- 1二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 22:15:14
- 2二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 22:24:14
あらまあすまん
- 3二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 22:24:33
落ちたか…立て乙
- 4二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 22:26:01
保守
- 5二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 22:29:24
保守
- 6二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 22:29:36
保守
- 7二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 22:36:08
新参
今までの設定はどんな? - 8二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 22:37:41
- 9二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 22:40:19
立て乙
- 10二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 22:41:00
うめ10
- 11二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 22:56:25
- 12二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 23:20:15
再開します!
「おい、来たぞ」
真希が一方を見て言うと、ぞろぞろと京都校の面々がやってきた。
「あら、わざわざお出迎え?気色わ・・・むぅっ!」
「おはようございます、みなさん」
「むぅ・・・もう」
軽口を叩こうとした真依の頭を押さえて夏彦が苦笑いを東京校の方へ向ける。
「乙骨いねえじゃん」
『乙骨が居ないのはいいとして、一年二人はハンデが過ぎないか』
「呪術師に年齢は関係ないさ、特に伏黒君、彼は禪院家の血筋だが・・・」
「血筋も関係ないですよ、本人の努力で一級になる人も多いからね」
夏彦が加茂の話に言葉を挟む。三輪は夏彦をチラッと見る加茂を見てハラハラしている。
「オラ!お土産だせよ!」
「はいよ、どうぞ」
「ホントに出された・・・夏、ありがと」
釘崎が吠えそうになったのを先にお土産の八つ橋を渡して鎮火させる夏彦。
「夏彦君、お疲れ・・・」
「ホント夏彦君・・・助かる」
常識人の京都校一年生三輪と三年生の西宮はあちこちに移動している夏彦に手を合わせている。 - 13二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 23:20:29
ありがとうございます
- 14二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 23:21:14
さす夏
- 15二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 23:40:01
「夏彦、相変わらずいい奴すぎる・・・」
「しゃけ」
「夏彦の奴、はりきってんなー」
顔見知りの三人は調整に動き回る夏彦を見て感心していた。
「はいはい、皆揃ってる?」
京都校の面々、三年生東堂 葵、加茂 憲紀、西宮 桃、二年生、禪院 真依、三輪 霞、究極メカ丸、一年生に例外的に京極 夏彦が参加している。引率としてやってきた京都校の教員 庵 歌姫が加わり一同は出そろった。
「それで?あのバカは?」
「悟なら遅刻だぞ」
「あのバカが決まった時間に来るわけねえだろ」
「・・・まだ馬鹿が五条先生とは決まってませんよ」
伏黒はそういうが、前回の夏彦に嘘の集合場所を教えていたことを思い出してこめかみを押さえた。 - 16二次元好きの匿名さん24/02/17(土) 23:53:15
「おっまたー!」
東京校と歌姫が五条へのストレスを抱える中、明るい声でやってきたのはここにいる大多数の頭痛の種だった。
「いやぁ、僕、最近まで海外にいってましてねー!これ、みなさんにお土産でーす!」
京都校の皆にはとある部族のお守りを!といいつつ人形を配り始める五条。
「あ、悪いけど歌姫の分はないよ?」
「いらねーよ!」
「先生、よかったら僕のいります・・・?」
「いや、気をつかってくれなくてもいいからね・・・夏彦君」
五条と歌姫のやり取りにそっと人形を渡そうとする夏彦に歌姫は脱力した。
「そして!皆には・・・これだッ!」
「なんかハイテンションな大人って不気味ね・・・」
「・・・」
ガラガラと押してきた台車には大き目の箱が乗っている。 - 17二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 00:05:30
おっぱ…ぴ
- 18二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 00:27:12
バン!と蓋が開くと・・・。
「はい!おっぱっぴー!」
箱から虎杖がポーズを取りながら立ち上がった。
「「「「・・・」」」」
「えーっ!?全ッ然、嬉しそうじゃない!」
虎杖が想定外の様子に硬直する最中、学長二人もその場に合流する。
「はいはーい、この子が宿儺の器、虎杖悠仁君でーす」
(京都の皆はお土産に夢中ーっ!)
虎杖が謎空間に取り残される中、五条は学長二人を見つけて二人に歩み寄った。
「あー、楽巌寺学長」
「宿儺の器・・・!」
「いやー、よかったよかった。びっくりして死んじゃったらどうしようかと」
「クソガキが・・・!」
二人はバチバチに視線を交わす、 - 19二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 00:30:44
虎杖はフリーズしたままだったが・・・。
「おい!」
「はひっ!」
「なんか言う事あんだろ・・・」
虎杖は固まったまま首だけを動かして釘崎と伏黒の方へ向くと、涙目の釘崎が抗議の眼差しを送っていたのを見て。
「生きてる事、黙っててすみませんでした・・・」
深々と謝罪することになった。 - 20二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 00:40:41
今日はここまでにしときます!また明日!
- 21二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 01:16:50
乙です
- 22二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 07:44:34
保守
- 23二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 08:45:47
ほ
- 24二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 13:21:45
ほ
- 25二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 22:36:24
再開します!
虎杖が合流し、東京校、京都校の面々が揃ったところで夜蛾が交流会の説明を開始する。
「二日間にわたって行われる東京京都姉妹校交流会の一日目は団体戦。「チキチキ呪霊討伐猛レース」!」
ルールは指定された区画内に放たれた二級呪霊を先に討伐したものが勝利となる。区画には三級呪霊も複数放たれており、二級呪霊が討伐されなかった場合は呪霊の討伐数の多寡によって勝敗を決することとする!
「それ以外のルールはない、もちろん妨害行為もありなわけだが・・・あくまで君たちは共に呪霊に立ち向かう仲間だ!交流会は競い合いの中で仲間を知り、己を知るためのものッ、相手を殺したり再起不能のケガを相手に追わせることのないように・・・!」
「あががが・・・!」
「クスッ」
夜蛾は関節技で五条を締め上げつつルールを説明した。
「以上!競技開始時刻の正午まで解散っ!」
東京校の作戦ミーティングへ・・・ - 26二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 22:38:25
始まり始まり
- 27二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 22:39:24
夏彦と東堂がいるのは中々に…まあ乱入のせいで有耶無耶になるんすけどね
- 28二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 22:42:41
一級術師と一級相当(しかもどっちも特級に対処済み)という化け物コンビですからねw
- 29二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 22:47:44
「あの・・・これは見方によっては結構ないじめになるのでは・・・?」
「うるせー」
まだ不機嫌な釘崎を宥めつつ、パンダと狗巻が虎杖と交流を重ねる。
「まあまあ、事情は聞いたろ?」
「お?!パンダがしゃべった」
「しゃけしゃけ」
「え?なんて・・・?」
「狗巻先輩は呪言師なんだ、相手を見境なく呪わないように語彙絞ってんだよ」
困惑する虎杖に伏黒が補足説明を入れると真希が虎杖に手を出した。
「それより屠坐魔返せよ」
「え?・・・あっ」
(かしてーあげるーこわしたーかえってこねえ!)
「ひいっ!」
「あ?」
「五条先生が・・・持ってるよ」
「ったく!あのバカ目隠し!」
「んー?」
二人のやり取りに伏黒は眉をひそめる。 - 30二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 23:06:26
「呪言って、死 ねって言ったらマジでしぬの?最強じゃん!」
「そんな便利なもんでもないさ、実力差でケースバイケースだけどな。強い言葉を使えばその分反動が強くなるし、最悪そのまま自分に返ってくることもある。語彙を絞るのは棘を守るためでもあるのさ」
「へー・・・それで、先輩はなんで喋れるの?新種のパンダとか?」
「人の術式をペラペラと・・・」
「いいんだよ、棘の術式はそういう次元じゃねーから」
それよりだ、と真希は言う。
「団体戦形式はいいとしてメンバーが増えた。作戦どうすんだ?時間ねーぞ」
「そりゃ悠仁次第だろ、悠仁はなにができるんだ?」
「殴る蹴る!」
「そういうの間に合ってるんだよな・・・」
「ええっ・・・」
ショックを受ける虎杖。しかし伏黒はそれに対して反論する。
「両校で仮に呪力ナシでやり合ったら・・・虎杖が勝ちます」
その断言に二年生はそろって感心の声を上げた。
(東堂とやり合った恵が言うんだ・・・夏彦の件もあるし、面白くなってきやがった)
真希は京都校に対抗するピースが増えたことに笑みを浮かべる。 - 31二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 23:29:47
対する京都校では・・・
「宿儺の器、虎杖悠仁はころせ・・あれは人ではない。故に全て不問、事故として処理する。遠慮も躊躇もいらんぞ」
楽巌寺が京都校の面々に開口一番、そう指示を飛ばす。周囲が表情や態度を動かさない中で一人、三輪だけが乗り気でない態度だった。
(嫌だなぁ・・・)
三輪が露骨に顔をしかめる中、真依が口を開いた。
「ころすもなにも、彼、死なないからここにいるんですよね?」
「前回のは自死だったと聞いている。敵対術師と戦うときに気をつけねばならん事は?加茂」
「はい、死後呪いに転ずることの内容に呪力で仕留めます」
「その通りだ、他者の呪力できっちりとトドメを刺せば何も問題はない。今現在肉体の支配権は虎杖悠仁にある・・・で、ある以上所詮は一年生にすぎん、縊るのは容易い」
そう言いかけたところで東堂は障子を蹴破って部屋を後にした。
「くだらん、勝手にやってろ」
「戻れ東堂、学長の話が途中だ」
「11時からの散歩番組に高田ちゃんがゲスト出演で出る。それ以上に説明がいるか?」
「録画すればいいだろ、戻れ」
加茂の言葉に東堂は目を見開いて叫んだ。
「リアタイと録画・・・両方見んだよ!舐めてんのか?」
イライラした様子で東堂は指をさすとつづけた。
「いいかお前ら!爺さんもよく聞け、女の趣味の悪い貴様らにはとうに失望してる、謀略策略勝手にやってろ、ただ次に俺に指図してみろ・・・ころすぞ?」
血走った目でそう宣言すると東堂は今度こそ部屋を出ていってしまった - 32二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 23:32:08
東堂は東堂(格言)
- 33二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 23:45:01
「僕も、そういうのはパス」
東堂に続いて夏彦も頭を掻いて部屋を後にした。
「京極、君もか?」
「加茂先輩、僕は正直呪霊の相手だけで一杯一杯ですよ。上の事は興味ないです」
それじゃ正午にまた。と夏彦は部屋を後にしてしまった。
気が付いたら真依もいなくなっていた。夏彦についていったのだろう。
「どうしましょうか、学長もいなくなっちゃったし・・・あの様子じゃあ作戦行動とか無理ですよね?私、あの人に殺されたくないんですけど・・・」
「どうせあいつは東京校にまっしぐらでしょ。私達は競技に集中すればいい」
『東堂はトドメを刺すところまではしないだろう、監視して、虎杖を仕留める必要がある』
「加茂家嫡流として、虎杖のような半端物は看過できん。京都校全員でかかるぞ」
加茂がそう言ったのに西宮が手を上げて質問する。
「狗巻君はどうするの?彼の呪言だと全員が集まってるのはリスキーじゃない?」
「あれは来るとわかっていればそれほど脅威ではないよ」
ミーティングは紆余曲折ありながらも進む。 - 34二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 23:51:25
今日はここまでにしときます。また明日!
- 35二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 23:53:22
乙〜
- 36二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 07:20:30
ほしゆ
- 37二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 17:39:06
保守
- 38二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 22:33:21
今週号の真希ちゃんがエロかっこよかったので再開します!
教員が待機する部屋にて、五条と歌姫が座っていた。
「話って?」
「なに切れてんの?」
「切れてないわよ・・・」
「だよね?僕なんもしてないし」
相変わらずの五条に苛立ちを覚えつつ、歌姫は五条の用件を問う。
「呪詛師か呪霊と通じてる奴がいる」
「は?呪詛師はともかく呪霊って・・・あり得ないわ」
「ところが、そういったレベルのが最近ごろごろしてんだよね。言葉を操り、徒党を組んで動いてる・・・そんな奴が。本人は呪詛師とだけ通じてると思ってるだろうけど・・・」
そこで京都側の調査を頼みたいんだ、という五条の言葉に歌姫それとなく周囲を伺いつつ答える。
「私が通じてたらどうすんのよ?」
「え?ないない、だって歌姫弱いもん!そんな度胸もないでしょ」
歌姫は思わず湯呑を五条に投げつけていたが本人は変わらずへらへらしたままだった。
「おーこわ、ヒスはもてないよ?」
「私の方が先輩なんだよ!」 - 39二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 22:35:53
同意
- 40二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 22:57:04
そこから時間は流れて、交流会の開始時刻が近づいた(面々の交流に関してはカット。
『開始一分前でーす』
五条の気の抜けた声でアナウンスが入る。
「えー、今から歌姫先生のありがたーい激励のお言葉がはいりまーす」
「え?」
といいつつ歌姫はこそこそとメモを開いた。
「交流戦は夜蛾学長も言っていた通り、競い合いを通じて仲間と姉妹校の相手を知るための・・・」
「はーいお時間でーす!」
「ちょ!五条!!!!」
「よおおおおおおいスタートっ! ところでカンペまで作って用意周到だねぇ」
「これは夏彦が『絶対五条さん無茶ぶりしてきますよ』って言ってたから・・・って!先輩を敬え馬鹿野郎!」
あまりにもあんまりな開始の合図に生徒一同は微妙な顔をしつつ、呪霊捜索のために走り出した。
「東堂はともかく、京極はどこだ?」
「私が知りたいわよ・・・」
(あーあー、真依ちゃん元気ない・・・) - 41二次元好きの匿名さん24/02/19(月) 23:31:31
「ボス呪霊どこかな?」
「うちと京都校の中間だろうが、ま・・・止まってはいないだろうな」
「例のポイント来たら索敵係のパンダ班と恵班に分かれて行動するぞ!」
パンダがそう答えるのに続いて真希が指示を飛ばす。すると木の影から蜘蛛型の呪霊が。
「雑魚だな」
「・・・真希さん!ストップ!」
パンダが呪霊の格を低級とランク付ける。真希は大刀を構えて速度を上げようとしたが玉犬と伏黒が反応しストップをかけた。
「うぉぉぉぉ!!!」
木々をなぎ倒しながらやってきた男。東堂だった。 - 42二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 00:15:28
すみませんが今日はここまでにしときます、また明日!
- 43二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 00:30:03
乙〜お疲れ
- 44二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 08:26:06
ほしゆ
- 45二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 17:23:52
保守
- 46二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 22:00:03
再開します!
「全員いるな!まとめてかかってこい!」
東堂はやる気十分といった風だ。東京校の皆は一瞬身構えたが
「・・・おらっ!」
虎杖が東堂に仕掛けた。首を掴んでの膝蹴りである。
「よし、今だ!散れっ!」
再度の号令で全員が走り出す。当初の作戦通り、パンダ班と恵班に分かれての行動だ。
「わかってたけどバケモンね・・・」
「そーそー、だから無視無視」
「ツナツナ」
呆れた様子の釘崎にパンダと狗巻が続く。
「東堂一人でしたね」
「真っ先に狙ってきたな・・・夏彦もいるし、悠仁に変えて正解だった」
時間は作戦ミーティングにさかのぼる。 - 47二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 22:14:57
「恐らく東堂は直で私達を潰しにくる、真依も私狙いで便乗してくるかもな」
真希は京都校の面々の性格からわかりやすい人物をピックアップして話し出した。
「東堂ははっきり言ってバケモンだ。まあ・・・夏彦も似たようなもんだが、アイツは話が分かるしぶっちゃけやる気ないと思う・・・がだ、全員で戦って全滅が一番最悪のパターンだろう」
「夏彦って人も強いんですか?」
「タイマンなら東堂より強いと思う。集団戦や総合能力はしらんが術師としては格が違うからな」
馬鹿力、豊富な呪力、戦闘の経験。三拍子そろってるぞ。と組んで任務に当たった経験から真希が言うと東京校の面々は頭を抱えた。
「単純に東堂クラスが二人居るって考えるだけで面倒だが・・・悠仁が来てくれたのはラッキーだ。まずはお前が東堂を足止めしろ」
できるだけ時間を稼げ、最悪勝てなくてもいい。と真希が続ける。
「一秒でも長い方がいい。本来なら恵かパンダを足止め要員として当てるつもりだったが索敵できる奴を割きたくねーし」
「ま、気楽にな。元々お前は予定外の戦力だ。居なくても大まかな作戦は変わらん」
「ひでー!」
虎杖が不満の声を上げたがパンダは伏黒へ話を向ける。
「悪いな恵、お前東堂とやりたかったろ?」
「いえ、別に・・・俺はどっちでも」
「超ドライだな」
「でも先輩」
「ん?」
「やるからには・・・勝つよ」
虎杖は自らに言い聞かせるように、そう宣言した。 - 48二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 22:26:58
やってたぜ
- 49二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 22:32:51
虎杖は東堂の顔を蹴り抜いて着地すると後ずさる東堂を見やる。
「ぬう・・・ぺっ!」
東堂は蹴りを入れられたにも関わらず平然とした顔で唾を吐くと拳を鳴らし始める。
「悪くないスピードだ・・・お返しだ一年!死ぬ気で守れ!」
「!・・・うおっ!?」
東堂の一撃が途中で割り込んだ呪霊ごと虎杖を吹き飛ばした。
「あー、マジで殺 るつもりか・・・ある意味、東堂先輩とぶつかってくれてラッキーだったかな」
木の陰から成り行きを見守っていた夏彦は虎杖を囲むように動き出した京都校のメンバーを見て頬を掻いた。
「悠仁は悪い奴じゃないからなー・・・ヤバくなったら加勢するか」
加茂達の後を追いつつ、夏彦は虎杖と東堂のやり取りを見やる。
「っと、ここか・・・うわ、容赦ないな・・・一般人なら死ぬって」
こっそりと気配を消して近づくと東堂が虎杖の頭に蹴りを入れている場面に出くわした。
ひやひやしていたが頭から流血しつつも立ち上がった虎杖に安堵しつつさらに状況を見守ると・・・。 - 50二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 22:39:06
『・・・みはなん・・・?』
『は?・・・で・・・と』
「距離が遠いな・・・何話してるんだ?」
『俺・・・は・・・だった・・・な』
『えっ!?今名前聞いたのに?!』
突然東堂が上を向いて泣きだしたので虎杖と物陰の夏彦は仰天した。
「えー、東堂先輩・・・?えー?」
混乱する虎杖と夏彦を銃声が現実に引き戻した。
「真依ちゃんか・・・やばい、ぼーっとしすぎた」
こっそり逃がすのは無理になった。東堂と戦うのは前提としても全員でかかられたら一たまりもないだろう。
真依が追い込み、三輪がシン陰流の抜刀で切りつけたが虎杖はそれを難なく躱した。
「いい反応だ、けど囲まれたな」
術式を準備しつつ、夏彦が飛び出そうとした時だった。
パン!と手を叩いた音が響いた。
「あれっ?え?」
囲んでいた場所から加茂と虎杖の場所が入れ替わっており、加茂が囲みの真ん中に立っていた。 - 51二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 22:59:34
技巧派ゴリラ(2体目)
- 52二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 23:04:15
「東堂先輩の術式か・・・お、東堂先輩キレてる。悠仁は気に入られたか」
何やら喋っているのが聞こえて加茂がその場を後にした。夏彦はそれに胸を撫でおろしつつ・・・。
「ねえ夏彦、どうしてそこにいるの?」
「いや、あのその・・・」
「私に黙っていなくなるなんてひどいじゃない」
真依センサーに引っ掛かって冷や汗を流していた。 - 53二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 23:23:17
「どこに行っていた夏彦」
「お腹が痛くて」
「と、とにかくがんばりましょ!」
加茂の圧力に夏彦は明後日の方向をむきつつ答える。三輪のフォローもあり、加茂はすぐに頭を切り替えた。
「あーもう、スタートグズグズじゃん。だからほっとけっていったのに・・・あ、夏彦君が真依に詰められてる・・・まあいいか、頑張れ私、今日も可愛い」
西宮は真依に前後に振られている夏彦を見下ろしつつ自分を鼓舞する。が
『落とせ!』
「やばっ!」
「真依、メカ丸。西宮のカバー」
『了解』
「索敵は必要だものね」
伏黒の式神、鵺が西宮を急襲した。電撃を受けて落下していく西宮を見て走り出した京都校のメンバーは西宮をカバーするべくメカ丸と真依が指示を受けて走り出した。
「ちょっと!夏彦も来なさいよ!」
「え?僕も?」
「いいから!」
「三輪先輩、すいません!」
「えー・・・」
戦力配分的に三輪のカバーに入るつもりだった夏彦は真依に言われて三輪に頭を下げつつ真依の後を追いかける。
「しっ!」
「くっ!」
それと入れ替わるように真希と伏黒が茂みから姿を現した。三輪が真希の攻撃を受け、伏黒が加茂と戦闘に入る。 - 54二次元好きの匿名さん24/02/20(火) 23:58:36
トンファーで攻撃を仕掛ける伏黒は加茂と押し合いになる。
「加茂さん、アンタ・・・虎杖殺す気ですか?」
「なんのことかな?理由がないだろ」
「御三家や上はいくらでもあるでしょ!」
「加茂から離れたな、身内にも術式隠してんのか?」
「えっと・・・その、言い訳になりますけど・・・ごめんなさい」
真希と対峙した三輪は本心を吐露する。
「虎杖君のこと・・・殺したくはないので」
「そっか」
「でも、交流会の勝ちまで譲る気はありません!」
刀を構えて三輪は真希に相対する。
「縦の繋がりのない呪術師でも交流会の事は通ります。その結果で推薦を受けて、昇級して・・・速く自立してお金を稼ぎたいので!」
「なんで?」
「貧乏です!弟も二人!」
「お前・・・良い奴すぎないか・・・?大丈夫か?夏彦に助けてもらえばいいんじゃないか?」
「え?!いや、まあ夏彦君はお菓子とか差し入れしてくれるし、財布落としたときにお金貸してくれたりしてますけど・・・」
「そっか、でも・・・手加減はしねえよ?」
「もちろん!そのつもりで言ったわけじゃないので!」 - 55二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 00:00:26
これ見て久々に伏黒がトンファー使ってたの思い出したよ…
- 56二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 00:03:16
そういやそうだったような
- 57二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 00:08:15
- 58二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 00:30:38
各々が戦闘を開始する中、夏彦は真依の後ろを追いかけながら考える。
(さて、このまま楽しんで終わり・・・でもいいが、このメンツだと三輪先輩が心配だな、加茂先輩もあの人をカバーするような人じゃないし・・・伏黒君も結構やり手だろうしな)
となると、と夏彦は真依の肩を叩いた。
「真依ちゃん、西宮先輩のカバーはメカ丸先輩だけでいいと思う。三輪先輩が戦力的に心配だ。西宮先輩の無事を確認したら引き返そう」
「いいけど、メカ丸は?」
『西宮次第だが、問題ない』
真依がメカ丸に了解を取ってくれたのを受けて夏彦は笑みを浮かべた。
「くぅ・・・あれが伏黒君の式神、電気を帯びた翼か・・・行動に影響ないといいけど」
木の上に落ちた西宮は体に残る痺れを気にしながら体勢を立て直すべく箒を握りなおした。
「「にーしーみーやーちゃーん」」
「?」
「「あーそーぼー」」
(ガラ悪っ!可愛くない・・・)
木が突然揺れたのに驚きつつ下を見るとパンダと釘崎が西宮に呼びかけていた。 - 59二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 00:33:14
今日はここまでにしときます!また明日!
- 60二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 01:10:48
お疲れ様でした
- 61二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 08:33:14
保守域展開
- 62二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 13:26:51
ほ
- 63二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 22:32:10
再開します!
「ねえアンタ、そっちのジジイから虎杖殺すように言われたでしょ」
釘崎の問いかけに西宮は驚いた。
(この子勘が良い・・・いや、パンダちゃんか)
「え?なんのこと?」
「とぼけなくていいわよ、こっちだって殺す気でやるし・・・特に、真依とかいう真希さんの出涸らし」
「は?」
目つきが鋭くなった西宮に釘崎は笑みを交えながら続ける。
「は?じゃねえよ、ペッパー君だってもうちょいマシなレスポンスするっての・・・」
なんだ、怒れるじゃん・・・私だって今同じ気持ちだよ!と内心で炎を滾らせながら釘崎は言葉と気持ちを吐き出し続けた。
「そういや、そっちに居たわよね!ペッパー君!ぶっ壊して不法投棄してやろうかしら!」
「チッ・・・」
眉間にお互い皺をよせながら睨み合う光景にパンダは引いた。
「ん?・・・おうっ!?」
「パンダ先輩ッ!」
閃光が走り、パンダを貫いた。 - 64二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 22:34:30
ペッパーレスポンスいつ見てもキレキレ
- 65二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 22:43:10
『呪骸だ、死にはしない・・・しばらくは動けんだろうがな』
暗がりからメカ丸が登場した。右手から放熱しつつ、釘崎と対峙する。
『で?誰がペッパー君だって?』
「待って、メカ丸・・・それに夏彦君。この一年は私が可愛く叩き直してやる。真依ちゃんの苦労、女が呪術師やってく意味、もろもろ叩き込んでやるわ」
「援護は?」
「いらない」
土くれが崩れて木に擬態していた夏彦が姿を見せた。
「やっほ、とげちゃん。西宮先輩、結構手強いから頑張ってね」
「あ、夏!アンタはどこ行くのよ!」
「準一級が二人もここに居たら戦力過剰でしょ。戻るよ」
「どこに?」
「真希ちゃんかな、真依ちゃんが戦いたがってるんだけど・・・今真希ちゃんと戦ってるの三輪ちゃんっぽいから」
助けないと、荷が重いからね。と夏彦は短く告げると背景に溶けるように姿を消した。
(無機物を式神にするとあんな芸当ができるのか・・・いなくなってくれてラッキーだな) - 66二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 22:50:28
パンダは死んだふりをしつつ、夏彦が居なくなったタイミングを見計らって起き上がった。
「なんつって!おりゃっ!」
『!・・・』
「まったく、夏彦と揃って出たがりか?こそこそ援護に徹しろよ・・・ま、仲良くやろうぜ」
メカ丸を殴り飛ばして距離を取るとお仲間同士な!とパンダが煽る。
一方では剣激が火花を散らしていた。
(くっ!・・・この人、めちゃくちゃ強い!)
三輪は懸命に刀を振っていたが真希は大刀を巧みに振って三輪の攻撃を容易くいなし、重い反撃を加えてくる。 - 67二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 23:10:49
すいません明日早いので今日はここまでにしときます!
- 68二次元好きの匿名さん24/02/21(水) 23:18:57
乙〜
- 69二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 06:46:31
保守域展開
- 70二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 11:25:02
保守
- 71二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 22:34:25
今日はおやすみですか?
- 72二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 22:51:42
いーえ!やります!
『真希?ああ、万年四級の・・・呪具振り回してるだけの一般人よ!』
真依がそう言っていたのを鵜呑みにしていた自分を三輪は呪った。夏彦の苦笑いがどういう意味なのかを
問いたださなかったことも。
「くっ!」
「おお・・・らっ!」
「がはっ!」
大刀の穂先が三輪の腹部を捉える。覆いがしてあるので斬れることはないが・・・。
当然、殴打の痛みまで消えるわけでは無い。ふらつきながら三輪は距離を再び取った。
(長物だから距離を詰めたいのに・・・近づけない!なんて強さ!真依の馬鹿!)
武器の攻撃だけでなく柔軟に体術が混ざる真希の戦闘スタイルは四級という括りには到底収まるものではない。
(これで四級!? 二級なら簡単に祓えるでしょ!もう!)
等級詐欺に三輪は悪態をつきつつ、体勢が崩れた際に再び胴を捉えた大刀の一撃に目を白黒させた。
(刀身の覆いが無かったら私もう二度は死んでる!実力が違う・・・!) - 73二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 22:56:05
そりゃね…
- 74二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 22:56:29
ハジマタ
- 75二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 23:18:03
蹴りをモロに食らい、崖を転がり落ちた三輪は川の中へと叩き落される。
「・・・ぶはっ!ごほごほっ!」
浅い川なので溺れるほどではないが倒れ伏してもいられない。三輪が思わず顔を上げた時に影が差した。
それが上から飛び掛かった真希だと気づき、三輪は再び飛び退って距離を取った。
「シン陰流・・・簡易領域!」
三輪は納刀して腰を落とし、居合の構えをとった。半径2,21メートル内に入った相手をフルオート反射でカウンターする。正面に特化したこの抜刀は鞘の中で刀身を呪力で加速させるシン陰流最速の技である。
欠点としては両足が展開時から移動した時点で解除されること。
(これで決めると思うな!わずかでも隙を作る!)
三輪が構えをし、あえて自分を待ち構える戦法にでたことで真希は考えた。
(居合か、しかもタネがありそうだな・・・)
「と、くれば!」
真希はそうそうに三輪の戦法に当たりをつけ、豪快に大刀の柄を真ん中から叩き追った。
(嘘!ここでリーチを捨てるの?)
「ふんっ!」
(デコイ!カンがいい!居合を潰された!)
二発目に飛んできたのは暗器だった。苦無状の投擲物を迎撃しようとしたとき・・・
「おっと、ごめんよ三輪先輩」
割って入った夏彦が暗器の投擲を無視して川底を蹴り上げた。 - 76二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 23:20:29
夏彦参上!
- 77二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 23:32:46
爆発のような衝撃が走り、距離を詰めようとした真希はそれを察して踏みとどまった。
「相変わらずカンがいい」
「よう夏彦、お前が居るってことは近くに真依もいるんだろ?」
「うん」
(素直か!ってか痛くないのかな・・・)
間に割って入った際に真希の投げた暗器が普通に肩に刺さっている。三輪は平然としている夏彦に
お礼を言う事も忘れて呆然としていた。
「ったく、投げたもんは気にしろよ。毒でも塗ってたらどうすんだよ?」
「気合で耐える!睡眠薬でも一時間くらいなら平気」
「バケモンかよ」
三輪と真希双方から呆れた視線を向けられているが夏彦は平然としている。
「さて、三輪ちゃん。早速だけど真依ちゃんも援護してくれるから・・・頑張ってみてよ」
「え?!助けてくれないの・・・?」
「インファイトするのが二人だとコンビプレー難しいんだもん、カットはするから頑張れ!」
肩を叩くと夏彦は三輪の少し後ろに移動した。後ろから気の抜けるような声で「がんばれー」と聞こえてくる。
「えぇ・・・」
「ま、アイツも実際実力は一級クラスだしな。ぶっちゃけ夏彦が混ざるとオマケになるのは三輪、お前だからな」
準がつくとはいえ一級が見てくれてると思って気張れ!と真希からも言われてしまう。 - 78二次元好きの匿名さん24/02/22(木) 23:40:10
三輪ちゃんがんばえ〜
- 79二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 00:23:01
「さて、仕切り直しだ。せっかく有利になったんだからそっちから仕掛けて来いよ」
柄が半ばで折れた大刀を持ちながら真希はちょいちょいと手招きをした。
「うぅ、なにこの状況・・・私、有利なんだよね・・・?」
「有利も有利だ、遠距離の・・・おっと、援護と・・・いざというときの援護要員が控えてるだろ?」
話の途中で飛んできた弾丸をスウェーで避けつつ真希は言う。三輪は音のした茂みと、後ろでニコニコしている夏彦を見てから深呼吸をして決意を固める - 80二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 00:30:28
今日はここまでにしときます!また明日!
- 81二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 00:40:34
乙
- 82二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 09:00:12
保守
- 83二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 13:29:01
ほ
- 84二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 23:13:01
再開します!
「行きます!」
刀を構えて三輪は自分から駆け出した。大刀の柄が折れた時点でリーチ差は無いも同然になっており、刀で打ち合っても大丈夫と三輪は踏んだ。
「ふ、そらっ!」
真希は真依の射撃もなんのそので三輪に合わせて距離を詰める。二人が制空圏に入り、刃が交差する。
「くっ!」
「ふっ!」
戦闘能力は真希が上だ、しかし真依の援護射撃と
「ふん!」
「きゃ「おっと」
大刀の一撃で体勢が崩れたのを夏彦が支えながら真希に蹴りを放つ。大刀の柄でガードし、受け流すもその隙を狙うように真依が射撃を行うので真希は再び距離を取った。
「三輪先輩、攻めが単調になってきてるよ。力みすぎて剣筋が悪い」
「うぅ、ごめんなさい・・・」
「まだまだ真希ちゃんは元気だ、頑張って!」
肩を叩きセコンドのように送り出すと夏彦はまた真希の動きを注視する。
(さすがに三対一、めんどくせえな)
真希は射撃に気を配りつつも決定打を打たせない夏彦のフォローを掻い潜る算段を考える。 - 85二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 23:25:56
無いかと思ったぜ…
- 86二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 23:26:35
介護員夏彦
- 87二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 23:27:25
先輩を指導する後輩…
- 88二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 23:32:16
このレスは削除されています
- 89二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 23:32:41
場数は上ですから・・・(震え声
- 90二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 23:41:42
(さて、となると例の居合の奴がいいよな・・・あれをどうにか使わせるか)
真希はステップを踏んで射撃を躱しながら距離を緩やかに詰めていく。三輪はそれを見て真希がこちらを幻惑しながら
自分に隙を作らせようとしていると考えた。
(距離とか肌の感覚だと敵わない・・・なら!)
三輪が刀を鞘に納めて
「迎え撃つ!シン陰流簡易領域!」
「あ、ちょ・・・」
夏彦の表情が明らかに変わったのを見て真希は内心で笑みをこぼした。夏彦は術式で気配や姿を消しているが
咄嗟に援護できるように近くに居ることはわかっていた。
(いくら夏彦でも二メートル以上離れて援護はできないだろ・・・ってことは!)
「抜刀!」
「わーっ!三輪先輩のバカバカバカ!!!」
「きゃー!夏彦君ごめーん!」
フルオート反射の抜刀が夏彦を直撃した。飛び上がって剣撃を躱したものの、両者が無防備になった。
「あ・・・きゅっ」
「はい、おしまい」
あろうことか真希に対して背中を向けてしまった三輪は真希に片手で締め落とされてリタイアとなった。 - 91二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 23:59:20
誤爆!
- 92二次元好きの匿名さん24/02/23(金) 23:59:44
小動物三輪リタイア
- 93二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 00:07:58
「わはははは!今の見た!?」
中継を見ていた五条は三輪の抜刀暴発に爆笑していた。
「三輪・・・あの子はもう・・・」
「あっはっは、面白いね。動きも悪くないけど知恵も回るんだねぇ、さっさと二級にでも上げてやればいいのに・・・ふふ」
「うひひっ・・・く、ふぅ、禪院家が邪魔してる臭いんだよねぇ、手のひら返して認めてやりゃいいのにさ」
「お金以外のしがらみは理解できないね」
「相変わらずの守銭奴ねぇ・・・」
ところで悠仁のとこの中継やけに途切れるね。と五条は笑いをかみ殺しつつ尋ねる。
「さてね、動物は気まぐれだし・・・視界の共有も疲れるからね」
「えー、ホントに?ぶっちゃけ冥さんってどっち側?」
「私はお金の味方だよ、金に換えられないものに価値はないよ、だって金に換えられないんだから」
「へー、ほんといくら積んだんだか!」
(何を企んでるかしらないけど、もう簡単にどうこうできる存在じゃないんだよ)
五条は不敵に笑いながらディスプレイを再び見やる。 - 94二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 00:44:24
「あー・・・もう・・・三輪・・・」
「三輪先輩・・・服破けました」
寝かせているわけにもいかないので三輪を対岸に移動させる。夏彦は咄嗟の事で避け損ねたのかシャツが破けていた。
勝利したはずなのに援護していた二人のやるせない表情をみてなんだか真希は申し訳なくなった。
「えっと、その・・・なんかごめん」
「謝らないでよ・・・」
意気消沈した真依は失神した三輪のとなりに腰を下ろすと虚空を見つめている。
「な、なんか・・・変な空気になっちゃったね」
夏彦が言うが、真希は頭を掻いているし、真依は恨みがましく三輪のほっぺを引っ張っている。 - 95二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 00:50:28
今日はここまでにしときます!また明日!
- 96二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 00:51:58
乙!
- 97二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 09:49:46
ほ
- 98二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 19:31:23
保守
- 99二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 22:35:13
再開します!
微妙な空気が流れる中、真希は大刀を遊ばせながら二人の動向を見守っていた。
「お、でっかい火柱」
「メカ丸のアルティメットキャノンね。あの火力だから勝ったにしろ負けたにしろただ事ではないわ」
真依の言葉を受けて夏彦はこめかみに手を当てる。付喪躁術でメカ丸についていくように仕向けた式神と視界をリンクする。
「あー・・・さすがパンダ先輩、メカ丸先輩に勝てたのか」
「桃は?」
「アッチはまだ戦って・・・やば、西宮先輩押されてるっぽいよ」
「そう・・・じゃあ真希は任せるわ。私は桃を助けに行く」
「お願い、冥冥さんの術と違って視界をリンクすると目が開けられないんだよね」
集中力いるしね。と夏彦は言うと首をごきっと鳴らして真希と向かい合った。
「んじゃ、そろそろ再開しよっか」
「なんだよ、真依はこないのか?」
「こっちは二人落ちだし、ここらで巻き返さないとね。その為には真希ちゃんを僕が押さえて、他のメンバーの援護に行ってもらうのがベターなのさ」 - 100二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 22:44:47
まじで便利な付喪操術
- 101二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 22:45:29
ゴリラが持っていい術式では無い
- 102二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 22:50:52
真希はふうん、と短く返しつつ大刀を構えた。
(さて、殴り合いならまだいいが体力勝負となると厳しいか。しかも術式ありだと手数で押されるしな)
ゴミや瓦礫は少ないが石や岩、倒木などがチラホラあるこの場は夏彦にとって有利な状況と言っていい。
僅かとはいえ川という悪い足場であることも同格の体術を持つ夏彦と戦う真希にとってはマイナスだ。
「術式使わないほうがいい?」
「ほざけよ夏彦、遠慮すんな」
「真希ちゃんに遠慮ってより、せっかく真希ちゃんくらいの使い手と戦えるんだし自分を不利に追い込んで戦いたいんだよね」
せっかく死なない戦いだし。と夏彦は言う。
「傲慢なのか謙虚なのかはっきりしろよ」
「術式で押し流すとさ、鈍るんだよね」
そういうが早いか夏彦は瞬時に真希との距離を詰めた。
「ッ!」
夏彦の拳が空を切る。体を捻って躱した真希はコマのように一回転して夏彦の脇腹を強かに叩いた。
「ちょっとは怯め!」
「ぬっ!ふんっ!」
叩かれたのを意に介さず、再び拳を振り上げた夏彦に悪態をつきつつ左拳のストレートを受け流して蹴りを入れる。
ぐらついたのを見計らい足払いを掛けたが・・・。
「つっ!固った・・・!」
立木を叩いたような感触を受けた真希は距離を開けて再び大刀を構えた。 - 103二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 22:53:41
カチカチ夏彦
- 104二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 22:54:14
- 105二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 22:56:04
まあ珍しい名前でもありませんしね
- 106二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 23:00:38
- 107二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 23:09:02
ここの夏彦君も京極夏彦から決まってますしねw
「男児たるもの岩のようにどっしりとってね」
「おらっ!」
「あ、流石に暗器刺さった場所は痛い!」
自慢げな夏彦を真希は容赦なくケガをした肩を叩いた。反撃のハイキックをしゃがんで躱し、背後から再び蹴りを入れて前にたたらを踏ませると振り返った夏彦に正中線に三連撃で拳を叩き込む。
「いって」
「ったく、痛いって顔じゃねえぞ」
「我慢してるだけで痛いっちゃ痛いんだよ?」
大刀の柄を掴んで攻撃を止める。
「やば・・・」
「当たってると思って油断したね」
「ぐ・・・がっ?!」
ぎょっとした真希を大刀ごと引き寄せて腹部に蹴りを入れる。
「げ、げほっ・・・ごほっ!」
数メートルを飛んで川に落ちた真希を夏彦はゆっくりと追いかける。
(くそっ、何発も蹴ったのに一発でチャラ・・・いや、こっちが負けてる・・・バケモンだろ)
- 108二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 23:54:06
今日はここまでにしときます!また明日!
- 109二次元好きの匿名さん24/02/24(土) 23:59:18
乙〜
- 110二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 07:11:36
保守
- 111二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 18:59:47
このレスは削除されています
- 112二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 19:03:49
セーフ!
- 113二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 22:47:39
再開します!ギリギリの保守サンクス!
「相変わらずの戦闘能力だね、彼は」
「術式ナシでも一級相当は伊達じゃない、本人にやる気がないから一級には上がらないそうだけど」
冥冥と歌姫が真希を軽くあしらう夏彦の戦闘能力を評価する。踏んだ場数、術式の柔軟性、本人の体術、呪力量、出力量。どれをとっても満遍なく隙がない。それが夏彦だ。
「しっかし呪霊全然減らないね、みんな喧嘩に夢中すぎでしょ」
「なんでこう仲良くできないのかしらね」
「歌姫に似たんじゃない?」
「私はアンタだけよ!」
五条の軽口に歌姫が怒る。それから頭を掻いて気を紛らわせると立ち上がった。
「はぁ、ちょっと行ってくるわ」
「え?どこに?」
「呪霊だらけの、しかも今二人が戦ってる場所に三輪を置いとけないでしょ」
二人が話している後ろで楽巌寺は少し前に加茂と話していたことを思い出していた。 - 114二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 23:16:36
今日掲示板重いけど大丈夫?
- 115二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 23:22:14
「学長、これは?」
「エリアに放つ準一級の呪霊じゃ」
「使われるのは本来二級のはずでは?」
「二級では心もとないのでな・・・ウチ、纏まりないし」
楽巌寺はそう言うと加茂に犬笛らしきものと小さな容器を渡した。
「呪霊の調教につかった笛と匂いじゃ、役に立てると良い」
(加茂ならばあの時に匂いをつけているはず、東堂と戦っているのならば無事では済むまい。そこに準一級の呪霊に襲われれば・・・間違いなく)
奴は死ぬ。と楽巌寺はほくそ笑んだ。
「そうさな、三輪が心配じゃ、はよう行ってやると良い」
あくまで知らぬ風を装いつつ、楽巌寺は言った。 - 116二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 23:22:41
別のスレがヤバかったですがこっちは滑り込みで保守してくれたんで大丈夫ですね。
- 117二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 23:24:56
失敗する悪巧み
- 118二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 23:41:03
その刹那、不意に壁に貼った呪符が全て燃え尽きた。
「え、ゲーム終了?」
「全て赤色だ・・・変だね、烏たちはなにも見ていないよ」
歌姫が呆然とそれを見ているところで五条がうーん、と考え込む。
「GTGの生徒たちが華麗に祓ったといいたいとこだけど・・・妙だな」
「登録されていない呪力で祓ったとしても札は赤く燃える」
夜蛾が五条の感じる違和感に補足説明を入れる。
「外部の人間ってこと?」
「天元様の結界はどうなってる、機能していない?」
「内部にしろ外部にしろ・・・不測の事態には違いあるまい」
(あれを倒すとなるとそれなりの手練れ・・・何者だ?)
楽巌寺が唸る中、いち早く夜蛾が立ち上がった。
「俺は天元様のところへ行く、悟と楽巌寺学長は生徒の保護を。冥冥は生徒の位置を逐一悟たちに報告してくれ」
「わかった、賞与・・・期待してるよ」
「ほら、おじいちゃん、散歩の時間ですよ、お昼はもう食べたでしょ」
教員たちは各自行動に移った。 - 119二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 23:42:09
呪詛師って、増えたかな?
dice1d2=1 (1)
1増えたとも、当然だろう? 2、増えてないさ、戦うのが目的じゃないからねぇ
- 120二次元好きの匿名さん24/02/25(日) 23:52:44
ありゃま増えましたか
- 121二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:01:01
一級相当の生徒が二人に増えてますからね。
- 122二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:05:53
どんな呪詛師かなぁ
まずは強さ
diceid4=
1,一級2,二級、3三級、4まさかの特級
- 123二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:06:18
振りミス
dice1d4=1 (1)
- 124二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:07:31
一級呪詛師!これは手強そう!
何がヤバい?
dice1d2=1 (1)
1,術式 2、体術
- 125二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:10:29
強そうな術師が生えて来た
- 126二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:15:41
このレスは削除されています
- 127二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:20:53
このレスは削除されています
- 128二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:21:35
このレスは削除されています
- 129二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:40:57
さて、なにかいい術式ないかな。
dice1d3=3 (3)
1、構築術式 2、呪力放出 3、オリジナル術式
- 130二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:43:11
オリジナルか、とりあえず裏で考えてストーリーでお披露目します。どんな奴かお楽しみにしてもらいましょう。
- 131二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:54:13
今日は遅くなってきたのでここまでにしときます!また明日!
- 132二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 00:55:32
乙〜
- 133二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 07:26:23
ほし
- 134二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 17:12:04
ほ
- 135二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 21:58:00
再開します!
≪ズズゥン!≫
「?地鳴り・・・デカいぞ」
「あ・・・?」
仕切りなおして構えた真希と夏彦の足元に地震かと思うような地鳴りが響いた。
「高専の誰かが暴れてる・・・って感じじゃないな」
「そうなのか?」
「呪霊探しにばら撒いてた瀬戸の郎党の反応がいくつか消えてる」
二級呪霊ごときにまける郎党じゃない。と夏彦は地鳴りの方角を見つめて目つきを鋭くした。
「マジか、郎党が・・・となるとほっとけねえよな」
「一級クラス、下手すると特級クラスが紛れ込んだか・・・」
夏彦は五条に予め教えられていた情報と照らし合わせた。
(人の言語を流暢に操る呪霊・・・特級クラスの奴ら、ああヤダヤダ!マジで高専に誰か悪さしてるのがいるのか)
夏彦は仲間が危ないと駆け出した真希に続いて走り出した。 - 136二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 22:32:34
「居た、屋根の上か」
夏彦と真希が駆けつけた時には高専の建物の上で加茂、狗巻、伏黒の三人が呪霊と戦っている最中だった。
『その鈍刀では私は斬れませんよ」
「くっ!借り物なのに折れた!」
大刀を拾い忘れて三輪の傍に置いてきてしまった真希は代わりに持ってきた三輪の刀で切りつけるもあっさりと防がれてしまった。しかも折れた、どんまい三輪。
「真希ちゃん大刀は?」
「お前に蹴られた時に落とした!」
「なんかゴメン!」
二人が呪霊に攻撃を仕掛けた際にできた隙に生じて伏黒が黒い刀で切りつける。
『!・・・この刀は悪くない』
(やはり目の木は脆い!)
伏黒は呪霊が距離を取って切り落とされた部位の再生をし始めたのを見て真希と夏彦に合流する。
「真希さん、これを」
「もっといいのがあるぜ」
これを使うのは胸糞悪いけどな、と伏黒が影から取り出した呪具を受け取って構えた。 - 137二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 22:36:08
ドンマイ三輪ドンマイ
- 138二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 22:46:40
特級呪具「游雲」、特殊な術式を持たない純粋な呪力を帯びた武具であり、売れば五億の値が付くとされる。
打撃力が即ち威力に直結するシンプルで強力な呪具だ。
「はあああっ!」
「ほいっ」
『な?!』
真希が游雲を振りかぶったタイミングで背後にまわった夏彦が呪霊の足を払った。体勢を崩した呪霊を真希の攻撃がモロにヒットし、ボールのように吹き飛んでいった。
「飛んでったな」
「追うぞ!恵!」
追い掛けようとした二人の肩をがっしりと掴んで夏彦は二人を諭した。
「待った、どっちかは残って。できれば伏黒君」
「なんで!俺はまだ戦えますよ!」
「そこに転がってる加茂先輩と狗巻先輩を放っとくの?式神で運んでもらいたいから残ってくれると嬉しい」
「それはアンタだって可能でしょ!」
「僕の式神は岩や瓦礫で出来てんだよ、怪我人運ぶのに適してないんだ」
頼むよ、と重ねて言うと伏黒は少し悔しそうにしつつも了承し、鵺と玉犬を呼び出して狗巻と加茂の救助に向かった。
「二人とも、あんまケガしないでくださいよ!」
「任された」
「おう、任せろ恵」
伏黒に二人はサムズアップで応え、呪霊が吹っ飛んでいった先を見据える。 - 139二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 23:16:44
もしや夏彦vs花御が始まる…?!
- 140二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 23:28:49
「考えてみたら久しぶりか、二人で戦うの」
「どうだろ、前も特級だったかな。未登録の」
二人は川辺に降り、目のまえの呪霊と相対する。
「・・・誰だ?」
伏黒は鵺に二人を括りつけて飛ばした後、それを見送りながら夏彦たちの元へ戻ろうとした際に木の陰からこちらをうかがう人物に気が付いた。
「・・・じゅじゅつし、だな?」
のそっと、木の陰から姿を現したのは身の丈が二メートルを遥かに超えた大男だった。
「だったらどうした?」
「じゅじゅつしなら、あそんでいいって」
大男は自身の身の丈に合った革製のロングコートと包帯でぐるぐる巻きの顔にぎざぎざの歯を備えた口元だけがぽっかりと開いていた。
(なんだこいつ・・・)
「あーうう、ひろいなぁ、おそとぉ・・・」
空を見上げるとそれに呼応したかのように帳が降り始めた。
「帳?!どうして・・・」
「わかんない、おれ・・・あたまわるい・・・」
ごめんよ、と大男が謝るので伏黒はその得体のしれなさに若干のやりにくさを感じていた。 - 141二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 23:30:27
なんか知らない奴ですねぇ…
- 142二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 23:32:16
原作にもいたな…(幻覚)
- 143二次元好きの匿名さん24/02/26(月) 23:44:24
「とりあえず邪魔しないでくれるか?」
「じゃま?なんの?」
「マジでなんなんだこいつ・・・」
ひはっ!と笑うような声とともに大男は立木を引っこ抜いて伏黒にぶん投げた。
「あははぁ・・・びっくりしたかぁ?」
「くそっ、やっぱ呪詛師か!ならこっちも・・・玉犬!渾!」
一度破壊された式神は二度と呼ぶことはできない。しかし、式神の能力は他の式神に受け継がれていく。
玉犬『白』の能力を受け継いだ新たな式神『渾』はまるで狼男を思わせるようなフォルムだ。
「おお、いぬ・・・いぬだ」
『グォオオ!』
渾が飛び掛かったが、驚いたことに大男の方が体格が大きい。先ほど戦っていた呪霊に匹敵する体躯だ。
「ぬうっ」
『ガオッ!グォ・・・?!』
「は?式神を素手で・・・バケモンが!」
正面から組み合った渾が抑え込まれそうになったのを見て伏黒は慌てて黒い刀を振るったがコートの革が分厚いのかこちら大した傷もつかずはじき返されてしまった。
「おす・・・わり!」
『ギャウッ!?』
突き飛ばした後の張り手をモロに食らって地面にたたき伏せられた渾は悲鳴をあげつつ飛び退って距離を取った。 - 144二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 00:13:29
渾身が再び牙を剥いて唸ると大男は地団駄を踏んだ。
「このいぬ、かむ!かわいくない!」
「お前が悪いんだろ!無茶苦茶しやがって!」
「むちゃくちゃ・・・した?」
ふしぎそうにしながら首を傾げる大男に伏黒はイライラしつつ渾とともに再び身構えた。
「お前と遊んでる暇はない!さっさとどけ!」
「ひま・・・ないのか?」
大男は確認するように問いかける。伏黒がイライラしながら叫ぶと・・・
「うう、ならしかたない・・・ひまなひとさがす・・・」
「は?ちょ、待て!」
しょんぼりと肩を落として大男は伏黒に背を向けて歩き出してしまった。あっけにとられながら伏黒は大男の
戦闘能力を思い出して慌てて引き留めた。
「ん?どうした?ひまになった?」
「いや、そうじゃないが・・・おまえ何しに来たんだよ?」
「そらがのいろがかわってるあいだはあそんでいいっていわれた」
「だれに?」
大男は伏黒の問いかけにうーん、うーんと悩み始めた。
「どうしたんだよ?」
「えっと、えっと・・・げ・・・なんだっけ、おぼうさんのかっこうしてた」
「御坊さん?」
「えーとえーと・・・」
攻撃してきたかと思えば会話には応じ。問いかけに悩みつつも答える大男。人間離れした体格とは裏腹に言動はとても幼く見え、伏黒はその言動のギャップに頭が追いつかなかった。 - 145二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 00:13:54
今日はここまでにしときます!また明日!
- 146二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 00:32:08
乙です
- 147二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 08:29:26
保守域展開
- 148二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 09:03:23
ほ
- 149二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 12:59:39
ほしゆ
- 150二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 22:12:06
今日も鯖おち日和…
- 151二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 22:31:13
再開します!
「伏黒君!大丈夫?」
「西宮さん!」
箒で飛んできた西宮が伏黒と合流した。
「ほかのメンバーは?」
「真依ちゃんとそっちの一年生がいたんだけど・・・私ほったらかして喧嘩しはじめてね」
そしたら地響きが起きたんで音の方へ向かってきたの。と西宮は言う。
「そらとんでる!おもしろいやつ!」
「彼は誰?」
「呪詛師だと思います、言動はふざけてますけど馬鹿力です。気を付けてください」
できれば相手しないほうがいいかも。と伏黒が補足する。 - 152二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 22:38:45
「となると近寄るのは危険かしら?」
「立木を引っこ抜いて投げてくるようなイカレた奴です。離れてください」
「おー?おお?なあ、おまえやっぱりひまなんじゃないのかー?」
こちらの様子を伺っていた大男は伏黒を見るとずいと一歩踏み出した。
「なんでそうなるんだ?」
「だって、いそがしいのにおしゃべりしてる、それはひまなやつがするやつだ」
「いや、これは必要なおしゃべりなんだ」
「そうなのか?なら、おれとはなすのもひつようになるぞ」
口元がにっかりと笑い、ぶんぶんと腕を振りながら大男は得意げに言った。
「おぼうさんのなまえをおもいだしたからだぁ!」
「御坊さんって何の話?」
「どうにも奴をここに連れてきた人間らしいです」
「わはは、あそんでくれなきゃおしえてやらないぞー」
大男はそう言うと再び立木に組み付いた。メキメキと立木が悲鳴を上げ、大男の怪力に負けて半ばからへし折れる。
「そうら!」
「キャッ!」
「くっ!」
大男は再びその立木をまるでドッチボールかなにかのように放り投げた。 - 153二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 22:47:39
なるほど完全なるフィジカルマンですか…これにまだ判明してない術式も加わると
- 154二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 22:56:10
「わはは!」
「くっ!」
立木が地面に落ちた衝撃で舞い上がった砂埃を目くらましに大男は伏黒へと歩を進めていく。
「渾!」
「あー?」
黒い刀を構え、玉犬を呼び出すと二方向から攻撃を仕掛ける。
「お、お、おー?」
黒い刀が胴体に直撃し、渾が肩口に噛みついた。しかし・・・。
(固い!ただの革じゃないな・・・!煮固めて鎧みたいになってる・・・?)
「ぐ、お、この、いぬっ」
『グルルルル!ウゥゥ!』
拳を振りかぶった大男の拳打が伏黒に迫ったが肩口に噛みついた渾が圧し掛かったので拳が空を切った。
「伏黒君!下がって!」
「うおおぅ・・・?」
西宮が箒から強烈な風圧を発生させて大男に浴びせかける。周囲の石や土、小さめの岩ですら吹き飛ぶ勢いだったが・・・。
「嘘!効果薄い!」
「すな、くちにはいった!」 - 155二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 23:02:05
大男はうっとおしそうに口に入った砂を吐き出していたが西宮に視線を向けると土を握った。
「おかえしだ!」
「きゃっ!ちょ、なに?!」
まるで対空砲のように土くれを掴んでは投げつける。まるで子供のそれだが立木を引っこ抜く怪力とその握力で握りこんだ土は石と変わらぬ固さで圧縮され西宮を襲う。
「なんでも武器になるのか!馬鹿力!」
西宮が距離をあけ、風の攻撃ができないだろう距離に逃げたのを見て大男は再び伏黒と向かい合う。
(ちまちまでも削っていくしかない・・・もしくはコートの隙間を!)
正面のコートの開いた部分を攻撃するべく伏黒は渾を背後にまわらせる。今度は前後からの攻撃を行うつもりだ。
「行くぞ!」
「おう!」
大男は伏黒が駆け出したのを見て構えたが
「いぬ、あっちいってろ!」
伏黒が近づく前に手を渾へと翳す。すると先ほど西宮が発生させた突風が今度は渾を襲った。
「ギャゥ!?」
「なにっ!」
ダメージはともかく風圧がすさまじく、渾はたまらず吹き飛ばされていった。
「それがお前の術式か・・・」 - 156二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 23:13:39
「ははは、そうだぞぉ、すごいだろう」
「ああ、すごいよ!くそったれ!」
伏黒は大男の術式にいくつかの仮説を立てたがどれが当たってもやりにくい相手であることは確かだった。
(模倣の術式か、それとも反射か?でもそれにしては時間差があったよな・・・)
式神を複製できないのも模倣ならば少し違和感があるが十種影法術が特殊故に模倣できなかった可能性もある。
「真似が得意なんだな?」
「ちがうぞ、まねじゃない、おれはためて、はなつんだ」
「溜めて放つ?」
「あいてのじゅつしきをためこんで、ほーしゅつする、それがおれのじゅつしき!」
謎が解けたと同時に伏黒はあ!と我に返った。
「しまった、術式の開示が!」
「わはは、しょうじきにしゃべるぞー」 - 157二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 23:19:01
バカだけど賢い(混乱)
- 158二次元好きの匿名さん24/02/27(火) 23:26:52
性格と行動パターン的に伏黒みたいな賢い奴の天敵なタイプですねw
- 159二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 00:04:29
大男が得意気になっていると銃声が響いた。
「ぬっ」
「真依さんか!」
「私もいるわよっ!」
次に呪力を籠めた釘が飛来し、大男の胴体に刺さった。
「あっ!馬鹿っ!」
「鄒霊呪法、簪っ!」
呪力が炸裂し、大男の胸に呪力の柱が突き刺さる。
「が、う・・・いたい」
「嘘っ!モロに食らったはずよね?!」
「奴の術式だ!相手の術式を取り込んで体の内側にストックするんだ!」
渾身の一撃が痛いで済まされたことに仰天しつつ釘崎は大男と対峙する。
「うぅ、さっきの、たま?」
ゴム弾だったらしく銃弾も特にダメージになっていないようだ。また、術式の関係から釘崎たちの術式の威力が半減、もしくはそれ以下に抑えられている。 - 160二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 00:14:12
今日はここまでにしときます!また明日!
- 161二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 08:15:26
保守域展開
- 162二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 08:43:53
保守
- 163二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 18:47:01
ほ
- 164二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 22:20:31
再開します!
「うう、おんなのこばっかりだ」
「ああ?だったらなんだこのやろう!」
「ガラ悪、もうちょっと普通にしゃべりなさいよ」
「ああん!?テメエから片付けんぞこの出涸らし!」
大男の言葉に噛みついた釘崎に真依が反応し、それにまた反応した釘崎。
「お前らな!目のまえの奴に集中しろよ!」
「そーだそーだ」
「敵に言われてる・・・」
伏黒がそれにキレて叫ぶと大男もそれに同意し、西宮は呆れる。そして大男が喧嘩を始めた釘崎と真依に意識を向けている間に西宮が伏黒に耳打ちをする。
「ねえ伏黒君」
「・・・はい?」
「アイツにちょっとカマかけて情報を引き出そうとおもうんだけどいい?」
「この展開がどうにかなるなら・・・」
敵なのに喧嘩をする二人を心配そうに見ている大男。そして大男を他所に喧嘩する仲間二人。
混沌とした空気に伏黒は頭が痛くなりそうだった。 - 165二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 22:49:44
「ねえ、そこの君!」
「おれ?」
「そう、君、さっそくなんだけど私ね、あなたをここに連れてきた人の名前わかっちゃったのよ」
「え、うそだぁ」
西宮がえっへんと自慢げに言うと大男はまさかという様子で西宮を見ている。
しかし西宮はその自信を崩すことなく続ける。
「あなたをここにつれてきたのは『げんさい』って人でしょう?」
「ぷぷ、ちがうちがう、おおはずれ」
西宮の言葉に大男は噴き出したが西宮は笑みを浮かべたままさらに続けた。
「いーえ、げんさいよ。げんさいさんが名前であってるわ」
「うそだぁ、おれは、『げとう』っていってたのをきいたんだ」
「げとう?・・・夏油 傑?」
「じゅれいをたべるへんなやつだ、げんさいじゃないぞ」
西宮は思わず伏黒と顔を見合わせた。大男は自分が秘密を喋ったことに気付かないまま西宮を指さして笑っている。
「まちがいにきづいたな、おまえもあたまわるいのか?」
「かもね、でも貴方ほどじゃないわ」
「わはは、おれとおなじくらいわるかったら、こまるぞぉ」
大男は自覚はありながらがもどうやら事態までは把握できていないようだった。 - 166二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 23:22:10
はやいですが今日はここまでにしときます!また明日!
- 167二次元好きの匿名さん24/02/28(水) 23:49:20
乙!コイツに何故が愛着が湧いてきたんだが…可愛い
- 168二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 07:06:23
保守
- 169二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 18:21:05
保守
- 170二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 18:52:09
ほ
- 171二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 22:19:23
再開します!
(最悪の呪詛師、夏油傑・・・一年前の新宿・京都百鬼夜行の実行犯だろ・・・?)
伏黒は『げとう』という情報と、呪霊を食べるという情報から呪術史に残る大事件を起こした呪詛師を思い浮かべる。
「呪霊を食べる・・・げとう・・・そうなるとやはり夏油傑では?」
「けどソイツは死んだはずじゃ・・・」
「わかりません、ですが奴が嘘をつけるとも・・・」
未だにこちらが勘違いに気付いてあたふたしていると思っている大男は何故か得意げにふんぞり返っている。
「たしかに・・・術式も身体能力も驚異的だけど・・・あれは」
西宮がジト目で大男を見ると大男は両手を耳のところにもってきてピロピロと動かしている。
「あれに現状決定打を打てないことが腹立たしいわ・・・歌姫先生が五条先生に感じてる感覚ってあんな感じかしら」
「なんとなくわかります・・・」
パッと見て東堂や虎杖レベルの怪力を誇りながら術式による遠隔攻撃をほぼほぼ無効化してしまう大男に対してフィジカルで劣る西宮はもちろん、現状鵺を出せず、三次元的な攻めを展開できない伏黒も決定打を打つには手札が足りない状況だった。
「あと、本当にアレなんですけど・・・アイツいいように利用されてるだけなんじゃ・・・」
「ありうる・・・」
飛んでいる蝶々に目を奪われている大男。退屈なのか口が半開きである。
「ねえ、あなた・・・」
「ん?なんだぁ?」
「あなたってどっか組織に属してるの?」
「そしき?いや、おれはひとりだぞ?」
あっけらかんと答える。 - 172二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 22:38:36
頭が悪いという問いかけに明確に否定しなかったからか大男は何故か西宮を自分と同類だとみなしているようだ。
「おまえ、おれがたくさんいるようにみえるのか?めもわるいのか?」
「違うわよ!仲間がいるのかって聞いてるのよ!」
「な、なんでおこるんだ?おれはひとりだぞ!」
「あーもう!」
悪意がないだけに質が悪い。イライラしている西宮とおろおろするばかりの大男に伏黒は頭を抱えた。
「と、とりあえずだな、お前は利用されてる。悪い事をさせられてるぞ」
「そ、そうなのか?!おれ、わるいことしてるのか?」
「そこからかよ・・・」
立木を引っこ抜いてなげつけるのも、突風や術式を浴びせかけられるのも彼にとっては遊びでしかないらしい。
「ここに入るには守らないといけない決まり事がたくさんあるんだ、お前はそれを知っているか?」
「しらないぞ」
「ここに入るとき、此処に住んでるひとに許可をもらったか?」
「もらってない・・・」
「なら確定だな、お前は悪い事をしてる」
「そうなのか・・・」
大男はがっかりした様子で地面に座り込んだ。
「おれはどうしたらいい?」
「とりあえずこの騒ぎを解決するために協力しろ、そうすれば怒られないようにお願いできる」
「そうか、わかった!じゃあそうする!」
二つ返事で再び立ち上がった大男。伏黒と西宮は脱力した。 - 173二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 22:42:02
まさかの味方化!?
- 174二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 22:42:27
純粋…強い
- 175二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 23:04:56
「わはは、おれはつよいぞ、やくにたつぞー」
「どうするのよあれ・・・」
「敵にしとくには面倒すぎるでしょ、とにかく後回しですよ」
「いいのかな・・・」
伏黒と西宮は大男を従えて歩く。真依と釘崎は大男を挟んで背中に照準をあわせて万が一に備えつつ進む。
「おいおい!お前なにやってんだよデカブツ!」
「んあ?」
移動中に不意に届いた声に伏黒たちが周囲を見渡すと金髪の男が苛立ちを隠さずに大男をにらんでいた。
「ガキどもはバラせって言われてたろ!」
「なにいってるんだおまえ、わるいことはしないぞ」
「チッ!遊び感覚で呪術師と戦ってるってのはマジだったのかよ・・・ガキ相手の仕事なら楽勝だと思ってたのによ」
伏黒はそのやり取りを見つつ、大男を自分の中で救い上げるべき存在かどうかの天秤にかける。
「おまえはわるいやつだな、よわいものいじめがすきなやつはきらいだ」
「はぁ?強い奴と戦うのが正義ってか?なら俺とは戦わないのかよ、デカブツ」
男がそう言うと術式が発動し、男の両手から火炎が噴き出した。
「あぶない!」
「火を操る術式!なんて威力だ!」
西宮は箒でとっさに飛び上がった。その際に突風を起こして火の方向をずらしたので伏黒は難なく躱すことができた。 - 176二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 23:27:31
「釘崎!避けろ!」
「ちょ!水撒くみたいに火をつけるんじゃないわよ!」
炎はレーザーのように放出され続け、伏黒たちと釘崎たちを分断する。男はそのまま炎を繋げて大男を炎の渦の中心に取り囲む。
「元から使い捨てにするつもりだったのかしらねーけど、邪魔だから潰しとくか」
「ふん、ありんこがつよがってもこわくないぞ」
「舐めやがって・・・そこで見てろ!ガキを片付けたら次はお前だ」
「ぬ?」
男が火でできた輪を抜けると大男を囲む火柱が高くなり、まるで目隠しのように男の視界を遮る。
「みえないぞ、どうなってる?それに・・・あついぞ」
「こっちはまともな呪詛師だ、西宮さん、上空から援護してください」
「わかった、彼はどうするの?」
「これくらいで死ぬなら苦労してません、どっちにしろ倒すべき優先順位は奴だ!」
伏黒は玉犬を呼び出して呪詛師に向かっていく。
「あちちち!」
「陽炎が見えるレベルの火ね、狙いがつかないわね」
火の届かない距離まで逃げた真依と釘崎だが射程はともかく炎の作り出した煙と陽炎が狙いを絞らせずにいた。 - 177二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 23:32:59
- 178二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 23:35:46
夏彦が味方陣営にいるので呪詛師も増えてますw
- 179二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 23:40:35
- 180二次元好きの匿名さん24/02/29(木) 23:55:15
レベルは違えど予行練習になりそう
- 181二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 00:25:32
「火事を起こすな!迷惑だろ!」
「ガキが、ローストしてやるよ」
伏黒は玉犬と共に距離を詰める。それに対して男は手から炎を放ち、玉犬を追い払う。
(なんて出力だ、コイツの等級もおそらく一級相当・・・どこまでやれるか・・・)
「犬コロのステーキだ!おらっ!」
炎が玉犬を襲う。それを見越して伏黒はあえて玉犬を囮にしつつ、男の意識が向いた瞬間に術式を解除した。
「あ?消え・・・」
「満象!」
満象を召喚し、満象が放つ水流で炎をかき消していく。
「がぼばばばっ・・・がはっ!ごほ・・・」
水量に押し流されて倒れた男に伏黒が追撃しようとしたが・・・。
「あぶない」
「あ?うおっ!」
炎の壁から飛び出した大男が伏黒を真上に投げ飛ばした。それと同時に満象の吐き出した水から再び炎が噴き出した。
「水が燃える?!」
「伏黒君!」
西宮が間一髪で伏黒を拾い上げたが眼下は一面火の海になっている。 - 182二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 00:26:03
今日はここまでにしときます!また明日!
- 183二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 01:17:03
乙〜
- 184二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 09:14:48
保
- 185二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 18:19:08
ほ
- 186二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 21:24:13
再開します!
「クソがっ!また邪魔しやがった!火には水って固定概念でつぶしやすいのによ!」
「術式とはいえ水では消えない炎なのか・・・!」
まるで水が可燃性の液体に化けたかのように火はあっというまに勢いを取り戻していく。伏黒は慌てて満象を戻し、火の海の真っただ中の大男を探した。
「伏黒君、あそこ!」
西宮が指さすと炎の只中でたたずんでいる大男がいる。伏黒はそれを見て思わず声を掛けそうになったが・・・
「ぐぅおおおお!!」
炎を消しとばさんばかりの音声と呪力を帯びた突風が起こり、炎を一直線にかき消した。
男が呆然としている内に大男はまだ炎の燻る中を一直線に駆け出していく。
「くそ、バケモンが!」
男が両手を合わせて大男に向けると穿血の要領で炎が圧縮されて吐き出される。
「熱っ!」
「凄い熱!ごめん高度あげるよ!」
大男に放たれた炎の放つ熱は空を飛んでいた伏黒達に届くほど強烈だ。西宮は安全を考慮して高度を上げ、伏黒が顔を動かすと釘崎たちも熱に堪らず逃げ出していた。
「がおおっ!」
「ば、化け物・・・ぎゃっ!」
上半身がじりじりと焼けながら突っ込んでいった大男はそのまま男の両手を掴むと強引に握りつぶした。 - 187二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 21:40:11
大男がタフ過ぎるだけでめちゃ強術式の男
- 188二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 21:42:44
炎にストッピングパワーが無い所を突かれた
- 189二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 21:43:23
「がああ!?い、いてえよぉ!」
男が痛みに泣き叫ぶのと同時に炎は徐々に消えていった。どうやら呪力の供給が無くなって燃焼を維持できなくなったようだった。
「これだけの火力を維持するなんてとんでもない術師ね」
「あいつがいなかったらどうなっていたか・・・」
ぷすぷすと煙を上げながらこちらを見上げている大男。こちらも規格外である。
「うぐあぁぁぁ、こ、ころしてやる!ぜったいに・・・!」
「ははは、どうだ、おれはつよいだろう?」
足元でがなる男など気にも留めずに大男は地面に降りて駆け寄った伏黒に自慢げになっている。
「ああ、つよいな。仲間になってくれたらうれしいくらいだ」
「そうかぁ?そんなにほめられるとうれしいぞ」
伏黒は大男の操縦方法をマスターしつつあった。 - 190二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 21:52:11
- 191二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:21:40
なるほど…だからこんなにタフなのね
- 192二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:29:18
大男が伏黒と話しているころ。
「くっ!」
「真希ちゃん、大丈夫?」
「私の心配してる場合かよ!」
花御と戦う夏彦と真希は思わぬ苦戦を強いられていた。
『なかなかに良く動く・・・』
「おおっ!」
花御と夏彦が殴り合う最中に真希は唐突に表れたもう一人の少女と対峙していた。
「花御、眠い・・・」
「舐めんなッ!なら寝かしつけてやる!」
気だるそうな表情で欠伸をかみ殺している少女は真希の游雲の打撃を躱しながらぶんぶんと手を振って真希に反撃している。
(くっ!こんな手だけで振ってる攻撃が馬鹿みたいに重いっ!)
游雲を持つ手に伝わる攻撃が夏彦の打撃を思わせる重さを感じる。しかし真希とてそれに押し切られるほど未熟ではない。
「オラッ!」
「いたっ・・・むう・・・あー・・・」
顔を強かに叩き、派手に吹っ飛ばす。ボールのように派手にぶっ飛んだ少女は戦っていた花御の背にぶつかるとまるで花御の背中に紙にようにペタッと貼り付き、そのまま勢いを殺すように花御の体を平たくなって背中から腹にかけてぐるぐると回った。 - 193二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:36:55
また知らない奴が生えて来たな…
- 194二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:40:45
『影羅、くすぐったいです』
「ごめん・・・ふっとぶと帰ってくるのめんどいから」
まるで帯のようにぐるぐると回っていた少女はしゅるしゅるとほどけるように花御の体から飛び出して再び
真希と夏彦に向かい合った。
「未確認の人型呪霊がもう一体か、厄介だな」
「一級相当がもう一人居たってほうが厄介・・・さっさとしんで」
「断る!」
夏彦が術式を行使して瀬戸の郎党を召喚し、花御と影羅を囲む。それに対抗するように花御が根を伸ばして郎党を蹴散らすと影羅がその根に巻き付いて身を隠し真希を強襲する。
「危なっ!このっ!」
「勘がいい・・・めんどくさい」
花御は影羅を援護する目的もあるのだろう。殺傷力に関係なく周囲に根を巡らせて線を繋げている。
「ふんっ!」
『ぐっ・・・まだまだ!』
郎党のアシストを受けて距離を詰めた夏彦が花御を殴りつける。 - 195二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:45:01
そろそろ次建てます。
- 196二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:46:35
- 197二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:53:41
了解です
- 198二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:53:59
新スレ
- 199二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:54:16
うめまひょ
- 200二次元好きの匿名さん24/03/01(金) 22:54:32
梅!