- 1二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 08:07:00
人々が街を行き交う師走。街は年末の行事ラッシュに向けて、鮮やかに彩られていきます。
宇宙からやってきた怪獣の子供あにまんまんも、その様子を見て目を輝かせていました。
「わあ!町がクリスマス模様になってるゲー!アニメや漫画で見てたけど、本物の雰囲気もワクワクしちゃうゲな!」
自分の星にいた頃にも同じような風習はあったが、地球のクリスマスは初めてのあにまんまん。
日々クリスマスに向かっていく街並みに心を躍らせながら、1つの案をおもいつきました。
「そうだ!仲良くなったみんなにプレゼントを配るゲー♪サンタさんの格好もしてみたかったし、いい機会だゲー♪」
あにまんまんはさっそく準備に取り掛かりました。
まずは、プレゼントを選ぶのに弟のあにまんキッドに相談します。
「クリスマスにみんなにプレゼントを渡そうと思うんだゲー。漫画やアニメで見るサプライズにちょっと興味あるから、その日いきなり渡そうと思うんだけど、何がいいと思うゲー?」
「ワオ!!ステキな考えだね?!そうだね、みんなに配るなら消えモノが良いとおもうな!」
「お菓子とかって事だゲな?」
「そう!でも、好みもあるだろうからちょっとづつ中身を変えたほうがいいかもしれないね?」
「参考になったゲー」
あにまんキッドの助言を受けてプレゼントに小さなお菓子を詰めた小袋を作り、サンタっぽい服を買い……そうしてやってきた12月24日、クリスマスイブの朝。
あにまんまんは用意した服に着替えて、プレゼントのお菓子を詰めた袋を担ぎました。
「準備完了だゲー。さっそく、みんなにプレゼントを配っていくゲー!」
*ただのほのぼのSSです
*このSSは割と勝手な設定や解釈をもとに書かれています
*このスレ内の出来事と設定は、あくまでこのスレ内でのみ通用するものとして扱っていただけると幸いです - 2二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 08:08:08
ひとまずご近所さんから渡していこうと決めたあにまんまんは、クリスマスの歌を歌いながら歩きます。
「ジングルゲー♪ジングルゲー♪すっずっがーなるー♪」
まだ早い時間、そこまで出歩く人がいない中で歌声を上げるさまは見慣れていなければ不審者。
しかし、幸いにもここに住んで三か月近くたっているため、あにまんまんが本日遭遇する第一あにまん民のほうから声をかけてもらえました。
「おはよう、あにまんまん君。ご機嫌だね?」
「あっ、あにおじさんだゲー!おはようだゲー これ、ぼくからのクリスマスプレゼントですゲー」
大きなプレゼント袋から差し出された小袋を、あにおじは「ありがとう」と言いながら受け取りました。
「朝からプレゼントを配っているだなんて、仕事熱心なサンタさんだね。お菓子か……おやつの時間にいただくよ」
「あにおじさんは今日もお仕事ですゲー?無理しないで行ってらっしゃいだゲー!」
「うん、ありがとう。じゃあ、行ってきます」
手を振って仕事に向かうあにおじを見送ったら、あにまんまんはまた歌いながら町を練り歩いていきました。
「きーいよーしー♪こーのよーるー♪」
「The stars shine!そう、私のように! でも今は朝よ、おはよう!」
「ニジケイちゃん、おはようだゲー」
第二あにまん民発見。ニジケイです。
「あにまんまんもXmasムードね、いい事だわ!」
「地球のことが気になっているから、楽しいことは一緒に楽しみたいんだゲー。あ、こちらプレゼントですゲー」
「あら、なにかしら?」 - 3二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 08:08:43
差し出された小袋を受け取ったニジケイは、ニッコリと笑みを浮かべました。
「まあ、おいしそうなsweetね!」
「クッキーに、マシュマロとか飴もあるんだゲー」
「ありがと、いただくわ」
手持ちのカバンにプレゼントの小袋を詰めるニジケイをみて、あにまんまんはふと首をかしげました。
「そういえば、今日ってまだ学生のみんなは学校なんだゲ?」
「ンー……つくもは今日終業式だって言ってたきがするわ」
「ニジケイちゃんは?」
「私の学生服は趣味よ」
手元のタバコを揺らす姿に、あにまんまんはそれ以上の言及を避けました。
人の謎をむやみに暴く必要はありません。あにまんまんは気遣いのできる怪獣でした。
そんな気遣いをよそに、ニジケイはふと浮かんだ疑問をあにまんまんに投げます。
「ンー?プレゼントを配るなら、パーティーでみんなを集めてもよかったんじゃない?」
「それはちょっと考えたけどやめたんだゲー。一緒に過ごす人を選ぶ日だと思ったから、プレゼントだけくばることにしたんだゲー」
「そう?Darlingは呼べば来るだろうし、もしやるならお呼ばれしたかったんだけど」
「アニマはクリスマスになにか用事があるらしいゲー。早寝早起きもしなきゃって言ってたゲー」
「用事はともかく、おじいちゃんみたいな生態のDarlingも可愛いわね! じゃあ、私はもう行くわ!サンタさんFightよ!」
「ありがとうゲー!頑張るゲー!」
ニジケイと別れたあにまんまんは、その後も朝の活動を開始したあにまん民たちにプレゼントを配っていきました。 - 4二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 08:09:15
「メスドラフお姉さん、おはようだゲー!こちらクリスマスプレゼントですゲー」
「おはよぉー。寒い朝だけど嬉しくなっちゃうねぇ。ありがとぉ~」
「つくもちゃん、メリークリスマスだゲー♪プレゼントどうぞですゲー」
「あなたのことは嫌いですが、くれるというならいただきます……どうも」
「ツチノコくん、おはようだゲー なんだか辛そうだけど、おうちにいなくて大丈夫ゲー?」
「お、おはようノコ……ノコ……寒くて冬眠しかかってたから、ご飯なくなりかけてたノコ……」
「これ、クリスマスプレゼントのお菓子だゲー。今ちょっとでも食べて元気になってほしいゲー」
「アニータくん、メリークリスマスだゲー!……朝から釣りに行ってたんだゲー?」
「うん、朝マズメを狙ってみたんだ。大漁だったよ」
「それは良かったゲー!あ、これはクリスマスプレゼントですゲー」
「あっ、イカさんだゲー!おはようございますゲー」
「あにまんまんくんじゃなイカ」
「今日もお仕事ですゲー?これ、クリスマスプレゼントにお菓子包んでるんだゲー!おひとつどうぞですゲー」
「アニマストラスくん、おはようだゲー!朝だし、お仕事終わりゲな?」
「はい、さっきまでクリスマスネタの漫画を催促しに行ってました」
「おつかれさまだゲー。これ、クリスマスプレゼンだゲー♪メリークリスマス!」
様々な理由で朝を往く人々にプレゼントを配っていったあにまんまん。
日が高くなってきてからは徐々にご近所から足を延ばして、街中にはいない人々にもプレゼントを渡していきます。 - 5二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 08:09:48
「チコリータくん、メリークリスマスだゲー!これはプレゼントだゲー……お菓子、食べられるゲー?」
「最高じゃあないっすか……」
「大丈夫そうならよかったゲー」
「マリンちゃん、クリスマスプレゼントどうぞですゲー」キュポン ぐいっ ガポン
「もうそんな時期なの?……色々と突っ込みどころがあるけどモノ自体は受け取るわ」
「おとちくちくくん、こんにちはだゲー!今地球はクリスマスだから、クリスマスプレゼントのお届けだゲー」
「母星に戻っちゃったボクにもくれるの?ありがとう、メリークリスマス!……ねえ、お友達のリンリンちゃんに手紙を出そうと思ってたんだけどいつ出そうか迷ってたんだ!……君に預けてもいい?」
「星間郵便はちょっと大変だし、勇気がいるゲな。お預かりするゲー」
そうして宇宙まで足を延ばしたあにまんまんが帰ってきた頃には、地球はもう夕方になっていました。
あと渡せていないのは、お昼までに遭遇しなかった僅か数名のみ。
夜の時間を邪魔しないためにも、あにまんまんは急ぎます。
「リンリンちゃん、キップーギーくん、メリークリスマスだゲー!」
(こんにちは、メリークリスマスヨ)
「クリスマスプレゼントのお菓子をお届けに来たゲー♪ワンちゃん用もありますゲー。それと、おとちくちくくんからお手紙だゲー」
「ワンワン!」
「こんばんはだゲー♪アニマヤクザさんにクリスマスプレゼントのお菓子……ゲゲーッ?!」
「……なんだ、てめえだったか……年末でピリピリしてる事務所なんてガキの来るとこじゃねえぞ」
「ゲー……斬られるかと思ったゲー。あ、こちらお菓子ですゲー」
「管理人ちゃん、メリークリスマスですゲー♪」
「はいはいメリクリメリクリ。なんか配るって聞いたからどうせ来ると思ってましたよ」
「こちらプレゼントですゲー。今日もまとめと管理お疲れ様だゲー、無理しないでゲー」
「無理はしたくないのでしませんよー……そろそろ暗くなってきましたし、そちらも夜更かしせずとっとと帰ってくださいね」
いる場所に予測のつく人たちの場所を巡った後、用意したけど渡せなかったプレゼントはマスター・アニマとあにまんキッドのふたりぶんだけになっていました。 - 6二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 08:10:11
「……でも、もう夜に近いゲー。大事な人と過ごすつもりなら申し訳ないしどうするかゲー」
少し迷ってから、あにまんまんは自分の家に一度帰ることにしました。
管理人ちゃんに促されたからというのもありますが、少しだけ、ほんの少しだけ期待があったのです。
あにまんまんの家は、カギをかけて電気を消してあったはずなのに明かりがともっていました。
ドアノブに手をかけ、開けます。
「ただいまだゲー」
玄関に入った直後、パンパンとクラッカーの音とともに探した二人の声が響きました。
「メリークリスマス、父上!」
「ワオ!メリークリスマス!! あにまんまんサンタさんお疲れ様!前に漫画とかにあるサプライズにちょっと興味あるっていってたから、ボクたちからはサプライズパーティーをプレゼントさ!!兄さんは誕生日にこっち来ちゃったから誕生日パーティーは遠いし、クリスマスに合わせてみたんだ!!ワオ!!!」
二人の心遣いに、あにまんまんは嬉しくなって言いました。
「ありがとう、とっても素敵なクリスマスプレゼントだゲー!」
「……叔父上に全部言われてしまった。 とにかく、そういうわけです父上。夕餉の準備を整えています。おいしいものをたくさん用意していますから、居間に向かいましょう」
「はーいだゲー♪」
喜ばせようとしてくれたプレゼントほど、うれしいものはありません。
それが、相手のことを考えてのものならなおのこと。
その夜開かれた小さなクリスマスパーティーを、あにまんまんはけして忘れないでしょう。
~END~ - 7二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 08:10:56
スレ画も本文もかわいくて癒された
あにまんまんなのに - 8二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 08:11:57
- 9二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 08:12:14
あ"あ"あ"~~ かわいいんじゃあぁぁぁ!!!
- 10二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 08:17:40
みんなかわいくて平和で癒されたし心が洗われた……
ただチコリータのセリフだけはめっちゃ笑ってしまった - 11二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 08:19:06
かわいいゲー…
- 12二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 09:32:56
めっちゃ癒されたじゃないかチクショウ…
- 13二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 09:35:15
チコリータがチコリータじゃねえ...
- 14二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 09:38:28
かわいい……
- 15二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 10:30:21
何気に下半身を描いてるの草
- 16二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 10:43:57
かわいくて好き
- 17二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 11:11:30
めちゃ細いから多分原作のペナッとした足を参考にしてるやつ
- 18二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 13:32:08
めっちゃかわいいSSだったよぉぉ!!
プレゼント配り回るあにまんまん可愛かったし、色んなオリキャラが見れて良かった!
あにまんキッドやマスアニの関係性がエモかったり、チコリータのセリフは笑った
素敵なプレゼントありがとう! - 19二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 13:41:28
癒されるクリスマスプレゼントだ…
- 20二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 13:43:10
チコリータは多分デンジ成分があるんだろうな
- 21二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 18:50:57
性の時間の前にほのぼのを上げておくか……
- 22二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 19:39:41
そういえばキップーギーって誰だろう。初めて聞いた
- 23二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 21:19:43
- 24二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 21:22:04
凄い細かい所のネタまで拾ってるのね。驚いたわ
- 25二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 22:00:35
数時間の間に宇宙まで行って帰って来てるんだよなあにまんまん
とんでもない技術力だ - 26二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 22:24:32
あにまんからこんなハートフルなSSが現れるだなんて・・・
ほっこりした - 27二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 22:26:19
あにまんまんが可愛くて複雑な気持ち
- 28二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 22:32:46
管理人ちゃんがいいキャラしてるな
キツイ言葉なのは相変わらずだけど、きちんと心配してるのが保護者みたいだ