- 1二次元好きの匿名さん21/08/31(火) 17:27:35
学園の中庭にある花壇は生徒内で分担して世話をしている。
今日は私たちのクラスの担当の日なのだが……。
「ほらキング早く早く。遅れちゃうよ~?」
「……いつもそんな風に勤勉だと助かるのだけど」
「え~?セイちゃんはいつも真面目ですよ~」
私は大きなため息をついた。
中庭に出るとスカイさんが張り切っている理由が出迎えてくれた。
「スカイさん。それにキングさんも。お手伝いありがとうございます」
「にゃはは~、フラワーのためだったらどこへでも参上するよ~?」
「もう!スカイさんってば、調子いいんですから」
そう言いつつも頬が緩んでいるフラワーさん。
まあ、スカイさんのほうはその比ではないくらい浮かれているわけだが。
フラワーさんの指示通り水を汲んできてじょうろで撒く。
少し離れた場所で楽しそうに談笑する二人を観察する。
スカイさんはレース絡みのものはともかく、こういった美化作業などにはあまり協力的ではないし、それどころか平然とさぼったりもする。
ただ、フラワーさんが関わると途端に積極的になる。
本人は隠しているつもりらしいが、少なくとも同期のみんなにはバレバレだった。 - 2二次元好きの匿名さん21/08/31(火) 17:28:01
ふと視界にある花壇が目に入る。
その花壇には白とピンクの丸い花が咲いていた。
つい見入っているといつの間にか近くにいたフラワーさんに声をかけられた。
「どうしたんですかキングさん?」
「ああ、ごめんなさい少し花を見ていたの。これってヒナギクよね?」
すると小柄なフラワーさんの頭上からスカイさんが口をはさんできた。
「違うよ~キング、それはデイジーだよ~」
「えっ、そんなはずは……」
「私フラワーとはよく花を見に行くからちょっと詳しいんだよね~。ヒナギクはそっちの花びらが重なってない白い花のほう」
スカイさんが指さした花壇には言葉通りの花が咲いていた。
でも私は小さいころお母さまがデイジーの花を飾っているのを見たことがある。
もしかして私の勘違いだったのでは?
思い悩んでいるとフラワーさんの咎める声がした。
「もうっ!からかったらダメですよスカイさん!」
「にゃはは、キングがいい反応してくれるからつい……」
きょとんとしているとフラワーさんが説明をしてくれた。
「両方ともデイジーでもありヒナギクですよ。デイジーの和名がヒナギクというだけです」
「そ、そうなんだ……」
急に力が抜けてしまう。 - 3二次元好きの匿名さん21/08/31(火) 17:28:13
フラワーさんがしゃがみこみ、一輪のデイジーを撫でる。
「私、この花が一番好きなんです」
どうして、と聞くのも野暮に思われるほど彼女の目は優しかった。
スカイさんもフラワーさんの隣にしゃがみこむ。
「私も好きだよ、この花」
デイジーを撫でているフラワーさんの手にスカイさんの手が重なる。
「なら、よかったです」
私の存在を忘れてしまったかのような二人に苦笑しつつ口を開く。
「それじゃあ作業が終わったことは私が報告しておくから、このまま解散でいいかしら?」
「え、みんなで報告に行かなくていいの?」
不思議そうな顔のスカイさんに向けてにやりと笑みを浮かべる。
「もうしばらく二人でイチャイチャしていても大丈夫って言ったのよ」
「な、ちょ、キング!?」
からかうように二人に向かってひらひらと手を振って駆け出す。
顔を真っ赤にしてもなお重なったままの手と花。
二人の未来が希望に溢れたものだといいなあとなんとなくそう思った。 - 4二次元好きの匿名さん21/08/31(火) 17:29:05
ニシノミライとニシノヒナギクとニシノデイジーをなんとか入れようとしたらこんな感じになりました
お目汚し失礼しました - 5二次元好きの匿名さん21/08/31(火) 17:30:08
ああああああ
好き - 6二次元好きの匿名さん21/08/31(火) 17:30:30
貴公のフラウンスのおかげで余は愛する我が国を滅ぼさずにすんだ
礼を言うぞ、名も知らぬ貴公… - 7二次元好きの匿名さん21/08/31(火) 17:30:52
素晴らしい…
- 8二次元好きの匿名さん21/08/31(火) 17:35:45
前作のスレにいたニシノミライちゃんも見てくれていることを願う
フラウンスもキングスカイも両方好きなんだ…
セイウンスカイ「へんたいキング♡」私、キングヘイローとスカイさんはよく一緒に映画を観る。といっても映画館に行くより部屋でレンタルDVDなどを観ることのほうが多い。今日も私の部屋で鑑賞会をしている。ウララさんも入れて3人で観ることもある…bbs.animanch.com