釘崎の関係者生やしたい(ダイス) その13(続き

  • 1二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:42:09
  • 2二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:42:32
  • 3二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:42:48

    落ちてたので再度アゲ!

  • 4二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:43:09

    とりあえず10まで梅ます

  • 5二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:43:21

    保守

  • 6二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:43:32

    保守域展開

  • 7二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:43:42

    保守の番

  • 8二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:43:55

    保守の型

  • 9二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:44:07

    簡易保守領域展開

  • 10二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:44:43

    保守の情

  • 11二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:48:53

    すまねぇ!

  • 12二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 22:50:15

    >>11

    いいさ、なにせ呪術廻戦は最強だからね

  • 13二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 23:43:57

    どれくらい時間がたったのだろう。賀樂が目を覚ますとそこは見知らぬ部屋だった。

    「ここはどこ・・・?」

    薬品の影響かわずかに頭痛がして賀樂は顔をしかめた。しかしそれよりも今は家入の安否が気になった。

    「お目覚め?」

    不意に聞こえた声の方向へ顔を向けると筋骨隆々の男が立っていた。

    「あなただれ・・・」
    「おっと、そう身構える必要はないわ。警戒するなってのも・・・無理な話だろうけど」

    私はラルゥ、覚えておいてね。と告げられる。

    「ここから自由に出て行ってもいいけど、預かっている人の存在を忘れないでね。ちゃんと戻ってくるのよ?」
    「預かってる・・・おねえちゃんのこと?」
    「そうよ、手荒な事はしたくないけど・・・それはあなた次第」

    ああ、そうだわ。とラルゥは壁に掛けてある電話を指さした。

    「そこの電話であなたのお友達と話せるわ。カメラも繋がってるから顔も見れるはずよ」

    そう言うとラルゥは部屋を出ていった。少ししてがちゃんという音がしたところを見ると鍵を閉められたらしい。

  • 14二次元好きの匿名さん24/04/07(日) 23:50:26

    ラルゥも出てきたな

  • 15二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 00:02:10

    >>14

    宿儺に愛を教えてて草

  • 16二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 00:10:36

    「出ていけるって・・・行ったのに」

    ドアノブを回してみると確かに鍵がかかっている。賀樂はその事実と無音に近い部屋の静けさに耐え切れず電話を取った。

    『!・・・賀樂ちゃん?!』
    「おねえちゃん・・・」

    カメラに映った部屋は自分の部屋と同じような部屋で、家入がベッドに腰掛けていた。
    電話がつながったことがわかったのか家入が慌てて画面の近くに駆け寄ってきた。

    『ケガはない?なにか変な事されなかった?!』

    よほど心配なのだろう、彼女は矢継ぎ早に賀樂の安否を尋ねてくる。

    「だいじょうぶ、おねえちゃんは・・・?」
    『私も無事よ、それより賀樂ちゃん、私のいう事を聞いてくれる?』
    「なに・・・?」

    家入が意を決して口を開こうとしたときだった。

    『ダメじゃないか硝子、あんな小さな子に非情な決断をさせようだなんて・・・』
    『夏油!・・・ぐうっ!?』

    夏油の声と共に呪霊が家入を画面の前から引き離した。

  • 17二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 00:22:55

    『やあ、聞こえているかな?禪院 賀樂ちゃん。君には今から私たちの為に働いてもらいたい』
    「おねえちゃん・・・!おねえちゃんは!?」
    『ああ、大丈夫。ちょっと君に危険なことをさせようとするから黙ってもらってるだけさ』
    「きけんなこと・・・?」
    『ああ、硝子は優しいからね。おそらくは君に『自分の事はいいからそこから逃げろ』なんて言い出すとおもったのさ』

    画面に映った夏油は相変わらず笑顔を張り付けている。しかし、その笑顔をさらに深めて彼は問いかける。

    『まさか君が硝子を置いて逃げたりはしないだろうね?』
    「あ、う・・・」
    『君が逃げたら・・・呪霊が彼女を食べてしまうかもしれないからね』

    夏油が体を少しずらすと首に巻き付いた呪霊が家入を締め上げているのが見える。

    「あ、ああ・・・やめて・・・」
    『わかってるとも、彼女は殺さない。君が私達のいう事を聞く内はね』

    夏油はそう言うと一方的に通話を終了した。

    「うぇぇ・・・おねえちゃん・・・」

    賀樂は受話器を取り落とすとその場に蹲って泣くしかなかった。

  • 18二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 01:01:02

    どうにか泣き止んで、賀樂は周囲を見渡した。ベッドがある。しかし、そこで眠る気にはなれない。
    彼女は部屋の隅にうずくまるとそのまま目を閉じた。

    「起きて頂戴、お仕事よ」
    「・・・」

    優しく揺り起こされる。目を開けると目のまえにはラルゥが立っている。

    「いまから・・・?」
    「ええ、わかってるでしょうけど真っ当な仕事じゃないからやらないって選択はできないわよ」
    「うん・・・」

    泣きはらした顔を見てラルゥは少しだけ申し訳なさそうにしていたが彼も仕事だ。彼にもやらないという選択はないのだ。

    「あの、本当に助かるんでしょうか・・・?」
    「ええ、大丈夫よ」

    ラルゥが案内した先では男性が心細そうにしている。

    「この人・・・?」
    「そうよ、がんばってね」

    賀樂が連れてこられた部屋には心細そうにしている男性とストレッチャーの上でシーツを被せられた人間大のふくらみ。ラルゥがそれをめくると激しく損傷した遺体が横たわっている。

    「時間から死亡して二時間くらいよ、大丈夫そう?」
    「蘇生措置ができるなら・・・」
    「OKよ、はじめて頂戴」

    賀樂はラルゥにそう言われると右手に剣を生成して遺体の前に立った。

  • 19二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 01:26:49

    蘇生できるの本当凄い

  • 20二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 01:27:49

    賀樂は損傷の激しい遺体の末端から少しずつ修復していく。

    「出血がひどい、輸血もいるかも・・・」
    「了解、輸血ね」
    「心肺蘇生の前に輸血して、心臓が動き出してから・・・した方がいいかも」
    「わかったわ、医師にちゃんと伝えておくわね」

    ラルゥはまるで巻き戻しのように治っていく体を見て少なからず驚きながらも賀樂の補足を受けてメモに書いていく。

    「最後に頭部と心臓を・・・」
    「早い・・・五分もかかってないわよ」

    はっきりいってぐちゃぐちゃで原型をとどめているのは大まかな形だけだったにも関わらず賀樂の手によって遺体は元の形を取り戻していた。横で見ていた男性はその様子を見て驚くやら拝みだすやら、大変な騒ぎである。

    「ああぁ・・・ありがとうございます、なんとお礼をいったらいいやら・・・」
    「病院へ運んで頂戴、こっちが言った注文をちゃんとしてもらうようにね」

    男性はしきりに頭を下げながらストレッチャーを押してスタッフらしき人物と部屋を出ていった。

    「お疲れ様、しばらくはこういったことを繰り返してもらうことになるわ」
    「わかった・・・」
    「大丈夫?呪力は平気そう?」
    「ずっとやってたことだから・・・大丈夫」

    ラルゥは頭部への治療が行われたことであの遺体が呪力に目覚めるであろうことを期待しつつ、目の前の少女をいたわる事にした。

  • 21二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 01:29:18

    イエスキリ⚪︎トみたいな事してんな

  • 22二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 01:43:29

    >>21

    理屈的には真人の逆をやってますね。肉体を修復することで魂の損傷を補填し、死人を蘇生する。

    時間が経ちすぎると魂が完全に壊れるのので反転術式が反応しなくなります。呪術師に限ればそのタイムリミットは

    長くなるとは思います。

  • 23二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 01:43:45

    今日はここまでにしときます!また明日!

  • 24二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 02:10:09

    乙!

  • 25二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 07:26:04

  • 26二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 12:54:07

    ほしゅ

  • 27二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 19:00:41

    保守

  • 28二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 22:25:09

    再開します! 今週はなにやら盛り上がってるようで明日見るのが楽しみ。
    「お疲れ様、今日はもうおしまいよ」
    「うん・・・」
    「なにか食べたいものはある?これだけのことができるんだもの、多少は融通を利かせるわよ」
    「・・・わからない」

    仕事で紛らわせていた孤独がぶり返したのだろうか、賀樂が再び涙ぐんだのをみてラルゥは内心で困り果てていた。
    呪詛師として夏油を王にしたいと協力しているラルゥではあったが彼とて冷血漢ではない。
    目の前の少女が悲し気に俯いているのに何もできない自分が口惜しく、苦しかった。

    (きっと、傑ちゃんもこんな気持ちで美々子たちを助けたんでしょうね・・・)

    ラルゥはそっと、賀樂を抱き上げる。

    「大好きな人でなくて申し訳ないけど、今は堪えて頂戴。ずっと続くとは限らないから」

    知らない人間であって、優しく抱き上げられたことで安心したのだろうか。賀樂は嗚咽を洩らしながらラルゥにしがみついて小さくなるばかりだった。

    「ホント、損な役回りだわね」



    「夏油、先ホド病院デ蘇生ガカクニンデキタ、現金ノ振込モ」
    「お疲れ様、やはり彼女の力は素晴らしいね。医療機関の提携を受けられたのも予想外だった。まさか病院にも呪詛師がいたとはね」

    配下の信 者と呪詛師を使って病院を調べさせたところそこの一人に呪術を扱える医者が居た。その医者を引き抜き、土地と人員、資金を融通することで蘇生措置専門の医療部門を設立した夏油はそこで第二の資金源を獲得すべく賀樂の能力に着目した。

    「猿を人間に変えるついでに政財界の子息子女を呪術師に生まれ変わらせ、その恩で入信させる。勢力と資金とを同時に確保できる素晴らしい手段だ」

    賀樂と夏油の呪霊躁術、この二つによりマッチポンプも容易くなり、配下の呪詛師を手っ取り早く増やす算段は彼らの中で着々と進んでいた。

  • 29二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 22:32:54

    素晴らしい作戦っすね〜不可能だと言う点に目を瞑れば(来てくれー!五条先生)

  • 30二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 22:41:43

    書いてて思うんだがマジで夏油負ける要素なくない?やばいやばい・・・

    >>29

  • 31二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 23:09:35

    夏油はこの数日、幸福感で一杯だった。すべてが順調だ。思わぬ収穫、思わぬ幸運。
    すべてが自分の思い通りにいくかのような錯覚に笑みが止まらなかった。

    「病死は治癒できないのかなぁ、切り取って再生できるならそれも難しくないんじゃないかなぁ」
    「医者ジャナイカラワカラナイガ、反転術式トハソウイウモノナノカ?」
    「彼女が規格外すぎて私も少々測りかねているけどね。もしかすると、なんておもっちゃうくらいさ」

    今日の成果は欠損の治療。事故で腕や足を無くした人、じん帯や関節の故障で廃業を迫られたアスリートの治療。
    闇医者というのは儲かるものだ。法外な値段にもかかわらず夏油一派の呪詛師が経営する医療施設には救いを求める財界の要人などがコンタクトを取ろうと必死だ。資産家からは資金を、一般人からは入信を条件に治療を行い、彼らは資金と人材を漁る。

    「さて、明日はお待ちかねの信 者たちの選別の日だ。楽しみだなぁ・・・」
    「術師ガ増エルカ、タノシミダ」

    ミゲルは夏油に心酔する人工呪術師達の指導を担っている。他の一派も彼らに独自に呪力の扱いを教えているようだ。

    「さて、皆さん・・・今日は君たちにとって特別な日になるでしょう」

    夏油は普段よりも芝居がかった仕草で信 者たちの前に立った。五人ほどの男女は夏油の言葉に聞き入っており、真剣なまなざしで夏油を見つめている。

    「古い世界から脱却し、私と同じ世界に生まれ変わる儀式です。心して臨むように」

    彼らは共に非術師であり、一般人である。そんな彼らを夏油はこれから殺すつもりだ。
    そしてそれを賀樂に蘇生させることによって彼らを呪詛師に生まれ変わらせる。

    「それでは移動します」

    夏油は賀樂が待機する部屋の隣に位置する広間で五人を整列させ、全員の頭部を呪霊を操作して削ぎとばした。

    「出番だよ、頑張ってくれたまえ」
    五人が倒れているのを賀樂は一瞬、ギョッとした表情で出迎えたがすぐに目を伏せて一人ずつ処置をしていく

  • 32二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 23:26:05

    「ほほう、まさしく魔法のような・・・素晴らしいねぇ」

    剣を差し入れて修復作業に入る賀樂。頭部という繊細な個所の治療ではあったが数日間の治療の回数の積み重ねが彼女の治療に洗練さとスピードを齎していた。

    「これで終わり・・・」
    「お疲れ様、今日はもう戻っていいよ」
    「うん」

    無気力な返事を返して賀樂は踵を返した。夏油はそんな彼女に困ったように息を吐いたが部下に彼らの蘇生措置を行うように指示を出した。




    賀樂はふらふらと廊下を歩きながら頭の中でぐるぐると考えを巡らせていた。

    呪術師は自分を苦しめる。

    呪術師が自分を孤独に追いやる。

    呪術師は人を傷つけては自分に治すように強いる。

    呪術師は・・・。

    「鬼だ・・・あいつらは・・・人じゃない・・・呪術師って・・・なんなの?」

    私は・・・なんのために・・・?

  • 33二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 23:39:16

    ブラック会社(漆黒)すぎる

  • 34二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 23:41:22

    >>33

    夏油自身がブラック出身なのでピンと来てないのがさらに悪質というねw

  • 35二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 23:42:38

    草 

  • 36二次元好きの匿名さん24/04/08(月) 23:48:10

    今日はここまでにしときます!また明日!

  • 37二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 00:17:25

    乙〜

  • 38二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 07:27:51

  • 39二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 13:30:25

  • 40二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 23:24:03

    再開します!なかなか作業用BGMがきまらない・・・


    賀樂はふらふらと歩く最中、ふと窓の外が明るい事にきがついた。

    「外・・・」

    監視はいない。家入を捨てて逃げられないと知っているのもそうだったが賀樂のおかげで夏油の施設は盛況であり、多数の人や物が出入りしている。その中で夏油は呪いを集めたり、それを元に信 者たちを訓練したりと忙しい。
    窓を開けて外を見ると施設の外は公園の外周のようにランニングコースになっているのかちらほらと歩いたり走ったりしている人がいる。

    「・・・」

    誘われるように外に飛び出した賀樂はランニングコースを当てもなく歩いた。日差しが眩しい。
    やけに、日差しが強く感じる。それが疲労と食事を満足に取っていないことが原因だと気づいたのは地面が傾いた時だった。
    手をついて地面に蹲った。立ち上がる気力も体力もなかった。たとえここで力尽きたとして何が困るのかと考えて賀樂はそのまま地面に身を投げ出した。
    風の音がする。
    鳥の鳴き声が聞こえる。
    地面の熱が、まるで自分を焼くかのように熱く感じる。

    「ちょ、ちょちょ!大丈夫?!」

    元気な声と日に焼けた健康的な腕が賀樂を助け起こした。

    「・・・」
    「顔真っ青じゃない・・・!大丈夫?こっちみて!」

    助け起こしたのは女性だった。恰好から察するにランニングの途中だろうか。彼女は慌てて賀樂を日陰へと連れていくと手持ちのスポーツドリンクを飲ませる。

    「ほら・・・」
    「んぶ・・・」

  • 41二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 23:49:43

    冷えたドリンクと木陰のおかげで賀樂は少ししてから目を覚ました。

    「・・・あなた・・・だれ?」
    「お、気が付いた。私は奏多っていうよ。陸上選手なのさ」

    女性はそう言うとニカっと笑って賀樂の汗を拭いてあげた。賀樂は彼女の笑顔に幾分か気持ちを落ち着けて自身に反転術式を行い、疲弊した脳をリセットする。

    「ふらふらする・・・」
    「熱中症・・・というよりそもそもカロリー不足だね。ちゃんと食べてる?」
    「わからない・・・元気でなくて・・・」
    「気力が湧かなくて食べたくないってのはわかるよ、私もつい最近までそうだったんだ」

    女性はそう言うと足に巻いているサポーターを外して右足を賀樂に見せた。
    途中から色がくっきりと変わっており、膝下からが日に焼けておらず白いのだ。

    (途中から生えたみたい・・・)
    「すごいだろ、私つい最近まで足が無かったんだ」
    「なかった・・・?」
    「事故で無くしたんだ。走るのが大好きだったんだけど交通事故でね。それからはなんていうか・・・世界から色が無くなった感じって言うのかな。とにかくやる事全てが退屈だったんだ」

    それが今はこの通りさ、と足を叩いて動かし、彼女は笑顔を見せている。

    「親がダメもとであそこの施設に頼んでくれたんだ。なんでも傷が治せる奇跡の人がいるって」
    「・・・」

    自分の事だ。と思いつつ賀樂は彼女の顔をまじまじと見つめた。確かに賀樂は欠損した手足の再生も行ったことがある。都合縫合部を切り取って再度傷にする必要があったため麻酔を使い、意識がなかった状態なので彼女は賀樂の事をしらないのだろう。

    「そしたらこの通りさ、前の通り足が生えて元通りになった」

    それから感謝の意味も込めてここら辺を走ってるのさ。と彼女は言う。

  • 42二次元好きの匿名さん24/04/09(火) 23:50:47

    食欲が無い時はチーズ牛丼特盛が1番

  • 43二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 00:11:06

    >>42ある時でも滅多と食わないものを・・・w



    「そうなんだ・・・ねえ」

    「?」

    「もしも、その人に会えたら、お姉ちゃんはどうしたい?」

    「その人って、私の足を治してくれた人の事かい?」


    賀樂は頷いた。すると女性はにっかりと笑って。


    「とにかく、まずは『ありがとう』だね」

    「あり・・・がとう・・・」

    「ああ、私の世界に色が戻ったよ。私のやりたいことを、また精一杯できるようになった。ありがとうって言いたい」


    賀樂はそう言われて、気持ちがすっと軽くなったような気がした。


    「その人も、そう言ってもらえたら・・・きっとうれしいよね」

    「どうかな、でも、少なくとも私は感謝してるし、それを伝えたいと思ってるよ」


    ずっと、なんの為に人を治していたのかわからなかった。わからなくなっていた。

    呪術高専に居たときには治したひとはまた忙しく出ていくばかりで誰も嬉しそうじゃなかった。

    家入も、それを見送る夜蛾たちもみんな深刻そうな顔ばかりをしていて、治ったことがまるで大変なことのように。


    「・・・」

    「私はそろそろ行くけど・・・大丈夫?ほかの人呼ばなくていい?」

    「だいじょうぶ・・・」


    そう答えた賀樂をまだ少しだけ心配した彼女はドリンクの残りとチョコレート味のプロテインバーを置いて、

    手を振りながらまた走っていった。

    感謝されている。その事実が賀樂の心に温かく響いた。

  • 44二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 00:11:39

    今日はここまでにしときます。また明日!

  • 45二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 00:29:46

    お疲れ様でした!

  • 46二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 08:34:01

    保守

  • 47二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 11:34:21

  • 48二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 21:46:17

  • 49二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 22:26:46

    再開します!


    感謝されているという事実と、ドリンクとプロテインバーは思いのほか賀樂の力になった。
    元気を幾分かとりもどした賀樂はひそかに反撃のチャンスを待つことにした。

    「まずはおねえちゃんのいる場所を知らないと・・・もしくはだれかに助けを呼ぶか・・・」

    賀樂はこそこそと施設の周囲を探る。あからさまに宗教関係者らしい服装の人間を避けて、施設の周囲を巡る。
    家入は恐らくは施設の中、自分と同じように外に出られないようにされていると思われる。

    「どこだろう・・・でも、きっと見つける・・・!」





    「お大事に、それじゃあ次の方」

    捕まってから数日、家入も同じように施設つきの医者としての業務を半ば強制されていた。
    ケガは反転術式で、病気などには医師としての知見からの診察を行える彼女は賀樂を外科とするなら内科としての役割を担っていた。

  • 50二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 22:53:58

    ふむふむ

  • 51二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 22:57:22

    (拒否したいけど、相手は一般人っぽいし・・・賀樂ちゃんが心配だわ)

    真面目に一人ずつ診察しつつも家入の頭は賀樂の事で一杯だった。彼女が自分を心配しているのではないだろうか。
    夏油が彼女に酷い事をしていないか、ちゃんと食べて寝ているかどうか。

    心配は尽きない。

    「先生、一旦休憩を」
    「わかったわ、あとはお願いね」
    「わかりました」

    夏油の配慮だろうか、それとも応対する人間によって自分を遠ざけているのだろうか。
    割とこまめに休憩が挟まれ、家入は施設の中で割とゆったりとした時間を過ごしていた。

    (軟禁状態の方が体も業務も楽ってのが・・・なんとも言えないわね)

    鏡を見ると前よりさらに隈が薄くなっていて家入は苦笑した。通常業務の分の患者しか来ないこの施設ではケガ人も少なく、病院と提携しているからか看護師や薬剤師が時折来ては自分の書いたカルテを元に調剤などを済ませてくれる。
    施設に属する人間の数、組織的な力のかけ方に家入は驚いていた。

    (とはいえここに長居はできない・・・けど私じゃ戦えないし・・・)

    打ちっぱなしのコンクリートで囲まれた家入の生活スペースは恐らく電波もろくに通さないだろう。しかも窓から差し込む光も天窓から差し込む光がほとんどで抜け出すこともできない。

    「籠の鳥か・・・」

    家入は恐らくは高級品らしいソファに体を預けて一人つぶやいた。

  • 52二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 23:09:07

    すいません、今日はここまでにしときます。また明日!
    明日はまた早出だぁ・・・

  • 53二次元好きの匿名さん24/04/10(水) 23:20:59

    >>52

    お疲れです!

  • 54二次元好きの匿名さん24/04/11(木) 07:05:45

オススメ

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