- 1二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 20:16:26
乙骨の領域内での死闘中、突如現れた裏梅が乙骨の領域に最大出力の霜凪を放ち、領域を崩壊させる。
術師陣営たちが心配する暇すら与えず、秤が後を走って追ってくる。しかしその目は裏梅には向いておらず、宿儺を一直線に見つめていた。
乙骨に裏梅を任せると言いながら、無策とも思えるまでの直線的な走りで雄叫びをを上げながら宿儺に向かう秤。気でも触れたかと怪訝な顔をしつつ、冷静に世界を断つ斬撃の詠唱をする宿儺。
虎杖が避けろと叫ぶも、その声は秤には届いていないようで、ただ砂埃を上げて走るのみだ。詠唱を終え、しっかりと秤を見据えて放たれた世界を断つ斬撃は、秤の胴体を二分させたかのように思えた。
しかし、血をぶちまけながら宿儺に殴りかかった秤の顔には、不敵な笑みが浮かんでいた。
勢いのまま宿儺の顔面を殴り飛ばした秤に、日下部が驚愕しつつも何かに気付いた顔をする。
そう、世界を断つとは言えども、所詮は斬撃。秤は裏梅との闘いで領域展開をより洗練されたものにしており、「斬られた所から細胞単位で治す」という力技によって、世界を断つ斬撃を克服していたのだ。
その人外じみた対処法に、感嘆の声を漏らす術師たちの士気も戻りかけていた。
術式が焼き切れた乙骨も、全盛期を過ぎて尚女王と呼ばれるリカと特級の名に恥じないフィジカルで裏梅を追い詰める。
宿儺には秤と猪野、そして虎杖が付き、代わる代わる、少しづつではあるが着実にダメージを蓄積させ、宿儺を衰弱させていた。
平安以来史上最強の術師としてその名を語り継がれてきた「呪いの王」両面宿儺の脳裏に、「敗北」が過る。
自分が「くだらん」と断定した、自分の数十分の一の時間しか生きていない小僧が、これ程までに自分を追い詰めている。
五条悟との闘いで感じた「緊張」ではない。日車寛見との闘いで感じた「期待」でもない。宿儺が今感じているのは紛れもなく、「悔しい」という感情だった。 - 2二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 20:16:42
自分の感情を自覚した宿儺は、突如、術師たちとは反対の方向に走り出す。秤の領域展開によるオートの反転術式は、あと数秒もすれば切れるだろう。そうすればもう、ほぼ勝ちの目はない。虎杖をはじめとする術師たちが、宿儺を追う。
逃げる宿儺の目の前に、烏が飛んでくる。すんでの所で避けられたその烏は地面に激突し、深々とコンクリートを抉った。後ろから、穿血が飛んでくる。それを手ではじいた宿儺が、苦い顔をする。手からは血が流れており、宿儺の走る速度も心なしか遅く、鈍くなったようだ。
しかし、間に合わなかった。
秤の領域による無限の呪力がなくなったことで、宿儺はさっきまで厄介極まりなかった相手が今や自分の敵にすらならなくなったことを知る。
振り返り、一番近くまで迫っていた虎杖に指を向け、詠唱する。
「龍鱗」「反発」「番いの流星」
その異形の顔には、今までとは違う、歪み切った笑みが浮かべられていた。
咄嗟に横に跳んで避けようとした虎杖だったが、その回避行動を読み切った宿儺は、虎杖の動きを正確すぎるほどに追っていた。
虎杖の胸部を寸分の狂いなく捉えた斬撃が、その命を今奪わんとして迫る。
思わず目を瞑った虎杖の耳に、聞きなじみのない、金属を手で殴るような音が聞こえた。
虎杖が聞いたのは、その身を抉る斬撃の音...ではなく、宿儺の怨嗟の籠った唸り声だった。
何が起こったかわからない虎杖に、ニヤリと微笑みながら問う者がいた。
「生きてるか?ブラザー」
「応!!」 - 3二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 20:17:14
東堂を書きたかっただけの妄想です
- 4二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 20:18:41
話を進めすぎだ
- 5二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 20:19:01
東堂いいよね
俺も好き - 6二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 20:19:03
10102話だから許して...
- 7二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 20:20:59
- 8二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 20:21:36
それはほら...乙骨の領域内での戦闘とか...ね?
- 9二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 20:22:12
乙骨たちが負ける→時が戻る→宿儺が負ける→時が戻るの無限ループ繰り返してるんやぞ
- 10二次元好きの匿名さん24/02/16(金) 20:23:03
ループの均衡を崩す東堂