- 1124/04/22(月) 22:22:43
前スレ↓
カンナ「お前もうヴァルキューレ辞めろ」ワイ「…」|あにまん掲示板カンナ「訓練の時、ずっと不服そうな顔をしているな、本当はSRTに戻りたいんだろう?」ワイ「…」カンナ「キリノやフブキからも苦情が来ている、お前が厳しい目つきで見てくると…キリノはともかくフブキは…まあ…bbs.animanch.com花輪イヨちゃんヴァルキューレを辞めて飢えてぶっ倒れて元SRTの同期のカイザーで働いてる奴に捕まったってよ
- 2二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:27:04
たて乙
- 3二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:27:07
立て乙
- 4二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:27:15
一応保守
- 5二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:28:42
さてワイちゃんはどうなるのか、カイザーの思惑はいかに!(謎テンション)
- 6二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:30:11
たて乙
- 7二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:30:28
あげ
- 8二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:31:08
たて乙です
- 9二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:33:12
このレスは削除されています
- 10二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:33:36
このレスは削除されています
- 11二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:34:46
スレ立て乙
だが私はイヨちゃんの中の正義がどれだけ体を蝕もうと貫かれるのを信じる
キリノならそうするぞ?(最悪のエール) - 12124/04/22(月) 22:37:32
- 13二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:39:41
- 14二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:44:06
- 15124/04/22(月) 22:57:16
- 16二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 22:59:39
ありがとうございます!
現在は……それでも敬意は払ってそうなのがほんとイヨちゃん - 17二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 23:00:52
前スレ見てきました。この子はあれですね、キヴォトスで生きていくには繊細で真っ直ぐすぎた感じですね。正義に酔えず、悪にも堕ちれず、どっちつかずの中途半端。そんな自分に嫌悪しながらも今更変わることなんて出来ない。素敵だァ
- 18二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 23:02:31
お、新しいスレ立ってる
立て乙 - 19二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 23:05:15
- 20二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 23:11:44
- 21124/04/22(月) 23:15:25
- 22二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 23:17:41
なるほど、マシロやレイサのラインは確かに納得
これで内側に暴力の魔人飼ってなければなあ…… - 23二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 23:38:25
- 24124/04/22(月) 23:41:31
SRT時代はアサルトライフルを使っていましたが、ヴァルキューレに転入してから拳銃を使い始めました。イヨ本人は拳銃の方が自分のスタイルに合っているという理由で現在の銃を気に入っています。
- 25二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 23:50:29
自分のスタイル(スデゴロ上等の嵐みたいな戦闘)に合ってる
おお、うん……気に入ってるならまあええか…… - 26124/04/22(月) 23:54:24
- 27二次元好きの匿名さん24/04/22(月) 23:58:36
あの暴れようで、弱体化してんのかよ!?
- 28二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 00:03:13
イヨちゃんかわいいね…
自分の在り方に悩み苦しみつつも
決して折れて楽な方に曲がったりせず
泥に塗れてなお輝いて欲しい… - 29二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 00:06:19
- 30二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 00:15:03
塗れてるのは自分の吐瀉物だけどね
- 31二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 00:21:04
- 32124/04/23(火) 00:25:43
- 33二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 00:47:59
- 34二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 01:08:04
- 35二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 01:09:36
- 36124/04/23(火) 06:46:54
- 37二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 07:22:16
- 38124/04/23(火) 16:32:40
- 39二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 18:01:54
- 40二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 18:33:47
がんばれぇ!イッチ!
- 41124/04/23(火) 20:48:18
明日だァ!!!
- 42二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 20:49:08
ひゃあ!たまんねぇ、待機だ!
- 43二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 21:02:36
おむつ吐いて正座で待機しなきゃ
- 44二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 21:35:34
- 45二次元好きの匿名さん24/04/23(火) 23:33:58
がんばれ〜
- 46二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 07:50:08
権田原組…?
- 47124/04/24(水) 15:04:49
今回閲覧注意です
- 48二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 16:29:17
- 49今回前後編に分けます24/04/24(水) 21:07:18
「起きろー」
バケツで水を被せられ意識が強制的に引き戻される。何時間経った?何分?いやそもそも何日目だ?
「何が不満なの花輪ぁ、美味い飯も食える、良い服も買える、それで遊びにだって行ける、良いじゃん、学生の本分は遊びだよ?」
両の腕を鎖で縛られ、吊り下げられているせいで力が入らない。下着も何も身につけさせてもらえていない、非常に気分が悪い。
「金が欲しい訳じゃない…」
「おっ、まだ喋る気力あるんだ、ねっ!と」
私の脇腹に加治の全力の蹴りが入る。口の中に血の味が広がった。
「ゴホッ…はぁ…それにカイザーは嫌い」
「子供みたいに意地張っちゃって…あのね花輪、私思うんだけどさぁ、清貧誇ってもなーんも無いよ?」 - 50124/04/24(水) 21:12:51
コイツはいつまで金の話をするんだろう。別に貧乏だから倒れたって訳じゃないのに。面倒くさい。
「なんだよその顔〜」
突然の発砲。先程蹴られた場所に着弾し、何か変な音が腹に響く。肋骨が逝ったか。
「じゃあ何?くっだらない誇りとか矜持の話?バカバカしい」
「…そのくだらない物が無きゃ私は生きてけないよ、昔から、そうだし」
確かに、それらにはここ最近ずっと苦しめられている。だがこの二つを捨てて残るのはただの暴力的なクズの私だけだ。
「忌々しい…」
加治が心底嫌そうな顔をする。何か、何処かで見覚えがあるような。 - 51124/04/24(水) 21:14:07
「いつまで猫被る気だァ!?あァ!?」
突然の大声に鼓膜がビリビリする。やめて欲しい。
「青臭い正義掲げて何があるってんだ!?お前も私も同じ穴の狢だろうがよォ!!」
顔を殴り続けるのもやめて欲しい。
「私らみたいな奴が生き方選ぶ贅沢なんざ出来る訳ねぇだろうが!!」
何発撃つ気だコイツ。顔はホントにやめて欲しい。
「SRTで学んだ事活かして何が悪ぃんだ?あ?イイ思いして何が悪ぃんだよ!言ってみろよ花輪ァ!なぁ!?」
口に銃口を突っ込むのもやめて欲しい。喋れないから。顔を横にして無理矢理離す。 - 52124/04/24(水) 21:16:55
「私に聞かないでよ…」
「…ま、そうだね!ごめんごめん熱くなっちゃって」
コイツは情緒がおかしいのか?キレたかと思ったらすぐ落ち着く。気色悪い。
加治が私から離れ、部屋の隅の椅子に座り込んでスマホを取り出す。
「あー…なんか食べたいものある?」
「…カツ丼とか」
適当に答える。丼モノにがっつきたいのは確かだが。
「カツ丼か、良いね〜、注文しよっと」 - 53124/04/24(水) 21:19:57
「んじゃまあ、来るまで時間あるし、もうちょっと楽しもうね?」
勢いをつけて椅子から立ち上がる様に無性に腹が立つ。拷問する事を軽いノリで言われる身にもなれ。
「うーん…じゃ、これにしとこっか」
加治が取り出した二本の棒、電気棒だ。用途はもちろん…棒の先が腹に押し当てられ──
「ぐ、がが、ああ、あわ」
「ヘイロー砕けちゃうよ〜、ほらほら早く楽になりな〜?」
意識が白い光に呑まれ、苦痛で現実に引き戻され、また意識が飛んでいく。ケタケタと笑う声が電気ショックと共に脳裏に焼きつく。
「はい、休憩〜」
「あ、ああ…あ…」
太腿が濡れている。貴重な水分を吐き出してしまった。気のせいか喉が渇く。
「ねー、一緒に働こうよ〜、花輪がいたら百人力だしさぁ」
「い、やだ…」
「チッ、ホントいつまでやるんだか…」
こっちの台詞だ、と言おうとしたところで電気棒を押し付けられた。ふざけやがる。 - 54124/04/24(水) 21:21:10
…
「こりゃ美味しそう、いっただっきま〜す!」
唾液が出てくる。空っぽの胃が唸って文句を言う。コイツは私の目の前で食事をしやがる。本当に一番キツい。特上の飯テロだ。匂いが鼻をくすぐる度に歯ぎしりしてしまう。
「食べたい?」
「そりゃね…」
「じゃ、次の点滴にカツ丼入れたげるよ」
「殺す気か…」
「もったいないから殺さないよ?」
ため息一つ。完全に狂った女に捕まってしまった事を再認識した。 - 55124/04/24(水) 21:22:36
「ごちそうさまでした、と…さ、続きする?」
「隊長」
いつの間にか入ってきていた加治の部下の子が耳打ちをする。何かあったのだろうか。
「マジで?オッケー、じゃ見張ってて」
「了解しました」
「そんじゃまたね花輪〜」
手を振りながら出ていく加治を睨め付けた後、部下の方に目をやる。
「…」
こっちはこっちで何を考えているのやら、ガスマスクで少々読み取りづらいが、私の体をじっと見つめてきているのだけは分かる。 - 56124/04/24(水) 21:24:14
「な、何…?」
「…」
この貧相な体を見て何が楽しいのやら。変態だろうか。
「え、えっと…あの…」
ずい、と顔が近づき、薄い胸を無理矢理掴まれる。普通に痛い。まさか、まさか本気でやる気か。
「ま、待って!それ以上は」
言葉での制止など聞いてもらえる訳もなく、股間に手を伸ばされ────
ああ、もう良いや。もう知らない。 - 57続きは後編で!24/04/24(水) 21:25:58
- 58二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 21:32:17
- 59二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 21:32:33
うーん、サイコだ(
それはそれとして続きを読みたくなるねえ - 60二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 21:34:54
アタイ、女の子が女の子に向ける超巨大感情好き好き侍
いいね、いいね、最高だ、この調子で最後はイヨちゃんの凶牙の餌食になってくれるともっといい - 61二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 21:36:24
- 62二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 22:02:45
このレスは削除されています
- 63二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 22:11:35
- 64逆に寝れないので答えます24/04/24(水) 22:38:58
- 65124/04/24(水) 22:41:14
- 66二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 22:51:49
- 67二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 22:53:24
- 68二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 22:54:39
TIGER!カッコいい!
- 69二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 22:56:26
ワイちゃん、自尊心ボコボコすぎて自分の体すらそんなに大事に思ってないの本っ当に……うっ
- 70二次元好きの匿名さん24/04/24(水) 23:04:20
でもいたぶってくるような相手にはさすがに敬語が取れて汚い物言いになってるのかわいいね
やっぱり根が暴力の女じゃないか - 71二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 05:58:44
ええんかそれで(困惑)
- 72124/04/25(木) 07:51:57
(普段書いてるのが女引っ掛けて都合よく使ってるカスの女なせいで何か物足りないという顔)
- 73二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 08:02:45
草
普段なに書いてるんだ…? - 74二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 08:34:00
- 75二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 17:11:52
ほ
- 76124/04/25(木) 19:28:33
しばしお待ちを…
- 77二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 20:17:31
WAITLITY……
- 78ホアかゼマか、のろまかちびか24/04/25(木) 21:45:08
くだらない用事も終わり、ようやく楽しい時間に戻れる。あの花輪イヨを私が好きにしているという事実が何よりも楽しい。一緒に仕事をしたいからと拷問する私への心証は最悪だろうが、心を一度完全に壊してやればきっと素直になってくれる。あの時のような花輪イヨに戻ってくれる。ウキウキ気分で部屋の扉に手をかける。
「ただいま〜…あ?」
いない。全裸に剥かれた部下だけしか。扉を後ろ手に閉める。何が起きた?後ろからじゃら、と、何かが擦れる音。
「がっ!?」
振り向く間も無く首が締まる。鎖だ。イヨの奴、扉の後ろにいたのか。
「花っ、輪ァ!」
腕を振り回そうとするが体勢が悪過ぎる。背中合わせで持ち上げられ、足がつかない。 - 79蛮族か蛇か24/04/25(木) 21:47:16
「があっ!」
逆に反対側へと体を持っていき、壁を使って抜け出し、そのまま膝で頭を狙う。
「ッ!」
花輪の後頭部に直撃したはずの膝に激痛。逆に合わせられたか。壁を再度使って三角跳び、部屋の中央へ。
「どうやって抜け出した…花輪ァ!」
「…部下の教育はちゃんとしといた方が良いよ、無理矢理スるのはよくないって教えないと」
「あ…?んのクソアマ…!後でぶっ殺す…んで!?どうやって抜け出したか聞いてんだけど!?」
「どうやってって…」
花輪が二本の鎖を見せびらかす。おかしい、一本だけだったはず。
「摩耗させて、ブチっとやった、以上」
「あり得ねぇだろ…!」
「時間かかったし痛かったけど…ヤられる寸前で間に合ったし…あとは…」 - 80生肉か弁当か24/04/25(木) 21:49:06
叩きのめすだけだ。鎖を振り回し、加治の腕を打つ。
「ぐっ!」
もう片方の鎖を叩きつけようとしたところで掴まれ、引っ張られ──
「惜しい」
手を離して部下の子が持っていた銃で撃つ。昔私が使っていたのとよく似たアサルトライフルだ。服を奪うついでに腰に提げておいて良かった。怯んだところに保持していた鎖を全力で叩きつける。
「がぁっ…!」
「…やっぱり、筋力落ちてるな」
今までの私ならこれで終わっていただろう、しかし。
「花輪ぁぁぁぁ…!」
まだ倒れない。執念深いのもあるだろうか?加治も銃を取り出す。ハンドガンか。これからが本番らしい。 - 81ツンデレかアクシデントか24/04/25(木) 21:51:58
「うらぁ!」
加治の撃ち放った銃弾が的確に折れた肋骨に突き刺さる。内臓に骨が刺さるかも知れない。撃たれないようにしないと…半身になって無事な方を前に出した瞬間、また弾が突き刺さる。何が起きた?
「お前が同期ん中じゃ一番近接戦は強かったが…私は射撃だ、覚えてるか?」
「跳弾…!」
思い出してきた。合同訓練の時に突出して銃の扱いに長けていたのが加治だ。その後折ったんだったか、腕を。
「脇腹隠しても当ててやっから覚悟しろよ」
「ッ…」
コイツは宣言通り当てられるだろう、それも何回でも、この部屋にいる限り、何処でも。だが私はまだ出ていくつもりは無い。血の混じった痰を吐き捨て、鎖を手放す。もう必要無い。 - 82テクストか人間か24/04/25(木) 21:56:56
「来いよ花輪、ヘイローぶっ壊れるまでやろうぜ?」
「やれるとでも…?私に勝てると本気で思ってる?」
「んなボロボロの体でほざくなァ!」
再び発砲。軌道は計算され尽くしているはず、恐らく避けた所で二度、三度の跳弾が私を狙う。ならば。大きく息を吸う。
「スゥーッ…!」
何発もの弾丸が突き刺さる。痛みと衝撃で血が口に上ってくる。だが構うものか。このまま突っ込む。
「この…!」
肉薄。今度は直接、近くから撃たれる。歯の間から血が溢れる。知った事か。痛みなんて無視してしまえ、内臓なんていくらでも潰してしまえ。 - 83娘かデータか24/04/25(木) 21:59:29
「ぐぅぅ!!」
頭突き。衝撃を逃がさないよう加治の頭を手で押さえて更に頭突き。頭突き、頭突き、頭突き、頭突き、頭突き。
「うごぉっ…」
手を離すと鼻血をドバドバ出しながらよろけて倒れる。だがまだ気絶してはいない。銃口をこちらに向ける、が。
「弾切れ…チクショウ…」
静かにフルオートに切り替え、加治に馬乗りになる。頭がぐらぐらするが、勝ちは勝ちだ。
「ぐ…乗るな、クソっ…」
「…これで終わり、だけど、なんか言いたい事ある?」 - 84頭に山刀を振り下ろすように24/04/25(木) 22:04:05
加治の口が歪む。
「…へへ、良い顔じゃん」
なんだ、何がおかしい?
「好きなんだよね、花輪のその顔…私の腕折った時もそうだったけどさ…その、喜んだ顔…人を痛めつける時しか見せないその顔!」
思わず気圧される。何を言ってるんだコイツ。
「ずっと退屈そうにしてたよね?ずっと!あんなとこにいた時の花輪の不満たらったらの顔は見てて最悪だった!でも!今!花輪楽しそう!嬉しそう!」
そう言われて気付く。加治の瞳に映った、私の顔。そういう事か。こんな表情してたんだ、私。
「ねえ花輪、こっちに来てよ、私と一緒に堕ちてよ、ねえ…気に入らない奴ぶっ殺したりして一緒に楽しくやってこうよ…」 - 85じょおおおおおおだんじゃない24/04/25(木) 22:06:31
「…うん、そう、だね…」
やっと分かってくれた!やっと!フラフラと立ち上がるイヨに抱きつく。嬉しい!
「ね、ね、二人でここぶっ潰そ?全部モノにしちゃお?」
「はは…いいね…」
「もっと早くこうしてれば良かったね?」
もっと早くこうしてればこんなにお互いボロボロにならずに済んだのに。まあ仕方ない事か。
「…まあ、必要だったって事で、ね」
「ねえ、イヨって呼んでいい?ユイカって呼んで?」
「…ユイカ」
「なぁに?」
イヨの優しげな声に耳を傾けた。 - 86124/04/25(木) 22:09:16
脚に激痛。続いて鳩尾に激痛。
「え、あれ、何これ」
目をやると、明らかに変な方向に曲がった脚が。関節が何個か増えてる気がする。
「気に入らない奴を…なんだっけ、まあ、良いね、実践しよう」
あれ、イヨが楽しそうな顔してる。私も嬉しいかも。
「私が今、一番、気に入らないのは」
イヨの拳が頬を裂く。血が溢れた。
「私自身、それと」
イヨの蹴りが腕を折る。痛みで汗をかく。
「ユイカ、貴方が気に入らない」
イヨの銃弾が目を潰す。左の視界が無くなった。 - 87124/04/25(木) 22:11:24
「あ、あは、えへ、痛い、痛いな」
「貴方のようになりたくないけど、うん、確かに私と貴方はよく似てるかも知れない、気持ちも分かる、でもね」
イヨ?なんでそっち行くの?
「私はやっぱり元SRTで、正義の方が好きなんだ、だから、その…」
行かないで、ねぇ。
「…ごめんね、貴方とは付き合えない」
ねぇ、ねぇったら。私立てないよ。遠いよ。私はここにいなきゃいけないの?待ってよ。
「さようなら」
扉が、閉まった。 - 88翌日24/04/25(木) 22:13:34
「た、ただのゼリーがこんな美味しく感じるなんて…」
一仕事終え、しみじみとスプーンを咥える。食事は良い…まあゼリーだけど。
あそこから逃げ出してこの方、気分が悪くなる事が無くなった。その証拠に、
「あ、が…」
「…顎割っちゃったかな?」
カツアゲをしていた不良をこんなに痛めつけても気持ち悪くならない。すごく良い。
「はぁ〜…ゼリー美味し…」
「あの!す、すみません、助けていただいて…」 - 89躁24/04/25(木) 22:16:30
「…」
ふと、大きな鏡に目が留まる。何故こんな路地裏にあるのやら。
「良かったら、お礼をさせて…」
映り込んだ私の顔があんまりにも不愉快なので叩き割る。
「ヒッ!ご、ごめんなさい!」
カツアゲをされていた子が驚いて何処かへ行ってしまった。話を聞いていなかったのも含めて悪い事をした。まあそれは良い。
「気持ち悪い顔」
あれ以来、鏡を見れない。吐かなくなった代わりに悩みが一つ増えてしまった。
「…口元隠したらマシかな」
まあ、マスクでもしておけば良いだろう。
「さあどうしよっかな」
何処へ行こう、何をしよう?出来れば姿が映る物があんまり無いところが良いな。そんな事を考えながら足を踏み出した。 - 90124/04/25(木) 22:18:57
- 91二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 22:22:03
サツバツ!
最高でしたよぉ!もうイヨちゃんもユイカちゃんも大好きですわ!
狂った鏡像をブチ壊して、イヨちゃんはどこへ向かうんだろうねぇ - 92二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 22:24:42
「来いよ花輪、ヘイローぶっ壊れるまでやろうぜ?」
このセリフで一瞬コマンドーが脳裏に浮かんだ - 93二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 22:25:52
- 94二次元好きの匿名さん24/04/25(木) 22:48:37
ユイカァ……お労しいなぁ……
お前も正義、しないかい? - 95二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 00:54:21
このレスは削除されています
- 96124/04/26(金) 07:08:00
イヨの事だしどうせ断るでしょと考えていました
素面で受けられた場合の事を一切想定してなかったのでもし承諾された場合解釈違いでキレる可能性が高いです
他の意図はよくわかんないですね私健全な方なので(早口)
- 97二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 08:02:15
- 98124/04/26(金) 12:08:13
- 99二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 12:14:01
やはりあなたはサツバツの民だ…我々と感性が、似ている…
- 100二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 18:11:15
妄想も今のうちだし好きに言ってみるか
カイザー所属、ロボまでいる激やば科学力、クソデカ感情
ユイカちゃんお前まさかサイボーグストーカーと化すのか…? - 101124/04/26(金) 19:51:22
更新は多分明日です
多分… - 102二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 19:59:07
似たようなこと考えてた、失った左目の幻肢痛に苦しみながらイヨちゃんを見つけたらニコニコしながら襲いかかってほしい(そしてイヨちゃんにはウンザリ対応されてほしい)
- 103二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 21:24:28
そういえば前スレの内容ではキリノからまた会いたいと思われていたけど、今のふっ切れたイヨちゃんとキリノやカンナが再会したらお互いどんな反応になるんでしょうね
- 104二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 08:22:57
これからどうなるのかねぇ
- 105124/04/27(土) 13:01:19
進捗マジでダメです、今日中は無理かも…
- 106二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 13:02:23
ゆっくりでいいんやで、私事が何よりも優先
- 107124/04/27(土) 18:39:54
一文字も進んでない進捗の停滞が手痛い
何が手痛いだゴラ!!!!!!(キチゲ発散) - 108二次元好きの匿名さん24/04/27(土) 18:46:39
その狂気、次も期待できそうだ
- 109124/04/27(土) 22:52:08
頑張ります
頑張ります - 110二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 06:23:36
保守
- 111124/04/28(日) 12:39:40
ウワーッ!?(白紙の進捗)
- 112二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 12:44:48
まだまだ待てるさ、無理だけはだめだゾ☆
- 113二次元好きの匿名さん24/04/28(日) 12:48:09
まぁ全く進まない事ってたまに割とあるよな……しゃーない
今キリノやカンナに会ったらどんな反応してくれるかな - 114124/04/28(日) 20:59:08
友人と喋りながら書いたら進みました、多分明日出ます
- 115二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 00:46:09
ワクワク
- 116二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 00:47:32
よし、待機開始だ!
- 117二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 01:47:18
- 118124/04/29(月) 07:11:46
- 119二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 11:28:22
うーんこの
- 120二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 11:32:27
もう、大好きだよユイカちゃん
- 121二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 11:40:01
解釈違い(誘いに乗る)でも解釈一致(誘いを蹴る)でも結局キレることが確定してて草
- 122二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 20:51:28
あらま
- 123管理人テメェ!!!!!!24/04/29(月) 22:01:57
書類の山を片付け、一休み。コーヒーでも淹れるか、どうしようか。逡巡していると何かが机からハラリと落ちたのが見えた。
「ん…これは…」
ここ最近巷を騒がせている謎の暴行犯の写真。フルフェイスのマスクで顔を覆い隠すだけでなく、全身を包むようにボロ切れを纏っている…身元は不明、被害者は不良やギャングといった反社会的な連中で、大半が重傷を負った状態で病院に運ばれ、意識が戻らない者も多い。特に直近で起きた事件は酷かった、全員が意識不明の重体だ。 - 124友人とモンハンしてたのは内緒24/04/29(月) 22:03:51
…自警行為にしては行き過ぎてはいる、だが、被害者があまり良くない連中なせいか咎める声は少ない。ヴァルキューレ内部にもこの暴行犯を擁護する声がある。全くふざけた話だ。
「あの、局長?今よろしかったですか?」
唐突にかけられた声で我に帰る。険しい表情をしていたか、少し怯えさせてしまったらしい。
「…おっと、すまない、なんだ?」
「例の暴行犯の被害者の一人が目を覚ましたので事情聴取をと…」
「分かった、行こう」
今はひとまず知る事が重要だろう。一体何者なのか、何が起きているのか。 - 125124/04/29(月) 22:05:12
「…アイツが来た時の話?」
「そうだ、知っている事を話せ」
「…言っとくけどアタシらは被害者で…」
「そんな事はどうでもいい、起こった事だけを話せ」
不服そうなスケバンを睨み付けてやると、渋々と言った口調で話し始める。
「あの時は確か────」 - 126124/04/29(月) 22:05:59
そう、アタシらが商談をしていた所だった。よく分かんねー鳥だの猫だののグッズ…モモフレンズだ、それそれ…で、そのコピー品を売り捌くシノギに噛まねぇかって話だった。美味しい話だったし、そいつらとは何度か仕事してたから信用もあった。どっかの廃工場で…アタシらが倒れてた場所だな、そこで話してた時だ。
『ここは立ち入り禁止だぞ!』
アタシらの…いや、向こうの奴らの見張りがそう言ったんだ、全員入り口の方向いて最初に見たのが、見張りの奴が、横に吹っ飛んで…血がドバドバ出てて…
…平気だ、気にすんな…で…入ってきた奴を見たんだ、次によ… - 127124/04/29(月) 22:06:42
そいつは…異臭を放ってた。明らかに異様な雰囲気で…覆面で顔が見えなくて…でも表情だけは分かった、笑ってた、ずっと。
…血溜まりに沈んだ見張りのヘイローが消えてたから、皆アイツが殺されたのかと思って動揺してた。それでアタシらの内の一人がパニックになって突っ込んでった。アタシの左で寝てる奴だ、顔が包帯でグルグル巻きにされてるだろ。やられたんだよ、掴まれて…顔を床に押し付けられて…大根でもおろすみたいに、顔から血が、肉が…いや、大丈夫、大丈夫だ。
…それで、それ見て皆パニクった。襲撃されるなんてなかなか無かったし、何よりそいつは銃も使わずに二人を潰した。一人だけで…ああ、そうだよ、皆怖かったんだ。誰かも分かんねぇ奴に、もしかしたら殺されるかも知れないって。 - 128124/04/29(月) 22:08:01
おかしくなりそうに、いやおかしくなったんだろうな、一人、また一人そいつに向かってった、そんで潰れた。アタシは足がすくんで動けなかった。情けねぇ話だけど、本当に死ぬと思ったんだ。あそこで。
そっからはもうどうなったかよく覚えてねぇ…全員どっかしら折られたかで気ィ失って…その間ずっと、ずっとアイツは笑ってたんだ、ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと、ずっとだ、頭ん中でずっと笑ってる、アイツが、アイツの笑い声が。
…水を、水をくれ、あと、少し寝させてくれ。いやその前に鎮静剤もくれよ、不安なんだ。 - 129124/04/29(月) 22:09:15
湯気の立つコーヒーを側に置き、椅子に座り込む。暴行犯の正体に繋がる情報は無かったものの、動機についてはなんとなく推察出来るかも知れない。
「快楽…」
人は正義を為す時、性行為以上に快楽を得られると言う。恐ろしい心理だが本能的なものだ、それは仕方ないと割り切るべきだろう。しかしその為だけに大勢を…?異常と言う外無い。再び写真を手に取る。
「…笑い」
他人を過剰に痛めつけながら笑うなど正気の人間の情動では無い。やはりどう考えても危険だ。しかし、未だ正体は掴めていない。監視カメラにもろくに映らず、行動は決まって深夜。何か、練達したものを感じる。災厄の狐のような計算高さを。頭が回る異常者程、厄介な者もそうはいない。だがそれだけでは無いような。 - 130124/04/29(月) 22:10:29
ふと頭に浮かんだ可能性、何処かで訓練を受けていた、とか。そして正義に固執する様、元SRTなら有り得るかも知れない。だが、いやしかし。ある人物の顔が浮かぶ。
「花輪イヨ…?」
考え過ぎだろう。きっとそうだ。疲れているんだ。色々と言い訳を並べ、その可能性を切って捨てようとする。
「…」
完全に人違いだ。そう思ってみても疑念は頭から離れない。否定は決して出来ない。
「だとしたら、どうする…」
仮に、もしも、花輪イヨがこの暴行犯だったとして、私に何が出来る?手錠をかけ、牢屋にぶち込む以外の選択肢は無い。だが他に道があったのでは?ヴァルキューレを辞めさせるべきでは無かったのでは?
「…いや」
それこそ、考え過ぎか。過ぎてしまった事を後悔し続けても仕方ない。そして何より、そうであるならば、結局は。
「…ぬるいな」
冷え切ったコーヒーを啜った。 - 131好きな性癖発表物書き24/04/29(月) 22:13:29
「はぁ…あー腰痛ぁ…」
ベンチで寝るのは体によろしくない。怪我が最近多くなってきているというのに、まともな寝床も使わずに睡眠を取ろうとするのは愚の骨頂だ。
…まあ部屋の中がすっからかんにされてた以上仕方ないが。予定を過ぎても私が現れなかったせいでこんな事に。ユイカめ。
「ふぁ、ああ…眠…」
よろよろと立ち上がる。まだ意識がハッキリとしない、顔でも洗おう。公園に設置されている水道を使う。
「痛…」
水に触れた手の甲が痛む。見れば、皮膚を突き破った骨が外気に晒されていた。他人の骨を拳で砕こうとするのはやめた方が良いかも知れない。痛みを堪えながら顔を洗うと少しスッキリした。 - 132『包帯塗れの女』24/04/29(月) 22:15:34
- 133124/04/29(月) 22:18:18
今回少し短めです。許して。
代わりに質問は深夜まで受け付けます。こちらのレスへどうぞ。
ミラボレアス相手に友人キャリーしてたらこんな時間でした(懺悔) - 134二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 22:26:37
乙、どっちだ…?
イヨちゃんがシュバルツバルトになっちまったのか?
それとももう一人、やべー正義の徒がいるのか……? - 135124/04/29(月) 22:38:41
- 136二次元好きの匿名さん24/04/29(月) 23:16:12
骨が皮膚突き破っているのはいくら何でも不味いですよ!? 空気中の雑菌に感染してなくなっちゃうよ…
ナチュラルな暴力者だと知らないとはいえ、責任感じちゃうカンナ局長もおいたわしいね - 137二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 00:05:07
どんどん大変な方向に振れていきますな
さて何処まで行くか楽しみ - 138二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 06:45:33
気楽な道へ進みやがって!
- 139124/04/30(火) 11:23:43
進捗が
進まぬ時は
インプット - 140二次元好きの匿名さん24/04/30(火) 12:27:32
- 141124/04/30(火) 17:04:06
- 142124/04/30(火) 18:53:22
更新は明日です、多分
キヴォトス人は耐久性が高くて助かりますよね - 143124/04/30(火) 21:42:12
進捗6割です
6割です - 144二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 03:52:49
最初から一気読みした
ヴァルキューレやめた結果がこれだよ!とも言い切れない地獄みたいな状況に苦しくなると共に続きが待ち遠しくなりました - 145124/05/01(水) 12:06:43
(どうしてリハビリ程度に始めたものにこんなに苦しんでるんだろうという顔)
(リハビリは苦しいものだからまあ良いかという顔) - 146好きな性癖発表物書き24/05/01(水) 22:03:33
- 147『モツ抜き』24/05/01(水) 22:04:42
「ここ、か…」
溜まり場、と言った風情の場所だ。解体されたビルの跡地だろうか。廃棄されたコンテナだのタイヤだの、よく分からない下品な落書きに、その辺りに捨てられたゴミ。その中に持ってきた物を投げ込んでやると敵意を向けてきていた住民の戦意が萎えるのを感じた。
「この子の知り合い…いる?」
へへ、と笑いを漏らすと全員の敵意が膨れ上がった。皆そうだったか。ならいつもの通りにしよう。腰に提げたアサルトライフルを構え、飛び出してきた黒マスクの子の頭を撃つ。
「ぎゃ!?」
怯む彼女を捕まえ、盾にして前進。躊躇しながらも撃とうとする一人に向けて銃撃…が当たらない。片手では難しい。仕方ないので甘んじて盾で受ける。 - 148『直接心マ』24/05/01(水) 22:05:51
「撃つな!撃つな!」
盾がうるさい。口に手榴弾を噛ませる。猿轡としては少し大きいが黙らせるにはちょうどだろう。ピンを抜いておく。
「が…ごご…」
口を開ければ三秒で爆発だ。痛い思いはしたくないだろう。しっかり噛んでいて欲しい。私も痛いのは嫌だ。
「るあっ!」
後ろから釘バットで殴りかかってきた子の振りかぶる軌道を見ずに予測する。まあ屈めば良いか。盾から手を離して姿勢を低くすると見事にフルスイングが頭に叩き込まれた。可哀想に。それと同時に何かが外れた音が聞こえた。ああもう。遠くで逡巡している子へ目掛け、唾液と血に濡れた手榴弾を蹴っ飛ばす。 - 149『腹部貫通』24/05/01(水) 22:07:41
「ぴぎゃ!?」
頭の近くで爆発。ヘイローが消えている。人は何故近くで爆発が起きるとアフロになったりならなかったりするのだろうか。
そんなどうでもいい事が頭によぎった瞬間、釘バットが再び振るわれる。避けにくい。
「ッ!」
左手で釘の無い所を受け止めるつもりが、狙いが逸れて手首に直撃して結構な痛みを覚える。まさか釘が刺さったか?まあそれは良いとして、次に警戒すべきは…
「今だ撃て!」
援護射撃。バットの子が巻き込まれるかも知れないというのに良くやるものだ。防ぐ手立ては手首を打ったバットで封じられている。今からでは間に合わない。なら無理矢理にでも避けるしか無い。 - 150二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 22:08:23
投下中に申し訳ないが、性癖がニンジャスレイヤーかってくらい残虐過ぎる
- 151『吸血』24/05/01(水) 22:08:52
「スゥーッ…」
周りの時間が一気に遅くなる。手から滴る血の滴の形までよく見える程に。どろっとした時間感覚の中で、まずバットを跳ね除ける。傷口が広がるのを感じつつ体勢を崩した彼女を踏み台にして、大きく跳んで空へ。靴の裏スレスレを通過していく銃弾、間に合った。回転しながらもまだ上昇する体の向きを少し変え、銃を構える。狙いはもちろん撃ってきた連中だ。
射撃はそこまで得意では無いが、それでもこの状況程度でなら余裕を持って狙える。まず一人、銃を狙って撃つ。銃身に直撃した。二人目、跳んだこちらを見ようと顔を上げていたのでそのまま顔へ。三人目、構え直そうとしている所へ数発。四人目、五人目、六人目、七人目、弾切れだ。マガジンを交換する…前に。
「な…!」
バットを持っていた子に落下しながらストックを叩きつけ、ついでにリロード。先程撃った七人は直接叩き伏せる。 - 152『指の爪を剥がすやつ』24/05/01(水) 22:10:22
一人、一人と打ち倒す度、背中にぞわぞわとした感覚が走る。背徳的な歓喜は何物にも代え難い中毒性がある。
「ひひ、あはひ、ひひひ」
自然と笑いが溢れる。撃つ、殴る、蹴る、投げる、砕く、折る、潰す、全部、全部が楽しくて仕方ない。趣味に全力で打ち込んでいるのだから楽しくない訳が無いのだけれど。
「…あれ?」
気付けば全員倒れ伏していた。なんだ、もう終わりか。少し退屈な気持ちもあるが、これ以上は私の体も危険だろう。喉奥に違和感。
「ゴホッ、う、ぷ…」
迫り上がってきた液体をなんとか押し留め、胃に戻す。余りは身に纏ったボロ布に受け止めさせる。血だ。まだユイカに受けた傷が治りきってもいないのに無理に動いているせいか。落ち着け、深呼吸だ。少ししてから動こう。今日も良い一日だった。 - 153『目撃でショック受けるやつ』24/05/01(水) 22:11:46
「…?」
深夜のパトロールでは人を見かける事が少ない。なので当然、見かけた場合には基本的に警戒する。もしかしたら何か犯罪に巻き込まれるかも知れないし、犯罪をしようとしているかも知れない。だが今回は程度が違った。身元を隠す為なのか、全身を覆うように…まるでローブのように…纏った黒い布、漂う血の匂い。
「まさか、アレが…!?」
ここ最近巷を騒がせているあの暴行犯…なのでは?何処かへ駆けて行くのをこのまま見過ごす訳にはいかない。追いかけよう。そう思ってローブの人が入って行った路地裏へと急ぐ。 - 154『血溜まりに沈むやつ』24/05/01(水) 22:12:50
「い、いない…?」
先程入ったばかりのはず、見失う訳が無い。まさか…
「上?」
見上げると、月に影が増えていた。何も無しに建物の上に駆け上がったのか。身体能力の高さが伺える。そして監視カメラにろくに映らない理由も分かった。追いかけるにも厳しい速度で跳んで何処かへ行ってしまう。忍者とかその類だろうか。しかしここで諦めては…と、はて、あの血の匂いは何処で?
「まさか…!」
逆に、ローブの人が出てきた場所へ向かう。治安が悪く、少々足を運びたくない所ではあるが、今はそんな事は言っていられない。嫌な予感がする。一歩踏み出すごとに血の匂いが強くなってくる。この角を曲がれば──
「…!酷い…」
すぐさま端末を取り出して連絡する。これまでの傾向から言って死者は出ていないだろうが、処置が遅れてはまずいかも知れない。
「中務キリノです、この位置に至急医療班を送ってください!」 - 155『眼球摘出』24/05/01(水) 22:14:15
「…」
目が覚める。見知った場所だ。左の視界が無い事だけが違和感だが、他には不調は無いように感じる。
「起きられましたか、隊長…」
「…何日?」
「九日です…その、左目は…銃口を捩じ込まれて撃たれたのが原因でしょう、眼球破裂で…視力が回復する見込みは無いと…」
「鏡ある?」
部下の手から受け取ったそれを覗き込む。左の眼窩には穴のみが残っていた。摘出されたか。右目に波及しなかっただけマシと思おう。部下に鏡を差し出す。 - 156『後遺症が残る大怪我』24/05/01(水) 22:15:27
「…私の落ち度です、まさか鎖を引き千切るとは…?た、隊長?何か…?」
鏡が割れる音が響き渡る。掴んでいるこちらが確かコイツの利き手だったはずだ。つまり。
「は、離してくださ…」
次に悲鳴が響き渡る。引き寄せた手の指、親指以外の指を噛み千切ってやった。この指が触れようとしたのか、イヨに。
「まっず…」
なるべく噛み砕いて飲み込む。繋げさせてやるものか。
「ふ、ふざけ…」
「人の女に手を出そうとしておいて何も無いと思った?腕を切断されなかっただけ慈悲深いと思ってよね」
口についた血を袖で拭き、凝り固まった体がパキパキと苦悶の声を上げるのを聞きながら立ち上がる。 - 157流血大好き24/05/01(水) 22:16:17
「ああ、ここ辞めるから、よろしく」
もうここにいる価値は無い。向こうにとってもそれは同じだろう。片目失明はそれだけ重い。
「さて、さてさて…」
軽く体を伸ばし、うずくまる元部下を蹴っ飛ばして歩き出す。折れていた手足はすっかり治っている。良し。
「イヨに会いに行かないとね〜」
楽しみだなぁ。 - 158124/05/01(水) 22:17:06
- 159二次元好きの匿名さん24/05/01(水) 22:18:12
ジョーカーのようなバットマンのような…ともかくHappy Faceなようで。
- 160124/05/01(水) 22:33:22
ちなみに残り2〜3回で終わります
- 161二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 00:29:58
- 162124/05/02(木) 06:38:06
下手に慣れてない武器とか近接武器とか使わせるより素手の方が強いかなって…
- 163二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 15:36:57
暴力ウーマンはどうなるのか
- 164二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 16:01:03
- 165124/05/02(木) 17:48:17
SRT時代に骨をバキッとやられた時からです
その際のイヨに強く惹かれました
『コイツ同類だ!』と直感したのもその時です
イヨからなんとも思われてなかった事に関してはまああのイヨだし無理も無いかなくらいに考えてました、イヨが普段何してたかって言ったら基本一人で甘いもの食ったりしてるだけだったので…
- 166124/05/02(木) 17:51:13
更新は明日です、シンプルに体調の問題ですが進捗の方はなんとかなってるので少々お待ちを
- 167124/05/02(木) 21:53:38
エアコンの掃除はちゃんとしないと肺をやられますね(2敗)
- 168part2の>>14024/05/03(金) 02:42:03
- 169124/05/03(金) 06:43:28
A1:はい。そこにプラスしてボロ布にこびりついた血の臭いが混ざっていて屋外でも近づかれると鼻が良い人は分かります。
A2:いいえ。別物です。そこら辺を歩いていたら突然捕まってアジトの場所を案内させられた哀れな配達物です。
A3:部下の方は義指でなんとか出来る程度には残ってます。多分大丈夫です。多分。ユイカの方は高い射撃能力を買われていたのもあって左目の失明は非常に痛い損失です。イヨが火事場の馬鹿力でやり過ぎました。というか危うく殺しかけました。貴方が眠っていた時間は9年です(幻聴)
- 170part2の>>14024/05/03(金) 10:07:32
- 171124/05/03(金) 11:57:31
A2-2:はい。彼女は適当にボコされて病院送りにされました。画面外ではそういう子が多いです。
A3-3:はい。イヨに人を死なせるつもりは一切ありません。痛めつけたいだけです。本当に殺ってしまった場合どうなるかはご想像にお任せします。
ちなみに拷問はしてましたがユイカにも殺意はありませんでした。お似合いですね。
- 172二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 20:01:10
すき
- 173二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 21:42:57
このレスは削除されています
- 174>>173 考えときます。24/05/03(金) 22:52:38
ビルの階段を駆け上がる。きっとここにいるはずだ。足を止めずに走り続ける。
息があがりかけた頃、ようやく屋上の扉へと辿り着く。
「はぁ…はぁ…」
ドアノブに手をかけ、勢いよく押し開けた。
「え…?」
何故、ここにイヨさんが? - 175124/05/03(金) 22:54:23
…あの時、事件現場を目撃してしまった私の中で、使命感の炎が燃え上がった。例え相手がどのような人間であっても、一方的に暴行を加え、痛めつけてはダメだ。
だからあの時見た、目に焼きついたあのローブの人の姿を追いかける事にした。まず深夜にパトロールする回数を増やし、重点的に建物の“上”を見るようにした。
その甲斐あってか再び見つける事に成功し、その姿を追い、最後に止まった場所がここだった。無駄に高く、しかし誰もいないので都合が良かったのだろう。だが、まさか。
「貴方が…」
彼女は完全に硬直していた。見つかった事、というよりも、私がここにいる事、にだろうか。何故?という表情が口元の赤黒い血と共に貼り付いていた。
「貴方が…あの暴行犯、だったんですか?」
核心に触れる問いを投げかけた瞬間、困惑が絶望へと転じるのを見た。 - 176124/05/03(金) 22:55:06
「わ、私…」
何故彼女がここにいる?そして何故バレた?どうして?何処で見られた?
頭の中で疑問が湧いては消えを繰り返す。
「あ、あ、あ…」
胃が締め上げられる感覚、鼻の奥の不快感、地面に足がついているかどうか分からなくなる。無視してきた脇腹の痛みが主張を強くした。吐き気に必死に耐える。 - 177124/05/03(金) 22:55:56
「違う…違う…!」
何が違う?何も違わない。私は最低の人間だ。
「私、は…!」
目が合った。彼女の眼に何か映っている。
「見ないで…」
見られている。
「お願いします…」
見ている。
「見ないで…!」
フェンスを飛び越える。あの視線から逃れないと頭がおかしくなる。いや、あの眼に映った何かから逃れないと。何処へ逃げる?とにかく何処かへ、彼女のいない所へ。
「あ」
焦るがあまり、足を滑らせた。 - 178124/05/03(金) 22:57:20
「イヨさん!!」
たとえあの人でもこの高さから落ちては無事で済むかどうか。がむしゃらに階段を駆け下り、地上へ戻る。急げ、急げ!
心臓が早鐘を打つ。疲労によるものだけではない。見るのが怖い。私は今、確かめる事に恐怖している。それでも、見ない事には…そう意を決して道路へ躍り出た。
「…え?」
いない?確かにさっき落ちたはず。痕跡も何も無い。という事は、無事、なのだろう。忽然と消えてはいるが。
「どうして、イヨさんが…?」
ふと、思考が根本的な問いに立ち戻る。彼女は一体何を思ってあんな事を繰り返していたのか。何度考えても分かりそうに無い。けれどそれはきっと、私には分からなくても良い事なのだろう。だからやる事は変わらない。
「私は、ヴァルキューレ警察学校の生徒」
追いかけよう。もう一度。 - 179124/05/03(金) 22:59:01
「う、あ…」
地面に激突した程度の事は問題無い。骨さえ折れなければ走れる。走らなければならない。
「やだ…やだやだやだ…」
小さな子供みたいに涙をぼろぼろ溢しながら走って逃げる。彼女から?いや違う。私をずっと見ているあの醜い何かから。
「見ないでよ…お願いだから…!」
ガラスに映り込むあれに向かって銃を──無い、あそこに忘れてきた。
「うう…!」
最悪だ、最悪だ最悪だ最悪だ。何処に行けばいい?何処なら逃れられる?頭を掻きむしって考える。分からない、どうしよう。こんな時どうすればいいんだっけ。
結論が出ないまま、情けなく建物と建物の隙間に潜り込んだ。 - 180124/05/03(金) 23:02:47
「な、なんで…あの人が…」
改めて考える。何処かで見つかっていた?あの時か?堂々巡りの自問に答えを見出す事が出来ない。今大事なのは正体がバレたという事。だが、どうする?
「どうしようも、無い…」
詰みだ。何より、もう気力が湧かない。もう、良い。捕まえられても、抵抗する気は無い。いつか来る日が今日来ただけの事。諦観に満ちた目で周囲を見る。
「あ…」
見覚えがある。ここ、確か。割れた鏡が。自然と足元に目が行く。見ている。
誰かが叫んでいる。
別の破片を掴んで██に向かって何度も振り下ろす。何度も、何度も。噴き出した血で見えなくなるまで。何度も。
「やった…」
安堵して破片を投げ捨て、倒れ込んだ。疲れた。もう、嫌だ。 - 181124/05/03(金) 23:05:18
「ほへ〜、良いじゃんこれ、買いまーす」
「お買い上げありがとうございます」
お洒落な眼帯も買って気分は上々。店員に手を振って退店…した所に。
「加治隊長…いえ、元隊長、貴方の盗んだ物を返していただきたい」
部下…いや元部下達か。倉庫で埃を被ってたアレを引っ張り出したのが気に食わなかったのだろうか。
「へ?何?そこのバカの指?まだ胃の中残ってるかな、ちょっと吐くから待ってくれる?」
「この…!」
「落ち着け…貴方は一体何を考えているのですか、そんな物を使って…」
面白くない反応だ。だからコイツらは嫌いだ。話をしててつまらない。こんな奴らと仕事してても楽しくない。さて、六名か。
「お前らにゃ分かんねぇよ、バーカ」 - 182124/05/03(金) 23:06:25
私はイヨ程フィジカルに優れてる訳でも無い。片目に慣れてない以上射撃能力も衰えている。ならどうする?
「じゃーん」
もちろん爆破だ。大量の手榴弾を辺りにばら撒いてやる。
「伏せろ!!」
プシュー、と、間の抜けた音が周囲に響く。残念ながらスモークだ。
口元を覆い、銃を取り出す。大きな隙を見逃す訳にはいかない。
「ぎゃあっ!?」
バカ正直に伏せたバカを踏みつけて後頭部に三発。この距離でなら誰だろうと外しはしないだろう。隣にいたアホは思い切り殴りつけて再び三発。残した二発は適当に撃ってマガジンを捨て、交換。撃って、殴って、撃って、殴る。 - 183124/05/03(金) 23:07:50
「痛ぁ!?」
左側からの射撃。頭に当たると流石に痛い。右から、左へ、振り向きざまに撃つ。呻き声、ヒットだ。見えないが恐らく頭のある位置に三発。倒れ込む音。
「ったく…」
「あああああ!!」
残心を怠った私の横っ腹に強い衝撃。タックルだ、体勢を崩され、押し倒される。まずい。
「アンタのせいで私の指は…!ぶっ殺してやる…!」
「く…」
逆恨み甚だしい恨み節が叩きつけられる。銃弾よりマシだがうんざりする。
「くたばれっ!!」
ショットガンの銃口が左目のあった場所に押し付けられ、引き金が──── - 184124/05/03(金) 23:08:43
「かっ…!?」
街灯が近くにあって良かった。跳弾の調子良し。足で足を絡め取り、引き倒した後に頭へ全弾叩き込む。
「ふぅ」
煙が風で流されていく。残ったのは倒れた六名。どうしたものか。
「お客様、ご無事ですか!?」
後ろから店員が駆けてくる。サービスが良い。
「通報お願いします、私用事あるんで。じゃ!」
せっかくだ、押し付けて逃げてやろう。 - 185124/05/03(金) 23:10:10
「とにかく今はイヨだよね〜」
さて、人を探す時はどうすべきか?一番良いのは聞き込みだろう。誰に聞こうか、まあイヨの事だしスイーツショップとかで聞けばいいか?最近行ってるのかな?キヴォトスのスイーツショップなんて星の数程あるが…まあその分探せば良いだけだ。
「あ、そこのフクロウみたいなお嬢さん、ちょっと良い?」
じゃあまず通行人に聞いてみよう。 - 186124/05/03(金) 23:14:52
グダグダ続けるのは好きではないので次スレで終わらせたいです(願望)
体調不良でGW潰れるゥ〜… - 187124/05/04(土) 07:35:08
次回で多分終わるとは思いますが質問は常に受け付けています
終わるのに質問してくれる人いるのか?(根源的疑問) - 188二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 17:38:18
- 189124/05/04(土) 20:40:06
更新は明日です。次スレも立てます。
ユイカのセンスはズレています。ドラゴンの裁縫セットを嬉々として選ぶタイプです。英字Tシャツとか好きなタイプです。
具体的に言うと土産屋のよく分からない龍が巻き付いた剣的なアクセサリーを眼帯に貼っ付けたみたいな感じです。よく見たらダッサってなります。制服で誤魔化されていた部分が退職によって表面化しました。
女の趣味もズレてるんじゃと思ったアナタは間違ってません。
- 190二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 23:42:10
ユイカはじゃあ今どんなおもし…いや独特な格好に…
- 191124/05/05(日) 06:42:49
どっか勘違いしたヤンキーのファッションみたいになってます。
チビメイド先輩みたいに逆に統一感が出てる感じですが細部を見るとダサいです。
ちなみに今着ている服には『お前の腎臓を食べずに捨ててやる』と英字で書かれてます。
- 192二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 15:18:42
リンク繋がってる方が見やすいから次スレ待機保守
- 193二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 22:18:07
保守
- 194124/05/05(日) 23:15:57
- 195part2の>>14024/05/05(日) 23:42:58
- 196124/05/05(日) 23:59:04
- 197part2の>>14024/05/06(月) 00:41:01