本当にアタシなんかでいいの?

  • 1二次元好きの匿名さん23/10/21(土) 23:40:14

    dice1d96=92 (92) の1番でいいの?

  • 2二次元好きの匿名さん23/10/21(土) 23:48:03

    難しいとこ引いたな…

  • 3二次元好きの匿名さん23/10/21(土) 23:48:52

    どうすんだよこれ

  • 4二次元好きの匿名さん23/10/21(土) 23:49:21

    一番のこの世界線の地球での友達か

  • 5二次元好きの匿名さん23/10/21(土) 23:49:40

    エミュがんばれ、俺には無理だ

  • 6二次元好きの匿名さん23/10/21(土) 23:50:12

    こういう本来関わりのそんなにキャラどうしのcpが見れるのがダイスのいいとこよね
    (訳:読みたいから書いてくださいお願いします)

  • 7二次元好きの匿名さん23/10/21(土) 23:50:17

    このレスは削除されています

  • 8二次元好きの匿名さん23/10/21(土) 23:50:49

    ネイネオってめっちゃ言いづらいな

  • 9二次元好きの匿名さん23/10/21(土) 23:50:51

    >>6

    (ネオユニはむずいって)

  • 10二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 00:40:20

    >>8

    ネイユニなら

  • 11二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 01:23:29

    「ねえネオ、アンタの一番が、本当にアタシなんかでいいの?」

     口にしてから、気が付いた。それは言うべきではない言葉であったと。
     慌てて口を抑えても、時すでに遅し。
     同じベンチに腰かけるネオユニヴァースは不思議そうにこてんと首を傾げた。

    「アファーマティブ、ネオユニヴァースはナイスネイチャにとっても“APPR”をしているよ」
    「アハハ、うん、アタシもネオと一緒にいるのは心地良い、そうなんだけどね……」

     笑って誤魔化そうと思った。
     けれど、それは出来なかった。
     アタシが、この子に相応しくないと思っていることは、誤魔化せなかった。
     ネオは成績優秀で、キラキラ輝く主人公で、宇宙のような底知れなさを持っていて。
     普通過ぎるアタシとは────大違いだ。
     この子の一番は、もっと特別な何かを持っている誰かであるべきではないのか。
     アタシはそんな、ネオに対しても失礼なことを考えてしまっていた。
     思わず目頭が熱くなり、俯いてしまう。
     すると、頬にそっとひんやりとした感触はふれた。

    「ネガティブ、ナイスネイチャは『勘違い』をしているね」
    「……えっ」
    「ナイスネイチャの作ってくれる『チャーハン』はとっても“GENY”」
    「……でも、チャーハンくらい誰だって」
    「ネオユニヴァースの“CMIN”に“返信”をしてくれた」
    「それだって、アタシじゃなくたってしてくれるでしょ」
    「“ANOI”……ホールドモードに“移行”をするよ」

     そう言うと、ネオはアタシの身体をぎゅっと抱き締めた。
     彼女の冷たい体温に、緊張するアタシの身体の熱さが混ざり合っていくような感覚。
     そして、ネオはアタシの耳元で、そっと呟く。

  • 12二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 01:23:41

    「ハグの感触は……とっても“COMF”」
    「うにゃっ!?」
    「だから“ART”、ナイスネイチャはたくさんの『キラキラ』、持っているよ」
    「……っ」
    「その“シンチレーション”全てが、あなたの『素晴らしい素質』だから」

     その言葉に、ドキリの心臓が高鳴ってしまう。
     流石はネオというべきなのだろうか。
     アタシの悩みは、彼女には全て見透かされていた。
     ……ずるいなあ、アンタにそう言われたら、キラキラがないなんて言えないじゃん。
     気が付けば、アタシは縋るように、彼女に抱き着いていた。
     激しい心臓の鼓動が、ネオに伝わってしまう。
     そしてネオの小さくて静かな鼓動が、アタシに伝わってしまう。
     彼女はアタシへトドメを刺すように、さらに耳元で囁いた。

    「“REQU”、ネオユニヴァースはもっとナイスネイチャと“接触”をしたい」
    「あ……う……」
    「いや、かな?」

     普段通りの表情で問いかけて来るネオ。
     それは、アタシが絶対に断らないだろうという、自信の表れでもあった。
     ────そして実際、アタシに抵抗の余地などなかった。

    「すふぃーら……デス」

     アタシの全面降伏宣言を受けて、ネオは満足そうに笑みを浮かべるのであった。

  • 13二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 01:25:27

    >>11

    >>12

    天才はいる、悔しいが

  • 14二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 02:07:12

    すげえ

  • 15二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 02:11:27

    誇ってくれ、それが手向けだ

  • 16二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 02:11:43

    お見事
    略語の法則とか訳はあるのかしら

  • 17二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 04:25:50

    天晴れだ
    この無茶ダイスからこんな良質なものに出会えるとは

  • 18二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 07:47:26

    >>16

    APPR Appreciate 感謝する

    GENY Gently 優しく(優しい味とかそういう解釈?)

    CMIN Communication コミュニケーション

    ANOI Another Intention 別の意図、もう一つ

    COMF Comfort 快い

    ART All right 大丈夫

    REQU Request 要求

  • 19二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 07:55:26

    ほーなるほどなるほど?
    つまりはネオユニヴァーストレーナーはあにまん民だったってことかな?
    素 晴 ら し い で す ! !

  • 20二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 07:59:18

    不覚にも『素晴らしい素質』でちょっとウルってなった

  • 21二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 12:36:31

    ネオネイとかいう高難度エミュをやり切るのはすごい

  • 22二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 12:50:57

    ネイチャ…マイ、“FRND”…


  • 23二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 12:52:48

    まあマーベラス空間に慣れてるし順応はしやすそうではある

  • 24二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 12:56:59

    >>22

    ネイチャ、この後ドゥラかユキノにビンタされそう

  • 25二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 16:34:11

    >>18

    助かる

  • 26二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 18:40:49

    いやもう、他の子の分も見たくなる仕上がりだぁ…

  • 27二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 18:44:25

    でもねテイオー、dice1d96=92 (92) はアタシが一番だって言ってくれたんだ…

    https://bbs.animanch.com/storage/img/2424107/1

  • 28二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 18:44:52
  • 29二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 18:45:13

    まさかのネオユニ2連打で草

  • 30二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 18:45:29

    これもう純愛だよ!!!!

  • 31二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 18:45:55

    もう知ってる

  • 32二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 18:46:10

    1/96を2回超えてくるユニニ

  • 33二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 18:46:36

    運命だな

  • 34二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 18:47:46

    ネイチャとネオユニヴァースはDSTNだよ

  • 35二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 18:48:23

    ダイス神の愛したカップリング

  • 36二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 18:48:35

    >>27

    テイオー「よくわかんないけどお幸せに!」

  • 37二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 18:49:09

    なにこれ奇跡??

  • 38二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 18:50:29

    難エミュカップリングからの神SS、そして伝説へ…

  • 39二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 18:52:41

    愛は奇跡を超える、はっきりわかんだね

  • 40二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 18:56:54

    いや2回も引き当てて芝

  • 41二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 19:10:21

    育成シナリオが愛の物語なネオユニにぴったりやな

  • 42二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 19:30:02

    ダイス神は気まぐれに奇跡を起こすよね。

  • 43二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 19:32:09

    サイゲ社員このスレ見てくれねぇかな
    時代はネイユニや

  • 44二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 19:36:00

    神に感謝せねばなるまい……
    我が前にこれだけのカプを見せてくれたことを!

  • 45二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 19:43:35

    ワイ >>6 、書き込んだ後の展開で満足して逝く

  • 46二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 21:20:52

    「でもねテイオー……ネオは……アタシが一番だって言ってくれたんだ……っ!」

     さよなら、アタシはそうテイオーに告げて、駆け出した。
     背中に投げかけられるテイオーの、アタシの名前を呼ぶ声。
     何時かはアンタに見せつけてやると思っていた、アタシの背中。
     その時が、まさかこんな時だなんて、思いもしなかった。
     許せなかった。
     今更になってアタシのことを気にかけてくる、テイオーが。
     許せなかった。
     その言葉に、一瞬だけでも揺らいでしまった、アタシ自身が。
     
    「最低だ……アタシ……」

     ネオは一番だと言ってくれたのに。
     何度も愛していると言ってくれたのに。
     アタシは────ネオを一番に、出来ていなかったのかな。
     気が付けば、脚は勝手に屋上へと向かっている。
     そこに行けば、彼女に逢うことが出来るから。
     合わせる顔なんてないはずなのに、今は逢いたいと願ってしまっている。
     目は熱くて、視界は滲んで、頭はぐちゃぐちゃで、胸は張り裂けそうで。
     やっとの想いで、アタシは屋上へと辿り着いた。
     そこには、いた。
     いてくれた、いてしまった。
     こちらを振り向いて、穏やかに微笑むネオが。

    「ハローナイスネイチャ……『泣いてる』をしている?」
    「……ネオッ!」

  • 47二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 21:21:08

     アタシはまるでターボのような勢いで、真正面からネオに飛びついてしまう。
     ネオは少しだけよろめきながらも、しっかりとアタシを抱き止めて、ぎゅっとしてくれた。
     そして何も聞かないで、背中をさすったり、ぽんぽんと軽く叩いてくれる。
     暖かくて、優しくて、穏やかで、荒れ狂っていた心が徐々に静まっていく。

    「“チャンドラセカール限界”は越えられたかな?」
    「……うん、ごめんね、急にこんなこと、迷惑だったよね?」
    「ネガティブ、ネオユニヴァースも“JYVE”、ナイスネイチャと“STTO”したいって思ってたんだ」

     ネオがついてくれた、優しい嘘。
     それが今日この時だけは、鋭い刃となってアタシの胸に突き刺さる。
     耐えきれなくなった弱いアタシは、懺悔するように、小さく言葉を紡いだ。

    「今日ね、昔から憧れていた人が、想いを伝えてくれたんだ」
    「……ナイスネイチャの、“宵の明星”」
    「アタシは、その想いに、一瞬だけ、ほんの一瞬だけ、揺らいじゃったんだ」
    「……」
    「最低だよね……アタシにはネオがいるのに、いてくれているのに……!」

     ああ、なんて無様なんだろう。
     これでネオとの関係が終わっても仕方ない、そんな覚悟のはずなのに。
     この両手は彼女にしがみついたまま、離れようともしなかった。
     こんな醜態を晒しては、きっとネオを呆れ果てるに違いない。
     そして、それを証明するかのように────ネオの手がアタシの背中から離れた。

  • 48二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 21:21:21

    「……っ」

     なんだかんだで、まだ一番だと言ってくれる。
     そんな甘い考えは、あっさりと打ち砕かれてしまう。
     当然だ、ネオがアタシを捨てたんじゃない、アタシがネオを裏切ったんだ。
     だから、アタシも、ネオを解放してあげないと。
     彼女の服を掴んだまま、震えて上手く動かすことの出来ない両手。
     アタシはそれを時間をかけて、ゆっくり、じっくり、惜しむように解く。
     そして手が下に降ろして、唇を嚙みしめて、俯く。
     ネオの顔を見るのが、怖くて、顔を上げられなかった。

    「……ナイスネイチャ」

     ネオの、アタシの名前を呼ぶ声。
     そしてひんやりとした彼女の手が、そっとアタシの顎に触れた。
     そのまま、くいっと、ネオはアタシの顔を持ちあがて、無理矢理顔を合わせる。
     愛おしそうな微笑みで、アタシを見つめていた。
     その顔は徐々に近づいて来て、息がかかりそうになっても、止まることはなくて。

     ────ちゅっ、とネオとアタシの唇が、短く重なった。

  • 49二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 21:21:43

    「……っ!? ネッ、ネオ!?」
    「えへへ、“ファーストコンタクト”をしちゃったね?」
    「いや、そういうことじゃなくて……!?」
    「ビックバン、ネイスネイチャは『初ちゅー』ではなかった?」
    「………………『初ちゅー』デスケド」
    「そっか、それはスフィーラだね」

     ネオは嬉しそうに、そして珍しく顔を少し赤らめて笑う。
     ……ネオでこうなら、アタシはもっと顔が真っ赤になっているに違いない。
     そんな顔を見せるのが恥ずかしくて、アタシはお下げで頬を隠した。
     まあ、こんな近くにいるネオには、殆ど意味なんてないけど。
     考えていたことは全て吹っ飛んでしまい、へなへなとアタシは腰を抜かしてしまう。
     そして、ネオもそれに合わせて屈み、改めてアタシと目を合わせてくれた。

    「“WORR”質量はないんだ、ナイスネイチャから“MAZN”の愛を“受信”しているよ」
    「……でも、アタシの愛は、ちょっとしたことで揺らぐような、偽物だよ」
    「ネガティブ、“GEAT”だよ、ネオユニヴァースはいっぱい『ドキドキ』をしているから」

     そう言って、ネオはアタシの手を取って、自分の胸に押し付けた。
     ふにっ、と慎ましやかでありあがら、柔らかい感触が手のひらに広がる。
     直後────トクトクという、早い鼓動が、伝わって来た。
     ああ、そうなんだ。
     アタシと一緒で、ネオもドキドキして、堪らないんだ。

  • 50二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 21:22:02

    「こんな『ドキドキ』するのに、『偽物』なんて“UNBL”」
    「……そっか、そうだね」

     学園屈指の天才とまで言われるネオの、らしくない稚拙な論理。
     だけどそれは、今のアタシにとっては、どんな偉い博士の言葉よりも信頼出来て。

    「じゃあさ、ネオも、確かめてよ」

     アタシはネオの手を取って、自分の胸に押し付けた。
     ドクドクと、彼女のそれよりも早くて、激しい鼓動が、伝わってしまう。
     ネオは少しだけ驚いたように目を見開くと、嬉しそうな笑みを浮かべた。

    「ミューテフ、ネオユニヴァースの愛も、ちゃんと“送信”出来ているんだね」
    「当たり前じゃん、ネオは、何度も、何度も、一番だって言ってくれたんだから」
    「アファーマティブ、そしてこれからも────“FOEX”、ナイスネイチャが揺らいでも」

     アタシの手をにぎりネオの力が、少しだけ強くなった。
     逃がさない、離さない、そんな強い意志を感じた気がして、心臓が一際飛び跳ねてしまう。
     ネオの瞳はアタシを見ながらも、その先にいる誰かを見つめているようだった。
     
    「ネオユニヴァースは、何回だって『勝ち進む』をする、“TIPS”の、その先へ」

     それはまるで、その誰かに宣戦布告をつきつけているような言葉だった。
     奪い取られる気なんて、さらさらない、そう言わんばかりに。
     ネオの意外な一面を垣間見てしまって、アタシの心臓は、きゅんきゅんと別の高鳴りを見せてしまう。
     そのことに気づいたのか、ネオは少しだけ勝ち誇ったような笑みで、アタシに言った。

    「愛は、宇宙を、時空を、次元を────『奇跡』だって乗り越えられる」

  • 51二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 21:26:50

    うぉぉぉ……供給が凄まじい。
    尊みが限界を超えて頭がBKHTしそうだ。

  • 52二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 21:30:02

    >>26だが済まない、これはこの二人だから美しい…!

    他の子を見たいなんて、許されない罪を犯した私を許してくれ…


    あとネイチャとユニちゃんは末永くどうぞ

  • 53二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 22:12:44

    百合っていいな……

  • 54二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 22:17:26

    >>52

    おめえはすげえよ、今度ももっと素敵なSSを書いてくれよな!

  • 55二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 22:24:33

    ―――――美しいものを見た。

  • 56二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 23:37:37

    素晴らしいという気持ちと翻訳が欲しいという気持ちが競り合ってる

  • 57二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 00:18:02

    >>56

    JYVE しらない 丁度良いとかそういう感じのニュアンスぽい?

    STTO stick together くっつく

    WORR worry 心配

    MAZN many dozen たくさんの

    GEAT  genuine article 本物

    UNBL unbelievable 信じられない

    FOEX for example 例えば

    TIPS triumphs 栄冠 勝利

  • 58二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 00:20:06

    >>46

    天才は2度現れる

  • 59二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 00:22:15

    凄いスレを見てしまった…

  • 60二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 00:35:53

    神はいる…そう思った

  • 61二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 00:38:00

    個別シナリオで読みたいクオリティだぁ…

  • 62二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 01:59:29

    ダイスの奇跡が不思議とキャラと合致する二重の奇跡だぁ……

  • 63二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 02:12:38

    これから先どこでネイチャ×ネオユニヴァースの供給を得ればいいんだ

  • 64二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 02:17:24

    尊いんだけど正直「よく書けたな」っていう尊敬の気持ちが先に出てくる

  • 65二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 05:11:28

    ネイちゃん達の馴れ初めが知りたいねぇ(商店街因子継承)

  • 66二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 10:19:44

    マベちんで慣れてるから打ち解けやすそう

  • 67二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 10:51:35

    >>65

    同じく。

  • 68二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 17:11:51

    時々こっちの世界の映像を共有してうにゃってほしい

  • 69二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 18:08:48

    >>65

    まさに運命のイタズラだったんだよね…

  • 70二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 19:42:41

    しゅごぉい…しゅごしゅぎましゅうううううう……

  • 71二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 20:09:43

    スレ保存しとこ…

  • 72二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 23:12:07

    静かだけど凄まじいスレだ……
    保守

  • 73二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 23:13:21

    ここ以外から供給が得られなさそうなカプ

  • 74二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 23:17:27

    ユニ×ネイに目覚めてしまったぞ
    どうしてくれるんだ

  • 75二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 06:39:52

    僅かだけどSTTOあったよ

  • 76二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 07:21:29

     ────ネオとの馴れ初め?

     ネイチャさんのそんな話聞いたって面白く……ああ、そうデスカ。
     うぅ~~、じゃあ、今度あそこの限定パフェを奢りで!
     ええ、即決? まったく、そんな聞きたいものかねえ。
     コホン、最初はさ、ただの偶然だったんだよ。
     去年の夏合宿の時の肝試し覚えている? そそっ、ゼファーが飛んでたヤツ。
     あの時、一緒に行くペアをくじ引きで決めたでしょ?
     まあこの流れなら予想がつくだろうけど、それでネオと一緒になったんだ。
     この時点では、変わった有名人、くらいの印象だったかな。
     アースが慕ってるのは知ってるから、悪い人じゃないんだろうなーとは思ってたけど。
     それで、まあ、その、ね? アタシ、実は結構な、ビビリでして。
     情けないことに、ブルブル震えながら、ちんたら歩いてたわけ。

     そんなアタシを見て、ネオは嫌な顔一つしないで、笑顔で手を繋いでくれたんだ。

     『ネオユニヴァースが“牽引”をするよ』なんて言ってね。
     その手は冷たくて、細くて、すべすべしていて────暖かくて。
     それに、似てたんだ。
     ネオが見せてくれる背中が、アタシが憧れて、追いかけていた、『あの』背中に。
     ……なんでだろうね、あの二人、見た目も性格も、全然似てないのに。
     とにかく、それが最初。
     うーん、こうやって話して、今、思えば、ああ、まあいいや。
     それで、アンタはこれで満足……ハイ、当然しないデスヨネー、仕方がないなあ

  • 77二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 07:21:44

     次に会った時は、学園の食堂だったんだ。

     その日は妙に混んでて、全然席が空いてなくってさ。
     なんで混んでたんだっけ……ああ、思い出した、数量限定メニューがあったんだ。
     アタシもそれ目当てで行ったんだけど、結局品切れだったんだよね。
     材料の高騰とかでその日で終了になっちゃって、美味しかったんだけどなー。
     えっ、なんで品切れだったのに、味を知ってるのかって?

     ………………イヤーネイチャサンカンチガイシチャッタナーコレハウッカリ。

     ……ハイ、全て白状します。
     仕方なく他のメニューを選んで、やっとの思いで、相席させてもらって。
     その相手が、ネオだったんだよね。
     いやー、凄くない? 夏合宿から一月も経ってないのに、二回目だよ、二回目。
     これも運命の悪戯かなって思って、色々とお話しながら、一緒に食べてたの。
     それで、まあ、その時、ネオが食べていたのが、例の限定メニューでして。
     確か、湯葉とか豆腐とかの定食だったかな?
     渋い? アハハ、でもネオって大豆を使った料理が好きなんだよ?
     アタシが豆腐のお味噌汁作ってあげるとさー、毎日作って欲しいとか言っちゃってさー。
     ああ、ちょっと脱線しちゃったね。
     それで、まあ、ついついじっと、物欲しそうにアタシも見ちゃいまして。
     そしたら、ネオがメニューの一つを箸で掴んで、こちらに向けたの。
     それで言うわけよ。

     『AUHN』────ってさ。

  • 78二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 07:22:03

     いやあ、流石のネイチャさんも呆気に取られましたよ。
     最近の若い子のスキンシップってここまで過激なのかーってね。
     ……うん、ネオの方が年上なんだけどさ。
     でも好意を無下にするのもアレじゃん?
     だから、恥ずかしさを我慢して、アーンってしたわけデスヨ。
     それですっごく美味しくてさ、思わず、んー♪ とかガラにもない声を出しちゃって。
     慌てて取り繕うとネオを見ると、すごい優しい顔で、こっちを見てるの。
     コレ、あんまり言っても信じてもらえないんだけど。

     ネオってさ、母性があるんだよね。

     こう、凄く甘えたくなるというか、頼りたくなるというか……。
     ああ、うん、だよね、今までこれ話した人、皆そんな顔してたわー。
     でもアタシにとっては事実なんだ。
     だからつい、その時も甘えちゃって、パクパクと食べちゃって。
     結構な量を食べちゃっても、ネオは怒るどころか、笑顔のままで。
     アタシも悪いと思ったから、お詫びに後日、お弁当を持って行ったんだ。
     美味しそうに食べてくれて、嬉しかったなあ。
     でも、その後はしばらく、特に何もなかったんだ、今思うと信じられないけど。

  • 79二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 07:22:21

     それで、三度目は……ふふっ。

     ああ、ゴメンね。
     あまりにも出来過ぎた話で、今思い出してもアタシの妄想じゃないかって思っちゃうんだ。
     とある用事で、アタシが一人で、トレセン学園から離れた、良く知らない街に行って。
     ……まあ、その日はとにかく運が悪くて。
     スマホの充電は出来てなかったわ、用事は結局キャンセルだわでもう最悪で。
     おまけに帰り道に、トドメと言わんばかりの、ゲリラ豪雨。
     天気予報の降水確率ゼロだったから、傘なんて持ってなくてさ。
     走りまくって、何とか屋根のあるところまで行けたんだけど、完全に道に迷っちゃって。
     全然雨が止む気配ないし、肌寒いし、どこだか良くわかんないし、スマホ電池ないし。
     なんか、辛くて、心細くて、泣きそうになっちゃってさ。

     そんな時だったんだよね────ネオと、また会ったのは。

     偶然、ネオも近くに用事があって、たまたま走るアタシを見つけたんだって。
     それでわざわざ追いかけてくれて……ね、話が出来すぎて、もう嘘みたいでしょ?
     ただ、そのことが凄い嬉しくて、安心して、思わずネオに抱き着いちゃってさ。
     それで思ったんだ。

  • 80二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 07:22:36

     これは、運命だって。

     それからは、もう、なに、恥ずかしくなるくらい、バクシン、しちゃってさ。
     ネオを見かけたらすぐ話かけたり、商店街に誘ったり、お弁当を毎日作ってあげたり。
     えっ、その辺りから付き合い悪くなったから良く知ってるって?
     あーもー、拗ねなさんなー、ほら、今度あそこの限定パフェ、奢ってあげるからさ。

     まあ、そんなこんなで、現在に至る、というわけデス。

     …………うん、アタシ、幸せだよ。
     愛する人と一緒にいられて、それだけで、とっても幸せ。
     えへへ、そうだね、ネオの一着だけは譲れないかな。
     ん? 結局なんでネオを好きになったのかって?
     まあ、ネオの好きなところはいっぱいあるんだけど、理由を一言で言うなら────。

  • 81二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 07:22:53

     ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 82二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 07:23:09

     ナイスネイチャとの“SOAR”?
     それを“RCOL”するには“夏への扉”を開ける必要があるよ。
     “トワイライトゾーン”を一緒に“フライバイ”するミッション。
     そのメンバーに“クオンタムウォーク”で選ばれたのが彼女だったんだ。
     ぼくはナイスネイチャのことを“受信”していたよ。

     走ることを止めてなお────“MAZN”の子を助けていたんだ。

     結局、ぼくは最後まで見届けられなかったけど、とってもマグネター。
     だから一度、お話をしたいって、思ってたんだ。
     ふふっ、あんなに『カワイイ』をしているのは“UNEP”だったけれど。
     ネオユニヴァースはナイスネイチャを“牽引”して“ブラックホール”に飛び込んだ。
     それが、初めての“ランデブー”だね。
     ただ“ワームホール”を抜けるだけだったのに、とってもスフィーラ。
     思えば“MABTE”、それが“グレート・ディヴァイディング”だった。

  • 83二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 07:23:25

     二度目は、学園の食堂。

     その日の食堂はまるで“UCD”、“ハビダブルゾーン”はごくわずか。
     ネオユニヴァースは何とか“着陸”出来て。
     『大豆』をたくさんつかった“レアアース”を“摂取”していた。
     その時────ナイスネイチャが“軌道”に乗って来たんだ。
     ビックバン、だった。
     無数のウマ娘がいる中から、ネオユニヴァースと“衝突”するなんて。
     天文学的確率の“CODEN”。
     それで一緒に『昼食』を食べたんだ。
     まるで“ウラシマエフェクト”、楽しい時間は“MOOM”だった。
     途中でナイスネイチャが“レアアース”を『欲しい』していたから“AUHN”をしたよ。
     彼女は『恥ずかしい』をしていたけど、“TASY”に食べてくれた。
     ……サウンズオブアースはナイスネイチャを『お母さん』みたいと言う。
     でも、ネオユニヴァースが“観測”する彼女は“SPIL”をしてくれて。
     そのことがなんだか、とってもとっても、スフィーラで。
     『わたし』は『ドキドキ』を抑えられなかったんだ。

  • 84二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 07:23:43

     三度目はネオユニヴァースが遠くで“EVA”をしていた時。

     突然の“流星雨”があったんだ。
     オユニヴァースは『傘』を持っていたから“ALT”だったけど。
     すでに“ミッションコンプリート”して、学園までの“PATH”を辿っていた時。
     “発見”したんだ────ネイスネイチャを。
     それはもう“UNBL”だったよ、彼女は『傘』も持たないで、夢中に走っていった。
     “EMGY”だと判断したネオユニヴァースは、それを“追跡”して。
     “不時着”して、『悲しい』『寂しい』をしていたナイスネイチャに“到達”して。

     それが“ジェイムズ・ウェッブのヒビ”だったんだ。

     ナイスネイチャを『守りたい』『楽しませたい』『笑顔にしたい』『幸せにしたい』。
     そんな想いがネオユニヴァースの中で“Ⅰa型超新星”を起こした。
     更にはナイスネイチャの方からホールドモードに入って。
     『ずぶ濡れ』をしていたけど、全く“NVEN”だった。
     むしろ、とっても、とってもとっても、スフィーラで。
     “EVEU”、理解をしたんだ。
     この“邂逅”は“CODEN”なんかじゃない、“DSTY”なんだって。
     『友情』と『愛』の“カーマンライン”は“NIZR”をした。
     
     そしてナイスネイチャは────ネオユニヴァースの『一番』になったんだ。

  • 85二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 07:24:04

     ……“EXDFF”? むぅ、それは『残念』。
     今、ネオユニヴァースはたくさんの幸せを“FELT”しているよ。
     ナイスネイチャの作る『豆腐味噌汁』の匂いで“AWAK”するのは『最高』だね。
     “KARA OKE”で一緒に“歌唱”して“怪音波”を発するのも『好き』。
     一緒の『お布団』で“DSLE”するのも……あっ、これは『内緒』だった。
     えへへ、とにかく毎日が、ミューテフなんだ。
     今思えば、初めて“ENCT”をした時に、全ては“確定”していたんだろうね。
     これは、つまり、端的に換言すれば────。

  • 86二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 07:24:28

     ────『一目惚れ』、だね────

  • 87二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 08:18:26

    早朝からやりやがったな!!ありがてぇ!!!

  • 88二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 08:20:48

    (余計な事しやがって…)と思った二回目のダイスのお陰で伝説のスレになったな…

  • 89二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 08:23:44

    ダイス神の気まぐれ(気ぶり)と創作神の意欲によって伝説になったスレ

  • 90二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 09:22:56

    >>75

    アニメでも絡みあるといいな

  • 91二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 16:47:46

    ちょっと勝てない

  • 92二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 17:30:39

    これは、つまり、端的に換言すれば
    『一目惚れ』、だね

    最後に誰でもわかる言葉で最大限の好意を伝えてくるの、実に心臓に来るね。二人のこと推してまうよぉ

  • 93二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 20:27:49

    保守

  • 94二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 22:50:39

    ネオネイ保守

  • 95二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 22:58:17

    >>45

    直後を読め逝ってる場合か!!!!

  • 96二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 23:15:11

    うお…すっげぇエミュ力…
    毎日味噌汁作ってあげて…

  • 97二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 00:13:46

    4話でちょい役でもいいからネオユニヴァース出てこないかなぁ
    バクシンも出てきたわけだし
    同じコマにいた!ができる可能性

  • 98二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 00:43:56

    ちょっと言葉にならないレベルで脳を焼かれてしまった………

  • 99二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 07:35:52

    保守

  • 100二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 13:15:03

    ネイチャはどんな女でも落とせる実力がある

  • 101二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 19:49:37

    ネオネイの火を絶やすな(今起こったばっかり)

  • 102二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 19:51:37

    カノープスのメンツはどう思ってるんですかね

  • 103二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 19:58:24

    彼女の知り合い兼息子の友人くらいじゃねぇかなぁ

  • 104二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 22:09:11

    「おいっす~……やっぱまだ寝てるか」

     アタシは少しだけ開けた扉から、覗き込むように寝室を見た。
     部屋のベッドの上には、気持ち良さそうに寝息を立てるネオの姿。
     物音を立てないように慎重に近づいて、枕元に顔を寄せる。

    「……こうしてると、先輩だなんて思えないほど可愛いんだけどねえ」

     どこか幼さを残す、あどけない寝顔。
     これが普段、甘えさせてくれて、頼りになって、ドキドキさせる人と同一人物とは思えない。
     ……いや、最後だけはちょっと違うか。
     今だって、その可愛らしさに、アタシは少しドキドキしているのだから。
     そのことがちょっとだけ悔しくて、悪戯心が湧いてきてしまう。

    「…………えいっ」

     人差し指で、つんっとネオの頬をつつく。
     ぷにぷにの触り心地と、ひんやりとした冷たさ。
     まるで雪見だいふくみたいだ、なんて失礼なことを思いつつ、興が乗ってしまう。

    「ふふっ、えいえい、むん、なんちゃって」

     アタシは調子に乗って、何度もネオの頬をつついてしまう。
     それでも全然飽きることのない感触は、家に欲しいくらいだった。
     やがて彼女は少しだけ身動ぎをする。
     ヤバッ、流石にやり過ぎた────心臓がドキリと跳ね上がる。

  • 105二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 22:09:25

    「うんっ……んんっ……」

     刹那、ネオの口から、めちゃくちゃ色っぽい声が漏れ落ちた。
     幸い目を覚ますことはなったようで、そのまま再度寝息を立て始めたのだが。
     アタシの心臓はドキドキしたまま、身体はピシリと固まってしまう。
     なに今の声。
     そんなの、もう、アレじゃん。
     本当にダメ、ダメなやつじゃん……!
     視線を、ネオの顔から離すことが出来ない。
     先ほどまで触れていた柔らかそうな頬。
     さらさらとしている長い髪。
     閉じられていてもなお流麗な目。
     少しだけ乱れているパジャマから晒されている肩や首筋。
     ちょっと薄いけれど瑞々しさを感じる唇。

     触れたい。

     もっと、色んなところに、触れたい。
     あの艶やかな髪を手で梳きたい。
     あの青空のような瞳を包む瞼と撫でたい。
     あの透明感すら感じる白い肌に指を這わせたい。
     あの美味しそうな唇に────。

    「……はっ」

     頭の中で膨らんでいたピンクのもやもやが弾けて、我に返る。
     ……アタシは他人の寝室で何を考えているのか。
     パシンと控えめに両頬を叩いて、気を取り直す。
     もっとネオの顔は見ていたいけれど、それでは目的を果たすことが出来ない。
     アタシは後ろ髪を引かれながらも、彼女の寝室を後にした。

  • 106二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 22:09:40

     ネオは、トレセン学園を卒業した。
     ドリームトロフィーには行かないで、都内の有名な大学に進学することとなった。
     卒業式の日は────それはもう、ボロボロに泣いた。
     別に二度と会えないわけじゃないのに、ネオが手の届かないところに行ってしまうみたいで。

     ネオにはいっぱい励ましてもらった。
     ネオにはいっぱい助けてもらった。
     ネオにはいっぱい甘えさせてもらった。
     ネオにはいっぱい、愛してもらった。

     アタシはまだ、何一つ返せてはいないのに。
     祝福する気持ちと絶望する気持ちでぐちゃぐちゃになりながら卒業を見届けて。
     その日の夜に、ネオから呼び出された。
     彼女は一つの鍵を取り出して、微笑みを浮かべて言った。

    『ネオユニヴァースは、朝が“WEDN”なんだ』

     アタシの手を取って、その鍵を握らせて。
     そして、ぎゅっと両手で、優しく、暖かく、包んでくれた。

    『偶発的で構わないから“ローンチ”を“支援”して欲しい』

     アタシは知っている。
     ネオは、朝の支度を一人でちゃんとこなせることを。
     アタシは知っている。
     ネオの新居は大学のすぐ近くで、朝は早くないことを。
     アタシは知っている。
     ネオは心優しくて、とても良く、アタシを見てくれていることを。

  • 107二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 22:09:57

    『……うんっ! ネイチャさんに、どーんと任せてっ!』

     ああ結局、卒業してからもネオに甘えっぱなし。
     申し訳ない、気が引ける、釣り合ってない。
     本当に、アタシは。

     ────なんて、そういうことは、思わなくなった。

     ネオもアタシと一緒にいたいと思ってくれていて嬉しい。
     ネオの寝起きを独り占めできるようになって楽しい。
     ネオのことをもっと良く知ることが出来て喜ばしい。
     少し卑屈なところもあったアタシは、気づけばそう思えるようになっていた。
     ……図太くなったのか、あるいは色ボケになったのか。
     まあ、そこは都合よく、『成長した』と表現することにしましょう。

  • 108二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 22:10:15

    「グッドモーニング……うん、良質な『大豆』の“SMEL”を感じる」
    「あっ、おはよネオ、もうすぐ出来上がるから、座って座って」
    「アファーマティブ、今日もありがとう、だね」
    「アハハ、それは言わないお約束……アタシが好きでやってるんだからさ」

     朝ご飯の準備が殆ど終わった頃、見計らったようにネオが起きて来た。
     アタシはいそいそと食卓に料理を並べていく。
     焼鮭、玉子焼き、簡単な煮物、納豆に、忘れちゃいけない豆腐のお味噌汁。
     もう何度も作った定番メニューなのに、ネオはその都度目を輝かせてくれる。

    「“WDFL”、ナイスネイチャの朝ご飯は“ルミネセンス”が“観測”できる」
    「ほめ過ぎだってもぉー、まあ、嬉しいけどさ……ささ、食べちゃお」

     何度褒められても反応してしまう顔を誤魔化しながら、アタシは席に着いた。
     そして二人で声を揃えて、いただきます。
     ネオはこのメニューの時、必ず最初に味噌汁を一口啜る。
     アタシはそれをじっと見つめながら待っていた。
     やがてネオの耳がピンと立ち、普段眠たげな目が大きく開かれる。

    「……“MISO”の“仕様変更”があった?」
    「わかる? 今日は商店街のオススメのお味噌に変えてみたんだけど」
    「“NaCl”は低水準だけど『コク』が“掘削”されているね、『美味しい』をしているよ」
    「そうなの! これでキュウリを食べるのも美味しんだよねー!」
    「ネオユニヴァースも『ぽりぽり』を“摂取”したい……!」
    「それは帰ってからのお楽しみ、ということで」
    「むぅ、『楽しみ』がオーバーロードして、“COTT”が霧散しそうだね」

  • 109二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 22:10:37

     少しだけ悲しそうな表情をするネオ。
     思わずヘイお待ちッ! ってスティックきゅうりを出しそうなのを必死に堪える。
     でも帰ったらいっぱい食べさせてあげよう。
     手で食べさせてあげるのもいいかな。
     それに、食べさせてもらうのも、その、いいかも。

    「…………ナイスネイチャ、口から“川状リル”が」
    「うにゃっ!?」

     ネオから指摘に、アタシは慌てて口元を拭う。
     さっきといい、今といい、これじゃあアタシがむっつりさんみたいじゃない。
     ……脳内のタンホイザが『えっ、うん』と頷く姿を振り払いながら、アタシは食事に集中した。

  • 110二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 22:10:59

     食事を終えて、支度を済ませて、家を出る時間。
     アタシ達は二人揃って玄関に立っていた。
     ネオは大学へ、アタシはこのまま学園へと向かう。
     もっといっぱい一緒にいたいけど、お互いまだ目指すべき道があるから。
     ……まあ、それに、今日の夜も逢うのだけれど。
     …………明日から週末だから、めいっぱい、楽しむのデスガ。

    「────ナイスネイチャ」

     夜のことをぼんやりと妄想していると、ネオが声をかけてきた。
     こちらを顔を近づけて、覗き込むように見つめている。
     アタシは一瞬その顔に見惚れながらも、我に返って言葉を返した。

    「なっ、なに? どうしたの、ネオ?」

     すると、ネオはにこりと微笑んで、自身の人差し指をトントンと口元に当てた。
     瑞々しくて、魅力的な唇が、強調される。
     その唇から、小さく、それでいてはっきりと、言葉が放たれた。

    「忘れ物があったから、“KICS”、目を閉じて」

     アタシの頬に、ネオのひんやりとした両手が触れた。
     ネオの可愛らしくも、綺麗で、どこか世界が違う顔が、ゆっくりと迫ってくる。
     ……ってええっ!? 忘れ物って、その、朝のお約束とか、そういうアレ!?
     いや、ネオとのキスは初めてじゃないけど、朝からなんて、そんな!?
     パニックになるアタシを他所に、ネオの顔は止まることなく、接近する。

  • 111二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 22:11:17

     これはもう、止められない。
     そもそも、止めて欲しいとすら思っていない。
     意を決して、アタシはぎゅっと目を閉じて、唇を尖らせる。
     そのまま、身体をプルプルと震わせながら、ネオの唇をじっと待ち続けた。
     ほんの僅かな時間が、一分、一時間にも感じられてる。
     
     そしてついに────ツンツンと、両頬をつつかれた。

    「…………は?」
    「えへへ、“BERM”での、『お返し』だよ」
    「んにゃ!?」
    「ナイスネイチャも『雪見大福』みたいでとっても“COMF”でスフィーラ」
    「……っ!?」

     バレていた。
     おまけに、考えていたことを見透かされていた。
     ……やだ、はずかしすぎて、あながあったらはいりたい、いっそうまりたい。
     顔から火が出そうなまま硬直しているアタシ。
     その耳に、ネオはそっと顔を近づける
     そして、ぼそりと、囁いた。

  • 112二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 22:11:39

    「……“STTO”の『激しい』は、“WEED”まで『お預け』、だよ?」

     ネオはそのまま逃げるようにアタシから離れて、玄関の扉を開ける。
     ウインクを投げつけて、手をひらひらと振って、そのまま行ってしまった。
     バタン、と扉の閉まる音。
     アタシはそれを合図にその場へ、へなへなと崩れ落ち、ぺたんと座り込んでしまう。
     ……激しいって、何? アタシは一体、何をされてしまうの?
     惚けてしまった脳は上手く動かず、身体もすぐには動けそうにない。
     両手を頬に当てる。
     アタシの頬は、火傷してしまいそうなほどに熱を持っていた。
     そして。

    「……これ、学園行くまでに直るかな」

     ────口元がニヤけてしまって、仕方がない。

  • 113二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 22:30:39

    ネイユニの何が皆の心を惹かせるのか…
    我々は調査すべくブラックホールの奥地へと向かった

  • 114二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 00:09:52

    ウワーッ!SSが増えてる!しっぽり同居してる!

  • 115二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 01:44:44

    嘘でしょ…

  • 116二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 01:45:26

    スレが生き残ってる限りは夢が提供されるわんこそばスタイル

    絶対おとさねぇからな

  • 117二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 01:57:27

    神SSなんてなんぼ読ませていただいても尊いですからね

  • 118二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 10:34:36

    すっかり概念が確立してて芝137億光年生える

  • 119二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 11:18:41

    ネイネオは強豪カップリングなんだ。知らなかったのか?

  • 120二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 12:37:22

    あにまんにおいては多分直近一週間でもっともSSが書かれたウマウマCPと思われるから実質覇権

  • 121二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 17:49:13

    ss書く人がこんなにいるの正直わかるのよね
    あまりにも組み合わせが絶妙すぎる

  • 122二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 21:45:52

    「さてと、こんなもんかな」

     アタシは奇麗になった寝室を見渡して、そう呟いた。
     今日は土曜日でドレーニングもお休みだけど、ネオは午前中だけ大学で授業。
     少し残念だけれど、夢のための大切な道筋なのだから仕方がない。
     せめて帰ってきたらしっかり出迎えて、労わってあげたい。
     そう思って朝一からネオの家に行き、掃除や洗濯をしていた。
     ……とはいえ、ネオはそもそもズボラなタイプではない。
     洗濯の量もわずかで、掃除もこの寝室で終わり。
     時計を見ればまだ10時半くらい、ネオが帰ってくるのはお昼過ぎだ。

    「……ちょっとはりきり過ぎちゃったかな」

     ぽふっ、とベッドの上に自分の身を投げ出す。
     ふわりと漂ってくるのはネオの匂いと、アタシの匂い。
     ……昨日はちょっと、激しく、その、『STTO』、しちゃったから。

    「~~~~っ!」

     恥ずかしくなって、思わず枕に顔を埋めてしまう。
     しかしより強くネオの匂いを感じることとなって、すぐに顔を離した。
     そして、寝転がったまま壁際に視線を向けると、ハンガーにかかってる一つの服が見える。
     黄色と白、そして青が入り混じった厚手のジャケットのような服。
     アタシが憧れて、焦がれて、目指して、愛した────ネオの勝負服だ。
     
    「……そういえば昨日、ネオが話してたっけ」

  • 123二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 21:46:05

     色々と消耗していて、頭がふわふわしていたらからはっきり覚えていないけれど。
     学園を卒業したネオではあるが、関係が完全に途切れたわけではない。
     クラシックの冠を取り、その後も活躍したウマ娘であり、時にはイベント等に呼ばれることもある。
     そのため、勝負服はしっかりと管理をしてあるとのこと。
     
    『────ナイスネイチャも“装備”をしてみる?』

     ふと、ネオが問いかけたことを思い出す。
     その時のアタシはただの冗談だと思い、反射的に断ってしまったけれど。
     ネオがちょっとだけしゅんとした表情をしていたことが、妙に心に残っていた。
     ……まあ、その、なんですか。
     確かに、あの勝負服には、ちょっとした複雑な想いがある。
     大好きなネオの、大好きな勝負服。
     そして、あの勝負服はともに幾多のレースを駆けて来た、ネオの相棒でもあるわけで。
     ……ちょっとした嫉妬も、なくはない。
     でも、それ以上に。

    「きっと、アンタはアタシの知らないネオも見て来たんだろうね」

     アタシは起き上がって、ネオの勝負服を軽く撫でる。
     この勝負婦はアタシが知らないネオを支えて、守ってくれた。
     きっと、今アタシがネオと一緒にいることが出来るのは、この子のおかげでもあるのだ。
     そういう意味では、アタシの恩人であり、同志といえるのかもしれない。

  • 124二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 21:46:21

     ────それじゃあ、一緒にネオをねぎらっちゃう?

     そんな思考が一瞬過ぎり、慌ててアタシは首を左右に振った。
     まあ、確かに、ネオはアタシに着てほしそうにしていたケド。
     流石に本人のいない場所で、他人の勝負服を着るとか、マジあり得ないでしょ。

    「ないないない、ないったらないわー、あはは……」

     アタシは勝負服から背を向けて、自嘲気味な笑みを零す。
     そして、ネオの残念そうな表情が、再び脳裏に過って。

    「……」

     くるりと反転し、勝負服をじっと見つめた。

  • 125二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 21:46:44

    「……うわエッグ」

     鏡に映る自分の姿を見て、アタシは思わず顔を引きつらせてしまう。
     少しだぼだぼ感のあるアウターのせいで、すっかり忘れていた。

     ……この勝負服のインナー、かーなーりー、エグイ。

     レオタードのような感じで、何故か胸元はぱっくりと大胆に晒されている。
     アタシとネオはそこまで胸が大きい方ではないけれど、しっかりと谷間が作れてしまうデザイン。
     アタシ自身の下着のトップスは外さざるを得ず、非常に心許ない。
     まあ、これでも結構恥ずかしいけれど、まだ良い方だ。
     胸元自体はライブで良く着るスターティングフューチャーも結構派手に出てしまっている。
     ……問題は、下の方。

    「いやー、これはキツイでしょー……この切れ込み、ネイチャさんにはちょっと……!」

     まるで競泳水着のように鋭い切れ込みの入った、脚の付け根の部分。
     いわゆるハイレグというやつで、これまたとても恥ずかしい。
     ……不幸中の幸いといいますか、下着は少し背伸びしたのを履いてたので、脱がずには済んだけど。

    「というか食い込みがヤバ過ぎ……っ!」

     くるりと背中を向けると、お尻のところが乙女的にかなりアウトな状態になっていた。
     ネオの身体は、かなり華奢だ。
     胸はアタシと同じくらいのサイズだけれど、ウエストやヒップはネオの方が小さい。
     そしてこのインナーは、ネオのスリーサイズにあった形に設計されているわけで。
     更に言えば、これは当時のネオでもぴっちりフィットのサイズ感だったわけで。
     
     アタシが着ると、それはもう大変なことになっていた。

  • 126二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 21:47:01

     前を向けば、ただでさえ鋭い切れ込みが食い込んで、鼠径部まで見えてしまっていて。
     後ろを向けば、これまたお尻に食い込んで、むっちりとした仕上がりになってしまっている。
     少しでも隠そうと足掻いてみるが、こちらを隠せばあちらが出るという状態。
     ……アタシのお尻が大きいんじゃない、ネオのお尻が小さいんだ。
     自分にそう言い聞かせながら、諦めてアウターの方を着込むこととした。

    「んしょ……」

     ジャケットのようなアウターを羽織る。
     断熱性が高いのか、とても暖かく感じた。
     そんなことあるわけないのに、ネオの残り香だって、感じてしまう。
     まるで、ネオにぎゅっと、抱き締められているみたいで。

    「えへへ」

     気づけば、顔が綻んでいた。
     すぐに我に返って、しっかりと前を閉じて、着用を完了させた。
     ゆったりとした着心地、特徴的な余った袖、そしてがっつり開いた胸元。
     アタシが当時憧れて、焦がれて、目指して、愛した姿が、そこにはあった。

    「わあ……ネオの勝負服だぁ……っ!」

     自分で着てみせたくせに、童心に帰ったようにはしゃいでしまう。
     何度かくるくる回ってみたり、簡単なポーズを取ってみたりと、鏡の前でアクションを取る。
     そして、気づく。

  • 127二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 21:47:19

    「おっ、思ったよりも裾も短い……!」

     もはや股下ゼロセンチといったところだろうか。
     ……今思えば、走ってた時、後ろからお尻がブルボンしていた気がする。
     あの時もっとネオを見ておけば、もとい、もっとネオに注意するべきだったかもしれない。
     生足は殆ど隠すことなくすらりと伸びていて、やっぱりスースーする。

    「コレ、ネイチャさんにはちょっと露出が激しすぎる────」

     ふと、自分のチア衣装の存在を思い出して、黙ってしまう。
     ……まあうん、これくらいは普通だよね、普通。
     咳払いを一つ。
     気を取り直して、当時のネオのことを思い出しながら、勝利後のコメントを思い出す。
     えっと、確か。
     両手を上げて、宇宙に呼びかけるように手を振って。

    「ハローハロー、『アタシ』は『満足』になったよ……なんちゃって」

     最後にお決まりの、頭の上で人差し指を突き合わせるポーズ。

     ────そして、痛いくらいの沈黙。

     そりゃそうだ、ここには観客は勿論、見ている人は誰もいないのだから。
     のぼせあがっていた頭は、凄い勢いで冷えていく。

  • 128二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 21:47:37

    「はぁぁぁああ~~…………いや、何してんだろ、アタシ」

     長すぎるくらいの大きなため息を吐いて、ようやく冷静になった。
     本当に、何をしているんだか。
     改めて見れば、やっぱりアタシには似合わない。
     それは当然だ、これは世界で一人、ネオユニヴァースのための勝負服なのだから。
     アタシは微笑みを浮かべて、着替えるためにアウターに手をかける。
     その時、突然浮かぶ、ちょっとした疑問。

    「このジャケットって何のモチーフなんだろ、厚手だし、登山服か何かかな」
    「ネガティブ、“アストロノーツ”のイメージだね」
    「アストロ……ああ、宇宙服か、なるほど、それはネオにぴった……り…………」

     身体が、ぴしりと硬直する。
     油の切れた機械のように、アタシはギギギとゆっくり首を回した。
     そこには────顔だけを覗かせて、笑みを浮かべるネオが手を振っている。
     刹那、頭が真っ白になってしまう。
     それでも何とか、アタシは言葉を紡いだ。

    「ネッ、ネオ……大学は……?」
    「“AM”の授業は“NIZR”をしたから“帰還軌道”になったよ」
    「……いっ、いつからそこにいたんデス?」
    「『ないったらないわー』の“TILI”から“観測”をしていた」
    「最初からぁーっ!」

     愕然として、その場に崩れ落ちてしまう。
     というか着替えしているところまでがっつり見てるんじゃん!?
     いや、勝手に他人の服を着ている時点でアタシに文句言う資格ないデスケド!?

  • 129二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 21:47:55

    「スフィーラ、ナイスネイチャは“VECU”をしているね」
    「……ア、アハハ、アハハハハ」
    「…………それに、とっても“VESE”」
    「それは言わないでぇ……」

     顔が熱い、このまま消えてしまいたい……。
     俯いて泣きそうになるアタシの耳に、近づいて来る足音が響く。
     
    「だけどネオユニヴァースは、一つだけ『めっちゃムカつく』をしているよ」

     ネオの言葉に、ハッとなる。
     そうだ、大切な彼女の勝負服を勝手に着たことを、まだ謝罪していない。
     そんなことをすれば怒って当然だ、早く、謝らないと。
     慌てて顔を上げて────アタシは再び、固まってしまう。
     怒っているはずのネオの顔は、未だかつてないほどの、満面の笑顔だったから。

    「……ネオ」
    「『わたし』が“ハップル”する前に“パージ”しようとしたのは“FOBN”だよ」

     そう言って、ネオはスマホを取り出した。
     さあっと血の気が引いて、ぞわりと背筋が走る。
     そしてネオは、まるで死刑宣告を告げるような残酷さで、言葉を紡いだ。

  • 130二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 21:48:17

    「“ペナルティ”としてナイスネイチャの『カワイイ』を“記録”させてもらうね」
    「えっ……あっ……」
    「“EVDI”から隅々まで、“定点観測”してみるのも“INTI”かな」
    「あの、ネオ? ちょっと目が怖いんデスガ……!」
    「“NVEM”……ネオユニヴァースは『優しい』をするよ……」

     ────その後、ネオによるアタシの撮影会は一時間に及んだ。
     ネオのホクホク顔と真っ赤になったアタシの顔が鏡に並んだのは忘れられない。
     ちなみにネオは大層気に入ったようで、時折、その画像を眺めている。
     …………。
     まあ、たまになら、また着てあげても、いいかな……?

  • 131二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 21:52:18

    これもう覇権だと思います

  • 132二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 21:53:06

    怖い 怖すぎる
    どうやって「無」からここまでの妄想良SSを
    それとも別宇宙で結構流行っているのか

  • 133二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 00:38:37

    すごい……ほぼ無から生まれた概念から創作が出てきている……これがネオユニヴァース……?

  • 134二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 00:43:12

    ナイスネイチャなネオユニヴァースってね()

  • 135二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 00:47:33

    俺さあ このスレを開いた事を誇りに思うんだよね

  • 136二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 01:51:39

    語り継がれるべきスレ

  • 137二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 06:50:48

    >>121

    書いてる人は一緒じゃない?

    ゼファーとかネオユニとかの難エミュ勢のトレウマSSをよく書いててpixivにもあげてる人

  • 138二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 12:09:00

    初めて食べるのにすごく馴染んで美味しい謎の料理を食べた気分
    すごく……いい……

  • 139二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 13:58:10

    これは必須栄養素になる

  • 140二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 18:19:25

    ネイネオとかいう新たなる扉がこのスレで開いたの凄い

  • 141二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 20:49:15

    >>28

    ss作者様もめっちゃすごいし尊敬するんだけど、この蛇足になりかねなかった二回目ダイスが一番ヤバいと思うの

  • 142二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 21:02:11

    このレスは削除されています

  • 143二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 22:30:20

    砂漠の泉並みに助かる

  • 144二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:00:11

     チッチッチ、という時計の針の音が妙に耳に響く。
     ネオの家のリビング。
     アタシは一人、部屋の中央で正座をして待機していた。
     心臓は期待でドキドキし続けていて、尻尾もブンブンと抑えが効かない。

    「いやあ……楽しみですなぁ」

     これから先の未来を想像して、思わず顔が緩んでしまう。
     おっといけない、言動も、少しおっさん臭くなってしまっている。
     慌てて口元を引き締めて、背筋を伸ばすものの。

    「……えへへ」

     すぐに元通り。
     鏡はないけれど、自分がだらしない顔になっていることは想像がついた。
     でも、これは正直仕方ないことだと思っている。
     なんていったって、あのネオが。
     格好良くて、綺麗で、可愛くて、頼りになって、優しくて、素敵な、あのネオが。

     ────アタシの勝負服を、着てくれるだから!

     アタシの勝負服の中に、ネオが入る。
     なんという甘美な響きなのだろうか。

    「いや、本当に思考がおっさんになってる……おちつけーアタシー」

     深呼吸をして、荒ぶる思考回路を何とか宥めながら。
     何故ネオがアタシの勝負服を着ることになったのかを、思い出すのであった。

  • 145二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:00:31

     とは言ったものの、実はそこまで複雑な話ではなかった。
     一週間前、アタシとネオはデートのため、駅前で待ち合わせをした。
     ……朝から一緒にいれば待ち合わせなんて必要ないけど、こういうのは雰囲気だと思う。
     ただ、その日は珍しくネオが遅刻をした。
     約30分、理由は大学からの急な電話。
     遅刻の連絡はLANEで早めにくれたし、理由だって仕方のないこと。
     だから、アタシはあまり気にしていなかったのだが。

    『……ごめんなさい、だね。ナイスネイチャには“DCOMF”な時間を過ごさせた』
    『いいっていいって! これくらい全然気にならないから』
    『ネガティブ、それはネオユニヴァースが“DSFTN”かな』
    『えぇ……本当、大丈夫なんだけどな』
    『だから“ペナルティ”だね』
    『へ?』
    『ネオユニヴァースはナイスネイチャの“REQU”を“実行”するよ』
    『……なんでも?』
    『アファーマティブ』

  • 146二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:00:45

     それは、あまりにも魅惑的な提案だった。
     ネオが、アタシの言うことを、何でも、聞いてくれる。
     様々な欲求が脳内を駆け巡る中、アタシの中で一つの記憶が引っかかった。

     ────“ペナルティ”としてナイスネイチャの『カワイイ』を“記録”させてもらうね。

     それは先日、アタシがネオの勝負服を勝手に着てしまった時の言葉。
     ペナルティ、カワイイ、勝負服。
     三つの単語が妙に頭に残って、気が付いたら、アタシは言葉を紡いでいたのだった。

    『…………勝負服』
    『……?』
    『ネオに、アタシの勝負服を着て欲しい』

     その言葉に、ネオは少しだけ意外そうな表情を浮かべて。
     やがて、にっこりと笑顔を見せて、頷いてくれた。

    『アファーマティブ、二言は“NOST”だね』

     とまあ、ネオがアタシの勝負服を着ることになったのは、こんな経緯であった。

  • 147二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:01:02

     ……一応弁解をしておくと、下心があるわけではない。
     ネオは引退したものの、アタシは未だ現役のウマ娘だ。
     輝かしい実績を持つネオに着て貰えば、縁起担ぎになるのではないか。
     そう考えて、今回のことを提案したのだ。
     決して、普段とは違う印象の服を着るネオがみたいとか、そういう目的だけではない。
     これは純粋に、ネオに憧れた後輩のウマ娘としての願いなのである。
     と、アタシは自分に言い聞かせながら、時間を待っていた。

    「……っ!」

     そして、聞こえて来る小さな足音に、アタシの耳は反応してしまう。
     一歩、二歩、三歩と聞こえる都度、その音は近く、大きくなっていく。
     そして、カチャリとドアノブが回る音が響いた。

    「…………ナッ、ナイスネイチャ」

     ひょこんと、ネオがひょこっと顔だけをドアから出した。
     その表情には、彼女にしては珍しい困惑と、羞恥の感情が込められている。
     ……意外だな、ネオでも他の人の勝負服は恥ずかしかったりするのかな。

    「着替え終わったの? じゃあ、ネイチャさんに見せて欲しいなあ~?」
    「アファーマティブ、アファーマティブだけど……少しだけ“待機”してて欲しい」
    「……待機?」
    「ネオユニヴァースは……心の“セットアップ”が“スクイーズド”だよ」

     ネオは顔を赤く染めながら、耳を忙しなくピコピコと動かしている。
     そんな滅多に見せてくれない彼女の姿に────アタシの舞い上がってしまった。
     ゆっくりと立ち上がって、扉に隠れるネオに迫っていく。

  • 148二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:01:18

    「ネ~オ~? 二言はない、でしょ?」
    「……でも、この“装備”は少し“DNGR”、“断熱材”が“不足”」
    「何を言ってるの……さっ!」
    「あう……!」

     アタシは、未だ出てこようとしないネオが隠れる扉を、無理矢理開けた。
     ネオは小さな悲鳴を上げるものの、無情にも扉は開放されて、彼女の姿は晒される。

     そこには黒を基調としたジャンパースカートに身を包んだネオの姿────はなかった。

     眩いばかりに白く、丈も袖も短いトップス。
     同じように白くて短くて、ひらひらと心許ないミニスカート。
     そして、申し訳程度に青いジャンパーが羽織られている。
     でも、ネオの首筋、お腹、おへそ、脚は惜しみなくさらけ出されていた。
     シミ一つない、綺麗な、白い肌。
     ネオは恥ずかしそうに身を捩って、その柔肌を必死に隠そうとしていた。
     それが、その、余計に、刺激的というか、扇情的というか。

    「────はっ!?」

     そして、ようやくアタシは我に返った。
     幻覚でも見ていたのかと思って目を擦るものの、現実は何も変わらない。
     アタシの目の前、そこには。

     チア衣装に身を包んでいる、ネオの姿があった。

     ……………………あっ、やば、滅茶苦茶、カワイイ。
     露出の多いのネオも新鮮だけど、恥ずかしがっているのも素晴らしい。
     このままずっと見ていたいカモ……じゃなくて。

  • 149二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:01:33

    「ネッ、ネオ!? 何でその服を!?」
    「……“輸送”をしてくれた紙袋の中には『これ』が“内臓”されていた」
    「いや、アタシは確かに、普段の勝負服を入れたはず……!」
    「…………ネガティブ」
    「……マッ、マジ?」

     首を黙って横に振るネオに、アタシは言葉を失ってしまう。
     確かに、まあ、昨日の夜に思ってはいた。
     勝負服を着てくれるってことは、チア衣装の方もアリなんじゃない? とは。
     しかし、流石に冷静になって、紙袋には普段の勝負服を入れたはずなのだ。
     でも名残惜しくて、布団の中でも悩んで、しまいには夢でチア姿のネオを想像したけども。
     まさか、欲望のあまり、無意識で中身を入れ替えてた……ってコト?!

    「嘘でしょ……」

     アタシ自身のあまりの強欲さに、つい誰かの口癖が漏れてしまう。
     ……いや、落ち着け、ここで勝手に慌てふためいているのは、ネオに対しても失礼だ。
     せっかく着てくれたのだから、まずは冷静に、感想を言うべきだろう。
     大きく深呼吸を一つ、そして正直な言葉を紡ぐ。

    「ネオ、似合ってるぜ!」
    「……『ぜ』?」
    「……ごめん、ちょっと先祖帰り起こした、でもそれくらい深い衝撃を受けたのはホントだから」
    「“特異点”かな、確かにネオユニヴァースも初めて“観測”した時は、ビックバンだった」
    「あー、それはまあ、はい、アリガトウゴザイマス……でも、本当に似合ってるよ、ネオ」
    「…………スフィーラ」

  • 150二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:01:47

     ネオはポンポンで口元を隠しながら、嬉しそうに微笑む。
     くそう、本当にカワイイなあ、これは反則でしょ。
     あー、でもこれはもっと色んな姿を見てみたくなっちゃうなあ。
     ……まあ、言うだけ言ってみようかな。
     羞恥心が薄れて来たのか、ぴょこぴょこ動いているネオに、アタシは声をかけた。

    「あっ、あのさ、ネオ」
    「……?」
    「もし良ければなんだけどさ、アタシのことを、応援してくれないかな?」
    「……“CHER"?」
    「そそっ、アタシは前にやってたみたいに……ダメ、かな」
    「ふふっ、そのくらいは『お安い御用』だね、“モーション”を“RCOL”するよ」

     ────その後の数分間は、まるで天上の心地だった。
     何度も、これ本当に現実なのかな、と思うほどの多幸感に、アタシは包まれていた。
     視界にはぴょんぴょん飛び跳ねながら、脚やおへそ、果てには腋をも見せてくれるネオ。
     耳は「フレー、フレー、ファイオ、ネイチャ」と平坦な声ではあるものの、心のこもったネオの声援。
     いくら大金を積んだとしても、得られない至上の極楽が、ここには確かに、在る。

     ……しかしながら、少しだけ、不満というほどではないけど、気になることがあった。

     アタシが、恥ずかしながらも、意を決して敢行したポーズを、ネオはしてくれていない。
     あの、足を大きく上げるポーズ。
     いや、別に必要不可欠なポーズではないデスけど。
     でもせっかくなのだから、全部見せてもらいたいかなーっとネイチャさんは思うわけで。

    「ネオ……ちょっとだけ、足を上げてみてくれないかな?」

  • 151二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:02:10

     気が付けば、不躾に、そんなことを頼んでいた。
     ネオのことだから素直にやってくれる、そうアタシは思っていた。
     しかし、彼女から返ってきたのは、意外過ぎる反応であった。

    「……ネッ、ネガティブ」

     耳をピコンと立ち上がらせて、目を逸らし、声を震わせて、ネオは拒否をする。
     それは、見たことのない彼女の反応。
     胸がざわりと騒めいて、心臓がトクトク鳴り響いて、少しだけ邪な感情が湧き出て来る。
     流石のネオもあのポーズは恥ずかしかったりするのかな。
     なら────逆に、見てみたい。

    「おやおやネオ先生、今日はアタシの『コマンド』を『何でも』聞いてくれるはずじゃ?」
    「……あう」
    「いや~、ネイチャさん、ネオのイイトコ、見てみたいなあ~」
    「……あうう」

     うめき声を上げる、ネオ。
     そんな小動物のような姿を見せる彼女に、アタシの心は喝采を上げてしまう。
     そして、ダメ押しをするように、懇願の目を向けながら、言い放つ。

    「みぃ~たぁ~いぃ~なぁ~?」
    「……消極的“ACTI"」

     ネオは小さく呟くと、恐る恐るといった様子でゆっくりと片足を上げた。
     顔は今日一番に真っ赤に染まって、足を上げるというよりは、膝を上げると言う感じで。
     徐々に露になっていく、ネオの太腿、白い布地に、ヒップライン。
     アタシはそれをじっと見つめて────白い、布地?

  • 152二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:02:36

    「……っ!?」

     刹那、アタシは全力で首を回して、目を逸らした。
     グキッという音が聞こえたような気もするが、今はそれどころではない。
     ネオの片足が着地する音を確認してから、アタシは声を絞り出した。

    「……ネッ、ネオ、その、下のスパッツは?」
    「…………“NOST”、“付属”していなかった」
    「…………マジ?」
    「…………『マジ』」

     沈黙が、部屋に響く。
     アハハ、つまり、アレですか。
     アタシは騙し打ちの形で、ネオにスパッツ無しのチア衣装を着せて。
     それを散々眺めて楽しんだ挙句、立場を使って足を上げるように要求した、と。

     わあ、絵に描いたようなセクハラ親父みたいだあ…………。

    「…………スイマセンデシタ」

     アタシは頭を床に擦りつけながら、謝罪を口にした。
     別に土下座をしているわけではない。
     ネオに合わせる顔がないのと、顔を上げるだけの気力が出ないだけなのだ。
     しばらくの間、ネオから言葉は返ってこなかった。
     怒っているのだろうか。
     怒っているだろうなあ。
     戦々恐々としていると、ぱさりと、衣擦れの音をアタシの耳が拾い上げた。

  • 153二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:02:57

    「ふふっ────ナイスネイチャにも“ペナルティ”だね」

     楽しげなネオの声に、アタシは思わず顔を上げてしまう。
     そして、彼女が手に持っているものを見て、目を見開いた。
     ぷるぷると震える手で、アタシは『それ』を指差す。

    「そっ、そそっ、それは」
    「ネオユニヴァースも、ナイスネイチャの“CHER”を“観測”したかったんだ」
    「なななな、なんでソレを……?」
    「最近の『コスプレ』品の“QULY”は『侮れない』をしているね」

     ネオの手にあったのは、彼女が着ているものと瓜二つな、チア衣装であった。
     流石に並べてしまうと布などの質の差が目に付くが、走らないなら問題ないだろう。
     ネオは優しく微笑んで、アタシにその衣装を手渡す。

    「ネオユニヴァースと『おそろ』、しよう?」
    「……たはは」

     ……まあ、ネオとお揃いなら、いいかな。
     アタシは彼女から衣装を受け取りながら、苦笑いを浮かべるのであった。

    「……………………あっ、スパッツは“不要”をしていたね」

     ネオは少し低い声でそう言うと、衣装からスパッツを抜き取って放り投げた。
     ……あれ、もしかしてちょっとだけ怒ってる?

  • 154◆NEOUN1kIew23/10/27(金) 23:06:24

    アファーマティブ

  • 155二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:07:21

    なんでまだあるの...!?
    というかSSがどんどん長くなるの怖いんだが!?

  • 156二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:11:10

    日に日に鮮明になる幻覚……現実か?

  • 157二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:12:34

    もうだいぶ虜だよこれ

  • 158二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:16:52

    このレスは削除されています

  • 159二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:18:41

    このレスは削除されています

  • 160二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:22:21

    このレスは削除されています

  • 161二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:23:59

    このレスは削除されています

  • 162二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:25:02

    このレスは削除されています

  • 163二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:26:25

    このレスは削除されています

  • 164123/10/27(金) 23:28:48

    ここだけは荒れないで欲しいんだ…

  • 165二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:29:22

    毎日の楽しみですよこんなSS

  • 16615823/10/27(金) 23:30:56

    >>164

    すまん…俺が余計なレスしたばっかりに

    消しとく

  • 167二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:32:52

    >>166

    ごめんね…

    みんなでネイネオをすころう

  • 168二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:36:30

    ネイネオのSSなんていつでも読みたいからね

  • 169二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 00:33:58

    これはアファーマティブですね…

  • 170二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 01:58:25

    「ハロー、ナイスネイチャ」
    「ネオ、来てくれたんだ」

     師走の夕方、辺りはすっかり暗くなってしまった頃合い。
     トレーニングを終えたアタシが校門を出ると、そこにはネオが立っていた。
     ずっと待ってくれたのかな、悪いなと思いつつも、、その気持ちが正直、嬉しい。
     ネオは手を差し出して、微笑んだ。

    「寮まで“ランデブー”しよう?」
    「ありがと……ごめんね、最近、ネオのところ行けなくて」
    「“NVEM”、もうすぐナイスネイチャの『終着点』、だから」
    「……うん、そうだね」

     アタシはネオと手を繋ぎながら、その言葉に頷いた。
     そう、アタシは、次のレースを最後に引退する。
     最後のレースは、何かとアタシとは縁のある────有馬記念。
     色々と思い出の詰まった、大切なレース。
     その日まで二週間であり、今は追い込みの時期で、ギリギリまで調整をしている。
     だからネオの家にいくことも、最近は出来ていなかった。

    「……“RIFO”の“異常”は? “パルス”を感じるは?」
    「もー、心配し過ぎだよ、むしろ絶好調! 元気が有り余ってるくらいだから!」
     
     ネオは心配そうな表情で、アタシの足を見ている。
     最後の出走を決めた時から、ネオは今まで以上に、アタシの調子を気にしていた。
     まあ、アタシもそれなりに長く走って来た。
     今回で、前人未踏の六年連続、有馬記念出走。
     普通に考えればそれなりにガタが来て当然だし、逆だったらアタシも心配してた。
     でも。

  • 171二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 01:58:54

    「……今回さ、少し自信あるんだ」
    「…………」
    「最近は凡走ばっかりで、掲示板にも入れなかったけど……今回、本当に調子良いんだよ」

     ここ一年くらいはタイムも伸びず、負荷の大きいトレーニングをこなせない日々が続いていた。
     レースでもあまり良い走りは出来ず、それでトレーナーさんと相談して、引退を決意した。
     しかし、12月に入って、アタシの身体は一変した。
     身体がとても軽くて、力が湧きだすような感覚。
     テイオー達と競い合っていた頃のアタシに戻った気がして、走るのがすごい楽しい。
     もしかしたら、もしかしたら。
     憧れた、キラキラ主人公のように、なれるかもしれない。
     そんなことを、ひっそりと思ってしまっているわけで。

    「だからさ、ネオもちょっとは期待しててよ、ね?」
    「……アファーマティブ、ネオユニヴァースも“CHER”をするよ」
    「じゃあ、アレをまた着てくれたり」
    「…………それでナイスネイチャ、『頑張る』出来るなら」
    「アハハ、冗談冗談、うん、でも、ネオが応援してくれるなら、百人力だ」

     胸が暖かくなり、気力が満ち溢れて、走りたくなってくる。
     さすがに今から走るわけにもいかないので、その気勢は夜空に届けることにした。

    「有馬記念! 絶対に! 勝つぞーっ!」
    「……『勝つぞー』、だね」

     ネオはそんなアタシを微笑ましく見つめながら、声を合わせてくれた。
     ただ、その目はほんの少しだけ、切なそうにしている気がした。

  • 172二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 01:59:14

     溢れんばかりの大歓声。
     繰り返される激しいコール。
     無限に降り注がれるようなたくさんの拍手。

     ────アタシはそれを背に、地下バ道を歩いていた。

     拳を握り締めて、歯を噛みしめて、一歩一歩、最後になる道を踏みしめて。
     気が付けば、控室の前に立っていて、アタシは扉を開けた。

    「……『おかえり』、とっても“DIGG”なレースだった」
    「……ネオ」

     今一番会いたくて、会いたくなかった、最愛の人の姿がそこにはあった。

    「……トレーナーさんは?」
    「ネオユニヴァースに、“接触”をして欲しいと言って、“衛星軌道”に」
    「アハハ……最後まで、気を遣ってくれるんだから、もう」
    「あの人も、ナイスネイチャのかけがえのない“ZEER”だね」
    「ホント、アタシには勿体ないくらいだよ」

     ネオの隣の椅子に、腰かける。
     そしてアタシは大きくため息をついて、彼女に向けて笑顔を作った。

    「いやー、行けると思ったんですケドね、やっぱダメでしたわー」
    「“流星”みたいな、綺麗な走りだったよ」
    「もう、お世辞はいいってば、一位どころか、掲示板にも入れなかったんだからさ」
    「……ナイスネイチャ」
    「わかってたんだ、こんなもんだって、アタシはキラキラ主人公にはなれないって」
    「……ネガティブ、それ以上は『ダメ』だよ」
    「……っ! でも……でもさ……っ!」

  • 173二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 01:59:40

     ダメだ、こんなところで、溢れちゃダメだ。
     こんな情けないところ、ネオに見せられないのに。
     顔を見せないように下を向いて、アタシは必死に、零れそうになるのを耐える。
     その時────ふわりとアタシの頭が包まれた。
     柔らかくて、暖かくて、安心して、優しくて。
     ネオはアタシのことをぎゅっと抱き締めると、耳元で小さく囁いた。

    「…………良いんだよ?」

     ああ、ダメだよ、ネオ。
     そんなことを言われたら、耐えられるわけ、ないじゃんよ。
     ほら、熱いものが、目から、口から、頭から、込み上げて、来て。

    「…………うああああああああっ! ネオ! ネオ!」
    「『頑張る』をしていたよ、それは誰も“DENY”しない」
    「勝ちたかった! 勝ちたかった! 勝ちたかったよぉ!」
    「うん、ネオユニヴァースも『わかる』をするよ、“アイソトープ”だから」  
    「ネオに! トレーナーさんに! 皆に! 最後の恩返しをしたかった!」
    「“ALT”、ちゃんと皆には“伝達”は出来ているから」

  • 174二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 02:00:03

     最後の有馬記念────アタシの結果は、6着だった。

     不利があったりしたわけじゃない。
     むしろアタシにとっては理想的な展開で、理想的な位置で、理想的な仕掛けで。
     それでも、届かなかった。
     アタシの全てを出し切っても、前の子達の後ろ姿は、どんどん遠ざかっていく。
     ああ、本当に、もうアタシは終わりなんだ。
     それを、残酷なまでに、思い知らされるようだった。
     そのまま、アタシはネオの胸の中で、声が枯れるくらいに、泣き叫んで。
     ついには流す涙も尽きて、声を出す気力すらなくなって。
     それでもネオは、ずっとアタシのことを抱きしめ続けてくれていた。
     やがて、彼女はぽそりと言う。

    「ナイスネイチャは、『すごい』をしたよ」
    「……そりゃあ、六年連続出走は、記録かもしれないけどさ」
    「アファーマティブ、“ABSS”を乗り越えて、この“軌道”に帰って来てくれた」
    「アハハ、何それ……でもなんだろ……悪い気は、しないかな」
    「それに、ナイスネイチャの『レース』は、まだ“COMP”をしていないよ」
    「……えっ?」

     まだ終わっていない。
     不思議なことを言うネオに対して、アタシはぽかんと口を開けてしまう。
     直後、遠くからトレーナーさんの、アタシの名前を呼ぶ声がした。

    「…………トレーナーさん?」
    「『いってらっしゃい』だね、ネオユニヴァースは客席で“観測”をしているから」

  • 175二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 02:00:20

     数時間前までの熱気はどこへやら。
     人の気配も殆どなくなった東京レース場の裏口から、アタシは出た。
     そして、そこには白い息を立ち昇らせながらベンチに腰かける、ネオの姿があった。

    「『おかえりなさい』」
    「……うん、ただいま、ネオ」
    「最後の、とっても“ルミネセンス”だった」
    「もう、ああいうのあるんだったら、トレーナーさんもちゃんと言ってよね……!」

     あの後、トレーナーさんから言われたのは、ファンに最後の挨拶をしよう、だった。
     負けといて何の挨拶を、とも思ったが、今まで応援してくれた人達への感謝はしたかった。
     だからアタシはトレーナーさんに連れられて、再びターフへと戻って。
     
     ────アタシは、割れんばかりの大歓声に出迎えられた。

     もうとっくに最終レースは終わっているのに、観客席にはたくさんの人がいて。
     アタシと競いあって、先に引退してしまったウマ娘達も。
     今日も一緒に走って、これから先も走っていくウマ娘達も。
     デビューから応援してくれたファンや、最近来てくれるようになったファン。
     商店街の皆、こっちの人だけじゃなくて、小倉からもたくさんの人が来てくれて。
     そして、アタシは、最後の最後になって、ようやく気付いたんだ。

     アタシは、たくさんの人に、愛されていたんだって。

    「もっと、早く気づけていれば、良かったんだけどね」
    「でも、ナイスネイチャはちゃんと“発見”をした」
    「……うん、そうだね、気づかないよりは、全然良いよね」

  • 176二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 02:00:49

     だってほら、こんなに、気分は晴れやかだから。
     アタシ達は少しだけ距離を取って、ゆっくりと帰路についていた。
     もう少しだけ、この余韻を味わいたかったから。
     やがて、ネオが思い出したように、問いかけて来る。

    「ナイスネイチャは、これからどういう“航路”を取るのかな?」
    「……将来のことかあ、とりあえず実家に顔出して、それからは」

     実を言うと、あまり考えていなかった。
     ドリームトロフィーはガラじゃないと思ったから、大分前に断っている。
     お袋の仕事を手伝うのも良いけど、ネオもいるからずっと向こうにいるのはね。
     ……正直、頭が回らない。
     人生の大部分を占めていたレースが終わって、心に穴が開いたみたい。
     そういえば、先に引退した子も、しばらくはポケーっとしていた気がする。
     きっと、アタシみたいな子は、たくさんいるのだろう。
     アタシはお袋の店があったり、ネオがいたりと、恵まれている方ではあるのだけど。

    「……今日は、妙に空がきれいだね」
    「アファーマティブ、たくさんの“シンチレーション”を“観測”できる」

     二人揃って空を見上げれば、満天の星空。
     この辺りでこんなに星が見えるのは、なかなか珍しい気がする。
     数えきれないほどの、たくさんの星々。
     それは、引退したウマ娘達の、未来の可能性のよう。
     ちゃんと結びつけることが出来れば、永遠に残る星座を描けるかもしれないのに。

  • 177二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 02:01:12

    「引退したウマ娘の支援とか、出来ないかな?」

     ふと、アタシは思いつきを口にした。
     アタシは走っている期間だけは長いから、無駄に顔は広い。
     引退した子達が、その後どういう道を進んだのか、たくさんの話を知っている。
     それに、昔から、そして今も色んな子の相談に乗っているから、アドバイスは結構得意だ。
     そういうのを活かして、引退したウマ娘のキャリアプランを考える、とか。
     ……いや、いくらなんでも思いつきが過ぎるな、これじゃあネオも呆れるだろう。
     アタシは苦笑を浮かべながら、ネオの方をちらりと見やった。

     ────ネオは、驚いたように目を見開いて、こくこくと大きく頷いていた。

    「アファーマティブ……! とても『素敵』だと、ネオユニヴァースは思う……!」
    「ちょっ、大袈裟だってば……まだ漠然とした話だし、お金だって、たくさんかかるだろうし」
    「“WORR”はないよ、ナイスネイチャの『応援』をしたい人は、“MAZN”だから」
    「まっ、またまた~、言い過ぎだってば」
    「“BTDY”にプレゼントを『募集』したり、『PHAL』を出せばよい」
    「なんで!?」

     ツッコミを入れるアタシを見て、ネオは楽しそうに笑った。
     まあ、でも、なんだろう。
     ネオにこう言われると、なんだか、出来るような気がしてきた。
     ちょっと本気で、考えてみようかな。

  • 178二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 02:01:33

     しばらく、お互いに何も話さないまま、歩みを続けていた。
     それは別に気まずいなんてことはなく、むしろ居心地が良い。
     けれど、なんとなく、手が寂しくなって。
     ネオと手を繋ごうと思って、手を伸ばして。

     ────ふと、妙な考えが、頭を過ぎった。

     前人未踏の記録を打ち立てて、たくさんの人に祝福されて、円満に引退をして。
     将来の夢もおぼろげながら見えて来て、隣には愛する人がいてくれて。
     いくらなんても、これは都合が良すぎるんじゃないだろうか。

     アタシとネオには、本当は何の接点もなくて。
     ネオが『素晴らしい素質』を認めてくれることもなくて。
     ネオがアタシのことを一番だと言ってくれることもなくて。
     アタシとネオの馴れ初めなんてただのでっち上げで。
     アタシがネオの勝負服を着ることなんてなくて。
     アタシとネオがお揃いの勝負服を着ることなんてなくて。

     この手を繋いでしまったら、優しい幻想は、終焉してしまうのではないか。
     他の人に漏らしたら、笑われてしまいそうな、子ども染みた妄想。
     でもそれが、今のアタシには怖くて怖くて、ネオの手を取ることが出来ない。

  • 179二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 02:01:53

    「────『わたし』は、ちゃんとここに“存在”をしているよ」

     ぎゅっと、両手が握り締められた。
     柔らかくて、暖かくて、安心して、優しくて。
     何よりも確かな、ネオユニヴァースの手だった。

    「『ぼく』は、ナイスネイチャと交わることはなかった」

     ネオは、アタシの両手を合わせて、顔の前で包み込む。
     透き通るような蒼い瞳、それはアタシを見つめながら、遠くも見ているようだった。
     彼女は慈しむような優しい笑顔で、言葉を続ける。

    「でも、『わたし』と『あなた』は、いくつかの奇跡を越えてこうして手を繋いでいる」

     ネオの言葉は、難しくて良く分からない時がある。
     ただ、その声から、その目から、その顔から、めいっぱい伝わってくることがあった。
     ネオが、アタシのことを愛してくれていることだけは、たくさん、伝わって来た。

    「スフィーラ、わたし達は、辿り着くことが出来たんだ」

     ネオは空を見上げる、アタシも一緒に空を見上げる。
     二人で同じ星空を見上げていると、この宇宙に二人だけしかいないような気持ちになる。
     不安はいつの間にか霧散していた。
     こうしていられれば、怖いものなんて、何もなかったんだ。
     ネオは一際強く、アタシの手をぎゅっと握ると、小さな声で、呟いた。

    「わたし達がずっと一緒にいられる────『素晴らしい宇宙』に」

  • 180二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 02:05:28

    あまりに美しいSS

  • 181二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 02:07:05

    すげぇよ…

  • 182二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 02:08:33

    素晴らしいNice Universeスレ

  • 183二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 06:38:57

    このレスは削除されています

  • 184二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 06:41:30

    脳が焼かれた

  • 185二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 09:33:12

    幾多の苦難を乗り越えて、数多の奇跡を手繰り寄せ、そうして辿り着いた『わたし』と『あなた』のUniverseって事なんだよね、Emotionalじゃない?

  • 186二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 09:56:58

    ネオユニのキャラとリンクさせてこのスレッドで唐突に生まれた概念ということを物語に昇華するのほんとに天才
    普通に泣いた

  • 187二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 10:02:53

    いくつかの奇跡(ダイス×2、辻SS降臨)

  • 188二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 10:42:41

    無から産み出されたのに、まるで最初から交流があったかのような安心感がある。

  • 189二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 11:34:16

    ハローハロー、『私達』は『HAPY』になったよ

  • 190二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 11:35:25

    SS主さんお疲れ様でした
    忘れられない出逢いって存在するんだね…

  • 191二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 11:45:02

    スフィーラ 『ぼくたち』はこうして"GDLS"の気まぐれの元出会ったけど、この出会いは"DSTY"だったよ
    MAZNの"THNK"を君たちに……『ぼく』はCEBRするよ

  • 192二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 11:49:01

    なんだろう言葉が出てこないレベルの熱量だ…

  • 193二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 11:52:32

    このスレを >>4 くらいから見れたことを光栄に思う

  • 194二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 12:12:54

    暇なので



  • 195二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 12:13:24

    ずっと困惑と歓喜で頭がいっぱいなんすよ


    いったい何が起こっているんだ


    「可能性の美しさ」を見せられている…


    >>151のユニ可愛すぎ、ヤバい。可愛すぎ。

    普段とはうってかわって恥ずかしがるの可愛すぎ。

    ほんともう。

  • 196二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 12:14:22

    2人の未来に幸あれ

  • 197二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 12:14:30

    すごいいい SS だ……最高

  • 198二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 12:15:00

    乙!!

  • 199二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 12:15:47

    伝説のスレだった。またどこかで供給のあらんことを……

  • 200二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 12:16:14

    お幸せに!!!!!

オススメ

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