- 1◆Y7FjQgxfdo21/09/01(水) 04:51:45
- 2◆Y7FjQgxfdo21/09/01(水) 04:52:52
勉強が嫌いだった。
運動が嫌いだった。
…学校が嫌いだった。
そんな僕の未来を変えた、特別じゃないヒーローのお話 - 3◆Y7FjQgxfdo21/09/01(水) 04:54:36
「A君さ、何書いてんの?」
10分ちょっとの休み時間、コソコソガリガリ書いていた落書きを、明るい陽キャな男に見られた。
ああ、馬鹿にされる。
別に実際にされたことはないが、尊大な自尊心が最悪の未来を思い描く。
「…た、ただの落書きだよ。暇だったから…」
吃った。最悪。終わりだ。虐められる。
そんな下らない妄想は、カラッとした声に吹き飛ばされた。
「すげえ!うめえ!これルキアでしょ!ブリーチの!!」
「…え?」
予想だにしてなかった一声に、思わず声が漏れる。 - 4◆Y7FjQgxfdo21/09/01(水) 04:55:45
「俺も好きでさブリーチ!!めっちゃA君絵上手いじゃん!」
「そ、そんなことないよ、ただ描き慣れてるってだけで…」
「?もっと自信もって良くね?せっかく絵上手いのに」
当然のように、ただ当たり前の事実を告げるような彼の声は、最悪しか思い描けない僕の未来を大きく変えた。
「この前聞いた話なんだけどさ。めちゃくちゃ時間かけたことは、プロ並みになれるんだって!」
「…10000時間の法則…」
「そう!それ!!こんだけ描けるようになるまで、沢山努力したんだろ?勿体なくない?」
まあ本人次第だけどな!そう笑う彼は爽やかだった。 - 5◆Y7FjQgxfdo21/09/01(水) 04:56:13
「俺ブリーチも大好きだけどさ。最近ハンターハンターも読んでて…」
「…最近連載された鬼滅の刃ってのもオススメだよ。後個人的には魔神探偵脳噛ネウロっていうのが…」
住む世界が違う人種だと思っていた。
壁を作っていたのは僕自身だったのに。
「俺マジオールマイトのモノマネ上手いから!見ててみ?わたしが〜」
「虎杖〜、ちょっといいか!今日の助っ人の話なんだが…」
「オッケー!…わりいA、ちょっと行くわ!また絵出来たら見せてな!」
またな!そう言う彼を見て、僕の世界は大きく変わった。
世界を救うヒーローは、この現実には居ないけれど。
一人の世界を変えたヒーローは、たしかにそこにいた。 - 6二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 04:56:15
支援
- 7◆Y7FjQgxfdo21/09/01(水) 04:56:40
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「…ん、少し寝てたか。」
体を起こし、今見た夢を思い出す。
中学の時に出会った、ヒーローとの思い出。
「…虎杖君、俺、高校でも絵を描いてるよ。」
東京に行った彼は、今も元気にしているだろうか。
…きっと変わらず、誰かのヒーローであり続けているのだろう。
「さて!描くか!」
いつか、彼に誇れる自分で有れるように。
今日も僕はペンを走らせる。 - 8◆Y7FjQgxfdo21/09/01(水) 04:57:05
以上です。
読んでくれてありがと〜 - 9二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 04:59:20
良い…
- 10◆Y7FjQgxfdo21/09/01(水) 05:00:15
あーミスった。最後の「俺」の部分直すの忘れてた。
なるべく男性、女性両方違和感なく読めるように書いたつもりなので、その部分は脳内変換して頂けると助かります。 - 11二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 05:01:46
おつおつ!
こんな感じで虎杖に救われた子もいそうだなって思った!
あと途中で茶々入れちゃって申し訳ない - 12◆Y7FjQgxfdo21/09/01(水) 05:02:27
いや見てくれてるの分かるだけで嬉しい。
ありがとう。 - 13二次元好きの匿名さん21/09/01(水) 05:06:54