- 1二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 02:57:14
(あ゛ぁ゛〜〜〜っ!!やらかしたぁぁぁ〜〜〜!!!)
人で賑わうビーチに、私の密かな悲鳴が轟いた。
真夏の浜辺は人で一杯で、老若男女いろんな水着が芋を洗うみたいに並んでいる。
でも、大胆なビビッドイエローのブラジリアンビキニの人なんて、見渡しても私ぐらいじゃん!
そりゃ、今日は待ちに待ったトレーナーと初めて合宿とかでないプライベートなで、で、デート…的なサムシングでビーチに行こう!なんて重大イベントに気負わないところがないわけじゃない。
トレーナーは大人だからこんなのでなびかないってわかってる。わかってる、けど、でも、開放的なビーチに一応JKの水着姿だよ?
この日のためにしっかりダイエットして体型整えてきたし、お肌だってばっちりだし、ほんの少しでも意識してくれたら…なんて考えたのが思いっきり裏目に出た。
なんだって(ギャルならこれくらい攻めるっきゃない!)って根拠のない思い込みしてんだ私!
サマーウォークを思い出せ!ヘリオスだってシチーだってジョーダンだってこんな水着着てなかったじゃん!私のバカバカバカ!!
そうやって自虐する私の耳に、雑踏の誰かが発した一言が届いた。 - 2二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 02:59:07
別に私に向けての発言じゃないかもしれない。けれどその途端、周りの人たちがみんな私に注目してるみたいに思えて、背中にじっとりと嫌な汗が滲む。
こっちの大学生の集団が私を見てヒソヒソしている。あっちの親子連れも私に訝しげな視線を向けている。はしたないと思われてる?場違いな格好だって噂されてる…?
足元がおぼつかなくなって、いっそ誰もいないところに爆逃げしてしまおうかと思いかけたその時、
「パーマー」
背後から待ち望んでいた声がした。
「と、トレーナー…」
担当トレーナーが優しい笑顔を浮かべて立っていた。その顔を見た途端、安心して、緊張がほぐれてちょっぴり泣きそうになってしまう。
ダメだ。ダメ。無理言って二人きりで海までドライブさせてもらっておいて、心配かけるな…!
無理やり笑顔を作って、トレーナーに向かい合う。
「トレーナー、遅かったね!もしかしてスキンケアとか念入りにしちゃう系?さっすがトレーナー!意識高いね!日差しを甘く見たらダメだからね!で、で、何して遊ぼっか?とりま、海入っちゃう?それともビーチバレー?あ!スイカ割りとかでき」
「ごめん、パーマー」
まくしたてる私に、トレーナーの声が割って入った。
「昨日あんまり寝てなくて、ちょっと日差しにやられちゃったみたいなんだ。とりあえず、どこか入りたいな」
人の視線から逃れたい私にとっては、まさに渡りに船の提案だった。
「ぁ、う、うん…!行こっ!」
あわてて歩き出そうとする私の肩に、薄手のパーカーがかけられた。トレーナーが羽織っていたラッシュパーカーを素早く脱いで、私にかけてくれていた。
「ぇと…これは?」
「暑くて、さっきから汗すごくてさ。もし迷惑でなければ、預かっていてくれる?」
そう言ったトレーナーは、憎らしいくらい汗一つかいていなかった。 - 3二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 03:02:08
「はいパーマー。お待たせ」
「あ、ありがとう」
トレーナーから水を受け取って一口含む。少しビーチの中心から外れた海の家のベンチに腰かけて、ようやく人心地ついた気分だった。
トレーナーは口ではああ言っていたけど、足取りだって確かだし、顔色だって悪くない。
さっきのが私をあの場から連れ出すための口実だってくらい、わかっていた。優しいトレーナーにまた気を使わせてしまったのが申し訳なくて、情けなくて、頭で考えるより先に言葉が口をついて出ていた。
「ごめんね」
「ん、何が?」
「いや、お見苦しいものをお見せしたというか、なんというか、さ!」
トレーナーは真面目な顔で私の言うことに耳を傾けている。
「ほら、これだって『こんなの見せるなー!目に毒だろ!』ってことだったりして」
おどけるように、トレーナーのパーカーの裾をつまんでひらひらとさせる。
けど、トレーナーは至って真面目な表情を崩さないまま口を開いた。
「そんなんじゃないよ」
はっとするほど冷たい声。なにか、怒らせるようなこと言った…?縮こまる私を尻目に、トレーナーが吐き捨てるように言葉を継ぐ。 - 4二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 03:02:48
「見苦しいなんてこと思ってないよ。むしろ…俺以外には見せないでほしい」
「んえっ゛!?」
口に含んだ水を吹き出しそうになる。慌てて飲み下していると、トレーナーは軽くため息をついて続けた。
「あのね、自覚してないかもしれないけど、パーマーはスタイル抜群な女の子だってこと、わかってる?」
「えええっ!?」
「そんな水着だと足の長さとかくびれとかが強調されて、すごく、その、魅力的だよ。気づいてなかった?周りの男の目とかもうすごくて。声かけようぜみたいなこと言ってる人たちもいたんだよ」
「そ、そうなの??」
「だから、目の毒って意味ではその通りかもね」
「うそ、だよね…?冗談だよね?」
「冗談に見える?正直、妬けたというか、周りに絶対見せたくないって思って、適当なこと言ってパーカーかけた。ごめん、未熟なトレーナーで」
目の前でトレーナーが自嘲気味に話す内容がとても飲み込みきれない。
「はぁぁぁ〜〜〜………」
大きく息を吐きだしながらうつむいて顔を隠す。
誉め言葉の過剰摂取で胸がときめいてどうにかなってしまいそう。
トレーナーが!大人で、頼りになって、落ち着きのあるこのトレーナーがだよ!私なんかの水着姿でそんな心乱されることが、まさかあるなんて! - 5二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 03:03:52
ブラジリアンビキニ?知らんなと思って調べたらめっちゃエッッッッッッッなの出てきたんだけど?
これをパマちんが着てんの?
こんな、こんな……サメ映画で確実に食われるパツ金美女みたいな水着を……? - 6二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 03:05:33
「えっと、パーマー?大丈夫?」
心配そうに声をかけてくれるトレーナーの呼びかけは申し訳ないけどスルーして、顔を上げて目線を合わせる。
トレーナーの顔は陽光の下で見たときより赤く染まっていて、さっきの言葉が嘘でないのだとまざまざと思い知らされる。
「ねえ」
丈の長いパーカーなら、きわどいお尻部分もなんとか隠せそう。ジッパーを上の方まであげて、胸を張ってみせる。
「これで、目に毒じゃなくなった?」
「あ、まぁ…」
「今日はさ、これ、借りてていい?そしたら私も恥ずかしくないし、いっぱい遊ぼ!」
「ぇ、うん…?」
私のあまりの切り替えの速さを飲み込めていないであろうトレーナーの手を取って、半ば無理やり立ち上がらせる。
ちょっぴり背伸びしてトレーナーの耳に唇を寄せて、精いっぱいの魅惑のささやき。
「二人きりになったら、これの下も、じっくり…見てね?」 - 7二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 03:07:03
おしまいですわ〜。
わたくし、このスレの概念をお借りしての~んびりSSを書いていましたの〜。そうしたらスレが落ちてしまっていたのですわ〜。
露出の多い服や水着を着ても|あにまん掲示板すぐ隠してきそうなトレーナーは?bbs.animanch.com - 8二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 03:08:35
過去作ですわ〜。パーマーさまはもっと攻めた格好をしていくべきだと思うのですわ~。
(SS注意)パーマーのトレーナーが鬼を招き入れる話|あにまん掲示板bbs.animanch.com - 9二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 03:13:29
いいぞ^~これ
それはそれとして文豪ブライト殿、筆もズブすぎやしませんかね - 10二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 03:13:43
よかったおじさん「よかった」
- 11二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 03:24:28
独占欲マシマシトレーナー+無自覚が自覚に変わるパーマー=昇天
- 12二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 03:24:29
辛口批評おじさん「パーマーは自分の魅力を過小評価し過ぎだと思う。とても良い話でした」
- 13二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 03:33:43
応援スレに推薦しておきました
- 14二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 10:19:05
えっちえっちえっちえっち逮捕逮捕逮捕逮捕逮捕押収押収押収押収押収
ありがとうございました - 15二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 10:43:06
- 16二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 10:53:59
- 17二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 11:01:56
- 18二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 11:21:49
- 19二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 12:27:42
- 20二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 12:33:13
コメントありがとうですわ〜。休日を返上して入札書類を作っていたらスレが落ちてしまったのですわ~。不思議ですわね〜。
- 21二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 12:34:51
- 22二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 12:36:08
ふわぁ〜。応援ありがとうですわ~。お礼にいっぱいお昼寝できるおまじないをしてさしあげますわ〜。
- 23二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 12:38:21
警察の方もお仕事ご苦労さまですわ~。帰って同僚のみなさまと楽しんでくださいませ〜。
- 24二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 12:39:37
- 25二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 12:42:45
- 26二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:37:30
夕暮れから夜になだれ込んでいくように、夏の空が暮れなずんでいく。
あれほど人でいっぱいだったビーチも、いつの間にか人がまばらになってきていた。
私もトレーナーも海から上がって、砂浜のビーチチェアに並んで腰掛けている。海からの夕風が熱を持った肌に心地よい。
トレーナーはチェアに深く腰を下ろして、ちょっとバテ気味。
「あー、遊んだ遊んだ。ビーチバレーなんて久しぶりにやったなぁ」
「トレーナー、すごい動けてたよ!流石だね!」
「いやいや、とても現役アスリートには敵わないよ」
手を振って謙遜するトレーナーの身体が目に入る。日中は自分のことで夢中で気づかなかったけど、けっこう引き締まってて、やっぱり男の人って感じ。
「…へっくち!」
突然トレーナーが小さなくしゃみをした。それを聞いて、羽織っていたラッシュパーカーに手をかける。
「ちょっと冷えちゃったんじゃない?パーカー、返すよ」
「いや、いいよ。パーマーだって冷えるだろ?」
「ウマ娘は体温高いから平気!」
「それに、トレーナーに、見てもらう約束、した…から…」
そう言ってゆっくりとパーカーのジッパーを下まで引き下ろす。湿った肌が外気に晒されて、鳥肌が立ったのは、少し肌寒いせい?
「パーマー」
それとも眼の前の人の、食い入るような視線に、どうしようもない昂ぶりを感じるせい? - 27二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:39:32
「いっぱい、見て。いっぱい、褒めてよ」
腰を浮かせて、トレーナーに身体ごと近づく。この距離がゼロになったらいいのに。
「陳腐な台詞だけど、すごく、綺麗だよ。よく似合ってる」
「トレーナー…」
一言褒められるたびに、身体が熱を帯びるのがわかる。その人に触れたいと、触れてほしいと本能が言っている。その赴くままにトレーナーのうっすら割れた腹筋に手を伸ばし───
「ママー!あのアベック、ラブラブでチョベリグー!」
脳天気な声がビーチに響いた。反射的に二人して飛び上がるみたいに離れる。帰り際の親子連れが通り過ぎるところだった。
「もー!どこでそんな言葉覚えたの?」
「スーパーカーに乗ってたおねーさんに教えてもらったー!」
「お邪魔しちゃダメよ!ほんと、すみません…」
母親が申し訳無さそうな顔で子どもの手を引いて立ち去ってしまうと、風の冷たさが妙に強く感じられて、二人してぎこちなく笑いあった。
「あ、あはは、ちょっと、やりすぎかな…?」
「そ、そうだね。まだ、こういうのは早かったね…」
なんだか気分でもなくなって、どちらからともなく帰り支度を始める。でも私の中の熱は冷めるどころか高まる一方だった。
"まだ"。"まだ"。
何気なくトレーナーが漏らしたその二文字が、思わず走りだしたくなるくらい嬉しい。
「ね、トレーナー」
「ん?」
「また、行こうね」 - 28二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:40:32
ほわぁ。おまけですわ〜。これ以上はメジロガイドラインに抵触してしまうので想像で補完してくださいませ〜。
- 29二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:42:59
おいおいここで二の脚繰り出して差してくるとかどんだけズブいんだよ
また苛立ってしまったじゃないかパマちんが悪いんだぞ - 30二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 00:19:34
トレーナーの体温も静かに上昇しているはず
体温が残るパーカーのせいか、あるいは早まる鼓動のせいか - 31二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 11:28:31
- 32二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 11:29:17
- 33二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 11:30:14