をちびちびと飲むフリをしながら、チラチラと彼らのことを盗み見る。するとお医者さんがスレッタに目配せして小さく頷くのが見えた。…何だろうか?

    「色々と彼女に対しての思いを聞いたけど、まだよく分からない所があるな。率直に言って、君は将来彼女とどうなりたいと思ってるんだい?」

    「将来…?」

    「そう、将来」

     もはやスレッタは耳に全神経を集中していた。ドクドク、ドクドク、あまりに集中したせいか血流の音も聞こえてくる。ドクドク、ドクドク…。

    「僕は…」

    「───」


    「…ーれっと」

    「スカーレット。しっかりして」

    「───あれ?」

     気付いたら、スレッタはテーブルに突っ伏していた。混乱しながら起き上がると、顔を強張らせたエランが覗き込んできた。

    「よかった、きみが突然意識を失ったから、どうしようかと思った…」

    「エランさん…?」

    「ごめんね、ちょっとこっち向いてくれるかな」

    反対側にお医者さんがいて、そちらを向くと脈の確認や呼気の確認。小さなライトを取り出して瞳孔の確認などをしてくれた。

    「うん、異常はないみたいだ。お酒を飲んだ後の記憶は残ってる?」

    「えっと…」

     よく分からないが、お酒を飲んだ後に倒れてしまったらしい。自分は確か、ウキウキしながら取り皿に色々な料理を盛って、エランの待っているテーブルへ座ったはずだ。

     それで、美味しそうな葡萄ジュースを口に含んで…。その後に……あれ?どうしたんだろう。

    「…よく、覚えてません」

     そう言うと、エランとお医者さんは顔を見合わせた。お医者さんは少し残念がっているような、エランは少しホッとしたような顔をしている。…何だろう。

    「まぁ栄えある村の患者さん第一号だからね、大事がなくて何よりだよ」

     その後はみんなで食事を楽しんだ。お医者さんも一旦は持って来たワインのボトルを引っ込めて、普通の水を飲んでいる。

     エランとお医者さんは何故だか仲が良くて、2人で何でもない雑談を話していた。


     その様子をちょっと惜しい気持ちで眺めながら、どうして惜しく思うのか分からずにスレッタは首を傾げたのだった。

  • 91二次元好きの匿名さん23/09/20(水) 17:25:12

    スレッタ、そこを聞き逃したか~

  • 92二次元好きの匿名さん23/09/20(水) 18:51:32

    あらら…ま、あとのお楽しみってことで…

  • 93123/09/20(水) 22:28:33

    感想ありがとうございます


    >>91

    はい、聞き逃しました。しかもきちんと聞いてたはずのそれまでの話もスポンと記憶から抜けてしまいました

    すごく勿体ないことしてます

    ちなみに4号の将来についてのお話はお医者さんはきちんと聞いてました。でもニヤニヤ聞けるほど色ボケた内容でなくむしろお労しい感じだったので、デバガメモードは即終了してます。お医者さんはいい人なのです


    >>92

    4号はスレッタがテーブルに突っ伏してZZZ…となったところで完全に酔いが醒めてしまい、彼女の様子が変なのに気付かなかったことにものすごいショックを受けました

    更にワインを飲んでからの自分の言動もよく覚えており、より一層お酒からは身を引くことになります

    つまり後のお楽しみは残念ながら……あっても遥か先の未来になるでしょう



    ↓ここから先はご報告です

    リクエストSSの1つお酒に酔う終了となります。ラブレターの要素に関しては入れようか迷ったのですが、ものすごく長くなるのでやめておきました。ちょっと思いついたことがあるので、ラブレター関連に関しては別に書くつもりでいます。ただ正式なラブレターでも思慕の詩でもない違う何かになると思います。今回とは違い多分短くなります

    スポーツ勝負と芸術に関してはまだ詳細を詰めてません。もう少々お待ちください

    そして本編なのですが…やっぱりもう少しお時間頂くと思います。遅筆ですいません


    ここからは完全に私事になるのですが、実は仕事先で少々腰を痛めました

    ぎっくり腰とかでは全然ないので大丈夫ではあるのですが、今日1日くらいは大事をとって早めに休もうかと思います



    ではまた

  • 94二次元好きの匿名さん23/09/21(木) 06:18:32

    ゆっくり休んでくださいね
    お大事に

  • 95123/09/21(木) 07:46:13

    >>94

    ありがとうございますスレ主です

    一晩ゆっくりしたらかなり楽になりました

    とは言え絶好調という訳でもないので、今日は出来るだけそっと過ごしたいと思います

  • 96二次元好きの匿名さん23/09/21(木) 09:09:14

    全てが終わったらまたこの村に来てお医者様や村の人達とお酒を呑み交わして欲しいな

  • 97123/09/21(木) 14:08:41

    >>96

    感想ありがとうございます

    実はここ意外と故郷に近かったりします

    ご近所という訳ではないですが、真っ直ぐ目指したら徒歩と路線が途切れた列車でも数日で着く距離です

    車で向かえばもっと早く着きます

    なので里帰りのついでに寄ることは十分に可能だったりします

    花図鑑に載っている、まだ見たことない花を見つける旅に行くことがあれば、ここに寄るのもいいかもしれませんね

    その頃にはお酒を飲んで多少口が軽くなっても問題ない生活をしていることでしょう

  • 98二次元好きの匿名さん23/09/21(木) 21:21:24

    保守

  • 99123/09/21(木) 22:56:01

    保守ありがとうございます

    端切れ話。監禁?編(メモランダムハムスター)

    「エランさん、今日はこれをお願いします」
     そう言ってスレッタから渡されたのは、何の変哲もない買い物用のメモだった。小さな紙片が二つ折りにされ、中身がすぐに見えないようにされている。
    「分かった。仕事終わりに買ってくる」
     エランは受け取ったメモ用紙を無くさないよう別のメモ帳に挟んでポケットへ入れた。
    「ありがとうございます」
     スレッタが律儀にお礼を言ってくれるが、なんてことはない、いつもの朝の風景だ。
     現在、アパートに越してきてから1カ月近くが経っている。
     自由に外に出れないスレッタの代わりに、彼女の欲しい物を購入するのはエランの役目になっていた。
     とは言ってもほとんどは2人で消費する食材や日用品だ。
     大量に物を持ち運ぶための乗り物などは持っていない為、毎日小まめに購入する必要がある。なので買い物用のメモも毎日のように貰っていた。
    「じゃあ行ってくる」
    「はい、いってらっしゃい、エランさん」
     挨拶を交わしてアパートを出る。エランはほんの少しだけポケットに入れたメモ帳を意識しながら、朝の雑多な賑わいの中を歩いていった。

     工場に着くとまずは作業着に着替えていく。途中でメモ帳や端末を私服から作業着のポケットへと入れ替えたり、細々とした品もすぐ使えるように準備しておく。
     端末にもメモ機能はあるが、紙のメモ帳に直接書き込んだほうが手早く済む。なのでエランは防犯用にもなる重めの芯が入ったボールペンと一緒に、仕事中はいつも作業着のポケットへ入れていた。
     最後に鉄板入りのセーフティシューズにも履き替えて、着替えは完了だ。
     すぐにでも仕事を始められるが、少し早く家を出ている為着替え終わってもまだ時間に余裕はある。
     空いた時間があることを幸いに、エランはポケットへ入れたメモ帳をもう一度取り出して紙片を広げた。今朝スレッタから貰った買い物用のメモ用紙だ。
     別に今すぐに読む必要はない。必要はないのだが…。
    「………」
     読み終わった後、買い物用のメモをもう一度丁寧に折ってメモ帳へ仕舞いこんだ。
     傍から見たら何の変哲もないメモ用紙だ。内容だってただの買い物リストに過ぎない。
     けれど。
     エランはほんの少しだけ目を和ませて、この日も仕事を頑張ろうと思っていた。

  • 100二次元好きの匿名さん23/09/22(金) 02:20:53

    おいおい、新婚ほやほやの夫婦みたいになってますやん こっちまでニヤついちゃうよ

  • 101123/09/22(金) 07:24:13

    >>100

    感想ありがとうございます

    ちょうどアパート生活が始まってから1月くらいは、奇跡的に両者のバランスが整って疑似新婚さん状態になっている頃です

    今現在の本編を思うと夢のような時間ですね



    今回の端切れ話は短いながらもあと一編分だけあります

    昼過ぎにアップしに来ますので、よければ後でご覧くださいませ


    ではまた

  • 102123/09/22(金) 14:24:43

    >>99

     スレッタからのメモは、初めはそっけないものだった。欲しい物の名前を書いてあるだけの普通のメモ用紙だったのだ。

     そこに小さなイラストが付いてきたのは、確か新しい調理器具を買い足した時だった。野菜の皮を剥くときに使うピーラーだ。

     その時のエランはピーラーを実際に見た事がなかった。朝食の場でそれを知ったスレッタは、すぐにどんな形のものか描き写してくれた。

     小さくイラスト化された調理器具。けれど特徴はよく捉えていて、エランはすぐに店の売り場でお目当ての品物を見つけることができた。

     よく考えたら端末で調べることもできるし、店員に聞くことだってできる。けれどわざわざ書いてくれたイラストが嬉しくて、その日に買ってきたばかりのピーラーを渡しながら、とても分かりやすかったとスレッタにお礼を言った。

     そうしたら、たまにイラストが付くようになったのだ。

     最初の頃のイラストは書いてある内容を補足するためのものだった。けれど少しずつ花や果物、時にはまったく関係のないイラストが入るようになり、そうしていつの間にかイラストの横に言葉も添えられるようになっていた。

    ───お仕事がんばってください。

    ───暑いから水分補給はしっかりですよ。

    ───この間の果物、とっても美味しかったんでまた食べたいです。…名前は分からないですけど、こんなのです。

     そんな感じの文字がイラストと一緒に書かれているので、エランは何度も見つめてしまう。

     当然、捨てることなんてできなかった。新しく貰ったメモは無くさないように別のメモ帳にしっかりと挟み、家に帰ってからはきちんとケースに入れて保管している。

     他の人からしたらただの買い物リストだろう。けれどエランにとっては宝物だった。一枚一枚、彼女からの大切な気持ちや言葉がこもっていた。

     恐らくスレッタは毎回メモは捨てられていると思っている。エランも普段ものを増やさないようにしている手前、餌を溜め込むリスのようにせっせと紙片を集めているなんて少々バツが悪かった。

     だからこれは、スレッタにも内緒の貯食行動なのだ。

     手のひらに容易に隠せるケースの中に、何枚も重なったメモ用紙。本物の貯食とは違い、エランの場合は保存場所ごと持ち運べるのだから安心だ。


     少しずつ増えてきた紙片を思い、餌を溜め込んだ動物のように、エランは満足げな笑みを浮かべた。

  • 103二次元好きの匿名さん23/09/22(金) 16:23:41

    4号が健気だ……
    あの味気ない部屋が表すように物品にこだわりや執着が無さそうなのに、スレッタからの買い物メモは宝物にするって、可愛すぎると思います。

  • 104二次元好きの匿名さん23/09/22(金) 20:37:27

    スレッタちゃんは文字も絵も丸くて可愛気がします

  • 105123/09/22(金) 22:21:47

    感想ありがとうございます。今回も長くなります


    >>103

    一歩間違えればストーカー気質とも捉えかねないので、印象緩和のためにリスやハムスターがよくやる貯食行動になぞらえてみたりしたのですが、健気で可愛いと言って頂けてホッとしています

    おっしゃる通り4号はあまり物に執着はなく、唯一の大事なものだった哲学書すらスレッタの私物と共に燃やしています

    そんな彼がどうしても捨てることができなかったのがスレッタの書いてくれたメモ達です

    それほど場所を取らないし、ある意味日記代わりにもなるだろうし…とわざわざ捨てない理由を付けて溜め込んでます

    この生活を続けていればケースもいっぱいになってしまうでしょうが、近々また違う土地に行く予定なので暫くは大丈夫だろうという計算もあります

    それでもいよいよ持って行けないほどメモが大量になってしまったら、端末のカメラ機能を使ってデータとしてでも残そうとするでしょう


    >>104

    スレッタが書く字は丸い。共通認識なのかスレ主も同じようなイメージを持っています。ただ字自体は少し下手じゃないかなと思います

    長く書いて行く内にちょっと上下に文字列がズレてしまったり、字の大きさがまちまちになってしまったりするような絶妙な下手さを想像しています

    宇宙ではあまりペンで直接字を書くという体験をすることがないでしょうし、水星ではなおのこと経験がなさそうです。字の綺麗さでは圧倒的に4号に軍配が上がるでしょう

    イラストはデフォルメ的な可愛いものを想像しています。なんとなくですが、少ない線で特徴を的確に表現することができるんじゃないかなと思ってます

  • 106二次元好きの匿名さん23/09/23(土) 06:34:20

    保守

  • 107二次元好きの匿名さん23/09/23(土) 13:46:25

    >>102

    4号の大切なものが少しずつ増えて行くのいいですね

    一冊の本を失うかわりに新しく得るものが多くなる、4号が進んだ事は消して間違いじゃなかった

  • 108123/09/23(土) 15:05:06

    保守と感想ありがとうございます

    今日の朝もスレの寿命が延びたことを確認して元気に家を出ておりました。ちなみに腰はすっかり良くなってます

    今回の感想返しも長くなります。最終回のネタバレもあるのでお気をつけください。まぁ約束されたハッピーエンドなのですが(ネタバレ)


    >>107

    この話の4号はペイルの大人に大切なものを奪われ続け、唯一の家族である従妹の存在すらも忘れて哲学書一冊だけを抱えて生きていました

    そこに1人の風変わりな編入生が現れて、彼女のおかげでほんの少しですが大切な母親の記憶を取り戻し、けれどやはり最後はすべてを奪われる運命にあったのです

    けれどエアリアル君が見せてくれた夢で、彼は本当の本当に大切だと思えるものを見出します

    それはスレッタ・マーキュリーという一人の女の子でした

    彼は哲学書の代わりにスレッタ一人を抱きかかえて逃げる決意をします


    本当に大切なのは彼女だけ。それ以外は捨て置いてもいい。たとえ自分の命でも。

    そう思っていた4号ですが、それに反して大事なものが増え続けていきました

    シャディクとの友情、信頼できる大人との邂逅、家族の記憶、そして何よりスレッタとの数々の思い出です

    心が豊かになってきた彼は、なんと物理的な宝物まで増やす心の余裕が持てるまでになりました

    これからも彼はほんの少しずつではありますが、大切なものが増えていく予定でいます


    最終回の彼は、抱えきれないほどの大切なものに埋もれ、もう身軽に逃げることはできなくなっているかもしれません

    その代わり、きっと幸せな笑顔を浮かべていることでしょう

  • 109二次元好きの匿名さん23/09/23(土) 17:37:18

    >>107

    素敵な感想への感想失礼します。

    スレッタの命と心を守る為とはいえ、取った行動は当初こそ「拉致」と「逃亡」というネガティヴな選択肢でした。けど、確固とした意思による決意で進んだからこそ、このスレ主様の4号はスレッタとか人との関係性でも自分の内面でも大小様々な宝物を得ていってるんだなー…と幸せな気分に浸れました。

  • 110123/09/23(土) 22:01:03

    スレ内にて素敵な交流が始まっていてほっこりします
    他のスレでは普通なことがこのスレでは貴重なことだったりします。つくづく異端なスレだなと思います


    さて残念ながら新しいSSを用意できなかったので今回は益体もない雑談となります

    今日はお休みだったので所用から帰ってからは他のスレにお邪魔したり動画を見たり本編を書き進めていたりしました
    ほぼインドアな遊びに耽っていたのですが、ふと今まで書いたSSの文字数を確認したくなりました
    実は定期的に大体の文字数の確認はしていたのですが、最近は正確に測っていないことに気付いたのです
    結果は本編SS+端切れ話でちょうど30万字を越えたくらいでした。本編だけだと22万~23万の間くらいです

    けっこう書いたなぁと思うのですが、実はまだ本当の本題には入っていません。元スレの部分まで届いていないのです
    そんなことを書いておいて実は元スレの部分はあっさりと数話で終わる可能性が高いのですが、それでも数万字は行くと思います
    最終回を迎えるまでに本編だけで40万字くらいかかるかなと適当に見積もっているのですが、実際どうなるかは書いてみないことには分かりません
    来年の今頃も本編が終わってなかったら笑ってやってください
    ちなみに本編が終わってもこぼれ話やIF話が待ち構えています


    ではまた明日
    良いご報告ができるように今日は寝るまで頑張ってみたいと思います

  • 111二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 01:50:11

    いつも有難うございます。
    膨大な文字数に「おぉっ!」と唸りました。ひとりのチラ見ユーザーとしての言葉ですが……スレ主様、どうか決してご無理はなさらずご自身の生活と体調を最優先にして下さい。今後も丁寧な語り口と他のユーザーの方々とで紡ぎだされる物語や感想を楽しみにしています。

  • 112123/09/24(日) 07:20:38

    >>111

    感想ありがとうございます

    昨日あれから頑張ってはみたものの、実はすぐに睡魔に襲われましてぐっすり眠ってしまいました

    お陰でお肌はツヤツヤすっきり爽快ですが、SSの方はあまり進んでいなかったりします

    良いご報告ができるように…とは何だったのかという話ですが、こんなこともあるさと切り替えていきたいと思います

    という訳でしばらく雑談が続くかもしれませんが、スレ主の少ない話題に付き合って頂けると幸いです



    ではまた

  • 113二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 10:46:22

    保守

  • 114二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 19:07:05

    保守

  • 115二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 19:47:01

    IF話…もしや最初期(7話くらい?)の頃の分岐最速ハピエンルートのことですか?

  • 116123/09/24(日) 22:08:31

    保守と感想ありがとうございます

    昼に一回スレの書き込みに来たのですが保守されていることを幸いに何も書かずに退散しました

    話題の少ない木っ端スレ主ですいません



    >>115

    そうです。体で篭絡する最速ハッピーエンドルートです

    ただこのスレの4スレの初体験描写がそのルートだとちょっと色々と問題だなと思うので、本編SSの直接の続きとなるこぼれ話で2人が結ばれた後に、IFルートとして改めて書こうと思っています

    本当にいつになるのやら分かりませんが、書き進めていけばいつかは辿り着けるはずです


    という訳で今日は頭もスッキリしていますし、何とか本編SSをかなりの部分まで進めたいと思っています

    あとは残りのリクエストSSの構想をそろそろ練らねばいけません

    スポーツ勝負と聞いて最初に思い浮かべたのはなぜかツイスターゲームなのですが、スポーツじゃないしこの2人がツイスターゲームをやることになる経緯も謎だしと速攻却下しました

    変なことを思いつく自分の思考回路に首をかしげながらも、まずは目下のSSを書き進めることにします



    ではまた

  • 117二次元好きの匿名さん23/09/25(月) 06:19:09

    ツイスターゲームをする4スレはちょっと気になるw
    テニスとか2人に合いそうですね

  • 118123/09/25(月) 07:34:38

    >>117

    感想ありがとうございます

    なぜツイスターゲームだったのか己の脳に問い合わせたいですね。確か審判役が必要だった気がするので、マグカップ組でパーティゲームをしていて偶々この組み合わせになったとでも想像しておきます

    そしてテニスは爽やかな2人にはとても似合ってるように思えます。テニスウェアを着ているスレッタは可愛いでしょうね


    何となくのオマケ(ついすたーげーむ)


    シャディク「という訳でツイスターゲームをやるよ!」

    ミオリネ「なにが『という訳で』よ!何なのよこれ」

    グエル「動画で見たことはあるが、実物は初めて見たな」

    スレッタ「こ…これは!アニメで見たことあります!」

    4号「………」


    シャディク「じゃん!くじ引きも作ってみたよ」

    ミオリネ「なに、用意周到じゃない。まだやるとは言ってないわよ」

    グエル「男女混合か?気まずくなりそうだが」

    スレッタ「これはそういうものなんですよ!」

    4号「………」


    シャディク「うーん、ハズレだ。残念」

    ミオリネ「当たりが罰ゲームじゃない。あ、ハズレ。よかった」

    グエル「俺もハズレだ。これって当たり入ってるのか?」

    スレッタ「!あ、あ、当たり…です!」

    4号「僕も当たった。よろしくね、スレッタ・マーキュリー」


    ミオリネ&グエル「!!」


    この後きゃいきゃい言うギャラリーを余所にツイスターゲームをする4スレ。2人とも驚異のバランス感覚でいい所までいくものの、最後はバランスを崩したスレッタの全身を体で受け止めて4号の勝利

    絶叫するミオリネ&グエル+大笑いするシャディクで締め

    …という所まで妄想しました。うーん青春

  • 119123/09/25(月) 14:44:50

    スレ主です。夜までスレが持ちそうにないので何やら書き込みに来ました
    雑談代わりの報告になりますが、本編SSをちょこちょこ書き進めていたところようやく最新話の終わりが見えてきました
    とは言ってもここからが長かったりします。何かが降りて来てものすごく上手くいけば本日中に投稿…できるかもしれませんが、そんなことは滅多にないので恐らく明日か明後日あたりの投稿になると思います

    間の隙間を埋めるエピソードである端切れ話とは違い、本編SSは常に新しい話を開拓することになるので、同じ文章量でもけっこう必要な時間が違くなったりします
    代わりに書き上げた時の達成感も違います。やはり本編SSの方が書いたな…!という気にさせられます。色々と苦労しているからでしょうね
    今回ももうすぐその達成感が味わえるかと思うとちょっとワクワクしています
    話としてはそれほど派手ではなく、むしろすごく地味な話になります。前回が派手派手だったのでその反動でしょう
    とはいえ必要な話でもありますので、投稿されたらよければご覧くださいませ

    ではまた

  • 120二次元好きの匿名さん23/09/25(月) 16:45:13

    端切れ話でほのぼの4スレを味わっていたから本編があの途中だとすっかり忘れてました…
    こういう時にSSを一纏めにしてくれているのが凄く助かります

  • 121123/09/25(月) 21:56:47

    >>120

    ありがとうございます

    シリアスな話が続くと疲れてしまいますので、途中でほのぼのや甘い話も書けるように端切れ話を書き始めたところもあります

    端切れ話を思いつく前は、本編が終わった後と仮定した『こぼれ話』シリーズを書いていました。まだ4号が1人で奮闘していた初期のことなので、単純にイチャイチャが書きたかっただけとも言えます

    しょっぱい物を食べた後に甘い物を食べると無限に食べれてしまうものですが、そんな感じで気分転換しながらSSを書いています


    とはいえ読む方はせっかくの物語の雰囲気が途切れてしまうのを厭う方もいるでしょう。なので今までのスレの冒頭にはこれまでのSSを連続で読めるように載せていました

    専用のページを作ったのはスレの最初がとてつもなく長くなるからだったのですが、結果的により本編SSの世界に浸れるようになったのかもしれません。それにやはり、纏まっているほうがスッキリして読みやすいものですからね。なので助かると言われて嬉しい気分になりました

    端切れ話のほうは後からだと読みにくいと思いますので、本編が終わったタイミングでスレ内に散らばっているそれぞれの話をきちんとまとめておこうと思います



    ↓ここから先はご報告です

    本編SSの最新話がだいぶ形になってきました

    まだ最後の文と全体の形を整える作業が終わっていない状態なので、明日お届けできるか分かりませんが、近日中にはお披露目できるかと思います

    今日もさっそく寝るまで書き進めたいと思います



    ではまた

  • 122二次元好きの匿名さん23/09/26(火) 01:52:18

    最近夜も冷えてきたのであまり無理せず暖かくしてゆっくり進めてください

  • 123123/09/26(火) 07:31:26

    >>122

    お優しいお言葉ありがとうございます

    実はタイムリーなことに最近冷え対策にお腹のマッサージをしてから寝るようにしています

    5分くらいの簡単なものなのですが、これがけっこう気持ちいいです

    お腹がポカポカになってよく眠れる気がします

    これからどんどん涼しく寒くなっていくと思いますので、風邪など引かないよう気を付けていかねばなりませんね



    ではまた

  • 124二次元好きの匿名さん23/09/26(火) 12:42:49

    スポーツ勝負のお題を書いた者ですが、ツイスターゲームは予想してなくて笑ってしまいましたw

  • 125123/09/26(火) 14:01:36

    >>124

    リクエストを書いて頂いた方ですね、いや~、アホなこと書いてすいません(テレテレ

    一応後できちんとしたスポーツ勝負をさせる予定です


    アニメの描写からして学園ではフェンシングの授業はあったと思うのですが、他のスポーツについてはどうなのか考えたりしてます

    おそらく日本の一般的な体育の授業ではなく、ごく狭い範囲の、貴族としての嗜みのような感じで学習に組み込まれていたんじゃないかなと思っています

    これが普通のお貴族様の学校なら乗馬とかが思いつくのですが、宇宙ですからね。あまり動物を使った大規模なものはなさそうです

    せいぜい後はテニスくらいかなと思います。水泳はどうなんでしょう。宇宙飛行士の訓練にも組み込まれているようですし、プールくらいはあるかもしれません

    あとジェタークではスポーツを活発にしているイメージがあります。クラブとか多そうですね

    ここまで書いておいてなんですが、一応上であげたスポーツは候補からは外しています。実際に2人がどんな勝負をするのかはSSが出来るまでのお楽しみです


    ではまた

  • 126二次元好きの匿名さん23/09/26(火) 20:50:49

    ちょくちょく感想の書き込みやリクエストをさせていただいている者です。
    感想の書き込みや保守をしたいのですが、不定期に「ホストが規制されています」とエラーが出て♡も押せない状態になります。
    いつの間にか直っていたり、また規制されたりの繰り返しなのですが何かスレ主様のお気に障ることをしてしまって規制対象に入れられているのでしょうか…?もしそうであれば申し訳ありません。

  • 127123/09/26(火) 21:57:21

    >>126

    書き込みやリクエストをして頂いている方ですね。いつもありがとうございます

    結論から申しますと、スレッドを立ち上げた各スレ主には、そこまでの権限はありません。できるのは立ち上げたスレそのものを削除する権限と、立ち上げたスレに書かれたコメントを削除する権限のみです。あくまで立てたスレや、そのスレに書き込まれたコメントだけにその効力を発揮するものになります

    なのでスレ主が規制対象に選んだとかいうことではありませんので、ご安心くださいませ


    少し詳しく書きますと、例えばとても暴れん坊な困ったスレ住人さんがいたとして、その人だけを自分の立ち上げたスレに入れないようにする…そんなことは出来ない仕様になっています

    そもそもこちらから特定の個人情報を知ることなど出来ません。スレ主とスレ住人という僅かな違いはありますが、出来ることはほぼ同じだからです

    文章を書き込む。画像を上げる。理由によってはレスを削除する。基本的にはこの3つになると思います

    スレを立ち上げた人はそれに加えて立ち上げたスレそのものの削除と、立ち上げたスレに書かれたコメント(これは他の人のコメントも含めます)の削除が行えます

    その代わりに、スレ主でない人でもレスそのものを削除することこそできませんが、♡の横の『報告』ボタンを押せば問題のあるレスを『管理人』さんに報告できると思います


    上にもある通り、『管理人』さんはこのあにまん掲示板そのものの管理運営をしている方になります

    もしかしたら『管理人』さんに規制されるということもあり得なくはないですが、この場合はおそらく普通に掲示板そのものが不安定になっているだけじゃないかな、と思います

    なんせスレ主自身もよく書き込めなくなっていますので


    ちなみにスレ主の場合はよく↓の画像のような画面になります。スレ主は主にパソコンから書き込みしているので、スマホとかだとちょっと表示が違うかもしれません

    この表示ですが、本当にけっこうよく出てきます。更新しようと準備して長い文章も書いていたのに、いざ『投稿するボタン』を押しても↓のような画像が出て書き込みできない…!そんなことになったのは数知れずあります

    どうやらあにまん掲示板は少し書き込みやアクセスが増えると、少し不安定になってしまうようです。そういう時に出て来る表示のようですね

    困ったものです

  • 128二次元好きの匿名さん23/09/26(火) 23:18:11

    >>127


    >>126です。とても詳しくご説明下さりありがとうございます。

    知らぬ間にスレ主様にご無礼を働いてしまったわけではないようで安心しました。


    そもそもスレ主という立場では規制ができないようになっているのですね。無知でお恥ずかしいです…

    教えて下さりありがとうございます。

    そして丁寧にご説明下さるところや、「とても暴れん坊な困ったスレ住人さん」というような表現の柔らかさにやっぱりスレ主様のお人柄が好きだなぁと思いました。

    これからも規制にめげずにちょくちょく書き込みにお邪魔しながら応援していきますので、ご無理のないペースで執筆いただけたらと思います。


    ちなみにご提示いただいた画像のエラーはスマホでも何度か表示されたことがあります。

    (そちらのパターンと「ホストが規制されています」と表示されるパターンを確認しています)

    不安定なのは困りものですが、書き込めるタイミングを見計らいつつスレを存続していきたいですね。


    長々と失礼しました!

  • 129123/09/27(水) 00:17:23

    >>128

    わざわざのご返答ありがとうございます。皆様の優しさによってこのスレは存続できています(ホントに)

    実際にスレを立ち上げてみなければどんなことがスレ主に出来ることなのかは分からないと思いますので、そんなに気にされなくても大丈夫ですよ。分からないことがあればどんどんお聞きになってください


    そういうスレ主もこのSSスレを立ち上げなければ、まさかすべてのコメントの♡の横に削除ボタンが付くなんて思いも寄りませんでした。コメントの内容以外は一緒のデザインになるので、うっかり名前欄を空白にするとどれが自分の書いたレスなのか分からなくなります

    あとは1レス目の♡の隣に真っ赤な(本当に真っ赤な)『スレ削除』ボタンが設置されるのですが、これにも初見は慄いてしまいました

    手が滑ったらスレが元から消えてしまいますからね…。他の方がくれたコメントだって同様です。なので必要ない時はタブレットやスマホで自分のスレを見ないようにはしています

    出先(主に昼)の更新をする時は、タップする場所にとても気を使っています。

    『誤タップ1つでスレ削除』

    こうならない為に普段から注意しているスレ主なのでした



    ↓ここから先はご報告です

    本編SSですが、最初は5000文字くらいのつもりだったのですが、8000文字くらいに増えていました

    それでもほぼ書き上げることができている状態です

    あとは文章の見直し、推敲を何度かしてからアップする予定です

    あいにくと明日は仕事がありますので、朝や昼は難しいかなと思います

    帰ってから調整するとして、恐らく夜更新になります。少しいつもの書き込みの時間より遅くなる可能性はありますが、ご了承くださいませ



    ではまた明日

  • 130二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 06:47:40

    保守

  • 131二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 12:54:58

    携帯回線だと何故かIP規制にひっかかりやすいです wifi回線だと問題ないんですよね

  • 132123/09/27(水) 14:58:14

    保守と感想ありがとうございます


    >>131

    それはもしかしたら規制対象の別の方とたまたま同じIPグループ?になっているのかもしれませんね

    管理人さんがきちんと働いてくれている証でもありますが、特定個人をピンポイントで指定できるものではないらしいので、巻き込まれているのかもしれません

    IPなどの話はまったく詳しくないので↓のスレに書かれていることをそのまま書いてみました。調べてみたらヒットしたスレです

    どうやら同じような方もいらっしゃるようですね。お問い合わせをしたら解除されるかもしれません


    もう3日くらいIP規制されてる|あにまん掲示板bbs.animanch.com
  • 133二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 22:07:21

    保守

  • 134123/09/27(水) 23:47:11

    保守ありがとうございます。最新SS出来上がりました


    28話。最後に残った希望

    ※ものすごく腐敗した治安維持組織の表現が出てきますのでご注意ください


    「───ッ」

     強制的に外から与えられた衝撃に、エラン・ケレスはぱちりと目を瞬かせた。

     ノイズが晴れ、まるで夢から覚めたように視界がクリアになる。

     見れば目の前に自分を殴ってきた人物がいた。

     小さい体を大きく怒らせ、顔を真っ赤にさせている。落ち窪んだ目を吊り上げて、皺をさらに深くさせ、全身で怒りを表している老人だった。

    「クーフェイ老…」

    「俺はこんなことをさせるためにお前を帰したんじゃねぇ!!何だぁその有様は!まるで鬼か修羅にでもなったつもりか!この阿呆ッ!!」

     大きい声で罵られる。相変わらず、老人の口は悪い。エランは寝ぼけたようにパチパチと瞬きをしながら、だんだんと状況を把握してきた。

    「…ぁ…」

     小さく声を漏らし、ゆっくりと周囲を見回す。


    ごめんねスレッタ・マーキュリー─最後に残った希望─※現実のものとはまったく違う腐敗した治安維持組織の表現が出てきますのでご注意ください


    「───ッ」

     強制的に外から与えられた衝撃に、エラン・ケレスはぱちりと目を瞬かせた。

     ノイズが晴れ、まるで夢から覚めたように視界がクリアになる。

     見れば目の前に自分を殴ってきた人物がいた。

     小さい体を大きく怒らせ、顔を真っ赤にさせている。落ち窪んだ目を吊り上げて、皺をさらに深くさせ、全身で怒りを表している老人だった。

    「クーフェイ老…」

    「俺はこんなことをさせるためにお前を帰したんじゃねぇ!!何だぁその有様は!まるで鬼か修羅にでもなったつもりか!この阿呆ッ!!」

     大きい声で罵られる。相変わらず、老人の口は悪い。エランは寝ぼけたようにパチパチと瞬きをしながら、だんだんと状況を把握してきた。

    「…ぁ…」

     小さく声を漏らし、ゆっくりと周囲を見回す。

     スレッタが一生懸命掃除をして綺麗にしてくれていた廊下が血塗れになっていた。壁の所々にも無視できない傷ができている。まるで怪物が暴れた後のようだった。

     そうして少し目線をずらすと、痛みに呻きながら役員の彼が必死に男に呼びかけているのが見えた。男…上役は力なく倒れて動かないままだ。…
    telegra.ph
  • 135二次元好きの匿名さん23/09/28(木) 02:26:43

    4号〜〜〜!!!泣きそうになったよ 死ぬな!!!でも悟りもするな!!!ただの男の子になれるといいね……そしてスレッタかわええ

  • 136123/09/28(木) 07:09:53

    >>135

    感想ありがとうございます

    やらかして大失敗した後の、文字通り死ぬほど落ち込んでシオシオになっている4号をお届けしてみました

    本来はもう少しマイペースというか我が道を往くという感じの性格をしていると思うのですが、この4号は強いストレスに晒された結果とても繊細なことになっています

    彼が普通の男の子になるまでにまだまだ時間がかかる予定です。スレッタには頑張って貰わなければいけません

    次回はスレッタ視点になると思います

  • 137二次元好きの匿名さん23/09/28(木) 07:13:49

    自分の中にある黒い感情と向き合える今の4号ならきっとこの先も大丈夫だ スレッタを導いていける

  • 138123/09/28(木) 13:07:53

    >>137

    感想ありがとうございます

    少なくともこれ以降は反省して暴れまわることはしない4号です

    そして実は今まではスレッタのほうが精神的に4号よりも年上だったので、相手の心を守り行くべき先の導きをする役割は彼女のほうが多かったのです

    ですが、今後はとある理由により立場が逆転することになります

    そうやって少しずつ2人で支え合いながら先に進んでいき、2人で大人になっていく予定です

  • 139二次元好きの匿名さん23/09/28(木) 19:57:52

    すっかり自暴自棄になってたけど、スレッタのおかげで元気になって良かった…

  • 140123/09/28(木) 22:55:16

    >>139

    4号への労わりのお言葉ありがとうございます

    どんなに落ち込んでいてもスレッタのハグ一つで気分が上向きになる。そんな単純な思春期男子4号(成長途中)な最新話でした

    でもまぁ実は4号が初心を思い出して気分が少し上向いただけで、相変わらず現状に変わりはなかったりします。前より確実に使えるお金は少なくなるでしょうし、捕まったけど出られた!じゃあ旅に行こう!とはなりません

    今の2人を取り巻く状況の整理や今後の2人の道行きについては次かその次あたりのお話になる予定です。でも前回の話が一番の底になるので、お気楽に構えて頂いても大丈夫だと思います




    ↓ここから先はご報告です

    明日から裏話の更新などをしつつ、リクエストSSや本編SSを書き進めたいと思います

    ただこの期に及んでまだリクエストSSの内容を決めかねていたりするので、次のSSはちょっと時間がかかる可能性があります

    いつものごとくのんびり更新となりますが、気が向いた時にでも覗きに来てくださると幸いです



    ではまた明日

  • 141二次元好きの匿名さん23/09/29(金) 06:22:01

    保守

  • 142123/09/29(金) 13:28:59

    保守ありがとうございます。お陰様で朝はゆっくり支度など出来ております

    では裏話更新です


    【28話。(最後に残った希望)の裏話】その①

    実はこちらの話は前の話と合わせて1つのエピソードのつもりで書いていました。いつもなら両方の話を27話ということにして、(前編・後編)に分けていたと思います
    しかしどうしてもそれぞれで違うタイトルを付けたかったので、今回は独立した話にしてみました

    『解き放たれた厄災』『最後に残った希望』

    たぶん丸わかりだと思いますが、1つに纏めた場合のタイトルは『パンドラ』。または『パンドラの箱』になっていました。もしかしたらちょっと洒落っ気を出して『パンドーラの箱』にしていたかもしれません
    最初にこの辺りの話を考え出した時、その流れが何だかパンドラの神話に似ているなと思ったので、詳しく話を詰める時にはもうそのイメージで固めていました
    4号自身をパンドラに。そして4号のトラウマ部分の記憶を箱に見立てています。記憶の蓋が開いた4号はその暴力性を露にしましたが、これは箱から飛び出して行ったあらゆる厄の部分に当たります
    そして箱の中に残っていた希望。これは分かりやすくスレッタのことになります。パンドラたる4号にとっての希望は1人の女の子の姿をしている訳です

    ただ最新話のタイトルは、実は投稿する直前になって別のものにしようか少し悩みました…
    前話『解き放たれた厄災』のタイトルを決めた時には、もう次話は『最後に残った希望』というタイトルに決めていたのですが、書いている途中にもっと直球でスレッタのことだと分かる表現にした方がいいのではないか?と思ってしまったのです
    直感的に浮かんできたタイトルは『胸の中の希望』でした
    4号の心の灯火、胸の中に抱く人物たるスレッタのことを分かりやすく思い浮かべられるタイトルになっているかと思います。あと何となくこちらの方が柔らかく優しい印象です
    ただパンドラとしてのモチーフからは少し外れてしまいます。なので色々と考えた末、最初に決めたタイトルで投稿しました
    どちらも気に入っているタイトルなので、非常に悩ましいところでした

  • 143123/09/29(金) 20:40:38

    【28話。(最後に残った希望)の裏話】その②

    このお話でとてつもないお金の亡者っぽい治安組織を出してしまったのですが、実は普段からそんなにお金お金言っているわけではありません
    元々こちらの警備隊はこの辺りの地域を牛耳っているスペーシアンが作った組織という設定です。地域によっては地元の人が主体となって治安維持組織を結成しているところもありますが、こちらはスペーシアン企業が組織の枠組みを作り、地元のアーシアンを採用することで組織運営がされています

    この地域の人たちは大事にされている部類です。アーシアン弾圧急先鋒のベネリットとは違って、この地域を牛耳っているスペーシアン企業はまだ優しく、それなりに裁量権を持たせてくれています
    支配地域下のアーシアンについてのスタンスは、そのグループや企業によってけっこう差がある設定にしています
    積極的に弾圧していたり、自分たちの利益だけを追求していたり、放置だったり、逆に庇護をしていたり、基本的な所だけ抑えて後は自由にやらせているところもあります
    この地域だと一番最後のスタンスが近いです。恐らくスペーシアンに支配されている地域では中々に良い環境だと思います
    そんな訳で自由にやらせている結果、捕まってもお金を出せば何とかなるかもしれない緩い組織が出来上がりました
    でも地元の人たちには頼りにされています。ちょっとお金の誘惑には弱いですが、基本的には真面目に日々の業務を行っているからです

    なら何故今回こんなに意地悪なのかというと、それは4号が外部から来た旅行者で、この地域でのスペーシアンとアーシアンを繋ぐ存在である一族の者…若に手出しをしてしまったからです
    ダメ押しでその一族の家長、若の父からも多額の金を搾り取ってやれ!と言われていたため、大義名分を得た彼らは普段よりちょっと悪役じみた態度になっていました
    治安維持組織としてそれでいいのか?と思わないでもないですが、きちんとした政府下に置かれているわけでもないので、仕方ないのかもしれません。それほど高位の教育が行われていないのも関係しています

    ちなみにお金を最後まで払えなかった場合、正式な裁判はせずに刑務所に相当する場所にいきなりぶち込まれていた可能性がありました
    そうなったら結果的に4号は自ら命を落としていたので、家長さんなどは意地悪したことをすごく後悔していたかもしれません

  • 144二次元好きの匿名さん23/09/29(金) 21:53:53

    ある意味運がよかったのかな
    下手したら有無を言わせず刑務所送りになるところだった

  • 145二次元好きの匿名さん23/09/30(土) 01:15:58

    >>143

    治安や民度はどうしても受けてきた教育による所もあり、若の家族のエランへの対・余所者としての態度という点もわかっています。わかっているけど、元をただせばこれまでの(大半は合意のもとの)火遊びと違い、若の恋慕と嫉妬の暴走が原因なので私の中にいるクーフェイ老が怒っています。

    この憤りも物語が面白いこらこそだとわかっているので、余計にもどかしいです。続きを楽しみにしています!

    本編と関係ないお話もとても楽しみにしています!!

  • 146123/09/30(土) 07:05:28

    感想ありがとうございます


    >>144

    そうですね。元々お金という代替手段があった組織なので、今回はどうにかなったのかもしれません

    ヘタをしたらそのまま刑務所行きです

    むしろ刑務所に入れられる以前に、暴力で報復される可能性すらありました

    ものすごく理不尽ですが、相手はそれをする力を持っていたのです

    なのでクーフェイ老も口を酸っぱくして大人しくしろと言い含めていました。逃げられたら本気にならざるを得ないからです


    >>145

    怒っていただきありがとうございます。クーフェイ老も頷いていることでしょう

    警備隊も若の親も、若が最初にやらかしたのは承知の上で、反撃した4号に嫌がらせをしていました

    白い物でも黒と言えば黒となる。相手はそんな特権階級だったりしたので、4号は本当に運が悪かったのです

    ただ相手も命を奪うような気はありませんでした。刑務所に入れるといっても終身刑ではなく、短くて数か月、長くても1年とか2年とか、それくらいで出て来れたはずです。若がお願いすれば、即日解放された可能性すらあります

    ただ約束の3日間のことを思えば、そんな悠長にしていられる時間はありませんでした

    今回はとてつもなく悪いタイミングが重なって迎えたピンチでした

  • 147二次元好きの匿名さん23/09/30(土) 07:06:02

    保守

  • 148二次元好きの匿名さん23/09/30(土) 14:06:14

    保守

  • 149123/09/30(土) 14:47:02

    保守ありがとうございます

    【28話。(最後に残った希望)の裏話】その③

    ベッコベコに凹んでいる4号ですが、彼がここまで落ち込んでいるのは容赦ない暴力を加えた自分に怯えているからでもあります
    基本的に4号は冷静になるよう努めています。危険なことがあっても常に頭の中で考え続けて対処するよう訓練を受けています
    でも彼は我を忘れました。相手を傷つけて、それをできる自分の力に酔っていました。密かに友情を感じていた相手…役員の彼にも暴力を加えても良しとしていたのです
    正気に戻った4号は後悔しました。そうして許されないだろうけども、せめてと思って謝りました
    そうしたら、相手は許してくれました
    自分も傷つき大切な人も傷つけられながらも、なお4号を慮るようなことを言い、涙の残る顔で笑って送り出してくれたのです
    4号はホッとしながらも、同時に多大なるショックを受けていました
    こんなに優しい人を、友情という名の好意を抱いていた相手を傷つけた自分。それはまさしく怪物のようでした
    なら、一番大事にしているスレッタにも同じことをしてしまうかもしれない。4号は自然とそう考えました
    4号はスレッタに冷たくした過去があります。理不尽にも突っかかり、決闘を取り付けた過去です。未来にも似たようなことが起きないという保証はありません
    もはや自分自身が一番信じられなくなった4号は、自分という脅威からいかにスレッタを守ればいいかと考え続けることになりました

    ちなみにこの4号の暴力性ですが、強いストレスに晒された結果暴発したものです。しかし実は、きちんとしたお手本があり、それを真似した結果でもあったりします
    そう、4号のオリジナルたるエラン・ケレスです
    彼は恐ろしいまでの暴力性を発揮して、当時の4号を救い出しています
    ただ床に伸びていた当時の担当者に止めを刺しただけなのですが、4号の目からはそう見えました。当時のオリジナルは少年だった4号よりも体も大きく、ほんの少しだけ従兄の〇〇兄を思い出させもしました
    脅威だった嫌な大人を排除するその様子を、4号は脳に焼き付け学習していたのです
    結果として4号は記憶のお手本通りに外敵を排除しようとし、その恐ろしさに震え上がることになったのでした
    本来の4号は穏やかでマイペースな少年ですが、その性質が取り戻されるまで、もう少し何らかの経験や時間が必要になるでしょう

  • 150二次元好きの匿名さん23/09/30(土) 20:48:21

    早く平和に暮らして欲しいけどまだまだ終わらないでとも思ってしまう ごめんね4号スレッタ

  • 151123/09/30(土) 22:03:28

    >>150

    感想ありがとうございます

    少しバタバタとはしますが、今後はとある場所で落ち着く予定です

    そこから暫くは平和に暮らしてもらおうと思っています。流石に最終回まで何もないというわけではないですが、バイオレンスなことにはならないはずです

    そしてスレ主の遅筆が原因ではあるのですが、まだまだ本編は終わらない予定です。終わった後も、その後の2人やIF話などが待ち構えているので、時間にしたら長いこと楽しめると思います



    ↓ここから先はご報告です

    ぼちぼちリクエストSSを書き始めました。ただスレ主はそれほどスポーツについて詳しくないので、ふわっとした視点で読んで頂けたらいいなと思います

    いいタイトルがまだ思いつかないのですが、早ければ明日から投下していく予定です。明日の投下がなかったらいいタイトルが思いつかなかったんだなと思っていただければそれで合ってると思います

    端切れ話や本編のタイトルは思いつく時はすぐ思いつくんですが、下手したら本文は出来ているのにタイトルだけ思いつかないという時があるので困ってしまいますね



    ではまた明日

  • 152二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 06:16:29

    保守

  • 153二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 13:32:43

    保守

  • 154二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 14:44:50

    >>151

    スレ主が遅筆だなんて、とんでもない。

    スレ主にも実生活は当然ありますし、そんな中で進捗の報告をこまめにし、その上ひとつひとつのコメントに丁寧な返信を頂いています。

    SSに限らず、スレ主のちょっとした裏話やコメントを日々の楽しみとして拝読させて頂いてます。

  • 155123/10/01(日) 15:14:28

    保守や感想ありがとうございます

    朝の保守には基本的に甘えているスレ主です


    >>154

    嬉しいお言葉ありがとうございます

    実は最初の頃は頂いたレスに関して個別に返信をしていなかったのですが、途中からどうしても我慢できなくなって返信するようになっていました。自分の立てたスレですし、多少はスタンダードから外れてもいいだろうと吹っ切ったからでもあります。なので今見返すと最初のスレの素っ気なさは自分でもビックリしたりします

    たまにこのスレの事をゆったりしていてそこが好きだと褒めて頂くこともありますが、その直接の要因となっているのがこの個別の感想返しかなと思っています


    書き込みに関しては今のところ1日2回はするようにはしています。最初は朝昼晩と3回書き込むようにしていたのですが、保守してくださる方と連携?して不思議なルーチンが出来ているようです

    夜のうちにコメント頂いた際は朝にも書き込むようにしていますが、保守だけですと昼に書き込みをずらしてしまっています。雑談するにも話題が思いつかなかったりしますからね。朝の時間は色々と忙しいですし、とても助かっています

    たまにニアミスしたりもしますが、そんな時はフフッと笑顔になっているスレ主です



    ↓ここから先はご報告です

    リクエストSSですが、何となくタイトルが思い浮かんできました

    仕事から帰ったらさっそく思いついたタイトルを引っ提げて最初の一編を投稿したいと思います

    いつものごとく最初はあまりタイトルに関係ない前振りの話だったりするのですが、明日の投稿から本題に入っていくと思います


    ではまた

  • 156123/10/01(日) 21:57:06

    端切れ話。地球降下編(負けず嫌いの1on1)

     意外なことにスレッタは運動全般が得意である。
     足も速く、体力もあり、ルールを覚えればすぐにどんな競技でも活躍することができる。
     会話中のおどおどとした姿やぼんやりしている姿のイメージが強いのか、いざ運動をしようと動き出すと学園では驚かれることが多かった。
    ───スレッタ先輩すごいです。子供の頃から体を動かしてたんですか?
    ───きっと水星基地には、大規模な体を動かす施設があるんだね!
     地球寮の女子部屋に越してきたばかりの頃、そんな風な会話をしたことを覚えている。答えは前者は『YES』で後者は『NO』だ。
     スレッタは物心ついた頃から母に教わって体を動かしていた。健やかな成長に必要なことだと優しい母に教えられ、ほとんど遊びのような感覚で毎日運動を繰り返していた。
     今思えば、あの頃からモビルスーツのパイロットになることを期待されていたんだろう。母も優秀なパイロットで、亡くなった父も本職ではないがモビルスーツを動かすことができたのだという。
     それに何より、いつもそばにはエアリアルがいてくれていた。スレッタがパイロットになるのは必然ともいえた。
     モビルスーツを操縦するには体力がいる。宇宙空間ではその限りではないが、基本的には重力下で動くことを想定されているからだ。さらに正確に動かすには空間把握力や咄嗟の判断力も必要になる。それらの技能を養うためにも体を動かすことは有用だった。
     なので小さなころのスレッタは、水星基地の一角を走ったり、ストレッチをしたり、毎日忙しなく体を動かしていた。
     水星には大規模なスポーツジムなど存在しない。だからあまり人が居ないところを中心に走っては体を鍛えていた。それでも無人という訳ではないので、大人たちはさぞかし邪魔に思っていただろう。
     オマケに体を動かせばその分お腹も空いてしまう。水星の貴重な食料をたくさん消費する幼いスレッタは、彼らからしてみたら厄介極まりなかったと思う。
     無駄飯ぐらいの役立たず。そんな悪口を言われ続けていたが、母は貴重な物資を分け与え続けてくれた。おかげで成長した今は体も大きく丈夫になった。
     そんなスレッタは、今は母とも離れて地球にいる。訳あって大好きな人と一緒に、見慣れぬ土地を旅をしている最中だった。

  • 157二次元好きの匿名さん23/10/02(月) 06:18:26

    保守

  • 158二次元好きの匿名さん23/10/02(月) 09:15:19

    ディーフェンス!ディーフェンス!

  • 159123/10/02(月) 14:35:06

    保守ありがとうございます。あとオーフェンス!×2までたどり着きませんでした


    >>156

     それを見つけたのは、地球に降りて来てからまだ数日しか経っていない頃だった。

     とある駅で電車を降りたスレッタとエランは、2人で連れ立って宿へ向かっていた。

     手を繋いだままエランの道案内に従いつつ、スレッタは周りの景色をジッと見る。細い道があれば、ついその先を覗き込んだ。

     空き地。植物。ここ数日で見慣れたものが目の端を通り過ぎる。やはり宇宙とは違い、信じられないほど贅沢な土地の使い方だ。

     初日はとても驚いたものだが、何日か経てばスレッタも少しは慣れてきた。土地に対して人が圧倒的に少ないのだ。

     中には誰も住んでいない廃屋がそのままになっている場所もあり、そういう所には近づかないようにとエランに言い含められていた。

     もちろんスレッタはそれを守った。基本的にエランのそばを離れるつもりはなかったので、1人で廃屋に冒険しに行こうとは思わない。

    「あ…」

     そんなスレッタが足を止めたのは、とあるオブジェが目の端に映ったからだ。気付いたエランが不思議そうに振り返ってくる。

    「スカーレット、どうかした?」

    「あ、すいません。ちょっと気になるものがあって…」

     そこは廃屋が建っているわけでも、何もない開けた土地という訳でもない。いくつかの奇妙なオブジェが一定の距離を空けて置かれている場所だった。

     一見すると外に出来たトレーニングジムのような印象を受けるが、スレッタはその正体を知っていた。ライブラリで見たことがあったのだ。

    「あれって、公園…ですよね」

    「そうだね。遊具もいくつか置いてあるみたいだ」

     エランの返答に、そわそわしてしまう。コミックで見たものとは少し形が違うものもあるが、子供のころに憧れていた場所なのだ。

    「…あ、あの」

    「興味あるの?ちょっと見て行こうか」

     すぐにスレッタの言いたいことを察してくれたエランが誘いをかけてくれた。

     時刻はまだ夕刻にもなっていなく、日が沈むまではまだ時間がある。

     スレッタは言われた言葉に一も二もなく頷いて、弾むような足取りで一緒に公園内へ入って行った。

    「それなりに手入れはされてるみたいだね」

     遊具は古くなっているが、植物の方は刈入れられてる。エランはそう言いながらスレッタの手をそっと離してくれた。自由に見て良いということだろう。

  • 160123/10/02(月) 21:50:32

    >>159

     公園内には人がいなかった。誰かが使っている形跡はあるので、今日は偶然誰もいないだけかもしれない。

     せっかくの機会なので実際に遊んでみたい。スレッタはわくわくしながら公園をぐるっと見回した。

     鉄棒。ブランコ。よくライブラリの中の子供たちが遊んでいたものだ。それ以外にも形を変えたジャングルジムのようなものもある。

     あまりエランを待たせる訳にもいかないので、気になる遊具を1、2回だけ試すつもりだ。なら、やはりブランコがいい。

     スレッタはさっそくお目当ての遊具に近づくと、少しサビの浮いた鎖に手を掛け、木で出来た台に慎重に足を乗せてみた。ギィ、と音をさせながら、憧れの遊具は体重をしっかり支えてくれる。

     大丈夫そうだと思ったスレッタは、少しずつブランコを動かしてみた。足を押し込んで前に動かし、後ろに下がった時は足を曲げて、それを交互に繰り返す。

     だんだんと動きが大きくなって、作り出された風が剥き出しの顔に当たるようになる。ギィギィ、キィキィ。軋む音も大きくなり、いつの間にかスレッタは夢中になって漕いでいた。

     すると、ダァン、とブランコとは別の音が響いてきた。音のする方を見ると、少し離れたところでエランが大きめのボールを地面に跳ねさせていた。

     強めの力を加えたのか、ボールはエランの身長より高い所まで跳ね上がる。下に落ちて来たところで腕を上げてキャッチして、今度は何かを確かめるようにダン、ダンと小刻みにボールに手をついて跳ねさせていた。

     スレッタはそのボールの正体を知っていた。バスケットボール。誰かの忘れ物だろう。

     見ればエランの近くには専用のゴールもある。少し奥まったところに設置されていたので、ブランコの方に気を取られて見逃していたのだ。

     ダン、ダン、ギィ、ギィ、それぞれの遊具の音が公園内に響いていく。多分エランは気を使って、もう少しだけ時間をくれているのだと思う。

     彼も楽しんでいるのなら、ただジッと待たれるよりも気が楽だ。スレッタは気が済むまでブランコを漕ぐことにした。

     ギィ、ギィ、ブランコを漕いでいく。風と一緒に視点が変わる景色も楽しみつつ、気が付けばボールを操るエランの方に目をやっていた。

     時間が経つごとに彼のボール捌きが上手くなっているような気がする。

     その様子を見ていると、スレッタは何だかムズムズして堪らなくなった。

  • 161二次元好きの匿名さん23/10/03(火) 05:34:52

    バスケか!1on1といえばそうだよね

  • 162123/10/03(火) 07:44:21

    そうですバスケです。思いついた中でこれが一番勝負っぽいスポーツでした



    >>160

     ギイィッ、大きく軋んだ音を立てて、ブランコが急停止する。スレッタはどうしても我慢できなくなり、台の上で足を突っ張って振り子の運動を止めていた。

    「え、エラン、さん!わたしもそのボール、触らせてもらってもいいですか?」

     そう言って、スレッタはブランコから降りてエランの近くに走って行った。言われた彼はボールを跳ねさせるのを止めて、首を傾げてこちらを見ている。

    「触りたいの?」

    「はい、えっと、あの。ちょっとでいいんです、ちょっとで」

     言葉を追加しながら、スレッタは恥ずかしさで赤くなった。見ている内に、エランの持っているボールで遊びたくなってしまったのだ。

     スレッタは友達という存在を知らずに育った。だから自分と同年代の子が遊ぶ姿を今初めて目にしていた。だんだんと上手になっていくボール捌きが、とてつもなく面白そうな遊びに見えていた。

     彼の持っているボールが欲しい。できれば自分もそれで遊びたい。そんな我が儘な感情が湧いてしまったのだ。

    「いいけど、拾い物だから素手で触らないようにね」

    「は、はい、分かってます」

     欲しがりなスレッタを嗜めることなく、エランはボールを渡してくれた。砂で汚れているオレンジのボールは触ると表面がデコボコしていて、手袋越しでもあまり滑ったりすることはなさそうだった。

    「バスケット用のボールだから、蹴っちゃダメだよ。…バスケって分かる?」

    「わ、分かります!アニメとかコミックで見たことあります。ドリブルして、シュートで、あのゴールのカゴに入れるんです!」

     スレッタが指さしたゴールを見て、エランは納得したように頷いた。このボールは誰かの忘れ物だと思われるので、不当な扱い方をしないか確認したのだろう。

     許可を得たスレッタは、見よう見まねでドリブルをすることにした。正真正銘、初めてのボール遊びだ。

     とりあえずどれくらい跳ねるのか知りたかったので、胸の高さからボールをそのまま落としてみた。タン、という音を立てて、オレンジ色が臍の下あたりまで跳ね返ってくる。けっこうな弾力性だ。

     なんとなく学園のベースユニットであるハロのことを思い出す。本物だったらこんなことはできないな…と思いつつ、スレッタはそのまま手を添えて、タン、タン、と軽くドリブルしてみた。

  • 163123/10/03(火) 14:25:17

    >>162

     最初はたどたどしかったが、次第にコツを掴んできた。適切な強さでボールをつくと、手に吸い込むように跳ね返ってくる。そのまま歩き、大丈夫そうだったので軽く走りながらのドリブルにも挑戦してみる。

     我ながらけっこう上手く出来ていると思う。スレッタは得意な気分になりながらエランを見てみた。彼は他の遊具には誘惑されなかったようで、ボール遊びを見守っている。

     待ってくれているエランの為に適当な所で切り上げようと思うのだが、本音としてはもう少しだけ遊んでいたい。悩んだスレッタは、彼に声を掛けてみることにした。

    「エランさん、勝負…しませんか!?」

    「勝負?」

     コミックで見たことがあるのだ。1対1でバスケをする。他の仲間の手を借りることができない、純粋な実力勝負だ。

    「あちらのゴールに、先に2点入った方が勝ち…とか。勝った人は、えっと、負けた人に何かお願いごとを聞いてもらうとか、どうでしょう」

    「………いいよ」

     エランは少し考え込んでいたようだが、結局は誘いに乗ってくれた。今まで背負っていたバックパックを降ろして身軽になり、ゴールの支柱にワイヤーを取り付けて荷物を括る。これで物を取られる心配もない。ついでにスレッタの荷物も支柱に預かってもらうことにした。

     先攻後攻は交代制で、最初はスレッタがボールを持つ。詳しいルールは知らないが、相手への接触、ダブルドリブル、トラベリング、この3つだけはしないことにして、後は自由となる。

    「では…いきます!」

    「どうぞ」

     そんな宣言から始まったが、意外なほど呆気なくスレッタが初ゴールを決めた。エランがあまり手出しをしてこなかったこともあり、ゴール下に行けた勢いのままボールを放ったら入ったのだ。おそらく偶然だが、ゴールはゴールだ。

     でもスレッタは不満だった。

    「もう、エランさん!真面目にやってくださいっ!」

     彼が遠慮していたのが丸わかりだったので、スレッタはプリプリと怒ってしまう。自分一人だけが真剣では馬鹿みたいだし、まったく楽しくない。ものすごく勝手な物言いだったが、この時は勝負に夢中になっていた。

     流石のエランも少し戸惑ったようだ。パスしたボールを受け取ったあと、すぐにアクションを起こさずに上を向いて何かを考えていた。

     けれど次にまっすぐこちらを見た彼は、ほんの少しだけ笑って宣言した。

    「じゃあ、遠慮なく」

  • 164二次元好きの匿名さん23/10/03(火) 20:09:30

    4号を本気にさせてしまったが果たして

  • 165二次元好きの匿名さん23/10/03(火) 21:56:41

    怒るスレッタかわいい

  • 166123/10/03(火) 22:46:27

    感想ありがとうございます


    >>164

    4号もスレッタと同じように負けず嫌いなので、まぁえげつないことになります

    あとスレッタは正真正銘初心者ですが、4号は一応経験者です

    子供の頃のペイル社での訓練にスポーツの項目もありまして、体作りを兼ねて簡単に習ったことがある、という設定です

    スポーツ系の項目は子供たちが成長すると、重火器訓練に置き換わりました


    >>165

    水星の過酷な環境で物資をたくさん使って作りあげた体…という自負があるので、スレッタは基本的には男子にも負けないと思っています

    貴族の心得的な感じでカリキュラムの中に入っているフェンシングでも、けっこうすぐに学園の男子に勝てるようになりました

    なので手加減されなくてもいい勝負になると思ってます。興奮状態なのでその影響もあります

    そんな(ちょっと分からせたい)スレッタなのでした



    ↓ここから先はご報告です

    この後すぐに最後の一編を投下します

    今回はものすごく文字数オーバーしたので、描写は最低限に削りました

    でも一応問題なく読めると思います

    こちらはtelegraに纏める時に描写をほんの少し加筆するかもしれません

  • 167123/10/03(火) 22:52:03

    >>163

     エランは静かにドリブルを始めると、急にこちらへと迫ってきた。

     動き始めた彼は一歩一歩がすごく大きくスピードもあり、すぐに抜かされそうになる。スレッタも何とか食らいつこうとしたのだが、フェイントに見事に引っかかり、そのままあっさりと抜かれてしまった。

     エランは追いかけるスレッタの姿をチラリと見ると更にスピードを上げ、ゴールから大分離れた所で力強く地面を踏み切った。

     ぽかりと口を開けたままそれを見る。一瞬の滞空の後、ズダンッ!!と大きな音がして、支柱がビィンと揺れていた。

     ダンクシュートだ。

     スレッタのどこかが敗北を認めた。自分ではあそこまで高くジャンプできないし、高度な取引をする技術もない。第一背丈が違うから、よく考えれば元から圧倒的に不利だった。

     でも点数的にはまだイーブンだ。負けを素直に認めるのが悔しくて、スレッタは最後のチャンスに賭けることにした。

     3回戦目。スレッタはすぐにドリブルしようとせず、その場でシュートの構えを取った。生憎今回の1on1では3ポイントではないが、それでもこのシュートが決まれば勝利できる。

     エランはボールを阻止できるように重心を上に浮かせた。実際にシュートをしたらその長い腕でボールを取ろうとしてきただろう。狙い通りだ。スレッタは一瞬で体を沈め、全力でドリブルして彼を抜こうとした。

     けれど。

    「へ」

     ズルリと。急に動いたからか、気が付いたらスレッタは砂に足を滑らせていた。エランが目を丸くして体勢を崩したスレッタを見る。何もしなければスレッタはただ倒れるだけだ。

    「…!」

     それは嫌だ!と思ったスレッタは、倒れかけて曲がった足を先程のブランコのように真っすぐ延ばし、その力を腕に伝えてボールを上に打ち上げた。エランが腕の中にスレッタを抱き込むのと同時に、放物線を描いたボールが綺麗にカゴの中を通って行く。

     ザン、と音を立てたボールが、そのまま地面に落ちてきた。

    「………」

     あれ、入った?混乱したままでいると。

    「……おめでとう。願い事は?」

     スレッタを庇って地面に倒れたエランが、腕の中のスレッタに祝福の言葉を贈ってきた。

     暫くの間呆然としつつ、やがて冷静になったスレッタはその願いを口にした。

    「今日のことは……忘れてください」


    あまりに羽目を外しすぎた…。エランの上に乗ったまま、スレッタは羞恥に慄いた。

  • 168二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 06:36:10

    試合に勝って勝負に負けるとはまさにこの事
    しかし2人とも青春しやがって…もっとしろ!

  • 169123/10/04(水) 08:00:38

    >>168

    感想ありがとうございます。ちょっと長くなります


    試合に勝ち、勝負に負けるor勝負に勝ち、試合に負ける

    そんな感じで4号はスレッタに勝てず、スレッタは4号に勝てないという、不思議なパワーバランスになっている2人です


    今回でスレッタも4号も素敵な思い出が増えました。スレッタ的にはちょっと恥ずかしくもありますが、憧れだった遊具も遊べたし、4号とボール遊びも出来たしとよく考えたら良いことづくめです

    それ以上に良いことづくめだったのは4号だったりします。スレッタが楽しそうだったので、4号自身も楽しんでいました。あと地味にバスケに関する記憶も取り戻しています

    残念ながら綺麗な状態の公園はここ以外見つからなかったりするのですが、また折を見て2人を遊ばせたいなと思います。基本的にこのスレのSSは監禁モノなので、作中では中々その機会がなさそうですけども…

  • 170二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 08:55:14

    あれ?このSS監禁モノだっけ?と思って>>1を確かめたらがっつり監禁編と書かれてました

    端切れ話の青春感で脳ミソがバグりそう…

  • 171123/10/04(水) 15:21:17

    >>170

    そうなんです。ほぼ説明詐欺になっておりますが、実はこの作品監禁モノなのです


    いざ監禁?編が始まった時も散々スレ住人から「(え、監禁…?)(あ…そういえば…)ザワザワ」みたいなコメントを多く頂きました

    宇宙での脱出劇やら地球での旅やらで移動しまくっていたので、書いている方も「(だよね…分かるよ…)」と動揺するスレ住人さんのツッコミに頷いたものです

    表示の仕方が間違っているんじゃないかとたまにスレ主も考えるのですが、でもやっぱりメインというか話の中心点は監禁モノになるよなと全体のストーリーを頭に浮かべるたびに思い直します

    移動している最中も、青春している最中でさえ、基本的にはスレッタは監禁されているのです


    スレッタは基本的に1人で自由に行動することはできません。移動中も常に4号がそばにいて、単独行動は許されていません。常に4号という名の檻に囚われているようなものです

    本来なら息詰まるような立場だと思います。…が、彼女は何だかとても楽しくやれています


    人懐っこく寂しがりやなスレッタは、幼少期から人に邪険にされ、その分家族にピッタリとくっついて過ごしていました。ここで言う家族というのは、ほとんどがエアリアル君(このSSではエリクトではないです)のことです

    彼はスレッタを自分の中に招き入れ、常に一緒に過ごしてきました。仕事中、訓練中、プライベートでリラックスしている時など、起きている間はずっとそばに寄り添ってくれていました

    つまり、スレッタは常に誰か(多くはエアリアル君)がそばにいる状況に慣れているのです

    この常に誰かがそばにいてくれる、『誰か』の立ち位置に4号がスライドして入ったようなものです。なのでスレッタは四六時中一緒でもあまり気にせず、それどころか喜んでさえいます

    でもやっぱり彼女は監禁されています。4号がスレッタを放そうとしない限りそれは続くでしょう。彼女が真に自由になるのは終盤も終盤になる予定です

  • 172二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 22:06:10

    スレッタが真に自由になるのは終盤も終盤かぁ…今は想像もつきませんなあ…

  • 173123/10/04(水) 22:54:02

    >>172

    感想ありがとうございます

    これからも作中で色々とある予定ですので、スレッタの解放までにどれくらいリアル時間が掛かるのかはまったく予想がつきません

    しかし作中の経過時間はもう決めています。具体的な年月などは今は書きませんが、そんなに時間はかからない予定です


    まぁ自由になったスレッタがどこに行くかは彼女の心次第ですが、4号はビックリするでしょう。この辺りは元スレに書かれているそのままの展開にする予定ですので、興味がお有りでしたら覗かれてみるのもいいかもしれません

    >>2の一番上のスレがスレ主を狂わせた珠玉の元スレです(宣伝)。ただし今読むとこの先の展開がある程度分かってしまうと思いますので、その辺りご注意ください

    ちなみにスレ主はその元スレで最後にやらかした大戦犯だったりします…

    この作品を最後までキチンと書き上げることができれば、大好きなスレをうっかりで終わらせてしまった悲しみと後悔から解放されるのかもしれません。一体いつになるのか分かりませんが、少しずつ書き進めていくつもりです




    ↓ここから先はご報告?です

    レス数も後半になりましたので、次のリクエストSSも準備したいと思います

    けれど話を考えようにも、4号の美術系統の才能や技術はどれくらいあるのかさっぱり分かりません

    いまいち想像すらできないので、ここはダイスで決めたいと思います


    4号の絵の腕は?(0~30画伯・31~70普通・71~90上手い・91~100プロ級)


    dice1d100=1 (1)

  • 174二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 22:55:07

    画伯!?

  • 175123/10/04(水) 23:06:40

    4号の圧倒的画伯っぷりに笑ってしまいました
    これならもうスレッタのメモを大事にするしかありません。自分にはない才能の塊ですからね…(『メモランダムハムスター』
    予想外のところで別の端切れ話の解像度が上がってしまいましたが、頑張ってリクエストSSを書いてみようと思います
    もしかしたらちょっとギャグっぽい方向にするかもしれません


    ではまた

  • 176123/10/05(木) 07:26:52

    おはようございます、スレ主です
    昨日投下しようと最新端切れ話のちょっとした裏話を書いていたのですが、うっかり投下を忘れていましたので今放出してしまいます

    【負けず嫌いの1on1】+【静かな夜】の裏話

    突然ですが、端切れ話を書き始めてからけっこう時間が経ちました
    本編で書ききれなかった隙間の出来事を書くために始めたものですが、リクエストSSも兼ねていたため、中々にタイトル数が溜まってきたように思います
    大体は地球降下からどれくらい経ったかとか、アパートに住み始めてどれくらい経ったかなど、大まかな時間経過を書いていましたが、最新の端切れ話である『負けず嫌いの1on1』については、本編の15話『静かな夜』の前日~前々日の話のつもりで書きました
    詳しい時系列としては、1on1の勝負をした日は普通の宿に泊まり、更にその次の日に貨物列車に乗り込んでいます

    スレッタは4号に「今日のことは忘れてください」と頼みましたが、4号は忘れたくありませんでした。お願い事を聞き入れることが出来なかった4号は、代わりにスレッタの「夜行列車に乗ってみたい」という会話の中の何気ない呟きを叶えることにします
    当時の2人がいた場所は、きちんとした夜行列車は運行していませんでした。しかしよくよく駅員から話を聞いてみると、この駅始発の貨物列車なら乗ることができるかもしれない、という情報を得ることができました
    人間はオマケで、主役は荷物になります。当然寝具などないのですが、スレッタに確認すると彼女は貨物列車に強い興味を持った様子でした
    そこで4号は慣れない交渉をして、貨物列車に乗りこむ事にしたのでした

    ちなみに他の端切れ話同様この合間のエピソードについても完全に後付けなのですが、中々整合性が取れているのではないかと思います
    ただ『静かな夜』作中で、放置された公園という記述があるのですが、これは1on1を行った公園以外をその後に見つけたはいいけれど、みんな手入れされずにボロボロだった…と言う事にしておいてください
    本編の記述を変えれば済むことなのですが、変えなくても大丈夫ならそれに越したことはないですので、なるべくその辺りの設定は都合のいいように解釈する方向に持っていきたいと思います
    あんまりにも矛盾するようなら本編か端切れ話の記述を書き換えますが、これくらいは大丈夫だろうと判断しました


    ではまた

  • 177二次元好きの匿名さん23/10/05(木) 14:01:53

    端切れ話を本編の時系列に合わせて読むとより楽しめそうですね!

  • 178123/10/05(木) 15:02:35

    >>177

    ありがとうございます

    実は今地味に答えが出ないのが端切れ話をどういう順番で纏めたらいいのかという問題になります

    時系列順が一番分かりやすいと思うのですが、たまに章を跨いでの端切れ話もありますし時系列をあえて曖昧にしている話もあります。どうしようかなとちょっと悩んでいます

    書いていて唐突に思いついたのですが、その辺りは注意書きで書いておけばいいのかもしれませんね

    何だかちょっと光が見えてきた気がします



    ↓ここから先はご報告です

    4号が画伯と分かってからは大いに笑っていたのですが、そのまま健やかに眠ってしまったので肝心のSSがまだまったく出来ていなかったりします

    何だかモヤモヤとしたイメージが固まってきた段階です。きちんとしたSSとしてお出しするのはもう少し後になると思いますので、少々お待ちくださいませ

    夜にはまた何かの雑談でもしようと思います



    ではまた夜に

  • 179123/10/05(木) 22:06:32

    冒頭だけ出来ました

    端切れ話。監禁?編(名状しがたき贈り物)

     同居人であるエランにお買い物メモを渡すのは、スレッタの大切なお仕事になっている。彼は記憶力がいいので口頭でも問題ないとは思うが、仕事帰りに買い物をしてくれる彼に、わざわざ頭の運動をさせるのは嫌だった。
     なのでスレッタは毎回必要なものをメモに書いてエランに渡していた。最近では、ちょっとした絵やメッセージを付け加えたりしている。
    「きみは絵が上手だね。分かりやすかったから、商品をすぐに見つけられた。ありがとう」
     以前調理器具であるピーラーの絵を補足として描いたら、彼はこんな風に褒めてくれた。それが嬉しくて、たまに買い物メモの補足をするフリでちょっとしたイラストを描いたりしている。
     スレッタは絵が得意な方だ。とはいっても本格的なものではなく、極めてコミック的なデフォルメの効いたものだった。
     人を描いたら少女漫画のようなキラキラしたものになってしまうが、今のところメモに人物を添える予定はないので、スレッタの腕前は完全には披露されないままである。
     それはともかく、メモの端に直接ペンで絵を描くのは、なんだかとても贅沢な気分になれる。地球だと紙はとても安価なので、毎日メモを使い捨てにしても問題ない。これはすごい事だと思う。
     なので今日も遠慮なくせっせとイラストを描き上がる。そうしていると、たまに色を付けたくなる衝動が湧くこともある。
     あまり物を増やしたくないので、色付きのペンなどを買う予定はない。その代わり活躍するのはスレッタの持つ端末だ。
     無料でダウンロードできるイラストソフトがあるので、それを使ってカラフルな絵を描く。わざわざ絵具を買わなくてもいいので大助かりである。
     エランが仕事に出たすぐ後に描くこともあるし、彼が帰る直前に描いていることもある。
     ちょっとした空き時間ができた時、さらに気が向いた時に端末を取り出すのだ。スレッタが絵を描く時間はまったくの不定期だった。
     その日、エランは休みだった。朝食を食べた後、少し部屋で休むと言った彼と別れ、スレッタはお気に入りのソファに座って端末を操作していた。
     端末購入の際に付いてきた付属のペンで画面を擦ると、その部分に色がついていく。スレッタは鼻歌混じりで別の色を追加したり、あるいは架空の水で色を伸ばしたりして、自分好みの色彩にしていった。

  • 180二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 05:33:08

    保守

  • 181123/10/06(金) 13:21:05

    朝の保守ありがとうございます


    >>179

    「すごいね。綺麗な絵だ」

    「わっエラン、さん!」

     いつの間にダイニングに来ていたのか、気付けばエランが背後に居て、ジッと端末画面を見つめていた。

     マグカップを持っているから、コーヒーのお代わりを入れに来たんだろう。彼はスレッタの驚きように目をぱちりと瞬かせると、すぐに目を伏せて申し訳なさそうな顔をした。

    「驚かせてごめん。でも、とても綺麗な色が見えたから、気になって…」

    「い、いえ、大丈夫です」

     大袈裟に驚くのはスレッタの癖のようなものだし、別に見られて困る変な絵を描いていた訳でもない。さすがにそんな絵を描くときは自室に籠る。

     それよりもエランに言われた『綺麗』という言葉にスレッタはときめいた。エランはあまり可愛いとか綺麗とか、女の子が喜ぶ言葉を使わない。たまに使ったとしても、スレッタとは関係ない景色とかについてだった。

     だから自分の生み出したものを『綺麗』と言われるのは、とても嬉しい気持ちになった。

    「最近、ちょっとした空き時間に絵を描いてるんです。簡単なものですけど、専用のアプリを使えば色も塗れるんですよ」

     そう言って、実際に画面上で色を選択して塗ってみる。無料のソフトなので機能は制限されるが、それでも筆で塗ったような自然な仕上がりにすることができる。…まぁ、スレッタは実際の筆を握ったことはないのだが、多分遜色はないと思う。

    「これで簡単なの?まるで本当の画家の絵のようだけど」

     目の前でチョコチョコと色を塗って見せると、エランはほう…、と息を吐いて、本気で感心しているように褒めてくれる。

     いや…本気なのだろう。彼はあまりおべっかを使わない、正直な人なのだから。

    「えへへ、…えへへへっ」

     そんな風に言われてしまえば、自分としてはもはやニコニコするしかない。むしろ嬉しすぎて傍目から見たらニヤニヤしているかもしれない。

     ちょっと危険だ、と思ったスレッタは、話題を少し変えてみることにした。

    「エランさんは、どんな絵を描くんですか?」

    「僕?」

    「はい。よければ教えてください」

     何となく写実的な絵を描くイメージがある。彼は何でもできる人だから、それなりに上手い絵をさらりと描きそうだ。けれどスレッタの言葉に戸惑ったようにエランは口ごもり。

    「その…よく分からない」

     絵を描いたことがないから。と返事をした。

  • 182二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 21:02:47

    保守

  • 183123/10/06(金) 21:46:24

    保守ありがとうございます


    >>181

    「描いたこと…ないんですか?」

    「僕の記憶の範囲では、そうだね」

     スレッタの言葉に頷いたあと、エランは少し考えて更に補足をしてくれた。

    「ペイルでの学習には芸術に関するものはなかったんだ。学園の授業でもパイロット科には機械製図の項目もないし、必要ないと判断されたんだろう。技術的な技法も特に教わりもしなかった。ペイルに行く前のことは…まだよく思い出せないけど。絵を描く暇があったら外に遊びに行っていたと思う」

     子供の頃のエランはアクティブに行動していたようだ。今の落ち着いた彼とは少しイメージが違うが、小さなころの男の子はそんなものなのかもしれない。

     それよりもペイル社でのことがスレッタは気になった。まれにエランはペイル社に引き取られた後のことを話してくれる時があるが、なんだか無味乾燥で、子供の成育環境としてどうだろうと思うエピソードがよくあった。

     スレッタは先ほどの得意になった気持ちもへにゃりと萎み、眉も同じように下げてしまった。けれどそれは一瞬で終わりにして、すぐに笑顔になるとエランに提案してみた。

    「じゃあ、今描いてみませんか?」

    「いま?」

    「はい。モチーフは何でもいいんです。思い出のものでも、想像したものでも。見本が必要なら家の中のものでも何でもです。エランさんの持ってるマグカップでもいいですよ」

     そう言いながら、スレッタはエランに自分の持っている端末を渡した。イラストソフトは立ち上げたままにしているので、そのまま線の太さの変更、色の付け方などの基本的な操作を教えてみる。

     エランは戸惑っているようだったが、拒否の姿勢は見せなかった。スレッタに言われるがまま、何度か付属のペンで綺麗な字を書いたり、何もないキャンパスに色を付けたりしている。

     大体の操作方法を覚えた彼は、やがてこくりと頷いた。

    「じゃあ…描いてみる」

    「はい。楽しみにしてますね」

     スレッタはその様子に微笑みながら頷き返した。なんだか今のエランが、幼い子供のように見えていたからだ。

     実際に彼は絵を初めて描くのだから、その印象は間違っていないのかもしれない。

     たとえ少しばかり下手でも、笑ったりせず、いい所を見つけていっぱい褒めてあげよう…。

     お姉さん風を吹かせながら、スレッタはニコニコと絵を描くエランの様子を見守っていた。

  • 184二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 06:21:00

    バスケと違ってここぞとばかりにお姉ちゃん風吹かすスレッタかわいい

  • 185123/10/07(土) 07:07:23

    >>184

    感想ありがとうございます

    絵に関してはスレッタの方が一日の長がありますので、今は心に余裕があります

    すぐにそんな余裕は吹き飛ぶことになります


    ちなみに水星時代もスレッタは絵を描いていた設定です。エアリアル君に内蔵されているソフトの中にはお絵描き用のものもありまして、手でパネルをタッチしてお絵描きを楽しんでました

    主にライブラリで見たコミックやアニメを真似していたので、スレッタの画力は現代の小中学生くらいはあると思います。クラスで何人かいるくらいの画力です

    ただアド・ステラ時代には大っぴらにアニメ絵を描いている人はいないと思うので、周りの人と比べたらスレッタの絵は上手い方になっています。メカニックの製図関係は除いてという注釈は付きますが、それでも十分です

  • 186123/10/07(土) 07:10:15

    >>183

     エランはすぐに描き始めずに、ゆらゆらと付属のペンを遊ばせ、何を描こうか考えているようだった。

     スレッタはその間もジッと見ていたかったが、気が散っては悪いと思って台所の掃除でもしていることにした。

    「エランさん、わたしは近くで作業してますから、何かあれば気軽に呼んでくださいね」

     こう言っておけば声を掛けやすくなるはずだ。彼が頷くのも見て、スレッタはまずはシンクをピカピカに磨き上げようと腕まくりをした。

     それから程なく、時間にして10分も経っていないだろう。エランが声を掛けてきた。

    「スレッタ・マーキュリー。とりあえず、1つは描けたよ」

    「わ、本当ですか。見せてもらってもいいですか?」

     シンクの掃除も終わり、食器を拭き上げようとしていたスレッタは、いそいそとエランのそばに近寄った。

    「どうぞ」

    「ありがとうございます」

     端末を差し出してくれるので、期待に目を輝かせながら覗き込む。すると。

    「………」

     名状しがたき物体が、そこにいた。

    「どうかな」

     少し落ち着かない様子のエランが感想を聞いてくる。

    「………」

     スレッタはなんと答えていいのか分からずに、暫しの間固まった。

     その物体は、歪な丸いボールの下にブラシのようなものが付いていた。

     ボールの中にはやたらと目力の強い───よく創作で出てくる砂漠の国の壁画の、力強い目に反して何の感情も伺わせないアレに似た───独特の目が1つだけ描いてある。

     おそらく、これは顔だ。しかし、体と思わしき部分は謎の物体が付いている。ワシャワシャと先の長さが不揃いに描かれたブラシ。そうとしか思えないものが歪なボールにくっ付けてある。

     一応色も塗ってあるのだが、ほぼすべてが茶色にコーティングされ、ブラシの一部分だけが何故か赤く塗られていた。

     せっかくの色付きなのに、絵に描かれたモノの正体看破をする役に立っていない。それどころか何だか毒々しく、見ていると不安になってくる色使いだった。

     どうしよう…と思ってエランを見ると、彼は期待の眼差しでこちらを見ていた。心なしかいつもよりも目がキラキラしている。

     うぐ…っ!とスレッタは謎の精神ダメージを受けた。よく分からない物体だとしても、彼の最初のイラストなのだ。何かコメントを…できれば誉め言葉を口に出してあげたい。

  • 187123/10/07(土) 13:23:58

    >>186

     どこから来るのか分からない謎のプレッシャーに押されるように、スレッタは声を出してみた。

    「わ、わぁ。よく描けてますよえらんさん!これは、えっと、すぐに名前が出てこないですけど。でも、見本も見ずに描けるなんてすごいですよ~」

     探り探りで褒めていく。もしこれの正体がスレッタを見本に描いたものだったら号泣しよう。そう心に決めていた。

    「ありがとう。もう一月くらい前の事だけど、案外覚えているものだね」

     エランの口からヒントが出た。一月前…。旅をしている最中だ。

     こんなモンスターに出会った記憶がないスレッタは、つい「一月前…?」と声を出してしまっていた。訝し気な声音に得心がいったようにエランは頷く。

    「確かに色々とあったから、もっと前に感じるかもしれないね。でも確かに一月前だよ。きみと一緒に子犬を拾ったのは」

    「!!」

     特大ヒント…!と言うかむしろ答え…答え…?が出た。それ以外に選択肢がない。

    「あの時の、わんちゃん…ですね……?」

    「うん。ちょっと足を長く描きすぎたかもしれないけど。あの時の子犬だよ」

     言われてみれば拾った子犬は茶色かった。もっと薄いクリーム色だったような気がするが、まぁ誤差とも言える。

     ブラシのようなワシャワシャは、子犬が足を動かす様を表しているのだろう。コミカルな作品では偶に見る手法だ。

     答えを得ると、きちんと犬に見え…見える…かもしれない…と思えることができた。でもこの赤色は何だろう。子犬は怪我をしていただろうか。

    「エランさん、この赤色は…?」

    「ああ、それは子犬のお腹が虫に刺されていたところだよ。丸く腫れて、赤くなってたから」

    「そう…なんですね?」

     なんと赤い部分は足ではないらしい。心なしかその部分だけ先が丸みを帯びているような気もする。微妙な描き分けの違いを、スレッタは気づくことができなかった。

    「もう少し描いてみようかな。スレッタ・マーキュリー、端末を暫く借りていても大丈夫?」

     エランがやる気になっている。こんな彼は珍しいので、スレッタは一も二もなく頷いた。説明されれば納得はできるし、似たような絵を見せられても大丈夫だと思えた。

     実際に見せられた時の、精神的ダメージを考えていなかったのだ。

     その後は、怒涛の未知なるイラストが待っていた。

  • 188二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 17:20:23

    てっきりスレッタを描いたとばかり…まんまとスレ主様に踊らされたw

  • 189二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 18:19:47

    驚異の画力1に対してそれだけのダメージで済んでいるスレッタはすごいなぁ…
    TRPGものだったら繋がったらダメなものと繋がってそうな画伯なのに

  • 190123/10/07(土) 19:08:34

    >>187

     次に見せられたのは、スレッタの苦手な芋虫や、見たことはあっても食べたことのない魚介類の卵のイラストだった。

    「ふぁッ!!…エランさん、これって旅の途中で見た…」

    「そう。きみが僕に作ってくれた花冠と、勝負した時のバスケットボール。ボールには砂が付いていたから、それも描いて…。あ、ごめん。バスケの方は忘れるんだった。そっちは消しておくね」

     次に見せられたのは、血だらけで目が一つ目の怪物と、同じく一つ目で全身紫色の怪物だった。

    「ひェッ!い、いえ…エランさん、片方はじぇいそんさん…ですか?」

    「いや、グエル・ジェタークとシャディク・ゼネリだよ。そろそろ人にも挑戦しようと思ったんだ。シャディク・ゼネリの方は似合うと思う色を塗ってみたけれど、ちょっと濃く塗りすぎたな。でもグエル・ジェタークの方は忠実に描けたと思う。確かにジェイソンとは体格が似ているね」

     そんなことを言いながら、筆が乗った彼は次々とクリーチャーを作り出していく。コツを掴んだと思ったのか、主に犠牲となるのは学園での生徒たちだ。

     ミオリネは全身を水色で塗られて狂暴そうな牙を生やしていたし、他の決闘委員会のメンバーもそれぞれ個性的なクリーチャーっぷりだった。気が付けばどんどん奇妙な作品が量産されていた。

     スレッタはすっかり慣れないツッコミに疲れてしまった。彼もたくさん描いて疲れたのか、次で終わりにすると宣言した。

     今のところ彼の描いたイラストの予想は全部外れている。次もきっと驚くんだろうな…。そう思っていると、最後の絵が描き上がったようだった。

    「できたよ。スレッタ・マーキュリー」

    「…はい」

     当初の目的だった褒めることを忘れ、身構えながら端末を覗き込む。すると飛び込んできた絵に、スレッタは目をパチッと見開いた。

    「ぁ…。これ…わたしとエランさん、ですか…?」

    「そう、よく描けたと思う」

     そう言ってはにかみながら差し出された端末には、ピンクの髪の女の子と青い髪の男の子が並んでいた。

     一つ目は山を描いたような細い曲線になっている。あの虚無を形にしたような瞳を閉じるだけで、随分と印象が可愛らしくなる。

     仲良く笑い合う彼らに、スレッタは心奪われたように見入ってしまった。

    「…どうかな?」

    「素敵な絵です。エランさん」


     何も考えずにするりと出てきた誉め言葉に、彼は嬉しそうに目を細めた。

  • 191123/10/07(土) 19:24:28

    感想ありがとうございます

    あと一編で終了だったので、感想返しより先にSSの方を上げておきました


    >>188

    実は一番最初にスレッタを描こうか4号本人は悩んでいました

    しかしいきなり描いて失敗するのは嫌だったので、先に旅の間で印象に残ったものを描いて様子を見ることにしました

    多分すぐにスレッタを描いていたら彼女を落ち込ませていたと思います


    >>189

    名状しがたきとタイトルに書いていますが、絵に関してのみ感性がちょっと人とは違う、くらいに留めておきました

    本格的に異界へとつながるような画力を表現できる気がしませんので、何かよく分からん…と困惑する感じにしておきました



    ↓ところで、今日は実は休日だったのですが、久々にお絵かきソフトを立ち上げてみました

    文章だけではよく分からないだろうと、4号画伯の子犬の絵を描いてみました

    実際はもっとこう不安を煽るような絵を想像しているのですが、スレ住人さんを恐怖させてはいけないので可愛らしい感じにしています

    よければ参考までにご覧ください


    それとスレも後半も後半になりましたので、この後何かコメントなどがあればその流れで新しいスレを作ると思います

    まったく何のコメントもなければ明日になる予定です

    では

  • 192二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 19:44:48

    4号画伯の絵が想像以上の破壊力だった……しかも、実物はさらに上!?
    これをなんとか褒められたスレッタえらい!がんばったね

  • 193123/10/07(土) 21:20:33

    >>192

    感想ありがとうございます

    スレッタガンバッタの巻でした


    ちなみにスレッタが足を動かすコミカルな表現(を描こうとして失敗したん)だろうと思っていたブラシの部分ですが、あのほとんどは足ではなく毛だったりします

    子犬の乱れた毛(短い)を表現しようとしてああなったようです

    きちんと子犬特有の垂れた耳なども描いてあります。一部分だけ抜き出せばあの時の子犬の特徴を備えている小癪な絵だったりします


    4号的には初めてにしてはよく描けたなと大満足の出来でした。その証拠にスレッタも優しく褒めてくれました

    でもこの日以降の彼はあまり絵を描こうとはしていません。いっぱい描いて、最高傑作も生み出せたからもういいやと思ったようです




    ↓ここから先はご報告です

    このスレもいよいよ残り僅かとなりましたので、新しいスレの準備をしようと思います

    順当にいけば【22:00】頃に立てられるはずです

    まだいくらか余裕はありますのでその間にコメントを書いて頂いても大丈夫ですが、次回のスレを載せる分とリクエスト分とで3~4レスほど残して頂くと助かります

    レス数としては196くらいまでですかね。リクエストはあまり多くなっても書ききれなくなってしまいますので、3つ分くらいに留めておこうかと思います


    ではまたすぐに

  • 194123/10/07(土) 22:09:59

    新しいスレが出来ました!


    [閲注・CP注]SS ごめんねスレッタ・マーキュリー(4号×スレッタ)その8|あにまん掲示板こちらはあにまん掲示板で立っていた元スレ「ごめんねスレッタ・マーキュリー」を参考にしたSSや独自設定などを掲載するスレのその8です6話以降のエラン4号がスレッタを誘拐、逃避行の末監禁するストーリーにな…bbs.animanch.com

    ではこちらの残りのレスにてリクエストを受付したいと思います

    あまり数があっても書ききれませんので、 【先着順で3つ】 までとさせて頂きます

    リクエストなんてないよという場合には埋めて頂いても構いません


    新しいスレでもまたよろしくお願いします

  • 195二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 22:10:51

    いつも楽しみにさせて頂いています。
    リクエストさせて頂くなら、「天体観測する二人」をスレ主様の文章で読めると嬉しいです。

  • 196二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 22:20:25

    スレ立てお疲れさまでした
    リクエストは「頭を撫でる」を希望します。どちらからでも構いません

  • 197二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 22:30:51

    犠牲となるのは学園の生徒たちだ。
    で笑いましたw
    4号、形状がおかしいだけでなく色もイメージで塗るとは…

  • 198二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 23:10:23

    たておつ埋め

  • 199二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 00:22:26

    「芸術の秋」というお題でリクエストさせていただいた者です!滑り込みになってしまいすみません。書いてくださってありがとうございます!

    ダイスで4号が画伯に決まった時点で既に面白かったのですが、その実力を見せつけられて終始声を出して笑いながら読んでしまいましたwwこんな笑える文章まで書けるなんてスレ主さんは多才ですね!
    そして画伯の描いた子犬の絵のイメージでスレッタの苦労が察せられると同時に右下の可愛らしい2人の絵に癒されました。こんな可愛らしい絵も描けるなんて本当にスレ主さん…!

    画伯っぷりに笑ってしまいましたが、母親に褒めてもらいたがる子どものように無邪気な4号に微笑ましい気持ちにもなりました。現在の本編のように思春期を迎える前のまだ精神が幼い頃ですかね。
    一つ前の「負けず嫌いの1on1」ではやりたいことを主張したりぷりぷりと怒るスレッタや、バスケを楽しんでいる4号が見られて良かったです。
    我慢を強いられてきた子達なので沢山我儘を言い合ったり甘えあったりしてほしいです。

    長々と失礼しました!

  • 200二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 09:43:22

    次スレ立てお疲れ様です。ラスト埋めさせていただきます。


    >>181

    さすがにそんな絵を描くときは自室に籠る。

    が地味に気になりました。変な絵を描くことはあるんですね…?果たしてどんな絵を描いているのか気になります。(深い意味はなかったらすみません)


    リクエスト、もしよければ「ハロウィン」でお願いします。そのものずばりのハロウィンが設定的に難しければ、「お菓子」「いたずら」「仮装」「かぼちゃ」など関連する要素だけ抜き出していただいてかまいません。

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