【閲覧・CP・死ネタ注意】(ホラーSS)ハジメカラ(再掲示)

  • 1二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 18:23:14

    あにまんのいろんなのssスレとホラースレを読みながら

    ワイも立てたいという欲望でssを書いてスレを立てました

    ​実は、私は日本人ではありませんだから、
    この前立てた時は誤字がありましたが

    幸い、日本人の二次創作者に翻訳協力してもらいました

    翻訳協力者さん、本当にありがとうございます
    大な恩恵を受けました


    では、また進めます

  • 2ソバニイタイ24/04/18(木) 18:25:28

    下町からかなり離れた、人影もなく草が鬱蒼とした藪の中

    男は傷だらけの体で
    シャベルたった一本で懸命に土を掘っていた

    誰も来ない場所なので、目撃される恐れはない

    ある程度穴を深く掘ったところで息を整える
    男は休憩しながら、白い布に包まれたものを静かに見つめた

    中に包まれているのは死体だ
    さっきまで掘っていた穴の中に寝かせる

    男は再びシャベルを持ち、土で覆う前に
    白い百合をその上に乗せた

    最後に旅立つ道
    粗末な棺にでも入れて弔ってやりたかったが
    状況はそれすら許さなかった

    埋葬している男も、すぐにでも治療を受けるべきなのに
    休むどころか、まともな治療さえ受けていない

    それでも、こんな体を無理やり動かしてでも
    ささやかな葬式をしてやりたかった

  • 3フタリダ24/04/18(木) 18:28:08

    ここは、ある小さな島の波止場

    一人の年老いた男が立っていた


    水平線の向こうから一隻の船が近づいてくる
    老翁は船をじっと見つめていた

    聞こえるのは、波とハエの群がる音だけ

  • 4フタリダ24/04/18(木) 18:30:21

    赤い帆のキャラベル船が一艘、港に停泊していた

    船から降りてきたのは超新星の一人、ディエス・ドレーク

    その顔は、かなり疲れているように見えた
    彼の海賊船として知られているリベラルハインド号もなかった

    理由あって孤軍
    船には彼以外に誰もいなかった
    そして今足を踏み入れた港にも

    聞こえるのは波の音だけ
    こんなに静かな波止場を見るのは久しぶりだった
    船も乗ってきたものが唯一だ

    見聞色で辺りの気配を探っても誰もいなかった

    住民が海賊が来たと思って避難したのではないと確信できた
    もしそうなら、どこかに隠れてでも武装して警戒していただろう
    そして何より、乗ってきた船の帆は黒くなく骸骨もない

    捨てられた島でもなかった
    殺虫剤を散布したばかりのように、近くで強烈な臭いがしてくる

  • 5フタリダ24/04/18(木) 18:36:15

    ドレークは今、飢渇に苦しんでいた

    特に水
    切実に水を欲していた


    偉大なる航路の気まぐれにより、航海は予定よりずっと長くなった

    出航した時、念のため、必要な量の二倍の飲み水と食料を用意しておいてよかった
    そのおかげで、死なずにこの小さな島に不時着することができた

    食べ物は期待しないで、せえて水だけでも調達するために近くの村に向かった


    そして電伝虫

    持っていた電伝虫は、戦闘後に確認すると、いつの間にか死んでいた
    早く新しい電伝虫を手に入れて隊員達に連絡しなければならない

  • 6フタリダ24/04/18(木) 18:43:05

    村に着くと、人影が見えた

    村の建物は一見すると古くてみすぼらしい
    人口が数十人もいない衰退した村であることが一目で分かった
    路上に見えるのは数人の老人だけだ

    奇妙なことに、通りでは港で嗅いだ殺虫剤の臭いが強く漂っていた

    老人たちはドレークをじっと見つめてくる
    そのうちの一人が話しかけてきた

    「そこの若いの! 何の用事でここに来たんだ?」
    その言葉遣いや目つきから、こちらを警戒する様子は微塵も感じられない
    この部外者が何者なのか全くわからないのは事実だ

    かなり閉鎖的な島だ

    幸い、ここでは海賊のフリをしなくてもいい

    「飲み水と電伝虫を探している」
    「水ならあるが···電伝虫?ここにはそんなものはない」
    「わしらは使わないから···」
    やはり閉鎖された島…

    「そうか…店はどこに?」
    「ここはそういうのはないよ」
    「わしらは必要なものはお互いに貸したり配ったりしてるから~」

    店もないなんて
    一体ここはどれだけ辺鄙な場所なんだ?

  • 7フタリダ24/04/18(木) 18:44:11

    老人たちがさらに近づいてきた

    失礼だが、彼らが近寄ってくると悪臭がした
    ドレークは鼻をふさぎたいのを無理矢理我慢した

    「若いのや、かなり疲れているように見えるけど。 大丈夫か?」
    「村長にご飯でも食べさせてもらったらどう? せっかくのお客さんだし、喜んで迎えてくれるわよ」

    「そうだな。この島に誰かが来てくれたのは本当に久しぶりだ」

    「いや、しかし···」

    「若者がこんなにやつれているなんて気の毒だわ」
    「ちょうどお昼時じゃないか。 村長も気前良くもてなしてくれるだろう」

    村のお年寄りたちは、意外にも部外者である彼を歓迎してくれた

    いくら海賊旗がないといっても···
    もしこれが他の海賊だったら、もうとっくに略奪されているはず
    いや、略奪されるものがないからか?
    少なくとも虐殺されたことはないようだ

  • 8フタリダ24/04/18(木) 18:46:46

    村長の家は他の建物に比べてしっかりしていてきれいだった
    村唯一の二階建てだ

    ここは殺虫剤の臭いがしなかった

    村長が正門を開けて姿を現した

    「マナハ村へようこそ! わしは村長のウェイン·ディエゴ! 」
    村長も悪臭がしなかった

    「俺は···フランシス」
    しかし、本名を簡単に教えるは憚られた
    そんな必要はないのに...

    「フランシス?...ハハハ。フランシス君、本当に歓迎するよ! この村にお客さんが、それも若者が来たのは何年ぶりだろうか…」

    村長は大いに喜んでいる

    ドレークは夢中で水を飲んだ
    もう何杯も飲み干した

    「ありがとう。おかげで助かった」
    「なんだ。喉が渇いていたのか」
    ドレークの顔色は、数杯の水を飲んだ後、かなり良くなった

    「村長、もしかして電伝虫はあるか?」
    「残念だが、最後の一匹はとっくに亡くなってしまってな」
    村長は気まずそうに少し目を逸らしながら笑って言った

    やっぱりないか···

  • 9スレ主24/04/18(木) 18:48:28

    前回はここまでしました

    今日は問題がなければもっと進めます

  • 10フタリダ24/04/18(木) 18:52:26

    「それでは、俺はもう…」
    「そうそう!ちょうど食事も準備中だったんだ。もうすぐ料理も出てくる頃だろう」

    思わぬ食事のもてなしにドレークは戸惑った

    「いや、もう行かないと…」
    「ほんの気持ちだよ。 せっかく来たお客さんを追い出すわけにはいかないじゃないか」

  • 11フタリダ24/04/18(木) 18:58:22

    ここまでやる理由はただ一つ

    「...何が欲しいんだ。 素直に言え」

    「実は... 君もご覧の通り、この村には若者がいない...海賊になって出世すると言ってみんな去ってから20年以上経った...年寄りだけでなんとか村を維持しているが、やはり力仕事はわしらにはちょっときつい」

    やっぱり…ドレークはため息をつきながら言った

    「…分かった。一宿一飯の世話になろう」
    「いやあ、ありがとう! 頼みを聞いてくれて」

    村長は笑った


    すまない、みんな···連絡はもう一日遅れそうだ…

  • 12フタリダ24/04/18(木) 19:01:39

    「たくさん食べなさい。 せっかくの肉料理だよ」

    食卓には三つの皿が置かれていた

    一つは、村長の皿
    もう一つは、ドレークの皿
    そして、さらにもう一つその横に皿が置かれた

    これは村長の妻の分か? どうして俺の隣に?

  • 13フタリダ24/04/18(木) 19:03:03

    村長が味付けした肉を包丁で切ってそれぞれの皿に盛り付ける
    そして、席に座って食べ始めた


    「...」
    「ん?なんでじっとしているんだ?早く食べなさい。 もしかして肉が好きじゃないなのか?」
    「いや、その···」
    「ああ、すまない。まさか肉が嫌いなんて」

    「そうじゃなくて、まだそちらの奥方が来てないので···」



    「ははは!わしは独身だよ」

  • 14フタリダ24/04/18(木) 19:04:56

    「では、これは···?」
    ドレークは隣の皿を見つめた


    村長がナイフを握った手を止めた



    食事の席に重い沈黙が訪れた

  • 15フタリダ24/04/18(木) 19:10:02

    「···それはフランシス君がお腹が空いていそうだったから用意したんだ! ただでさえ血気盛んな若者が荒波を越えてここまで来たのだから、二人分も食べるべきだろう? だから早く食べなさい」

    村長は大笑いしながら食事を再開する


    気になるのは仕方ないが、これ以上聞くこともできないので、ドレークはフォークとナイフで肉を切って食べ始めた

    腹は減っていたので、隣の皿も簡単に空にしてしまった

    生まれてから一度も味わったことのない肉だった




    「デザートにプリンはどうだ? これもやはり二人分いるか?」
    「ありがたいけど結構だ」
    「そんなに遠慮するなよ。 まだ足りないと思うが···」
    「いや、もうたくさんいただいた。だから本当結構だ。 肉も十分だったぞ」


    必死に断る口実もできた

  • 16フタリダ24/04/18(木) 19:12:03

    「腹も満たしたからもう働かないと。 何からすればいい?」

    「まず村の畑に行ってくれ。 そうでなくても今年の農作業の準備で仕事が多い」

    「了解した。 でも手伝いは今日までだ。 明日にはここを発つ」

  • 17フタリダ24/04/18(木) 19:15:08

    畑には20人ほどの人がいた
    全員少なくとも還暦を過ぎているようだ



    「お若いの、倉庫の肥料を持って来てくれる?」

    「若いのや、ここの荷物を運んでくれ」

    「土替えを手伝ってくれ」
    「これちょっとやってくれ」
    「あれもやってくれ」

  • 18フタリダ24/04/18(木) 19:16:21

    いつの間にか日が暮れてきた

    一日中、村の雑用を手伝っていた

  • 19フタリダ24/04/18(木) 19:20:27

    畑仕事の他にも、村にはハエやウジが異常に多く、住民と共に殺虫剤の散布もした

    そういえば、港に着いたときにも殺虫剤の臭いがした
    港を通り過ぎた際に、隅に積まれたハエの死骸も見た



    ハエやウジがこれだけ多いということは、近くで何かが腐っているのでは···

  • 20フタリダ24/04/18(木) 19:23:17

    藁とハエの死骸の山に火が付き大きく燃え上がった

    肌寒いせいか住民たちが焚き火の周りに集まってきた

    焚き火の煙が立ち込める
    殺虫剤で死んだハエのせいか煙にも殺虫剤の臭いが混じっていた

    「若者のおかげで仕事が早く終わったな」
    「お疲れ、若いの」

    村人たちは慣れているのか何ともないように見える

  • 21フタリダ24/04/18(木) 19:24:13

    ドレークは吐き気がしてきたので、急いでその場を離れた

    しかし、依然として眩暈が残っていた

  • 22フタリダ24/04/18(木) 19:28:48

    村長も畑へとやってきた

    「おお、フランシス君、本当にお疲れ様」

    頭も重くなり始めた

    「...村中に、殺虫剤の臭いが漂うんだな…」
    「ハハ…そうかね?それより、そろそろ夕食の時間じゃないか? 今回もうちでもてなそう」

    「いいや、結構だ···」
    「そんな怖い顔するなよ...おや、かなり疲れているね。 熱心に仕事してくれたようだな」

    目が重い

  • 23フタリダ24/04/18(木) 19:30:26

    「じゃあ、今日はもう休んだらどうだい? 使わない部屋を貸してやろう」


    「···悪いが、一晩、世話になる」
    「ハハハ、これくらいお安い御用さ」

    村長が笑いながら答えた

  • 24フタリダ24/04/18(木) 19:35:03

    村長の家に向かう途中、ある老婆が現れた

    畑仕事をしている間、一度も姿を見せなかった
    老婆は他の住民とは違う変わった服装をしていた。



    「住民の畑仕事を手伝ってくれと言っただけだがなあ?」

    村長が隣でずっと話していた

    「人の体である以上、穀物と野菜は食べなくちゃいけないじゃないか。 ハハハ」

    内容が、全然頭に入らない


    老婆は全く動かず、ドレークを睨みつけている





    しかし、眩暈がして気にする余裕はない

    ただ家に案内されるしかなかった

  • 25フタリダ24/04/18(木) 19:38:09

    「じゃ、おやすみなさい」
    村長の口角は下がらない

    部屋の戸が閉まった



    部屋は、窓が一つと寝具が一つあるだけだった

    床には急いで埃を掃除した形跡があった


    寝転ぶと、痛む頭はすぐに考えることを止め、重いまぶたを閉じるしかなかった...



    ...

  • 26フタリダ24/04/18(木) 19:40:45

    空は赤く染まり、嵐で揺れていた
    足を踏み込んだ地面も揺れている


    目の前の光景に戸惑うドレークの耳に、どこからか太い声が突き刺さる

    寒気がし始めた




    「ドリィ!!!」

    反射的に足が震え始めた



    13年前に亡くなった男がいた
    思い出したくない、あの男



    実の父親



    バレルズ

  • 27フタリダ24/04/18(木) 19:43:11

    バレルズの顔は真っ赤に染まっている
    酔っ払っているのか、それとも怒りにで染まっているのか

    怒りに満ちた足取りはどんどん近づいて来て、ドレークの喉元を掴んできた


    「....ぁ...」
    「よくも、あの時一人で逃げたな?」

    バレルズは彼を引き寄せるように、さらに首を引っ張りあげた

    ドレークは震える手で喉元を掴んだ手を振り解き、彼から離れようとした




    しかし、何かが彼の腰に抱き着いた

  • 28フタリダ24/04/18(木) 19:44:21

    見下ろすと
    赤色の何かがあった

    腕のようなものがドレークの体をしっかりと捕えていた



    このままでは動けない

  • 29フタリダ24/04/18(木) 19:47:33

    「この恥じ知らずめ!!!」

    バレルズか喉を前に引っ張る

    「何か」が腰をぎゅっと抱き締めて後ろへと引っ張る

    「....っ...」

    バレルズがより強く握って引っ張った
    「何か言ってみろ、役立たずめ!!!」

    聞きたくない恐ろしい声が耳を刺し続けた

  • 30フタリダ24/04/18(木) 19:49:02

    前に後ろに

    両側から引っぱられる

    うるさい大声で





    イヤダ

    イヤダ





    イヤダ

  • 31フタリダ24/04/18(木) 19:52:22

    目が覚めた

    真っ先に部屋の天井が見えた
    静かだ


    無意識に自分の喉を手で探った

    「うっ…」
    当然ながら首を絞めるものはなかった

    この前怪我をした箇所を触ってしまい、痛みに呻く

  • 32フタリダ24/04/18(木) 19:57:19

    窓の外を見ると夜が明けるところだった

    顔を洗うために洗面所に行くと

    鏡は冷や汗でずぶぬれになったドレークの姿を映し出した
    顔色もやはり優れなかった



    久しぶりにクソみたいな悪夢を見た···

  • 33フタリダ24/04/18(木) 19:59:27

    「フランシス君!フランシス君! 今どこにいる!?」
    洗面所の外で村長の切羽詰った声が聞こえてきた

    「なんだ?朝から······」





    「む...村で人が殺された!!!」

    村長はドレークを連れて、家の外へとびだした

  • 34スレ主24/04/18(木) 20:01:45

    まず今日はここまで進行しました

    問題がなければ明日も進行します

  • 35二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 20:05:48

    続き気になるから楽しみ

  • 36二次元好きの匿名さん24/04/18(木) 20:09:52

    乙です!ドレーク好きだから楽しみ

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