- 1二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 21:47:47
- 2二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 21:48:37
保守1
- 3二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 21:48:47
保守2
- 4二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 21:48:58
保守3
- 5二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 21:49:43
ほしゅ4
- 6二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 21:50:27
ほしゅ5
- 7二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 21:50:38
ほしゅ6
- 8二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 21:50:49
ほしゅ7
- 9二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 21:51:03
ほしゅ8
- 10二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 21:51:14
保守9
- 11二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:07:30
ホセ
- 12二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:13:44
はえーよホセ
- 13二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:16:58
さてさて、夏彦君の殺意高すぎな呪具『荒棘』・・・どこでだしたもんか。
あとは・・・夏彦ゴリラだから弓引く前に殴るんだよなぁ - 14二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:21:15
- 15二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:22:19
やったぜ
- 16二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:23:37
- 17二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:24:22
- 18二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:28:13
イッチがカッコいいの決めてええんやで…(ニヤ
- 19二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:28:24
ワクワク
- 20二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:29:30
名前か
- 21二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:37:01
呪具化してるからには誰かが使い込んだと見る!
そしてあの槍、センゴクって漫画でも出てたんだよね。(実際見た目はそこで知った。
京極家の所蔵の品!さらに、呪術師の女性が使ってた!と妄想して!
呪具『熇尾蛇』でどうでしょうか! - 22二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:51:31
良いやんけ…良い
- 23二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:53:09
- 24二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:56:14
- 25二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:57:07
- 26二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 22:59:35
弭槍の穂先にも反転術式の阻害要素があります。
- 27二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 23:05:46
殺意高くて草
- 28二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 23:06:59
矢は術式と合わせる事でオートで飛ぶぞ(多分
- 29二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 23:07:35
つおい…いや怖い
- 30二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 23:15:51
元々の熇尾蛇は木製でしたが夏彦が使用するに当たり職人の手で金属で補強されております。
そのため結構な強弓になっており、槍としての強度も高いです。
ちなみに木製だと多少頑丈でも夏彦だと引き絞ってへし折ります。 - 31二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 23:23:29
- 32二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 23:37:07
>>31 平安の怪物と並ぶ異能(ゴリラ
今日は熇尾蛇の話を書く日にしますかね。
鍛錬には様々な種類がある。呪術師には仕事道具となる呪具の存在があり、それは術式や持ち手の嗜好なども含まれていて様々だ。また、呪力に不安がある等級の低い呪術師たちが戦力補強の意味合いを兼ねて持つ場合や真希などフィジカルギフテッドの呪術師が呪霊を祓う為に持つ場合など持つ理由も様々。
「だめだな、使い物にならない」
「夏彦、弓は限界まで引き絞るものではないぞ」
夏彦が弓道場で真っ二つになった弓を持って溜息をつくと加茂がそれをみて呆れたように言う。
「加茂先輩」
「アーチェリーで使うような奴ではだめなのか?洋弓でも君が使う分には構わないだろう」
「それもそうなんですがどうも矢の呪具と洋弓はなんかかみ合わせ悪くて」
「京極家に伝わる呪具『荒棘』か・・・矢が呪具というのも不思議なものだが」
「返し矢の呪いを避けるためにご先祖様はこつこつ回収してたみたいで、繰り返して使ううちに呪具になったとか」
呪力のガードを貫通して相手を射抜く鏃部分の呪具『荒棘』は強力で、しかも単体では武器足りえないという鏃という部位が持つ特異な縛りにより相手の魂を知覚し射抜くことができる。
夏彦はこれを傷をつけた矢に取り付けて使うことで赤血躁術で操る矢のように自身の術式でそれを操っている。
しかしながら術式で精密にコントロールするには矢は小さくて籠められる呪力が小さく、速度を上げる段階でガス欠になるのである。したがって撃ちだす弓の存在が欠かせないのだが・・・。
- 33二次元好きの匿名さん24/05/06(月) 23:38:57
ふむふむ
- 34二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:14:53
「肝心の君の膂力に耐えられる弓がないと・・・」
「呪具の線も探そうと思ったんですけどさすがに耐久力に秀でた呪具は少なくて・・・」
呪具は高級品であり、貴重品だ。おいそれと壊していいわけではない。
「弓の呪具・・・か、そう言えばだが・・・加茂家の知り合いに呪具を加工できる職人がいる、京極家とも縁があるからその人に頼んでみてはどうだ?」
「そんな人が?それならちょっと蔵を探してみますよ」
加茂にそう言ってもらい、呪具師の連絡先を得た夏彦は早速京極家所蔵の呪具が眠る蔵の鍵を開いた。
「さてと、弓、弓・・・っと」
蔵の中は呪具が多数所蔵されており、つい最近まで人が使用していた形跡がある。京極家はそれほど優秀な呪術師が多かったわけではないので代わりに呪具を集めることで戦力を補っていたのだろう。
「これが・・・一番良さそうだ」
和弓がほとんどの為、どれもこれもサイズがでかい。二メートルを超えるとさすがに持ち運びに不便なので夏彦は半弓に近い大きさの弓を選んだ。すると・・・
「これ、槍の穂先がついてるのか・・・」
弓の先端、弭と呼ばれる部分に槍の穂先を取り付けることで槍としても扱える武具。これが呪具化しているということはかつて使い手が此処にいたということだろう。
「弓ばかりで戦えるとも思えないし・・・これがいいかな」
荒棘を紛失することも考慮にいれて夏彦はこの弭槍を使うことにした。 - 35二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:17:02
きましたねー
- 36二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:18:19
- 37二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:19:23
- 38二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:19:46
せやなやめとこうか
- 39二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:21:48
- 40二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:23:16
うむ
- 41二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:23:39
それは勿論です!
- 42二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:24:35
まあ夏彦の術式と呪具の相性良いからね、考えるよね
- 43二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:31:06
荒棘は幾ら守りを固めようが穴ボコにして継続ダメージを与えながら殺す呪具なんだよね(書いてて思うが怖い呪具だなこれ…)
- 44二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:33:13
ゆえに今まで出番がなかった・・・
- 45二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:40:27
「これ・・・へえ、なんというか・・・手に馴染む感じ」
軽く引いてみる。その次に穂先を取り付けて槍として振ってみた。しかし・・・
「軋んだ?やば・・・」
ちょっと嫌な音がしたので夏彦は慌てて弭槍を布でくるむと穂先を取り外してこれも同様に布で包んで慎重に運び出した。目的地は加茂から教わった呪具を加工する職人のところである。 - 46二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:42:09
今日はここまでにしときます・・・眠いぞ!
乙してくれる人向けに呪具師の名前募集しときます。明日の昼くらいに集計して安価で決めます。
もしなかったらまた自分で考えます。 - 47二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:44:04
乙〜
阿頼耶崇さん (あらやあがめ) - 48二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:44:55
四季島匠人 シキシマタクミ
- 49二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:51:56
女性でも良いなら…名曳(なびき)
- 50二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 00:55:46
ちなみに女性でもいいですよ!
- 51二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 01:09:59
かしこまり!では五六栞(ふのぼりしおり)
- 52二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 08:24:24
ほ
- 53二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 13:47:26
さて、ではそろそろダイス振ります。
1阿頼耶崇
2四季島匠人
3名曳
4五六栞
四名入場ッッッッ!!!!!
dice1d4=4 (4)
- 54二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 14:06:02
決定、ふのぼりさん!
- 55二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 14:30:18
決定!!
- 56二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 20:23:12
5→6に歩を動かすからふのぼりって言うんやな
- 57二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 20:43:59
ほえ〜サンキュー博識ニキ
- 58二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 21:50:39
再開します!
「ここか、製造目的で呪具を扱う呪術師なんて聞いたことなかったな・・・」
呪具の製法はかなり特殊であり、さらには悍ましいものもある。例えば呪霊が消滅反応で消える前に液化し、それを濾して溶液にしたものに武具を十月十日漬け込むなど・・・である。
もしくは呪力を帯びたものを加工すること、例えば・・・人体や生物などであるがこれらは倫理にも触れるため真っ当な手段では入手はもちろん製造は困難。一発で懲役か秘匿死刑モノである。
「随分と古風な・・・」
夏彦は言葉を濁したがぶっちゃけあばら家である。呪術の世界で生きる夏彦にとっては田舎程度では驚かない自信はあったがそれ以上に人が居るのか?という不安に駆られた。
「ごめんください、どなたかいらっしゃるか?」
戸を叩く。木製の戸は叩くとぐらついたが返事はない。こういった場所には呪霊も湧きやすい。
夏彦は呪力を巡らせて家の中を探知する。
『呪術師か?呪力を垂れ流すな!どこの誰だ?!』
誰かの反応が湧いたと同時に大声が響いた。老人の声の様だ。
「失礼しました、ここの御主人ですか?」
「ああ、そうだ・・・」
「となるとあなたが四季島匠人さんですか?呪具の加工を行っているとお聞きしたのですが」
出てきたのはかなり高齢の老人で、腰はピンと伸びてはいるものの目が白く濁っており視力がほとんどない様だ。
「ああ、そういうことか。それならワシはもう引退した、もう目が見えなくてな。弟子が居たが出ていっちまったからどこにいるやら」
「そうなんですか?!じゃ、じゃあその、阿頼耶さんは?」
「そいつはワシの従姉弟だ、夫婦でやってたがアレも二年前に死んだ。細々と続けてたがワシも目が見えなくなってから弟子に引き継ぐつもりだったが・・・」 - 59二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 21:58:31
こんな田舎じゃ嫌だとよ。と四季島は不貞腐れたようにいった。彼にとっては生家であり奥さんと過ごした家だけに看過できない発言だったのだろう。大喧嘩をして追い出したとのこと。
「そうだったんですか・・・じゃあ後は名曳さんと五六さんか・・・」
「候補はそれだけか?じゃあ馬鹿弟子が最後だな」
「え?」
「名曳はワシの妻だ、見ての通りもう死んだがな」
老人が指さした先には遺影と位牌が立っていた。
「となると五六さんがあなたのお弟子さんで?」
「そうなる、筋は良かったが・・・技術を叩き込むので精一杯だった。心意気ってやつが伝わってりゃよかったが」
少し寂しそうに四季島は零した。技術以外にも伝えたいことがあったのだろうか。しかしそればかりは本人にしかわからないことだ。
「ま、田舎が嫌で出てったってことはモノづくりが嫌ってわけじゃねえんだろう。術式もそれ向きだったしな・・・」
「そうですか・・・」
「東京に行ったはずだが・・・高専は知らねえのか?」
「さあ・・・聞いてませんね」
「ったく、御上はいつも通りってか。だからジジイばかりになるんだ」
煙管を取り出してぷかぷかと吸いだした四季島に夏彦は息を吐いて立ち上がった。
「待ちな、そのまま帰したんじゃワシもメンツってもんが立たねえ、見せてみな」
「目が見えないんじゃ?」
「物が見えなくなっただけだ。呪具なら多少は大丈夫だ」
夏彦が抱えていた袋を解いて弭槍を見せると四季島はくっくっと笑ってそれを受け取った。
「随分と面白ぇものを・・・」
「珍しいとは思いますがね」
「弭槍なんぞ今日日使う奴がいるとはな、しかもかなり上等なもんだ」 - 60二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 22:11:59
始まっておった
- 61二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 22:12:57
名前が全部使われている……嬉しい
- 62二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 22:25:49
指に呪力を帯びさせて弓の部分に指を滑らせていく。
「随分と使い込んだはいいが修理はされてねえな。ま、まともな呪具師じゃ現状維持が精一杯だろうが」
「傷んでます?振ったら軋んだんですが」
四季島は夏彦をちらっと見た瞬間に煙管で夏彦の頭をひっぱたいた。
「いっ!」
「馬鹿野郎、お前さんみたいなやつが力任せに扱ったら壊れるだろうが!素人が!」
喧嘩煙管でひっぱたかれた夏彦が飛び上がるのを無視して四季島は弓の鳥打と末弭と本弭の部分を見る。
「新し目の亀裂が入ってると思えばやっぱりか・・・槍である前に弓だぞ、丁重に扱え!」
「いてて・・・すいません」
「呪具はそこらの使い捨ての道具とは話が違う、壊れりゃ最悪死ぬものもあるんだ。生き物を扱うようにするんだ」
特に呪術師が使い込んで呪具になった奴は丁重に扱うんだ。と続けて四季島は術式で亀裂を塞いでいく。
「しかし基の部分が古くなって傷んでる。こればっかりは年食って老いたようなもんだから交換するしかねえが・・・」
「なにか問題が?」
「呪具化してる部分を取っ変えると呪具として成立しなくなるんだ。テセウスの船って奴で言えばダメな方だ」
「ああ・・・」
夏彦は真希が使っていた大刀を思い出した。あれは刀身が呪具なので柄はかなりぞんざいに扱われていたのを思い出す。
「そう言うのを見抜くには呪力が巡ってる部分を見抜く目が必要になるが・・・こりゃワンセットで呪具だぞ。弦以外触れねえ気難しくて厄介な奴だ」
「穂先も?」
「もちろん」 - 63二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 22:34:29
袋に丁寧に仕舞うと四季島は夏彦に弭槍を返した。
「根本的な改造は弟子にやらせるしかねえが・・・持ち主なら名前を呼んでやりなよ、呪具にはそれも重要だ」
「名前?」
二発目の煙管が夏彦の頭を直撃した。
「名前も知らずに使ってやがったのか!」
「うごごご・・・?!」
「ったく最近の若い奴は!作られた呪具と成った呪具の違いが判らねえだけじゃなくて銘も気にせず使いやがって!」
てめえは見ず知らずの人間に命預けられるのか!と怒鳴られる。
「呪具を道具としてしか見れないならてめえの裸一貫でやり抜けってんだ!」
「うぐぐ・・・」
「『熇尾蛇』という名前だ、使い込んだ呪術師の姿が幻視できるくらいの名品だぞ。相当な美人だな」
巫女装束に身を包んだ美女が弭槍を持って舞う姿が四季島の見えなくなった目に浮かぶ。呪具の歴史や生まれを見抜く目もまた呪具師には必要な能力なのだろうか。御三家に知られる呪具師ともなると引退してもその能力は凄まじい。
「熇尾蛇・・・、ご先祖様の誰かが使ってたのかな」
「かもな・・・ま、呪具に恥じない男になりなよ。京極家のぼっちゃんよ」
夏彦は四季島に頭を下げてその場を後にすることにした。 - 64二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 23:01:38
ちょっとした話のつもりがなんか長くなりそうw
五六さんはどんな人になるでしょうか・・・!
ふのぼりでまったく変換できないのは内緒だ! - 65二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 23:09:15
さーてさてさてどんな人やら
- 66二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 23:09:35
同じく
- 67二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 23:15:34
今確定している情報!
1、女性!
2,田舎は嫌!
3、術式は呪具などの修理・改造に適したもの。
4、主は気と肉体の強い女性が好き。 - 68二次元好きの匿名さん24/05/07(火) 23:27:20
サンクス
- 69二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 00:07:38
四季島の家を出て再び東京に向かった夏彦。そこから人探しに話は変わり、やや進展は鈍った。
「マジで高専とかに連絡ないんだな・・・」
高専や呪術関係の組織に情報提供を呼び掛けたが誰も彼もが四季島や彼の親族(既に他界済)の情報しか持ってないことがわかり空振りに終わった。高専に忌庫という呪具の倉庫はあるもののそれらの手入れは一般の武具と同じ手入れで済まされている現状だ。
「東京と言われてもな」
四季島の話では田舎が嫌で東京に行ってしまったとのこと。五六という珍しい苗字なのですぐ見つかるかと思って探してみたものの目新しい情報は見つからなかった。
諦めてかけて東京観光などと洒落こんでいるそんなときである。
「兄さん、呪術師だね」
ふと、人気のない道を歩いていると声を掛けられた。
「どちら様かな」
「否定しないんだね」
振り返るとヘアターバンで長い金髪の髪をまとめた強気そうな女性が立っている。褐色の肌と引きしまった体が眩しい。
「師匠から話は聞いてるよ、珍しく手紙なんて送ってきたから・・・」
はがきをひらひらとさせて女性は勝気な笑みを浮かべる。
「住所知ってたのか・・・あの人は・・・」
「クソジジイだからね」
女性、おそらく五六はからからと笑うとはがきをポケットに押し込んだ。 - 70二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 00:08:31
これは分かる…エッッッ!!な女性だと…
- 71二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 00:10:02
- 72二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 00:16:33
今日はここまでにしときます。
明日は五六栞ちゃんの話に突入だ! - 73二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 00:56:27
知ってます良いっすね〜乙
- 74二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 08:50:58
ほ
- 75二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 11:28:19
ほ
- 76二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 17:35:37
保守
- 77二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:09:35
再開します!
「クソジジイね・・・」
「男女構わず怒るときはあの棍棒みたいな煙管で叩くんだよ?クソジジイじゃん、しかもあそこ田舎だし!」
田舎ってか限界集落!と五六は吠える。
「ま、それはいいや。仕事の依頼で来たんでしょ?」
「ああ、これを僕でも使えるようにして欲しい」
袋に仕舞った熇尾蛇を示すと五六はふーむと考える。
「ちょっと高いけど大丈夫?」
「どれくらいかによる」
「200でどう?」
「200万か、現物で?」
「え、ちょ、まって」
とりあえず前金・・・と言いつつ懐から分厚い封筒を取り出したので五六は露骨に焦りだした。
「ちょ、まって・・・マジで出すの?」
「え?200でしょ?」
「言ったけどさ・・・」
ちょっとまって、と夏彦を待たせて五六は何処かへ電話を掛け始めた。
すると少ししてバイクに跨って今度は銀髪の女性が。どちらも大変発育がよろしい。 - 78二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:09:48
「どもども、呼ばれてきましたぁ・・・げえっ!?」
ライダースーツ越しでもわかる大ボリューム。褐色肌の金色と銀色が揃ってなんともゴージャス。
しかしながら銀髪の女性はなにやら夏彦を見るなりぎょっとした様子で五六を引きずってこそこそと話し始めた。
『ちょっと、京極家の跡取りじゃん!ペコちゃんどうするの!?』
『だから呼んだんじゃんか、吹っ掛けたら即金で払おうとするし困ってるんだよぉ』
『吹っ掛けるなよぅ・・・大御所だぞぉ・・・目をつけられたらおしまいだぞぅ・・・』
べしょべしょと泣き出した銀髪の女性。二人とも歳の頃は夏彦と大差ないはずだが・・・なんとも幼く見える。
京極家は実際のところ表では御三家クラスの権力のある家である。吹っ掛けたらダメなタイプではあるのだが。
「ぺこ・・・歩だからか」
夏彦は二人がこそこそと話しているのをぼんやり見つつ五六のあだ名の由来を考えていた。 - 79二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:21:20
「あのぉ・・・そのぉ・・・」
「ん?」
「ひぃっ・・・〆ないでくださぃぃ・・・!」
「人のことをなんだと思ってるの・・・」
銀髪の女性は夏彦の素性に詳しいらしい。完全に委縮してしまっている。
「えっと、とりあえず自己紹介・・・しとく?」
「京極家の26代目当主京極夏彦さんですよね?準一級術師なのに一級から特級呪霊狩りまくってるとか言われてる・・・」
「あくまで噂だよ、それは・・・残穢が濃かったから後付けで特級呪霊とかにされたりしただけだし」
「単独で都市なら攻略できるとか・・・」
「無理無理、特級術師ににらまれたらどうにもならない」
「睨まれなかったらできるの?!」
「そういうわけじゃ・・・」
頭を掻いてどうしたものかと悩んでいたが・・・。埒が明かないので近場のファミレスに移動することにした。 - 80二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:22:03
突然ですが銀髪の女性の名前募集してもよかですか!?
- 81二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:24:01
大丈夫です
- 82二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:26:42
うす
- 83二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:27:10
では募集に際して簡単なプロフ書きます
身長160後半~ (五六より高い
顔立ちはお姉さん系で黙っていると強気なイメージだが実際はかなり弱虫で泣き虫。
趣味はバイクで年齢は18歳
術式は裏梅と同じ氷結系の術式です! - 84二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:27:54
キリ良く85から始めたいと思います
- 85二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:31:38
応神櫻子(おうじんさくらこ)
- 86二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:32:38
寝屋響 ネヤヒビキ
- 87二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:33:56
氏神咲
- 88二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:35:10
四月一日栗花落(わたぬきつゆり)
- 89二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:35:37
あと一人募集!
- 90二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:36:06
小比類巻コヒルイマキ
- 91二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:36:36
締めきります!
- 92二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:37:33
なんかすごい名前混じってんなぁ・・・
さぁ可愛いのこい!
dice1d5=2 (2)
- 93二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:38:33
決定!
寝屋 響ちゃん!
なんか見た目の今風な感じと違って古風な名前が多いなぁ・・・ - 94二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:38:44
四月一日栗花落さんじゃなくてセーフ!役所関係辛そうな名前
- 95二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:39:02
呪術だからかな?
- 96二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:39:10
役所の前に本編で書くのが大変だよ!
- 97二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:39:48
正論笑う
- 98二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 22:40:01
草
- 99二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 23:03:55
正直七文字はヤバいって!一発変換できるからマシだけども!
「さてと、それじゃあ改めて自己紹介どうぞ」
「はいぃ・・・私、寝屋 響っていいます」
「五六 栞、ところでこれそっちの奢りでいい?」
「好きにしてくれ」
萎縮していた銀髪の女性こと寝屋とは対照的に五六はどうにもあっけらかんとしている。
それどころか奢りと聞いてさっそくなにやらメニューを睨んでいる。
「パフェ食べようかな」
「ペコちゃん・・・」
「いいよ、それくらい・・・ところで二人はどういう関係?」
五六は人生を謳歌するタイプのようだ。呪具師としての腕前が確かなら食いはぐれもないだろう。
実際のところ腕前はまだ未知数だが。
「えっと、私が呪具制作に必要な溶液を作る製法を知ってて・・・」
「私が呪具の素材になる武具の制作をする係なの、要は製造と仕上げの組み合わせってわけ」
「なるほど、しかし溶液って?」
夏彦が尋ねると五六は少しだけ周囲を見渡してから言った。
「呪霊だよ、呪霊を氷漬けにして核に当たる部分を切り出したらそれを磨り潰して液体に、それを濾して作ったものが呪具を作るための材料になる」
「割と、口外できないタイプの製法だな。聞いといてアレだけど大丈夫?」
「だまっててくれなきゃ次からは自分で修理する羽目になるかな」
五六はそう言いつつパフェを突いた。 - 100二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 23:14:30
ちょっと早いですが今日はここまでにしときます。また明日!
- 101二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 23:15:40
乙ー
- 102二次元好きの匿名さん24/05/08(水) 23:25:01
乙
- 103二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 07:12:01
ほ
- 104二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 12:59:08
ほ
- 105二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 21:15:35
保守
- 106二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 22:46:18
再開します!
「わかった、呪具を量産できる人材は貴重だし・・・それを改造したり修理できる人間となればさらにだ」
「というと?」
「高専の物わかりのいい人と僕で君たちの仕事を見てあげるよ」
「マジ?いいの?」
「呪霊の溶液なんてヤバい物作れる人ほっとけないって」
秘匿死刑の対象になりかねないし。と夏彦が言うと五六はまあそうだね、と軽く返した。
「そんじゃ、もろもろの保護込みなら適性価格でやったげるよ」
「よろしく」
パフェを食べきったのを見届けて三人は五六の仕事場へ。 - 107二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 23:08:31
ヤバそうな代物ではあるがそこまでいくか…
- 108二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 23:11:32
二人の仕事場は古くなった家とその隣の打ち捨てられた工事現場。
「こんな手つかずの場所があるもんなんだな」
「人身事故で工期が遅れて、その間に施工主が倒産してっていう厄ネタが積もり積もって放置された場所をなけなしの貯金を切り崩して買ったの」
「切り崩したのはほとんど私だけどね・・・」
五六の発言に寝屋が恨めしそうに告げる。家の方は二人暮らしならそれなりといった様子。
寝屋の趣味らしいバイクが二台ほど停まっているところを見ると彼女はそれなりに稼いでいるようだ。
「自己紹介といいつつこっちの事がほとんどだったけど・・・そっちは?」
「私は呪術師としては良くて三級くらいよ。寝屋が準一級だったけど仕事何回か拒否ったせいで私と同じ三級術師」
「出動拒否したのか・・・」
「だって怖いし・・・それに集団行動とか向いてないし・・・」
視線を感じると力出ないし・・・とへにゃへにゃしだした。まあこのメンタルでは準一級の任務には出られないだろう。強そうな人と組む度に萎縮するのはとにかく使いづらいだろうし。
「見た感じ呪力も悪くなさそうなのに・・・」
「寝屋の術式と呪力量なら私なら一級目指せるわ」
夏彦と五六の指摘を受けて寝屋はさらに小さくなっていく。 - 109二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 23:16:32
- 110二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 23:17:17
なーるほど
- 111二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 23:27:32
「・・・うぅ・・・どうせ私は・・・」
「ああもう、スイッチ入るまでほっとこう」
「スイッチ?」
「あれは追い込まないと実力でないから。さっきも言ったけどメンタルさえまともなら一級目指せる実力なの」
むしろへにゃへにゃでも準一級ってことよ。と五六は吐き捨てるように言った。
「彼女の術式は?」
「氷、触れたものを瞬時にカチコチにしちゃう。しかも氷がめちゃくちゃ脆いから呪力でガードするのが遅れたら触れるだけで粉々になる」
呪力でガードできること、触れる事という縛りを課すことで出力を上げる。その縛りで寝屋が触れたもの、また寝屋に触れたものは呪力の押し合いに負けた瞬間瞬時に氷漬けになるとのこと。
「こ、氷というより・・・温度なの」
「温度?」
「冷気を操るのぉ・・・呪力の特性と合わさって・・・ね」
彼女は術式と呪力特性が両方とも冷気を操るという珍しい体質らしい。先ほどの縛りが呪力の特性に後押しされてさらに強力になるのだろう。
「相手の呪力量が多すぎると凍らせるのは難しくなるけど・・・冷気は体の動きを鈍らせるから長期戦なら有利かな」
ちょっとしゃっきりしてきた。 - 112二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 23:40:34
「なるほどな、氷漬けにするというより相手を瞬間冷凍するってことか」
氷結の術式だと相手を呪力で出来た冷気とその氷で包んでしまうが寝屋の場合は冷気そのものを操るので下手をすると氷漬けより質の悪い凍り方をするのだろう。脆くなるのは凝固点の違う物体の塊である人間や呪霊の体を即座に冷凍するからだ。
「そ、で術式で粉々にした呪霊の破片を集めて磨り潰して濾し器にかけて溶液を作るの」
「呪具を作るにはその溶液に十月十日漬け込むんだったな」
「保護してもらえる前提で言うなら私はそれをさらに早くできる」
二個目の爆弾投下である。夏彦は頭を掻いた。
「なんだって?」
「呪具製作で必要なのは呪いの籠ったものを素材にするか、それとも私達がやってるように呪いの籠った溶液に漬け込むかだけど、私の術式で呪具の一部を取り出し、それを細分化して武具に混ぜ込めば呪物の量によって時間を短縮できるの」
イメージとしては呪具の接ぎ木かしらね。と五六は告げる。 - 113二次元好きの匿名さん24/05/09(木) 23:51:44
ふむふむ
- 114二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 00:20:42
「私の術式は呪力の籠った物質を操ること、呪物なんかをスライスして他の物質に混ぜ込むことができる」
ついてきて、と言われるままについていくとプレハブ小屋が建っている。中に入るとそこからさらに地下へ続く階段があった。
「こっち来て、地下一階だけだけどここに私達の工房がある」
「へえ、結構広いな」
「元は施設の駐車場にするつもりだったみたいよ」
お陰で広いスペースが確保されてる。と五六は言う。周囲は打ちっぱなしのコンクリートで固められており頑丈そうだ。
「ここ、今作ってる呪具で出来そうなのがそろそろ・・・」
10台は入りそうなスペースの真ん中に黒い液体が満たされている。幅一メートルほどで区切られたその黒いプールは無風なので水面は凪いでいるはずなのにまるでうごめいているかのようで悍ましい感じさえする。
「ここに・・・よっと」
やっとこで溶液の中を探るようにして何かを掴むと五六が溶液から日本刀の刀身を引き上げた。
それを上下に振ると液体はまるで水銀などのように一滴も残ることなく下に落ち、白刃を露わにする。
「ほい、調べてみて」
手袋をはめて刀身を受け取り調べる。たしかに刀身には呪力が宿っており、呪具化しているのが見て取れた。
「呪具化してるな」
「それ、浸して半年も経ってないよ」
「・・・マジ?」
「大マジ」
そして五六は刀身の一部がまるで切り貼りしたように刃紋が変わっているところを示した。 - 115二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 00:43:52
今日はここまでにしときます!また明日!
- 116二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 00:54:58
乙ー
- 117二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 08:03:30
ほ
- 118二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 15:31:29
保守
- 119二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 19:23:12
ほ
- 120二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 22:36:40
再開します!
「刃紋が一部違うような・・・」
「気付いた?それが私の術式よ」
五六はプールから少し離れたところにある作業机に向かうと電灯のスイッチを入れた。
机の上には戦闘で破損したであろう刀の刀身がまるでパズルのように切り分けられている。
「このバラバラになった刃があるじゃん?」
「うん」
「そしてここに新しい刀身がある」
傘のように籠に入っている日本刀の刀身の一本を手に取ると作業台の上に置く。そこに先ほどの破損した呪具の一部を刀身の中ほどに置くと呪力を手に漲らせ、刃とかけらをくっつけるように置く。
「異なる物質でも、私が操る呪力の中では皆等しく粘土みたいなもの・・・重ねてこねて、混ぜ合わせれば」
言葉の通りまるで刀身が粘土のように、金属とは思えないしなり方をするとそのままかけらと混ざり合って一振りの刀身となった。
「これが私の術式、異なる無機物を混ぜ合わせる術式。呪力を帯びてないと難しいけどくっつけるだけならできるよ」
「でもこれじゃあ刀身はほとんど普通の奴のままじゃ?」
「そうだね、だからこのままじゃかけらに宿った呪力はそのまま霧散して呪具としては死ぬ。それを防ぐために溶液に漬け込む必要があるってわけ」 - 121二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 22:38:40
始まり
- 122二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 23:26:31
破損すると呪具は呪力が漏れ出してただの壊れた武具になってしまう。それを食い止める意味もあるのか欠片が置いてある場所には封印らしき札の貼られたそこの浅い箱に入っている。
「呪具の欠片をつかって普通の武具を呪具に変えるメリットってなんだと思う?」
不意に質問が飛んできた。夏彦は首を傾げつつ
「呪具が早く出来上がるから?」
「それはそうだけど、もう一つあるんだよね」
刀身を溶液に漬け込み、ラベルを区切られた場所に貼り付けながら五六はちっちっちっと指を振った。
「呪具に宿った術式を受け継ぐことができるんだよ」
「!・・・そんなことができるのか」
「伊達に呪具師として修業積んだわけじゃないよ。ま、才能もあるけどね!」
えっへん!と豊かな胸を張って自慢げな五六。しかしながらその自信にそぐわない実力と言えるだろう。
「しかしそうなると廃材が新しい刀になって帰ってくるわけか」
呪具の手入れでも刀剣の類は手入れに限界がある。研ぎにだせる回数も決まっているからだ。
七海の鈍刀のように刃をもとから考慮に入れていないものもあるが大抵は刀剣類は刃をもって相手を切り裂くことを目的としている。切れなければ意味がない。
「カラクリっていうか、仕組みのある呪具とは相性悪いけどね」
五六はそう言うと残った欠片を一つずつ刀身に重ねてくっつけると同じ場所に刀身を漬け込んだ。 - 123二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 23:29:55
へーこれって原作でもあったんか
- 124二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 23:30:46
- 125二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 23:39:51
だったっけ?
- 126二次元好きの匿名さん24/05/10(金) 23:43:47
- 127二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 00:09:19
なるほど…記憶から消えていたようだ
- 128二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 00:40:42
「さて、これは一般的な・・・まあ、呪具の制作とか修理自体が本来一般とは言い難いんだけど」
次はそれの発展系だ、と五六は言う。
「呪具の欠片を武具に埋め込んで溶液に浸せば即席呪具の出来上がり、それはいい。でもそれだと同じものが増えるだけだ」
これはつまんないよね。と五六は続ける。門外漢の夏彦からすれば同じ呪具を新品で量産できるという事実だけで凄いんじゃないかと思っていたが職人である彼女はまだまだなにかしらを求めているようだ。
「壊れやすい呪具はいくら新品を作ったところで壊れやすいのは問題だと思うんだよ、折れたり曲がったり、砕けたりするのは困る。かといって新品や新しい技術の呪具って呪具としては弱いんだよね」
たとえばこのタングステンのナイフ。と彼女は刃渡りが20センチほどのナイフというよりは鉈か短刀を思わせる刃物を見せる。
「これも私と寝屋で使い込んでちょっとした呪具になってるんだけど・・・これだとせいぜい呪霊を倒した際に消失反応を起こせる程度で他の呪具と比べると弱い」
これだと呪術師レベルの呪力を持ってる人が使わないと意味がないレベルで弱い。と五六はつまらなそうな顔で言う。
「古刀とかだと馴染みやすいんだ、呪力や術式がね。信仰とかそういったものも影響するのかも・・・けど逆に新しい物はそれが弱い」
だからこそ呪具にはいまだに刀剣や古い道具ばかりなんだ。と彼女はつづけた。 - 129二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 00:44:51
今日はここまでにしときます!また明日!
- 130二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 00:54:25
乙〜
- 131二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 08:32:48
ほ
- 132二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 12:55:03
ほ
- 133二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 19:59:38
保
- 134二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 22:46:14
再開します!
「ただそこに最近の研究で分かったことがある」
「わかったこと?」
「弱い呪具も掛け合わせると強くなる。本体とバッテリーの役割に分ければいいんだって」
「本体とバッテリー?」
キョトンとする夏彦に五六は笑顔を浮かべる。
「新しい呪具に溶液に浸して呪具化させた素材を組み込めば古物と遜色ない呪具ができるのさ」
再びやっとこを手に溶液のプールへ向かうと金属の板らしきものを取り出して持ってきた。どうやらナイフ形に加工された金属板のようだが・・・
「発明は発想!これが新時代の呪具だ」
ナイフに金属の板を張り合わせて呪力を籠める。そしてそれをぐにゅーっと張り合わせてくっつけるとナイフが鉈を思わせる厚みを持った刃物へと変化した。さらに特筆すべきは
「呪力を帯びた?」
「目に見えるくらいにね」
呪力の強化である。これなら呪術師でなくとも呪霊に立ち向かえるくらいの呪具になったのではないだろうか。 - 135二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 23:04:28
始まってたぜ
- 136二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 23:11:09
「タングステンの下地に呪力のこもった鋼を混ぜ込むことで呪力の蓄積と頑強さを両立させた」
「おー・・・ということはこの呪具にも?」
夏彦は本題に入るために自身の熇尾蛇を取り出して彼女に手渡した。
「・・・これを加工しちゃうの?」
「今のままだと倉庫にしまい込んどくしかないんだ。少なくとも僕の力には耐えられないから」
勿体ないと言いたげな五六に夏彦は現状の熇尾蛇の状態を告げる。
「そりゃあ、さっきと同じことをこの子にもすればいいだけだけどさ・・・」
弓の部分をなぞり、弦の部分を軽く弾いて音を聞く。するとむすーっとした表情で夏彦を見る。
「ずっと倉庫に放り込んでたでしょ?」
「うん」
「うんじゃないが!弦も弓の部分も全部劣化してる!呪具として死んでないのが不思議なくらい!よっぽどいい呪具なんだよ?」
「それはそうだろうけど・・・事情があってさ」
「なによ!管理してる人が突然全滅したとか?」
「まあ、そんなところ」
一家全滅でね。と夏彦が言うと五六はうぉ?と変な声を出して固まった。 - 137二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 23:11:36
すいません、明日早いんで今日はここまでにしときます!また明日!
- 138二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 23:32:42
お疲れ様でした
- 139二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 06:30:12
ほ
- 140二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 12:22:37
保守
- 141二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 20:56:03
保守
- 142二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 22:57:50
再開します!最近ホラーのスレが出て来てそこに浮気しがち・・・
「質の悪い呪霊が突然屋敷に現れて、それで屋敷の人間のほとんどを生得領域に引きずり込んで・・・」
「やめ!やめてっ!私が悪かったから!」
夏彦が真顔で黒いオーラを出し始めたので寝屋と五六は抱き合って震えながら叫んだ。
「ひぃん!でもでもでも!これは経年劣化で悪くなってるのが原因だから!」
「でも木製とか竹製だとどうにも・・・」
「・・・わかったよ、やってみる。でも素材何にすっかな・・・」
粘りと強度を両立する奴・・・と五六がうーんと考える。
「鉄じゃダメか?」
「弓として機能しなくなるし、歪むよ?」
「そうなのか・・・竹も木も繊維系だしな・・・」
「となると・・・炭素繊維でいくか・・・」
五六はギラッと目を光らせるとプールから一本のビニールホースくらいの太さの棒らしきものを持ってきた。
「これは?」
「炭素繊維!カーボンナノチューブ!メートル数百万の高級品だし!」
寝屋がひえーっ!と声を上げているところを見ると彼女の言う通りの値段なんだろう。って言うかそんなものよく都合できたな。
「へーそんなお金どこから?」
「工場の人と試作品でっち上げに付き合った代わりにもらった!なので一点物!」
買えるわけないでしょ!と言われてしまい夏彦はまあそうかと納得して気にしないことに。 - 143二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 23:01:43
危なかった…ホスト規制されていたようだ
- 144二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 23:02:18
ホラースレ?
- 145二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 23:05:33
- 146二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 23:07:43
なるへそ
- 147二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 23:08:57
- 148二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 23:11:12
短く意味深な怖い話書くのも大好きなんですよねぇw
- 149二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 23:16:15
良き良きスレです
- 150二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 23:16:43
大変そうですなぁ
- 151二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 23:35:06
五六がなにやらやけくそ気味にやる気を出し始めたので夏彦は作業の邪魔にならないよう少し離れた場所で見守ることにした。
「・・・で」「・・・から」
寝屋も根本は呪具師なのだろうか。二人は熇尾蛇を囲んであれやこれやと話し合っている。
素材をナイフにしたように貼り合わせればいいじゃないのかと思ったがそれは素人の発想なのだろう。
「・・・外で待つか」
ちょっと蒸し暑い。二人は仕事で熱を帯びているのか少し汗ばんでいる。そんな女性をじろじろ見るのも失礼だろう。
ダミーのプレハブ小屋から出て、缶コーヒーでも買おうかと考えていた時だった。
「私有地だ、所有者に許可はとったのか?」
「お前こそ」
不意に差した影に問いかけると返答が帰ってくる。いかにも怪しい風体の男だ。
なにより血と呪いの匂いがする。
「一応聞いとくが、高専の人間か?」
「違うと言ったら?」
「お帰り願うだけだ」
夏彦がそう答えると男は即座に刃物を抜いた。 - 152二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 23:39:38
なんか知らん人きた…
- 153二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 00:35:32
(おおかた呪具狙いの呪詛師だろうが・・・)
まっすぐに距離を詰めてくる男の攻撃を躱し、カウンター気味に拳を叩き込む。
「ぐはっ!?」
「だらしないな、もうちょい頑張れ」
怯んだところに蹴りが入り男はそのままごろごろと転がっていく。夏彦は警戒しつつも刃物を持った手を足で踏みながら男に問いかける。
「何が目的だ?」
「ぐ・・・」
「悪いけど刃物なんか持ち出されたからには手加減しないぞ」
踏んづけている足に体重をかけると男が悲鳴を上げた。
「や、やめてくれっ!言う!言うよ!」
「そうかい、なら早いとこ教えてくれ」
ぎりりと音を立ててさらに踏むと男はすらすらと自身の目的を喋った。
「じゅ、呪具だよ!ここにはたくさん呪具があるって聞いたからさ・・・」
「誰から聞いた?」
「修理屋だってきいたんだよ!修理屋なら呪具が置いてあっても可笑しくないだろ?」
男はへらへらしつつも夏彦の隙を伺っているようだ。 - 154二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 00:37:46
今日はここまでにしときます!また明日!
- 155二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 00:53:37
乙ー
- 156二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 08:59:34
ほ
- 157二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 12:52:52
ほ
- 158二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 19:28:18
保守
- 159二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 22:47:49
再開します!
「だからよ!俺が先に独占しようと・・・思った!」
踏まれた手と逆の手でナイフを握りこんだ男が夏彦の足にそれを突き立てた・・・が
「あ、あり?」
「安物で刺したな、呪具じゃないと僕の呪力のガードは抜けないよ」
「そんな、マジ・・・かっ?!」
そもそもこのズボン一部革でできてんだよね。と言いながら足を一瞬退けて、夏彦は今度は両手を同時に踏んづけた。
「うぎゃああ!」
「骨いったかな?カルシウム足りてないな」
ぐりぐりすると男は堪まらず悲鳴を上げた。
「うぐぐぐ、あ、アンタも呪具が目当てなんじゃないのか?な、ならさ!山分け・・・いや、俺が二割でもいいよ!」
「馬鹿にしてる?今の状況でこっちが譲ってあげる理由ないよ」
「呪具だけじゃない!女二人も、アンタが好きにしたらいいだろ?」
夏彦が興味なさそうにしていると男は何故か逆切れした。
「はあっ!?あの二人に興味ないとかそれでも男かよ!」
「心に決めた人いるから」
「純愛派でしたか」
呆れた男である。 - 160二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 22:50:17
さす夏
- 161二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 23:31:20
>>160 ゴリラをナイフで倒せるはずもなく・・・
「あの子たちはさ、五条悟の保護下に入る予定だからもう余計なことしない方がいいよ」
「え、あ、あの五条悟?」
「呪術界最強の、ね」
男はその言葉を聞くとだばーっと汗をかきながら目線を泳がせている。
「えっと、その・・・失礼しましたーっ!」
男は両手を慌てて引き抜くとそのまま凄いスピードで逃げていった。
追い掛ける気にもなれず夏彦は男の背中を見送った。
「準備運動にもならないな」
服についた埃を払って一息。進捗でも確認しようかと思ったところ・・・。
「できたーっ!」
笑顔の五六がプレハブ小屋から出てきた。
「・・・さっきの奴ももう少し粘ったらこれが拝めたのにな」
チューブトップのインナーに笑顔、自信満々のバストが眩しい。汗ばんだ肌は太陽の光で輝く。
健康的な美がそこにあった。
「なに言ってんのさ、ほら!確認してよ!」
- 162二次元好きの匿名さん24/05/13(月) 23:37:33
求めていた宝はそこにあったんだ…()
重要人物かと思いきやただのお雑魚さんじゃったか - 163二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 00:04:18
五六はよほど仕事に自信があるようだ。夏彦の手を取って彼女は持ってきた熇尾蛇を手渡した。
「これがさっきの・・・?」
「そ!かっこよく、綺麗になったよ!」
漆塗りだったのだろう艶のある黒は炭素由来の光沢のある黒に。弦はまるでそれだけで相手を切断できそうな頑丈さを示し
「穂先にも・・・」
「お化粧した!」
刃紋がうっすらと浮かんだ穂先は元々は系統で言うと片刃の『菊池槍』に近い形だったが笹穂槍という幅広の槍との中間のような見た目になっている。
「狙ってみて!引けるかわかんないけど!」
「どういうこと?」
「弦にもカーボン混ざった!」
つまるところワイヤーになった。
「さ、とにかくこれつかってやってみて!」
金属の棒を渡されて夏彦は弓道の構えで近くの鉄骨に狙いを定める。
「熇尾蛇、いかほどか・・・」 - 164二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 00:05:01
握り、呪力を帯びさせる。すると、帯びた呪力が弓にするすると飲み込まれる。
「マジか、これ・・・とんでもない・・・」
構える手に、絡みつく手、顔を見ずとも感じ取れる美女のそれ。首筋にかかる息。髪と服に移った香木の香り。
呪力だけでなく命まで吸い取られるような感覚。
『ふふふ』
弓に帯びた呪力が持ち主の呪力を啜ってほほ笑む。そして耳になにやら艶めいた言葉がささやかれる。
弓を引き、望む形を教えろと囁く
「ちょっと、黙ってなよ」
それを振り払って夏彦は弦をめいいっぱい引き絞った。引きはがされまいと腕を掴んだ手が弦を引かれると同時に引きはがされて夏彦の腕にひっかき傷を作り、首筋に恨み節の噛み傷をつけた。
「弓は弓だ、槍は槍だよ。どっちが主人かはこっちで決めてやる」
女の悲鳴にも似た音と共に放たれた金属の棒は鉄骨に深々と突き刺さった。 - 165二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 00:09:00
- 166二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 00:24:40
これには嫁たちの満足顔が浮かぶ浮かぶ
- 167二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 00:25:47
- 168二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 00:45:25
「やった!引けた!」
ふうっと息を吐いた夏彦。矢が飛んでいったことに喜んでいた五六も夏彦の手と首筋に滲んだ血を見て驚いた。
「な、なにそれ」
「ん?ああ、こいつに引っ掻かれた」
まさしく呪具だよ。と夏彦はそのまま熇尾蛇を持ち替えてぐるぐると振り回すと鉄骨に穂先を突き立てた。
「蛇の牙、払うより突くか」
鉄骨についた傷はまるで修復を拒むようにぐずぐずと音を立てている。
「噛まれたらその命まさしくその日ばかり。熇尾蛇と申すものに候・・・か」
弓を引くときは美女の幻影を引き連れて、槍で突くときには蛇の姿を以て相手に喰らいつく恐るべき呪具。
呪具というより妖刀とも言うべき有様に夏彦は思わず笑みを浮かべた。
「お前の主人は木っ端術師に非ず、京極家の当主だ・・・せいぜい壊れないようにな」
夏彦の言葉を理解したかのように、弓はわずかに軋んだ。 - 169二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 00:58:00
- 170二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 00:59:06
後は防御系呪具を手に入れたら完璧?
- 171二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 01:06:04
⚪︎条さんと同じ使い手か(※結構います)
- 172二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 01:12:41
さて、以前安価した呪具がこれで出そろったので本編に戻るか、まだまだ脱線するか・・・。
- 173二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 01:19:53
コソコソ(どちらでも良いんやで…
- 174二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 01:24:29
ならば・・・このスレはもう脱線噺で埋めるか!
- 175二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 01:30:49
今日はここまでにしときます。もしリクエストあったら保守がてら書いてくださると嬉しいです。
- 176二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 01:33:28
乙〜
- 177二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 01:34:12
このレスは削除されています
- 178二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 01:35:06
ここは敢えてのエロなしデート話とか…女の子の笑顔は良いぞ!
- 179二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 01:35:57
蔵にある色んな道具や呪具博覧会
- 180二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 01:36:09
ええやん
- 181二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 01:37:35
久しぶりの夏彦と五条絡みと考えたけど本編でやりそうだから大丈夫か
- 182二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 01:43:17
呪具ガチャ・・・デート・・・真希パイかな・・・?
独断で真希パイと呪具ガチャデートに閣議決定しました - 183二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 10:24:03
ほ
- 184二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 12:34:16
了解です
- 185二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 22:24:02
再開します!
夏彦が京極家の呪具を持ち出した話と、呪具師の二人を五条に保護させた件は京都と東京校両方に伝わった。
「呪具師?それってどういうことだ?」
「言葉通りさ、呪具の制作を生業にしてる人。四季島って人が高専に呪具卸してる人だったんだけどそのお弟子さんが東京に来てたんだって」
へー、と真希は五条の説明を聞いていた。自力で呪霊を祓えない真希にとって呪具を作る人というのは重要な役割だ。
「どんな奴なんだ?」
「んー、いい感じのギャルだったよ。夏彦が連れてきたけど、ありゃモデルでもやってけそうな感じでさー。呪術師辞められる前に連れて来てくれてよかった」
五条と夏彦の両名から作業場の調査が入ったがそれに関しても下手すると呪詛師扱いされかねない手法も含まれていたためそれに関しても五条は安堵していた。
(有望な若手がこういうところから出てくるのも嬉しい誤算だった。夏彦はいい仕事してくれたよ)
彼女達に伸びてきた枝を払い、五条は無事に彼女たちを高専の庇護下へ。
「いやー、彼女ら元はやる気なかったみたいだけど・・・夏彦が口説き落としてくれてよかった」
「ふーん・・・」
上機嫌な五条とは裏腹に真希は面白くなかった。 - 186二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 22:24:44
ジェラ…ジェラ…
- 187二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 22:35:52
真希は話を聞いたその日に夏彦に連絡を取った。表向きは呪具の事を調べるため。
手持ちの呪具を増やしたいということだった。
『うん?ああ、うん。京極家の倉庫に呪具が残ってるはずなんだ。手入れが必要なものはあの子たちに頼むつもりだよ』
「そっか、じゃあ私も手伝ってやるよ」
『え?任務とかどうするの?』
「知るかよ、私が行ったらダメってのか?」
そういうわけじゃないけど・・・と戸惑う夏彦に無理やり約束を取り付けて真希は一人交通機関に予約を入れた。
「つーわけでアイツのとこ行ってくるわ」
「いってらー」
「つなまよ」
同級生の二人に見送られて真希は京都へ。タッチの差で野薔薇は同行できなかった。虎杖が腹いせに首を絞められていた。
「なんか急に京都行くって言いだしたけどどゆこと?」
「夏彦のとこに今呪具師の人たちいるんだよな?悟」
「そうだけど?」
「それで、わからんの?」
「???」
「マジか」
「高菜・・・」
まさか自分の発言が真希の暴走を招いたなどとは思っていないのだろう。二人は白い目で五条を見ていた。 - 188二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 22:59:02
京都校では高専に属することになった呪具師の話で盛り上がっていた。
「なんかすごい人よ、一人は準一級クラスの呪術師だし、それでいて二人ともすっごい美人ね」
西宮は京都校に挨拶に来た二人を偶然見たらしく興奮した様子で言う。強いし、美人だし、呪術界でも稀有な呪具の加工技術の持ち主であるということで話題になるのは当然と言えば当然なのかもしれないが。
「夏彦君のお手柄ね、彼女達が居れば呪具の保全もぐっと楽になるし」
「ふーん」
その話を聞いて面白くない人がもう一人。真希の妹、真依である。
何日か出かけたかと思えば女を引っかけて戻ってきたのだから仕方ないのかもしれない。
「京極家の倉庫に眠ってる呪具とかの修理保全とかを依頼するらしいけどどれくらいの呪具があるのかしら?」
「あそこは歴史も御三家に負けないくらいのものだし、想像もつかないわ」
「游雲とかみたいなすごいのもあるかもしれないわね」
「いったいいくらになるんでしょうか・・・」
三輪は金銭的価値に考えが至り、その額の大きさに勝手に圧倒されている。御三家もそうだが京極家もとんでもないお金持ちだ。金銭的な価値だけでもすごいものだろう。 - 189二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:02:39
さてさて
- 190二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:04:22
ワクワクしてまいりました
- 191二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:17:34
西宮はゴシップ的な感じで盛り上がっていたが真依が露骨に嫌そうな顔をし始めたので少し軌道修正を図り事なきを得た。しかし・・・
「その二人ってあの金髪と銀髪の人でしたよね・・・モテそうですよね二人とも」
今どこにいるんでしたっけ?という三輪の純粋な質問が飛び、西宮はそっぽを向き、三輪を確保した。
「え、ちょ・・・なんですか」
「三輪、ちょっと来なさい」
西宮は迅速に対応したがそれに気付かぬ真依ではない。キッ!と西宮と三輪を睨むとすぐさま二人を捕まえた。
「その二人が今どこにいるのか知ってる顔よね?どういうこと?」
「いや、それはその」
汗を滝のように流す西宮と三輪。鬼が見える形相の真依に西宮は全てを白状した。
二人が京極家で仕事しているかもしれないこと、それに夏彦が当然ながら立ち会っていることを知った真依は真希と同じく現場に急行しようとしたが・・・
「真依、お前は俺と任務だ。公私はさすがに分けろよ」
と正論パンチを食らい東堂に連行されていった。騒いだところで東堂には腕力では勝てないので恨めしそうにしながらの出動である - 192二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:25:06
さて…と(修羅場)
- 193二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 00:06:29
今日はここまでにしときます。明日はあまったスペースと次スレでこの話の続き書くことになるかと思います。
- 194二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 00:10:59
乙〜
- 195二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 11:23:27
保守
- 196二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:32:59
こりゃすぐ埋まるな
- 197二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 23:07:36
そんなことは露とも知らぬ夏彦は五六と寝屋が来る前に倉庫の整理を始めるつもりでいた。
全ての呪具の保全はさすがに無理だろうし、なにより自分が倉庫の中を把握しているわけでもないので残された書類などをひっくり返して目録を探していた。
「倉庫で真依ちゃんの着物を見つけた時の倉庫とは別の扱いらしいな。さすがに仕事用の道具とは分けるか」
私物の蔵と呪具や武具の蔵。それらの目録を見つけてパラパラとめくってみる。
「熇尾蛇の名前があるってことはこれが目録か」
武具・呪具のタイトルが書かれている目録。夏彦はそれを手に倉庫へ再び向かう。
「さすがに全部は無理だろうから・・・どれを優先して修理してもらうか見てもらうか」
パラパラとめくってみるが結構多い。普通の武具も含めているとはいえこの量はかなりのモノだ。
目を滑らせながら倉庫を目指して歩いていると・・・門から見知った顔が入ってくるのが見えた。
「・・・!真希ちゃん!」
「よぉ、夏彦」
真希だった。鞄を手にちょっとした旅行スタイルである。
「手伝いに来てやったぜ」
「助かる、一人じゃどうにも億劫でさ」
にっかりと笑う真希に夏彦も笑顔になる。 - 198二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 23:09:34
- 199二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 23:13:33
うめ!また200に誰かリクエスト書いてみてくだしゃあ
- 200二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 23:16:19
200なら付喪操術進化!