- 1二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 11:28:04
有り体に言ってしまえば、耐え切れなかった、これに尽きる。こういうことは順序立てて行うべきだ、なんて何処かに置き去ったはずの良識と、頭の何処かから冷静な私が責め立てる。目と鼻の先にいる彼女と目を合わせられない。見ていられない。
押し倒して、そのままキスをする。それだけの行為に私はレースと同様の高揚と、別種の興奮を覚えた。だが。
「……実験だよ、私に抱かれてくれ」
この関係性が壊れてしまうことを恐怖し、それでいて欲望を発散しようとする自分の浅ましさに酷く気分が悪くなる。そんな時、視線がかち合った。
「いいよ、タキオン」
彼女は変わらず、狂った目つきで私を見ていた。 - 2二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 11:29:18
- 3二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 11:29:30
押し倒された時、事故だと思った。キスをされた時、故意だと理解した。
……参ったなぁ。タキオンにそういう目で見られていたなんて思わなかった。私達は同性だし、何より果てを目指す為に手を取り合った同志のようなものだ。実験動物になろうがどうしようが構うことはない。
なんて、そう考えていたのになぁ。ああ、面倒くさい。タキオンが私の目を見ていないのは幸いだった。鏡で見るまでも無い、あの日、この子の走りを見る前の、本当につまらない、何の信念も無い、ただトレーナーであるだけのつまらない人間の眼だ。
「……実験だよ、私に抱かれてくれ」
……気が変わった。 - 4二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 11:30:57
- 5二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 11:37:13
アイエエ狂人！
- 6二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 13:10:45
私こういうの好き！