- 1二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 21:55:52
- 2二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 21:57:02
正解でしたら私とロマンティクスできますわ
さあ、どうぞ！！ - 3二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 21:57:36
1は早すぎだし3は好きでもなきゃ一緒にいないし2ですかね！
- 4二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 21:57:51
2.フリーダムの時じゃない？
- 5二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 21:58:55
- 6二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 21:59:06
せめてAAからアスランに引き渡した時にしよう
- 7二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:00:00
- 8二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:00:03
1の後の艦内で過ごした時とアスランに受け渡す時で好感度100%、
2の時に戦うと言い出した時とその後の質問で200%になる - 9二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:00:14
2を選んだキラ！
正解ですわ！！あなたにフリーダムを渡したとき、あなたは「君は誰？」と言ってくださいました。
まっすぐ私をみつめるあなたに私はフォーリン・ラブですわ！！ - 10二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:00:46
ダメだ！この総裁！全部正解にするつもりだった！！
- 11二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:01:33
3を選んだキラ！もちろん正解ですわ！
優しさとその強さで戦い抜いたにもかかわらず、精神を病んでしまったあなた……そんなあなたを、私は支えなければと思ったのです！
恋が愛に変わったのですわ！！ - 12二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:02:43
頭浮かれピンクな総裁は可愛いから良いや
- 13二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:02:57
全部正解のロマンティクスしかないクイズで草
- 14二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:03:08
あー確かに「『初めて』好きになったのはいつか」とは聞いてないな…
- 15二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:03:30
では次の問題ですわ！！
私の好きなあなたはどんなあなたでしょう？
1. 友達のために戦う優しいキラ・ヤマト
2. 愛のために精神が壊れていても立ち上がるキラ・ヤマト
3. 私の全てを愛すると言ったキラ・ヤマト
正解の場合、わたくしと結婚できますわ！でももちろんあなたが嫌なら内縁の妻でも問題ありませんわ！！ - 16二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:03:57
毎日ラクスポイント更新しているだろうから
いつって答えても正解なんだろうなｗｗ - 17二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:04:08
全部でしょ
- 18二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:04:12
問題…
問題ってなんだ… - 19二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:05:02
２の時のキラである
- 20二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:05:08
クイズを装ったプロポーズやめろ
- 21二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:05:19
このレスは削除されています
- 22二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:05:37
おせーぞ
- 23二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:06:08
1を選んだキラ！正解ですわ！！
友人が、たとえ人質のようなものであっても、あるいは友人ではなかったとしても！
隣の誰かのために戦えるあなたが私は大好きですわ！！
当然覚悟を決めて私も下着姿を晒そうともいうものですわ！！ - 24二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:07:18
- 25二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:08:15
2を選んだキラ！！まさしく正解ですわ！！
精神が壊れていても、私を必ず守ってくれる……かつて白馬の王子様だと思っていたあなたはただの優しい少年だった！
にも拘わらず、その身の全てで私を守ってくれるあなたはザ・パーフェクト・ナイト・キラですわ！！ - 26二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:09:31
3を選んだキラ！！正解ですわ！！
全てを愛すると言われたならば、私も幾久しくともにあると誓うのも当然ですわ！！
すなわち結婚ですわ！ - 27二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:09:51
- 28二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:11:07
まあ運命あたりのラクシズとか言われてたころにくらべたら健全だしいいでしょう
- 29二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:11:19
- 30二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:12:57
ここにいたらダメ！プラントに返すよ！急ごう！してて時間ないからええい！見られてもええわ！脱いじまえ！って感じ
- 31二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:13:03
- 32二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:13:50
- 33二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:14:05
キラは、私がキラだったらなんでも好きだと思っていませんか？
でもそんなことはありませんわ？嫌いなキラも確かにいますわ？
では問題です。次の中で私の嫌いなキラはどんなキラでしょうか？
1. 大丈夫じゃないのに大丈夫と言うキラ
2. せっかくおめかししても、ラクスなら可愛いよなんて言うキラ
3. 平和のため平和のためで本当に大事なわたくしを放っておくキラ - 34二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:14:13
永遠の別れかもしれない理想の王子様に覚えていて欲しいのですわ（宇宙服を着るのにロングスカートが邪魔なので脱ぎましたわ）
- 35二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:15:11
これは１だ間違いなく
- 36二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:15:17
ちなみにこの時、他のクルーは寝てる時間で部屋に入ってきている
- 37二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:15:29
誰かこの総裁が正気に戻るような曇らせネタ持ってきて
- 38二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:16:19
1を選んだキラ……正解ですわ？
大丈夫ではないではありませんか……そんなことを言っているから、そんな風になってしまうのです……
大丈夫ではないときは、ちゃんと泣いて、私にそのことを言ってくださいませ…… - 39二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:17:12
- 40二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:18:08
改めてお労しいすぎるシーン
- 41二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:18:11
このレスは削除されています
- 42二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:18:58
2を選んだキラ……正解ですわ。
少しは乙女心というものを理解してくださいませ。誰のためにいろんな服を着ていると思っているのですか？
……え？僕のため？だから可愛い？騙されませんわよ？騙されませんからね♪ - 43二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:19:02
- 44二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:20:02
3を選んだキラ。正解ですわ？
だから料理をいっぱい作ってあなたの帰りを待ちますわ？
……せめて次は、料理が冷める前に帰ってきてくださいませ？ - 45二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:20:18
スレ主あれなのはちゃんと消していいぞ
- 46二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:21:00
結局好きで終わってるんですがそれは？
- 47二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:22:46
ダメだこの浮かれポンチ総裁
ブレーキがねぇｗｗ - 48二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:23:16
でもキラが色んな服着て「どう？」って言ったら総裁も全肯定するよね多分
- 49二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:23:37
これはどんな小さなことでも話し合おうと決めた総裁
- 50二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:29:00
嫌いな所＝心配したくなるところだからまあ、別に特別ポイント下げる理由にならない
というか多分「自分のキラポイントが減らされる遠因」くらいの意味しかない
キラが別に下げて無くてもそういうことするｗ
好きな人の心配なところ…嫌いって言葉の意味がユルすぎるw - 51二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:36:28
でも実際、わたくしがあなたと一緒にいようと決めたのはいつだったのでしょうか……？
最初のころは、あなたに憧れを抱いていました。
フリーダムを渡したころは、同志だと思いました。
いつの間にか、一緒にいるのが当たり前になっていました。
キラにはわかりますか？ - 52二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:38:39
じゃあ僕からも問題を出すね？
僕が好きなラクスは次のどれだと思う？
1. シーゲル・クラインの娘のラクス・クライン
2. 歌姫のラクス・クライン
3. ただのラクス・クライン
ごめんね、正解しても僕は君に何もあげられないけども…… - 53二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:38:51
キラが膝枕で泣いた時かな
- 54二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:39:24
3だな
- 55二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:40:49
1？
それはないかな。僕はほとんどシーゲル・クライン……ラクスのお父さんに会ったことがない。
そもそも、君に会う前は、ラクス・クライン自体を知らなかったからね……。
クライン派の長であるシーゲル・クラインというのがいまいち僕にはわからないんだ。
アスランになら、わかるのかな…… - 56二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:42:20
2？
ううん……歌を歌ってるラクスならわかるけど、歌姫のラクス・クラインはよく知らないかな。
僕なりに調べはしたけども、きっとそういうのは広告が専門のバルトフェルドさんとかの方がよく知っているんじゃないかな。
僕は全ての君を愛しているとは言ったけど、君の全てを知っているわけじゃないからね…… - 57二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:43:51
3？
そうだね。あるいは、ただの、というのは余計だったかもしれない。
僕が知っているのは、目の前にいる君だからね。
……え？だから、1か月会えないだけで君のことがわからなくなる？
耳が痛いね…… - 58二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:47:16
よかった、准将はまだ3択として成立させてる！
- 59二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:49:58
うーん、難しいね。問題を出すのも……。
じゃあ、こんなのはどうだろう。僕が君のことで他の人に嫉妬しなかったのは次のどの時だとだと思う？
いい？しなかった時、だよ？
1. アスランがラクスの婚約者だと知った時
2. バルトフェルドさんがラクスと二人きりで歌の練習をしてた時
3. オルフェ・ラム・タオとラクスがダンスした時 - 60二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:54:18
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- 61二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:54:49
3は嫉妬してたね。すごい嫉妬してた。
ルナマリアにもわかるぐらいだったらしいね？反省してる。
仮にも外交で、国賓を相手にしているだけなのに、嫉妬とか、そういう感情剥き出しにしちゃだめだよね……。
え？キラはそれでいい？それがいい？
ラクスは甘いよね…… - 62二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:56:46
2？まあ、うん……そうだね。違うね。
そりゃ、好きな女の子が他の男の人と密室で一緒にいたら、そりゃ、嫉妬もするよ。
心が狭くてごめんね？……え？キラの心は心地よい狭さ？
甘やかしちゃだめだって。ほら、そんなニコニコしないでよ…… - 63二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:57:16
１はなんか実感ないからなさそうというか
２は嫉妬云々よりキレすぎててやっぱ２かな - 64二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 22:59:03
1。そうだね。正解。
だって、ラクスがアスランの婚約者だって知ったのは、そもそも僕がラクスのことを好きになる前だし……。
その時点でラクスは大分僕のこと好きだって言ってたけど、さすがにそれはないでしょ。
ないよね？
あ、ちなみにだけど。アスランが婚約者だって知ったときはそうでもなかったんだけどね。
アスランが僕の知らないラクスを知っているって言ったときはさすがにちょっとむっとしたかな。うん。
かわいい？どこが……？ - 65二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:02:51
さて、じゃあ、ラクスの質問に戻ろうか。
ラクスが僕と一緒にいようと決めたのは、いつだったか……だったね。
じゃあ問題。ラクスが僕と一緒にいようと決めたのは次のいつかな？
いい？ラクス「が」僕「と」だよ？間違えないようにね？
1. 僕がラクスの前で泣いた時
2. 僕がラクスに介護されていた時
3. 僕がラクスにプラウドディフェンダーで助けられた時
さあ、ラクスはどれだと思う？ - 66二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:08:50
言葉っていうのは大事だよね。
好きだって思いも、言わないままだったら、それが嘘だったかもしれないと思うようになっちゃう。
逆に、たとえ嫌いでも周囲から好きだと言われ続けたら、本当に好きだったのかもしれないと思うようになっちゃう。
人間の心ってそんなものだよ、多分。
え？ラクスは違う？……そっか。ラクスは強いよね。でも……言葉は、大事だよ。
どんな強い決意も、どんな強い思いも、伝えなきゃ、意味がない。
だから、言葉がある。アコード……ラクスだってそうでしょ？
進化した、とか人の考えが読める、って言ったって。伝えなきゃ、気持ちに意味なんてない。
まあ……だからって、決意した時をそこと決めるのは暴論かもね。
だから、これはあくまで僕から見た、君の決意の起点だ。
でも、ラクスにとっては。それが一番大事なんじゃないかな？ - 67二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:11:46
1は違うよね。
まだ遠い。僕は、そもそも君が側にいることすらわからなかった。
本当に……このころから、ずっと側にいてくれたのにね。
私はあなたに会えて幸せだった、帰ってきてほしい、なんて。そんな意志を言葉と一緒に伝えられたのに。
でも、あくまで帰ってきてほしい、だった。
まだ……まだ、一緒にいてくれる、とは言ってくれなかったかな。 - 68二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:13:27
2。大分近くなったね。
でも……側には居てくれたけども、言葉は通じ合っていなかった。
そもそも、僕が君の言葉をどれだけ理解していたかすら、この時期は怪しかった。
だから、まだ、正解じゃない。
きっと、一緒にいるのが当たり前だった。そんな時期だよね？ - 69二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:17:08
もう言わないでもわかるよね。わかってくれると嬉しい。
そうだね？3だ。
あの時……プラウドディフェンダーで、戦場の中心を駆け抜け、アスランに迷惑をかけてでも、あるいはコンパス総裁としての立場がありながらも、君は戦場のど真ん中、僕のところまで来てくれた。
それだけでも、決意としては十分かも。でも、本当に重要なのはその後。
君はこう言ってくれた。
「幾久しく宜しくお願いします」
永久にともにいると。いたいと。そう、僕に懇願してくれたんだ。
……ラクス、自分の問題を出してたとき、答えを言っていたんだよ？
気づかないなんて。本当にラクスは、人のことはよく見ているのに、自分のことはよく見えてないよね？ - 70二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:21:13
どうだろう。
僕は君の問題にちゃんと答えられたかな。応えられていると嬉しい。
じゃあ、最後の問題。
僕の考え方と、君の起点と。それを元にして、この問題に答えて欲しい。
僕が君のことを好きになったのも、愛するようになったのも、君よりずいぶん遅かった。
でも、これだけは、君よりはるかに早かった自信があるんだ。
僕が、君とずっと一緒にいたい、って。そう思ったのは、いつだと思う……？ - 71二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:21:50
お互い相手の評価ばかりして自己評価しないからスタグフるんやおまいらさんは
- 72二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:22:14
クイズにかこつけてイチャつきやがって…いいぞ！もっとやれ！
- 73二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:22:27
以上、とある夫婦の出題漫才でした。
あくまで一つの解答例なので、皆様もキララクへの解答を提出していただければ幸い。 - 74二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:23:32
ちなみに削除された方は正解です。
分かる方にだけわかっていただければ。そんな感じです。 - 75二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:33:03
キララク哲学になってきた
- 76二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:34:51
「ナチュラルの愛は大きくて、コーディネイターの愛は重い」ってコメントを思い出す
キララクは種自由の愛の告白で愛が重い→愛が深いに成ったという印象がある - 77二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:35:16
読み応えのある良いお話でした
おつおつ - 78二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:36:01
キラとラクスは学問であり哲学であるらしいからな……
多分どっちかが問い、どっちかが答える相互関係だから面を変えて切るだけで一つの応答になるのかなあ…… - 79二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:36:34
なんだ、いつものキララクか
(๑•̀ㅂ•́)و✧ - 80二次元好きの匿名さん24/04/17(水) 23:59:05
この一つ一つ正解を探っていく感じ好き
- 81二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 05:54:25
>>1です。
閲覧注意とはいえ冒頭で浮かれポンチを炸裂させすぎというご意見をいただきました。その対比として、真面目なキララクとして再構築したものをちょっと時間がかかるかもしれませんが実験的に掲載してみます。
あくまで私の自己満足的な代物ですので、お暇なときにでも御高覧ください。
特に粗筋は変わっていません。ベッドヤクザで白馬な王子様かつご主人様なキラとかわいらしいお嫁さんかつ純愛奴隷で浮かれポンチなラクスでもキララクはキララクだと信じているので、多分そこまで変わらないと思います。
- 82二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 05:54:57
「キラは紅茶とコーヒー、どちらがお好きでしょうか？」
「あまりどっちが好き、というほど飲んだことはないかな……。
ああでも、どっちも甘い方が好きかな。紅茶もコーヒーも、ミルクがたっぷり入っている方がね」
「なるほど……覚えておきますわ」
「でも出してくるのはブラックなんだね」
「好きな物だけを出していたら、キラの新しい側面を見ることができませんので」
「ラクスは野心的だね」
「あなたに関しては、常に開拓者のような精神で挑んでいるラクス・クラインですので。
ブラックでも、キラはコーヒーを飲めるでしょう？」
「昔はどうしてこんなものを、と思っていたものだけどね」
「私もですわ」
「……それにしても、静かに話せる時間があるっていうのはいいね。
そのうち忙しくなるんだろうけど」
「あ、好き、と言えば、一つキラにお聞きしたいことが」
「うん？どうしたの、改まって。いいよ。なんでも話してよ。
今は仕事なんてする気ないしね……色々とやらなきゃいけないことはたまってるけども、わざわざ家庭に持ちこむようなことはしないようにしてるしね。最近は」
「キラは、私がいつあなたを好きになったか、知っておりますか？」
そんな夫婦のお話。 - 83二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 06:02:40
「……突然だね。それって、話す意味あるのかな」
そう言って、あなたは目を丸くしました。素直な驚きと、少々の苛立ち。
きっとあなたはそういう人。当たり前にそこにある物を受け止める人。
だから、そこに理屈を介在させたり、起源を探ることは、不純物として嫌ってしまうのかもしれない。
でも私は確信している。あなたは私の全てを愛すると言ってくれた。そうでなくとも……休みの日。昼食が終わり、腹ごなしにお茶をしているぐらいの時間は、きっと私に付き合ってくれるはず。
「はい、もちろん」
「ん……なんで、って聞いていいかな？」
「あなたの中に私がいてほしいからです……持って回った言い回しをしすぎでしたわ。
あなたに、私のことを知って欲しいからです」
「ああ……そっか。そうだね、ごめん。いつも僕は僕のことばっかりだ。
すぐに君のことを思いやるのを忘れちゃう」
「それでいいと思いますわ、キラは」
「駄目だよ。そうはすまいって、一緒に決めたばかりじゃないか」
「……では、私の戯言に付き合っていただけますか、キラ・ヤマト」
「もちろん。目の前のいる君が話すことなら」
穏やかに微笑む彼に、私は一つ一つ。大切な思い出を思い出しながら、話していった。 - 84二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 06:12:14
「キラは覚えておりますか？初めて私があなたに会った時、あなたは何をしたのか」
「……ちょっと待ってね？あれは、確か、アークエンジェルにいた時で……」
予想通りのその言葉。私が今すぐに脳裏に思い浮かべれるあの光景も、きっとあなたは思い出せない。でも、それでいい。その時の私はそこにいなくても。私がそれを思い出させてあげればいいのだから。
「コズミック・イラ71年。2月3日。思い出していただけまして？」
「……いきなりその日付が出てくるのは正直びっくりした」
「キラは恋する乙女を甘く見すぎですわ」
「いやぁ、さすがにそこまでは……普通ないんじゃないかな」
「ちなみにアスランはカガリさんに出会った日時を克明に覚えているそうで」
「……」
「どうでしょうか。具体的な事例を挙げてみましたが」
「……ずるくない？でも、僕はその日付覚えれるとも思えないんだけど」
「しょうがないキラですわ」
「呆れられちゃったかあ」
「呆れてしまったので、罰としてコーヒーをもう一杯ついで差し上げます」
「ミルクと砂糖は抜きで？」
「罰ですので」 - 85二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 06:43:05
続いたら続きます。
スレが落ちたらどこかに適当に投下します。ご覧いただきありがとうございます。 - 86二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 06:44:27
新しいの出ても根強く10年ぐらいはネタにされそう種自由
- 87二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 07:51:31
特別日の日付を覚えてる乙女なラクス
- 88二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 13:39:12
期待待機
- 89二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 14:21:01
こうゆうネタは無限に助かる
- 90二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 23:28:38
キララクはいいぞ
- 91二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 23:30:55
ブラックコーヒーは用意しておくべきだったかな
- 92二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 04:07:31
「コーヒーはともかく、初めて君とあったときに手をとったのは覚えてるかな」
「ええ、真っ先に手を取ってくれたあなたは敵軍の兵士だったわけですが」
「……ああ、今考えてみるとあの時のラクス、大分緊張してたんだ」
「まあ」
「ハロが鍵開けたからって出歩いてみたり、いきなり初見の相手に握手しようとしたり。
……ラクスってそういうところあるよね。追い込まれたらむしろ前に出ちゃう。
それを少しでも緩和しようと、敢えて世間知らずみたいに振舞ってたんだ」
「よく私のことを理解してくれてますね、キラは」
「今の今まであまり気づかなかったけどね……のわりに、僕とは普通に話してたね」
「どうでしょうか？キラがそう思っていただけで、キラの前でも緊張していたかもしれません」
「そうは見えなかったけど……」
「今の今まで忘れていらしたのに？」
「おっと」
「いじわるはこれくらいにして……実際、私の恋の始まりはほぼ一目惚れみたいなものでしたので」
「確かにラクスは顔を真っ赤にしてあたふたするようなところはないと思うけれどね。でも、婚約者いたじゃない。アスラン」
「好きになってしまった相手と、好きになろうと努力しようとしてた相手は違いますわ」
「難しいね……必要だから好きになるという、っていうのも。今のラクスはどっちかな」
「好きになった方をもっと好きになろうと努力していますわ……些細な嫉妬を言動から今も見出している最中ですの」
「バレバレだね、僕の感情」 - 93二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 04:13:55
「一目惚れ、ねぇ……本当に？」
「最初に手を取ってもらったときからですわ？」
「嘘だぁ……」
「嘘ではありませんわ。少なくとも、あ、この方かっこいい、ぐらいは思ってました」
「うーん」
「あと、キラが泣いているところを見て抱きしめたいと思ってましたわ」
「そんなことあったっけ……でも本当にラクス、よく覚えてるね」
「いえ。でもその後あったことはあまり覚えていないのです」
「え？その後、って言うと……」
「キラが私に夜這いした時ですわ」
「よば……人聞きが悪すぎるよ」
「では私を逃がすために、夜に婚約者のいる年ごろの女性のところに無理やり押し入った時のことですわ」
「もっと悪くなったね？むしろ僕は覚えているというか……色々危ない橋わたってたね、僕」 - 94二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 04:26:20
このレスは削除されています
- 95二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 04:27:51
「覚えてないんだ、あの後のこと」
「気づいたらキラに服を脱げと言われておりました」
「……色々言い方が悪くない？ラクス、もしかして初めて会ったときのこととか日付覚えてないの怒ってる？」
「いえ全く」
「本当かなあ……」
「あなたに惹かれかけている時に、夜まともに思考が定まらぬところで『あなたを連れて逃げます』と言われて……私は、思考停止してしまったのですわ。そして気づいたときにはのっぴきならない状態で脱衣を強要されたのです」
「当時の僕はいきなり脱ぐとか豪胆な女の子だなって思ったけどね……」
「プラントには亡命しない、とキラは言いました。
なので、もう二度とあなたには会えないと思って……せめて、私の素肌をあなたの目に焼き付けようと」
「今のラクスを考えると、そういう情熱的なところもあるかもしれないなあ、って半分ぐらいは思うよ」
「残りの半分は？」
「今になって、はしたない真似をしたと思って言い訳してるんじゃないかなって」
「私の旦那様が鋭すぎますわ」 - 96二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 05:39:33
「あの時から、そうだったなんて、知らなかったなあ……いや、知れるわけないんだけども。
でもなんでわざわざそれを僕に？」
「本来であればもっと早くに言いたかったのです。あなたをいつから私が好きだったか」
「なんで？」
「いかに自分が長い間思いを募らせていたのかを思い人に伝えて優越感に浸るのは、片思いを成就させた者だけの特権ですわ」
「…………あれ？これ今僕糾弾されてる？」
「いえ。それはそれですわ。キラはキラのままでいてほしいという気持ちはありますので」
「そっかぁ……うん。そうだね。よく考えてみたら、こんなことを話すことすらできなかった、というのも異常だったのかなあ」
「ええ、幸せな時間ですわ……ですが、好意という感情は、より深くなるものなのです。
キラへの私の想いは一目惚れでは終わりませんので」
「ということはこの話、続きがあるんだね」
「しっかり付き合ってもらいますわ。そのためのお菓子とコーヒーですので」
「いいよ、もっと聞かせてくれると嬉しいかな」
「ええ……ぜひ」 - 97二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 06:41:16
中の人の二人が「はやっ」ってビックリするレベルだったらしいからな
- 98二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 15:56:19
凄い文章量と落とし込み方だ
- 99二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 20:44:55
「ここまでは私がキラを好きになった話……ここからは、私がキラのことをもっと好きになった話ですわ」
「どう違うのかな……？」
「私は、割とこうと決めたらまっすぐに動く、というのはキラも御存じかと」
「そうだね。まず決める、そしてやり通す……だったかな？」
「その決めた、という起点のお話をしようかと。
先ほどまでは恋心が生まれるまでの話。そしてその後、恋心に従って動くかどうかを決めた話ですわ。ある意味で、私の少し前までの後悔の始まりでもあるのですが」
「……キーワードはフリーダム、かな？」
「察しのいいキラは大好きです」
「ん……さっきまでとは状況が違うからね。
君と初めて会ったあの時、僕はただ振り回されているだけだった。自分の感情に従って動いてた……けど。ひたすら動き続けて周りを見ることもできなかった時期だよね。
それに対して、ラクスの話したいあの時……本当に僕はずっと考えてばっかりだった。ラクスが僕のことだけを見つめて、僕に問いかけ続けてくれた。ただ、まだ僕にはそれがどうしてかわからなかったんだけども」
「ラクスは優しいから、なんて言ったら拗ねます」
「うん。今ならわかるよ。君は恋した相手を見定めようとしてた」
「……傲慢でしょうか」
「傲慢、とかじゃなく。しっかりと相手を見て、言葉をかわして、決めたんだ。選んだ、のかな。それとも。うん……とても誇らしいよ。ああ、そうだね。僕にとっての君の始まりはそこだね」
「わたくしの、始まり……？」
「そこでやっと僕は君のことをちゃんと見たからね。君という存在を僕の中で形作るための記憶は、そこからの君だ。ある意味で僕にとっても起点になる話。見ただけで、知るのはまだまだ先だけども」
「……はい」 - 100二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:20:42
「アスランに撃墜されて、マルキオ導師……の知り合いの誰かに助けられて。そして、君のところに僕が届けられた後の話だね？」
「はい」
「考えてみたら、あの時のラクスって僕をずっと見てくれてたけど、割と……辛辣だった？」
「……わかるでしょうか」
「さすがに、ね。こう、優しいけど溺れるのを許さない、とでも言うんだろうか。
うん。ラクスが言ってた意味がわかるね。まだ、その先があるんだ。
休んでもいい。でも『まだ』休んでもいい。
あるいは、私はもちろん、とお答えします『けど』」
「面はゆいですわね、あの頃の私の言葉をキラが覚えてくださっているというのは」
「君はあの時、僕がどのように動くのかまだわかってなかった。
例えば、暗殺されそうになった時。君は僕を止めようとした。
例えば、僕がトリィに教えてもらって君を助けに行ったとき。君は僕が来ると信じていた。
でもあの時はまだ、僕が何をするかわかっていなかった」
「……キラがどのような方か、知りたかったのです」
「本当、恋する乙女だったんだなって」
「今でもそうですわ」
「そんな恋する乙女の期待に、僕は応えられたかな？」
「私はもちろん、とお答えしますわ」 - 101二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:33:14
「さて、ターニングポイントだね。僕がフリーダムの前に立ったとき」
「やっぱり、わかりますか？」
「一分の曇りもない、っていうのかな。心の底から見た、君の笑顔はあれが初めてで。あれから数年間……ついこの間まで、僕は君の満面の笑顔を見てなかった。覚えてるよ、当たり前でしょ？」
「あ……」
「あの時の君は、多分、本当に幸せだったんだ、と思う。その後、僕が不甲斐ないせいで……いや、言うべきじゃないね、これは」
「ええ、あの時、私は本当に幸せでした。恋をした相手のために生きるという決意を決めれたのですから。
そして、恋をしたその人が、初めて私を知りたいと思ってくれたのですから」
「うん……それまで、僕は君のことを見てたけど、それ以上の感情を持っていなかった。酷い話だよね」
「でも、それがキラですので」
「うーん、やっぱり糾弾されている気がする」
「ではその分、今の私に思いを注いでくださいませ」
「そうさせてもらうよ。……ともあれ、あのやりとりだよね。君が、僕のことを全力で助けようと決めた時。そして、僕が君を知りたいと思った始まり。あるいは、君という少女を初めて直視した始まり」
「……『キラの願いに、行きたいと望む場所に、これは不要ですか？』」
「『君は、誰？』」
「『私はラクス・クラインですわ。キラ・ヤマト』」
「『ありがとう』……ラクス」
「はい……私からも。私の大切な思い出を覚えていてくれて、ありがとうございます」 - 102二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:45:19
「さて……コーヒー、冷めちゃったかな」
「いえ、もう一度入れなおしますわ」
「ありがとう。ん……このパウンドケーキ、ウィスキー入ってる？」
「はい、いかがですか？」
「チョコレートともデーツとも合うけど……僕はこのオレンジのやつが好きかな」
「オレンジピールはお義母様直伝ですわ」
「なるほど……ラクスは本当に勉強熱心だよね……」
「ええ。旦那様のためにできる限りのことをする所存ですわ」
「僕にはケーキをおいしいって食べてあげることしかできない……」
「そのために作っていますので。どんどん食べてくださいな」
「お返ししたいなあ……抱きしめてあげるぐらいしかできないよ」
「もっと凄いことをしてくださってもいいのですよ？」
「それは夜かなあ。あとは……たまには、一緒に料理とかする？」
「喜んで……あ。
考えてみれば、私の料理を食べるようになってくれた時も、ですわ」
「え？」
「あなたが料理を食べるだけで、私はあなたのことを好きになっていったのです」 - 103二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:47:32
続いたら続きます。
引き続きご覧いただきありがとうございます。このスレの中で終わらせられる気がしません - 104二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:52:46
この砂糖空間があと倍以上あるの!?
- 105二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:58:04
可愛い恋する乙女の浮かれポンチクイズ可愛いな……してたら准将が反撃してきて良質なキララクになったと思ったらそれをもとに滅茶苦茶真面目な調子で良質な長めのSSに再構築されて糖分がずっと追いかけてくる……
- 106二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 01:08:42
このレスは削除されています
- 107二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 05:15:11
「結局、戦うあなただけを見てたのです、私は。
そこから離れて暮らすあなたを想像していなかった」
「……えっと。次は戦場にいない僕が好きになった時の話、かな？」
「キラは私の想いをしっかりと言葉に具現化してくれますわ」
「その想いの対象が僕だから、僕自身も結構恥ずかしいのだけれど」
「それをあなたに伝えるわたくしの方がもっと恥ずかしいですので、我慢してくださいな」
「考えてみれば真っ赤になって震えるラクスなんて、想像もつかなかったなぁ……」
「……キラは意地悪ですわ？」
「あれ？これ僕のせい？」
「当たり前です」
「そっかぁ……あの怪我していた2週間？３週間ぐらいだっけ……まあ、ともかく、あの期間を除いて、71年は9月ごろまでずっと僕は戦場にいたからね。考えてみれば、その数週間も僕は戦うことばっかり考えてたのかなぁ、僕」
「ですので、アカツキ島に来て、日常にいるあなたを見るようになったのは、その時が初めてだったのです」
「……でもあの頃の僕も、昔の僕とはもう変わっちゃってた」
「……」
「ごめん。辛いかもしれないけども。でも、今の僕は大体あの頃に固まった感じだから……」
「好きになったあなたは戦場にいる優しい人だったのです。そして、戦場から離れたあなたは、すでに壊れかけていました」
「でも、一度ああなったからこそ、君は僕の側にいてくれた」
「いいえ」
「……え？」
「あなたが戦わず、精神に罅がはいらなかったとしても、私はあなたの側にいました」
「そうならなかった君と僕、というのも楽しそうだけど、僕は今ほど君を愛せなかったかな。そもそも会えなかったかもしれない」
「そんなことはないと信じています」
「ラクスは僕より僕のことをわかってるね？」
「キラは、意地悪です」
「今日のラクスは拗ねてばっかりだ」
「キラが今の私とあなたを否定しようとするからです」
「僕はむしろ今の君と僕を肯定しているんだけども……それもまあ、今だから言えることかな。本当に、幸せだよ」
「私はちょっと不幸ですわ」
「ならどうしたらいいかな……」
「そうしてくださいませ」 - 108二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 05:29:45
「……ラクス頬を擦り付けるの好きだよね」
「私は気まぐれなので、すっといなくなってしまうかもしれませんわ？猫のように」
「どっちかというと、ラクスは犬みたいなところがあるけどね。まあ、どっちのラクスも好きだけども」
「では、あなたの好きなわたくしであれるように努力いたします」
「そんなことしなくても、というのは野暮だよね、うん。ありがとう」
「どういたしまして」
「……でも、食事。食事、か。あの頃の僕は、何もしてなかったなぁ。食べることすら疎かだった。
今考えると、ラクスが母さんと一緒に料理作ってる姿が好きだなあ、なんて呑気なこと言えるけど。ラクスも当時は思い詰めてたんだね。母さんに料理を教えてもらうことで、少しでも僕がご飯食べれるように頑張ってたのかな」
「いずれの問いかけにもええ、と肯定させていただきますわ。優しいだけであのようなことはできませんので。あるいは……」
「あるいは？」
「……恋だけでは、人を癒せないと、思ったのです」
「難解だね」
「単純ですわ？」
「そうかな」
「恋は、一方通行ですので。あなたからの感情を引き出そうとして、実際に引き出さなければ、あなたを癒すことはできませんでした。それでも、完全には……」
「十分すぎるどころか、本当にラクスのおかげで僕はここまでどうにか動けるようになったんだよ。ありがとう」
「はい……」
「泣かないでよ」
「うれし涙です」
「……結果として、僕は君の愛がないとダメになっちゃったけどね」
「私は最初からあなたの愛がなくともあなたに恋しておりました」
「ラクスの方が一枚上手だ」
「キラがいなければ最初からこのように生きておりませんし……それに、今はむしろあなたの愛が大きすぎて溺れているところがありますので」
「それほどかなぁ」
「すごいですわ？」 - 109二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 05:47:17
「好き。恋。愛かあ……」
「いかがでしょうか」
「僕から見てると、本当にそういうラクスしか見えないんだよね。当たり前だけど。
……逆に言うと、そういうラクスはずっと哀しそうな顔をしてたんだ。側にいてくれないと、君が幸せではない、なんて思っちゃうぐらいに」
「今でもそう思ってしまいますか？」
「どうなんだろう。側にいなくても、思わないかもしれないけど、それでも一緒にいてくれるほうが嬉しいかな。
君の笑顔も、泣き顔も、蕩け顔も、あるいはだらしなく気の緩んだ顔も……失神寸前の顔も？本当はずっと見てたんだなあ。それも。よく考えると、だけど」
「……私ばかり恥ずかしいところを見られている気がしますわ」
「そういうところを見れるのが僕だけ、ってもっと早く理解できてればよかった」
「遅すぎますわ？」
「あるいは、理解してたけど会わないとすぐ忘れちゃうのかも。当時の僕も見ていたはずだしね……結局、あの頃の僕も幸せだったんだ。穏やかに、静かに君と暮らしていたんだからね」
「そう、でしょうか」
「僕は幸せだったよ？ラクスは辛かっただけだった？」
「……いいえ。大好きな人と、一緒にいれることほど幸いなことはなかったのだ、と。確信を持って言えますわ。たとえそこに悲しみや後悔が混じっていても、幸せでした」
「うん。あと、まあ。どっちかっていうと僕はアスランやカガリとは違って小市民だから。こじんまりとした暮らしの方が性に合ってるかなって」
「私もそうですわ」
「昔から知ってるかな」
「本当に？」
「そういう人じゃなきゃ、掃除から家事から何までやって、日がな一日ぼーっとしてる僕に、お風呂が沸きました、なんて言いに来ないよ」
「……では、今日は一緒にお風呂に入りませんか？」
「熱烈なお誘いだね」
「ラクス・クラインはキラ・ヤマトを誘っております」
「またあとで」
「フラれてしまいました」
「えぇ……まだお風呂沸いていないじゃない」
「先走ってしまいましたわ？」 - 110二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 06:03:31
「パウンドケーキ、しまっといた方がいいかな？」
「ですわね……それとも、お父様やお母様、それと孤児院の方におすそ分けいたしましょうか」
「うーん……ウィスキー結構きつかったからなあ。父さんと母さんに渡すぐらいにしといたら？」
「アルコールはかなり飛ばしたと思っていたのですが」
「結構残ってるんじゃないかな。あとアルコールは飛んでも風味は独特だしね」
「そうですか……では、明日のお楽しみで」
「だね。夕食の献立決まっているなら買い出しに行く？」
「せっかくですし、二人でいきませんか？」
「いいよ」
「デートですわ」
「僕らいつもデートしてるね」
「毎日でもしたいぐらいですので」
「……考えてみたら、ずっと一緒にいるね、僕ら。あの事件の前はともかく、アカツキ島でも、アークエンジェルでも。学生のカップルみたいなことしてたんだなあ……さっきの話じゃないけど、いろんなラクスを見てた気がする」
「私の寝顔もお化粧をしていない顔も、全てキラに見られていますわ」
「僕のだらしないところもね。それでも好きなんだからいいんじゃないかな」
「……」
「拗ねてる……」
「いえ。でも、わたくしの中にも、好きなあなたと嫌いなあなたがいるのではないか、と思ったのです」
「考え事してる顔だったかぁ……」
「やはり、全てを愛していると断言してくれたあなたが好きなのは間違いないのですが」
「それはさっきまで言ってた好きになった時の話？」
「いえ、それは過去の時点での話ですわ。今浮かんだのは、現時点の私が好きだと思う過去のあなたの話です」
「じゃあ、帰ってきてからその話をしようか」
「外を歩きながら、では駄目でしょうか？」
「……色々と噂になってるけど、一応僕にもご近所さんへの配慮はあるからね？」
「いまさらではないでしょうか？」 - 111二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 06:04:12
好きとか恋とか愛とかがゲシュタルト崩壊してる
まだ続けば続きます - 112二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 06:52:54
今までのラクスの解説か
分かりやすいが、ここまで頭ずっと計算高かさと恋心を両立させてたってすごいな - 113二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 13:37:10
続けて
- 114二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 17:06:02
この作者先生…キララクの解像度が凄いな…
シチュを脳内再生できて読むのが楽しいスレだ - 115二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 21:46:02
このレスは削除されています
- 116二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 03:32:35
「ラクスが好きな僕と嫌いな僕、ね……。僕は割と、君がいればそれでいい、みたいなところがあるから。
あと、実際できてるかどうかわからないけど、君の全てを愛そうとしているつもりだから……ちょっと理解が難しいかもね」
「……」
「むくれないでよ、可愛いなあ、もう……」
「そういうところですわ」
「こういう僕は好き？嫌い？」
「むくれてる私を見て苦笑しているキラは嫌いですが、そんな私を抱きしめてくれるキラは好きです」
「やっぱり難しくない？」
「そういうことです」
「……どういうことだろう？」
「好きも嫌いも表裏一体、ということですわ。愛しているあなたの一面を、私にとって都合かいいか悪いか……いいえ。私が心地よくなれるかなれないかで適当に仕分けをしているだけですので」
「適当なんだ」
「適当ですわ。だって私の気分次第ですもの」
「気分次第なんだね？」
「たとえば、私はあなたが自分の意志のまま、隣にいる人のために戦う姿を好ましいと思っております」
「……できることをやっているだけなんだけどね」
「そうやってまた卑下なさるところは……嫌いだけど、好きなところでもあります。
また……あなたが、自由な意思のまま戦うことを選んだ結果、平気なフリをして傷ついていくのは嫌いです」
「でも、戦ったら傷つくのは当たり前じゃないかな」
「はい。なので表裏一体ですわ。
……酷い話だと思ってしまうかもしれませんが。
傷ついても平気なフリをして、大丈夫だと言っているあなたは私は嫌いなのです。
ですが私は、傷ついているところに手を差し伸べられて、受け入れてくれるキラは大好きです。本当に、抱きしめたいほどに」
「さっきの出会った時の話かな……」
「はい。わかっていただけたようで」
「わりと好き嫌い入り乱れてない？」
「なので、私の情緒はいつも揺さぶられているのです、あなたに」
「喜んでいいのかな、これ」 - 117二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 03:46:26
「と、なると。君が殺されそうになった時、君を守ろうと戦おうとした僕は嫌いだったのかな……」
「いえ……あの時は、ただ愛しているあなたが酷い目にあうことが予測できたから。そんな戦場にあなたを追いやるしかない自分を責めていただけですわ。
たとえボロボロになっていても、私のために立ち上がろうとするあなたを嫌いになるはずがないではないですか。でも、『僕は大丈夫だから。ラクス』と言ったあなたは嫌いです」
「うん……？そんなこと言ったっけ」
「言いましたわ？そして、『このまま、君達のことすら守れず、そんなことになる方がずっと辛い』と言ったあなたは……どうしようもなく、好きです」
「僕のこと覚えてるのもすごいけど、好きと嫌いを行ったり来たりしてるのも凄いね……」
「愛している方が戦場に出て、傷つき続けているのです。こうもなりましょう……」
「……でも、きっと。ラクスに嫌いと言われても、僕はそうするしかないかな」
「知っております。そんなあなたが好きなのです」
「そして、そうした結果、ウジウジしてる僕は？」
「好きですが？」
「んん……？」
「強がって、大丈夫、などと言っているわけではありませんから。
キラが感情に従って行動した結果、それを後悔したり迷ったりするのは、むしろ好ましいと思っております。
常に考えることを辞めない。そして、思ったら、感情のままに行動する。それが私の大好きなキラです」
「そんな大層なことしてるつもりないんだけど」
「そして、その行動の結果自分が傷つくのを厭わないキラは嫌いです。今すぐ抱きしめて私から離れられないようにしたいぐらいに」
「それ嫌いと好きが入り混じってない？」
「だから気分次第なのです。……こう言った方がよろしいでしょうか？私が後押ししたいのが、私が好きなキラ。私が止めたいのが、私が嫌いなキラ。そして、常に私は葛藤しているのです。あなたが戦場に向かうたびに」
「……あ。そっか。母さんも、言ってたな、そんなこと」
「私の葛藤など、お義母様の葛藤に比べれば生ぬるいものではないかと」
「そこを僕は比較したくないかな」
「でも私は比較してしまうのです。あなたの一番になりたいので」 - 118二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 04:03:33
「うーん、結構キツイ話になっちゃったね……手が止まってるよ、ラクス」
「はい……少しあの時のことを思い出してしまって」
「ごめんね？」
「いえ……これも、今が幸いな故の会話ですので」
「そう言ってくれると、僕も幸せだよ」
「はい……」
「……うん。よかった」
「……失礼しましたわ。では少し気楽な話を。キラは私がどんな格好をしていても、良いと言ってくださいます」
「あ、これなんか予想がつくなあ……」
「ご清聴を。あれはおそらく、私がいるがことですでに幸せになってしまっていて、ただ目の前の私を見て、私が好きだから、私を愛しているから、いいのだと言っていることは理解できますわ」
「まあ、どれだけ着飾っても、あるいはどんな見すぼらしい姿でも、裸でも、ラクスだからね」
「そもそもキラは、私がキラに裸体を晒すとき、無造作にさらしていると思うでしょうか」
「えっ」
「全くそんなことはありませんわ。ありとあらゆるところに気を使っております。食事を作っている最中なので、深くは言及しませんが」
「……これ、糾弾されるパターンかな？」
「糾弾ですわ？かのように、乙女というのは常に全力、愛する男性の前に、気張ってその姿を晒しているのです」
「うん、ラクスの見えない努力ってすごいんだね……あまりにも赤裸々な告白ありがとう」
「そう。努力ですわ、キラ。そんな努力に努力を重ね、渾身の姿をあなたに晒した時。あなたがいつも通り『綺麗だね』『かわいいよ』『好きだよ』と言っただけでわたくしは満足できるでしょうか」 - 119二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 04:05:46
「反語だね……？」
「いえ、裸体を晒した時はそういった意味でキラの感情が直に伝わってくるので、まだ良いのです。
着飾ったときにそういう反応をされると……はい。拗ねるぐらいは許されるのではないでしょうか？」
「なるほど。頑張って用意したプレゼントを、すげなく『なにこれ』って言われたみたいなものかな……」
「まさしく。そういうところはキラはいけないと思います。繰り返しますが、キラの感情が直にわかるのであれば、問題ないのです。あなたは私が色々したことについて、様々な反応を持ってくださいます。
なので、それをもっと！わかりやすく！！わたくしに伝えて、私を気持ちよくさせてくださいというお願いですわ？
そうすれば、私ももっとあなたに染まっていくことができますので」
「僕に染められたいんだ……」
「無論。繰り返しますが、夜は存分に気持ちよくしてくれておりますので不満は全くありません。それこそ、ああ、こういう姿がキラは好きなのだな、と。嘘偽りなく伝わってきますので」
「情熱的だね……でも、ラクスが僕のためにそんなに頑張ってくれてる、と思うと本当に幸せになる。
ありがとう、ラクス」
「そういうところですわ？」
「それは好きなのか嫌いなのか、どっちかな……？」 - 120二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 04:25:17
「でも今日は量が多いね」
「キラはストレスがあると露骨に食が細くなるので。食べられるときに食べてほしいのですわ」
「ん……ありがとう」
「いいえ……でも、あまりご飯を食べてくれないときのキラは嫌いですわ」
「うん、ごめんね……」
「私が待っていても、寂しがる私のために帰ってきてくれないキラも嫌いです」
「……だね」
「私のためと言って、戦い続けて、帰ってきてくれないキラも嫌いです……」
「泣かないで。僕が哀しくなるから」
「少しでも、一緒に、いてくださいな……」
「うん」
「人の一生は短すぎます。そして日々の移り変わりは早すぎます。
あなたと会って、幸せになって。あなたと思いを通わせて、幸せになって。離れ離れになりかけたところを、お互いに引き合って愛し合って。
本当にあっという間で……こんな時間もすぐに、終わってしまうのではないかと、不安になるのです……」
「うん……だから、一緒にいよう。少しでも」
「申し訳ございませんわ、わがまま、ばかりで……」
「言ったでしょ？僕はラクスの全てを愛してるって。わがままなラクスも愛してる。だからもっとわがままを言ってよ」
「……」
「ほら。僕らは決めたじゃないか。一緒にいるんだって。形式ばったものも含めて、一緒になろうよって。
だから、もっとわがままを言って。ね、ラクス……遠慮しすぎだよ、君は。もっとこうしたい、ああしたい、って素直に言って？」
「……キラ」
「僕ももっと君の好きな僕になれるよう頑張るからさ」
「これ以上、私があなたを好きになったら、離れられなくなってしまいますわ」
「もう離れられないよ、僕はね。ラクスはまだ、離れる余地があったんだ」
「そんなことを言うキラは嫌いですわ」
「そうだね。僕も、まだ僕から離れられるとか生ぬるいことを言っている君は嫌いかな」
「ではもっと」
「うん、一緒にいよう。一緒にしよう」 - 121二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 04:31:21
「……」
「落ち着いた？」
「はい……お恥ずかしいところを」
「ううん？僕は恥ずかしがるラクスが大好きだから」
「……はい。ではもっと、羞恥に染まった私を見てくださいませ」
「言い方」
「ふふ♪……でも、一緒、ですか。
好きになる。愛するようになる。そうなった瞬間は、私にもわかるのです」
「ん……話の続き？」
「いえ、単純な疑問ですわ。
私は、あなたを好きになった瞬間、愛するようになった瞬間は覚えているのです。
ですが、今のように、あなたとずっと一緒にいよう、と。そう決意した瞬間は、あまり覚えていないのです」
「え？」
「お恥ずかしながら」
「……そんなこと、ある？」
「キラにはわかるのですか？」
「そっか。そういうものなんだね。
じゃあ、ちょっと僕の話を聞いてよ……食事が終わった後でも、いいからさ」 - 122二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 04:32:10
甘すぎて舌がマヒしてきましたが続くなら続きます。
折り返しまできました。多分。ご覧いただきありがとうございます - 123注意書き24/04/21(日) 04:48:14
本格的な閲覧注意要素を後半は突っ込みます。鬱とか胸糞ではなく、裸と裸、R-18に近い意味で。
浮かれポンチじゃなくったって、そういうのは普通にやっているという解釈ですので。
ヤバいと思ったらどこか場所を移して掲載します。
また、今さらですが、解釈違いにはご注意ください。あくまで私の思い込みの産物です。
諸々注意書きが遅れまして申し訳ございませんでした。 - 124二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 04:49:38
あ〜、気になるところで終わった！
気になるところで終わった！！
待ってますよ〜 - 125二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 11:09:33
このレスは削除されています
- 126二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 13:04:08
続き待ってます
- 127二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 13:14:18
凄い解像度だ
「愛の反対は無関心」ってそう掘り下げられるのか
「愛⊃好き、嫌い」であって「愛=好き⇔嫌い」じゃないんだな、ラクスにとって
だから愛があって初めて好きと嫌いが始まる。
一般的な外交関係は「興味を惹く・惹かない」の審査の段階だから、どっちでもない。
嫌いと思えるのも本質的にはキラに対してだけの意味のものがあるんだな。 - 128二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 13:18:26
ラクスだけガンダムじゃなくって恋愛ゲームやってたんだ
- 129二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 17:02:02
触れる。触れていく。彼女の体に。彼女の芯に。
体に触れるたびに、彼女の体がぴくり、ぴくりと動き、それとともに自分の愛撫が彼女に快楽を与えるという行為が自覚できる。
……そして、また彼女は体を震わせながら、黄金色の体液を垂れ流す。
「……本当、お風呂じゃないとできないよね。ここまでは」
「や、あ゛っ、ぁ゛っ……言わないで、ください、ま、せぇ゛っ……♡」
何度目だろうか。彼女の体をくまなく触るのは。次に、彼女と触れ合えるのはいつだろうか。
そう思うと、彼女の蕩け顔をまだ見足りないと、もっと蕩けさせたいと思ってしまう。
きっと、それは……男女として、当然のこと。これが当たり前なのだろう。
「ちが、ちがッ……♡キラ、キラの、これ、おかひっ……ぃぎっ♡まだ、またぁ……ッ♡」
びくり、びくりと体を震わせる彼女を一度休ませる。
そのための風呂場で、そのためのシャワー。
すでにもう慣れたものだ。彼女を片手で抱きながら、体液で汚れた体をインターバルで洗い流していく。
呆けたその顔は、いつ見ても、自分の心を刺激する。この顔をいつでも見ていたい、という心と、ただ、凛とした彼女を崩すことで得られる何かと。そんな欲望のままに、いつだって、彼女を抱いていた。
「や、ぅ……」
繋がりを一度解く。彼女の最奥からそれを引き抜き、再度、彼女と自分の体を洗い流している。
側にあった飲料水を口に含み、彼女の頬を撫でる。
あ、という声とともに、彼女が口を軽く開いて、求める。
口移しで水分を補給するのも、何度目だろうか。こんなことに慣れていく自分はどうなのだろう、と少し思ったが、幸せそうな彼女の顔を見ると、どうでもよくなる。幸せ、というには涙と洟で酷いことになっているが、きっとそれは幸せの証。……証、だよね？
「ねえ、ラクス？」
「……なんれ、ひょうか、キラ……？」
「幸せ？」
「このうえ、ない、ぐらいにぃ……♡」
よかった。 - 130二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 17:08:53
「……やってることは、前もやっていたはずなのにね。なんであんなことになっちゃったのやら、今でもわかんないかなあ」
「ですが、以前に比べて、心はつながっている気はします……」
「そう？なら、いいんだけども」
「あ、髪が濡れてますわ……」
「髪を洗っちゃうと、もう出ないといけないよね」
「……え、まだ、続ける、おつもり、で……？」
「おっと……ごめん。また、君の負担のことを考えるの忘れちゃってた……」
「いえ、この上ない幸いなので、いいのですが……髪を洗って、一度拭いてから続けた方が？」
「前、乾かさずにやり続けちゃって、ラクスの髪すごいことになっちゃったよねぇ……」
「あれは何時間やったのか……」
「4時間ぐらいかなあ。確か、8時に始めて、日付は跨いでたような気がする」
「……今回もすでに3時間ですわ？」
「湯冷めしちゃいそう」
「そのためのお風呂ですわ。プラントと違って、水の使用量を気にする必要がないのはありがたいです」
「だね……じゃあ、体を洗って、一度出ようか」
「はい……」
「……あ、そうだ。夕ご飯の時に言ってた、あの話の続き、しようか？」
「え？」
「そうだね、僕の好きな君の話、とか。どう？」
そんな夫婦のお話。 - 131二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 17:13:56
「や、キラ？少し手が、やらしいですわ……♡」
「ごめん、期待させちゃったかな？」
「い、いえ……ひゃん♡」
「ラクスの肌は、綺麗だよね……どれだけ気合い入れて手入れしてるんだろう？」
「お聞きになりたいですか？」
「あっ目が真剣になった。さすがにいいかな……半日とかかけてる？」
「いきなり正解ですわ」
「……結局さ」
「話を逸らしましたわ？」
「いや、僕もちゃんといろいろ気を付けた方がいいのかなって」
「汗臭いキラがいきなり抱きしめてくれるのもそれはそれで好きなのですが」
「色々君が扉を開いちゃってるのも、それはそれとして。
……結局、君の言葉で言うところの僕の好きな君、というのは目の前にいる君なんだよね」
「まあ……それはまだまだ抱き足りない、と……？」
「期待と恐れを持った目で見ないように。そんなの僕が我慢できない」
「や、え、髪、洗い、終わって、からぁ……♡」
「誘ったのは君だからね？」 - 132二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 17:21:42
「……本当、よくできてるよね、このマット。
これなしでいきなりお風呂場でこういうことやった時のこと思い出すなあ」
「ひ、あ、ひぃ……♡キラはともかく、わたくしは翌日地獄でしたわぁ……」
「ごめんなさい」
「いえ、あれはあれでいい思い出、ですので……」
「……さて、あれ？なんの話してたんだっけ」
「キラが好きな私は、目の前にいる私、という話ですわ」
「ああ、そうそう。結局僕は、特殊な事情でもない限り、戦場にいる時は君のこと考えてないことの方が多いんだよね……たとえ君を思うとしても、昔の君とか、ちょっと前の君とかを思い出す前に、君に会いたいな、って思いが先に来ちゃう」
「でも、わたくしもそうですわ？」
「……うーん。じゃあ違うのかな。それとも、常に新しい君が古い君を上書きするから、一番新しい君を僕は思ってる、とか」
「なるほど……？それでは昔のわたくしには興味がない、と？」
「でも、昔の君があるから、今の君があるわけで」
「ああ……それで全てのわたくしを、愛している、と」
「過去も、今も。そして未来も……とかどうかな？」
「100点満点ですわ？」
「成績優秀者になっちゃったね」
「キラはいつでも私の100点満点です」
「嫌いな僕もいるんじゃないの？」
「減点されても、好きなあなたもすぐ見つかりますし、過去に遡れば誤差ですので」
「採点者の贔屓がひどいね？」 - 133二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 17:30:58
「多分、キラの愛が重すぎるのですわ……？いえ、深すぎる、のでしょうか……？
常に私を意識していただいているあまり、常に今の私を見据えようとしてくださっているというか。
むしろ好きとか嫌いとか言っていたわたくしが妙に恥ずかしくなってきますわ……」
「あんまり定量化できるものでもないと思うけどね、こういうのは。男女の違いもあるんじゃないかな。
むしろ僕は、ちゃんといろんな僕を見てくれてるなあってすごい嬉しかった」
「望外の賛辞ですの。
でも、あなたの嫌いな私もいると思うのです。あ、シャワーお願いいたしますわ」
「はい、どうぞ、ラクス。目はちゃんとつぶってね？」
「はい♡」
「……うーん。今の君でもない。過去の君でもない。
歌姫の君、とか？でも、それも嫌い……というより。どっちかというと」
「……どっちでもないなら？」
「知らない、かな」
「あっ今傷つきましたわ」
「うん、結構辛辣なこと言った気がする」
「無関心、と」
「一応、色々調べはするんだよ？君は君だから。でも……どうも、いろんな君の情報とか。あるいは、昔の動画の中にしかいない君とか。あれ、本当に君なのかなって」
「えっと」
「……ちょっと難しいな。抱きしめさせて」
「や、キラ……まだ、濡れてますわ……？」
「うん、そうだ。ここにいるラクスはラクスなんだよ。でも、情報とか、動画とか、写真とか。そういうラクスとずれがある」
「でも、キラもわたくしの写真を飾ってくださっています」
「あれは基本的に僕がともにいた思い出だから……あの中に、歌姫とか総裁の君はいたかな？
僕は記憶とか記録が欲しいのであって、君の写真だけを集めてるわけじゃないんだ」
「……あ、そういう、ことですのね？」 - 134二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 17:38:18
「どうなんだろうね。知らない、という意味じゃ、クラインという名の下に生まれた君のことはあんまり知らない気がする」
「お父様の娘としての……でしょうか？」
「うん、そうだね。そもそも、僕は酷い話だけど、君のお父さんのことを知らない。
君が色々話してはくれたけど、それも結局、君から出た情報だから」
「……。キラの言うことは難しいですわ？」
「ラクスの言うことも結構難解だと思うけど。僕は思ったことそのままいってるだけだよ、基本的に」
「あら？今わたくし、糾弾されました……？」
「バレちゃった」
「バレバレです。髪、洗い終わったので、もう一度、洗い流してくださいますか、キラ？」
「喜んで」
「……でも。今の私を形作ったのは父の元で育った時間ですわ」
「だよね……だから、今の君を知っていれば十分なのかなって」
「……。なるほど？……なるほど？そうくるのですね……？」
「僕はラクスのファンじゃないからね？そういう情報で君という人を推測する必要はないというか。
まっすぐ君を見つめてればいいかなとか」
「言い訳っぽく聞こえるのですが……」
「だって言い訳だよ。君の全てを知れない、不甲斐ない自分に対する言い訳」
「でも、結局私の好きなキラは、まっすぐ私を見つめてくれているキラですので」
「そんな君が大好きな僕の基本からズレたから、ああなっちゃったんだろうね、多分」 - 135二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 17:47:36
「気持ちいいです……」
「お風呂、いいよね……ぬるめだと長い間入ってられるけど、すぐ冷めちゃうのが」
「私とキラ、二人分の体温で少しは長く入れると思います」
「さすがにお風呂場に長くいすぎだね」
「……もう寝床に行きたいのですか？」
「そういう君の体はもうふにゃんふにゃんだよ？」
「や……♡」
「でも、そっか。
好き。後押ししたい君。応援したい君。あるいは嫌いな君。止めたい君。思い出したくない君。
……あー、そうか。そうだね」
「また考え事ですの？」
「うん。今、ちょっと思った。僕が嫌いな君って、大体僕が嫉妬塗れになるときの君だよ、多分」
「キラが、嫉妬……」
「目を輝かしてるのはなんでかな？」
「愛情で溺れさせてくれるキラも好きですが、私は嫉妬の炎で私を焼き尽くし、染め上げるキラも好きなのです」
「……歪んでない？」
「いえ、普通の女の子の感覚だと思います」
「そっかぁ……女の子、怖いなあ」
「いまさらですか？女性は怖いものですわ、キラ」
「一番身近な女性は君なんだけど」
「なので、私以外の女性には注意してくださいませ」
「普通に自分を外してきたね？」
「私は怖くありませんわ？」
「そうだね……なら、怖い僕は嫌い？」
「いえ……稀に鋭い目で見つめられると、背筋が震えてしまいます。これは……好き、なのだと思います」
「そっかぁ……ラクスの愛は大きいなあ」
「キラの愛は深いですわ」 - 136二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 17:55:57
「……どうかな、ラクス？くすぐったくない？」
「大好きな旦那様に髪を拭いてもらって、体中を拭いてもらって。愛を囁かれて。愛されて。
今私は、世界一幸福な女だと断言できますわ」
「それはよかった」
「それで、先ほどの嫉妬の話ですが」
「あ、あれ言わなきゃだめなんだ」
「嫉妬塗れのあなたも私は大好きですので」
「うーん……。
例えばさ、どうやったって。君がどう思ってたって。仕事だって、さ。
僕は他の男と手を取り合って踊っている君とか絶対好きになれない」
「まあ」
「すごいよね、僕。あの時、凄い目で君を見てたらしいよ？」
「まあ……♡」
「なんでそんな喜んでるの？」
「その嫉妬は独占欲から来るものです……つまり」
「つまり？」
「キラはラクス・クラインを常に自分の隣に置いておきたい、自分だけのものにしたいという欲があるということです」
「……そうだね。間違いない」
「乙女としては至上の悦びですわ」
「今、なんかニュアンスが違った気がするんだけど」
「お気になさらず。もちろん、業務やお近所づきあいに支障がでるようでしたら文句の一つも言うかもしれませんが。
でも、キラはそれを我慢して、今言ってくださったので」
「そりゃ、我慢するよ？でも、さすがに我慢できないこともあると思うよ、多分。今後は、さ」
「では、その時はあなたの心のままに行動してくださいませ」
「止めないんだね」
「止めるかもしれませんが、内心は喜んでいると解釈してくださいませ」
「一生出れない部屋に閉じ込めたりするかもしれないよ？」
「あ……その目、本当に、駄目、ですので……」 - 137二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 18:02:11
「や、あぅ……」
「おかしい。体を洗って拭いたのに、今もまた拭いているとか……」
「今日のキラは色々と箍が外れておりますわ……」
「ごめんね？」
「いえ、大歓迎ですので……」
「他にも、バルトフェルドさんと君が一緒に彼女の歌を歌っていたときは、結構嫉妬したよね」
「あれは、私ではない私の歌を歌っていたから怒ってらしたのでは？」
「それだけじゃないよ。大好きな女の子が、他の男と二人きりで部屋にいるとか。
さすがに僕でも嫉妬する」
「軍隊では、よくあることだったりするのでは……」
「だったとしても、だよ。僕はそんなの知らないし。僕の目の前でも、君と他の誰かが僕の知らない話を知ってたらモヤモヤするのにさ」
「……や、キラ、そんな……」
「できれば、本当に君を僕だけのものにしたい」
「あ……♡」
「でも、それは君の意志に反する。だから……ある程度は我慢してるだけ」
「そんな、あなたの、こころのままに、動いて、いいのですよ……？」
「そうかな？でもそんな僕は嫌いじゃない？」
「いえ、大好きですわ」
「断言したね」
「当然ですわ？」 - 138二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 18:10:27
「昔のアスランとの婚約についてはそういう感情ないけどさ」
「ついにそこに踏み込まれるのですね……」
「別に、昔君がどうしてようと、今君の愛があって、僕が愛してればいいんだから。それは特に。
だって惚れた腫れたなんて、そんなものじゃないかな」
「……アスランだけ別枠ですの？」
「いや、僕はアスランにも嫉妬する」
「えっ」
「僕の知らない君を訳知り顔で彼が話したら、結構イラっとしてるよ？
そこで怒ったら、アスランも怒って収集つかなくなるから黙ってるだけ」
「それはなんとなく理解できます……」
「アスランもきっと、悪気はないんだろうね。
僕の知らない君のことを教えることで、僕がきっと君の役に立てるだろう、とか思ってるんじゃないかな。
その厚意には感謝するけど。それはそれだから」
「……ですわね」
「カガリに言わせれば、軟弱ってところなのかな」
「でも、そういうところが私は好きなので」
「本当にラクスにとっての好きな僕っていうのがよくわかんないなあ、今でも」
「だって、最終的にそれは私の中にいるあなたですので」
「……あ、そういうことか。そういうことかな？」
「え？」
「『私の中にあなたはいます』」
「あ……『あなたの中に、私はいますか？』」
「そういうことだね。きっと、僕の中に、まだ君はいないんだ。だから、目の前の君から必死でそれを得ようとしている」
「……では、存分に私を搾取してくださいまし」
「うん、思う存分、君を取り込むから」 - 139二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 18:11:44
続けられたら続けます。ご覧いただきありがとうございます。
実は基本ベタ打ちで思いついたままに書いていますので、誤字脱字などは勘弁していただけますと幸いです。
こいつらずっといちゃついてる…… - 140二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 18:19:59
女心の教科書がラクスで書ける不思議を目の当たりにさせられてる、って感じですね…
- 141二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 19:07:53
素晴らしい、それ以外に言葉が見つからない
- 142二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 21:08:28
ご自身のペースでいいので続けていただけると嬉しい
- 143二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 00:41:13
ベタ打ちでここまで密度ある文章書けるのすごい
- 144二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 02:10:12
「ああ、ラクスの髪、乾いたね。うん……このほわほわした感じ、好きだな」
「さすがに、髪だけでは……はぁぅ♡」
「誘わない誘わない……大丈夫、腰抜けてるけど」
「……あ……ありがとう、ございます」
「どういたしまして。こういう触れ合い方も、いいかな。
それにしても、今日はいろんなこと、話したね……」
「情熱的に語ってくれるキラは最高でしたわ」
「ラクスが満足してくれてよかった。
でも…うん。言葉っていうのは大事だよね」
「はい、本当に……キラは、迂遠な私の言葉をよく解釈してくれていると思います」
「君は僕の直接的な物言いから逃げることなく、しっかり受け止めてくれる」
「では、私も直接的に。愛しております」
「うん……愛してる。
好きだって思いも、言わないままだったら、それが嘘だったかもしれないと思うようになっちゃう。逆に、たとえ嫌いでも周囲から好きだと言われ続けたら、本当に好きだったのかもしれないと思うようになっちゃう。
ことあるごとに、やっぱり思いは口にしなきゃダメだよね」
「……こればかりは否定させていただきます。人の心はそんなに弱くありません」
「そっか。ラクスは強いよね。でも……言葉は、大事だよ。少なくとも、僕にとっては。
どんな強い決意も、どんな強い思いも、伝えなきゃ、意味がない。だから、言葉がある。アコード……ラクスだってそうでしょ？」
「そう、でしょうか。私は決意があれば、言葉などいらないことも、あるのではないかと」
「じゃあ、あの時、僕の下に、怪我も厭わず飛び込んできてくれたのは、どうして？」
「……わたくしの全てを愛している、と言われたから」
「今日、こんなに僕に君の好きと、嫌いと、愛を語ってくれたのはどうして？」
「あなたに愛されたかったからです」
「うん……たとえ、君が自分の決めた意志に殉じる強い女の子だとしても。あるいは人の考えが読める、って言ったって。伝えなきゃ、気持ちに意味なんてない。
だから、僕は、毎日だって君に僕の気持ちを伝えたい」
「わたくしも、ですわ……」 - 145二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 02:21:05
「どうしよう。ちょっと飲み物、持ってこようか」
「申し訳ございません。もう、動けませんので……」
「いいよ、僕がやりすぎたんだし」
「……」
「そう言って、離さないんだね、手」
「いつも、いつも。気が付いたら、離れ離れになってしまいます。私が望むにしろ、あなたが望むままに動いた結果にしろ。……またあなたがいなくなってしまうのではないかと不安になるのです」
「そうだよね。いつだって、君はその不安に苛まれている。だから、僕を反芻している。だから、好きな僕と嫌いな僕が、明確化できているんだよね」
「そんな複雑な……ものでは、ありませんわ」
「これは理由を後付けしてるだけだよ。行為としてはきっと、僕のことを考えてくれてる、ってだけだから」
「……はい。私の中には、あなたがいます」
「今日は、いろんな君が知れたかな。だから、せっかくだし、一つ僕も、君の問いかけに答えようかな、と思う」
「え？」
「水を取って来たら、君が僕とずっと一緒にいようと……そう、決意した瞬間について、答えようかな。
ほら、夕食のときに、僕に聞いてくれたでしょ？僕の中で、さっき問いかけられた時に、答えは出てたんだ。決定的な瞬間は、実は僕の中にあってね？とはいえ、これはあくまで僕から見た、君の決意の起点だから」
「あなたから見た、わたしの決意の瞬間、ですか……？」
「そう。ラクスの中での決心はその瞬間じゃないかもしれない。
でも、ラクスにとっては、僕から見たそれこそが一番大事なんじゃないかな？自惚れじゃなければ、だけど」
「はい……ぜひ。教えて、くださいな、キラ」 - 146二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 02:36:39
「二人で寝るのも慣れてきたけども」
「はい」
「髪、たまに巻き込んだりしてない？」
「……なので、プラントで買ったベットは大きい物にしたのですね」
「この家じゃ、そんなに大きいのは買えないしね……タオルで巻いて寝たりしたらいいのかな。お団子にするとか」
「キラは長い髪が好きだと言ってくれましたので……」
「好きだけども、君の髪が痛むのはちょっと嫌かなぁ。でもそうか。きっと、寝る時も気合い入れてくれてるんだろうなぁ……」
「……否定はいたしません」
「そこは新しい君の魅力を開発する、ということで。お団子のラクスとか結構似合わない？」
「そういう私を積極的に染め上げようとするキラは素晴らしいと思います」
「今日は結ぶぐらいでいいのかな？できる？」
「はい、慣れておりますので……」
「……うなじ、好きなんだよね」
「やっ……すぐ、そんな……」
「うん……それは嫌だと言いつつ、受け入れてくれる君かな」
「正解ですわ？」
「あ、うん。はい。こういうのは言わない方がいいよね、多分」
「はい……」
「……さて。君が僕と一緒にいると決意した瞬間。何個か候補はあるとして。
最初に僕が気づいたのは、あの時かな？覚えてる？僕が、多分君の前で泣いた時」
「あ……『あなたを見つけて、わたくしは幸せになりました』」
「あとは、泣いた後の僕に、今は捨てたあの指輪を渡してくれた時」
「……『帰ってきてくださいね？わたくしのもとへ……』」
「一つの起点は、ここかもしれない。でも……まだ遠い。僕は、そもそも君が側にいることすらわからなかった。
本当に……このころから、ずっと側にいてくれたのにね」
「はい……あの時、キラは死のうとしていたのでしょう」
「だから、僕もそれに応じられなかった。私はあなたに会えて幸せだった、帰ってきてほしい、なんて。そんな意志を言葉と一緒に伝えられたのに」
「そしてわたくしも。共に死ぬとも、とまでは言えなかったのです」
「そうだね。帰ってきてほしい、だった。まだ……まだ、一緒にいてくれる、とは言ってくれなかったかな」 - 147二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 02:51:00
「二つ目の起点。言葉ではなく、こちらは行動で示してくれたのかな」
「行動、ですか？」
「ずっと僕と一緒にいてくれたよね。コズミック・イラの……71年から、73年の半ばまで」
「そう、です。はい。では、その時が……？」
「そうだね。近い。近いと思う……けど。
僕にとっては、違うかな……側には居てくれたけども、言葉は通じ合っていなかった。
そもそも、僕が君の言葉をどれだけ理解していたかすら、この時期は怪しかった。だから、まだ、正解じゃない。きっと、一緒にいるのが当たり前だった。そんな時期だよね？」
「そもそも、あの時の私は、罪悪感だけで、あなたと一緒にいたのかもしれません。
そんな強い決意など、とても……」
「でも、幸せは感じてくれてたんでしょ？」
「……はい」
「あの時の君の幸せや、僕の幸せを否定するつもりはないよ。
ただ……まだあの頃は、死んだとしても、僕と一緒にいる、とはまだラクスは考えてなかったんじゃないかなって。
一緒にいるのは当たり前。そして、僕を死地に追いやるぐらいなら、自分も死ぬ。
そんな意識はあったと思うし、実際に行動や言葉で示してくれていた。でも……」
「私の中にも、あなたと共に常に一緒にいる、という覚悟は到来していなかった」
「そうだよね」
「……では、その決意の瞬間は、一体……」
「こうしたら、思い出してくれるかな。『ラクス、どうして？』」
「……え……あ。『私の意志は、あなたとともにあります……』？」
「そう。ラクスも気づいたよね？うん。やっぱり言葉にした方が、いいよね。
その上で、自分の意図が汲み取られた時のうれしさは、本当に格別だよ。そう、それだよ。僕にとっての、君の決意の瞬間は、あの時だ」
「『幾久しく、よろしくお願いします』……」 - 148二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 03:00:32
「わたくし、本当に、そのままのことを、言葉通りに、あなたに……」
「伝えてくれていたね。本当、自分のことは気づかないんだから、ラクス」
「……はい。恥じ入るばかりですわ……」
「恥ずかしがる必要も、情けなく思う必要もないよ。これはまさに僕が知っていればいいことだし。
それを、今君に言葉で伝えられたしね」
「はい……」
「あの時、君はあの時……プラウドディフェンダーで、戦場の中心を駆け抜け、僕に会いに来てくれた。
アスランに迷惑をかけてでも、マリューさんに止められても。あるいはコンパス総裁としての立場がありながらも。
君は戦場のど真ん中、僕のところまで来てくれた」
「はい。あの時のわたくしは、どうしても、あなたの側にいたかったのです」
「それだけでも、決意の表明としては十分かもね。だって、それまでは。自分の立場、というものに君は遠慮していた。僕のように、心の赴くまま、動いてなかったんだね」
「……ぁ、あ……」
「……ほら、泣かないで。ううん……違うね。笑ってよ、ラクス」
「はい……」
「あそこまでされて、僕はまだ気づかなかった。鈍いよね。だから『なんで？』なんて言葉が口をついちゃった」
「いえ、聡いキラが、私はそんなことをするはずがない、と思っていたほど、私は立場というものを重要視していたのでしょう……」
「単純に危険すぎる、ということもあったけどね。
でも、それを乗り超えて、君は、自分の意志は僕の傍らにあると。そしてそれだけじゃなく、永久にともにいると。いたいと。そう、僕に懇願してくれたんだ」 - 149二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 03:12:01
「と、まあ。どうかな？答えになっていた？」
「十分すぎますわ……キラの愛で、胸がいっぱいです」
「よかった。ちゃんと君のことは、僕の中にある……まだまだ、足りないかもしれないけど」
「これから、積み上げていけばいいと思います」
「だね……じゃあ、せっかくだし。今日の最後に僕のことも、教えなきゃね」
「え？」
「君は、好きな僕と嫌いな僕に仕分けできるぐらい、僕のことを見て、理解して、思い出してくれてるから、きっと簡単な問題だと思うよ」
「問題……ですか？」
「そう、問題。ちょっとしたクイズだよ。気楽に答えて？」
「少し構えてしまいますわ」
「ううん、そんな大したものじゃないって。二人で布団にくるまりながら、適当に話すのにちょうどいいこと。
きっとね。僕は、君を好きになった時点も、君を愛するようになった時点も、君よりずっと、ずっと後だ」
「……少し、寂しいですけれど。そうです。私の方が、ずっと前から、あなたのことを好きでした」
「うん。ずっと、ラクスは僕のことを見てくれていた。大切に思ってくれていた。
でも……僕は、嫉妬深いし、心が狭い。だから、ラクスよりも、ずっと前に、君と一緒に居たいって。あるいは、君を放したくないって思ってたんだ」
「……そう。確かに、それはそうですわ……」
「じゃあ問題。僕が君とずっと一緒にいたいと、そう思った時。そう気づいた時。そして、それを君に伝えたのは、いつかな？」 - 150二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 03:18:20
「『大丈夫です、キラ。わたくしももう、大丈夫ですから』……」
「『ラクス』」
「『行くべき時なのです。行かせてくださいな、ね？キラ』……ですわね」
「そう。あの後、僕、ひどかったでしょ？」
「いえ……キラは、そういう人ですので」
「少し傷ついたかな、その物言いは」
「でも、それがキラですわ」
「……そう。とはいえ、そんな僕が、君を見失う、なんてことがあったのがあの一件。
教訓だよね。想いは伝えよう。できる限り、一緒にいようって」
「だから、寝物語でも？」
「うん、毎日話したい、かな。嫌？」
「いえ……大歓迎ですわ……」
「……そうだね。もう疲れたよね。それじゃ……電気、消すね？」
「はい、キラ……」
「本当。こんなラクス、僕しか見れないよね……」
「……あなた、にしか……」
「うん。じゃあ、お休み、ラクス。また、明日」
「おやすみ、なさい、ませ……」
～Happy End～ - 151124/04/22(月) 03:28:19
御覧いただきありがとうございました。
なお、途中で書き手について言及いただきました方、削除させていただきました。申し訳ございません。同じことしか書いてないので毎回一発で看破されておりますが、ちょっと序盤の流れとはそぐわない気がしたので、削除させていただきました。
保守していただいた方、削除されても書き手に言及していただいた方、感想をいただいた方も含め、本当にありがとうございました。
今までに書いたものはこちら。>>1で言及する方がいいかな、と思いつつ、伸びなかったら削除しちまうかぐらいの勢いで書いてるので、ご勘弁いただければ……
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あとは適当に落としてください。
こちらに関しては続くネタとかあまり思いついてませんので……
重ねてご覧いただきましたこと、御礼申し上げます。 - 153二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 03:33:26
この分量をベタ書き投稿してる人、そりゃあなたですよね……！
軽いネタみたいなノリで始まったかわいらしいクイズモドキのいちゃつきをSSにしての完走お疲れ様です
ところでキララクの解答を提出とSSが始まる前にありますが、……これ読んだ後に同じだけのトルク引っ張り出すのハードル高いなあ……！？ - 154二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 10:09:18
乙です
目から鱗の良き考察でした
読んでたらもう一回劇場版見たくなったので行ってきます - 155二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 16:02:10
お疲れ様でした
あなたの作品をいつも楽しませてもらっています
ありがとうございます - 156二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 17:03:04
お疲れ様でした。
先生の作品はいつも楽しく読ませてもらってます。
また気が向いたら新作おなしゃす！