(SS)後の先｜あにまん掲示板

1二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 02:07:19

何か違和感を感じる。
身体に感じる何かの重み、温もり。
俺は何をしていたのか？
思い出した。今日は珍しくまともに昼休みを取れたんだ。
いつもは昼食を胃に流し込み、直ぐに書類と格闘していた。
でも今日は違ったんだ。いつもより気持ちゆっくりと昼食を取り、少し仮眠を取っていた。

徐々に覚醒する意識。
薄っすらと目を開けると温もりの主と目が合った。

カレン。

俺の担当、カレンチャン。

芦毛の髪に、妖艶な瞳。
でも今日は少し違う。
一抹の不安の様なものを孕んだその瞳は……見覚えがある。
初めて彼女に会った時。

親とはぐれ一人ぼっちで泣いていた、あの目だ。
上目づかいで俺を不安げに見ている。
ソファーで寝転ぶ俺の身体に乗り、こちらを見ている。

2二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 02:07:38

……普段から思わせぶりな言動をとる子だが、きちんと線引きができる子だ。
こんなことはきっとしないだろう。

これは恐らく夢。俺はまだ夢の中。
夢ならば問題ないだろう。理性で押さえつけていた欲求を開放する。
そっと彼女の背に手を回し、優しく抱きしめて頭を撫でる。

びくりと体を震わせ、俺からを距離を取ろうと腕を伸ばすが手に力を込めて引き寄せる。
直ぐに抵抗をやめてなすがままとなった。

やはりこれは夢だ。現実の彼女ならば受け入れることは無いだろう。
俺は思う存分、普段できないことをやった。
頭を優しく撫でて背を擦り、まどろみの中で彼女を愛でる。

ウマ娘特有の高い体温と密着する安心感。
それらが俺を夢世界へと誘う。意識が沈む。午後の始業まで約15分。
今はただ、眠るだけ。

随分と長い夢を見ていた気がする。長い長い夢。
どんな夢だったかな？　あまり思い出せない。
まあいいさ……午後の仕事を片付けて、カレンのトレーニングだ。

3二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 02:07:51

……カレンの様子がおかしい。
顔は赤く染まり、息も荒い。おまけに胸まで押さえている。明らかに不調だ。
今日のトレーニングはやめにしよう。そう思い声をかける前に彼女から切り出してきた。

「お、お兄ちゃん……！　カレン、私……！　調子、良くないから！　き、今日は休むね！」
そう告げると、とんでもない速さで俺から顔を背けて走り去ってしまった……。
一時的な不調？　それとも何か有ったか？　思考が頭の中を駆け巡る。

ひとまず、同室の子にもLANEを送っておこう。
そう思い、胸ポケットのスマホを取り出そうとしたが……。
白い髪。いや、芦毛の髪。なぜこんなものが服についているんだ？

……あれは夢じゃなかった？　現実？
……俺はとんでも無いことをしてしまったかもしれない……。
明日からどう接すればいいのだろうか……。

4二次元好きの匿名さん24/02/18(日) 02:08:06

お兄ちゃん、ひどいよ。

カレン、カワイイが剝がれちゃう。昔のカレンに戻っちゃう。

カレン、カワイイままでいられないっ。

カレン、私、壊れちゃうっ。

お兄ちゃんのせいでカワイイ壊れちゃうっ。

ほんのいたづらのつもりだった。

ただお兄ちゃんを冗談半分でからかうつもりだった。

ずるいよお兄ちゃん。

私、おかしくなっちゃうっ。

今は何もできない。ベッドに蹲ってうるさい鼓動に耐えるだけ。

カレン、私、おかしくなっちゃった。

お兄ちゃんのせいで壊れちゃった。