【閲覧・CP・死ネタ注意】(ホラーSS)ハジメカラpart2

  • 1二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 19:12:11

    あにまんのいろんなのssスレとホラースレを読みながら

    立てたいという欲望で立てたSSスレpart2です


    前スレはドレークの視点でした
    今スレはホーキンスの視点でまた進めます


    大きなご恩を下さった翻訳協力者様、本当にありがとうございました!

  • 2スレ主24/04/22(月) 19:13:26
  • 3二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 19:14:17

    このレスは削除されています

  • 4二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 19:22:05

    エラーが発生したのかレスが見当たりません

    みんなさんはレスが見えますか?

  • 5二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 19:24:01

    >>4

    たておつ!楽しみレス見えてるよ

  • 6二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 19:24:19

    落ちないよう保守

  • 7二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 19:25:13

    もうスレ主にもレスがよく見えます


    >>3は除去できないので仕方ありません

    無視してください

  • 8スレ主24/04/22(月) 19:29:11

    画面も2つに見えますね···

    エラーはしょうがないみたいです
    気にしないでください···ポロッ

  • 9フタリダ24/04/22(月) 19:31:00

    「...あれは、いつから俺についていたんだ?」
    「始めからだ」

    ―ドレークが危険にさらされる確率…89%

    これは良くない

  • 10フタリダ24/04/22(月) 19:32:44

    二人は村の外れにある祠に向かった

    「誰も入ってくるでないぞ」

    ドレークと巫女のゾンビだけが祠に入った



    屍々の間で怪異は笑っていた

  • 11フタリダ24/04/22(月) 19:35:13

    祠の内部は非常に暗かった
    光源は壁際に置かれたろうそく一つだけだった

    腐った死体がもう一つろうそくを灯すと、ようやく周りが見え始めた
    天井が赤い布で覆われているため、祠の内部は全体的に赤く見えた

    所々、箱が山積みになっていた
    棚には物が散らかっている

    壁には馬の頭骨と、そのすぐ下に剣と斧が交差して掛けられていた

  • 12フタリダ24/04/22(月) 19:37:51

    死体は香炉に粉を入れて火を灯し、穴の開いた蓋をかぶせた
    穴から黄色い光が微かに漏れていた
    嫌な臭いが祠を満たすように濃く広がっていく

    死体から漂う悪臭と混じりあって、ひどい臭いだ

  • 13フタリダ24/04/22(月) 19:40:02

    「座れ」

    ドレークが言うとおり正座した

    床には二つの器が置かれていた

    一つは正座した彼のすぐ前
    もう一つは、今すぐにでも壊したい鏡の前

    ドレークの前にある器は空だったが、鏡の前にある器には水が入っていた

    鏡はまだホーキンスを歪めて映しだしていた

  • 14フタリダ24/04/22(月) 19:42:03

    「ᛗᛖᛏ ᛁᛊ ᛏᛟ ᛒᛖ ᛞᛁᚷᛖᛊᛏᛖᛞ ᛞᛖᚲᛖᛊᛖᛞ ᛁᛊ ᛏᛟ ᛒᛖ ᛖᚾᛊᛚᚨᚢᛖᛞ」
    (肉は消化される。死んだ者は奴隷になる)

    生きている者は全く聞き取れない言葉だったが、ホーキンスは聞き取れた

    すでに死んでいるはずなのに寒気がし始めた

  • 15フタリダ24/04/22(月) 19:43:02

    香炉に粉を入れると、漏れてくる光が青くなった

    急に喉が締め付けられるような苦しさを覚えた


    まるで生きている時のように

  • 16フタリダ24/04/22(月) 19:44:36

    ​「ᚲᛟᚾᚠᛁᚾᛖ ᛏᚺᛖ ᛞᛖᚲᛖᚨᛊᛖᛞ」
    (死者を閉じ込める)




    何事もなく静かだ
    水面にも動きはない

    ―当然ムダだ。そのへんの魂ではないから

    「もしかして…失敗したのか?」
    ドレークが意味のない質問をした

  • 17フタリダ24/04/22(月) 19:46:17

    老婆は彼を少し見た後、近くの箱を開けて品物を取り出した

    蛇の抜け殻といくつものネズミの頭の骨だった

    床に抜け殻を円形に広げて、頭骨を円の內側に散りばめた後、鏡に向かってしゃべり始めた

  • 18フタリダ24/04/22(月) 19:48:15

    「あなたはわたしたちに恨みがあるのか」

    ―恨みはないが軽蔑している

    ガチャガチャ
    ネズミの頭骨が、なんにも触れていないのに揺れた

    ―今度は猿芝居か?

  • 19フタリダ24/04/22(月) 19:50:06

    「なぜ人を殺したのか」

    ガチャガチャガチャ
    ネズミの頭骨が更にけたたましく揺れた

    ホーキンスはこれ以上聞きたくないと巫女の死骸から視線を逸らした

    その間、ドレークはネズミの頭骨に注目していた

  • 20フタリダ24/04/22(月) 19:52:28

    「...若者よ、空の器が見えるろう?」
    「ああ」

    「その中にあなたの血を注げ」
    彼に短刀が渡される
    「血を…?」

    ―何するつもりだ

    「儀式のためだ」

  • 21フタリダ24/04/22(月) 19:53:04

    「ᛞᛖᚢᛟᛏᛖ ᚹᚺᚨᛏ ᛒᛖᛚᛟᛜᛊ ᛏᛟ ᛁᛟᚢ」

    (従属したものを捧げろ)

  • 22フタリダ24/04/22(月) 19:54:15

    その言葉を聞いた瞬間、ホーキンスは頭の先まで怒りに沸いた


    ドレークが短刀で腕を刺そうとしている!

  • 23フタリダ24/04/22(月) 19:56:11

    もう耐えきれない!


    壁に掛けられた剣に手を伸ばし、空の器に向かって力いっぱい突き刺した

    ガチャン!
    器は粉々に砕け散った

    ガチャン!
    水を入れた器も壁へ叩きつけた
    水と破片が壁や床へと飛び散った

  • 24フタリダ24/04/22(月) 19:57:32

    今…剣を持っている?!

    物を…つかめる!!

  • 25フタリダ24/04/22(月) 19:58:14

    「…!まずい!」

    ドレークは壁に駆け寄り、掛けられていた斧を握りしめた

    腐った屍を守るように、自分の後ろに下がらせて戦闘態勢を取った

  • 26フタリダ24/04/22(月) 19:59:04

    「…お前は…まさか海賊か?」

    剣を再び握り直し、床に文字を刻んだ


    YES

  • 27フタリダ24/04/22(月) 20:01:13

    屍体が突然立ち上がり、叫んだ

    「貴様!そんなことをしてタダで済むと思っているのか!?」

    ―やれるものならやってみろ。後ろに隠れずにな



    今度はホーキンスが嘲笑う番だった

    ―ドレーク、貴様にもっと面白いことを教えてやろう

  • 28フタリダ24/04/22(月) 20:02:34

    ホーキンスがもっと床に文字を刻もうとした


    その時だった

  • 29フタリダ24/04/22(月) 20:07:50

    屍体が急に壁隅の戸を開けた

    クローゼットのような小さな部屋だった

    「若者よ、この部屋に入って」
    「何言ってんだ、あんたも危ないって!」
    「あなたこそ危険にさらされている!その間あなたは隠れていなさい!」
    「隠れろとは…」

    ―聞くな、お前もここにいろ

  • 30フタリダ24/04/22(月) 20:12:14

    「本当に強い奴だ。こちらも強い手を使わないと」

    ―...貴様!

    「だが…」
    「私一人でこの悪霊に直接向き合わなければならない」
    「…本当に大丈夫か?」

    ―…行くな

  • 31フタリダ24/04/22(月) 20:13:00

    「これは私にしかできない」
    「…もし問題があったらすぐに呼べ」

    ―行くんじゃない!

  • 32フタリダ24/04/22(月) 20:15:01

    ドレークは小さな部屋に自分の体を押し込んだ
    ​彼は斧を横に置いてしゃがみこんだ

    「私がいいと言うまで絶対出てくるんじゃないよ」

    バタン
    部屋の戸は閉められてしまった

  • 33フタリダ24/04/22(月) 20:17:21

    ―余計なことを…

    「…いやいや危なかった。儀式中には貴様も抵抗できることを、つい忘れていたんだ」

    ホーキンスは悔しさに奥歯を嚙みしめた

    ―さっきはよくもやってくれたな、村長

    「貴様はずっと邪魔なんだ。彼は体格もいいし、結構使えそうな体だったのに」

  • 34フタリダ24/04/22(月) 20:19:19

    ―あいつをこれ以上困らせるな。どうせ、ふざけた茶番劇ももう終わりだ

    ホーキンスは再び床に文字を刻もうとした

    死体が香炉に手を伸ばして臭いを消そうとした

    ホーキンスは、すぐにその両腕を切り落とした
    剣に腐った血がこびりつく

  • 35フタリダ24/04/22(月) 20:21:35

    「どうしてくれるって?それなら我々はこうしてやろう」

    ​「ᛁᛟᚢ ᚹᚺᛟ ᛞᛖᚢᛟᚢᚱᛖᛞ ᛗᛁ ᚠᛟᛟᛞ ᛁᛟᚢᚱ ᚹᛁᛚᛚ ᛒᛖᛚᛟᛜ ᛏᛟ ᛗᛖ」
    (我の馳走を食べた者、汝の意志は我に従属される)


    昨夜の影の手が祠の内に現れた

    壁隅の戸の隙間からドレークが潜んでいる部屋へと這っていった

  • 36フタリダ24/04/22(月) 20:22:46

    ―…!まずい!

    すぐに部屋に入った
    剣は放り捨ててしまった

  • 37フタリダ24/04/22(月) 20:24:43

    影の手がドレークの首を絞めている
    彼はまるで夢遊病のように眠ったまま頼りなく立っていた

    「これを使うといい」

    影からささやきが聞こえてきた
    彼が横の斧を握った

    ―くそっ!

    ドレークの斧を持った腕をつかんだ

  • 38フタリダ24/04/22(月) 20:26:09

    ドレークは依然として目を覚まさないが、力が強い

    しかも、こちらは片腕だ!

    「…ぁ、なせ...」

    ―お前こそ放せ!

  • 39フタリダ24/04/22(月) 20:28:04

    揉めている間に突然影の手が消えた

    ガチャン!
    戸の外から音が聞こえ、充満していた悪臭が消えた


    ―しまった

  • 40フタリダ24/04/22(月) 20:30:19

    急いで部屋を出ると、香炉が倒れていた

    香炉が倒れており、 中身は床にこぼれていた
    両腕を切られた死体が香炉のそばに倒れていた


    ホーキンスは、どんなに剣を握ろうとしても握れなかった

    ―してやられた!

  • 41フタリダ24/04/22(月) 20:32:11

    「おい!どうした! 無事なのか!」
    戸の向こうからドレークの叫び声が聞こえてきた


    彼が急いで部屋を出てくる

    そして目の前に見えるに絶句していた


    結局何も伝えられなかった

  • 42スレ主24/04/22(月) 20:34:15

    今日はここまでです

    エラーのせいでスレ画が2つ見えるのが妙ですね

    それでは明日の夕方にまた来ます

  • 43二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 21:22:49

    続き気になる!楽しみにしてます!

  • 44二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 00:22:03

    保守

  • 45二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 09:09:46

    保守

  • 46二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 18:57:40

    保守

  • 47スレ主24/04/23(火) 19:18:53

    保守と前スレ埋めありがとうございます!

    では、行きます

  • 48フタリダ24/04/23(火) 19:20:27

    「ウェンディさん! 除霊は成功しましたか?」
    「ウェンディさん?ウェンディさん!」

    祠の外から声が聞こえてきた

    ドレークの顔が青ざめた

    ―なんてことだ!これではあいつの思うツボだ!

  • 49フタリダ24/04/23(火) 19:22:07

    ドレークは祠の門を蹴り飛ばして、港に向かって逃げ出した

    共同墓地に等しい村からは、みるみるうちに遠ざかった

  • 50フタリダ24/04/23(火) 19:24:09

    目の前には赤い帆の船があった


    さあ、これに乗ってここを出ていけばいい

  • 51フタリダ24/04/23(火) 19:26:12

    しかし、予期せぬ事態が発生した

    ドレークは足を止め、顔を青ざめた



    「ふ…船が…ない!!!」

  • 52フタリダ24/04/23(火) 19:28:19

    ―…何を言っている!?

    「こっちに行ったぞ!」
    「港の方だ!」
    「必ず捕まえるぞ!ゆるさねえ!」

    遠くから怒号が聞こえ始めた

    ―こうして目の前にあるだろう?

  • 53フタリダ24/04/23(火) 19:29:51

    「どうせ船を沈めたから出られない!」
    ​村長の声だった

    ―…たわごとを

  • 54フタリダ24/04/23(火) 19:31:27

    しかし、ドレークは船を目前にして、別の場所へと走り出した


    ―村長…!

  • 55フタリダ24/04/23(火) 19:33:01

    ドレークは声が聞こえた方向と逆へ走った
    人々をごまかすために、村の外の山に入った

    すぐに声は聞こえなくなった

  • 56フタリダ24/04/23(火) 19:35:23

    さらに山頂に向かって走っていく


    山頂近くにある洞窟を見つけて、崖の上から村の方を見下ろした

    山を登る篝火は全く見えなかった

  • 57フタリダ24/04/23(火) 19:36:25

    そんなものなくても登れるのだから当然だ


    ―今夜、村長がここに来る確率…100%!

  • 58フタリダ24/04/23(火) 19:37:14

    ドレークは洞窟の中で火を焚いた

    ―ドレーク、ここは非加盟国の村だ

  • 59フタリダ24/04/23(火) 19:38:05

    ドレークはかなり疲れているようだった

    ―お前がいくら海軍だといっても

  • 60フタリダ24/04/23(火) 19:39:19

    彼は一日中に精神的に追い詰められていた​

    ―こんな状況なら皆殺しにしてしまう奴らが大半だろう

  • 61フタリダ24/04/23(火) 19:41:07

    今も頭の中が混乱しているようだ​

    ―…全員、既に死んでいるんだ


    彼の耳には一つも届かなかった

  • 62フタリダ24/04/23(火) 19:42:40

    寒い…

    …寒いだと?
    来たか!


    影の手だった

  • 63フタリダ24/04/23(火) 19:44:18

    洞窟の中から腕のように長く伸びていた

    「な...なんだこれ···」

    手の影が足をつかんだ
    影が、体ををよじ登って首まで伸びてきた

  • 64フタリダ24/04/23(火) 19:46:01

    手がドレークの髪をつかみ、洞窟の内側へ頭を叩きつけた

    「うっ…!」

    どこに連れて行こうとしているんだ!

  • 65フタリダ24/04/23(火) 19:48:12

    今回もその体を掴むことができた
    右腕で腰を抱いて反対側に引っ張った

    …能力を失うことがこんなに不便だとは思わなかった

  • 66フタリダ24/04/23(火) 19:49:21

    ドレークは何かを探しているかのように洞窟を見まわしていた

    その視線が洞窟の外を捉えた

  • 67フタリダ24/04/23(火) 19:51:52

    ―そこにいるのだろう、村長!!


    ホーキンスは洞窟の外に向かって吼えた

    瞬間、影の手が消えた

  • 68フタリダ24/04/23(火) 19:53:47

    ドレークはすぐに洞窟から飛び出した

    そして、自分を騙してきた者を正面から向き合った

    「…村長?」
    「ちくしょう、ばれた! 貴様でさえなければ···」

  • 69フタリダ24/04/23(火) 19:55:10

    ドレークはひどく驚いていた

    ―かなりダメージを受けたようだな。そろそろ正体を現したらどうだ?

    「そんなに私の正体が見たいか?」

  • 70フタリダ24/04/23(火) 19:57:52

    「…あんたも…能力者か?」
    「能力?もちろんある。ここの神様だからな!」

    ドレークは今度こそ言葉を失った

    「我はウェンディゴ」
    あたりが急に寒くなった

    ―それがお前の本性か

  • 71フタリダ24/04/23(火) 19:59:25

    「ここの家畜が仕える者だ」
    「家畜?なにを言って…​お前が殺したのか?」
    「殺した?殺すって? ハハハハハハハ」

    ウェンディゴは大声で笑い始めた

  • 72フタリダ24/04/23(火) 20:01:32

    「何がおかしい?」
    「ハハハ…すでに死んだ者をどうやってまた殺すんだ?奴隷にすることはできるがな」

    ―「奴隷」が「仕える」とは…貴様はここの土地神なんだろう​

    「そう!食べ残した残骸は我に従属する」

  • 73フタリダ24/04/23(火) 20:03:53

    「ここで生きているのは、初めから我と貴様だけなのだ!」
    「何を言ってるんだ…」
    「信じられないか? では、見せてやろう」

    茂みがカサカサと音を立てた
    すると、ウェンディゴの後ろに20人ほどの人影が現れた

  • 74フタリダ24/04/23(火) 20:05:32

    全て腐った死体だった

    腐敗臭が漂い、ハエがたくさん飛び交っている

    村で飽きるほど見た死体の群れだった
    その中にはホーキンスに腕を切られた死体もあった


    ​ドレークはようやく真実と向き合った

  • 75フタリダ24/04/23(火) 20:09:54

    「貴様に憑いている『それ』、本当に腹正しい。守護霊か?」

    ホーキンスは顔を強張らせて尋ねた

    ―なぜこいつを狙う?

    「せっかく力のある肉が来たのだから、このまま食べるのはもったいない。この機会に体を入れ替えようと思っていたのだ。ご覧の通り、この体は年老いているだろう?」

  • 76フタリダ24/04/23(火) 20:12:26

    ウェンディゴは大声で怒り始めた

    「でも、あいつが毎回邪魔していた!ずっと貴様が行かないように抱きしめているが、本当に傑作だ!ハハハハハ」

    笑いを止めて、憤慨した

    「ただの供物に過ぎないくせに!」

  • 77フタリダ24/04/23(火) 20:15:12

    「さっきの儀式は…」
    「貴様にあいつを、我に捧げさせるためだった。 器が割れて台無しになってしまったがな!こうなると分かっていたのなら、昨日肉なんてやるんじゃなかった!」

    ドレークの顔が強張った

    「ハハハハハ、そんなに衝撃的だったか?」
    「...昨日の畑仕事は何だったんだ?」
    「言っただろう?生きるためには、穀物と野菜を食べなければならないと。 腐ってしまった骨に畑をまかせても、作物なんてあまり育たないからな」

  • 78フタリダ24/04/23(火) 20:18:48

    「それなら…貴様は本当に生きている人間だな」
    「そうだ。そしてまた、生きているのは我だけになる」

    腐った死体の群れがだんだん近づいてくる

    「貴様らには、あれもこれもできないからイライラする。 最大限苦しめようとしても、それすらできない」

    死体が一斉にドレークに襲い掛かった
    「そのまましね」

  • 79フタリダ24/04/23(火) 20:19:33

    ―村長···いや、ウェンディゴ。ふたつ言っておくことがある

    「ふむ?何だ、怒ってるのか?」

  • 80フタリダ24/04/23(火) 20:21:32

    ―生きている以上、死は避けられない

    「…話を続けろ。貴様に何ができるというんだ?」

    くすくす笑いながら、のんびりと嘲笑するだけだった

  • 81フタリダ24/04/23(火) 20:23:32

    ―そしてもう一つ…今、貴様には「死相」が出ている

    怪異は笑いを止め、真顔になった

    「死相? うわごとを…」

  • 82フタリダ24/04/23(火) 20:25:00

    ウェンディゴの後ろで大きな音がした

    死体はすべて遠くへ散らばった

  • 83フタリダ24/04/23(火) 20:28:09

    アロサウルスの巨大な口が開いた

    バキッ
    鹿の頭骨が粉々に砕けていた

    ベチャッ
    血が地面へ飛び散った

    ペェッ
    汚いものを吐き出した

    ストン
    やせ細った体が地面へ倒れる

  • 84フタリダ24/04/23(火) 20:30:01

    寒さが消えた

    パササッ
    死体はあっという間に白骨になり塵となって消えた


    住民たちは今やっと土に還ったのだ

  • 85フタリダ24/04/23(火) 20:32:03

    ドレークは複雑な顔で崖の上へ向かった


    水平線から太陽がゆっくりと顔を出し、空が徐々に明るくなる

    海は朝焼けの色が染まり始めていた

  • 86フタリダ24/04/23(火) 20:33:23

    ドレークは港を見て目を丸くした

    彼はすぐに山を下りて港に向かった

    ―やっと船を見つけたか

  • 87フタリダ24/04/23(火) 20:35:12

    信じられない様子で、船を間近で見て本物か確かめている


    ―…俺たちは本当に手のひらの上で弄ばれていたな

  • 88フタリダ24/04/23(火) 20:38:04

    ドレークはしばらく考え込んだ後、村へ戻った
    怪異の家、今は主人なき家から飲み水と食料を持ち出した

    食料はすべて穀物と野菜だけだった

    ―もう一度言おう​。それがどんな肉なのかは一生知らないほうがいい

  • 89フタリダ24/04/23(火) 20:40:02

    錨を上げて帆を広げた

    ついに、このおぞましい島を去る

    赤い帆のキャラベル船が、今は誰もいない島を後にして悠々と海を横切っていった

  • 90ハジメカラフタリダ24/04/23(火) 20:41:06

    -完-

  • 91スレ主24/04/23(火) 20:47:13

    やっと完走しました

    最後まで読んでくれたあにまんの皆さん、ありがとうございます!!😭

    残りのレスに、設定を公開し、質問に答えます

  • 92スレ主24/04/23(火) 20:51:18

    まず、ここのウェンディゴと この村について

    ウェンディゴはもともとここの土地神でした

    しかし、24年前 、大海賊時代が始まり
    若者たちは皆去って帰ってきませんでした

    残ったのは生産力が落ちる少数の老人たちだけ

  • 93スレ主24/04/23(火) 20:58:05

    残った人々は切なる思いで土地神に供養して祈りました
    つまらないものですが、一時的な効果はありました

    そうするうちにこれ以上捧げるものがなくなったし、住民は最終的には人身御供をしてしまいます

    人の血を飲んでしまった土地神は、堕落し始めました

  • 94スレ主24/04/23(火) 21:03:23

    村長と巫女は住民の同意の下、人身供養の祭祀を続けて行いました

    土地神は人を食べるほど堕落し、やがて怪異になってしまいました

    住民は何か問題があることに気付きましたが、もう手遅れです

  • 95スレ主24/04/23(火) 21:06:36

    怪異は村長に憑依して、身を奪いました

    そうして村長は生きたまま怪異になってしまいました

    残りの村人たちはこの生きている怪異に全部食われ、魂まであの世に行けず、奴隷のように縛られるようになりました

    巫女は村の最後の犠牲者でした

  • 96スレ主24/04/23(火) 21:13:21

    マナハ村、ウェイン•ディエゴ、ティコ、ウェンディなどすべてが本来の名前ではありません
    ウェンディゴの別の名前だっただけです

    彼らの元の名前は覚えていません

    ウェンディゴは彼らをただ家畜だと思うだけでしたから

  • 97二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 21:14:20

    SS執筆お疲れ様でした!
    除霊の儀式の際馬の骨の描写がありましたがあれはホーキンスのイメージ動物が馬なことに関係があったりしますか?

  • 98スレ主24/04/23(火) 21:16:34

    >>97

    はい

    そうです


    もしホーキンスのイメージ動物が犬だったら、壁にいたのは犬の頭骨だったでしょう

  • 99二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 21:29:55

    とても素敵なSSとイラストを楽しませていただきました!ありがとうございますスレ主お疲れ様!

  • 100二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 22:38:28

    お疲れ様でした
    コテを所々変えていましたが何か変える基準などはありますか?

  • 101スレ主24/04/23(火) 22:57:53

    >>100

    ウェンディゴの島にいた時は

    「初めから二人だ」

    という意味したくて「フタリダ」に固定でした


    島に入る前と出た後は、単にホーキンスが言う言葉です

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