- 1二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 20:40:38
- 2二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 20:41:01
- 3二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 20:45:39
ありゃま?落ちたか…
- 4二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 20:45:55
すまねえ
- 5二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 20:46:23
立て乙
- 6二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 20:46:43
10時ぐらいと勘違いしてたぜ
- 7二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 20:46:54
10まで行こう
- 8二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 20:47:11
埋めろ
- 9二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 20:47:38
夏彦ゴメンね
- 10二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 20:48:19
ね
- 11二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 20:49:36
サンガツ!
- 12二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 20:54:44
ぐぬぬ、携帯がホスト規制さえされなければ・・・
- 13二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 20:55:09
開始はいつも通りですのでまた後程・・・(スレ主
- 14二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:18:29
再開します!マキマキと夏彦君は雑木林を進む。
真希「しっ、隠れろ」
真希の指示を受けて夏彦は息をひそめる。瀬戸の郎党たちもそれに合わせて隠れるなり石ころのふりをする。
夏彦「・・・呪霊ですか」
真希「ああ、すごい数だ」
まるで百鬼夜行だ、と真希が呟く。瀬戸の郎党も居るがそれを軽く超える量だ。
瀬戸の郎党、生成にどれくらい成功した?
dice1d20=7 (7)
対する呪霊の数
dice1d200=30 (30) +50
- 15二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:21:02
7対80…かろうじてドローやね…
- 16二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:21:30
直哉さん大負けなんすよ…
- 17二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:22:27
真希「ざっと50以上はいるな・・・どうするか」
夏彦「数の不利は奇襲で埋めるか、それとも瀬戸の郎党を増やす算段をつけるか・・・」
真希「指揮してる奴がいるのか、呪霊を呼び寄せるなにかがあるのか、それも気になるよな」
どうする?
dice1d2=2 (2)
1奇襲する 2様子を見る
- 18二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:23:50
作戦は大事
- 19二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:24:21
呪霊には気をつけよリアルでもね…
- 20二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:24:48
なんかあったんです…ああアレか
- 21二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:28:25
蹴散らすのも疲れるからね、そう言えばあの矢はもう持ってるのかな?棘鏃みたいな名前のやつ
- 22二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:30:11
夏彦「彼らがなんでこんなに集まってるのか理由を探る必要がありますね」
真希「そうだな、よし・・・このまま隠れながら進むぞ」
先に進む二人、呪霊たちは無秩序に動いているように見えて周囲を巡回するように動いている。まるで見張りだ。
この様子だと彼らは何かに命令をうけて動いているのではないかと二人は考える。
夏彦はこっそりと小型の双眼鏡で見る。すると・・・
夏彦「人型がいる・・・呪霊というより・・・怨霊かな」
真希「マジか、呪霊を操るタイプとなると厄介だぞ」
アクシデントが・・・?
dice1d2=1 (1)
1起きる 2起きない
- 23二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:30:45
起きちゃったか〜
- 24二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:31:58
荒棘の事?分からないイッチに聞いてみて
- 25二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:34:04
弓は持ってきてません、かさばるのと今回は単独ではないので誤射の危険のある武器は携帯してません。
真希「怨霊のタイプはなんだ?」
夏彦「え?」
小声でしゃべっているため夏彦は聞き返した。真希は声のトーンを上げずに距離を詰めて聞き直そうとしたが
不意に彼女の髪が夏彦の顔に当たった。
夏彦「ちょ、髪の毛・・・」
真希「あ?」
夏彦「は・・・くしゅん!」
くしゃみと同時に周囲の呪霊が一斉にこっちを向いた。 - 26二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:35:13
サンクス!夏彦以外はヤバそうだもんね
- 27二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:35:43
おバカアクシデンツ
- 28二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:45:19
真希「バレた!くしゃみなんかすんなよ!」
夏彦「だって髪の毛が・・・」
隠れていた叢から飛び出した二人は武器と拳を構える。瀬戸の郎党たちも物陰から躍り出て各々が攻撃体勢に。
夏彦「攻撃!」
指示を飛ばすと瀬戸の郎党たちはコンクリートと鉄筋の混じったからだを揺すりながら呪霊に立ち向かう。
郎党「グォッ!」
呪力を帯びた彼らの体は素材の耐久性も相まって非常に強力だ。殴り合っているものも居れば鉄筋で繋がったコンクリート片をハンマーのように振り回しているものもいる。
真希「ははっ!こりゃいいや!夏彦!数は増やせねえのか?」
向かってくる呪霊を大刀で三枚におろしながら真希は楽し気に言う。
夏彦「素材が無い事には・・・ここら辺は樹木も生きてるから使えないんだよね」
印を組んで足を踏み鳴らしてみるも。小石などが細々反応しては夏彦の足元をうろうろと歩いている。
もちろん物の数に入らないので迫る呪霊は夏彦が殴り倒している。 - 29二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:47:43
小石くん達カワよ
- 30二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 22:48:24
やっぱりこうやって描写されてとめちゃ便利だし原作にもいそうな呪術だよね付喪神
- 31二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 23:02:35
真希「夏彦!なんか小さいのしか増えてないぞ!」
夏彦「仕方ない、ここら辺どうにも粘土質だ・・・粘土質だと造形に時間がかかるんだ・・・」
小石が集まってできた付喪神は懸命に動いているが大体蹴飛ばされて転がっていくばかり。
真希「!・・・うおっ!?」
そんな時、真希の頭を狙った矢が飛んできた。体を捻って躱し、体勢が崩れた真希を庇うように瀬戸の郎党の一人がカバーに入りつつ迫る呪霊にタックルをかました。
真希「っと・・・なんか飛んで来やがった!」
さんきゅー!と大刀の石突で小突くと自慢げに息を吐いて瀬戸の郎党はまた呪霊に立ち向かっていく。
2発目が飛来したのを今度は余裕をもって叩き落すと真希はそれが矢であることをようやく理解した。
真希「矢・・・?呪霊の奴が撃ってるのか!」
眼を凝らすと呪霊の群れの奥から一人の鎧武者風の呪霊が弓を引き絞っているのが見えた。 - 32二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 23:04:22
産まれ出る付喪神は主人が夏彦なだけあってみんな可愛いな
- 33二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 23:05:08
よくよく考えなくても低級呪霊とはいえ80体はかなりヤバい任務だなこれ
- 34二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 23:05:34
石突で小突くの良いな
- 35二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 23:07:58
いいよね真希の良さも伝わって
- 36二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 23:19:32
夏彦「そいつだ!怨霊だと思う!そいつの経験と怨念が呪霊を従えてるんだ!」
真希「なるほど、指揮者の経験があるサムライってか!」
三の矢、四の矢が飛び来るのを叩き落しつつじりじりと進む。その後、真希は弓を再び引き絞る武者を見て地面を蹴って即座に距離を詰めた。
真希「もらった・・・っ!?」
構えていた弓をそのままに武者は弓の下部分を振り上げた。咄嗟に体を捻って通り過ぎたがその際に掠めたらしい肩から血が噴き出した。
夏彦「真希!」
真希「かすり傷だ!・・・くそ、珍しいもん使いやがって」
弓の端、末耳の部分に刃がついている。咄嗟の奇襲回避につけられたものだろうか。
武者「ムゥゥゥ・・・」
武者が弓を捨てると、隣にいた呪霊を捕まえる。すると呪霊が形を槍に変えて彼の手に収まった。
真希「術式か?便利じゃねーか!」
武者は悪い足場をものともせず、すり足で真希のところへと迫ってくる。 - 37二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 23:32:19
互いの間合いがじりじりと狭まり、触れ合った刹那。火花が散った。
真希「ふっ!」
武者「カッ!」
互いに武器をぶつけ合い、細かい傷が増え始める。
真希「くっ!」
武者「ムムム!」
その最中に武者がじりじりと下がり始めた。
真希「ビビったか?オラっ!」
武者「・・・」
攻撃が受け中心へと変わっていき、徐々に下がる。それを繰り返しながら武者は下がっていく。 - 38二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 23:36:33
さす真希
- 39二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 23:36:44
強い
- 40二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 23:37:10
メスゴリラの本領や
- 41二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 23:41:51
もう少しだ!真希がそう思った時だった。
真希「がっ・・・!?」
背後から不意に衝撃が走った。
夏彦「真希っ!」
視界が一瞬明滅し、夏彦の声が遠い。分断されたと気が付いたのは複数の呪霊の声が背中から聞こえて来た時だった。
真希「ぐ、しまった・・・嵌められた・・・」
瀬戸の郎党が一体、真希の危機を察知して方向転換したが呪霊の数が多く、すぐに足止めを食らった。夏彦が郎党を踏み台にして近づいたが同様に足止めが入った。
真希(くそ、当たり所が悪い・・・目が霞みやがる・・・!)
武者の入れ知恵か、攻撃がダイレクトに後頭部に入ったらしい、視界が歪むのを頭をふってどうにか立て直しつつ武者が再び前に出てきたのに備える。 - 42二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 23:49:24
武者「カカカ」
武者が槍を捨てて刀剣に持ち替えた。まるで今から首を取らんとするようだ。
真希「・・・なめんなよ、まだ勝った気になるには早い!」
武者「御首級・・・頂戴!」
りぃん、と鈴が鳴った気がした。すると視界が突然歪み、地面を見ている状態になった。
真希「なんだ・・・座って・・・」
首筋に殺気を感じて真希は咄嗟に後ろに転がった。するとそれにすこし遅れて武者の刀が降り降ろされ、空を切った。
真希「くそっ!なんだ・・・?!私がいつの間にかここに・・・!」
気が付けば大刀も持っておらず、夏彦たちからさらに遠い距離に移っている。
真希「術式・・・!?簡易領域・・・?」
混乱をゆがむ視界が増長させる。 - 43二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 23:50:58
一瞬呪具による幻術かと思ったがどうだろ
- 44二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 23:52:10
正攻法だけでなく絡め手もガッツリ使ってくる武者 境井仁かな?
- 45二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 23:52:31
誉れ…
- 46二次元好きの匿名さん23/12/21(木) 23:59:58
真希「これ・・・は・・・?」
真希が混乱しながら大刀を探し、距離を取ろうとした時だった。
武者「御首級・・・頂戴!」
再び鈴の音が鳴った。すると自身の体が引っ張られるような感じがしたので真希は咄嗟に樹木を掴んでそれに耐えた。
真希「あの構え・・・鈴の音だ、なんだ?何が、これを引き起こすんだ・・・!?」
武者「咎人、白洲ノ前!」
ガクッっと足に力が入らなくなり、真希は膝をついてしまった。
真希「ぐ・・・」
膝をついた真希が顔をどうにか上げると・・・そこにあるものが見えた。
真希「慰霊碑・・・それにあの開けた場所・・・そうか、あそこは刑場か!首斬り場だ・・・!」
武者の姿に騙された!と真希は内心で毒づいた。こいつはサムライはサムライでも首打ちの役人。刑場に残った怨念が主体の呪霊なのだ - 47二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:04:00
なるほど武者ではなく首斬り役人 つまりそう言う体勢にさせられるのか
- 48二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:04:27
たくさんの呪霊がいた事も納得
- 49二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:15:22
真希(こいつは自分の領域に私を誘い込んだ・・・!縛りで術式を強化して・・・!)
恐らくは刑場の、斬首を行う場所に誘い込むことで強制的に相手を引き寄せることができるのだろう。
そして、頭部を狙ってバランス感覚を奪うことで引き寄せられたことに対する理解を遅らせ、必中ではない攻撃の命中精度を引き上げようとしたのだ。
真希「呪霊はお前が首を打った奴らの成れの果てか?」
武者「咎人、頭ヲ垂レヨ!」
ずん!と頭に重しが乗ったような感覚に真希は顔をしかめた。武者は何百回と行った動作を儀式として行うことで術式を強化しているらしい。呪力の乏しい真希だったが筋力でなんとかそれに対抗している。
真希「ぐぐぐ・・・!」
武者「頭ヲ、垂レヨ!」
いよいよヤバい!真希の頭が徐々に下がり、それと対照に武者は刀を振り上げる。
武者「ムオッ!」
刀が降り降ろされた。 - 50二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:18:13
こい!夏彦ガード!
- 51二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:24:08
武者「?!」
真希「ぐっ!」
首を鈍器で叩かれたような感覚だった。吐き気を堪えながら転がり、武者から距離を取る。
真希「何か硬いのが・・・あっ」
小さな瀬戸の郎党が咄嗟に飛び込んでガードしたらしい。半分に割れて役目を終えた小さな護衛はそのまま石ころに戻ってしまった。
真希「く・・・すまねえ、仇は打つ!」
歯を軋らせて立ち上がると数体の小さな瀬戸の郎党が大刀をよちよちと運んできた。それを拾い上げて真希は目の前の武者に向き直る。
真希「ぶっ飛ばしてやるからな!」
武者「・・・」
闘志を燃やす真希とは対照的に武者は傷ついた刀を見つめて慌てふためいたように周囲を伺っている。
真希「?」
不思議に思っていた真希だったが・・・。 - 52二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:26:45
瀬戸の郎党かわいすぎる…健気だし欲しいがすぎる
- 53二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:27:30
真希さんに一体瀬戸の郎党あげたくなってきた
- 54二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:28:01
夏彦君以外も守ってくれるの優秀ですこ
- 55二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:45:10
武者「ムオッ!ム・・・グォッ!?」
真希「?・・・縛りを破った反動か・・・?」
刑場で刑の執行をしくじったとあればそれは首切り役人にとって恥以外の何物でもない。術式で相手を無理やり斬首刑にするのだから反動も強いのかもしれないが・・・。
武者「グワーッ!」
頭を抱えて悲鳴を上げた武者の体が弾け、中からまるで液体が噴き出すように骸骨があふれ出した。
真希「今度はなんだ?!」
真希が混乱していると武者の使っていた刀がきりきりと宙を舞って彼女の目のまえに落ちた。
近寄ってみるとどうやらこの刀は本物らしい。刃こぼれはしているが刀身は美しく怪しい光を放っている。
真希「なるほど、ここのヤバいやつを封じ込めてた呪具が呪物になっちまったってか」
この地に発生する呪霊の動きを封じ込める力になっていた刀が自身に向けられた恐怖を帯びたせいで呪物となり、怨霊の所有物となっていたようだった。そして彼らの恐怖の象徴だった刀を持った呪霊が刑の執行をしくじったせいで刀が押さえつけていた呪霊が湯水のようにあふれ出したのだ。
真希「この量は流石にヤバいんじゃねえのか・・・?」
まるで間欠泉、骸骨の群れがあふれ出てゾンビのように周囲を徘徊し始める。呪霊達もお構いなしに集団で襲っては齧りついているようだ。
真希は大刀に瀬戸の郎党たちを引っ掛け、刀をついでに拾い上げて夏彦の元へ走り出した。 - 56二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:46:44
優しい
- 57二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:47:23
刀が本体みたいなもんだったのか
- 58二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:49:05
もしや来るか…昨日言っていた『極ノ番【塵塚怪王】』
- 59二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:49:27
急に生えてきたヤツ!
- 60二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:50:42
昨日見に行ったゲゲゲの映画をなぜか思い出したぜ
- 61二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:51:18
狂骨の所か…
- 62二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:52:51
すいません、いいところですが今日はここまでにしときます、明日も仕事だぁ・・・!
おやすみなさい(スレ主 - 63二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:56:28
おやすみなさいませ
- 64二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 00:56:46
おつかれ
- 65二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 07:48:19
保守
- 66二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 13:23:22
このレスは削除されています
- 67二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 13:24:39
保守
- 68二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 21:56:53
再開します、今日はちょっと早めに終わるかも・・・
- 69二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 21:59:31
了解
- 70二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 22:03:09
乙ー
- 71二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 22:11:23
真希「うおっ!おおおっ!これは・・・ヤバい!」
津波のように押し寄せる骸骨の群れ。追いつかれるというより噴出して放り上げられた骸骨たちが自分の近くに落下してくるので押し寄せる波以上に真希に追いすがる形になっている。
真希「夏彦ーっ!帳!帳張ってもらえ!これは目立ちすぎる!」
骸骨たちが時折噴火の噴石のように落下しては真希の足に縋りつこうとするのでその度に小刻みに飛んで回避する。
夏彦もさすがに仰天したのか携帯を取り出しながら瀬戸の郎党に指示を出して下がり始めた。
郎党「ガゴッ!」
真希「こっちはいい!飲み込まれるぞ!」
傘になろうとしたのか郎党が一体真希と並走し始める。真希に飛び来る骸骨を何度か払いのけたがいかんせん足がちょっと遅い。すぐに走るのに手いっぱいになってしまった。
郎党「ガゴーッ!?」
真希「ああっ!?」
躓いた郎党が転がって行き、骸骨の波にのまれた。幸か不幸かその分真希に追いすがる並は遠のいたが。 - 72二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 22:20:30
郎党〜!
- 73二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 22:33:25
犠牲になったのだ…
- 74二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 22:34:08
夏彦は先んじて雑木林を抜け、道路で待機していた伊地知に携帯で連絡をする。
夏彦「伊地知さん!すみません!数がヤバい!帳をお願いします!」
伊地知『わかりました!そちらの状況は・・・?」
夏彦「さっきも言いましたが数がとにかく多い!これ何級の任務でしたっけ!」
二級だったはずです、と伊地知が申し訳なさそうに言う。夏彦はわかりやすく不機嫌になったが伊地知に言ってもしょうがないことを思い出してとにかく視界に移らないようにしてもらうことに。
真希「わ、わ、わぁぁぁー!?」
骨の濁流に押し流されるように真希が夏彦のところへとやってきた。服を掴む骨を大刀と刀で払いのけながらなんとか夏彦の元へ戻る。
真希「ひどい目にあった・・・」
夏彦「・・・雑木林から出ないのか?こいつ・・・」
真希「呪霊はひとところにとどまる性質があるみたいだからな・・・ええいこの!」
裾を引っ張っていた骨を蹴り飛ばして大刀で叩き割る真希。 - 75二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 22:36:06
草
- 76二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 22:48:16
真希「手数が足りないな、郎党も一人取り残されたぞ」
夏彦「反応が残ってるからまだやられてはないはず、ただこの数だともっと郎党を呼ぶか大将を呼ばないと切り込むのもままならない・・・」
骸骨たちはうろうろと雑木林を彷徨い始めるが誰も雑木林から出ようとはしない。おそらくはまだあの刑場にしばられているのだろう。今は封じ込められているがその縛りがなくなればそれも怪しくなる。
真希「どっちにしろ一匹残らず片付けるしかねえな」
夏彦「仕方ない、残った郎党とで削っていきますか」
無事だった郎党を結集して夏彦と真希は再び雑木林に戻ることに。
骸骨どれくらい湧いた?
dice3d200=61 105 180 (346)
- 77二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 22:49:11
いすぎで草
- 78二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 22:49:42
もう少しで一年365日やん
- 79二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 22:50:17
- 80二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 22:51:46
せやね
- 81二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 22:54:13
真希「とにかく、長期戦は覚悟しなきゃな・・・」
夏彦「仕方ないよ、ホント・・・」
あまりの量に溜息しか出ない二人だが意を決して攻撃を開始した。
どれくらい減った?一時間経過
dice1d200=119 (119)
- 82二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 22:58:57
結構倒したな
- 83二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 22:59:11
頑張った
- 84二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:05:22
真希「まだまだいるぞ、まだバテてないよな!」
夏彦「まだまだ!」
郎党「ガゴッ!」
小さいの「カコッ」(コロコロ
一体一体は弱く、一回の攻撃で倒すのは苦もないことだがとにかく数が多く、切り込んでは数に押し返され、切り込んでは押し返されを繰り返すことになる。そんな時だった。
ドーン!
真希「爆発か?」
夏彦「奴らの先で起きたみたいだ、って・・・あれは・・・!」
なにが起こった!
dice1d2=1 (1)
1、骸骨お代わり!
2巨大なのが出た!
- 85二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:05:59
うわー!おかわり来たー!
- 86二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:06:18
骨骨パニックすぎる
- 87二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:07:21
- 88二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:08:24
真希「冗談じゃないぞ!」
夏彦「えー・・・!」
二度目の噴火、いや噴骨だろうか?地面を揺るがす地鳴りとともに骸骨が噴きが上がるのが見えた。
dice2d200=165 41 (206)
真希「マジで二人でやれる範囲か?!」
夏彦「厄日だったかな・・・?」
- 89二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:10:59
ほぼこう言う術式だろコレ
- 90二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:12:56
スケルトンおかわり
- 91二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:15:16
呪術師の術式っぽい感じはある
- 92二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:26:46
ガチャガチャと音を立てて流れてくる骸骨の群れ、流石に真希も夏彦も体力的な疲れが見え始める。
夏彦「こうなったら奥の手を使うしかない・・・」
真希「なんかあるのか?」
夏彦「付喪躁術の極ノ番を出す!・・・石か鉱物が埋まってればいいんだけど・・・」
真希「石か鉱物?なんでだ?」
夏彦「僕の術式は無機物に生命を与えて使役する・・・樹木やその根っこなんかは命そのものだから術式で操ることはできないんだ」
夏彦はそういうと毘沙門天の印を組み、足を大きく踏み鳴らす。
夏彦「地に降りて役目を終えたるもの、さりとて我が軍勢の一角にして使徒たるは汝ら!今一度招来せよ!」
極 ノ 番 ! 『 塵 塚 怪 王 』!!
夏彦は高らかに宣言した後、右手で力いっぱい地面を打ち据えた! - 93二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:28:29
極ノ番キタァー!
- 94二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:29:16
毘沙門天かカッコいいやん
- 95二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:29:49
- 96二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:30:42
うん…出して良かったぜ詠唱と印付きでカッコよく出てきて凄く嬉しい
- 97二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:31:34
高層ビルクラスも操れそう
- 98二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:44:34
真希「うおっ!さっきより強い・・・!足元か?!」
夏彦「真希!こっちに!術式が発動するよ!」
再び起こった地震に真希は慌てて夏彦の元へ。揺れを感じていないらしい夏彦の肩に掴まって周囲を見渡す。
夏彦「地形変わるけど・・・大丈夫かぁ・・・!?ふん!」
まるでビルを思わせる四角柱が二本、地面からまるで樹木が生えるように伸びていく。
真希「おぉ・・・」
夏彦「怪王来来!」
再び夏彦が呪力を込めて地面を叩くと、空から大きな手が下りてくると同時に四角柱のてっぺんを押すように叩いた。
四角柱が手の圧力に負けてひび割れるとその隙間から大量の瀬戸の郎党が飛び出していく。その中には瓦礫でできたとは思えないディテールの凝った大きなものも混じっている。
真希「おお!すげえ!」
夏彦「ぐむむ・・・そろそろ無理かも・・・!」
夏彦の言葉と同時に四角柱が完全に砕け、瀬戸の郎党と瀬戸大将の生成がとまった。
夏彦「・・・ふぅ、ごめ・・・ちょっと休む・・・」
真希「おう、後は任せろ」
夏彦の呪力をふんだんにつかった瀬戸の郎党と大将は数は大まかに見積もって同等ながら質では比べるべくもない。
あっという間に骸骨を押し戻し、真希が進む道を切り開いていく。
壊れたものを使うことで術式の威力を底上げしていますのでそのままは多分操れないかも・・・?
今回の消耗も、地面から壊れていない石や岩を引っ張り出して使ってますのでかなり消耗してます。
- 99二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:47:44
なるほど説明ありがとうございます!コレからあるかもですね!
- 100二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:49:43
今日はここら辺にしときます、おやすみなさい(スレ主
- 101二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:50:08
逆に道具や加工された物なら引っ張りあげたり加工する必要なくなる気がしてきた
- 102二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:50:24
おやすみなさいませ
- 103二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:50:40
乙〜
- 104二次元好きの匿名さん23/12/22(金) 23:52:38
その場合付喪神としての性能は落ちます。(瀬戸の郎党みたいに自立行動できない等
- 105二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 07:11:01
保守
- 106二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 09:21:02
保守
- 107二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 13:14:57
保守
- 108二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 22:16:27
再開します!俺はお兄ちゃんだからな!
真希「相変わらず数だけは・・・!」
瀬戸の郎党達は最初に作ったものと違い全員が武装している。太刀、槍、大槌など様々だ。
郎党「ガゴッ」
真希「任せた!先に進む!」
真希を鼓舞するように郎党達が奮戦する。その間隙を縫って真希は最初の刑場の方へと進んでいく。
真希「原因があるとしたらあそこ、この刀でもう一度封じ込められるか?」
骸骨を切り飛ばし、殴りつけながら進む。すれ違う郎党達は苦戦らしい苦戦もせず、さくさくと骸骨を粉砕している。
郎党「ガゴゴ!」
真希「あ、さっきの!生きてた?か!」
先ほど骸骨の波にのまれていた郎党がひょっこり顔を出した。周囲が少し欠けているような気がしたがそれでも健在らしく再び真希の後ろをついて走り出した。 - 109二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 22:17:02
始まりました
- 110二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 22:17:49
完全に真希の従者と化す郎党くん
- 111二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 22:18:33
お兄がんば
- 112二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 22:27:21
骸骨たちは一匹一匹は弱い、数の利が失われた以上増えたところで真希と郎党達の敵ではなく
今回の術で新たに加わった瀬戸の大将は郎党よりさらに強い。
大将「グガッ!」
郎党「「「「ガゴゴ」」」」
薙刀を振り回して周囲の骸骨を薙ぎ払いながら郎党達を指揮して陣形を組ませているようだ。
一列に並んだ郎党が槍衾で骸骨を叩き、ならしていく。
真希「もう少し・・・ここだ!」
刑場があったらしい場所は噴き出した骸骨の群れに押されて木々はなぎ倒されており、ぽっかりと空き地になっている。呪霊達は言わずもがな。食い散らかされて塵になってしまった。
真希「ここらへんに骸骨が噴きだした理由があるはず・・・」
周囲を伺うと・・・ - 113二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 22:36:08
真希「ここも骸骨ばっか・・・」
足の踏み場もないほど骸骨が転がっている。ついてきた郎党も踏んでいいものかどうか迷いつつも通れる場所を探してついてきている有様だ。
真希「ええいもう!」
面倒くさくなって蹴飛ばした骸骨が近くの骸骨に当たって砕けた。
真希「?・・・消えないぞ・・・」
真希はギョッとしてメガネを外して周囲を見渡し、理解した。周囲の骸骨は呪霊ではない、本物の骨だ。
真希「これ・・・本物の人骨かよ!」
郎党「ガゴッ!?(パキッ・・・ガゴォォ!?」
驚いた郎党が誤って複数個同時に踏んだ。すると周囲の骨が今度は吸い込まれるように一か所に集まり、骸骨の集合体で形成された骸骨が出来上がった。
真希「今度は集まるのか、散らさなきゃもっと大きくなれたんじゃねーの?」
真希がそういうとそれに反応したように骸骨の目の部分にギョロっと生身を思わせる目玉が出来上がり、真希を睨みつけた。 - 114二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 22:41:16
郎党も驚くの草
- 115二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 22:41:43
がしゃどくろ?
- 116二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 22:42:45
まあデカい骸骨はそのイメージがある
- 117二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 22:48:23
ゴミピクミンは数多い(郎党達のことです)
- 118二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 22:49:02
説明は草
- 119二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 22:50:28
真希「大方ここで死んだ人間の怨念、首塚の首が呪物化したか」
真希が二刀流のように刀と大刀を構える。巨大化した骸骨は真希を睨みつけていたが刀を見やるとその目を血走らせて怒気を示した。
真希「封じられてたことはわかるんだな、ここいらではっきり成仏させてやんよ!」
郎党「ガゴッ!」
距離を詰めようと一歩踏み出したとき。何が起こった!
dice1d2=1 (1)
1胴体も出てきた
2骸骨召喚
- 120二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 22:51:31
あっまだまだ完全体では無かったのね
- 121二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 22:53:19
コイツ結構強いな 骸骨召喚も合体も中々やる呪物
- 122二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 23:20:47
骸骨「ガオオオオオ!!!」
真希「うおわっ!」
大声というよりは突風を思わせる咆哮に真希が後ずさる。郎党を壁にして飛ばされないようにしつつ骸骨を見ると破壊された骸骨たちを吸い寄せ始め、自分はそれに呼応するように空中に浮かぶ。
骸骨「ガッガッガ・・・!」
上半身、腰近くまで形成された骸骨はまさしく絵巻に描かれたがしゃどくろを思わせるサイズになった。
真希「がらんどうが偉ぶるんじゃねえ!残らず木っ端みじんにしてやる!」
どうだ!と自慢げに笑う巨大骸骨はメートル単位のサイズだ。しかしそれに怯む真希ではない。
すかさず距離を詰めて大刀を振るう。
骸骨「ガオッ!」
真希「鈍いぜ!」
降り降ろされる巨大な手を掻い潜って手首を切りつける。両断された手が転がるのを見て真希は弱点であろう頭部へとさらに接近する。
骸骨「カッ!」
真希「!、このっ!どんだけ小細工があるんだよ!」
口をあんぐりと開けたかと思えば集めた骨をまるで砲弾のように吐き出し始める。防ぐのは容易だが・・・
真希「って! 砕ける・・・!」
受けたそばから砕けた骨が破片となって真希にぶつかる。衣服を抜くほどではないが素肌に当たれば傷ができる威力はひるませるに十分な威力だ。 - 123二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 23:30:51
郎党「ガゴッ!」
郎党が真希を援護するために石ころを投げ始めた。本体はおそらくは呪霊、しかしそれを構成する骨を少しでも砕いて無力化しようというのだ。
真希「くそ、顔に当たるのが・・・めんどくさい!」
できるだけ避ける、しかし地面に当たっても砕けるほど脆くなった骨はさながら榴弾のように真希に降り注ぐ。
真希は顔をしかめながらそれでもなんとか距離を詰めていく。
真希「手間取らせんな!オラッ!」
再び振り下ろされた腕を今度は踏み台にして頭部へと迫る。今度こそ・・・!と真希は大刀と刀で頭部を一閃する。
骸骨にまだ小細工はある?
dice1d2=1 (1)
1ある、2ない
- 124二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 23:31:27
滅茶苦茶小細工ありまくるやんこの骨
- 125二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 23:31:43
技巧派がすぎる
- 126二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 23:45:06
骸骨「ガッガッガ・・・」
真希「なんだと・・・!」
刀を振り下ろした瞬間に頭部が二つに裂けた。空を切って体勢を崩した真希を骸骨は噛みついてから勢いよく吐き出した。
真希「ぐ・・・わわわわっ!?」
郎党「ガゴゴゴ!」
真希「っと・・・乱暴にすんなよ!受け止めるとか・・・」
地面にたたきつけられそうになった瞬間に郎党が真希の襟首をつかんで振り回してから地面におろした。
目がまわりそうになりながら地面に降りた真希は郎党に詰め寄ったが・・・。
真希「無理だな、うん。私が悪かった」
郎党は瓦礫でできている。受け止めたら土の地面より酷いことになるのだ。彼のざらざらコンクリートボディに目をやって真希は考えを即座に改めた。 - 127二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 23:54:02
即座に謝れるの偉いよ真希さん…親父に似なくて良かったね
- 128二次元好きの匿名さん23/12/23(土) 23:57:25
本当にね…
- 129二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 00:07:34
真希「くそ、急所を守る術は心得てるってか」
元が群体なのを利用してか頭部は細かく分裂することが可能なようだ。そうなると真希はあの頭部の中からさらに弱点ともいうべき部位を探す必要が出てきてしまった。
真希「六眼みたいな呪力を見分ける力がありゃいんだが・・・ぐっ!」
距離を詰めないとわかれば再び頭部を構築した骸骨が骨を吐き出して攻撃してくる。そして目くらましで動きが鈍れば両腕の質量攻撃。牽制とダメージ狙いの攻撃を持ち合わせたシンプルながら手強い戦法に真希は少し焦っていた。
真希「どうすりゃいいんだ・・・?夏彦が来るまで粘るか・・・?」
そうつぶやいた時に、つま先に何かが当たった。視線を落とすとずっとついてきていたらしい小さな郎党達だった。
真希の制服のポケットや大刀の房にしがみついていたようだ。
真希「なんかやけに重いと思ったら・・・」
郎党「カコッ」
小さな郎党たちは我に秘策ありと言わんばかりに真希の元に集まっている。
真希「?なんだ・・・?」
郎党「カコ」
小さな郎党たちはもう一体の人間大の郎党が石を投げて攻撃しているのを示し、次いで自分たちをアピールし始める。
真希「!・・・わかったぜ、お前らの意図!」
真希はそれを見てにやりと笑う。 - 130二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 00:07:58
おっ!まだあるやん!
- 131二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 00:09:05
郎党がひたすら便利で強くて健気で言う事なしの術式…
- 132二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 00:09:46
真希パイセンと郎党のタッグいいな
- 133二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 00:22:02
真希「郎党!続けろ!」
郎党「ガゴッ!」
郎党が投石を続ける中で真希も並んだ小さな郎党達を抱えて移動する。
真希「いってこーい!」
骸骨「ガオ!?・・・ッガッガッガ!」
小さな郎党たちを真希は野球の投球フォームで頭部にめがけてぶん投げた。初弾こそ回避した骸骨だが郎党の攻撃と大差ないことを理解するとよけることすらしなくなった。
真希「っち!一人外れた!残りもいけるよな!」
任せろ!と言わんばかりに郎党たちは真希の手のひらに集まる。それらを全て骸骨の頭部へ投げ込む。
骸骨「ガッガッガ・・・ガ?!」
郎党の投石と一緒くたに考えて笑っていた骸骨だったが・・・?突然頭を押さえて何やら苦しみ始めた。
真希「おお!さすが!」
郎党「ガゴ?」
真希「外からダメなら中から攻めるってな!チャンスだ!行くぞ!」
郎党はちょっと理解が追いついてなかったが真希に呼ばれたので追いかけることにする。
真希「でええい!」
郎党「ガゴゴゴ!」
二人がかりで背骨を叩き潰す。先ほどまでなら即座に再生していた胴体も頭部に気をとられていたのか復活が遅く、頭部が地面にぐっと近づいた。 - 134二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 00:31:08
内部攻撃か…想像してなかったわ
- 135二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 00:34:16
真希「ちび達!ぶった切る!合わせろ!」
叫んだ後、郎党の補助を受けてジャンプした真希は大刀を捨てて刀に集中する。
真希「ふぅぅぅ・・・」
守刀であったはずの刀は真希の手で再び清らかな輝きを帯びる。呪霊達を封じ込めていた破邪の輝きだ!
郎党「「「「カココ!」」」」
頭部からゴロンと郎党達が一個の骸骨を抱えて落ちてきた。そのどくろは明らかに生々しい見た目で、骸骨というより半ばゾンビのようでグロテスクだ。
真希「おおお!往生しろやーーーーっ!」
郎党達のパスを受けた真希は再び渾身の一振りで骸骨を両断した。
骸骨「ギャアアアアアアア!!!!」
両断された骸骨は目玉や脳髄をまき散らしながら悲鳴を上げて霧散していった。
真希「へっ・・・ざまあみやがれ、キショいガイコツめ」
宙に投げ出された真希。達成感と疲労で身動きもままならない。
真希「受け身まで考えてなかったな・・・」
ま、これくらいの高さなら死なねえよな。と諦めて目を閉じた。 - 136二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 00:46:14
夏彦「っと・・・お疲れ、真希」
空中で真希を抱きとめたのは遅れながらやってきた夏彦だった。着地して真希を立たせるとにっかりと笑う。
真希「おう、そっちこそお疲れ」
夏彦「郎党が頑張っただけ、楽させてもらってるよ」
平気そうにしていたが恐らくは極ノ番の術式発動のために無理をしたのだろう。鼻や口元に血がついていた。
夏彦「帰ろう、郎党達に暇をださなきゃ」
真希「・・・おう」
真希はちょっと寂しかったが郎党達は夏彦が手を叩くと順番に元の石に戻って行く。
郎党「ガゴ」
じゃあね、と手を振った最後の郎党が石に戻り、周囲には静けさが戻った。
伊地知「お疲れ様です、本当に助かりました・・・二人じゃなければどうなっていたか」
伊地知は二人の奮戦と疲労ぶりに恐縮しきりだった。大した苦労もないと思っていた任務がまさかここまで大がかりになるとは思いもよらなかった。京極家は仕事を選ばないという前評判と禪院家に嫌がらせをされている真希の二人が噛みあったことによる等級詐欺案件だったのだろう。どちらか片方だけでは解決はおろか、下手をすると命の危険があった。 - 137二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 00:47:31
パイセンの珍しいヒロインムーブ
- 138二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 00:48:24
まあ明らかに等級詐欺でしょうね…強かった
- 139二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 00:56:40
最後はしみじみお別れ
- 140二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 01:12:30
真希と夏彦の初めての共同任務だった。それから何度か真希と夏彦は組んで動くことがあった。
真希と相性がいいというより夏彦は誰と組んでも相性がいいので誰とでも組める強みがあったのと、京極家は人助けを進んでこなしてきたまさしく正義の人、華族の末裔としてのノブレスオブリージュによるものだった。
とにかく実績が欲しい真希と、仕事を選ばない夏彦は同じ仕事を組まれ、共に行動しては実績を積んだ。
真希(こいつはあの時の郎党たちと同じだ・・・擦り切れるまで、誰かの為に戦うんだな)
回数を重ねて、戦う度に夏彦は真希と共にケガも呪力の急激な消費で血を吐くこともあった。家入から小言を食らっている姿も見たことがあった。自分の代わりにケガをする夏彦の背中はいつしか頼もしく。
真希(真依の傍にコイツがいるなら・・・あいつは大丈夫かな)
京都校に行くと決まった時に、真希はそう考えた。アイツなら大丈夫だ。真依を守ってくれるだろう。
自分を補佐して助けてくれた経験からそう思えた。
真希「ホント・・・お前は頑張ってるよ」
夏彦「どうしたんです、いきなり・・・」
真希「なんでもねえよ、それよりなんか食いにいかねえか?」
夏彦「うーん、近くにいい店あったかな」
頼もしい相棒、そう思った時。真希の心の中に、本人もまだ自覚していない気持ちがくすぶっていた。
真希(ずっと私(達)の隣に・・・いてくれたら)
真希の好感度アップ!
dice1d100=45 (45)
- 141二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 01:13:39
45か結構上がりましたね
- 142二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 01:14:10
合わせて130以上でしたっけ?
- 143二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 01:15:12
このレスは削除されています
- 144二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 01:16:33
キテますね…これは
- 145二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 01:19:41
立った立ったよフラグが立った!現在70に45足して・・・
超えました!100の大台!フラグ達成です!
まだ結末までは未定ですが真希ちゃんは今回描くストーリーのラストパートまで出演決定です。
次は誰だ?!
dice1d2=2 (2)
1、とげちゃん! 2、真依ちゃん!
- 146二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 01:20:55
姉妹が続く…やるやん
- 147二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 01:22:17
メインディッシュは最後かダイス君空気を読んでいますね
- 148二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 01:23:01
マキマキの次はマイマイ
- 149二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 01:32:33
書きたいとは思ってたけどメインヒロインがさぁ・・・!(白目
触りだけやって今日は終わりにしようと思います。
真依「夏彦、ちょっと!」
京都校で共に学業に精を出す禪院真依、呪術師の名家禪院家に生まれた彼女は乏しい呪力と家系ではない術式を持って生まれたが為に不遇な扱いを受けて育っていた。そんな彼女が小さな頃に経験した暖かい記憶。
夏彦「?どうした?」
真依「どうしたじゃないわよ、アンタね・・・」
学年は一つしたながら実績、実力共に上のはずの夏彦だが真希と真依にはどうにも頭が上がらない様子。
実際のところは真依も真希も夏彦の実家である京極家には深い恩義があるのだが、真希は夏彦に対してそんな負い目を感じて欲しくないという理由と、真依は気恥ずかしさと素直になれない意地っ張りな性格が災いして他の後輩と同じようにパシリ同然の扱いが多かった。
真依「ノート回収したらフラッペ買いに行くって言ったじゃないの!」
夏彦「勘弁、ここらへんにないでしょフラッペの店・・・」
真依「二キロくらい先にあるわよ、買ってきて」
夏彦「マジですか・・・」
夏の糞暑い時期だった。外に出るのも億劫なのにキロ単位で離れた場所に行けというのである。鬼か。
夏彦「もう・・・時間かかりますよ」
真依「わかってるならダッシュよ!」
へーい、といいつつ夏彦は律儀にダッシュで買いに行った。 - 150二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 01:36:58
乙乙おやすみです
- 151二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 01:37:35
OKわかりました
- 152二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 08:08:37
保守
- 153二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 18:15:59
星
- 154二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 21:27:22
再開します。
真依にとって夏彦は真希が感じているように弟のようなパシリのような存在だったが、彼が真依の我儘に付き合っている内に周囲はやや違った感想を抱いていた。
宮内「真依ちゃん、あんまり夏彦に甘えちゃダメだと思うわよ?」
真依「・・・は?私が夏彦に?」
今日も今日とて、夏彦が買ってきたお菓子類のご相伴に預かりながら宮内は言う。夏彦はお金持ちである。
買ってくるお菓子類もどこぞのお店のもので、コンビニやスーパーのそれではない。
宮内(自覚ないのか・・・)
任務を一緒にした宮内は夏彦が戦闘や任務においても気づかいが細かいことに驚いていた。
補助監督と一緒にあれこれ話し合っていることも珍しくないし、彼らの車やガソリン代について包んで渡しているところも見たことがある。大柄で恰好もラフな事もおおい夏彦だが一言二言交わすうちに聞き込みでも協力を引き出すことができる特技もある。これに関しては田舎育ち故のコミュ力というものもあるのだろうが。
姉妹が組むことが多いのは禪院家に下心があってのことだろうがそれを除いても二人は夏彦が補佐するのを良いことにかなり彼に依存してる節があった。特に私事でも夏彦をなにかとこき使っている真依はそれが顕著だ。
宮内「任務で夏彦のスキル頼りになるのは仕方ないけど、真依ちゃんはプライベートでも夏彦に頼りっきりでしょ」
真依「・・・それは、そうかもね」
もごもごと煮え切らない態度の真依に宮内は溜息をついた。
どちらかと言えば自身も戦闘ではサポートに回る立場だけに陣形の前後で忙しなく動く夏彦には宮内は頭が下がる思いだった。 - 155二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 22:03:42
始まっていた
- 156二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 22:05:10
宮内「折見て感謝の気持ちを伝えとかないと愛想つかされてもしらないわよ?」
真依「・・・ま、おいおいね」
宮内の苦言に真依は少しだけハッとしたような顔をしたがすぐにいつもの強気な態度に戻ってふんぞり返った。
付き合いの長い彼女には真依が強がりをしていることに気付いていたがそれを突けばさらに意固地になってややこしくなることも知っていたので溜息を再びつくにとどめた。
宮内「あ、噂をすれば・・・夏彦~!」
真依「・・・!」
夏彦「?お、先輩に真依ちゃん」
真依「ちょっと!私も先輩なんだけど?」
夏彦「はいはい・・・、お菓子どうです?」
宮内「このチョコレートと紅茶最高!」
夏彦「そりゃよかった、また買っときますよ」
真依「聞きなさいよ!」
夏彦の袖を掴んでぎゃんぎゃん喚く真依だが見た目的にはどうみても妹が兄か親戚のお兄さんに我儘を言っているようにしか見えないのは気のせいではない。
そして、いつも困ったように笑う夏彦が折れて、真依が自慢げになるのだ。 - 157二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 22:21:55
なんか重いな中々参加出来ん
- 158二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 22:22:31
真衣さんカワよ
- 159二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 22:22:53
真希よりツン気味
- 160二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 22:27:01
真希と真依の夏彦に対する扱いの大きな差はそこだ。双子でも姉と妹で微妙に違う。
弟のように扱う真希と兄や親戚にするように実は甘えてしまっている真依。
その根底には彼女達が幼少に体験したことが深くかかわっている。
直毘人「ほう、あの二人を引き取りたいと」
勝弘「はい、あの二人は我が家にとっては有益な存在。どうせ手伝いならこちらで彼女たちを大成させてやりたい。名があがれば禪院の血、鳴かず飛ばずならこちらの育ての責任。どう転んでもそちらに損はありますまい」
京極勝弘、当時の京極家の当主であり付喪躁術の使い手、血盟破邪の開祖依頼の使い手として一族内の地位と徳を一身に集めた傑物である。
直毘人「そうさな、ワシは構わん。所詮娘の一人や二人・・・居らずとも禪院は揺るがんからな」
酒杯を傾けて直毘人はそう宣った。勝弘は空いた酒杯に酒を注ぎつつ、自身も豪快に酒杯を呷った。
勝弘「ならば彼女らの身柄、こちらで預かりますぞ」
直毘人「豪気よな、ははは!」
当主同士の取り決めにより二人は即日京極家に送られた。
扇「出来損ない、せめて御家の役に立てたことを誇れ」
引き取りの際、迎えに来た京極家の人間は実父の言葉に怒りすら感じていたがそれ以上に双子の姉妹を暖かく迎えることに注力することにした。当主のしらぬ裏の思惑、一族すら知らない思惑があるとは微塵も知らず、彼らは呪術師らしからぬ義と愛情をもって二人を出迎えたのである。 - 161二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 22:29:09
こんなに家族しとるのに本編では…
- 162二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 22:29:54
あ、扇はノーセンキューで
- 163二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 22:30:37
今きた昔の過去をここで入れてくるのか
- 164二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 22:42:34
>>163 真依ちゃんの好感度アップイベ中につき彼女と京極の関わりも書いてます
真希は元より芯のしっかりした子供だったので京極家に来た当初から気ままに過ごし、周囲もそれを暖かく見守っていた。彼らが心配だったのは真希よりも内気な真依のことだ。
勝弘「京極の家に来たからにはそなたも一人の人間、尊ばれることを知り、人を尊びなさい」
当主は二人に優しくそう言葉を掛けた。彼女達にとってはそれはカルチャーショック以外の何物でもなかっただろう。
もちろん一族として迎えるに当たって当番で手伝いなどあったが、それでも禪院でのそれとはくらべものにならない待遇だった。
勝弘「二人は当家の嫡流の筋に入ってもらいたい」
真希「ちゃくりゅう・・・?」
真依「・・・?」
二人は首を傾げた。嫡流の筋に入れという言葉に意味を後に知って彼女たちが衝撃を受けたのは言うまでもない。
その理由は簡単であった。嫡男に子供がいなかったことと、正妻が子供の望めない体になってしまったからだった。
勝弘「二人を良く可愛がってやるのだぞ、夏来、和子さん」
夏来「父上、このような我儘を許していただきなんとお礼を言えばいいのか・・・」
勝弘「ふ、タイミングが良かっただけよ。ちょうど良家の可愛い姉妹が困っているのを見かねてのこと。お前たちこそ他家の子をよく引き受けてくれた」
和子「そんな、あの子たちはどちらもいい子ですし・・・妻としての役目の果たせない私にもったいないことです」
病弱な和子は他の羨む美貌とそれを鼻にかけない謙虚な人柄で夏来のハートを射止めた。対する夏来も誠実な人柄と父譲りの人徳で和子の愛を勝ち取った。夫婦仲はまさしく絵に描いたようなおしどり夫婦だったが、子供ができないことと、夏来が側室を断固拒否したことで跡継ぎについての不安が付きまとっていた。
- 165二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 22:46:34
こんないい人達が…ねぇ
- 166二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 22:47:00
それが呪術廻戦と言う世界なんだ
- 167二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 22:59:06
真希と真依の存在はその不安を払拭するのに十分だった。元々呪術師としては言ってしまえば鳴かず飛ばずが多い京極家にとっては真希も真依も自分たちにとって対して変わらぬばかりか名家の血筋ということで将来自分たちを盛り立ててくれるだろうという期待すら抱いているものもいた。
そして、二人は真希と真依を幸運にも一目で気に入り、とてもかわいがった。
和子「真依ちゃんは今日はお外にいかないの?」
真依「・・・だって外にはアレがいるもん・・・」
和子「ああ、呪霊ね。そうね、怖いもんね」
真依は内気な性格で真希が奔放に庭を駆け回って使用人たちを驚かせているのとは対照的に和子と共に部屋でゆっくりとしていることが多かった。当番やお手伝い、ちょっとした勉強などはあったがそれでも名家の子女として扱われているので穏やかな日常だった。
真依「和子さん、私・・・」
和子「そんなに畏まらなくていいわ、なあに?」
和子は真依がことあるごとに自分の袖を引いてついてくることが嬉しかったのでつい甘やかした。夫と仲は良かったが京極家は日夜人々の為に働いていて不在がちであるし、使用人たちは和子の体調を気遣って仕事らしい仕事も回してくれない。役に立ちたいという思いと、自身が妻としての役目を果たせない辛さで内心は少し参っていたところに真希と真依がやってきたのだ。
和子「ふふ、なんでもいいわ・・・言ってみてちょうだい」
欲しくとも望めないと思っていた子供が自分のところに来たという思いも少なからずあったからかもしれない。
真依「私、和子さんと同じ着物が欲しい」
和子「私の?」
頬を染めてそういう真依に和子は思わずキュンとした。 - 168二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 23:00:36
良い家だなぁ…
- 169二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 23:01:36
あの二人にもこんな頃があったんだろうか
- 170二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 23:02:02
あれ大体やさぐれてるからしゃーない
- 171二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 23:13:57
和子の着物は夏来が結婚の少し前に彼女のために拵えた特注の品であった。
無駄遣いを嫌う夏来が彼女の為に奮発した品で、当初はもったいないと箪笥にしまっていたが夏来が「ダメになるまで着て欲しい」と何度も頼んだので普段から着ている品だ。それでも奮発した甲斐あってか、着物はしわ一つない。
和子「そうね、夏来さんに頼んでみましょうか」
即日、和子は使用人に頼んで同じ着物をと頼んだが帰ってきた使用人は困ったように頭を掻いた。
使用人「すみません・・・どうにもあの染料は特別製らしくて・・・」
和子「そうなの?」
使用人「ええ、なんでも一着分の染料を作るのに20年以上かかる品らしくて・・・」
和子は渋々真依にそのことを伝えたが、その時の真依の癇癪はすごいものだった。
夏来「ここまで聞こえてたよ、どうしたんだい?」
和子「あの子がこの着物が欲しいって・・・」
夏来はそのことを聞いてすぐに理解した。和子の袖を引いて歩く彼女がこっそりと和子の真似をしていることはしっていたし、紅を引っ張り出して化粧をしようとして姉にいたずらをされて大泣きしたりと可愛らしい話に暇がなかったからだ。
夏来「あれは確かに・・・手に入れるのはもう難しいだろう・・・値段ならともかく数が無い」
和子「そうですか・・・」
和子もがっかりした様子で、夏来もどうにかしてやりたかったが自分もその染料を手に入れるために大変な苦労をしたことを思い出して唸るしかできなかった。 - 172二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 23:35:39
真希「ふぃー、まったくまいはわがままだな!」
真希はここでも相変わらずだった。しかしそれでも姉ということでなにかあると一番に真依の傍に寄り添うのも彼女だった。
和子「ごめんなさいね、真希ちゃん、真依ちゃんは?」
真希「泣き疲れて寝ちゃった。それにいいんだよ和子さん!真依が我儘すぎるんだ」
真希はふふん、とお姉さんぶりながら言う。どちらかと言えば普段から我儘放題の彼女の言葉に和子は思わず吹き出しそうになったが。
次の日、真っ赤な目をこすりながら真依は一人、寝室に引きこもっていた。
真依「わがまま・・・いっちゃった・・・」
子供用の服ならいくらでもと言う和子の提案を断ってその着物がいいと彼女を困らせてしまった後悔と気まずさで真依はいつものように和子の部屋に行けずにいた。
その時だった。不意に自室の戸を叩く音がして思わずそちらを見ると和子の声が聞こえてきた。
和子『真依ちゃん、入っていいかしら?』
真依「・・・うん」
怒られるかな、なんて考えていた真依だったが許可を得て部屋に入ってきた和子の表情は彼女の想像の正反対だった。 - 173二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 23:39:22
ロリ真希真衣は良き心が回復する
- 174二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 23:39:52
もしかして…?
- 175二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 23:53:36
和子はいつも通りの優しい笑顔だった。縮こまっている真依の隣に座って、頭を撫でながら彼女は優しく語り掛ける。
和子「真依ちゃん、まだこの着物・・・欲しい?」
あくまで優し気に、和子は問いかける。真依は穏やかな和子の表情に少し安堵しながらも少し遠慮がちに頷いた。
和子「良かった、なら、この着物は真依ちゃんにあげるわ」
真依「いいの?・・・だって、大切な着物じゃ・・・」
和子「いいの、けどさすがに長く着て欲しいから着丈は弄らないわ、大きくなってから・・・ね?」
真依「うん!」
真依は嬉しくなって和子に抱き着いて笑った。二人の距離がぐっと縮まって・・・そのまま上手くいくと思っていた。
勝弘「話が違いますな、当主と話はついたはず」
扇「しかしこちらとて二人しかいない娘を差し出したのだ。相応の見返りがあってもいいかと思う」
禪院家との確執に近いものが産まれたのは真希と真依の実父、禪院扇の横紙破りがきっかけだった。
勝弘「禪院に少なくない支度金もお支払いしたはず・・・」
扇「金銭の問題ではありませぬ」
勝弘は扇の思惑を見抜いていた。彼は京極家の秘術である血盟破邪が血筋でなくとも使用できる事を知ったのだ。
術の詳細を知っているわけではなかったが扇は後天的に会得できる術の存在を知ってそれを手中に収めようと画策したのだ。嫡流の養子ならばその術の恩恵を既にうけているのではと、身勝手な思惑を抱いて。
勝弘「直毘人殿はご存じか?」
扇「これは父である私の個人的なこと、家は関係ない」
あまりにぶしつけな物言いに即座に勝弘は禪院家に苦情を入れた。直毘人は扇を締め上げて思惑を聞き出そうとしたが扇は沈黙を貫き、結果として両家の間柄が徐々に険悪なものになっていった。 - 176二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 23:57:49
やはり扇…
- 177二次元好きの匿名さん23/12/24(日) 23:58:31
クソ親父入りました〜
- 178二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 00:07:12
勝弘「夏来、無念だ・・・」
夏来「父上・・・では・・・むずむざと二人を返すのですか」
勝弘は息子の言葉を受けて肘置きを握りつぶした。
勝弘「言葉を慎め、私が望んでのことと思うか・・・」
夏来「・・・すみません」
表の世界ならばともかく、呪術師としての禪院家の影響力は京極家とて無視はできなかった。両者の仲をこれ以上こじれさせないためにも養子縁組の話自体をなかったこととすることで決着が、ついてしまった。
夏来「ですが・・・和子に、あの子たちに何といえば・・・」
勝弘「責任は全て私にある、それ以上は言わせん。恨み事も、なにもかも・・・な」
両家の当主が集まり、互いに今回の件での手打ちとして支度金の一部返還と姉妹の返還が決まった。
和子「あんまりです・・・あの子たちが可哀想です・・・」
夏来「すまない、ほんとうに・・・すまない」
握った手から血が出ていた。夏来は和子と同様に泣き出したい気持ちでいっぱいだった。
真依「うわぁーん!帰りたくないぃ・・・」
真希「なくな!しかたないことだ!」
案の定二人の落胆は大きく、真依はもちろん真希も目一杯に涙をためて震えていた。
京極家はそんな二人との別れをとても惜しんだ。姉妹と親交のあった一族は全員が彼女たちに別れの言葉をかけたほどだ。
和子「真依ちゃん!真希ちゃん!」
別れの当日、和子が病弱の身をおして二人の元にやってきた。二人を力の限り抱きしめて、涙をこぼしながら。 - 179二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 00:14:05
和子「ごめんね、私に力がないばっかりに・・・」
そう言って別れたくないと悲しむ和子に強がっていた真希もついに泣き出した。禪院家の人間は対照的に二人に対して迎えすら寄越さなかった。しかしそのお陰で別れの挨拶を交わす時間がちゃんと取れたのは皮肉だった。
和子「・・・真依ちゃん、着物のこと、覚えてる?」
真依「ひぐ・・・う、うん」
和子「あなたがどこの家の子だって関係ないわ、大きくなったらきっと取りに来て頂戴」
それまでちゃんと取っておくから。和子は真依と指切りを交わして、最後の抱擁を交わした。
真依「きっと、また・・・会えるよね?」
和子「ええ、きっと」
二人はそう言ってほほ笑んだ。その約束は、指切りをしなかった。
そしてそれをあざ笑うように。二人の今生の別れとなってしまった。 - 180二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 00:16:28
ああ…この後か
- 181二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 00:16:51
夏彦以外死んじゃったやつ
- 182二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 00:25:26
真依が夏彦に対して我儘を言うのは、もしかすると夏来と夏彦が似ているからかもしれない。
呪力も術式の出力も夏彦とでは比べるべくもないが、知る人が見れば真依の我儘に困ったように夏彦が笑う姿を見ればあの日の面影を見出すかもしれない。
もはや誰もそれを思い出すものはいないが。
真依「ねえ夏彦、明日は暇?」
夏彦「暇じゃなくても関係ないでしょ・・・と言いたいけど明日はちょっと勘弁」
真依「どうしてよ?」
夏彦「実家に寄らないといけないんで」
まだ整理できてない遺品がたくさんありましてね、と夏彦は言う。その言葉を受けて真依は遠い昔になった思い出がよみがえった。
真依「なら、たまには私も手伝うわよ」
夏彦「え?」
真依「なによ?」
夏彦「いや、なんか変なものでも食べたのかなって」
真依「どういう意味よ!」
うわー!と胸倉を掴まれて前後に揺さぶられる夏彦。真依はふん!とへそを曲げたが、結局ついていくことを夏彦に承諾させた。 - 183二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 00:26:32
おやおや
- 184二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 00:28:51
お姉さんよりもしや大分甘えん坊?
- 185二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 00:43:19
このスレの内に終われるか・・・?無理かもしれん。真希ちゃんは甘やかしたい、真依ちゃんは甘えたい願望がありそう。
翌日、夏彦と真依は京極家の屋敷へとやってきた。周囲の景色はあの頃のままで、真依は懐かしさを感じつつ夏彦の後ろを歩いていた。
「ああ、お坊ちゃん、お疲れ様です・・・」
道行く人が夏彦を見ると頭を下げた。お年寄りなどは端によって道を譲るほどだ。京極家の積んできた徳の高さに真依は改めて禪院家との違いに顔をしかめる。
夏彦「ここだ」
真依「・・・変わってないわね」
10年ほどの時間が流れたはずだったが人がいなくなっても手入れする人が絶えないからか屋敷はずっと、誰かの帰りを待ち続けるかのように変わらず佇んでいた。
夏彦「来た事あるんだ?」
真依「むかしにね・・・」
門を潜って中へ入ると庭師が庭の手入れをしていた。一族がいなくなっても、夏彦がいて、いつか誰かを連れて戻ってきてくれると信じる者がこの屋敷を手入れしているのだ。
真依「・・・本当に、変わらないのね」
屋敷は人がほとんどいない。当然、昔はずっと活気があったし屋敷ももっと狭く感じたものだった。
しかし今は声や自分の足音が響くことに真依はひどく寂しい気持ちを感じていた。
夏彦「知ってる人が来てきっと一族の皆も喜んでるよ」
真依「そうかしら・・・」
夏彦「もちろん、僕だって家に知り合いが来たらそれだけで嬉しいからね」
夏彦がそういって笑うと、真依の記憶の中の夏来が笑っている気さえした。 - 186二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 00:52:12
今日はここまでにしときます。また明日!
- 187二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 01:12:06
乙です
- 188二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 08:32:33
保守
- 189二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 12:54:22
保守
- 190二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 20:24:22
保守
- 191二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 21:36:29
保守域
- 192二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 22:17:25
再開します!真依ちゃんはきっと甘えん坊。依存しやすいタイプ。
夏彦は屋敷の構造を把握しているのか迷うことなく奥へと進んでいく。真依も記憶を手繰りながら昔の風景と今の風景を重ねていた。
真依「そういえば遺品はどこに集めてるの?」
夏彦「家具類は倉庫に、不必要なものは引き取ってもらってるけど生前一族の人が愛用してたものとかは捨てるわけにはいかなくて・・・」
使ってくれる人がいればいいんだけど。と夏彦はつぶやいた。
真依「そういえば・・・ちょっと!」
夏彦「?」
真依「えっと、当主の人は確か・・・勝弘さんよね?」
突然の問いかけに夏彦はちょっと困惑したが、頷いて肯定した。
真依「えっと・・・その、夏来さんって・・・知ってる?」
夏彦「名前と人柄だけは、名前から一字貰ったからね」
真依「その人とその人の奥さんの部屋に行ってもいい?」
夏彦「構わないけど・・・」
夏彦が困惑したまま許可すると真依は過去の記憶を辿りながら和子の部屋へと歩いていく。
真依(何も変わらないのね・・・)
日本建築、板張りの廊下、漆喰の壁、窓から覗く庭先、差し込む光・・・すべてがあの頃とほとんど変わっていない。
だけれど・・・。 - 193二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 22:19:46
始まってマスねぇ
- 194二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 22:20:21
事件の現場だからなぁ
- 195二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 22:20:38
辛いね思い出は
- 196二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 22:24:57
楽しければ尚更ね
- 197二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 22:25:04
真依(やっぱり・・・誰もいないのね・・・)
廊下ですれ違った当時の人たちは皆、真依を見て優し気にほほ笑んでいた。和子は真依を見つけてはニコニコしていたし、夏来はそんな二人を優しく見守っていた。
真依(和子さん・・・)
あっという間に彼女の部屋の前に来た。病弱だった彼女はいつも部屋で簡単な帳簿の管理などをしていた。
玩具は少なかったがそろばんをはじく音を聞きながら彼女の仕事を眺めるのが真依の当時のお気に入りだった。
和子は所作が美しく、気品があって淑女の見本のような女性だったから。
知っていても苦しくなる。この戸を開ければ、彼女が居て、また私を見て笑ってくれているかもしれない。
そんな、ありえない願いを振り払いながら戸を開けた。 - 198二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 22:25:26
そろそろ次スレ?
- 199二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 22:26:02
いません…だが着物があるかも
- 200二次元好きの匿名さん23/12/25(月) 22:26:26