- 1二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:25:00
「私は、あなたたち人間から『夢でもあなたを想う』なんて花言葉を貰ったの」
クラリアの蟲惑魔はあくびをしてから、そんなことをあなたに話しかけた。
「私たちは受けた恩を忘れない。必ず恩返しをする。そのために来たの」
なるほど、とあなたは思った。彼女がなぜあなたの家を訪れたのか理由がわかった。
けれど、チャイムがなったので玄関を開けてみると玄関先で眠った彼女を見つけた。
揺すっても擦っても起きないので仕方なく家に入れた。
ようやく起きた彼女はまだ半分眠っていたので、眠気覚ましにお茶を入れた。
それで『恩返し』とは一体何なのかとあなたは聞いた。
「また1つ恩ができちゃったわね。でも『夢でもあなたを想う』から」
夢でも想うのは免罪符ではないぞ、とあなたは釘を刺しておいた。
そもそも、あなたはこの蟲惑魔のことを知らない。恩返しと言われてもピンと来ないのだ。
普通は警戒するだろう。相手が蟲惑魔ならばなおさらだ。
そんな風に警戒するあなたの膝にぴょんとうさぎのようなものが乗ってきた。ウサ吉であった。
それは2年ほど前にあなたの部屋に住み着いた不思議な生き物だった。半透明なその生き物はあなたによく懐いていた。撫でられるのが好きで水と陽の光があれば食事は必要としないようだった。
「それも私なの。撫でて欲しいな」
あなたはその子撫で回した。昔みたいにワシワシと撫でると嬉しそうに体を擦り付けてきた。
「やっぱり私も撫でて欲しい……」
クラリアの蟲惑魔はそう言うとあなたの隣に座った。あなたは恐る恐るクラリアの蟲惑魔を撫でた。
恐らく彼女はこのウサ吉の飼い主かなにかだったのだろう。そうあなたは納得することにした。 - 2二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:25:34
それからあなたの部屋に彼女が暮らすようになった。元々恩返しをするつもりだったのか、クラリアの蟲惑魔はあなたの手伝いをよくしてくれる。掃除や洗濯から料理までだ。
そのおかげであなたの家事の負担が減った。特に料理は毎日食べるものだったので大変助かっていた。
そんな生活の中で、あなたは彼女に色々なものを食べさせた。
「恩を返してるのに増やしてる気がする」と彼女は言っていたが、結局は全部食べてくれた。
彼女が家に住むようになって数日後に異変は起こった。うさぎのような生き物が増えているのだ。2年前は水と陽の光だけで食事は必要なかったのだが、増えることはなかった。
お昼寝を終えた彼女に聞いてみると、目を擦りながら答えてくれた。
「それは私だよ。人間で言うところの『株分け』だよ。そっちの私も可愛がってあげてね」
人間は株分けしないとあなたは反論した。
「そうなんだね。でも私はそうしないと増えないよ」
そういうものなのだろうか。あなたにはよくわからなかった。2匹になったウサ吉を両手で撫でる。
どちらが元からいたウサ吉なのかあなたは分からなかった。
それからもウサ吉は増え続けて、あなたはついに10匹以上のウサ吉を飼育することになっていた。
幸いにもウサ吉は手間が掛からない生き物だ。水と陽の光だけですくすくと育っていく。
家に帰るとたくさんのウサ吉とクラリアの蟲惑魔が出迎えてくれる。こんな生活も悪くないと思った。 - 3二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:26:11
ある日家に帰るとクラリアの蟲惑魔が2人になっていた。あなたは流石におかしいと思いクラリアに聞いてみることにした。
「私はあなた言うウサ吉からこの体になるんだ」
「また1つ恩が出来ちゃったね。この恩も返さないと」
2人のクラリアは同時に同じ言葉を言った。あなたの足元には10匹以上ウサ吉が絡みついている。
この子達もちゃんと育てば彼女のようになるのだろうか。
その日あなたは夢を見た。ウサ吉と遊ぶ夢だ。あなたのお腹の上にいるうさぎのような生き物はどんどん大きくなっていく。重いと感じて退かそうとしてもピクリとも動かない。
あなたは目を覚ますと3人のクラリアに見つめられていた。クラリアの夢を見たよ、と伝えると。
「そうだったのね。私と同じね」
3人の蟲惑魔は嬉しそうに笑った。
おわり? - 4二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:29:44
- 5二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:31:26
保護
- 6二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:31:47
添い寝
- 7二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:31:53
ラッシュ
- 8二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:32:06
部屋で布団を掛ける
- 9二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:32:18
運動
- 10二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:38:25
流石に玄関先に放置しておくのは気が引ける。
あなたは少女のようなものを両手で抱えて運ぶことにした。この蟲惑魔はとても軽かった。
部屋の中に運び毛布を掛ける。彼女はまだスヤスヤと眠っているようだ。
あなたは蟲惑魔が出たと通報すべきかと思ったが、話を聞くぐらいならいいだろうと思った。
「う…ううん……」
しばらくすると彼女が目を覚ます。ぼーっとあなたの顔を眺めていた。
「そう、そうだったわね。あの時助けてもらった蟲惑魔です。恩返しに来ました」
あなたは蟲惑魔を助けた記憶はなかった。人違いではないかと彼女に尋ねた。
「いいえ、忘れもしないわ。>>14してくれたでしょう?」
- 11二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:43:24
風呂にいれて
- 12二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:44:12
タダ飯
- 13二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:44:33
罠を外
- 14二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:44:50
添い寝
- 15二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:52:38
当然、添い寝をした記憶はない。あなたが思い出そうとしていると彼女はとても悲しそうな顔をした。
「そんな…私と添い寝をしたことを思い出せないの?」
残念ながら、とあなたは言った。
「なら、添い寝をすれば思い出すかもしれないわね」
この少女のようなものの勢いに負けてあなたは彼女と添い寝をすることになった。
「あの時は名乗ることが出来なかった。私はクラリアの蟲惑魔と呼ばれているの」
クラリアは添い寝をしながらあなたに話しかけてくる。
あなたはクラリアの横で寝転びながら>>18を思っていた。
- 16二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:57:44
昔の彼女
- 17二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:58:40
クラリアの処遇
- 18二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 20:58:53
昔育ててた植物
- 19二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:08:58
昔、小さなプランターでお花を育てていた。自分の部屋の窓辺に置いて毎日世話をしていた。
あの時の花が蟲惑魔になったと思ったが、すぐに打ち消した。そんなおかしな話があるはずないのだ。
そして今の状況がおかしいことにも気がついた。
無防備な姿だったとはいえ、蟲惑魔のような化物を家の中に入れた。そして言われるがまま添い寝をしている。
蟲惑魔の中には油断を誘い、捕食するものがいるという。フレシアとプティカは2人で穏やかな空気を作るという話を聞いたことがある。
あなたはクラリアのことを観察することにした。そして>>22であることが分かった。
- 20二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:11:46
既に術中
- 21二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:12:15
ておくれ
- 22二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:12:18
- 23二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:15:10
もう助からないぞ
- 24二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:16:52
このレスは削除されています
- 25二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:17:40
なんてことだ
- 26二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:18:39
クラリアはかわいい。彼女の安心した寝顔を見ていると、あなたの心が安らいでいく。
「すぅ……すぅ……」
このように無防備に寝ているなら罠が仕掛けられているはずがない。
何に恩返しに来たというのは分からないが、彼女がいるなら幸せになれそうだ。
あなたはこれ以降クラリアの言葉に疑問を持つことはなくなった。
クラリアが恩返しと称して一緒に暮らすようになった。
家の中のことはクラリアがやってくれるのであなたの負担は軽くなった。
「私、>>29が食べたいなぁ」
クラリアが願望を言うのは珍しかった。あなたは出来るだけ叶えてあげたいと思った。
- 27二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:19:18
天丼
- 28二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:19:29
ハンバーガー
- 29二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:19:42
ステーキ
- 30二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:24:36
彼女が肉を食べたいなら用意することにした。
あなたは肉屋に行き、一番高いステーキを買った。
「わぁ、すごく美味しそうね」
肉を見せるとクラリアが喜んでいる。それだけであなたは嬉しかった。早速、調理しようとすると、クラリアの触手が肉の表面の血を啜っているようだった。
「あっ、料理するのね。ちょっと血が珍しかったから」
彼女は恥ずかしそうに笑った。その姿を見てあなたは>>33だと思った。
- 31二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:27:42
肉食系女子
- 32二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:30:31
余程の空腹
- 33二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:30:41
普通の女の子
- 34二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:31:21
ダメだ……おしまいだ……
- 35二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:31:54
南無
- 36二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:37:01
ま、まだ私が人間ではない可能性もあるから…
- 37二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:37:30
クラリアは普通の女の子。育ち盛りの普通の女の子だ。
余程お腹が空いていたのだろう。あなたは急いで料理することにした。
出来た料理を彼女はペロリと平らげた。
「美味しかった。ごちそうさま」
夕食後に彼女はあなたにすり寄ってきた。あなたはクラリアになにがあったか聞いた。
「お肉を食べたから、ちょっと元気になっちゃったの……」
彼女はあなたに体重を預けてくる。
「今日は一緒にお風呂に入らない?」
クラリアの蟲惑魔はそう聞いてきた。あなたは>>39と答えた。
- 38二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:38:12
はい
- 39二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:38:26
是
- 40二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:38:40
やだよ
- 41二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:47:46
据え膳食わぬはなんとやらだ。あなたは意気揚々と服を脱ぎ、風呂場に入っていく。
あなたはシャワーカーテンをして湯船に浸かっていた。
クラリアが入ってくるのを待ちながらぼんやりと色んなことを考えていた。
ヒッチコックの『サイコ』。最もパロディされているであろうシャワーでの殺人シーンがある映画だ。
『エルム街の悪夢』あのシーンはフィギュアにもなっている。
あまりパロディされないが『シャイニング』での風呂場のシーンも中々に怖い。美しい女に誘われたと思ったら彼女が水死体に変わっていくのだ。
クラリアが入ってきたようだ。あなたは>>44することにした。
- 42二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:49:18
クラリアの背中洗いを
- 43二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:51:46
背中を委ねる
- 44二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 21:51:55
体を洗ってあげる(やましい気持ちはない)
- 45二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:01:04
あなたはクラリアの体を洗ってあげようと思った。
決してやましい気持ちはなく、彼女が来てからというもの助かっているからだ。
「体を洗いたいの?いいよ」
彼女の許可がおり、あなたは小さな背中を流すことにした。
疲れが取れるように、体が休まるように。
「気持ちいい……頭も洗って……」
クラリアは眠くなってきたようだ。こっくりこっくりと頭が動いている。
彼女の願いを叶えるべくあなたは頭も洗った。
洗い終えると彼女は眠ってしまったので、体を拭いて彼女をベッドまで運んだ。
あなたは服を着させようと思ったがうまくいかない。>>48しようと思った。
- 46二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:04:47
起きるまで添い寝
- 47二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:05:12
ドライヤー
- 48二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:05:21
一緒に毛布にくるまろう
- 49二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:11:01
あなたは一緒に毛布に包まった。これなら寒くないだろうと考えたからだ。
ふと、昔育てていたプランターのお花のことを思い出した。
あの日はとても寒くて暖房もない部屋ではあの花も枯れてしまうのではないかと思った。
今、クラリアにやっているように一緒の毛布に包まって眠ったのだ。
そんなことを考えている内にあなたは眠ってしまった。
翌朝起きるとクラリアの姿がなかった。もう起きたのだろうと探してみても家の中にいない。
あなたは>>52をすることにした。
- 50二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:12:27
プランターの様子を見る
- 51二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:13:58
失意の自殺
- 52二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:14:01
不安になって外に出て探す
- 53二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:19:06
あなたは不安になって外を探すことにした。
クラリアが遠くまで行くはずがない。彼女はすぐに力尽きて眠ってしまうはずだからだ。
あなたはずっと外で探し続けて、クラリアの蟲惑魔を見つけた。
「すぅ……」
彼女は出会った時のように眠っている。あなたは出会った時のように彼女を抱えて部屋で毛布を掛けることにした。
「どうしてこんなことをしたの?」
目を覚ましたクラリアがそんなことを聞いてきた。
「あなたを騙して食べるつもりだったんだよ。それとも気がついていなかったの?」
あなたは>>56と言った。
- 54二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:21:37
それは気が付いていた
- 55二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:22:53
気が付いてなかった
- 56二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:23:12
そうだとしても君が好きになった
- 57二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:23:12
食べられるのも良いかな
- 58二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:23:23
知っていたから探し回ったんだ。食べずに立ち去ろうとした理由が知りたい
- 59二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:30:09
「変なの」
彼女はうつむいた。けれどあなたの言葉に偽りがないことは分かったようだ。
「覚えてないくせに……」
クラリアの呟くように言った台詞をあなたは聞き逃さなかった。
ひょっとして本当にプランターのお花なの?とあなたは聞いた。
「言わない……」
クラリアは少し拗ねているようだった。
なぜ、昔あったプランターが今ないのかそれが鍵になるような気がする。昔育てていた植物は>>62したのだ。
- 60二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:32:31
枯死した
- 61二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:33:37
寄贈
- 62二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:33:46
大事にしていたが母親に捨てられてしまった
- 63二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:39:33
そうだ、とあなたは思った。大事にしていたが母親に捨てられてしまったのだ。
あの植物は勝手に捨てられてしまったのだ。そのことがショックであなたは今まで思い出すことが出来なかったのだ。
あなたはその事をクラリアに伝えた。
「そう。ずっとずっと…恨んでいた。育てておいて急に捨てるなんて……」
絶対に捨てないと、あなたはクラリアに伝えた。
「信じろっていうの?」
あなたは>>66をする。
- 64二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:40:11
抱擁
- 65二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:41:58
血判状を書く
- 66二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:42:03
ハグして深く口づける
- 67二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:42:47
ヒュー
- 68二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:49:47
あなたはクラリアを強く抱きしめた。そして深い口づけをした。
「夢の中でもあなたのこと思っていたの。大切にしてくれたのに捨てるなんて……絶対に殺してやるって……でも一緒に暮らしていたら……前と一緒で……」
それでもクラリアは殺せなかった。殺すぐらいなら離れることを選択したのだ。
「捨てないでよ。今度は殺すから……」
それからもあなたの部屋でクラリアは暮らしている。
おわり - 69二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:50:30
お疲れ様でした
大変素晴らしかった…… - 70二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:52:21
クラリアの元ネタのウサギゴケは繁殖力が強くニュージーランドでは侵略種とされているようです
- 71二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:52:28
良き……!
- 72二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 22:55:48
男の人生は美しくさみしがりなウサギに捕らわれたのだ…
結婚は人生の墓場っていうしある意味殺されたんだ - 73二次元好きの匿名さん23/12/08(金) 23:16:08
クラリアはかわいい>>22ということがわかった
- 74二次元好きの匿名さん23/12/09(土) 01:20:32
- 75二次元好きの匿名さん23/12/09(土) 08:35:37
スレ主、スレ民の友情の勝利だな
持ち前の文章力と雰囲気にあった安価がベストマッチだ