【閲注　男女CP】九十九「脹相！　飲みに行こう！」

1二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 20:04:24

これは何かが違った世界
存在しない記憶

「飲みに……？」

「そ　前に天元のとこでちょろっと飲んだけど
　楽しく酔っぱらうって感じでもなかったからさ
　脹相と飲みに行きたいな～って」

「わかった」

「やった～！」ﾑｷﾞｭ

「！　おい！　くっつくな！」

「え～？　つれないねえ」

※お酒は二十歳になってから
※R18要素はありません

>>41

2１24/04/19(金) 20:05:11

「そんじゃさ、高専の大人連中呼ぼっか！」
　五条君…は飲めないんだっけ？　まあ財布になってもらうとして
　硝子ちゃんと、歌姫ちゃんも今東京だって　あと伊地知君…」

「九十九」

「ん？」

「オマエと二人がいい」

「！」

3１24/04/19(金) 20:05:54

「その…人は酔うと様子が変わると聞く」

「ああ…そうだね　脹相が酔うとどうなるか楽しみなんだけど」

「それが……怖い」

「え」

「酔うと自分がどうなるかわからない…

　それで五条たちの前でおかしな事をして…悠仁に迷惑がかからないだろうかと……」

「ああ…そういう…」

4１24/04/19(金) 20:06:29

「だから、行くならまずはオマエと二人がいい」

「よし！　わかった！

　硝子ちゃんと歌姫ちゃんがよく行く居酒屋が近くにあるんだって」

「Here we go!」ｸﾞｲｸﾞｲ

「九十九……ずいぶん楽しそうだな」

「え～？　そう？」

5１24/04/19(金) 20:07:15

──とある居酒屋

<ﾗｯｼｬｰｾｰ

「とりあえず生中２つ　あと枝豆と黒胡椒ベーコンポテサラと、焼き鳥盛り合わせ」

「おい！　勝手に決めるのか？」

「まあまあ　脹相はほとんど初めてなんだからさ

　私がいろいろオススメするから、試してみてよ

　そしたら好きなお酒も見つかるし…まあいろいろ試して酒はイマイチだなって思ったらそれでもいいし

　人の楽しみの一つなんだから　Try it out！」

「そうか…わかった」

6１24/04/19(金) 20:07:56

<生中ｵﾏﾀｾｼﾏｼﾀｰ

「よし！　じゃあ乾杯！」

「…乾杯」

ｶﾞｼｬﾝ　ｸﾞﾋﾞｯ

「ぷはぁーーーー！!　くーーーー！!」

「苦い…　炭酸で飲みづらい…」

7１24/04/19(金) 20:08:44

「あー　ビールはね、ちょっと経験要るから
　飲み続けてるとある日、のどがパカッと開く！」

「のどが？」

「そんで『ビールはのど越しだ』ってわかるから！」

「そうか…のど越し…のどで感じるんだな」ｸﾞﾋﾞｯｸﾞﾋﾞｯ

「……わかるような、わからんような…」

「あっはっは　そんな慌てなくても大丈夫さ」

8１24/04/19(金) 20:09:40

「そういやさ、赤血操術で血中アルコール濃度の調整とかアセトアルデヒドの分解とかできないの？」

「！　できるかも知れないが…やった事がない…」

「じゃあ、今日は禁止！」

「？」

「脹相が酔うとどうなるか見たい～

　それに、自分で酔うとどうなるかわかっておくのは大事だろう？」

「…前半の願望をフォローしているように聞こえるが

　…でも、そうだな　酔ったらどうなるか…」ｸﾞﾋﾞｯｸﾞﾋﾞｯ

「おっ　いい飲みっぷり！」

9１24/04/19(金) 20:10:36

──１時間後

「それでな、それでな　九十九！　壊相は立ち居振る舞いからして優雅で…」

「うん」

「頭もいい　何もかも『スマート』なんだ」

「血塗はな！　無邪気で…遊ぶのが好きで…」

「うん」

「いや、侮るなよ？　子どもっぽく見えるかも知れんが血塗は強い
　特に壊相と組んでやる『朽』なんてな…」

「うん」

10１24/04/19(金) 20:11:19

（しゃべり上戸とは意外だね…）

（それに専ら弟たちの話…）

（こういう話がしたいなら、やっぱり五条君たちいなくて良かったかも…）

「聞いてるか、九十九！」

「聞いてるよ」

11１24/04/19(金) 20:16:09

「悠仁は……知ってるだろう？
　自身の術式こそなかったものの、呪力操作・膂力とも驚異的　まさに鬼神！」

「うん」

「…それに……優しい……呪いの世界に身を置くにしては優しすぎる…くらいだ…」

「…膿爛相たち…下の弟たちも……生まれてさえいれば…きっと……」

「………」ｶﾞｸｯ

「脹相？」

「………みんな……」

「つぶれちゃった……」

12１24/04/19(金) 20:21:11

・・・

「やあ　はじめまして　私は夏油傑」

「俺は真人　よろしくー」

「いきなりだけど　大体状況はわかってるかな？
　『呪い』の時代を創りたくてね……協力してもらえないかな？」

「他にも漏瑚・花御・陀艮って仲間がいてさー　みんな強いんだよ
　いけると思うんだけどなー」

「……弟たちと話がしたい」

13１24/04/19(金) 20:26:43

・・・

「兄さん　ピクニックの準備できたよ」

「兄者～！　はやくはやく！」

「………！！！」

　ﾀﾞｯ　　　　　　　　　　ﾊｯ　　ﾊｧｯ　　　ﾊｧｯ　　　　ｶﾞﾊﾞｯ

「すまん！！　すまない……！　俺のせいで………」

「に、兄さん？」

「兄者？　どうしたんだあ～？」

14１24/04/19(金) 20:32:33

「ほら、焼相たちもびっくりしちゃってるよ」

「！」

「脹相～　パスタできたぜ～」

「！」

「壊相がさ　脹相にパスタ作ってやれって言うから…
　…って何だ？　二人にタックルでもしたのか？」

「ほら　脹相たちの母ちゃんも待ってんだからさ」

「！」

「早く食おーぜ」

「さ　兄さん」

「兄者～！」

15二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 20:34:09

ｗｋｔｋ

16１24/04/19(金) 20:37:14

・・・

「……うっ……うっ………」

「脹相！　脹相！　大丈夫？」

「……あ……ここ…は…？」

「脹相酔いつぶれちゃったから、薨星宮まで戻ってきた
　どうしたの？　そんなに泣いて……悲しい夢でも見たの？」

「……うっ…うっ……」

「……俺は……兄失格だ……」

17１24/04/19(金) 20:42:40

「………」ﾑｷﾞｭ

「！　な、なんだ？」

「どんな夢を見たんだか知らないけど、今日はもうこのまま寝なさい」

「………」

（あったかい……）

ｽｰｽｰ

（……やっぱり、背負いこんじゃってるねえ……）

18１24/04/19(金) 20:47:44

──翌朝

「……ん…」

「あ　脹相　おはよう
　……って　なんで床に正座してるの…？」

「九十九！　すまん！」

「！？　な、なにが？」

「酔ってべらべらしゃべった挙句酔いつぶれ、夢を見て泣く……
　醜態を晒してしまった…
　オマエにも迷惑をかけて……申し訳なかった」

「……脹相　こっち座んなさい」ﾄﾝﾄﾝ

「……？」

19１24/04/19(金) 20:52:50

「あのね　脹相

　まず　脹相はお酒飲むのほとんど初めてだったんだし、

　私が飲ませたようなもんなんだから気に病まなくていい

　私は気にしてない」

「……しかし……情けない

　弟たちのお手本にならねばならないのに……」

「はい、そこ！」

「！？」

20１24/04/19(金) 20:57:50

「君が"お兄ちゃん"として立派であろうとするのは　とても素敵なことなんだけどね
　24時間365日　立派でないといけないの？」

「当たり前だろう！？　俺が兄でない時などない！」

「君は　自分を大切にしなさ過ぎる！」

「……？」

「君だってお酒飲んで少々乱れたっていいし、弟たちのこと　全部一人で背負いこまなくてもいいんだ」

「……」

「君自身の楽しいこと・うれしいことを求めたっていいし、誰かに弱音を吐いたり、頼ったり、甘えたりしていいんだ」

21１24/04/19(金) 21:02:37

「……しかし」

「私は、ゆうべ君が甘えてくれて良かったと思ってるよ」

「あ、甘えてなど…！」

「私とくっついて寝て、落ち着かなかったかい？」

「……」

「君が私にわりと気を許してくれてるって前提で話すけどさ、
　信頼してる人とくっつくと、うれしかったり落ち着いたりする
　手を繋ぐのだって、ハグだってそうだ」

22１24/04/19(金) 21:07:41

「君が一番信頼してる人っていったら、虎杖君かな

　今はちょっと難しくても大人になったら、それこそお酒でも飲めるようになったらさ、

　今ほど気を張らずにいろいろ話したり、頼ったりできるんじゃない？」

「……いや、弟に負担をかけるというのは……想像できない……」

「そう？　

　今でも『お兄ちゃん』かはともかく、しっかり『仲間』だと思ってくれてるし、受け止めてくれると思うけどな」

23１24/04/19(金) 21:12:19

「うーん、その頃には乙骨君とか伏黒君なんかも頼もしくなってると思うんだけどなー

　五条君…はまあ権力はあるし、あの軽やかさがいい時もあるし

　硝子ちゃんは黙って話聴いてくれそうだし

　歌姫ちゃんは親身になってくれそうだし…」

「九十九」

「ん？」

「オマエがいい」

「！」

24１24/04/19(金) 21:18:01

「…オマエの言う通り、俺はオマエを信頼している
　オマエと話すのは気が楽だ
　弱音を吐いたり、頼ったり……その、甘えたり…するとしたら　オマエだと思った」

「やった～！」ﾑｷﾞｭ

「！　おい…」

「ふふ……でもね、脹相
　いろんな人に頼れるようになりなさい
　そうすれば、一人一人にかける迷惑はちょびっとになるから」

「…わかった」

「あ、でも私にはいくらでも甘えてくれていいよ♡」

「九十九」

「？」

「オマエは俺に甘えないのか？」

25１24/04/19(金) 21:24:37

「！　私は……私のことなんて気にしてくれなくても」

「それはおかしい
　俺は子供じゃないし、オマエの弟でもない
　俺が一方的に甘えるというのは筋が通らない」

「……」

「俺では力不足か？
　俺は頼りないのか？」

「…そんなこと言うと、お兄ちゃんに甘えちゃうんだけど」

「どんと来い」

「……じゃあ、キスしていい？」

26１24/04/19(金) 21:29:30

「！　あ、甘えることと口づけに何の関係が…？」

「信頼してる人とくっつく以上に、好きな人とくっつくのはうれしいことなんだよ？」

「す…お、俺をからかってるのか！？」

「こういうとき悪ふざけはしないよ」

「……」

「まあ、ヤだったらしょうがないけどー」ﾌﾞｽｰ

「わかった！　来い！」

「！　じゃ、目瞑って」

「どうだった？」

27１24/04/19(金) 21:35:42

「ど、どうって……やわらかくて…心臓が、こう…

　いや！　俺じゃなくて、オマエがどう思ったかだろう！？」

「とても素敵だった

　一生の思い出だ」

「思い出？」

「だって脹相が、次いつキスさせてくれるかわかんないもーん

　知ってる？

　たった一度の恋だって、たった一度のキスだって

　一生モノの思い出になることがあるんだよ」

「そう…なのか？」

「君もいつか、素敵な恋をしたらわかるさ」

「……」

28１24/04/19(金) 21:42:04

「…わかった！　オマエのしたい時にさせてやる！」

「？　何を？」

「わかるだろ……口づけ…」

「えー！？　いいのー？」

「人前は駄目だ」

「私、そんな常識ない女に見える？」

「ふふ…」

「フッ…」

29１24/04/19(金) 21:48:02

「九十九、オマエとまた飲みに行きたい」

「！」

「飲みながら、オマエにいろいろ教わりたい」

「やった～！」ﾑｷﾞｭ

「………」ｷﾞｭ

「！……」

30１24/04/19(金) 21:53:47

──数年後、とある居酒屋

<ﾗｯｼｬｰｾｰ

脹相「悠仁！　こっちだ」

虎杖「…脹相が俺を呼び出すなんて珍しいよな」

脹相「悪いな！　どうしても今日、会いたかった」

虎杖「…俺の誕生日だから？」

脹相「悠仁に彼女でもいれば譲ったんだがな」

虎杖「誕生日なのになんで刺してくるの？」

脹相「すまん！　そういうつもりでは…」

31１24/04/19(金) 21:58:55

<ｺﾞﾁｭｰﾓﾝ　ｵｷﾏﾘﾃﾞｽｶｰ

脹相「生中を３つ頼む　すまん、３つで合ってる」

虎杖「へ？」

脹相「一緒に乾杯したい人がいてな」

虎杖「？」

<生中ｵﾏﾀｾｼﾏｼﾀｰ

脹相「それじゃ、悠仁の二十歳の誕生日に」

「「乾杯！」」ｶﾞｼｬﾝ

32１24/04/19(金) 22:04:26

五条「脹相～　そろそろいい？」

脹相「ああ、悪かったな」

虎杖「五条先生！」

伏黒「虎杖がチラチラ見てくるから気を遣いましたよ」

虎杖「伏黒！」

釘崎「この演出、ホントに意味あんの？」

虎杖「釘崎！」

33１24/04/19(金) 22:09:21

虎杖「これってなに…？　サプライズ…？」

脹相「すまん、悠仁！　俺がどうしてもオマエと乾杯したかったんだ！」

五条「で、乾杯してから出てきてくれって」

伏黒「３ヶ月前から相談されてな…全部脹相さんの根回しだ」

釘崎「先輩たちと先生たちもそろそろ来るから」

34１24/04/19(金) 22:14:13

虎杖「あー！　それで俺誕生日なのに、誰からも声かけられてないの…？」

伏黒「オマエに彼女でも出来れば、全部水の泡だったんだけどな」

虎杖「なんで誕生日にまた刺されるの？」

釘崎「結局、私たちみんな集まったんだからいいでしょ！　感謝しなさい」

五条「はいはい　そんじゃみんな、飲み物持って～」

脹相「改めまして　悠仁の二十歳の誕生日に！」

「「「「「乾杯！」」」」」ｶﾞｼｬﾝ

虎杖「うう……ありがとう　みんな…」

35１24/04/19(金) 22:20:21

<ﾜｯﾊｯﾊ　ﾜｯﾊｯﾊ

脹相「………」

脹相「九十九、乾杯」

ｶﾞｼｬﾝ