ムカつく...ぽっと出のくせに調子に乗って…そうだ……!Part42

  • 1二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:25:55

    オグリキャップさんの調子を何としても落としたいのに空回りする>>1ちゃん、そしてルームメイトの>>110ちゃん、さらには二人の後輩ちゃんたちのあれやこれやを妄想して楽しむスレです。



    次スレはの>>190人がお願いします。

  • 2二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:26:30
  • 3二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:26:57

    ~メインキャラクターのお品書き~
    1ちゃんの概要
    名前:レスアンカーワン(仮)(画像右)
    愛称:イチちゃん
    親友:オグリキャップ(本人は否定)

    地方から突然ぽっと出で中央に移籍してきたオグリキャップさんに、食べきれないだろうほどの大量のニンジンを差し入れる嫌がらせで困らせてやろうとするも失敗してしまい、その後の学園生活がにぎやかになってしまった子。
    本スレの主役(?)

    後はふんわり

  • 4二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:27:20

    110ちゃんの設定
    名前:エイジセレモニー(仮) / アダルトデイズ(仮)
    愛称:モニー / セレちゃん

    イチちゃんのルームメイト。オグリキャップにご執心なイチちゃんが面白くなかったり、タマモクロスのことが気になっていたり。

    あとはふんわり

  • 5二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:27:41

    ~サブキャラクターのお品書き~

    イチちゃんの後輩①

    名前:アシゲコーハイ(仮) グレイべリコース(仮) 
    愛称:コーちゃん/ベリちゃん
    アルファベット表記:Gray Bellicose

    オグリキャップ先輩に憧れていて、嫌がらせを画策するイチちゃんを勘違いしてつっけんどんな態度を取りがちな、葦毛の後輩ちゃんその1。

    後はふんわり

  • 6二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:28:01

    イチちゃんの後輩②

    名前:ドゥアスグリサリア(仮) 

    愛称:グリちゃん、リサちゃん

    アルファベット表記:Duas Grisalia

    オグリキャップ先輩に憧れている、ベリちゃんのルームメイト。
    内気で臆病なお嬢様風だったり、外国からの留学生だったり。いろんな世界線のいろんな姿。
    こちらも葦毛。

    あとはふんわり

  • 7二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:28:19

    イチちゃんママ

    イチちゃんのお母さん。
    イチちゃんに仕送りしたり、お料理のレシピを教えたり、たまには学生時代の服を着てみたり。
    もちろん、旦那さんもいます。

    あとはふんわり

  • 8二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:28:32

    わからないことは下のwikiにアクセス!


    過去スレへのリンクはもちろん、SSやファンアートも詰まっています。


    派生スレなど、細かいところも掲載してますので是非一度お目通しください



    https://w.atwiki.jp/resanchorone/pages/1.html



    編集のお手伝いをしてくれる方をいつでも募集しています。

  • 9二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:28:46

    ◇ルールのようなもの◇

    合言葉は「あとはふんわり」!
    イチちゃんをはじめ、オリキャラたちの外見や性格、戦績などの設定、そのほかカップリングなどは全く固定されていません。
    大小問わずすべての概念(妄想)を受け入れ、楽しむスレとなっています。

    しかしながら、
    ・本家ウマ娘の二次創作ガイドラインの順守(例:直接的なセクシー表現・演出などの禁止)
    ・他スレなど外部への持ち出し
    これら迷惑行為はしないようにお願いします。

  • 10二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:32:26

    【前スレのあらすじ】

    モニ「イチ、どうかした?」

    イチ「ん? いや、なんとなく今日の夢見がね」

    モニ「悪かったの?」

    イチ「そういうわけじゃないんだけど、悪いような悪くないような……。ま、なんというかある意味で夢が叶ったのかしらね」

    モニ「? ま、なんでもいいけど──あ、この肉もらい!」

    ブラッキー「あ!? おい!! テメエ!! それ、俺の肉!!」

    モニ「隙を見せたアンタが悪い」

    ブラッキー「ざけんなゴラァッ!!!」

  • 11二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 19:34:33

    オグリ「おかわり!」

    スペ「あ、私も!!」

    ライス「ら、ライスもお願いします……!!」

    ブライアン「どんどん持ってきてくれ」

    マック「スイーツも増しましですわあああああ!!!」

    モニ「……先輩あれ」

    タマ「見るな。見たらアカン」

  • 12二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:55:19

    立て乙なんだ!

  • 13二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 20:57:58

    スレ立て乙なんだ!

  • 14二次元好きの匿名さん24/03/14(木) 22:20:49

    いつか巨乳のモニちゃんも描けたらいいな……

    いつになるか知らんけど

  • 15二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 07:39:29

    立て乙です

  • 16二次元好きの匿名さん24/03/15(金) 12:36:55

    >>14

    是非是非書いてください!

    お待ちしております!

  • 17了船長24/03/15(金) 20:54:14

    『「口開けて」って頼んだ時に、どれくらい開けるかでその人の好意が分かるらしい』
    『大きければ大きいほど』

    という情報を聞いたオグリさん。どういうことだ、と思いつつもイチちゃんに提案する。

    「イチ、口を開けてみてくれないか」
    「え、うん」

    戸惑いはあるものの、疑うことなく「あー」と口の中を見せるイチちゃん。その仕草と油断しているような表情、そして普通は見れない口内に、ふいにドキっとしてしまう。慌てて目を逸らすオグリさん。

    「そ、そういうのは、あっ、あまりやらない方がいいと思うぞ、イチ」
    「オグリがやれって言ったんじゃない!」
    「それはそうだが……」
    「オグリも開けなさい!」

    ええっ、とドギマギするオグリさん。

    (いちイチ転載おすそ分け)

  • 18二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 08:05:44

    投稿乙なんだ!

  • 19二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 18:08:15

    おすそ分けありがたい

  • 20二次元好きの匿名さん24/03/16(土) 22:19:50

    朝起きて身体を伸ばした後、なにか予感を感じて窓を開けるグリちゃん。

    同室のベリちゃんはまだ眠ったまま時折寝言をもらしていた。

    春先とは云えどまだ肌寒さを感じるこのごろ。ふと、風に乗って何かが鼻に乗った。手にとって見れば日本では馴染み深い花びらが一片。

    寮の前の道が華々しく彩られていた。

    桜の花とともに春の訪れを感じていた。

  • 21二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 01:36:56

    >>20

    グリちゃんに日本の風情をお裾分けなんですねえ

  • 22二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 01:39:00

    グリちゃんが日本に来て一番驚いたのはトイレの綺麗さとかお風呂の快適さだと思う

  • 23二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 02:46:21

    >>22

    ……ブラジルってキタナイの?

  • 24二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 02:50:39

    >>23

    ブラジルはよくしらんけど


    日本のトイレや風呂とかの水回りの設備へのガチ具合は群を抜いてた気がする

  • 25二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 08:07:15

    ブラジルはわからんけどヨーロッパとか硬水メインの国で日本の軟水気分で水回り使ってると水垢で大変なことになるとか聞いた覚え有るし、水回りに関する意識の差は日本と海外の環境の違いがデカい面は有りそう

  • 26二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 15:19:30

    あと海外はあんまり湯船に浸からないのが大きいんじゃないかな?

    追い焚き機能とか初めて見たって人いたことあるし

  • 27二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 18:18:16

    実際、グリちゃん湯船始めて見てびっくりしてそう

    いや、おばあちゃんが日本人みたいな話あったし案外見慣れてるか?

  • 28二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 21:38:00

    >>26

    えっそうなの?

    せっかくバスタブあるのに入らないなんて意外だ

  • 29二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 21:52:05

    ベリちゃんの秘密

    実は炭酸系の飲み物が苦手

  • 30二次元好きの匿名さん24/03/17(日) 22:21:18

    日本らしいものが食べたいグリちゃん

    今の季節旬はなんだろうと料理上手なクリークに尋ねてみるとつくしだと教わる

    すぐさま土手に駆けていってつくしを収穫するがなかなか集まらない

    しばらくして心配になったのかベリちゃんもなんやかんや言い訳しながら手伝ってくれることに

    それでも一食賄うには少ない

    すると偶然通りがかったウララとキングが手伝ってくれることに

    さらに、どこからかやってきたゴルシやキタサンが参加して大所帯でつくし採取。

    つくしだけじゃなく色とりどりの春の山菜をバケツいっぱいに採ってホクホク顔でトレセンへ帰宅するのだった。

    帰宅後、泥だらけの顔を見られて吹き出されるのはお約束

  • 31二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 00:26:42

    つくしってどんな味だったか忘れたんだ
    苦かった記憶があるんだ

  • 32二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 00:59:56

    >>31

    自分が食べたことがあるのは房が開いたやつだったけどたしかに苦かったな


    蕾が閉じてるやつは結構苦みが抑えられててしっかり美味しかったんだ

  • 33二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 01:00:46

    つくしの佃煮は美味しいからおすすめ

    みんなも機会があったらぜひ

  • 34二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 07:35:14

    つくしは卵とじがおすすめなんだ!

  • 35二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 07:38:50

    wikiコメント欄にあるイチちゃんとマックちゃんの出会いすごい可愛らしかったw

    なんていうかマックちゃんらしくって笑ってしまった

  • 36二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 09:29:24

    シングレ14巻よかったよ

    表紙の師匠があまりに美しすぎる……

  • 37了船長24/03/18(月) 18:48:42

    >>35

    (ありがとうございます……ありがとうございます……壁打ちアイデアトレーニングでほぼ占領に近い形で書かせてもらってるのに、反応までいただけて……)

    (ネームドウマ娘さんたちと絡むイチちゃん一行がどうしてもイメージできなくて、ならば逆に無理やり接点持たせてみようと発起して進めてるシリーズです。皆さんの創作にそのまんま使ってもらっても大丈夫ですのでぜひ続きを! 続きをー!)

  • 38二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 19:17:52

    >>37

    ウオダスとの絡みがよかったんだ!!


    お姉さんしてるイチちゃんがすごい微笑ましかった

  • 39二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 22:27:41

    焼き肉の話をつい先日このスレでしてたと思ったら公式でもオグリとクリークが焼き肉焼いてて笑っちゃったんだ

    イチちゃんたちともあんな感じでワチャワチャやっててくれたらすごい嬉しい

  • 40二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 22:35:19

    グリちゃんのひみつ

    実は日本にはまだ妖怪が存在していると信じている

  • 41了船長24/03/18(月) 23:21:23

    「オグリって、好きなおかずとかないの?」

    と質問するモニちゃん。答えを「オグリはコレコレが嫌いらしいよ」と逆にイチちゃんへ伝えてやろうというイタズラを思いついたので実行中の身。
    「うーん」と腕を組んでしばらく悩んだあと

    「ごはんが好きだ」

    と答えられるモニちゃん。困ったもんだこのウマ娘はと眉をひくつかせながら、「もっと具体的に」と条件を重ねるが、またしばらくの間「うーん」と悩まれる。
    辛抱強く待ってみると

    「あっ、おかずではないが、ルームメイトのイチのお弁当はとてもおいしいぞ。モニーも食べてみるといい」

    とオグリさん。
    それはいくらなんでも伝えらんねーなー、と呆れるような表情で小さなため息をつくモニちゃん。

    (いちイチ保守)

  • 42二次元好きの匿名さん24/03/18(月) 23:29:16

    「クリークぅクリークぅ~」の破壊力たるや

    【焼肉シミュレーター】シングレ、スタブロ同時発売を記念してゲーム実況だ!

    発見した!イチ~イチ~でも大変捗るな!

  • 43二次元好きの匿名さん24/03/19(火) 07:38:23

    投稿乙なんだ!

  • 44了船長24/03/19(火) 17:20:55

    たまにはおしゃべりじゃなくてゲームでもしてみるイチちゃんモニちゃん。とはいえ、モニちゃんがよく遊ぶようなビデオゲームはイチちゃんがあんまり好まない。
    二人が知っていて遊べるもの、ということで
    「将棋でも指す?」と聞くけど「トレーニングでやるからヤだ」とモニちゃん。
    寮の談話室にチェス盤と駒、チェスクロックがあったのでチェスならまあいいか、と相成る。

    「色はどっちが――」
    「私、絶対白ね」

    すぐに白を取るモニちゃん。
    知っているし得意だから、と序盤をシシリアン・ディフェンスで受けようとするイチちゃんだったが、それを見たモニちゃんが一点突破の短期決戦を挑んでくる。ポーン、ビショップはおろか、クイーンまでもサクリファイスして中央エリアの有利を取り続けるモニちゃん。気づくのが2手遅れ、後手後手に受け続けるはめに。
    チェスクロックは、イチちゃんの劣勢を時間でも表していた。自分のスイッチに手をかけつつ、ある提案をする。

    「ドロー?」
    「ヤだ」

    バッサリ断られるイチちゃん。
    続く終盤戦。いつもなら粘り切れるはずなのに、なかなかアドバンテージを取り戻せない。すっかり広くなった盤上を眺めながら、とうとう自分のキングを指で押し転ばすイチちゃん。

    「投了よ」
    「っし!」
    「なんでクイーンまで差し出すのよ」
    「勝てると思ったからね」
    「もう一回やらない?」
    「うい」

    二人を見つけたお風呂上がりのグリベリが寄ってきて、だんだんギャラリーもできてくるゲームな夜。

    (いちイチ改稿コピペ)
    (昨年の3月に何を見ていたのかすぐバレそうないちイチ)

  • 45了船長24/03/19(火) 17:24:24

    >>42

    ぱかチューブ史上一番笑ったかもしれません。みんなズルい。

    大魔王スーパークリークさん、まさに差し切る伏兵サクラローレルさん、不器っちょ末っ子なナリタブライアンさん、とにかく不憫で追いついてないオグリキャップさん、というようにとにかく役者が揃いすぎ

    何回でも見れる……

  • 46二次元好きの匿名さん24/03/19(火) 20:31:36

    モニちゃんゲーム得意そうなんですねえ
    駆け引きが上手いタイプと思われる

  • 47二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 08:09:06

    >>44

    当時は何見てたんです?

  • 48二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 15:40:29

    >>47

    チェスって言うとコードギアスとかかな?

  • 49了船長24/03/20(水) 15:52:15

    >>47

    あまりにも完璧なタイミングのご投稿素晴らしい、ありがとうございます。巻き添え規制マジで勘弁して〜……

    当時はNetflix独占配信のドラマ「クイーンズ・ギャンビット」を観ていました! 

    天才的なチェスの才能を持ち、開花させ地位や財産も築き上げた女性の人生を描いた作品です。天才ゆえの孤独、破滅、そして再興が、印象的な台詞回しと演出で彩られた名作ですのでぜひ

    チェスが全くわからなくても、上述の演出の数々が非常によく練られておりまったくつっかえることなく観れます。


    チェスでネタやりたいな〜と感化されて(すぐ影響を受ける)、チェスする二人は傍目に見ても格好良く、イチちゃんはもとよりモニちゃんは将棋を嫌ってくれそうだなと理由付けがしやすくてスルスルとアイデアになりました

    当時まだいなかった後輩ちゃんたちにゲスト出演してもらいました

    ところでウマ娘世界のチェス駒、ナイトってどうなってるんでしょうね(

  • 50二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 18:44:13

    >>49

    すぐに思いつくのが三女神様よろしくウマ娘の女性像とか?

  • 51二次元好きの匿名さん24/03/20(水) 23:57:33

    >>49

    騎士頭かも?

  • 52二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 07:39:52

    色々案出ますね

  • 53二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 12:38:08

    「モニ、オグリがやってた焼き肉ゲームをやるわよ」
    「どうせまた『ゲームが下手そうなオグリに焦げた焼き肉押し付けて泣かせてやるわゲギャギャギャギャ〜!』って思ってんでしょ」
    「何よその悪役みたいな笑い方…まぁ見てなさいよ。3人じゃ足りないからグリベリの2人にも声かけておこうかしらね」
    「上手くいく訳ないのに」
    ―――
    「オグリ先輩待ってて下さいね!このベリが最高のお肉を…あっやば」
    「もう!また焦がしてる!このゲーム火力強くてすぐ焼けるからあんまり沢山置かないの!ひっくり返すのが間に合わないわ!」
    「イチ、この肉取ってもいいのか」
    「それまだ返してない!返しといて!」
    「やっぱり癖が出ちゃってるよ。結局こうなるんだからさ〜、まぁイチも肉食べてゲームを楽しみなって」
    「モニあんた焦げた肉寄越すんじゃないわよ!!!」
    「これが噂に聞いたニッポンのナベブギョー…」

  • 54二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 19:42:49

    >>53

    やっぱりイチちゃんはお母さんポジが似合うわね


    意地悪しようにも根っこから人がいいもんだからもう

  • 55二次元好きの匿名さん24/03/21(木) 22:47:37

    タイタニック見ながらふと思いついた概念 恋愛シーンを見たときの反応

    イチちゃん
     平気そうな顔をしていかにも平然と振る舞っているものの段々と顔の赤みが増していき身体が震えだす。終わったあとベッドの中で枕に顔を押し付けて悶える。なんならオグリと自分でそういうシーンを【何故か】想像してしまい暴れる。そして、モニちゃんに枕を投げつけられる

    モニちゃん
     動じない お菓子をかじりながら「よくもこんな歯の浮くようなセリフを素面で吐けるもんだわ~」と間の        抜けた感想を漏らす。最近はタマ先輩をからかうのに使えそうなものを参考にする。たいていクロスカウンターを食らうのだが。

    ベリちゃん
     ただの初心じゃねえぞ。超弩級の初心だ。そんなシーンが匂おうもんならすぐに顔真っ赤にして倒れそうになる。顔を手で覆いながらも指の隙間から見てそう。

    グリちゃん
     目を輝かせて夢中になる。かなりのロマンチスト。セリフのひとつひとつにいちいち感動してそう。


    あとはふんわり

  • 56二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 00:59:51

    >>55

    よかった…長すぎて途中で寝息立て始めるモニベリグリはいなかったんですね

    イチちゃんは隠れロマンティストなので釘付けになって見る

  • 57二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 02:47:09

    >>56

    意外とその手のものは全員釘付けになって見てそう

  • 58二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 12:24:52

    投稿乙なんだ!

  • 59二次元好きの匿名さん24/03/22(金) 22:30:24

    勢い余ってイチちゃんも誰かとくんずほぐれt

  • 60二次元好きの匿名さん24/03/23(土) 08:16:06

    やりすぎ注意!

  • 61二次元好きの匿名さん24/03/23(土) 18:10:55

    オマワリサン早く来て!

  • 62二次元好きの匿名さん24/03/23(土) 18:13:28

  • 63二次元好きの匿名さん24/03/23(土) 18:15:13

  • 64二次元好きの匿名さん24/03/23(土) 23:47:57

    やっぱり逃げるオマワリサン

  • 65二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 00:12:51

    オマワサリサン捕まえるんじゃなくて逃げなのか…

  • 66二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 01:34:20

    オマワリサンは逃げ馬だからね

  • 67了船長24/03/24(日) 12:06:30

    (※軽度な流血表現に注意※)
    (イチちゃんに関係ない話題から始まってるので前略)

    吸血鬼化したオグリさんという妄想をしてしまいました 
    渇望に耐えられず夜な夜な出歩いていたオグリさんが、いくら健啖家の彼女とは言え尋常でない様子で冷蔵庫の食材を食べ漁っているところをイチちゃんに見られてしまう。最初こそ軽く注意するつもりが、口元を真っ赤にして(トマト缶です)、血走ったようだが潤んだ目で見つめ返されて、ただ事ではないと身構える。

    「待ってくれイチ、話を」
    「待つからそれ以上来ないで」

    みたいなすれ違いまくる会話をして、どんどんオグリさんが追い詰められてしまい、「迷惑をかけちゃいけない」「しかし飢えて飢えて仕方がない」の両天秤があまりに重く、良心の呵責に押しつぶされそうで縋れる先が目の前のイチちゃんしかおらず、さらにはイチちゃんの料理ならこれを癒せるかもしれないと考えて必死に訴えるも言葉が足りないオグリさんの口元に、ウマ娘の牙というには鋭すぎる犬歯を見つけたイチちゃんがなんとか椅子に座らせるssが見たい。
    最後にイチちゃんが厨房のカトラリーからオグリさんに貰ったペティナイフ(大昔のバレンタインかホワイトデーのss参照)を持ってきて指を浅く切り「辛くなったらこれで我慢して」みたいな会話する吸血鬼パロのあれこれががががががががががががが

    (いちイチ転載追記)
    (今回はちょっと苦手な人もいるかもです。すみません)

  • 68二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 15:56:15

    確かうまゆるのハロウィンでドラキュラっぽい衣装してたんですねえ
    しかし吸血鬼オグリは絞り取られそうなんだ

  • 69二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 19:24:23

    もしかしたらあるかもしれないイチちゃんのIF世界線その7

    ついにやって来てしまったレース当日。どこを見ても人、人、人。さすがは夢のグランプリ。師走の風物詩。一年の締めともいうべきレースというべきか。

    あまりの人混みを見ただけで疲れてしまいそうな光景を前にイチは不思議と自然体を保つことができていた。それこそ自身でも驚くほどに。もともと本番には強い自覚はあったがここまで落ち着いてるのは意外と言うほかない。

    むしろ、隣に並ぶトレーナーの方が気の毒に見えるほどあからさまに緊張していた。トレセンを出てからため息を吐くこと十数回。胃のあたりを擦ること二十回ほど。普段は赤みが差しているほど健康的なその表情はすっかり青々としていて緊張の極みにあることがわかる。

    まあ、実際無理もないだろう。トレーナーにとっても今日は特別な日。生涯はじめてのG1レースなのだから。

    イチはトレーナーにバレないように笑みを堪え、彼の背中を強く張った。

    気持ちが一杯一杯のところに不意の衝撃。前に仰け反ったと同時にひどく咳き込むトレーナー。そして恨みがましそうにイチを見て途切れ途切れに「何をするんだ!?」と抗議の声を上げる。

    ついに耐えきれなくなって笑い声をあげるイチ。「あんたが走るわけでもないのにそんな緊張してどーすんのよ」と軽口を一つかけると彼の脇を通り過ぎて関係者用入口へと向かっていった。

    そんな様子を呆然と見送るトレーナー。「おいてくわよー?」と先へ進む彼女の声を聞いて慌ててその背を追いかけた。

  • 70二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 20:11:13

    控室に案内される二人。トレーナーがあれこれ準備をしているのをよそにイチの視線は机の上のもの──自らの勝負服に注がれていた。

    まさかコレに袖を通せる日が来るとは思わなかった。友人たちとあれこれ好き勝手にアイデアを出し合って徹夜して考えたデザイン。あれから随分と時は経ったが結局身にまとうのは最後の最後になってしまった。

    イチ自身はあの頃とは違って甘いはそこそこに酸いも苦いも、おまけに辛いも多々味わってはじめの頃の純真さはすでに失っていたけれど、この勝負服は初めて手にしたあの頃と何ら変わらず新品だった。

    勝負服を前にして様々な感情が彼女の胸のうちで湧き上がっていると室内に軽やかなノック音が転がってきた。

    扉に目を向けるイチと慌ただしく返事をしながら駆け寄るトレーナー。彼が扉を開けてみればそこに立っていたのはタマモクロスとエイジセレモニーだった。

    挨拶もそこそこに中へ案内されるタマモたち。どうやら友人たちを代表して激励に来たらしく何やら手荷物を持ってきていた。

    何を持ってきたのか不思議に思うイチたち。不敵な笑みを浮かべながらおもむろにその手に持っていたものを広げるタマモ。

    それは横断幕だった。それも友人たちの応援の寄せ書きが書かれたもの。

  • 71二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 22:46:08

    タマモやモニーはもちろんのこと普段から付き合いのある友人たちが書いてくれていた。

    元気いっぱい力強くやる気全開な文字はバンブーメモリー。

    質実剛健で真面目さが伝わってくる筆文字はヤエノムテキ。

    どことなく可愛らしさとこれまた真面目さがうかがえる少し不思議なことわざはサクラチヨノオー。

    柔らかく育ちの良さが浮かぶ文章で悔いなく無事を祈るのはメジロアルダン。

    意地悪でへそ曲がりながら幸運を祈ってくれているのはブラッキーエール。

    素っ気なくも応援してくれるディクタストライカ。

    花火のような豪快さで思う存分やれと促しているのはイナリワン。

    こちらを労わりながら背中を押してくれるのはスーパークリーク。

    ──そして、『イチなら大丈夫』と短くも力強く書かれたオグリキャップの文字。

  • 72二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 22:59:50

    目を見開いたまま言葉に詰まるイチ。胸の中では熱く燃えるような何かがこみ上げている。わずかに視界がぼやけるのをどうしても止められない。

    黙りこくった彼女を見てすかさずモニーが「あ、もしかして感動して泣きそうになってる?」と悪戯っぽく笑う。

    図星をつかれてどうにか誤魔化そうと声を荒げながら強く否定する。

    タマモが宥めながら「涙流すんわ終わったあとにしとき」とからかってくる。

    「ちがうって言ってんでしょ」と大声で否定してみれば脱兎のごとく二人は控室から逃げ出した。

    息を荒げるイチ。気を使うトレーナーに平気だからと言うと二人が去った扉を見つめながら誰にも聞こえないような声で「ありがとう」と呟いた。

  • 73二次元好きの匿名さん24/03/24(日) 23:00:37

    とりあえず今日はここまで 続きはまた後日

  • 74二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 02:49:45

    フフ…私こういう「皆が集まって激励する」シーン好きでしてね…
    レース前なのに既に涙ぐむイチちゃんが実にイチちゃんなんですねえ

  • 75二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 07:42:44

    今日も一日感謝の保守

    雨降ると具合悪くなりそうなモニちゃんと大はしゃぎしそうなグリちゃん

  • 76二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 12:33:01

    投稿乙なんだ!

  • 77二次元好きの匿名さん24/03/25(月) 22:57:19

    ちょっと目が赤い状態で出走しそう

  • 78続きです24/03/25(月) 23:42:03

    >>72

    勝負服を身にまといパドックへ。パドック入口に着くと一際大きな歓声が鳴った。


    どうやら一番人気の娘が出ているらしい。裏まで聞こえるほどの歓声とはたいした人気ぶりだ。


    そうこうしているうちに件の娘が戻ってきた。


    脇を通り抜け際にちらりと横目でその姿を確認してみたがひと目見て格上だと認識できた。それも最前線で鎬を削り合えるほどの実力だ。


    それを自覚しているのか彼女自身もかなり自信に満ちた表情だった。必ず勝つ。そんな気概が伝わってくる。


    一つ息を吸って吐く。


    ──さあ、行こう。私の番だ。

  • 79二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 01:22:10

    ちなみに何のレースなのか気になるんだ
    まさかG1…?!

  • 80二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 01:37:02

    >>79

    この世界線では有馬記念に出走することになってます


    詳しくは前スレ参照

  • 81二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 01:37:20

    >>78

    パドックに出る。アナウンサーがイチの人気を会場に伝える。やはりと言うべきか彼女の人気はかなり低い。二桁人気だった。取ってつけたような話題で出場に漕ぎ着けたのだから当然というべきか。


    歓声の代わりに浴びせられたのは様々な思惑が入り混じった視線だった。


    好奇、蔑み、哀れみ、碌なものじゃない。誰も期待していないということだけは分かった。


    しかし、そんな視線を浴びてもなお彼女の心に乱れはない。まったくの凪。完璧な平常心。


    彼女が思っていたのはただ一つ。


    ──アンタたちの思い通りになんてなってやらない。


    観衆たちを前にして決意を固めていると彼女の名を呼ぶ声が聞こえた。


    声のする方へ向いて見ればいつの間に来ていたのだろうか彼女の両親はもちろん彼女の大好きな祖母、近所の住人たちの姿がそこにあった。


    彼らだけじゃない改めて会場を見渡してみればデビュー当時から応援してくれている数少ないファンの姿、いつもお世話になっている商店街の人たち、職場は誰かに任せたのだろうか食堂の料理長、そしてクラスの友人たち。


    彼らが応援してくれていた。


    決して期待されていないわけじゃなかった。その事実が彼女を奮い立たせた。


    自然、彼女は深々と頭を下げていた。ただただ感謝の気持ちを伝えたい一心で。


    その瞬間、わずかながら歓声がわいた。


    結果なんてどうなっても構わない。ただ、一心不乱に走りたい。走って彼らに感謝を伝えたい。


    そんな思いを胸にパドックを去る。地下馬道へと向かう彼女の歩きは実に勇ましいものだった。

  • 82二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 08:24:37

    今日も一日感謝の保守

  • 83二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 12:28:29

    投稿乙なんだ!

  • 8412924/03/26(火) 14:23:59

    129です
    同名イチちゃんの話の続きです
    期間が空いた上短いですがご査収ください

  • 8512924/03/26(火) 14:25:29

    「あたしとイチは“同名バ”、レスアンカーワン。 少なくともどちらかが、最悪どちらともが“走らない”ウマ娘なのよ」

    オグリはその言葉を受けて、ぱちくりと目を瞬かせた。 首を傾げて、ううん、と一つ唸って、それから口を開いた。

    「それがどうしてあなたの走らない理由になるんだ? レスアンカーワン」

    心底不思議そうに話すその姿に、あたしは、なんていうか、面食らった。 この話を知ったみんなは毎度、同情的な目を向けてきたから。 なんだか、心がざわざわしている。 でも、だって、と言い訳にもなってない言い訳が口をつく。 そんなあたしを意に介さず、オグリは続けた。

    「だって、走るのは楽しいだろう?」

    ───ぷつり、と音がした。

    「あんたには……あんたなんかには分からないでしょうね! 地方からわざわざ中央がスカウトするような力と期待のかかったあんたには! 自分の上に、自分と同じ名前があって、周りが勝手に腫れ物に触るみたいに、レースの話題を出さなくなって、仲の良かったみんなが妙に優しくなって───」

    声を思い出す。 『気にすることない、いつかイチにだって勝てるよ』。 あたしは気にしたことなんてなかったのに。 笑顔でありがとうなんて返すたびに、胸に澱みが溜まる気がしたんだ。

    「───イチの後ろで走ってる時だって、ずっと周りがうるさくて、楽しいことに変な気持ちが混ざって───」

    フラッシュバック。 目の前に、あの頃のイチの背中が見える。 背筋がピンと伸びた前傾姿勢、大きなストライド、いつ見ても綺麗な走り姿。 これに勝てるって? ずっとイチに助けてもらってるあたしが?

    「───ずっと好きだった背中だって、見てるとどんどんその気持ちが膨らんで───」

    勝つ。 そんなの、どうやって? でも───負けたく無い。 追いつきたい。 “負かせてやりたい”。
    ───大好きなイチを? 記憶もあやふやな頃からずっと一緒にいるイチを? そんな、恩を仇で返すような。

    「───こんな気持ちでイチと走るなんて、ありえない」

  • 86二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 22:20:07

    >>85

    日向を行くものと日陰を這うものでは互いに理解できないのが辛い……

  • 87二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 00:51:36

    オグリが悩んでるのか…
    なんだかシングレのマーチやキタハラ絡みに近い心境なのかな

  • 88二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 03:15:41

    それはそうと今日はオグリのお誕生日なんだ おめでとう!

  • 89二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 07:38:31

    おめでとうなんだ!

  • 90二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 08:11:16

    イチちゃん手作りのケーキ見て涎たらすオグリが見える

  • 91二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 12:33:05

    ホールケーキをいくつ作ってるんだろう?

  • 92二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 13:11:23

    量より気持ちでお腹いっぱい胸いっぱいになるのがオグリなんだ
    さっき誕生日イベント見たから詳しいんだ

  • 93二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 14:30:12

    >>92

    オグリがいい子すぎる誕生日会話だった……

  • 94二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 22:30:45

    >>81

    近場道を歩くイチ。レース場への入口でふと足を止めてしまう。


    会場の歓声が響き、日差しが暗い地下道を照らすその場所が──行けば二度と戻ってこれないことを知らせていた。


    そう今日が最後のレースなのだ。ここを通ってしまえばもう走ることはないだろう。


    さっきまであれほど心震わせていたというのに、あんなに暖かい感情に包まれていたのに。地下道を歩いたそのわずかな時間がその熱を奪い代わりに嫌というほどに冷静さを取り戻させていた。


    思わず息が詰まる。本当に通っていいのか? いいに決まってる。


    やり残したことは本当にないのか? その通りのはずだ。


    ならば何故? 私は今ここで躊躇しているんだ?


    自然、イチは自らの胸元を強く握りしめていた。まるで自身の内側から飛び出そうとする不安を押し止めるように。


    その時だった。背後から聞き慣れた声が彼女を呼んだ。


    彼女が振り返って目にしたのは誰もがよく知り、そして彼女が最もよく知るぽっと出のアイツの姿だった。

  • 95二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 22:45:10

    日差しを受けて輝く芦毛が揺れる。

    「何しに来たの?」 自分の情けない姿を見せたくなくてつい突き放すような言い方をしてしまうイチ。

    内心ではしまったと思う彼女。オグリのことだからきっと応援しにきてくれたのに。自分のずさんな対応に胸の内で悪態をつきながら思わず顔を伏せた。

    歓声をよそに二人の間では沈黙が続く。

    怒らせてしまっただろうか。恐る恐る顔をあげて見て呆気に取られた。

    目に飛び込んできたのは自分以上に緊張して挙動不審になっているオグリの姿だったからだ。

    なんとも間の抜けた様子で言動が右往左往。あーでもなけりゃこーでもない。激励を送ろうとして頓珍漢なことを喋りだす。おまけに動きまでついてさらにやかましくなってきた。

    しばらく呆けて言葉を失っていたが途端に吹き出し笑い声が溢れる。

    顔を赤らめてそっぽを向くオグリ。

    ひとしきり笑い終えたとき彼女の身体からはすっかり躊躇は消え去っていた。

    目を瞑って息を吸う。そして悪いものを追い出すように吐いた。

    もう大丈夫。お礼をしようとオグリに向き直った瞬間、突然視界が塞がれた。

  • 96二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 22:59:03

    一瞬何が起こったのかわからなかったが、次第にオグリに抱きしめられていることに気がついてあっという間に頭はおろか全身を沸騰させるイチ。

    抗議の声を上げようとしたが耳元でつぶやかれるオグリの言葉に遮られた。

    「イチなら大丈夫」

    「イチならできる」

    「イチなら走れる」

    それは彼女にとって何よりの激励だった。こんな僅かな言葉だというのに力がみなぎってくる。

    そして、耳元からオグリの顔が離れたと思えば──イチの額に柔らかい感触がわずかに触れた。

    わけもわからないまま彼女から離れたオグリの顔を見る。

    自信満々な表情で心底嬉しそうにオグリは言った。

    「おまじないのお返しだ」

    そう言い残すとオグリは足早にレース場とは反対方向に地下馬道を駆けていった。

    残されたイチが自らの額に手を当てたまま立ち尽くす。心臓がうるさい。身体が軽い。まるで浮かんでいってしまいそうに。

    だが、これからレースという現実を思い出した彼女は飛んでいってしまいそうな意識を引きずり戻すように自らの両頬をはたいて気合をいれると光指すほうへ歩いていった。

  • 97二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 23:24:10

    やはり短くも心に届く声を掛けられるのはオグリ!

  • 98二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 23:25:38

    >>91

    オグリが満足するまで

  • 99二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 07:43:55

    UAFにある無限リフティングトレ

    グリちゃんとか得意そう 

  • 100二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 12:36:29

    >>98

    何百個食べれば満足するかな?

  • 101二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 21:07:22

    次のイベント バンブーのSSRがやばい

    どっちも顔がいいから脳が焼ける

    引きたいのに石がない……



    ところで、このスレならオグリとイチちゃんのデートがありえますよね? よね!?

  • 102二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 21:14:25

    これはいけませんなぁ

  • 103二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 21:23:36

    >>102

    !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

  • 104二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 21:27:22

    オグリが真っ当にヒロインに見える……

  • 105了船長24/03/28(木) 21:36:10

    オグリさんが、オグリさんが少女然としている……
    回復が脳する。美しい オグリさん~~~~~~~~~

  • 106二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 21:38:47

    >>104

    ええ!? イチが王子様で姫がオグリのSSを!?

  • 107二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 21:42:22

    >>106

    イチ王子はドロワアルダン並みにムチッとしてほしいですねえ

  • 108二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 21:46:19

    >>107

    ジャケットのボタンが悲鳴あげてそう……

  • 109二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 21:58:42

    >>105

    まだバグっておられるッッ!!!

  • 110二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 04:20:30

    高画質版をくらえい!

  • 111二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 07:33:17

    >>110

    顔が……顔がいい……

  • 112二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 12:36:46

    >>110

    イケメン!

  • 113二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 20:43:09

    >>110

    かっこいい…!

  • 114二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 22:40:33

    まいった…何度見てもカワイイ

  • 115二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 08:08:20

    すばらしいねぇ!

  • 116了船長24/03/30(土) 10:59:42

    トレセン学園の行事(職業体験とか?)でクリークさんと一緒に保育園へ行くイチちゃん。
    菊花賞バでもあることから名前が園児たちにも知られており、大人気のクリークさん。実家で手伝っていた経験も手伝って、非常に上手く子供たちと遊んでいる。
    対して、同じように遊ぼうとするも、勝手がわからず空回り、いまいち子供たちとテンポの合わないイチちゃん。クリークさんはすごいなあ、と感心する。そんな日の帰り道。

    「クリークさんは将来、先生になるんですか」
    「そうですね~、もしそうなら、資格の勉強もしないとですね♪」
    「なれますよ、絶対」
    「イチちゃんは?」
    「えっ?」

    予想外の返しの質問に、面食らうイチちゃん。

    「イチちゃんは何になりたいんですか?」
    「え、え~っと……」
    「お料理が上手ですから、栄養士さんとか」
    「栄養士、か……」

    将来の話をして、視点がいつもよりも遠く、高いところに移っていくイチちゃん。
    夢を見つけたかもしれない彼女の顔を見て、ふふふ、と微笑むクリークさん。

    (いちイチ改稿)(イチちゃん×クリークさんってマジでいいペアだと思ってるんですよね)

  • 117二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 20:50:11

    かわいい!

  • 118二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 00:23:15

    イチちゃんとクリークはしっかりものの長女と優しいお母さんっぽさがある

  • 119二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 02:36:38

    確かに船長の人ssのクリークは優しい年上のお姉さんなんだよね…イイ

  • 120二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 12:37:25

    いい…!

  • 121二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 16:48:46

    エイプリルフールも近いし嘘に引っかかりやすい一番人気はこの娘

    ドゥアスグリザリア

    ゴルシとかウィンディとか悪戯方面のウマ娘の話を信じ込んじゃいそう

  • 122二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 18:48:58

    グリちゃんはジャパンのフェイクカルチャーにひっかかりそうなんだ
    サムライがレイワにも存在してツジギリしてると言っても信じそうなんだ

  • 123二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 19:02:02

    >>122

    なんだったら妖怪とかもまだ現存してると信じてそうよね


    トレセン近くの川でセイウンスカイの隣で胡瓜を垂らして困惑させてそう

  • 124二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 22:12:07

    伊賀忍者村がガチの忍者施設だと思ってそう

  • 125了船長24/03/31(日) 22:44:42

    「おはよう、キャップ」
    「イチじゃないか」

    朝、私が玄関を出ると、ジャージ姿のイチが立っていた。私はすっかり驚いてしまって、挨拶の言葉が喉の奥にするりと引っ込んでしまった。「おはよう」と何とか引っ張り上げる。
    珍しいこともあるものだ、と思う。普段なら、朝の自主トレから帰ってくるくらいの時間に合わせて、正門を過ぎ少し行ったところにあるベンチ――『いつもの場所』だ――にお弁当箱と一緒に待っている。もっと言えば、ジャージではなくすでに制服に着替えてもいる。
    もうすでに軽いアップを済ませているのか、イチの顔は朝日に照らされていてもわかる程度に紅潮していて、私と話す間にも小さなジャンプを繰り返し、アップを済ませていることが分かった。

    「たまには一緒に走ってやろうと思って」
    「本当か! それなら、少し待っていてくれ」
    「そのかわり、今日はお弁当は無しよ」
    「構わない。イチと走れるのがうれしい」

    私はいつもよりも少し早いペースで、ランニング前のストレッチメニューをこなした。イチを待たせてはいけないという気持ちが第一だったが、誰かと一緒に一緒に走ることができるという喜びが、とりわけ、その誰かがイチだったことが、私の気持ちを駆り立て、身体の動きも素早くさせた。
    「ゆっくりやんなさいよ」と言ってくれているが、そんな暇はない。一刻も早く、イチと走りたい。イチに、朝の川沿いの美しさや、まだ車が少ない空気の澄み具合、毎朝すれ違う犬とその飼い主のおじさんを紹介したくてたまらない。
    ぐっ、と力を入れて頭の上に手を伸ばし、身体全体をほぐす。

  • 126了船長24/03/31(日) 22:46:27

    「やっぱり、軟らかいわね」
    「うん。私の強みだ」
    「いつ見てもすごいわ。そしたら、行きましょ」
    「分かった。ついてきてくれ」

    腕を下ろすころ、イチが感心したように私を見る。私は道路の方を指さし、先に歩き出した。
    正門を出て少しずつ歩調を早め、早歩きのスピードまでペースを上げる。同じように私のそばを歩いていたイチが、意外だったとでもいうような声を出した。

    「走らないの?」
    「うん。まずは早歩きだ。朝起きてすぐ走り出しては、脚もびっくりしてしまうからな」
    「すぐ走ってるのかと思ってたわ」

    ううん、と私は首を振る。しかし、今日に限っては、いつもよりも長く歩く時間を取っていた。
    すぐに走り出してしまっては、イチと一緒に走れる時間が短くなってしまう。二人でいられる時間が長くなればなるほど、話せる時間も量もそれだけ増える。
    心の中で、私はお母さんと、故郷のトメさんに謝った。本当のことを言っているが、同時に、ウソもついてしまったからだ。私は少しだけ、心が痛むような感触がした。

  • 127了船長24/03/31(日) 22:47:30

    ◇◇◇◇◇

    1時間くらいかけて、トレセン学園の周りをぐるっと走る。
    ほぼ毎日走ってきて、そのどれもが楽しかった。ごはんが毎日食べても美味しく、新しい発見があるように、毎朝のランニングも充実していた。
    しかし、今日の朝だけは格別だ。お祝いの日に食べるごちそうのようで、朝からこんなに幸せな気持ちになっていいのかと疑ってしまうくらいに。
    「走った後にはゆっくり歩いて、クールダウンするんだ」と言って、歩く時間を帰りにも長めに取った。心の中でもう一度、お母さんとトメさんに謝った。
    学園の正門が道路の向こう側に小さく見えるころ、「キャップ」と言ったイチが私の前に出てきて、向き直る。

    「お誕生日おめでとう」

    私の脚はひとりでに止まった。イチが言ったことを考えるためだ。今日はまだ3月26日で、誕生日ではない。
    それでもイチが私の誕生日を祝ってくれたのはどうしてだろうか。じっ、とイチの眼の中を見つめるが、そこに答えは書いていなかった。もっとよく見ればわかるかもしれない。一歩近づいてさらに良く見つめてみたが、イチの顔はぷいっと反対側を向いてしまった。
    顔の色が、玄関で鉢合わせたときとおなじくらいに赤く染まりなおしていた。

  • 128了船長24/03/31(日) 22:48:35

    誕生月SSです。3月中に投稿したのでセーフ。
    なお続きはまた明日以降に!!!! ごめん書き終わらなかった!!!!!!!

  • 129二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 23:03:51

    あらあ~ イチちゃんたら相変わらず素直じゃないんだから

    しかし、やっぱりオグリはいい子だな 言わなきゃわからんだろうにそれでも胸の内で嘘ついたことを謝るんだから

    それとやっぱりオグリは本質的に犬

  • 130二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 00:52:25

    やったぜ遂に念願のレスアンカーワン実装!!!

  • 131エイプリルフール24/04/01(月) 00:53:31

    幕間のイベントで体力回復はかなりありがたかった

  • 132二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 03:15:28

    >>128

    乙乙いつも楽しませてもらってるんだ

    イチちゃんが「キャップ」呼びの時は確か卒業して同棲してるんだ

    詳しいんだ

  • 133二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 07:02:15

    エイプリルフールに嘘をつきまくりそうなのはモニちゃん

    イチちゃんにタマ先輩と揶揄う相手には事欠かない

  • 134二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 07:50:35

    カウンターくらいまくるのが目に見える……

    >>133

  • 135二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 17:36:04

    かわいいねぇ!

  • 136二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 21:48:28

    イチちゃん実装をちょっとでも信じた私を愚かだと思うか?

  • 137二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 22:17:45

    このレスは削除されています

  • 138了船長24/04/01(月) 22:18:19

    >>127

    「あんまり見ないで、分かってるわよっ」

    「私の誕生日は明日だぞ、イチ」

    「わかってるってば」

    「それならどうして――」


    私が言い終わる前に、イチはこちらに向き直った。


    「一番に言いたかったのよ」


    私が意味を理解できずに黙っていると、イチは少しだけ目を伏せた。


    「明日になったら、キャップに会えないもの」

    「そんなことは――」

    「学園の子たちだけじゃなくて、取材だなんだって、ひっきりなしじゃない」


    イチの言葉に、たくさんの人たちが私の誕生日を祝ってくれていたことを思い出す。転入したばかりにも関わらず、カフェテリアの人たちを巻き込んだ私の誕生日パーティーが開催されて、たくさんのおいしいものを食べさせてもらった。二年目の時には、さらに規模が大きくなっていったせいか、もはや催し物になるくらいだ。イチの言うとおり、テレビカメラも来ていたような気がする。私はごはんに夢中になっていたのでよく気づかなかったが。

    パーティ料理のことを思い出すうち、ぐう、と腹の音がどこからか聞こえた。

  • 139了船長24/04/01(月) 22:18:37

    「お腹が減っているのか」
    「今のはキャップのお腹から鳴ってるのよっ」

    イチが赤い顔を変えないまま、素早く返事をした。
    私は自分のお腹に手を当てて、胃の気持ちを推し量る。私のお腹は、確かに空いている。この感じなら、腹音も鳴るだろう。しかし、聞こえるほどではないくらいの空腹感だ。

    「イチ、お腹に手を当ててみてくれ」
    「えっ?」
    「お腹の気持ちを理解するんだ」
    「意味わかんないわよっ」
    「当ててみたらわかる。さあ」

    ばかっ、と怪訝な顔をしたまま、目を閉じてお腹に手を当てている。しばらく当てていたが、赤い顔のまま、目を伏せるようにうつむいた。

    「お腹はなんと言っていたんだ」
    「……お腹、空いたってさ」
    「私もなんだ。二人分の音だったんだな」

    気にすることは無いぞ、とフォローを入れたつもりだったが、素早く肩でどつかれてしまった。

  • 140了船長24/04/01(月) 22:19:24

    ◇◇◇◇◇

    「何か食べたいもの、言いなさいよ」

    学園に帰ってきたあと、いつものベンチではなく、カフェテリアの席で早朝定食を食べているイチが聞く。

    「今、朝ごはんを食べているが……」
    「誕生日の話よっ。さっきまで喋ってたじゃない」

    イチはそう言うやいなや、目玉焼きをお箸の先で切り分けて口に運んでいる。私も焼きサバの身をほぐしながら、誕生日のごはんについて考える。

    「毎年作ってるけど、ちゃんと食べたいものって聞いたことなかったじゃない。今年は聞いておこうと思って」

    そうだっただろうか、と思い出すと、確かにイチのいう通りだ。2年前にはお肉料理――とても美味しいにんじんハンバーグだった――を作ってくれた。去年は私の好きなにんにく味噌を使った、肉野菜炒め。どちらも直接聞かれはしなかったが、とても美味しかった。
    後から聞いた話だが、イチ自身はあんまりニンニクが好きではないらしい。どうやって私がニンニク味噌を好きなことを知ったのか、という疑問の前に、苦手なものでも美味しく料理にしてしまうイチはすごいと感じる。

  • 141二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 22:25:33

    在学中なのにキャップ呼びだなんて噂されちゃうんだ!

  • 142二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 22:31:35

    >>136

    思わんさ


    なんならモニちゃん実装の幻覚も見えてた

  • 143二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 22:47:34

    「見て。オグイチよ」

    「また、いちゃついてるわ」

    「推せる~」

  • 144了船長24/04/01(月) 23:23:05

    >>130

    >>131

    ロビー会話の「お母さんったら、またニンジンを段ボール箱で送ってきたの。メニュー考えなきゃ」だったり、校舎内会話でイチベリグリの3人で会話してるのかわいすぎましたね。グリちゃんの3Dグラフィックが背高いのですぐわかるのも嬉しい。モニちゃんはレース選ぶところで「えぇ~~ほんとに走る?」ってちょっと気だるい様子なのも◎

    モニちゃん含めみんな☆1実装だけど、勝負服も実装されてないし廃課金勢の人たちどんな3Dモデルになってるのかな……


    >>132

    >>141

    「二人きりの時だけキャップ呼び」してるイチちゃんです。卒業間際というか、3年目くらいにもなればできるんじゃないかなって。あのお母さんのお子さんだし、腕を絡めて歩いたりはしないけれど、一度あれこれを乗り越えた後なら「恋」を楽しむんじゃないかなって。

    でも早朝とか寮室で一緒にいるときだけとか、ホントに誰もいないでしょって保証されてるときしか呼ばないです。その辺はしっかり石橋を渡るタイプ(この辺はお父さん似なのかな)

  • 145二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 01:45:07

    良いSSだ

  • 146二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 07:37:18

    いい…!

  • 147二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 14:03:57

    船長、wikiコメント欄のベリグリエイプリルフール堪能させてもらいました……

    芦毛の二人がわちゃわちゃトムとジェリーやってるの良かったんだ

    やっぱりベリちゃんはいじられるのがよく似合う

  • 148了船長24/04/02(火) 18:09:05

    >>140


    「イチはすごいな」

    「……何よ急に」

    「今までのイチの料理を思い出していたんだ。どれも美味しかったなと思って」

    「……ありがと。――キャップのおかげよ」

    「そうなのか?」

    「ある意味ね」


    イチはそのまま、表情を隠すようにお味噌汁のお椀を口に運んだ。

    チラリと見えるおでこは、ごはんを食べ始めたからか、やっぱり少し赤みがかかっていたように見える。


    「そんなことより、食べたいもの教えてってば。あっ、今日の夜はあんまり食べ過ぎないで。今日のお夕飯で作るから」


    お椀を置いたイチが、思い出したように聞き直す。私は小鉢のきりぼし大根に箸を移してから、食べたいものを考えた。

    イチの得意料理は野菜料理だ。毎朝のように手渡ししてくれるお弁当には、お野菜を使った色とりどりな――文字通りカラフルだ――料理が詰め込まれている。そのどれもが野菜を中心にしているとは思えないくらいに美味しくて、楽しい。

    前に一度『どうして野菜だけなんだ』と、聞いてみたことがあった。その時には『実家から送られてくるから』と言っていたが、確かに箱一杯のにんじんが送られてきているのを見たことがある。にんじんだけじゃなく、れんこんや大根も一緒だったり、バリエーション豊かだ。

  • 149了船長24/04/02(火) 18:11:49

    「イチはお肉は嫌いなのか?」
    「え? 全然好きだけど。今もハムエッグ食べてるじゃない」
    「そうだったな」

    てっきりお肉が苦手なのかと思っていたが、そういうわけでもないようだ。今も、塩コショウがかかったハムを箸で器用に畳み、ごはんと一緒に食べている。
    イチの作ってくれる料理なら、肉も野菜も魚も、どれも美味しくなると思う。そう考えると、特別に食べてみたくなる料理というのものがあまり思いつかなった。
    まるで道が何本にも分かれている交差点だ。どこへ向かうのが正解なのか見当もつかなくなってしまう。それに、どの道を渡っても悪い結果にはならない。ますます何と答えればいいか分からなくなってしまった。

    「イチの料理ならなんでもいいぞ」

    正直に答えたつもりだったが、渋い柿を食べてしまったかのようにイチは顔をしかめた。

    「一番困るからやめて」
    「何が食べたいのか分からなくて……イチの料理なら、なんでも嬉しい」
    「せめて和食とか中華とか、大まかでもいいから決めてほしいんだけど」

    和食はイチの得意ジャンルだ。特に、きんぴらごぼうが絶品だ。食べ始めたら、いつまでも食卓に残っていてほしいと思える。
    イチの中華料理はイメージは薄かったが、豆腐が具に入ったおかずがとても美味しい。麻婆豆腐や溶き卵の入った卵入り中華スープで何度も身体を温めてくれた。
    豆腐のことを考えていたら食べたくなったので、味噌汁の椀を口に運ぶ。味噌と出汁の風味が口の中に広がり、心地よい余韻が喉にも残った。
    その和の香りが、私にわたるべき道を教えてくれた気がした。

  • 150了船長24/04/02(火) 18:13:07

    「洋食が食べたい」
    「洋食?」
    「うん。イチの洋食は、2年前のハンバーグ以来、食べていないような気がして」

    私の提案に、イチはまた苦そうな表情をした。イチの小鉢に入った、ひじきの煮物を神妙な面持ちで見つめている。

    「どうしたんだ、ひじきが美味しくなかったのか」
    「これは美味しいわ、美味しいんだけど……洋食、苦手なのよ」

    イチの言葉に、私はつい驚いてしまった。

    「ハンバーグはとても美味しかったぞ」
    「あれはなんていうか、みんな作るじゃない。レシピも難しいところは無いし」
    「同じものでも食べたいから、心配しなくてもいい」

    同じものはなんだか作りたくないのよね、と、最後の一切れになったハムをにらみながら悩んでいる。
    そのハムも食べ終わり、二人でごちそうさまをして席を立つ。
    「ごちそうさまでした」を厨房の人たちに言いながら空いたお皿を預けたあと、イチが私に振り返った。

    「洋食ね、分かったわ。頑張ってみる」
    「無理しなくても大丈夫だ」
    「そういうわけにはいかないのよ。誕生日なんだから」

    私をのぞき込むイチの目は、よく切れる包丁のように鋭く、あまりにも真剣だった。
    イチの料理へのこだわりは、レースへの情熱と同じくらい大きいのかもしれない、と思いながら、私たちは寮に戻っていった。

  • 151了船長24/04/02(火) 18:19:58

    >>147

    (読んでもらえてとっても嬉しいです。ありがとうございます!)

    (ポルトガル語だと「バカの日」らしいです。あまりにも直球)

    (自分の中のベリちゃんはチョイ悪プチお嬢様、グリちゃんはブラジルのすがたで書いておりますが、まあにぎやかなペアですよね……)

    (「モニー先輩」を書けたのが地味に嬉しいです。後輩からいきなり電話がかかってきてポルトガル語でアレコレ言われても、モニちゃんなら「エイプリルフールか」と察してくれそうという信頼感があります。おいかけっこが始まったらひとしきり笑ってからベッドに寝ころびなおすんだろうなって……)

  • 152二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 21:28:45

    >>151

    バカの日……なんちゅーどストレートな……


    これ後でもう一悶着あるやつ

  • 153二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 21:31:20

    >>151

    直球すぎてあんまりにもあんまりなんだ

  • 154二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 21:39:18

    イチちゃん洋食苦手なんかなんか意外

    でも、洋食ってお肉焼いてるイメージしかできない自分……

  • 155二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 21:50:28

    ssの影響かイチちゃんの得意ジャンルは和食とデザートな感じがする

  • 156二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 21:58:56

    >>155

    確かに! やっぱりおばあちゃんとかイチママの教えなのかね和食が得意なのは

  • 157二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 23:24:02

    風呂でうたた寝してる最中に見た概念

    オグイチ二人が町中で迷子を見つけた

    迷子の子がはぐれないように二人して手をつないでお母さんを探す

  • 158了船長24/04/02(火) 23:31:45

    >>157

    起きてーーーーーーーーーーっ!

  • 159二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 23:34:08

    >>158

    お、起きてます 起きてますから


    一瞬、鼻浸かりかけたりしてませんから

  • 160二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 23:35:30

    慣れない子供の世話に緊張して顔が怖くなるオグリ

    「ママああああああああ」って怖がられてイチちゃんに怒られるオグリ

  • 161二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 04:20:56

    うぎぎ…マスターズ菊花賞渾身のオグリが2着3着出遅れなんだ(保守

  • 162二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 08:15:38

    >>161

    マスターズ長距離は真っ向からハヤヒデがぶちかましてくるからかなりキツいんだ


    餓狼ブライアン出してようやく勝てた……

  • 163了船長24/04/03(水) 13:56:19

    少し前に旧コメント欄がのべ10000人の方に来ていただいたことになっていました
    感謝申し上げます(現在は10007人ですが、7人とも全部自分……なんだかすみません)

  • 164二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 20:22:09

    >>163

    おめでとうございます


    一昨年の7月あたりにウィキができてからついにここまで来たかという感じです


    思えば遠くまで来たもんだ……

  • 165二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 21:22:45

    >>163

    おめおめ!長く長く続いてほしいなあ

  • 166了船長24/04/04(木) 03:09:25

    改めて登校して授業を受け、親切な先生が早めのお昼ごはんを食べさせてくれたと思ったら、あっという間に一日は夕方に差し掛かった。
    学園広報課のスタッフたちから受けた依頼や取材を済ませ、そのあとに軽い走り込みまで終わらせる。最近、新入生の生徒たちへのコーチ役をすることもある。あまりうまく教えられているという実感は無いのだが、それでも貴重な体験ができていて、嬉しい。
    本当なら一度カフェテリアに寄って軽食を取ってから寮まで帰るのだが、今日はイチに言われた通り、まっすぐ正門を目指している。
    ハードなトレーニングこそなかったものの、私のお腹はすっかり空いていて、寮に着くのが待ち遠しくて仕方がない。おもわず、歩くテンポも上がっていく。

    私は玄関について靴をしまい、鞄も抱えたままでキッチンまで向かった。イチの顔を見て、ただいまを言いたい。
    早足で寮の中を通り過ぐ。ラウンジに入って目を凝らすと、タマとグリサリアが何やら扉の前で談笑している。グリサリアは膝を抱えてかがんでおり、目線を合わせていた。

  • 167了船長24/04/04(木) 03:09:49

    「おう、オグリ!」
    「コンバンハ、Sempai!」
    「ああ」

    私に気づいたタマがこちらに手を振り、グリサリア立ち上がった。想像していたよりも二人の間に高低差があり、私はどちらの高さに視線を合わせればいいのか、少し混乱した。

    「すごい差だな」
    「何がやっ」

    グリサリアの方を見ていた時に口から出た言葉で、タマが素早く反応してきた。まさに電光石火というべきスピードだ。
    全く姿が見えないのに、やっぱりタマの声は良く通る。

    「タマちゃんの声、大きいネ」
    「せやからなんでウチはセンパイちゃうねん。ちゅーか、褒めてるんやろな、それ」
    「タテマエ!」
    「またいらんこと覚えよってからに!」

    目線を下に向けてみれば、タマがグリサリアの腰あたりを手ではたき、ツッコミを入れている。本当なら胸のあたりに入れるべきではないのか。
    そう思った私は、タマを後ろから持ち上げた。「んぎゃあ」と私の腕の中で暴れだすが、すっかり慣れたものだ。

  • 168了船長24/04/04(木) 03:10:05

    「タマ、ツッコミを入れなおすなら今だ」
    「やかましいわ!」

    私は腕の中のタマをいなしながら、キッチンにいるイチに会いたい旨を二人に伝えた。すると、ぶら下がった状態のまま目くばせをして、二人でニヤリと笑っている。

    「モチョット待ってネ」
    「今は小麦粉を挽いてるところやんな」

    なるほど、それなら大変だ。きっと手も外せないほどに忙しいに違いない。「先に風呂でも済ませたらええ」と言うので、それにならうことにした。
    途端に、腹の音が響き渡る。グリサリアがハッとした表情でタマのことを見るが、「ちゃうわ!」と間髪入れずに返されていた。

    「荷物持ってったるから、一旦部屋まで戻ろや。バースデー・イヴのウマ娘限定、特別待遇やで」
    「すまない、タマ。ありがとう」

    タマを床に下ろして、肩から下げていた荷物も預ける。

    「それならワタシは、お背中を流す!」
    「本当か、グリサリア。よろしく頼む」

    キッチンとラウンジを隔てるカーテンの隙間からチラリと中を覗くと、イチらしき後姿のウマ娘ともう一人、葦毛のウマ娘がエプロンをつけて、せわしなく動き回っているのが見えた。

  • 169二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 07:53:39

    日本語覚えたて感溢れるグリちゃんかわいい!

  • 170二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 17:39:30

    投稿乙なんだ!

  • 171二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 21:26:41

    ところで三代目馬主さんが所有してたヒダカファームのライオットガールというお馬さんが船橋の重賞勝ったらしいんだ
    三代目馬主さんの縁で勝負服がオグリキャップと同じらしいんだ!
    なんかちょっと嬉しい

  • 172二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 22:36:53

    このレスは削除されています

  • 173二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 22:49:34

    >>168


    ◇◇◇◇◇


    お風呂に入っている間、お腹の虫が鳴きっぱなしだったことを忘れてはいけない。

    背中を流す――背中にシャワーをたっぷり当ててくれた――間にも、ぐうぐうと鳴りやまなかった。お風呂に浸かるという気分にもなれず、しきりに「もうあがろう」と訴えてみたものの、タマとグリサリアが時計を見ながら「もうちょい入らな」「お背中もう一回」と引き止められていた。

    湯船の中で三人が一人ずつ百まで数え、空腹なのか湯あたりなのか分からないよろめきを感じ始めたころ、タマが「あかん、あがろか」と提案してくれた。


    部屋着の新しいジャージに着替え、髪も尻尾も丁寧に梳いてもらった。お互いに尻尾を梳き合うのはいつもの習慣だが、今日のそれはいつもよりも丁寧だったと思う。

    椅子に座って乾かしてもらっている間にも、私はそわそわして落ち着かなかった。お腹がすくと気分が浮つく。

    私はよく食いしん坊だと言われるが、これに関しては私だけの出来事ではないと思う。お腹が減れば、誰だって落ち着かなくなる。小さなことが気になり始めて、ありもしない不安事が頭の中に浮かんでは、『気にするほどでもなかったか』と分かって消えていく。

    それに、今日はイチの洋食が食べれる日なのだ。

    「ほい、これでしまいやで」というタマの言葉を合図に、私はレースのゲートから飛び出すような勢いで部屋を出た。

  • 174了船長24/04/04(木) 22:59:15

    ラウンジのテーブルに座って待っていたら、後ろから追い付いてきたタマとグリサリアに「キッチンの中で食べるんや」と教えてもらった。

    「ココだとサワギ? になっちゃうからネ」
    「せや、ちょっと狭いけどな」

    カーテンをくぐってキッチンに入る。すると、綺麗に片づけられた作業台の上に、テレビでよく見る丸い金属製のかぶせ物や、にんじんサラダだろうか、
    エプロンをつけたイチと、葦毛のウマ娘が使い終わった調理器具を洗っているのだろうか、シンクに横並びで向かっていた。

    「イチ!」
    「だから――あっ、オグ――」
    「オグリキャップ先輩!」

    イチよりも早くこちらを振り向いたのは、葦毛のウマ娘だった。

    「ベリコースじゃないか」
    「先輩、このような格好をご容赦ください。謹んで、御誕生日のお祝いを申し上げますわ」
    「ありがとう。嬉しい」

    泡のついた手のまま、ベリコースが膝を曲げ、エプロンの裾をつまもうとする。「こらっ」と、イチが後ろから手ぬぐいでその手を拭う。

    「実は、レスアンカーワンに頼まれて、お祝いのごちそう作りをお手伝いさせてもらっていましたの」
    「先輩、でしょ」

    イチが注意すると、拭ってもらっていた方の手をパッと引き寄せ、一瞬顔をにらみ合わせた。

    「洋食なら詳しいと思って。実際、助かったわ」
    「メニューのほとんどをレスアンカーワンが考えていたのが残念でなりませんわ。次は私のメニューもお召し上がりください」
    「ベリコース、そんな言葉遣いもできるの意外なんだけど」
    「ウマの骨娘とは格が違うから」

  • 175了船長24/04/04(木) 23:20:37

    一瞬、ピリッとした空気が二人の間を漂った。目線こそ合わせないものの、明らかにお互いを意識しすぐに体を動かせるよう、緊張した姿勢になる。
    どうしたものか。うまく間に入れればいいのだが――

    「Beli! またインチSenpaiにケンカして!」
    「ちょっと、グリサリアさん、やめてくださる?!」
    「Não!」

    私が考えていると、グリサリアがベリコースを抱きしめて――どちらかというと、捕まえているように見える――キッチンに入ってきた。その勢いのまま、もみくちゃにしている。
    後ろからついてきたタマが私に手を挙げ、「あの二人、すんごい身長差やな」と呟いた。

    「Senpaiはおなかペコペコなんだから、ケンカはダメ!」
    「ちょっと、分かった、分かったから――」
    「ありがと、グリサリア。それと、『イチ先輩』ね」
    「OKだヨ、インチSenpai」

    エプロンを外しながら、イチがはぁ、と小さなため息をつく。

    「Feliz aniversário、オグリSenpai!」
    「あ、ああ。ありがとう……でいいのか?」

    ベリコースにくっついたまま、私にとびきりの笑顔で何か言ってくれた。私の質問にはしきりに頷いているので、おそらく私の思う言葉であっているのだろう。

    「誕生日おめっとさん、オグリ」
    「ありがとう、タマ」
    「これからいっぱい食べれるで。待たせたなあ」

    タマがイチに目くばせをする。きれいに畳んだエプロンを持ったまま、まっすぐ私の前に立つ。

  • 176了船長24/04/04(木) 23:57:52

    「お誕生日、おめでとう」
    「イチ。お腹がペコペコだ」
    「知ってる。食べましょ」

    イチが、銀色のかぶせ物を取る。
    その中にはバターがてらてらと輝く鮭のムニエルが載ったお皿が隠れていた。思わず、生唾を飲み込んだ。

    「あっ、レスアンカーワン、ずるい! ちょっとグリサリア、離してちょうだい」

    グリサリアの腕の中から抜け出したベリコースが、ピクニックに行くような大きなバスケットを取り出して、私のそばに置く。
    蓋を引き上げてみれば、その中には色とりどりのトースト――サンドイッチになっているものもある!――が詰まっていた。

    「いかがですか、オグリキャップ先輩」

    言葉が出なかった。

    「お腹がいっぱいになるように、耳付きにしたの」
    「私は取った方がいいって申し上げましたのよ?」

    キュウリとマヨネーズだろうか、白と緑のコントラストが映えるサンドイッチ。
    片面ずつラップをされたものは、半熟目玉焼きが目立つ、端が天を指さすように上向いたベーコンとコショウの振られたアスパラガスのトーストだろう。
    その隣には、パンから少しはみ出すくらいにたっぷり使われた、ハムとチーズのサンドイッチ。
    色とりどりの美しさに、我を忘れ時間の感覚もなくなるくらい眺めていたような気がする。もう限界だ。
    私は、なんとか振り絞ってイチとベリコースを見た。二人とも、誇らしそうだ。

  • 177二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 03:31:53

    べリちゃん料理得意なのか…これは認識外からの衝撃!!!
    お嬢様っぽいのに料理得意だなんてギャップでやられる~~~

  • 178二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 08:04:17

    インチ先輩は笑うw

  • 179二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 12:34:04

    このレスは削除されています

  • 180了船長24/04/05(金) 21:38:29

    >>176


    「……イチ。ベリコース」

    「うん」

    「はい!」

    「もう、食べてもいいだろうか。お腹が空いた」


    私の言葉に、イチがふふっ、と笑う。


    「どうぞ。次のお料理を出すまで待てなさそうだし」

    「ありがとう。いただきます」


    イチのOKが出たものの、どれから食べ始めればいいのか分からなくなってしまった。

    むなしく空気をつかむ手の寂しさを覚えていると、ベリコースが別のパンを使った料理を差し出してきた。


    「パンのお料理はそれだけじゃございませんの。ブルスケッタもありますのよ」

    「ブル……?」


    どうしても聞き取れず、返す言葉が喉でつっかえてしまう。ベリコースの目を見つめていたら、嬉しそうな表情でもう一つバスケットを取り出した。


    「洋食というよりもイタリア料理ですけれど、薄く切ったパンを少し焦げるくらいに焼いて、濃く味付けした具材を載せた料理ですわ。少し塩味の強い間食をしたいときなどにぴったりですの」


    ベリコースが取り出したお皿の上には、なるほど彼女の言う通り、ガーリックトーストの薄切りに小さくまとめられた食材が載せられていた。

    「今日はしらすとトマトで仕上げましたの」という言葉に、サンドイッチの上をさまよい歩いていた手の向きが、どちらを取るべきかますます迷い始める。

    パンの方ばかり見ていたら、上着の肩のあたりをぐいと引かれた。すっかり脱力してしまっている私の身体は逆らうことなく力の方向に向き直り、ほんの少しだけ不服そうなイチの顔が視界に入る。

  • 181了船長24/04/05(金) 21:56:07

    「……あとは、ロールキャベツ」
    「ロールキャベツか!」
    「洋食って言われたら微妙だし、煮込みも浅いけど……」

    イチがスープボウルを置きながら、自信なさげに顔を伏せる。高い視点から彼女を見ているからか、分かっていても余計にしおれてしまっているようで、私はとっさにフォローを入れた。

    「そんなことはない。イチが作ってきた料理で、微妙だなんてものは無かった」
    「イチちゃんの料理はホンマに良う作ってあるからなあ。クリークも言うとった」
    「……そうね。お肉も多めに使ってるんだから、美味しくないなんて言わせないわ」

    顔を上げたイチの表情は、凛々しさと優しさが宿ったいつもの表情に戻っていた。
    安心した私は、もうこれ以上はないだろうというくらいにお腹が減る感じがした。すまない、イチ。もう待てない。

    「イチ、ベリコース」
    「うん」
    「は、はい」
    「いただきます」

    私ははっきりと、感謝の気持ちを込めて、まるで選手宣誓をするかのような気持ちで、『いただきます』を言葉にした。
    ベリコースが身を乗り出し、イチは軽く息をついたあとこちらに背を向け、シンクの方を向く。

    「どうぞ、召し上がってくださいまし!」
    「召し上がれ、オグリ」

  • 182了船長24/04/05(金) 22:00:49

    ◇◇◇◇◇

    しかし、目の前にはたくさんのごちそうが並んでいて、どれから食べればいいのか、やっぱり見当もつかなかった。
    どうしようかと考えているうち、昔のことを思い出した。イチはいただきますをしたあと、必ず最初にお味噌汁やスープを一口飲む。
    前に一緒にごはんを食べていたとき、理由を聞いてみたことがある。
    「いきなり食べ始めたら、お腹がびっくりするってお母さんが言ってたのよ。最初にお腹を温めたほうがいいって。それに、綺麗にごはんを食べれるから」とイチは言っていた。
    私はそれを思い出して、スプーンを手に取ることに決めた。イチに倣って、ロールキャベツが浸っているコンソメスープを一口飲む。
    温かく、軟らかい塩加減。少し溶けかけたキャベツの端と玉ねぎの甘味に隠れた、ほんの少しの脂のうまみ。舌が、喉が、その先のお腹の中までもが、ふわりと熱を持って、食べ始めのファンファーレのように口の中に広がる。
    私は、ごく自然に一言だけ、口から言葉が漏れてしまった。

    「おいしい」

  • 183二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 22:02:42

    イタリアンにしらすだと…!?
    メチャクチャ美味しいそう…この娘できる!!

  • 184了船長24/04/05(金) 22:41:59

    (こんなに長くなるつもりは無かったんです(いつもの))

    (手元のメモには「1.食べたいものを聞く→洋食が混ざる」「2.洋食と言えば品目が多い&作り慣れない→ベリちゃん召喚」「3.たくさん作る」「4.食べてEND」しか書いてなかったんです)

    (なんなら調理パートのイチちゃんベリちゃん珍道中を丸々カットしたくらいなんです)

    (スレ終わるまでに書き終わって良かった~……)

    (でも、ようやくちゃんと「生きている」ベリグリペアも描けて本当に楽しかったです。もっと深めていきたい)


    >>154

    >>155

    >>156

    >>177

    自分の中では、ベリちゃんは「レスアンカーワンと戦うために同じ土俵でケンカを売るため」に料理をし始めたんじゃないかな……と思っています。で、イチちゃんの得意ジャンルは「家庭料理」(≠和食。日本だとほとんど和食に寄ってきますけれども)なのもあって、そことは違うところで戦ってやる、と考えた結果です。


    >>178

    ここでどこかに書いたかもしれないのですが、自分よりも背が低く、オグリSenpaiよりもモニーSenpaiよりも背が低いイチちゃんのことをグリちゃんが”Inch-chan”(長さの単位のインチとかけています)って呼び間違えたら面白いよね、とグリちゃんのデザインをしてくれたDone氏と話していまして。

    それを初めて出せたのでとっても楽しかったです。毎回注意するけどなんだかんだ許しちゃうんだろうなイチちゃん。

  • 185二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 22:47:07

    久しぶりに船長の大作だあ

    これだよ!! このほんわか料理SSを待ってたんだ!!

    しかしこの時間にこの内容は腹が減ってきつい

  • 186二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 22:52:54

    新鮮な飯テロだあ

  • 187二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 08:08:53

    投稿乙なんだ!

  • 188二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 11:06:40
  • 189二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 19:00:47

    そろそろ次スレか

  • 190二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 21:48:34
  • 191了船長24/04/06(土) 22:00:11

    >>190

    ありがとうございます! では埋めましょうか


    ところでグリちゃんはベリちゃんとイチちゃんがオグリキャップ(先輩)を巡って二人でかかりっきりになっているところ、ちゃっかりと抜け出して本人からサインを貰ったりツーショを取ったりする。案外抜け目のない子なのである


    (埋めいちイチコピペ)

  • 192二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 22:01:04

    >>191

    昼行灯とはかくありきですなw

  • 193二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 22:44:45

    うめうめ

  • 194二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 23:00:56

    >>190

    乙なんだ!

  • 195二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 23:26:11

    埋めますか

  • 196二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 23:33:29

    うめうめ

  • 197二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 23:34:02

    私事ではありますがオグリでマスターズチャレンジ制覇したんだ

  • 198二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 23:42:00

    うめうめ

  • 199二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 23:42:54

    >>197

    おめでとう!!


    そなたこそ真のオグリ使いよ!!!

  • 200二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 23:46:04

    200なら次スレでイチちゃんデート姿

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています