- 1二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:33:15
- 2二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:34:01
うむ…すまねぇ
- 3二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:34:28
ホスト規制
- 4二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:34:48
保守
なんども申し訳ない - 5二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:37:48
保守5
- 6二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:38:22
ホスト規制は悪い文明!
- 7二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:38:40
おや…?と思って確かめたらおわ〜!てなったぜ
- 8二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:39:01
- 9二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:39:25
零細スレの辛いとこ・・・だが私はあきらめない。渋谷事変まで書ききって死滅回遊をアニメで見るんだ・・・!
- 10二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:40:48
- 11二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:58:07
- 12二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 21:58:37
分かるぜダンナ!いいよね
- 13二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 22:25:02
再開します!
>>11 おれが!俺たちが!プリキュアだ!
一年生たちがあれこれと作戦を立てていると偶然五条が通りかかった。
「こらー、君たち何やってんの」
「あ、五条先生」
「ちーっす五条先生」
五条は一年生たちが集まって話し込んでいるのを見てなんだか青春してるなーと思いつつも
「一応言っとくけど、勝手に敵地に乗り込むとかナシだよ。そうなると最悪人質が増えるから」
そう釘を刺した。
「えー!じゃあさじゃあさ!あのちびっ子を助ける算段は付いてるんだよね?ね?」
「もっちろん!こっそり侵入するか、派手に吹き飛ばして助けるか悩んでるとこさ」
「こっそりなら優子もできるけど?」
「ダメ、素手で戦えないでしょ。出力はいいけど持久力がまだまだ。訓練がいる子はお留守番だよ」
五条にぴしゃっと言われて鈴鹿は机に突っ伏した。
- 14二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 22:29:38
さてさてどうなるやら
- 15二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 22:39:41
「えー!じゃあ真希とアタシでこっそり行くのは?」
「忍び込む時点で無理でしょ、あそこ結構セキュリティ固いし。呪詛師がうようよいるんだからダメ!」
「がー!」
机に突っ伏したままうにうにしだした鈴鹿を他所に乙骨は心配そうに五条を見つめていた。
「五条先生、本当に大丈夫ですか?」
「まっかせなさい。僕はなんたって最強だからね」
そう言うと重ねて「勝手なことしないように!」と告げて五条は教室を出た。
「生徒にまで心配されてる・・・何が最強だか」
自嘲気味に呟いて再び五条は思考を巡らせる。時間は過ぎれば過ぎるほど夏油に有利になる。
呪詛師の数が増えれば増えるほどだ。夜蛾は夏油の思惑を阻止すべく人員を募っているが上層部にはもはやハチの巣を突きたくないといわんばかりのものも出てきている。
「今まで違って、どんどんと増えるんだもんな」
実際に五条は近くまで移動して六眼を利用して出入りする人を見ていたが、入るまでは非術師だった人物が夕方には術師になって出てくるなどという馬鹿げた現象が起こっているのを目撃している。
これは今の今まで呪術師の希少性から小規模な集団にならざるを得なかった呪詛師の集団の今までのセオリーを完全に逸脱した厄介極まりない存在になっていた。しかも優子からの情報提供から夏油から知識を得た呪詛師が独自に訓練を積んでいるとの情報も入っている。 - 16二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 23:22:43
今までの呪術師と呪詛師の大きな違いは訓練所レベルの知識の有無と、組織力だ。呪術という奴はとかく訓練が必要だし、前提としての才能もいる。呪力のあるなしはもちろん、術式のあるなしもある。
「それをまるでソシャゲのガチャみたいにやってんだもんな」
不思議な力を授かれる上に教団の幹部になれるかもしれないとくれば応募しない人はいないだろう。
特に宗教なんかに傾倒する人物ならなおさらである。
野心・嫉妬・羨望・・・呪霊が産まれそうな感情が渦巻く教団だがトップが呪霊を操れるのでその点すら有益となる恐ろしい循環だ。
「どっちかを救出できれば・・・けどやっぱ最良は同時だよな」
五条は気が付くとまた例の施設へと足を運んでいた。まったくもって気に入らないが周囲はとてものどかで、公園に近い雰囲気だ。
「あの・・・もしかして五条悟さんですか?」
ギョッとして思わず身構えた五条の前に健康的な女性が立っていた。ジョギングの最中だろうか。
「えっと、そうだけども」
六眼は彼女を呪術師ではないとみている。しかし油断はできない。施設の真ん前だ。監視があってもおかしくない。
「あの、賀樂ちゃんから白髪頭で目隠しをしてる人が居たら渡してほしいって言われたんです」
彼女が言うには住所を教えてもらったが何故かその付近を認識できず諦めて戻ってきたところに容姿が聞いていた話と合致する男性に出会えたとのこと。まったくの偶然である。
「ありがとう」
「いえ、あの子には恩があるんで」
女性はそう言うとそのままジョギングに戻って行った。 - 17二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 23:34:32
今日はここまでにしときます!また明日!
明日はちゃんと保守らねば・・・! - 18二次元好きの匿名さん24/04/19(金) 23:40:06
お疲れ様でした、うむ…
- 19二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 07:11:26
保守
- 20二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 11:26:39
保守
- 21二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 21:11:52
ほ
- 22二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 22:23:14
再開します!
手渡されたのは一通のメモ。中を開くと日付と時間、「祈禱室大部屋」。短く「二人いっしょ」と子供の字で書いてある。
「やるじゃん」
五条はそれを見て二人が同時に同じ場所に居合わせる時間と日時だということを察して笑みを浮かべる。
「祈祷室大部屋・・・調べる必要があるのは間取りか、どうやって抜いたもんかね」
五条はメモをポケットに突っ込むとその場から姿を消した。
「学長、作戦の目標が決まったよ」
「なに?」
「あの子、思ったより強かだ。恩を着せた患者にお願いしてこんなものを」
五条がメモを渡すと夜蛾はそれを受け取って内容に目を通した。そしてふぅっ、と息を吐いた。
「時間が余りないぞ、あの子の努力を無駄にしないためにも確実に二人を救い出す」
「当然、作戦を練りましょう」
二人はお互いに頷くと高専の一室であれこれと話し合う事に。 - 23二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 22:43:17
始まってたぜ
- 24二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 22:57:13
筆が乗らない・・・カフェインキメなきゃ・・・
- 25二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 23:13:48
薬(カフェイン)覚醒ろォォ!!
- 26二次元好きの匿名さん24/04/20(土) 23:47:14
日時が過ぎてしばらく。賀樂はメモの行方を気にしつつも施設の関係者に連れられて祈祷室へと向かう。
「今日はなにするのかな・・・」
賀樂は不安を感じつつもそれ以上に家入に会えることに期待を膨らませていた。逃げられるかはわからない。
自身の中ではっきりとしない葛藤もある。それでもまずは家入に会いたい。会って声を聞きたかった。
「今日は家入お姉ちゃんに会えるのかな」
促されるままに入った部屋には信 者が10人ばかり立っている。そしてその後ろに家入が立っていることに賀樂は気づき、花が咲いたような笑顔を見せた。
「おねえちゃん!」
「賀樂ちゃん・・・!」
家入に抱き着いて笑顔を見せた賀樂に家入も笑顔を見せた。
「感動的だねぇ・・・」
そのすこし離れた場所で夏油はニヤニヤしながら二人が再会したのを見ている。
二人を引き合わせたのは彼にとってちょっとしたガス抜きだった。賀樂には釘を刺してあるし、家入は簡単に抑え込める。
そんな油断が
「すみません教祖様、なにかお届け物だと・・・」
「?そんなもの・・・」
施設管理者の一人が段ボールを抱えてやってきた。大きさの割に足取りが軽い事から重量は無い様だったが・・・
『ウキャーッ!』
「うわっ!?」 - 27二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 00:02:44
突然段ボール箱をぶち破って人形が躍り出た。そして信 者たちの頭を踏んづけて飛び跳ねながら賀樂と家入の前にやってくるとその場でくるくると回り始めた。
「呪骸!あの脳筋が姑息な真似を!」
夏油が呪霊を呼び出そうとした刹那、堰を切ったように段ボールに詰められていた呪骸たちが一斉に起動して施設内で暴れ始めた。
「いつの間に運び込んだんだ・・・、こんな量を!」
「そ、それが施設にいる子供たちへって・・・玩具会社から来た人形が動きだして・・・!」
(施設に送られてきたのは陽動の呪骸、じゃあこちらはなんのための・・・?)
最初は暴れていた呪骸だったが目の前の奴はどういうわけか家入と賀樂の周囲をくるくると回っている。
「まさか・・・」
「そのまさかだ!傑っ!」
施設の天井を吹き飛ばし、呪術界最強の呪術師。五条悟が到着した。呪骸は回っていたが五条が到着すると小さくしぼんで賀樂の腕に収まった。
「随分と勝手な真似してくれたな、傑。児童搾取なんて最近のコンプラうるせーぞ?」
「仕方ないさ、呪術界の未来の為だからね」
「ちっ、ちょっと穏便になったからって万事OKとはいかねえからな」
二人が睨み合う中、賀樂は家入を庇うように魔虚羅を召喚する。 - 28二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 00:27:29
今日はここまでにしときます!また明日!
- 29二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 00:38:12
乙〜
- 30二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 04:56:55
保守
- 31二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 15:31:06
保守
- 32二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 19:21:23
ほ
- 33二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 22:51:25
ぐおぉ、書いてる途中で腹が!更新はするのでもう少しお待ちを!
- 34二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 22:53:03
オッケです!ブリブリしてください
- 35二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 22:55:52
言い方ァ!w
- 36二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 23:18:19
再開します!
「さて、どうしたもんかな」
夏油が五条を前に笑みを浮かべながら周囲を見渡す。
「どうしたもこうしたもあるか、終わりだよ。店じまいだ」
五条の言葉を受けても夏油はまだ笑顔を浮かべたまま五条越しに賀樂の姿を確認する。
「賀樂ちゃん、君は此処の人たちを置いてどこかにいくのかい?」
賀樂はそれを聞いて周囲を見渡す。周囲には信 者たちが教祖の声を聞いて、賀樂に視線を注いでいた。
「うん、帰る」
「言わなくてもいいさ、君はここに・・・えっ?」
賀樂はあっけらかんと答えた。
「・・・なんだって?」
「帰る、お姉ちゃんと高専に帰る」
そう言うと賀樂は家入に抱き着いていやいやと首を振った。
「嫌われたな、傑」
「・・・さすがに子供を言いなりにするには言葉でやるやり方は温かったか。ま・・・仕方ない」
五条と夏油、二人の術式が同時に炸裂した。 - 37二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 23:20:55
ハジマタ
- 38二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 23:37:51
「『術式反転 赫』」
「はっ、室内で使う術じゃないだろ」
室内で派手にぶっ放された五条の術式は壁や天井、果ては床も吹き飛ばして大穴をあちこちに開ける。
「逃げるよ、硝子、賀樂ちゃん」
「はーい」
「はいよ」
もうもうと舞う土埃と崩れる瓦礫。それを踏み越えて三人は天井に開いた穴から飛び出す。五条が振り返ると瓦礫がぞろぞろと形を成しているのが見える。
「付喪躁術か、ほんとに便利だな」
穴からは付喪躁術が発動したのか瓦礫が自ら意志をもったかのように動いて道を作ってくれる。三人は五条の無下限と賀樂の魔虚羅の力を使って常人では追えないスピードで施設をとびだした。
「帳が降りてる、高専の人たちが来てるの?」
「ああ、君たちを迎えに来たんだ」
五条がそう言いながら先に着地を決める。家入と賀樂は魔虚羅に抱えられて、遅れて着地した。
「あー、またブラック勤務に逆戻りか」
「なんかいった?」
「いや、なにも?」
家入はそっぽを向いた。 - 39二次元好きの匿名さん24/04/21(日) 23:41:39
しょうがないね!うん()
- 40二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 00:14:40
「家入さん、それに賀樂ちゃんも無事でよかった・・・家入さん顔色よくなりましたね」
「うん、ぶっちゃけひまだったから」
賀樂を抱っこしながらあっけらかんと答える家入に迎えに来た夏彦と夜蛾は脱力した。
今回は救出に重きを置き、二人を救出した以上は長居は無用だとばかりに五人はそそくさと現場を後にした。
「なんというか、マジで親子みたい」
「そうかな、ま・・・それでもいいんじゃない」
五条がそう茶化したが家入はそのまま肯定したので肩透かしを食らい五条は珍しく驚いた表情をしていた。
賀樂はそれを聞いて嬉しそうに家入の頬に自身の頬を寄せた。
「さてと、じゃあママとお子さんがおうちに帰るまでエスコートをお願いしますよ。学長」
「お前までそんなこと言い出したら困るんだが」
夏彦がそう言って珍しくケタケタ笑っているので夜蛾は呆れたように肩を落とした。しかしその内心、五条を含めて男性陣は二人が無事に戻ってきたことに安堵している。軽口も漏れようものだ。
「さて、このままアイツが素直に引き下がるとは思えない」
「同感です、帳もあるし派手にやりかねない」
走って!と夏彦が言うが早いか呪霊が施設に空いた穴から漏れ出し始めた。 - 41二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 01:15:52
「おいでなすったな」
「どうします?二発目の赫行きます?」
「さすがに中の人に当たっちゃうから厳しいかな」
「んじゃ、肉弾戦でいきますか」
夏彦がそう言うと地面に手を当てる。それと同時に地面を突き破って瀬戸の郎党が数十体同時に出現した。
「君、ホントに準一級?」
「さて、どうでしょうか・・・飛んでるやつお願いしますよ」
夏彦が上を示すと虫のような呪霊が空を飛んで家入たちを追いかけようとしている。 - 42二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 01:16:15
寝落ちしかかってたのでここまでにしときます!また明日!
- 43二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 08:21:52
保守
- 44二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 16:03:03
保守
- 45二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 16:59:16
ほ
- 46二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:37:30
再開します!
「空中か、ま・・・なんとかしますか」
五条は印を組むとそのまま姿を消し、その数秒後に空中に居た数体の呪霊がひき肉になって落ちてきた。
「さて、こっちも張り切っていくかな!」
郎党に対して前進を指示すると彼らは一斉に呪霊に襲い掛かった。
「うーん、結構いい建材使ってるな。こういうのを砕くと良い感じになるんだ」
「ガッデム!」
「ぐふっ!」
脱出を図った夜蛾たちだったが駐車場の手前で呪詛師と信 者の妨害によって足止めを食らっていた。
「硝子!お前たちは先に行け!俺はここで食い止める!」
呪詛師を殴り倒しながら夜蛾は叫ぶ。硝子と賀樂はそれに頷いて答えると魔虚羅に運ばれて一路駐車場へ。
「く、やるじゃん、さすがは一級術師ってか・・・」
「ほう、俺を知っていてかかってくるのか」
呪詛師は起き上がり、ニヤリと笑うと両手でピストルの形をつくって夜蛾に向ける。
「くらいやがれ!」
「ぬっ!」
予め回避動作を取った夜蛾の傍を呪力の塊が掠めた。どうやら銃を撃つイメージで呪力を飛ばしているようだ。 - 47二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:50:34
「へへへ、証拠の残らない飛び道具なんて最高だよ!すげえ!」
夜蛾は走り回りながら飛び来る呪力の塊を避ける。そんな夜蛾を捕まえようと非術師の信 者が追いすがる。
「来るな!危ないぞ!」
「うおお・・・がっ?!」
夜蛾に殴りかかろうとした信 者を呪力攻撃ごと回避すると流れ弾が直撃し、信 者は血を吐きながら吹き飛ばされる。
「避けるなよ!おっさん!どこ飛ぶかわかんねえだろうが!」
「貴ッ様ァ!」
仲間ごと自分を狙う呪詛師に夜蛾は激高する。
「うおっ」
「おらおら!」
「ぐっ!」
信 者から逃げつつ、しかし時には庇いながら夜蛾は戦う。 - 48二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 23:05:10
「おらおら!」
呪詛師は気分よく呪力の塊を飛ばし続ける。夜蛾はそれを躱しつつも頭の中と呪力の感知から決着が近いことを悟る。
「馬鹿な奴だ、仲間の犠牲の方が多いぞ。もう俺に近づく勇気もないだろう」
夜蛾が呆れたように周囲を見渡す。信 者たちが呻きながら何人も倒れており、残った信 者も呪詛師の攻撃の巻き添えを避けようと距離を置いている。
「ぜぇ・・・だから、どうしたってんだ?」
「縛りで威力を嵩増ししていたんだろうが、そもそもの呪力量が乏しいんだな。それなのにそんなに景気よく打ったら呪力なんてすぐに尽きる」
夜蛾は悠然と呪詛師に近づく。呪詛師はそれに驚いて呪力を飛ばそうとしたが代わりに鼻血を流して膝をついた。
「な、あ・・・あれ?」
「ルーキーが粋がるからそうなる、呪術の世界はそう甘いもんじゃないぞ」
夜蛾は拳を振りかぶって
「ガッデム!」
「ぐっはぁ!??」
呪力を籠めて呪詛師を殴り飛ばした。ボールのように吹っ飛んだ呪詛師。さすがにもう立てないだろう。
「傑め、教育者としてはまだまだだ」
上着についた埃を落としつつ夜蛾も駐車場へ向かう。 - 49二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 23:16:49
夜蛾先ほんま渋い
- 50二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 00:00:26
「雑魚ばかりで本命が出てこないな・・・」
夏彦は湧いて出る呪霊の数が減っていること、そして等級も低い雑魚が多いことを不審に思っていた。
「帳の中は携帯使えないし・・・」
「よっと、流石に変だよな。傑が追いかけてこない」
「ですよね」
空の呪霊を全滅させた五条は訝しむ夏彦に同意しつつ隣に着地した。
「あの子は傑の計画に不可欠なはずだ、乙骨と同様に・・・」
「乙骨ってあの例の特級の?」
「そ、二人を合わせれば搦め手でも正攻法でも呪術界を支配できるかもしれない。そうなると最低でもどちらか、願うなら二人同時に手に入れたいはずだ」
郎党は既にほぼほぼ湧いて出た呪霊を制圧している。コンクリートや建材を使用する都合上、夏彦の術式は非術師にも見えてしまう。
「郎党を解除して撤収しますか?」
「んー、いや・・・なんか引っ掛かるんだよなぁ」
夏彦も違和感は感じてはいる。自分のような個人の呪術師にすらしつこくアプローチを続けていたのだ。
金の卵を産む鶏を簡単に手放すはずがない。 - 51二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 00:01:14
今日はここまでにしときます!また明日!
- 52二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 00:19:08
乙!
- 53二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 07:27:42
保守
- 54二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 13:33:03
ほ
- 55二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 22:45:49
保守
- 56二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 22:49:29
再開します!
「どっちか追いかけるべきでは?」
「そうだね、それじゃ僕が行こう」
五条はそう言うと再び印を組んで姿を消した。
「さて、あとは鬼が出るか蛇が出るか・・・」
夏彦は施設を見つめる。
「ここらへんのはずだけど」
「あった、あそこにいるの伊地知じゃない?」
二人は帳を抜けて駐車場に到着。伊地知が車から出て待っているのが見える。二人を確認すると伊地知は安心したような表情でこちらに手を振った。
「お二人とも無事でしたか・・・はぁぁぁ・・・心配しましたよ」
「まだ安心できないよ、追いかけて来てるから」
「ええっ!?」
早く!と急かすと伊地知は慌てて車に乗り込んだ。賀樂が警戒しつつ待っていると夜蛾がやや遅れて到着した。 - 57二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 22:49:43
「すまん、遅れた」
「いえ、それより追手は?」
「呪詛師なら一人は倒した、追いかけてくる様子はなかったが」
「なら帳を上げて逃げるように伝えてください」
家入がそう言うと夜蛾は頷く。そして携帯電話でどこかに通知を送ると帳が上がり始めた。
「補助監督はこれを合図に全員この場から離れるだろう。俺たちも離れるぞ」
「二人は?」
「どちらもそう簡単にやられるタマなじゃない、帳が上がればこちらから連絡もできる」
すくなくとも悟には携帯電話の通知自体をこちらの逃走開始の合図と前もって打ち合わせているしな、と夜蛾は答える。
「それよりも」
「?」
「なんで式神も乗ってる?」
運転席に伊地知、助手席に家入と賀樂。後部座席に夜蛾と魔虚羅が乗っている。 - 58二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 23:06:58
始まってたぜ
- 59二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 23:22:03
「魔虚羅は家族だし・・・」
「そうなのか・・・?」
「学長だってパンダと一緒に車に乗るでしょ」
「それはそうだが・・・」
俺が悪いのか・・・?と夜蛾は内心で思考の迷宮にはまり込んでいた。時折魔虚羅の尻尾部分がびたびたと当たるのでそれも長続きしなかったが。 - 60二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 23:34:43
今日はちょっと体調が良くないので早めに終わっときます。また明日!
明後日は早出だから明日も短くなるかも・・・ - 61二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 00:02:14
乙〜!無理はなさらずに
- 62二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 09:24:43
ほ
- 63二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 13:21:03
ほ
- 64二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 23:18:57
保守
- 65二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 23:21:11
再開します!
伊地知が車を走らせる。夜蛾は車が大通りに出たのを確認すると夏彦と五条にそれぞれワンコールの着信を送った。
逃走開始の合図である。
「お、着信か・・・ってことはもう逃げたみたいだ」
呪霊も出てこなくなり施設は静まり返っている。五条と別れてしばらく経ったため夏彦もそろそろ撤収しようかと思い始めていたころだった。
「まったく相変わらずでたらめだな、もう追いかけるのも無理か」
「やっと出てきたんですか?待ちくたびれましたよ」
施設の玄関から夏油本人がでてきたのである。夏彦は返しかけていた踵を戻して夏油と向かい合った。
「いやぁ、部下たちを宥めるのに骨が折れてね。数はいるもんだから高専と戦争だなんて言い出してさ」
「まああれだけ呪骸なんかを放り込まれれば怒りもするでしょうね」
夏彦が視線を動かすと施設はパッと見ても大規模な修繕が必要なレベルに壊れている。中もそうだろう。
呪骸が大暴れし、オマケに五条が建物の中で術式を使ったのだ、当然だろう。
「こちらとしても君を無傷で返すのはちょっとできない相談なんだ」
「そうですか」
穏やかな言葉と物腰とは裏腹にお互いの呪力が迸る。 - 66二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 23:28:57
始まり
- 67二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 23:43:12
瀬戸の郎党が地面を割って現れると呪霊が夏油の背後から湧きだし、双方が轟音を立ててぶつかる。
「ほう、召喚できる場所に制限があるとはいえ・・・ここまで強力な付喪神を使役できるとはね。」
「取り込めば使いたい放題のあなたほどじゃない」
便利なもんだ、と夏油が呟くのに夏彦はそう返しながらお互いに数と数のぶつかり合いが続く。
「そろそろこっちから仕掛けますよ!」
「ほう、お手並み拝見だ」
夏彦は懐から巻物のように丸めた布の端を持ってすらっと広げた。
(巻物・・・いや、布か?針が刺さって・・・?)
均等に待ち針を打ったように針が留めてある。それに夏彦が呪力を籠めると
「!・・・なるほど、飛び道具か」
針がまるで矢のように飛び出し、防御用に夏油の呼び出した呪霊に突き刺さった。
小さな針といえど呪力が籠っている。呪霊はそのまま爆散し、宙を舞った針はそのまま再び意思を持っているかのように夏油目掛けて飛び掛かった。
「針も付喪神か、まったく応用力の高い術式だな」
夏油は呪力を籠めて針を叩き落す。帯びた呪力の量で術式が解けるのか、それとも破壊の度合いが高くなったからか叩き落とした針は再び浮き上がることはなかった。 - 68二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 23:51:38
すいませんが今日もここまでにしときます、また明日!
- 69二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 00:49:06
乙!最初安価で決めた呪具かと思ったぜ
- 70二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 00:54:11
荒棘か
- 71二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 06:48:53
ほ
- 72二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 07:56:53
保守
- 73二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 13:15:56
ほ
- 74二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 18:57:18
保守
- 75二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 22:55:56
再開したい!
「針か、呪霊にはいいがちょっと人間には威力が足りないね」
「ですね」
周囲では郎党と呪霊が激しい戦いを続けている。夏彦は針を飛ばし切った布をくるくると腕に巻くとボクサーのバンテージのようにして拳を固める。
「やっぱり呪術師はこれじゃないと」
「君もわかってきた感じだね」
夏油も呪霊の口から游雲を取り出してにっかりと笑みを浮かべた。
おたがいが瞬時に距離を詰め、拳と呪具が交差する。
≪ズズ・・・ン≫
「揺れたわね」
「ラルゥ!このへんてこなぬいぐるみ、やっと大人しくなったー」
「お疲れさま、傑ちゃんがここを引き払うから引っ越しの準備してっていってたわ」
「えー、此処結構気に入ってたのに」
「しょうがないでしょう、高専の連中にバレちゃったんだから」
ラルゥは信 者たちと呪詛師、それに人工呪術師たちに指示を飛ばして夜逃げの準備を始める。夏油が関わっているのがバレた以上ここにはいられない。どのみち賀樂を失った時点で金銭を稼ぐ手段もなくなったのでここにはいられないだろう。 - 76二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 23:01:31
再開どうぞ!
- 77二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 23:02:38
暴力はいいぞ(術師並み感)
- 78二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 23:46:54
「んで・・・逃げられたと」
「そうですね・・・いてて」
数時間後、半壊した施設の玄関前の階段に腰掛けてぼーっとしていた夏彦を見つけて五条は事情を聞いた。
「あっちも目的は時間稼ぎだったんでしょう。相手がとんずらする直前に急に大きな手に足を取られて・・・呪具で思いっきり殴られました」
「残穢が残る勢いで殴られたのによくもまあ無事だったね」
「無事なもんですか、意識が飛ぶかと」
アバラもちょっと、といいつつ立ち上がって服の埃を払っている姿をみて五条は呆れた。夏油に呪具で殴られたのだろうが本人は少なくとも表情には出ない程度のダメージだ。
「瓦礫の中に頭から突っ込んで、床が抜けて地下まで落ちて・・・落ちたついでに施設を見て回りましたが関係者はきれいさっぱり逃げた後です。残穢も施設を出てすぐに途切れてた」
「君の体って鉄かなにかで出来てるの?」
「????・・・それより賀樂ちゃんたちは無事です?」
「ああ、今は高専に帰ってきてる。ケガした呪術師達を治療するのに大忙しだ」
五条は帰って早々に仕事が舞い込んできた家入の表情を思い出して肩をすくめた。
『やっぱ今からでも夏油のとこにいこうかな・・・もしくはこの子と海外とか・・・?』
要治療の患者の数を見てそうつぶやいたのを五条は聞こえないふりをして此処に舞い戻った。
ぶっちゃけ賀樂と家入の能力を金稼ぎに使って闇医者でもやれば余裕で生きていけるだろうし。 - 79夏彦くん?24/04/25(木) 23:58:06
⁇⁇⁇
- 80二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 23:58:42
アイアン夏彦
- 81二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 00:43:09
この年、呪霊の目撃例はこの日以降、激減する。そしてその年の12月24日。
未曾有の呪術テロ「百鬼夜行」が引き起こされる。
多数の呪詛師を含めたこの大規模な呪術テロは近代呪術界において類を見ない呪術師と呪詛師のぶつかり合いでもあった・・・。
「はー、あっつ・・・ちょー暑いね」
「言われなくてもわかってるっての」
「早いとこ涼もうぜ」
「こんぶ」
「日差しがキツイ・・・」
事件から数日が経ち、高専はまたいつも通りの日常が戻ってきた。家入のクマは消えたが激務は相変わらずである。
「呪詛師の動向は相変わらずか」
「アイツの広げたネットワークはどうにも広いみたいですよ。呪術師が現場に急行したらもう呪霊も犠牲者もいなくなってたなんて話もある」
「賀樂を利用して得た金とコネは計り知れん・・・上層部はあの子を乙骨と並ぶ『特級』の括りに入れようとしているらしいぞ」
まさか、と言いかけて五条は頭を掻いた。単独での国家転覆が可能なレベルの能力を持つ呪術師や呪詛師がその等級に仕分けされるわけだが・・・。
「あの子の場合、呪術界をぶっ壊すという意味では国家転覆もできるって感じでしょうね」
「悪用もされたばかりだからな・・・それに、戦闘能力も年齢と不相応だ」
十種影法術の奥義をどういったわけか10歳の子供が使用できている。これが異常であることは議論の余地はない。
最強の式神を従え、死者蘇生を可能とするレベルの反転術式とそれを可能とする呪力。蘇生された非術師の脳を書き換え、呪術師へと変えてしまう能力。
「列挙すると改めてとんでもない」
「そこは同意です」
天元の結界をすり抜ける過程で彼女は結界術にも興味を持ち、資料をひっくり返している。
一時期はだっこちゃんのように家入にくっついていたがほとぼりも冷めてまた高専内をうろうろしていたりもする。 - 82二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 01:01:51
今日はここまでにしときます!また明日!
- 83二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 02:16:08
乙
- 84二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 07:59:01
ほ
- 85二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 13:47:15
ほ
- 86二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 22:48:06
再開願います!
時折グラウンドにも現れては魔虚羅をけしかけてパンダや乙骨を追い回している。
里香が出てくるので止めて欲しいところである。
「真希姉ちゃん、だっこ」
「お前な、今トレーニング中なんだが」
「負荷になるよ」
「軽すぎて負荷になんねーよ」
「じゃあ魔虚羅も背負う?」
「潰れるわ」
片手で腕立てをしている真希に賀樂はだっこを要求する。会話しつつも腕立ては続き、賀樂はその上に乗ってバランスを取って遊んでいた。
「真希ーっ!賀樂をとめてくれーっ」
「ぎゃーっ!里香ちゃんだめだって!」
そこから少し離れた場所では里香と魔虚羅が取っ組み合いを始めている。
『憂太をいじめるなーっ!』
『ウーッ!』
「平和だなぁ」
「どこがだ悟」
夜蛾は五条ののほほんとした態度に少しイラっとした。 - 87二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 23:24:45
うーん、なんかスランプ
- 88二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 23:53:48
ちょっと原作の死滅回遊の最初らへんを勉強してインスピレーションを得るか・・・
そろそろなんかネタ詰まり・・・ - 89二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 23:59:33
- 90二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 00:00:09
私めは十分楽しんでおります
- 91二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 00:10:24
- 92二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 00:21:24
今日はこれでおしまいにしときます、また明日!
五条は夜蛾が不安視していた夏油の事を他所に現状をやや楽観視していた。乙骨も順調に成長しているし、賀樂がトレーニングに出没するようになってからは魔虚羅という最強の式神を相手どっての訓練もできる。
賀樂のおかげで死人もかなり減った。そして夏油の一件からあぶれた人工呪術師が高専の保護下に入り、呪術師の卵として訓練を積んでいたりと人材にも恵まれつつある。
『死人はどこまで助けられる?』
『うーん・・・うまく言えないけど・・・触れた時に感じるの』
『感じる?』
『うん、なんだか不思議なんだけど・・・その人の中になにかがある感じがするの。それに触れることができる状態だと反転術式で体を治せば蘇生できる』
五条はそんな賀樂との会話を思い出していた。
(魂の知覚ってやつかね・・・呪力ともちがう。生と死をともに多く見つめたからこそできることなのか)
高専のメンバーが増えるかもという期待と賀樂の持つ能力がもたらした恩恵に五条はなんとなく複雑な気持ちだった。
傑が高専にいる時に彼女が居ればもしかしたら傑は。なによりも理子ちゃんは。
天元との同化がうやむやになって、それでも大丈夫だった今となってはそれが時折五条の頭に浮かぶ。 - 93二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 06:21:56
乙〜
- 94二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 08:56:34
ほしゅ
- 95二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 18:46:56
ほ
- 96二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 21:20:08
ほ
- 97二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 22:43:25
再開します!
五条が任務に勤しみつつ高専で生徒達を見守る中、賀樂が彼の袖を引いていることに気付いた。
「あれ、硝子のとこいかなくていいの?」
「うん・・・ちょっと相談」
そんな風に言うのである。ついつい先生の部分が顔を出して五条は賀樂の悩みの相談に乗ることにした。
「で、相談ってなに?」
「えっとね、領域を展開したいの」
「んぶっ!」
飲んでいたジュースを噴き出しそうになりながら五条は賀樂を見つめる。
「げっほ!ごほ!・・・マジ?」
「結界術をべんきょうしてたら・・・なんとなく」
「いいかい、領域ってのは術式の奥義で・・・」
五条が賀樂に話しかけている最中、賀樂は立ち上がって掌印を結んだ。
「こうやって・・・『領域展開』」
文殊菩薩の掌印を結んで賀樂は真っ直ぐに五条を見つめた。双眸は二人が初めて出会ったあの時のように真っ黒に染まり、あふれ出した影が涙のように零れ落ちては地面を黒く染めていく。
『歯車涙涙目目連』
五条を取り囲むように展開された領域は真っ黒な空間にガコン、ガコン、と大きな歯車が動くような音が響いている。
「次から次へと・・・話題に事欠かないね」 - 98二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 22:48:24
賀樂は五条を領域へと閉じ込めると自身の手足を確認しながら五条の傍へとやってくる。
「どうかな」
「マジでこれできてるね、領域もちゃんと閉じてるし・・・で、これは何の効果?」
「方陣がたくさんあるよ」
賀樂が空間を指さすと空間に裂け目ができ、目のように開いた。瞳の代わりに方陣を備えた目は五条を見つけると観察するように方陣の位置をずらした。
(方陣は事象への適応が特性だ、これもそうなんだろうが・・・)
「攻撃とかしないの?」
「・・・しないよ?」
きょとんとする賀樂に五条は頭を掻いてから言い方を考える。
「そうじゃなくて、この領域はだいたい『必殺』『必中』が付与されるものだ。君の術式は十種影法術でしょ?影で攻撃するとか・・・」
「魔虚羅以外呼べないからできない・・・」
困ったように項垂れる賀樂。 - 99二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 23:16:02
始まってたぜ
- 100二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 23:27:39
「・・・となると補助の能力か・・・方陣を利用してるのか・・・?」
五条が目隠しをずらして方陣を見つめると。
『ギィ・・・ガコンッ』『ギギギ・・・ガコンッ』
「?・・・急に回りだした」
「適応?」
「何が何やら・・・?」
そう思いつつ五条は方陣を見つめていたが・・・徐々に六眼によってもたらされる情報が減り始めたことに気付いた。
「?・・・見えなくなった?」
「適応したの?」
「六眼で見えにくくなってきたね。これが方陣の目の効果か」
五条は目隠しを戻して周囲を見ると目が時間と共に増えていることに気付いた。
「なるほど、これが領域の効果か。方陣の数を増やして適応速度を上げる・・・シンプルだけど強力だ」
「おー・・・」
「?・・・そろそろ呪力がヤバいね。領域を解いた方がいい」
五条がそう言うと賀樂はふらつきながら頷くと術式を停止させて領域を閉じた。
「完成度はまだ高くないけど磨けばいくらでも光る、凄い領域だと思うよ」
「そうかな・・・嬉しい」
笑顔を見せたが同時に鼻血も出た。 - 101二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 23:30:22
今日はここまでにしときます!明日は早出だぁ・・・
- 102二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 23:49:13
乙〜!
- 103二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 07:03:54
ほ
- 104二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 12:16:16
保守
- 105二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 17:26:59
ほ
- 106二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 22:03:03
再開します!
五条は鼻血を出した賀樂を家入のところに連れて行った。そして
「ねえ硝子、なんで僕正座させられてるの?」
「鼻血出すまで無理させたから」
「えー!?」
「あと、今日はこの子も仕事だったのよ。なのに術式焼けて鼻血出してる」
「それで?」
「つまり私の仕事がすげー増える」
八つ当たりじゃん!と抗議する五条を他所に家入はカルテと今日来る患者を照らし合わせ始めた。
「足がしびれる・・・」
「あしつんつん」
「やめっやめなさい!このちびっ子!」
額に冷えピタを貼られた賀樂が五条の足を突く。悶える五条を見て家入は黒い笑みを浮かべながら仕事をしていた。 - 107二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 23:03:54
結局五条も仕事があるので途中で退出し、賀樂は呪力の回復を待ちながらソファでごろごろしていた。
「やっはろー、御用?」
「あ、鈴鹿姉ちゃんだ」
「よっすちびっ子、今日はなんか元気なさげ?」
医務室に入ってきたのは呼ばれてきた鈴鹿。賀樂の代打で彼女も反転術式に近い事ができるため呼ばれたのだ。
「うーん、呪力つかいすぎたの」
「マジ、そういやゴジョセンが領域がどうこう言ってたね。それ関係?」
「うん、展開したせいで呪力がからから、術式は焼き切れてる」
「え、じゃあ魔虚羅もいないの?」
「いや、先に出してたから居るよ」
術式で呼び出すはずの魔虚羅がいるということに鈴鹿は頭に?を浮かべたが鈴鹿にとってそれはどうでもいいことだったので気にせず仕事を手伝うことに。
「ま、詳しくはしらないけどさ、それなら私の術式がうってつけかもね」
鈴鹿は幣束のついた乳切木を構えて呪力を乳切木の先端と口に集める。 - 108二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 23:07:50
ふむふむ
- 109二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 23:21:35
『元気出してこう!頑張れるよ!』
マイクに歌うように音を重ねて声を上げると周囲に鈴鹿の声と呪力が伝播する。
「おお、なんか・・・元気でる・・・」
「痛みが少しずつ消える・・・」
「ふぅむ、これはこれで有用な術式だね。ちょっと出力弱いけど」
治療の順番待ちだった待合室に流れた鈴鹿の呪力は伝播した人間の傷と呪力の枯渇をわずかずつではあるが回復していく。呪霊に対しては攻撃となり、呪術師や人間には回復手段となる攻防一体の鈴鹿の術式は謎が多いものの、最近は楽器を扱う術式や神楽を舞う術式の延長ではないかと考えられている。
「これマジでアタシの声が直で聞こえる距離じゃないと弱いんだよね。一曲くらい歌えたら十分出力上がるんだけどカロリー消費半端ないって言うか・・・」
「反転術式込みって考えるとやっぱそうなるんだね、まあ私も回復してるし悪くはないんだけど」
アウトプットを含めた反転術式が単体に作用するのに対して鈴鹿の術式『言祝』は音という呪力が伝播する範囲なら少なからず作用するため出力さえ上げられればとても有用だ。
「テンションとコンディションと術式使用の時間、これがどうしても反転術式に使うにはネックだね」
それでも止血くらいなら一言か二言で範囲を絞れば可能だ。しかしそれでは呪力の消費などなどで効率がどうしても悪くなる。
「そそ体力はともかく呪力は一曲謳ってフルパワーなのと一言二言でよわよわでも同じってのが辛いとこ」
家入の言葉に補足を入れつつ鈴鹿は頭の中でお気に入りの曲を思い出しつつ呪力を巡らせる。 - 110二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 23:40:37
めちゃ呪術っぽいよね歌って卑弥呼時代より前からあるから…それこそ神話から
- 111二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 23:52:14
たぶん釘崎とかと同じでかなり保守派からウケがいい術式だとおもいますね
- 112二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 00:10:36
『♪~♪♪♪~』
再び鈴鹿が声と呪力を歌に乗せて伝播させていく。歌が鈴鹿の中で盛り上がればそれだけ効果が高くなるらしい。
「!・・・確かにこれは時間と手間を掛けるだけの効果はあるかも」
「術式が戻る感じする」
歌姫の術式は神楽などの過程を省略しないことで120%の出力で術式を使用できる。楽巌寺の術式のように楽器の演奏が上達することで術式に影響するなど・・・鈴鹿はそれらの知識から歌に乗せて術式を伝播させることで出力と効果をあげられるのではと考え、それを実践したところそれは正しかった。
「『♪♪~』・・・センキュー!」
テンションまで上がったのか歌いきって手を上げた鈴鹿。最後のセンキューまで術式と呪力は乗っている。
最後の言葉で賀樂は焼き切れた術式は戻り、呪力の半分を回復した。 - 113二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 00:56:48
今日はここまでにしときます!また明日!
- 114二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 03:26:00
乙ー
- 115二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 09:48:22
ほ
- 116二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 18:50:38
ほ
- 117二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 21:43:29
再・・・開!
「おー、これなら治療もできるよ」
「マジ?それならアタシ帰っていい?」
「なんで?」
「真希ちゃんと買い物行きたい」
「真希姉ちゃんなら夏彦兄ちゃんと任務だから居ないよ」
賀樂の一言に鈴鹿は盛大にこけた。
「そういや朝から見てなかったー・・・!」
「喧しい、帰りたいなら帰っていいけど?」
「そうする、たまには一人で買い物に行くかぁ・・・」
それで昨日機嫌よかったのかー!と騒ぎながら鈴鹿はさっさといなくなってしまった。
「スピーカーがいなくなった」
「ぷっ、確かにね」
元々怪我人だらけの医務室にそぐわない元気な奴だったのでいなくなった途端に周囲に静寂が戻った。 - 118二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 22:11:42
キタキタ
- 119二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 22:37:46
賀樂と家入は日常の業務をこなし、夏は過ぎていく。人々は怪しい宗教団体のことも、夏油傑の暗躍も過去のものとし始めていた。
「そろそろ涼しくなってきたね」
「うん」
「あー・・・こんなときは熱燗かな」
「出かけてこようか?」
飲みに行きたい、と家入は零した。それに賀樂が答えると家入はくすくすと笑う。
「気が利くね、でもアテはあるの?」
「真希姉ちゃんがお休みだからそっち行く」
「真希か、私からも連絡入れとく」
家入はそう言うとカルテを束ねて立ち上がる。部屋を出る際に賀樂の頭を撫でて「なにかあったら連絡はしてね」と言い含めて医務室を出ていった。
(一応、夕方まではここでのんびりして・・・あとはどうしようかな」
医務室にはテレビと、いつの間にかゲーム機などが増えていた。五条が面白がって持ち込んだもの、鈴鹿や狗巻たちが持ち込んだものなど様々で時折皆が遊びにくる。 - 120二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 23:09:19
呪術には珍しく女子っぽいだと…
- 121二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 23:23:32
賀樂はしばらく時間を潰した後、緊急時の電話を家入か学長に直通で繋がる固定電話のスイッチをオンにして自身も医務室を後にした。
「真希姉ちゃー・・・ん?」
部屋に行くとなにやら焦げ臭い。部屋を開けるとその匂いの元が見えた。
「あーくそ、焦げた・・・ん?ああ、賀樂か、わりぃけど魚は焦げたぞ」
「・・・真希姉ちゃん料理下手?」
「聞くな、見りゃわかんだろ」
真希なりに何かしようと思ったのだろうか。夕食の準備を試みた形跡がある。
「見た感じ西京焼き?焦げやすいのに火が全開だた感じがする」
「強火なら時短だろ?」
まさかの理屈が飛び出し賀樂は呆れた。自身もそれほど料理を嗜んでいるわけではないが真希はちょっと雑だった。
「白みそは甘い、甘いものは大抵砂糖が入ってる。砂糖や味醂は焦げやすい。以上」
「マジかよ、知らなかったぜ」
「自炊できないと夏彦兄ちゃんに呆れられるよ?」
「ぐっ・・・」
実際、一人暮らしの長い夏彦と途中まで扱いは良くなかったとはいえ実家暮らしの真希では調理スキルに開きがあった。真依も実のところ真希と似たりよったりな面があるがあちらは夏彦が傍に居る分危機感を感じているため、練習はしている。進捗は芳しくないが。 - 122二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 23:39:05
「魚はいいから他は何かある?」
「ささみかな、あとプロテイン」
「プロテインはいらない」
冷蔵庫と棚を漁るとささみが手に入った。プロテインは棚に戻す。
「えっと・・・味噌とかないの?」
「ないが?」
「普段何食べて生きてるの?プロテイン?」
「さすがにプロテインじゃ生きてはいねえよ」
賀樂は襷をぐるぐるとかけるとささみに包丁で切れ込みをいれて塩コショウ。医務室から魔虚羅を走らせて味噌チューブ(家入の晩酌用の出汁入りみそ)を使用して二人分の味噌汁を作る。具は乾燥わかめと玉ねぎ。
「ささみをオリーブオイルと鷹の爪(五条が悪ふざけで持ち込んだ悪戯用)を熱したフライパンで炒める」
「お、美味そう」
「火が通ったら完成」
味噌汁とささみのガーリック炒め。あと何か一つ欲しいが・・・。
「何かある?」
「あとはパンダが持ってきた魚肉ソーセージ」
「卵とかないの?」
「あー・・・あった、いけるかなこれ」
「なにかあったら反転術式で・・・」
卵焼きを追加。 - 123二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 23:46:09
- 124二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 23:46:45
まず家でなきゃ…
- 125二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 23:58:22
>>123 真希はジャンク系が好きですからねw真依ちゃんはともかく真希ちゃんは完全に私生活では養われるタイプ。
出来上がった夕食を二人で突きつつ、賀樂はふと思った疑問を真希にぶつけた。
「そういえばどうして西京焼きなんかつくってたの?」
「あー、そういやあれそんな名前だったか。完成してないからわかんなかった」
「西京焼きくらい知ってると思ってた・・・」
和食は賀樂はちょっと詳しい。五条と家入がこぞって食べさせるからである。基本的に賀樂にはみんな食べさせたがるのである。
「でもそれじゃあれはどうやって作ったの?」
「んー?ああ、そりゃ夏彦からもらって・・・」
賀樂はふと嫌な予感がし、魔虚羅がゴミ箱を覗くと賀樂が食べた事のある店の名前が出てきた。
「値段の書いてないお寿司屋さんで扱われるような魚だ・・・」
「そうなのか?」
「まあ、そもそも夏彦兄ちゃんが安物を真希姉ちゃんにあげるわけはないんだけど・・・」
一切れ何千円の西京焼きは真希の手によって炭になっていた。賀樂は脱力した。
- 126二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 00:23:34
今日はここまでにしときます!また明日!
- 127二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 00:50:25
おつー
- 128二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 08:12:55
ほ
- 129二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 16:13:09
保守
- 130二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 20:26:06
ほ
- 131二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 22:26:45
炭職人真希の朝は遅い…
- 132二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 22:39:43
再開します!
「ちゃんと食べてあげてほしかった・・・」
賀樂の頭に困ったように笑う夏彦の顔が浮かぶ。顔にこそ出さないががっかりはするだろう。
まさか良家の子女といっても差し支えない真希が魚一つ焼けないなどと誰が思うだろうか。
上手く焼けなくとも炭には普通はしない。しないのだ真希。
「焼き肉とかでいいじゃん」
「夏彦兄ちゃんの前で絶対言っちゃだめだよ?」
「お、おう」
真希は何か言いたげだったが魔虚羅と賀樂が凄い圧力だったので黙った。
「御馳走様」
「いやぁ、魚が炭になったときはどうしようかと思ったがなんとかなったな」
「なんとかしたのは私なんだけど・・・」
「まあまあ、あとは風呂入って寝るだけだろ?細かいこと気にすんな」
へらへらしている真希に賀樂は溜息をつきながら真希と共にお風呂セットと着替えをもって共用のシャワー室へ。 - 133二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 23:04:57
「今は女子の時間だ、さっさと洗って出るぞ」
あんまり遅くなると男が来るからな、と真希が言う。銭湯のそれよりかなり簡素な作りのシャワー室。
一応湯舟もあるが時間帯次第ではもうすでに温くなり始めている。
「しかし着物なんかよく着れるな、めんどくさくないか?」
「慣れたからなんともないかな・・・薄着はなんだか落ち着かないし」
帯を解いて籠に入れる賀樂。真希はシャツにズボンのラフな姿なので脱ぐのも着るのも早い。
「先行ってるぞ」
真希は豪快に首にタオルを巻いて歩いて行った。賀樂も着物を籠に全て入れて浴場へ行こうとした時だった。
『はー、疲れた。今日はホント災難だったね』
『おかか』
『さすがにこれはパンダもシャワーな気分だ』
外からなにやらにぎやかな声が聞こえてきた。 - 134二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 23:17:08
「およよ?!」
男衆の声である。真希が時間を誤ったのだろうか。そんなことよりも今は自分も一糸まとわぬ状態だ。
「魔虚羅!」
魔虚羅は賀樂の呼びかけに応じて出現するとそのまま入口へと歩いていく。
「汗が渇くとほんと辛いね、べたべただよ」
「こんぶ」
「そうでなくても今日は埃っぽいとこ歩いたからな・・・白い毛が灰色だぜ!」
乙骨が意気揚々と引き戸を開けた瞬間。
「早くシャワーを・・・」
「・・・」
魔虚羅と対面した乙骨はぴしゃっと引き戸を締めた。 - 135二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 23:32:38
しゃーない誰でもそうする
- 136二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 23:40:31
「どうした憂太!?」
「しゃけ?」
「なんか・・・白いムキムキが・・・」
凄く渋い顔をしながら乙骨が言うと二人は首を傾げた。
「何を言ってるんだ・・・」
パンダが同様に引き戸を開ける。すると魔虚羅がちょうどよくパンダと目線が合う位置に顔の高さを調節していた。
パンダも引き戸を締めた。
「今日は・・・やめといた方がいいのかもしれないな」
「高菜ァ?!」
狗巻が納得いかないといった風で引き戸を開ける。
「・・・」
「つなまよ・・・」
狗巻も引き戸を閉めた。そして三人は頭を抱えた。 - 137二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 23:45:30
今日はここまでにしときます!
果たして男三人・・・覗くのか?! 乞うご期待。 - 138二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 00:07:53
やるやろなぁ…乙!
- 139二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 07:07:47
ほ
- 140二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 16:00:25
保守
- 141二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 22:59:26
さて覗くのか覗かないのか…どっちなんだい!
- 142二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 23:11:44
カンカンカンカン! やり直し(再開)だ!
「魔虚羅がいれば大丈夫かな」
何度か戸が開いた音がしたが誰も入ってこない。賀樂は魔虚羅を信用して自身もシャワー室へ。
「お、来たか」
「うん!」
シャワーを浴びている真希がペタペタと響く足音で賀樂がやってきたことに気付いた。
「真希ねえちゃん髪の毛下ろすと感じ変わるね」
「そうか?」
「うん、メガネもないからかも」
賀樂もシャワーの蛇口を捻る。お湯が跳ねる音と温かい感じが広がって賀樂は目を細める。
「洗ってやるよ、ほら」
「んー・・・」
真希がシャンプー(夏彦から巻き上げた)を取って賀樂の頭に振りかける。泡と一緒に香りが広がり賀樂は笑顔で洗髪を受け入れる。
「お? なぁ・・・白いのが動いたぞ」
「ホントだ」
ドアの前の魔虚羅の陰がずんずんと足音を立てて離れると水が零れるような音がして消えた。
「よかった、もう上がるのかな」
乙骨がホッとした様子でシャツの襟を開いた。汗が渇いてべたつく上にほっとくと痒い。
流石にシャワーくらいは浴びたいと思っていた。 - 143二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 23:15:55
始まりましたぜ
- 144二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 23:24:33
もう少し待てば大丈夫だろう。そう思った乙骨とは裏腹に・・・
「突撃だな」
「めんたいこ!」
「え”っ!?」
変な声が出た。パンダは先ほどと違い音を立てずにドアを開ける。
「どうせ真希だろ、なら遠慮はいらん。最近夏彦から姉妹そろって巻き上げすぎだ。夏彦にもちょっとくらいご褒美をやらんとなぁ」
「おかか」
「や、やめたほうが・・・」
『静かに』
(呪言をこんなことに?!)
乙骨がガビーン!といった表情で固まっているのを二人は意に介さず進んでいく。いつのまにかパンダはカメラを持っている。
「夏彦ぉ・・・いまお前にお宝写真をプレゼントしてやるぞぉ・・・」
もそもそと動きながら脱衣所を進んでいくパンダ。 - 145二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 23:35:16
さて…
- 146二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 23:51:18
「さて・・・ここだな、ん?」
パンダは脱衣所を抜けてあと一息というところで服の籠がもうひとつ埋まっていることに気付いた。
「これは・・・着物か」
「おかか、つなまよ」
「ふーむ、これはちょっと予想外だぞ。部外者がいるみたいだ」
「ちょ、それじゃあもっとヤバいんじゃ・・・あれ、これって賀樂ちゃんのじゃ・・・?」
「賀樂?ああ、そういえば真希と親戚のあのちびっ子だったな」
じゃあいいじゃん!とパンダは謎の納得をしてそのままシャワー室へと向かった。
「えーっ!?」
「おかか」
「ちょ、狗巻くん!」
二人がシャワー室へ向かったのを見て乙骨は理性が働きその場に立ち尽くすしかなかった。
「どうしよう・・・」
乙骨は仕方なく引き返そうと思った時にバサッと籠から服が落ちたのを見た。
「真希さんのか・・・」
拾い上げると真希のズボン(雑に脱いだので下着つき)だった。何気なく拾っては見たものの、なんとなく乙骨は立ち尽くした。なんだか非常に悪いことをしている気がしたのだ。
「い、いやいや、僕はただ落ちた服を拾って籠に戻すだけで・・・」
「なに言い訳してんの?下着泥の乙骨君」
不意に届いた声にぎぎぎと首を動かすとゴミを見る目でこちらを見ている鈴鹿(半裸)が立っていた。
彼女もシャワーを浴びにきたのだろう。上着を肩に引っ掛け、ブラウスの前を大胆に開けていた。 - 147二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 23:57:38
今日はここまでにしときます。
乙骨君の名誉は守られるのか・・・それとも・・・? - 148二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 00:22:18
乙〜
- 149二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 07:07:25
ほ
- 150二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 13:40:52
終わりやね
- 151二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 22:24:45
再開します!
「で?一応聞いてあげるわ、言い訳してみ」
鈴鹿は真希のズボン(下着付き)を握りしめていた乙骨を正座させて腕組みをしている。
「お風呂入ろうとおもって・・・そしたらさっきまで白いムキムキがいて・・・」
「白いムキムキ?じゃあ魔虚羅じゃん、賀樂ちゃんがいるってことじゃないの?」
「最初はそれで通れないから諦めようかって話してたんだけど・・・居なくなった途端にパンダ君と狗巻君が中に入っていっちゃって」
鈴鹿はそれを聞いて特大の溜息をついた。おおよその事態を察したからだ。陽キャのJKは察する力も強い。
「馬鹿二人を止めきれずここに居るってのはわかった・・・ただね」
「ただ?」
「いつまで真希ちゃんのパンツ握りしめてんだこの馬鹿!」
「いっ!?あ、いやこれは・・・ずびばせんッ!!」
鈴鹿のげんこつが乙骨を直撃した。当然だが里香は出てこなかった。
「ったく!馬鹿が三人に増えたワケじゃなくて最悪からちょっとマシになったけどそんだけじゃん!馬鹿どもが!」
上着を籠に投げ入れて鈴鹿は靴下とスカートを放り投げてズンズンとシャワー室に向かう。
「ちょ、ちょっと!どこいくの?!」
「やかましい!憂太もジロジロ見るな!外出てろ!」
ほぼほぼ下着一丁になった鈴鹿に驚いた乙骨だったが鈴鹿に追加のビンタをもらって脱衣所から飛び出した。 - 152二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 22:49:49
鈴鹿と乙骨のやり取りなど、ましてや直近に馬鹿二人が迫っていることなどしらない真希と賀樂。
「お風呂ぉ・・・ぬるいのが好き」
「風邪引くだろ、熱い方がいい」
ちょっと深いことを危惧してか真希に体を預けるようにしている賀樂。ほっこりである。
「そろそろ上がるか?」
「もうちょっと・・・」
頬っぺたはもう桃色、赤みを帯びつつある事を見越して真希は言うが賀樂は気分よく頭を左右に揺らしてまだまだと続ける。
「おかか?」
「まだだ、湯気が濃いんだよな・・・」
カメラを構えるパンダに状況説明を乞う狗巻。しかし二人がシャワー室に入って少し経っている。
二人が施設を利用しているのでボイラーが動いている。それ故に自然と湯気が充満してくるのだろう。
ちゃんとした写真が欲しいのかパンダはシャッターチャンスを得られずにいた。 - 153二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:02:05
さーて、…制裁
- 154二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:34:04
「そろそろ熱い・・・」
「のぼせる直前まで入るなよ?ほら、出るぞ」
真希と賀樂はそろそろ上がるようだ。
「きたっ、シャッターチャンス!」
パンダはレンズを拭いて被写体にピントを合わせる。
「夏彦、まってろ、パンダは愛のキューピットだ」
「しゃけしゃけ」
その瞬間、パンダの後頭部に強烈な衝撃が走った。
「へっぶぅ!!!?」
「それやったら戦争だろうが!」
「た、たかな・・・おががっ!?」
両足で全体重を乗っけたストンピングでパンダの頭を踏み抜いた鈴鹿はその勢いで狗巻の頭を掴んで後頭部を壁に叩きつけた。
「なんだなんだ」
「出歯亀!覗きだけじゃなくて盗撮までするとか最低だし!」
騒ぎを聞きつけてやってきた真希(全裸)と賀樂(全裸)。二人が倒れ伏してぴくぴくしているのをやや心配そうに見ていたが鈴鹿から事情を聞くとゴミを見るような目で二人を踏み越えていった。 - 155二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:39:24
そんな!先輩達(アホ)はゴミじゃないです!
- 156二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:39:47
馬鹿です
- 157二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 00:04:00
二人はボコボコにされた後、廊下に放り出された。乙骨は女性陣が出た後、そそくさとシャワーを浴びて帰って寝た。
真希に声を掛けようとしたが鈴鹿に威嚇されて無念の帰宅である。
「まったく、最低だし」
「あいつら・・・マジでなんなんだ・・・」
「カメラで真希姉ちゃん取るの?夏彦兄ちゃんは喜ばないと思うけどな」
部屋に集合した女性陣は寝間着に着替えて寝る前のガールズトークの最中。ご褒美写真をネタに不満を述べる二人に賀樂は少し違った反応をした。
「えー?そう?真希のボディはぶっちゃけかなり需要あると思うよ?」
「需要言うな」
不思議そうな鈴鹿に賀樂はなんとなくだけど、と答える。
「写真より会って話す方が夏彦兄ちゃんは喜ぶと思うよ?私も写真みてるより真希姉ちゃんと話してる方が嬉しいし」
それに服着てないのに何が楽しいの?と尋ねられて二人は返答に困った。
「それは、まあ・・・そうだよな」
「うん、か・・・考えてみればそうだね!一緒に遊んだほうが楽しい!」
「???」
賀樂が不思議そうにしているが二人は誤魔化すように賀樂に同調した。 - 158二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 00:48:02
今日はここまでにしときます!また明日!
- 159二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 01:42:11
乙ー
- 160二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 08:56:42
ほ
- 161二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 12:41:02
釘崎
- 162二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 22:20:38
宿儺を詰ませる手法が今決まった!・・・なんちゃって。
再開します!
しばらくガールズトークを続けていたがやがて賀樂がうとうとし始めた。
「眠いのか?今何時だ・・・?」
「10時ちょっと過ぎたくらいかな、お風呂入ったら寝る習慣?」
鈴鹿は元々夜型の上に任務終わりの車の中で爆睡するので夜寝る時間は遅い。真希も人並みだろうがそこまでは早くないだろう。逆に10歳の賀樂にはこの時間は遅い時間だ。家入などの保護者は間違いなく彼女に夜更かしはさせないだろうから彼女が眠くなるのに妥当な時間ともいえる。
「ううん・・・」
「おっと」
こてんと真希によりかかるように倒れた賀樂を受け止める。
「お開きかな、アタシも部屋に戻るわ」
「おう、お休み」
鈴鹿は立ち上がると自分の部屋へ戻って行った。
「私達も寝るか」 - 163二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 22:20:49
真希は賀樂を抱え上げるとベッドに運んだ。賀樂を寝かせて、自分は布団でも出すかと思っていると。
「んー・・・やだぁ・・・」
「おいおい」
賀樂が袖を掴んで離さないので真希は困った。振りほどくのは簡単だが・・・
『お姉ちゃん、離さないでね』
そんな言葉がふとよぎった真希は賀樂の手を離せなかった。血縁だろうか、なんとなく、賀樂に小さな頃の自分たちを重ねて・・・
「便所だ、すぐ戻るよ」
「すぐだよ・・・ぜったいだよ・・・」
「ああ」
真希は約束通り、賀樂の傍に戻った。同じベッドで二人は眠りにつく。
「ん・・・どこ・・・?」
「?・・・ここだ、ほら」
抱き寄せて声をかけてあげるとようやく安心したのか賀樂はホッとした様子で真希に擦り寄った。
後は呼吸のリズムと、触れ合う肌から鼓動だけが真希に伝わる。 - 164二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 22:29:27
- 165二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 23:31:56
>>164 真希が、真希こそがお姉ちゃんだ!
血縁なんでどこか似てるでしょうからね。それでいて小さな頃の妹と同じことを言われたらこうもなりましょう。
「くっくっく、迂闊だよな、真希も鈴鹿も」
「こんぶ?」
悪童二人がこそこそと自室でパソコンを動かすパンダと狗巻。
「カメラは壊れたがデータはばっちり・・・これで夏彦にお宝写真を届けられるぞぉ」
「おかか」
二人はニヤニヤしつつデータの入ったSDカードを持って移動する。目的地は夜蛾の居る部屋だ。あそこには夜蛾が書類をプリントアウトするためのプリンターがある。そこで画像を印刷するつもりだ。
「どうだ、まさみちはいるか?」
「すじこ」
「よし、それじゃあ忍び込むぞ」
夜蛾の学長室に忍び込んだ二人はパソコンを起動する。
「さてと、これであとはプリンターで写真のデータをプリントアウトするだけだ・・・」
「おかか」
プリンターを起動してプリンターが動き始めた時である。
「誰かいるのか?」
「!」
夜蛾がドアを開けて入ってきたのだ。
- 166二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 23:46:49
「げ、まさみち!」
「なんだパンダか、俺のパソコンでなにをしている?」
「いや、ちょっと課題のプリントを印刷しようとしてて」
咄嗟についた嘘と同時に狗巻をプリンターへと移動させる。そして出てきた写真を狗巻がささっと回収して折りたたむとポケットに入れた。
「そうなのか、それくらい教員の誰かに言えばいいのに」
「忘れてたんだよ、頼める時間にも限度ってのがあるし」
「まあいい、次からは気をつけろよ」
パンダが言ったことを疑わなかったのか夜蛾はパンダの言葉を信じた様子。しかし・・・
「早く済ませろ、戸締りをせねばならんのだ」
「おう」
パンダはカタカタとパソコンを操作し、SDカードを抜き取ろうとしたが・・・。
「あ、しまった」
まさかの二枚目の印刷開始である。狗巻が慌ててプリンターの元に走ったがひらりと一枚が風に舞って落ちた。
「『上を向け!』」
「?!何故呪言を?!」
狗巻咄嗟の呪言によりプリントを拾おうとした夜蛾が上を向く。パンダはその隙にSDカードを抜き取ってパソコンを電源から強制シャットダウン。二人は脱兎のごとく学長室から飛び出した。
「き、貴様ら!何か良からぬことを!ぐっ・・・首が!」
夜蛾は首を痛めたのかギクッと動きを止めて首を抑えたため二人を追いかけられなかった。 - 167二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 00:09:00
呪言まで使うの草
- 168二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 00:10:37
「危なかったな」
「めんたいこ」
二人はプリントした写真を抱えて走る。そして二人はそれを丁寧に封筒に入れて京都校の夏彦の元へ送った。
後日、送られてきた写真を見て夏彦は卒倒した。偶然写真を見た真依は絶句し、隣に賀樂が写っていたため危うく事案になりかけた。
二人は呪具で真希に殴られたし、割とガチ目に夏彦に怒られた。 - 169二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 00:17:27
今日はここまでにしときます!また明日!
- 170二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 00:22:11
乙〜
- 171二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 09:00:18
ほ
- 172二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 11:35:25
ほほ
- 173二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 19:05:58
保守
- 174二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 22:59:01
術式反転・・・『再開』!
賀樂が領域を習得し、季節は流れていく。
「なんか嫌な感じが・・・」
「気のせいだろ」
「えっ?!」
「だって憂太の呪力感知ザルじゃん」
「しゃけしゃけ」
季節は流れて冬の様相を呈していた。一年生組は授業に向かう途中の他愛のない会話を交わしている最中。
「珍しいな、憂太のカンが当たった」
「関係者じゃねえよな?」
突如として正面ロータリーに巨大な鳥型の呪霊が舞い降りた。そして、その隣に降り立った一人の男性。
「お前は・・・夏油傑!」
「え、あの・・・家入さんと賀樂ちゃんを攫ったっていう?」
一年生は夏油の姿を見て夏に起こった家入と賀樂の誘拐事件の下手人を思い浮かべた。 - 175二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 22:59:35
夏油はん来たな…
- 176二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 23:00:06
- 177二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 23:47:55
>>176 夏油Haaaaaaaaaaaan!
「おやおや、どうにも誤解が広まっているようだ」
やれやれといった様子で夏油は即座に移動すると乙骨の手を取った。
(早い!)
動揺する三人を他所に夏油は乙骨に語り始める。
「いいかい、人類は進化の歩みを止めてはいけないんだよ。呪術師が非術師の陰に埋もれて虐げられるなんてことはあってはならない。強者が弱者に虐げられ、追いやられるという矛盾、ナンセンスがまかり通っている」
その点で君は、とても素晴らしい。と夏油はさらに続ける。
「君の大いなる力は大いなる役割のために使うべきだと思うんだ」
「役割・・・?」
「ああ、非術師を鏖にして呪術師だけの世界をつくるんだ」
(((何言ってんだこいつ・・・!?)))
夏油はにこやかに自身の理想を語る。
「僕の生徒にイカレた思想を吹き込むのはやめてもらおうか」
五条が到着し、現場に緊張が走る。
- 178二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 00:05:47
今日はここまでにしときますまた明日!
呪術0の大筋をなぞっていくことになりそうですが・・・果たして・・・?
力関係的に夏油は魔虚羅に勝てるんだろうか? - 179二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 00:31:25
乙!分かりませんね…まあ手数と凡庸性で何とかなるやろ!
- 180二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 08:33:51
ほ
- 181二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 09:33:33
ほ
- 182二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 19:40:01
ほ
- 183二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 22:36:31
マイペンライ(大丈夫)!!
- 184二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 22:48:12
再開します!
「やあ、久しいね。悟」
「久しいもなにも夏にも会ったろ」
「そうだったかな?夏彦は元気かい?」
周囲の緊張もなんのそのな会話に一年生たちはどこか脱力しかかったが・・・。
「今年の一年生は粒ぞろいと聞いていたが・・・」
夏油は視線を右から左へと移しながら続ける。
「特級被呪者・・・特定変異呪骸・・・呪言師の末裔・・・君もそうだったんだね、鈴村家の」
夏油は真希と並んで立つ鈴鹿をニヤリと笑みを歪めて見つめる。
「名家禪院と伝統ある鈴村家の落ちこぼれ・・・オマケで呪術師になれた奴と猿が」
「てめえ!」
「発言には気をつけろよ、私の世界には君のような猿はいらないんだから」
殺気だった鈴鹿と真希を前にしても飄々としている。 - 185二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 22:50:32
始まりました
- 186二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 23:00:57
「・・・」
「?」
「ごめんなさい、あなたの理想は僕にはまだわかりません」
乙骨は肩に置かれた手を振りほどいて夏油を真っ直ぐに見据える。
「でも、友達を侮辱する人の手伝いはできない!」
「すまない、君を不快にさせるつもりはなかった」
困ったように、それでも笑みを崩さない夏油に五条がずいと歩み出た。
「なら、どうするつもりだったんだ?」
五条が問いかけると、それに続いて夜蛾が呪術師を率いて駆け付けた。
夏油はそれに対して正面から向かい合うと高らかに宣言する。
「御集りの皆皆さま、耳の穴かっぽじってよーく聞いていただこう。私達は来る12月24日、百鬼夜行を行う!」
「「「!」」」 - 187二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 23:11:48
「場所は呪いの坩堝『新宿』そして呪術の聖地『京都』・・・下す命令はもちろん鏖殺だ」
周囲が固唾を飲んで見守る中、夏油は不敵な笑みを浮かべてこう締めくくった。
「思う存分・・・呪い合おうじゃないか」
そう宣言した後、それまで沈黙を保っていた夏油の仲間らしき少女が声を上げた。
「あー!夏油様、お店しまっちゃう!」
「ん?もうそんな時間かい?」
「逃げるのか?」
「彼女たちが竹下通りのクレープを食べたいと聞かなくてね」
それじゃあそろそろお暇させてもらうよ。と夏油は大型の鳥の呪霊に歩を進めた。
「行かせると思うか?」
「よせよ悟、大切な教え子が私の間合いだよ?」
夏油がそう告げると一年生たちの周囲に呪霊が出現し、また五条を通せんぼするように大型の呪霊が現れた。 - 188二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 23:11:51
原作に突入します!
- 189二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 23:12:13
メンツが増えてる分どうなるやら…
- 190二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 23:23:44
「それじゃあ皆さん、ごきげんよう」
「・・・」
鳥型の呪霊の足に掴まると夏油はひらひらと手をふり、そのまま飛び去って行く。
五条は飛び去って行く夏油の姿を眺めつつ大型の呪霊を吹き飛ばした。
「てやぁぁぁぁぁ!」
「賀樂!・・・わぶっ」
元気よく飛び出した賀樂が手から出した退魔の剣で真希と鈴鹿を囲む呪霊を吹き飛ばし、そのまま真希に貼り付いた。
「おーい!こっちは助けてくれないのか!?」
「こんぶー!」
「ふがもががが!」
抱き着かれて視界を塞がれた真希がばたつく。スルーされたパンダたちが苦情を言うがどこ吹く風。
「真希姉ちゃん!」
「ふぐもも!」
「どこにも連れて行かせないから!」
「はがもごもが」
親しい人間がまた夏油に狙われたとおもったのだろう。賀樂はてこでも真希から離れないつもりのようだ。 - 191二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 23:31:13
今日はちょっと早いですけどここまでにしときます!
明日はそろそろ次スレかな? - 192二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 02:13:18
乙、
- 193二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 07:51:43
ほ
- 194二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 17:44:49
ほ
- 195二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 20:03:05
釘崎
- 196二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 21:46:28
再開・・・しようとおもったけどもう埋まるな・・・新しいの立てます!
- 197二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 21:48:08
- 198二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 21:49:25
恒例?の梅までのリクエストあれば聞きます
- 199二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:08:41
- 200二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:09:31
200ならコンビ技