【ss】ウチは、幸せ者やな｜あにまん掲示板

1二次元好きの匿名さん22/01/30(日) 06:54:59

「…なぁ、○○」
「…ん？」
「幸せか？」
「急に何を言い出すんだ」
「だって、住んでる場所がこんなボロアパートなんやで」
「タマと一緒にいられるならどこだっていいさ。なんなら野宿でもいいぞ」
「それは流石に嘘やろ？」
「俺が今までタマに嘘をついたことあるか？」
「…ないな」
「だろ？」
「でも、お互い貧乏やん。ウチはレースで勝たれへんかったし、○○も…」
「でも、こうして暮らせてる。お互い安月給でも、なんとか食っていけてる」
「…」
「言いたいことはそれだけか？」
「…ウチ、貧相やから」
「元から拘りなんてなかったし、今の俺はお前が一番好みだ」
「…」
「特売のおかずだって美味いし、隙間風が吹いたり雨漏りがするボロアパートでもちゃんと住めるし、幸い俺達は健康だから生活費も稼げてる」
「…」
「そして…好きな人と、こうして同じ布団に入って眠れるんだぞ？」
「…！」
「これ以上の幸せを望むなんて贅沢にもほどがあるだろ」
「○○…」

2二次元好きの匿名さん22/01/30(日) 06:55:49

「…そうやな。ウチが間違ってた」
「…」
「結局、ウチは不安やったんやな。○○に愛想尽かされたら、どうしようって」
「…」
「でも、それって○○を信じ切れてないだけやった。○○はウチのことを、心から愛してくれてんのに…」
「…」
「ウチは、自分の心配ばっかり…」
「そんなことないさ」
「あ…」
「愛想を尽かされるか不安になるのは、俺のことを好きでいてくれてる証だよ。どうでもいい相手なら、嫌われるかどうかなんて考えないだろ？」
「それは、そうやけど…」
「…嬉しかった。俺のことを、そんなにも考えてくれていたなんて」
「だから、それはウチの…」
「例えそうだとしても！」
「…！」
「俺はもう、お前を離すつもりはない。今以上に生活が苦しくなろうが、逆に何かの拍子に大金持ちになろうが…俺の隣にいてほしいのは、俺が愛することができるのは…これまでも、これからも、タマだけだ」
「…」
「…分かってくれたか？」
「…うん、よく分かった。○○がどうしようもない物好きやってことは」
「まだ言うか？お前は俺以外の人から見ても美人の部類に」
「ありがとうな…やっぱウチ、○○がおるから生きていけるわ」
「…俺もだよ」
「…死ぬまで一緒やからな？」
「絶対離さないって言ったろ。死んだ後もずっと一緒だ」
「…そう、やな。ずっと、ずぅっと、一緒におってな？」