【TRPG】ピンチャンの心臓がちょっとはやく動くだけ【微閲覧・CP注意】

  • 1二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:13:44

    髙羽史彦はいつも通りの毎日を送っていた。決まり切った日常。代わり映えのしない毎日。けれども、それは幸福な毎日だ。髙羽のそばには、いつもと変わらず、相方の羂索がいるのだから。髙羽はいつもの朝を、いつも通りに迎えることだろう。

    【注意】
    ・ピンチャンが呪力とかない現代でコンビ組んでるふわふわ時空です
    ・ダイスはこれを見ている皆様に振っていただきます。お付き合いください
    ・CoCシナリオ『心臓がちょっとはやく動くだけ』のネタバレを含みます
    ・スレ内でのシナリオのネタバレはお控えください
    ・シナリオの改変を含みます
    ・システムは6版です
    ・場合によっては非人道的・暴力や人の死に関する描写があります
    ・要素は薄いと思いますがカップリングらしき表現が含まれる場合があります
    ・TRPGならびにCoCに関するシステムの質問は受け付けますので気軽に質問どうぞ
    ・スレ主はCoCスレ初めてです。至らないところなどあると思いますが温かい目で見守っていてください
    ・髙羽と羂索の運命はこれを見ている皆様に委ねられます

    以上のことを踏まえて大丈夫という場合には宜しければ最後までお付き合いください

  • 2二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:14:05
  • 3二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:17:28

    ピンチャンのTRPGスレだー!楽しみにしてます!

  • 4二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:18:47

    このシナリオ知ってるすき(瀕死)

  • 5二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:19:41

    >>4

    あ、概要や結末はふんわり知ってますがここでこれを使ったら〜とかは全く覚えてないので普通に楽しみます

  • 6二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:20:09

    髙羽「羂ちゃん!ネタ!ネタできた!」


    羂索「どれどれ、読ませてみて……うん……うん……」


    髙羽「どう?面白い?」


    羂索「赤点。テンポ感重視したネタの割にはここのセリフが冗長すぎる。ここが全体のリズムを乱してるんだよね。普通にこのネタやってもここが気になっちゃうでしょ。もうちょっと音にした時のことを考えてきてくださいお疲れ様でした」


    髙羽「うぐ……ぐうの音もでねえ……」


    羂索「……まあさ、ネタ自体は面白いよ。年齢層は高めだからゴールデンだとやりづらいかもだけど」


    髙羽「え……」


    羂索「言っておくけどこんなんで折れないでよね?私のこと退屈にさせたらどうなるか……」


    髙羽「だーーーーわかってるわかってるって!!とりあえず直近の目標はオマエとのC-1優勝!それで良いだろ!?」


    羂索「……売れたいとウケたいは違うし、ましてやC-1も通過点でしかないけど……まあいいよ。今はそれで」


    髙羽「素直じゃねーの……」


    そうして慌ただしい日々を終え、無事に一日を終えると、髙羽はいつものように眠りに付く。


    ここで聞き耳>>7

    dice1d100で振ってもらって80以下が出たら成功です

    このスレでは1〜5をクリティカル(大成功)、96〜100をファンブル(大失敗)として処理します

  • 7二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:23:17

    dice1d100=22 (22)

  • 8二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:25:11

    眠りに落ちる寸前、髙羽は轟々と炎の燃え盛る音を聞く。
    火事か何かかと思い、体を起こそうとするが、どうしても体が言うことを聞かず、そのまま瞼が落ちていった。

  • 9二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:27:15

    ふと目を覚ますと、髙羽は見知らぬ場所に横たわっていた。そこは、一見すると薄暗い工場の一室のようだった。見たこともない巨大な機械が、左右にずらりと並んでいる。


    髙羽「……な、んだ……ここ……夢……?」


    髙羽「(寝起きドッキリ……?にしては大掛かりすぎるし……なんでスーツ着てるんだ俺……)」


    薄汚れた床には大量のガラクタが、そこかしこに山を作っている。髙羽はその部屋で、自身も打ち捨てられたひとつのガラクタのように横たわっていた。

    不気味な状況に髙羽はSANチェック(0/1)

    dice1d100(50以下成功)>>11


    髙羽が不気味だったり恐ろしい目に遭ったりする度にSANチェックが挟まれます

    SANは心のHPみたいなものでこれが大きく減ったりすると発狂したり廃人になったりします

  • 10二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:30:37

    dice1d100=60 (60)

  • 11二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:34:45

    dice1d100=50 (50)

  • 12二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:34:57

    いちたりた!

  • 13二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:37:58

    髙羽「なんだよ……怖え〜……」


    部屋の正面奥には、高い天井までの空間の大部分を埋め尽くすように大量のワイヤーやホースが垂れ幕のようにぶら下がっていた。管は複雑に絡まり合いながら雪崩れのように壁を作り、その奥の様子は見えない。



    髙羽「……とりあえず、ここがどこか……ん?」


    立ち上がると、体の上から何かが落ちる。ホチキスで止められた冊子だ。薄っぺらく、印刷等の雰囲気から家電の説明書のような印象を受ける。また、表紙には一枚付箋が貼ってある。


    探索箇所>>
15

    1.冊子

    2.部屋正面

    3.背後の扉

    4.左右の工学機械

    5.ガラクタの山

    6.部屋全体

    7.その他自由行動

  • 14二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:40:35

    1!

  • 15二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:42:24

    3

  • 16二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:45:20

    安価できてなかったすみません…


    背後の扉には血のように赤いハート型の錠前(南京錠)がかかっている。


    髙羽「なんだこれ……うーん……?」


    《目星》(80以下で成功)>>18

    《聞き耳》(80以下で成功)>>20

  • 17二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:51:10

    dice1d100=78 (78)

  • 18二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:51:26

    このレスは削除されています

  • 19二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:52:22

    dice1d100=46 (46)

  • 20二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 13:57:10

    dice1d100=21 (21)

  • 21二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:02:55

    目星は安価下で行かせてもらいます

    両方成功


    髙羽「一応試してみる……けど、開かねえよなあ……」


    扉には引っかき傷や何かを叩きつけたような凹みがいくつも見える。


    髙羽「……ホラー映画の本当にヤバいやつがいる部屋じゃん……」


    髙羽「おーい……誰かいますかー……?」トントン


    扉を叩き耳を寄せてみるが、何も聞こえない。


    髙羽「これ、誘拐とか……だよなあ……?警察……携帯……圏外かよ……」


    これ以上扉を調べても何もなさそうです

    探索箇所>>23

    1.冊子

    2.部屋正面

    3.左右の工学機械

    4.ガラクタの山

    5.部屋全体

    6.その他自由行動

  • 22二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:03:26

    5

  • 23二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:04:13
  • 24二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:08:38

    髙羽「この……冊子?洗濯機とかのあれっぽいな……」


    「初心者かんたん! 失敗しない『◯』の作り方」


     その下に手書きで


    「私達はここでひとりぼっち。ずっとずっとひとりぼっち。
だから、あなたと一緒に生きてみたかった。

    私達は人間が憎くないといえば嘘になる。
私達は人間が怖くないといえば嘘になる。

    私達の幸せは、あなたをここから決して逃がさないこと。
ずっとずっと守ってあげる。
ずっとずっと一緒にいよう。」と書かれている。


    髙羽「……誰だよ〜〜……そういう顔ファンとかはさ……羂ちゃんの担当じゃん……」


    髙羽「怖えよ……ラブレターなら名前とか書いといてくんねえかなあ……」


    《アイデア》(65以下で成功)>>26

  • 25二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:10:47

    dice1d100=74 (74)

  • 26二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:17:40

    dice1d100=57 (57)

  • 27二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:18:14

    名前書けばこのクソラブレター許してくれる髙羽はやさしいね

  • 28二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:24:19

    髙羽はよく見ると、その手書きの字が様々な人が書いた文字が混ざり合ったように歪であることに気づく。


    髙羽「……最近のラブレターって複数人で書くのか流行ってたりする……?わけないか……」


    髙羽「……それでこっちの付箋は……」


    付箋には「失敗作 羂索」と書かれている。


    髙羽「羂索?だよな……見間違いでなく……なんでだ……?俺の顔ファンの羂ちゃんアンチ……?いや普通逆だろ……」


    髙羽「……とりあえず中身見てみるか……」


    ぺらり、と一枚めくってみると、「目次」というタイトル。


    「1P…目次
 2P…『人』」

    
以降の行は空白。

    もう一枚めくってみる。

    「初心者かんたん! 失敗しない『人』の作り方」というタイトル。

    
「名前はとても大切なもの。あなたの声で名前を呼んで「おはよう」をしてあげて。これでカタチは出来上がり。」


    髙羽「……んん……?作り方……人の……?羂ちゃんは失敗作だし……?よくわからん……」


    髙羽「……羂ちゃんがいたらなんとかしてくれたのかな……いや、いやよそう。湿っぽいこと言ってると何されるかわかんねえし……」


    これ以上冊子を調べても何もなさそうです

    探索箇所>>30

    1.部屋正面

    2.左右の工学機械

    3.ガラクタの山

    4.部屋全体

    5.その他自由行動

  • 29二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:24:48

    名前書いたらラブレター解釈で一緒にいてくれる可能性あるんスか
    史くんのファンになります

  • 30二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:25:28

    このレスは削除されています

  • 31二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:25:43

    4

  • 32二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:26:18

    失敗作羂索……君は失敗作だらかね…ってコト?!(脳直思考)

  • 33二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:26:37

    2

  • 34二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:30:00

    安価下でいいかな


    髙羽「つーか結局ここがどこかわからんし……え」


    工学機械の裏には工場の制服を着た白骨死体が11体と、アタッシュケースを見つける。

    日常生活ではまず見ることがないであろう死体の山にSANチェック(1/1d3)>>36

  • 35二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:31:25

    死体はかつて怯えたことあるけどどうだろ
    SANチェック(1/1d3)

  • 36二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:32:38

    dice1d100=43 (43)

  • 37二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:41:15

    髙羽のSAN値50→49


    髙羽「えっ……し、死体……!?だ、よな……」


    髙羽「……本当になんだよここ……もしかしてヤバいことに巻き込まれてたり……」


    髙羽は骨たちを視界に入れないようにしながら、近くにあったアタッシュケースに手を伸ばす。鍵はかかっていない。


    髙羽「こっちのケースは……大金とか入ってたり……?それともなんか危ないもんとか……」


    こわごわと開けると、アタッシュケースの中には見覚えのある羂索のスーツが一式入っている。


    髙羽「え……これ、羂ちゃんの……だよな……?」


    髙羽「……あ、やっぱり。イニシャル入ってる……」


    髙羽「なんで羂ちゃんのスーツが……羂ちゃんも巻き込まれてたり、とか……」


    髙羽「……羂ちゃん……?」


    探索箇所>>39

    1.部屋正面

    2.左右の工学機械

    3.ガラクタの山

    4.その他自由行動

  • 38二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:41:52

    1

  • 39二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:43:46
  • 40二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:48:52

    髙羽「そもそもこれはなんの山……」


    髙羽がガラクタの山を漁ると、眼球らしきガラス玉や、手の形をした金属の塊などが混ざっていることがわかる。


    髙羽「……人形とかでも作ってる?完成形は綺麗でも部品だけ見ちゃうと結構……グロいというか……怖いな……」


    《アイデア》(65以下で成功)>>42

  • 41二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:53:29

    dice1d100=77 (77)

  • 42二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:54:26

    dice1d100=61 (61)

  • 43二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:54:49

    人体創造……?

  • 44二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:55:22

    羂ちゃんならやってそうなのがなぁ……いやふわふわ時空を信じろ

    >>43

  • 45二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:55:49

    成功率高いな流石髙羽

  • 46二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:59:23

    髙羽はその眼球や手が色んな時代に作られた人形の部品であることが分かる。アンティーク人形から機械人形まで。


    髙羽「んー……なんかこれ、時代とか用途とかバラバラっぽい?な……」


    髙羽「こういうのは羂ちゃんの方が詳しいんだけど……」


    髙羽「うーん……よくわからん……」


    探索箇所>>48

    1.部屋正面

    2.左右の工学機械

    3.その他自由行動

  • 47二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 14:59:56

    1

  • 48二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:01:18
  • 49二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:07:40

    髙羽でさえ見上げるほどに巨大な機械は、見るからに埃をかぶっている。図面がどの機械にも複数置かれている。すべて壊れて動かない。


    髙羽「案外叩いてみたら動いたり……いやさすがに怖いな。やめておこう……」


    図面は色んな時代のものであり、いろんな言語の書き込みがされている。


    髙羽「やっぱ時代とか国とか……バラバラ?だったりすんのかな……」


    髙羽「俺英語アイムファインセンキュー……しかわかんねえよ……いやそもそもこれ英語か……?」


    髙羽「なんもわからん……ということだけはわかった……」


    探索箇所>>51

    1.部屋正面

    2.その他自由行動

  • 50二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:09:00

    2

  • 51二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:10:59
  • 52二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:11:06

    2気になる

  • 53二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:11:51

    英語できない髙羽草
    イッテQできないねえ……

  • 54二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:13:46

    >>52

    申し訳ないんだけど2だと安価取った人に何するか決めてもらう感じになります



    高い天井からぶら下がった大量のワイヤーやホースが、複雑に絡まり合って壁を作っている。その中に、蜘蛛の巣に捕らわれた虫のように裸の人間が数十人、絡まり宙に浮いているのに気付く。四肢は妙な方向へと曲がり、誰も彼もが眠っているように目を閉じて、ピクリともしない。


    髙羽「え、な……んだ、あれ……」


    もしかすると人間ではないのでは?と髙羽は目を凝らすも、やはり人間にしか見えず不気味な光景だ。(SANc0/1)

    dice1d100>>56

  • 55二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:15:24

    dice1d100=8 (8)

  • 56二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:18:29

    dice1d100=65 (65)

  • 57二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:21:23

    髙羽のSAN値49→48


    髙羽「……」


    髙羽「……ど、どう見ても人間……だよな……」


    髙羽「怖えよー……羂ちゃん……」


    《目星》(80以下で成功)>>59

    《幸運》(50以下で成功)>>61

  • 58二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:24:30

    じわじわ減ってんねSAN値

    dice1d100=69 (69)

  • 59二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:25:07

    dice1d100=64 (64)

  • 60二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:25:50

    dice1d100=15 (15)

  • 61二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:27:01

    dice1d100=52 (52)

  • 62二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:35:22

    幸運惜しかった
    怖いとすぐ羂索呼ぶ髙羽かわいいな
    怖すぎる状況なので無理もないが

  • 63二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:35:29

    人間は老若男女、国籍も様々である。関節こそ変に曲がっているものの、怪我は見当たらず、ただ背中から管が出ているように見える。また管は古く、登ったり揺らしたりすると危険に思える。


    髙羽「……助けたりとか……はできないか……」


    髙羽「……あれ」


    髙羽はふと、ぶら下がっている人間の中に羂索が混ざっているのに気付く。髙羽は酷く驚くも、よくよく見ればそれは死体というより、髙羽の知る人にとてもよく似せて作られた人形なのではないかと思う。


    髙羽「……羂、ちゃん……の、人形……?」


    髙羽「……あ、もしかして、さっきの……」


    髙羽はポケットから冊子を取り出し、ページを捲る。

    「名前はとても大切なもの。あなたの声で名前を呼んで「おはよう」をしてあげて。これでカタチは出来上がり。」


    髙羽「……これ、そういうこと……なのか……?」


    どうする?

    >>64

  • 64二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:36:29

    全力のおっはー

  • 65二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:45:03

    髙羽「すぅぅー……っ……羂索ーー!!! おっはよーーーッッッ!!!!!!」

    部屋全体を揺らすような髙羽の大声に応えるように、管がずるりと動き始めた。

    髙羽「えっ、何々何が始まるの!?!?」

    ずるりずるりと絡まっていた無数の管がほどけるように伸びていき、囚われていた体のうちの一つ、髙羽の知る人物に非常によく似た体が、ゆっくりと髙羽の目の前に降下する。見る間に床まで落ちると、その人物はぐったりとそこに横たわった。

    髙羽「……っけ、羂ちゃん!?だ……よな!?おいっ、大丈夫か!?」

    裸で横たわるその人のうなじから尾てい骨にかけて一列に、肌に複数の管が突き刺さっている。接続部は明らかに人の皮膚に見えず、銀色の金属が隙間から見え隠れしている。

    髙羽「……どーなってんだよ、それ……っ」

    髙羽がその人ならざる部分をジロジロと眺めていると、人形はパチリと目を覚ました。ガラス玉のような、冷たく無機質な瞳だ。無表情のまま上体を起こすと、髙羽をその目に映す。

  • 66二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 15:45:17

    羂索「おはようございます」

    髙羽「っえ、お、おはよう……」

    羂索「システム起動。チェック、オールグリーン……羂索。当機体の名称と推測。記録完了」


    羂索「起動者の名前をインプットします。回答を要求」

    髙羽「え、何、何言ってんの、羂ちゃん」

    羂索「回答を要求」

    髙羽「……た、髙羽……髙羽史彦……」

    羂索「髙羽史彦……インプット完了。接続の解除を要求。物理的解除が可能です」

    羂索の顔をした人形は、自身の背中に刺さったその管を指差し、なおも無機質にそう言った。

  • 67二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 16:00:16

    髙羽「え……こ、これ?抜いていいの?痛くない?」

    羂索「接続の解除を要求」

    髙羽「ねえこれドッキリだったり……しないよねえ羂ちゃんの羂ちゃんないし……」

    羂索「接続の解除を要求」

    髙羽「イ゛ーーーン一言ごとに急かしてくる〜〜……え?いいの?本当にいいんだよね?なんか取り返しつかないことになったりしない!?」

    羂索「接続の解除を要求」

    髙羽「これ“はい”選ばないとずっとおんなじこと言ってくるやつだ……ドラクエとかと一緒だ……」

    羂索「接続の解除を要求」

    髙羽「わかった!わかったから!抜くよ!?」

    ええいままよ、と心の中で叫びつつその管を引き抜くと、それはイヤホンジャックのように簡単に外れた。あまりに簡単に外れすぎて、力を入れすぎた髙羽は軽くよろめいた。

  • 68二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 16:07:12

    羂索「……接続の解除を確認。起動者に同行する許可を求めます」


    髙羽「えぇ?俺と一緒に行くってこと……?そりゃいいけど……」


    羂索「許可を確認」


    髙羽「なんかやりづらいな……というかそうだ!服!服着て!!目のやり場に困る!!」


    髙羽は先ほど拾ったアタッシュケースの中の服を羂索に押し付ける。羂索は無表情のまま、口を開いた。


    羂索「この物体群の名称について回答を求めます」


    髙羽「物体群……?え、えと……これ、服、オーケー?」


    羂索「服。了解。記録完了しました」


    髙羽「ねえこれそういうコントだったりしない?しないよね〜〜……というかこれ着て。そろそろ全裸の男が横にいる現実に耐えられなくなるから」


    羂索「使用方法、不明。回答を求めます」


    髙羽「着方わかんないの?……じゃあわかった。着せてあげるからバンザイ……両手あげて……」


    羂索(?)に聞きたいこと>>72まで

  • 69二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 16:10:43

    着させて上げる高羽は優しいねバンザイしてって言うのすごい想像できる

    ここは何をする場所か?

  • 70二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 16:12:21

    羂ちゃんと一緒でお笑い好き?

  • 71二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 16:14:27

    どこに行きたい?

  • 72二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 16:21:37

    なんでこんなところにいたのか?

  • 73二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 16:45:33

    いつものスーツを身に纏い、背中の金属接続部が見えなくなると、羂索はまるで人間にしか見えない。

    髙羽「……ところでさ、ここって何する場所なの?羂ちゃん知ってる……?」

    羂索「起動者の生存する世界へと繋がる扉の鍵を作る場所と回答」

    髙羽「……え、それどういう意味?ここはなんか……異世界とかそういう話?」

    羂索「肯定」

    髙羽「う……っそでしょ!?!?えっ、羂ちゃんも、なんで一緒に異世界に来ちゃったわけ!?」

    羂索「当機体は人体的特徴を模したヒューマノイド。起動者の提示する人物とは無関係であると推測」

    髙羽「……羂ちゃんによく似た……ロボット?ってこと……?……なんでこんなところにいたの?」

    羂索「当機体はここで製造され先ほど初めて起動しました」

    髙羽「ずっとここに居たってこと……?あんなとこに吊るされて……?」

    羂索「肯定」

  • 74二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 16:45:58

    髙羽「……羂ちゃん……さ、お笑いとか好き?」

    羂索「お笑い、不明。回答を求めます」

    髙羽「え゛。お笑いっていうのは……腹抱えて笑っちゃうようなさ、面白いことだよ」

    羂索「理解不能」

    髙羽「マジかー……ロボットって感情とかなかったりする……?」

    羂索「当機体には搭載されていない機能と回答」

    髙羽「出会った頃の羂ちゃんより気難しいな……そうだ、どこ行きたいとかある……?というかどこに行けば……」

  • 75二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 16:46:08

    羂索「その扉が起動者の生存する世界に接続されていると推測」

    髙羽「あ、さっきの扉ね……でも鍵かかってたんだよ。どこにあるかとか知ってる……?」

    羂索「当機体の完成により入手可能と推測」

    髙羽「そうなの!?え、完成って……何すればいいの……?」

    羂索「そちらの部屋で条件を満たすと完成すると推測」

    髙羽「そちら……って」

    羂索の顔をした人形が指差した先を見て、髙羽は初めて羂索が接続されていた管が天井から解け落ちたことで、ワイヤーの幕に人の通れる程度の隙間ができたことに気付く。その先には壁が見える。壁にはアーチ型の、扉のない入り口が一つある。

    髙羽「……あっちに行けばいいってこと?」

    羂索「肯定」

    髙羽「んー……じゃあ行こっか。羂ちゃんが言うならそうなんでしょ、多分」

  • 76二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 16:49:37

    アーチを抜けると、そこは白い部屋だった。前方の壁に扉が五つ並んでいるのが見える。


    《目星》(80以上で成功)>>78

  • 77二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 16:50:33

    dice1d100=50 (50)

  • 78二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 16:50:50

    髙羽が自然と羂索(?)のこと羂ちゃん呼びになってるのかわいいな

    dice1d100=38 (38)

  • 79二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:01:09

    部屋の中にはそれ以上何も見つからないが、髙羽は冊子が一瞬光ったことに気付く。


    髙羽「……何……?どういう仕組み……?」


    冊子を手に取り見ると、いつの間にかページ数が増えていることに気付く。

    目次
「3P…『心』」が追加されている

    3P
「初心者かんたん! 失敗しない『心』の作り方」というタイトル。
「心はとても大切なもの。ニンゲンは見て聞いて共感して、感情を得る。全てを記録チップに集めれば、これでナカミの出来上がり。」


    髙羽「……記憶チップ……って、何……?」


    羂索「既に当機体に挿入されています」


    髙羽「あ、そうなの?じゃあ感情……?を集めればいいのかな」


    髙羽「この部屋入ったら何か分かったりする?」


    白い自動ドアに近づいて見てみると、手の形をした凹凸が各扉に一つずつあることがわかる。髙羽が扉を開けようとすると、羂索が扉に手をかざした。


    羂索「解錠しますか?」


    髙羽「お願い」


    羂索に扉を開けてもらい二人が部屋に入ると、自動的に背後の扉がシュンと閉まる。中は広さのある真っ白な空間。中央に看板が一つ立っている。


    髙羽「何この部屋……部屋……?看板には何が……」


    看板には「私はあなたとそれでも一緒にいたい。」
と書いてある。髙羽がそれを読んだ瞬間、部屋の様子がガラリと変わる。SANチェック(0/1)dice1d100>>81

  • 80二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:03:50

    dice1d100=41 (41)

  • 81二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:04:27

    dice1d100=27 (27)

  • 82二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:04:28

    dice1d100=41 (41)

  • 83二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:07:37

    髙羽「えっ何何!?また何が起こるの!?」


    暖かな午後の日差しが差し込む一室。窓の外には広大な緑が広がり、ニーニーと小さな声が、あちらこちらから上がっている。猫カフェです。


    髙羽「……にゃんこじゃん……」


    《目星》>>85

  • 84二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:09:52

    にゃんこに囲まれる髙羽か、いいね

    dice1d100=99 (99)

  • 85二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:10:12

    dice1d100=58 (58)

  • 86二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:15:12

    髙羽はふと、また冊子が一瞬光ったのに気づく。


    髙羽「本当にこれどういう仕組みなんだ……?」


    髙羽は冊子を手に取り、例の如くページ数が増えていることに気付く。

    目次
「4P…『喜』」が追加されている

    4P
「初心者かんたん! 失敗しない『喜』の作り方」というタイトル。
「記録チップを入れた状態で『幸せな時間』を教えてあげよう。これで喜は出来上がり。」


    《目星》(80以下で成功)>>88

  • 87二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:17:18

    dice1d100=58 (58)

  • 88二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:17:28

    dice1d100=4 (4)

  • 89二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:21:54

    クリティカル?

  • 90二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:22:21

    この羂ちゃんに面白いを教えてあげてくれ髙羽!

  • 91二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:27:18

    初クリティカル!

    髙羽はページの端に小さな字で「親しい人のために苦しむことにも、人は喜びを感じる。」と書かれているのを見つけた。

    髙羽「自己犠牲の精神ってことか……?」

    羂索「喜び。当機体にインプットされていない感情の一つと推定。回答を求めます」

    冊子を一緒に覗き込んでいる
羂索はそう言って、髙羽の顔を真っ直ぐに見た。

    髙羽「うーん……喜びか……説明するの結構難しいな……なんかこう……胸の辺りがふわふわ〜ってなる感じ……わかる?」

    羂索「具体例の提示を求めます」

  • 92二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:27:38

    髙羽「求めるなあ……じゃあそうだ、このにゃんこを愛でよう」

    羂索「愛でる」

    髙羽「うん。ほらちょっとそこ座って。にゃんこ潰しちゃダメだからね」

    羂索「……」

    髙羽「よーしよしよし……お前人懐っこいなあ。ほら、羂ちゃん。撫でてみて」

    羂索「……撫でる」

    髙羽「優しくだよ?優しく!力抜いて……できれば下からの方がいいかも。顎のあたり撫でてあげて」

    羂索「……」

    黒猫「ニャ〜」

    髙羽「気持ちいいって。よかったね羂ちゃん」

    羂索「よかった……?」

    髙羽「そう。自分がしたことで相手が喜んでくれてるときとかさ、ふわふわーって、しない?」

    羂索「……ふわふわ……これが喜びですか?」

    髙羽「それが喜びだよ、羂ちゃん」

  • 93二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:32:57

    羂ちゃん(機械)に情操教育してる髙羽良い…

  • 94二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:37:21

    髙羽がそう言うと、羂索の全身がふわふわと光り輝き、目の前の光景が、殺風景な白い部屋へと戻っていく。光が収まると、羂索は自分の胸に手を当ててうっすらと微笑みながら呟く。


    羂索
「これが、喜び? ……暖かくて、ふわふわ。了解しました。記録します」


    髙羽「……羂ちゃん笑顔似合うね」


    羂索「?」


    髙羽「あー……いや、なんでもない。こっちの話」


    髙羽が立ちあがろうとすると、看板の裏に大きな殴り書きの文字があることに気付く。


    『彼はただ、あなたと一緒に生きたかった、それだけなのに!』


    ただならぬ強い怨念のような想いをその文字から感じ取り、背筋に寒気が走る。SANチェック(1/1d2)
>>96

  • 95二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:40:08

    dice1d100=77 (77)

  • 96二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:40:52

    ふわふわの言い方すごい平和でかわいいな
    髙羽うまく言えずに擬音語出るときあるのはありそう

  • 97二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:42:12

    これは怖い
    髙羽あんまりホラー得意でなさそうね

  • 98二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:42:14

    このレスは削除されています

  • 99二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:42:58

    安価上で行かせてもらうやで

    dice1d2=1 (1)

  • 100二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:46:57

    >彼はただ、あなたと一緒に生きたかった

    これ本編の羂ちゃんだったりするのかな…

  • 101二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 17:51:13

    髙羽のSAN値48→47

    髙羽「ひ、ッ……な、何この文字!」

    羂索「文字ですね」

    髙羽「そういう話じゃなくて……羂ちゃん、何その顔」

    羂索「笑顔が似合うと言われたので」ニコニコ

    髙羽「……ごめん。そこまで笑顔だと怖いかも」

    羂索「そうですか」

    髙羽「……イケメンの真顔はそれはそれで怖いんだけどさ……」

    髙羽「これで一つ目の部屋はクリア……ってことでいいの?」

    羂索「おそらく」

    髙羽「……じゃあ二つ目の部屋行こっか。羂ちゃんに色んな感情教えてあげられるんでしょ」

  • 102二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 18:02:27

    二人が二つ目の部屋に入ると、自動的に背後の扉がシュンと閉まる。中はそれなりの広さのある真っ白な空間だった。中央にポツンと看板がある。


    髙羽「部屋は全部一緒……なのかな」


    髙羽「看板は……」


    髙羽が看板に書かれた「私はあなたを気にかけていたい。」
という文字を読むと、部屋の様子がガラリと変わる。

    海外の精神病棟のように壁全面に真っ赤なクッションが貼られ、部屋の隅に小さなおもちゃ箱と冷蔵庫が現れる。



    髙羽「うわ、結構目に悪いな……」


    おもちゃ箱には風船とピン、びっくり箱、ガムのパッチン、虫の模型などのいたずら道具が入っている。冷蔵庫を開けてみると、紙皿に乗ったクリームてんこもりの巨大なパイが4つ。


    髙羽「……へー……なるほど……」


    髙羽は冷蔵庫を閉じると、ポケットから冊子を取り出した。するとやはりページ数が増えていることに気付く。


    目次
「5P…『怒』」が追加されている

    5P
「初心者かんたん! 失敗しない『怒』の作り方」というタイトル。
「記録チップを入れた状態で『いたずら』をして怒らせよう。これで怒は出来上がり。」


    髙羽「……喜怒哀楽の、怒か……」


    ページの端には「ケンカするほど仲が良い。相手を想うから怒るのです。」との一文。

    羂索は髙羽の持つ冊子を覗き込み、ニコニコと微笑んでいる。


    羂索「怒り……なんでしょう?興味があります。教えてくれますか?」


    羂索(?)にしたいイタズラ>>105まで

  • 103二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 18:03:24

    パイ投げ

  • 104二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 18:03:57

    デコピン

  • 105二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 18:04:31

    突然の(あればハリセン)チョップ

  • 106二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 18:21:41

    髙羽「……よしよし羂ちゃん……俺が羂ちゃんに怒りを教えてやろう……!」

    羂索「?」

    髙羽「まずは……おらっ!」

    羂索「わ」

    ぺしっ、という音と共に、髙羽の指が羂索の額を打つ。

    髙羽「それから……えいやっ!!」

    羂索「むぐっ」

    べちゃ、と両手に持ったパイを羂索の顔に投げつける。その衝撃に羂索は少しよろけた。

    髙羽「トドメだーっ!!」

    羂索「んぐっ」

    バチン、ハリセンで思いっきり後頭部をチョップしてやると、羂索は膝をついた。日頃の相方への恨みも込めてしまってから、やりすぎたな、と髙羽は思う。

  • 107二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 18:21:53

    髙羽「……あ、ごめん、羂ちゃん、つい」

    羂索「……起動者」

    髙羽「エッ、アッ、ハイ」

    羂索「……腹の底が、熱く……何かの衝動に駆られます。これが怒りですか?」

    髙羽「……そ、それが……怒りです……」

    羂索の全身がふわふわと光り輝き、目の前の光景が、殺風景な白い部屋へと戻っていく。光が収まると、羂索は自分の胸に手を当ててムウっと頬を膨らませる。

    羂索
「これが、怒り?ム……しっかり記録しました。で、いつやり返せば良いのですか?」

    髙羽「で、できれば勘弁してくれると……嬉しいかな……」

  • 108二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 18:23:17

    頬膨らませてる羂ちゃん可愛い

  • 109二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 18:33:39

    髙羽「さ、さーてと……今回は看板の裏何書いてあるのかな……」

    看板の裏には大きな殴り書きの文字で『お前のせいだ!人間が憎くて仕方ない!』と書いてあった。

    羂索「……起動者」

    髙羽「エッ!あ、な……なんでしょう……」

    羂索「……許可を頂きたいことが、ある、んですが」

    髙羽「え、何……?」

    羂索「互いの名前を呼ぶことで……親しく感じられる、かと。だめ、でしょうか」

    髙羽「……俺の名前、呼ぶってこと?」

    羂索「……起動者の許可、がなければ、私は」

    髙羽「いいよ。髙羽って呼んでよ。そっちの方が羂ちゃんらしいからさ」

    羂索「……髙羽」

    髙羽「そうそう!しっくりくる!」

    髙羽「じゃあ次の部屋行こっか、羂ちゃん」

    羂索「……はい、髙羽」

  • 110二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 18:41:54

    髙羽「えーっと、じゃあ次は真ん中の……」


    羂索「私はこの中央の扉は一度しか開けられません。それでもいいですか?」


    髙羽「あ、そうなの?……じゃあ一個飛ばして次行こうか」


    羂索「はい」


    二人が三つ目の部屋に入ると、自動的に背後の扉がシュンと閉まる。中はそれなりの広さのある真っ白な空間だった。中央にポツンと看板がある。


    髙羽「順番的に喜怒哀楽の哀?かな……看板は……」


    看板に書いてある「私はあなたのためなら耐えられる。」
という文字を読むと、部屋の様子がガラリと変わる。

    周囲の様子が夜に変わる。足元から水が溢れ出し始める。しばらく待つと、ポツリポツリと光が灯る。ろうそくだ。一つ、二つ、十、二十と増えていき、川の流れと共にゆらりゆらりとどこかへ流れていく。


    《知識》(85以下で成功)>>112

  • 111二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 18:42:13

    dice1d100=46 (46)

  • 112二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 18:42:39

    dice1d100=56 (56)

  • 113二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 18:46:29

    髙羽にはそれが、死者を弔う光景……灯籠流しであることがわかる。

    髙羽「……そういう……?」

    髙羽は冊子をポケットから取り出し見る。案の定というべきか、ページ数が増えていることに気付く。

    目次
「6P…『哀』」が追加されている
    6P
「初心者かんたん! 失敗しない『哀』の作り方」というタイトル。
「記録チップを入れた状態で『別れ』について語ってあげよう。これで哀は出来上がり。」

    髙羽「……別れ、かぁ……」

    ページの端には「哀しみには慣れがある。慣れないこともあるけれど」という一文が書かれていた。

    羂索「哀しみ……あまりいいものではない、ですかね?でも知りたいです」

  • 114二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 18:47:19

    いっぱい解散してきたもんな髙羽 辛いかもな

  • 115二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 18:57:09

    髙羽「……俺さあ、羂ちゃん……あ、ごめん。こっちの世界の羂ちゃんの話ね」

    髙羽「羂ちゃんに会うまでにさ、結構色んな人とコンビ組んでて」

    髙羽「今は羂ちゃんとコンビ組んでるけどさ、それまでは色んな人と組んで別れて、って繰り返してて」

    髙羽「……でさ、俺の元相方たち、なんて言って離れてったかわかる?」

    羂索「……わかりません」

    髙羽「もうお前とは付き合ってられんー……ってさ。俺、バカ真面目だからさ、熱量が合わなかったんだよ、相方と」

    髙羽「……それでもさ、羂ちゃんだけは違ってさ。むしろ俺よりお笑いに真摯でさ」

    髙羽「カッケーんだよ。顔とかそういうのじゃなくて。俺がちょっと弱音吐いたら背中蹴飛ばしてでも前向けさせてくるの」

    髙羽「……別れの話じゃなくなっちゃったな。ごめんね羂ちゃん」

    羂索「……髙羽、は……その人と別れたら、悲しい、ですか?」

    髙羽「悲しいよ。悲しいし、泣くと思う。泣いて泣いて、それで羂ちゃんがいたら怒られるな、って思い直すの」

    羂索「……胸が痛いです。これが、悲しみですか?」

    髙羽「多分、それが悲しみだよ」

  • 116二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:03:54

    顔がいい男に対する顔じゃない部分への「カッケー」の感情すごい良いね
    魂を共鳴させただけのことはあるよ

  • 117二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:06:45

    心はやだ!期待

  • 118二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:19:38

    羂索の全身がふわふわと光り輝き、目の前の光景が、殺風景な白い部屋へと戻っていく。光が収まると、羂索は自分の胸に手を当てて悲しげに微笑んだ。


    羂索「これが、哀しみ?……うん、そっか」

    髙羽「なんかわかった?」

    羂索「髙羽、ここから帰りたいって言ってたでしょ?……それが、寂しいかな?って」


    羂索「髙羽が帰ってしまえば、もう一緒にいられなくなるわけだし」

    髙羽「……あー、それは」

    羂索「いいんだよ。別に。私と、髙羽の大切な人を重ねて見ない方がいいよ。どれほど似ていたとしても、私はただの機械だから」

    髙羽「んなこと」

    羂索「あるよ。私は、どう足掻いたって偽物だから。私を本物みたいに扱わない方がいいよ」

    髙羽「……羂ちゃん」

    羂索「ほら、看板の裏だっけ?見るでしょ、毎回」

    髙羽「……おー……」

    看板の裏には大きな殴り書きの文字で『恐ろしい! 人間め、よくもこんな惨いことを!』
と書かれている。
    羂索はそれを見ると、看板の裏の文字を見て眉をひそめ、首を振る。


    羂索「……これは私の言葉じゃないよ」

  • 119二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:21:54

    口調も羂ちゃんになってきた…

  • 120二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:27:15

    口調が羂索になってる
    髙羽は偽物として扱えないタイプだろうな

  • 121二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:32:55

    羂索「ねえ、真ん中覗いたらあと一つだよ」

    髙羽「あ、そっか。もうそんなにか」

    羂索「扉、開けるよ」

    髙羽「……なんかさ、羂ちゃん、変わったな」

    羂索「気のせいじゃない?」

    二人が四つ目の部屋に入ると、自動的に背後の扉がシュンと閉まる。中はそれなりの広さのある真っ白な空間だった。中央にポツンと看板がある。

    髙羽「この部屋は……喜怒哀楽の、楽なのかな」

    髙羽が看板の「私はあなたの笑顔が見たい。」
という文字を読むと、部屋の様子がガラリと変わる。
    子ども向けの遊園地。白いわたあめのような雲の浮かんだ、晴空が広がる。楽しげな騒ぎ声があちらこちらから聞こえてくる。

    髙羽「……うわー、遊園地とか来んの子供の頃ぶりだ、俺」

    羂索「大切な人とかと行ったことはないの?」

    髙羽「ない。彼女とかと来たことはないし……羂ちゃんと行くとさ、大男二人で遊園地はちょっと……ってなるから」

    羂索「ふーん……」

  • 122二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:33:11

    髙羽「あ、そうだそうだ、取説見ないと」


    髙羽は冊子を手に取り、ページ数が増えていることに気付く。


    
目次→7P…『楽』が追加されている


    7P→「初心者かんたん! 失敗しない『楽』の作り方」
「記録チップを入れた状態で『仲良く遊』ぼう。これで楽は出来上がり。」


    ページの端には「楽しい思い出は一生のもの。それを抱えてなら、大丈夫。」という一文。


    髙羽「……大丈夫って、何が……」


    羂索「へぇ、今度は『楽しみ』かぁ。で、これはどんなのな訳?教えてよ」


    二人が乗るアトラクション>>125まで

  • 123二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:33:34

    羂ちゃんと言えばジェットコースター!

  • 124二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:33:52

    お化け屋敷

  • 125二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:34:34

    コーヒーカップ

  • 126二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:34:48

    観覧車

  • 127二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:36:19

    コーヒーカップでアホ程回して髙羽がゲロ吐いてるのをゲラゲラしてる羂索は居る

  • 128二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:40:59

    お化け屋敷で死ぬほどビビる髙羽に構わずオバケ引っ掴む羂索もいる

  • 129二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:41:44

    髙羽「やっぱ最初はジェットコースターでしょ!!」

    羂索「ジェットコースター……って何?」

    髙羽「こう……ものすごいスピードで登ったり降りたりする乗り物に乗んの!」

    羂索「へえ……」

    髙羽「ほらほら楽しいから!乗ろうよ羂ちゃん!」

    羂索「……まあ楽しいなら乗るけどさ……」


    羂索「わ゛〜〜〜〜〜〜〜……!?!?!?」

    髙羽「やべーーーーーッッ!!!一回転するタイプのやつだこれ!!アッ内臓ッ浮く!!ヤバい!!」

    羂索「ちょ落ちる落ちる落ちるってば!!!」

    髙羽「落ちない落ちなアッ下りきたやばいやばいやばア゛ーーーーーーーーーッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!」

    羂索「ウワーーーーーーーーーッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!」


    髙羽「はあ……おっさんの三半規管ではしゃぎすぎた……」

    羂索「……よくわかんなかった……叫びすぎて頭痛い……」

    髙羽「じゃあわかるまで色々やろう!!次お化け屋敷!!」

  • 130二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:54:53

    野郎二人で楽しそうだな
    実際の羂ちゃんとも訪れる機会はあるのだろうか

  • 131二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:09:08

    羂索「……ねえさっきお化け屋敷って言ってたけどお化け屋敷って何?」

    髙羽「まあまあ、まあまあ」

    羂索「まあまあじゃなくて。ねえ何かって……ひッ!?何!?今なんか触られたんだけど!!」

    髙羽「ふふっ……いい反応……ッわぎゃ!!」

    羂索「ッ゛ねえこれ何!?何がいるわけ!?あ゛!お前か!!」

    髙羽「羂ちゃんお化けに喧嘩売っちゃダメ!!ダメだって!!」

    羂索「ねえ髙羽退いて!!私そいつ殺せない!!」

    髙羽「殺しちゃダメだから!!そういう場所じゃないから!!」


    羂索「……楽しみって怒りに近いの?」

    髙羽「違う……ちょっと、ちょっと例が良くなかったよね……次はコーヒーカップ!男二人で乗るのまあまあ地獄絵図だけど!!」

  • 132二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:13:09

    羂索「……これはどういう……なんなの?狭いんだけど」

    髙羽「この輪っかの部分をさ、ぐるぐる回すんだよ。そんでカップが回って楽し〜!ってなんの。狭いのはもう……諦めて」

    羂索「……?よくわかんないけど、ここ回せばいいわけ?」

    髙羽「そうそう……ッて、え、待って待って飛ばしすぎ飛ばしすぎ!!最初は優しくしてえ゛え゛〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」

    羂索「……なるほど、これは確かに……」

    髙羽「な゛に゛が……ア゛、やばい、吐く、死ぬ゛〜〜〜〜……ッ……」


    髙羽「ゼェ……ゼェ……どう……?楽しみ、わかった……?」

    羂索「……まだ。ねえ、私あれ乗りたい」

    髙羽「観覧車……?いいよいいよ。ここまで来たら全部乗ろうもう」

  • 133二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:14:27

    マジで全力でいったな……
    髙羽がコーヒーカップで目を回すのは本当想像容易なんだ

  • 134二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:26:00

    髙羽「この観覧車結構デカいな……羂ちゃん高いところとか大丈夫?」

    羂索「大丈夫……だと思う。へえ……観覧車ってこういう感じなんだ」

    髙羽「……どう?楽しみ、わかった?」

    羂索「……わかんない。色々」

    髙羽「色々かあ……難しいなそれは……」

    羂索「……ねえ、髙羽。少しだけ、少しだけ黙ってて」

    髙羽「え、何、なになになに!?ちょっといきなりこっち来ないで!傾くって!」

    羂索「黙って」

    髙羽「え〜……」

    羂索「隣座るよ……はは、本当に傾いた」

    髙羽「……羂ちゃん」

    羂索「まだ黙ってて。あのね、私ね、ずっとね、ウズウズしてたの。足が宙に浮いてるっていうかさ、まだ続けてたいなって感じ」

    羂索「それが終わると思うと、途端に哀しくなるの……ねえ、これが楽しみ?」

    髙羽「……羂ちゃん。多分、それが楽しみだよ」

  • 135二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:28:52

    機械羂ちゃん愛いな…持って帰っちゃダメですか…

  • 136二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:29:36

    >>135

    駄目です...俺が持って帰ります…

  • 137二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:33:24

    羂索の全身がふわふわと光り輝き、目の前の光景が、殺風景な白い部屋へと戻っていく。光が収まると、羂索は自分の胸に手を当ててポツリと呟き、微笑んだ。

    羂索
「……なんだっていい、髙羽と居るのは、とても……楽しいよ」

    髙羽「……羂ちゃん」

    羂索「ほら、看板の裏。見るでしょ。早くしなよ」

    髙羽「……おう」

    看板の裏には大きな殴り書きの文字で「お前のせいだ!自分が良ければそれで良いとでも?人間はいつも身勝手!」
と書かれていた。
    羂索はそれを見ると、眉をひそめ、首を振る。


    羂索「……私は、髙羽が身勝手だとは思わないけど」

    髙羽「……羂ちゃん、あのさ」

    羂索「髙羽。早く行くよ。ここに長居する理由もないでしょ」

  • 138二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:33:54

    さっさと部屋を後にする羂索に続き、髙羽も部屋を出る。

    元の部屋に戻った髙羽は、部屋の様子が違っていることに気付く。5つの扉がある白い部屋だったそこは、真ん中の一つの扉とアーチ型の入り口を残し、残りは壁一面に本棚が埋めこまれている部屋へと変わっていた。


    羂索「髙羽、冊子光ってる」


    髙羽「え?……あ、ほんとだ」


    羂索に言われ、ページ数が増えていることに気付く。


    目次
「8P…『愛』」が追加されている

    8P
「初心者かんたん! 失敗しない『愛』の作り方」
「もうナカミは出来上がっているよ! それでも加えたいのなら、記録チップを入れた状態で『愛を伝えて』。これで愛は出来上がり。でも、どんな上手な蛇の絵を描いても、足を生やしては台無し。」


    羂索「……愛って、蛇足なの?」


    髙羽「……」


    1.蛇足だよ

    2.蛇足じゃないよ

    >>140

  • 139二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:35:19

    2

  • 140二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:35:29
  • 141二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:40:53

    髙羽「……蛇足じゃないよ。少なくとも俺はそう思う」


    羂索「……ふーん……」


    羂索はほんの少し、安心したように微笑んだ。


    羂索「それが私への愛じゃなくても、私は愛を知れて嬉しいよ」


    髙羽「……羂ちゃん、俺はさ」


    羂索「いいから。で?先に進む?それともまだやり残したことがある?」


    どうする?>>143

    1.本棚を調べる→《図書館》(25以下で成功)

    2.真ん中の扉の先に進む

  • 142二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:42:02

    1

  • 143二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:42:34
  • 144二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:44:38

    《図書館》dice1d100>>146

  • 145二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:45:13

    dice1d100=26 (26)

  • 146二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:45:30

    dice1d100=62 (62)

  • 147二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:49:26

    失敗かー残念!!

  • 148二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:50:00

    髙羽「えっと……ロボットの本?と……心の本?」



    『ロボット工学三原則とは、SF作家アイザック・アシモフのSF小説において、ロボットが従うべきとして示された原則である。「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」を目的とする3つの原則から成る。



    第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。



    第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。



    第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。


    __2058年の「ロボット工学ハンドブック」、『われはロボット』より。』



    髙羽「……2058年って、やっぱ未来なんだな……」


    表紙裏には『ロボットにとっての幸せとはなんだろう。人のように人と共に生きることだろうか? それとも、自身が作られた理由である目的を正しく果たすことだろうか? こんなことを考えても、ロボットに心などないのだから、無意味かもしれないが』と書かれている。


    《目星》(80以下で成功)>>149

  • 149二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:51:48

    dice1d100=97 (97)

  • 150二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:52:18

    あっ

  • 151二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:58:20

    ファンブルしちゃった…

    埃が入ったのか、髙羽は目を擦る。目が痛い。(以降目星にマイナス10の補正が入ります)

    髙羽「……ある、と思うけどな……ロボットにも、心……」

    髙羽「こっちは……心の本……?」

    『喜怒哀楽とは
 喜び、怒り、悲しみ、楽しみといった人間感情のこと。
 五情では「喜 (よろこび)、怒 (いかり)、哀 (かなしみ)、楽 (たのしみ)、怨(うらみ)」の五つ、七情では「喜、怒、哀、楽、愛、悪、欲」の七つとされる。 』

    髙羽「……ん゛ー……どういう意味かわかんねえ……」

    羂索「ねえ、もういい?いい加減暇なんだけど」

    髙羽「え、あ、ああ、ごめん……」

  • 152二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:58:31

    羂索「……もう一回聞くけど、私は、この扉は一度しか開けられない。それでもいい?」

    髙羽「……いいよ」

    羂索「うん」

    髙羽がそう許可を出すと、羂索は今まで通り手をかざそうとするが、扉を開けるのを少し躊躇う。

    髙羽「……羂ちゃん、どうしたの」

    羂索「……ううん、なんでも……これが私の幸せだから」

    羂索は薄く笑みを浮かべ、扉を開く。扉が開くと、その先は暗く長い不気味な通路だった。足元すら見えない闇だ。

    羂索「見えないでしょ。手貸してあげるから、着いてきて」

    髙羽「お、おう……」

  • 153二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:01:35

    機械の羂ちゃんにも機械の髙羽が必要だと思うんだよ…

  • 154二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:02:32

    羂索と機械の髙羽が出会ったらどうしてたんだろうな
    ちゃんと感情を教えてくれたかな

  • 155二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:04:09

    握ったその手は人間のように暖かく、どこか安心感さえ感じた。


    髙羽「羂ちゃん」


    羂索「行くよ、髙羽」


    羂索はスタスタと歩みを進めていく。髙羽もそれに引っ張られるように、暗闇の中を歩いていく。


    《聞き耳》(80以下で成功)>>155

  • 156二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:04:31

    安価ミス

    >>158

  • 157二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:04:39

    いけ!!!

    dice1d100=80 (80)

  • 158二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:04:43

    dice1d100=76 (76)

  • 159二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:04:54

    dice1d100=8 (8)

  • 160二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:06:41

    左右からゴウンゴウンと機械の重い音がする。髙羽が音に気付き左右を見る。暗闇の中目を凝らすと、そこは最初の部屋と似たような工場で人形が延々と製造されているのが分かる。


    《目星》(暗闇補正+ファンブルにより50以下で成功)>>162

  • 161二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:07:14

    dice1d100=99 (99)

  • 162二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:07:53

    dice1d100=74 (74)

  • 163二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:08:00

    dice1d100=69 (69)

  • 164二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:08:21

    ファンブルじゃないだけ..マシだと思いたい…!

  • 165二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:09:44

    暗闇のせいか、それ以上その光景について詳しいことはわからなかった。


    しばらく進んでいくと、聞き耳なしでもノイズや雑音混じりの声が左右から聞こえてくる。



    「嘘つき。本当は怖いんでしょ?本当は憎いんでしょ?」


    「知らなきゃよかった。知らなきゃよかった。知らなきゃよかった!」

    
「人間なんかの肩を持つなんて!」


    《アイデア》(65以下で成功)>>167

  • 166二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:10:07

    dice1d100=92 (92)

  • 167二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:10:21

    dice1d100=20 (20)

  • 168二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:11:00

    このお話は知らないけどもLOMのゴミ山みたいだなあ

  • 169二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:12:48

    聞き慣れた声だった。


    髙羽「……これ」


    ノイズや雑音混じりだが、髙羽はそれらが全て羂索の声ではないか?と気づく。


    《目星》(50以下で成功)>>171

  • 170二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:13:19

    dice1d100=31 (31)

  • 171二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:13:19

    dice1d100=69 (69)

  • 172二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:13:20

    dice1d100=100 (100)

  • 173二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:14:40

    ごめん髙羽…

  • 174二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:15:33

    ファンブル回避できただけ良しか…

  • 175二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:17:06

    髙羽は羂索に目をやるも、その表情は暗いせいか見ることができなかった。


    怨嗟の声が遠のいていく。ふと、羂索が足を止めると同時に、髙羽の視界が白く染まった。


    髙羽「う、わっ……」


    光に慣れるまでしばらく瞬きをすれば、突然、頭上から強い光が差し込んだせいで視界が染まっていたのだと分かるだろう。


    そこは四方をレンガの塀に囲まれた空間だった。20m以上はあるであろう高い塀のさらに上、頭上には真っ青な空が広がっている。地面は湿った土で出来ており、雑草や見知らぬ花がところどころに咲いている。


    髙羽「……羂ちゃん」


    美しく、素朴な草原だ。振り返っても出入り口は見当たらない。


    《目星》(明るいところに出たので70以下で成功)>>177

  • 176二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:17:33

    dice1d100=18 (18)

  • 177二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:17:36

    dice1d100=56 (56)

  • 178二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:19:54

    髙羽は一箇所、塀の下の方がキラリと反射したことに気付く。


    髙羽「……羂ちゃん、あっち何があんの?」


    羂索「……見に行こうか、髙羽」


    羂索に手を引かれ、その輝きに近づく。

    それは両開きのガラス扉だった。力を込めれば開くことができるだろう。開くと、人が立ったまま入ることのできる大きさのウロになっている。

    内部はコンクリートで出来ており、煤がついているのが分かるだろう。下にはレールが付いているが、それに引っ掛ける何かはない。


    《知識》(85以下で成功)>>180

  • 179二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:20:35

    dice1d100=87 (87)

  • 180二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:21:02

    dice1d100=62 (62)

  • 181二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:21:10

    dice1d100=42 (42)

  • 182二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:23:20

    髙羽はそれが人間の火葬に使われる炉、火葬炉のようだと分かる。

    髙羽「……なんで、ここに……」

    羂索「髙羽、冊子」

    羂索に言われ、髙羽はページ数が増えていることに気付く。また、表紙の文字が変わっていることに気づく。

    表紙
「初心者かんたん! 失敗しない『鍵』の作り方」

    目次
「9P…『鍵』」が追加されている
    
9P
「ここまで上手に作れていれば、もう完成。
名前はとても大切なもの。あなたの声で名前を呼んで、「おやすみ」をしてあげて。これで鍵は出来上がり。」

    髙羽「……どう、いう……」

    髙羽が戸惑っていると、羂索はジッと火葬炉を見ながら微笑んだ。

    羂索「……ねぇ、これも教えてくれる?」

  • 183二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:25:44

    嫌だー!!!!!機械羂ちゃんとのお別れ嫌だ!!!!二人で行けたりしない!?羂ちゃん機械羂ちゃん髙羽機械髙羽の四人で平和に暮らそ!?

  • 184二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:26:40

    なんとかして機械羂ちゃんも髙羽たちのところに帰ってほしい…ピンチャントリオ結成しよう…

  • 185二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:27:19

    動悸が...

  • 186二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:27:27

    ピンチャントリオ(強めのロジハラとゆるめのロジハラと涙目の髙羽)

  • 187二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:32:31

    ロジハラまみれで草
    機械髙羽で緩衝材増やそう

  • 188二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:33:12

    髙羽「……で、でも、でも、さあっ、なんか……なんかさっ!?あるだろ!?一緒に出る方法!」

    羂索「ないよ。私の記憶チップが鍵なんだ。私が君とここから出られるわけがない」

    髙羽「や……や、やだよ!!俺、おれ、お前と……!」

    羂索「大丈夫。私は髙羽に上手に作ってもらえたから。きっと、上手に眠れると思うよ」

    髙羽「そうじゃ、そうじゃねーじゃんか!」

    羂索「人間は、生まれることに理由も目的もないかもしれないでしょ。でもさ。私たちにはそれがある。私の生まれた理由は、初めからここで死ぬことだった。私の生きる目的は、初めからここで死ぬことだった。それだけのことだよ」

    髙羽「そんなの……っさあ、あんまりじゃんかよ……」

    羂索「……髙羽。私はさ、髙羽の大好きな人とは別の存在なんだよ。ただの、見た目がよく似ているだけの、偽物の機械なんだよ。もとの世界に戻ったら、本物の私を大切にしてあげてよ」

    髙羽「……やだよ……だって、お前が……」

  • 189二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:33:47

    髙羽かわいいね……泣いちゃってるんだろうな……

  • 190二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:34:33

    大丈夫?ここにいるとか言い出さない?

  • 191二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:40:21

    羂索「……なんでそんなに泣くんだよ。ただ鍵を作るだけだろ」

    髙羽「ん゛でそんな……ずっ、笑ってん、っだよ……!泣けよ、もっと……もっとさあっ……怖がれよおっ……」

    羂索「涙は当機体には搭載されておりません!……なんてね。言ったでしょ。私を大切な人と重ねない方がいいって」

    髙羽「無茶……っ゛いうなよぉ゛……」

    羂索「はは、ひっどい顔。大丈夫。怖くなんかない。ただ、ただちょっと……心臓が、ちょっとはやく動くだけだよ」

    羂索はそう微笑んで、髙羽の手を自身の胸に導く。もちろん、髙羽の手のひらに羂索の心臓の鼓動は伝わらない。

    羂索「君にはさ、帰る場所があるんでしょ」

    髙羽「……ぐすっ、そりゃ、そうだけど……っさあ!!」

    羂索「髙羽。これが私の幸せなんだよ。だから、お願い。髙羽」

  • 192二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:42:51
  • 193二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 21:44:04

    スレ立て乙
    どんなラストになるのか気になる!

オススメ

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