- 1二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 21:51:12
私のトレーナーにはピアス痕がある。
別にピアスをしてはいけないという規則はないから不思議に思うことではないのかもしれない。
しかし、トレーナーはピアス自体はしておらず、ぽっかりと穴が開いたままだ。
それがどうしても引っかかった。
ある日のトレーナー室、私はトレーナーと二人きりでコースの勉強をしていた。
もちろん必要なことなのはわかっているのだが、如何せん退屈だ。
「ねえ、トレーナーって昔ピアスしてたの?」
天気を尋ねるくらいの軽い気持ちで口を開く。
トレーナーは少し目を見開くと、すぐにうつむいてしまった。
私は慌てて謝った。
「ご、ごめんトレーナー!聞かれたくないことだった!?」
トレーナーが困ったような笑みを浮かべる。
「ううん、いいの、昔の話だから」
深呼吸する音が聞こえる。
「……私ね、恋人がいたんだ」
少し驚いたが、考えてみればトレセン学園のトレーナーというエリートがモテないわけがないのだ。
「それでね、おそろいのピアスつけてたんだけど別れちゃったんだ」
トレーナーがそっと穴の開いた耳たぶに触れる。
「もう何年も前のことなのに時々思い出しちゃうんだよね」
自嘲気味の笑い声がトレーナーの口から洩れる。
「このピアス痕みたいに心にもぽっかり穴が開いちゃったのかな」
なにも言えないでいるとトレーナーがこちらへ歩み寄ってきた。
そして私の手を取ってピアス痕に触れさせる。
「ねえ、パーマー。私に開いちゃった穴、噛んでくれない?」 - 2二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 21:51:26
突然の申し出に声を失う。
トレーナーが続けて懇願する。
「嚙み千切ってくれてもかまわない。だから、お願い!私の中のあの人を上書きして!」
最後のほうはまるで慟哭のようだった。
少し息を入れ、吐く。
彼女の頬を流れ落ちる涙を優しくぬぐう。
そして彼女の耳元へ顔を寄せた。
緊張が頬に触れている手から震えや熱とともに伝わってくる。
私はピアス痕に口を近づけ───
優しくキスをした。
顔を離すとトレーナーのきょとんとした表情があった。
ピアス痕を優しく撫でながら微笑む。
「ごめん、私にはできないや」
再び泣きそうになるトレーナーを諭すように言葉を続ける。
「私さ、トレーナーと出会えて本当に良かったと思ってるんだ。メジロ家の家出娘にはもったいないくらい」
うるんだ瞳を見つめ返す。
「今のトレーナーはその恋人さんのことも含めて成り立っている存在だと思う。だから」
トレーナーをぎゅっと抱きしめる。
「上書きだなんて言わないで。そんなところも含めて私はトレーナーが大好きなんだから」
私の胸でトレーナーがわんわんと泣き始める。
泣き声が外に漏れないように少しだけ抱いている腕に力を込める。
そしてもう一度トレーナーのピアス痕にキスをした。 - 3二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 21:52:34
メジロ家随一のスパダリ・パーマー来たわね…
- 4二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 21:53:46
- 5二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 21:53:52
パーマーならこうかなっていう妄想
なおパマヘリに関しては良質なスレが立てられたのでお休みします
お目汚し失礼しました
元ネタというかインスピレーションを受けたスレ
♀トレになってさ元彼のあけてくれたピアスホールが残った耳をうまぴょいのときに噛まれたい。相手が誰でも滾るこのシチュ。bbs.animanch.com - 6二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 21:55:28
スパダリのパーマーはやっぱり最高やな
- 7二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 21:56:09
ア……(砂になる音)
- 8二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 21:57:54
パーマーは包み込んで優しく抱きしめてくれる系スパダリだって俺信じてたよ
- 9二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 22:14:04
- 10二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 22:14:18
ビューティフォー…
- 11二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 22:22:13
- 12二次元好きの匿名さん21/09/02(木) 22:54:34