- 1二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:10:06
エス家日常、Part17です。
皆様いつも素敵なトレエスありがとうございます。
ssや概念、感想とても嬉しいです。
ゴチウィークがあり、私服解放があり供給過多で苦しいです。新衣装とかいつ来るんですかね……🤔
以下テンプレ
ここは、男トレ×エース(⚠️規約に反するもの以外⚠️)ならなんでもOKな語り場です。
もちろん家族ネタも、子供ネタもなんでもありです。
幻覚、妄想、概念、創作etc.....
好きなだけ吐き出して言ってください。
新規できてくださった方も大歓迎ですので気ままに語れたらと思います。
毎度のことですが自分も幻覚絵しつこいほど描かせて頂くのでよろしくお願いします。
いつも勝手にイラスト失礼します。
※鯖落ち以外でスレ落ちしたらそこで終了とさせていただきます。 - 2二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:10:26
- 3二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:11:06
このレスは削除されています
- 4二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:11:33
このレスは削除されています
- 5二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:11:52
イラストで10までうめます
- 6二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:12:36
- 7二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:13:04
- 8二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:13:29
- 9二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:13:57
- 10二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:14:42
- 11二次元好きの匿名さん24/05/02(木) 23:15:59
スレ立て乙です
また語りましょう - 12二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 01:10:42
スレ立て乙
アニメ仕様いいねぇ - 13二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 08:41:53
- 14二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 18:27:24
ほしゅ
- 15二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 21:50:42
ゴールデンウィーク中ですねぇ
エース家は何してるんだろう - 16二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 21:51:52
- 17二次元好きの匿名さん24/05/03(金) 21:52:57
「どうよトレーナーさん!」
「バッチリ決まってるぞエース!」
今回後輩達のドキュメンタリー映画が公開される
まぁ、あたしはその映画には出演してないけれどね
でも………
『それじゃあ撮ろう!エースの歩んできた道のりのドキュメンタリーを!』
そんなトレーナーさんの勢いに押されて今二人で撮影中。思い出を振り返りながら進めていると……
「その撮影、アタシも混ぜてよ」
「物語には仲間や好敵手が必要だろう?」
あたし達の事を見ていたシービーとルドルフ…それに他のみんなまで参加する事に
ああ…そうだ……
仲間がいて…
友達がいて…
家族がいて…
好敵手がいて…
応援してくれる人がいて…
そしてトレーナーさんがいて…
みんな揃ってあたしの…カツラギエースの物語は成り立つんだ……
本当に……
あたしは幸せ者だ———
- 18二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 07:12:51
保守
- 19二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 16:43:20
- 20二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 16:44:05
- 21二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 21:11:44
- 22二次元好きの匿名さん24/05/04(土) 23:57:30
シービーもおる笑
- 23二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 07:22:19
子供たちが泥んこになってトレーナーに流してもらってるのが想像できる
- 24二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 12:45:40
- 25二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 13:11:13
すごくすごい可愛い…父ちゃんさん色黒で腕だけでも農家の男って感じがしますね。
カツラギエース号は1983年にNHKマイルの前進であるNHK杯で優勝してます。
しかも差しでかなり強い勝ち方だったそう。
- 26二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 19:38:51
多分エースの母からこの頃の話を聞いて顔真っ赤にしてバタバタしてるエースはいる
- 27二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 20:09:16
今、あたし達一家は実家に来ていた。
子供達は母ちゃんと一緒に柏餅を作っていて台所へ、あたしと旦那は妹が持ち出して来た昔のアルバムを居間で見ている。
しかし、妹は途中で父ちゃんに買い出しの手伝いに連れ出されたので、今はあたしと旦那の2人きり。
「エースは子供の頃からヤンチャだったんだね」
「まぁな、部屋の中で遊ぶより外で走ってる方が好きだったし、今と同じで全く女らしくなかったぜ」
この頃は、まさか自分が結婚して子供を産むなんて想像すらしてなかった。
男を作れないだろうと思ってたし、家の跡継ぎは妹が男を見つけてなんとかしてくれると考えてたから。
「エースは十分女の子らしいよ、家庭的な奥さんで、子供達の見本となるとても良いお母さんだ」
「ー……」
たまにこの人は、あたしの頭の中を覗いたかのような言葉を投げてくる。
「出会ってから今日まで…ううん、これからもずっと、俺にとって君は魅力的な女の子だよ」
「……そんな風に言えるのはアンタだけだ」
「そうかな?」
「そうだよ、だって」
だってあたしは、アンタの前ではただの女になっちまうんだから。 - 28二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 21:57:53
- 29二次元好きの匿名さん24/05/05(日) 21:58:57
- 30二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 00:02:02
今日は休日。ゆっくりしながら子供達と一緒にレースの映像を見る。
映像はあの時のジャパンカップ…あたしがルドルフとシービーに背中を見せたまま駆け抜けたあのレース。子供達は目を輝かせて映像をずっと見ている。
(いつかはこの子達もレースを走ったりトレーナーとして頑張る時が来るのかな…)
とそう思ったあたしなのであった…
今日はレース本番。舞台はお母さんが駆け抜けたジャパンカップ。
(お母さんの様に走れるかな…)
私の脳裏にあの時見た映像が蘇る…
いや違う………
お母さんの様にじゃない…お母さんを超えるんだ。
だから見せつけるんだ…レースを見にきたお母さんに…私の走りを……!
「…よし、行こう!」
そうしてゲートが開いたのであった…
今日は僕の初めての担当の最後のレース。
そのレースは母さんや姉さんが走ったジャパンカップ。
担当の最後の相手は"無敗三冠"に"無敗のトリプルティアラ"…相手にとって不足はない。
「それじゃトレーナー、行ってくる!」
「ああ、行ってこい!」
(母さん、姉さん…バトンは繋がれたよ…)
そうして観客席を見るとこっちを見て手を振る二人。
その二人に手を振り返して正面を向き直る。
見届けよう……"皇帝"すら成し得なかった前人未到の領域へ… - 31二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 09:03:48
- 32二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 19:45:35
保守
- 33二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 20:54:18
- 34二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:21:45
- 35二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 06:21:37
- 36二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 07:39:13
尻尾でペチペチしてそう
- 37二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 17:23:59
ほしゅ
- 38二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 20:46:02
- 39二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 22:49:47
溶けそう
- 40二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 23:53:46
日課となったエースとの畑仕事。
季節は初夏なのだが、早朝と夕方から夜にかけてはまだ肌寒い。
「やっべ、ジャージとタオル、鞄に入れたままトレーナー室に置いてきちまった…」
夕方のトレーニングを終えたエースはどうしようかと悩んでいる。
今は汗をかくほど体が熱を帯びているが、そのままでいたら体が冷えて風邪を引いてしまうかもしれない。
俺は咄嗟に自分が着ていたジャージを脱ぎ、エースの肩に羽織らせる。
「は…え…?」
「トレーナー室に戻る間着ていていいよ」
「いや、でも、あたし今汗臭いし、臭い着いちまったら…」
「それくらい気にしないよ」
むしろ毎日着ているヤツだから、俺の体臭でエースに不快な思いをさせないか不安だが…。
「………」
エースは、羽織らせたジャージを顔に近付けて臭いを嗅いでいた。
「あの、エースさん…?堂々と嗅がれたら恥ずかしいんだけど…」
「はっ!わりぃ!良い匂いだから、つい嗅いじまって…」
「そ、そっか、臭くなかったならよかったけど…」
「全然臭くねぇよ、むしろトレーナーさんの匂いって、なんか落ち着くんだよなぁ」
不快に思われてないのならよかった…のか?
エースはトレーナー室に戻っても俺のジャージを暫く手放してくれなかった。
このままプレゼントしようかと思ったが、流石に着用済みのをあげるのは世間体的にアウトな気がしたので、隙を見て引っ剥がした。
その時エースがとても悲しそうな、泣きそうな顔をしたので、俺の良心が大ダメージを負った。 - 41二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 07:09:39
某寮長が囁いたんだろうなきっと…
- 42二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 12:15:53
癒されるなぁ…
- 43二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 20:12:37
んんんんこの感じたまらない😭
- 44二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:00:07
ほんとこのスレ好き
- 45二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 07:03:36
重い病気じゃなくて良かったのぉ
- 46二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 08:37:54
- 47二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 12:22:41
子供達のパペットも用意して遊んだりしてそう
- 48二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 22:10:29
ほしゅ
- 49二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 06:53:13
- 50二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 09:02:59
良い…
- 51二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 09:17:51
おとなになっても友人でいる関係と、エースの変化にすぐ気づくシービー...とんでもなく最高です...
- 52二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 20:23:56
「ああああああ!いだぁああぁぁいぃぃぃい!」
家の中で娘が転んでしまった。
カーペットの上だったから幸い傷は出来ていないが、それでもぶつけた所は痛いようで、嫁に泣きついている。
「よしよし、今痛くなくなるおまじないしてやるからなー……痛いの痛いのーぉ、飛んだけぇ!!」
と、嫁が娘がぶつけた所を撫で、その手を勢いよく振りかぶった先には、俺がいた。
嫁と目が合い、一瞬の間。
水で冷やしたタオルを持っている俺は、すぅっと深呼吸し、その場に倒れた。
「ぐあぁああ!!娘の痛みを移されてしまったぁーーー!!」
体を抱えるようにうずくまり、渾身の痛がる演技を披露する。
チラッと嫁達の方を見ると……。
「パパぁーーー!!パパしんじゃやだーーー!!うわぁああん!!」
娘は更に号泣して、そんな娘を抱き抱える嫁は「やり過ぎだ」と言っているかのように呆れた視線を俺に向けていた。
俺は、痛がる振りをしつつ唸りながら娘を安心させるためにここからどうするか悩んだ。 - 53二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 02:51:59
ほしゅ
- 54二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 06:54:59
感受性豊かですなぁ…
- 55二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 15:57:57
朝干した洗濯物を取り込む。
気温が暖かくなったことに加えて今日は晴天、更に少し強めな風が吹いていたから、2時間弱でカラッカラに乾いてしまった。
しっかり太陽の光で温まった布団に顔を埋めると、ふかふかで太陽の匂いがした。
今夜はいい夢が見られそうだと思いながら室内へ戻ると、子供達が先に取り込んでいた衣類やタオルの上に乗って寝ていた。
洗剤の良い匂いと、柔軟剤でフワフワになったそれらの誘惑に勝てなかったのだろう。
「あーあーシワになっちまうだろーが」
布団を広げ、抱き上げた子供達をその上に寝かけ、2人が先ほどまで下敷きにしていたタオルをかけてやる。
ムニャムニャと寝言を言う娘と、親指をしゃぶる息子。
可愛くて愛しい子供達の寝顔を眺めながら、あたしは洗濯物を畳むことにした。 - 56二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 19:17:53
今日も平和
- 57二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 21:38:59
ふふ
- 58二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 21:51:34
- 59二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 22:45:25
意識が浮上する。
ゆっくり目を開けると、子供達の顔がドアップで映り込んできた。
「パパー!ママ起きたー!」
「まぁまー」
「……んあ?」
娘が駆けて行った先には、部屋着を着た旦那。
あたしはボーっとしながら抱きついてきた息子を抱き上げ、スマホを見る。
ロック画面の時計は、夕飯時間をとうに過ぎている時刻を表していた。
「…………なんでアラーム鳴らなかった!?」
「おそようママ、スマホのアラームなら息子が止めちゃったって娘が言ってたよ」
「はあ!?」
息子は無邪気に笑っている。
こんな笑顔を見せられたら怒るに怒れない。
「悪い!すぐ夕飯の準備するから!」
「さっきピザの宅配頼んだから大丈夫だよ」
「ええ!?なんで!!」
「最近君の顔に疲れが出ていたからさ、アラームに気付かずに寝過ごしたのも、夜の睡眠で疲れが抜けきれてなかったからじゃないかな、だから夕飯の支度はお休みしなよ、それに明日は母の日だし、明日の家事は俺と娘でやるよ」
「おそーじやるー!」
ふんふん!と娘はやる気に満ち溢れていて、旦那は穏やかだが、拒否させないと言うような視線を向けてくる。
あたしは暫く考え、2人の好意を無下にしないことを選択した。
- 60二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 06:34:13
家族団欒で何よりだぁ
- 61二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 11:19:51
次の日、あたしは息子ともども家から出された。
「家にいたら絶対家事するだろ?」と旦那に言われ、娘から背中を押されて仕方なく出掛ける事に。
息子が同行しているのは、あたしに引っ付いて離れず旦那が引き剥がそうとしたら大号泣したからだ。
「……さて、どうすっかな」
急に休みと言われて外に出されたから、外に出かける予定なんて立ててない。
息子もいるし、適当に遊ばせるかと公園にやって来ると…。
「おーい、エースー」
……聞き覚えのある声に名前を呼ばれて振り向く。
予想していた通り、シービーがでっかいタコのオブジェのてっぺんから手を振って、次の瞬間飛び降りていた。
「お前、いい歳こいてあそこでなにやってんだ」
「『母の日だから遊んでこい』って家から追い出されてさ、暇だったらから昼寝してたんだよ」
「なんだ、お前も同じか」
「エースも?なら今から走りに行く?昔みたいに海まで」
「いいな!……と言いたい所だけど、コイツがいるからパス」
あたしは息子を指差す。
息子はあたしの後ろに隠れてシービーを見上げていた。
「じゃあウインドウショッピングでもしに行かない?ちょっと遠いけど美味しそうなレストラン見つけたんだ」
「それならいいぜ」
と言うわけで、今日はシービーと一緒にお出かけとなった。
- 62二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 19:52:35
シービーの案内でやって来たのは街の大通り。
小洒落た雑貨店や服屋、上流階級の人間しか入らなさそうなジュエリーショップ、よく耳にする名前のブランド店…あたしにはてんで縁のない場所だ。
「なぁ、お前の言うレストランってドレスコードとか必要な場所じゃねーのか?」
「そんなのないから安心して」
ウインドウショッピングしつつ道を歩いていると、少し静かな場所に出た。
「あそこだよ」
シービーが指差した先には、レストランと言うよりカフェのような店だった。
店内はオシャレだが高級な雰囲気はなく、店員も話しかけやすそうな雰囲気で居心地は良さそうだった。
「キッズメニューもあるよ」
「グラタンとハンバーグかぁ、息子、どっち食べたい?」
「どっちもぉ!」
「あっはは、欲張りだねぇ」
「じゃああたしがこのハンバーグ頼んで分けてやるか」
「それならアタシはパスタにしよーっと」
それぞれメニューが決まり、店員に注文した。
- 63二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 19:55:17
料理を待っていると、注文を取って行った店員がカゴを持って戻って来た。
「キッズメニューをご注文してくださったので、オマケのおもちゃをお選び下さい」
カゴの中には幼児向けのおもちゃが沢山入っていて、息子は目を輝かせていた。
そして「これぇ!」と叫んで手を突っ込むと、ミニカーのおもちゃを掴んで掲げた。
「ありがとー!」
「はい、どういたしまして」
「ありがとうございます」
店員が去った後、ちゃんとお礼を言えた息子を褒めて、頭を撫でてやる。
息子はくすぐったそうに笑って、あたしも思わず笑みが溢れた。
ふと視線を感じ、その方向に顔を向けると、シービーがニコニコ笑顔であたしを眺めていた。
「なんだ?」
「愛情注いでるなーって思って、さっきのエース慈愛たっぷりな顔してたんだもん、まさに聖母って感じの」
「せいぼぉ?」
「うん、エースは本当にいいお母さんになったね」
「そうかな…」
「息子君はママの事好き?」
「だいしゅき!!」
「ほらね?いいお母さんじゃなきゃこんなに好かれてないって」
シービーにそう言われて、あたしは気恥ずかしくなったが、家族ではない他人から良い母親と見られている事に嬉しくなった。
- 64二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 21:58:13
このほっこりとした家族団欒な感じも、シービーと一緒にいるママエースも堪らない...
- 65二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 22:44:54
料理はシービーがオススメするだけあって美味かった、今度旦那と娘も連れて来よう。
その後は雑談して、また公園まで戻って来てシービーとは別れた。
「また今度遊びに行こうね」
どうせまた近いうちに旅行とか言ってどっかに行くんだろう、会えるのは何年後になるなることやら。
「すぴぃ…」
寝ている息子を抱き直して、あたしは家へと向かった。
シービーと遊んでる時、ずっと家のことが気がかりで仕方なかった。
ちゃんと掃除と洗濯は出来ているのか、家具を壊していないか、火事になっていないか…などなど、旦那達を信用していない訳ではなかったが、出掛けた時と変わらぬ姿で建っている我が家をこの目で見るまで、不安でたまらなかった。
「ただいまー」
玄関の鍵を開け、室内に入る。
リビングから娘が走って来て、満面の笑みであたし達を出迎えてくれた。
「ママおかえりー!」
「お帰りなさい」
後からくたびれた様子の旦那もやって来た。
「…何かあったのか?」
「いやぁ、慣れない事を一から全部やって疲れただけだよ…改めて君の偉大さを感じた一日中だった…」
「おそうじもせんたくもおわったよー!」
「そっか、ありがとうな」
娘に目線を合わせるようにしゃがみ、娘の頭を撫でた。
- 66二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 22:57:31
娘は顔やエプロンになにやら白い粉のような物が付着していて、菓子の甘い匂いがした。
「何か作ってたのか?」
「うん!ケーキやいたの!」
「ケーキ?」
「今日は母の日だからね」
旦那はあたしから息子を受け取り、あたしは娘に手を引かれリビングまで連れて行かれる。
リビングはある一点を除いて今朝と変わらない様子だった。
一点とは、いつもみんなで食事をとるテーブルの上。
そこには、豪勢な食事と歪なショートケーキが置かれていた。
ショートケーキにはチョコペンで大きく『いつもありがとう』と書かれている。
それを見た瞬間、あたしは感極まって泣いてしまった。
「ママ?どうしたの?どこか痛いの?」
「っううん…嬉しくて涙が出ちまった、これ全部2人で作ってくれたのか?」
「うん!ママにいっぱいありがとうってきもちをつたえたかったから!」
「揚げ物類は俺が作ったけど、ケーキのデコレーションは殆ど娘が頑張ってやってくれたよ」
「そっか…そっかぁ…ありがとう、アナタ、娘…!」
あたしは娘を思いっきり抱きしめ、おでこに、旦那には頬にキスをし、今できるあたしからのお礼を2人に捧げた。
その時、ゴチャゴチャになった台所が視界の隅に見えたけど、今は見なかった事にして、息子を起こし2人が作ってくれた夕食を食べる事にした。
- 67二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 07:37:30
いいなぁ…
- 68二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 12:39:10
「……んーーーっ」
翌日、あたしは目覚ましのアラームが鳴る前に起きた。
頭はスッキリしていて、体も軽い。
たった1日家事を休んだだけでこんなにも体調が良くなるんだな。
「ありがとうな」
横で寝ている愛しい子供達と旦那に向けて小さく呟き、布団から出る。
「よしっ、今日からまた頑張らせてもらいますかっと!」
いつもより沢山の愛情を込めた朝食を作るために、あたしは台所へと向かうのだった。
終わり
- 69二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 20:29:37
保守
- 70二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 22:30:20
走り込みの練習中に足を軽く捻ってしまった。
トレーナーさんに心配をかけないよう、平然に振る舞って寮に帰ってから手当てしようとしたけど、直ぐに見破られた。
椅子に座らされ、靴と靴下を剥ぎ取られて、少し腫れて赤くなっている足首に触れられる。
「痛みは?」
「力入れて地面を踏み付けたり、触られたらじんわり感じるくらい…」
「湿布貼る前にスプレーで冷やしておくか」
言うのが先が動くのが先か、トレーナーさんの手には既に冷却スプレーが握られていて、患部に吹きかけられる。
「っ」
「明日腫れが引いてても練習は休みだからな、もし酷くなってたら病院に連れて行くから直ぐ連絡してくれ」
「分かった…… (怪我しちまった事を反省しなくちゃならねぇのに……)」
慣れた手つきであたしの足首に湿布を貼って、その上から包帯を巻いてくれるトレーナーさんの表情は真剣で、カッコよくて、もう少しだけ見ていたいと思ってしまっていた。 - 71二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 22:53:59
- 72二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 23:08:42
- 73二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 06:54:16
- 74二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 08:54:09
- 75二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 17:17:45
- 76二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 00:10:14
連休も終わり普段の生活に戻るエース一家
しかし子供達は次のイベントである梅雨にウッキウキであったのだ… - 77二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 06:20:05
ありがとうございます…!
- 78二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 16:18:53
娘の誕生日におままごとキッチンを与えた。
細部までリアルに作られたおもちゃで、娘は毎日遊んでくれている。
今はおもちゃの野菜を切って鍋に入れている所だ。
大きくなったらきっと嫁みたいな料理上手になるだろう。
「……」
おや?にんじんのおもちゃを眺めてどうしたんだr
「ぶちこめー!!」
バーーーン!!
えぇ…にんじんをそのまま鍋に投げ入れた……。
「そーゆーこった!そーゆーこった!」
昔エースがトレセン学園の企画かなんかで歌った曲の歌詞を口ずさみながら鍋をかき回している……。
暇つぶしとしてあの曲のMVを見せたせいなのか……。
あ然としている俺の横で、エースはツボに入ったらしく腹を抱え前かがみになってプルプル震えていた。 - 79二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:43:45
娘は鍋からおもちゃの野菜をお皿に盛り、最後に切っていないニンジンを置いて、俺の元にとてとて歩いて来た。
「はい!どーぞ!」
なんとも眩しい、愛らしい笑顔でお皿を渡された。
「あ、ありがとう娘!なんの料理かなぁ?」
「にんじんはんばーぐ!」
どう見ても野菜盛りなハンバーグだ。
「ハンバーグかぁ、いただきます!パクパク…うん!美味しかった!ご馳走様でした!」
俺はおもちゃを食べるふりをし、お皿を娘に返した。
すると娘はムッと顔をしかめ、ニンジンを手に持って……。
「にんじんのこしちゃメッ!!」
ズボォ!
「もがーーー!!」
俺の口に突っ込んだ。
それを見ていたエースの腹筋が壊れ、床に突っ伏してしまった。
- 80二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 06:46:23
なごむ
- 81二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 12:44:13
「エースさん、だいぶ髪が伸びましたね」
私のルームメイトで先輩のカツラギエースさんは元々髪を伸ばしていたけど、今は尻尾の付け根に付くくらいの長さまで伸びている。
「そうだなぁ、髪洗うのがしんどくなってきたし、そろそろ切ろっかなー」
「思い切ってショートにしてみます?エースさんならきっと似合いますよ」
「お、なら試してみるか!」
……次の休日、美容室に行ったエースさんが帰って来たのだけれど……。
「あれ、前の長さにしたんですか?」
「そのよぉ…トレーナーさんから貰った髪飾り…また髪が伸びるまで使えなくなると思ったら……」
カッコよくて勇ましい先輩が見せた恋する乙女の表情はとても可愛らしく、その日から髪を短くしてみてはなんて、言えなくなってしまった。 - 82二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 22:40:26
最近、同室のパーマーからヘアケアやスタイリングを勧められる。
「綺麗な黒髪なんですから徹底的にケアしましょうよ!トレーナーさんからの髪飾りがもっと映えるようになりますよ!」
映えはよく分からんが、トレーナーさんからもらった髪飾りに相応しい髪の毛にするって事で、パーマーが選んでくれたアイテムを使う事にした。
〜〜〜⏰〜〜〜
「エース、髪の毛サラサラだね」
「そうか?」
「うん、キューティクルもツヤツヤで、まるで黒曜石みたいですごく綺麗だよ」
「あ、あんがとな…」
トレーナーさんに褒められて、あたしは嬉しくなった。
洗う時に使うアイテムの順番を覚えたり、朝起きた時と夜寝る前にクリームやらオイルやらを塗ったりと面倒なことしてた甲斐があった。
「でも…」
「でも?」
「前のフワフワな髪も撫で心地が良くて、好きだったな、今の綺麗な髪も良いけど、触ってボサボサにするのが申し訳なくて……」
「ええ!ヘアケアやめるって、どうしてです!?」
「……フワフワな方がトレーナーさんが触ってくれるんだ……」
「さわっ…!?」 - 83二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 22:42:49
あああああ堪らない😭
- 84二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 08:22:33
ほしゅ
- 85二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 14:29:41
日課となった早朝の畑仕事に向かうと既にエースが作業を始めていた。
しかし、今日の彼女は髪を下ろしている。
「ヘアゴムが切れちまってよ、パーマーから借りようと思ったけど起こすのも悪いし、黙って借りるのはもっと駄目だから」
メジロパーマーなら後から言っても許してはくれそうだとは思うが、律儀なエースらしい。
「(けど、鬱陶しそうにしてるな…)エース、後ろ向いてくれるかい?」
「おん?」
スマホでゴムを必要としない髪の纏め方が記載されているウェブサイトを開き、後ろを向いたエースの髪を持ち上げ、画面を見ながら髪の毛に指を通し、指で作った穴に髪の束を通して痛くならないよう引き抜く。
「よし、これで邪魔にはならないはず!」
初めてやったからエースの髪はグチャグチャで、お世辞にも綺麗とは言えない出来で本当に申し訳なく思う。
それをエースは無言で触れ、指先で触りまくっていた。
「あんまりいじると解けちゃうかもしれないから、ほんと応急処置としてやったからね、寮に戻ったらちゃんとしたゴムで結いなよ」
「………」
………それから畑仕事をしていたのだが、エースはちょくちょく髪を気にしていて、作業に集中出来ていない様子だった。
(口では言わないけど、やっぱり不満なんだろうな……)
「…………………」 - 86二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 20:56:19
始業前
「〜♪」
カツラギエースは自分の席でニコニコしながら鼻歌を歌っていた。
彼女の髪の毛は、今朝から変わっていない。
「エース…随分と機嫌が良さそうだが、その乱れた髪はいったい……」
「ダメよルドルフ、エースちゃんの髪に触れちゃ」
「マルゼンスキー?」
「あそこを見なさい、あれは善意でエースちゃんの髪を整えようとして、エースちゃんに完全拒絶されてショックを受けて教室の角の埃になろうとしているシービーちゃんと、髪型を揶揄ったらエースちゃんから見た事ないくらい恐ろしい形相で睨まれて子犬になっしまったシリウスちゃんよ」
「え」
「生徒会の仕事に支障をきたすダメージを負いたくなければ、そっとしておくことね」
「な、何が起こっているんだ…」
「ふふ…愛よ」
「何故そこで愛なんだラモーヌ!?」
その日、カツラギエースのクラスだけ妙な緊張感が漂っていたと、教師達の間で話題になったという。
- 87二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 00:13:13
なんて可愛らしいんだ
- 88二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 09:01:32
トレーニングの時間になってやってきた、朝から変わっていないエースの髪型に俺は驚いた。
「せっかくトレーナーさんが結ってくれたのにさ、すぐ解くなんて勿体無いからこのままで過ごしてた!」
「嘘だろその頭で授業受けたの!?」
「おう!」
ミスターシービー……はともかく、シンボリルドルフやマルゼンスキー辺りは指摘しなかったのか!?
「とにかく解きなよ!」
「いーや!今日は風呂入るまでずっとこの髪型でいるって決めたんだからな!アップしてくるぜー」
これまでにない程エースはご機嫌な様子だった。
絶好調そうだし、このままでもいいかと思ったが……。
(流石に走ってたら…解けるよなぁ…)
ゴムやピンを使わず、髪だけで結っていたそれは、エースが走っている内にあっという間に解けてしまった。
- 89二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 12:48:07
「……………」
解けた髪の毛先を指で触りながら、エースは呆然としていた。
「エース……」
「……トレーナーさんが…あたしのために…結ってくれたのに……」
そんな泣きそうな声で言わないでくれ、胸が締め付けられてしなくていい約束をしてしまう。
「……分かった、たまにエースの髪を俺が結ってあげるよ……」
「本当か!?」
「うん、レース予定がない時期とか、仕事があまり溜まっていない時になるけど…」
「それでもいい!トレーナーさんの時間がある時で全然いいから!」
さっきまで絶望のドン底にいるような顔をしていたのに、すっかり立ち直ってしまったな。
「じゃあ、その時までにちゃんと結えるようにしておくよ」
「おう!」
すっかり元気を取り戻したエース。
さて、まずは髪を綺麗に整えられるようにならないとな。
- 90二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 20:59:09
〜〜〜⏰〜〜〜
「パパー!みつあみにしてー!」
ヘアゴムを持ってやってきた娘を膝の上に乗せて、柔らかい髪に触れる。
娘を痛がらせないよう優しく髪を梳かし、簡単には崩れないよう三つ編みを作っていく。
「あのねー、きょーはわっかつくってー!」
「分かった」
数年前、エースの…今の嫁の髪を結くようになってから、俺のヘアアレンジ技術は娘の要望に二つ返事で応えられるくらいには上がっていた。
もう手が覚えていて、今ではもうウェブサイトに頼っていない。
「はい、出来たよ」
「ありがとー!」
「お、可愛い髪型にしてもらったなー」
「ママ!ママもおそろいにするー?」
「んーそうだな……じゃあ、ゴム使わないおさげ作ってもらおうかな」
「いいよ、こっちにおいで」
娘を下ろし、隣の席に嫁を座らせ、彼女の黒髪に指を通す。
あの時よりも軽く、しなやかな髪を弄り、嫁の要望のおさげを作る。
鏡で綺麗に纏められた髪を見た嫁は、満足そうに微笑んでくれた。
あの時から変わらないこの笑顔を見れて、愛娘が喜んでくれるだけで、今日も俺の努力は報われるのだった。
- 91二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 00:46:34
この家族になっても続いてる感じ堪らない…
最高… - 92二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 11:44:14
ほしゅ
- 93二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 17:33:01
てえてえなぁ
- 94二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 20:50:20
「………あれ……」
気がつくと、そこはトレーナー室ではなく、保健室だった。
「トレーナーさん!!」
「エース…俺はどうして…」
「アンタ倒れてたんだよ!あたしが保健室に運んで来たんだ!」
「倒れて……ああ…そう言うことか…」
「先生は疲労による貧血だろうって言ってて…少し寝れば回復するだろうって……ぐず……」
「エース…?」
鼻を啜る音と、腕にポツポツと落ちてくる雫で、エースが泣いていることが分かる。
「……あたしのために頑張ってくれてる事は分かってるよ…けど…トレーナーさんがボロボロになる事は望んでない…!」
キュッと、エースの震えた掌が俺の手を握る。
「お願いだトレーナーさん…あたしの事だけじゃなくて…もっと自分の事を考えてくれ…」
「………ごめん…エース……」
俺は謝罪の言葉と共に、空いている方の手の人差し指でエースの涙を拭う。
…………何故なら倒れた理由は、お昼にデリバリーで頼んだマ◯ドナ◯ドを久々に食べるからとドカ食いした事で引き起こされた血糖値スパイクによる気絶だからだ。
俺はエースに申し訳ないと思いつつ、トレーナー室のゴミ箱の中にある包み紙や紙ケースをどう見つからないように処分するか、考えていた。
まぁその後直ぐに見つかって激怒された上、食事管理をされる事になったんだが。 - 95二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 23:03:25
かぁぁぁぁたまんないっっ
- 96二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 07:06:16
あ"っ"(尊)
- 97二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 12:52:08
ほしゅ
- 98二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 21:20:10
「飯出来たぞーパソコンどけろー」
「はーい」
エースはトレセン学園を卒業した、もちろん俺との担当契約は切れている。
なのに何故、エースが俺の飯を作ってくれているのかと言うと、今の俺とエースの関係は婚約者であるからだ。
エースいわく、「あたしがいないとアンタ糖尿病で早死にしそうだから」だそう。
いや、ちゃんと恋愛感情はある。
俺はもちろんエースを女性として好いてるし、エースも俺を好きだと言ってくれた。
……男として見られているかは不明だが。
「今日はオムライスか」
「サラダとコンソメスープもあるぜ」
「(いつものことだけどサラダの山が出来てる…)ありがとうエース、君のおかげで今日も健康でいられるよ」
「あったり前だろぉ?あんたを病気にさせないのが今のあたしの役目だからな」
「はは…本当、エースがいなかったら俺、将来病院で寝たきりになるかもしれなかったね」
「そんなこと絶対させない」
俺の手の上に、一回り小さいエースの手が添えられる。
- 99二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 21:20:30
「大好きなアンタを看取りたくない、アンタが居なくなった瞬間、あたしは生きている意味がなくなっちまう、もちろんアンタを置いて先に死ぬのも嫌だ
だから、死ぬなら一緒がいい」
「エース……」
俺の不安は杞憂だったようで、思ったよりもエースから重い感情を向けられていたようだ。
「……分かった、エースを1人ぼっちにさせないために、これからはもっと健康に気を使うようにする」
「おう、頼むぞ」
「けど月に1回はマ◯ク食べて良い?たまーにあのジャンクな味が恋しくなるから」
「…………」
エースのしなやかな尻尾が俺の脇腹を叩いた。
それから月に1回、エースが専門店顔負けのハンバーガーセットを作ってくれるようになった。
- 100二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 06:52:03
子供たちと一緒にてるてる坊主を作るエース
気付けば部屋中てるてる坊主だらけに
そして自分と夫とそっくりなてるてる坊主がくっついて飾られてるのを見て赤面する2人 - 101二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 10:11:10
ほっこり
- 102二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 20:30:41
今日はエースと一緒に畑ホームセンターへと出かけた。
買うのはもちろん畑に必要な物、肥料や道具、野菜の種などなど。
店の園芸コーナーを端から端まで見て回ったら持ち歩けない程の荷物になってしまったので、宅配で後日学園に届けてもらうことにした。
「折角だし何か食べて帰ろうか」
「そうだな、2階にフードコートあったよな……」
突然エースが足を止めた。
彼女の視線の先には、ウェディングドレスがあった。
横のPOPを見ると、手編みで作られた作品のようだ。
(エースもこういうのが気になるんだな)
思えば一緒に出かけた時、可愛い小物やお菓子を見つけた時のエースの目は今のように輝いていて、その瞬間だけ彼女はアスリートのカツラギエースではなく、1人の少女となっている。
「はっ!悪いトレーナーさん!つい魅入っちまった!早く飯買いに行こうぜ!」
「好きなだけ見てていいんだよ」
「トレーナーさんが暇になるだろ、それに十分目に焼き付けたからさ」
「……ウェディングドレス、着てみたい?」
「んあ?そりゃあ着てみたいけどあたしには似合わねーよ、つーか相手もいないし…あたしみたいなのを嫁に貰いたいっていう物好きな奴いねーだろ」
そう言ったエースは笑っているが、少しだけ悲しそうだった。
自己評価が極端に低い所は彼女の唯一の欠点だと俺は思う。 - 103二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 21:55:46
「エースは料理上手だし気遣いも出来る、何より君は可愛い女の子だ、俺だったら、あのドレスを着たエースを今ここで嫁に迎えろって言われたら喜んで受け入れるけど」
「え」
「君はいいお嫁さんになれるよ、3年間君の隣に立っていた俺が保証する」
「………」
自信満々に言ってやると、エースは黙ってしまった。
そして首から頭にかけて徐々に顔が赤くなり、終いには涙目になって顔を手で覆ってしゃがみ込んでしまった。
「え!?エース!?どうしたの!」
「……ムリ…ホントムリ……コンナトコデソンナコトイウシンケイリカイデキナイ……」
「あぇえ!もしかして気に障った!?デリカシーに欠けてた!?セクハラみたいだった!?」
俺は必死に謝るが、エースは「セキニントレ」「セキニントレ」としか言わず、俺がその意味の真意に気付かないまま「責任とります!!」と言うまで、顔を上げてくれなかった。
- 104二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 01:29:11
かぁぁぁあったまらんねぇっっ
- 105二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 08:09:05
いいねぇ
- 106二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 18:24:00
このカタコトが個人的に堪らん…!
- 107二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 22:55:14
娘が生まれて数ヶ月経った。
最近は俺や嫁を見るとニコニコ笑うようになり、こっちまで釣られて笑うことが増えている。
そして今日は休みなので、一日中娘と遊ぶことにした。
「こちょこちょこちょ〜」
バウンサーに寝かせた娘のお腹をくすぐると、娘は笑顔で手足を激しく動かす。
娘が息を詰まらせない程度に軽くくすぐり続けていると……。
「っは、へえ!え!」
「!」
娘が、声を出した。
「今の声、娘か!?」
相変わらず嫁は耳が良く、台所からすぐに駆け付けてきた。
「へあ〜っいひ!」
「やっぱり…!可愛い声だなぁ…!」
「うん、すごく可愛い…」
俺と嫁は娘の笑い声に歓喜し、娘がお腹を空かしてぐずってしまうまで、娘に話しかけ続けたのだった。 - 108二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 07:01:51
初めて声を出すのって一大イベントだもんね
- 109二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 18:02:00
ほしゅ
- 110二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 21:21:06
「トレーナーさん、今日ってキスの日なんだって」
「へー、そんな日あるんだ」
「おう、だからよ」
エースの話を聞き流しながらパソコンを眺めていると、視界がエースの顔でいっぱいになり、直ぐに離れる。
何が起こったのか直ぐには理解出来なかったが、唇に柔らかな感触がし、顔が離れる時にリップ音が聞こえたのを思い出し、椅子から転げ落ちた。
「なん!に!して!の!」
「あっははは!してやったりってな!」
エースはイタズラに成功した子供のように笑いながらトレーナー室から出て行ってしまった。
俺は腰が抜けてしまったため、追いかけることができず、そのまま床で悶絶していた。 - 111二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 07:02:58
後でエースの方が部屋でジタバタしてそう
- 112二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 17:01:06
このレスは削除されています
- 113二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 17:08:35
エースと喧嘩した。
結婚する前、彼女が担当ウマ娘であった時にトレーニングやレースの作戦で幾度も衝突した事はあったが、喧嘩にまでは発展した事がなかった。
だから今回が彼女との初めての喧嘩となる。
理由は些細な事で早く謝ればいいのに、前に喧嘩をしたのが大学生の時に男友達と下らない理由で喧嘩した時で、今回は相手が女性でしかも嫁、どうやって話を切り出せばいいか分からず、朝を迎えた。
寝室は一緒で、いつもは布団をくっつけて寝ているのだが、今日(昨日の夜から)はエースの布団は壁際にあり、俺に背を向けて寝ている。
(ご飯作ってくれてないか…)
いつも早起きして朝食とお昼のお弁当を作ってくれているエースが寝ているということは、そういうことだろう。
俺はエースを起こさないよう着替えて寝室を出て、何も用意されてないと思いつつリビングへとやってきた、するとテーブルの上に一人分の朝食と、弁当箱が置かれていた。
(作ってくれたんだ……)
エースの優しさに泣きそうになりながら俺は朝食を食べ、食器をシンクに運んでおいた。
直近でレースに出走する予定はないし、今日は仕事を早く切り上げて、エースへお詫びのプレゼントを買って帰ろうと心に決めた。 - 114二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 19:13:56
……時は過ぎて昼休憩の時間。
今日は俺のトレーナー室で同僚と一緒にお昼ご飯を食べる。
「……昨日カミさんと喧嘩しちまってよ、弁当は用意してくれてたんだが、妙に重くて振ったら中からザラザラって音がするんだ……」
「あー、リベンジ弁当ってヤツですかね」
どうやら同僚夫婦も喧嘩したらしい。
俺はエースがお弁当を持ち上げると、ズッシリとした重さを感じた。
(いつものお弁当の重さと変わらない気がする………白米だけとか……?)
エースに限ってそんな事はしないと思うが…恐る恐るお弁当の蓋を開ける。
そこには、俺の健康を考えて詰められたおかずと、海苔が乗せられたご飯があった。
いつもと変わらない、エースの愛情が籠ったお弁当だった。
これは……ある意味リベンジ弁当かもしれない……。
(エース…喧嘩したのに、ちゃんと作ってくれたんだ…それなのに俺は、エースが意地悪するんじゃないかもって一瞬でも思ってしまった……)
更に、こんなに俺の事を思ってくれているエースと喧嘩して、彼女を傷付けてしまった事を今更ながら後悔する。
ただプレゼントを買って謝るだけでは、俺の気がすまない。
「俺はどうしたらいいんだシビトレルドトレ!?」
「それは生米弁当だった俺への当てつけか?」
「えーと、反省して奥さんを一生大事にしたらいいんじゃないんですか?」
「んなもん結婚指輪渡した時に覚悟決めたわ!!」
その後2人のアドバイスを元に、俺は今できる限りの謝罪をするため、必要な物を買ってから家に向かった。
- 115二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 20:39:06
スレ画好き
- 116二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 06:13:28
エースの作った朝食食いてえなあ俺もな〜
- 117二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 12:03:30
今日も最高なSSありがとうございます…
- 118二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 12:08:25
- 119二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 20:05:33
- 120二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:13:00
流れを切ってしまいますが…。
玄関前、深呼吸を何回もし、頬を叩いて気合いを入れる。
たった一言、謝罪の言葉を言うだけなのに、そんな簡単な事をするのに勇気がいる。
……もし、謝罪を受け入れられなくて、最悪の展開になると思わずにはいられない。
受け入れられても表面上だけで、俺への信頼はもう戻らないかもしれない。
(……悪い方ばかり考えるな、受け入れられなかったらエースが許してくれるまで謝れ、信頼はこれまで以上に彼女に尽くして取り戻せ)
もう一度深呼吸をし、玄関の鍵を開けた。
「た…だいまぁ……」
緊張で声が上ずった。
エースからの出迎えはない、玄関からリビングに続く廊下は明かりが付いていて、リビングの扉の奥から物音が聞こえる。
俺は玄関の扉を閉め、スリッパに履き替えて廊下を進み、リビングの扉を開けた。
「………」
扉の左横にある台所にエースはいた。
- 121二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:13:59
「………ただいま」
「お帰り」
視線は手元で切っているキャベツに向けたままエースは返事を返してくる。
「………っ…」
車の中で考えてきた謝罪の言葉を言おうと口を開くが、声が出ない。
あまりにも無感情なエースの言葉と、視線を合わせようとしない彼女の姿勢に早速心が折れてしまったからだ。
(もう…エースに愛想を尽かしてしまったのだろうか……エースは俺を…愛してくれなくなったんだろうか……)
どんどん、どんどん気分が悪くなっていく。
頭が揺れて、立っている感覚が無くなっていく。
次にエースから発せられる言葉は、もしかしたら、り………
「………あのさ」
「っ嫌だ!!」
「はあ!?」
エースの言葉を遮り、彼女の体を抱きしめた。
「ごめん!俺が悪かった!本当に悪いと思ってる!だから離婚しないでくれ!エースと別れたくない!エースと別れたら俺、生きていけなくなる!」
「まだ何も言ってないだろ!?ってか包丁持ってるから一旦離れろ!」
「離婚はやだーー!!」
「そっちの離れろじゃねーーー!!」
絶対に離さないと全身全霊の力でエースを抱きしめていたが、ウマ娘である彼女の力には敵わず、簡単に引き剥がされてしまった。
- 122二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:14:57
「心配しなくても、あんな事で離婚する気はサラサラねーよ、ってか喧嘩1回くらいで別れたいと思うんなら結婚してねぇって」
「じゃあ、なにを……」
「……あたしも謝りたかったんだ、アンタと飯食ったり、一言も話せなかったのが結構効いてさ…喧嘩する程仲が良いとは言うけれど、やっぱそんなのするもんじゃねぇな」
「本当にごめんな」と、エースは眉を下げて、申し訳なさそうに謝ってきた。
だから俺も、もう一度言う。
「俺の方こそごめん、あんな下らない事で君を傷付けて…これからはもっと話し合おう、そうすれば喧嘩しなくても済むと思うから」
「ん、そうだな」
「それで、その…お詫びとしてこれを、君に」
スーツのポケットからリボンの付いた小さな紙袋を取り出し、エースに差し出す。
「ここまでしなくてもいいのに」
「俺なりの詫びの気持ちだから」
「開けていいか?」
「もちろん」
- 123二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 22:15:14
紙袋を開けたエースが取り出したのは、ナズナの耳飾り。
それを驚いたように眺めた後、エースはおもむろに右耳に付けた。
「似合うか?」
「ああ、とても」
「ありがとう、大事にするな」
花が綻ぶような笑顔を見せてくれたエース。
昔、まだ交際を始めてから時間が経っていない頃、エースに初めてプレゼントを送った時の事を思い出す。
彼女は今と同じように喜んでくれていたな。
……そうだ、その時から俺は、エースのこの笑顔を見るために、彼女を幸せにしたいと思っていたんだ。
「エース」
「ん?」
「改めて誓うよ、絶対に君を幸せにすから」
「……おう」
頬を赤く染めたエースは、俺の背中に腕を回して抱きついて来た。
俺も再度彼女の体を抱きしめ、しばらくはお互いの体温を感じ合っていたのだった。
- 124二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 08:22:34
良きかな…
- 125二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 19:11:04
えぇ…もうてぇてぇがてぇてぇすぎる…
- 126二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 22:54:59
ほんともう可愛い
- 127二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 04:46:50
あ"っ"(デジタル化)
- 128二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 12:46:36
- 129二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 20:19:30
俺はその掌、ではなく、手首を掴み、エースを引き寄せた。
「おわっと」
ポスリと俺の腕の中に収まったエース。
そのまま再び寝転び、腕は彼女の上半身へ、彼女の足と自分の足を絡ませ、逃げられないようにした。
「どうした?」
エースは怒らず、逃げ出そうとせず、見上げてくる。
たったそれだけのことが愛おしくて、彼女の後頭部に顔を埋めた。
「幸せだ……」
胸の内を呟くと、彼女の吹き出す声が聞こえた。
「まだ始まったばかりだろ、こんなもんで満足してんじゃねーよ」
そう言いながらエースは自身の腕を俺の背中に添え、俺と彼女はもっと密着する。
「たくさん楽しい思い出作って、もっと幸せになろうな」
「……うん」
一時の間を置いて、エースと見つめ合う。
どちからともなく笑い出して、そのまま布団の上でじゃれ合っていた。
- 130二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 23:09:14
このレスは削除されています
- 131二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 08:01:25
娘が産まれてから嫁の負担が一気に増えたので、休日は出来る限り家事を手伝う事を提案した。
今日は嫁が洗濯担当、俺が掃除担当の日。
娘がホコリやゴミを誤飲しないよう隅々までしっかり掃除機をかける。
ふと嫁の方を見ると、俺に背を見せる姿勢で洗濯物を畳んでいた。
そして娘は、ハイハイしながら嫁の後ろを通り過ぎようとしている。
(あ、窓開いてる!)
娘が進む先には、ベランダに繋がる開きっぱなしの窓。
俺は掃除機を置いて娘を捕まえようとした。
だが、俺が動くよりも先に嫁の黒鹿毛の尻尾が娘を捕まえ、優しく転がせた。
そして毛先で娘をくすぐり、娘をあやし始める。
その間、嫁は淡々と洗濯物を畳んでいた。
まるで別の生き物のように動く尻尾を見て、俺はチームに所属している嫁によく似たウマ娘が言っていた事を思い出した。
(たしか尻尾で重量上げ出来ないか模索してたな…これはそのトレーニングに活かせるのでは?)
ふと閃き、早速メモに残したのだった。 - 132二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 16:22:29
保守
- 133二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 20:28:05
今年は台風が早くきた。
エースは畑ミーティングに集中出来ていないようで、チラチラと激しい雨が打ち当たる窓を横目で見ていた。
「エース」
「っごめん!けど…」
そろそろ収穫時だった矢先の台風だ、昨日出来る限りの対策はしておいたが、無傷とはならないだろう。
エースは飛び出したいのを我慢している。
農家の娘だけあって、台風の中畑を見に行くという危険な真似はしない。
「初めてトレーナーさんと植えたトマト…熟れてきてたのに…」
耳を前に垂らし、見たことがないくらい落ち込んでいる。
もちろん俺も残念に思っている、エースに手伝ってもらいながら自分で育てた野菜を食べるのを、楽しみにしていたのだから。
「明日には温帯低気圧に変わるそうだから、朝一で見に行こう」
「……おう……」
今日はもうミーティングにならないのと、明日のために早めに解散した。 - 134二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 21:03:54
- 135二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 22:17:01
エースがどんどんフィーチャーされてマジで嬉しい……私服解禁からぶっ続けでたまらんわ……
- 136二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 23:57:35
スレ主です
死にそうです - 137二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 00:04:36
うれしい...うれしい...
軍手かわいいね... - 138二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 08:39:07
- 139二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 16:16:03
遅くなりましたが続きを……
翌朝、正門前でエースと合流し移動し、畑へと向かった。
じゃがいもやニンジンを育てていた畑の被害は予想よりも少なかったが、トマトやナス等は枝から落ちていて、風により飛ばされた物が敷地内に散らばっていた。
もうすぐ食べ頃だったのもあって、残念で仕方がない。
「トレーナーさん!こっちにきてくれ!」
ショックを受けていたがエースに呼ばれたので、重い足を動かす。
「1個だけ生き残ってた!」
「!?」
彼女の視線の先に目をやる。
そこには、水が滴った赤く輝くトマトが、枝にしっかりと付いていた。
多くの仲間が落ちていった仲、1つだけ生存したこのトマトの根性に俺は泣きそうになるほど感動している。
「色も艶も申し分ない、今すぐにでも食えるな!」
「ええ!?せっかくあの台風を生き延びたのに、もう食べるのか!?」
「何のために育ててきたと思ってんだよ、このトマトだって、食われるために根性見せて生き残ったんだぜ」
「た、確かに」
少々…いやかなり勿体ないと思うが、このまま放っておいて腐らせてしまうのは、このトマトに申し訳ない。
エースは手際よくトマトを枝から切り離し、水道水で洗って俺に手渡してくる。
「トレーナーさんが初めて育てたトマトだからな」
「じゃあ有り難く、いただきます」
赤い実に刃を立て、柔らかな果肉を齧り取った。
- 140二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 16:16:45
「っ美味しい…!」
口の中いっぱいにトマトの甘みと酸味が広がり、もう一口、二口とトマトを齧る。
「自分で作った野菜は美味いだろ?」
ニコニコ笑うエースに、俺は彼女とトマトを見比べ、まだ齧っていない箇所をエースに向け、差し出す。
「エースも手伝ってくれたからね」
「……じゃあ遠慮なく、いただきます」
エースは俺の手を支え、そのままトマトに齧りついた。
「うん!めっちゃうめぇ!」
目を輝かせながら口の中のトマトを噛みしめるエース。
自分より舌が肥えている彼女がこんな反応をするのだから、とても良い出来だったのだろう。
「トレーナーさん?顔赤いけど、どうした?」
「い!いや!何でもない!」
「?」
エースが口の端に付いた果汁を舌で舐め取る仕草に見とれていたなんて、口が裂けても言えない。
- 141二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 16:17:38
「それよりさ!畑の掃除が終わったら、新しい苗を買いに行こうよ!」
「え」
「え?」
「いや、今回のことで畑仕事嫌になったと思ってたんだけど…」
「確かに堪えてはいるけど、嫌にはなってないよ、一つだけでもちゃんと成果はあったし、何より楽しかったから!これからもエースと一緒に色んな物を作っていきたいよ!」
「!……そっか…へへ、そっかぁ……」
はにかみながらエースは鼻の下を擦って、照れ隠しなのか俺に軽くタックルしてきた。
「おっふ」
「あたしもトレーナーさんとやる畑仕事、大好きだぜ!」
……畑の掃除が終わった後、エースと2人でホームセンターを回っていたのだが、終始エースは上機嫌で、俺から離れてはくれなかった。
- 142二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 22:40:14
月日は流れ、俺とエースは結婚し、子宝にも恵まれた。
コツコツ貯金を貯めて土地を買い、家を建てた。
もちろん、畑が作れるくらい広い庭付きのだ。
流石に学園の敷地よりも狭いが、エースは気に入ってくれたようで、子供達も歩けるようになる頃にはエースと一緒に立ち弄りをやるようになっていた。
休みの日には俺も参加し、収穫した作物をみんなで食べ、次は何を育てるか話し合う。
「ねぇねぇ、今度はひょうたん育てようよ!」
「カボチャ作ろうぜ!」
「ひょうたんは簡単そうだけどカボチャはなー、ママは何育てたい?」
「そうだな…久しぶりにトマト育てたいな、おっきい方の」
「トマトか、いいね、今の時期に植えれば夏には収穫できるよ」
昔はエースと2人だけで何を植えるか相談していて、その時間が俺の中で1番好きだった。
今では子供達を含めて、我が家の家族団らんの時間となっている。
このひと時が何よりも好きで、俺が今、守りたいと強く願っている宝物だ。
- 143二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 23:57:39
なんかもう幸せすぎて泣けてきた
ありがとう - 144二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 08:51:20
小学生の娘が朝顔栽培キットを持って帰ってきた。
「夏休みの宿題で、観察日記付けるんだー」
自分も昔やっていた事を思い出す。
当時は休みの日に朝早く起きるのが億劫で、絵日記の殆どが萎れた朝顔のイラストだった。
だが娘は嫁に似て朝には強い方で、しかも自由研究では嫁の畑仕事の手伝いレポートを提出すると決めているから、心配はないだろう。
「ママのお手伝いする前にやるの!後だと手が汚れてるから!」
ちゃんと計画を立てている、なんて賢いんだ。
感動していると早速娘は朝顔の種を植えようとした、嫁の畑の何も植えていない土に。
「何でそっち!?」
「朝顔畑にするの!!」
「エース!!エーーーース!!」
娘の奇行を止めようと思わず嫁の名前を叫んでしまった。
その後、嫁から花と畑の土は違う事をしっかり説明された娘はムクれながらも、学校側から配布された栽培キットを使って朝顔を育てたのだった。 - 145二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 17:37:37
息子も朝顔の観察日記が宿題で出されたようだが、付属でついてきた土だけではなく、家にあった土も入れていた。
「何やってるんだ?」
「成分の違う3つの土を一つの植木鉢に入れてる」
「はあ!?」
息子いわく、植木鉢にPHが酸性、アルカリ性、中性の土を3つの区画に分けて入れ、各区画と区画の境に種を植えたらどんな色の朝顔が咲くか実験するらしい。
「虹色の朝顔咲いたらノーベル賞取れるよな!」
多分無理だと思うが、息子の小学生ならぬ(ならでは?の)探究心に脱帽した俺だった。
そして子供達の宿題により、今年の我が家の壁には朝顔の蔦が張り巡らされていて、夏休み明けの掃除にかなり手間取った。
- 146二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 22:58:07
「ただいまー…っと…」
大学から帰ってきてリビングに行くと、トレーナーさんがテーブルに突っ伏して寝ていた。
もう担当トレーナーじゃないのだけれど、ずっとトレーナーさんと呼んでいたから、まだ名前で呼ぶのは慣れていない。
トレーナーさんは資料を作っていたようで、テーブルの上にはノートパソコンが開いた状態で置いてあった。
あたしはパソコンをテーブルから落ちない位置に移動させて、自分の寝室から毛布を取ってきて、トレーナーさんの肩にかける。
(昨日までずっと日付が変わってから帰ってきて、朝は日が上る前に家を出てたから、睡眠不足にもなるよな)
日中は殆ど顔を合わせられないし、休みの日もトレーナーさんは家に持ち帰ってきた仕事を片付けるので会話も少ない。
本当はしっかり休んでほしい、もっと話がしたい、触れ合いたい。
だけど、トレーナーさんがそこまで頑張ってくれているのはあたしとの将来のためという事を知っているから、止められない。
(だからせめて、今みたいな時だけは、側にいさせてくれよ)
寝ているトレーナーさんの頬にキスをして、彼と同じようにテーブルに伏せて、彼が起きるまで寝顔を見つめ続けた。 - 147二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 08:43:40
仕事が片付き、トレーナーさんは久々に休めると夕飯の席で喜んで報告してきた。
「だから次の休日にどこか遊びに行こう!エースは行きたいところある?ずっと放ったらかしにしちゃってたから、どこでも連れてってあげるよ!」
「あたしの事は気にしないでいいぜ、プライベートまで他のやつのこと気にしてたら休めねぇだろ」
本当は一日中くっついていたい。
でもトレーナーさんが元気でいてくれるのが1番大事だから、自分の我儘は押さえ込む。
「俺はエースと一緒にいる時が1番休めるんだよ」
「んぇ?」
「もう君が隣にいる事が当たり前になってるからさ、まるで実家にいるような安心感…とでも言うのかな、クタクタで帰ってきても、エースが『おかえり』って出迎えてくれるだけで疲れが吹っ飛ぶんだ、最近は時間が合わなくて挨拶すら出来ない事が多かったから、ちょっとしんどかった」
そう言って、向かいに座っていたトレーナーさんは立ち上がってあたしの元に来ると、あたしを優しく抱きしめた。
「こうしてるだけで安らげるんだけど、まだ足りない…だからこれは俺の我儘、次の休みはずっと俺から離れないで下さい」
「………」
そんな。
そんなこと言われたら、あたしも我儘言いたくなっちまうじゃねぇか。
「……あたしも…寂しかった、から…ずっと一緒に過ごしたい…」
トレーナーさんの背中に腕を回して、彼の胸板に顔を押し付ける。
トレーナーさんの大きな手があたしの頭を撫で始めたもんだから、嬉しくて泣きたくなった。
……次の日の休み、あたし達は家の中で過ごすことにした。
朝起きてから眠るまで、寄り添って会話したり、一緒に料理したり、抱きついたまま2人でソファーに寝転がっていたり、とにかくトイレに行く時以外はずっとイチャイチャしていた。
どうしようもない程生産性のない一日だったけど、その日はあたしとトレーナーさんにとって、これまでの中で1番充実した日になった。
- 148二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 18:02:09
ほしゅ
- 149二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 21:53:35
「やっぱり白無垢でしょう!ウチの家系は代々神前式でやってきて…」
「今時の娘ならウエディングドレスを着たいのでは?お色直しで好きな色のドレスも着れるし…」
……これは、結婚式であたしに何を着せるか言い合っている母ちゃんとお義母さんの会話だ。
かれこれ1時間も続いている。
父ちゃんは早々に居眠りしちまってる、何しに来たんだ。
あたしの旦那になるトレーナーさんはと言うと。
「黒髪のエースに白無垢はもう似合うの間違いない…けどウエディングドレス姿は絶対見たい…!」
頭を抱えて悩んでる、こんなに悩んでる姿を見るのは初めてだ。
「2人とも、主役はエースさんなんだから、エースさんに決めてもらうのが筋じゃないのかい?」
ここで、ずっとお茶を啜っていたお義父さんがやっと喋ったと思ったらあたしに選択権を飛ばしてきやがった。
いや、言ってることは正しいんだけど。
「それは、確かにそうですね…」
「ついついヒートアップしちゃったわ…エースちゃんは白無垢とウエディングドレス、どっち着たい?」
「あ、あたしは……」
4人の視線が一気に集まる。
あたしとしては、ガキの頃に白無垢を着た母ちゃんの写真を見せてもらって、将来結婚したら自分も着たいと思ってたし、学園のブライダルイベントを見てきて、ウエディングドレスにも憧れちまって、正直いうと……。
「………どっちも着たい!!!!」
と言うわけで、白無垢はフォトウエディングで着て、ウエディングドレスは式で着る事になった。
想定していた予算をかなり超えた出費となってしまったが、両親達は喜んでたし、あたしも旦那も満足のいく結果になったので、後悔なんてしなかった。 - 150二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 23:35:06
ウエディングも言わずもがなだけど、白無垢絶対似合う
- 151二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 08:16:03
娘が産まれて半年が経った。
だから今日は、娘のハーフバースデーの記念写真を撮りにフォトスタジオに来ている。
お姫様みたいな衣装とティアラを付けた娘は本当に可愛くて、専門家のカメラマンの後ろであたしと旦那はスマホのシャッターボタンを連打していた。
「あの娘が大きくなってお嫁さんに行く時、あんなドレス着てるのかな」
なんて思わず呟いてしまった。
すると旦那は急に俯いてワナワナ震え出し、顔を勢いよく上げて、「娘は嫁にやらーーん!!」と号泣しながら叫んだ。
あたしもカメラマンも、フォトスタジオの店員さんも驚いたが、娘だけは爆笑して、不可抗力だがとてもいい写真が撮れたのだった。 - 152二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 17:54:36
車を車検に出したため、電車で通勤した。
朝と夜、どちらも満員電車でストレスがかなり溜まり、イライラしていた。
(家で家族に当たらないよう気を付けないと…)
駅に付いたら人の波に攫われないよう電車から降りて、改札口を出る。
今日は久しぶりにビールを飲みたいと考えていると、娘の声が聞こえたような気がした。
俺は周囲を見回すと、出入り口のところに娘と、息子を抱き抱えた嫁がいた。
「パパー!」
娘は俺に向かって駆け出した。
俺はその場でしゃがみ、飛び込んできた娘をキャッチする。
その間に嫁も俺の元に来ていた。
「みんなで迎えに来てくれたのか」
「娘が行きたいって駄々こねてさ、まぁあたしも出迎えてやりたいなと思ったから」
「ビックリしたー?」
「すっごくビックリしたよ!」
けど、喜びの方が大きい。
「なぁ、折角だし今日の夕飯は外食にしないか?この辺にファミレスがあるみたいなんだ」
「おこさまランチたべたい!」
「いいね、早速行こうか」
娘を抱っこしたまま立ち上がり、嫁と並んで駅を出る。
改札口を出るまで存在していたイライラは、跡形もなく消えていた。 - 153二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 21:07:53
ほしゅ
- 154二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 22:15:58
SS最高です…ありがとうございます…!
- 155二次元好きの匿名さん24/06/01(土) 22:18:39
- 156二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 07:55:50
良いなぁ…
- 157二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 18:16:16
ほ
- 158二次元好きの匿名さん24/06/02(日) 21:50:17
今日は天気が良かったので、朝から最愛の妻と散歩をしていた。
目的地は決めず、手を繋いで町内をフラフラ歩き、気になった店に立ち寄ったり買い食いして、また歩くを繰り返して、気付けば日が傾き始めていた。
「今日は何食いたい?」
上目遣いで妻が晩御飯のリクエストを尋ねてくる。
「何でもいいよ」
そう言うと、妻は頬を膨らませた。
「『自分が食べれるやつなら』何でもいいってことだよな?それ滅茶苦茶悩むからやめてほしいんだけど、作って文句言われると腹立つんだよな」
過去にそういった経験をしたのだろうか、俺は慌てて弁解をする。
「俺はそう言う意味で言ったんじゃないよ!エースが作ってくれる料理は全部美味しいから、どれが食べたいかを考える方が難しくて」
「本当か?」
「本当だ、これまでエースの作った料理を食べて俺が文句を言ったことはあるかい?」
「……ない」
「だろ?だからエースが作りたい物を作っていいよ、君が楽しく作ってくれた物なら何でも美味しいって確信してるからさ」
今言ったことは心の底からの本心だ。
妻のムクれ顔は照れ顔へと変わり、そこからはにかみ顔になって、嬉しさを隠す事なく、繋いだ手と尻尾をブンブン振り回した。
「よっしゃ!なら今日はビフテキにするぜ!他にはポテサラだろ?コーンスープに…デザートも付けちまうぜ!」
「ははは、今日は豪華なディナーになりそうだ」
そうして俺達は茜色の空の下、足りない材料を買いにスーパーへと向かうのだった。
- 159二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 07:12:28
あー尊い尊いッ!!
- 160二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 14:09:47
仕事中、珍しく嫁からLINEが来た、食材の買い出し依頼かな?
アプリを開くと『電池切れ』の一文と画像が送られていた。
画像に映し出されているのはリビングで、手前に娘がうつ伏せで倒れていた。
(電池切れってそういうことか!)
そして奥の方をよく見ると、ソファーの下に息子が寝転がっている。
これは2人は遊んでいるうちに寝落ちしてしまったのだろう、絶妙に2人の離れている距離がどこか面白い。
〈ピロン〉
新しい画像が送られてきた。
次の画像は布団に寝かされている子供達が写っていて、息子が娘の指にしゃぶりついている。
「ん゛ぅっふ」
あまりの可愛さに叫びそうになった。
周囲を見回すが、今は俺と担当のウマ娘しかいない。
担当の娘は第2コーナーを走っているから気付かれていないはず、ほっと胸をなでおろした時、また通知音が鳴った。
『実家から白菜が届いたから、今夜は白菜と豚バラ肉のミルフィーユ鍋だぜ』
これが本題だろうに、なかなかじらしてくれたな。
「『了解、職場出るタイミングで連絡するよ』っと」
メッセージを送信して数秒後、『OK』の一文と共に今度は娘が息子の耳たぶにしゃぶりついている画像が送られてきた。
俺は尊さに顔を覆いながら天を仰ぐ。
戻ってきた担当に不審者を見るような目を向けられた。 - 161二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 16:20:02
かっこよくかわいい
- 162二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 20:29:01
ついに来ましたね…エースのふわぷち…!
— 2024年06月03日
- 163二次元好きの匿名さん24/06/03(月) 22:36:17
最近、トレーナーさんはトレーニング時間が終わると、サトノダイヤモンドのトレーナーの元へ赴いている、あたしには内緒で。
なぜ知ってるのかと言うと、キタサンブラックからあたしのトレーナーさんがサトノダイヤモンドのトレーナー室へと入る姿をよく見かけるようになったと報告があったからだ。
なので、今日はトレーナーさんの後を付けてあの人が何をしているのかこっそり覗き見る事にした。
トレーナー室から何やら盛り上がっている声が聞こえる。
扉の鍵は空いていたから、少し開けて中を覗いた、そこには……。
「もうちょっと奥です…ああ!行きすぎですよ!」
「ちょっと押しただけなのにアームが進んじゃうんだけど!?」
「だから少し手前におく感覚でいくんですよ!ホラもう一回!」
……あたしのトレーナーさんがUFOキャッチャーで遊んでいて、サトノダイヤモンドとそのトレーナーがアシストしている。
ってか、なんでトレーナー室にUFOキャッチャーがあるんだ?
「……よぉし掴んだ!!」
「まだ喜ぶのは早いですよ先輩!」
「あーーー!落ちたーーー!」
「でも確実に上達はしています!あと前にも言いましたが、1発で取るのは相当技術がいるので、少しずつ人形を穴の方に近づけるように移動させるのが基本ですよ!」
「うう…絶対、今度出るエースのふわぷちを手に入れるために、もっと上手くなってみせるぞ…!」
「私達も出来る限り協力しますよ!さあもう一回やりましょう!」
……………。
あたしは見なかった事にして、そっとその場から離れた。 - 164二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 08:30:42
- 165二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 13:38:26
……最近エースの様子がおかしい。
いつもポニーテールにしていたのに、毎日違う髪型にしてきては俺に感想を求めてくる。
そしてトレーニングでは、俺が褒めるとジィっと見つめてくる。
髪型は似合っているといつも言って、トレーニングでは更に褒めてはいるが、エースは不満そうな顔になって去っていく。
エースが何を求めているのか分からない、同僚のシビトレに聞いたら、「女心と秋の空って言うだろ?」とまるで参考にならない回答をもらった。
そして何もわからないまま時間は過ぎていくと、だんだん俺もイライラしてきて、ついに爆発してしまった。
「一体俺に何を求めているんだ、言ってくれなきゃ分からないだろ」
少し強めに言い放ってしまった。
エースは驚き、一瞬何か言いかけたが、すぐ悲しそうな顔になって、謝ってきた。
「困らせてごめん…もうしないから…っ」
そう言ってエースは荷物を持って、足早に帰ってしまった。
彼女の目尻に涙が溜まっているのを見逃さなかったが、追おうとした時にはエースは遥か彼方にいて、追いつけないと諦めてしまう。
(今回はエースに非が…だが聞くにしても言い方があっただろう…)
俺は後悔の念に苛まれた。
- 166二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 16:09:30
「あ!エースさんのトレーナーさん!」
トレーナー室に入ろうとした時、サトノダイヤモンドから声をかけられた。
「エースさんのふわぷちは入手できましたか?」
「ああ…君と君のトレーナーのおかげで、無事に取れたよ」
「よかったです!それでですね、また我が社のブランドからエースさんの新しいグッズを商品化することになりまして、こちらそのサンプルになります!」
「!!」
サトノダイヤモンドから差し出されたのは、まん丸いデフォルメのエースがにっこり笑った人形だった。
「ふわコロりんシリーズです!ルドルフ会長とシービーさんのと一緒に再来月に販売予定のものですよ!」
「そ、そんな社外機密のような物を俺が貰っていいのかい!?」
「既に製品版はできていて、サンプル品は倉庫に仕舞ってしまいますから、それならエースさんのことが大好きなトレーナーさんの元にいたほうがその子も嬉しいでしょうし!」
「…ありがとう、大事にするね、製品版も是非お迎えさせてもらうよ」
「はい!では私はこれで!」
サトノダイヤモンドはお辞儀をして、いま来た道を戻っていった。
俺はトレーナー室へと入り、サトノダイヤモンドから貰ったエースのふわコロりんを改めて観察する。
「すごく、すごい丸い…けど勝負服の細部までしっかり作られてる…可愛い…妖精かな…ちっちゃい手足が可愛いすぎる…」
手のひらの中でコロコロ転がし、その愛くるしい姿に感動し興奮もした。
- 167二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 18:52:52
「……何だよ、その丸っこいの……」
「!?」
怒りを孕んだ声がした。
ゆっくりと振り向くと、数刻前と変わらない姿のエースが、親の仇を見るような目で俺を睨みつけている。
怖い、滅茶苦茶チビりそうだが、俺がエースのふわコロりんを前にだらしない顔をしていた所を見られた事に動悸が止まらない。
「ああああのその、あの、これはね……」
「…………かよ……」
「はい?」
「…そんなに…作り物の方がいいのかよぉ……!」
何とか弁解しようと脳内で謝罪文を考えていたが、エースが泣き出した事で全部消えた。
「え、え、え!?えええエース!?」
「このまえも、ふわぷちにかわいいっていってて!」
「うわああああまさか見られてたなんてぇ!」
「そんなのを、かわいがるなら、ひっ、うっ、さっさと、けいや、く、かいじょ、すれば、いいだろぉがあぁあ!」
「はあああ!?」
何故人形を可愛がってる所から担当契約解除まで飛躍するんだ!?
- 168二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 18:53:20
「しないよ!契約解除!したくないよ!なんで!?どうしてそうなった!?」
「だって、だってぇ!とれーなーさん、あた、あたしの、ぬいぐるみ、かわいいって、いって…」
「確かに言ったけど!」
「ほんもののあたしにはいっかいもいってないぃいいいい!!」
「!」
「おしゃれしても!れんしゅうがんばっても!なんもいってくれないし!あたまなででくれないし!ぬいぐるみばっかかわいがってえぇええ!」
まさか、エース……。
「ぬいぐるみに、嫉妬してたの…?」
「げほっ!えう、うぇえええ…!」
嗚咽しながらボロボロと泣きじゃくるエースは、年相応…いや、もっと幼い子供のようで。
「その、俺はエース本人も可愛いと思ってたよ、けど直接本人に言ったらセクハラ扱いされたりするんじゃないかと思って、でもエースの事も大事にしてきたつもりで…」
「ゔぅ゛ゔゔゔゔ!!」
こんなになるまで、俺はエースを追い詰めてしまっていたなんて。
「っごめん!ごめんなエース!」
俺はエースを抱きしめた。
エースが落ち着くまで抱きしめ続け、沢山謝った。
- 169二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 20:02:21
エースが落ち着いた時には、俺のシャツはグチョグチョになってしまった。
だが彼女を流した罪滅ぼしとしてはまだ足りない。
「本当にごめんなエース…」
「………」
エースは俺の胸に顔を押し付けたままだ。
「………エースがして欲しい事、何でも言っていいよ、何でもしてあげるから……」
「……なんでも……?」
「出来れば契約解除以外でお願いします…」
「………」
何か思いついたのか、エースは顔を上げ、真っ赤に腫らした目で俺を睨む。
「……可愛いって言え……」
「え?」
「あたしのこと…可愛いって思ってるんなら言えよ…あと頭も撫でろ……」
「そんな事でいいの?」
「そんな事だと…」
「いいいいいいます!言います!」
今エースの腕は俺の背中に回されて、その腕に力を入れられて背骨が軋む音がした。
力が緩んだ後、俺はエースを見つめて、躊躇いなく彼女の頭を撫でる。
- 170二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 20:02:39
「……可愛いよエース」
「ん」
「すごく可愛い、ずっと可愛い女の子だって思ってたんだよ、色んな髪型してきてたけど、どれも君に似合ってて、新しい魅力を発見できた」
「…ぬいぐるみよりも、可愛いか?」
「本物の可愛さとぬいぐるみの可愛さは違うんだよ?どっちも可愛いじゃダメかな?」
「………ダメじゃねぇ……」
少し機嫌が治ってきたようで、エースは俺に寄りかかるように態勢を整える。
「………ごめんな…トレーナーさん…ガキみたいに泣き喚いて……」
「元はと言えば俺のせいだよ」
「あたしだって…恥ずかしがらずにちゃんと正面からあたしも可愛がれって言えば良かったんだ……」
ああ、これまでのエースの行動は、エースなりの精一杯のアピールだったんだ。
「これからはこれまでの分も含めて、エースに沢山可愛いって言うよ!」
「無理して言わなくてもいいんだぜ?」
「そんなことない!今日までずっと心の底からエースは可愛いって思い続けてたんだから!」
「お、おう」
- 171二次元好きの匿名さん24/06/04(火) 21:37:32
と言うわけで、次の日から俺はエースへの気持ちを包み隠さず言葉と行動で現した。
畑仕事の時も、トレーニングの時も、学園内の人通りが多い所でも、2人で遊びに行く時も、可愛い可愛いと褒めて頭を撫でまくった。
エースは「もう勘弁してくれ」と顔を真っ赤にして恥ずかしがるもんだから、ヒートアップしてしまい最終的にエースがトマトで俺の口を塞がれてしまう。
それが学園の日常の一部となって、夫婦漫才と言われるようになるのはもう少し先のことだ。
終わり
- 172二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 06:19:39
癒される…可愛すぎる
- 173二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 12:51:48
「ままー!むすめやるー!」
晩飯を作っている最中、あたしの足元で娘が手を伸ばしてくる。
最近になって娘は『やるやる期』に入ったようで、あたしの手伝いをやりたがるようになった。
まだ3歳児だから難しい事や危ない事はさせられないけど、娘のチャレンジ精神を無碍にしたくない。
「じゃあお肉をコネコネしてくれるか?」
「あい!」
今日のメニューはハンバーグ。
ボウルの中にひき肉と炒めた玉ねぎとパン粉と卵を入れて、塩を少々振りかけてあたしは手を洗い、娘を抱き上げてボウルに手を突っ込ませる。
「んえっし!んえっし!」
掛け声を出しながら小さな手で具材を混ぜ始める。
しかし数分後、娘は手が疲れたと言って混ざるのをやめた。
ハンバーグのタネはまだまだ出来ていないが、初めてならこんなもんだろう。
流しで娘の手を洗い、その後あたしがしっかり混ぜ合わせた。
タネが出来て小判型に整形し始めると、また娘が手伝いたいと手を伸ばしながらジャンプする。
「分かったから暴れんな!」
あたしは椅子を持ってきて、娘を椅子の上に立たせ、娘の手のひらにハンバーグのタネを置く。
「もっとちょーだい!ぱぱのつくるの!」
「はいはい、あたしと娘の分が無くなるから、これくらいで勘弁な」
娘は大量のタネをまな板の上に置いて、叩いたり千切ったり、また叩いたりして遊んでいた。
そう、粘土で遊ぶかのように遊んでいた。 - 174二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 12:55:27
「できた!!」
そうして出来上がったのは猫のような、犬のような立体の物体、中まで火が通るのかと不安になる。
考えた結果、旦那のハンバーグは鍋で蒸し焼きにする事にした。
なんとか旦那が帰ってくるまでにハンバーグが出来上がってそれを食卓に出すと、旦那は目ん玉をひん剥いてハンバーグを凝視した。
「ソレ、娘が作ったんだよ」
「ぱぱのつくった!」
そう伝えると、今度は号泣して娘を褒めまくり、中心がちょっと生焼けだったにも関わらず全て平らげた。
その光景に娘は喜び、また手伝いたいと言ってくれた。
あたしは旦那のガッツを心の中で讃え、万が一の時のために胃薬と、胃に優しい夜食を用意することにした。
- 175二次元好きの匿名さん24/06/05(水) 22:19:30
ほしゅ
- 176二次元好きの匿名さん24/06/06(木) 08:30:30
トレーナーの朝会にて、数名のウマ娘がデビューできずに退学したと知らせがあった。
中央にいるウマ娘の数に対して、トレーナーの数が圧倒的に足りない故に、これは起こるべくして起こった事態だった。
それを担当ウマ娘であるエースに話す。
「あたしも、河川敷でトレーナーさんがあたしを見つけてくれなきゃそうなってたかもな、あん時はみんなシービーシービーって、あたしには誰も見向きもしてなかったし」
エースは俺と出会った時の事を言っているのだろう。
彼女とのファーストコンタクトは河川敷で間違いないが、俺が彼女を見つけたのはそれより前だ。
「あの時も言ったけど、エースを初めて見たのは前日にシービーと並走した時だよ」
「そうだっけ……あー!確かに言ってたな!」
「あそこで俺が1番目を惹かれたのは君だ」
「へ?」
「確かにシービーにも目が行ったけど、俺の心が揺さぶられたのはエースの走りだったんだよ」
必死にシービーに並ぼうとして、距離を離されても諦めずに追い付こうとゴールまで走り続けたエースの姿が、俺の目に焼き付いて離れなかったんだ。
「あの瞬間から君以外を選ぶ選択肢は無くなっていたんだと思うよ、だから…そう、一目惚れしちゃってたんだ」
本人を目の前にこぱっずかしい事を言っている自覚はあるが、どうしても伝えたかった。
流石に引かれたかなと思ってエースの方をチラ見する。
エースの顔はよく熟れたトマトのように真っ赤になっていて、笑ってるのか困っているのかどちらとも言えない表情をしていた。 - 177二次元好きの匿名さん24/06/06(木) 17:40:42
『一目惚れしちゃってたんだ』
「……これ、どっちの意味だと思う?」
「どっち、とは」
「あたしの走りにか、そっちじゃないやつか…」
いつもサッパリしてて、言うことはキチンと言うエースさんが、モゴモゴと言葉を濁らせた。
自分の尻尾を抱き枕代わりにし、ベッドの上でゴロゴロ寝転がりながら悩んでいるエースさん。
「エースさんは言われた時にどう感じ取ったんですか?」
「へぇ!?あ、あたしは、話の流れからしてあたしの走りに惚れたんじゃないかなって…」
(けど違う方にも期待してそうだな)
彼女を慕っている後輩が見たら度肝を抜くだろう、なにせ表情が恋する乙女のアレだから。
「なら明日直接聞いてみたらどうですか?『あたしに惚れちまったかあ?』って」
「はあ!?おま!え!パーマー!何いってんだよ!それで違ったらどうすんだよ!!」
「違ったら誤魔化せばいいんですよ!エースさんとトレーナーさんの仲なら1回くらいは許させると思うので!」
「いけるかなぁ…」
エースさんとトレーナーさんなら上手く行くと感じている。
エースさんはトレーナーさんに惚の字だし、トレーナーさんのエースさんを見る目は他のトレーナーとは異なっているからだ。
キッカケがあればくっつくと思っていた矢先のこの状況、後輩として背中を押さない訳にはいかない。
「いつまでもモヤモヤしているの嫌いでしょう?もし駄目だった時は私がエースさんとトレーナーさんとの仲を修正するの手伝うんで!」
「(なんか今日押し強いな……)……まぁパーマーの言う通り、いつまでも悩んでても仕方ないしな……よし!いっちょ当たって砕けに行くか!」
「砕けちゃ駄目ですからね!?」
- 178二次元好きの匿名さん24/06/06(木) 18:04:38
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- 179二次元好きの匿名さん24/06/06(木) 21:28:38
「昨日の話だけどよ、トレーナーさんが一目惚れしたのって…あたしの走りだけか?」
トレーナー室で資料を片付けている最中、唐突に言われた。
「どうしたの藪から棒に」
「いや…その…気になって…」
エースの声は小さかった。
目は泳いでいて、前髪の間から見える頬は昨日と同じくらい赤い。
「エース、もしかして熱ある?昨日から顔赤いし」
「ね、熱なんてねぇ!それでどうなんだよトレーナーさん!!」
ちょっとした冗談だ、エースが遠回しに俺からの好意を知ろうとしているから、少し意地悪をしたくなっただけ。
だが勿体ぶっていると拗ねられてしまいそうだ。
「昨日も言ったけど、君の走りには心を揺さぶられたよ?けど惚れたのはエース自身にだよ」
「!!?!?!!!」
ボフンっ!!とエースの顔から煙が出た。
それに加えて、顔全体が真っ赤っかになって、そのまま固まってしまった。
エースの反応は面白いし可愛い。
本当はちゃんと好きだと言いたいが、今の彼女と俺の立場では世間が許してはくれないだろう。
だからエースには申し訳ないけど、誰からも祝福される頃合いになるまでは遠回しに伝えていく事を許してほしい。
- 180二次元好きの匿名さん24/06/06(木) 23:23:56
スレ画かっこいい
- 181二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 08:25:17
今日は庭の畑に種を植える日だ。
俺も久々に休みが取れたので、久々に家族揃って畑作業を行えた。
「何が育つか分かるように、名前付けとけよ」
「「はーい!」」
ネームプレートにマーカーで作物の名前と、隅に子供達作のイラストが描かれる。
それを嫁が種を植えた所に挿し、土だけだった畑が少し賑やかになった。
「早くスイカ食べたいねー」
「メロン食いてー!」
今年も子供達のリクエストで小玉スイカとムーンライトと言う品種のメロンを植え、その場所のネームプレートにはスイカとメロンのイラストがプレートいっぱいに描かれていて、他の場所のよりも豪華だ。
だが俺の目についたのはその横のネームプレート、1番奥の場所にある、『パパ』とだけ文字で書かれたものだ。
その場所に子供達が何かを植えていたのまでは覚えているが、その何かは分からない。
「娘、息子、あのパパって書いてあるのは、なに…?」
流石に気になりすぎたから子供達に尋ねる、だが子供達は、「ないしょ!」「教えなーい!」と笑いながら言って、そそくさと家の中へと入ってしまった。
「エース…何植えたか知ってる…?」
「あー……秘密!」
嫁は顔の前で手を合わせ、子供達と同じように駆け足で家へと向かってしまった。
「ちょ…なに!本当になんなの!?怖いんだけど!!」
俺が土の下に埋まっている物の正体を知る事ができるのはソレの茎が伸びてきた頃で、その日までずっと頭の片隅に『パパ』と書かれたネームプレートが存在し続けた。 - 182二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 12:49:05
『パパ』と書かれたネームプレートの存在が気になり、俺は毎朝出勤前に畑を観察するようにしていた。
数日で芽が出たが、まだこの段階では分からない。
更に数日後、芽が成長してきたと同時期に支柱が挿され、芽は蔓となり、日を追うごとに支柱に絡まりながら成長していっていた。
ここまでくれば何が植えられていたのか分かる、キュウリだ。
6月に入る前に黄色い花が咲いたので、何も問題がなければ中旬に差し掛かる前に収穫が出来るだろう。
「でもこのネームプレートの事は全く分からないな…」
「まだ気付かねーのか?」
雑草抜きをしている子供達を縁側から眺めていると、嫁がやってきた。
「じゃあヒント、は今月の第3日曜日は何の日だ?」
「確かに16日だったよね………あ」
6月16日は『父の日』だ。
「子供達がその日に、自分達だけで育てた野菜をアンタに食べさせたいって言ってきたんだ、学校に行く前や帰ってきてから、畑の管理を全部自分達でやってきたんだぜ」
それを聞いて俺の目頭が熱くなってきた。
まさか子供達が俺の為に辛い畑仕事をやっていたなんて…。
「今はキュウリだけだけど、手慣れてきたら他の野菜も育てて食べさせたいだとよ」
「待ってそれ以上言わないで、俺の涙腺が崩壊する」
「もう決壊してんぞ」
嫁から渡されたティッシュで涙と鼻水を拭き、未だ楽しそうに雑草を抜いている子供達を眺め、今度の父の日を心待ちにするのだった。
- 183二次元好きの匿名さん24/06/07(金) 22:06:08
ほ
- 184二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 08:04:54
娘が産まれて、初めて対面した時、最初に感じたのは「なんて小さいんだ」という事だった。
手も足も、耳と尻尾も、何もかもが小さくて、触れたら崩れてしまうのではと、抱っこさせてもらう直前までは娘に触るのがとても怖かった。
だが腕の中に収まった娘から感じる重さと、タオル越しに伝わる温もりでジワジワと父親になった事を自覚し、涙と愛おしさが溢れていった。
「やっと会えたな」
娘を出産し終えたばかりで、全身汗だらけで疲れ切っている嫁が微笑む。
だがその笑みは今まで見たことのないほど優しく、とても慈愛に満ちていて、そして美しかった。
俺が父親になった瞬間、同時に彼女も母親になったのだと気付く。
「ああ…ああ…!ありがとうエース…!この娘と会わせてくれて……君も無事でいてくれて……!」
「アンタとその娘を置いて逝くわけねーだろ、あたしを誰だと思ってんだ?」
「……俺のエースで…この世で1番愛してる嫁だ……」
「へへ、でも今日からは娘も愛せよ?」
「もう愛してる!君と同じくらい愛してるよ!」
大きな声を出してしまい、腕の中の娘の体がビクリと震えた。
けれど何事もないように娘は大人しく、顔がどこか笑っているようで、これは将来大物になるぞと嫁と笑い合って、あまり騒ぐなと夫婦揃って看護婦さんに叱られてしまったのだった。 - 185二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 14:10:26
- 186二次元好きの匿名さん24/06/08(土) 21:52:06
娘が産まれてはや5ヶ月、首が座りしっかりお座り出来るようになって成長を感じる頃、好奇心や行動力も目まぐるしい成長を遂げていた。
おもちゃ、自分の手足など、目に入るものを何でも掴んで口に入れようとする。
娘を膝の上に座らせて、片手で押さえながらテレビを見ていると、テレビの内容がつまらなくて暇になってしまった娘が、俺の手にかぶりついた。
「はむっ」
まだ歯が生えていない歯茎で噛まれているから痛みはない。
「はむはむはむはむ」
娘は手に噛みつきながら顔をスライドさせる。
娘からの甘噛みに俺の脳が蕩けてしまい、テレビの内容が入ってこなかった。
そして娘が動き疲れて寝てしまう頃には俺の手と上着の袖とズボン、娘が着ているロンパースが娘の涎でびっちょりになっており、「洗濯物増えたじゃねーか」と嫁にちょっと怒られた。 - 187二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 01:31:23
とても素晴らしいSSありがとうございます
癒されました…
あと少しでスレ埋まるので明日スレ立てます - 188二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 07:58:13
承知しました、お待ちしております!
- 189二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 13:46:46
- 190二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 13:49:45
- 191二次元好きの匿名さん24/06/09(日) 21:06:38
うめ
- 192二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 00:00:33
埋めうめ
- 193二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 05:20:54
うめ
- 194二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 07:31:02
埋め
- 195二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 15:31:17
うめ
- 196二次元好きの匿名さん24/06/10(月) 20:43:56
うめめめめめ
- 197二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 08:17:29
うめ
- 198二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 08:17:45
うめうめ
- 199二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 08:18:02
埋めよう
- 200二次元好きの匿名さん24/06/11(火) 15:49:01
幸せはまだ続くよ!!