【🎲・SS・閲覧注意】バンビちゃんの聖文字『E』の能力が 4

[1 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/23(木) 22:04:52]

『爆撃(The Explode)』ではなく『侵入(The ENTER)』の世界線。

私のシュリフトはE｜あにまん掲示板

↑のスレの能力設定やスレ内容を所々引用しつつやる予定です（完全見切り発車）。

現在のバンビちゃんの能力値

戦闘力 117

霊力 72

器用さ 68

霊子操作 62

静血装 34

動血装 74

聖文字の熟練度 5

前スレ↓

【🎲・SS・閲覧注意】バンビちゃんの聖文字「E」の能力が　3｜あにまん掲示板

[2 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/23(木) 22:08:23]

最初のスレ↓

【🎲時々⚓・閲覧注意】バンビちゃんの聖文字「E」の能力が｜あにまん掲示板

『侵入(The ENTER)』

基本能力

・他人の精神世界に、本体の人格と能力に戦闘力（本体の半分）を持つ精神体を侵入させる。

・侵入対象は生物全般（義骸内の死神、霊体の死神・虚も可能）。

・射程は目視出来る範囲（双眼鏡などで射程の延長可）。

機能

・複数人に精神体を侵入出来る。

・完全独立化。体験・経験・見聞きした事を本体との再接続時に、本体へ反映される。

・霊圧の質によって侵入時間が変化。ただし接触状態なら即時侵入可能。

・侵入対象の五感・身体操作及び能力干渉。

[3 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/23(木) 22:08:59]

黒崎家の面々からバンビちゃんの好感度ダイス。
黒崎一心　79
　　真咲　56（固定）
　　一護　120
　　遊子　40
　　夏梨　75
その逆、バンビちゃんからの黒崎家の好感度ダイス。
黒崎一心　39
　　真咲　80 (固定)
　　一護　37
　　遊子　47
　　夏梨　47

バンビちゃんからの一護以外の現世メンバーの好感度。
朽木ルキア　41　井上織姫　99
茶渡泰虎　44　石田雨竜　27
浦原喜助　60　石田 竜弦　33
有沢 竜貴　29　浅野 啓吾　86
小島 水色　17　四楓院　夜一　58

逆からのバンビちゃんの好感度ダイス
朽木ルキア　5　井上織姫　12
茶渡泰虎　6　石田雨竜　101
浦原喜助　101　石田 竜弦　69
有沢 竜貴　50　浅野 啓吾　89
小島 水色　21　四楓院　夜一　78
コン　88　　本匠千鶴　74
小川みちる　22　国枝鈴　81
夏井真花　65

[4 破面編から再掲載◆rhJ3hMLWbY 23/11/23(木) 22:10:52]

　『虚圏（ウェコムンド）』、現世と尸魂界の狭間にある空間。
　全ての虚が潜む場所であり、死神でも動向を把握することは出来ない常夜と月に白砂の世界。
　広大な白砂の地に、極大の白亜の城とそれを囲う塔が建造されていた――『虚夜宮（ラスノーチェス）』、藍染惣右介と彼の配下たちの拠点だった。
「眼と傷の調子はどうです？」
「ああ、何の問題もない」
　朽木ルキア（バンビエッタ）に貫かれた片目と傷の治療を終え具合を訊く市丸ギンに、藍染は自信に満ちた声で答えた。
　黒の死覇装を脱ぎ、白の死覇装に着替える二人が向かうのは、尸魂界から離脱後頻繁に使用している窓の無いとにかく頑丈に作られた訓練部屋。
「藍染様」
「待たせたね、要。さっそく始めるとしよう」
「はい」
　髪型を変え白い死覇装姿の東仙要の前には、大虚たちが揃っていた。だが、全てが『最下級大虚（ギリアン）』の見上げる巨体より小さく、姿形も統一されておらず動物を模した個体が多かった。
　『中級大虚（アジューカス）』――自我を持ち、個を保ち続ける為に同族喰らいを続ける個体。知能は高く、その戦闘能力はギリアンの数倍。
　そんな喰らい合う虚たちが集まったのは、自らの仮面を崩玉で剝ぎ力を得るためだ。
「まずは君だ」
　藍染は崩玉を懐から出し、指名された中級大虚は無言で彼の前で首を垂れる。
　崩玉は長期間封印された事で睡眠状態にあり、完全覚醒には数か月が必要だが、藍染は瞬間的だが完全覚醒させる方法を見つけた。
　彼は崩玉を虚の仮面に当て、瞬間覚醒を行い崩玉が強く輝く。
　中級大虚の仮面は末端からバリバリと剝がれ始め、並行して体躯は急速に縮み姿形も人間に寄り始める。
　崩玉の輝きが消えた時、新たに一体の死神の力を持つ虚――『破面（アランカル）』が誕生した。
「名を聞こう、同胞よ」
「ウフフ、あたしの名前が知りたいのぉ？　いいわ、教えてあ・げ・る♡　――トゥ！」
　全裸の筋骨隆々の男性破面は跳び上がり、宙で錐揉みながら順番待ちの大虚の頭に立ち、セクターポーズを作った。
「バラガン陛下第一の臣下！　シャルロッテ・クールホーンちゃんよぉ！　よろぴく～～♡♡」
「うわ。また、えらい濃ゆいの出たわぁ～♪」
「黙れ市丸……」
　市丸の小さい笑い声が空間に響き、ウインクするシャルロッテに藍染は表情を崩さず無視する。
「では、次は君にしよう」

[5 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/23(木) 22:11:37]

「うう……やっぱり、あっちより霊子の集まり悪いなぁ」
　二学期の始業式が終わり、アパートに帰宅した井上織姫は飛廉脚習得のため、足裏に霊子を集めて宙を歩く訓練をしていた。
　床から十数センチ浮く彼女は、尸魂界と現世の霊子密度の差に苦戦していた。最終的には霊子の道を作りスケートの如く高速移動出来るまで何年もかかる気がしつつ、ゆっくりと高度を下げていく。
　そんな時に外からドシン！！　と重い物が落ちて来た音がした。
「……な、何だろう……？」
　危うく尻餅を付きそうになった織姫は床に着地、ベランダ側の窓を開けて下を覗き込む。
「あ――」
「おのれ虚の分際で、空など飛びやがって……腰、いてぇ」
　裏庭には仰向けに倒れて愚痴をこぼすアフロヘアーで太眉の死神がいた。どうして死神がいるのか考え、彼が朽木ルキアの代わりに来た空座町の担当死神だと思い至った。
「腰を怪我しているみたい……助けてあげよう」
　と決断した彼女は、玄関から裏庭へ移動して声をかける。
「あのっ、大丈夫ですか？」
「――ぬおぉ！？　なんだ貴様っ！　おおっ俺が見えるのか！！」
　突然、話しかけれ驚いたアフロ頭の死神はズザザザッと勢いよく後退る。なんだか新鮮なリアクションと思いながら、この人尸魂界の出来事を知らないと判断して織姫は彼に挨拶する。
「あたし、井上織姫です。朽木さんの代わりに来ている現世の担当死神の人ですよね……？」
「むう、よく見るとかわいい……こ、こちらの事情を把握している人間かっ、その通り！　朽木ルキア女史の代わりにこの地区を任せられたエリート死神こと、車谷（くるまだに）善之助（ぜんのすけ）だ！」
　車谷は織姫へ誇らしく親指をたてる。
「――車海老さん、あたし怪我の治療が出来ます。腰を痛めていますよね？」
「車谷なんだけど、え、本当？　さっき虚に空から落とされて腰が痛くて……」
　と車谷は織姫に背を向け、痛む箇所を触れる。彼女は双天帰盾で回復を始める。
「おおおぉぉ！　痛みが消えていく！　すごい！　すごいぞ！　これなら俺はまだ戦える～！」
　全快の車谷は跳び上がり、そのままロケットの如く空へ飛んで行った……面白い人だなあ、車海老さんと思う笑顔の織姫だった。
「何だかエビが食べたくなっちゃった。うん、今日のご飯はエビ料理に決定！」
　献立が決まった織姫は、上機嫌で部屋へ戻って行った。

[6 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/23(木) 22:12:09]

「ここが重霊地・空座町……なんて疑問に満ちた町だろうか」
　闇が満ちた夜、影から湧き出るように一人の滅却師が現世へやって来た。身なりは現世に合わせた大人しいデザインの洋服だが、金髪の右側一部分を紫色に染めるというヴィジュアル系バントに居そうな容貌が際立つ若い男――聖章騎士『異議（The Question）』ベレニケ・ガブリエリ。
「騎士団長より与えられた期限は五日。期間中にバンビエッタ・バスターバインと接触、報告書の真偽を確かめる……！　真偽！　ああ、実に！　実に僕に相応しい任務じゃないか！　ははっ暴いてみせよう！　詳らかにしてあげよう！　僕のザ・クエスチョンの力で！！」
　ベレニケは両手を広げ声高々に舞台役者のような口調かつ大声で、夜へ語る……無駄口の多い男、他の聖章騎士からそう評価される。
「うっせーぞ、金髪。俺とキャラ被っているんじゃねえぞ」
「ほう？」
　振り向いたベレニケの先には制服を着た長身金髪の不良がいた。飲酒でもしたのか、頬は赤く呼気も酒臭い……それを見た彼は薄く笑う。
「君の名は？」
「あ？　大島、麗一……文句あるかよっ」
「クエスチョン！　大島麗一。なぜ君は酒を飲む？」
　見知らぬイケメン男からの急な質問に、大島は怪訝な顔を作る。
「あ？　いいだろ別に、文句あんのか」
「君には僕のクエスチョンに答えるゾルレン、義務が生じる。さあ！　答えるといい！」
「あぁん！　うぜー野郎だな！」
　イケメンからの上から目線に切れた大島は、酒の勢いもあって無謀にも殴りかかった。
「その行いを僕は無回答（カイナアントヴォルト）と受け取るよ、大島麗一。義務（ゾルレン）を果たしてこその権利（レヒト）。それを怠る君に――酒（アルコホール）を享受（ゲニ―セン）する権利はない！」
　とべレニケが告げた瞬間、大島の動きが止まり顔色は青ざめ口を手で抑えるも――その場で嘔吐を始めた。
「ふむ、現世でも能力は問題なく使えるようだね！　しかし、それは当然だね。何故なら、この力は陛下より頂いたのだからね！」
　びちゃびちゃと酒だけを嘔吐する大島に、彼は満足した表情を浮かべる。
「――さあ、二つ目のクエスチョンだ！　大島麗一、今度は素直に答えてくれる事を僕は切に望む！」
　翌朝、大島は気絶した状態で近所の住人に発見される……命に別条はないが、何が起きたのかその日の記憶が彼には全くなかった。

[8 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/23(木) 22:15:06]

バンビちゃんが戦闘をした事で、崩玉と繋がっている影響で能力値が更新されます。

＊新たに器用さが追加されます。

戦闘力 117　+dice1d5=4 (4)

霊力 72　+dice1d5=3 (3)

器用さ 68 +dice1d5=5 (5)

霊子操作 62　+dice1d5=1 (1)

静血装 34　+dice1d5=4 (4)

動血装 74　+dice1d5=4 (4)

聖文字の熟練度 5

展開ダイス

1.織姫＆夜一　2.竜弦＆喜助　3.ベレニケ　4.バンビエッタ＆平子

dice1d4=4 (4)

[9 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/23(木) 22:18:01]

夏服のバンビちゃん。

[10 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/23(木) 22:20:41]

町内会のマラソン大会に参加するバンビちゃん。

[11 二次元好きの匿名さん 23/11/23(木) 22:25:48]

この義兄妹を斬月のおっさんと白一護は遠くから見守っているんだろうか

[13 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/23(木) 22:46:04]

「月牙天衝！」
　黒崎一護の精神世界、彼は十数回目の黄色い月牙天衝をバンビエッタに放つ。ただの月牙ではなく、一振りで二連続の月牙だ。
「ほんとに不器用な奴なんだから」
　二連の月牙をかわしたバンビエッタは、飛廉脚をしつつ帯の如く長く青い月牙を刀身より出しながら一護の全方位を囲う。
「な、なんだよこれ、月牙天衝じゃ……！」
「月牙よ。ま、滅却師の霊子操作の応用だからあんたには無縁の技よ」
　バンビエッタが剣の柄を後ろに引くと、青く長い月牙が中心の一護へ殺到。そのまま彼に触れた部分から爆竹のように連続して炸裂した。
「んー、労力の割には威力が出ないわね。失敗ね」
「――人を試し撃ちの的にするんじゃねえ！」
　と髪型がややアフロ気味になった一護が煙の中から出てきた。その頭にバンビエッタは小さく噴き出して微笑した。
　前回の特訓と違い、二人は休憩を始めた。
「なあ、アンナ……斬月のおっさんの話はしてくれねえのか？」
「――しないわよ。今はもっと腕を磨いて、闘争心を高める方が優先よ」
　と一護に言ったバンビエッタは顔を背けた。この特訓は将来の藍染との戦いを見据えたものと考える一護だが、それ以上に彼女が白一護と呼ぶ自分似の虚が全く出て来る気配がないのはおかしいと思った。尸魂界から現世に戻っても存在感は増しているのに、特訓の邪魔をする気配がまるでないのが不気味だった。
「そういえば一護って、刃禅（じんぜん）やらないの？」
「なんだよ、刃禅って？」
「死神が斬魄刀と対話時にする座禅よ」
「へぇ、そんな座禅があんのか……うん？　斬魄刀と対話……――はぁァァ！？」
　バンビエッタの発言を理解し、一護は目を見開き驚きの声を上げて勢い良く立ち上がる。
「うるさい、リアクションが無駄にでかいのよ」
「いやいやいや！　そんな方法があるなら、もっと早く教えてくれよ！　それをやればおっさんと対話が出来るんじゃねえのかよ！？」
「護廷の奴らか浦原に教えてもらっていると思ったのよ。あんた、あたしが滅却師だって忘れてない？」
　彼女の指摘に一護はその通りだと思い、押し黙った。
「……わりぃ。けど、やり方は知っているんだよな？　教えてくれ」
「はぁ――あんたが虚を退治したらね」
　と一護の耳に虚の出現を報せるアラーム音が聴こえた。
「タイミング、わりぃな」
「ボランティア系死神代行・黒崎一護の出番ね」

[14 二次元好きの匿名さん 23/11/24(金) 08:48:44]

一護の精神世界と侵入バンビのおかげで気軽に特訓が出来るのはかなりデカい、仕方ないが何時短期間の突貫工事みたいな特訓だし

[15 二次元好きの匿名さん 23/11/24(金) 17:09:33]

マラソンとかやっているあたり現世の一般市民として馴染んでいるんだねえ

[16 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/24(金) 20:01:35]

「あんた、迷惑だから一護に近づくの止めてくれない？」
「……一護の奴、すぐに女にチクるんは男としてどうかと思うわ」
　バンビエッタは二学期に転校して来た金髪おかっぱで関西弁を喋る、平子（ひらこ）真子（しんじ）を昼休みに校舎屋上へ呼び出し、早々に警告した。
　彼は昨夜の虚退治直後の一護に接触してきた虚の仮面を持つ死神――目的は一護を自分の属する『仮面の軍勢（ヴァイザード）』なる集団に引き入れるため。
「まーアンタは、一護と同じ住まいやから心配するんはしゃーない。けど、オレはアイツがウンと言うまで諦める気ぃないで、オレはしつこいねん」
「それをストーカーって言うのよ。現世にいるなら、現世の法に従いなさい」
「オレらは無法者、仮面の軍勢――法なんて知らんわ」
　飄々かつきっぱりと言う平子に、バンビエッタは口で従わせるのは不可能。物理的に黙らせるしかない類の連中と悟った。
「それにな、仮に一護を仲間にしたかて行動を共にしろとは言わん。必要な時にオレらに手ェ貸すだけでええ……知らんやろうけど、アイツの中におる虚はもう手ェつけられんぐらい巨かなっとる。一護――いつまで正気を保てるか分からんで？」
　こちらの不安を煽るような言葉を投げる平子に、バンビエッタは一護の虚に関して無知と分かり頼りにならない、口だけと判断した。
「そんな忠告はいらないから。ただただ、あんたたちが目障りよ」
「はっ？　人の話聞いてへんかったのか――」
　まさかまだ邪魔者扱いされると思わなかった平子は、バンビエッタの返答に強情と呆れるしかない。
「聞いていたわよ。判った事はあんたたちが節穴で役に立たないって事よ、一護の正気が保てなくなる？　そんな事態になったら、困るのは虚の方よ」
「な……ど、どういう意味や。虚は一護の肉体を――」
　平子は想定と全然違う展開に動揺を隠せない。バンビエッタが嘘を言っているとは思えなかったから余計に彼を慌てさせた。
「――話は終わりよ。元護廷十三隊五番隊隊長・平子真子」
「！？」
　バンビエッタに肩を叩かれると同時に捨てた肩書きを言われ、平子はぎょっと眼を見開く。
「あたしが何も知らないと思った？　仮面の軍勢？　ダサッ！　どんな名乗りで誤魔化しても、藍染から百年も逃げ続けているだけでしょ？　頼る価値なんてないわ」
　と平子に告げ、バンビエッタは屋上出入口の扉をバタンと閉めた。

[17 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/24(金) 20:02:09]

展開ダイス

1.浦原商店（浦原＆バンビエッタ＆一心）　2.夜一＆平子　3.べレニケ　4.石田親子

dice1d4=3 (3)

>>14　こっちの特訓もやや納期長めの突貫工事ですけどね。

>>15　馴染み過ぎているから余計に過去が後ろめたく……足の部分気付かなかった。

[18 二次元好きの匿名さん 23/11/24(金) 22:31:09]

肩を叩いて侵入ミッションコンプしたし、あとはゆっくりとこの不安煽り型悪徳商法勧誘の一党の情報集めれば良しなフェーズに難なく入ったね

[19 二次元好きの匿名さん 23/11/24(金) 22:49:00]

まぁまさか一護の中にいる虚が一護に協力的で虚化も平子達と違ってほぼリスクが無いとは思わんだろう
当たりが強いのは理由はどうあれ一護を利用しようとしてるからかな

[20 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/25(土) 01:20:50]

>>18　軍勢の拠点も分かり、かつ平子の体を操って内部を混乱させてからの強襲も余裕です。さらに家族のためと言って、一心も参加させて殲滅もできそうです……まあ浦原が止めようとするでしょうね。

>>19　本来一護には仮面を被る動作よりも仮面自体いらない気がします。もしかしたら、仮面を作るから虚化の持続時間が短い気も……バンビちゃんは全てを知っている上で、一護を特訓で強くかつ戦いに幅を持たせる目的があるので、予定を狂わせる軍勢はとにかく邪魔な存在でしかありません。

[21 二次元好きの匿名さん 23/11/25(土) 06:14:01]

とうとう直接的な接触が来てしまうのか

[22 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/25(土) 12:32:31]

「んん、この霊圧……破面（アランカル）だね」
　空座町西端、べレニケ・ガブリエリは東から死神の力を持つ虚――破面の霊圧を感じ取った。だからと言って彼が現地へ向かう事はない。残り二日の帰還期限までに、バンビエッタ・バスターバインと接触するための準備で忙しいのだ。
　三十七人、それがべレニケがバンビエッタ・バスターバインと会うために集めている人間の数……彼もバカではない、バンビエッタが寝返った場合を考慮していた。彼女は生に意地汚く同族を気分で何人も殺し、帝国の滅却師にあるべき忠誠心とは無縁の悪女なのだから。
「おお、あれは……」
　べレニケが見つけたのは、バンビエッタが通う高校の制服を着た女子生徒。一人くらいは数に加えてもいいかと彼は考え声をかける。
「ちょっとすまない、お嬢さん（フロイライン）。道を訊ねたいんだ」
「はい？」
　べレニケは迷子の外人を装い、茶髪をポニーテールに纏める女子生徒に話しかけた。普段ならべレニケのヴィジュアル系の顔立ちに女の子は注目油断するが、今回声を掛けた相手はハゲ頭フェチだったので普通の態度を見せた。
　しかしながら、女子生徒は善性故にべレニケの何気ない問いにも答えてしまう。最後にお礼をすると言われ、彼女の名前――浅野みづ穂と名乗ってしまった。
「クエスチョン、浅野みづ穂。君の好きなものはなんだい？」
「え、いきなりなんですか好きって…………えっと坊主頭、です」
　恥ずかしさの混じる声で義務で彼女は答え、素直に珍しいと思うべレニケは悪意の微笑を浮かべ、次の言葉を吐く。
「なるほど。ではそれをべヴァイス、証左してくれないか？」
「え？　無理、ですよ。ハゲ頭いないから」
「そうか、言葉だけの君には人形（プッペ）が相応しい」
　とべレニケに告げられた瞬間、みづ穂の意識は希薄になり眼は寝ぼけまなこで脱力して立っていた。
「さあ、僕についておいで」
　義務を果たさぬ者より対象の権利を奪う『失権』、証左（証明）出来ない者を従属させる『労役』、偽りを述べた者に確定で罰を授ける『懲戒』の三つの力が『異議（the Question）』。
　労役を科せられたみづ穂は、べレニケの後をゆらりとした足取りでついて行く。その様は重い足枷を付けた囚人のようだった。
　姉が帰宅しない事に弟の浅野啓吾は、彼女を探す事になったがその日は見つからないで終わる事になった。

[23 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/25(土) 12:32:50]

展開ダイス

1.バンビエッタ＆竜弦＆浦原　2.雨竜＆一護　3.平子＆夜一

dice1d3=3 (3)

>>21　すいません、まだ準備段階です。

[24 二次元好きの匿名さん 23/11/25(土) 12:39:17]

どの力を振るうにしても対象にその旨を「宣告」しなきゃ発動しない、できないのか
だから原作で図らずも喉というか発声を封じられて負けたと

[25 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/25(土) 18:03:04]

「おーお、また派手に暴れたな～」
　平子真子は藍染配下の破面（アランカル）と黒崎一護たちの戦いの爪痕が残る公園を歩いていた。公園周辺は市民の突然死が起こった事で、半ば封鎖地域になったため平然と忍び込む事が出来ていた。
「――久しいのう、平子。学生服とは似合わんのお」
「大きなお世話や、四楓院」
　猫の姿ではなく、人間の姿をしている夜一の両腕には包帯が巻かれていた。それが戦いによる負傷と判るも指摘せず、平子は百年ぶりに彼女と話しを続ける。
「――どやった、藍染の破面は？」
「成体なら想像以上に手強い。儂が傷を負う程度には、奴らの皮膚は硬いぞ」
「さよか……一護の様子は？」
　近くに居なくても大きな霊圧の揺れ幅なら、平子でなくとも一護がどうなったか察していた。
「卍解後に内なる虚が出てきたのは間違いない……じゃが、命には別状はない」
「そか……四楓院。一護の傍にあの嬢ちゃんを置いたままでええんか？」
　平子の言葉に夜一は、井上織姫と黒崎アンナのどちらを指しているか考え、流れ的に後者と思った。
「――アンナのことか。少なくとも、周辺を護る意思はきちんとあるぞ。一護の信用も厚い」
「あの嬢ちゃん、学校でオレらを役に立たないと断言しおった。一護の内なる虚について何も知らんと言いたげな視線を向けてきおってな」
　やや苛立つ平子を珍しいと思う夜一は、彼女が一護の内なる虚の現状に一番詳しいとは思った。『侵入』の力なら、刃禅のように虚との対話も可能と考えたからだ。しかし、その能力を平子に語るのは控える事に決めた。
「ふむ、だからと言って排除は勧めんぞ？」
「わーとっるわ。一護に警戒されても敵認定されるんはこっちも困る……ところで、オレらの素性を浦原が嬢ちゃんに話しておる可能性はないか？」
「――アンナに知られているのか？　喜助が教えるメリットはないじゃろ」
「そうやろなぁ……その浦原は何しとる？」
「野暮用じゃ……平子、おぬしら悪事はしておらんじゃろうな？」
「は？　んなもん……そーえばラジオで、この町周辺で行方不明が多発しているって、野暮用それかい」
　物好きな奴と思う平子だが、破面が襲撃した日でも行う事に違和感を持ったが、今は一護をスカウトする事を優先する事に決めた。
「昔の同僚として言うておく。邪魔するでないぞ、おぬしらもしばらく大人しくしておけ」
「へいへい」

[26 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/25(土) 18:03:32]

確定展開ダイス

1.竜弦＆喜助＆バンビエッタ

dice1d1=1 (1)

>>24　呪術廻戦の縛りみたいなものと考えてます。異議を投げる相手の名（絶対条件）を呼び、かつ相手の聴覚と発声が正常なら「クエスチョン」と宣言する事で、確実に相手へ義務を生じさせるみたいな。なので藍染の鏡花水月が全盲の東仙要に通じないように、異議は聾唖の輪堂与ウには完全無効化されます。

[27 二次元好きの匿名さん 23/11/25(土) 18:52:04]

行方不明の犯人はべレニケか？何をしようとしているかはわからないが碌なことじゃなさそう、無関係な人を巻き込んでなかったらワンチャン生かしてくれたかもしれないのに
バンビが平子を知ってたのは帝国に居たころに知ったからかな

[28 二次元好きの匿名さん 23/11/26(日) 00:57:31]

時期的にはそろそろ日番谷先遣隊が来るがバンビはどこまで関わるだろうか深く関わる理由はないだろうけど

[29 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/26(日) 01:12:51]

　破面が現世に来る少し前、下校したバンビエッタは浦原商店に居た。
「――竜弦？　珍しい、あんたがこんな店にいるなんて」
「ふん。誰が好き好んで来るものか、こんな衛生管理の怪しい店など……」
　店内に入るや、バンビエッタは白スーツ姿の石田竜弦と遭遇した。
「酷いッスね。ちゃーんと当店の衛生管理はテッサイに任せているッスよ」
　滅却師二人を呼び出した浦原喜助は、竜弦の本音にいつもの口調で答える。
「あたしを呼んだ理由は？」
「――それにはまず、石田サンから説明を」
　浦原から水を向けられた竜弦は語るのが面倒という雰囲気を出しつつ、バンビエッタに語り始める。
「……二日前、雨竜の同級生、大島麗一がうちの病院に搬送された」
「ああ、新学期早々に飲酒したって話ね」
「仔細は省くが、彼の体には残存霊圧があった。解析するとそれは虚でも死神でもなく――滅却師のものだ。業腹だが、そこの死神に発見された現場とその周辺調査を依頼した」
　滅却師と聞き、バンビエッタは不安に駆られる。現世で生きる滅却師は石田親子だけであり、それ以外の滅却師は見えざる帝国にしかいないはずだからだ。
「特急でやらせてもらいましたぁ――で、彼を発見しました」
　浦原は甚平のポケットから一枚の写真を出すと、依頼人の竜弦ではなくバンビエッタへ手渡す。
「はぁ～～……べレニケ・ガブリエリよ」
　写真に私服の聖章騎士が映っている事実に落胆しつつ、白昼の歩道を歩く敵の名を二人に告げた。
「どうやら、彼は一般市民を誘拐しているみたいですね。アタシの判る範囲でも十人以上ッス……」
「は、誘拐？　べレニケが？」
　帝国にとって現世の人間に価値はない。彼が誘拐を行う目的は、現世での活動に関係するとバンビエッタは確信した。
「――市民を害する者を野放しにはしない。奴の拠点は？」
「調査中ッス。ですが、空座町内なのは確定でしょう。今はテッサイが――！？」
「え、でか」
　浦原の発言中に、大きな霊圧が空に突然出現した事で三人は同時に天井を見上げた。
「どうやら、藍染サンが敵を差し向けたようッスね」
「……一護も来そうね」
「ふん、私は失礼させてもらう―ー」
　竜弦は敵に関与しないと示し、そのまま店外へと出て行った。
「では、アタシは現場へ行ってきます。アンナサン、留守番をよろしくッス」
　浦原は下駄を鳴らしながら、外へと駆けて行った。

[30 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/26(日) 01:13:45]

展開ダイス

1.バンビエッタ＆夏梨　2.一護＆白一護　3.一心＆バンビエッタ　4.べレニケ

dice1d4=4 (4)

>>27　ええ、誘拐犯はべレニケです。陛下のためなら、平気で現世の住民を巻き込めます。生かすと自分の過去やこちらの情報を知られるので、バンビちゃん的には確殺でしょうね……はい、平子たちの過去は帝国に居た頃の情報で知りました。

>>28　軽い挨拶をして、雨竜よりは彼らに関わるでしょうね。戦闘は……どうでしょう？

[31 二次元好きの匿名さん 23/11/26(日) 11:42:51]

しかしながらこうも始末出来るお膳立てをしてくれると返ってやりやすい気がする
街中や人が多い場所で「よう、久しぶり」みたいな感じで接触された方が対処しづらかったかも

[32 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/26(日) 13:51:58]

「さて、準備は整った。真偽を確かめに行こうか」
　べレニケ・ガブリエリは、今夜四十の『労役』で言いなりにした人間を牽いて、黒崎家にいるバンビエッタ・バスターバインに接触を行う気でいた。
　作戦は、『侵入』も黒崎親子が死神になる間も与えない物量で黒崎家を一気に制圧。そのままバンビエッタの真偽を『異議』で確認する……その際には彼女に目隠しか部屋を暗闇にするのを忘れてはならない。
『侵入（ジ・エンター）』の弱点は三つ。
　➀侵入対象を視力による目視が出来なければ、魂魄への侵入が出来ない。霊覚のみで相手を捉えても魂魄への侵入は出来ない事は、帝国の能力検査で確定済み
　②すでに他の能力で支配下にある生物には侵入が出来ない。正確には魂魄に侵入自体は出来るが、操作が一切出来ない……そのためにべレニケは『労役』で四十人を支配下においた。
　➂電子機器越しでは対象を視認しても侵入出来ない。電子機器越しでも『異議』の能力が届くべレニケは黒崎家へ入らず、車で待機かつカメラモニター越しに面会すればいい。
「――ん？」
　拠点のマンションの廊下へ出たべレニケは、支配下の人間を待機させているワゴン車たちが止まる駐車場へ向かう途中で、違和感に気付く。
「静か過ぎるな……まるで森林の湖畔にいるような静寂だ」
　マンション周囲には多くの民家が建ち並び、その隙間に道路がある。否応なしに生活音や人の気配、車の走行音があった。だが、この時だけは自分以外誰もいないかのような静けさがあった。
「これは――まさか！」
　べレニケがある結論を出したと同時に、敷地を含めたマンション全体を囲うように鬼道の結界が展開された。
「ど～も～、滅却師の――べレニケ・ガブリエリでいいんッスよね？」
「！？」
　べレニケは名前を呼ばれて視線を外の景色から廊下へ向けると、前方に情報（ダーテン）で何度も確認した男が扇子を持って立っていた。
「う、浦原喜助……！」
「おや、アタシをご存知で。名乗る手間が省けました」
「なぜ、僕がここに――」
　どうして僕の名を知っている！　と彼が叫ぶ前に浦原の握る扇子が外を指すように動き、ぺレニケは釣られて顔を外へと向けてしまった。
「――あなた、動揺し過ぎでは？」
「あ”っ”がぁ……”！」
　上階の外壁から降りて来た四楓院夜一の鋭角な蹴りが吸い込まれるように、べレニケの喉に突き刺さった。

[33 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/26(日) 13:52:19]

展開ダイス

1.バンビエッタ＆鉄裁　2.竜弦＆一心　3.一護＆斬月

dice1d3=1 (1)

>>31　それくらい準備をしないといけない程度には『侵入』を警戒しているという事です。仮に能力が『爆撃』の方でもべレニケは街中での接触は選ばないと思います。簡単に人命を奪うのがべレニケのイメージするバンビちゃんなので、『爆撃』なら誰が巻き込まれても気にしないで攻撃してきますし、『侵入』なら周辺の人間全てが即座に敵になる可能性がありますから。

[34 二次元好きの匿名さん 23/11/26(日) 17:17:42]

流れるように喉をつぶされるベレニケには申し訳ないが笑うほかない
ベレニケが侵入を警戒して数をそろえたようにアンナ側もさわり程度であってもベレニケの聖文字を知っているなら複数人で対応するよね

[35 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/26(日) 18:08:41]

「どうやら、戦闘が始まったようですな」
「そう」
　完全な空間隔離型の結界を張る握菱鉄裁を護るバンビエッタは、浦原喜助と四楓院夜一に強襲されたべレニケ・ガブリエリの顔を想像しながら、予定通りに初手で彼の喉を潰せたかと思う。それが出来るだけで大分戦闘に余裕が出来るからだ。
「鉄裁……この結界内からは穿界門はもちろん黒腔も開けないのよね？」
「無論。この結界の中では、いかなる転移・空間移動の類は出来ないとこの鉄裁が断言しましょう」
　元鬼道衆総帥・大鬼道長お墨付きの結界が、影の領域（シャッテン・ベライヒ）からの転移を防ぐ事を信じるしかなかった。
「アンナ殿、何故店長たちに敵のトドメは自分でやるとおっしゃったのですかな？」
「作戦会議の時に言ったでしょ、ケジメよ」
　ここまで浦原側に味方した以上、自分は反逆者。決別の意味を込めてかつての仲間を殺す……そして現世の情報を渡さないため。
　『見えざる帝国（ヴァンデン・ライヒ）』に属する滅却師全員の魂魄には、ユーハバッハの魂の欠片が入っている。その者が死ぬと与えた魂は彼に還り、その者の能力などを全て受け継ぐ……受け継ぐものには記憶や知識も含むので、ぺレニケが死ぬ前に神聖滅却矢で魂魄を滅却する必要があった。
「それよりも鉄裁、中は見えないの？」
「申し訳ない。結界の強度を上げるためには、外から見えなくするのが一番手早いのです。その代わり、この鉄裁が実況を――」
「いらないわよ。あんたの実況なんて、あんまり時間かけるとべレニケが使うかもしれないからよ」
「滅却師の奥義――滅却師完聖体（クインシー・フォルシュテンディッヒ）ですな？」
「そー。あたしもあいつの完聖体状態の能力強化具合は知らないし、使うだけでも戦闘力は上昇するから。浦原も卍解しないと対処が出来ないかもね」
　さすがに護廷十三隊用に作られた卍解奪掠の金属盤『メダリオン』を携帯すると思わない彼女は、浦原たちにその存在を伝えていなかった。
「そん時には俺も参加するだけさ。たまには剡月も本気で暴れたいだろうからな」
「――一心殿」
　死神姿の黒崎一心が、バンビエッタたちの下にやって来た。
「ちゃんと車を移動させたの？」
「したつーの」
　彼は誘拐された人々が乗るワゴン車五台を、別の駐車場に移動させる役目から到着が遅れた。
「……一心は車を買わないの？」
「ローンは家だけで十分だ」

[36 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/26(日) 18:09:31]

展開ダイス

1.べレニケ　2.石田親子　3.浦原＆夜一

dice1d3=1 (1)

>>34　定番と呼んでいい流れでした。床を突き破っての奇襲も考えましたが、無難に落ち着きました。いちいち相手の名前を呼ぶ必要がある時点で『異議』はタイマン向きの能力ですから、複数人で攻めるのが定石ですよね。

[37 二次元好きの匿名さん 23/11/26(日) 19:16:53]

べレニケからは何故自分の存在を知られているかは不明だよな、まさか試し打ちした大島から竜弦、浦原、バンビに伝わるとか予想不可よ

[38 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/27(月) 00:40:41]

　あの売女！　悪女め！　売国奴が！　やはり裏切っていた、命を惜しさに僕を死神に売りやがった！！
　四楓院夜一の雷が如く強烈な蹴撃を頬に叩き込まれ、マンションの廊下を跳ね飛ぶべレニケ・ガブリエリはバンビエッタ・バスターバインの裏切りを悟り、憤怒に魂が沸き立つ。初撃で自分の喉を潰す発想に至るはずがない。
「すまんが、今宵の儂は少々足癖が悪いぞ」
　瞬歩で天井に張り付くや、べレニケの腹へ雨の如く踏み下ろしの連続、その衝撃で彼は床を突き抜けて下階へ落ちた。
「ごのじにがみがァ～！！」
　塵煙の中、静血装で夜一からのダメージを減らすべレニケは歪んだ声で咆哮を上げる。
　反撃だ、陛下に聖文字を賜った聖章騎士が死神に負けるなどあってはならない。幸い、敵の名前は分かっている、さっさと彼女からその戦意を奪ってやればいいと思う。
「ちっ、静血装（ブルート・ヴェーネ）という防御術か――瞬閧」
「ク、ク”エ――ぶげべァ！」
　夜一は破面戦での失策から早々に白打の最高術にして奥義『瞬閧』を発動させて、べレニケの頭を消し飛ばんばかりの火力の蹴撃をお見舞いし、彼の体は矢の如くマンションから斜めに吹き飛びそのままコンクリートの地面を削りながら転がって行く。
「――があ”あ”ァァァああ！！」
　並の死神なら即死してもおかしくない一撃を受けても静血装で耐えたべレニケは雄叫びを上げて立つ。『異議』が戦闘に適していないので、滅却師としての基礎能力を鍛えていた。
「ク”エスチョ”ン”！！　”しほっうい”ん”」
「ダメッスよ――はい、ぺたん」
「！？」
　瞬歩でべレニケの背後を取った浦原喜助は、彼の口にべたんとのり付きの紙を貼る。それによりべレニケの口は完全に塞がれてしまった。
「悪いお口にはチャック……いえ、封印ッスよ」
「ふゅｙｄｒく～！！」
　べレニケは絶叫を上げ、滅却師十字を取り出し浦原喜助と近接戦をするつもりだったが――。
「儂を忘れるな！！」
「ｒｙｗ――！？」
　瞬閧状態の夜一が、マンションから超速の飛び蹴りを繰り出してべレニケの背に突き刺さり、衝撃で彼は縦回転で地面を転がり、植えてあった木もへし折り五十メートル近く転がる。
「ｖｒｔｓｗｓぃ～～！」
　憎悪の咆哮を月に吼える狼が如く夜空に響かせると、べレニケの首にかけていたペンダントが強く輝き、そこから光の柱が生まれ、彼の姿を包み込んだ。

[39 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/27(月) 00:41:07]

展開ダイス

1.石田親子　2.べレニケ（決着後）3.浦原商店（井上織姫＆紬屋雨）　4.一護＆白一護

dice1d4=3 (3)

>>37　べレニケには連想が足りなかったと思います。大島を弄る→見つかって救急車で搬送→空座の総合病院（石田家運営）に繋がりますから、大島を最後までどこかに隠すか『労役』にしておけば作戦が成功する未来はあったかもしれませんね。

[40 二次元好きの匿名さん 23/11/27(月) 04:53:11]

聖別の粛清かとも思ったが来るべき血戦も近いのに聖文字を賜った騎士が死ぬことで戦力が減退することを嫌った帝国の非常手段かな？

[41 二次元好きの匿名さん 23/11/27(月) 12:11:21]

アウェー(現世)で人狩りしてたらそら目を付けられるに決まっているのだが
しかも重霊地であるのを差っ引いても現代の平和な日本のいち地方都市というか市町村レベルで最終的に４０人失踪中とか、一般社会ですら事件にならないわけはなく……そこら辺の想像力が足らなかったのが此度の敗因という

[42 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/27(月) 13:09:30]

　浦原商店の奥の和室、そこには破面に負傷させられた井上織姫と茶渡泰虎が襖を挟んで寝ていた。
「はぁ……もう夜なんだよね」
　顔の左側に包帯を巻かれ、左腕にギプスを固定された状態で布団を被る織姫は暇を持て余していた。浦原喜助の薬で痛みは綺麗に飛んでいても傷は癒えていない。彼女の盾舜六花の回復は敵に左腕をもがれてしまったチャドに向けられていたからだ。
「井上さん……ごはん、できました」
「あ。ありがとう、雨（うるる）ちゃん」
　台所側の襖が開き、盆に小さい土鍋と食器を載せた黒髪ツインテールでたれ目の気弱な印象の小学生が姿を見せた。紬屋（つむぎや）雨（うるる）、浦原商店の店員で彼らと暮らす少女。
「雨ちゃん、浦原さんたちは？」
「キスケさんと、テッサイさんは……夜一さんとアンナさんといっしょにお仕事、です」
　織姫の隣に盆を置いた紬屋は控えめのかわいい声で質問に答えた。
「お仕事？　アンナちゃんも一緒なの？」
「はい……悪いやつをたおしに行くって、キスケさん言っていました」
　と紬屋は土鍋のフタを開けて、中身の卵がゆを食器に移しながら答える。食器を受け取った織姫は浦原の言う悪い奴とは誰かと考えつつ、四人も出向くとは余程の相手なのだろうと思った。
「もしかして、アンナちゃんがお店に居たのはその事だったのかな？　あふっ」
　今頃悪い奴と戦っているのかと思いながら、卵がゆを口に含んでその熱さに織姫は悶え苦しんだ。
「あふふ、あつ、あっ……！」
「お水、持ってきます」
　この時になって飲み物を運ぶのを忘れていた紬屋は、急いで台所へ向かった。
「はーはーは～……はぁ～――うん、ぐっ！？」
　口内で熱気を排出して織姫が落ち着いた頃に、彼女の霊覚は大きな霊圧が察知して顔を出現した方角に向けた。
「な、なに……」
　霊圧の出現はまるで爆発のように突発的で、それは発射されたミサイルの如く猛スピードで空へ昇って行き、あっという間に彼女の感知出来ない距離まで飛んで行ってしまった。
「何だったんだろう……」
　黒崎くん家からは見えたかな……そんな事を思いながら、口の粥をごっくんと呑み込んだ。
「井上……そこに、いるのか？」
「――茶渡くん！　良かったぁ！」
　襖越しに聴こえた気絶したままだったチャドのか細い声に、井上は喜びの声を上げた。

[43 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/27(月) 13:10:18]

展開ダイス

1.浦原喜助＆バンビエッタ（べレニケ逃走後）2.仮面の軍勢　3.黒崎家

dice1d3=3 (3)

>>40　バンビちゃんの知らない十年で、帝国が生み出した緊急離脱用の呪法です。つまり、結界ぶち破ってべレニケは逃げました。

>>41　帝国にとって現世の人間に価値はなく興味もない、かつべレニケは陛下に貢献する事に意識が向き過ぎていたので、一般社会の情報網をかなり軽視していました。

[44 二次元好きの匿名さん 23/11/27(月) 14:47:43]

テッサイさんのアップデートフラグが立ったような
今回は転移に対する阻害に比重を傾けたせいで、微々たるもんだったかもだけど内外を区切る壁そのものの強度の低下があって、それで同位相内での単純移動というか霊力の力押しによる物理的(？)な結界破りされちゃったのだろうし

[45 二次元好きの匿名さん 23/11/27(月) 15:47:48]

べレニケからしたら声が出せない以上完聖体には期待出来ないし、かと言ってこのまま居続けたら嬲り殺しか何処かで見てるかもしれないバンビに侵入されて詰むかだから逃亡しかないよね
情報は得たからこのまま帝国に戻るのが無難だがさて

[46 二次元好きの匿名さん 23/11/27(月) 18:39:04]

アンナが姿を晒すこともどれほど聖文字の能力を行使できるかも探られることなくベレニケを退けられたことはいいこと

[47 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/27(月) 19:30:24]

「ただいま……」
　後始末を浦原喜助たちに任せたバンビエッタは、一足早く黒崎家の二階窓から客室へ入って帰宅。一心と違い義骸から出る事が出来ないので、黒崎姉妹に気づかれない帰宅方法はこれしかなかった。
「はぁ……参ったわね。まさか逃げられるとは」
　バンビエッタたちはべレニケ・ガブリエリを殺す気で仕掛けたのに、隔離型の結界を破壊して逃げる呪法を想定していなかった。敵の逃走を許した事で、帝国側に裏切りが知られて、どのような影響が出るのか分からないと不安になる……ただ、べレニケも結果報告は命懸けになるとは思った。
「……一護は、もう寝ているのかな」
　破面との戦いで重症を負っていた黒崎一護の様子を見ようと、バンビエッタは抜き足差し足で廊下を歩き、閉じていた彼の部屋のドアを静かに開けた。
「――あれ、起きてた？」
「ノックぐらいしろよ」
　ドアを開けると、寝衣に着替え中の一護と眼があう。頭と上半身には包帯が巻き付けられ、体に受けたダメージの大きさが判った。
「もう寝ていると思ったのに……」
「これから寝るんだよ……アンナ、外で何やっていたんだ？」
　さすがに霊圧を察知する能力がある一護には、外出していた事がばれていた。一心のように霊圧をもっと抑えておくべきだったと反省しつつ、バンビエッタは正直に答える。
「――野暮用よ。破面とは別件だから、気にしなくていいわ」
「そうか…………なあ、今から俺に刃禅を教えてくれ」
　様子見も済み部屋に戻ろうとしたバンビエッタに、一護は斬魄刀との対話方法を教えてくれと言った。だから彼女はやるべき事を指摘した。
「寝るんでしょ。それは体を治してからよ」
「それじゃ遅過ぎる……ッ。俺が遅れたせいで、井上やチャド、たつきが傷つけられた。俺が弱いせいで、みんなが傷つけられた……！　だから頼む！」
　一護は悔しさが滲む声で心情を吐露する。今回の結果は精神的に相当堪えているようで、大人しく休む気がないとバンビエッタはすぐに理解した。
「はぁ～～教えればいいんでしょ……斬月になんて言われるか分かり切っているのに」
「わりぃ、アンナ。心配してくれて」
　結局一護の頼みに答える自分は甘いと自覚するバンビエッタだが、無茶がダメと言い聞かせるのは斬月が適任と思った。
「じゃあ、精神世界で教えるからベッドに座って」
　と彼女は告げて、一護をベッドに座らせた。

[48 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/27(月) 19:31:00]

展開ダイス

1.べレニケ（見えざる帝国）　2.一護＆斬月　3.バンビエッタ＆白一護

dice1d3=2 (2)

>>44　元大鬼道長の意地もありますから、機会があればリベンジして有昭田鉢玄みたくオリジナル鬼道を作るかもしれないですね。

>>45　一応あのまま戦闘して自分なりの完聖体の能力も考えていました（かなり強力）が、破面編は長いので細かく戦闘するのも流れ的にあれなので……。

>>46　姿を見せない事で確信が持てませんし、聖文字の熟練度も判らない。確殺できたら心配する必要なかったんですけどね。

[49 二次元好きの匿名さん 23/11/27(月) 23:18:53]

『べレニケも結果報告は命懸けになる』
まぁ死神に敗走してるしなぁ
バンビが浦原に帝国や能力の情報を流しているも今のバンビは洗脳されているのかの真偽や帝国の事を知った浦原は何故動かないのかは不明のまま
まぁ実際の所浦原は帝国のことは詳しく知らないそういう組織がいるまでしかわかってないがな勘づいてはいそうだけど

[50 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/28(火) 01:07:17]

>>49　敗走も戦略的撤退と退いた本人が言えば、撤退です。それを報告される側が認めるかは別ですが……べレニケ的にはバンビエッタは敵認定ですけど、『異議』で真偽を確かめた訳でもないですからただの状況証拠と彼個人の推測に過ぎない。やはり彼の命は上官の気分しだい。

原作の浦原喜助は、どの程度帝国の事を把握していたんでしょうね？　尸魂界の歴史書は見ていそうですから、ユーハバッハと見えざる帝国の前身『光の帝国』の事は知っていると思いますけど。

[51 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/28(火) 11:10:54]

　刃禅――刀を膝に置いて座禅を組み、刀一つに心を向ける……そのシンプルな方法に黒崎一護は本当かと疑い、教えたバンビエッタに頭を叩かれた。
　しばしの時間をかけて一護は、心を斬魄刀へ没入した。
　粘性の水面を通り抜けた感覚と同時に一護は眼を開く。視界は真っ暗闇、広大な闇の空間に斬月がぽつんと立っていた。
「なあ――」
「――あまり自分を責めるな。彼らは己の意思で戦い事を選択し負傷した。そこにお前の弱さは一切関係ない……それはお前も理解しているはずだ」
　会えたはいいが話題を考えていなかった一護に、斬月の方から話題を出す。
「ああ。それでも、俺はみんなを護りたい、強くなりたい」
　相棒の言葉を理解しつつも、一護は己の覚悟を示す。それは覚悟ではなく呪縛の印象を抱く斬月だが、彼が決めたのなら道を示すだけ。
「伝えておく事がある。私と内なる虚の関係だ」
「聞かせてくれ」
「私と奴は一つの身を共有する関係にある。コインの裏表、光と陰、奴もまた斬月の力という事だ……今は支配権が奴に傾き、力の中心にも立っている」
「じゃあ、俺があいつに勝てば……おっさんが、また力の中心に立てるのか？」
　内なる虚が斬月である事実に一護は驚かない。死神になったと同時に生まれた存在なら、斬魄刀と関係があると考えていたからだ。
　斬月は小さく頷く。
「一護。難しい事を言うが、奴に勝ったとしても……隣に立つ者と認めろ。拒絶は斬月との繋がりを遠ざけると同義だ」
「……あいつのせいで怪我をしたのにか？」
　斬月からの要望に一護は難しい表情を作る。つい数時間前の邪魔を思い出すと、白一護に対しての怒りが湧く。
「ああ……奴はお前の心の揺れに機敏だ。死の気配に怯えるな、不安を抱くな、勝利を諦めるな。それが出来ていれば卍解状態でも、お前に容易に手出しは出来ないだろう。そのために今は受けた傷を癒せ、一護」
「……分かったよ」
　相棒の斬魄刀にも言われ、一護はきちんと休む事にした。
「！？　何だ、体を引っ張られているような……」
「ここまでか、奴はお前との会話が気に食わないのだろう」
　吊り上げられるように自分が斬月から離れて行くと気付き、一護は声を上げた。
「斬月！　俺が必ずあいつに勝つから、待ってろ！！」
「ああ、強くなれ一護。お前の護りたい者、その全てを護れるほどに……」
　斬月の声は、一護には届かなかった。

[52 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/28(火) 11:11:15]

展開ダイス

1.たつき＆バンビエッタ　2.雨竜＆一心　3.べレニケ（見えざる帝国）4.バンビエッタ＆ひよ里

dice1d4=2 (2)

[53 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/28(火) 19:43:01]

「おやぁ、雨竜君じゃないか？」
「あ、えっと……」
　石田雨竜は、昨夜大きな霊圧が発生した廊下が抜け敷地の地面が削れたマンションを見上げていると、彼の背後から声をかける顎髭を生やしたアロハシャツ姿の男に戸惑う。
「あれ？　名乗った事なかったか？　俺は黒崎一護の父親の、黒崎一心だ」
「ああっ！　こんにちわ」
　正体が判り雨竜は安心して、一心に挨拶をする。
　彼の運営するクロサキ医院から、よく石田家が経営する総合病院に患者を搬送してほしいという要請が多い。それに院長の石田竜弦が渋々受け入れている事を雨竜は知っていた。
「こんな所で何してんだ？　俺はだな。ＴＶでこの辺が映ったから、見に行こうと――君は？」
「えっと……ぼ、僕も同じです」
　昨夜の霊圧を調査しに来たとは言えない雨竜は、三日前から起きていた大量失踪事件で行方不明になった人々が、早朝に全員空座町内で見つかったというニュースを思い出し同意する。
「だよな～♪　一緒に行こうぜ！」
「え？」
　一心は笑顔でうんうんと頷き、雨竜は野次馬仲間された事に複雑な心境になりながらも、知り合いの父親のため強く断れず、彼に付き合う事となった。
「おー、ＴＶ局だ！」
　マンションから直線で七十メートルほど離れた駐車場の前には、ＴＶ局の報道関係者が集まり生放送をしていた。駐車場内では現場検証中か、警察の鑑識官たちが五台のワゴン車に集まっている。
「おしっ、この時間帯なら遊子たちもＴＶを見ているはず！　映るぞ～」
　と言いながら、一心は髪を持参した櫛で整えながらカメラに映る準備を始め、一方で雨竜はじっと鑑識されるワゴン車を霊覚で見つめる。
「やっぱり、この霊圧……」
　雨竜はワゴン車の残存霊圧から、大量失踪事件の犯人が滅却師と確信――また見ていたマンションに漂っていた残存霊圧は犯人と微量だが四楓院夜一と浦原喜助のものもあった。
　そこから導かれる答えは、昨夜マンションで連続誘拐犯の滅却師と浦原商店の二人が戦闘。その結果は雨竜には分からない……この件に自分の父親も関与している。
「香水オーケー……よし！　雨竜君！　銀幕デビューだ！」
「えっ、あのちょっと！？」
　準備を終えた一心に腕を掴まれた雨竜は、実況するアナウンサーの背後に立つ事になる。アロハシャツのおっさんに肩を組まれる雨竜の姿は全国に晒され、一心も帰宅後に夏梨と一護に折檻された。

[54 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/28(火) 19:43:29]

展開ダイス

1.バンビエッタ＆浦原　2.べレニケ（見えざる帝国）3.たつき＆バンビエッタ　4.黒崎家

dice1d4=4 (4)

[55 二次元好きの匿名さん 23/11/28(火) 21:03:23]

一心は雨竜にこの件にはあまり首を突っ込んで欲しくは無いから絡んだんだろうな
少なくとも今は関わるべきじゃないと

石田からはアンナという滅却師が居るのなら他の滅却師もいてもおかしくはないし滅却師全員が犯罪に手を染めないとは限らないから誘拐事件はまだ理解出来るが何故浦原さんと夜一さんが事件解決に動いたかはわからない竜弦が浦原さんに依頼したのか？ぐらいかな

[56 二次元好きの匿名さん 23/11/29(水) 00:55:54]

テレビ見た竜弦から一心に電話がありそう

[57 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/29(水) 01:53:57]

　黒崎家の朝食。
「ねえ、最近家の中で幽霊を見ないよね？」
　みそ汁を啜る黒崎夏梨の言葉に、全員がそうだねと言う反応を見せる。浮遊霊や憑き霊が家内に侵入して来ないのは、黒崎一護が死神になり霊圧の質に弱い霊が臆しているからだ。
「でもさー、数日前から外から視線？　というか……何だかむかむかするんだよね」
「えーそう？　何も感じないよ。おにいちゃんは？」
「わかんねー」
「それはほんとうかなぁ、一兄？」
　黒崎遊子の質問に、妹の言う視線は霊圧だと一護は見当が付いていたが、家族を巻き込まれないために知らないフリをする。ただ、兄が死神をやって怪我までしている事を知る夏梨は、兄に疑いの視線を向けていた。
「夏梨、気のせいよ……まあ、本当にそんな視線があるなら、きっと悪い霊ね。お祓いしないとダメね」
　バンビエッタも当然ながら一護同様に霊圧と気付き、さらに誰が出しているか理解していたので一度くらい本気で潰しておいた方がいいと考えていた。
「あ、おにいちゃん、おかわりいる？」
「お、おう……」
　バンビエッタが何か悪い事を考えていると悟りつつ一護は、遊子に空の茶碗を渡す。
「遊子～。お、お父さんもおかわりほしいなー」
「自分でやれ、ヒゲ」
「少しは動けよ、ヒゲ親父」
「おとうさん。それくらい自分でやってよ」
「……はい」
　一心が昨日の生中継で無駄に目立ったため、小学校で散々男子に弄られた事で遊子も怒り、今の黒崎家に彼の味方はいない。仕方なく、一心はとぼとぼと炊飯器から炊いた白米を空の茶碗へ盛っていく。
「あ、おねえちゃん。いつものスーパーでね、おしょうゆと玉ねぎが特売だから、アルバイトの帰りに二つずつ買ってきて」
「一護、ついでにお米を十キロも買って来て。お金は後で渡すから」
「――お、俺！？　俺は下請けか…………いいけどさ」
　家計を預かる者の一人に言われ、帰宅部の一護は大人しく従うしかなかった。
「はいはい！　お父さん暇だから買い物に行くよ！　いや、行かせて下さい～！」
　低下した家族からの好感度回復のチャンスと、土下座で懇願する一心。
「うわ、土下座したよ。このヒゲ」
「おとうさん……恥ずかしい」
「あんた、仕事あるでしょ。サボるんじゃないわよ」
「ダメ親父」
　四人からの優しくない言葉が刺さり、涙目になる一心はこんな時に真咲が居てくれたら……と強く思うのだった。

[58 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/29(水) 01:55:01]

展開ダイス

1.べレニケ（見えざる帝国）2.バンビエッタ＆一心　3.浦原＆織姫　4.たつき＆バンビエッタ

dice1d4=4 (4)

>>55　敵も戦闘データを集めにくるかもしれないと、浦原たちと交代で近辺を巡回していました。多少は首を突っ込んで欲しくないと思ったかも。

>>56　「おい、貴様。なにしているんだ」と竜弦からネチネチと苦情の電話がきたかもしれないですね。

[59 二次元好きの匿名さん 23/11/29(水) 05:50:15]

ベレニケに視点が向いたら死なない程度の折檻でも食らっているんだろうか
陛下は確定していない妄想混じりの憶測なんて聞きたくないだろうし

[60 二次元好きの匿名さん 23/11/29(水) 13:01:20]

雨竜を帝国関係からガードするために絡んだのは頭ではわかっているけどそれはそれとしてTVに映る所までやる必要は微塵もない筈だ、という竜弦のイライラやもやもやのゲージが上がってそう

[61 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/29(水) 13:23:46]

　昼休み。
　ドン、有沢竜貴は張り手を校舎裏の外壁にする。
「おい、アンナ。全部を話せよ」
　睨む彼女と外壁の間にはバンビエッタが挟まれ、一見しなくても脅されているようにしか見えない。
「何を話せっていうのよ」
「一護の事だよ。あたし見たんだ……あいつが教室から理由付けて出て、黒い服を着て外に出るところを」
「気のせいじゃない？」
　バンビエッタは不用心過ぎる黒崎一護に呆れつつ、後で思い切っり蹴りを入れると決めた。
　破面に魂魄を吸われて危なかったと浦原喜助に聞いていたが、若さと魂魄の強さもあってか後遺症は見られない事に安心する……一緒にいた空手仲間は死んでしまったが。
「――ッ」
　白を切るバンビエッタに竜貴は、鋭い眼光を向けるもバンビエッタにはまるで通じない。
「あたしら、友達だろ……っ。一護は、なんで何も教えてくれないんだよ」
　幼馴染に何も相談されない事が竜貴にはとても辛いようで、声には悔しさが滲んでいた。彼女の心情は理解し言葉だけじゃ言い聞かせられないと判断したバンビエッタは、竜貴に告げる。
「竜貴、暴れるのも叫ぶのもダメだから」
「え、なにが――」
　バンビエッタは向かい合う竜貴の背中に両腕を回してぎゅっと抱きしめると、両脚に動血装を発動させて脚力を強化して上に跳んだ。
　弾丸めいた速度で垂直に跳び上がり、その高さは校舎をやや超える程度。紐無し逆バンジーをさせられた竜貴は絶句しながらも言いつけ通り、叫ぶ事はなかった。
「到着――と」
　屋上の縁に着地したバンビエッタは、口をパクパクさせる竜貴を縁の外に出しながら彼女に告げた。
「分かった？　力を持たない奴が戦いに巻き込まれないように、一護はひっそりと戦っているの。竜貴や水色たちに何も言わないのは、教えたら協力するとか言うでしょ？」
「――ッ」
　バンビエッタの指摘に竜貴は、その通りと苦い表情になる。
「織姫やチャドも、こういう力を持っているの……？」
「ええ、系統は違うけど。竜貴――下手にこちら側へ首を突っ込むと、今度は本当に魂を喰い殺されるよ？」
「……っ」
　竜貴の耳元で囁くバンビエッタの冷めた声は、彼女の魂によく届いたのかこくんと小さく頷く。
「じゃあ、下に戻るわね」
　そう微笑むバンビエッタは竜貴をお姫様抱っこして、屋上から躊躇いなく飛び降りた。

[62 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/29(水) 13:24:04]

展開ダイス

1.買い物（一護＆雨竜）　2.浦原＆ひよ里　3.バンビエッタ＆一心　4.べレニケ（見えざる帝国）

dice1d4=3 (3)

>>59　折檻か粛清されるかは、べレニケの言動と報告を最初に陛下か団長にするかで運命が変わるかもしれないですね。

>>60　一心の頭の中では、巡回ついでにＴＶで目立つ→大好きなお父さんの登場に娘たちが喜ぶ→顔が売れて患者も増える、家計万々歳でした。竜弦はべレニケの件を浦原たちに任せてしまったので強く言えず、一心の行動にモヤモヤしているでしょうね。

[63 二次元好きの匿名さん 23/11/29(水) 16:20:35]

人一人を抱えたまま屋上までひとっ飛びはもうそれだけで一護たちが自分に隠していた事情がどれだけ平穏からかけ離れているかを分からせるには十分な衝撃
話は変わるが美少女が美少女を抱えながら宙を駆けている絵面っていいですよね

[64 二次元好きの匿名さん 23/11/29(水) 18:47:37]

今頃ベレニケは頑張って緊急脱出時点では紙ぺたんされたままであろう口の封印解除しようとしてるのかな

[65 二次元好きの匿名さん 23/11/29(水) 22:46:41]

ダイスの結果ベレニケが来ましたが仮に他の誰かたとえばバンビーズの誰かが来てたりしたとしても結果的には大差なかったりしていたのでしょうか？

[66 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/30(木) 00:29:48]

　バンビエッタは橋の上で夜空を見上げ、一心を待っていた。
「おう、待たせた――」
　死神姿の一心がやって来たので、バンビエッタは視線を空から彼に向ける。これから迷惑な霊圧を家に飛ばす『仮面の軍勢（ヴァイザード）』の拠点へ向かい、夜襲で彼らを叩き潰す。
「いいのね？　相手は元死神だけど？」
「気遣いどうも。大先輩とは言え、禁術に手を出して無法に堕ちた連中だ……問題ねえ」
　戦意十分と霊圧を滾らせる一心に、バンビエッタは安堵する。事前に浦原喜助と握菱鉄裁の元部下もいると伝えたが、彼は家族に害を与える芽は摘むと断言した。
「――でよぉ。どうしてお前もいるわけ？」
「ふん、貴様に任せると成功する作戦も失敗するかもしれないからだ。死神」
　一心はバンビエッタを挟み、向かい側でタバコを吸う石田竜弦に問いかける。彼の参加理由は、争いの種がいると町に無駄な被害が出る、治安が悪くなる、虚に堕ちた元死神を滅却してやるのが滅却師の役目など。
「その言い草はねえだろ。石田、つーか、滅却師は辞めたんだろ？」
「二十年ぶりの錆びれた死神の力が信用されると思っているのか？　死神」
「あん？　何ならここで試してみるか？」
「面白い。大体、昨日のあれはなんだ、雨竜と肩を組んでテレビに――」
「はいはい。いいおっさん共が喧嘩しないの、そんなんだから子供に嫌われるのよ」
　一心と竜弦が自分を挟んで戦闘を始めようとしたので、バンビエッタは二人の父親を止める。
「さっさと廃倉庫に行くわよ。敵は八人、卍解持ちもいるから――」
「「…………」」
「ちょっと聞いてるの！」
　即席チームが不安になるバンビエッタだが、戦力としては上等な二人なので険悪でも我慢するしかなかった。
「なあ、アンナ……どうしたら、遊子たちは機嫌を直してくれるんだ？」
　目的地までの移動は限界まで向こうに気付かれないために霊圧を抑え、竜弦が運転する車で向かう事になった。移動中に後部座席の一心が、助手席のバンビエッタに質問した。
「それ、今聞くの？」
「おう、娘たちに無視されるの一番堪える」
　真顔な一心の問いに彼女は視線を上に向けて考え――。
「死神だってばらして、カッコイイところを見せれば？」
「それダメなやつ！　死神は秘密なの！」
「死神の存在は夏梨にはばれているから、大丈夫よ」
「え～！　それ初耳なんですけど！？」
「うるさいぞ、黙れ」

[68 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/30(木) 00:31:59]

　目的の廃倉庫は空座町内の端にあった。
「……面白い結界だ。意識からあの倉庫の事を忘れようとしている。加えて、集中しないとあそこに近づこうという考えすら湧かなくなる」
　目的の廃倉庫から五十メートル手前に停めた車の車内で、石田竜弦は張られた結界を分析する。
「で、どうやって仕掛けるよ。アンナ」
　後部座席から前のめりになる黒崎一心の質問に、バンビエッタが考えを述べる。
「一護に接触した奴に仕掛けてあるから、そいつを操って最初に結界の術者と思う有昭田鉢玄を潰せば結界は解けると思うわ。その後は他の――特に元隊長を狙って暴れて、その隙に突入して一気に潰すでいいでしょ」
「こえーな」
　バンビエッタの作戦に一心は素直な感想を漏らす。バンビエッタを敵に回したら遠隔操作で仲間が動かされ、本気で殺しに来る……それが敵に対しての正しい『侵入』の使い方。
「後処理は……浦原が手を貸してくれんだろ。あいつも仮面の軍勢（ヴァイザード）は警戒していたからな、事後報告でも文句ねえだろ」
　浦原喜助に知り合いの亡骸を見せるのは申し訳ないと思う一心だが、危険な連中が自分の息子に接触してバンビエッタの忠告も無視し、家にまで霊圧を飛ばしてくるのなら黒崎家の家長として対処せざるを得ない。
「問題は虚化が、どれほどの代物か判らない点だ。虚が付くからには、虚閃（セロ）が使える可能性は高いぞ」
「虚閃はチャージがあるし、混戦にすれば撃てないでしょ」
　竜弦の指摘に返答するバンビエッタは並行して平子真子に侵入させていた精神体と繋がり、約三日分の精神体が見聞きした情報を得て、彼らが常に一人起きて見張りをしている事を知る。
「あら？　一人が見張りしているみたいね。先にそいつを仕留めるわ」
「……用心な事だ」
「それだけ自分たちが、無法者と自覚して報復が怖いんだろ？」
「何にしても、仕掛けた奴を動かすわ」
　バンビエッタは、眠った状態の平子の体を精神体が動かし始める。見張りをする矢動丸リサからは、彼が寝ぼけて立ち上がったように見えるだろう。
「おう、俺たちもそろそろ外に出ようぜ」
　一心の言葉で、彼らは車外に出てると各々の得物を握りしめて廃倉庫へと歩いて行く。
　もしも、浦原喜助が自分と仮面の軍勢の関係を三人に教えていれば、これから起こる戦いはなかった事だろう。
　十数分後、廃倉庫を青い火柱と赤い火炎が包み込む。

[69 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/30(木) 00:32:41]

展開ダイス

1.織姫＆雨竜　2.べレニケ（見えざる帝国）　3.一護＆バンビエッタ　4.浦原＆平子

dice1d4=2 (2)

>>63　言ってダメなら実際に見てもらうしかないですからね。　二人の身長差1センチみたいですけど、うちのバンビちゃん生活環境がオリジナルと違うから……髪だけじゃなくて背も違った方がいいのかな？

>>64　浦原は封印と言っていましたが、実際に封印効果はなく丈夫な紙に手製の超強力のりが付いているだけです。行動開始までの時間がそれほどなかったので、手早く口を封じる方法を取りました。

>>65　もしもバンビーズの誰かが来ていたら、確殺は無しでの完全拘束状態で眠らせて勉強部屋の地面に封じたでしょうね。その前に誰が来ても、確実に戦闘中に完聖体が使用されたと思います。

[70 二次元好きの匿名さん 23/11/30(木) 02:03:14]

これ浦原が仲裁役にならんと収まりつかんやん
まぁバンビ達からしたら浦原は平子達については最初から言えだが

[71 二次元好きの匿名さん 23/11/30(木) 03:04:54]

霊力持ちなだけの生身の人間にまで知覚できるレベルで一般家庭に霊圧押しかけあるいはストーキングしたらそりゃシングルファザーズが滅っ！しに行くのは当然
特に一心からすると内なる虚の話題で息子の不安を煽るだけ煽って自分達の側に引きずり込んで利用しようとしている＋変な圧力かけてうちの姫たちを不快にさせる＝シリアスマジモードオンにならない方がおかしい
関係性を隠匿していて一護への不穏当な接触も黙認していた時点で、浦原側から仲裁とかぶっちゃけ無理では？
むしろもうここで２～３人は藍染戦に不参加を余儀なくされるレベルに死んではないけど長期無力化位はされて、そこを落としどころにするんでもいいのでは
それ位しないと浦原・夜一・仮面の軍勢ラインは一護が人間である事を初め、関わりや扱いの姿勢を再考や修正しないと思う

[72 二次元好きの匿名さん 23/11/30(木) 06:10:32]

大丈夫？
カチコミの結果最悪の事態になったら目も当てられないぞ

[73 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/30(木) 15:02:22]

　死神に襲撃された翌日の昼、べレニケ・ガブリエリは見えざる帝国へ帰還した。
　蹴られた顔は見事に腫れ上がり、口周りは封を無理に剥がした事で炎症、ヴィジュアル系の顔は台無しだが、心は大嵐の如く荒れていた。
「その醜形を陛下にお見せするのは無礼だ。報告は、私が聞こう――べレニケ・ガブリエリ」
「はい……」
　冷徹な視線を向ける騎士団長ハッシュヴァルトに傅き、べレニケは怯えと恥辱に震えながら現世の行動を説明した。
「以上が報告か？」
「はい、団長殿」
　時間にすれば約一時間半の報告、ハッシュヴァルトは無言でべレニケを聞き終えた。
「お前の報告は単なる推測に過ぎない。バンビエッタの背信、その可能性が高い事は認めよう。だが、貴様の行動を考えれば当然と言わざるを得ない」
「な、なぜでしょうか！？　浦原喜助は僕の名前を知っていた！　四楓院夜一は僕の喉を狙った！　この僕の喉を！？　未知の敵の喉を一番に狙うはずがない！　殺すなら頭部か心臓だ！　そうでしょう団長殿！？」
　敵を前にして敗走したように見える撤退。それを敗走と判断されれば、待っているのは粛清――つまり死だ。だからべレニケはヒステリックに歪んだ声で必死に弁明する。
「――沈まれ、べレニケ」
「ッ」
「指摘しよう。四楓院夜一が貴様の喉を狙った理由だが、人間を浚う際に周辺には気を付けたのか？」
「当然でしょう！？　僕は対象と二人だけになるのを待ち――」
「監視カメラに対してもか？」
「……監視、カメ、ラ？」
　団長の指摘にべレニケは意味が解らない表情を作り、彼は小さく溜息を吐く。
「教えたはずだ。現世の住宅には防犯用のカメラを取り付ける家が多い、注意しろと。それにお前の姿が映り、浦原喜助が画像を入手すれば、どうなるか解るな？」
「――っ」
　カメラの存在を失念していたべレニケは何も言えない……誘拐時の映像があったのなら、誘拐方法から声を使う能力と推察が出来る。名前も同じ、読唇されたら名も知られる。
「理解したか？　己の愚行を。何の成果も得ず死神からも敗走……選べ。私に粛清されるか、来る日まで牢で過ごすかを」
「牢に……牢へ入り、日々反省の日々を過ごします」
「そうか」
　ハッシュヴァルトは剣の柄にかけていた手を放し、身を翻す。
「幸運を噛み締め、天秤が釣り合わない時を祈り続けろ、べレニケ・ガブリエリ」

[74 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/30(木) 15:03:06]

展開ダイス

1.一護＆チャド　2.虚夜宮　3.一心＆浦原　4.石田親子　5.廃倉庫炎上（バンビエッタ＆猿柿ひよ里）

dice1d5=2 (2)

>>70　浦原と夜一は彼らの戦い中で駆け付けて仲裁しようとします。もっと早く伝えておけばこんな事には……。

>>71　一護に断られ、バンビちゃんに忠告されているのに、それでも霊圧を家を向けてくるので、スリーアウトは当然。平子は一護を甘い奴と判断しても、その周りまで甘いとは限らないのに……爪が甘すぎですね。原作で浦原は一心に仮面の軍勢との関係を言わなかったのは、その方が一護の虚化制御についてメリットになると考えたらしいです。

　初手に不意打ちを受けたリサとハッチとついでにひよ里も確実に重傷です。しかし、織姫が連行されるまで時間があるので回復させる余裕は十分にあるかと……。

>>72　最悪が死ならそれは回避ですね、でも重傷は確実です。

[75 二次元好きの匿名さん 23/11/30(木) 17:25:55]

この先的にリサとひよ里はここで破面編リタイアしても問題ないな

[76 二次元好きの匿名さん 23/11/30(木) 17:50:00]

浦原さんはこういうガバで一度は痛い目を見て当然だと思う

[77 二次元好きの匿名さん 23/11/30(木) 18:48:15]

原作、関係を秘匿してた事で一護の虚化制御についてメリットに……なったか？
この段階では斬魄刀との基本対話方法とか精神世界へ自分の意志で出入りする方法としての『刃禅』ってのが設定として決まってなかった可能性あるけど、もしここ時点で決まってたとしたら、刃禅の実践の方が遥かに役に立つんじゃないのか……？

[78 二次元好きの匿名さん 23/11/30(木) 22:56:19]

べレニケとりあえず生存だがこのままならまぁもう会うことはないかもしれんな

[79 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/30(木) 23:52:10]

　虚夜宮（ラスノーチェス）、市丸ギンは壁に寄りかかり一冊の本を読んでいた。
　『月刊瀞霊廷通信』、九番隊が編集をしていた月刊誌。瀞霊廷内でしか発行されていない本を反逆者に堕ちた市丸が、どうやって手に入れたのかは彼にしか分からない。
「市丸、何を見ている？」
「ん～？　檜佐木クンが編集しとるみたいやな」
　虚圏統括官としての仕事を終えた瀞霊廷通信編集長だった東仙要の質問に、市丸は隠す事なく本の正体を察せる名前を使う。案の定、東仙のこみかみがピクッと反応する。
「……最新号か？」
「そう。ボクらの連載も掲載されとるよ」
「貴様がどうやって手に入れたかは聞かないが、危うい事をするな」
「しゃあないやん、ここ本屋も娯楽もなーんもあらへん」
　虚圏で住む虚たちは、娯楽に興じる余裕はない。同族を喰らうため彷徨い、捕食者から逃げあるいは隠れ、もしくは徒党を組んで戦う……文字通りの弱肉強食が日常ゆえに。破面（アランカル）は、ある程度弱肉強食から脱せられても、戦い以外に出来る事は限られている。
「それは分かっていた事だろう、市丸……尸魂界が恋しくなったか？」
　東仙の問いは、市丸に藍染惣右介を裏切る気配を探るような声質があった……彼の盲目から発せられる視線に、市丸は薄く笑う。
「それ言うたら君はどうなん？　憎むべきお貴族様を放置して――もうええんか？」
「…………」
　東仙が尸魂界から離反した理由は、亡き友のための復讐……その友を殺した大貴族を放置している事を、市丸は暗に彼を実は赦しているのかと指摘する。
「……貴様に関係ない事だ」
「ほな、ボクも同じ答えで」
　互いに一足で刃が届く距離、霊圧のぶつかりで風が起こる……一触即発の睨み合いが続く中、市丸は急に視線を外して東仙に背を向けた。
「――アホくさ。藍染隊長にどやされるわ」
「そうだな……」
「そや、グリムジョーたちが現世に行きたそうやけど放置してええんか？」
　本を閉じた市丸は別の話題を出す。藍染陣営の最大戦力『十刃（エスパーダ）』の一体とその従属官（フラシオン）たちが、独断行動を気配を東仙に告げる。
「分かっている。注意して奴らを見るつもりだ」
「ふーん。ほな、ボクは読書に集中するから邪魔しいひんで」
　ひらひらと市丸は手を振りながら立ち去り、東仙は彼の背をじっと見つめていた。

[80 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/11/30(木) 23:52:51]

展開ダイス

1.一護＆バンビエッタ　2.夏梨＆一護　3.浦原＆一心　4.チャド＆雨竜

dice1d4=4 (4)

>>75　まあ、リサは未来の隊長ですけど、ひよ里は……正直必要なかったような所ありますよね。

>>76　反省して情報を出すタイミングを見直すべきですよね。穿った考えですけど、頭が大変良いですから周囲が説明しても理解してくれないと思っているのかも。もしくは科学者ですから、自分の予想外の展開が内心では見たいのもあったかもしれません。

>>77　真相は原作者しか知りませんが、もしかすると浦原は刃禅をこの時点の一護に教えた場合、斬月＝白一護が一護の肉体を奪うために暴走すると考えていたのかも。仮面の軍勢ならば確実に内なる虚の御し方を知っている、そっちに一護が確実に行かせるためにあえて何も言わなかったのかもしれませんね…仮に斬月陛下が居る事を知っていたら、刃禅を修行中に教えていたかも？

>>78　残念ながら終章まで牢屋入り確定です。

[81 二次元好きの匿名さん 23/12/01(金) 06:41:01]

一度は崩玉と繋がりを持つに至ったアンナは藍染様の興味の対象になりえるのだろうか？

[82 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/01(金) 13:20:22]

「茶渡くん、君はまだ治療中なんだよ」
「すまない……だが、いつまでもじっとしているのは体が鈍ってしまう」
　茶渡泰虎と石田雨竜は、人気のない夜の公園にいた。
　もがれた左腕は日常生活には支障がない程度には回復し、もう二日もあれば戦闘含めて完全回復するが、そこまで彼は待つ気はなかった。自分が休む間に空座町で二度も戦闘が起きている。それが黒崎一護が関与しない戦いであっても、焦燥させるには十分だった。
「頼む、石田」
「……分かったよ。前と同じ始め方をさせてもらうよ」
「ああ」
　尸魂界から帰還後の夏休み中、雨竜は不定期でチャドの修行に付き合っていた。内容は雨竜が撃つ矢をチャドがひたすら回避・防御をして、最終的には雨竜に触れるというもの。
　三十メートルほど距離を取り、弓矢をつがえた雨竜は深呼吸をしてから真顔になると彼はチャドに開始の一射を放つ。相手へのダメージを除外した分、生成速度が段違いの空洞の矢をチャドは体の向きを半身にしてかわすや、雨竜に向かって駆け出す。
　そして雨竜は矢を連射する。一部はチャドの胴体に当たるが、半分はどこにも当たらない。命中の有無を瞬時に見極めて当たるものだけを弾き、無駄な動きを消して必要最低限の消費で長く立ちまわる事は四楓院夜一の教えだ。
　チャドは右腕を盾のように使い、矢を弾きながら前に進む。射手の雨竜との距離が縮まれば必然的に当たる間隔は短くなるためより刹那の見極めが必要になる。
「次、行くよ」
　十五メートルほどチャドが進んだ事で、雨竜は次の段階に入る。
　雨竜は飛廉脚を使い出し、距離を保ったままチャドの周囲を高速移動しながら連射する。
「オォッ！」
　チャドは眼球を目まぐるしく動かし声を上げ、自分に当たる矢だけを手と脚も使いながら捌き、手足に多少被弾しながらも動き回る雨竜との距離を詰める。
　ふらつく独楽のように動きながら雨竜との距離が十メートルを切ったところで攻撃がピタリと止み、チャンスとチャドが一呼吸した直後、パキンと彼の胸に光の鏃が刺さり砕けた。
「……ずるいな、石田」
　チャドの眼前には、彼の胸元に指先を突き立てる雨竜がいた。
「僕が近づかないと思ったかい？　意表を突くのも大切だ」
「ムウ……」
「さあ、最初からやり直しだよ。茶渡くん」
　なんだかんだ言いながらも、友達との稽古が楽しくあった雨竜だった。

[83 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/01(金) 13:20:52]

展開ダイス　＊次からは日番谷先遣隊が学校にやって来た直後になります。

1.織姫＆たつき　2.一護＆雨竜　3.バンビエッタvs斑目一角

dice1d3=2 (2)

3の場合、斑目一角の戦闘力dice1d100=91 (91)

>>81　藍染はバンビちゃんと崩玉の繋がりは知りません、繋がりは継続中です。

[84 二次元好きの匿名さん 23/12/01(金) 20:27:54]

ダイス展開3、何やってんだあの2人は！？

[85 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/02(土) 00:54:47]

　尸魂界より六名の死神が先遣隊として、現世にやって来た。
　日番谷冬獅郎を隊長に松本乱菊、阿散井恋次、斑目一角、綾瀬川弓親、朽木ルキアが、どこで手に入れた学校の制服を着てだ。
「黒崎、僕に感謝を述べるべきじゃないのか？」
「あ、何でだよ」
　先遣隊の面々が教室を去り、ルキアに連行されて虚退治から教室へ戻って来た一護に石田雨竜が突っかかる。いきなり感謝と言われても、彼には意味が分からない。
「君が朽木さんと一緒に外へ出てから、僕がクラスメイトたちに誤魔化したからだ！」
「あぁ、ありがとよ」
　雨竜の説明に納得した一護は、しれっと礼を述べた。その態度に雨竜はイラッとしたが、本題は別にあった。
「黒崎、ちょっと来い」
　雨竜は一護の服を掴むと、強引に教室の外へと連れ出して校舎の外へ出た。
「――なんだよ」
　雨竜は咳払いしてから、一護に問いかける。
「黒崎、アンナさんは最近夜に出歩いているか？」
「なんだよ、藪から棒に……まあ、二回家から抜け出していたけど」
「六日前の夜に出現した大きな霊圧と、四日前の廃倉庫の火災の時か？」
「――そうだよ。あ、石田、まさかアンナが火災の犯人と思っているのかよ」
　身内を放火犯と疑う雨竜に、一護は見損なったと言うような視線を向けた。それに彼は慌てて頭を左右に振る。
「そ、それは考えていない！　ただ、彼女が事情を知っているのは間違いない。それに二つの件に浦原さんも関与しているのも確実だ」
「じゃあ、どっちかに聞けばいいじゃねえか。何、躊躇っているんだよ」
　石田雨竜らしくない彼の行動に、一護はモヤモヤとした気持ちになる。
　一護の質問に雨竜は間を置いてから話し出す。
「……黒崎。僕らは、藍染とは別の敵を同時に相手をする可能性がある」
「は？　どういう事だよ」
　藍染の手下にやられたばかりの一護には、雨竜の言葉は聞き捨てならない。
「大量失踪事件の犯人は滅却師だ。もしかすると二百年前の殲滅戦を生き延びた滅却師の復讐に巻き込まれるかもしれない……だから君は彼女に聞いてくれ、僕は浦原さんに聞く」
　雨竜の推測と頼み事に、一護は迷いながらも頷く。
「わーったよ。内容は――メールアドレスを教えてくれよ」
「携帯を持っていない」
「え、どうやって連絡するんだよ、伝書鳩？」
　一護の発言に雨竜はイラッとした。

[86 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/02(土) 00:55:35]

展開ダイス

1.一護＆遊子　2.一護vsグリムジョー　3.アルバイト（バンビちゃん戦闘不参加）　4.破面戦（バンビエッタvs従属官）

dice1d4=4 (4)

2の場合

新・黒崎一護の戦闘力dice1d100=66 (66)

＊最低値65

グリムジョーの戦闘力dice1d100=32 (32)　+50（十刃補正）

＊最低値50

4の場合、対戦相手

1.シャウロン戦闘力dice1d100=3 (3)　2.エドラド戦闘力dice1d100=50 (50)　

3.イールフォルト戦闘力dice1d100=73 (73)　4.ナキーム戦闘力dice1d100=54 (54)　

5.ディ・ロイ戦闘力dice1d100=92 (92)

dice1d5=4 (4)

>>84　自分を負かした一護が自分よりも強い味方、自分の卍解を知る阿散井恋次を現世で負かした相手。その実力はいかほどか確かめるために、互いに木刀で戦う予定でした。バンビちゃんが一角を「ハゲ」と言ったのも戦う動機にするつもりでした。

[87 二次元好きの匿名さん 23/12/02(土) 08:29:45]

帝国側がこれ以上ちょっかいを出すとは思えないがどうするんだろう、どうあれバンビの状態は知っておきたいが

[88 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/02(土) 11:21:46]

新スレの初戦闘なので、戦闘ルールを記載。

・戦闘方法は、ダメージダイスでの削り合い。

＊どちらかの戦闘力が100以上なら互いの㏋を150に設定、ダメージダイスの最大出目はその時に応じて変化させます（なるべくバランスをとりたい）。

・基本は三回ダイスを振り、戦闘力以上の出目はミス扱い、戦闘力以下の出目が多い方の勝ち。相手へのダメージ量は一番小さい出目。

＊帝国滅却師は静血装があるので、静血装の値分ダメージが下がります……動血装の値分ダメージ上昇のパターンもあります。

・戦闘力以下の出目が互いに同数の場合、一回ダイスを振り出目が大きい方の勝ち。ダメージ量は先の三回ダイスの一番小さい出目。

・双方の出目が戦闘力以上しかない場合、もう一度三回ダイスを振ります。

バンビエッタ（㏋150）　静血装 34　戦闘力 117　dice3d163=127 31 4 (162)

ナキーム（㏋150）　戦闘力54　dice3d100=20 79 47 (146)

>>87　もう一回くらいは、帝国から誰か来る展開はやりたいですね……消失編前の空白期間しかないですかね？

[89 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/02(土) 11:23:46]

戦闘力以下の出目が互いに同数なので、一回ダイスを振ります。

バンビエッタ（㏋150）　静血装 34　戦闘力 117　dice1d100=92 (92)

ナキーム（㏋150）　戦闘力54　dice1d100=93 (93)

[90 二次元好きの匿名さん 23/12/02(土) 13:30:44]

決戦は冬だよと言われた後の頃のごく細い隙間にならもう一回位は帝国から誰か来たの第２弾挟めそうかも
一両日中に決着つける位のスピード展開になりそうですが

[91 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/02(土) 14:19:59]

　日番谷先遣隊が現世に来たその夜、偶然六体の破面もやって来た。
　アルバイト帰りのバンビエッタが歩道を歩いていると、空から自分に近づく霊圧が二つあった。その内の一つは、浦原商店の方へ向かい、もう一つは彼女の方へやって来る事に小さく溜息を吐く。
「ちょっと、あたしは死神じゃないわよ。霊圧で判るでしょ」
「関係ない。霊圧のある者全ての皆殺しが、我らの王の意思」
　バンビエッタの正面に立つのは、黒髪おかっぱ頭で右半分を虚の仮面で隠した力士のような体型の男だった。
「疾く、逝ね」
　地を踏み抜く脚力で破面の男はバンビエッタに急接近するや、力士のように張り手を突き出す――百五十キロ以上あるだろう体重が乗り、突き出す掌底には霊圧も宿り、さらにバンビエッタの急所の顔面を狙う事で確実に殺す気と判った。
　だが、バンビエッタが素直に殺されるはずもなく、後方に下がってあっさりと回避する。
「危ないわね」
「逃がさん」
　初手の張り手を回避された破面の男――ナキームは、力士のつっぱりの如く両手の張り手を繰り出してきた。それをバックステップの連続で回避し続ける。
「そんな単調な攻撃が当たると思っているの？　――！？」
　とバンビエッタが言った一瞬、ナキームの姿が掻き消える。すぐに霊圧で位置を探るも敵の霊圧を捉えられないと気付いた刹那、ナキームは彼女の背後で張り手を突き出す瞬間だった。
「――うぐっ」
　ドン！！　背中から強烈な衝撃を受けたバンビエッタは真っ直ぐに数メートル飛び、衝撃の勢いが落ちて地面を転がり握っていた学生カバンが飛んでいく。
「……なんだ、今の感触は」
　ナキームは、常人なら背骨が砕ける張り手が当たった感触が普段とは違う事に分厚い手を見つめる。
「いったぁぁ、こっちは半袖なのよ！！」
　バンビエッタは立ち上がり、夏服に付いた汚れを払いナキームを睨み付ける。
「はぁ……破面にも高速移動技があったわね、名前知らないけど」
「何をした……」
　ここで改めてナキームは、眼前の相手をただ敵と認識したようで、バンビエッタを睨み付けた。
「教えないわよ。攻撃してきたんだから、覚悟あるでしょうね。破面（アランカル）？」
「破面No.14（アランカル・カトルセ）、ナキーム・グリンディーナだ」
「あっそ」
　滅却師十字から実体の片刃剣を出すバンビエッタは、素っ気なく答えた。

[92 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/02(土) 14:20:27]

バンビエッタ（㏋150）　静血装 34　戦闘力 117　dice3d163=149 66 111 (326)

ナキーム（㏋150）　戦闘力54　dice3d100=58 97 82 (237)

>>90　一護の仮面被りの特訓から、織姫がウルキオラに誘拐されるまで一ヶ月くらい期間ありましたね。そこでもいいかな？

[93 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/02(土) 19:53:31]

　空座町各所で死神と破面の戦闘が起こる中、一つの戦いに決着が付いた事をバンビエッタは薄っすらと感じ取れた霊圧の消失で気付いた。
　それが学校内で感じた霊圧の誰でもない事で、仮面（アランカル）の誰かだと判った。
「早速、あんたたちの仲間が一人死んだみたいよ」
「……ディ・ロイめ」
　ナキームはボソッと消失した仲間の名を漏らすも、そこに悼みや悲しみの気持ちはなかった。むしろ、当然の結果という口調に、バンビエッタはディ・ロイなる破面は彼らの中でも格下扱いだったんだろうと悟った。
「二番手はあんたになるみたいね」
「ほざけ」
　バンビエッタの挑発にナキームは静かに目を細めると、再び霊圧を帯びた張り手を突き出し始める。バンビエッタは切れ味抜群の片刃剣を軽く振り、敵の手首を切り落とすつもりだったが刃は肌に弾かれた。
「我らの外皮は、それ自体が鎧だ！」
「ふーん……」
　迫る掌底をかわしながらナキームの台詞を聞き、バンビエッタは関心した声を出してから踏み込みもう一度ナキームに剣を振った。
「！！」
　ザシュ――振り下ろした剣は、あっさりとナキームの腕を斬る。切り落とすまでには至らなかったが浅く斬られた事にナキームは驚愕し、バンビエッタから距離を取る。
「今くらいの踏み込みで斬れるのね。今後の最低ラインにするわね」
「図に乗るなッ」
　バンビエッタの態度に怒の表情を見せたナキームは、両脚を肩幅まで開き中腰の姿勢でどっしりと構えて両拳を作り拳に霊圧を固めた。
「虚弾連撃（バラ・ゴルペアール）」
　虚閃（セロ）より威力は劣るが、弾速は二十倍もある虚弾（バラ）を両拳から高速連射する事で、バンビエッタを肉塊にしようとしたナキームであったが、そんな攻撃をやらせるほど彼女は甘くはなかった。
「――月牙天衝」
　飛廉脚で急接近したバンビエッタは、ナキームの左肩を剣で裂くと同時に傷口へ流し込むように月牙天衝を放った。外皮が硬いなら切れ目を作り、そこに強烈な技を流し入れて傷を押し広げる。
　眩しい青さの月牙が夜に瞬き、ナキームは傷口から血をまき散らしながら地面を何度も転がった。
「はぁ～、はぁ～」
　体を起こしたナキームは顔面から汗が吹き出し、喪失した左肩のから先と左膝から下の傷口からは流血が止まらない。
「これで終わりよ――」
　再び飛廉脚で急接近したバンビエッタは、剣を横薙ぎに振った――。

[94 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/02(土) 19:53:50]

バンビエッタ（㏋150）　静血装 34　戦闘力 117　dice3d163=50 112 116 (278)

ナキーム（㏋39）　戦闘力54　dice3d100=9 45 7 (61)

[95 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/02(土) 19:55:35]

戦闘力以下の出目が互いに同数なので、一回ダイスを振ります。

バンビエッタ（㏋150）　静血装 34　戦闘力 117　dice1d100=96 (96)

ナキーム（㏋39）　戦闘力54　dice1d100=79 (79)

[96 二次元好きの匿名さん 23/12/02(土) 20:31:43]

相手は虚だからアンナ側からするとかすり傷一つ負いたくないんだ
一気呵成に攻め切っていきたい

[97 二次元好きの匿名さん 23/12/02(土) 21:17:06]

虚の滅却師特攻がやっぱり実力差で活きない…

[98 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/03(日) 01:52:01]

　命を刈り取る剣が、自分の太い首へ迫る光景をナキーム・グリンディーナは緩やかな時の流れの中で見つめ、相対した敵の名くらい死に土産に知っておきたかったと思った。
　ずぶりと鋭利な刃が首の皮に届いた感触があり――そこから時の流れは一瞬。脂肪と肉を裂き、血管と筋を斬り、骨を断ち、ナキームの首は胴から完全に離れ勢い良く夜空を舞う。
　血の軌跡を描く頭部はすぐに地面に落ちて転がり、バンビエッタは二本指を揃えた状態で敵の生首に滅却の光の矢を連射した。
　滅却師の矢に滅却された魂魄は、尸魂界へ送られる事なく完全消失する。それが二百年前の滅却師殲滅戦に繋がるが、体質的に虚の滅却は是が非でもやるしかない……それは現世を生きる純血統滅却師（エヒト・クインシー）のバンビエッタも例外ではない。
「ふぅ……」
　弓矢で相手すべき虚を接近戦で倒したバンビエッタは安堵の溜息を吐き、自壊するナキームの首から下を確認してから片刃剣を滅却師十字に戻して、飛んで行った自分の学生カバンを探し始めた。
「――あった」
　カバンに破損がない事を確認したバンビエッタは中から携帯電話を取り出し、黒崎一心の携帯電話へ電話する。
「――一心？　そっちは大丈夫……そう。こっちは破面（アランカル）が一体来たけど、今しがた滅却したところ」
　一心と連絡が取れ、通話しながら歩き出したバンビエッタは簡潔に状況を説明する。一番近くで戦闘している死神が阿散井恋次と判るが、彼女は恋次の優劣関係無く助ける気がなかった……死神なんだから、各個撃破くらいしてもらわないと困る。　
「え、これからどうするって……帰宅するわよ。一護はやっぱり――でしょうね……はっ？　朽木ルキアをうちに泊めるの？　部屋はどうするの……遊子たちの部屋？　まあ、あの部屋が二階で一番広いわね」
　バンビエッタは放課後の黒崎家の様子を一心から聞きながら、思い付いた事を質問する。
「ねえ、元部下たちには会わないの？　……どうせ霊圧で気付かれているからいいって、でも――松本って副隊長のおっぱいは見なくていいの？　真咲より確実にでかいでしょ？」
　バンビエッタの質問に、携帯電話越しでも一心のゴクリと息を呑む気配が分かった。
「エロ親父♪　はいはい、そうねー」
　電話越しに始まる一心の言い訳に、バンビエッタは笑うしかなかった。

[99 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/03(日) 01:53:00]

バンビちゃんが戦闘をした事で、崩玉と繋がっている影響で能力値が更新されます。

戦闘力 121　+dice1d5=5 (5)

霊力 75　+dice1d5=2 (2)

器用さ 73 +dice1d5=4 (4)

霊子操作 63　+dice1d5=2 (2)

静血装 38　+dice1d5=1 (1)

動血装 78　+dice1d5=2 (2)

聖文字の熟練度 5

＊ナキーム戦で更新前の数値で戦ってしまいました……バカ。

展開ダイス

1.一護vsグリムジョー　2.石田親子　3.織姫＆乱菊（義魂丸）

dice1d3=3 (3)

1の場合

新・黒崎一護の戦闘力dice1d100=12 (12)　+30（卍解補正）

＊最低値65

グリムジョーの戦闘力dice1d100=18 (18)　+50（十刃補正）

＊最低値50

>>96　今回はノーダメージで勝つ事が出来ました。

>>97　特攻まで採用しちゃうと、下手すると雨竜がザエルアポロで積む可能性もあって難しいです。滅却師は、虚の霊力攻撃だけがダメなのか、打撃もダメなのかよく分からないんですよね。

[100 二次元好きの匿名さん 23/12/03(日) 02:06:25]

戦闘力の向上が良好なのは静血装の伸び悩みをカバーできそうで喜ばしい
このまま隊長格と同等の戦力まで成長できれば…
そう言えば最近追加された器用さですがこれと霊子操作の能力向上って聖文字の能力拡張に繋がったりするのでしょうか

[101 二次元好きの匿名さん 23/12/03(日) 12:36:26]

応援保守

[102 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/03(日) 14:32:45]

　みんな、戦っている。
　井上織姫は窓の外から複数の霊圧を感じていた。戦いが始まる前の松本乱菊の呟きから敵は六体、すでに敵の霊圧が二つ完全に消えて、残り四つ。
「黒崎くん……」
　その中でも織姫が一番気になるのが、敵の中で最も大きな霊圧を持った破面（アランカル）と戦闘する黒崎一護。霊圧が途中で変化した事で卍解もしていると分かり、二人は少しずつ有沢家方面へと移動していた。
「……アンナちゃんも戦ったのかな」
　この時間ならアルバイトも終わって帰りの途中のはず、一瞬だけはっきりと感じた黒崎アンナ（バンビエッタ）の霊圧から彼女も戦いに巻き込まれているんじゃないかと不安になる。だけど自分たちの中で一番強い彼女は負けないと強く思った。
　ただ……それより織姫には、気にするべき事があった。
「あの……乱菊さん？」
「今は乱菊じゃなくて、モモネ。ベシ」
　松本の義骸に入ったモモネ（義魂丸）は、織姫の体に手足を絡ませ密着していた。同性に抱かれるのは日常なので抵抗しない彼女であったが、戦闘中だから回復役としてすぐに動けるようにしておきたかった。
「あの、もう少し離れて下さい」
　何とかモモネの密着から逃れた織姫は、彼女から離れる。だが、モモネはそれを聞かずに再び織姫へとじりじりと近づく。
「イヤ、おさえてろって言われたし……」
　確かに松本は、自分が外へ出ないように死覇装姿でモモネに指示したのを織姫は聞いている。だからその命令を遂行するために、モモネは彼女を押さえようとしているだけ。
「きゃあっ……ど、どこ押さえているんですかぁっ」
「どこって、おしりだベジ」
　織姫はうつ伏せにされた自分のお尻を鷲掴み、そのまま揉み始めるモモネに初めて嫌な声を上げる。胸は日常的に掴まれていたので平気でも、お尻を揉まれた経験はこれまでほぼなかった。
「うう……」
　モモネの厭らしさに、織姫は珍しくこの人どうしてやろうと怒りの感情が湧いた。
「――あ」
　ここで織姫は松本の霊圧を感じ取る。急いでいるのか、かなりの速度で近づいて来るのでもしかすると負傷しているんじゃないかと考えた。
「乱菊さんが来ますよ」
「チ」
　舌打ちしたモモネは、渋々鷲掴みしていたお尻から手を離す。
「織姫！　治療をお願い！」
　玄関扉が勢い良く開くと、腹に穴を開けた朽木ルキアを抱える松本が駆け込んで来た。
「――は、はい！」

[103 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/03(日) 14:33:26]

展開ダイス

1.平子＆雨竜　2.黒崎家（グリムジョー撤退）　3.一護vsグリムジョー

dice1d3=2 (2)

3の場合

新・黒崎一護の戦闘力dice1d100=67 (67)　+30（卍解補正）

＊最低値65

グリムジョーの戦闘力dice1d100=67 (67)　+50（十刃補正）

＊最低値70

>>100　隊長格に並ぶ強さは届くと思います。まあ、十三隊隊長の個々の戦闘力ダイスはやっていないのでどうなるか判りませんが。　器用さは霊子操作よりも侵入対象の拡張させてもいいなと思います。

[104 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/03(日) 17:58:17]

「おかえり、一護」
　黒崎一護は窓から自宅に帰宅した。彼の対戦相手であった破面（アランカル）グリムジョー・ジャガージャックは、回収に来た東仙要と共に虚圏へ帰還した。
　そしてバンビエッタは、彼の部屋でマンガを読みながら待っていた。
「おう……」
「暗い顔ね――リベンジすればいいでしょ」
「分かっているよ……」
　一護の纏う空気で彼の敗北を悟ったバンビエッタは励ましつつ、名前も知らない破面への逆襲を勧める。それに自分の肉体に戻った一護の力ない返事に、それだけ圧倒されて負けたのだと分かった。
「アンナ、俺はあいつを……内なる虚をどうにかしたい」
「また邪魔されたの？　ふーん……で、勝つ自信ある？」
「……わかんねえよ」
　グリムジョーに負けて精神的に萎えている今の一護に、バンビエッタは十中八九白一護には勝てないと思った。
「……あいつらなら、本当に知っているのか？」
「仮面の軍勢（ヴァイザード）？　無駄よ。あいつらの拠点に夜襲かけたから、しばらく動けないわ」
「は、え、夜襲？」
　バンビエッタに耳を疑う一護だったが、彼女の夜の外出と廃倉庫炎上が自然と結び付く。
「な、なんで、そこまで……」
「あんたが直に断って、あたしも忠告した、なのに夏梨も気付くレベルの霊圧を家に向けて来る……対処は当然よ？　あんた、本気で家族を護る気があるの？」
「――っ」
　敵にはどんな非道をしてもいい、ぶっ殺してもいい。そんな冷徹さをバンビエッタの眼から感じた一護は、自分の護りたいとは違う覚悟に気圧された。
「あるに――」
「ま、会うのは止めないわ。諦め悪いみたいだから、探せば見つかるでしょ……徒労に終わるだけでしょうけど」
　その自信と確信はどこから来るのか、一護は不思議でしょうがない。自分の知らない間に白一護と何か取引をしているんじゃないかと疑った。
「アンナ、あいつと取引でもしてんのか」
「……しているわよ。あいつに一切干渉されず特訓なんて出来るはずがないでしょ？」
　平然と白一護と取引したと告げるバンビエッタに、一護は目を見開いてただ驚くしかない。
「あいつと何を……！」
「時期に判るわよ。じゃあ、あたし部屋に戻るから」
「お、おい……アンナ」
　マンガ本を閉じたバンビエッタは、それ以上一護の問いに答えなかった。

[105 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/03(日) 17:58:44]

展開ダイス

1.雨竜＆浦原　2.浦原商店（バンビエッタvs恋次＆チャド）　3.日番谷＆乱菊　4.たつき＆織姫

dice1d4=4 (4)

2の場合

新・阿散井恋次の戦闘力dice1d100=24 (24)　+30（卍解補正）

最低値67

茶渡泰虎の戦闘力dice1d100=8 (8)

最低値55

[106 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/04(月) 00:51:26]

　破面（アランカル）の戦いから翌朝、黒崎一護・茶渡泰虎・石田雨竜は欠席だった。
「織姫、一護は大丈夫？」
　有沢竜貴は井上織姫と二人だけの昼食を取っていた。黒崎アンナ（バンビエッタ）から、有沢に一護が死神とばれている事実は織姫・雨竜・チャド・一護の四人には伝わっていたので、織姫は親友に対して隠し事をしないで話せる事が嬉しかった。
「うん、傷は昨日の内に全部治したから。今日学校を休んだのは、きっとやるべき事があると思うの」
「……あたしさぁ、昨日一護が戦っている場面を見たんだけど。あいつ、ボロボロに殴られて蹴られても立ち上がって刀を構える姿を見て、応援したい気持ちよりも怖いと思った」
　有沢は昨夜の光景を思い返し手が震え、あれと同等の戦いの中に織姫含めて自分の知り合いが身を置いている状況に何も出来ない自分の無力さを悔やんだ。せっかく一護と同じように幽霊を見られるようになったんだから、自分にも何かしらの力が生まれても良かったはずと、運の悪さを呪った。
「たつきちゃん……その気持ち、分かるよ。あたしね、みんなに戦いが向かないと言われて回復役をする事になったけど待っている間、みんなが帰って来なかったら、あたしが傷を治せなかったらって不安で不安で……」
「織姫……」
　戦いの中にいる織姫の気持ちを、有沢は本当に理解する事が出来ない。だけど友達が苦しい気持ちになっている事だけは、はっきりと分かった。
　だから口に出る。
「そのさ、一護を説得して死神を辞めさせる事は出来ないの？」
　有沢は親友の一番の負担だろう一護が戦いを辞めれば、不安も無くなると考えて述べるも織姫は苦笑する。
「無理だよ、たつきちゃん。黒崎くんは死神の仕事を授業を抜け出しても真面目にやっているし、絶対にやりがいを感じているもん」
「でも、怪物退治は大変じゃん　あたしだったら時給が万でも……あいつって、給料とか貰っているの？」
「ん～どうなんだろう？　黒崎くん、死神代行だからそんなにお給料多くないんじゃないのかな？　……よく分からないけど」
　織姫の代行という言葉に有沢は反応する。
「はぁ？　あいつ代行なの。割に合う仕事内容じゃない！　一護の奴ちゃんと給料を貰っているのか？　あのお人好し断ってそうなんだよな～」
「あはは……」
　かっこつけて給料を断る一護を想像して、有沢と織姫は互いに笑い合う。

[107 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/04(月) 00:52:01]

展開ダイス

1.日番谷＆バンビエッタ　2.浦原＆一心　3.見えざる帝国　4.浦原商店（バンビエッタvs恋次＆チャド）

dice1d4=4 (4)

3の場合、見えざる帝国・派遣ダイス（皇帝・騎士団長・グレミィ・ロイド・べレニケ・親衛隊除外）。

派遣人数　dice1d2=1 (1)

1.アスキン　2.エス・ノト　3.リルトット　4.バズビー　5.蒼都　6.キルゲ　7.BG9

8.ぺぺ　9.ロバート　10.ドリスコール　11.ミニーニャ　12.ジェローム

13.マスキュリン+ジェイムズ　14.キャンディス　15.ナナナ　16.ニャンゾル　17.ジゼル

dice2d17=17 15 (32)

4の場合

新・阿散井恋次の戦闘力dice1d100=59 (59)

最低値67

茶渡泰虎の戦闘力dice1d100=16 (16)

最低値55

[108 二次元好きの匿名さん 23/12/04(月) 02:59:23]

最低値設定あって良かったね二人とも

[109 二次元好きの匿名さん 23/12/04(月) 09:02:32]

改めて見ると低い数値叩き出しガチな🎲だよなぁ

[110 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/04(月) 14:35:37]

「お迎えご苦労様」
「いえいえ、これくらいはしないと」
　浦原喜助の出迎えを受けるバンビエッタは、浦原商店にやって来た。『仮面の軍勢』夜襲以来の顔合わせだが、彼は以前と変わらない態度を見せるのでバンビエッタは何も言わない。
「……チャドと阿散井が、地下で訓練しているの？　なんで？」
「阿散井サンは朽木サンの件でアタシに質問があるようで、茶渡サンは早朝からもっと鍛えてほしいと頭を下げてきたので……夜一サンも不在で、ちょうどいいかなと」
「ふーん、押し付けた訳ね」
　二人は店内に入り取次の畳を外せば、地下空間『勉強部屋』の出入口と長い梯子が現れる。長さ数十メートルの梯子を一段ずつ降りるのは面倒なので浦原、バンビエッタの順で地下空間へと飛び降りた。
　落下しながら数十メートル遠方には、大量に舞う土煙の中に骨の大蛇が蠢いているのが見えた。それが卍解『狒狒王（ひひおう）蛇尾丸（ざびまる）』とバンビエッタはすぐに分かった。
「卍解を使っているの？」
「――みたいッスね。阿散井サン任せですから」
「チャドも大変ね」
　地面に着地したバンビエッタは恋次とチャドの戦いを観戦する。観戦と言っても距離があったので判るのは霊圧でどっちがどう動いているか分かる程度。
　そのまま戦う二人が、自分たちの近くまで来てから浦原が声を出す。
「お二人さ～～ん！　追加で一人参戦しま～～す！！　お二人で協力して勝って下さ～い！」
　地下空間によく届く大声から数秒後、大蛇の動きはゆっくりとなり「はぁ～～！？」と恋次の大声がやまびこのように返ってきた。
「どうぞ」
「どうぞ。じゃないわよ……もう」
　バンビエッタとしてはチャドの修行だけに付き合うつもりだったが、一対二で戦う機会もあまりないので浦原が作った状況に乗る事に決めた。
「いってらっしゃい～♪」
　浦原はハンカチを振り、飛廉脚で二人の戦場へ向かうバンビエッタを見送った――。
「この霊圧……あの野郎か！」
「アンナか……」
　岩場と岩場の間に立つ恋次とチャドは、向かって来る対戦相手の正体に気付き、表情を硬くした。
「誰が野郎よ、赤頭」
「ぶっへ――！」
　岩場にやって来たバンビエッタは早々に恋次を蹴り飛ばし、地面に着地するや指先をチャドへ向けて光の矢を連射するも、彼は横に跳んで回避してみせた。
「チャド、阿散井――ボコボコにするから覚悟なさい！」

[111 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/04(月) 14:36:44]

バンビエッタ（㏋150）静血装39　戦闘力126　dice3d171=128 127 137 (392)　攻撃対象dice1d2=2 (2)　1.恋次　2.チャド

茶渡泰虎（㏋150）　戦闘力55　dice3d100=23 42 85 (150)

阿散井恋次（㏋150）戦闘力97（卍解補正+30込み）dice3d142=45 4 100 (149)

[112 二次元好きの匿名さん 23/12/04(月) 14:54:09]

アンナちゃんここにきて凄いファンブル入った

[113 二次元好きの匿名さん 23/12/04(月) 20:52:49]

チャドには修行時間が圧倒的に足りないからなぁ
力手に入れてからまだ半年も経ってない筈だしそれでガンテンバイン倒せたのは凄いがそこから先がなぁ
チャドが悪い訳じゃなく一護が異常なだけ

[114 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/04(月) 20:54:29]

「ま、先手は譲ってあげるわ」
　とバンビエッタは飛廉脚で岩場の上に移動し、男二人を見下ろす。
「はっ、ちょうどいい。あの時の借りを返させてもらうぜ！　――やるぜ、茶渡！！」
「……ウム」
　恋次は七月下旬の敗北を気にしていたので、この戦いで勝つ事を誓い。チャドもそんな恋次の戦意に当てられてか、珍しく異性相手でもやる気になっていた。
「ねえ、阿散井。卍解状態で破損すると、その箇所はもう治せないらしいけど、それが本当か試してもいい？　あ、それを織姫が直せるか試さないと」
「さあな――隙だらけだぜ！」
「余裕を見せているのよ」
　恋次は蛇尾丸を振ると、大蛇の頭部を模した骨格は顎を開いた状態でバンビエッタの頭上から襲い掛かり、そのまま岩場へ突撃して岩を噛み砕く。
「鈍いわね」
　噛み付きをあっさりと回避したバンビエッタは神聖弓（ハイリッヒ・ボーゲン）を作り、恋次に向かって光の矢を射つ。それに対して彼は素早く骨の胴体を射線に配置して障害物にした。矢は最前列の骨を即座に貫くも、二つ目の骨も貫通しかけた所で、矢が崩れて消えた。
「へっ、残念だったな――おらぁっ！」
　にっと笑う恋次が蛇尾丸を振れば、岩場に刺さっていた大蛇の頭部が動き出し、今度は側面からバンビエッタに再び襲い掛かる。
「オオッ！」
　大蛇の突撃を今度は飛廉脚で回避したバンビエッタの移動先には、チャドが白い左腕の拳に霊圧を宿して拳を振り下ろすも――彼女は静血装が通う左手一本で受け止める。
「！？」
「まだまだ練りが甘いわね」
　驚くチャドにバンビエッタは余裕の表情で、彼の左拳を掴んだまま人指し先から小さい矢を射つ。これに彼は右腕を盾にして跳び下がり距離を取ると思えば、ボクサーのように両腕を構えて勢いをつけてやや前のめりで前進。
「あれ、ボクシング？」
「我流だ……」
　チャドは素人は思えない鋭い右ジャブを連続で繰り出し、バンビエッタは宙に舞う葉のようにひらりとかわしていく。また大砲の左ストレートの準備か、彼の左拳に霊力が集まる。
　恋次は接近戦中に蛇尾丸が攻め難いのか、チャドが離れるタイミングを計っていた。
「――シッ」
　バンビエッタが半歩下がったと同時にチャドは、ローキックを繰り出した。しかし、それを読んでいたように彼女は跳び下がる。
「退け！　茶渡！」
　そのタイミングで、恋次は蛇尾丸を振るのだった。

[115 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/04(月) 20:54:58]

バンビエッタ（㏋150）静血装39　戦闘力126　dice3d171=111 120 39 (270)　攻撃対象dice1d2=2 (2)　1.恋次　2.チャド

茶渡泰虎（㏋150）　戦闘力55　dice3d100=91 22 34 (147)

阿散井恋次（㏋150）戦闘力97（卍解補正+30込み）dice3d142=115 120 106 (341)　

>>112　こういう時にダイス運の悪さが出るんですよね……。

[116 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/05(火) 01:15:51]

　大蛇の蛇尾丸が地を削りながらバンビエッタに突進してくる。巨大な物が迫り来るのは迫力はあるものの、速度が最初と変わらないため、飛廉脚の回避は余裕だった。
「――伸びろ！　蛇尾丸！！」
「げっ！？」
　阿散井恋次の叫びと同時に蛇尾丸の胴体が伸びて、回避のタイミングがずれて、十分かわせると思っていたバンビエッタは驚く。
　卍解状態の蛇尾丸の胴体は恋次の霊力で繋がっているため、伸縮が自在だった。ずれたタイミングでも彼女は横に転がりながら回避してみせた。
「あっ、ぶないわね～――！！」
「ハぁァッ！！」
　横切る大蛇の胴体の向こう側からチャドが飛び越えてやって来る。すでに左拳には霊圧が十分に集まり強烈な一撃が出るのは明白だった。
「魔人の一撃(ラ・ムエルテ)！！」
　チャドは左腕を振り下ろし迫る左拳をバンビエッタは飛廉脚で一気に距離を作る。彼の左拳は地面に当たり刹那、衝撃が地震のように広がり、骸骨状に地面を粉砕した。
「アートな技ね。じゃあ――お返し！　月牙天昇！」
「ぐっ！！」
　カウンターとばかりにバンビエッタは技後硬直のチャドに向かって右のアッパーを、彼の顎に叩き込む。体重差をものともせず、彼女の振り上げた拳は彼の体躯を浮き上がり空へと吹き飛ぶ。
「大聖弓（ザンクト・ボーゲン）！」
　追い打ちにバンビエッタは輝く霊子の巨大弓矢をチャドのさらに上空に出現する。このまま数十センチサイズの矢に貫かれれば、頑強なチャドでもただでは済まない。
「狒骨大砲(ひこつたいほう)！！」
「！！」
　恋次の大声と共に赤い砲撃が地上から放たれて大聖弓が貫かれ、粉々に砕け散る。粉雪のように降り注ぐ霊子の粒の中、恋次はバンビエッタはしてやったりと言わんばかりの笑みを浮かべていた。
「どーだ。てめえの切り札。ぶち壊したぜ」
「……上見て」
「あ？　――なっ！？」
　バンビエッタが天井を指差し、恋次は釣られて頭上を見上げて驚愕する。破壊したはずの大聖弓がやや小さいサイズで数十挺、まるで軍隊の整列の如く並び、全てが鏃を地上に向けていたのだ。
「大聖弓が、あたしの切り札なんてどこ情報よ――掃討大聖弓（ザンクト・ボーゲン・ザルヴェフォイアー）！！」
　バンビエッタの合図と同時に宙の鏃の矛先は恋次に向けられ、叩きつける雨の如く大量の矢が一斉に一人の死神目掛けて発射された。

[117 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/05(火) 01:16:09]

バンビエッタ（㏋150）静血装39　戦闘力126　dice3d171=14 43 19 (76)　対象dice1d3=2 (2)　1.恋次　2.チャド　3.二人

茶渡泰虎（㏋111）　戦闘力55　dice3d100=26 82 81 (189)

阿散井恋次（㏋150）戦闘力97（卍解補正+30込み）dice3d142=87 17 14 (118)

[118 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/05(火) 01:20:08]

戦闘力以下の出目が同数でしたので、一回ダイスを振り出目が大きい方の勝ちになります。

バンビエッタ（㏋150）静血装39　戦闘力126　dice1d100=12 (12)

阿散井恋次（㏋150）戦闘力97（卍解補正+30込み）dice1d100=21 (21)

＊バンビちゃんが勝った場合、ダメージを受ける対象はダイスに従いチャドになります。

[119 二次元好きの匿名さん 23/12/05(火) 01:46:00]

2対1でも滅茶苦茶に不利ではないのは凄い
恋次は卍解まで発動しているのに

[120 二次元好きの匿名さん 23/12/05(火) 03:22:36]

滅却師は多対一とか慣れっこだろうからなあ

[121 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/05(火) 12:53:49]

「はぁ、情けないわね。もう三十分以上やっているのに、未だにあたしへのダメージがゼロなんて。そろそろ帰るわよ？」
　岩に腰かける余裕綽々のバンビエッタは、片膝を付く未熟な茶渡泰虎と阿散井恋次を見下ろす。
「くそっ」
　岩場では卍解が不向きと始解で戦っていた恋次は、自分の未熟さを痛感。彼女にダメージを与えられない理由はさすがに看破しつつも、ダメージになる威力の攻撃は確実に避けられるため、必中の攻撃が出来ない今ではどうしようもなかった。
　チャドは恋次以上にバンビエッタの力量差を痛感しつつも、彼女が強い事は中学時代から知っていたので動揺は小さく。この間にも頭の中で必死に近接しかまともに出来ない自分が、バンビエッタに届く攻撃パターンを考えていた。
「そろそろ、再開させてもらうわ――光の雨（リヒト・レーゲン）」
「「――！」」
　バンビエッタは神聖弓を出して、二人に矢を連射。夥しい矢の雨を二人は横に跳んで逃げて回避する。
「蛇尾丸！」
　恋次は駆けながら蛇尾丸を振り、曲線を描きながら蛇腹剣がバンビエッタに伸びる。彼女は射つのを止めて迫る刃節を静血装が通った左手で掴み取った。
「――大聖弓」
　バンビエッタの頭上に何度目かになる霊子の大弓が作られ、即座に弩級の矢が発射される。直撃は確実だと判る恋次は反射的に蛇尾丸を戻そうとしたが、彼女に掴まれているのを一瞬だけ忘れ回避のタイミングを逃してしまう。
「くそっ」
「うおおッ！」
　苦し紛れの左腕で防御をする恋次と矢の間にチャドが割り込み、霊力が宿る左腕で迫る矢の鏃を思い切りぶん殴る。数瞬の拮抗が起きるも彼の気迫の差か矢の表面に亀裂が入り、そこから一気に矢が砕け散る。
「はぁ……はぁ、はぁ……」
「わりぃ、茶渡。助かった」
「ああ……」
　衝撃に左腕が痺れて力が入らないチャドを庇うように、恋次が前に立つ。
「容赦ねえな、下手すれば死んでるぞ。ダチだろ？」
「あんたがちゃんと回避すればよかっただけでしょ。それに威力は調整しているわよ――さて、そろそろ近接戦をさせてもらうわ」
　滅却師十字から片刃の剣を出して、二人に切っ先を向ける。
「矢の剣は使わねえのかよ……」
「そんなの、あたしの勝手でしょ――月牙天衝」
「「！！」」
　剣を上下に軽く振るうや二つの青い月牙が繰り出されて、その牙が二人へ襲い掛かる。

[122 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/05(火) 12:54:07]

バンビエッタ（㏋150）静血装39　戦闘力126　dice3d171=3 33 62 (98)　対象dice1d3=1 (1)　1.恋次　2.チャド　3.二人

茶渡泰虎（㏋111）　戦闘力55　dice3d100=24 78 10 (112)

阿散井恋次（㏋150）戦闘力97（卍解補正+30込み）dice3d142=54 120 86 (260)

[124 二次元好きの匿名さん 23/12/05(火) 13:09:30]

聖文字抜きで卍解あり&チャドと2人でも戦いが成立してなさそうなのを見るとバンビの素の実力の高さがよくわかる
同時に卍解奪われるのは相当ヤバいな、ダイスなら補正が無くなるし

[125 二次元好きの匿名さん 23/12/05(火) 17:18:44]

通常の死神は卍解しないと霊圧が高まらないもんね
卍解を全解放できていないとはいえ実質隊長レベルの恋次に聖文字使わずに技量だけで戦えるアンナ

[126 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/05(火) 21:15:01]

「あの技、一護だけの技じゃねえのかよ！！」
「……さっきのアッパーも月牙天衝と言っていた。派生技か？」
「チッ、器用な奴は羨ましいぜ！」
　バンビエッタの連発される青い月牙から脱兎の如く逃げる茶渡泰虎と阿散井恋次は、どうやってこの状況を打開すればいいのか分からず、ひたすら逃げるしかなかった。
「くそ、もう一度卍解するしかねえか」
　恋次は二回目の卍解を考えたが、再発動までの集中には足を止める必要があった。そんな隙はバンビエッタに蜂の巣にされるのは明白で決心が付かなかった。
「阿散井……卍解をしたいのか？」
「いや、けどな」
「俺が時間を稼ぐ。アンナなら誘いに乗ってくれるはずだ」
　チャドは生まれ持った頑強な肉体があれば、卍解発動までの時間は稼げると考えていた。
「――五秒だ」
「任せろ」
　チャドの覚悟を感じ取り、恋次は卍解の使用を決めた。
　そして二人は逃げるのを辞め、恋次は即卍解のために集中、チャドはバンビエッタに視線を向ける。
「卍解ね。やらせないから」
　霊圧の高まりから恋次が卍解を発動する気と悟ったバンビエッタは、即座に彼へ月牙天衝を放つ。すぐにチャドが間に入り、左拳を青い月牙に叩き付けて月牙を砕く。
　たった五秒でも、チャドには人生最長の五秒になるだろうのは確実で、バンビエッタは遠慮なく剣を旗のように振るたび青い月牙天衝が放たれる。
「うっおおおっ！！」
　雄叫びを上げ、チャドは左腕だけではなく右腕にも霊力を流し、迫る青い月牙天衝の波状攻撃を両拳で打ち落とす。しかし、左腕に比べて右腕を覆う霊力は青い月牙によって一気に削り取られる。
「いい頑張りね！　でも、やっぱり右腕がダメね」
「ぐっ――」
　月牙を殴打したチャドの右拳の皮膚が切れ始め、薄っすらと血が流れ始めていた。
「大聖弓！！」
「俺は！　まだやれる！！」
　波状攻撃の月牙が止んだ直後にトドメの弩級の矢が射たれ、叫ぶチャドは右拳で迎撃しようと右腕を伸ばした。
　それが引き金となったのか、左腕と同じように右腕には黒い外装を纏った。間髪入れずに矢が直撃、しかし生まれたばかりの外装は全くの無傷だった。
「……これは」
「へえ、まだ眠っていた力があったのね。良かったじゃない……で、赤頭は準備が出来たわね」
「ああ！　卍解！！」
　チャドが稼いだ時間で、恋次の準備は整い卍解を発動させる――。

[127 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/05(火) 21:16:06]

＊この戦いはここまでにします、このまま続けると凄く時間がかかる気がしますので。

展開ダイス

1.石田家　2.内在闘争（一護vs白一護）3.夏梨＆ルキア　4.コンビニ（バンビエッタ＆愛川羅武）

dice1d4=4 (4)

2の場合

新・黒崎一護の戦闘力dice1d100=28 (28)　+30（卍解補正）

＊最低値65、白一護も同じ戦闘力になります。

バンビちゃんが戦闘をした事で、崩玉と繋がっている影響で能力値が更新されます。

戦闘力 126　+dice1d5=3 (3)

霊力 77　+dice1d5=1 (1)

器用さ 77 +dice1d5=5 (5)

霊子操作 65　+dice1d5=1 (1)

静血装 39　+dice1d5=1 (1)

動血装 80　+dice1d5=5 (5)

聖文字の熟練度 5

>>124　これでまたバンビちゃんの戦闘力が上がりますけど、最終的には二人とも戦闘力が100越えになる事を願うばかりです。今後、誰かが卍解奪掠された時は-30補正するかもしれません。

>>125　恋次たちはこの差を埋める事が出来るのか完全に未定です。

[128 二次元好きの匿名さん 23/12/05(火) 21:18:49]

コンビニ冷戦勃発しちゃう？
それともここで仮面の軍勢への夜襲のその後というか倉庫炎上事件の顛末が語られるのか

[129 二次元好きの匿名さん 23/12/05(火) 21:41:44]

成長ダイスが極端すぎる

[130 二次元好きの匿名さん 23/12/05(火) 22:02:50]

戦闘力器用さ動血装は不思議と伸びがいい
器用さ向上に伴って侵入能力の発展も見込めるのは嬉しいところ

[131 二次元好きの匿名さん 23/12/06(水) 01:37:21]

支援

[132 二次元好きの匿名さん 23/12/06(水) 06:28:04]

原作バンビーズはリルトットが基礎能力で一番上みたいだがこちらのバンビならどうだろう

[133 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/06(水) 13:21:47]

　黒崎一護が仮面の軍勢探しに出かけて、三日目の夜。
　寝付けないバンビエッタは夜のサイクリングに出掛け、橋の向こうまで行き明日のデザートでも買おうとコンビニに立ち寄った。
「ぁ、黒ヒトデ」
「おま、せめて星アフロと呼べよ」
　緑ジャージ姿に、サングラスを付け多方向に伸びたアフロヘアーの男――『仮面の軍勢（ヴァイザード）』愛川羅武（あいかわ らぶ）が、立ち読みをしていた。
「買いなさいよ」
「買うさ。ただ、これはエッチな本だ、先に読んでおかないとリサがなかなか譲らねぇからな」
「――あっそ。一護はそっちにいるの？」
　仮面の軍勢は夜襲を受け、あっさり壊滅状態にさせられた。一心の大火力と竜弦の正射と連射にバンビエッタの侵入で仲間を肉の盾にされ、浦原喜助たちの介入時に戦えたのは愛川と六車だけ。
　彼らを生かしたのは、浦原の助命懇願と土下座で一心のやる気が萎えて流れが変わったから。
　もちろん、無条件ではない。
　・今後、黒崎家に完全不干渉（一護からの接触は許す）
　・一心の正体を誰にも語らない
　・藍染と戦うの禁止（東仙・市丸・破面は可）
　の三点を科し、一つでも破れば連帯責任で全員の魂魄を破壊する。平子真子が強く反発したが、肉体操作されて久南 白（くな ましろ)を割腹させようとした所で折れた。
「ああ、いるよ。で、今日――内在闘争に勝ったよ」
「……はぁ、あのバカ一護」
　したり顔の愛川の言葉にバンビエッタは呆れる。
　『内在闘争』精神世界内で虚を屈伏する手段は彼女もやるつもりだったが、もっと一護の魂魄と体を自身の霊力に馴染ませ、かつ卍解状態で――『白斬月』と戦わせる予定だった。
「お前さん、俺らを頼る価値が――」
「――一護の虚は仮面を被っていないのよ。なのに仮面を被るのは無駄でしょ」
「なっ、仮面を被っていないだと……！」
　バンビエッタの発言に愛川は驚く反面、彼女の気持ちは冷めていた。
「虚だから仮面は持っているでしょうけど、本能を隠す必要がないのよ……心を得たからね」
「……虚が心を得た……？　そんな事があんのかよ……」
「あるから言っているの。本当に二人は甘いんだから……そうだ。一護に伝えておいて、遊子がぐずり始めたから家に帰って来い、あと学校にも来ないとまた不良扱いされるって」
　と愛川に伝えた彼女は、デザートを数個適当に買ってコンビニを後にした。

[134 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/06(水) 13:22:27]

展開ダイス

1.一護＆平子　2.織姫＆バンビエッタ　3.買い物（ルキア＆夏梨）　4.見えざる帝国

dice1d4=4 (4)

4の場合、見えざる帝国（皇帝・騎士団長・グレミィ・ロイド・べレニケ・親衛隊除外）。

1.アスキン　2.エス・ノト　3.リルトット　4.バズビー　5.蒼都　6.キルゲ　7.BG9

8.ぺぺ　9.ロバート　10.ドリスコール　11.ミニーニャ　12.ジェローム

13.マスキュリン+ジェイムズ　14.キャンディス　15.ナナナ　16.ニャンゾル　17.ジゼル

dice1d17=16 (16)

>>128　さすがに節度あるので一般人が使うコンビニで戦闘はやりません。羅武はジャンプ好きですから燃えたら大変ですから。

>>129　どうしてこう極端なんでしょうね、うちのダイスは。

>>130　そろそろ侵入の新しい使用方法を出すべきですかね？　完聖体用に色々考えているのですが。

>>132　現状だと一番になれると思いますが、黒崎家に居候する前なら原作通りのほぼビリでしょうね。

[135 二次元好きの匿名さん 23/12/06(水) 13:35:46]

また苦戦候補かよ

[136 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/06(水) 13:39:50]

>>135　まだ派遣確定じゃなくて、あくまでニャンゾル視点です。さすがに次の聖章騎士を派遣するにもペースが早いですから。

[137 二次元好きの匿名さん 23/12/06(水) 18:25:13]

普通はわからんよな、内なる虚がどんな姿してるか一護は話してないし一護もそういうものなんだろうと思っているだろうし
というかホワイトが特殊すぎるのもある

[138 二次元好きの匿名さん 23/12/06(水) 19:11:44]

ウルキオラ戦での暴走完全虚化一護にしろ元のホワイトさんにしろ、仮面っていうよりフルフェイスヘルメットな上に破損したら絶対にダメージ行く箇所がツノなあたりなんか『通常の虚』って枠にくくるのは違和感
天然発生の例外枠、１００％虚圏生まれっぽいウルキオラとちょいちょい類似してる雰囲気すらするし

[139 二次元好きの匿名さん 23/12/06(水) 23:04:46]

アンナは条件にある「黒崎家に完全不干渉」の黒崎家枠に揉めずに入れられたのかどうかちょっと気になるね
一心の正体の秘匿はクリア、竜弦が現役滅却師ですよというのは誰に言うねんという話だけど、黒崎アンナ案件はどう処理したんだろうかなって

[140 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/07(木) 00:49:56]

　銀架城の屋内訓練場。
　床に立てられた三本の鉄棒には、虚圏から連行してきた雑魚破面（アランカル）たちが縛り付けられていた。
　喚く破面たちに裸足で近づく者がいた。焦点の合わない眼、黒髪長髪、白ポンチョで胴体を完全に隠し、何よりも特徴的な二枚の舌を出す――聖章騎士『紆余曲折（The Wind）』ニャンゾル・ワイゾル。
　彼のすぐ後ろを歩くのは、騎士団長ハッシュヴァルト。彼らは無言で破面たちなど気にする様子もなく近づき、一番近くの破面の表情に変化が起こる。
「お、おっ、がっウ、がが……」
　ニャンゾルが近くなるに連れ、呻き声を出して苦しみ始める。この時、腹部の空間が捻じれ、その規模は彼が近づくと大きくなる。
　そこへハッシュヴァルトの手が伸ばすや捻じれた空間は消える。そのまま数秒後に彼が手を戻すと、再び空間の捻じれが起こり、破面は悶絶の絶叫を上げて――腹部から捻じ切れた。
　彼らが行っているのは『紆余曲折』の空間歪曲の確認。ニャンゾルは来るべき日、陛下を護る盾役を志願したので、万が一にも能力が陛下に及ぶ事はないと、皇帝補佐でもあるハッシュヴァルトのお墨付きが欲しかった。
　この確認は同時に、彼の試験でもあった。
「あ、ぁぐぅぅ……」
　次の破面も空間の捻じれに胸部が巻き込まれて苦しみ、無言の騎士団長が腰の剣を抜く。それにニャンゾルは無反応。
　陛下のどんな行動にも盾役は適切な解を出さなければならない。陛下自らが闘争を望めば能力を止め、望まぬ時には盾としての最適解を示す……当然、指示はない。場の空気と流れを読む力が否応なしに必要となる。
「――フッ！」
　ハッシュヴァルトは素早い剣閃が放ち、破面が鉄棒ごと両断――彼は剣に視線を向け、歪曲の影響は受けていないかじっと確かめる。
「……最大範囲、殺れ」
「りゃうかい」
　ぐわんと空間が歪み、最後の破面は渦潮に呑まれるように鉄棒ごと体が歪曲し筋繊維が千切れる音と絶叫を響かせ、ぐちゃぐちゃに体が捻じ切られた……しかし、ハッシュヴァルトとワイゾル本人には何の影響はなかった。
「いいだろう、ニャンゾル・ワイゾル」
「感謝ら、ハッシュヴァルト」
「驕るな。お決めになるのは陛下だ、確定ではない」
「そりゃでも、オイが一歩リードらろ」
　ニャンゾルの思惑はどうであれ、零番隊の実力を測るための捨て駒は決まったと思うハッシュヴァルトであった。

[141 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/07(木) 00:50:33]

展開ダイス

1.斬月＆白一護　2.学校（バンビエッタ＆ルキア）3.雨竜＆遊子　4.織姫＆浦原

dice1d4=1 (1)

>>137 愛川からの情報に平子驚く→平子一護に内なる虚の容姿を聞き、白一護が仮面を被っていない事実に驚愕→一護、自分の虚が仮面の軍勢と違うと知り困惑、白一護は何者か気になる→刃禅へ。という展開もありですね。

>>138　暴走完全虚化一護とホワイトは、もしかすると受けたダメージを任意で移動させる能力があるのかも、末端で硬い角なら折れても戦闘に支障は小さいでしょう……虚閃は撃てなくなるんでしょうが。

ウルキオラの仲間たちは真っ黒みたいですから、ホワイトの鎧の部分にウルキオラの仲間が使用させたから類似点があるのかも。

>>139　黒崎家の枠にバンビちゃんが入るかは、浦原が「入る」と説得させてます。連帯責任で魂魄破壊という事は軍勢全員に精神体が侵入済みということ。もしも「入らない」まま、今後いらぬちょっかいを彼女個人に出せば、確実に肉体の自由を奪われて始末されます。それが読めない浦原でもないでしょうから、軍勢全員を自制させるためにも、枠に入ると無理にでも承諾させました。

[142 二次元好きの匿名さん 23/12/07(木) 05:54:17]

捨て駒を決める試験は正直笑うしかない
思ったよりかは仮面の軍勢との関係が険悪でないのは不幸中の幸いか

[143 二次元好きの匿名さん 23/12/07(木) 10:06:02]

なるほどめちゃくちゃ説得して黒崎家枠に認めさせたと
これ浦原さんと一緒に駆けつけた夜一さんも頑張って説き伏せたんかな
まー諸条件に関してはほんと前に黒崎アンナってやつあれどうなん的な会話を平子から夜一さんにしてた分、向こうに話通しとくかさもなきゃこちらに情報下ろせやってすごい抵抗したんだろうなとは想像できるけど後の祭りで折れたんだな
なんつーかあと一つで変なトライアングルになりそうな力関係(浦原さんはバンビちゃんに首輪つけてるしバンビちゃんは仮面の軍勢の自爆スイッチを握った)ができてるんだなあ今、と思ったけど父親ズの前じゃなかったらきっとアンナ自身の命を盾に仮面の軍勢へ侵入させた精神体の引き上げさせてたんだろうな(バンビエッタに対して全っ然好意的じゃない竜弦であっても目の前でそんな駆け引きしだしたら死神の方に嫌悪ゲージが振り切れそう)とも思えるのでなかなかに綱渡りというか……実にヤベえ数十分だったね

[144 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/07(木) 19:50:18]

　黒崎一護の精神世界。
　青空の下、ほぼひと月ぶりに斬月と白一護は相対する事になった。
「……なぜ仮面の軍勢（ヴァイザード）の方法に従った？　お前ならば拒否も出来たはずだ」
　斬月は摩天楼の外壁に座る白一護に鋭い視線を送りつつ説明を求める。現段階で虚化を授けたのは、白一護の独断だったからだ。
『場の流れって、奴だよ……別にあそこからスタートさせても、予定の段階にいけるだろ。慣らし運転にはちょうどいい』
　場の流れで内在闘争をした白一護に、斬月は心底呆れる。確かに現時点からでも予定だった虚化まで到達は出来る。慣らし運転の言い分も理解できた。
　しかし――。
「ならばなぜ、もっと仮面の装着時間を伸ばしてやらない？　あれではひと月かけても、十秒前後の維持が限界だろう。慣らし運転にもならないぞ」
『そ、そりゃあ……』
　斬月の指摘に白一護は言いよどみ、数秒の沈黙後思い付いたように早口で語り出す。
『あ、あれだ！　俺は確かに一護に負けて奴を王として認めた。けどな！　あくまで騎馬である俺に乗る事を認めただけで、乗りこなすってのはまた別な話――』
「――想定以上に一護の魂魄が脆かったからだろう」
『…………』
　ぴしゃりと斬月が言い放った言葉に、白一護は完全沈黙する。彼らの共通認識は一護の霊体・魂魄は本来の霊力出力に耐えられない……だが、明確に数値で判るわけではなく個々の感覚で判断し、白一護の想定値は斬月の想定値よりも高かった。
　結果、想定よりも早く一護の体に限界がくる事が分かったため、白一護は仮面の装着時間は十秒未満にせざるを得ないでいた。
『わ、判っているくせに言わせんじゃねえよ。敵は待ってくれねぇ！　だからこれでいいんだよ！！』
　結果的にはいい判断だと断言する白一護の態度に、斬月はバンビエッタが白一護を「中学時代（反抗期）の一護」と評するのも頷けた。
「だが、どうする？　このまま続けても効果は薄いぞ」
『――白斬月で、もう一度内在闘争やるか』
「無茶を言うな。それを行うには、今の一護はあまりに脆い」
　予定を狂わせた貴様が言うな、と斬月は心の内で言う。
「引き続き、アンナに特訓してもらうしかない――仮面の軍勢は一護の修行相手として不適合だ」
『それはあんたが伝えろよ。斬月』
「……致し方無い」
　一護に文句を言われるのは目に見えていたが、伝えるしかないと斬月は思った。

[145 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/07(木) 19:51:02]

展開ダイス

1.一護＆平子　2.織姫＆浦原　3.石田家　4.バンビエッタvs日番谷

dice1d4=4 (4)

4の場合、日番谷冬獅郎の戦闘力dice1d100=24 (24)　+50（隊長補正）

最低値60保障

>>142　聖兵では神兵で対応されるでしょうから、必然的に零番隊の実力を見るには聖章騎士か親衛隊あるいは両方を一度犠牲にするしかないですし、聖章騎士は死んでも陛下の糧になりますし、親衛隊は聖別で復活させるので損はありませんからね。　仮面の軍勢とバンビちゃんの関係は険悪ですよ、『完全無視、平子・ひよ里・六車』『話は聴いてやる、久南・矢胴丸・鳳橋』『こっちから喧嘩売らないなら大丈夫じゃん、愛川・有照田』です。

>>143　夜一は説得が肉体言語のイメージなので浦原の説得に「そうじゃ」「うむ」などと合いの手を入れるだけです。平子は夜一に「しばらく大人しくしろ」と忠告されていたのに黒崎家へ霊圧を飛ばしていたので、先に情報下ろせや！って強く言えませんでした。

トライアングルはもう無理かな？　仮面の軍勢が浦原の命握る必要ないですし、一応恩人ですから。もしも父親ズがいなかったら浦原はバンビちゃんの自爆機能をカードにしますね……因みに竜弦は、バンビちゃんの義骸に浦原製の自爆・追跡機能がある事は未だに知りません。

[146 二次元好きの匿名さん 23/12/07(木) 22:15:09]

1番一護に必要なのは自分の霊圧に耐えられるようになることだよなぁ
ただ中の人物達だけが知っていて肝心の一護本人が仕方ないとは言えそれに気づいてないのが

[147 二次元好きの匿名さん 23/12/08(金) 00:29:36]

はい？？？
なんでバンビちゃんが日番谷隊長と戦闘してるの？？？

[148 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/08(金) 01:39:24]

「いきなり呼び出して、悪いな」
「全くね。しかもこんな川の近くで――用件は？」
　夜、死神姿の日番谷冬獅郎は、空座町内を流れる川の川岸にバンビエッタを呼び出した。
「手合わせしてほしい。あの人が自分の子供を任せる――その実力が知りたい」
　日番谷はじっとバンビエッタを見つめ、背負っていた氷雪系最強の斬魄刀――氷輪丸（ひょうりんまる）を引き抜き手合わせを所望した。
　だが、バンビエッタはあまり彼と戦う気になれなかった。志波一心の元部下で現十番隊隊長である以上、卍解の使える強敵とは判っていても――。
「え～、遊子たちと同じくらいの小っちゃい子と戦うのは、あたしの良心が……」
　日番谷冬獅郎の身長は黒崎姉妹と同程度、いくら天才少年と呼ばれても小学生を相手にする事に珍しく気が引けていた。
「小っちゃい言うんじゃねえよ。俺は育ち盛りだ――ほらっ、滅却師なら弓矢を構えろよ」
　身長を気にしているのか日番谷の表情に小さい怒が宿りながらも、バンビエッタに得物を構えるように促す。手合わせである以上、対等な状態にしたいのだと分かった……最も水場という自分に地の利がある場所を選んだのはいただけないと彼女は思った。
「一心とは会わないの？」
「必要ねえよ、あの人は現世で生きる事を選んだ。その理由が俺たちと縁を切らせるほど覚悟あるものなら、詮索は野暮だ。まあ、黒崎一護の母親に一目惚れして縁を切ったのなら……多少は殴りたい気持ちはあるけどな」
「それもあながち間違っていないとは思うけどね――手合わせに条件があるわ。戦いの内容は瀞霊廷に報告しない他言もしないで、あんたの胸の内で留めておく事よ」
　バンビエッタとしては戦いの場は浦原商店の地下が良かったが、それが無理なら戦闘の情報を瀞霊廷に渡したくない。それが見えざる帝国に流れたら、大変困るので手合わせの条件に付けた。
「……――分かった。この手合わせの内容は誰にも瀞霊廷にも伝えないと約束する」
　日番谷は手合わせの条件は手の内を極力隠したいだけと考え、これを了承した。
「ところで卍解は無しよね？」
「……場合によっては使わせてもらう」
「はぁ～……しょうがないわね」
　油断はしない日番谷の眼前で滅却師十字から片刃剣を出したバンビエッタは、合図も無しに飛廉脚で距離を詰めて先制攻撃を仕掛けた。

[149 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/08(金) 01:39:54]

バンビエッタ（㏋150）静血装40　戦闘力129　dice3d169=97 86 159 (342)

日番谷冬獅郎（㏋150）　戦闘力110　dice3d150=126 131 66 (323)

>>146　霊力に対する魂魄と霊体の耐久検査をする方法がありそうですけどね。でも、身を持って限界を味わい自分で調整するのが、一番堅実で安上がりでしょうけど。

>>147　はい、手合わせです。もちろん、純粋にそれだけじゃないですけど。

[150 二次元好きの匿名さん 23/12/08(金) 03:47:14]

日番谷としては限定霊印がアリのまま(＝霊力五分の一状態)での卍解でも地の利を押さえてたら差し引きでどの位の出力になれるのかを見たいのかなこれ

[151 二次元好きの匿名さん 23/12/08(金) 04:47:25]

竜弦ってバンビちゃんの義骸の仕様知らないの！？
……「人間」に知らせたら「帝国の滅却師」に対してであっても首輪の必要性より首輪の悪辣さが勝って印象悪くなる位の自覚はあったんだ……

[152 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/08(金) 12:47:11]

「――滅却師が剣を使うのかっ！」
　バンビエッタの先制攻撃に日番谷は驚きつつも氷輪丸で受け止める。彼のイメージする滅却師は遠距離型のため、近接戦でくるとは考えてもしなかった。
「最新の滅却師は近接戦もやるのよ――月牙天衝！」
「！！」
　日番谷が片刃剣から霊圧を感じた刹那、彼の左肩を青い月牙が裂き鮮血が噴くや大きく飛び退き、すぐに傷口を氷で止血する。
　月牙天衝は志波一心の技。まさか滅却師が使うとは思わず、それ以上になんで自分の決め技を教えているんだよ、と三席時代の自分には教えてくれなかった彼に対して不満を募らせた。
「余計な事を……っ」
　反撃の間を与えないように、バンビエッタは連続で月牙を放つ。
「霜天に坐せ（そうてんにざせ）！　氷輪丸！」
　始解無しで勝てる相手ではないと日番谷は早々に始解を行い、氷輪丸の柄尻に鎖で繋がれた三日月形の刃物が付く。
　自分に迫る月牙に、彼は氷壁で防ぎ反撃に転じようと斬魄刀を振った――しかし、氷壁はバキンと生成開始直後に砕け散った。
「なっ――！」
　驚愕する日番谷に青い月牙たちが殺到。瞬歩で川へ一気に移動するも無傷とはいかず、脇腹と左太ももは月牙で深く切り裂かれた。
　何が起きた――痛みで額に汗を浮かべる日番谷は、氷壁が砕かれたのはバンビエッタからの攻撃と判断するも、その方法がすぐに思いつかない。
「そんなに距離を取っていいの？　あたし滅却師よ」
　川岸に立つバンビエッタの呼びかけが聴こえた直後、日番谷の右肩が二ヵ所同時に貫かれ、小さい円型の傷から血が噴き出す。
「うぐっ！」
　だらりと右腕が垂れるも日番谷は斬魄刀は手放さず、すぐに全ての傷口を氷で閉ざす。
「ねえ、氷で止血して体は冷えない？」
「気にすんな」
　指二本……剣を握るバンビエッタの右手の指が二本、自分に向けられていた事を彼は見逃さず、高密度の霊子の矢を指先から発射して自分の右肩を抜いたと理解し、決断する。
「――卍解、大紅蓮氷輪丸！！」
「え～」
　日番谷は右腕から連なる巨大な翼を持つ氷龍を纏い、背後に三つの巨大な四つの花弁を持つ氷の花が展開される。
「ここで降参は？」
「悪いが、やられぱなっしは我慢ならない――もう少し付き合ってくれ」
　日番谷の静かながらも戦意剥き出しの口調に、彼女は苦い顔をするしかなかった。
「群鳥氷柱（ぐんちょうつらら）！」

[153 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/08(金) 12:47:35]

バンビエッタ（㏋150）静血装40　戦闘力129　dice3d150=133 44 18 (195)

日番谷冬獅郎（㏋64）　戦闘力140（+30卍解補正込み）　dice3d161=92 37 44 (173)

>>150　限定霊印の限定解除は一時的なんでしょうかね？　戦闘後に霊印が復活するのか分からないんですよね……敵に地の利がある事は解ってますから、バンビちゃんは地の利を生かされる前に速攻で倒すかも。　

>>151　竜弦の知らないのは自爆と追跡機能の二点で、当時のバンビちゃんから黒崎家を護るためなので、わざわざ他家の竜弦にまで教える必要はないと浦原が判断しました。仮に浦原が竜弦に教えていたとしても、帝国滅却師だから妥当な判断と思うだけでしょうけど。

[154 二次元好きの匿名さん 23/12/08(金) 14:28:58]

なんで現世に行く時に限定霊印を打っていくのか、っていう理由からすると限定解除は一時的じゃないと意味ない筈なんですが、次回の有事からは申請なしでも現場判断で即解除できるようになってるか任意でオンオフ可になってそうではあります

[155 二次元好きの匿名さん 23/12/08(金) 17:33:08]

流石に隊長だけあって卍解補正がかかると厄介になってくる
それでもまだ圧倒とまではいかないか

[156 二次元好きの匿名さん 23/12/08(金) 22:35:46]

静血装があるから大丈夫だけど無かった卍解補正ある隊長格相手だと厳しい戦いになりそう

[157 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/08(金) 22:44:58]

　川の水気でサイズと本数が増した氷柱の群れは、川岸に杭のように何十本も突き立てられる。その間をバンビエッタは縫うように回避しながら、月牙天衝を川の上に立つ日番谷へ放つも川底から分厚い氷壁をそびえ、青い月牙を完璧に防ぐ。
「――はぁ！」
　反撃と日番谷は斬魄刀を振るえば水中から水流が噴き出し、蛇のように走るバンビエッタへ突撃しながら凍結して行く、直撃しようものなら瞬く間に氷に閉じ込められるのは間違いなかったが、彼女はそれを避けて反撃。
「大聖弓」
「！」
　彼女の頭上に霊子の弓矢が作られ、即時矢が射たれる。
「綾陣氷壁（りょうじんひょうへき）！」
　ただの厚い氷壁では貫通されると判断した日番谷は、繊細な氷を編み込んだ氷壁で矢を受け止めようとした時、再び氷壁は生成中に砕け散った。
「チッ！」
　人体を貫くほどの厚い鏃は真っ直ぐに迫り、彼は瞬時に上へ跳び矢を回避する。
「月牙天衝！」
　彼の視界から外れたバンビエッタは飛廉脚で一気に間合いを詰めて、月牙を放つ。しかし今度は彼の背に生える氷の翼が間に入り、月牙の直撃を防いだ。
「氷竜旋――くそっ？！」
　流れるように日番谷が氷の斬撃を繰り出そうとした瞬間、彼はバンビエッタの指先が自分に向けられている事に気付き、攻撃を止めて素早く斬魄刀を射線に立てた直後、小さく捻じれた鏃の矢が刀の側面に当たり矢を弾く。
「再生する氷は厄介ね」
「それが氷の利点だ。水気がある限り、大紅蓮氷輪丸は戦える」
　宙で向き合い、日番谷はバンビエッタを捉えつつ冷静に受けた技を分析する。指の矢と大弓矢は射線さえ判れば回避は問題なし、青い月牙天衝は威力よりも連撃重視で防御か回避をしっかりすれば問題ない……警戒すべきは、氷の生成を阻害した正体不明の技。
　連発出来ないのかあえてしないのか不明、発動時の予兆や動作も不明。こちらの技そのものが妨げられていないので、技として完成させる前に無効化・妨害する類の技あるいは能力と予想した。
　試しに鬼道の断空を使う事を日番谷が考えていると、バンビエッタが喋り出す。
「やっぱり時間が掛かるわね……」
「なに？」
「ただの独り言よ」
　バンビエッタは左手で銃の形を作り、日番谷に向けるので彼は斬魄刀を構え直す。
「その矢はもう俺に届かねえぞ」
「かもね。でも、こっちには意味があるかもしれないわよ？」
　バンビエッタは不敵に笑う。

[158 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/08(金) 22:45:42]

バンビエッタ（㏋150）静血装40　戦闘力129　dice3d150=4 104 68 (176)

日番谷冬獅郎（㏋64）　戦闘力140（+30卍解補正込み）　dice3d161=3 123 43 (169)

>>154　確かに霊印の意味を考えれば一時的な限定解除になりますよね。ルピ戦前のヤミー戦の日番谷は特に大きなダメージを受けていない状態で限定解除して焦った様子もありませんでしたから、シャウロンの失態から現場の判断で限定解除できる様にしてほしいと尸魂界に報告したのかもしれませんね。

>>155　大紅蓮氷輪丸って未完成状態で+30にしちゃったから、完成版の+補正値はいくつが妥当か考えものです。　静血装40があるせいで、バンビちゃんには40以下のダメージが無効化されているのもちょっとやり過ぎな気がしつつも、ダイスで成功失敗をやるのも静血装の在り方としては間違っている気がして悩んでます。

>>156　静血装があるから、低ダメ―ジ無効状態ですからね。真咲の静血装は桁違いらしいですから、100以下のダメージ無効化もありかも。

[159 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/08(金) 22:48:03]

戦闘力以下の出目が同数でしたので、一回ダイスを振り出目が大きい方の勝ちになります。

バンビエッタ（㏋150）静血装40　戦闘力129　dice1d100=23 (23)

日番谷冬獅郎（㏋64）戦闘力140（卍解補正+30込み）dice1d100=7 (7)

[160 二次元好きの匿名さん 23/12/09(土) 06:33:33]

破面を相手取るなら静血装はナーフしたくないね
そもそも受けたらアウトだとどうにもならないが

[161 二次元好きの匿名さん 23/12/09(土) 11:35:00]

ダイス勝負だとどうしても運要素がない固定値は強いですからねぇ
案としてならダメージの底上げ付けるとかかなぁ例えば卍解時ならダメージ⚪︎⚪︎＋とかキャラ毎に数値変えれるし静血装の仕様も変えずに済むかも

[162 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/09(土) 14:12:36]

「……何が目的だ」
　日番谷とバンビエッタの手合わせが始まって十五分近く経過し、途中から彼女の戦術が明らかな時間稼ぎの方向になり、滅却師らしい弓矢を使用した遠距離攻撃ばかり。
　氷の花が全て散る事を狙っているか、大技のために霊子か霊力を溜めているかの二択を考えていた日番谷だったが、前者を気にしている様子もないので、後者が目的で時間稼ぎをしていると判断した。
「遠距離攻撃と逃げてばかりだな」
「そう、滅却師らしいと思うけど――まあ、子供隊長にはあたしの深慮遠謀は判らないわよね」
「子供じゃねえ！」
　氷の翼を羽ばたかせ、矢の弾幕をくぐり抜けた日番谷は軽口を叩くバンビエッタに接近する。そんな攻防もすでに三回目、同じ流れなら彼女は飛廉脚で大きく距離を取って、それを日番谷が追撃する事になるがバンビエッタはにやっと悪い笑みを浮かべた。
　何か来る――直感でそう判断した日番谷は、追撃を止めて弾幕の外側に移動する。
「あら、そこは追撃してくる場面じゃないの？」
「……っ」
「ま――この勝負、あたしの勝ちになるからいいんだけど」
「何を根拠に言っている」
　時間稼ぎは終わり、何かしらの大技が来ると考える日番谷は最大の警戒心を勝ちを確信しているバンビエッタを見上げる。
「それにしても、さすがは隊長ね。藍染の時はここまで時間がかからなかったのに……でも、あの時のあいつは絶対に力を抑えていたでしょうね」
「お前、藍染と戦った事があるのか！？」
「危うく首を落とされそうになったわ――はい、大紅蓮氷輪丸、解除」
　寝耳に水の情報の直後、バンビエッタは指を鳴らす。
　その瞬間、卍解は彼の意志とは関係なく解除され、止血用の氷も砕け散り傷口から流血し始めた。
「は――？」
「他言無用を条件をしたのは、このためよ。日番谷冬獅郎」
　大きく目を見開き日番谷の心は動揺する。強烈な一撃で破壊されるならまだしも、他者から強制解除された事は一度もなかったからだ。
「氷輪――！？」
　それでもバンビエッタに攻撃をしようとした日番谷だったが、体が完全に拘束されたように動かない。前のめりに倒れようとしたところで、彼女が支える。
「あたしの勝ちでいいわよね？」
「くそ、俺の負けだ……なにをしやがった……」
「自分で考えてなさいよ、しばらくそのままだから」
　バンビエッタは日番谷を川岸に寝かせて、ささっと去って行った。

[163 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/09(土) 14:13:05]

展開ダイス　＊藍染の真の目的が判明後になります。

1.ハッシュヴァルト（見えざる帝国）　2.一護＆チャド　3.織姫＆浦原　4.アルバイト（バンビエッタ＆恋次）

dice1d4=4 (4)

バンビちゃんが戦闘をした事で、崩玉と繋がっている影響で能力値が更新されます。

戦闘力 129　+dice1d5=4 (4)

霊力 78　+dice1d5=5 (5)

器用さ 82 +dice1d5=4 (4)

霊子操作 66　+dice1d5=4 (4)

静血装 40　+dice1d5=3 (3)

動血装 85　+dice1d5=3 (3)

聖文字の熟練度 5

>>160　破面相手に静血装のナーフはしない方がいいですよね。バラガンのような即死技でもない限りは、どうしよう。

>>161　底上げ……卍解、帰刃、完聖体がありますから、キャラ毎にダメージアップしても違和感なくていいですね。問題は+の値ですね。それも毎回ダイスで決めるのもありですが、出目が一桁や+10アップだと効果が薄くかと言って最低値を付けると最初からその値でいいじゃんってなりますから、難しいな。

[164 二次元好きの匿名さん 23/12/09(土) 19:16:46]

今日の崩玉は機嫌がいいのかアベレージ高めに成長できた
動血装が100を超えたら凄い速く動けて力強い一撃が撃てるようになるんだろうか

[165 二次元好きの匿名さん 23/12/09(土) 19:49:54]

日番谷に当たりがあまり強く無いのは一心やこちらの事情を察して深く詮索しない、話しが通じやすいからかなそれとも本当に見た目が小学生だからか
まぁ仮に日番谷が一心を殴りに行っても仕方ないで流しそうだけど
現隊長と手合わせは割と良かったかも力量の差や侵入に掛かる時間の目安がわかったし、日番谷でこれだけ掛かるとしたら藍染に対して侵入はあまり期待は出来そうにないな触れたらいいが藍染は一度知ってるから迂闊に触らせてくれなさそう

[166 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/09(土) 22:52:08]

「いらっしゃいませ。当店は不良が好む武器の類は置いていませんので、帰れ」
「辛辣だな、おい」
　アルバイト中のバンビエッタが勤務中、浦原商店に居候をする――現世のラフな格好の――阿散井恋次が来店した。
　眉毛から額、首から上半身にかけて大仰な刺青をする彼は悪目立ちするので、極力店に来ないでほしいとバンビエッタは思いつつも応対する。
「で、何か入り用なの？」
「ああ、浦原さんが生地を買ってこいってよ」
　雑用係の恋次はズボンのポケットからメモをバンビエッタに渡し、素材を確認する。
「――こっち」
「ああ……昨夜、日番谷隊長と手合わせしたって乱菊さんから聞いたぜ」
「そうね。限定解除されていたら、結果は逆だったでしょうね」
　目的の生地がある棚までの移動中、恋次に日番谷冬獅郎との戦いを持ち出されバンビエッタは、特に誇る様子もなくあっさりと答える。
「それでも大したもんだと思うけどな……ここだけの話、総隊長は、あんたと石田を警戒しているぜ。日番谷隊長の引率は偶然でも、俺たちの中からあんたの実力を測れって命令されていただろうな」
「――でしょうね。あのお爺さんには、滅却師は侵略者でしかないでしょう」
「侵略者？　二百年前の滅却師殲滅戦は聞いちゃあいるが……」
　恋次の反応に、バンビエッタは彼が千年前の事を知らないと判った。
「千年前、滅却師側から瀞霊廷へ侵攻したのよ。その頃に護廷十三隊が発足したんだけど、なんで勝者側なのに知らないのよ」
「んな事言われても、滅却師の方じゃあ有名な話なのか？」
「有名よ。雨竜は知らないでしょうね――この棚よ」
　話を切り上げ、バンビエッタは目的の丸めた生地を引き注文分の長さを鋏で切り始める。
「なあ……千年前の滅却師たちは、どうして瀞霊廷に侵攻したんだ？」
　生地を裁断するバンビエッタへ恋次は素朴な質問をした。
「知らないわよ。皇帝だったから三界支配でもしたかったのかもね」
「皇帝？　滅却師には王がいたのか？」
「――始祖よ。滅却師は彼から始まり、全ての滅却師には始祖の血が流れているのよ」
「へえ」
　さすがに始祖がまだ生き、瀞霊廷に逆襲する気でいると言えないバンビエッタは、恋次に切った生地を渡す。
「あとはレジで会計。それと刺青は現世だと受けが良くないから、もう少し隠しなさい。警察に職務質問されるわよ？」
「お、おう。気を付ける」

[167 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/09(土) 22:52:49]

展開ダイス

1.浦原＆織姫　2.雨竜＆一角　3.見えざる帝国　4.バンビエッタ＆一護

dice1d4=1 (1)

3の場合、見えざる帝国（除外、皇帝・ロイド・べレニケ・親衛隊）。

1.ハッシュヴァルト　2.アスキン　3.エス・ノト　4.リルトット　5.バズビー　6.蒼都　7.キルゲ

8.BG9　9.ぺぺ　10.ロバート　11.ドリスコール　12.ミニーニャ　13.ジェローム

14.マスキュリン+ジェイムズ　15.キャンディス　16.ナナナ　17.グレミィ　

18.ニャンゾル　19.ジゼル

dice1d19=14 (14)

>>164　動血装って、キルゲのセリフ的に完全な攻撃用なんだと思います。反応速度の類も上げられるのは静血装で、全開にしないと一護の斬撃速度に対応出来ないみたいですし。動血装が100を超えたら……やっぱり攻撃力アップしか出来ないような。よくて常時筋力増強？

>>165　はい、一心の元部下もありますけど、八割方は見た目で対応変えてます。藍染なら手加減したとはいえ自分に届く攻撃手段を持つ相手ですから、対策を用意するか、出来なければ会敵は避けて部下に任せるか、崩玉と融合したはんぺんにならないとバンビちゃんの相手をしない気がします。

[168 二次元好きの匿名さん 23/12/10(日) 00:06:14]

そういや仮面の軍勢の治療って織姫に来てもらった可能性高いのか
……その後に戦力外通告とかしたら原作時点で無理筋満載だったのがさらに説得力も何もないものになりそうだが果たして

[169 二次元好きの匿名さん 23/12/10(日) 00:44:36]

動血装ってあれアイキャッチでの『血装』説明をメインに効果を考えると、発動中は発動者の霊圧を底上げっていうかブーストしてるんだろうなと思うのです
死神は卍解すると霊圧が跳ね上がりますけど、その滅却師版、ただし死神ほど攻防一体の霊圧上昇にはなってないという
血装の回路が独立してる事で攻撃力だけ・防御能力だけといったように霊圧上昇の恩恵が発動してる側の血装の影響できる方に完全に傾いてしまうけど、しかしまあそんな克服不能のデメリットを負うだけあって恩恵は絶大
だからキルゲさんも動血装発動状態で攻撃したかった、けどそれ以前に当たらないと攻撃力上昇も意味がない上に動血装発動での霊圧上昇は防御力に寄与しないので素の肉体強度で卍解してる一護の攻撃なんて受けられない、だから優先度が静血装になって結果膠着状態(実際は割と詰みかけてた)になってたという
当てられさえすれば一護の莫大な霊圧による素防御を抜けると想定してるので、攻撃力極振りの霊圧上昇なのだけは確かなんですが
……というのを考えると原作バンビちゃんは動血装の恩恵と聖文字の能力ががっつり嚙み合っての一人絨毯爆撃機になれてたんだなとなるんですが、ここの侵入バンビちゃんだと動血装の恩恵は矢の貫通力や剣の切れ味や月牙天衝の威力に反映されて、でも最終的にはそれら直接攻撃手段の威力上昇も全部侵入完了までの見せメインウェポンの説得力を増すために使われるんだろうかな……

[170 二次元好きの匿名さん 23/12/10(日) 08:26:56]

その警戒されてる人物にここだけの話を話してくれる恋次、バンビも千年前や皇帝の話をしてくれる辺り恋次は信用してる感はあるな

[171 二次元好きの匿名さん 23/12/10(日) 18:15:30]

ほしゅ

[172 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/10(日) 20:11:04]

　『仮面の軍勢』新拠点にいる黒崎一護に藍染の真の目的を伝えた井上織姫は、四楓院夜一に運ばれ浦原商店へやって来た。
　居間に通されちゃぶ台を挟んで浦原喜助と対面した織姫に対して、彼はいくつかの理由を述べてから今回の戦線から外れて貰うことを通告した。それに彼女が衝撃を受けたのは言うまでもなく、自分を戦力外とする理由に反論が出来ない事に悔しくも皆の足手まといになるならと、彼の指示に従おうと考えていた。
「――以上が、戦略的な理由ッス。そして、ここからがアタシ個人が、あなたを戦線から遠ざけたい本当の理由になりますので、聞いて下さい」
「え？　浦原さんの理由……ですか？」
「ええ」
　浦原は自分の説明不足が、バンビエッタたちの夜襲に繋がった点を反省して、織姫に自分の考えを説明する事に決めた。
「まず井上サン。あなたの双天帰盾は、回復術ではありません」
「え、回復じゃない……？」
「はい――あなたの力は事象の拒絶。簡潔に言えば、1を0に戻す力です」
「1を0に戻す力……事象の拒絶？」
　浦原から告げられる自身の回復術の正体に織姫は戸惑い、ピンと来なかった。
「では実験しましょう。これはただの丸い饅頭ッス」
　と浦原は棚の引き戸から白い饅頭が乗った皿を取り出し、ちゃぶ台の上に置く。
「いいッスか？　この丸形が基準の0とします……これを割ります」
　説明しながら、浦原は饅頭を半月に割るとその一つを口に入れて食べる。
「んぐっ、饅頭は0の状態から変化し、半月状態を1とします。ここまではよろしいスか？」
「はい」
「では、半月の饅頭に双天帰盾を」
「は、はい、双天帰盾！」
　指示通り、半月の饅頭に織姫は双天帰盾を使用する……半月の割れ目から、饅頭の生地と餡が戻り始め、三十秒と掛からず丸形の饅頭に戻った。
「饅頭は0の状態に戻りました。変化した状態を変化前の状態に戻る、これが事象の拒絶です――あ、饅頭をどうぞ」
「い、いただきます」
　ぱくっと織姫は自身の力で丸形に戻った饅頭を食べる。生地のもちっとした食感と餡の甘さが口に広がる。
「ご自身の力を、理解しましたか？」
「は、はい……」
　ごくんと饅頭を飲み込んだ織姫は浦原に頷く。
　そして、彼は次の話題を出す。
「藍染サンも、この能力に気付くと思います」

[173 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/10(日) 20:15:06]

「藍染さんも、ですか……？」
「はい、井上サンの能力があれば崩玉の完全覚醒は可能です。それを彼が狙わない手はありませんからね」
　浦原は、藍染惣右介がすでに彼女の能力に気付き、誘拐の手筈を整えている可能性は十分にあったが、それを告げても不安にさせるだけとあえて口にしなかった。
「浦原さん、あの……あたしはどうしたらいいんですか……？」
　自分が敵にさらわれる可能性を察したのか、織姫は不安を滲ませた表情で浦原を見つめて問いかけた。
「……いくつかの選択肢があります。一つ、先に述べたように戦力外は事実ッスから戦線を離れる。二つ、誘拐を懸念し終結まで瀞霊廷で匿われる。三つ、あえてさらわれてあなたの手で崩玉を無に帰す」
「無に帰す……？」
「はい、その饅頭を例に出すなら、饅頭は生地と餡が合わさって誕生した物です。それが拒絶され続ければ存在がぶれて形を保てなくなり、やがて跡形もなく消えるでしょう――それは崩玉とて同じです」
「！」
　浦原は自分が嫌いになる。戦えず自衛すら怪しい今の彼女にみんなの力になれる可能性を示す事が、どれほど彼女の命を危うくさせているか自覚し、井上織姫がどの選択を取るかも予想が出来ていたからなおさら後ろめたい。
　それでも、彼は世界のために打てる手段を準備しておきたかった。
「浦原さん、あたしは――」
「ただ、三つ目の選択は黒崎サンたちを敵陣に向かわせる行為にもなります」
「――え？」
　織姫の決意を潰すように、浦原は言葉を被せた。
「敵にさらわれる事は、処刑前の朽木サンと同じ立場になるということ。黒崎サンたちは必ずあなたを助けに向かうでしょう、命懸けで……無論、誰にもこの計画を語る事は許されません。あなたは彼らに沈黙を貫く事が出来ますか？」
「…………」
　織姫は俯いてぐっと黙り込み、居間に沈黙の空気が満ちる。
「や、やります。黒崎くんたちには言いませんっ」
　浦原は正面に座る織姫の口をぎゅっと結んだ真剣な表情をじっと見つめ、覚悟を決めていると悟る。同時に自分で提示しながら、それを彼女が選んだ事を残念と思う自らの矛盾した心情に呆れた。
「……分かりました。その時が来るまで双天帰盾を鍛えましょう。修行法は……そうッスね、まずは物が消えるまで、双天帰盾をかけ続けてみて下さい」
「はい！」
「そうそう、アンナサンの出した訓練は気晴らし程度でも続けて下さいね」

[174 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/10(日) 20:16:15]

展開ダイス

1.車谷＆チャド　2.見えざる帝国　3.買い物（ルキア＆バンビエッタ）　4.一護＆平子

dice1d4=3 (3)

2の場合、見えざる帝国（除外、皇帝・ロイド・べレニケ・親衛隊）。

1.ハッシュヴァルト　2.アスキン　3.エス・ノト　4.リルトット　5.バズビー　6.蒼都　7.キルゲ

8.BG9　9.ぺぺ　10.ロバート　11.ドリスコール　12.ミニーニャ　13.ジェローム

14.マスキュリン+ジェイムズ　15.キャンディス　16.ナナナ　17.グレミィ　

18.ニャンゾル　19.ジゼル

dice1d19=15 (15)

>>168　今のところ仮面の軍勢は、織姫の治療を受けていません。人間嫌いのひよ里が抵抗しますし、護るべき人間に頼るのは元死神としての矜持が邪魔しますし、それ以上に織姫はバンビちゃんに近しい者ですから警戒して積極的に頼ろうと思っていません。

>>169　アイキャッチの説明を忘れてました。なるほど、そう考えた方がキルゲの台詞も納得も出来ますよね。　侵入バンビちゃんの動血装の恩恵を受けた攻撃の全ては、基本的に侵入完了までの時間稼ぎになりますよね。侵入する前でも、そのまま倒す方向で進めても支障ありませんし、『侵入』ってやっぱり極悪能力だ。

>>170　恋次から見ると、バンビちゃんは隊長格の実力があってかつ一護の一番近くにいる彼が強く信頼する味方に見えますから、ここだけの話をしました。バンビちゃんからしたら、歴史を調べればすぐに分かる情報なので恋次との世間話のつもりで語りました。

[175 二次元好きの匿名さん 23/12/11(月) 00:39:39]

応援保守

[176 二次元好きの匿名さん 23/12/11(月) 04:08:36]

浦原さんは他者と違って多くを知っているからこそ
世界が吹き飛ぶような地雷が見えているのだろうなぁ…
誰かに話せば悪用される危険性があるので人知れず対処せざるを得ない。
だからルキアに黙って崩玉を隠して一護に救出に向かわせたり
仮面の軍勢の素性を隠して、一護に協力させようとしたり
今回のように織姫に選択肢を示す事を決めたのだろうなぁ…

[177 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/11(月) 14:00:17]

「悪いわね、買い物に付き合わせて」
「いや、私は居候の身だ。これくらいしなければ罰が当たってしまう」
　朝、バンビエッタと朽木ルキアは徒歩で、空座本町駅方面のスーパーへ買い物に出掛けていた。
「しかし、随分と買い込むのだな」
　ルキアは両手に大量の食材が詰め込まれた買い物袋を持ちつつ、同じく両手が塞がるバンビエッタに質問する。
「そりゃ、六人分で数日分だもの」
「……やはり、食費を出した方が良いのだろうか」
「別にいいわよ。一心も気にしないから」
　黒崎家の食費その他が増した事を申し訳ないと思うルキアは食費を出すべきと思ったが、それをバンビエッタに遠慮する。
「一護もあんな場所に住み込みで修行していないで、ちゃんと帰ってくればこっちも料理の量を気にしないで済むのに。全く……」
「アンナ殿は……一護に修行している者たちの素性を知っているのか？」
「知っているけど、ほっとけばいいわ」
　いつでも始末が出来る『仮面の軍勢』は、バンビエッタには黒崎一護の踏み台以上の価値はない。彼らの正体をルキアに教えた時、面倒事が起きないとも限らないので発言を控える事にした。
「そういえば、誰にも言ってないわよね。影に入る技のこと」
「う、うむ。どうやって懺罪宮の牢から脱獄したのかしつこく質問されたが、なんとか誤魔化せたと思う……多分」
「そう」
　影の領域を死神たちに知られる事を避けられたと、バンビエッタは小さく安堵する。
「帰宅したら、野菜を茹でて冷凍するから手伝ってほしいけど……あんた、料理って出来るの？」
「むっ、当然だ。刀を使っているのに包丁の扱いが下手なはずがない――なぜ、茹でた野菜を冷凍するのだ？」
　刀を扱うから包丁の扱いも上手いとは限らないと思いつつ、彼女は家庭の知恵に乏しいルキアの質問に答える。
「一番の理由は、調理時間の短縮よ。予め切っておいて冷凍保存しておけば、すぐに必要分を出してそのまま料理に仕えるでしょ？」
「なるほど……確かに効率的だ。一護や夏梨殿は、料理はしないのか？」
「こっちが言えば手伝うけど、自発的には……朽木は料理とかしないの？」
「私は、その朽木家では身の回りは侍女がしてくれたから……」
「家政婦付きかぁ、いいわね」
　そこからバンビエッタとルキアはお喋りしながら歩き、予定よりも大分遅れて帰宅する事になって野菜の処理を急いでやる事になった。

[178 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/11(月) 14:00:55]

展開ダイス

1.見えざる帝国　2.浦原商店（バンビエッタ＆浦原）　3.雨竜＆夏梨　4.織姫＆乱菊

dice1d4=2 (2)

1の場合、見えざる帝国（除外、皇帝・ロイド・べレニケ・親衛隊）。

1.ハッシュヴァルト　2.アスキン　3.エス・ノト　4.リルトット　5.バズビー　6.蒼都　7.キルゲ

8.BG9　9.ぺぺ　10.ロバート　11.ドリスコール　12.ミニーニャ　13.ジェローム

14.マスキュリン+ジェイムズ　15.キャンディス　16.ナナナ　17.グレミィ　

18.ニャンゾル　19.ジゼル

dice1d19=8 (8)

>>176　沈黙は金 雄弁は銀を浦原は実行してきて、それが今まで良い方向に転がってきたけど、平子たちはそのせいで怪我をさせて余計な枷も与える事になりましたから、同じ轍を踏まないように織姫に情報と選択を与える事で今後どうなるか見てみたいのかも。

[179 二次元好きの匿名さん 23/12/11(月) 20:43:23]

ルキア奪還の時にルキアと精神体のシーンを見ることが多かったのでアンナの方からもルキアに気安いイメージ

[180 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/11(月) 22:12:49]

　昼過ぎ、野菜の冷凍保存をし終えたバンビエッタは浦原商店を訪れていた。
　浦原喜助の代わりに握菱 鉄裁が出迎え、隠し部屋の研究室に案内された。そこは変わらずの高価な機材が置かれて、その奥に浦原は背を向けて作業をしていた。
「……作業中でも、いつもの服装なの？　もっと清潔な服装に着替えないの？」
「昔は着替えていたんスけどねー。年々面倒に……」
「ふーん」
　バンビエッタは室内に入り、作業台の前に座る浦原へ近づくと台上の設計図には大きな柱が描かれ、彼女には判らない用語が多く書かれていた。
　そして、彼女の視線は浦原の手元に向けられた。
「黒い風船……駄菓子用のおまけ？」
「いえ、ちょっとした思い付きアイテムッスよ。もちろん先を見据えての準備もしています」
　と答えつつ、保護ゴーグルを外した浦原はバンビエッタの方を向く。こいつの言う先を見据えてはろくでもない未来の可能性と思いながら、彼女は浦原に問いかける。
「あたしを呼んだ理由って、それが関係あるの？」
「ええ、まあ。実は昨日、瀞霊廷からご依頼がありまして――」
　浦原は瀞霊廷からの依頼内容を語り始める。霊的技術には疎いバンビエッタの感想は、実に大掛かりな舞台装置を依頼する総隊長は、藍染たちを倒す事に本気なのだと悟った。
「一つ目はともかく。二つ目のそれは冬までに出来るの？」
「多少禁術が入りますがテッサイもいますし、問題ないッス。むしろ、アタシの頼みをあちらさんが間に合うかスね……連日徹夜になるでしょう」
「酷いわね。で、あたしを呼んだ理由は？」
「それはですね……」
　バンビエッタは再度自分を呼んだ理由を訊ねる。浦原は作業台の引き出しから、パチンコ玉サイズの透明な球体を台の上に置く。
「それ？」
「はい、アタシは藍染サンは崩玉を――」
　そして、浦原は藍染惣右介が行うかもしれない行動の中で最悪のパターンを彼女に語り、その打開策の一手としてバンビエッタの能力が必要と語った。
「……藍染がするだろうというより、あんたが試してみたいように聞こえるのは気のせい？」
「――否定はしません。アタシと藍染サンの違いは、よそ様を害するか害さないかだけッスよ」　
「念のため、あんたに精神体を入れていいわよね？」
「勘弁して下さい、それでご協力は？」
　浦原は問いにバンビエッタは「いいわ」と小さく頷き、透明な球体へ手を伸ばした。

[181 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/11(月) 22:13:29]

展開ダイス

1.夜一＆恋次　2.バンビエッタvs一護　3.井上織姫　4.見えざる帝国

dice1d4=3 (3)

2の場合

新・黒崎一護の戦闘力dice1d100=31 (31)　+30（卍解時補正）

＊最低値65

4の場合、見えざる帝国（除外、皇帝・ロイド・べレニケ・親衛隊）。

1.ハッシュヴァルト　2.アスキン　3.エス・ノト　4.リルトット　5.バズビー　6.蒼都　7.キルゲ

8.BG9　9.ぺぺ　10.ロバート　11.ドリスコール　12.ミニーニャ　13.ジェローム

14.マスキュリン+ジェイムズ　15.キャンディス　16.ナナナ　17.グレミィ　

18.ニャンゾル　19.ジゼル

dice1d19=6 (6)

>>179　ルキアは死神陣営で唯一影の領域を知っていますから、彼女の機嫌を損ねないようそれなりに気を付けています。

[182 二次元好きの匿名さん 23/12/12(火) 08:55:14]

浦原さんからしたら最悪の事態になった場合封印する手段はあってもそこまで追い込めそうなのは一護の潜在能力か崩玉や魂魄に直接干渉出来るアンナの侵入ぐらいしか無さそうだしなぁ

[183 二次元好きの匿名さん 23/12/12(火) 09:09:57]

これ鬼道打ち込みルートとは別ルートでバックドアの仕掛け準備してるのか

[184 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/12(火) 14:17:45]

「う～ん、どうしたら出来るんだろう……」
　井上織姫は下校せず、校舎裏で双天帰盾の訓練をしていたが早くも行き詰っていた。
「これがダメなのかなぁ……」
　広げたハンカチの上に置かれている、かりんとう。半分食べては元に戻して、また食べるを繰り返していた。
「ちょっと休憩しよう」
　織姫はかりんとうを全て食べて、浦原喜助に助言を求めてみようと考えるも頼り過ぎは良くないとも思った。
「頼れる人、盾舜六花をよく知っている人……あっ！！」
　織姫は浦原以外を考えて、この力をよく理解いる人物に思い至った。
「――舜桜（しゅんおう）くん」
　花型ヘアピンに触れて名を呼べば一弁が欠け、長髪をポニーテールに纏めた中華風の衣装を着た糸目の小人が姿を見せる。
　舜桜は六体からなる盾舜六花のリーダー格で、初めて織姫が力を行使する際にその使い方を教えてくれた。
「やあ、織姫さん。久しぶり！　ちゃんと聴こえていたよ、ぼくにアドバイスしてほしいの？」
「うん、どうしたら浦原さんの言っていた事が出来るのかなって……舜桜くんは知っている？」
「もちろん！　でもね……」
「もしかして、双天帰盾じゃダメ？」
　織姫はここ数日の訓練で感じていた事を口にする。
「うん、双天帰盾は盾の内側にある『破壊』を『拒絶』する力だから。対象の『存在』を『拒絶』は出来ないよ」
「そっかぁ……――舜桜くん。そういう術があるなら教えて！」
「教えるのはいいよ、ぼくらはキミの力そのものだから。でも『存在』の『拒絶』――『六天喪盾（りくてんそうしゅ）』は、ぼくら全員を使う上に織姫さんにも強い殺意の心が必要だよ」
「さ、殺意の心……」
　舜桜から告げられる、自分には縁遠い言葉に織姫は困惑する。
「盾舜六花は、心と言霊で強くも弱くもなれる……崩玉を本当に無へ帰すなら、キミは見た事もない物へ、強く憎み、激しく妬み、一片も存在を許せないほどの強い殺意と害意を、負に満ちた言霊を向けられる？」
「そ、それは――」
　人ではなく物に対して黒い感情を向ける。中学時代に自分を虐めた女子生徒たちを殺したいほど憎んだ事も、彼女たちの存在を認めないほど拒絶の記憶もない……護ってくれる人がいてくれたから。
　六天喪盾がどれほど難しいかを理解し、織姫の表情は硬く言葉に詰まった。
「無理しないで、織姫さん」
　舜桜は気持ちを伝えて、ヘアピンに戻って行った。

[185 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/12(火) 14:18:30]

展開ダイス

1.見えざる帝国　2.乱菊＆一角　3.日番谷＆チャド　4.バンビエッタ＆雨竜

dice1d4=4 (4)

1の場合、見えざる帝国（除外、皇帝・ロイド・べレニケ・親衛隊）。

1.ハッシュヴァルト　2.アスキン　3.エス・ノト　4.リルトット　5.バズビー　6.蒼都　7.キルゲ

8.BG9　9.ぺぺ　10.ロバート　11.ドリスコール　12.ミニーニャ　13.ジェローム

14.マスキュリン+ジェイムズ　15.キャンディス　16.ナナナ　17.グレミィ　

18.ニャンゾル　19.ジゼル

dice1d19=1 (1)

>>182　何事も手段は多い方がいいですから、千の手段を用意して一つ使えば上出来が浦原喜助の座右の銘ですから。

>>183　肉体的にどうしようもない時は、内側から徐々に崩すしかありませんからね。

[186 二次元好きの匿名さん 23/12/12(火) 23:52:18]

ほしゅ

[187 二次元好きの匿名さん 23/12/13(水) 09:31:38]

バンビエッタ＆雨竜は以前出た『二百年前の殲滅戦を生き延びた滅却師の復讐に巻き込まれるかもしれない』案件について訊きに行くターンかな

[188 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/13(水) 17:38:09]

「黒崎さん、ちょっと僕と付き合ってくれないかな？」
　放課後、石田雨竜はバンビエッタの教室を訪れ、まるでデートに誘うかのように彼女を呼んだ。
「別にいいけど」
　教科書とノートを学生カバンに入れて、彼女は雨竜に付いて廊下を歩いて行く。向かう先は学校の外ではなく、誰もいない屋上……向かう間、バンビエッタは彼が何の用で自分を呼んだか考えていた。
「黒崎さん。滅却師たちの現状について教えてほしい」
　屋上で相対する雨竜の表情は真顔で、父親の竜弦と何か話したと悟るバンビエッタは真剣な視線から顔を背けた。
「具体的に、何を聞きたいのよ」
「……二週間前の大量失踪事件の犯人である滅却師について」
　バンビエッタの脳裏にべレニケの顔が浮かぶ。
「竜弦に、あたしに聞けと言われたわけ？」
　バンビエッタの質問に、雨竜は無言で首を縦に振る。
「もう……――知ってどうするのよ、正義感から犯人を追う気？」
「いや、そこまでは……僕はあの失踪事件は、二百年前の殲滅戦を生き延びた滅却師の復讐劇のための犯行と考えている。命を対価にする大規模呪法は存在するからね……今回は浦原さんたちが退けたかもしれない、でも油断は出来ない……だから、黒崎さんの知っている滅却師の情報がほしい」
　バンビエッタの面倒・言いたくない雰囲気を悟りながらも、雨竜は頭を下げて乞う。
「ふーん、確かにそういう考えも出来るわね」
雨竜を想像力豊かな子と思いながら、バンビエッタはどの程度情報開示をしようと考えながら声に出す。
「誘拐犯は、滅却師べレニケ・ガブリエリ……目的はあんたが考えているような復讐じゃなくて、多分……あたしが裏切り者か確かめるためね」
「……確かめる？」
　バンビエッタに自分の考えがあっさり否定されつつも、雨竜は彼女とべレニケになる人物の関係性が気になった。
「ええ、あたしが宗弦と同じように組織を離れ、死神側に味方しているか確かめるためにね」
「……宗弦？　それは僕の師匠、石田宗弦の事を言っているのか？」
「そうよ。あたしは十年前、石田宗弦が昔に属していた滅却師だけで構成された組織の命令で、空座町にやった来たのよ。べレニケとは親しくもないただの仲間ね」
「！」
　バンビエッタの告白に、雨竜はトンカチで殴られたような強い衝撃を受けた。

[189 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/13(水) 17:38:38]

「大丈夫？」
　バンビエッタは、大きく目を見開き石のように固まる雨竜を珍しく気遣う。
「あぁ……も、問題ない。話を続けてくれ、特に石田宗弦について」
　固まる表情とずれた眼鏡を直した雨竜は、平静を装っているのは誰の眼にも明らかだった。
「宗弦についてはほぼ知らないわよ。あたしよりも前に組織を勝手に抜けただけ……それ以上は知らないわ」
「竜弦は、その事を？」
「――知ってるわ。あいつは宗弦の書記を持っているはずよ」
　師匠の書記、雨竜の記憶は宗弦が手帳を持っていた事は憶えていた。それが父親が継いだ物か判らないものの、また父親に訊きたい事が生まれた。
「次に、その滅却師の組織について、どこまで教えられる？」
「――組織構成だけ。ボスの下に星十字騎士団（シュテルン・リッター）という部隊があって、護廷十三隊の隊長相当の聖章騎士(ヴェルトリッヒ）が二十八人、うち三人が直属の親衛隊。その下に席官相当の聖兵(ゾルダート)が……千人以上かな？」
「そんな武力をどこに――いや、死神たちか。黒崎さんは？」
「聖章騎士よ、べレニケもそうだけど。どこに拠点があるかは教えないけど」
　しれっと自分の強さは隊長格だというバンビエッタに、雨竜は何も言わずなるほどと頷くだけ。
「じゃあ、君が受けた命令ついては？」
「教えないわよ。でも、その途中で藍染惣右介と戦う事になったのよ……ま、負けたけど」
　それくらいなら、滅却師十字を渡した時に教えても良かったじゃないかと内心で思う雨竜だったが、女心は気まぐれで解らないため言わない事にした。
「なぜ今頃になって、君の裏切りの是非を問いに来たと思う？」
「あんたたちが瀞霊廷で暴れたからでしょ。調査の過程で、十年前から行方知れずのあたしを見つけたんでしょ」
「――彼らも見ていたのか。いや、死神に敵対するなら諜報は当然か」
　なら失踪事件のきっかけは僕らじゃないかと、雨竜はこれを黒崎一護に共有するべきか悩む。
「とりあえず教えるのはここまで。死神と一護たちには教えなくていいから――絶対に！」
　彼の思考を見透かすように釘を刺したバンビエッタは、屋上から去って行った。

[190 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/13(水) 17:39:02]

展開ダイス

1.見えざる帝国　2.一護＆バンビエッタ＆ルキア（戦闘に続く）

dice1d2=1 (1)

1の場合、見えざる帝国（除外、皇帝・ロイド・べレニケ・親衛隊）

1.ハッシュヴァルト　2.アスキン　3.エス・ノト　4.リルトット　5.バズビー　6.蒼都　7.キルゲ

8.BG9　9.ぺぺ　10.ロバート　11.ドリスコール　12.ミニーニャ　13.ジェローム

14.マスキュリン+ジェイムズ　15.キャンディス　16.ナナナ　17.グレミィ　

18.ニャンゾル　19.ジゼル

dice1d19=2 (2)

[191 二次元好きの匿名さん 23/12/13(水) 21:45:06]

石田の想像通りだったら色々と楽だったんだけどなぁ
石田に問われたら竜弦からは余計なことを話したなと思いそう

[192 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/14(木) 00:52:15]

　銀架城内、アスキン・ナックルヴァールは好物のカフェオレを飲み、午後を過ごしていた。
　窓から見える空模様はいつも赤黒く、城下の景色も寂しく代わり映えもないため、彼の日常を鮮やかにする事はなかった。
「自分で言い出したとはいえ、期限三日は短いねェ～。これじゃあゆっくり買い物も出来やしねェ」
　べレニケ・ガブリエリの失敗を受けて騎士団長ハッシュヴァルトは、最初に派遣を提案したアスキンの派遣を決定した。
「ま、俺はべレニケみたいに騒動を起こす気はないし、平和的にやるけどな」
　カフェオレを嗜みながらも、彼はバンビエッタ・バスターバインとの相性を考えていた。聖文字抜きの純粋な戦闘力なら十年前では自分に分がある。しかし、聖文字だけに限って言えば『致死量』は『侵入』相手に噛み合わない。
　『致死量』は霊体にダメージを与える攻撃なら即死でなければ勝てる。しかし、魂魄を直接狙った霊的干渉・概念的能力・物理攻撃には全く通じない……『侵入』は後者の部類だ。
「けど、俺力勝負嫌いなんだよ。全然オシャレじゃねェから」
　最初から敵と判っていれば、一気に『致死量』をぶち込んで仕留めるが、この任務はまずバンビエッタの状態を確認してから、その後の状況次第では戦闘あるいは帝国に連れ戻す事が決まっている。
「だからよ、俺と一緒に現世へ行こうぜ」
　とアスキンは向かいの席に座る、ヒトデのようにカットされた髪の先を三つ編みにした髪型に、大型のオレンジのゴーグルを付け、歯はオセロの如き白黒と個性的でオシャレな褐色肌の細身の男――聖章騎士『無防備（The Underbelly）』ナナナ・ナジャークープを誘った。
「うん？　あんた一人芝居していなかったのか、一人で勝手にべらべら話すからこっちを認識してねえと思ったぞ」
「イヤイヤ！　ちゃんとお茶に誘っただろ！？　まあ、今のは独り言が過ぎたのは認めるけど……返事は？」
「あ～……特にする事もねえな。いいぜ、同行してやるよ」
　ナナナの同意にアスキンの口角が上がる。彼の聖文字は非戦闘型だが、条件を満たせば捕縛に一番適した能力でもある。
「ありがとよ」
「けどよぉ、現世での買い物代はお前に請求するから覚悟しな」
「オイオイ、そりゃぁ致命的だ」
　青ざめるアスキンにナナナの口角が釣り上がり、白黒の歯を覗かせた。

[193 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/14(木) 00:52:41]

アスキン・ナックルヴァール　戦闘力dice1d100=82 (82)　+50（聖章騎士補正）

＊最低値70

ナナナ・ナジャークープ　戦闘力dice1d100=86 (86)　+50（聖章騎士補正）

＊最低値66

展開ダイス

1.アスキン＆ナナナ　2.バンビエッタ＆織姫　3.ルキア＆恋次　4.一護＆浦原

dice1d4=1 (1)

>>191　雨竜の復讐劇の部分はあながち間違いじゃありませんから。バンビちゃんに任せた以上は、それで息子が被害を被る事になっても自分で言わなかった竜弦が悪いのです。

[194 二次元好きの匿名さん 23/12/14(木) 02:56:49]

アンナは戦闘力上昇は高いアベレージで推移していたがここにきてほぼ同等のやつが二人で来るとは…
ナナナは聖章騎士の中でも高い忠誠心の持ち主だから戦闘訓練も真面目にこなしてこの数値なら納得
ダイスが上手く回ってアンナが逃げ切れればいいけれど

[195 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/14(木) 09:31:18]

一部好感度ダイスをしていない部分があるキャラがいるので、ダイス。

バンビちゃんからの好感度ダイス

コンdice1d100=28 (28)　　本匠千鶴dice1d100=63 (63)　　小川みちるdice1d100=59 (59)

国枝鈴dice1d100=2 (2)　　夏井真花dice1d100=17 (17)　　阿散井恋次dice1d100=87 (87)

朽木白哉dice1d100=37 (37)　日番谷冬獅郎dice1d100=22 (22)　/日番谷からのバンビちゃんへの好感度dice1d100=8 (8)

[196 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/14(木) 18:01:03]

「ん～いい天気だ。やっぱり、空の色はこうじゃなきゃな」
　早朝、現世にやって来たアスキンは、見えざる帝国では見る事が叶わない青空を上機嫌で見上げる。
「そーか？　あんま気にしたねえな」
　彼の隣で、ゴーグルを拭くナナナは空の色には興味がなかったので下を向いていた。
　二人は当然のように変装している。アスキンは前髪を片面を隠し伊達眼鏡にシャレた洋服を着こなし、ナナナは黒ゴーグルにカジュアルで丈の短い夏服を着ていた。
　仕事の出来るエリートな伊達男といくつになっても夢を追いかけるDJという異色の組み合わせに、周囲の視線は自然と向けられた。
「なんか……目立ってねえか？」
「俺らがオシャレだからだろ？　気にすんなよ」
　注目される事に悪い気がしないアスキンは、疑問を抱えるナナナを連れて歩き出した。
「それで、初日はどうするんだ？」
「まずは地理の把握だ。どこに何があるか把握してからでも悪くないだろ？　初日からバンビと接触する気はねェよ、けど明日には接触して状態を確かめる。ま……べレニケの件を踏まえて、死神がバンビに網を張っているかもな」
　その可能性はとても高い。死神がどの程度こちらを把握しているのか未知な上、特記戦力の黒崎一護と浦原喜助も控えている。
「じゃあ、どうするんだ。作戦は考えているんだろな？」
　メインで戦うのはお前なんだからしっかり考えてくれよ、そうナナナは思いつつアスキンにゴーグル越しに視線を向ける。
「安心しろって、ちゃーんと考えてあるから。二日目からは――」
　アスキンは作戦を告げる……それを聞いたナナナの眉間にしわが寄り、それは名案だとはとても言えなかった。
「正気かよ、網とか言っているのに」
「他に手がねェもん。さすがに死神もいきなり殴り込みにはこれねェだろ」
「はぁ～……」
　これは捕まるの覚悟した方がいいような気がしたナナナは、現世に来ない方が良かったと早くも後悔し始めた。
「落ち込むなって、最低限バンビの状態を確認しておけばお咎め無しと、次期皇帝から言質取ったんだ。気楽に行こうぜ、きらーくにさ」
　余裕ある男を心掛けるアスキンは、落ち込むナナナの肩を優しく叩く。
「……観察しておく」
「ああ、それがいい。頼んだぜ、相棒。バズビーに負けない髪型のためになっ」
「意味分かんないねえ」
　最悪、アスキンの野郎を囮に逃げればいいと思うナナナであった。

[197 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/14(木) 18:01:23]

展開ダイス

1.日番谷＆乱菊　2.黒崎一護　3.夜一（猫）4.バンビエッタ

dice1d4=2 (2)

[198 二次元好きの匿名さん 23/12/14(木) 22:14:28]

2人も居るし状態の確認だけならまぁやりようはあるよね

[200 スレ主◆rhJ3hMLWbY 23/12/15(金) 00:48:27]

【🎲・SS・閲覧注意】バンビちゃんの聖文字『E』の能力が　5｜あにまん掲示板