ゴールドチチーwww｜あにまん掲示板

1二次元好きの匿名さん24/04/16(火) 23:17:36

「酷い夢……」

吹っ切ったつもりだったけれど今更こんな夢を見るだなんて。……たぶん、溜まった疲れだとかストレスだとかのせいでちょっと心の古傷が開いたとかなのだろうけど……

「寝れっかな、コレ」

誰も本当の私を見てくれない。どれだけ結果を出したって変わらない。何をやっても世間の評価はモデルのゴールドシチー、キレイなだけのゴールドシチー……誰もアタシという個人を、本当の『ゴールドシチー』を見てくれない。……そんな焦燥と絶望。

あの三年目までの苦しみを割増にして、短時間のうちに流し込まれるような本当に苦しい夢だった。大したことじゃないということにしたい。けれど、背中のじっとりとした冷や汗と、布団の中で震えている手の感覚がそうさせてくれない。

隣で眠る熱血バカに背を向けるように寝相を変える。アンタには、克服したはずの過去に怯えてる今のアタシなんて見せたくなかった。アンタはいつだって本当のアタシを見てくれるけど、アタシにだって見せたくない姿はある。………いつまで経ってもアタシはワガママらしい。

———まあ、でも

不意に後ろから抱きしめられる。それもいつものトレーナーらしくないくらいに強く、固く、ちょっと苦しいくらいに。

アンタはそういうヤツだもんね。普段は暑苦しくって、ウザくって、たまにバカで……そのくせ、アタシの悩みだとか、本当の気持ちだとかにはウザったいくらいによく気がつく。………その割にはアタシがアンタをそういう意味で好きだってこと、なかなか気づいてくれなかったけど。

とにかく、アタシがアンタに悩みを隠したってムダ。何でか簡単に見抜かれてしまうのだから。

「あんがとね、トレーナー」

アタシを抱きしめているトレーナーの手に触れる。手の震えはいつの間にか収まっていた。単純な力だけでいえばウマ娘のアタシに敵うわけないのに、この逞しくって温かい腕に包まれているとこれ以上ないくらいに安心するから不思議だ。……それにしても返事がないあたり、寝ながらの無意識の行動だったらしい。……どこまでもアンタらしいよ。

息づかいも鼓動も混ざってどちらのものかわからないくらいの距離。アンタとアタシが溶け合って一つになってしまいそうな距離。……アタシにとって最も幸せで、安心できる空間。これなら眠れそう。

——いつもありがとう、トレーナー