【閲注　男女CP】九十九「あ、脹相！」

1二次元好きの匿名さん24/04/26(金) 21:06:55

九十九に声を掛けられる度、心臓がドクン、となる。

「ご飯、食べに行こう」
「ちょっとツーリング行かない？」
「海、見たことないでしょ？」

そんな誘いはこれまでもあった。
九十九は俺の知らないいろんな事を教えてくれる。

2124/04/26(金) 21:07:29

以前立てたこのスレの

【閲注　男女CP】九十九「脹相！　飲みに行こう！」｜あにまん掲示板これは何かが違った世界存在しない記憶「飲みに……？」「そ　前に天元のとこでちょろっと飲んだけど　楽しく酔っぱらうって感じでもなかったからさ　脹相と飲みに行きたいな～って」「わかった」「やった～！」ﾑｷ…bbs.animanch.com

二人が飲みに行った後どうなったかという話です

3124/04/26(金) 21:08:15

二人で飲みに行って、初めて口づけしたあの日

「オマエのしたい時に口づけさせてやる」

そう言ってしまってから、九十九は俺の前にすぐやって来るようになった。

最初は薨星宮の中でだけだった。
そのうち高専の廊下で出会っても俺をちょいと物陰に連れていき、数秒口づけして、手を振ってどこかへ行く。
文句を言うということが俺の頭に過ぎりさえしない間に、唇を奪って去っていく。

4124/04/26(金) 21:09:12

薨星宮に帰れば、もう少し時間を掛けた口づけが待っている。

「九十九……ちょっと長くないか？」

「えー？　せっかく人目がないんだからじっくりしたい～」

九十九の手つき。

俺の両袖を掴んで。
両肩に手を置いて。
腰に手を回して。
首に手を回して。

5124/04/26(金) 21:09:57

以前から顔を見れば俺に抱きついてきたが、体をより密着させてくるようになった。

女の身体のやわらかさが否応なしに伝わってくる。

俺が自分の手の遣り場に困っていると

「前、ギュッてしてくれただろ？　ギュッてしてよ」

と催促してきた。

自ずと、九十九を自分に引き寄せることになる。

何故俺は為されるがまま、言われるがままになっている……？

6124/04/26(金) 21:11:01

九十九は俺のことを好きだと言った。

好きな人とはくっつきたいのだと言った。

それを疑うのは最早難しい。

しかし自分に好意が向けられるということが不可解で、頭が回らないまま、求められるまま、口づけの回数が増えていった。

7124/04/26(金) 21:16:12

※キスしてるだけですが

R18　九十九と脹相　大人のキス「そろそろ、大人のキスをしようか？」
「お、大人のキス？」

「口を開けます。舌を入れます。舌を絡ませます」

「……なぜ？」

「やってみればわかるさ」

九十九の顔がいつもと少し違うように見えて、なぜだか心がざわめいた。
例によって何も考えられない内に九十九が迫ってくる。

いつものように唇が触れる。
俺の唇の隙間から九十九の舌が入る。
九十九の舌が俺の舌に触れる。
ざらついた感触に俺がびくつくと九十九の舌が追いかけてくる。
表も裏も、慈しむように俺の舌が撫でまわされる。

九十九の熱を強く感じて胸が詰まった。

俺も何かすべきなのか？と思い至る前に九十九の唇は離れていった。

「はぁっ……」

九十九の息が荒い。
大人の女の余裕が一瞬薄らいだように思えた。

「どうだった？」

「あ……」

俺が何も応えられないでいると、

「嫌じゃなかった、ってことでいいかな？」

「……はい」

「！　ふふ…」

九十九のうれしそうな顔になぜか安堵を覚えた。
俺を軽く一回抱きしめて、九十九は離れていく。

「また明日ね」telegra.ph

8124/04/26(金) 21:21:36

「また明日」と言ったのに九十九はなかなか来なかった。
一人でいても、九十九のことを考えている時間が長くなっている。

触れるだけの口づけ、「大人のキス」、……その先は？

自分で自分の考えたことに驚いた。

「オマエのしたい時に口づけさせてやる」

約束はそれだけだ。

……どうして俺はそんな約束をした？

9124/04/26(金) 21:30:49

全力で"お兄ちゃん"を遂行する、弟たちを愛する。

それが俺の全てだったはずなのに、
俺の心の中に、いつの間にかあいつの場所がある。

「知ってる？
　たった一度の恋だって、たった一度のキスだって、一生モノの思い出になることがあるんだよ」

「君もいつか、素敵な恋をしたらわかるさ」

九十九はそう言った。

俺が「素敵な恋」をするのは自分ではないと確信しているかのようだ。
自分は愛するだけで、愛されるとは思っていない。
それでなんら構わないと思っている。

それはまるで──

10124/04/26(金) 21:40:36

R18　九十九と脹相　告白１「脹相……もう寝ちゃった？」
ベッドで横になっていると九十九が声を掛けた。

「遅い」
「！　まるで待ってくれてたみたいな言い方だね」
「待ってた」

俺は九十九の腕を掴んで引き寄せ、「大人のキス」をした。
今度は俺が九十九の唇に舌を捩じ込む。
びくついた九十九の舌を暴き出すように追いかける。
やがて九十九の舌も俺の舌に添うように動いた。

唇を離すと、上気しながらも心底不思議そうな九十九の顔があった。
……俺もこんな顔をしていたのか？

「オマエ、俺のことが好きだと言ったな」
「う、うん」

「好きな人とはくっつきたいんだと」
「うん、言ったけど……」

「俺もオマエが好きだ。オマエとくっつきたい」

九十九の頬がみるみる赤く染まっていく。

「そんなに驚くことか？」
「驚きしかないよ」
「……そうか。
オマエもこんな気持ちだったんだな」

「俺には色恋のことはわからん。
普通の人間とは違う気持ちなのかも知れない。
ただオマエが欲しい。
『大人のキス』のもっと向こうへ行きたい」

自分で自分の口から出た言葉に驚いた。

「……私でいいのかい？」
「オマエがいい」telegra.ph

11124/04/26(金) 22:00:36

R18　九十九と脹相　告白２俺にはそういう経験がない。
九十九の服を脱がすこと一つも手間取った。
ジッパーがどうのホックがどうのと九十九が一々説明してくれる。
それでも自分の手で九十九を求めたかった。

望んでいた筈なのに、九十九の身体が眼の前で剥き出しになると直視するのがためらわれた。

「ふふ……自分で脱がせておいて照れてるのかい？」
「……美しい」

俺が回らぬ頭でそれだけ言うと、裸の九十九が俺を抱きしめた。

「ありがと。脹相もそんなこと言えるんだね」

俺は急いで自分の服も脱いで、九十九を抱きしめる。
九十九の肌と俺の肌が直に触れる。
これからこの人と繋がるのだという実感がわいて昂りが抑えられなかった。

どちらからともなく唇を奪い合う。

「…ん…っ、脹相……」

九十九の甘い声に下半身が疼く。
やり方なんて分からないなりに、自分の求めるままに、唇で、舌で、手で、愛おしさを九十九の全身に伝える。

九十九の乳房は俺の手に余るほど大きく、やわらかく、手で喰らうように揉むと九十九がびくりとする。

「痛いか？」
「大丈夫。気持ちいいよ」

衝動のままに、もう一方の乳房にかぶりつく。
「大人のキス」と同じように、舌で乳房も乳首も愛撫していく。…telegra.ph

12124/04/26(金) 22:33:23

R18　九十九と脹相　告白３九十九をベッドに横たえ、足を開かせる。
そこまできて俺の脳裏に、呪物であった頃の記憶が蘇った。
弄ばれる母──

「……うっ……うっ……」
「脹相！？　どうしたの？」

九十九の胸の上、俺はまた泣き出してしまった。

「……ひょっとして、君のお母さんのこと？」

九十九にはお見通しだった。

「どうして君は、そんなに痛めつけられて、大切なものを奪われなくちゃいけないんだろうね……」
「違う、俺が……。罰なんだ、これは……」

「聞いて、脹相」

九十九が起き上がって、俺の頭を撫でながら諭すように呼び掛けた。

「君の辛いこと・悲しいことを無かったことにはできないけど、
君が許してくれるなら、私が共に背負っていきたい。
君の悲しみを少しでも癒したい。
君の人生に少しでも、楽しいこと・うれしいことを添えていきたい」

「九十九……」

九十九は俺の頬を両手で包んで、涙を指で拭う。

「大丈夫だよ」

九十九が愛おしくてならなかった。

「九十九……続きをしていいか？」
「大丈夫かい？　無理しなくても……」
「オマエを欲しい気持ちは本当だ。オマエと繋がりたい」

九十九の頬が再び真っ赤に染まる。
いつもは大人の女…telegra.ph

13124/04/26(金) 23:02:49

R18　九十九と脹相　告白４「じゃあ……ちょっと触るね」
九十九が俺を優しく抱きしめ、陰茎に触れ、扱き始める。
穏やかな気持ちになるのに、同時に強い快感が与えられ昂るのが不思議だった。

「ぁ……ぅっ…！」

思わず声が漏れてしまう。
九十九が俺の唇を塞ぐ。

「んん…っ…！」

九十九に求められることが言い様もなくうれしかった。

「もう大丈夫だ」

九十九に再び横になってもらう。
そこに指を伸ばすと既に濡れている。

「九十九……いいか？」
「おいで、脹相」

甘く優しい言葉に、さっきとは違う涙が出そうになった。

昂りと緊張と共に、九十九のナカに招き入れられる。

「ぁあっ……！」

一際大きな声を上げて九十九がびくんと跳ねる。
九十九のナカは温かく、俺を離すまいとするかのように締め付け、今まで感じたことのない快感に身を打たれた。

「ぐっ……！」

九十九と本当に繋がっている、愛しい人と一つになっているという事実に多幸感で胸がいっぱいになった。

「ぁあ……九十九……九十九…っ……！」

もっと、もっとと求める気持ちのまま、腰を引き、打ち込む。

「ぅんっ…ちょう…そう…っ……！」

九十九の顔が快楽に蕩けている。
見たこと…telegra.ph

14124/04/26(金) 23:31:24

九十九の胸の上。俺の頭を、九十九が優しく撫でる。

「脹相がこんなに私を好いてくれてるとは思わなかったよ」

「九十九……オマエは死ぬな。どこにも行くな」
「えー？　君がいてほしいって言ってくれるなら、いるよ。
　『死ぬな』は……うーん、がんばるけど」
「死ぬな」

「ふふ……甘えてくれてうれしいよ」
「オマエも俺に甘えろ」
「……ありがと」

「それは俺のセリフだ」
「え？」
「ありがとう、九十九」

終