- 1二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 08:18:48
前スレ
グリュック様とマハトが探偵バディものな世界線|あにまん掲示板専用スレ立てましたm(_ _)mネタが切れたら別の色んなパターンもおk。楽しく妄想しましょう。グリュック様… 由緒正しい貴族の家柄から出た政治家。7年前にタヒんだ息子のタヒの真相を追っている。息子さん…bbs.animanch.com前回までのあらすじ
グリュック、マハト、ソリテールの3人はいくつかの事件を経て絆を深めていく。
そして今回、負傷したデンケンの代わりに『連邦警察連続辻斬り事件』のおとり捜査をしていたマハトの前にゲナウとメトーデが協力を申し出た。
その頃『神技のレヴォルテ』は新たな獲物の為にに断罪の刃を研ぐのだった───。
決戦まで、あと数時間。マハト達は犯人を捕まえることが出来るのか?
>>……To be continued
- 2二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 08:27:54
たておつ!
- 3二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 08:51:37
- 4二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 08:56:49
これまでの登場人物まとめ
グリュック様… 由緒正しい貴族の家柄から出た政治家。
7年前にタヒんだ息子のタヒの真相を追っている。
息子さん…故人。正義感溢れるドイツの連邦警察だった。
ある事件を追っていた時高所から投身。New→死ぬ前に占い師シュラハトから高所に行ってはいけないと予言を受けていた。
マハト…悪意を知るために犯罪心理分析官(プロファイラー)になる。New→グリュック様を狙った刺客を返り討ちにした際牢にぶち込まれてしまう。自力で出所する事も出来たが面会に来るグリュック様の勧誘に乗ることに。
ソリテール…たまに厄介事を持ち込む依頼人ポジ。解剖医。
護身術を身につけているが1番得意なのは『メスを投げる』というシンプルなもの。痒いところに手が届く。
魔王さま…故人。莫大な遺産を残し、その資産を巡って北の田舎町では連続殺人事件が起こる。被害者はポーズを取らされ、黄金に塗られ、多くの謎を残したまま幕を閉じだ。
本当にこの事件は終わったのだろうか…?
New→謎の占い師シュラハト…彼の周りでは不思議と人が失踪する。裏社会の情報にも未来視にも精通する。多くのファンと弟子を抱え、検挙には至らなかった。
New→マハトの親父(ゲオルグ)…退役軍人風の男。どうやらマハトに執着している様だが南と名乗る男に諌められる。
New→南と名乗る男(南の勇者)謎の占い師、シュラハトが関わっている。連続失踪事件で登場。アクションを魅せた。
デンケン…息子さんの後輩だった。レクテューレの娘婿。神技のレヴォルテが操る異形の戦闘用ロボットに怪我を負わされる。 - 5二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 08:58:10
- 6二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 08:59:44
このレスは削除されています
- 7二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 09:00:32
- 8二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 09:02:19
わかりました。どうもすいません、そのレス消しちゃって・・・
- 9二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 09:25:22
これまでの登場人物まとめ②
New→フリーレン…妙齢のスレンダー美女。デンケンが戦闘用ロボットの魔の手から生き残るまでのあらましを観察。
New→フェルン&シュタルク…デンケンのピンチに声をかけ敵の隙を作った。
New→カウンセラーのアウラ先生御一行…謎の存在からミッションを受け、何らかの報酬を受け取っている。デンケンがロボットに襲撃を受ける前に彼を襲おうとしていた。詳しくは前スレ185&190を参照 - 10二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 09:26:39
まとめはこんなところかな?何か追加&訂正はあるかな?
- 11二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 10:07:39
- 12二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 10:15:17
OKだと思います!
まとめ(2)を投稿しておきました。
なにか訂正や追加はありますか?
あと、なんか変なところや「ここは書いておきたい」あったら、みんなどんどん書いちゃってね。
多分いろいろ抜けがあると思うんで・・・
- 13二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 16:42:35
次スレたておめー
- 14二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 17:02:27
- 15二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:48:10
そういえば、この世界に、ゼーリエはいるのだろうか
- 16二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 02:14:27
あらすじありがたい
ざっと見た感じ黒執事みたいな設定だな - 17二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 10:01:46
ええんやないか?
- 18二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 10:09:01
そういやグラオザーム先生の設定が固まって無かったね。
前スレ全部良かったから精神科医の仕事の傍ら作家業をするどれが本職か分からない実態を掴ませない男でどうや。
患者も事件も彼にとっては創作のいい栄養なんだ。 - 19二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 10:57:48
- 20二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 20:29:26
この世界のヒンメルは、誰だったんだろう
いなかったってことはないと思うけど - 21二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 23:34:18
- 22二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 10:51:00
大きな街路樹が等間隔に植えられた広い道を、3人はパトロールしていた。デンケンの担当していた地域だ。
ゲナウ「獲物の条件は満たしているはず。なかなか現れないな。」
マハト「例のロボットは狭い水路を泳ぐのに適したボディーをしていました。3人固まっているのも襲いずらい一因になっているのかもしれませんね。」
メトーデ「では、誘い込んでやりましょうか?お2人とも通信機の電源を入れっぱなしにしたまま、川沿いを歩いてみましょう?」 - 23二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 11:00:23
- 24二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 11:58:40
(祝)グリュック様再登場
- 25二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 14:11:35
いやあ、本当にびっくりした!
- 26二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 18:16:32
マハト「…ご武運を。」
3人は警戒を緩めないまま別々のエリアを捜索することに。
マハトは薄暗く建物の間隔が狭まった人通りの少ない水路沿いの路を。
ゲナウは放置され、壁の崩れかけたた工場跡沿いの水路を。
メトーデは樹木の生い茂る自然公園の中を流れる水路を。
月も無く、闇にに紛れて殺意を振るうにはもってこいの夜だった。
メトーデは樹木と、土の湿った匂いをかぎながら違和感を感じていた。
「嫌に湿度が高いわ…。霧が出るような天気予報は流れてなかった。」
まるで、公園を覆い隠そうとでも言うような濃霧。
防弾着にすえられたライトの無機質の明かりを、水路の水面が反射している。
メトーデの耳が、穏やかな水面の立てる音とは別種の雫の下たる音を拾った。
「…お出ましという訳ですね。」メトーデは自然体のまま臨戦態勢をとった。銃にも警棒にも手が届く。
闇のように黒い水路から、滝のような飛沫をあげてソレはあらわれた。 - 27二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 21:58:23
- 28二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 09:27:44
このレスは削除されています
- 29二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 09:31:50
原作の新キャラのフラーゼや、新キャラじゃないけどカノーネも魅力的!
人となりはまだよくわからないけど
そのうちここにもでてくるのかな? - 30二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 11:00:45
- 31二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 20:17:52
ちょっとまた思いついてしまいました
かなり長くなってしまったので、こういう形にします
なお、以下のものは、ぜんぶ、私が書いたものです - 32二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 20:18:58
このレスは削除されています
- 33二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 20:20:05
- 34二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 20:20:37
- 35二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 20:21:18
- 36二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 00:07:58
お子様なゼーリエもいいけど、本当におばあちゃんのゼーリエも面白いかも
- 37二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 10:32:42
- 38二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 11:56:53
「こちら、メトーデ。ロボットと会敵しました。」
たった一言、通信機に語りかけ、目の前の相手に集中する。
濃霧のたちこめる夜の森で、メトーデは剣戟をいなしながら隙をうかがっていた。
ソレは、大蛇の様な胴体に刃渡りが40センチはあろうかという刀が一振装備されているだけ。報告にあったロボットとは型が違う。異形の機械から繰り出されるには不釣り合いに端正な太刀筋の数々は剣豪を相手にしているかのようだった。正面からまともに戦ってはいけないタイプの。あァ、惜しいな。
「───あなたに聞こえているかは分かりませんが、それでも伝えずにはいられません。あなたとは正々堂々と生身で戦いたかったです。」
メトーデは刀を振るう碗部の人工関節を狙って銃で撃ち抜き刀を落とさせた。湿度の高い森林の匂いに硝煙と熱された鉄の匂いが混ざる。一瞬、爆ぜた火花に固まったロボットの体の持ち主はどんな想いでいるのだろう。油断?驚愕?それとも怒り?
一気に距離を詰め、警棒で殴り掛かろうとするとロボットは水路に飛び込み水しぶきを上げて姿を消した。
水路の底を魚影の様に這うロボットを見送って、メトーデは再度通信機に語りかけた。警棒はブラフだ。発信機はこちらに背を向けたロボットの長い尾に付けられている。最初の返信はマハトからだった。
「───こちらもメトーデさんと同じように違う型のロボットに会敵しました。私の方は錫杖を模したロッドを操っていましたが…。ゲナウさんから通信は?」
「ありません…。犯人はグループだったのでしょうか?彼が心配です、合流しましょう。」
メトーデの胸を病ます想いがあった。
───これ程の鍛錬を積んで…なぜ辻斬りのような真似を?
まだ見ぬ容疑者に対する哀憐と口惜しさが、早く、早くと脚を動かした。会って、話したい。話さなければ。質問は決まっている。
───どうして、ゲナウさんの親友を手にかけたのですか?
と。 - 39二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 18:44:33
面白かったです!
- 40二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 21:39:35
それはそうと、原作の新キャラのフラーゼはかなり強そう
人となりがちょっとまだ分からなけれど・・・
あと今回のカノーネさんは苦労人な感じでなんかかわいいと思った(笑) - 41二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 00:36:22
面白かったです!続きが気になります!ゲナウは無事なのか、ドキドキ…
- 42二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 09:46:00
メトーデさん、かっこいいですね!
- 43二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 18:53:50
ゲナウは放棄され、壁の崩れかけた工場地帯を流れる水路沿いを取り留めのない思考と共に歩いていた。
薬の売人を疑われていた男に職務質問をしていたあの日、アイツは「ソレは娘の遺灰入れだ!それだけは開かないでくれ!」と言い張るペンダントを開こうとしていた私を静止して、ペンダントをそっと男に返した。
アイツは男の話を真摯に受け止め、結局薬など何処からも出てこなかった。売人は別にいて、ちゃんと逮捕に至ることができた。
アイツは、人を信じれるやつだった。「な!信じて良かっただろ!」アイツの満面の笑みに反比例して苦虫を噛み潰したような顔をする私の残業を代わりに引き受け、虫酸が走るほどのお人よし加減で「また明日な!」と手を振った。アイツは取り調べの後帰りの足がないという男を送ると言っていた。そして、そのまま…私たちに明日は、無かった。
接触不良を繰り返す街灯の明滅する光が、ゲナウの胸の内の傷に似た凹凸をさらけ出している。
───バカバカしい。傷と思う事もおこがましい。人は死ぬ時は死ぬんだ。ただ、アイツの番が来たと言うだけで。
コンクリートで塗り固められた土手に、汚染された水がしたたる音。それに紛れて、微かに金属と石の擦れ合う音。 - 44二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 18:54:30
「配管にいることは解っている。出てきたらどうだ?」
鳥肌が立つような、耳障りの悪い金属音を立て、ソレは現れた。
大蛇のような胴体、蠍の腕を思わせる生え方をした四刀流を構える触腕。容疑者の操る殺人兵器だ。それは機械の体で目線など無いというのに、確実に目があったかのような威圧感を与えた。
ゲナウは初めの1太刀を警棒で受け流し、即座にヒットアンドアウェイで距離を取る。受け流せなければ2手目にも、3手目にも追撃が来ると言う対人戦にはありえない不気味な殺意の応酬。
───彼の体は、絶え間ない殺意の雨に打たれてずたボロだった。
馬鹿みたいに明るく、善良な彼にまるで不釣り合いな最後だった。厭世的な自分と、世間をとりなし続けようとしてくれていた笑顔も、引き裂かれ見る影もなかった。アレを、こいつが。こいつがやったというのか。
何度も受け止め続けた重い剣戟の1つを警棒で受けた隙に、触腕のうちの1本を銃で打ち落とした。相手は怯んだのか、
初めてゲナウから距離をとった。
強敵に一矢報いたというのに己の心はまるで晴れない。ゲナウの腸を炭の様に焦がすものが居座っている。皮肉屋の自分に相応しい、どす黒い怒りだ。
「聞こえているかはわからないが、馬鹿なヤツだよな?あんな奴殺して何になる。貴様の様な臆病者の相手は私の方がずっと相応しい。」
おぞましい触腕は猛攻を増やし、ヒット、アンドウェイでさばききれなくなってきた頃、左肩を裂かれた。
「っく!」
手負いの獣は凶暴さを増していた。怯むな。怯む価値も無い。畜生は怯んだりしないだろう?薄汚れたこの場所には獣か、それ以下の存在しかいないのだから。腕は、あと3本ある。防御を捨てて間合いを詰めようとした時、2つの声が私を静止した。
「「ゲナウさん!」」 - 45二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 20:27:00
- 46二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 01:17:08
- 47二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 01:44:02
- 48二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 10:53:47
- 49二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 20:54:51
保守
- 50二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 23:46:40
ほ
- 51二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 00:15:17
マハトは合流したメトーデと共に水路沿いを駆けていた。水が淀みだし、建物の雰囲気が荒み始めた時、重い金属同士を打ち合う音が2人の耳に届いていた。
「「ゲナウさん!」」
図らずとも重なった声に、彼は振り返らなかった。
あたりは薄暗いものの、ゲナウが左肩を負傷していることは見て取れる。彼はデンケンに深手を負わせた異形のロボットを相手に善戦していた。
大したものだ。残る触腕は3本。
「メトーデさん、ゲナウさん、1人1本受け持ちましょう。」
「ええ!」
ゲナウは相変わらず振り返らない。
増えた獲物に的を絞りかねている触腕の隙を付き、マハトは防刃手袋を装備した手で触腕の振るう刀のうち1本を白刃取り、横から圧をかけへし折った。
折り取った刀をそのまま触腕の関節部にねじ込むと火花が散った。あと、2本。
マハトを狙うことを諦めた凶刃はメトーデに向かった。彼女は刀を警棒で受け流し、続く連撃に距離をとる。
「二刀流ですらこれ程とは…。」 - 52二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 01:01:54
ゲナウは何を思ったのか、無造作に刀の前に躍り出た。
案の定振りかぶられた刀に左腕を斬らせ、触腕の根元に潜り込み、二発の弾丸を撃ち込む。メトーデの悲鳴があがった。
「ゲナウさん!無茶はよしてください!」
「無茶なものか。ほら、あと一本だ…!」
ゲナウの目に宿るものをマハトはある種の犯人達との対話で見慣れていた。
「メトーデさん、ゲナウさんを頼みます。あとは私が。」
「下がれ、こいつは私の獲物だ!!」
「ゲナウさん…。」
メトーデは悲痛な顔で負傷したゲナウを押さえ込んだ。マハトにゲナウの痛みは推し量ることは出来ない。ただ、言えることは。
「死に急ぐべきでは無い。確実に犯人を捕まえて法廷に立たせてやりましょう。それこそが手向けだ。」
マハトは。
最後の1太刀を掻い潜って刀をへし折り、攻撃手段を奪われて撤退を選んだ蛇のどうたいを踏みつけ、何発か弾丸を打ち込んだ。断末魔のような火花をたてた機械のカメラに向かって冷徹に言い放つ。
「お前はもう逃げられない。報いを受ける時が来たんだ。」
最後に1発撃ち込むと、ソレはとうとう動かなくなった。 - 53二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 01:10:51
(新しい部分)(5)
(これもちょっと思いついてしまいました)
(そのさらにあとの話)
「どうぞこれをお受け取りください! あの方じきじきの招待状ですよ。滅多にもらえないんです!」
満面の笑顔で封筒を渡してくる相手を、グリュックは、無表情に見返した。
「そうか、それはどうもありがとう。招待される相手は、わたしひとりなのかね?」
その男は、わざとらしく周りを見回し、ひそひそと言った。
「いえいえ、とんでもない! 同行者は2名まで大丈夫ですよ。なんなら、あのオーガを連れてきてもいいし、あのグールの美人さんを連れてきてもまったく問題ないそうです。ではでは」
グリュックはぽかんとして去っていく男を見守った。
「グールの美人さんって・・・まさか、ソリテールのことか?」
「・・・最初はマハトがオーガ扱いで、今度はわたしがグール扱い!?」
ソリテールは、くすくすと笑った。
「わたしが解剖医だからかしら。面白い発想だこと ー そう思わない、マハト?」
- 54二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 01:53:58
マハトは救急車を呼んだ。ゲナウの出血が酷い。
メトーデがゲナウの止血をしている。
「ゲナウさん、私とマハトさんが撃退したロボットには発信機が取り付けられています。犯人のアジトも突き止めました。」
「…私の手で…捕まえて…やりたかったな…。」
ゲナウの瞳に宿っていた炭のような怒りは凪いでいて、変わりに諦めを滲ませていた。そのような彼に、マハトは言葉をかけた。
「私たちで捕まえるのですから、ゲナウさんが捕まえたも同然ですよ。貴方の親友に比べれば、私達は信用しきれなくても仕方ないのかも知れませんが。」
「アイツはいつも勝手に私の意見を超えて来るんだ。ただそれだけの事で、私はアイツの事だって信用などしていなかったよ。」
「会ったこともない故人を語るほど私は傲慢ではありませんので経験則から言わせて頂くと、共に居たいという想いの積み重ねは時に信用に勝ります。重ね合ってきた時間だけは絶対の真実だ。あなたは何に報いようとしているのです?」
「君の言葉は押し付けがましくなくて良いな…、彼の友情に、報いてやりたかった。アイツの振る舞いの1割でも真似てやれたなら、こんな後悔も、やるせなさも、感じなくて済んだのだろうか。…はは!笑えるな?結局私は私の為に彼を復讐の言い訳にしている!!」
「何もおかしくなどない。復讐というのはそういうものです。良い友を持ちましたね。」
「あァ。……………そうだよ。」
メトーデの膝に頭を乗せたまま、ゲナウは負傷していない方の腕を目の上に乗せていた。
───やがて担架に担ぎあげられた彼は救急車に乗せられて、サイレンとともに去っていった。
「メトーデさん、発信機の位置は?」
「既に逆探知済です。行きましょう。」
2人はゲナウの言葉を憶い返しながら、地を踏み締めていた。気持ちが逸っていた。
「必ず捕まえてくれ。俺の手柄も同然というのだから、アイツの手柄でもあるんだと思ってもいいよな?」
皮肉屋のゲナウがマハトの言葉を拾って、ようやく『何か』を赦そうとしていたのだから。 - 55二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 09:41:11
- 56二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 13:54:01
- 57二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 01:00:16
保守
- 58二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 11:51:09
- 59二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 12:05:18
発信機の座標は意外な場所だった。
放棄された工場地帯を抜けて、水路は海へ海へと向かい、
コンテナが積まれた湾に辿り着いた。
2人は造船所の高い屋根を抜け、建物の内側に設けられたもう一の部屋を目指した。
頑丈そうなコンテナを連結して作られた部屋には暗幕がかかっており中の様子は伺えない。
マハトとメトーデはアイコンタクトの後10を構え、
ドアをノックした。
「警察です。少しお話を伺えませんか?」
はーい、と明るい返事の後で、ドアを開けたのは、
なんと高校生ほどの少女だった。
「警察の方が一体どうしたんですか?」 - 60二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 12:27:24
メトーデが目を見開き、銃を下ろした。
「君…どうしてこんな所にいるの?」
「どうして、って…ここは親の会社の設備でアタシはここでソナーやら船やらの勉強をしているだけだよ。おかしな事?」
「そうなのね、ううん、おかしくなんかないわ。ちょっとこの辺で物騒な事件があったから今捜査中なの。いきなり警官が来てびっくりさせてごめんなさいね。中でお話を聞いてもいいかしら…?」
「もちろん。でも、中散らかってるからちょっとだけ待っててね?」
メトーデが笑顔でドアを閉めようとする少女を見送ろうとした時、マハトがドアに靴をねじ込んだ。
「お嬢さん、警官に嘘は良くないな。この造船所はもう3年も前に閉鎖されているしかつての社長に娘などいなかった…君は、何者だ?」
少女は笑顔のまま、目にも止まらぬ早さで鈍色に光るものをマハトに突き立てた。 - 61二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 12:45:34
- 62二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 20:16:04
- 63二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 22:39:18
- 64二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 08:53:57
保守
- 65二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 11:09:14
メトーデもマハトもかっこいい!
- 66二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 19:26:05
保守
- 67二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 01:29:51
このスレが好きです!
保守! - 68二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 09:24:14
- 69二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 10:23:06
- 70二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 17:18:11
伝説のフリーレンの像が、ティンカーベルみたいな妖精になっていたりして
(指輪物語が耳の尖った長命種のエルフをポピュラーにするまでは、欧米のエルフはむしろ妖精と同一視されることが多かったらしい。北欧神話とかの世界だと、半神のこともあったらしけど)
- 71二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 00:29:47
保守
- 72二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 00:56:06
徐々に暗くなる屋内に、2人は防弾着のライトを点灯させた。足元から霧ともモヤともつかない蒸気が沸いている。
「これは…私がロボットに遭遇した時も、この様な不自然な濃霧が沸いていました。」
「港とはいえ不自然だ。何か仕掛けがありそうですね。」
2人は銃を構えたまま、暗い迷宮の様に張り巡らされた暗幕の隙間を捜索する。濃霧は視界を白く濁らせる程だった。
パタパタ と、微かな足音がある。
マハトの1歩前を、少女の影がよぎった。2人の視線が動くものに集中した。マハトの足払いは空気を蹴っただけだった。
「なぜ?確かに蹴り抜いたはずだ。」
「マハトさん、これはまさか…」
ゴドッ
メトーデの言葉は続かなかった。彼女は濁った闇の中で打撃を受け、床に倒れ伏していた。
成程。 - 73二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 01:18:12
「大人の男の足音と、少女の足音。2人いますね?あなた方には連邦警察連続辻斬り事件の容疑がかかっています。ご同行、願えますね?」
目の前を再び、少女の幻がよぎった。
「私に同じ手はききませんよ。」
マハトは幻を避けて、背後に向かって銃を撃った。機械類を破壊する音と共に、幻は消え去った。
「霧をスクリーンとして投影するプロジェクションマッピングだ。被害者が皆水路沿いで襲撃を受けていたのも霧を発生させる為だったのですね。手を下したらそのまま水路から逃げればいい…上手いやり方だ。」
マハトは僅かな足音から少女の本体の位置を割り出し、暗幕の隙間を縫って確保した。
「主犯は何処です?」
少女は悔しげに、しかし嘲笑していた。
「もうとっくにここにはいないよ?残念だったね。」
「君は時間稼ぎをしていたのですね。」
「武の道を冒涜する者に、あの方が捕まえられるわけないよ!」
「武の道とは?」
「武芸の極致は殺しの極致。あの方はその様に悟っておられたよ。どんな武勇も鍛えた技も、殺しの前には無に帰すと!アタシ達はあの方と共にそれを証明してやるんだ。」
「歪な自己矛盾だ。それこそ武芸への冒涜でしょう。」
「キミたちには分からないさ。」
「ふむ、求道とは己の心に求めるものです。殺しという相手ありきのものに求めた瞬間から、あなた方の幸福は相対的なものへ成り下がってしまっている…。」
「幸福?おかしなことを言うね。求道者が幸福なんて贅沢なものを欲してると思ってるの?」
「…。あなたはまだ若い。私は何もあなたより年長だからと奢って言葉を重ねているのではありません。これ以上は、あなたの大切な方から学びとるべきことだ。」
「どういうこと?」
彼女が言葉を重ねようとした時、港には遠くからパトカーのサイレンがきこえだしていた。 - 74二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 01:22:35
- 75二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 09:10:05
- 76二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 10:28:30
この世界だと部下ちゃんも人間なんだから、別に高校生でもいいんじゃないかな(笑)
- 77二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 17:12:21
(新しい部分)(6)
(これもちょっと思いついてしまいました)
「フリーレン様! こんなところにいらしたのですか?」
かけよってくるフェルンとシュタルクをみて、フリーレンは笑った。
「この公園は好きだよ。勇者ヒンメルはかっこいいし、魔法使いハイターは美人さんだ。小人のアイゼンも妖精のフリーレンも可愛らしいし、心がなごむよ。・・・まあ、本当のハイターがみたら、お酒ふいちゃうだろうけどね」
フェルンが笑った。
「わたしを育ててくれた先生がいつもいっていました。『あの映画がアニメ映画の名作なのは認める。それはそうとして・・・よくもまあ、伝説の大勇者ヒンメルの物語を、あそこまで魔改造できたものだ」って」
シュタルクも笑った。
「知っている知ってる。もともとの伝説だと、フリーレンは妖精じゃなくて大魔法使いだし、アイゼンはすげえ強い戦士だし、ハイターはそもそもかわいい女の子じゃないんだよね」
[アニメ映画:勇者ヒンメルの冒険]
勇者ヒンメル、魔法使いハイター、小人のアイゼン、そして妖精のフリーレンが力を合わせて魔王を倒す話である。
ストーリーは、勇者ヒンメルが妖精の女王の要請を受けて魔王退治の旅にでかけるところからはじまる。
ヒンメルはハイターを仲間にし、靴屋の小人だったアイゼンを口説き落として仲間になってもらい、最後に眠い眠いと文句をいっている妖精のフリーレンを青い花のなかから引っ張り出すことに成功する。
そうして一行は勇者の剣を取りに行くが、肝心の勇者の剣そのものに参加を断られる。魔王は世界を滅ぼそうとしているわけではないので、まだ勇者の剣の出番ではないというのだ。
ここで小人のアイゼンと妖精のフリーレンは力をあわせ、ヒンメルがすでにもっていた剣をきたえなおして魔法をかける。
そうして、ヒンメル一行は、魔王を倒すことに成功した。
めでたしめでたし。
- 78二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 17:23:10
- 79二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 22:31:52
ほしゅ
- 80二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 22:44:03
- 81二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 23:18:12
理系イメージあるし、犯罪心理分析官のマハトと旧友だし、なんとなく解剖医ソリテールとも絡ませられそうだから犯罪心理学専攻とか?
- 82二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 08:46:53
- 83二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 09:41:39
- 84二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 09:48:35
こ、この世界のクヴァールさんもきっと強いから・・・(震え声)
- 85二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 10:29:09
- 86二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 20:08:10
クヴァール教授は鑑識課にも科捜研にも親和性が高くて悩ましいな
- 87二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 20:21:38
少女を受け渡し、昏倒したメトーデを救急車に乗せて、マハトは主犯の行方を追う。
近隣の防犯カメラには長髪の男がコンテナルームから出て建物の影に紛れ込む様子が写っていた。
「マハト、こちらも手を尽くしているがあまりいつまでも止めておけるものでは無い。頼むぞ。」
グリュックとの通話を切ったマハトはため息をついた。
ここは欧州第3位の規模を誇るハンブルク港。このまま船に乗り込まれ、海外にでも出られては捜索は困難を極めるだろう。国家権力をもってしても、港をいつまでも封鎖しておけるものでは無い。ここには海外の船もたくさんとまっているのだ。さて、どうしたものか…。
再度、マハトのケータイが鳴った。グリュックが何か言い忘れたのだろうかと特に画面を確認もせず通話する。その声は1か月以上に聞いたもの。
「───お困りの様ですね。」
「なぜこの番号を知っている?」
「これでも売れっ子の占い師ですから。」 - 88二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 21:04:08
「答えになっていないな。何の用だ。」
「私のサロンでの振る舞いと随分様子が違う。そちらの方が素でしょうか?」
「間違い電話ですね。」
「わかった、わかった、切ろうとするな。全く大した男だよ君は。手短に話そう。神技のレヴォルテは派手に暴れすぎた。彼に器材を提供していた財団が損切りを始めたのだ。かの財団は私のパトロンのひとつでもある。」
「レヴォルテと引き換えにグリュック様に根回しして欲しいいんだな?」
「賢い奴は話が早くて助かる。」
「全く薄気味悪い野郎だ。我々の捜査がちょうど行き詰るまでカードを切るのを見計らっていたくせに。占い師よりペテン師の方が向いている。」
「そう言うな、君たちにとってもここが最良のタイミングだったのだよ。君が、やっと1人になって身軽に動ける様になったのだから。さァ、レヴォルテを煮るも焼くも好きにするといい。」
「……………。」 - 89二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 22:50:04
- 90二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 01:44:18
声としゃべり方がクラフトさんだったりしてw