- 1怪文書4回目だから許して21/12/23(木) 21:25:50
あの夏は、妙に暑かった。
だからきっと、これから話す事も、あの夏の、爛れた暑さのせいなのだろう。
「モ〜ルモットく〜ん」
私の愛バが、手を振りながらやってきた。
「なに、タキオン。
今度はどうすればいい?」
「1秒も掛からず返答とは、君もモルモット意識が板に付いてきたねぇ」
彼女の手には、私のストップウォッチ。
「君のためだもの。そりゃね」
なぜ持っているのかはほっといて、ひとまず願いを聞き入れる事にした。
「で、今度は何をするの?
薬?それとも永久に走り続ける?」
またはもっと燃える様な火遊び?
いくらでも、彼女がやることならばやり遂げて見せようとも。
「トレーナー君。
共に、海に行かないか──?」
「えっ ああうん。
いいよ、行こっか」
──これを承認したことは、賢い選択だったろうか。
もう既に私の分も準備は終えていたようで、準備の際にストップウォッチをくすねたらしい。
その日の内に、私達は近くの浜辺にやってきた。
人は繁忙期の割に少なく、なんだか静かだった。 - 2怪文書4回目だから許して21/12/23(木) 21:27:14
海では、実験なんてしなかった。
薬は飲まされなかった。
強制的に運動させられなかった。
あの日タキオンは普通の、女子学生だった。
あれが欲しいこれが食べたい一緒に海を泳ごう近くにホテルをとってあると、
いやホテルは普通はあまりしないと思うけど。
それでも。
普通の、女の子の様だったんだ。
どういうつもりなのかは聞いても教えてくれない。
いつもは何だかんだ教えてくれるのに、今日は頑なだった。
「教えないとも。
それよりも、あれが興味深い!!
ほら、一緒に行くよ!」
こんな風。
夜になって、タキオンが用意していたホテルに向かうと、二人で一部屋だった。
どういう事なのかタキオンに尋ねたら、
「ふぅン、どうやら私の手違いの様だね。
まあいい。今夜はここで一夜を過ごすとしよう」
と返してきた。
タキオンはやっぱりおかしかった。
いつもならもう少し言いそうなものを、あの日はサラッと流した。 - 3怪文書4回目だから許して21/12/23(木) 21:27:44
夜が耽けて、タキオンが寝静まった頃。
少々ホテルが揺れて、タキオンは朧気に目覚めた。
仕事を中断して私はタキオンの元に駆け寄った。
「大丈夫?怖くない?
眠れる?」
朧気な彼女はこう返した。
「あぁー.....うーん......とれーなーくん?
あはは…とれーなーくんだぁ…安心する……」
「トレーナーくぅん……いつもありがとう……わたしから離れずにいてくれて……ありがとう......」
「いつも……いつまでも……一緒にいて………」
この言葉に、私はどう返せばよかったのだろう。
満足したのか、彼女はこれを言って直ぐに眠った。
それ以上はなかった。
翌朝にタキオンに聞いてみても、覚えていないと彼女は言う。
これより先を、踏み込む勇気はなかった。
夏の爛れた暑さのせいにして、私はそっと、心に封をした。 - 4怪文書4回目だから許して21/12/23(木) 21:28:42
おしまいです。
タキオンとモルモットの甘々を書こうと思ったらこうなりました。 - 5怪文書4回目だから許して21/12/23(木) 21:30:46
書いてたらどんどんインモラルな方向に転がっていきました。
性別は固定していませぬ。
ご想像のままに。 - 6怪文書4回目だから許して21/12/23(木) 21:32:11
- 7二次元好きの匿名さん21/12/23(木) 21:39:46
- 8二次元好きの匿名さん21/12/23(木) 21:40:02
- 9二次元好きの匿名さん21/12/23(木) 21:41:17
このレスは削除されています
- 10怪文書4回目だから許して21/12/23(木) 21:42:42
- 11二次元好きの匿名さん21/12/23(木) 21:49:17
甘々タキモルから摂取できる栄養素は確実に存在する
- 12怪文書4回目だから許して21/12/23(木) 21:55:19
Yes Yes!!
- 13二次元好きの匿名さん21/12/23(木) 22:06:44
タキオンと旅館の室内風呂入りたい
- 14怪文書4回目だから許して21/12/23(木) 22:31:55
いい.....
「おや、入らないのかい?」
「何も気にせずに入ったら人としての良識を問われるからね、君がそう言うなら入るよ」
「ふぅ.........いい湯だね」
「そうだねぇ.....時に、トレーナー君?」
「なに?」
「君、全然こっちを向かないじゃないか。
おや、もしかして恥ずかしいのかい??
私の肢体を目に焼きつけるまたとない機会だよ?」
「いや.....だからって.....」
「ほーらほーら見ないのかーい??
怖いのかーい??」
「ああもう、そこまで言うなら!
私にだって意地がある!
見てあげるとも!」
「えっ?ちょっと.....まっ..まってくれたまえ!」
「.................タキオン。
顔.......まっかっかじゃないか」
「え、いや、そんな、そんなわけ.......
んいや!それを言ったら、モルモット君だってそうじゃないか!!」
「うぅ.....そこは痛い.......」
「もう、こんな挑発で見てくるとは、君も弱いねぇ.....」
「今のはタキオンのせいな気もする。
あと狭いからあんまり暴れないで.....」
「なんだいモルモット君は!
私の言うことが聞けないのかい!」
「いや、そういう訳じゃ.......てっうわぁ...!!」
ここまで描きました、あとは頼みます。
- 15二次元好きの匿名さん21/12/23(木) 22:35:48
すごい良い雰囲気だ…
- 16怪文書4回目だから許して21/12/23(木) 22:38:22
お褒めに預かり本当(マジ)うれしぃ!
- 17怪文書4回目だから許して21/12/24(金) 00:34:40
概念くれたらなんか書くかもとだけ、今日は寝ます
- 18怪文書4回目だから許して21/12/24(金) 09:05:04
特に何かないならこのまま落とすかもです。
- 19怪文書4回目だから許して21/12/24(金) 18:37:40
このまま何も投下されなければ最後のage。
別にタキオンじゃなくても書くよ。 - 20二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 00:23:37
- 21怪文書4回目だから許して21/12/25(土) 10:30:57
- 22怪文書4回目だから許して21/12/25(土) 20:23:04
でけたで
- 23怪文書4回目だから許して21/12/25(土) 20:23:22
「時に、モルモット君」
「なに、タキオン」
「本日12月25日、クリスマスはどんな日かな?」
「それは……イエス・キリストの生誕を祝う日……でいいよね」
「まあ合ってはいるのだけど、私が望んでいた回答ではないね」
「え、じゃあなんだい?
君が望んでいた答えって」
「私の口から言わせる気かい!?
それは……すこし……そのぉ」
「随分どもる。君らしくないね。
無理ならゴメンね、考えるよ」
「ああいや、別に言いたくないわけじゃなくて…………」
「えっ……じゃあどうして?」
「はずかしい……からだよ……」
「はずかし……い?」
「せいかいは……恋人たちがいちゃいちゃする日……」
「………いちゃいちゃ……する?」
「うん………」 - 24怪文書4回目だから許して21/12/25(土) 20:24:33
己の書いたSSの解釈違いに苦しみましたが甘々タキオンが我は見たかった
- 25怪文書4回目だから許して21/12/25(土) 20:29:16
結構難産でした
- 26二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 20:29:17
タキオンと聖夜を過ごしてえなぁ
- 27怪文書4回目だから許して21/12/25(土) 20:33:54
普段退廃的な生活してるタキオンがクリスマスだけしおらしくなる概念をいま受信した………