【SS】ほほう、これがハイボールですかぁ

[1 二次元好きの匿名さん 23/11/13(月) 00:31:18]

「はいよ、スカイ。ウイスキーのソーダ割り、これがいわゆるハイボールってやつだな」
「ほほぅ、なるほどなるほど。CMでよく見かけるやつですな？」
「そうそう。……一応缶チューハイも用意してあるけど、これでよかったのか？」
「最初くらい、トレーナーさんと一緒のお酒がいいんです～」
「そうか。まあダメそうなら他のものに変えるから、遠慮なく言ってくれ」
「は～い、ありがとうございま～す」
「よし、それじゃあお酒も揃ったことだし……」
「「かんぱーい」」

「……こんな感じなんですねぇ、お酒って……。ちょっと木の香りもするし」
「チューハイならもうちょっと飲みやすいと思うけどな。一口にお酒と言っても、ビールや日本酒もあるし、カクテルなんかになると種類は千差万別だから、選択肢は幅広いぞ」
「なるほど～。まあ、そのあたりはおいおい学んでいくとしましょう」

「……それにしても、こうしてスカイと酒が飲める日が来るなんてなぁ……。月日が経つのはあっという間だな」
「そうですよ～。セイちゃんももう立派な大人なんですから。えっへん」
「卒業してもう2年か……。いやぁ、ホント見違えたよ。髪もちょっと伸びて大人びたし、なにより綺麗になった」
「も～。おだてても何も出ませんよぉ？　トレーナーさん」
「本心だって。……にしても、久しぶりに連絡来たかと思ったら『トレーナーさんの家で一緒にお酒が飲みたい』なんて、一体どんな風の吹き回しだ？」
「セイちゃん、大人になったばっかりじゃないですかぁ？　お酒の飲み方も分からないしぃ、一人で酔い潰れちゃったらたいへ～ん。……あっ、こんなところに気心知れた大人がいるじゃないか！　……というわけでして」
「まぁ、確かに酒は飲み慣れてるけどな。でもなぁ、俺みたいなむさっくるしいのと飲むより、同年代の子達と飲んだほうが面白いと思うんだけどなぁ……」

「……あなただから、いいんじゃないですか……」
「ん？　何か言ったか？」
「なんでもないで～す。それより、そろそろいただきましょうよ。このおつまみたち」
「それもそうだな。じゃあ、俺はこの砂肝炒めを……」
「私はどれにしようかな～。……アジの南蛮漬けにしよっと」

[2 二次元好きの匿名さん 23/11/13(月) 00:32:31]

「あ～、これが大人の贅沢ってやつなんですねぇ～……」
「そういうこと。夏場で体が火照った時のビールなんか最高だぞ？」
「期待しておきます～。……おや、トレーナーさんのグラスが空ですね。同じのでいいですか？」
「あぁ、頼むよ」
「比率は1：4でしたっけ。……はい、どーぞ。」
「ありがとう。……幸せだなぁ、スカイにお酌してもらえるなんて」
「ちょっとオーバー過ぎませんかぁ？　私でよければ、いくらでもお酌しちゃいますよ～？」
「いやいや、本当に嬉しいよ。教え子にお酌してもらうって、こんな気分なんだなぁ……」

「……あの、トレーナーさん」
「ん？」
「その、教え子って言い方……あんまり好きじゃないです」
「あぁ……そうか、ごめんな。クラシック二冠バをただの教え子呼ばわりじゃあ面白くない「そうじゃないですっ！」」

「……確かに、トレーナーさんにとって、私は担当ウマ娘の一人なのかもしれないです。でも、私にとって、トレーナーさんはあなたただ一人なんです。」
「…………」
「私はもう学生じゃありません。……トレーナーさん、いえ、○○さん。一人の女性として、私はあなたが好きです。大好きです……」
「スカイ……」
「どうか、私とお付き合いして頂けないでしょうか……っ！」

「……ごめんな、スカイ……」
「っ！……それじゃあ……」
「本来は俺から言うべきことだったのにな。久しぶりに君から連絡をもらった時、嬉しかった。……なかなか踏ん切りがつかなくてごめんな。俺も、君を愛している」
「……ホントに……？」
「あぁ。……こんな俺でよければ、こちらこそよろしくお願いするよ」
「……嬉しい……！　○○さん……！」

「……それじゃあ、記念にもう一回やっとくか！」
「「乾杯……！」」

[3 二次元好きの匿名さん 23/11/13(月) 00:32:44]

>>1　

[4 二次元好きの匿名さん 23/11/13(月) 00:34:23]

おしまい

「半分こ」というネタから、同じお酒をシェアするというところに着地させました

こんなSS書いてます

【SS】ヒシミラクル「『トレセン学園　普通同盟』？」｜あにまん掲示板

【SS】【ウマ×♂トレ】秋の味覚三昧、お待ち！｜あにまん掲示板

おやすみなさい、トレーナー｜あにまん掲示板

[5 二次元好きの匿名さん 23/11/13(月) 00:35:20]

👺回線が弱い

[6 二次元好きの匿名さん 23/11/13(月) 00:36:22]

いつまでも教え子のままは嫌だと叫ぶ女の子は私好合。
攻めるセイちゃんは可愛いです。

[7 二次元好きの匿名さん 23/11/13(月) 00:36:51]

スレ画どないする？
このセイちゃんも可愛い猫ちゃんみたいなもんやしええやろ

[8 1 23/11/13(月) 00:45:32]

セイちゃんの画像くっつけたんですが、サーバーエラーに巻き込まれて消えてますね…申し訳ない

[9 二次元好きの匿名さん 23/11/13(月) 01:01:48]

一歩踏み出せたセイちゃんからしか摂れない栄養素たすかる

[11 二次元好きの匿名さん 23/11/13(月) 01:41:46]

スレ画で草　でもセイちゃんに合ってるからチクショウ！！

[13 1 23/11/13(月) 07:39:34]

>>6

成人になって身体的にも精神的にも成長したセイちゃんが頑張って恋愛してるところ、いいですよね…

>>7

なんかもう馴染んでるっぽいので一旦このままにします…

>>9

ファル子と並んで恋愛よわよわに並べられがちだけど、トレーナーを想う気持ちは本物だと想うんですよねぇ

>>11

意図せず出オチみたいになって申し訳ない…

[14 二次元好きの匿名さん 23/11/13(月) 09:18:21]

正直ファル子だって弱いわけじゃ無いんだがなぁ……

[15 1 23/11/13(月) 20:05:16]

>>14

ファル子も好きです！

ただ、同室がフラッシュっていう恋愛強者なのと、ウマドルやってる立場上あまり積極的に特別扱い出来ないっていう境遇なのがイメージに拍車をかけてるというかなんというか…

アピールしてない訳じゃないんですけどねぇ…

[16 1 23/11/14(火) 00:48:12]

　――深呼吸して息を整える。……大丈夫、メッセージを送るだけなんだから……。
　『お久しぶりです、トレーナーさん。お元気ですか？　実はセイちゃん、とうとうお酒が飲めるようになりまして。最初の一杯は是非トレーナーさんと一緒にと思ったんですが、ご都合いかがですかね？　出来れば、トレーナーさんのお家にお邪魔したいな～……とか。』
　
　……大丈夫かな……重い女とか思われてないかな……。
　文章を読み返せば読み返すほど、気恥ずかしさと緊張で胸が押しつぶされそうになる。
　誤字の確認もそこそこに、モヤモヤを振り切って送信ボタンを押した。
　
　――送った。送ってしまった。
　こうなったからには、もう自分から後には引けない。
　いっそ、トレーナーさんの都合が合わずに流れてしまった方が気が楽なのに。
　けれど、想いを伝える絶好の機会を逃してしまうわけには――。
　
　そんなことをうじうじと考えてふと画面を見ると、メッセージに既読マークが付いていた。
　そこから返信を待つ時間は、永遠のように感じられた。
　
　（ピロン♪）
　『久しぶり！　こっちは元気にしてたよ。スカイの方も元気か？　申し訳ないんだけど、今週はちょっと忙しいんだ。来週なら都合つけられるけど、それで大丈夫か？』
　『オッケーです！　セイちゃん初めてのお酒だから、色々教えて下さいね？　期待してますよ、トレーナーさん❤』
　
　……さすがにハートマークはやりすぎたかな。いや、もうこのくらい露骨にアピールしてもいいはず。
　成人した今、もはや恋愛弱者だのよわよわセイちゃんなどと揶揄されるわけにはいかない。
　――二人三脚で駆け抜けたトゥインクルシリーズ。ずっとそばで支えてくれた、私の――とても大切な人。
　
　でも、やっぱり想いを伝えるのはちょっとだけ怖いから……今回はお酒の力も借りることにした。
　ふっと自嘲する。現役時代、トリックスターと呼ばれた私が、なんとも情けない策だ。
　とはいえ、これも大人になって手に入れた武器なのだから、有効に活用させていただくとしよう。
　
　まずは前哨戦。ここできっちりと勝ち切って、出走権を手に入れて――次は、二人並んでゲートイン、かな。

[17 1 23/11/14(火) 00:49:26]

と、セイちゃんの前日譚も閃いたのでひとつ……