- 1珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/26(火) 21:10:07
- 2珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/26(火) 21:11:38
- 3二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 21:12:25
このレスは削除されています
- 4珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/26(火) 21:14:38
- 5珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/26(火) 21:15:50
(このスレにお付き合い頂きありがとうございます)
(ゆっくり更新で恐縮ですが、これからもよろしくお願いします) - 6二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 21:27:07
立て乙
- 7二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 21:31:22
たておつです
- 8二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 22:16:52
10まで保守
- 9二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 22:17:35
立て乙です
- 10二次元好きの匿名さん24/03/26(火) 22:35:58
シャロちゃんかわいい
- 11二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 06:21:09
エリクサーコーヒーリアルで飲みたい…過酷な労働に身体が追いつかない……
- 12二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 15:59:13
次の更新楽しみだ
- 13珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/27(水) 19:29:40
(更新です)
(>>11 わかる…スレ主も仕事終わりに執筆するので、シャロ会長のコーヒー飲んで疲労回復したい…)
(ちなみにシャロちゃんのコーヒーはエナドリのような体力の前借りではなく、睡眠や休息をしっかりとったような自然回復を促すものです。羨ましい…)
「おっ待たせしまシター!『スペシャルカフェオレ』デス!」
完成したカフェオレをフィーナさんにお渡しし、そのままお客様にサーブしてもらいました。
さて、気になる反応は…!?
カフェオレの美味しさ
(技術85補正…最大値300)
(参考…百夜堂のカフェオレ 100)
dice5d60=9 37 18 33 43 (140)
- 14珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/27(水) 19:42:25
『これは…!普段のシズコちゃんのカフェオレも捨てがたいが、このカフェオレも悪くない…というか、美味い!最高だ!」
コーヒー豆が最適なものではなかったり、慣れてない器具や環境だったりしたため、私が出せる最高のカフェオレだったとは言い難いですが…。
お客様には大変好評だったようですね。フィーナさんもこちらに笑顔を向けてくれています!
やはり、自分の淹れたコーヒーを喜んでいただけると嬉しくなりますね。淹れてよかったです。
…その後、絶賛するお客様の声を聞いたのか、他の席に居たお客様たちからもカフェオレの注文が殺到してしまいました。
その結果、私はカフェオレ作りのためにピーク時よりも多忙を極めたのでした。
うーん、やっぱりやぶ蛇だったかな? - 15珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/27(水) 20:37:33
…その後、口コミやSNSでカフェオレのことが広まったのか、さらにお客さんが押し寄せてきて、閉店時間ギリギリになるまでカフェオレを作り続けることになりました。
「ご来店ありがとうございまシター!」
ようやく閉店の時間となり、お客様が全員帰宅。
ようやく一息つけました。
つ、つかれた。肉体的には別にそんなにですが、精神的につかれた。フィーナさんも、ちょっと疲労が顔に出ているようです。
「お疲れサマでした、シャロさん。いやー、まさかこんなにたくさんお客サンがくるなんテ…」
「フィーナさんこそお疲れさまです。お一人でサーブや片付けなどをして疲れたでしょう?」
「イエイエ!このくらいへっちゃらデス!でも、シャロさんもすごーくお忙しかったハズですが、そんなに疲れてなさそうですネ?すごいデス!」
「あー、うん。まぁ、それはちょっとズルというかなんというか…」
「?」
フィーナさんの言葉にどう返答すればよいか迷っていたところ、カランカラン…と、閉店となっているはずの百夜堂の扉が開きました。 - 16珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/27(水) 20:53:18
お客様が間違って入ってきてしまったのでしょうか。
「あー、すみません。もうお店は閉店でして…」
「…ふん、ちょっと話題になっているから様子を見に来たが、何やらまた新しいことを始めたようだね」
「アッ、会長!」
フィーナさんに会長と呼ばれるその方は、着物を着流した猫の御仁で、百鬼夜行の商店街の会長をされているようです。
「ふむ、あまり見ない顔だな。君は誰だい?」
「…お初にお目にかかります。シャロンと申します。コーヒー栽培をやっておりまして、シズコさんに協力を頼まれて今は百夜堂のお手伝いをさせて頂いています」
念の為、トリニティと私の名前を隠しておきます。商店街の重役ということで、話せばトリニティ生が百鬼夜行にいるとすぐ噂になってしまいそうです。
…それに、なんとなくこの人から警戒されている気配を感じます。その理由はわかりませんが、そうである以上あまり進んで素性を明かすべきではないでしょう。 - 17二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 21:04:01
ほんへのどこに出てたっけ>百鬼の商店街会長
- 18珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/27(水) 21:16:17
(>>17 桜花爛漫イベントの1話に出てきてる猫の人です。現在進行中の本編(先生側の)シナリオは、ちょうど先生とシズコが陰陽部や修行部のところに顔を出すところ辺りです。)
「コーヒーか…。最近は随分、百鬼夜行にもコーヒーが入るようになった。コーヒーにお金をかけるお店も増えてきている。無論、うちの商店街もね」
少し、辟易とした表情でそう漏らす会長さん
「コーヒーの生産者としては嬉しい限りです。…しかし、やはり伝統的な商店街の方にとっては、新しいものが流行するのは少し複雑ではないですか?」
「…そうだな。昔のものよりも新しいものに惹かれていく若者を見ると、気に食わないと思ってしまう者もいるだろうね。コーヒー然り、この桜花祭もね」
フィーナさんがこのお祭りは新しい試みをしているのだと胸を張って言っていたことが頭をよぎります。
「桜花祭の襲撃は、懐古主義の人たちによるものだと?」
「そこまでは断言できないが、まぁ否定はできないだろう。今回導入した装置も併せて、随分とお金を使っているようだし、学生風情が…と思っている者もいなくはないだろうね」
…『学生風情』?
「とにかく、新しいことに手を出すのは構わないが、桜花祭の方にも集中したまえよ。」
「大丈夫デス!今、先生と部長が助っ人を呼んでいマスから!」
「…なら、良いけどね」
そう言って、会長さんは百夜堂を出たのでした。
- 19珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/27(水) 21:23:16
「フィーナさん、彼はよくこのお店の様子を見にいらっしゃるのですか?」
「ハイ!最初に襲撃が来た時も、先生がいらっしゃった時にもいらっしゃってマス!会長にはお祭りの際には手伝っていただいてて、色々と気にかけてもらっていマスネ!普段はぶっきらぼうなのに、『ツンデレ』ってやつデス!」
「…そうなんですねぇ〜」
そうして中断していた閉店作業を終わらせ、先生とシズコさんの帰りを待つのでした。 - 20珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/27(水) 21:27:21
(今日はここまでです)
(前回のスレであったラテアートについてのシャロ会長のコメントです)
「ラテアートも一通り出来ますよ。人の顔とかは難しいですが、キャラものなら見本があればある程度はいけますね。以前、偶然相席になったヒフ…知り合いの方にリクエストを受けて作ってみたところ、好評でしたよ。ペロロ様…でしたかね」 - 21二次元好きの匿名さん24/03/27(水) 21:31:23
乙
- 22二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 07:32:41
保守
- 23二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 11:51:22
保守
- 24珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/28(木) 19:34:59
(今日更新ありません)
- 25二次元好きの匿名さん24/03/28(木) 22:27:16
了解です。
- 26二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 09:21:02
ペロロラテアートは普通にすごいな
あの変な顔難しかろう - 27二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 18:34:51
ラテアートいいな
- 28珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/29(金) 19:46:04
(今日も更新なしでお願いします)
(引越しって時間かかりますね…) - 29二次元好きの匿名さん24/03/29(金) 22:20:40
了解です
- 30二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 00:52:18
- 31二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 11:12:37
ペロロ様なのにかわいいな
- 32二次元好きの匿名さん24/03/30(土) 12:59:34
???「あはは…。ペロロ様『だから』、ですよ?」
- 33珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/30(土) 20:23:28
(更新します)
「…もちろん全員で一気に撃退!拘束!それで、そいつらから元凶を吐かせれば終わり!必要なら多少過激な方法もやむなし!」
そんなこんなで、シズコさんと先生が百夜堂に戻ってこられました。
何か重要な情報を掴んできたのか、帰ってきてすぐ新たな生徒三人と一緒に作戦会議をされています。
「お疲れ様です、シズコさん、先生。カフェオレはいかがですか?」
私はキッチンで人数分のカフェオレを淹れて、声をかけました。 - 34珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/30(土) 20:23:53
「あっ、シャロさん!ごめんなさい、お店のことを任せちゃってたのに挨拶もしてなくて…!」
「いえいえ、手伝いたいと申し出たのは私ですから。それに、好き勝手やってしまいましたから」
「シャロさんのカフェオレ、Berry Goodでした!」
“『百夜堂の桜花祭限定カフェオレが美味い!』って噂になってたよ”
うわ。店主の許可なく出した自分のカフェオレが噂になるって、ちょっとまずいんじゃないでしょうか。
「すみませんシズコさん。シズコさんの許可なく勝手に新商品を出してしまって…」
「いやいや!もとから桜花祭の騒ぎのせいで、百夜堂の売り上げは少し諦めてたところもありましたから。シャロさんのお陰で売り上げも順調なので、むしろありがたいです!」
そう言って満面の笑みを浮かべるシズコさん。桜花祭の対応優先で、お祭り中で掻き入れどきである百夜堂の売上を諦めるのは苦肉の策だったらしく、売り上げが伸びていることが本当に嬉しいよう。
役に立てたのなら、良かったです。 - 35珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/30(土) 20:24:21
「えっと、ごめんなさい。そちらの方は…?」
私とシズコさんがやり取りしている中、ピンク色の髪の女性がこちらに問いかけてきました。
…そういえば、自己紹介も何もしていませんでしたね。
「あ、ごめん!こちら、トリニティ珈琲愛好会のシャロさん。百夜堂がコーヒー豆不足になっちゃって、先生を通じて私が協力を求めた人よ。今は百夜堂を手伝ってもらってるわ」
「お初にお目にかかります。桐槾シャロと申します。…シズコさん、私に対しても敬語を崩しても大丈夫ですよ?同い年ですし」
「うぇえぇぇ!?そんなに不自然でした!?」
…まぁ、割と素が出ていたというか。先生にはともかく、同い年に敬語を使うのも人によっては違和感があるでしょう。
私?私は敬語がデフォルトですので。 - 36珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/30(土) 20:27:16
「こ、コホン。じゃあシャロさん。こちら、修行部のみんなよ。陰陽部に掛け合ったら修行部なら手を貸してくれるって言われて、協力を取り付けたわ」
「カエデだよ!大人のレディになるために修行してるの!」
「ふわぁ…ツバキだよ〜…」
「水羽ミモリです。修行部の副部長をしております。カフェオレ、美味しいですね」
三者三様の自己紹介をする修行部のみなさん。
…トリニティの名前を聞いて特段反応しないあたり、結構おおらかな人たちなのでしょうか。まぁ百鬼夜行が観光業で栄えている以上、別学区の生徒も見慣れているのかもしれませんね。
「よろしくお願いします、みなさん。…ところで先生、先ほどのシズコさんの仰っていたことも鑑みると、この騒ぎの原因は掴めたのですか?」
シズコさんが「うわっほんとにカフェオレ美味っ!私たちのより美味っ!」と私のカフェオレを飲んで絶叫なさっている横で、私は先生に疑問を投げかけます。
…ちょっと顔がニヤけてしまいます。抑えろ抑えろ。 - 37珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/30(土) 20:51:44
“うん、どうやら魍魎一座をまとめている『雇い主』がいるみたい”
「それで明日のフィナーレの花火までに魍魎一座を捕まえて、雇い主の居場所を聞こうと作戦を練っていたところなんです」
先生の言葉に続いて、ミモリさんが補足する。
…『雇い主』、ねぇ
「うん、フィナーレの花火のタイミングにも騒ぎを起こされたら、何が起こるかわからない。だから、さっさと元凶を探さなきゃならないの。
んぐっ、んぐっ…(ゴクン)
…というか、私がこれまで受けてきたストレスをそっくりそのまま叩き込んでやらないと、腹の虫がおさまんない!絶対ボコボコにしてやるんだから!」
そう言って、机にバーンとコーヒーカップを叩きつけるシズコさん。なお、中身に入っていたカフェオレは完飲されてました。お粗末さまです。 - 38珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/30(土) 20:53:31
ですが、戦闘となると私は役に立てなさそうです。愛好家ちゃんもお祭りを楽しみながら調査を続けているようですし、お留守番をしていたほうがいいかもしれません。
「シズコさん、ごめんなさい。本当はその戦闘にも参加できれば良かったんですけど、私はそういうのがてんでダメで…。お力になれなそうです」
「ううん。修行部も協力してくれるから、人手は足りてるから、気にしないで。
…それよりぃ〜…ちょっとシャロさんに頼みたいことが〜…」
そう言って、猫撫で声で私にごますりするシズコさん。
…うん、何となく察しました。 - 39珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/30(土) 20:54:09
「百夜堂をお手伝いするのは構いませんが、私一人だと対応できる人も限られてきますよ?」
「大丈夫!桜花祭のフィナーレは屋台形式の出店で、同時に相手をするお客様も少ないから!…それに、あれだけカフェオレが噂になっちゃったのなら、少しでも百夜堂の売り上げを伸ばしておきたいの。
だから、お願い!コラボ商品ってことで、トリニティ珈琲愛好会の名前も出しても良いから!」
そう私に頭を下げるシズコさん。
…顔はいつも明るい彼女ですが、やはり力を入れていたお祭りの妨害のせいでお店を諦めなければならない状況は、相当なストレスだったのかもしれません。 - 40珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/30(土) 20:56:32
…もとよりその気ではありましたが。
乗り掛かった船です。きちんと最後までお付き合い致しましょう!
「いいですよ、シズコさん。百夜堂の屋台の運営、引き受けましょう。でもその代わり、絶対元凶をボコボコにしてくださいね♡」
「っ!うん、ありがとう!」
私とシズコさんは、そう言って固い握手を交わしたのでした。
シズコ→シャロ
好感度
dice5d20=12 7 8 12 4 (43)
シャロ→シズコ
好感度
dice5d20=4 13 12 4 16 (49)
- 41珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/30(土) 23:14:08
(良くも悪くもフラットな関係に落ち着いたようです)
(今日はここまでです)
(明日明後日は更新が難しいかもしれません)
(引き続き保守のご協力をお願いいたします) - 42二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 08:20:47
ビジネス的には良い仲なのかもしれない
- 43二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 17:44:26
ジャンル違えど同業他社ならこんなもんでない?
でも業務提携できたら別の客層開拓できるし、なんとか進展して欲しい - 44珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/03/31(日) 20:46:24
(今日更新ありません)
(明日も難しいかも…) - 45二次元好きの匿名さん24/03/31(日) 21:54:13
了解です。
- 46二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 07:28:55
コラボって形はいいな
- 47二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 17:55:17
シズコと同系統の有能だから、メインやイベストだとわりと初手行動不能にされそうなシャロ会長
- 48二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 22:30:09
有能過ぎて動かしづらいか…
- 49二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 22:40:36
逆
活躍できる場所多いから「シャロがいればなんとかなる」になりやすい
例:話のオチに便利屋68をぶちこむ - 50二次元好きの匿名さん24/04/01(月) 22:41:41
このレスは削除されています
- 51二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 07:32:28
保守
- 52二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 16:48:59
どうなるかねぇ
- 53二次元好きの匿名さん24/04/02(火) 22:21:57
保守
- 54二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 09:21:08
保守
- 55珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/03(水) 17:47:36
(ごめんなさい、Wi-Fiが使えない環境+ホスト規制をくらって何もできませんでした)
- 56二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 18:26:35
ホスト規制って有線環境でもなるの?
- 57珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/03(水) 18:30:38
- 58二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 18:36:25
- 59珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/03(水) 18:56:22
(保守のご協力ありがとうございました。本当に助かりました)
(地道に更新していきます)
「いらっしゃいませ〜」
と、いうことで一人屋台で商売です。
夜の桜花祭も、昼間に負けず人がいっぱいですね。
お祭りを楽しむ人たちの歓声が響き渡っています。
かくいう百夜堂・桜花祭特別屋台の繁盛具合は…
(100ほど繁盛、1ほど閑古鳥)
dice5d20=16 12 10 19 9 (66)
- 60珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/03(水) 19:36:35
(66。大繁盛とはいかないまでも、お客さんが途切れないくらいの感じですかね)
百鬼夜行でカフェオレが流行している、というのは本当みたいですね。お客様が途切れずにいらっしゃいます。
一応、屋台の大きさゆえに私が対応できるくらいの数でお客様が収まってくれているため、そこまで大変ではないですが、手を休める暇はない…そんな塩梅の忙しさです。
ですが、やはり多く聞かれるのはシズコさんの動向です。
『シズコちゃんが接客じゃないの?』
『シズコちゃんは非番かー』
と言う声が多く聞かれます。 - 61珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/03(水) 19:41:41
うーむ、さすが老舗の看板娘。人気が凄まじいですね。カフェオレの味では負けるつもりはありませんが、これほどの人気を愛好会が得ているかと聴かれれば…否定する他ないでしょう。
これもシズコも努力と研鑽の結果なのでしょうね。
彼女の勤勉さには頭が下がります。
…そして、同時に負けたくない気持ちも湧いてきていたり。
喫茶店とコーヒー生産者という、競合とは言い難い関係ですが、これほどまでの経営を見せられてはこちらも負けていられません。
愛好家ちゃんの調査をもとに、百鬼夜行での商品展開の戦略を練り直す必要があるかもしれません。いっそのこと、カフェを経営しても良いかもしれませんね。
そんなことを考えながらお客さんの対応をしてしばらく。
客様の出入りも祭りも少し落ち着いた頃に———
“やぁ、やってる?”
「こ、こんにちは!」
狐耳の見慣れぬ女の子を連れた先生がお店を訪ねてきたのでした。 - 62珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/03(水) 20:37:28
(今日はここまでにさせてください)
(土日までWi-Fiが使えないので、ちびちび更新になります)
(保守のご協力などをよろしくお願いします) - 63二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 20:46:02
Good
- 64二次元好きの匿名さん24/04/03(水) 21:06:32
居酒屋みたいなノリで来てるな先生
- 65二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 05:56:50
保守
- 66二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 16:31:55
今回のことの後日談かな?
- 67珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/04(木) 20:03:13
(今日更新ありません。ごめんなさい)
- 68二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 22:02:17
了解です。
- 69二次元好きの匿名さん24/04/04(木) 22:19:29
うおぉぉ!イズナ!イズナじゃないか!
ケロロ軍曹のセリフ言わせてもあんまり違和感が
なさそうと俺の中で話題のイズナじゃないか! - 70二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 07:46:50
朝の珈琲一杯
- 71二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 18:05:35
お二人様ご来店だ
- 72二次元好きの匿名さん24/04/05(金) 22:59:26
保守
- 73珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/05(金) 23:43:55
(ごめんなさい、遅れました。短めです)
「…あの、先生。そんな居酒屋みたいなノリでこないでください」
“う、ごめん。つい柴崎ラーメンのノリでつい…”
柴崎ラーメンさんとやらは存じませんが、似たような屋台なのでしょうか?
…まぁ、そんなことよりも
「それで、そちらは?」
“あ、うん。この子はイズナ。お祭り中にばったり会って、一緒にお祭りを回ろうかなって”
「い、イズナです!よろしくお願いします!」
「これはご丁寧に、今は百夜堂お手伝いのシャロと申します」 - 74珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/05(金) 23:44:25
先生は屋台の席に座ると、そのままカフェオレを2人分注文されました。イズナさんはそのまま先生の隣に借りてきた猫のようにちょこんと座ってます。
…狐耳ですけどね。
「それで、今回の事件の首謀者は掴めそうですか?先生」
先生とイズナさんにカフェオレをお出しした後、先生に問いかけます。
“うん、まぁ。ぼちぼちかな”
と言ってチラッとイズナさんのほうを見る先生。
そのイズナさんはどこか所在なさげ
…ああ、この子が鍵ですか。
「…順調そうでなによりです。桜花祭が、『先生が何度かお相手した』過激派のせいで中止になる事態なんて避けるべきものですから」
「…!」 - 75珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/05(金) 23:45:22
私の言葉にピーンと耳と尻尾を立てるイズナさん。
確定。イズナさんはおそらく、この騒動の首謀者に近い存在…そしてほぼ騙された形で暴動に参加している生徒でしょう。
…それならなぜ、先生はそんな生徒を私のところに?
そう考えていたところ、携帯のコール音が鳴り響きます。私のものでもなく、イズナさんでもないようです。
“ごめん、ちょっと電話だ。ちょっと席を外すね”
「えっ、あっ、先生!」
“イズナ、ごめんね。ちょっと待っててくれる?”
“シャロ、イズナのことをよろしくね”
そう言って先生は屋台を離れました。 - 76珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/05(金) 23:46:23
「…………」
「…………」
お互いの共通の知り合いである先生が居なくなってしまったことで、私とイズナさんの間に、長い沈黙が降りてきます。イズナさんもなんかそわそわしてますね。
…『よろしく』か。
「イズナさん」
「はっ、はい!」
再び耳と尻尾をピーンとさせるイズナさん。
いやそんなにビビらんでよかろうに。
「何か、お悩みですか?」
「それは…」
大方、先生が私のところにこの子を連れてきた理由は、”ちょっと相談に乗ってあげて”ということでしょう。
なぜ私なのかは分かりませんが、それが先生のお望みなら答えるだけです。
私は、そうしてイズナさんの口が動き始めるまでじっと待っているのでした。 - 77珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/05(金) 23:46:59
(ここまでです。遅れてすみませんでした)
(明日は一気に桜花爛漫イベを終わらせようかなと思います) - 78二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 07:30:27
しょんぼりイズナかわいい
- 79二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 16:01:39
カフェオレのついでが重い
- 80珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/06(土) 17:13:08
「…先生は、イズナの夢を笑わないでくれていた初めての人なんです」
イズナさんはポツポツと喋り始めます。
「イズナの夢は、キヴォトス一の忍者になることです。忍者とは、雇い主から与えられた任務を忠実に遂行する影の者。私はそんな忍者の姿に憧れました」
イズナさんに出したカフェオレは、手付かずのまま冷たくなっていました。
「でも今回、イズナに与えられた任務はその先生と対立してしまうようなものなんです。先生を説得しようとしても、先生は私を止めるとしか言ってくれなくて…」
大きなトレードマークである狐耳も、尻尾もしゅんと垂れてしまっています。
「イズナは、先生と対立したくありません。でも忍者として、依頼された任務も放棄したくありません。イズナは…イズナはどうすればよいのでしょう?」
イズナさんは、そう潤んだ目で私に答えを求めました。
それを聞いて、私は———
「別に、そんなに気にしなくていいんじゃないですか?」
さらっと、そう言ったのでした。 - 81珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/06(土) 19:22:17
「…へ?」
思ってもないことを言われたのか、ポカンと目を丸くしてこちらを見るイズナさん。
「私はそのニンジャ…?というものを余り知らないのですが、話を聞く限り百鬼夜行の傭兵のようなものでしょう?それでしたら、依頼を遂行することは貴女の商売…つまり『仕事』ということになります」
…イズナさんは今、自分の夢と先生への想いとで板挟みになっている状況です。ある意味でのジレンマでしょう。
心理的ジレンマの問題は、そのジレンマを和らげる対症療法よりも、そのジレンマを生み出している根本的な問題を断つ原因療法のほうが効果的です。 - 82二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 19:22:38
このレスは削除されています
- 83珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/06(土) 19:25:38
「『仕事』であるならば、それを受けた貴女はその『仕事』を遂行する義務がある。そして、その義務は万難を排して遂行するべきなのです。それが商売…仕事をする者としての義務です」
ここでいう原因療法は「イズナさん側が騙されている可能性を指摘する」というようになるでしょうが…先生が『イズナを止める』としか言わない以上、私が無闇に薮をつっついても蛇が出るだけでしょう。
「同じく『商売』をする者としては、忍者として恩人を傷つけてでも任務に殉じようとするイズナさんの思いは、間違いではないと思いますよ」
ゆえに。ここで私がやるべきことは、イズナさんの背を押すことだと判断します。 - 84珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/06(土) 19:58:23
「で、でもそれではイズナは先生と…!」
「確かに恩人に刃を向けることもあるでしょうが、商売ではそれが日常茶飯事です。競合事業者と協力したり、それから一転商売敵として鎬を削ったり。それを不忠不義理と気にしていては、商売も何もできませんよ」
「それはそうですが、イズナは…」
「うーん、そもそもの話ですけどね?」
「?」
「イズナさんの受けた依頼は、『先生を害すること』ではないでしょう?」
「!」 - 85珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/06(土) 20:14:48
「先生とは結果的に対立することになっただけで、先生が主な目的ではない…と予想します。それなら、きっと色々やりようはあると思いますよ。そのためにも、『考えすぎてはいけない』のです」
「盲目的になっていては、それはきっと忍者ではなく、ただの武器ではないですか?」
「…忍者ではなく、武器」
イズナさんは、私の言葉を聞いて少しだけ顔色が戻ってきたようです。
…これぐらい、でしょうかね
“ごめんごめん。ちょっとリンちゃんから書類不備の連絡がね…”
ちょうどその時、先生が戻ってきました。
…もしかして聴いてたんですかね。それくらいタイミングが完璧なんですが。 - 86珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/06(土) 20:25:40
“うーん、やっぱりシャロのカフェオレは美味しいね。…ってうん?どうしたの?”
「いえ、どこまでが想定だったのかなーと」
“そんな大層なものじゃないよ。でも、シャロなら上手くやってくれるかなって”
「…なんか、私の扱い雑じゃないです?」
“そんなつもりはなかったけど…。気に障ったのならごめんね”
「いえ。でも一応、これで貸し借りなし、ということでお願いしますね?」
“うん、わかったよ”
イズナさんは私と先生のやりとりに首を傾げながらも、カフェオレを口にして、大変可愛らしい笑顔を見せてくれました。
もう大丈夫そうですね。
その後、イズナさんの忍者トークなどで一通り盛り上がり、先生たちは屋台を出てお祭りのほうに戻っていったのでした。 - 87珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/06(土) 20:26:49
(なぜ休日なのに仕事が増えるのか)
(ということで終わりませんでした)
(もうちょっと桜花爛漫イベ続きます。はよエデン条約に行きたい…) - 88二次元好きの匿名さん24/04/06(土) 23:36:03
一応保守
- 89二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 10:09:34
いいなぁカフェオレ
飲みたくなってきた - 90二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 11:13:23
このレスは削除されています
- 91二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 21:26:34
イズナもこれで大丈夫かな
- 92珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/07(日) 22:07:57
(短めです。陰陽部登場!)
「はい…はい。そのようにお願いしますね、愛好家ちゃん。それでは」
先生たちが去ってから、しばらく。
先生とイズナさんに接客?をしている間に、愛好家ちゃんから「あらかた調査を終えました!」という旨のメールを受信していました。
お客さんもまばらになっていましたし、愛好家ちゃんもこれからどうすればよいか迷っている様子でしたので、愛好家ちゃんに電話をかけ少しお話をしていました。
…先生も何かしら手立てがありそうな感じでしたし、念の為『追加指示』も出しました。とりあえず、お祭りの件は大丈夫でしょう。 - 93珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/07(日) 22:08:23
シズコさんからは、「テキトーなところで切り上げていいから!」と店じまいの判断は一任されています。そろそろ撤退しましょうか———と思った矢先。
「おー。ここが噂の、カフェオレのお店?」
青髪に赤いツノを備えた、和服美人が襲来したのでした。
「いらっしゃいませ。お一人ですか?」
「ううん。あと、ふたりー」
「お二人?」
すると、そのあとすぐ。 - 94珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/07(日) 22:13:24
「ち、チセちゃん!急に走らないでください!ああっ!でも好きなものを目の前にして我慢ならず走り出すチセ様もかわいいっ…!」
「にゃははー。ここまで興奮してるチセを見るのは久しぶりかもねぇ」
…なんか限界化してる狐耳の方と、それを見てニヤニヤしている方がいらっしゃいました。
見たところ、青髪の方がお二人を置いて走り出してしまったみたいですね。
「いらっしゃいませ。ご注文は何になさいますか?」 - 95珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/07(日) 22:27:12
「フゥ…。すみません、騒がしくしてしまって。とりあえず、噂のカフェオレを3ついただけますか?」
「かしこまりました。しばらくお待ちください」
どうやら正気を取り戻した様子の狐耳の方。
…随分と個性の強い方々ですね。とりあえず、まずはカフェオレを準備いたしましょう。
…………
「お待たせしました。カフェオレでございます」
「おー。これが、噂のカフェオレ…!」
青髪の方…チセさんと呼ばれていらっしゃいましたが、随分と目を輝かせていらっしゃる様子です。 - 96二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:36:03
百鬼夜行のトップと渡りをつけられたぞ、あらたなビジネスチャンス
- 97珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/07(日) 22:57:57
「先ほども仰っていましたが、そこまで噂になっているのですか?このカフェオレ」
「ええ。百夜堂の桜花祭限定カフェオレが美味しいらしいと、主に商店街で噂になっています」
「そうなんですか。お三方は、その噂を聴いてこちらに?」
「はい。こちらのチセ様…失礼、チセちゃんは最近カフェオレにお熱でして、美味しいカフェオレを日頃より探しているのです」
「カフェオレー、いいよねー」
「ハァ…かわいい…。…コホン。ですが、中々チセちゃんのお眼鏡に適うものがなく…。それで色々と探し回ったところ、こちらのお店に行き着いた、という感じですね」
途中途中、ものすごい緩んだ顔になられていることが気になりますが…どうやら随分とカフェオレ愛好家のご様子。何はともあれ、嬉しい限りです。 - 98珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/07(日) 22:58:18
そんな会話の中、チセさんがゆっくりとカフェオレを口に運びます。
「…!!」
すると、急に立ち上がり———
「身に沁みる 白と黒の味 念願の」
…俳句?
「き、キター!チセちゃんの俳句!
…ハッ!てことはチセちゃん。まさかこのカフェオレが…!」
「うん、これが探し求めてた味ー」
なぜかキャイキャイと盛り上がっているお二人。
いや、何事…?
そうして、完全に置いて行かれてた私。
そしてそんな私を、もう1人の方はニヤニヤして見ていたのでした。 - 99珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/07(日) 23:03:59
(今日はここまで)
(陰陽部との初絡み。上手くいくのでしょうか)
(引き続き感想や保守のご協力よろしくお願いします) - 100二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 07:46:21
ニヤのことだからシャロがどういう人物かの見極めも目的に来てるんだろうなぁ
- 101二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 18:26:32
保守
- 102珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/08(月) 18:48:46
(今日更新なしでお願いします)
- 103二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 22:42:57
了解です
- 104二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 08:21:17
一応保守
- 105二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 08:41:26
保守
- 106二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 18:43:24
ほしゅ
- 107珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/09(火) 20:11:12
「…申し訳ありません、店主様。失礼ながら、こちらのカフェオレに使われているコーヒーの銘柄をお伺いしても?」
一通りチセさんとはしゃぎ倒した後、ハッとした様子で急にこちらに向き合い、そうこちらに問いかけた狐耳の方———カホさん。
「一応、私個人の持ち込んだ自家製コーヒーですが…」
「…なるほど、自家製。通りで見つからないはずですね…」
聞いてみると、カホさんたちは理想のコーヒー豆を探し回っていたみたいです。
百鬼夜行は元々、コーヒーや紅茶よりも緑茶や抹茶が主流。事実、数ヶ月前まではカホさんたちもコーヒーやカフェオレを嗜むことは少なかったようです。
きっかけは数ヶ月前、流れの商人がカホさんたちが所属する部活にいくつかのコーヒー豆を持ち込んだようです。
使わないというのももったいないし、試しに淹れてみよう、という話となり、この三人でコーヒー———チセさんは牛乳を入れてカフェオレにしたもの———を飲んだところ、チセさんがいたく感動したみたいなのです。
それをきっかけに、部を挙げてのコーヒー豆収集が始まり、今ようやくチセさんのお眼鏡に適うコーヒー豆が見つかった———という経緯だそう。 - 108珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/09(火) 20:52:54
…たしかその辺りの時期は、信頼できる商人にとりあえずテスターで豆を流していた頃ですね。ヒナさんもそれをきっかけに私のことを認識していただけたようで、ゲヘナに流れていたことは知ってましたが…まさか百鬼夜行にも流れているとは。
「なんというか、そこまで求めていただけたのは、生産者冥利に尽きるといいますか…。チセさん、参考までに私どものコーヒーのどこが気に入っていただけたのか聴かせていただいてもいいですか?」
「なんかねー。ふわふわしてて、優しい感じがして、緑色の光みたいな、ぽわーってものが、飲んだら感じるのー」
…感覚的すぎて要領を得ませんね。でも、気に入っていただいているのは本当のようです。
だって今おかわり三杯目ですもの。
「カフェオレに夢中なチセちゃんかわいい…!!!
っじゃなくて。店主様、このコーヒー豆、うちの部活に卸していただくことって可能ですか?百夜堂の特別メニューであることは承知してますが、チセちゃんのためにも何卒…!」 - 109珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/09(火) 22:28:09
自分たちのコーヒーを気に入ってもらえた上、取引の相談まで。本来であれば、二つ返事でお受けしているところです。
…しかし、今回私はお忍びで百鬼夜行に来ている身。ティーパーティとは距離を置いていても、トリニティの生産品には変わりありません。ゆえに、百鬼夜行の統治機構との調整を挟まなければ余計な争いの火種となります。
「申し訳ありません、カホさん。少しこの場では決めかねることで———」
とりあえず、この場では断ろうと言葉を紡いだとき。
「いかんねぇ、カホ。チセのことになると、猪突猛進になってしまうのが悪い癖よ?」
今まで、口を閉じていた方が口を開き。
———私の心に、緊張が走る。 - 110珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/09(火) 22:28:45
「いやぁすんません、店主さん。うちのカホったら、いきなり変なことを言い出してしまって」
のらりくらりと、感情の読めない言の葉。こちらの一挙手一投足を逃すまいとする、細目に隠された鋭い眼光。
「…いえ、大変嬉しいことです。自分のコーヒーを自分の預かりしらぬ場所で、気に入っていただけたことを知れたのですから」
「そうかねぇ?いきなり知らない人から『ファンです!』っていわれると、意外とビックリしません?にゃはは」
ほら、こうして雑談に興じているように見えて、私の言葉から裏の裏まで読もうとしている。
「ところでね?いやまぁ本当に『預かり知らぬ』ってことなら全然構いやしないんですけど———」
間違いない、この人は———
「うちにこのコーヒーを流したの、貴女の仕業だったりしません?———トリニティの桐槾シャロさん」
「ええ、間違いなく偶然ですよ。
———陰陽部の部長さま?」
私と同類(せいじか)だ。 - 111珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/09(火) 22:29:53
(今日はここまで)
(感想や保守をお願いします) - 112二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 23:27:48
チセちゃんの横で見えない火花散らすんじゃない!とか叫ばれそう
- 113二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 10:05:33
保守
- 114二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 20:43:49
保守
- 115珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/10(水) 21:22:01
(今日更新なしです)
- 116二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 23:15:37
楽しみに待ってます
- 117二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 09:19:59
さて、この腹の探り合いはどうなるのか
- 118珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/11(木) 14:21:10
「…最初に私からお聞きしましょうか。なぜ私がトリニティの者だと?」
「冗談は苦手です?もうバレてるみたいなので言っちゃいますけど、一応百鬼夜行の調停役の長をやらせてもらっている身としては、トリニティの桐槾シャロを知らんのは駄目でしょう」
彼女はカフェオレには全く手をつけていません。それどころか、カップに手をかけようともしていませんでした。
「派閥政治を執るトリニティにおいて、異色の『単独』政治勢力。派閥としてはヨハネ分派に属しながら、その動きは派閥から完全に独立している異端児。
…政治世界において、個人でティーパーティと渡り合っている化け物。そんなオヒレがついてる生徒を警戒しないのは…ねぇ?」 - 119珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/11(木) 14:21:44
「過分に評価していただいているようで大変光栄ですが、残念ながらただ見逃されているだけですよ。派閥にも、それこそティーパーティにも」
事実、私の存在はトリニティにおけるほぼ全ての部活にとって、アンタッチャブルなものになっています。
…それは、余計な刺激を与えるなという意味で、ですが。
「そう誘導しておいてよく言うわ。…それで?なんで私が陰陽部の部長だと?」
「簡単な推理ですよ。私の名前を百鬼夜行で知っているのなら、相当なコーヒー好きか各学区の統治機構の2択でしょう。あまり百鬼夜行では活動してませんしね」
トリニティと百鬼夜行の仲はそこまで悪くはありません。しかし、私自身の百鬼夜行に関する知識が不足していたこともあって、自身の名前を表に出すことは避けていました。
…その状況で私の名前を知っているとなると、相当な調査力を備えている部活となります。 - 120珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/11(木) 14:25:08
「そして、チセさんとカホさんの会話。シズコさんに百鬼夜行のカフェオレブームのことを聞いたときに、『陰陽部の誰かが、熱心にカフェオレを探していることがきっかけ』ということを聞きました。
これは、先程のお二人の会話内容と合致しています。
それに、チセさんのお名前を聞いたときは失念しておりましたが、桜花祭のプログラムの中に公演のようなものも企画されていましたね。『和楽チセ』による出し物企画…企画元は陰陽部でした」
「…」
「加えて、カホさんに対する態度。最初はカホさんが組織の長かと思いましたが…カホさんの提案を遮ったことと、そのことに対してカホさんが特別な反応を起こしていないことを観るとカホさんより上の立場に貴女がいることは明白でしょう。
…部長かどうかについては、ほぼカマ掛けでしたがね」 - 121珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/11(木) 14:27:28
私の推理を聞いた後、目の前にいる政治家は、相変わらず、感情の読めない笑顔のままでパチパチと拍手をしておりました。
「いやはや、噂通りですねぇ。つくづく末恐ろしいですわ。
…ええ、その通り。私は陰陽部の部長をやっとります、天地ニヤ。どうぞ、よろしくお願いしますね?」
「…改めて、トリニティの桐槾シャロといいます。こちらこそ、お手柔らかにお願いします」
そう言って私と彼女…ニヤさんは、お互いを警戒したまま、握手を交わしたのでした。 - 122二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 21:24:05
※カフェオレに目をキラキラさせてるチセ様の横でこんなやりとりしてます
- 123二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 05:31:35
相変わらず有力者ネームドからの警戒が半端ないシャロちゃん
- 124二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 14:23:31
一応保守
- 125珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/12(金) 20:22:03
(今日更新ありません)
- 126二次元好きの匿名さん24/04/12(金) 22:03:21
了解です
- 127二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 08:33:54
保守
- 128二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 10:46:20
うーんこの言葉の鍔迫り合い感よ
- 129二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 19:23:12
しばらくはこの互いに腹の探り合いな関係が続きそうだな
- 130珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/13(土) 20:45:30
ニヤさんと握手をしたまま、私は思考を巡らせます。
…ここで陰陽部、つまり百鬼夜行の実質的な統治機構が接触してくる理由。
トリニティから警戒されている私が、百夜堂に取り入っていると判断されて様子を見に来た?
いや、カホさんとチセさんの反応的に、最初から警戒していた様子はない。つまりニヤさんのアドリブでしょうか。 - 131珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/13(土) 20:47:22
…アドリブだとしても、この舌戦では私が圧倒的に不利でしょう。
ここは百鬼夜行。つまり、相手の領域(テリトリー)。
言いがかりをつけられるだけでも面倒なのに、その上でトリニティの政治的危険人物が百鬼夜行で何か動いていると、ティーパーティに報告されては、今後の活動にも支障がでてくるでしょう。
…もし、相手から何かの要求があったとして。多少不利だとしても、飲む必要があるかもしれません。 - 132珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/13(土) 20:55:11
「その緑の目、なんか全部見透かされてそうで怖いわぁ。ま、ええか。本題にはいるけど」
握手が解かれ、ニヤさんの口が動き始めます。
被害を最小限に抑える。そのことを目指して、相手の言葉の刃を受け止めようと準備をしたとき
「…チセちゃんがカフェオレを楽しんでいる前で」
「え゛」
いつのまにかニヤさんの後ろに移動していたカホさんが、その拳を振り上げ———
「バチバチするんじゃなーーーーーい!!!!」
「へぶぅ!!!??」
ニヤさんの頭に振り下ろしました!!!!
…いや、なんで? - 133珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/13(土) 21:14:02
「ちょっ、カホ!?何いきなり!?」
「ニヤ様こそ、せっかくチセちゃんがお気に入りのカフェオレをゲットできるチャンスだというのに、その生産者の方とバチバチしているんですか!?
これでもし百鬼夜行での販売停止となってしまったら、どうしてくれるんですか!」
「いや、でも相手トリニティの要注意人物で———」
「以前うかがった話では、単純にトリニティの派閥相手に個人で対立しているだけの方なのでしょう?ゲヘナのテロリストたちに比べれば、そこまで危険度は高くないと思いますが!」
…なにやら言い争いが始まってしまいました。この感じ、本当にニヤさんの突発的な行動だったようです。
「店主さん〜、おかわり〜」
「あ、はい」
そんな中でもマイペースなチセさん。おかわり5杯目です。
…このカフェオレ、シズコさんに相談したとはいえ結構良い値段がついているのですが、大丈夫なのでしょうか - 134珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/13(土) 21:24:41
「でも、単独で集団を政治で抑えられるほどの能力なら、警戒は必要じゃない?そんなホイホイ売買契約を結ぼうとするなんて」
「そこまでトリニティで影響力を持っている方なら、ここで百鬼夜行に悪印象を持たれてしまっては、今後の交流にも支障がでてしまう可能性もあります!むやみやたらに警戒させるような行動は控えるべきでしょう!
それに、そもそも———」
「チセちゃんが、ここまで気に入るカフェオレを淹れることができる人が、悪い人なわけがないでしょう!」
「またおかわり〜」
「はーい」 - 135二次元好きの匿名さん24/04/13(土) 21:30:38
ギャグになった
やっぱキヴォトスはこうでなくっちゃ - 136二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 07:54:08
保守
- 137二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 11:06:40
保守
- 138珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/14(日) 19:05:02
…しばらくカホさんとチセさんの言い争いが続き、私はもはやチセさん専用のカフェオレサーバーとなっていました。
他のお客さんは2人の剣幕のせいか、で屋台に寄り付かなくなってます。まぁその分チセさんがいっぱいカフェオレを頼んでくれているので、損失はないんですけどね。
あ、10杯目。
「…はぁ、なんか気が削がれてしまったわ。それで、桐槾さん?なんでトリニティ生のアンタがわざわざ百鬼夜行まで?」
カホさんとの言い争いで疲れたのか、カウンターにぐでーとなりながらこちらに問いかけてくるニヤさん。こちらを警戒している様子ではありますが、先ほどまでの剣呑さはありません。
…ちゃっかりカフェオレ飲んでるし。
「…先生ですよ。シズコさんがコーヒー豆不足で困っているのを見て、私に連絡を」
「ふぅ〜ん、あのシャーレの先生がねぇ…。そもそも、そのコーヒー豆不足もアンタのせいだったり?」
「ニヤ様、いい加減にして下さい。失礼ですよ」
「あ、あはは…」
…するどい。まあ、意図してやってはいないのでノーカンとしてほしい。カホさんが居てくれて助かりました。 - 139珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/14(日) 19:20:15
「コホン…!えっと、シャロ様。先ほどのコーヒー豆の件は…」
「あー…。一応、陰陽部の方としてお聞きしますが、トリニティ総合学園の一部活と交易することは問題ないのですか?」
「ええ。トリニティの一次産業の方々とも商品のやり取りはありますから、特に問題ないかと」
…それなら大丈夫でしょうか。私のトリニティでの立場は複雑なものです。
先ほどカホさんの申し出を断ろうとしたのも、百鬼夜行の統治機関にまで睨まれるようなことは避けたかったため。その統治機関から問題ないと言われるのなら、ひとまず大丈夫でしょう。
…カホさんとニヤさんのパワーバランスの一端も見れました。愛好会としても新たな販路の獲得で嬉しいところですし、ここは申し出を受けるのか正解でしょうね。 - 140珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/14(日) 19:32:42
「…陰陽部の方がそうおっしゃるなら、こちらからもどうぞよろしくお願いします」
「ありがとうございます。…ニヤ様も、それで構いませんね?」
「あー、はいはい。大丈夫よー。はぁ、もうちょっと攻めてたらなぁ…」
…ニヤさんの不穏な言葉もありますが、とりあえず愛好会は、陰陽部にコーヒー豆を卸すことになりました。思わぬ収穫になりましたね! - 141珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/14(日) 21:24:34
「ああ、そういえば」
「?」
話も決着がつき、カホさんとチセさんが屋台を去った後。
ニヤさんが三人の分のお支払いをした後、屋台を出ようとする足を止め、不敵な笑みを浮かべてこちらを振り返ります。
…さっきまで請求額(ほぼチセさんのぶん)をみて青い顔をしていた人と、同一人物だとは思えない顔です。
「さっきからお祭り運営委員会が騒いでたけど、先生が攫われたらしいですよ。アンタは動かんでいいんですか?」
「———ええ。すでに、百夜堂への協力は済んでいますから」
「ふぅん?にゃはは、やっぱり…気に食わないですねぇ〜」
そうして、ニヤさんはケラケラ笑って屋台を去ったのでした。 - 142珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/14(日) 21:25:45
(今日はここまで)
(ちなみにチセは最終的にカフェオレを15杯飲んで帰りました)
(満足そうなチセを見て、カホもほくほくです)
(引き続き感想や保守のご協力をお願いします) - 143二次元好きの匿名さん24/04/14(日) 21:48:23
カフェインと糖分過多ぇ(
チセ様の栄養管理頼んだよカホ
人様の学園で余所者が好き勝手してる(ニヤ視点)の気に食わないのは想像付くが、嫌な人感拭えないわね
先生の説教がまだの時期だから仕方ないけど - 144二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 07:00:42
保守
- 145二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 17:31:56
ほ
- 146珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/15(月) 19:37:35
(今日更新ありません)
- 147二次元好きの匿名さん24/04/15(月) 23:11:24
了解
- 148二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 10:03:57
珈琲一杯
- 149二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 19:09:21
次は何が起きるのかな
- 150珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/16(火) 20:40:54
(今日も更新なしでお願いします…!)
- 151二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 22:35:53
わかりました
- 152二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 10:03:40
保守
- 153二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 10:03:46
このレスは削除されています
- 154珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/17(水) 20:20:58
(おつかれさまです。ごめんなさい、環境が変わり忙しくなってしまい、週末まで更新ができなさそうです)
(時折顔を出して保守等を行いますが、次回の更新まで保守のご協力をいただけると嬉しいです) - 155二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:52:17
楽しみに待ってます
- 156二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 09:23:13
保守
- 157二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 19:11:21
保守
- 158二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 22:38:21
保守
- 159二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 09:42:32
保守
- 160二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 18:12:25
保守
- 161二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 22:05:13
ほしゅ
- 162二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 09:56:13
保守
- 163珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/20(土) 15:43:34
(保守ご協力ありがとうございます)
所変わって、シズコさんたち。
ニヤさんたちの言っていた通り、先生が誘拐されてしまい、お祭り運営委員会と修行部はてんやわんやだったようで。
「フィーナ、それに修行部のみんな!早く先生を探しに…!」
(ピロン)
「ん?これって…」
『”今から誘拐される予定だから、遅くなる前に助けに来てほしい”』
「って、先生———!?」
まぁ、本人はわざと誘拐されたようですが。
全く、相変わらず能天気というか大胆というか…。 - 164珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/20(土) 15:44:03
「じゃあ、先生はわざと誘拐されたんだね〜」
「よかった!じゃあ、あんまり心配はいらないのかな?」
「…いや、わざと誘拐されたのはいいとして、助けに行くってどこに行けば良いのよ!?」
そう、結局先生は『わざと誘拐』されただけであって、犯人たちのアジトを特定したわけではありません。
これでは、結局先生は危険なまま。
話は振り出しに戻ってしまいました。
そのとき———
「あ、シズコさんたち!ようやくみつけましたー!」
———愛好会(われわれ)の誇る調査員が帰還したのでした。 - 165珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/20(土) 16:09:26
そもそも、なぜ愛好家ちゃんが愛好会の調査員なのか?
それは決して、空いた役職の穴埋めという話ではなく、彼女の持つ才能によるもの。
彼女は…耳も足も異常に早い(速い)のです。
「あなたは…愛好会の?」
「はい!お師匠…シャロ会長に頼まれていたものを持ってきました!」
「シャロさんが…?」 - 166珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/20(土) 16:10:43
足が速いといっても、物理的に俊敏性が高い、というわけではなく。調査効率が異常に良く、調査範囲が広い、というニュアンスです。
噂を誰よりも早く聴きつけ、勘の良さで情報を持っていそうな人に目星をつけ、持ち前の人当たりの良さで何かしら情報を得る。
…これを、天然でやっているのだから恐ろしい。私の持つ情報は、大方この子の調査力に裏付けされているのも大きいのです。
愛好家ちゃんの調査力
dice5d10=9 7 8 2 5 (31) (+50)
(50でクロノス一般記者、80でゲヘナ情報局員、100で超人)【MAX100】
- 167二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 16:21:10
愛好家ちゃん、自衛手段常備してないと暗闇で始末されそうなんだよ
- 168珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/20(土) 16:27:32
(ゲヘナ情報局員並の調査力を、技術抜きの天然で持つ愛好家ちゃん。普通に脅威では?)
以前、それとなくゲヘナ情報員の諜報活動のことをヒナさんやアコちゃんに聴いたことがありますが、愛好家ちゃんもさらっとトリニティの派閥勢力相手に同じようなことをやっていたときはびっくりしました。
…彼女、私と違って派閥及びティーパーティから全く警戒されていないのです。それでいてちゃっかり情報を抜き取って私に報告してくれているので、ある意味最強のスパイなのかもしれません。
まぁ、私が過剰に警戒されすぎてるせいなのかもしれませんが…。 - 169珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/20(土) 16:28:15
閑話休題
そんな調査力を誇る彼女に、私が指示したことは。
「これ…もしかして魍魎一味の活動範囲!?」
「とりあえず、今回の事件に関係ありそうな一味の動きだけ地図に書き込みました!」
魍魎一味の活動範囲と、その移動経路の洗い出し。
『襲撃事件の範囲に絞って調査を展開し、魍魎一味の活動範囲を地図に書き込んだものをシズコさんに提供すること』
これが、私が愛好家ちゃんに出した指示でした。 - 170珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/20(土) 16:42:28
(シャロ「ちなみに、トリニティでの愛好家ちゃんの扱いは『愛好会のマスコット』みたいな感じです。まぁそのマスコット、無自覚に他派閥の情報を抜き取っているんですけどね」)
「結構、活動範囲は限定されているんだ…。この地図があれば、すぐに先生が攫われたアジトもわかるかも!」
「お役に立てたようで何よりです!
あ、それとこの地図を作るときに聴いた話なのですが、魍魎一味と眼帯をつけた商店街の会長さん?が一緒にいるところを見た人が結構いました!誰かわかりますか?」
「会長が…!?わかったわ。ありがとう!あなたはシャロさんと合流していいから!…いくわよ、みんな!」
「お気をつけて〜!」
…そうして、シズコさんたちは魍魎一味の活動範囲を走り回る———ことはなく、案外すぐアジトを特定し、先生と合流。
そのあとは火を見るより明らか…。
今回の黒幕だった商店街の会長…ニャン天丸をシズコさんがぶん殴り、事件は無事解決、となったのでした。 - 171二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 16:45:56
最後の最後は力技なの実にキヴォトス
- 172珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/20(土) 16:55:34
「いらっしゃいませー!」
「本日最終日、桜花祭限定カフェオレはいかがですかー?」
そうして、桜花祭最終日。待ちに待ったフィナーレの日。
私は愛好家ちゃんとともに、百夜堂屋台で売り子をしていました。
…あとから聴いた話によると。にゃん天丸は割とガバガバなリスク管理をしていたようで、結構な人から魍魎一味と一緒にいたことを目撃されていたとか。
多分、私たちのアシストなしでも簡単に特定できていたかもしれない、とは愛好家ちゃん談。
まぁ、私がにゃん天丸と初めて会ったとき。曲がりなりにも生徒が起こしている事件のことを語っているとき、『学生風情』って言葉を出した時点で、桜花祭に対する不満がタラタラでしたからねぇ。
一応犯人候補として、愛好家ちゃんには市場周辺の調査は入念にと指示を出してましたが、それすら要らなかったかもしれません。
随分と迂闊な人でした。カイザーを見習ってほしい。いや見習わなくて良いですが。 - 173珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/20(土) 17:05:22
『もうすぐあの、ミレニアムとの合作の花火が始まるって!』
『遅れる前に早く行こう!』
「おや、お師匠!フィナーレの花火が始まるようですよ!」
「そのようですね。では、店じまいにして一緒に観ましょうか」
屋台を閉めて、2人でカフェオレを飲みながら空を見上げます。
ヒューーーーーーーー、ドン!ドン!
空に咲き誇っては消えていく、儚くも美しい花火。
それを2人で、カフェオレを楽しみながら鑑賞します。
…美しいですね。 - 174珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/20(土) 17:09:32
「そういえば、お師匠!花火を見上げる際、百鬼夜行ではこういう作法があるようです!」
「へぇ、そうなのですか。では、一緒に言いましょうか♡」
そうして、2人で大きく息を吸い込み、大きな火の花が咲くころに合わせて…せーのっ
「「たまやーーーーー!」」
…こうして。
先生からの連絡で始まった愛好会の百鬼夜行での活動は、無事に終了したのでした。 - 175二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 23:40:35
お疲れ様でしたー
- 176二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 09:08:06
おつ
- 177二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 19:48:08
一応保守
- 178珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/21(日) 20:02:12
「ありがとうございました、先生。それにシャロさんたちも」
“ううん、無事にフィナーレができてよかったよ”
「こちらこそ、中々ない経験をさせていただきました」
桜花祭も終わった翌日の朝。私たちと先生はシズコさんたちにお見送りをされていたのでした。
「あ!そうだシャロさん!これ飲んでみて!」
「はい?」
と、急にシズコさんから渡されたのは蓋つきの紙コップ。
…香りからするに、カフェオレのようです。意図が分かりませんが、おそるおそる飲んでみると… - 179珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/21(日) 20:02:32
「!この味は…!」
「フッフッフッ…」
…美味しい。私の作るカフェオレほどの深みはありませんが、甘味やコクは同等、いやそれ以上かもしれません。
「シャロさんのカフェオレを一度飲んだときの衝撃が忘れられなくて、悔しくて合間をぬって研究したのです!」
ドヤ顔で胸を張るシズコさん。事実、味のクオリティは以前のものに比べて段違い。それをあの忙しい中で為すなんて…
「流石、百夜堂の看板娘ですね。私も、負けてられません」 - 180珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/21(日) 20:03:09
「…私も、今回のシャロさんたちの動きを見て学んだわ。もっともっと経営を頑張らないと、いつかあなたたち愛好会に、人気を取られちゃうかもしれない」
…百鬼夜行にお店を出す予定はありませんよ?と、シズコさんに言うと、ものの例えの話!と叫び、そのまま続けます。
「…あんまり同年代でお店とか経営している人って少ないから、今回は良い刺激になったわ。
…勝手にだけど、私、貴女たち愛好会のことライバルって思っているから!次は私たちの料理でギャフンと言わせるんだから!覚悟しててね、『シャロ』!」
「———こちらこそ。貴女たち百夜堂に負けないように、精進していきます。次にお会いできるのを楽しみにしてますね、シズコちゃん!」 - 181珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/21(日) 20:04:08
そうして、こちらを見て満足そうに頷く先生を尻目に、握手を交わす私とシズコちゃん。
先生をきっかけに、突発的な百鬼夜行での活動となってしまいましたが…とても良い経験と出会いに恵まれました。
今回出会えた人たちに見送られながら、私と愛好家ちゃんはトリニティへ戻って行ったのでした。 - 182珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/21(日) 20:40:02
———陰陽部、部室
「ニヤ様、先生と愛好会の方々が百鬼夜行を出発したようです」
「にゃはは、結局噂の先生とは会えなかったねぇ。ま、あんだけフットワークが軽ければ、いつかお目にかかる機会もあるやろうし、焦ることはないか」
「……」
「ん、どした?」
「いえ、ニヤ様があれほど警戒するのも、今思えば珍しいな、と」
「…なんのこと?」
「シャロ様のことですよ。確かに、私が勢い余って軽率なことを言った自覚はありますが、ニヤ様があそこまで制止なさるとは、思いもしませんでした」
「あ〜…まぁ、想像と違いすぎて、ちょっとびっくりしすぎたってのもあるやろうけど、ね」
「…想像ですか?」 - 183珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/21(日) 20:40:34
「うん、想像。普通、トリニティの権力者たちから睨まれてるっていうんやったら、ゲヘナのテロリスト並のヤバい奴らを想像するやん?」
「…ええ、まぁ」
「でも、あれはそんなんじゃなかった。確かに腹黒なところもあるし、洞察力も並大抵のものじゃなかった。———でも、それだけ」
「……」
「本人は至って善良。困ってる人のためにわざわざ他学区まで来るお人よし。そして、学区が違うことを理解してでしゃばることをしなかった深慮深さ。どれも、警戒される要素はなかった。
それなのに、あれはトリニティの全てから警戒されている」
「…昔は暴れん坊だった、とかそういう話では?」 - 184珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/21(日) 20:44:32
「それなら、あそこまで派閥から嫌われることはないやろ。…いや、あれば嫌われてるんじゃないな。『畏れ』られているが正しいかも。私らで言う、怪談・妖怪みたいな感じ」
「怪談、ですか?」
「そうでもなきゃ、あれが警戒される理由がよくわからんのよ。だから直接確かめよーってかまかけてみたんやけど…あれは、あまりにも『善良』やった」
「……」
「あー嫌嫌、のっぺらぼうを相手にしてるみたいで。———本当に、あれは何者なんやろなぁ」 - 185珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/21(日) 20:45:37
「…ですが、チセちゃんは彼女の作るコーヒーを気に入ってますよ」
「うん、だから当初よりかはまだ警戒しとらんよ。チセも、あれで勘が鋭いからねぇ。悪い人の作ったものなら、きっと飲もうとも思わんやろうし」
「そうでしょうそうでしょう!チセちゃんは最強で無敵のアイドルですから!」
「あ、そういえばチセのイベントもうすぐやなかった?」
「…それに間に合わせるために、書類仕事を頑張っているんでしょうが!!!ニヤ様も手を動かしてください!」
「ひ、ヒエー」 - 186珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/21(日) 20:54:53
(これにて、桜花爛漫大騒ぎ編をしめたいと思います!長らくお付き合いありがとうございました。そして、次は…)
———百鬼夜行での騒動から、数日後。
来る期末試験のために愛好会で勉強会を開いたり、百鬼夜行での販売戦略を練ったり、新商品の開発をしたり。
愛好会は、それなりに忙しい日々を過ごしておりました。
…そして、期末試験も終わった翌日。
久しぶりに特に何の予定もない、穏やかな日が来たのでした。
「うーん、なんだかこういう日も久しぶりですねぇ」
「そうですねぇ。あ、そうだ会長。いつものお手紙、届いてましたよ」
「ありがとう、事務員ちゃん」 - 187珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/21(日) 20:56:47
事務員ちゃんからピンク色の封筒を受け取りました。
いつもの『あの子』からのお手紙です。
封を外して、少し良い香りがする便箋に記された、可愛らしい文字を読んでいきます
「…また、おかしなことをして」
相変わらずの日々を過ごしているという内容に、少し笑みが出てしまいます。そうして、読み進めていると、一つの単語が気になりました。
「『補修授業部』…?」
その単語を、声に出した瞬間
PiPiPiPiPi‼︎
「!!」
けたたましい通知音が、私のスマホから鳴り響きます。 - 188珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/21(日) 21:06:07
「この、通知音は…!」
普通の通知音とは違う、人を焦らせてくるような音。
それが意味するのは———騎士団の緊急事態。
すぐにスマホをとり、相手を確認します。
「え。…団長じゃなく、セリナちゃん?」
その連絡相手は団長ではなく、私の同期の団員であるセリナちゃんからのものでした。
少し訝しく感じながら、電話に出ると…
「———団長が、行方不明?」
その電話の内容は、愛好会の…いえ、私最大の危機の始まりを告げるものでした。
さながら、終焉の喇叭のように。
私は、大きな陰謀に巻き込まれていくのでした———。 - 189二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 21:10:16
エデン条約編かいよいよだな
- 190珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/21(日) 21:11:58
(ということで、次回からついにエデン条約編に入ります)
(極度の原作崩壊とか、RTAみたいなことにはならない予定ですが、ダイスとかも入れていく予定なのでどうなるかはダイス神のみぞ知ります)
(更新頻度ですが、ストーリーは土日更新となるかもしれません。設定をまとめながら進めようと思うので、引き続き保守のご協力をよろしくお願いします)
(195ぐらいに次スレを立てようと思います。
これからもどうぞよろしくお願いします) - 191二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 21:18:33
団長 政治的判断だけど相談せず決めたか
あの子って誰だ? - 192二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 22:13:22
普通に愛好家ちゃんのことでは?
- 193二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 07:54:50
やる気フォックスが楽しみ
- 194珈琲愛好会◆aFYBo9MhKpEt24/04/22(月) 12:32:31
- 195二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 12:36:50
うめ