【🎲・SS・閲覧注意】バンビちゃんの聖文字「E」の能力が 3

[1 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/10/31(火) 09:28:51]

『爆撃(The Explode)』ではなく『侵入(The ENTER)』の世界線。

私のシュリフトはE｜あにまん掲示板

↑のスレの能力設定を所々引用しつつやります（完全見切り発車）。

現在のバンビちゃんの能力値

戦闘力 115

霊力 70

霊子操作 59

静血装 33

動血装 71

聖文字の熟練度 5

前スレ↓

【🎲時々⚓・閲覧注意】バンビちゃんの聖文字「E」の能力が　2｜あにまん掲示板

[2 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/10/31(火) 09:30:47]

黒崎家の面々からバンビちゃんの好感度ダイス。
黒崎一心　69
　　真咲　56（固定）
　　一護　112
　　遊子　39
　　夏梨　69
その逆、バンビちゃんからの黒崎家の好感度ダイス。
黒崎一心　39
　　真咲　80 (固定)
　　一護　37
　　遊子　47
　　夏梨　47

[4 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/10/31(火) 09:36:12]

バンビちゃんからの一護以外の現世メンバーの好感度。
朽木ルキア　41　井上織姫　99
茶渡泰虎　44　石田雨竜　27
浦原喜助　60　石田 竜弦　33
有沢 竜貴　29　浅野 啓吾　86
小島 水色　17　四楓院　夜一　58

逆からのバンビちゃんの好感度ダイス
朽木ルキア　58　井上織姫　102
茶渡泰虎　62　石田雨竜　92
浦原喜助　98　石田 竜弦　69
有沢 竜貴　50　浅野 啓吾　89
小島 水色　21　四楓院　夜一　69

[5 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/10/31(火) 10:03:39]

＊話が途中だったので少し前から再掲載。

　石田雨竜が牢で目覚める前、朽木ルキアの処刑場である双殛の丘、その地下深くには大昔に浦原喜助と四楓院夜一が作った秘密の遊び場があった。
　その場所で黒崎一護は、斬魄刀の第二形態『卍解』習得のため、夜一の用意した人形『転神体（てんしんたい）』を用いて彼の斬魄刀・斬月（ざんげつ）を強制具象化させ屈伏させるための戦いを始めようと、一護は斬魄刀を人形に刺した。
　しかし、ここで予想外が起きた。
「は……はぁ～あ！？」
「な、なっ……なぜ、お主が出てくる！？　アンナ！？　なぜ、どうやって……っ！！」
　転神体から具象化するのは斬月のはずが、実際に具象化してきたのは白い軍服姿の黒崎アンナ（バンビエッタ）だったため、二人は大きく目を見開き絶句した。
　唖然とする二人に、アンナは呆れ顔を向けた。
「驚き過ぎ。一護、あたしがあんたの内側にいたのは墓参りで分かっていたでしょ？　言いたくないけど、あたしは他人の内側に自分のコピー……精神体を侵入させる能力があるのよ。夜一は浦原に聞いているんでしょ？」
「う……うむ。あるのは聞いておったが――いや、今はよい。斬月はどうした？　なぜ出て来ない？」
　夜一は、アンナの登場で一護の卍解習得が出来ない可能性を懸念していた。
「――斬月は忙しいのよ。安心しなさい、一護があたしに勝てば、斬月は屈伏を認めるって言質は貰っているから、卍解の習得には支障ないわ」
「オッサンが忙しい？　俺はどうやって勝てばいいんだよ？」
「――すぐに教えるわよ」
　急かす一護の前でアンナが地面を強く踏みつけるや、天井と地面に様々な形状の斬魄刀が数百本出現した。
「……な、なんだ、こりゃあ……！？」
　驚き左右を見回す一護を無視して、アンナが説明を始める。
「この中に一本だけ本物の斬月がある。斬月の代役たるあたしを倒せるのはその一本だけ、一護あたしはあんたを本気で攻撃するわ。殺されたくないならさっさと本物を見つけて、あたしを斬り伏せなさい――説明、終わり！！」
　と手早く説明を終えたアンナは横に跳び、ノコギリ歯の斬月を地から引き抜くや飛廉脚で一護の前まで移動し、斬魄刀を彼に振り下ろした。
「！？　――うおっぁ！？」
　紙一重で回避した一護は逃げ出し、前方にあった曲刀の斬月を引き抜きながら振り向き、迫りくるアンナを迎え撃った。

[6 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/10/31(火) 10:04:16]

　黒崎一護の青空と摩天楼が乱立する精神世界。
「……始まったようだ」
『みたいだな』
　一護と黒崎アンナ（バンビエッタ）の卍解に至る戦闘を感じ取る二人。漆黒の衣に身を包んだ長髪髭面に半透明のサングラスをかける一護が『斬月のオッサン』と呼ぶ者と、一護と容姿が瓜二つも髪色・死覇装は白く白目や爪が黒いアンナが『白一護』と呼ぶ者。
『アイツが時間を稼いでいるうちに、こっちも決めようぜ。なぁ――斬月？』
「あぁ……」
　黒と白を象徴するような二人の手には、それぞれ抜き身状態の斬魄刀・斬月が握られていた。
「『卍解」』
　同時に斬月には青色、白一護には赤色の霊力の奔流がそれぞれの足元から噴き出し、二人を包み込む……奔流が止んだ時、二人の衣服と得物は別物となっていた。
『おいおい、斬月さんよぉ。そのセンスはねえだろ』
「……ゆくぞ」
　白い衣装を羽織る斬月は駆け、弓形で白い長刀の斬魄刀を横薙ぎに振るうも、白一護は高く跳び上がり回避する。
『こっちもいくぜぇ！！』
　大口で笑い一転して黒衣を纏う白一護は、石突きから切っ先まで全てが漆黒の斬魄刀を斬月へ全力で振り下ろす。
「うぬぅ！」
　叩き付けられる強烈な一撃を斬魄刀で受け止めた斬月は、唸りながらその場に踏み止まる。
『ハハハッ！　この程度で終わりじゃねえぞ！　斬月！！」
　白一護は宙に浮いたまま荒々しい斬撃の何度も斬月に浴びせる。それを達人の如き剣技で斬月は見事に捌いていく。
『さすがだな！　なら、コイツはどうだぁ！！」
　白一護は再び高く跳び、空に掲げた漆黒の斬魄刀に赤い霊力が収束する。
『ヒャァァアハ――ッ！！！！』
　急降下し狂喜の叫びを発しながら白一護は、斬月へ斬魄刀を振り下ろすと同時に赤黒い三日月の斬撃が放たれる。
　足場の摩天楼は斬撃の衝撃で炸裂、大量の白煙が舞った。白一護はすぐに不安定な足場に立ち斬月を探る。
『――そこぉ！』
　斬月の気配を察知するや、白一護は煙を吹き飛ばす強烈な突きを放つ。
「外れだ」
　だが、斬月は紙一重でかわし、素早く白一護の利き手をがっちり掴む。仕返しとばかりに白い長刀の斬魄刀に青い霊力が収束させる。
『なあ……この技、月牙天衝でいいよな？』
「――ああ」
　直後、白一護の体を青い斬撃が貫く――。

[7 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/10/31(火) 10:21:50]

私服のバンビちゃん

[8 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/10/31(火) 10:32:02]

パジャマのバンビちゃん2

[9 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/10/31(火) 10:42:38]

また竜弦がきた時のバンビちゃん

[10 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/10/31(火) 11:24:14]

ハロウィンの魔女バンビちゃん

[11 二次元好きの匿名さん 23/10/31(火) 12:29:15]

そういえばこの2人は正確な卍解を知らない可能性が高いんだよな

[12 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/10/31(火) 17:56:03]

　黒崎一護の精神世界、その一つの摩天楼が崩れ落ちる。
『どうした！　斬月さんよぉ！！　防戦一方じゃねえか！』
　白一護は落下する瓦礫を足場にして、同じように落下する瓦礫に立つ斬月を煽りながら彼に斬撃を浴びせ続ける。しかし、斬月は堅実に無差別の斬撃に対処していく。
『だんまりかァ！　そんなザマなら、俺が力の中心に立っちまうぞ！』
　白一護の漆黒の斬魄刀に再び赤黒い霊力が収束する。
『月牙天衝ッッツ！！！！』
　周囲の瓦礫も巻き込んで赤黒い月牙が斬月に襲い掛かるも、彼はあえて月牙に直進して皮一枚を削りながら回避して、白一護に一気に迫る。
『！？』
「――月牙天衝」
　斬月は長刀の白い斬魄刀から青い月牙天衝を放つ。鋭く縦幅の長い斬月の青い月牙を白一護は正面から迎え撃ち斬魄刀をぶつけるも、一方的に青い月牙の勢いに押されて隣の摩天楼へ激突した。
「……ふう」
　宙に立つ斬月は息を吐き出す……内在闘争とも呼べるこの戦いの意義は二つある。
　一つ、黒崎一護の莫大な霊力の制御権を握る席の争奪戦。斬月は引き続き席に座るため、白一護はその席を斬月から奪うため。
　一つ、卍解時の能力・デザインの決定権。
　黒崎アンナ（バンビエッタ）の精神体が表に出てきたのは、二人の戦いが終わるまでの時間稼ぎを斬月に命じられたから。
『ハハハハハ――ッ！　やるじゃねえか！　斬月よぉ！』
　激突した摩天楼から飛び出した白一護は、空に響くような高笑いをしてから斬月を睨む。
『だが足りねえ！　もっとだ！　もっと熱くなれ！！　てめえの全てを晒しやがれ、斬月ッ！！』
「……騒ぐな。お前の激情は一護に悪影響だ」
『ハッ！　この程度で俺たちの王が揺らぐかよ――……いいさ、こっからは俺のターンだ！！』
　刹那、白一護の姿が斬月の視界から掻き消える。
　静寂の中、斬月は白一護の気配を探るも霊圧を抑えているのか、彼の霊圧知覚でも見つけられない。
「――下かっ！！」
　そんな状況の中、斬月は爆発的に膨れ上がった白一護の霊圧を捉え、彼が真下を向いた瞬間、視界の全てを埋め尽くすような巨大な赤黒い月牙が襲い掛かった。
　回避は間に合わないと悟り、斬月は青い月牙を斬魄刀に纏わせて迎え撃った。
「ぬううっ！！」
『ハハッ！　それもアりだよな！』
　白一護は弓形の笑みを浮かべ、赤黒い月牙を斬魄刀に纏わせて斬月を上から強襲した。

[13 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/10/31(火) 17:56:51]

展開ダイス

1.一護VSバンビエッタ（転神体）2.斬月VS白一護2　3.一護＆夜一

dice1d3=3 (3)

>>11　自分もそう考えてこの展開を思い付きました。

[14 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/10/31(火) 23:54:05]

「俺、温泉に入るの初めてだ……」

　遊び場の隅にある温泉に浸かる黒崎一護は湯の効能で傷を癒しながら、土の天井を見上げて呟く。

　『卍解』習得の修行一日目は、終始黒崎アンナ（バンビエッタ）に圧倒されて戦闘経験を稼ぎ、戦闘技能の向上はあっても卍解獲得の手応えはなかった。

「どうじゃ、湯加減は」

「夜一さん。いい感じだぜ」

「そうか、それは何よりじゃ――それでは儂も入るとしよう」

「！？！？」

　一護は聞き捨てならない四楓院夜一のセリフに愕然とし振り向くと、彼女はちょうどレギンスめいた両脚にぴったりとした黒パンツを脱ぐところ。目撃した一護は湯に潜るので、夜一はニヤニヤと笑みを浮かべ慣れ親しんだ黒猫に変身してから温泉に入った。

「期待通りの浅い男じゃな、これで文句はないじゃろ」

「……うるせぇ」

　色気とムードが何一つない混浴でも啓吾が知れば恨めしい視線を向けるだろうなと、くだらない事を考える一護の隣で入浴し続ける黒猫の夜一が訊ねる。

「どうじゃった一護。アンナの実力は？」

「あぁ、強ぇよ…………なあ、夜一さん」

「なんじゃ？」

「あんたや浦原さんは、どの程度アンナの素性を知っているんだ？」

　黒崎家に来る前のアンナと浦原商店は接点があると踏む一護は、過去を知りたいと思った。内側にいる本人に訊くのが早いが、答えてくれると思えなかった。

　そして夜一はどう答えるべきか悩む。アンナという名は黒崎一心が付けた仮名、本名は誰も知らず、どこから来たのかを知るのは石田竜弦、空座町に来た目的は推測の域、誰にも見つからずにどこで鍛えていたのかも不明。教えられない事ばかりゆえに、彼女は誤魔化す事にした。

「一護よ、知りたいのは真にアンナのことか。本心を隠しておらぬか？」

「それは――滅却師のアンナが親父の遠縁って事は、黒崎の家系に滅却師がいたって事だろ？　親父は俺が死神代行していた事も全部知っていたんじゃねえのか」

　自問のように夜一に訊ねる一護に、一心の旧名を知る彼女はまた悩んで答える。

「血は枝分かれするもの。黒崎の家筋に滅却師の血が混ざったとしても、おぬしの父がこちら側を知っているとは限らんぞ？」

「……それもそうか」

「今は卍解習得のみ考えていればよい。真実はいずれ判るはずじゃ」

展開ダイス

1.一護VS斬月　2.バンビエッタ＆白一護　3.ルキア＆バンビエッタ

dice1d3=1 (1)

[15 二次元好きの匿名さん 23/11/01(水) 07:38:21]

斬月に交代ってことはデザイン決まったのか

[16 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/01(水) 14:04:42]

　『卍解』習得修行の二日目。

　黒崎一護の対戦相手は、黒崎アンナ（バンビエッタ）から本来の相手・斬月に変わった。だからこそ一護は再びの苦戦を強いられる事になった。

「くそっ、アンナと全然違えっ！」

「当然だ。相手が変われば、踏み込み・リーチ・剣速・手段。類似点はあれど私は彼女ではないぞ。一護」

　二又の斬魄刀で連続突きを繰り出す斬月は、一護に助言していく。慣れたリーチが帳消しにされ初日のように斬られる様に、転神体の維持に努める夜一は不安を覚えたが口には出さなかった。

「――くっ」

「反応が遅いぞ」

　一護の握る湾曲の斬魄刀を二又の間に挟み、器用に奪い取った斬月は裏拳で彼の顔を殴り飛ばす。地面を転がる一護を斬月は追い、追撃の蹴りを繰り出す。しかし一護は両腕を交差させて防御するも勢いは止まらず、後方へ蹴り飛ばされた。

「うらっ！」

　飛ばされながら返し刃が付いた斬魄刀を取って勢いを殺した一護は、即座に斬月へ駆ける。

「！？」

「驚くたびに思考を止めるな」

　二又と湾曲の斬魄刀を持ち二刀流の斬月は二刀を振るい、一護の胸を×字に斬り裂く。

「ぐっ……――おらっ！」

「！」

　堪らず前のめりに倒れようとした一護は利き足を前に出して踏ん張るや、上半身を起こし様に斬魄刀を逆袈裟斬りに振るい、斬月から湾曲の斬魄刀を弾き飛ばした。

「まだ、まだだぜ――オッサン！」

「……当然だ。速度を上げるぞ、一護」

「おうっ！」

　そして始まる斬撃の応酬、一護は体のあちこちを斬撃に斬られ血が噴くも気にする事なく斬魄刀を振るい続ける。優しい彼は親しい女の子を斬る事に苦手と抵抗が無意識にあったことで、本来の力を発揮できずにいた。彼女が聞いたら、彼の尻を蹴って不満顔になった事だろう。

　しかし、アンナとの戦闘経験は無駄にならず、斬月の虚を突くような攻撃が出来るになっていた。

「ちっ」

　五分以上斬り合ったところで、互いの斬魄刀が砕け散った。

　互いに次の得物を取るため地に刺さる斬魄刀へ跳ぶ、一護は中華包丁のような肉厚の斬魄刀、斬月は薙刀のように反りのある長い刀身の斬魄刀を手に取った。

「うっおおお！！」

　裂帛の雄叫びを上げて一護は猛進する。斬月は静寂の水面が如くただ静かに斬魄刀を構えて、迫る一護を迎え撃った。

展開ダイス

1.バンビエッタ＆白一護　2.ルキア＆バンビエッタ　3.織姫

dice1d3=2 (2)

[17 二次元好きの匿名さん 23/11/01(水) 14:08:14]

一護視点だとそう見えるよね、当たっているが微妙に違うという

今思えば卍解のデザインに能力や名前もこの2人がその場で決めたんだよな月牙天衝も見よう見まねに近い筈だし

[18 二次元好きの匿名さん 23/11/01(水) 17:14:48]

やっと最新話まで追いついた〜
アンナちゃん最高に可愛くって好きです
序盤にベキベキに心へし折られたのが元の性格との乖離が進んだ原因っぽくて面白かった！

[19 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/01(水) 23:48:59]

　懺罪宮の牢、朽木ルキアは先程二度の処刑日前倒しが宣告され、処刑は明日になった。
　覚悟があったルキアも、翌日に処刑されると言われれば驚きを隠せない。
「明日か……」
「どーすんのよ」
　床に寝るルキアを、彼女の内側にいる黒崎アンナ（バンビエッタ）の精神体が見下ろす。
　一昨、脱獄の機会がやってきたのにごたごたが起きて、結局機会を失ってしまった。
「アンナ殿、私は一護たちに助けられるべきなのか？」
「んなの知らないわ。一護たちがあんたを助けたいから、尸魂界に来たのよ」
「そうだが……私はかつて自分自身が救われたくて、岩鷲殿の兄を――海燕殿を殺めてしまった」
「海燕？　あぁ、一昨日の不男の兄貴だっけ？　どんな死神だったの？」
　今日もやる事がないので、アンナはルキアと海燕の思い出話を求めた。
　ルキアは眉間にしわを寄せて悩んでから語り始める。
「あの人とは凡庸な挨拶、凡庸な怒声、凡庸な部下と上官の関係だった……しかしその凡庸さは紛れもなく、当時の私が求めていたものだった」
　ルキアの語る十三隊入隊時の海燕との出会い、彼の妻の戦死、敵の虚に挑むも融合され最期は逃げ戻って来たルキアに討たれたこと、その時の心中を……。
「ゆえに私は醜い。そんな者に救われる価値はない、血を流しても救う価値などあってはならないのだ」
「なるほど」
「すまない。私と心中は不快のはず」
　ルキアは上半身を起こして、眼前のアンナに頭を下げた。
「……死ぬ覚悟があるなら、あんたは海燕に託されたものを、誰かに預けているのよね？」
「え――？」
「言ったんでしょ？　最期に、心は此処に置いて行けるって」
「このままだと、尊敬する先輩の心も殺す事になるわよ？」
　アンナの言葉に愕然としたルキアは何も答えられないが、彼女の脳裏に何度も言葉が反復された。
　海燕殿の心を殺す、命だけではなく心まで私が殺す？　――そんなの出来るはずがない。
「わ、私は……海燕殿の心まで殺せないっ」
「あたしには謝るくせに……ま、抗う気になったのはいい事ね――なら、隠れる方法あるから、しばらく体を貸しなさい」
「え、ア――」
　ルキアの意識は一瞬だけ途切れ、気付けば目を閉じた自身の体が眼前にあり、そして目が開く。
「これで良し。あとは任せなさい」
　自分の体で動き出すアンナに、ルキアは何をする気なのか疑問に思うも見守るしかなかった。

[20 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/01(水) 23:56:29]

展開ダイス

1.バンビエッタ＆白一護　2.死神　3.牢屋組　4.一護＆恋次

dice1d4=3 (3)

＊2の出目が出た場合、dice1d13=13 (13)　隊　1.隊長　2.副隊長　dice1d2=2 (2)

>>17　ちゃんと真実を知る機会は考えてますが、ダイス次第になるので。月牙天衝は白一護が20年前に見ていますし、能力・デザインはここで決まっても、まだ卍解名は残っていますから。

>>18　ありがとうございます。原作と性格を乖離させるには、早い内から心をべきべきにしておく必要がありますから、結果的にダイスの出目の弱さが良い方向に働きました。

[21 二次元好きの匿名さん 23/11/02(木) 08:10:49]

保守

[22 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/02(木) 13:25:10]

　地下救護牢の三人組は、脱獄の妙案が浮かばないまま体力気力の回復を続けていた。
「モンシロチョウが入って来たよ。かわいいなぁ……ウフフ、こっちは春なのかなぁ」
「チョウチョ見てひとり言か、末期だなオイ」
　窮屈な部屋に押し込まれ、石田雨竜の正気が怪しくなり、その姿を志波海岩鷲が哀れみを向け、茶渡泰虎（チャド）はそんな友人の扱いに困る。
「――で、どうすんだよ実際。俺ら打つ手無しじゃねえか。もうすぐ取り調べが始まるぞ」
「手枷、壊してみるか？」
　チャドは黒光りする鉄の手枷の鎖を揺らす、とても壊せるような脆い強度ではなさそうだが、現世で怪力と聴く彼なら出来そうな気がする雨竜だったが、現在の状況が判らない上にここが四番隊隊舎である以上、隊長が駐在していてもおかしくはない。
　しかし、何かしらの準備は必要だった。
「茶渡くん、やってみよう。でも、破壊じゃなくてひび割れ程度に抑えてくれ。巡回の隊員に見つかるとまずい」
「善処する……誰の枷を殴る？」
「はいはいっ！　俺！　俺の手枷にしてくれっ、これが壊せれば石破が使えるしな！　脱走も楽だぜ！」
　挙手する岩鷲の石破が何なのか判らない雨竜とチャドだったが、何かしらの脱出手段があるなら使える方がいいと思った二人は、まず岩鷲の枷を壊すことにした。
「……分かった。枷を前に出してくれ」
「おうっ」
　岩鷲は牢の中心に立ち、チャドの方へ両手の手枷を晒す。
　そしてチャドは立ち上がり、利き足を前に出し腰を何度も捻って勢いを付けてから鎖と繋がれた左手と一緒に右拳を突き出した。
　ドンッと強く叩かれた岩鷲の手枷は壊れることなく、その衝撃で岩鷲が吹き飛んだ。
「――ダメか、茶渡くんの拳でも砕けないか」
「フム、鎖が短い。うまく殴れない」
「いいや、まだ一回だろ！　諦めるなよ雨竜、泰虎ぁ！」
　仰向けに倒れた岩鷲は、がばっと立ち上がると早々に諦める二人を鼓舞する。
「岩鷲くん、いいのかい？」
「――当た坊よ！　この岩鷲様の頑丈さを見せてやるよ！！」
　ドンと胸を叩いた岩鷲は、チャドの前で仁王立ちをする。
「……分かった。もう一度だ」
　岩鷲の心意気を受け取ったチャドは、再び彼の手枷を破壊するために最大打撃が出せる姿勢を探している間に、天井が崩れて岩鷲が下敷きになるのはこの直後だった。

[23 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/02(木) 13:25:50]

展開ダイス

1.死神　2.黒崎家　3.バンビエッタ（精神体）＆白一護　4.ルキアinバンビエッタ

dice1d4=4 (4)

＊1の出目が出た場合、dice1d13=1 (1)　隊　1.隊長　2.副隊長　dice1d2=1 (1)

[24 二次元好きの匿名さん 23/11/02(木) 20:57:58]

侵入でのサポートは有力だけど信頼関係ないとかなり怖いよね、織姫達はバンビを信用してるから怖さとかは無いんだけどストレス発散で部下を狂死や自殺させてたバンビを知ってる帝国側からは信頼なんて皆無だろうな

[25 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/02(木) 23:01:04]

　なぜ、いない！？　一体どうやって……――処刑は明日だぞ。絶対に探し出せっ！！
　エコーの掛かった懺罪宮の看守の慌て声を上から聴きながら、自分の肉体を黒崎アンナ（精神体）に無理やり取られた朽木ルキアは、彼女の隠れた場所に驚くしかなかった。
「ここが、影の中だというのか……」
　水中を漂うような浮遊感、周囲は暗く光源も無いのに視界はくっきり見え、頭上を見上げれば牢の天井が波打ちながら見えていた。
「――影の領域（シャッテン・ベライヒ）。影の中に霊子の空間を作る滅却師の技よ。今入っている影が別の影と重なれば、その影に移動出来るから便利よ……本当は人前で見せるのは、かなりまずいけど」
　ルキアの声で説明するアンナ。彼女たちが最初に隠れたのは部屋の隅に出来た影の中、今は牢にルキアがいない事に気付き牢内に入ってきた看守の影に移動しており、外に出られるのも確実。
「アンナ殿、こちらの声は向こうに漏れないのか？」
「大丈夫よ。本来はこっちも外の声は聞こえないけど、ひと工夫したから一方的に聴く事が出来ているの」
「……隠密機動が欲しがりそうな技術だ」
「で、外に出たらどうする？」
　アンナとしては適当に隠れつつ、黒崎一護たちと合流して現世に帰還を考えていた。彼女の問いにルキアは考えを口に出す。
「浮竹……十三番隊長なら、殛囚の私でも匿ってくれると思う。もしくは隊舎の倉庫なら早々見つかる事はないはずだ」
「ふ～ん、他に頼れる隊員いないの？」
　いきなり護廷十三隊の隊長に接触するのは危険と考えるアンナは、他に信用できる隊員はいないのかと訊ねるとルキアは躊躇いを見せながら、一人の隊員の名前を出す。
「……恋次なら大丈夫と思うが、近くには兄様がいる」
「ああ、あの赤頭――幼馴染なんだっけ？」
　牢の中は暇だったためにルキアの昔話を吐露させたアンナは、彼女が入隊前の人間関係も聞き出し阿散井恋次との関係も把握していた。
「う、うむ……ただの腐れ縁だ」
　照れが窺えるルキアの表情にアンナは、あの赤頭は彼女にとって多少気になる相手だと悟った。しかし、それを口に出すのは同姓のよしみで控える事にした。
「どっちにしてもしばらくは適当に人影から人影へ移る。それでいいわよね？」
「――よろしく頼む」

[26 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/02(木) 23:04:50]

展開ダイス

1.黒崎家　2.見えざる帝国4　3.浦原商店　4.死神

dice1d4=2 (2)

＊2の出目が出た場合『見えざる帝国』ダイス。

1.陛下　2.ハッシュヴァルト　3.ペルニダ　4.アスキン　5.エス・ノト　6.リルトット　7.バズビー

8.蒼都　9.キルゲ　10.BG9　11.ペペ　12.ジェラルド　13.ロバート　14.ドリスコール

15.ミニーニャ　16.ベレニケ　17. ジェローム　18.マスキュリン　19.キャンディス

20.ナナナ　21.グレミィ　22.ニャンゾル　23.リジェ　24.ロイド　25.ジゼル

dice1d25=24 (24)

＊4の出目が出た場合、dice1d13=13 (13)　隊　1.隊長　2.副隊長　dice1d2=2 (2)

>>24 信頼があるからこそ頼れる能力ですが、そこがないとただただ恐ろしい能力ですよね。もしも、帝国の面々と信頼関係があったなら、親衛隊入り出来たかもしれませんね。

[27 二次元好きの匿名さん 23/11/03(金) 03:17:12]

帝国側の文章作成は難しそうです

[28 二次元好きの匿名さん 23/11/03(金) 03:36:31]

陛下ハッシュバンビーズとかはまだしもロイドとは特によく分からんやつ出たな…

[29 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/03(金) 10:52:43]

　瀞霊廷が旅禍に翻弄されている間も、帝国外で活動を続ける聖章騎士たちがいた。

　ロイド・ロイド……禿頭で額には眼の刺青をしたＬのロイドとＲのロイド、同じ名を持つ双子の滅却師。聖文字も同じくY、他者に化ける『貴方自身（The Yourself）』を持ったあまりに似すぎていたため、どちらが兄でどちらが弟かは永久にどうでもよくなった兄弟。

彼らは護廷十三隊に入隊したばかりの新米隊士を捕まえて姿形を模し、それ以後は始解の出来ない下位の隊士として年単位で活動し、隊員内で流れる噂や書物に残されない席官たちの個人情報を集め、ある程度情報を集め終わると支給された斬魄刀・浅打（あさうち）と共に帝国へ帰還。しばしの間を置いてから再び同じ事を繰り返す。

　下位の隊員が同時期に二人いなくなっても根性無しが逃げたとろくな追跡・調査もされず、次の活動時には別人の姿なので正体の露見もない。

「旅禍、見つからないね」

「そうだね」

　普段は化けた隊士の性格を模して周囲に振る舞うが、二人だけの時は素の淡泊で子供っぽさのある口調で会話する。

　彼らは隊士として潜伏中の旅禍探索に駆り出され瀞霊廷内を走り回っていたが本気で探してはいない、彼らが本気を出すのはユーハバッハ陛下の命令のみだ。

「一度、隊舎に帰ろう」

「帰還は……まだ早い」

　実力はないが仕事はきちんとこなす無害の隊士、として活動するロイドたち。

　すでに旅禍は三人捕縛されて、残り二人の探索は他に任せていいと考えるＲのロイド、自分だけ隊舎に戻るのは印象が悪いと考えるＬのロイド、珍しく意見が分かれた。

　だから二人は、それぞれ片手を出す。

「「シェーレ、シュタイン、パピア」」

　二人の意見が割れた時は、平和を望む陛下の意志を尊重してじゃんけんで決める。ドイツ式の掛け声でじゃんけんを行ったロイドたちはそれぞれの手を見る。Ｒのロイドはチョキ、Ｌのロイドはグーを出していたので、隊舎の帰還はもう少し後に決まった。

「私の勝ちだね」

「そうだね。もう少し探そうか」

　方針が決まったロイドたちは、それぞれ模した隊士の性格に戻るや二手に別れて未発見の旅禍を探しに瀞霊廷を走り回るのだった。

展開ダイス

1.プール　2.浦原商店　3.黒崎家　4.死神

dice1d4=3 (3)

＊4の出目が出た場合、dice1d13=10 (10)　隊　1.隊長　2.副隊長　dice1d2=2 (2)

[30 二次元好きの匿名さん 23/11/03(金) 13:32:23]

力と記憶でコピーできるところが違っているのもこういった細かい差異があるからなんだろうな

[31 二次元好きの匿名さん 23/11/03(金) 21:52:53]

侵入を他の操る系能力と比較すると使い勝手はいいけどどちらかと暗殺や情報収集、サポート向けに近いな
戦闘に使うなら侵入出来るまで本体が生き残らないといけないし相手が強ければ強いほど時間が掛かるからバンビの実力がかなり重要

[32 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/03(金) 22:00:44]

　黒崎家、昼食を作るバンビエッタは夏休みの宿題を七割終え、今の心配事は、黒崎一護たちが二学期が始まる前に現世へ帰って来れるのかで、死ぬ可能性は全く考えていなかった。

「なぁ～いつまで掃除すればいいんだ」

「終わるまでに決まっているでしょ」

　一昨日から一護の体で浦原商店から黒崎家へ戻って来たコンをこき使うバンビエッタは、家中の廊下と窓の拭き掃除をさせていた。

　黒崎一心、遊子、夏梨は買い物に出かけていた。

「一護、早く姐さんを助けて、連れ帰って来いよなー」

「……そんな保証ないわよ」

「へっ？　なんでだよ」

　バンビエッタの発言にコンは不満げな声を上げた。

「あいつらは朽木ルキアの処刑を止めたいだけで、現世で生活させたい訳じゃないからよ」

「うぅ、そんな、姐さん……オレ、寂しいぜー。恋しい～」

　バンビエッタの説明にコンは嘆きながらも窓はきちんと拭く。与えられた仕事をするのは、改造魂魄の性質じゃないのかと考えつつ、彼女は昼食を完成させた。

「コン――一心たちが帰ってくるのは昼過ぎになるから、先に食べるわよ」

「おー！　待ちわびたぜっ」

　リビングの窓を拭いていた雑巾を床に放り投げたコンは、素早く手洗いをして子供のように食卓に着いた。

　昼食は、大盛りのピリ辛豚丼にポテトサラダ付き。

「いただきまーす」

　ガツガツと豚丼を掻き込むコン。バンビエッタも豚丼を食べながら、一護もこれくらい美味しく食べてくれれば作り甲斐があるのにと思ってから、石田雨竜と四楓院夜一以外に侵入させた精神体は役に立っているのかと考える。

　だが、それ以上に考えるべきは『見えざる帝国』の反応。一護を始めとした面々の調査を行うのは確実で、その過程で自分は見つかると確信していた。

　陛下の決定次第では、問答無用で連れ戻されるか粛清されるかは判らないものの、どちらにしても聖章騎士たちの能力を死神たちに全て暴露しようと決めていた。

「ああ、そうだ。コン」

「うんっ？　なんだ」

「あたしも午後は出かけるから、風呂掃除もやっておいて」

「はぁ～っ！？　人使い荒過ぎるぞ！」

「聞こえないわね」

展開ダイス

1.死神　2.ルキアinバンビエッタ2　3.浦原商店　4.一護＆夜一2

dice1d4=3 (3)

＊1の出目が出た場合、dice1d13=4 (4)　隊　1.隊長　2.副隊長　dice1d2=1 (1)

[33 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/03(金) 22:18:49]

>>30　きっと味の好き嫌いも微妙に違うんでしょうね。

>>31　確かにアモールやloveと比べて、後方支援型ですよね。今は接触が出来れば即侵入出来るようになっても、中遠距離からだと対象の霊圧次第で侵入までの時間が変わる点はそのままですし、聖文字を戦闘で生かすならインファイトになるので近接戦をさせてくれない相手は苦手でしょうね。

[34 二次元好きの匿名さん 23/11/04(土) 02:21:02]

確かにロイド・ロイドならこういう使い道もありだな
ルキアの姿が目に留まらなければいいが

[35 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/04(土) 11:13:11]

　昼食後のバンビエッタはコンに留守番も任せて、浦原商店へやって来た。
「どーも、アンナサン。暑い中ご足労をかけまッス、ささっ中へどうぞ」
　炎天下の中、店の前で待っていた浦原喜助に促されてバンビエッタは店内に入る。向かうのは地下ではなく、店の住居スペースに作られた隠し部屋――浦原喜助の研究室。
　黒崎家のリビングほどの広さの部屋に近代的な電子機器や理科機器に培養カプセルと手術台が設置された、浦原製の義骸は全てこの部屋で作られていた。
「メールに書いた通り、その義骸をばらして整備します。その間は霊体保存用のカプセルで寝てもらうッス」
「え、時間かかるの？」
「そうッスね……夕方頃には終わらせます。一心サンみたいに年一度のチェックをさせてくれていたら、そこまでかからないのですが。ほぼ七年ぶりッスから」
「……悪かったわよ。でも、へんな改造をしたらパンツ一枚で外を歩いてやるわ！」
　義骸のチェックに同意しつつも、浦原にあんたの内に自分の精神体がいると牽制したバンビエッタは用意されたカゴに着ていた衣服を入れて下着姿になる。高校生の下着姿で劣情を抱く浦原ではないので、普段通りの態度を維持しつつ、彼は溶液入りのカプセルを指差す。
「カプセルの下部に手を乗せて霊力を流して下さい。自動的に義骸からカプセル内に魂魄が移動します」
「ここね」
　浦原に言われた通りバンビエッタが霊力をカプセル下部に流すと、一瞬の暗転が起きて彼女の魂魄は脱着不可の義骸からカプセル内に移動していた。
「ちょっ！　裸なんだけど！？」
「だいじょーぶッスよ。カプセルのガラスは中に魂魄が入ると、自動でマジックミラーみたいにこっち側からは見えないですから」
　と言いながら微笑む浦原は抜け殻の義骸を担ぐ。手術台に乗せられる自分の義骸を見つめるバンビエッタは、自分の裸体は本当に外から見えないのかと内心で疑い――急な睡魔に襲われる。
「あ、言い忘れていました。急には眠れないでしょうから、溶液に睡眠剤を混ぜてありますから、すぐに眠れますよ」
「それ、言うの……遅いわよ…………魂魄の解析とかしたら、あんたの髪は無くなると思い、なさいよ……」
　睡魔で意識が遠のきながらもバンビエッタはか細い声で、浦原に忠告してから深い眠りについた。

[36 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/04(土) 11:14:32]

展開ダイス

1.ルキアinバンビエッタ2　2.死神　3.一護＆夜一2　4.？？？（現世）

dice1d4=3 (3)

＊2の出目が出た場合、dice1d13=6 (6)　隊　1.隊長　2.副隊長　dice1d2=2 (2)

[37 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/04(土) 19:35:51]

　『卍解』習得の修行三日目の早朝、四楓院夜一からの言葉に黒崎一護の全身に激震が走った。
「ルキアがいなくなったぁぁああ！！？？」
「驚き過ぎじゃ、バカたれ！」
　大声で驚く一護に夜一は拳骨を落とした。
「いってぇ～～。ど……どういう事だよ！！　夜一さん！？」
「……昨日未明、懺罪宮に収監されていた朽木が忽然と姿を消し、総隊長命令で隠密機動が内々に探しておる。儂に分かるのはそこまでじゃ」
　夜一にもルキアがどうやって牢から脱したのか見当が付かないでいた。懺罪宮の牢は霊力遮断の殺気石で作られているため、鬼道と斬魄刀の能力で壊すことは出来ない。霊力を必要としない爆薬や現世の重機などの物理的なら破壊可能でも現実的ではない。
　他の可能性は、志波岩鷲や山田花太郎たちのような外部協力者が牢の入口を開錠して連れ出した場合だが、殛囚のために動く死神が瀞霊廷にまだいるとは考え辛い。残る可能性は敵勢力の介入、四大貴族の養女を誘拐する事で瀞霊廷に宣戦布告は効果が薄いと思った。
「マジかよ……ルキア……」
　夜一の思案など気付かない一護は、助けたい相手が行方知れずになり仲間の安否も分からず、自分はどうしたらいいのか悩んだ表情を見せる。
　そんな表情を浮かべる一護に夜一は告げる。
「一護、悩む暇はないぞ。おぬしは引き続き卍解の修行を行う、朽木を助けた後も現世へ逃げるまで他の隊長格と戦う可能性は十分にあるからな。それに、井上たちが簡単に死ぬと思っておるのか？」
「…………あぁ、分かったよ」
　夜一の言葉を受け、悩んでも卍解の無い自分では朽木白哉に勝てない、更木剣八と相打ちになったのは剣八が始解さえ出来なかったから。他の隊長は全員が卍解持ち、彼らと同じ土俵に立つためにも強くならないといけない。
　一護は両頬を叩いて気合いを入れると意識を切り替えた。
「始めようぜ、夜一さん。今日中に卍解を習得してやるよ！」
「フ、その意気じゃ」
　気持ちの切り替えが出来た一護に満足そうな微笑を浮かべた夜一は、転神体に斬月を呼び出した。

　もしかして、朽木ルキアに入っているあたし……影の領域使った？

　ただ一人、黒崎アンナ（精神体）だけが正解を導き出していたが、彼らに影の領域を説明したくない彼女は一護の修行を彼の精神世界から見守る事を選ぶのだった。

[38 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/04(土) 19:36:28]

展開ダイス

1.？？？（現世） 2.ルキアinバンビエッタ2　3.死神　4.石田一行

dice1d4=1 (1)

＊3の出目が出た場合、dice1d13=4 (4)　隊　1.隊長　2.副隊長　dice1d2=2 (2)

[39 二次元好きの匿名さん 23/11/04(土) 19:40:44]

聖章騎士の能力という交渉のカードは中々に強力、能力以外にも見えざる帝国の暴露も帝国側からはして欲しくはないだろうし

[40 二次元好きの匿名さん 23/11/04(土) 20:53:01]

ルキアの脱走は各方面からしたらとんでも事態だよ
藍染達も予想外すぎるだろこれ

[41 二次元好きの匿名さん 23/11/05(日) 00:02:28]

ヨン様ならオリチャー構築してなんとかするしろ

[42 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/05(日) 01:19:05]

>>39　それを使う時はバンビちゃんもただでは済まないでしょうけどね。

>>40　ここから物語をどう展開するかある程度考えていますが、ダイス次第なので頑張ります。

>>41　そもそも、初遭遇の時にバンビちゃんを仕留められていたらこの展開にはならなかったので、全ては彼女を殺せなかったヨン様のせいです。

[43 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/05(日) 09:21:43]

　空座町を離れていた彼らの一部が、清掃係として新しい住居の廃倉庫へやって来た。
「はあー……こんなん適当でも十分やんか」
　赤ジャージに金髪ツインテール、八重歯とそばかすがある小柄な少女は箒をバットの如く素振りをして掃除を放棄した彼女に、同じ清掃係で一般人に見つからないように廃倉庫を特殊な結界で囲う担当の、非常に大柄で寸銅な桃色髪の男は苦笑するしかない。
「そう言わズ、ちゃんと掃除しまショウ。ひよ里サン」
「――ハッチ、毎度思うけどな、あんたは真面目過ぎや。ほどほどてぇーぬかんと最後にばてるで？」
　ひよ里と呼ばれた少女は、ハッチの愛称で呼ぶ男の真面目さを評価しつつも欠点と思いながら大柄な彼の背中を箒でバシバシと叩く。
「性分なのデ、こればかりハ――ご心配ありがとうございマス」
「はぁ～……もうええわ。んでハッチ、あいつには連絡したんか？」
「はいデス。今後の展開でハ、我々に協力して貰うことになると言っていマシタ」
「チッ、なにが協力や。あのクソボケ」
　ひよ里は『あいつ』が昔から嫌いだった。しかし大きな貸しがあるため拒否するのも難しい、渋々協力する事になるのがいつもの流れと理解する彼女は、今後どんな無茶ぶりが待っているのか想像するだけで苛立ちが募った。
「うちの死神きらいは、あいつのせえや」
「……ひよ里サン。そう仰らズ、もしかすると彼も多少ハ性格が良くなっているかもしれまセンヨ？」
「ハッ――ありえへんなぁ。もしも、あいつの性格が百八十度変わっといたら、それは世界の終わりかうちの夢ん中の出来事しかない！」
　断言したひよ里は箒をくるくるとペン回しの如く回転させて、後方に投げる。箒は落下し地面に落ちる寸前で第三者の手が箒を掴んだ。
「おいっ、てめえは掃除一つ出来ねえのか。ひよ里」
　三人目の掃除係の銀色短髪で筋肉質の目つきが悪いタンクトップ姿の男は、ひよ里をジロッと睨み付ける。
「なんや拳西！　文句あるんか！？」
「あるから言ってんだ。このボケが」
　不良めいた態度と言動の拳西（けんせい）に彼女は当然の如く噛み付く。それにハッチが溜息を吐く流れは様式美と言っても良かった。
「お二人共、口論はほどほどに掃除をしまショウ」
「うっさいわ！　ハッチ！　黙っとれ！」
「てめえは一度本気で反省しろ！」
　口喧嘩を始める二人に、ハッチはどうしたものかと空を見上げるのだった。

[44 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/05(日) 09:22:10]

展開ダイス

1.死神　 2.ルキアinバンビエッタ2　3.石田一行　4.恋次＆夜一

dice1d4=2 (2)

＊1の出目が出た場合、dice1d13=7 (7)　隊　1.隊長　2.副隊長　dice1d2=2 (2)

[46 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/05(日) 16:06:46]

展開ダイス

1.石田一行　2.アルバイト　3.黒崎家　4.死神

dice1d4=4 (4)

＊4の出目が出た場合、dice1d13=12 (12)　隊　1.隊長　2.副隊長　dice1d2=2 (2)

[47 二次元好きの匿名さん 23/11/05(日) 19:32:54]

メタルキア・ソリッド始まる

[48 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/05(日) 19:43:52]

瀞霊廷、十三番隊の倉庫。
　影の領域で人影から人影へ移り続けた朽木ルキアの肉体で行動する黒崎アンナ（バンビエッタ）は、ルキアの希望で十三番隊までたどり着き、隊舎倉庫から黒の死覇装を拝借して着替え、ついでに食べ物も盗って腹を満たした。
「ねえ、斬魄刀の予備とかないの？　浅打って銘の」
「その斬魄刀は、真央霊術院を院卒した時に渡されるのみで基本的に予備はないのだ。破損しても極端な事だが、柄さえあれば自動修復される……相応の時間はかかるが」
「ふーん」
「アンナ殿、一度私に体を返してくれないか？　十三隊舎内なら隊員に見つからず隊首室まで行ける自信がある」
「本当に会うの？　一護たちと合流した方が無難だと思うんだけど？」
「……かもしれない。だが、尸魂界から出るには穿界門を開く必要がある。門を開くには鍵持ちの斬魄刀が必要だ。一護たちだけでは開ける事は叶わない」
　ルキアの説明に彼女は隊長に会い、門を開けてくれる事を頼むつもりと気付いた。しかしそれは瀞霊廷に対する背信に繋がる、いち隊員のためにそこまで泥を被るほどのお人好しに隊長が務まるのか疑問に思うアンナだった。
「ねえあんたの斬魄刀は？　開けられるでしょ？」
「確かに、私の斬魄刀――袖白雪（そでのしらゆき）でも開けられるが、探す時間が惜しい」
「……目的の隊長以外に見つかった場合は？」
「倒すか逃げきる――」
　その発言にルキアの想いと決意を感じたアンナは、素直にルキアへ体を返す事にした。本来なら肉体を奪う事なく影の領域を使う事は出来たが、感覚でも彼女に影の領域を覚えてほしくはなかったからだ。
「……うむ」
　瞬時に自分の体に戻ったルキアは、感触を確かめるように両手を握ったり開いてを繰り返した。
　そっと倉庫の扉を開けた彼女は霊圧を抑えつつ、左右に隊士がいない事を確認すると抜き足で倉庫からを出て素早く男用のトイレへと向かって行く。

　トイレから進むするの？

「ああ、トイレの天井裏から炊事場手前の廊下まで進み、その後は炊事場の裏口からゴミ捨て場を通り、植え込みの中で夕餉まで待ち、人が食堂に集まったのち壁に沿って慎重に歩き、特定の場所で音をあえて出す事で――」

　なんだか、ステルスゲームの動きね……それも志波海燕から教えてもらったの？

　アンナの問いに、ルキアは懐かしむような微笑を浮かべていた

[49 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/05(日) 21:42:58]

　涅マユリは治療のため深い眠りに付き、ほんの少しの間十二番隊は副隊長・涅ネムと三席ながら技術開発局副局長を務める阿近が舵を取る事になった。
「それでネム。お前さんはどう動く？　総隊長の爺さんから内々で、失踪した殛囚捜索中の隠密機動を手伝えと指示があったんだろ？」
「……私が指揮をするのですか？　阿近三席」
「そりゃそうだ。お前さんは、十二番隊の副隊長だろ？」
「…………」
　技術開発局の廊下を歩きながら、まさか自分が隊の指揮をすると阿近に言われて彼女は沈黙するしかなかった。現在の十二番隊はマユリのワンマンチームであるため、彼の補佐を至上とするネム自身の判断で隊を動かす発想はなかった。
　阿近としては、これはネムの成長に繋がると指揮は彼女に任せる事を決めていた。
「……マユリ様の意見を――」
「おいおい、隊長は治療中だぞ。起こしてみろ、機嫌最悪でこっちまでとばっちりを受けちまう」
「……そうかもしれません」
　技術開発局局員の大半は、マユリと百年以上の付き合いであったがそれでも怒った時の彼は容赦なく周囲を巻き込むので、阿近としても刺激する行動はしてほしくはなかった。
「マユリ様なら、どのようにして殛囚を探すか考えてみます……」
「おう」
　ネムは立ち止まり、阿近は腕を組み見守る視線はまるで親戚の子供を見るように温かい。彼女は涅マユリならどうするかたっぷりと考え…………その答えを十二番隊の方針と決めた。
「決まりました。十二番隊は、これから飛行型監視蟲を瀞霊廷全域に放ちます」
「ふむ、対象外は？」
　瀞霊廷には護廷十三隊でも立ち入れない場所がある。最高意思決定機関『中央四十六室』、中央四十六室の構成員用の居住区画『清浄塔居林』、監獄『真央地下大監獄』は基本的に不可侵となっていた。
「ありません、全域です。山本総隊長も納得してくれるはずです」
「……分かった。未発見の旅禍と殛囚を同時に見つければ、お咎めは小さくなるだろうな」
　阿近は隊士爆弾の件が自分に飛び火しない事を内心で祈りつつ、ネムの方針に従い局員たちに飛行型監視蟲を瀞霊廷全域に放つ手配のため彼女と別れるのだった。
「マユリ様」
　一人になったネムは、これで彼は怒らずに自分を褒めてくれると小さく期待しながら自分も局員を手伝うため監視蟲の保管室へ歩いて行った。

[50 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/05(日) 21:44:21]

展開ダイス

1.？？？（瀞霊廷）2.死神　3.石田一行　4.ルキア＆バンビエッタ

dice1d4=3 (3)

＊2の出目が出た場合、dice1d13=11 (11)　隊　1.隊長　2.副隊長　dice1d2=1 (1)

[51 二次元好きの匿名さん 23/11/05(日) 22:58:34]

>>49

「全域」

[52 二次元好きの匿名さん 23/11/05(日) 23:11:42]

これでどんな相手も見つかって安泰だな(すっとぼけ

[53 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/06(月) 01:52:48]

>>51　ええ、全域ですよ。

>>52　旅禍と殛囚も見つかって、ついでに隠れていた彼も見つかり四十六室の真実も暴ける……ネムの株はうなぎ登りでしょうね。

[54 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/06(月) 11:31:23]

「黒崎はどこで何をしているんだ……朽木さんが脱走したのにっ！」
「まあまあ、石田くん。黒崎くんはきっと修行をしているんだよ」
「……俺もそう思う」
「んな事より、俺たちもそろそろ動いた方がいいだろ」
　石田雨竜・井上織姫・茶渡泰虎・志波岩鷲たちは、黒崎一護と再戦という理由で旅禍を助けた更木剣八と草鹿やちるに十一番隊隊舎に匿われていた。彼らの耳にも朽木ルキアが脱走したという情報は入り、作戦会議の最中だった。
　彼らの居る部屋の前には、一護と岩鷲に負けた斑目一角と相棒の綾瀬川弓親が見張りをしていた。
「朽木さんと合流するには、僕たちが彼女を見つけるかその逆しかない。向こうの情報だと彼女は十三番隊所属らしいから、あえてそこに潜伏する可能性は高い」
「……灯台下暗しか」
「でもよー雨竜。どうやって十三番隊の隊舎に入るんだよ、俺たちの面は割れているんだぞ？」
「だいじょうぶだよ、岩鷲くん！　こういう時は変装だよ！」
　名案を思い付いたと明るい表情の織姫に、男性陣は微妙な表情を作る。
「井上。変装するとして、どんな格好させるつもりなんだ？」
「もちろん！　死神だよ！　今度は髪型もばっちり変えてアクセサリーとかいっぱい付けたらバレないよ！」
　力強く変装を押す織姫に、三人は疑問しかない。すでに四人は死覇装で十一番隊隊員のフリをしている、そこに髪型や装飾を足しても限度がある、また霊圧で覚えられていると彼女の提案は穴だらけだった。
「そもそもよお、朽木が十三番隊に居る保証がねえだろ」
「……石田、さすがに十三の部隊を虱潰しは無理だ」
「僕だって彼女がいる確信はない。あくまで自分が彼女と同じ立場だったら、内部を把握している場所に潜伏すると思ったんだ」
　闇雲に探す事も出来ず、何か良案がないかと考える雨竜に再び織姫が提案した。
「うーん……じゃあ、先に黒崎くんを探そう。どこにいるか判らないけど」

　双殛の丘の真下にいるわよ。

「アンナちゃんが、双殛の丘の真下に黒崎くんがいるって！」
「「「え？」」」」
「……あれ？　どうして判るのアンナちゃん？」

　精神体のあたしたちは、情報共有は出来ないけど位置は互いに分かるからよ。

「へ～ぇ、アンナちゃんがね、精神体の位置が分かるんだって！」
　それを早く言って欲しかったと思う男三人だった。

[55 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/06(月) 11:31:49]

展開ダイス

1.一護＆恋次　2.？？？（瀞霊廷）　3.ルキア＆バンビエッタ　4.死神

dice1d4=2 (2)

＊4の出目が出た場合、dice1d13=8 (8)　隊　1.隊長　2.副隊長　dice1d2=2 (2)

[56 二次元好きの匿名さん 23/11/06(月) 18:36:19]

侵入が頼りになりすぎる
ルキアの所にも案内出来たけどしなかったのは今ルキアの所に行くのは危険と判断したからかな？間違いなく隊長格が動いてそうだしなぁ特に兄様

[57 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/06(月) 20:51:03]

「やれやれ、涅ネムには困ったものだ」
　瀞霊廷内にある貴族も通う料理屋の二階、彼は好物の豆腐を使った味噌漬豆腐と清酒に舌鼓と実に優美な時間を過ごしていた。
「呑気やなぁ。こっちは蜂の巣突いたみたいに大騒ぎやのに」
　自分が認める唯一の副官が、気配もなく窓の柵に腰かけて声をかけられたとしても、彼の心が揺れる事はなく無言でお猪口の清酒を口に含む。
「向こうの様子は？」
「あかんわぁ、四十六室が全員死んでいるのバレてもうた。総隊長直々に現場へ入ってます」
「……そうか」
　副官の言葉に、予定とは違うが彼らの死が露見するのは想定内。
　本来であれば当に朽木ルキアの処刑が終わっている時間だが、前日に彼女の脱走という想定外に続き、涅ネムによる瀞霊廷全域へ監視蟲の散布が始まったため、渋々彼は隠れていた地下議事堂から一旦外に出る事となった。
「こりゃ処刑も流れるとちゃいます？　アレの回収は？」
「――問題ない。処刑が中止されたとしても、二の矢は用意している……朽木ルキアの居場所は？」
　彼の質問に副官は頭を左右に振った。
「どの隊にも見つかってません。霊圧が回復してへんとちゃいます？　それで、この後は？」
「地下議事堂が封鎖されるのなら、私は清浄塔居林に隠れるとするよ」
　まさか一度調べられた場所を使うとは誰も思わない。仮に気付いた者がいたとしても、彼には絶対に見つからない自信があった。
「旅禍の方はどうだい？」
　彼は薄切りの味噌漬豆腐を箸で持ち上げ口に入れる。味噌の旨味と風味、チーズのようなコクが口内に広がった。
「四人は十一番隊にいましたけど、今はこそこそと双殛へ向かっています」
「そちらに四楓院夜一か黒崎一護がいるのだろう――二番隊に教えてあげてくれ」
「ええですけど、砕蜂隊長をぶつけるんですか？」
　副官は四楓院夜一と二番隊隊長の因縁を知っているため、彼のささやかな悪意に呆れた。
　彼は薄く笑うも何も答えない。
「それはそうと、雛森副隊長はどないするんです？」
「ああ、そうだね……彼女とはお別れだ。手ずから処理しよう」
　憧れを抱く者は御しやすい、雛森桃はその典型だった。憧れの対象が消えるのだから彼女の命を断ってあげる事が慈悲と彼は考えた。
「これを食べ終えたら、私も動くとしよう」
「――ほな、ごゆるり」
　そして副官は消え、彼は何事もなかったようにお猪口に清酒を注いだ。

[58 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/06(月) 20:55:04]

展開ダイス

1.黒崎家　2.石田一行2　3.死神　4.ルキア＆バンビエッタ3

dice1d4=4 (4)

＊3の出目が出た場合、dice1d13=11 (11)　隊　1.隊長　2.副隊長　dice1d2=2 (2)

>>56　位置情報は分かっても、そこに何があるか分かりませんから、四人に朽木ルキアの位置は言えませんでした。それに比べて双殛の丘は見えていますからね。ダイス次第では白哉も書いてみたいですが。

[59 二次元好きの匿名さん 23/11/07(火) 01:30:55]

ほしゅしゅ

[60 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/07(火) 11:00:27]

　朽木ルキアは、十三番隊隊舎のゴミ捨て場近くの植え込みに潜んでいた。
「戦闘が始まっているみたいね」
「……そのようだ」
　潜伏するルキアは小声で答える。誰と誰が戦っているか判断は出来ないものの、彼女は黒崎一護たちと隊長の誰かではないかと考えていた。
「ねえ、隊舎の中が騒がしくない？」
「……また浮竹隊長が倒れたかもしれない」
　十三隊隊長・浮竹十四郎は虚弱体質。幼少より肺病を患い、しかし真央霊術院初の隊長になった一人でもある。
「そんな体で、隊長としてやっていけるの？」
「不安定なのは否めないが、支えてくれる者も多い。特に小椿三席と虎徹三席は――！」
　そこまで言いかけたところで、ルキアは口を閉ざす。隠れる植え込み後ろ側の壁の向こうからドタドタと小走りの足音が聴こえてきたからだ。
「浮竹隊長～～！　四十六室が全滅しました～～！！」
「――無駄に声がでかい！！　隊長～～！！　四十六室が何者か殺されていました～～！！！！」
「自分だって怒鳴っているじゃねえか」
　壁越しに聴こえる男女の大声の内容に、ルキアは大きく目を開いた。
「四十六室が……全滅！？」
「それって、あんたの処刑を決めた連中よね？」
「っ、ああ……瀞霊廷の最高意思決定機関だ。一体、何が起きているのだ――ッ」
　ルキアの心は大きく揺れ動く、自分に死罪を宣告した者たちが殺された……それでは自分の刑が覆らないのではないかと不安になり、霊圧の制御が揺らいだ。
「交代よ――」
　霊圧の揺らぎをまずいと思ったアンナは強制的に再びルキアの肉体を奪うや、影の領域を使って植え込みの影に入る。
　その直後、ゴミ捨て場の近くに一人の男が上空からやって来た。
「兄様……！」
　朽木白哉の登場にルキアは驚くも、影の中にいる彼女に彼が気付く事はない。白哉は無言で周囲を一周してルキアがいないと分かるや、一瞬でその場から立ち去った。
「……兄様」
「無愛想な顔ね。どうするの、このまま隊首室を目指す？　それとも一護たちと合流する？」
　三体の精神体がほぼ一か所にいるので、一護たちと合流するのは容易だ。
　アンナの問いにルキアは頭を左右に振った。
「…………いや、このまま浮竹隊長に会う」
　自分を追う義兄にルキアは何を想っているかアンナには判らないが、ちゃんと目的をもっている事に安心した。
「このまま影の中で待機するけどいいわよね？」

[61 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/07(火) 11:00:51]

展開ダイス

1.死神　2.ルキア＆バンビエッタ4　3.黒崎家　4.黒崎一行　5.浦原商店

dice1d5=2 (2)

＊1の出目が出た場合、dice1d13=11 (11)　隊　1.隊長　2.副隊長　dice1d2=1 (1)

[62 二次元好きの匿名さん 23/11/07(火) 14:39:38]

メタルキア・ソリッドというレスに笑ったが事ここに至っては冗談でもなくなってきた

[63 二次元好きの匿名さん 23/11/07(火) 18:32:52]

サポートバンビちゃんの安心感
タイミング的に戦闘は砕蜂と夜一か？

[64 二次元好きの匿名さん 23/11/07(火) 19:28:58]

あっぶね！？
一瞬の霊圧の揺らぎで兄様飛んできたよねこれ！？

[65 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/07(火) 21:08:05]

　炊事場の換気口から湯気が出ている。
　続々と炊事場に併設された食堂へ隊員たちが集まる気配を感じ、一眠りしたルキアは動き出すため影から黒崎アンナ（バンビエッタ）に出してもらう。
　植え込みから出ると壁に沿って忍び足で進む彼女は、小さい格子窓の下まで来ると壁をコンッコンコンと叩く。アンナはそれに何の意味があるのかと思いながら見守っていると、窓の向こうから一本の鍵が落とされた。それを掴んだ彼女は動き始める。
「……今の何？　鍵を落としたのは誰よ」
「鍵番の誰かだ。格子窓の下で壁を叩く回数とテンポで、対象の鍵を近くにいる鍵番が窓から落とす……主に隊員がこっそり外出する時に多いが、息抜きは必要と浮竹隊長・海燕殿も黙認していた」
「で、貰った鍵はどこの鍵なの？」
「食料がある蔵の鍵だ。蔵の二階の窓から出て、通路の塀を二つ越えれば隊首室は目の前だ……ただ、そこから先は隠れる場所がない」
「隊首室って、隊長の私室よね？　どうして外にあるのよ」
「私には判らないが、初代十三番隊隊長の趣味とは思う」
「……初代護廷十三隊、ね」
　歴代最強、護廷とは名ばかりの殺戮集団……千年前に瀞霊廷へ侵攻してきたユーハバッハ率いる『星十字騎士団』を壊滅させ、それが発端で『見えざる帝国』が生まれる事になった。
「ここだ」
　ルキアは目的の蔵を見つけると手に入れた鍵で錠を開けて中に忍び込む、階段が鴬張り並に軋むと知る彼女はゆっくり慎重に階段を昇る。そして二階に着くと目的の窓を開けると迷うことなく、真下の塀を飛び乗る。
「ふぅ……霊圧を抑えながら跳ぶのは地味に難しいな」
　と呟くルキアは、飛び石のように塀を二度越えた。　
「――あれが、十三番隊隊首室・雨乾堂（うげんどう）だ」
　地面に着地したルキアの指差す先に、庭園に囲まれた池の上に堂がぽつんと建っていた。日本のわびさびがいまいち分からないアンナには、まるで人生の最期は一人である事を風景で表現したような寂しさがあった。
「影がないわね。夜は待つしかないわよ」
「いや、このまま行かせてほしい」
「なんでよ？」
　夜まで待てば影で安全に目的地に到着出来る、それをしないルキアの意図が分からない。
「それが礼儀というものだ」
　ルキアは雨乾堂を目指して歩き出した。
「――ここに居たか」
「！！」
　頭上から降り落ちてきた声に、ルキアは驚き上を見上げた。

[66 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/07(火) 21:09:17]

展開ダイス

1.ルキア＆バンビエッタ5　2.黒崎一行　3.　4.死神　5.夜一＆砕蜂

dice1d5=1 (1)

＊5の出目が出た場合、dice1d13=1 (1)　隊　1.隊長　2.副隊長　dice1d2=1 (1)

＊ルキアを見つけたのは誰？dice1d4=3 (3)　1.3番隊　2.9番隊　3.5番隊　4.6番隊

>>62　こっそり行動しないと見つかりますから……もう見つかったけど。

>>63　もうバンビちゃんはサポートナビ的な存在ですね。はい、前のダイスで石田一行が出れば夜一対砕蜂に続くつもりでした。

>>64　はい、白哉は岩鷲の微かな霊圧にも気付くほど霊覚が鋭敏ですから、義妹の霊圧ならなおさらです。

[67 二次元好きの匿名さん 23/11/07(火) 21:27:27]

ひェ……五番隊って誰……

[68 二次元好きの匿名さん 23/11/07(火) 22:00:07]

やったねバンビちゃん6年前の雪辱を晴らす時だ(白目)

[69 二次元好きの匿名さん 23/11/08(水) 00:42:29]

本物なのか偽物なのか

[70 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/08(水) 09:49:51]

　血のような赤い夕暮れ、夕陽を後光の如く背負う彼の姿に朽木ルキアは大きく目を見開く。
　その柔和な風貌、常に笑みを絶やさない穏やかな性格から隊外問わず慕われ、書道・霊術院の講師としてとても優秀で立ち見の生徒も出る人気ぶり――五番隊隊長・藍染惣右介。
「やあ、朽木くん」
　彼はルキアに柔和な微笑を向ける。
　ずっと牢に居たため護廷十三隊内で起きた事件を知らず、影の中にいたために縛道の七十七・天挺空羅（てんていくうら）の伝信による情報が届かなかったルキアには、正面に降り立った藍染惣右介をただ自分を捕まえに来た隊長としか認識していなかった。
「藍染、隊長……」
「無駄な抵抗はせず、大人しく捕まってもらおう。それが君にとっての最善だ」
「……お断りします。私はまだ死ぬ訳にはいきません」
　斬魄刀も無い、霊力も万全とは言えない状況。それでも志波海燕の心を預かるルキアは、再び牢に戻り処刑されるのを待つ気はなかった。
　ルキアの発言に、彼女が大人しく捕縛されないと悟った藍染は無言で霊圧を発した。
「――！？」
　周囲を震わせる巨大な霊圧、霊力回復中のルキアには強烈な重さとなり、自然と身が竦み息を呑む。
「手間を取らせないでくれ。僕は君の中にある物を取り出したいだけだ」
「……どういう、ことですか……あなたは、私を牢に戻すために来たのでは、ないのですか？」
「――なるほど。君には天挺空羅の伝信が届いていなかったか。では、教えておこう、朽木ルキア――」
　焦る様子もなくルキアへ近づく藍染は、彼女に全てを伝えた……中央四十六室を殺し、その後四十六室からの命令全てを偽装、現世への六番隊の派遣、二度の執行日の前倒し、その全てが自分の手によるものだと。
　ルキアの表情は困惑から明確な敵意と怒りの表情に変わった。
「あな――貴様は、私から何を――ぅぐっ！」
「騒がなくてもいい、その答えを今見せてあげよう」
　ルキアの首に付けたままの赤い首輪に指に掛けて彼女を持ち上げた藍染は、空いている手を懐に入れると小さな筒を取り出す。
「これは魂魄に埋没された異物質を取り出す道具だ。かつて浦原喜助が――」
　藍染はルキアへの説明を止めると、視線をやって来た者へ向けた。

[71 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/08(水) 09:50:35]

展開ダイス

1.黒崎一行　2.死神　3.ルキア＆バンビエッタ6　4.浦原商店

dice1d4=2 (2)

＊2の出目が出た場合、dice1d13=4 (4)　隊　1.隊長　2.副隊長　dice1d2=2 (2)

＊3の出目が出た場合、ルキアの危機にやって来たのは誰？

1.山本重國　2.夜一　3.更木剣八　4.石田雨竜　5.京楽春水　6.市丸ギン

7.朽木白哉　8.浮竹十四郎　9.黒崎一護　10.阿散井恋次　11.狛村左陣　12.東仙要　13.茶渡泰虎

dice1d13=13 (13)

>>67　もちろんあの眼鏡の人です。

>>68　屈辱を受けたのは宗弦の死後、真咲の死ぬ前なのでだいたい九年前ですね。

>>69　どっちなのでしょう……。

[72 二次元好きの匿名さん 23/11/08(水) 16:19:02]

あかんヤバイ方の剣きちゃう

[73 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/08(水) 17:57:46]

　『中央四十六室』の居住区画『清浄塔居林』。
　塔のように太い円型の居住が乱立する区画の入口付近、落ち着いた雰囲気の四番隊隊長・卯の花烈、優男風の体格・容姿をした副隊長・虎徹勇音がいた。
「……天挺空羅の伝信、終わりました」
「では、勇音。四番隊隊舎へ戻り、上級救護班の準備と待機を。私は引き続き、二人の治療を続けます」
　崩壊した居住の上に立つ卯の花は、藍染惣右介に致命傷を負わされた十番隊隊長・日番谷冬獅郎と雛森桃の治療中でここを離れる事が出来なかった。
「――はい！」
　隊長の指示に従い、勇音は死神の高速移動術・瞬歩でその場から離れる。四十六の遺体が回収されても、染み付いた血痕はそのままの地下議事堂を通り過ぎ、夕陽に染まる外へ出た彼女は四番隊隊舎を目指して再び瞬歩で移動しようとした。
「――勇音！」
「ら、乱菊さん！？」
　頭上から名を呼ばれた勇音は顔を上げると、同姓も羨む体型の金髪美女十番隊副隊長・松本乱菊が地面に着地。すぐに彼女の用件が、上官の日番谷隊長と気付いた勇音は矢継ぎ早に告げる。
「――卯の花隊長が、清浄塔居林で日番谷隊長と雛森さんと一緒に治療中です！」
「分かったわ！　ありがとう！　あっ、向こうに吉良がいるから、ちょっと見てあげて！」
「ぁえ、あの、今は――」
　松本は吉良イヅルのいる方角を指差すと勇音の返答を待たずに、瞬歩で地下議事堂へと向かってしまった。
「あぁ、どうしよう……隊長の指示もあるけど、でも吉良副隊長も心配……」
　優柔不断な彼女は気になる事があると、途端に悩んでしまい足を止めてしまう。副官なら隊長命令を優先するべきなのだが、そんな性格をしているため上官に優しく叱られたのは、一度や二度ではない。
「うう～～……よし、遠回りしよう！」
　吉良の状態を見てから最速で四番隊隊舎へ向かう事を決めた勇音は、瞬歩を使おうとしたが――。
「虎徹副隊長～！」
「――うえっ！？」
　後方から呼び止められた彼女が振り向くと、今度は隊員に肩を借りている切れ目で顔には刺青に三本筋の傷跡を持つ九番隊副隊長・檜佐木修兵と視線が合った。
　臆病の勇音は檜佐木の顔立ちが怖いため、苦手にしていたが彼の全身を観察する。外傷はないが、霊圧が非常に弱いため霊力を大量に喪失したと判断。
「うう、どうしたら」
　これから霊力回復をする事になると予想しながら、また悩む事になった。

[74 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/08(水) 17:59:00]

展開ダイス

1.ルキア＆バンビエッタ6　2.黒崎一行

dice1d2=2 (2)

＊1の出目が出た場合、ルキアの危機にやって来たのは誰？

1.山本重國　2.夜一　3.更木剣八　4.石田雨竜　5.京楽春水　6.市丸ギン

7.朽木白哉　8.浮竹十四郎　9.黒崎一護　10.阿散井恋次　11.狛村左陣　12.東仙要　

13.茶渡泰虎　14.砕蜂　15.小椿仙太郎＆虎徹清音

dice1d15=1 (1)

>>72　ある程度原作通りなので、初代は待機です。

[76 二次元好きの匿名さん 23/11/08(水) 18:47:39]

ルキアの危機に来るのは次回のダイスかな、ただぶっちゃけ総隊長以外誰が来ても大差変わらない気が
仮に総隊長が来たとしたらルキアの体でクインシーの技とか絶対使えんしなぁ

[77 二次元好きの匿名さん 23/11/08(水) 19:38:51]

よくよく考えるともうこの後一護と白哉戦う必要無いような・・・

[78 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/09(木) 00:58:01]

　黒崎一護・阿散井恋次・井上織姫・茶渡泰虎・志波岩鷲・石田雨竜の六人は天挺空羅の伝信を聴き、十三番隊隊舎にいるルキアと合流するため、瀞霊廷を駆けていた。
「藍染隊長、市丸隊長、東仙隊長が、なんでルキアを殺そうとするんだよ……っ」
「――んなの、その藍染に訊けばいいだろ！　今はとにかく走れっ！」
　憧憬と畏敬に尊敬を抱く隊長たちが敵と知り落ち込む恋次を、一護は背を叩く。
「……いいなぁ」
「井上？」
「男の子は喧嘩しても、すぐ仲良くなれるのが羨ましいなって」
「いやいや、あいつらのは喧嘩じゃなくてガチの戦いだったからな！」
　織姫の表現に岩鷲がすぐにツッコム、二人の戦いを目撃していた彼の眼には死闘にしか見えず、喧嘩と表現するにはあまりにも過小だった。
　殿を務める雨竜は沈黙したまま、彼らの様子を見つめていた。
「どうしたの石田くん、何か考え事？」
「いや、敵の能力に完全催眠があるという事は、僕ら以外を目的に近づけさせない事も出来る……それは――」
　嫌な予感がした一護は雨竜の言葉を待つ。
「――僕らに集中できるという事だ」
「正解♪」
　パチパチと拍手が前方から聴こえ六人は急停止、すぐに通路脇から彼らと面識のある敵が姿を見せた。
「――市丸隊長！」
「なんや、ボクが敵と判ったんのに隊長を付けるん？　阿散井クン」
　鋭い指摘に恋次の表情が曇り、市丸はいつものように笑う。
「ところで、君たちどこへ行くん？　ボクにも教えてほしいわ」
「誰が教えるかよ」
　斬月の巻布を解き一護は構え、借りを返す時が来たと思っていると恋次が前に出た。
「恋次……」
「わりぃ、ここは譲ってもらうぜ。お前らは先に行け！！　――蛇尾丸ッ！」
　恋次は素早く蛇尾丸を抜刀するや、始解の蛇腹剣を市丸へ伸ばす。それは軽々と回避されてしまうも、一護たちが走り出す隙は作った。
「あらら、行ってもうた。どないしよう」
「余裕でいられるのも、今の内だ。市丸ギン！」
「うん？」
「――卍解！！！！」
　恋次は初手から勝負を決めにかかった。

[79 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/09(木) 00:58:35]

展開ダイス

1.黒崎一行2　2.ルキア＆バンビエッタ6

dice1d2=1 (1)

＊2の出目が出た場合、ルキアの危機にやって来たのは誰？

1.山本重國　2.夜一　3.更木剣八　4.石田雨竜　5.京楽春水　6.朽木白哉

7.浮竹十四郎　8.黒崎一護　9.狛村左陣　10.東仙要　

11.茶渡泰虎　12.砕蜂　13.小椿仙太郎＆虎徹清音

dice1d13=9 (9)

>>76　結果は見えてますけど、展開的には仕方ない部分も……そうですよね、帝国の眼もあるからすでに危ない橋を渡ってますから。

>>77　一応、戦う理由は考えてはいるんですが、一護がその行動をするのかと考えると性格的にやらないだろうなと思って悩んでます。

[80 二次元好きの匿名さん 23/11/09(木) 10:16:08]

ルキアの脱走も藍染からしたら予想外ではあったにしろ全員が行方を知らない単独行動だから邪魔が入りにくいから好都合なんだよな
行方も大体の予想はつくだろうし監視してた一護達が十三番隊隊舎方面に向かっていたら確定と思ってもいいだろうし地味に藍染にも都合がいいダイスになってるかも

[81 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/09(木) 17:48:25]

「阿散井くん、大丈夫かな？」
「本人が先に行けって言ったんだ。あいつに任せるしかねえだろ」
　阿散井恋次の霊圧を背に感じながら、五人は十三番隊舎を目指す。
「黒崎、分かっていると思うが」
「もう一人もこっちに来るって言いたいんだろ」
「東仙要、僕を捕まえたのはそいつだ。斬魄刀の仔細は解らない、だけど音を使うのは確実だ」
　遭遇し遠距離から気絶させられた石田雨竜は、敵の斬魄刀は音が関係する能力と結論付けた。
「音か……俺たちで、対処出来るか？」
「おいおい、泰虎！　この岩鷲様がいるだろ！」
　最前を走る志波岩鷲は隣を走る茶渡泰虎に親指を立てて自分を指す。彼以外は音相手に何が出来るんだと思った。
「見栄張んなよ、岩鷲。後で恥ずかしくなるぞ」
「――み、見栄じゃねえよ！　くそっ、来るならとっとと来やがれ　東仙要！！」
　一護に自分の活躍を忘却された岩鷲は、悔しそうに叫ぶ。騒ぐ岩鷲を一護が落ち着かせようとした時、彼らの頭上に人影が出現。
　誰なのか一護には判らない、ただ抜き身の斬魄刀を構えた死神で真下に岩鷲とチャドがいた。
「――むっ」
　一護が迎撃するよりも早く、殿の石田雨竜が光の矢を放ち死神は斬魄刀で矢を弾き、宙を蹴って近くの塀の上に立つ。
「あいつが東仙要だ！」
　容姿を確認した雨竜が声を上げた。
「やっぱ、来やがったか！」
「市丸め、阿散井相手に何を遊んでいる……旅禍風情に藍染様の邪魔をさせる訳には――！？」
　そこまで東仙が言ったところで、チャドが彼の立つ塀を霊力の拳で破壊した。
「おい、チャド！」
「一護……俺がアイツを引き受ける。岩鷲もやる気のようだしな」
「え！？　お、おう！　もちろんだぁ！」
　チャドと岩鷲で隊長を止められると思えない一護の手を井上織姫が素早く掴み、そのまま前に駆け出す。
「茶渡くん！　岩鷲くん！　任せた！」
　二人に続く雨竜が叫ぶと、チャドは無言で親指を立てて答えた。
「舐められたものだ。たった二人で、私を止められると思うか？」
「……やってみないと分からない」
　東仙の自信を砕くため、チャドは早々に突撃。後方に立つ岩鷲はとにかく何かしようと、東仙へ爆竹を投げるのだった。

[82 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/09(木) 17:49:20]

展開確定ダイス

1.ルキア＆バンビエッタ6

dice1d1=1 (1)

＊ルキアの危機にやって来たのは誰？

1.黒崎一護　2.山本重國　3.石田雨竜　4.更木剣八　5.京楽春水　6.狛村左陣

7.浮竹十四郎　8.夜一　9.砕蜂　10.朽木白哉

dice1d10=7 (7)

>>80　天に立とうとする男ですから運も味方にしていないと、天に立つのは無理ですよ。

[83 二次元好きの匿名さん 23/11/09(木) 20:46:34]

貴重な浮竹隊長の戦闘シーンが…！？

[84 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/10(金) 00:48:35]

「藍染――俺の部下を放してもらおう」
　朽木ルキアを掴む藍染惣右介の前にやって来たは、十三番隊長の浮竹十四郎だった。
「浮竹。今日は体調が良いのかい？」
「浮竹隊長……」
　友人に話しかけるように藍染は、敵の体調を気に掛ける。しかし、浮竹はそれに答えずルキアに優しい視線を向けた。
「朽木、すまない。もう少し我慢してくれ――藍染、何のために朽木を殺そうとした」
　腰の斬魄刀を抜きつつ、浮竹は藍染の目的を怒気を滲ませた口調で問う。内心は、彼の斬魄刀・鏡花水月の完全催眠を警戒していた。
「――その答えを教えよう」
　微笑した藍染は空いていた手に握る筒の頭を押すと、ルキアの周囲に鋭角な突起物が陣のように地中から出現。さらに彼の空いた手にはグロテスクな手袋が装着された。
「待て！　藍染！！」
　何をするのか察知した浮竹が声を上げるも、藍染は手袋をした手でルキアの胸を貫いた――しかし、彼女の体には黒い穴が生まれ流血もなく、藍染の手はその穴の奥にある何かを捕らえると穴から手を引き抜いた。
「……驚いたな、こんなに小さいものなのか――これが崩玉」
　藍染の手には、多面体の結界に包まれた紫の結晶玉が握られていた。『崩玉』それが藍染の求めた物であり、浦原喜助が生み出しながら破壊不可能のため隠すしかなかった物体。
「それが、仲間を裏切ってまで求めていたものか……藍染」
「……崩玉は私の野望を成すための道具だ。なぜ君は何も仕掛けて来なかった？　それほど朽木ルキアの身が心配か？」
　浮竹は死神として藍染の両手が使用されたと同時に攻撃を仕掛けるべきだった。それをしなかったのは、妨害が彼女の死に繋がると躊躇ったからだ。
「目的は達した。朽木ルキアはこのまま、返――ぐぅっ！？」
「――えっ？」
　藍染の霊圧に竦んでいたルキアの左腕は本人の意思を無視して動き、眼鏡を砕き彼の右眼を立てた左中指が貫いた。
　本人の意思で体を動かそうとしたのなら藍染は察知し回避してみせた。だが、左腕を動かしたのは第三者のため反応が出来なかった。
　両手が塞がっていた藍染はルキアから手を放し、鞘の斬魄刀を逆手に抜こうとした――その刹那を浮竹は見逃さなかった。
「波悉く我が盾となれ 雷悉く我が刃となれ――双魚理（そうぎょのことわり）！！」
　瞬歩による接近と始解を行った浮竹は藍染とルキアの間に跳び込み、敵を睨み付けた。

[85 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/10(金) 00:49:13]

＊浮竹十四郎VS藍染惣右介に続きます。

二人の戦闘力ダイス。

浮竹十四郎　戦闘力:dice1d100=51 (51)　+50（隊長補正）

＊最低値50保障

藍染惣右介　戦闘力:dice1d100=78 (78)　+50（隊長補正）

＊最低値67保障

[86 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/10(金) 00:53:05]

新スレの初戦闘なので、戦闘ルールを記載。

・戦闘方法は基本は互いの㏋100とした、ダメージダイスでの削り合い。

＊互いの戦闘力100以上なら㏋を150、ダメージダイスの最大出目をその時に応じて変化させます（なるべくバランスをとりたい）。

・基本は三回ダイスを振り、戦闘力以上の出目はミス扱い、戦闘力以下の出目が多い方の勝ち。相手へのダメージ量は一番小さい出目。

＊ただし、帝国滅却師の場合は静血装があるので静血装の値分ダメージが下がります……動血装の値分ダメージ上昇のパターンもあります。

・どちらかに戦闘力と同じ出目が出た場合は引き分け、もう一度三回ダイスを振る。

・戦闘力以下の出目が互いに同数の場合、一回ダイスを振り出目が大きい方の勝ち。ダメージ量は先の三回ダイスの一番小さい出目。

浮竹十四郎（㏋150）　戦闘力101　dice3d130=29 78 98 (205)

藍染惣右介（㏋150）　戦闘力128　dice3d157=139 20 59 (218)

[87 二次元好きの匿名さん 23/11/10(金) 01:14:40]

侵入バンビちゃんにアニメでやってたクインシー大全の解説役とかやらせたいそして一護や石田達と漫才をやるんだ偶に陛下やバンビーズも入ってくるんだ
帝国版の死神図鑑とか無かったし

[88 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/10(金) 10:45:16]

保守、幼い頃のバンビちゃん（10歳くらい）

[89 二次元好きの匿名さん 23/11/10(金) 10:48:19]

何ら躊躇のない眼球狙い、流石です

[90 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/10(金) 15:50:37]

　双魚理、浮竹十四郎の斬魄刀は尸魂界に二つしかないという二刀一対。始解と同時に二振りの逆十手の刀身、二刀の柄に五枚の札が付いた縄で繋がれた形状になる。
「はぁ――！」
　双剣になった斬魄刀を浮竹は躊躇いなく×字に振った。藍染惣右介は逆手で鞘から斬魄刀を抜刀し、二刀が交差した瞬間で受け止めた。
「浮竹、あまり逸ると体調を崩すぞ」
「藍染！　大人しく縛に就け！　縛道の四・這縄（はいなわ）！」
　浮竹の握り拳から光の縄が飛び出し、眼前の藍染の体に絡みついて行動を制限する。隊長格相手に初歩の縛道などすぐに解かれるのは目に見えていたが、彼が欲しいのは一呼吸の間だった。
「――はぁぁあ！！」
「くっ！」
　二刀の最大利点は、手数の増加と攻守の使い分け。二刀の連撃を放ち浮竹は藍染の肉体を切り裂く、鮮血が飛び散りつつ光の縄から脱した藍染は斬魄刀を順手に持ち替えて距離を取ろうとしたが、浮竹は瞬歩で徹底した近接戦を選んだ。
　隊長同士の火花が散る激しい剣戟、一合のたび二人の霊圧が混じった剣風が荒ぶ。
「それがお前の本気か、藍染！」
「どうだろうな、浮竹」
　朽木ルキアの体を操作した黒崎アンナ（バンビエッタ）に片目が潰され、浅く体を斬られているのに藍染の剣技は本来の冴えを取り戻し、その剣捌きに浮竹は舌を巻く。
　藍染が完全催眠をどのタイミングで使用するのか、発動条件の有無も全く判らない。ゆえに虚弱な体を痛めつける事になっても、浮竹は催眠をする隙も与えないような猛攻を選ぶしかなかった。
「――破道の四・白雷」
「！！」
　藍染は至近距離から浮竹に破道を放つ。直接的な軌道だったので、浮竹は体を横に倒して羽織を掠る程度で回避してみせるも、その回避の間に藍染は瞬歩で距離を取ってしまった。
「余裕がないな、浮竹……それほど私の鏡花水月が怖いと見える」
「はぁ、はぁ……」
　浮竹は息が荒くなるも、藍染の一挙手一投足を見逃さないようにじっと見つめる。虚弱ゆえに体力面では隊長格で最低と自覚する彼は、どうやって追撃しようかと考える。
「君の斬魄刀双魚理は、霊力のみを用いた非物理攻撃の全てを吸収し、縄を通して対の斬魄刀で相手へ跳ね返す、だったね」
「……それがどうした。鬼道で攻めるつもりだったか？」
「フッ、君が望むのなら、これからは鬼道のみで相手をしよう」

[91 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/10(金) 15:50:58]

浮竹十四郎（㏋150）　戦闘力101　dice3d130=19 71 113 (203)

藍染惣右介（㏋121）　戦闘力128　dice3d157=119 96 75 (290)　

>>89　敵の急所を狙うのは、戦いの定石ですよね？

[92 二次元好きの匿名さん 23/11/10(金) 18:47:21]

片目潰されてるのに余裕かましやがって実際余裕あるんだろうが
直ぐに勝負を決めないのは遊んでいるだけなのか不可解なルキアの攻撃の正体を探る為か

[93 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/10(金) 20:35:13]

「鬼道だけで、俺を倒せると思うのか。藍染」
　安い挑発と受け取った浮竹十四郎の言葉に、藍染惣右介は薄く笑い。空いた片手を前に突き出した。
「千手の涯、届かざる――」
　詠唱の頭語から破道の九十一・千手皎天汰炮（せんじゅこうてんたいほう）だと気付いた浮竹は、即座に瞬歩で藍染に接近し、無防備な突き出された手を断ち切ろうと二刀を振り下ろした。
「！！」
　二刀は藍染の腕を断った瞬間、彼の姿が霧散。浮竹はすぐに自分が催眠に落ちたと考えた矢先、背後から藍染の声が届く。
「その考えは違いだ。浮竹――雷吼炮（らいこうほう）」
「ぐおっっぉ！？」
　雷獣の咆哮が如く強烈な衝撃波が浮竹の背中に直撃、彼は踏ん張れずに前方へ吹き飛ばされ、そのまま庭園の池へと落ちるも、すぐに浮上して水面に立つ。
「浮竹、君は今鏡花水月の催眠と考えた事だろう。残念だが不正解だ」
「…………」
「君が斬ったのは間違いなく現実だ……最も霊覚で見た、偽りの私だが」
「霊覚……そうか、霊圧そのものを自分だと見誤るように固めたのか」
「そうだ、霊圧を扱う者は視覚と霊覚で世界を見る。そして、戦闘に集中すればするほど割合は霊覚に傾き、視覚で見なくなる……京楽春水も同様の技が出来たと思い出したからこそ、君はすぐに答えを導き出せた」
「参ったな――藍染、いつから俺たちを観察していた？」
　浮竹は友達の京楽が人前で滅多に見せない技を把握されている事に、自分の技はどの程度藍染に把握されているのか本気で悩む。
「日番谷隊長にも伝えたが、最初からだ――鏡花水月の完全催眠がいかほどか、君も体験してみるといい」
　そう囁いた藍染の声は再び浮竹の背後から聴こえた。しかし、彼の眼には未だに藍染の姿があった。再び霊圧の幻像を見ないように視力で世界を見ているのに、藍染の霊圧と気配に声は確かに正面から感じられた。
「破道の八十八・飛竜撃賊震天雷炮（ひりゅうげきぞくしんてんらいほう）」
　触れるほどの超近距離からの眩いばかりの特大砲撃が藍染の掌から放たれ、防御を取る暇もなく浮竹の体は霊力の奔流に呑まれた。
　鬼道系の能力に強い双魚理だとしても、吸収するべき対象を認識出来なければ吸収は出来ない。
「が、ぁ……は、ぁ、藍……染っ」
「ほお、今のを耐えるか……やはり、大した霊圧だ」
　四つん這いで背を向ける浮竹を藍染は、冷徹に見下ろした。

[94 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/10(金) 20:36:02]

浮竹十四郎（㏋75）　戦闘力101　dice3d130=43 126 35 (204)

藍染惣右介（㏋121）　戦闘力128　dice3d157=112 86 147 (345)

＊浮竹の㏋が30以下の場合、この場にやって来たのは？

1.狛村左陣　2.京楽春水　3.市丸ギン　4.更木剣八　5.夜一＆砕蜂　6.黒崎一護（卍解状態）

7.涅マユリ　8.山本重國　9.朽木白哉　10一護＆雨竜

dice1d10=1 (1)

＊浮竹の㏋が10以下の場合、この場にやって来たのは？（二名）

1.朽木白哉　2.京楽春水　3.涅マユリ　4.黒崎一護（卍解状態）　5.夜一＆砕蜂　6.更木剣八

7.市丸ギン　8.狛村左陣　9.山本重國　10一護＆雨竜

dice2d10=6 7 (13)

>>92　市丸と東仙がやって来るまでの暇つぶしか、浮竹に宿っているものに興味があるか、一護を待っているのかも……ルキアに眼をやられた件は、自身の慢心と思っているかもしれません。

[95 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/10(金) 20:39:06]

戦闘力以下の出目が互いに同数の場合、一回ダイスを振り出目が大きい方の勝ち。ダメージ量は先の三回ダイスの一番小さい出目になります。

浮竹十四郎（㏋75）　戦闘力101　dice1d100=84 (84)

藍染惣右介（㏋121）　戦闘力128　dice1d100=87 (87)

[96 二次元好きの匿名さん 23/11/10(金) 23:38:41]

ヨン様強すぎる

[97 二次元好きの匿名さん 23/11/11(土) 08:29:03]

恋次はやられたか、卍解習得してまだ日は浅いし神槍とは相性は悪そうだし仕方ないか

[98 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/11(土) 10:57:49]

　ザシュ、ザシュ、ザシュ。
「がっ、ぐっ、ぅぐ！！」
　藍染惣右介は、鏡花水月の刃で浮竹十四郎の背中と両太ももを刺し貫いた。
「藍、染。なぜ……一思いに、殺さない……っ」
「見たいからだ……肺病を患いながらも君を隊長にまで至らせたであろう、その内に宿るモノの力を」
「！！　本、当によ、く調べあげてい、るな……ごほ、ゴホ！」
　藍染の情報収集力に関心する浮竹は、持病の肺病で咳き込み始める。急激に体調が悪化する気配に彼は自らの脆弱さを恨んだ。
「力を使えるのなら、早く使う事を勧めよう……その間に、私は眼の礼をするとしよう」
「藍染っ！！　ゴホゴホっ、ごぶっ」
　吐血しつつ浮竹は、藍染が朽木ルキアを追うと気付き、声を上げて引き留めようとするも咳はさらに酷くなる。動けない浮竹を無視して池から出た藍染は、十三番隊隊舎内へ逃走したルキアの霊圧を探ろうとした所で、上空から高速でこちらに向かって来る霊圧を捉えた。
　藍染は頭上を見上げた時、それは彼の近くに落下した。
「あたた……ほんまに勘弁してほしいわ」
「――ギン」
　砂煙の中から阿散井恋次に足止めされていたはずの市丸ギンが羽織に付いた埃を払いながら現れ、すぐに藍染と浮竹の二人を見つける。
「藍染隊長、その眼と傷……あぁ、浮竹隊長にやられたんですか。さすがやな」
「ギン、なぜ空から来た？」
「阿散井クンの卍解の相手しとったら、急に更木剣八がやって来て、そこでうまい具合に阿散井クンに吹き飛ばされもうて……すいません」
「そうか……この霊圧はやはり彼か」
　その言葉の直後、再び空から誰かが地面に落下した。
「――チッ、着地に難ありだな。こりゃ」
　砂煙から姿を見せたのは、右目に眼帯、顔の左側に縦一文字の傷が特徴的で、眉なし凶相の大男。黒の長髪を十一本に束ねて、全ての先端に一つずつ鈴を付ける――十一番隊隊長・更木剣八。
「よぉ、藍染」
「更木剣八……悪いが君の相手をする気はない。ギン、彼は任せる。私は朽木ルキアを追う」
「はい――あの子から崩玉は取れたんですか？」
「ああ。要が来るまでの間に、旅禍の少年たちに会えるといいが……」
「オイっ、藍染。俺を無視するじゃ――」
　更木が藍染に詰め寄ろうとした瞬間、市丸が刺突を突き出し、それを更木は刃こぼれした斬魄刀で受け止める。
「ほな、遊ぼか」
「チッ、簡単に死ぬんじゃねえぞ。市丸」

[99 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/11(土) 10:58:14]

展開ダイス

1.ルキア＆バンビエッタ6　2.黒崎一行3

dice1d2=2 (2)

>>96　ダイスくらい味方にしないと天には立てませんから。

>>97　負けかけたところで更木の乱入です。同じ伸縮する卍解でも練度が違いますから。

[100 二次元好きの匿名さん 23/11/11(土) 17:45:50]

崩玉は奪われたがアンナとの繋がりはどうなっちゃうんだろう？

[101 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/11(土) 22:12:12]

　市丸ギンと更木剣八が十三番隊隊舎に飛んでくる少し前。
「ここにルキアがいるんだな！　おしっ、行くぞ！」
「うんっ！」
　十三番隊正門前に到着した黒崎一護・石田雨竜・井上織姫は、閉じた正門を飛び越える。
　三人の侵入に気付いた者はいない。藍染右介と浮竹十四郎の戦いで隊舎周辺の霊圧が混ぜられ、さらに夕餉で人が少なく、一護たちも霊圧を強く発していなかったからだ。
「ルキアの霊圧は感じねえけど、本当にいるんだよな？」

　そーよ、動きが鈍いから霊圧を抑えているんでしょ。

　一護の問いに黒崎アンナ（バンビエッタ）の精神体が脳内で答える。
「黒崎、隊舎内の死神たちはどう対処するつもりなんだ？　彼らは今だに僕らが敵と認識している可能性が高い。さっきの通信も死神全員に届いているとは思えない」
「けど、毎度敵じゃないって説明するの面倒だろ。そのへんは俺に任せろ」
　秘策ありの一護は、堂々と隊舎の玄関へと向かって行く。その後ろ姿を雨竜は呆れた溜息を吐く。
「まあまあ、石田くん。早く朽木さんを見つけてあげよう」
「……あぁ、そうだね」
　織姫は雨竜の背中を物理的に押しながら、一護の後を追った。
　隊舎の玄関は扉に閉ざされ、一護はノックも無しにその扉を一気に開けた。
　さすがに隊舎の廊下には、各々の用事で歩く隊士がいた。ちょうど竹箒とちりとりを持った小柄で気弱そうな少年隊士がすぐ近くにいたので、一護は馴れ馴れしく彼と肩を組む。
「おう、いきなりで悪りぃけど、ちょっと隊舎を案内しろや」
「ええっ、あの……ど、どちら様ですか！？」
「――黒崎一護。後ろの二人は井上織姫と石田雨竜、とにかく中を案内してくれよ。同じ死神だろ？」
「ひっ、うぅ……」
　カツアゲする不良の如く、一護は少年隊士をぎろりと睨み付ける。ただの脅迫じゃないか、何が俺に任せろだ、と雨竜は呟いてから重い溜息を吐き、織姫は苦笑いをするしかない。
「お前、名前は？」
「えっと、行木（ゆき）竜之介（りゅうのすけ）です……」
　完全に名前負けしているじゃない、と一護と織姫の内にいるアンナは同時に思った。
「竜之介。ここで暴れたりしないから、素直に案内してくれ」
「あの、もしかして皆さん、りょ、禍なん」
「――口は禍の元だぜぇ？」
　一護の眼力に黙るしかない竜之介は、刻々と頷くしかなかった。

[102 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/11(土) 22:12:46]

展開ダイス

1.ルキア＆バンビエッタ7　2.藍染　3.黒崎一行4

dice1d3=1 (1)

＊1の場合　藍染に見つかる可能性dice1d100=19 (19)

＊2の場合、黒崎一護と遭遇する可能性dice1d100=47 (47)

＊3の場合　一護たちがルキアを見つける可能性dice1d100=70 (70)

>>100　ただルキアの外側から出ただけですし、崩玉の繋がりはバンビエッタ本体となので大丈夫かと。

[103 二次元好きの匿名さん 23/11/11(土) 22:55:51]

ここまで事が大きくなってると帝国側も藍染やルキア辺りも観てるだろうからもう影の領域は使えないかな
仮にルキア(バンビ)が影の領域を使っているのを帝国が見たらどういう反応をするんだろうか

[104 二次元好きの匿名さん 23/11/11(土) 23:28:59]

アンナちゃん隠形上手いね

[105 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/12(日) 10:44:09]

>>103　確かに大事ですから影の領域はもう使わないでしょうね。もしも、ルキアが影の領域を使ったら、おそらく現世の石田家が死神と秘密裏に通じている、やはり粛清するべきと思うかもしれません。

>>104　はい、精神体バンビちゃんが中にいる人にしか見えず聴こえませんから。

[106 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/12(日) 17:04:09]

「浮竹隊長……」
　朽木ルキアは霊圧を抑え、十三番隊敷地の外壁をゆっくりと進んでいた。
　浮竹の安否を気にしつつ、藍染惣右介の霊圧を強く警戒していた。
「崩玉……あれは一体なんなのだ……」
　自分の魂魄から取り出された紫の水晶玉。そんな物を魂魄に埋めた記憶はない、おそらく浦原喜助に渡された義骸の中にあったと悟るルキアは、彼に裏切られた気分になっていた。
「アンナ殿、どうして藍染に攻撃をしたのだ？　いや、あの状況では逃げるには必要とは思うが」
　ルキアは横に立つ黒崎アンナ（バンビエッタ）に視線を向ける。視線を向けられた彼女は首筋を掻き、返答に困る表情を作りながら答えた。
「あいつ……藍染は、あたしの体に傷つけた奴だったのよ」
「なんだと？」
　アンナの発言にルキアは驚く。
　ルキアはアンナが無意識に髪を触り始めた点から藍染が付けた傷は、時々髪の隙間から見える頭部の刀傷だと気付いた。同時にどういう経緯で彼女が藍染に遭遇し、怪我をする事になったのかとても気になった。
「アンナ殿、藍染となぜ……」
「――知らないわよ。向こうから、いきなりあたしに接触して来たのよ。それよりも、一護と織姫がこの隊舎にいるわよ」
「は？」
　明らかに話を変えられたが、黒崎一護と井上織姫が隊舎にいる情報は聞き捨てならない話で唖然とする。
「一護たちが来ているというのか……しかし、それでは藍染と」
「ぶつかる可能性は高いわね」
「どうして、そんな事が分かるのだ？」
「あれ？　伝えていなかった？　あたし含めた精神体はどこに他の精神体がいるのか互いに判るのよ」
「……いや、聞いていないぞ。だが、それならば一護と早く合流すべきだ」
　一護たちは藍染の容姿を知らない。催眠を使える敵である以上、周囲の隊士に紛れて何食わぬ顔で一護たちに近づき奇襲する可能性があるとルキアは考えた。
　足を止めて隊舎に眼を向け、まるで魔物が住む家に入る事を決心した視線で見つめる。
「あの影に入る技は、本人以外も入れるのか？」
「あー……出来なくは、ないけど……ちょっと使用を控えてさせて」
　歯切れの悪い返事をするアンナに、ルキアは少々不審がるも何かこちらの知らない事情があると気付いたが、無理に聞き出すのはしないのが彼女の方針だった。
「分かった。藍染の霊圧に注意しながら一護と合流するとしよう」
　ルキアは隊舎へ歩き出した。

[107 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/12(日) 17:04:40]

展開ダイス

1.藍染　2.黒崎一行4　3.ルキア＆バンビエッタ8

dice1d3=2 (2)

＊1の場合　ルキアを見つける可能性dice1d100=74 (74)

＊2の場合、藍染とぶつかる可能性dice1d100=87 (87)

＊3の場合　黒崎一護と遭遇する可能性dice1d100=8 (8)　

[108 二次元好きの匿名さん 23/11/12(日) 17:37:26]

まともに合流はさせないという強い意思を感じる

[109 二次元好きの匿名さん 23/11/12(日) 18:11:10]

ホンマダイス運強いな藍染
流石天に立とうする男

[110 二次元好きの匿名さん 23/11/12(日) 18:56:50]

どれになっても一護側に不利なのがホンマ

[111 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/13(月) 01:21:14]

「うう、どうして僕がこんな事に……」
　廊下を先頭で歩く行木竜之介の呟きを、聞かないフリをする黒崎一護たちはその後に続く。
「なんだか歩いている奴……少ないな」
　一護は更木剣八と市丸ギンの霊圧を感じていたが、今は朽木ルキアと会う事を優先して無視を決めた。それは石田雨竜も同じ事だったが、十三番隊隊員の反応があまりにも平静として、藍染惣右介の催眠効果ではないかと疑った。
「今、夕餉の時間ですから。隊舎で待機中の隊員のほとんどは食堂にいます」
「へぇ……そこ、右に行こうぜ」
　一護は内側にいる黒崎アンナ（バンビエッタ）からの位置情報から廊下を右に曲がる。
「く、黒崎くん……」
「うん？　どうした井上？」
　最後尾を歩く井上織姫に呼ばれ一護は振り向く、彼の視界には頬を赤くしてそわそわする織姫の姿があり、妹がいる一護はすぐに彼女の状態を察して言った。
「井上――トイレ、行って来いよ」
「うぅ……ご、ごめん。ゆ、行木くん……じ、女子トイレはどこ？」
「あ。えっと――来た廊下を戻って右に進んで、えっと左にそこから――」
「わ、分からなかったら、誰かに聞くから――！」
　と我慢が出来なくなった赤面の織姫は話の途中で走り出し、トイレへ向かってしまった。
「……デリカシーがないぞ、黒崎」
「うせぇ、井上をあのままにして出来るかっ――うん？」
　雨竜に噛み付く一護は近づいて来る足音に気付き、視線を進行方向とは逆方向に向けた。
　片目を閉じる片方が割れた眼鏡をかける茶髪に斬られた死覇装と羽織を纏う柔和な表情の男性死神。その漂う霊圧は明らかに隊員とは思えないほど濃密で、雨竜も彼の存在に気付き、視線を行木へ向ける。
「行木くん……彼は？　怪我しているようだね」
「え。怪我？　どの辺を……えっと、彼は――あれ、あんな人いたかな？」
「そうか、ありがとう――黒崎。敵だ、藍染惣右介」
「わーってるよ！」
　背負っていた斬月の巻布を解き、一護は斬魄刀を構える。
「やあ、旅禍の少年たち……私は藍染惣右介だ」
　藍染は歩みを止め、正体を隠す事なく二人へ挨拶をした。その余裕ある姿勢が、一護を苛立たせた。
「てめえが、藍染……！　なんでルキアを殺そうとした！」
「――その答えは浦原喜助に訊くといい」
　そう答え、藍染は静かに鞘から抜刀した。
「さて、私が刃を抜く価値があった相手と示してくれ給え」

[112 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/13(月) 01:23:07]

＊続きます

新・黒崎一護　戦闘力dice1d100=59 (59)

＊最低値60

石田雨竜　戦闘力71

>>108　彼の意思がダイスに宿っているのかも。

>>109　天に立つしか、彼には道がないはずですから熱量が違うかと。

>>110　あとで東仙が来る可能性も一緒にダイスすべきだと思いました。

[113 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/13(月) 01:27:43]

黒崎一護（㏋100）　戦闘力60　dice3d100=87 14 62 (163)

石田雨竜（㏋100）　戦闘力71　dice3d100=100 82 67 (249)

藍染惣右介（㏋150）戦闘力128　dice3d158=134 14 69 (217)

[114 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/13(月) 01:33:15]

>>113　藍染の勝ちの場合、どちらにダメージが入るかダイスを忘れました。

ダメージ対象dice1d2=1 (1)　1.一護　2.雨竜

[115 二次元好きの匿名さん 23/11/13(月) 04:51:40]

やっぱ雨竜が戦闘可能なのは大きいな
実力差と室内線の不利ってのを差し引いても、一護の負傷は原作のほぼ真っ二つよりかは抑えられそう

[116 二次元好きの匿名さん 23/11/13(月) 10:35:34]

応援保守

[117 二次元好きの匿名さん 23/11/13(月) 12:57:21]

ちょうどいいタイミングで織姫いなくなったから負傷せず事後回復も問題無いな

[118 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/13(月) 13:01:28]

「行くぞ、石田！！」
　黒崎一護は石田雨竜の返答を待たず、藍染惣右介へ突撃。藍染は様子見を選び、一護の攻撃を待ち構えた。
「月牙――天衝ォォッ！！」
　一護は初手から、『卍解』修行中で会得した超高密度の霊力斬撃『月牙天衝』を放った。
　木造の天井と床を切り裂きながら飛来する黄色の巨大な斬撃に、藍染は微笑しながら斬撃を片手で握る斬魄刀で受け止め、斬撃の勢いに押され床を滑りながら後方へ下がる。
「いい霊圧の刃だ」
　評価しつつ藍染の余裕は消えず、斬魄刀を横に鋭く振る一護の斬撃を真一文字に切り裂いた。
「光の雨（リヒト・レーゲン）」
「うおっぁ！」
　藍染の技後硬直を待っていたかのように一護の後方に立っていた雨竜が、滅却師の技を平然と放つ。寸前で気付いた一護は慌ててその場で伏せ、高速連射された光の矢は魚群の如く藍染へ殺到し炸裂する。
「――あ、あぶねえだろ！　石田ぁ！」
「前を向け、黒崎……まだ戦いの途中だ」
　滅却の矢が通り過ぎるや勢い良く立ち上がった一護はすぐに雨竜へ苦情を飛ばすも、彼は冷静に忠告する。
「ふむ、滅却師の技を受けるのは何年ぶりだろう」
　煙を空いた手で払い飛ばした藍染は、ダメージを受けた様子はなかった。
「おい、全然効いてねえぞ」
「受け止められただけの君よりはマシだよ」
「うっ、るせえ」
　図星で強く言えない一護は、藍染にもう一度月牙天衝を放とうとしたところで敵が眼前に居た。朽木白哉以上の高速移動、それを彼が認識した時には雷の如く垂直に斬魄刀が振られた。
「黒崎！！」
　石田の叫びと共に、彼の横を一護が高速で床を擦りながら通り過ぎた。
「ほう、いい反応速度だ。瞬歩は体得したようだね」
　藍染の言葉に切っ先に付着した血を振り払い、一護たちに視線を向ける。
「くそっ、速ぇ……」
　『卍解』修行中で体得した瞬歩で回避した一護の左頬と左胸が裂かれぼたぼたと流血するも、戦意は萎えない。
「――おらぁ！」
　瞬歩で藍染に急接近した一護は、斬月を振り下ろす。しかし、藍染は体の向きを変えて容易くかわすや素早く一護の顔面を鷲掴み、彼を壁へぶん投げた。
　壁を突き破り隣の部屋に落ちる一護を無視し、藍染は雨竜に視線を向けて歩き出す。
「この程度で私を倒せるとでも？　だとすれば期待――」
　直後、壁を喰い破るように月牙天衝の斬撃が炸裂した。

[119 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/13(月) 13:01:51]

黒崎一護（㏋86）　戦闘力60　dice3d100=98 91 82 (271)

石田雨竜（㏋100）　戦闘力71　dice3d100=54 32 30 (116)

藍染惣右介（㏋150）戦闘力128　dice3d158=70 29 59 (158)　ダメージ対象dice1d2=2 (2)　1.一護　2.雨竜

>>115　ダメージダイス次第では、原作通りに腹切りになる可能性も……。

[120 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/13(月) 13:05:41]

石田と藍染の戦闘力以下の出目が同数でしたので、一回ダイスを振り出目が大きい方の勝ちです。ダメージ量は先の三回ダイスの一番小さい出目

石田雨竜（㏋100）　戦闘力71　dice1d100=16 (16)

藍染惣右介（㏋150）戦闘力128　dice1d100=12 (12)

[121 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/13(月) 20:31:25]

　黒崎一護の月牙天衝で十三番隊隊舎の外壁が爆ぜ、黒煙が立ち昇る。
「黒崎、少しは加減しろ！」
「手加減で勝てるかっ！」
　一護と石田雨竜は口論しながら黒煙を突き破って敷地へと飛び出しすぐに身を翻して、隊舎へ視線を向ける。
「チッ、少しくらいは効いていると思ったんだけどな」
「いい攻撃ではあったよ」
　黒煙から歩いて出てきた藍染惣右介は死覇装に付着した埃を払いながら、一護の言葉に返答する。
「――縛道の三十・嘴突三閃（しとつさんせん）」
　藍染は縛道を無詠唱で発動させた。光の嘴が逆三角形の配置で生成され、それが高速で発射されると一護の両肩と腹部に突き刺さり、彼を後方へ連れ去って行く。
「ぐっ！　なんだこれ」
「黒崎！　――！！」
　石田が反射的に一護へ振り向いた直後悪寒が襲い、飛廉脚でその場から離れ数メートル先に着地するや振り向く。コンマ数秒前に自分が立っていた位置には、藍染が斬魄刀を下げた状態で立っていた……もしもあのまま立っていたら、自分の背は切り裂かれていたと悟った。
「良い勘だ、石田雨竜。破道の三十二・黄火閃（おうかせん）」
「！？」
　雨竜を評価しつつ藍染は破道を発動させる――横に広がった光の閃光が高速で放たれ、雨竜は素早くしゃがみ頭上で閃光が通り過ぎ、雨竜は反撃に藍染の脚へ矢を連射する。
　地を這うような矢の群れを瞬歩で容易く回避した藍染は、彼の頭上へ移動し逆手で斬魄刀を握り脳天へ刃を振り下ろした。
「――くっ！」
　刃が鼻先を掠めながらも、雨竜は後転で回避する。
「破道の三十三・蒼火墜（そうかつい）――！！」
　藍染は続けて、掌底から火球を出したところで雨竜の手より光の鏃が放たれ、それが火球に刺さった瞬間火球は爆発を起こした。
　雨竜が試作中の近接兼投擲技、将来的にナイフ程度の大きさにする予定の技だ。
　藍染は爆発で酷く焼けた左手を眺めてから、雨竜に視線を向ける。
「――黒崎アンナはいないようだね」
「急になんだ」
「大した事じゃない……ただ、これを返してあげようと考えていただけだ」
　藍染は懐から、黒崎アンナ（バンビエッタ）から奪った滅却師十字を取り出した。
「なぜ、お前がそれを持っている？」
「ただの戦利品さ」
　藍染の微笑に雨竜は不安を覚え、嫌いな父親の言葉が脳裏で再生させた――黒崎アンナに心を許すな。

[122 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/13(月) 20:31:49]

黒崎一護（㏋86）　戦闘力60　dice3d100=98 87 64 (249)

石田雨竜（㏋100）　戦闘力71　dice3d100=76 77 82 (235)

藍染惣右介（㏋120）戦闘力128　dice3d158=81 58 53 (192) ダメージ対象dice1d2=2 (2) 1.一護　2.雨竜

1.井上織姫　2.戦闘続行　3.更木剣八対市丸ギン　4.ルキア＆バンビエッタ8

dice1d4=4 (4)

1の場合　井上織姫がルキアと出会う可能性　dice1d100=40 (40)

2の場合　一護が卍解使用の可能性dice1d100=9 (9)　雨竜が滅却師最終形態使用の可能性dice1d100=44 (44)

3の場合　東仙要がやって来る可能性　dice1d100=15 (15)

4の場合　一護と雨竜に合流する可能性　dice1d100=71 (71)

[123 二次元好きの匿名さん 23/11/13(月) 20:38:39]

つくづく一護に厳しい🎲

[125 二次元好きの匿名さん 23/11/14(火) 07:20:49]

『死神が』『滅却十字』を持ってて、しかもそれを指して『戦利品』って、どう考えてもいい方向の意味にはならないよね
割とかなりストレートに滅却師の誇り的に地雷踏んでる
しかもそれの本来の持ち主は話の流れ的に黒崎アンナってわかるだろうし
原作からはかなりマイルドになったけど、ここで雨竜の認識上における『生きてる滅却師を害した死神』枠が原作のマユリ様からここでは藍染にスライドするのかしら

[126 二次元好きの匿名さん 23/11/14(火) 12:31:55]

石田視点だとアンナと藍染が接触したのは間違いないが何時会って何故戦闘したかわかんないよな
まぁそれはそれとして友人を傷つけましてや跡が残るような傷を負わした奴を許さないだろうな
一護からした家族に手を出されてるし

[127 二次元好きの匿名さん 23/11/14(火) 12:50:44]

「あそこに一護がいるのだな……！」
　朽木ルキアは、十三番隊隊舎から立ち昇る黒煙を目指して走る。
　自分には何が出来るか判らないものの、ルキアはあそこに行く必要があると感じていた。
「十中八九、藍染と戦闘中なのに行くの？　邪魔になるかもしれないのに？」
　黒崎アンナ（バンビエッタ）のストレートな言葉に、ルキアは苦い表情を作る。
「分かっている……」
　今の自分が無力である事を痛感していても、きっと志波海燕が同じ状況に置かれても、彼は戦いへ向かうと思った。
　アンナはルキアの選択をバカと思いつつも、ここで藍染を倒せるのならとルキアに提案する。
「……ねえ、かなり無理させて痛いだろうけど、戦う方法があるんだけど？　でも、下手すると後遺症を負うか死ぬかもしれないけど」
　精神体のアンナが出来る最大のサポート……それを行えば、彼女もただでは済まない。だけどそれをルキアに言う必要はないと伝えなかった。
「そんな方法があるのか――分かった、アンナ殿。やってくれて構わない」
　自分のために尸魂界へ来た彼らのためなら、ルキアは今後の人生が変わるかもしれない危険な選択を迷う事なく選んだ。
「そう……覚悟があるならいいわ。持続時間は、最短でも三分は保証するわ」
「――分かった」
　腹を決めたルキアは三分しか戦えなくとも、彼らの勝利に繋がるならそれでも構わなかった。
「で、合流する前に、斬魄刀を手に入れてくれない？　物理的な武器があると楽なんだけど」
「……不本意だが、分かった」
　隊舎の中にいる誰かから斬魄刀を借りる行為は、あまり推奨されない行為だったが非常時だからと自分を納得させたルキアは窓から隊舎へ入る事にした。
「あ、あなたは――」
「あ――」
　窓から隊舎に入ったルキアは、すぐに男性隊員と出くわした。彼は藍染との戦闘前に石田雨竜に忠告されてこっそりと彼らから離れた行木竜ノ介だった。ただ、二百名強もいる十三番隊隊員一人一人の名前をルキアは把握していなかったので、同じ隊員としか分からなかった。
「――すまない！　火急の事態ゆえ斬魄刀を貸してくれ！」
「え！？　あの、ちょっ」
　行木が戸惑う間にルキアは近づき、彼の腰から斬魄刀を奪い取るや入って来た窓から外へ出て行ってしまった。
　残された行木は呆然としながら、その場に立ち止まるしかなかった。
「ぼ、僕の斬魄刀……」

[128 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/14(火) 12:52:16]

>>127　また名前を忘れました。

確定ダイス

1.一護＆雨竜vs藍染

dice1d1=1 (1)

一護が卍解使用の可能性dice1d100=76 (76)　雨竜が滅却師最終形態使用の可能性dice1d100=11 (11)

東仙要が来る可能性（戦闘終了）dice1d100=99 (99)　

黒崎一護（㏋86）　戦闘力60　dice3d100=73 51 22 (146)

石田雨竜（㏋100）　戦闘力71　dice3d100=80 26 53 (159)

藍染惣右介（㏋120）戦闘力128　dice3d158=14 110 114 (238)　ダメージ対象dice1d2=2 (2) 1.一護　2.雨竜

>>125　藍染には滅却師の誇りとか興味ありませんから平気で踏めます。雨竜の『生きてる滅却師を害した死神』枠は今の所は藍染ですが、マユリの所業を知ったら同然彼に移りますね。

>>126　尸魂界後に雨竜が訊く話があるかも、ダイス任せですが。一護と雨竜はどっちも女性に優しいですから、生涯残るような傷を付けた野郎は許さないです。

[129 二次元好きの匿名さん 23/11/14(火) 19:34:13]

藍染様ダイス腐らないね

[130 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/14(火) 21:39:28]

「うぐっ……！」
　石田雨竜は藍染惣右介の一閃に胸を真横に裂かれ、苦悶の声を上げてその場で膝を着く。
「石田！　ぐぅっ――！」
　間髪入れずに黒崎一護が藍染に斬りかかるも、彼は振り向き様に回し蹴りを放ち、それは一護の横っ腹に突き刺さり彼を真横へ蹴り飛ばす。
　二対一、数の優位さなど微塵も役に立たないと言わんばかりに藍染は二人に実力差を示す。
　そして藍染は自分を見上げる一護に告げた。
「黒崎一護。君はこの三日間、四楓院夜一と共に卍解習得のために修行をしていたのだろう？　見せてくれないか、君の卍解を」
「な……っ！」
　藍染の発言に一護は驚く。卍解は死神の奥義、その戦闘力は夜一の言では始解時の五倍以上……それを相手にしてもなお勝ってみせると暗に言っていた。
　舐められていると悟った一護は瞬間的に激昂するも、このまま戦っても逆転はないと解っていた。敵に促されるのは気に食わないが、朽木白哉との戦いで披露するつもりだった卍解をここで使用する事に決めた。
「いいぜ……見せてやるよ、俺の卍解を！！」
　一護は立ち上がり、斬月を前に突き出して両手で構える。同時に発せられる霊圧で空気が震え、藍染は口元を横に薄く伸ばしながら平然と彼を見つめる。
　卍解発動までに時間がかかる事は未熟という証だが、一護の霊力量なら相応の能力を秘めた卍解だと考える藍染の視線は、上に向けられた。
「清虫二式（すずむしにしき）・紅飛蝗（べにひこう）」
「黒崎！　避けろ！」
　十数メートル上空から聴こえた声の直後、雨竜が叫ぶ。
　一護は雨竜の声に反応して空を見上げ視界に東仙要と大量の刃を見た瞬間、瞬歩でその場から逃げる。直後、大量の刃が雨の如く降り注ぎ、藍染を護るように壁のように地に刺さる。
「要、遅かったね」
「申し訳ありません。阿散井の強襲があり手間取りました」
　東仙要は藍染に傅きつつ謝罪する。藍染は少々タイミングが悪いと思っていたが、東仙が合流した以上もう旅禍の二人と戦う必要はない、朽木ルキアへの報復は縁がなかったとあっさり諦めた。
「謝罪は不要だ、要。そろそろ撤退しようと考えていた」
「――おい！　コーン頭！　チャドたちは生きているのか！」
　敵が合流した事で、一護は足止めしていた茶渡泰虎と志波岩鷲の安否が気になった。東仙は一護に振り向くと静かに告げた。
「阿散井の邪魔がなければ、殺せていたがな……」

[131 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/14(火) 21:39:46]

展開ダイス

1.ルキア＆バンビエッタ9　2.市丸ギン　3.井上織姫　4.足止め組（チャド・岩鷲・恋次）

dice1d4=3 (3)

>>129　さすが天に立とうとする男としか言いようがありません。

[132 二次元好きの匿名さん 23/11/15(水) 08:34:41]

東仙の始解ならともかく卍解はなぁ普通はどうしようもないし感覚と力技で破った更木がおかしいだけ

[133 二次元好きの匿名さん 23/11/15(水) 09:24:02]

閻魔蟋蟀って何気にマスキュリンとか陛下にメタれる可能性ありってレベルで性能おかしいしな

[134 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/15(水) 13:55:38]

「アンナちゃん……あたしはここにいないといけないの……？」
　十三番隊隊舎内から井上織姫は、震え声で隣に立つ黒崎アンナ（バンビエッタ）の精神体に質問する。
　窓から見えるのは、黒崎一護と石田雨竜が藍染惣右介と来たばかりの東仙要が相対している光景。織姫は軽傷の一護たちが不安でしょうがない、助けてに行きたいと思っていたがアンナに脚の自由を奪われ向かう事は叶わなかった。
「あんたは回復役、それを自覚しなさい。第一あんたの実力じゃあ、一護と雨竜の枷になるだけよ」
「でも……っ、あ！」
　一護は去ろうとした藍染に攻撃を仕掛けるも、彼はその場で鬼道を発動させる。範囲攻撃は雨竜も巻き込んで二人は黒い巨大な棺に閉じ込められ、数秒後に棺は自壊していくも中にいた二人は全身から出血し吐血しながら倒れる姿があった。
　それを見届けた藍染たちは織姫を一瞥して瞬歩で姿を消す。絶句した織姫は強く一護たちの下に駆け出したい気持ちになるも、隣のアンナは無言のまま一護たちを見つめる。
「いいよ。もう完全に二人から離れたから」
「―――ッ」
　アンナの発言の直後、織姫は自由になった脚で一護たちへ駆け出す。二人の状態は五体満足だが、所々手足が歪に曲がっていたので彼女は叫ぶ。
「双天帰盾！！　私は拒絶する！」
　織姫は一護と雨竜を包むように回復の楕円形の盾を発動させた。
「くそっ、あのメガネっ……！　ゲホッゴホッ！」
　一護は意識を失わなかったものの、内蔵もやられているのか咳き込み吐血する。雨竜も同じように咳き込みつつ、痛みを堪えるように背を丸めていた。
「二人共、動いちゃダメだよ！」
「井上……か？」
「黒崎くん！！　治療が終わるまで我慢して！」
　織姫の叫びに、一護は耐えるようにぎゅっと拳を作る。本当は痛む体を動かして藍染たちを追いたいが、織姫の泣き顔がそれを止めた。
「――井上！？　石田！　一護！」
　自分たちを呼ぶ事に織姫は顔を上げると、焦った表情の朽木ルキアが斬魄刀を握り締めながらこちらに走ってくる姿が見えた。
「く、朽木さん……っ」
「よぉ、ルキア……」
　ルキアの登場に一護はかっこ悪い所を見られたと思いながら、彼女の無事な姿に安堵していた。
「この馬鹿者……！　貴様にはほどほど呆れ果てたぞ！」
「うっせー……」
　口では一護を罵っても、ルキアの表情は再会した事の嬉しさがにじみ出ていた。

[135 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/15(水) 13:56:06]

展開ダイス

1.足止め組（チャド・岩鷲・恋次） 2.藍染　3.追撃

dice1d3=2 (2)

1の場合、チャドたちが一護と合流する可能性dice1d100=43 (43)

2の場合、藍染たちの逃亡前に隊長たちが揃う可能性dice1d100=27 (27)

3の場合、一護が卍解状態の可能性dice1d100=1 (1)　雨竜が滅却師最終形態使用の可能性dice1d100=74 (74)

>>132　あの卍解って結界みたいに外側から破壊が出来そうですよね。更木はもうイレギュラーな存在としか……初代ならどう破っただろう？

>>133　バンビちゃんの爆撃やバズビーの炎による全体攻撃されたら弱そう。

[136 二次元好きの匿名さん 23/11/15(水) 20:06:33]

ここまで藍染に都合が良いダイス結果が続くと笑うしかねぇ

[137 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/16(木) 00:34:26]

「お――藍染隊長。そっちは終わったんですか？」
　十三番隊敷地の庭園、小岩に腰掛け雨乾堂を眺めていた市丸ギンは、戻って来た藍染惣右介と合流した東仙要に視線を向けた。
「ああ、だが殺してはいない。時期に追っては来るだろう」
「なんや、隊長も甘いわ～」
　不必要になれば副隊長さえ斬り伏せるのに、確実に害となる旅禍を生かした事を市丸は正直に甘いと言い、百年近い付き合いなので彼には何か目的があると考えもした。　
「ギン、更木剣八の姿が見えないようだが」
「すんません、途中で戦うの面倒になって布使こうて転移させました。今頃、地下議事堂やないですか？　浮竹隊長は……あの怪我やから避難したとちゃいます？」
　とボロボロになった隊長羽織を脱ぎながら、市丸は更木剣八との戦いの結末を報告する。
「それならば仕方がない。時間だ、砕けろ――鏡花水月」
　藍染は目的を達したため、隊長たちを遠ざけるために使用していた鏡花水月の完全催眠を解いた――その瞬間、瀞霊廷を彷徨いあるいは仲間を藍染・市丸・東仙の誰かと誤認していた隊長たちの霊圧が、まるで怒りを表すように各所で噴き出す。
「藍染隊長、いっそのこと瀞霊廷を潰しても良かったんちゃいます？」
「市丸、我らの目的を忘れたか」
「ギン、護廷十三隊は通り道の障害物に過ぎない。我々の目的はその先にある――それを忘れては困るな」
　藍染は上空を見上げる。瀞霊廷の遥か上空には尸魂界の王『霊王』、その守護を務める王族特務『零番隊』が住む霊王宮があった。
　藍染たちの最終目標は――霊王抹殺。
　その空位の王座に藍染が座り、世界を変える。崩玉はそのための道具の一つ、霊王宮に至るための鍵の製造、また対零番隊用の戦力を揃える必要もあった。
　だが、それらは崩玉の力で劇的に進むのは間違いない。
「……さらばだ、護廷十三隊」
　藍染は伊達眼鏡を捨て、髪を後ろへ流して髪型をオールバックにする。彼の視線の先には爆炎の軌跡を描きな宙を駆け、こちらに向かって来る総隊長・山本重國の姿があった。
　だが、藍染の心が動じる事はない……すでに総隊長を封じる策は出来上がっていた。
「そして、君たちに約束しよう。私が天に立つ――と」
　空が割れ、大虚の隔絶空間『反膜（ネガシオン）』の光線が降り注ぎ、彼らが立つ地面は持ち上げられ多くの死神に見上げられながら、三人の離反者は瀞霊廷を去って行った。

[138 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/16(木) 00:34:49]

展開ダイス

1.白一護＆バンビエッタ　2.雨竜＆一護　3.ルキア＆恋次　4.夜一＆白哉

dice1d4=3 (3)

>>136　催眠状態なのかというくらい、藍染贔屓のダイスですよね。

[139 二次元好きの匿名さん 23/11/16(木) 08:12:04]

そろそろ尸魂界篇は終わりかぁ

[140 二次元好きの匿名さん 23/11/16(木) 12:36:05]

アニオリや劇場版の話はするのかなぁ？

[141 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/16(木) 14:42:37]

　藍染惣右介たちの離反から三日が経過した。
「よぉ、ルキア。元気そうで良かったぜ」
「恋次……お前よりは元気だぞ」
　殛刑から無罪になった朽木ルキアは、隊長相手に連戦し包帯姿の阿散井恋次に笑う。
「……あれが一護の卍解」
「ああ、アイツ。本当に三日で卍解を習得しやがった」
　二人の視線の先には、六番隊野外訓練場で黒崎一護と朽木白哉が本気で戦闘していた。
　一護は漆黒の死覇装を纏い、斬魄刀は卍型の鍔に柄頭に鎖の付いた漆黒の刀身に変化していた。力を凝縮することで、超速戦闘を可能にした卍解――『天鎖斬月』。
　二人が戦う理由はルキアには判らない。自分が囚われていた時ならまだ解るものの、それが無くなってしまってもなお本気で戦うからには、余程の理由か譲れないモノがあるのではないかと思った。
「……一護は兄様に勝てるだろうか？」
「さあな、アイツは何が何でも勝つ気でいるんだろうからな」
　朽木白哉の斬魄刀・千本桜の刀身が目に見えないほど細かく散り万枚の刃となって一護に襲い掛かる光景を見つめ、恋次は断言する。
「卍解と言えば、恋次。お前も卍解を習得したそうだな」
「まあな。だからっていきなり隊首試験を受ける気はねーよ……俺は、まだ朽木隊長を越えていねえんだからな」
　恋次は朽木白哉を目標に六番隊の副隊長となった。同時に彼を越えるべき相手とも見ていた。
「なんだ、それでは一生無理ではないか。叶わぬ夢より、目先の仕事をコツコツと地味にやる方が貴様に相応しいぞ」
「ルキア、こっちに戻ってから口が悪くなってねえか！？　いや、現世でいきなり襲い掛かった事まだ根に持っているのか！？」
「さーどうだろうな。阿散井副隊長ー」
　ルキアは恋次が現世で一護と雨竜を傷つけた事、自分に「人間みたいな表情していいはずがない」などの暴言を吐いた事をまだ許していなかった。
「――やっぱり、根に持っているじゃねえか！！　しょうがねえだろっ。副隊長に就任早々、お前を捕まえろとか……勢いでやるしかなかったんだよ」
　反省してます、と語るように落ち込む恋次の姿をしばらく見つめてからルキアは小さく溜息を吐く。
「――おい恋次！　私に償う気があるなら、たらふく高級白玉あんみつを奢れ！！　……それで許す」
「ルキア……ああ、腹一杯食わせてやる。副隊長の給料を舐めるなよ！」
　と顔を上げた恋次は、満面の笑みで笑って答えた。

[142 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/16(木) 14:43:00]

展開ダイス

1.雨竜＆一護　2.チャド＆一護　3.バンビエッタ＆白一護　4.夜一＆織姫

dice1d4=4 (4)

>>139　はい、そろそろ終わりですね。

>>140　うーん、正直そこまで考えてなかったです。アニオリ個人的に微妙で。

[143 二次元好きの匿名さん 23/11/16(木) 15:50:44]

アニオリ好きな人には悪いがアニオリ挟むとバンビちゃんにとって本番の千年血戦まで遠くなるしやらなくてもいいとは思う

[144 二次元好きの匿名さん 23/11/16(木) 17:46:31]

>>143

追記　最終的にやるやらないはスレ主さんが決めたらいいかな

バンビがルキアに提案した下手すると後遺症を負うか死ぬかもしれないことって何だったんだろう乱装天傀でも使うつもりだったのかな

[145 二次元好きの匿名さん 23/11/16(木) 20:09:33]

そっか原作と違って白哉は無傷なのか
一護が治るの待って限りなく本気の模擬戦してるのか？

[146 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/17(金) 01:03:56]

「あ、あの夜一さん……」
「なんじゃ井上、畏まって」
　藍染惣右介の離反から四日目の夜、井上織姫と四楓院夜一は二番隊隊舎内の訓練場を改築して掘られた温泉に浸かっていた。
　二番隊隊舎は副隊長・大前田希千代（おおまえだまれちよ）の実家が金持ちのため、隊舎設備は十三ある隊の中でも一番現世の設備に近い機能があった。
「夜一さんが、元二番隊隊長だって砕蜂さんから聞きました……」
「砕蜂め、要らぬ事を口にしおって……ワシが隊長だったのは、もう百年も昔の話。四楓院家当主の座も弟に移った……今のワシは、ただの夜一。うむ、それで十分じゃ」
　四楓院家当主として自由を謳歌しても、それは決められた範囲内で彼女が欲した自由ではなかった。だから隊長時代から仕事を放り出して、当時の副隊長を何度も困らせていた。
「それよりも井上。この後は稽古の続き、しっかり気力体力を回復せんと……また吐くぞ？」
「う……うん、頑張り、ます」
　織姫は四日前から夜一に体術を、内側の黒崎アンナから飛廉脚を教わっていた。ただ、一朝一夕で体術を体得出来るはずもなく専ら受け身・受け流しを体で覚える事になり、飛廉脚の方は感覚で霊子操作を覚えさせる内容となっていた。
　空手家の有沢竜貴に初段相当と評価された織姫の腕前も、格闘歴百年以上の彼女には全く歯が立たなかったのは言うまでもない。
「あたしは回復役で、自分の身を守れて、素早く動ければ逃げられるから」
「うむ、それで良い。人にはどうしても得手不得手がある……最初に言うたが井上、おぬしは敵に優し過ぎる。致命的に戦いには向いておらん」
「……はい」
　夜一の言葉に織姫は頷く。涅マユリの胴体を自分の技が切断した時の胸中は勝てると思う気持ちよりもや罪悪感と苦痛しかなく、それを自覚した事で彼女は前に立つ道を諦めた。
「フフ、おぬしは運動神経が良い。現世に帰還後も当面ワシが手解きしよう……無論、術の鍛練も忘れんようにな」
「はい」
　夜一は自分によく似た弟に接するように、織姫の頭を何度も撫でる。
「ぐぬぬぬ……っ、あの小娘。夜一様に撫でられるなど……！　う、羨ましい！」
　二人の入浴を遠目で監視していた現二番隊隊長・元夜一の部下だった砕蜂は、恨めしい表情で織姫を見つめ嫉妬を滲ませていた。
　そんな隊長の様子を巨漢の大前田は菓子を食いながら、馬鹿と思うのだった。

[147 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/17(金) 01:04:15]

展開ダイス

1.雨竜＆恋次　2.一護＆白一護　3.一護＆バンビエッタ　4.チャド＆ルキア

dice1d4=4 (4)

>>144　多分、アニオリはやらない方向になりますね。後遺症を負うか死ぬかもしれない技は、聖隷の対象を外ではなく内に限定してルキアの霊体をエネルギーに変えて、それをルキア本人に与えて捨て身の身体強化を考えていました。負担軽減と持続時間延長のために、バンビちゃん自身も犠牲にします。

>>145　白哉としては戦う気はなかったのですが、一護から勝負を仕掛けてます。戦う動機は「兄なのにどうして義妹を助けなかったのか？」その理由を知るため、もう一つは「現世での借りを返すため」です。戦いに内なる虚（白一護）は出てきません。

[148 二次元好きの匿名さん 23/11/17(金) 10:40:57]

そういえばルキアがどうやって脱走してのかの追求は大丈夫なのだろうか、まぁ藍染のせいにしとけばいいか

[149 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/17(金) 16:53:10]

　黒崎一護たちが、現世に帰るまであと二日。
　茶渡泰虎は朽木ルキアを相手に体術の鍛練をしていた。本当は四楓院夜一の方が適任だったが、彼女は井上織姫の相手に忙しいので、代役として手が空いていたルキアが選ばれた。
「――どうした茶渡、当たらないぞ！」
「くっ」
　チャドはルキアに向けて拳を連続して突き出すも、彼女は手の甲で自分に迫る拳を全て弾かれる。不意に蹴りを繰り出しても彼女は身を翻してかわす。
　鍛練を始めてから三十分以上経過しているが、彼の拳は彼女に一度も届いていない。その光景がチャドの脳裏に京楽春水との戦いを彷彿させた。
「そろそろ、こちらから攻めるぞ。茶渡」
　その直後、ルキアはチャドの突き出された片腕を両手で掴み彼の勢いを利用して、彼女は一本背負いのように後方へ投げた。
　自分よりも五十センチ近い身長差・半分ほどの体重しかないルキアに投げられた事にチャドは驚きながらも、されるがまま背中から地面に叩き付けられる。
「立て茶渡、お前が言い出したのだ。この程度で根を上げる奴ではあるまい」
「……ああ」
　ルキアはチャドに立ち上がるように促し、彼は立ち上がる。
「朽木……俺にはやはり技術が足りないようだ」
「そうだな。肉体強度・腕力・体力、その三つは天性のもので素直に羨ましいと思う。だが、それを活かすための術がまるで無い。生まれ持ったものだけでお前が戦える相手は、せいぜいチンピラかにわか格闘家が関の山。本物の武芸者には負けるだけだ」
「……理解している。だから俺は技術を学びたい」
　いくら力があっても、それを敵に当てる技術が無ければ意味はない。今後一護の前にやって来る敵は常識外の能力を持つ者ばかりになるはず……そんな敵に攻撃を当てるには回避不可な状態に持ち込むか、こちらが確実に当てられる技能を持つしかない。
「私の技能など夜一殿とは比べるまでもないが、茶渡――今の貴様が学ぶ相手には十分だろう。現世の帰還まで時間も少ない――どんどん攻めて来い！」
「ああ……ありがとう、朽木」
チャドは前傾姿勢になるや力士さえ倒さんばかりの勢いで、ルキアにタックルを仕掛ける。それを彼女は跳び箱のように彼を飛び越えた時――。
「破道の一・衝！」
　ルキアは鬼道を使用してチャドの背に衝撃波を与え、彼を地面へ叩き付ける。
「油断するな！　敵は知性ある者だぞ！」
　二人の鍛練は夜まで続いた。

[150 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/17(金) 16:53:35]

展開ダイス

1.雨竜＆織姫inバンビエッタ　2.恋次＆一護　3.一護＆白一護

dice1d3=2 (2)

>>148　出入口に隙間があって、そこから両手を入れてどうにか体が出る程度に持ち上げて外に出た後、閉めたというしかないですね。

[151 二次元好きの匿名さん 23/11/18(土) 00:24:25]

現世や帝国側はどうしているのだろうか

[152 二次元好きの匿名さん 23/11/18(土) 10:23:37]

>>148

いっそ「よくわからん間に外に出られてた」的な、出られた仕組みはよく理解してません自分の力じゃないのは確か、の方向でも良さそう

[153 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/18(土) 10:30:50]

　阿散井恋次は黒崎一護と共に昼食を食べていた。
　明日には一護たちは現世に帰る。恋次は彼らに何か礼品を用意するべきか内心で考えていたが、現世の人間が何を喜ぶのか彼には判らない。直接訊くとサプライズ感がなくなってしまうので、どうしたものかと悩んでいた。
「なんだよ、恋次。人の顔じろじろ見て……顔に何か付いているか？」
「何も付いてねえよ。なあ一護、朽木隊長……強かっただろ？」
「――当たり前だ。もう二度と戦いたくないね」
　千本桜の卍解『千本桜景厳』、始解時の細かい刃の数が億枚に達しそれが動く様は瀑布そのもの。それを超速で回避しながら接近戦をしていた一護でも、再びあれを掻い潜りながら戦いたいとは思わなかった。
「そうか……それでも引き分けに持ち込めたのは、やっぱりお前は凄い奴だぜ」
「なんだよ、気色わりーな」
　一護は恋次に褒められた事を不気味に思いつつも、彼の言葉に耳を傾ける。
「……俺は昔から朽木隊長に勝ちたいと鍛えてきた。隊長の座を求めていたわけじゃねえ、ただ、あの人がルキアを朽木家の養女にした事で、俺とルキアの関係が変わったのは事実だ……それに対する恨みも少なからずあったんだよな」
「へー……」
「今に至るまで、関係の修復も出来なかった。けど、お前と出会ってルキアに昔の面影が戻って、俺は内心で嬉しかった。正直、付き合い二月足らずのお前に出来て、どうして何十年の付き合いがある俺には出来なかったと不甲斐なさもあって……その苛立ちをお前にぶつけちまった」
「ぶつけられる方は溜まったもんじゃねえけどな」
　恋次の独白を聴く一護は悪態は吐くも、彼に怒りはなかった。むしろ、恋次のその想いが無ければ自分たちはここにいないと思った。
「だから一護…………その、なんだ……一度しか言わねえから、しっかり聴いておけよ。いいか？」
「前置きが長げぇよ、早く言えよ」
　恋次は箸を置き、姿勢を正して一護の方に顔を向ける。
「――ルキアを助けに来てくれて、ありがとう……この恩は必ず返す！」
　本当は土下座もして彼らに感謝を示したい恋次だったが、そこまでやったら一護は素直に受け取ってくれないと思ったから、彼は頭を下げるだけにした。
「あ～……気にすんなよ、恋次。俺たちはルキアを助けたいからやっただけだ」
　堂々と感謝を示されて、一護は照れを隠すように恋次から視線を外した。

[154 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/18(土) 10:31:09]

確定ダイス

1.一護＆白一護

dice1d1=1 (1)

>>151　現世に帰還後の夏休みを少し書く予定です。帝国も一回くらいは書くかもしれません。

[155 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/18(土) 16:16:04]

「――ここは俺の！」
　就寝した黒崎一護は、いつの間にか自分の精神世界に居た。きょろきょろと周囲を見回しても、斬月のおっさんと黒崎アンナの精神体もいなかった。
『よお、相棒』
「お前――」
　声に反応し振り返った一護の正面に居たのは、自分と瓜二つの容姿を持つ『内なる虚』こと白一護だった……一護は無意識に背の斬魄刀の柄に手が伸びる。
『そう身構えるなよ、今回は話しをするためにお前を呼んだだけだ』
　自分に戦意はない事を示すように両掌を見せてから、その場に座る白一護。しかし、一護は警戒心を解くことはなかった。
「てめえと話す事なんかねえよ」
『ハッ――日々感じているんだろう？　俺の存在感をよぉ』
「…………」
　白一護の言葉に一護は沈黙する。
　初めて精神世界で遭遇して以降、一護は霊力の最奥に白一護の存在を感じるようになった。その時は気になるほどの存在感はなかったが、卍解習得後からはまるで暗く深い穴の底から這い上がるように、存在感が大きくなるのを感じるようになっていた。
『……話を聴く気になったみてえだな、一護』
　一護の無言を肯定と受け取った白一護は語り始める。
『――俺はこれからてめえの内で存在を大きくする、最後はてめえの体を完全に奪うだろう……が、俺も鬼じゃねえ、ここで取引だ。てめえの半分を俺に寄越せ』
「半分、だと」
　白一護の言う半分が何か判らない一護は怪訝な表情を作る。
『現世での日常は残らずお前のもんだ。だがな、今後に起こる戦いの全てを俺に渡せ……お前は家族と一緒に戦いとは無縁の人生を送り続け、俺は血を血で洗う闘争の日々を得て渇きを潤す――お人好しのてめえには願ってもいない事だろう？　取引に応じるなら、俺の手を取りな」
　と白一護は取引内容に唖然とする一護へ手を伸ばす。
　しばらく沈黙が流れ、一護は意思が決まったのか歩き始め――白一護の手をパンッと手で払った。
「――バカ言うな。誰が応じるかよ、日常も戦いも全部俺のものだ……てめえにくれてやる部分なんて一つもねえよ」
　一護の意思を聴き終わると、白一護は眼を鋭くして立ち上がる。そのまま一護に不良の如くガンを飛ばして告げる。
『……後悔すんなよ、相棒。その意思がどこまで保てるか見物だな』
　そう一護に告げると、白一護は霧のように掻き消えた。
　一護は誰もいなくなった精神世界を見上げてから、再び眠りについた。

[156 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/18(土) 16:16:30]

＊これで尸魂界内の話は終わりです、ここからは現世になります。

展開ダイス

1.石田家　2.バンビエッタ＆一心（帰還直前）　3.浦原商店　4.買い物（バンビエッタ＆黒崎姉妹）

dice1d4=2 (2)

[157 二次元好きの匿名さん 23/11/18(土) 19:10:44]

遠回しに戦いなどの辛い事は俺に任せてお前は日常の中に居ろと言ってる

[158 二次元好きの匿名さん 23/11/18(土) 21:14:19]

お兄ちゃんはさあ…

[159 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/19(日) 00:29:02]

　黒崎家の朝、夏休み中でも平日通りの家事を終えたバンビエッタは、リビングでＴＶを見ながらのんびり過ごしていた。
　黒崎一護の体を預かるコンは、午前中ほぼ寝ている不規則な生活をしていたが、一護本人じゃないので彼女は放置していた。
「あ、そうだった。昨日の晩に浦原から電話があったんだが、今日にも一護たちが帰って来るみたいだ」
「へ～、そうなの」
　同じくだらけていた黒崎一心が思い出した報せに生返事をしつつ、ちゃんと目的を達成出来たと考え、今日の夕飯はちょっと豪華にしてやろうと決めたバンビエッタは、午前中に買い物をしようかと考える。
「ただ……どうやら藍染の奴が、ルキアちゃんから崩玉を取り出したみたいだ」
「ふーん。ま、それは浦原に任せればいいでしょ」
　浦原喜助から崩玉を説明され、その意思と繋がっているバンビエッタだったが、最初の嘔吐以外に実害もないので気にしない事に決めた。
「おいおい、何我関せずの態度しているんだよ。藍染は頭の傷を付けた奴だろ？」
「もう十年近い前の事だし、死神同士の戦いに滅却師が絡むのもどうかと思うし……まあ、出会えば仕返しの一つくらいはするわよ」
　それは精神体のバンビエッタが、すでに藍染に行ったと本体のバンビエッタはまだ知らない。
「それに、あたしより竜弦の方が因縁深いでしょ？」
「石田にも知らせてやったのに、関係ないと言いやがった。都合のいい時だけ滅却師になりやがって、たくよー……うん？」
「戻って来たわね」
　二人の霊覚に大きく感じ慣れた霊圧が突然現れ、それが一護たちだとすぐに気付く。その直後に浦原の霊圧も現れ、彼らに接触したと分かった。
「さて、久しぶりに親子の触れ合いでもしてやるかっ」
　一心はソファーから立ち上がるとストレッチを始める。どうせつまらない事をする気なんだと分かったバンビエッタは、一護の霊圧を捉え続けて動きを探る。
　やがて、一護が黒崎家の近くまで来たところで一心はリビングで小走りを始め、一護が家に入って一分半後――彼は全速で階段を駆け上がって行った。
「グッモーーニンッ、イッチゴーーーー！！！！」
「うるさ」
　大声で挨拶と共に息子へ突撃しに行った一心に呆れ、直後にドタバタと親子の争いが始まった物音が聴こえたので、バンビエッタはもしも何か壊したら二人の来月分のお小遣いからの天引きを決めた。
「……おかえり、一護」

[160 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/19(日) 00:29:30]

展開ダイス

1.浦原商店（雨竜＆喜助）2.バンビエッタ＆白一護　3.一護＆バンビエッタ　4.石田親子

dice1d4=4 (4)

>>157　弟分には平和の中で生きて欲しいんでしょうね。

>>158　どうして素直に言えないかな。だから一護に避けられるのに。

[161 二次元好きの匿名さん 23/11/19(日) 10:37:28]

ほんと丸くなったねぇバンビちゃん
死神同士の揉め事に介入する理由は無いよね、下手に死神側に肩入れしたら帝国に連れ戻されるか粛正のどちらかが粛正確定になりかねないし

[162 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/19(日) 13:56:00]

　現世に戻った日の午後、石田雨竜は早々に父親の竜弦に呼ばれ石田家の運営する総合病院を訪れていた。
「――来たか、雨竜」
「僕は忙しい。用件があるなら手短に言ってくれ」
　院長室で、白衣姿の竜弦に雨竜は敵意を滲ませた視線を向ける。出口付近で立つ息子の視線を気にせず、竜弦は用件を話し始めた。
「……尸魂界はどうだった？」
「そんなのあんたに言う必要はない」
　と素っ気なく答える雨竜、どうして滅却師を辞めた男が尸魂界の様子を知る必要があるのか疑問に思うも、それを問う前に竜弦から次の質問が投げられる。
「尸魂界にいる間、不自然な霊力や視線を感じた事はあるか？」
「不自然な霊力、視線……？」
「明らかに死神ではない者の霊圧があったか、同時にお前だけを見る視線はあったかという意味だ」
　竜弦の捕捉に雨竜は深く考える。竜弦は何かを知っており、それは尸魂界内にいる死神ではない誰かが関係している……ただ、それをここで問い詰めても何も語らないと解っていた。
「いや、そんな霊圧を感じた事は一度もなかった。視線も」
「ならいい……では、次だ。なぜ散霊手套を付けた？　効果を知らないはずがないだろう」
　竜弦は雨竜の右手に視線を向けて問う。その視線に彼は後ろめたい気持ちを隠す子供のように、右手を後ろへ隠した。
「――死神たちと戦い勝つためだ。それ以外に理由なんてない」
「滅却師の力を失うリスクを負ってもか……」
「ああ」
　散霊手套を外した時、一時的に滅却師の極地『滅却師最終形態（クインシー・レツトシュティール）』を得られるも、やがて滅却師の能力を全て失う。
　雨竜の覚悟ある眼に竜弦は呆れつつも、息子が選んだ道を非難する気はなかった。
「覚悟は結構だが、それを付けたまま市街を歩かれるのも近所迷惑だ――屋敷に来い、それを外す」
「！　最終形態にならずに散霊手套を外す方法があるのか」
　竜弦の発言に雨竜は小さく驚く。息子の反応に父親は溜息を吐く。
「当然だ。散霊手套は、短時間の鍛練と着脱を繰り返すのが正しい使い方だ。お前がした修行は、全てを捨てる覚悟での修練法だ」
「ど、どうして師匠はそんな方法を僕に……」
　師の動機を考え始めた雨竜を無視し、竜弦はもう一度息子に告げる。
「屋敷に来い、雨竜」

[163 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/19(日) 13:56:28]

展開ダイス

1.夜一＆チャド　2.勉強部屋（織姫＆喜助）3.雨竜＆バンビエッタ　4.バンビエッタ＆一護

dice1d4=3 (3)

>>161　それだけ帝国の環境が悪いということですね。身近な相手が害されたら死神の争いでも、問答無用に介入します。死神側に肩入れしなくても、陛下の許しなく無断で十年も現世に居てしかも特記戦力の自宅に住んでいれば厳罰は確定です。

[164 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/19(日) 20:39:30]

「黒崎さん、ちょっといいかい？」
「仕事中なんだけど、手短にね」
　洋裁店のアルバイト中、商品棚に商品を補充しているバンビエッタの下に石田雨竜がやって来た。この時の彼の右手に散霊手套はもうなかった。
「尸魂界の話は、知っているんだよね？」
「ええ」
　バンビエッタが簡潔に尸魂界の出来事は把握していると言うと、雨竜はズボンのポケットから滅却師十字を取り出して、彼女に見せる。
　それが昔に失った自分の物と判り、なんで雨竜が持っているの疑問に思いつつ彼に視線を向けた。
「藍染が僕に投げ渡してきた。戦利品と言っていたよ」
「そう……確かにあいつにとっては戦利品よね。ずっと竜弦に没収したと思っていたけど……ありがとう」
　これで毎回大聖弓の剣を作る必要がなくなると思いながら、バンビエッタは雨竜から滅却師十字を受け取って腰のポケットに入れた。
「――何よ？」
　用事は済んだはずなのに、雨竜はその場から動かずまだ何か訊きたそうな表情を浮かべていた。
「……教えてほしい。どういう経緯で、藍染と戦う事になったのかを」
「えー……言いたくない」
　雨竜の興味を理解しつつも、バンビエッタは教える事を拒否した。教える必要性を感じず、下手に言うと不和を生みそうな気がしたからだった。
「そう……それならしょうがないね」
　雨竜は拒否される事を予想していたようで、少々残念な表情を作りながらも納得したような返事をした。
「雨竜、人に隠し事や過去を語らせる気なら自分も過去を話す覚悟はあるの？　あんたがどうして竜弦を嫌うのか、それを包み隠さずあたしに語れるの？」
「それは――……」
　バンビエッタの指摘に雨竜は言葉に詰まったので、彼女は追撃する。
「そういう事。自分で言うのもあれだけど、黒崎家に来る前のあたしは酷いもんよ。だから言いたくない……まあ、いつかばれるだろうけど」
　見えざる帝国が動き出せば、否応なく自分の過去が暴かれる運命にあるとバンビエッタは諦めていた。
「それに過去とか知らなくてもいいじゃない。知ったら気まずい空気や関係がこじれるかも……そうなったら、あんた責任取れるの？」
「……分かった、もう聞かないよ」
　色々と述べて過去を隠そうとするバンビエッタの姿に余程知られたくない情報があると察した雨竜は、今は知る事を諦めることにした。
「解ればいいの、あたしの事なんて後回しにしなさい」

[165 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/19(日) 20:39:55]

展開ダイス

1.有沢竜貴＆井上織姫　2.バンビエッタ＆一護　3.？？？（銀架城）　4.浦原商店（バンビエッタ＆喜助）

dice1d4=2 (2)

[166 二次元好きの匿名さん 23/11/19(日) 22:10:34]

いつかは知られるとわかっているが過去の自分を知られ皆との関係が崩れるのを怖がっている感があるね
知られたら幻滅するだろうなと思っていそう。だが一護達は過去は過去、今は今で気にしないだろうがな

[167 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/20(月) 01:58:24]

「一護、あたしと勝負しましょう」
「――はっ？　いきなり部屋に来てなんだよ、勝負？」
　夏休みも残り一週間の夜、バンビエッタは黒崎一護の部屋を訪れるとベッドに横たわり雑誌を読む彼に勝負を仕掛けてきた。ぬいぐるみの中にいるコンは、タンスの中でもう寝ていた。
「そ、戦う場所はあんたの精神世界よ」
「……なんでだよ」
　しょうもない勝負と思っていた一護は、勝負の場所が自分の精神世界と知り表情が硬くなる。それは、死神と滅却師の戦いをするという意味だからだ。
「あんたの戦い方が全然ダメだからよ。特訓よ、とっくーん」
「いらねえよ、そんなの」
　自分に背を向けた一護にバンビエッタは、彼の心情を指摘する。
「もしかして、内側の――白一護を気にしているの？　ふーん、あいつにビビッているのね」
「な――っ、なんで、あいつを……！」
「あんたの内側にいたんだから、面識があるに決まっているでしょう――さっさとやるわよ」
「ちょっ！」
　バンビエッタは嫌がる一護の頭を強引に掴み、そのまま彼の精神世界へ侵入する。
　白雲と青空に摩天楼が並ぶ精神世界、白い軍服姿のバンビエッタと死神姿の一護は相対する。しかし、一護の表情は不満一色だった。
「ほら、さっさと斬魄刀を抜きなさい」
「なあ、本当にやるのかよ」
「はぁ……あんたって、本当に毎回動機がないと戦えない奴よね。腕試しに戦おうとか思わないわけ？　闘争心が薄過ぎよ」
「う、うっせーよ…………斬月のおっさんはいないのか？」
　一護は斬月の姿がない事を不思議に思い、片刃の真剣を抜いたバンビエッタに問いかける。
「あんたの前には出てこられない状況にあるだけで、斬月はちゃんとこの世界にいるわよ」
「――どういう意味だよ」
　バンビエッタの聞き捨てならない発言に、一護の表情に真剣さが入る。
「その話が聞きたいのなら、まずはあたしと戦いなさい」
「ッ、わーったよ」
　斬月が気になる一護は、バンビエッタの誘いに乗り背中の斬魄刀の柄を掴む。それを合図にバンビエッタは先制攻撃を仕掛けた。
「月牙天衝――」
「！！？？」
　バンビエッタが剣をその場で振り下ろすや、青い光の巨大な斬撃が切っ先から放たれ、隙を見せていた一護を容赦なく呑み込んだ――。
＊続きます。

[168 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/20(月) 01:58:50]

>>166　隠したい過去って誰にでもありますし、例え信じている相手でもやっぱり不安になると思います。仲間に色々とやったバンビちゃんなら余計に隠したいでしょうね。

[169 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/20(月) 12:35:27]

「先制攻撃を喰らうなんて、油断し過ぎじゃない？」
「な、なんで……お前が、月牙天衝を使えるんだよ」
　右腕を負傷しつつバンビエッタの青い月牙から逃れた一護だが、胸中の動揺は大きい。『月牙天衝』は斬月の固有技と考えていたからだ。
「仕組みが解って、純粋な霊力だけを使う技なら、技の再現は十分可能よ。真似されたくないのなら、精密な霊力操作が必要な技を編み出したら？」
　黒崎一心に教わったと言えないバンビエッタは、最もらしい理屈を述べる。一護はそれで納得したのか、表情が警戒した真顔に変わる。
「理由は分かったよ。けど、俺の月牙の方が威力は――」
　直後、青い月牙が一護の頬を掠めて血が流れる。
「威力が何だって？　あたしの月牙、あんたと同一と思わない方がいいわよ！」
　そう叫ぶと同時にバンビエッタは突きを放つ、それは滅却師の矢の如く真っ直ぐに一護へ飛ぶ小型の月牙天衝だった。
「――月牙の突きかよっ！」
　一護は瞬歩で刺突の月牙天衝を回避する。さすがに反撃無しで勝てる相手ではないと、自分も月牙天衝で反撃しようとするも――。
「月牙天衝！！」
「！？」
　すでにバンビエッタは月牙天衝を二連続で放ち、一護はとっさに斬魄刀で防御しようと構えた時、飛廉脚で彼の頭上へ移動したバンビエッタから三発目の月牙が放たれた。
「うっ、おおおォォ！！」
　咆哮しながら一護は防御を捨て、黄色の月牙天衝を放つ。しかし、月牙同士の衝突による爆発に巻き込まれて吹き飛び、摩天楼の外壁に体を叩き付けられた。
「――ぐぁっ」
「あたしの月牙天衝は連射重視よ。あんたが月牙の威力を高める隙に、こっちは連続で撃てる――例えるなら、あんたの月牙は大砲。あたしはリボルバー……弾の装填から始めたら、どっちが速く撃てるか判るでしょ？」
「……っ」
　立ち上がる一護に説明しながら近づくバンビエッタに、彼は月牙天衝を撃たないで構える。
「それと、あたしは滅却師――」
「！！」
　霊子の光が視界に入り瞬時に顔を見上げた一護の眼には、霊子で作られた巨大な弓矢が映り、鏃が自分に向いていると判るや射線から飛び退くも、この時にはバンビエッタは接近して掌を彼の腹に置いていた。
「！？」
「斬月に言われたでしょ。敵から眼を離すなって――月牙天掌」
　ゼロ距離から繰り出された掌打の月牙に、一護は声を上げる間もなく吹き飛ばされた。

＊続きます2

[170 二次元好きの匿名さん 23/11/20(月) 18:04:50]

アンナは器用さが頭抜けているな

[171 二次元好きの匿名さん 23/11/20(月) 18:23:10]

爆バンビちゃんには絶対できなさそうな戦いするやん

[172 二次元好きの匿名さん 23/11/20(月) 19:54:17]

師があの方だからか戦闘スタイルがほとんど同じ

[173 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/21(火) 01:26:38]

　強ぇ――。
　黒崎一護は今日何度目かになる摩天楼の外壁を跳ねるように転がりながら、バンビエッタの隊長格にも劣らない強さを痛感する。
　……何があったんだ、おっさん。
　内なる虚が、斬月に何かして出てこられない状況になったと考える一護だが、それとこの戦いがどう繋がるのか判らない……ただ、彼女は意味もなく戦いをさせる奴じゃないと確信していた。
「――ッ、話してもらうからな」
　斬魄刀を外壁に突き立て強引に勢いを殺して止まる一護は、必ず斬月の状況を聞く事を決心する。
「月牙天衝！」
　一護は斬魄刀を振り、黄色の月牙天衝で追い打ちの青い月牙天衝を相殺する。そのまま月牙の衝突で生まれた煙を突き破り、突撃して来る彼にバンビエッタは少し驚きつつも鍔迫り合う。
「やっと、その気になったわけ？　遅すぎね」
「悪かったな」
「でも、それでいいわ！」
　そして、一護のバンビエッタの剣戟が始まる。柄を短く持ち、白兵戦を仕掛けて斬魄刀を振り辛くするバンビエッタの戦法に一護は傷を作りながらも、どうにか対応してみせる。
　しかし、天秤は一護に不利な方へ傾いた。
「月牙天昇」
　月牙を纏った拳が一護の右脇腹を鋭く叩き、月牙は浸透勁の如く内臓を傷つけ、それに堪らず片膝を着く彼へバンビエッタは近距離で月牙天衝を繰り出した。
「ぐっ、ぁぁうおおおッ！！」
　摩天楼の外壁を滑りつつ裂帛を上げた一護は、完全な力技で青い月牙を斬魄刀で斬り払ってみせた。
　しかし――、
「――ぐふぇ」
　飛廉脚で追走していたバンビエッタが技後硬直を狙い、一護の脳天に踵落としを刺した事で彼の視界が歪む。ここで彼女は剣を捨て、素早く脳を揺らして動けない彼の胸部と腹部に拳を置く……その構えは山本重國の白打・双骨と類似していた
「月牙双天昇」
　二発同時の内側に響く月牙を放たれ、一護の体は感電したように全身を一瞬だけビクっと震わせた。
「……チクショウ」
　と囁いた一護は、体を傾けて横倒しになり気絶した。
「ふう……やっぱり火力じゃ、一護には勝てないわね」
　決着が付きバンビエッタは溜息を吐き、一護を見下ろす。今回は初回で手数の多さで勝てたものの、回数を重ねれば対応速度も上がり、こっちの勝機は下がっていくと思った。
「ま、白一護を気にして卍解しない分まだ楽よねー―お疲れ、一護」
　そう気絶する彼に告げ、バンビエッタは現世に戻った。

[174 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/21(火) 01:27:03]

展開ダイス

1.銀架城　2.一護＆ドン・観音寺　3.バンビエッタ＆織姫　4.チャド＆夜一　

dice1d4=1 (1)

バンビちゃんが戦闘をした事で、能力値が崩玉と繋がっている影響で一部更新されます。

戦闘力 115　+dice1d5=2 (2)

霊力 70　+dice1d5=2 (2)

霊子操作 59　+dice1d5=3 (3)

静血装 33　+dice1d5=1 (1)

動血装 71　+dice1d5=3 (3)

聖文字の熟練度 5

>>170　では、試しにダイスしようと思います（採用するかは未定）。こういう時はあまり良い出目が出る印象がありませんけど。　器用さdice1d100=68 (68)

>>171　爆バンビちゃんは相手を近づけさせない爆撃戦法ですから、この戦法は不要でしょうね。

>>172　弟子は師に似るものですから、類似点が多いのもしょうがありませんよ。

[175 二次元好きの匿名さん 23/11/21(火) 11:20:20]

このまま成長したらバンビちゃんのスキルツリーがえらい事にならないか、よし鉄裁さんに縛道を教わろう六杖光牢や断空は便利だよ

[176 二次元好きの匿名さん 23/11/21(火) 14:31:50]

３分の２以上なら器用と言っても過言ではないでしょう
静血装の伸び悩みが致命傷にならなければいいのですが…

[177 二次元好きの匿名さん 23/11/22(水) 00:03:28]

保守

[178 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/22(水) 00:12:51]

　『銀架城（ジルバーン）』、見えざる帝国の帝城。
　騎士団長ユーグラム・ハッシュヴァルトは、現世に派遣した諜報部隊の報告書を抱え、聖章騎士の部屋がある区画へ向かっていた。
「あ！　騎士団長だー。お～い」
「バカ、手振るな」
「こんにちわ～(°▽°)/」
「よお……」
　区画へ繋がる階段の踊り場で、聖章騎士の女性五人組『バンビーズ』の四人と出会った。リーダー不在後も改名しない彼女らを見つけたハッシュヴァルトは探す手間が省けたと近づく。
「ここで何をしている」
「談笑だ、女には野郎に聞かれてたくない秘密の話があるんだよ。騎士団長」
「そうそう♪　秘密の女の子だけのお話♪」
　密談なら相部屋でやれ、ジゼル貴様は男性だろ、と考えるハッシュヴァルトだが組織運営に支障がないので無視し、さっさと自分の用事を済ませる事にした。
「報せだ。バンビエッタ・バスターバインの生存が確認された」
「「は？」」
「えぇ！　そうなの！？」
「バンビエッタちゃん生きていたの？」
　リルトット・ランパードと騎士団服を改造し肌の露出が非常に高いキャンディス・キャットニップは唖然、性別を偽るジゼル・ジュエルは普通に驚き、聖章騎士の女性陣で最長身のミニーニャ・マカロンは無表情で心情が分かり辛い。
「生きてやがったか、あのクソビッチ」
「……その報告書だ」
　ハッシュヴァルトから写真付き報告書を受け取ったバンビーズは、全員で内容を覗き込む……最初に声を上げたのはキャンディスだ。
「バンビの奴、現世で学生しているのかよ。うん？　黒崎って、特記戦力に入った奴の苗字じゃん！」
「わぁ～制服姿のバンビちゃん。かわいなぁー♪」
「おい、本当に洗脳の可能性があるのか？」
　バンビエッタの制服姿に注目する中、リルトットだけは洗脳の可能性大の一文が気になった。
「空座町には『手段』の特記戦力・浦原喜助がいる。バスターバインの性格を考慮し、奴の手による洗脳もしくは記憶改竄を受けた可能性は捨てきれない」
「うわ、やばい奴じゃん！　浦原喜助」
「でも、大人しくなったバンビエッタちゃんも見たい気がするの」
「えー、ボクは元のバンビちゃんがいいんだけど」
「で、俺らにクソビッチを助けに行けって？」
　リルトットのくりっとした眼の奥から面倒くさいと語っていた事に、彼はバンビエッタを内心で憐れんだ。
＊続きます

[179 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/22(水) 00:19:16]

「いや、お前たちには先に報せたに過ぎない」
　本当はリルトットが回収に前向きなら、陛下に献策も考えたハッシュヴァルトだが彼女の反応で止める事にした。
「そっかぁ、ボクはバンビちゃんを回収してもいいと思うけど」
「あたしは反対だ。バンビのせいで評判が下がるのはごめんだっ」
「元から下がるほどの評判ねえだろ、ビッチ」
「はぁ～！？　そんなはずない！　適当な事を言うんじゃねえ、リル！」
「バンビエッタちゃんのお部屋、掃除した方がいいと思うの」
「それ誰がやるのかな～、ミニーちゃん？」
　四人の会話が騒がしくなる気配を感じたハッシュヴァルトは、何も言わずにその場から離れて行った。
　来た道を戻る途中で、彼は足を止める。
「盗み聞きは関心しないぞ――ナックルヴァール」
「偶然だって。偶然にあんたらの声が聴こえたから、ちょっい立ち聞きを」
　通路の角から姿を見せたのは、頬がほんのりこけた顔立ちの整ったオールバックに前髪の一房を垂らす細身の男、聖章騎士『致死量（The Deathdealing）』アスキン・ナックルヴァールだった。
「それを盗み聞きと……まあいい。私を尾行した理由はなんだ？」
「そうそう、バンビの件で真偽の確認に誰かを現世に派遣するのはどうかなっと」
「派遣か……」
　ハッシュヴァルトには疑問があった。調査部隊の可能性が事実なら、浦原喜助がこちらの情報を得ながら何の行動を起こさないのは不自然。接触はリスクは孕むが、一番手早くバンビエッタの状態が解る手段でもあった。
「――いいだろう。近日中に、陛下に献策する」
「お、あっさり採用してくれるのな」
「……問題は誰を接触させるかだが、親衛隊と一部は除外だ」
　皇帝直属の精鋭部隊『親衛隊（シュッツシュタッフェル）』。星十字騎士団の別枠で、とてもこの程度の任務に動かす事は出来ない。
　また仕事が増えるハッシュヴァルトだが、それが団長の役目と千年前から諦めていた。
「だろうね。バンビーズが安パイだろ。それか俺らの誰かだ」　
「四人もの聖章騎士の現世派遣は、私が許可しない――一人か二人で十分だ」
「で、任務中の自由行動も付けば、俺は自己推薦したいな」
「――それが目的か……期間に余裕を持たせる。それで満足しろ」
「おっ、話が分かるね。さすが次期皇帝♪」
「それは陛下がお決めになる事だ。軽はずみな発言は控えろ、ナックルヴァール」

[180 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/22(水) 00:21:15]

＊これで尸魂界編は終わりとなります、次より破面編になります。

バンビちゃんへの好感度ダイス。

黒崎一護112　+dice1d10=8 (8)　朽木ルキア58　+dice1d10=1 (1)

井上織姫102　+dice1d10=10 (10)　茶渡泰虎62　+dice1d10=6 (6)

石田雨竜92　+dice1d10=9 (9)　浦原喜助98　+dice1d10=3 (3)

黒崎一心69　+dice1d10=10 (10)　四楓院夜一69　+dice1d10=9 (9)

黒崎遊子39　+dice1d10=1 (1)　黒崎夏梨69　+dice1d10=6 (6)

コン　dice1d100=88 (88)

破面編の展開ダイス。

1.廃倉庫　2.黒崎家　3.見えざる帝国・派遣組（現世）4.虚夜宮

dice1d4=4 (4)

＊3の出目が出た場合、見えざる帝国・派遣ダイス（皇帝・騎士団長・グレミィ・ロイド・親衛隊除外）。

派遣人数dice1d2=1 (1)

1.アスキン　2.エス・ノト　3.リルトット　4.バズビー　5.蒼都　6.キルゲ　7.BG9

8.ぺぺ　9.ロバート　10.ドリスコール　11.ミニーニャ　12.ベレニケ　14.ジェローム

15.マスキュリン　16.キャンディス　17.ナナナ　18.ニャンゾル　19.ジゼル

dice2d19=19 5 (24)

>>175　えらい値になっても問題ない相手が出てきますので、多分大丈夫です。鬼道も霊力を使用しますからバンビちゃんに習得させる事も考えていたのですが、鬼道に死神の霊的要素があったら困るので保留にしてます。一応、一欠片でも死神の要素を得るタイミングは考えていたのですが、ダイスがそれを選んでくれなくて。

>>176　それもそうですね。次回の能力値更新で器用さを追加しようと思います、静血装の伸びは今後に期待するしかないですね。

[181 二次元好きの匿名さん 23/11/22(水) 00:28:47]

よりにもよってジジかあ…

[182 二次元好きの匿名さん 23/11/22(水) 10:09:19]

昔のバンビと今のバンビは別人レベルで変わってるから精神操作や記憶操作されてる可能性を疑うのは仕方ないか
このメンバーなら今のバンビだったら何かしらの足枷がない限りタイマンならアスキン以外は勝てそう何なら侵入無しでも勝てそう

[183 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/22(水) 13:29:33]

　『虚圏（ウェコムンド）』、現世と尸魂界の狭間にある空間。
　全ての虚が潜む場所であり、死神でも動向を把握することは出来ない常夜と月に白砂の世界。
　広大な白砂の地に、極大の白亜の城とそれを囲う塔が建造されていた――『虚夜宮（ラスノーチェス）』、藍染惣右介と彼の配下たちの拠点だった。
「眼と傷の調子はどうです？」
「ああ、何の問題もない」
　朽木ルキア（バンビエッタ）に貫かれた片目と傷の治療を終え具合を訊く市丸ギンに、藍染は自信に満ちた声で答えた。
　黒の死覇装を脱ぎ、白の死覇装に着替える二人が向かうのは、尸魂界から離脱後頻繁に使用している窓の無いとにかく頑丈に作られた訓練部屋。
「藍染様」
「待たせたね、要。さっそく始めるとしよう」
「はい」
　髪型を変え白い死覇装姿の東仙要の前には、大虚たちが揃っていた。だが、全てが『最下級大虚（ギリアン）』の見上げる巨体より小さく、姿形も統一されておらず動物を模した個体が多かった。
　『中級大虚（アジューカス）』――自我を持ち、個を保ち続ける為に同族喰らいを続ける個体。知能は高く、その戦闘能力はギリアンの数倍。
　そんな喰らい合う虚たちが集まったのは、自らの仮面を崩玉で剝ぎ力を得るためだ。
「まずは君だ」
　藍染は崩玉を懐から出し、指名された中級大虚は無言で彼の前で首を垂れる。
　崩玉は長期間封印された事で睡眠状態にあり、完全覚醒には数か月が必要だが、藍染は瞬間的だが完全覚醒させる方法を見つけた。
　彼は崩玉を虚の仮面に当て、瞬間覚醒を行い崩玉が強く輝く。
　中級大虚の仮面は末端からバリバリと剝がれ始め、並行して体躯は急速に縮み姿形も人間に寄り始める。
　崩玉の輝きが消えた時、新たに一体の死神の力を持つ虚――『破面（アランカル）』が誕生した。
「名を聞こう、同胞よ」
「ウフフ、あたしの名前が知りたいのぉ？　いいわ、教えてあ・げ・る♡　――トゥ！」
　全裸の筋骨隆々の男性破面は跳び上がり、宙で錐揉みながら順番待ちの大虚の頭に立ち、セクターポーズを作った。
「バラガン陛下第一の臣下！　シャルロッテ・クールホーンちゃんよぉ！　よろぴく～～♡♡」
「うわ。また、えらい濃ゆいの出たわぁ～♪」
「黙れ市丸……」
　市丸の小さい笑い声が空間に響き、ウインクするシャルロッテに藍染は表情を崩さず無視する。
「では、次は君にしよう」

[184 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/22(水) 13:30:10]

展開ダイス。

1.井上織姫＆車谷善之助　2.見えざる帝国・派遣組（現世）　3.バンビエッタ＆平子真子　4.黒崎家

dice1d4=1 (1)

＊2が出た場合、見えざる帝国・派遣ダイス（皇帝・騎士団長・グレミィ・ロイド・親衛隊除外）。

派遣人数dice1d2=1 (1)

1.アスキン　2.エス・ノト　3.リルトット　4.バズビー　5.蒼都　6.キルゲ　7.BG9

8.ぺぺ　9.ロバート　10.ドリスコール　11.ミニーニャ　12.ベレニケ　14.ジェローム

15.マスキュリン+ジェイムズ　16.キャンディス　17.ナナナ　18.ニャンゾル　19.ジゼル

dice2d19=13 16 (29)

>>181　それはそれで面白い展開に出来たかもしれませんが、外れたので別の者になるかも。

>>182　口調は変化していないので本当に洗脳されているのか違和感を抱くかもしれません。個人的にはF、N、Q、S、Wに苦戦する気がしてます。

[185 二次元好きの匿名さん 23/11/22(水) 18:26:26]

>>184

確かにそのメンバーなら苦戦しそう、触れないはまだ何とかなるかもしれないが火力がいる相手だと侵入が決まる以外勝ち筋が無いかな

Fは侵入と似たようなものだけど特化してる分技食らった侵入より早いだろうし完聖体は防げなさそうだから微妙に不利目かも

やっぱ火力欲しいなぁ

[186 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/22(水) 21:29:31]

「うう……やっぱり、あっちより霊子の集まり悪いなぁ」
　二学期の始業式が終わり、アパートに帰宅した井上織姫は飛廉脚習得のため、足裏に霊子を集めて宙を歩く訓練をしていた。
　床から十数センチ浮く彼女は、尸魂界と現世の霊子密度の差に苦戦していた。最終的には霊子の道を作りスケートの如く高速移動出来るまで何年もかかる気がしつつ、ゆっくりと高度を下げていく。
　そんな時に外からドシン！！　と重い物が落ちて来た音がした。
「……な、何だろう……？」
　危うく尻餅を付きそうになった織姫は床に着地、ベランダ側の窓を開けて下を覗き込む。
「あ――」
「おのれ虚の分際で、空など飛びやがって……腰、いてぇ」
　裏庭には仰向けに倒れて愚痴をこぼすアフロヘアーで太眉の死神がいた。どうして死神がいるのか考え、彼が朽木ルキアの代わりに来た空座町の担当死神だと思い至った。
「腰を怪我しているみたい……助けてあげよう」
　と決断した彼女は、玄関から裏庭へ移動して声をかける。
「あのっ、大丈夫ですか？」
「――ぬおぉ！？　なんだ貴様っ！　おおっ俺が見えるのか！！」
　突然、話しかけれ驚いたアフロ頭の死神はズザザザッと勢いよく後退る。なんだか新鮮なリアクションと思いながら、この人尸魂界の出来事を知らないと判断して織姫は彼に挨拶する。
「あたし、井上織姫です。朽木さんの代わりに来ている現世の担当死神の人ですよね……？」
「むう、よく見るとかわいい……こ、こちらの事情を把握している人間かっ、その通り！　朽木ルキア女史の代わりにこの地区を任せられたエリート死神こと、車谷（くるまだに）善之助（ぜんのすけ）だ！」
　車谷は織姫へ誇らしく親指をたてる。
「――車海老さん、あたし怪我の治療が出来ます。腰を痛めていますよね？」
「車谷なんだけど、え、本当？　さっき虚に空から落とされて腰が痛くて……」
　と車谷は織姫に背を向け、痛む箇所を触れる。彼女は双天帰盾で回復を始める。
「おおおぉぉ！　痛みが消えていく！　すごい！　すごいぞ！　これなら俺はまだ戦える～！」
　全快の車谷は跳び上がり、そのままロケットの如く空へ飛んで行った……面白い人だなあ、車海老さんと思う笑顔の織姫だった。
「何だかエビが食べたくなっちゃった。うん、今日のご飯はエビ料理に決定！」
　献立が決まった織姫は、上機嫌で部屋へ戻って行った。

[187 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/22(水) 21:30:14]

展開ダイス。

1.見えざる帝国・派遣組（現世）　2.一護＆バンビエッタ　3.石田＆チャド　4.浦原商店（浦原＆一心）

dice1d4=1 (1)

＊1が出た場合、見えざる帝国・派遣ダイス（皇帝・騎士団長・グレミィ・ロイド・親衛隊除外）。

派遣人数dice1d2=1 (1)

1.アスキン　2.エス・ノト　3.リルトット　4.バズビー　5.蒼都　6.キルゲ　7.BG9

8.ぺぺ　9.ロバート　10.ドリスコール　11.ミニーニャ　12.ベレニケ　13.ジェローム

14.マスキュリン+ジェイムズ　15.キャンディス　16.ナナナ　17.ニャンゾル　18.ジゼル

dice2d18=12 11 (23)

[188 二次元好きの匿名さん 23/11/22(水) 22:07:47]

ピンポイントにスレ主に苦戦するだろうと言われたQの人きちゃうか
でもミニーニャも入っているしどちらだ？

[189 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/22(水) 22:16:23]

>>188　まさかQが来るとは思いませんでした。頑張って倒すか追い払うしかないですね、派遣人数のダイスで一人に決まっているので、ミニーは来ません。彼一人です。

[190 二次元好きの匿名さん 23/11/22(水) 23:26:28]

イモ山さん始解の能力的に空中戦は厳しいよな
多分バンビも虚退治とかしてたと思うから本編以上に虚討伐数減ってそう

[191 二次元好きの匿名さん 23/11/23(木) 09:51:06]

バンビの真偽を明確にする為に接触は任務の為とはいえ侵入や彼女の行いを知ってると結構怖いよ
もし敵側について侵入を使えるままなら接触する時間なんて掛けてなんかいられないし

[192 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/23(木) 13:23:05]

「ここが重霊地・空座町……なんて疑問に満ちた町だろうか」
　闇が満ちた夜、影から湧き出るように一人の滅却師が現世へやって来た。身なりは現世に合わせた大人しいデザインの洋服だが、金髪の右側一部分を紫色に染めるというヴィジュアル系バントに居そうな容貌が際立つ若い男――聖章騎士『異議（The Question）』ベレニケ・ガブリエリ。
「騎士団長より与えられた期限は五日。期間中にバンビエッタ・バスターバインと接触、報告書の真偽を確かめる……！　真偽！　ああ、実に！　実に僕に相応しい任務じゃないか！　ははっ暴いてみせよう！　詳らかにしてあげよう！　僕のザ・クエスチョンの力で！！」
　ベレニケは両手を広げ声高々に舞台役者のような口調かつ大声で、夜へ語る……無駄口の多い男、他の聖章騎士からそう評価される。
「うっせーぞ、金髪。俺とキャラ被っているんじゃねえぞ」
「ほう？」
　振り向いたベレニケの先には制服を着た長身金髪の不良がいた。飲酒でもしたのか、頬は赤く呼気も酒臭い……それを見た彼は薄く笑う。
「君の名は？」
「あ？　大島、麗一……文句あるかよっ」
「クエスチョン！　大島麗一。なぜ君は酒を飲む？」
　見知らぬイケメン男からの急な質問に、大島は怪訝な顔を作る。
「あ？　いいだろ別に、文句あんのか」
「君には僕のクエスチョンに答えるゾルレン、義務が生じる。さあ！　答えるといい！」
「あぁん！　うぜー野郎だな！」
　イケメンからの上から目線に切れた大島は、酒の勢いもあって無謀にも殴りかかった。
「その行いを僕は無回答（カイナアントヴォルト）と受け取るよ、大島麗一。義務（ゾルレン）を果たしてこその権利（レヒト）。それを怠る君に――酒（アルコホール）を享受（ゲニ―セン）する権利はない！」
　とべレニケが告げた瞬間、大島の動きが止まり顔色は青ざめ口を手で抑えるも――その場で嘔吐を始めた。
「ふむ、現世でも能力は問題なく使えるようだね！　しかし、それは当然だね。何故なら、この力は陛下より頂いたのだからね！」
　びちゃびちゃと酒だけを嘔吐する大島に、彼は満足した表情を浮かべる。
「――さあ、二つ目のクエスチョンだ！　大島麗一、今度は素直に答えてくれる事を僕は切に望む！」
　翌朝、大島は気絶した状態で近所の住人に発見される……命に別条はないが、何が起きたのかその日の記憶が彼には全くなかった。

[193 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/23(木) 13:24:01]

展開ダイス

1.一護＆バンビエッタ　2.バンビエッタ＆チャド　3.浦原商店（夜一＆一心）　4.石田竜弦

dice1d4=1 (1)

>>190　確かに対空戦は苦手でしょうね、飛行タイプと戦う時は飛翔部位を斬魄刀で斬り落としてから始解しての地上戦しかないでしょうね。

>>191　接触の仕方はいくつかありますから、大した問題になりません。仮に敵側になっても『侵入』の能力と弱点もべレニケはきちんと情報（ダーテン）から理解しています……十年前の段階ですが。

[194 二次元好きの匿名さん 23/11/23(木) 18:29:34]

聖文字の極まった

[195 二次元好きの匿名さん 23/11/23(木) 18:30:58]

なんかミスった
聖文字の極まった熟練度が突破口になりえるのか

[196 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/23(木) 20:14:17]

>>195　そのつもりでベレニケの話を進める予定ですが、もしかしたらバンビちゃんと戦わない結末になるかもしれません。全てはダイス任せです。

[197 二次元好きの匿名さん 23/11/23(木) 20:35:00]

ザ・クエスチョンの能力、意義に答える義務を放棄した場合は意義に対応した権利が剥奪される？答えた場合や嘘をついた場合はまだわからないがあの自信からして意義を出しただけでも有利になるということか
原作だと相手が悪かったとしか言えんがさてどうなるか

[198 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/23(木) 21:59:13]

>>197　完全に想像の能力になるのですが、異議（クエスチョン）という能力名に恥じない力にしたいと思います。異議を投げた相手に返答の義務を生じさせるみたいなので、権利も関係するかなと思いあんな感じになりました。返答と嘘の場合も考えてあります。

[199 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/23(木) 22:05:44]

新しいスレを建てました。

【🎲・SS・閲覧注意】バンビちゃんの聖文字『E』の能力が　4｜あにまん掲示板

[200 二次元好きの匿名さん 23/11/23(木) 22:09:55]

面白い作品ありがとうございます