閲注 男女CP 九十九と脹相の軌跡

[1 二次元好きの匿名さん 24/02/21(水) 19:16:11]

天使「九十九由基」

九十九「！　来栖華ちゃん…じゃなくて天使、かな？」

来栖「すみません、天使が話したいことがあると言ってて」

九十九「？」

天使「貴女は魂の研究をしていると聞いた」
天使「それに貴女の術式に興味がある」
天使「詳しく聞かせてくれないか」

・・・

天使「……なるほど」
天使「出来るかも知れない」

九十九「…何が？」

天使「…受肉体と呪物の分離」

九十九「！」

[2 １ 24/02/21(水) 19:16:55]

このスレは

①なんやかんや解決したとても都合のいい謎時空

②九十九が脹相の後見人になっている

③九十九と脹相は付き合ってて同棲してて結婚の約束までしてる

という体で進みます

以下のスレを見ていただくとわかりやすいと思います

閲注　男女CP　九十九と脹相の新生活｜あにまん掲示板

閲注　男女CP　脹相「なあ、九十九…」｜あにまん掲示板

[3 １ 24/02/21(水) 19:18:10]

①「星の怒り」の術式解釈を拡張し、対象を過去の状態に戻す
→受肉体を呪物と器に分かれた状態まで戻す

②呪物の魂に刻まれた「肉体の形の情報」を元に、呪物自身の肉体を再構成する

九十九「雲をつかむような話だな…」
九十九「『星の怒り』でごく小さいブラックホールを作り、局所的に時間の流れを変える…」

天使「それで、器は呪物を取り込む前の状態に戻る」
天使「私の信条としてはこの①まででいいんだが、君たちはそれでは納得しないだろう」

九十九「…それで②か」
九十九「しかし、そんな事が出来るのは真人の『無為天変』のような術式なのでは？」

天使「外から魂をいじるのではなく、呪物の魂自身が肉体の形を『思い出す』と言えばいいだろう」

九十九「『思い出す』だけで…？」

天使「呪力を扱える者ならば、君の魂研究の成果を理解して『思い出す』だけで、自身の肉体を再構成できると踏んでいる」

[4 １ 24/02/21(水) 19:19:20]

九十九「勝算は…？」

天使「五分」

九十九「………」

天使「君が呪胎九相図の受肉体と懇意なのは知っている」

九十九「！」

天使「決して悪いだけの話でない事はわかるだろう」

九十九「……」

天使「彼で実験させてくれないか」
天使「天元と五条悟にも協力を仰ぐ」

九十九「……本人に聞いてみないと…」

来栖（九十九さんも恋する女性ですよね…天使の言う事はわかるけど…心苦しい）

[5 １ 24/02/21(水) 19:20:26]

──寝室にて

脹相「俺はやる　やらない理由がない」
脹相「九十九が駄目だと言ってもやる」

九十九（だよね…）

脹相「俺が奪ってしまった人生…返せばいいというものではないが、返せるならば返さなくては」

九十九「…器と分離できても、君が自分の体を再構築できなければ　君はまた呪物に戻る」
九十九「…もう受肉することは出来ない…また瓶の中で長い時を過ごすことになる」
九十九「……最悪、君は死ぬ」

脹相「…それでも、やらなくては　悠仁の前で『お兄ちゃん』だと胸を張れない」

九十九「……」

[6 二次元好きの匿名さん 24/02/21(水) 19:21:34]

スレ主おつ！つくちょ待ってたよ

[7 １ 24/02/21(水) 19:21:42]

脹相「俺自身の肉体を持って、帰って来ればいいんだろう？」
脹相「帰って来る」

九十九「……帰って来なかったら、叩き直してやる」

脹相「じゃあ、帰って来ないわけにいかないな」

脹相の手が、堅く結んだ九十九の手をつかむ

脹相「…由基」

九十九「！」

脹相「オマエを抱きたい」

[8 １ 24/02/21(水) 19:24:38]

※あんまエロくない

R18　九十九と脹相　実験を前に

[9 １ 24/02/21(水) 19:25:50]

──受肉体分離実験当日

五条「いやー、画期的だけどほんとに出来るのかな？　呪物の分離なんて」

脹相「それを確かめる実験だろう」

五条「取り返しのつかないことになるかもよ？」

脹相「…元々、オマエが吹けば飛ぶような命だ」

五条「おっ、言うね～」

脹相「五条悟」
脹相「世話になった　ありがとう」
脹相「俺に何かあったら悠仁のことを頼む」

脹相「それと…これは願望なんだが…九十九を自由にしてやってくれないか？」
脹相「監督対象がいなくなれば、後見人としての義務も自ずと無くなるだろう？」

五条「…善処するよ」

[10 １ 24/02/21(水) 19:26:46]

虎杖「脹相」

脹相「悠仁！」

虎杖「…話は聞いたけど……最悪死ぬって…」

脹相「大丈夫だ！　俺はお兄ちゃんだぞ！」

虎杖「…九十九さん、どうすんだよ」

脹相「！　九十九の心配までしてくれるのか？　悠仁は優しいな」

虎杖「…死ぬなよ」

脹相「ああ」

[11 １ 24/02/21(水) 19:30:22]

既に九十九のブラックホールで無生物・生物ともに過去の状態に戻せる事は証明されている
ブラックホールの規模を抑え、空間に呪力を満たすため、場所は薨星宮直上の結界が選ばれた

脹相「九十九　始めてくれ」

ふぅ、と一つ息を吐いて　九十九が「星の怒り」の出力を上げていく

グアアアア
ギイイイイイイ

九十九（脹相だけをブラックホールの中に入れつつ、圧力をかけすぎないように調整…）
九十九（何回も訓練した…絶対に成功させる…！）

やがて、その時が来る
脹相の体が別人の体になったと同時に倒れ、
かつて瓶の中にいたのと同じ胎児の姿の呪物が飛び出す！

九十九「脹相！」

[12 １ 24/02/21(水) 19:34:19]

家入「あの人を運ぶ！　手伝って！」

虎杖「はい！」

九十九（お願い、脹相…あとは君の力に任せるしかない…！）

脹相であった呪物が光り輝き出す！

キィイイイイイイン

周囲の空間から呪力を吸収し　やがて──
以前と違わぬ姿の脹相が現れ　ドサ、と地面に倒れ伏す

九十九「脹相！」

[13 １ 24/02/21(水) 19:38:15]

高専内医務室

脹相「ん……」

虎杖「あ」
虎杖「九十九さん、九十九さん！」
虎杖「脹相、目ぇ覚ました！」

九十九「脹相！」

[14 二次元好きの匿名さん 24/02/21(水) 19:42:25]

イッチ！待ってたぞ

[15 １ 24/02/21(水) 19:43:08]

ｶﾞﾊﾞｯ
九十九「もう！なかなか目を開けないから…ダメかと思った…」

脹相「…あれから何時間寝てた？」

九十九「もう１週間！」

脹相「！　…そんなに…」
脹相「！　俺と分かれた人はどうなった？」

家入「あの後すぐ目が覚めてね、記憶はさらわれたところで止まっていたが、体は問題ない」
家入「名前や住所の受け答えもしっかりできたから、身元もすぐわかった」
家入「今はもう家族の元に戻っているよ」

脹相「…そうか…良かった」


脹相「…九十九、ちゃんと帰って来た」

九十九「……お帰り」

脹相「ただいま」

[16 １ 24/02/21(水) 19:48:26]

──プレイバック薨星宮

脹相「まずは作戦を練らなくてはな」
脹相「その為に女、オマエと手合わせしたい」

九十九「ずいぶんなご挨拶だね……九十九由基だ　よろしく」

脹相「……そうだな　礼を欠いていた」

九十九（お？　意外と素直…）

脹相「脹相だ　悠仁の『お兄ちゃん』だ」
脹相「組む相手がどの程度強いか、何が出来るのか　知っておくのは大事だからな」

九十九「もっともだ　じゃあ、術式アリでいいね」

脹相「構わん　来い」

天元（せっかちな子たちだね…）

[17 １ 24/02/21(水) 19:53:15]

10分後

ｵﾗｯ　ﾎﾞﾝﾊﾞｲｴｯ　ﾊﾞﾁｺｰｰｰﾝ

脹相「ぐはぁっ！」ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ
脹相「……はぁっ……はぁっ…」
脹相「…オマエの…強さは…よくわかった……」

九十九「…脹相　何を焦っている？」

脹相「…！　焦ってなど……」

九十九「君の拳は、まるで生き急いでいるように感じられた」

脹相「……」

九十九「仇敵との戦いを前にはやる気持ちはわかる…でも相手は羂索だ」
九十九「冷静さを欠いて勝てる相手じゃない」

脹相「…わかっている」

[18 １ 24/02/21(水) 19:58:37]

脹相「九十九、俺に稽古をつけてくれないか」

九十九（お、初めて名前呼ばれた）

九十九「…私は厳しいよ？」

脹相「望むところだ」

九十九（乙骨君ほど強くないことは、自分でもわかっているんだろう）
九十九（しかし術式の理解度が高い…瞬時に応用も効かせられる）
九十九（そしてなにより、最後まで諦めない泥臭さ…）
九十九（…いいね）

九十九「ほら、立てるかい？」

脹相「！…あ、ああ…」

脹相（…人に手を差し伸べられる…初めてだ）

[19 １ 24/02/21(水) 20:03:52]

ここで一瞬未来の薨星宮
11月16日

ｵﾗｯ　ﾎﾞﾝﾊﾞｲｴｯ　ﾊﾞﾁｺｰｰｰﾝ

羂索「ｺﾏｯﾁｬｳﾖﾈ　ﾀﾊｰ」ﾁｰﾝ

脹相「」

[20 １ 24/02/21(水) 20:08:37]

───ある日！！

九十九由基に天啓が降りた！！

ドッギャアーーーーン

カッ
九十九「『呪力からの脱却』…！閃いた…！その方法……！！」

九十九「ぬおおおおおおお！　これで呪霊とか…！呪術界とか…！星漿体とか…！全部ぶち壊す……！！デウスエクス九十九おおおお！！！」






九十九「……」


九十九「…とりあえず、五条君に連絡するか…あと天元…」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

[21 １ 24/02/21(水) 20:14:07]

五条「…なるほど…そりゃすごい…」
五条「呪霊は消え、僕たちは呪力や術式を失い、呪術界は消滅する…」

五条「九十九さんの研究ってそーいうこと！　たまげたなあ…」
五条「コレ、やろうと思えばいつでも出来るってこと？」

九十九「そう　平成がある日令和になるとか、消費税がある日上がるとか、アレと同じ」
九十九「察してくれている通り、慎重に準備を進める必要がある」
九十九「五条君、君が頼りだ」

五条「りょーかいです！」


五条（…呪霊がいなくなる…）
五条（…僕が「ただの人間」になる…）
五条（もっと早くそうなっていたら…）
五条（…ってのは言いっこなしか）

[23 １ 24/02/21(水) 20:20:21]

──薨星宮

ｶﾗﾝｶﾗﾝｶﾗﾝ

天元「…いらっしゃい…」

九十九「今日はサービスいいね」

天元「最後くらいは…」

脹相「……」

[24 １ 24/02/21(水) 20:26:10]

ｼｬｶｼｬｶｼｬｶｼｬｶ　ｽｯ

天元「ギムレットを…どうぞ…」

脹相「…天元　『呪力からの脱却』が果たされれば、オマエはどうなる？」

天元「『不死』の術式が消え、私は死ぬのだろうが…」
天元「既に天地そのものが私の自我…私は　どこにでもいてどこにもいない」
天元「君たちにとって存在も影響もなくなるだけで、存外変わらないのかも知れない」

九十九「ちょっとムカつく…」

天元「普通に死ぬかも知れないよ」

[25 １ 24/02/21(水) 20:30:20]

脹相「少なくとも、こうして会うことは出来ないんだな」
脹相「天元　世話になった」

九十九「いいよ、コイツに感謝しなくても」ﾌﾞｽｰｰｰ

脹相「俺と九十九、結婚することにしたんだ」

天元「…おめでとう」

脹相「…九十九、２人で話す事があるんじゃないのか？」

九十九「……」

脹相「後で来る」

[26 １ 24/02/21(水) 20:35:49]

───数時間後

九十九「にぇへー　ちょおそおだーー」

脹相「おい、九十九！　大丈夫か？」

九十九「ぅー…だいじょぶだいじょぶ…」

天元「…私相手だと酒が進んでしまったようで…」

脹相（こんなに酔ってるのは初めて見た…）
脹相「ほら、帰るぞ！」

九十九「…おにぃちゃ～ん…だっこしてぇ～…おひめしゃまだっこ…」

[27 １ 24/02/21(水) 20:41:02]

脹相「…天元　いろいろあったが感謝している」

天元「…九十九由基に伝えておいてくれ」
天元「最後に君と話せて良かったと」

脹相「ああ」

天元「…私はこんな事を言える立場ではないが」
天元「その子の…君たちの幸せを願っている」

脹相「…ありがとう」

[28 １ 24/02/21(水) 20:48:26]

脹相「ほら、九十九！着いたぞ！」

九十九「ん…ちょぉそぉ～…そいねしてぇ～」

脹相「はいはい　とりあえず水飲んで」

九十九「ん～～ぷはぁ～　おやしゅみ～」

脹相（…酔って屈託なく甘えてくるのも可愛い…）
脹相（…でもやっぱり…いつもと様子が違うな…）

[29 １ 24/02/21(水) 20:54:05]

九十九「脹相……」

脹相「ん…起きたのか」

九十九「少し、話を聞いてくれないか」
九十九「いや、少しじゃないな…多分、長くてまとまらない話になってしまうけど…」

脹相「…思えば、いつも俺の話を聞いてもらってばかりだったな…」
脹相「何でも話してくれ、九十九」

[30 １ 24/02/21(水) 20:59:08]

九十九「…私が元星漿体なのは知ってるだろう？」
九十九「生まれた時から、天元と同化するという未来が決まっている」
九十九「大事には扱われるけど、それはいつか『死ぬ』ため…」

脹相「……」

九十九「幸い、私には呪術の才があった　術式も刻まれていた」
九十九「鍛錬すればするほど強くなれた」
九十九「いざとなれば、警護を振り切ってどこかへ逃げる…そんな考えも頭を過った」

九十九「でもある日、私よりも天元に適合した別の星漿体が生まれた」

脹相「！」

九十九「私は『予備』になった…警備も以前より緩くなって、自由になった」
九十九「私も両親も、妙な気分だった」
九十九「『死ぬ』と思っていた私の代わりに、誰かが『死ぬ』ことになったんだから…」

脹相「……」

[31 １ 24/02/21(水) 21:04:50]

九十九「腹が立った　許せないと思った」
九十九「天元なんて必要ない世界にしなきゃいけないって…」

九十九「高専には入ったけど…高専のやってることだけではダメだってわかったから」
九十九「高専を出て、呪霊の生まれない世界を作る方法を探した…」

九十九「その天元との因縁も、もう終わる」
九十九「人生をかけてきた宿題が、終わる」

九十九「不思議な気持ちだ」

[32 １ 24/02/21(水) 21:09:49]

脹相「……九十九の両親は、今どうしてるんだ？」

九十九「二人とも病気で亡くなったよ」
九十九「死に際に、『由基が先に死ななくて良かった』って言ってた」

脹相「…そうか…優しい人たちだったんだな…」

九十九「うん……」


九十九「奇妙な巡り合わせで、『呪い』のない世界を人一倍望んでいたつもりの私が、君と出逢った」

脹相「！」

九十九「もっとも君は、およそ呪いとは思えないような『人』だったけどね」

九十九「…結婚とか子どもとか、自分はいいやって思ってたんだけど」
九十九「君をほっとけない、一人にできないって気持ちにいつの間にかなってて…」
九十九「自分でもビックリしてる　戸惑ってる」

[33 １ 24/02/21(水) 21:14:29]

脹相「……」

九十九「終わり」

脹相「え！？」

九十九「？」

脹相「いや…何か結論とかあるのかと…」

九十九「ふふ…何も考えずに思った事を吐露したらこんなもんさ」


九十九「あと合格」

脹相「？」

九十九「こういう話を聞くとちょいちょい意見を挟みたくなるものなんだけど…」
九十九「ちゃんと私の話を聞いてくれた　合格」

脹相「いつの間にそんな試験が…」

[34 １ 24/02/21(水) 21:19:17]

脹相「あ　あの、確認なんだが」

九十九「？」

脹相「俺と結婚するのが嫌になったわけではないよな？」

九十九「…やっぱ不合格にしようかな…」

脹相「え！？」

九十九「ふふ…冗談！　人の心は難しいね…」

脹相「？？？」

[35 １ 24/02/21(水) 21:24:53]

・

・

・

デウスエクス九十九以前

↑

＿人人人人人人人人人人人＿

＞　デウスエクス九十九　＜

￣Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y￣

↓デウスエクス九十九以降

・

・

・

[36 １ 24/02/21(水) 21:32:01]

──とある居酒屋

<ﾗｯｼｬｰｾｰ

歌姫「あー、硝子　こっちー」

家入「！ご無沙汰してます、センパイ」

歌姫「大将ー、生２つ追加ー」
<ｱｲﾖｰ


<秤金次選手、WBC世界ヘビー級王者防衛に成功！

歌姫「まあ…こうなるわよね」

家入「呪力がなくてもゴリラな連中ばっかでしたからね」

[37 １ 24/02/21(水) 21:49:22]

歌姫「硝子はいいわよねー　…お医者さんなんだから」

家入「反転使わない普通の医療からしばらく離れてたんで…若干のブランクはあります」

家入「歌姫センパイはボイストレーナーでしたよね？」

歌姫「そうっ！　けっこう評判いいんだから」

ｼﾞｮｯｷ ﾀﾞﾝｯ
歌姫「でも！まだ諦めない！　私は令和の明菜になる！！」

家入「楽しみにしてます」

歌姫「大将ー、いも餅と焼き鳥盛り合わせー」
<ｱｲﾖｰ

[38 １ 24/02/21(水) 21:55:27]

歌姫「そうそう　あのパンダ、普通のパンダになったらしいわね」

家入「正確には魂はそのままなんで…人の心もありますし言葉も話せます」
家入「体はパンダだし寿命もあるでしょうね」

歌姫「呪力から脱却すると、呪力で構成されていたものが通常の物質で満たされるようになる、だっけ？」

家入「元受肉体連中も、私たちと同じで呪力と術式がなくなるだけでしたね」

歌姫「あの瞬間　皆で医務室に詰めてドキドキしてたのに、ちょっとビリッとしただけだった…」
歌姫「なんか、都合よすぎない？」

家入「都合がいいなら、いいじゃないですか」

[39 １ 24/02/21(水) 22:00:21]

歌姫「…でも五条が他の子たちのこと考えてたのは、少し安心した」

家入「学校、ですか」

歌姫「ネーミングは最悪だけどね…『五条学院高等学校』」

家入「五条だから…で周りも諦めたみたいです」
家入「補助監督や窓の人たちの再就職はスムーズでしたね」

歌姫「高専生たちも、希望者は編入できたしね」


家入「そういえば」

歌姫「？」

家入「九十九さんと脹相、結婚するみたいですよ」

歌姫「！　来るかも……元呪術関係者の結婚ブーム！」
歌姫「大将ー！　黒霧島ロックで！」
<ｱｲﾖｰ

[40 １ 24/02/21(水) 22:06:40]

──旧高専内墓所
壊相・血塗の墓

脹相（…九十九がこうしてくれるまで、オマエたちを連れて逃げていれば…）
脹相（……）
脹相（いや、俺の心が弱いままなら…こんな希望があると知らなかったら…耐えられなかっただろう…）

虎杖「脹相？」

脹相「あ、ああ」

[41 １ 24/02/21(水) 22:12:01]

虎杖「脹相、ちゃんと人間になれたんだな」

脹相「ああ」
脹相「家入に調べてもらったが、人間と全く同じ体になっていた　血の毒も消えた」

釘崎「鼻の線、なくなったわね」

脹相「九十九が残念がって、たまにメイク道具で描きにくる」

虎杖「……」

脹相「悠仁？」

虎杖「いや…その…身内？ののろけ？聞くと生々しいっつーか…」

脹相「悠仁ーーーー！！！！！」

虎杖「それいつまでやんだよ！」

[42 １ 24/02/21(水) 22:18:56]

脹相「悠仁は『高校』に編入したんだな」

虎杖「おう　伏黒も釘崎も一緒」

伏黒「元高専生は学費とか全部免除になったしな」

釘崎「あんだけ命張ったんだから、そんくらい貰わないとね」

虎杖「九十九さんは今どうしてんの？」

脹相「大仕事したから、しばらくのんびりすると言ってた」

虎杖「脹相は？」

脹相「それが…保育士になろうと思うんだが、まず短大か大学に行かなくてはいけなくて」

虎杖「へ」

脹相「とりあえず高認には全教科合格したから、まずは受験を」
　　※高認：高等学校卒業程度認定試験

[43 １ 24/02/21(水) 22:23:23]

釘崎「…それ、九十九さんはなんて？」

脹相「日本でただの人間として生きるなら、学歴はある程度必要だと…」
脹相「特に俺は学校に行った事がないから行っておけ、社会勉強しろと九十九に言われて…」

虎杖「それでさ、結婚はどうすんだよ」

脹相「俺は学業が終わってから…と思ったんだが、九十九が結婚は今すぐにもと言って…」

伏黒「もう指輪してますね」

脹相「ああ…これも九十九がすぐ買いに行こうと言って…外出するときは必ずしろと…」

釘崎「……先が思いやられるわね」

脹相「？」

虎杖「脹相さあ、自分の意見とかねえの？」

[44 １ 24/02/21(水) 22:28:20]

脹相「悠仁……不甲斐ないお兄ちゃんですまない」

脹相「しかし…客観的に考えて、本当に恥ずかしいことだが、俺には人間としての経験が足りない」
脹相「オマエたちよりも世間知らずだろう」

脹相「呪術師として生きるならば、強ければいいで済まされていたかも知れない」

脹相「だが俺はただの人間になった」

脹相「呪霊の子として生まれ、肉体を得たのもほんの少し前、家庭も学校も社会も経験したことがない」
脹相「そんな歪な存在の俺が人間になるために、九十九は心を砕いてくれている」
脹相「九十九は俺の『師』でもあるんだ」

脹相「いつか、人としても悠仁の『お兄ちゃん』だと胸を張れるようになる」
脹相「どうか待っていてくれないか」

[45 １ 24/02/21(水) 22:35:15]

虎杖「………」

脹相「悠仁？」

虎杖「…いや、そんな真正面から返されると思わなくて」

伏黒「確かに、この人を普通の物差しで測るのは難しいかも知れない」

釘崎「尻に敷かれてるのは間違いないんじゃないの？」


脹相「！　そうだった　式の招待状だ　受け取ってくれ」

[46 １ 24/02/21(水) 22:40:20]

──プレイバック薨星宮

九十九「君の技…『超新星』っていうのは君が考えたんだろ？」
九十九「なんでそんな名前にしたんだい？」

脹相「…そんなに詳しくはないが、星は好きだ」
脹相「人は死ぬと星になるという…母も弟たちも星になっているかも知れない」
脹相「星が悠久の時を経て死ぬとき、超新星爆発が起こる…その爆発に、血の散弾をなぞらえた」

脹相「星は死んでも、新たな星に生まれ変わる」
脹相「もう人として苦しまなくていい　星として永遠に生きられる」

九十九「………」

脹相「…すまん　長話をしてしまった…」

九十九「いや……辛いことを思い出させてしまったね」

脹相「俺には、自分が『辛い』なんて言う資格はない」

[47 １ 24/02/21(水) 22:47:02]

九十九「……じゃあ、星を見に行こうか」

脹相「？」

九十九「この高専て田舎にあるからさ、星がよく見えるんだよ」



高専内丘陵地

九十九「お！　思ったよりよく見える！」

脹相「……」

九十九「わかりやすいとこだと、北の空に北斗七星が見えるね」
九十九「北極星をまたいで反対側に、W型のカシオペヤ座」
九十九「西の空、十字型に見えるのがはくちょう座」

脹相「つ、九十九、待ってくれ」

九十九「ああ、ゴメン」

脹相「…九十九は何でも知ってるな」

九十九「今のはほんの序の口だよ？」

[48 １ 24/02/21(水) 22:54:32]

脹相「漠然と、美しいとしか思ってなかったが…知っていれば違ったように見える」

九十九「！　脹相も何かを『美しい』なんて思うんだね」

脹相「俺を何だと思ってるんだ」

九十九「ねえ　他に何を美しいと思うの？」

脹相「母と弟たちは、皆それぞれに美しい」

九十九「それ以外では？」

脹相「………すぐには思いつかない」

九十九「じゃあ思いついたら、教えておくれよ」


九十九（『超新星』爆発の後には…時に『ブラックホール』が生じる…）
九十九（ふふ…吉と出るか凶と出るか…）


脹相（美しい…もの…）

[49 １ 24/02/21(水) 22:59:37]

──結婚式の夜

九十九「ふぇー　疲れたー」

脹相「コーヒー飲むか？」

九十九「飲む！」


脹相「…ドレスの九十九、綺麗だった…」

九十九「……ありがと」
九十九「でも、みんな　脹相見てびっくりしてた」

脹相「？　そうだったか？」
脹相「九十九の希望で今日だけ髪下ろして…ハーフアップだったか？にしたが…」

九十九「顔のラインもなくなってさ、タキシード着せたら案の定…」
九十九「やっぱ早めに手ぇつけといて良かった！」

脹相「？」

[50 １ 24/02/21(水) 23:05:10]

脹相「なあ、九十九…」

九十九「ん？」

脹相「結婚したんだから、『由基』って呼んじゃ駄目か？」

九十九「………」

脹相「由基って」

九十九「……二人きりの時だったら、よし」

脹相「！　ありがとう、由基！」ﾁｭ

九十九「～～～あ～～もう！　強制連行！」ｶﾞﾀｯ

脹相「！？」

[51 １ 24/02/21(水) 23:12:48]

R18　九十九と脹相　夜の領域展開１

[52 １ 24/02/21(水) 23:17:56]

R18　九十九と脹相　夜の領域展開２

[53 １ 24/02/21(水) 23:22:44]

R18　九十九と脹相　夜の領域展開３

[54 １ 24/02/21(水) 23:28:02]

R18　九十九と脹相　夜の領域展開４

[55 二次元好きの匿名さん 24/02/21(水) 23:32:16]

夜の領域展開は草

[56 二次元好きの匿名さん 24/02/22(木) 01:19:28]

続きだー！ありがとうございます！
時間逆行とかとんでも展開でいい感じになってよかった
美男美女の結婚式風景もっとみたいなあ
参列者が羨ましいぜ

[57 二次元好きの匿名さん 24/02/22(木) 08:18:02]

受肉体関連でタイムリーなお話だった
本誌のお兄ちゃんも平和に解決すると良いな…

[58 二次元好きの匿名さん 24/02/22(木) 17:53:51]

保守