- 1二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 17:14:26
お久しぶりの方、初めましての方、いらっしゃると思います。前回同じタイトルでスレを立てたものです。
そうです。ダメな母親です。
【閲覧注意】息子への懺悔を綴りたい|あにまん掲示板bbs.animanch.com息子が先日顔を見せてくれたので、報告がてらその時のお話を出来ればと思い立てさせて頂きました。
短い内容にはなりますが、どうぞお聞きください。
報告が終わり次第このスレは落としてくださって構いません。
- 2二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 17:15:19
うわ!!お久しぶりです!!
- 3二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 17:16:12
東堂ママ!!
- 4二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 17:16:43
東堂のお母さん……!
お久しぶりです、東堂元気そうでしたかね? - 5二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 17:17:14
あの電話の後暫くしてから、息子からまた電話がありました。
「顔を見せたいから、今どこにいるのか教えて欲しい。今後の話もしたい。」
端的な内容でした。私は、関東から田舎の実家に逃げ出していたので、その住所を伝えました。
母と父に捨てた息子と会うことを知られる後ろめたさもあり、待ち合わせは少し栄えた駅にすることにしました。
私の両親は既に高齢ということもあってか、私のことを思ってか、息子の話をすることはありません。
私も両親に息子から電話があった話はしませんでしたし、会う話もするつもりはありませんでした。 - 6二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 17:21:52
指定の駅に待ち合わせ時刻よりも20分ほど早く着いた私は、息子に「ゆっくりおいで」とショートメッセージを送りました。正直、緊張やら複雑な気持ちで、指先が震えるほど平常ではなかったのですが、十年ぶりに会う息子がどれだけ成長してるのか、電話で聞いた怪我はどうなっているのか、心配の気持ちの方が大きかったように思います。
待ち合わせ場所でしばらく待っていると、電話で聞いていた声が背後から響きました。驚いて振り返って、私はさらに驚かされました。最後に見た息子は私の胸辺りくらいまでしか身長がなかったのに、目の前にいた息子は遥かに大きく、恐らくですが2m弱はあったのです。そして、その顔には大きな傷がありました。あまり言うと特定されそうなので少し濁しますが、とにかく大きく、厳つい男の人がそこに立っていました。
息子は唖然とした私を前にして「驚かせたよな、すまん」と短く謝りました。私は慌てて「立派になったね」と返しました。
息子が少し嬉しそうに笑ったので、安心しました。 - 7二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 17:28:53
息子の余りの高身長に驚いてすぐには気付けなかったのですが、少しして息子の左手がないことに気付きました。私の視線に気付いたのか、息子は気まずそうに話し始めました。
息子「先の戦いで、失った。だが、後悔はしていない。この手は失ったが代わりに大事なものを守れた。」
私は何も返せませんでした。息子の左手よりも大事なものとはなんでしょうか。それは本当に息子が守らなくては行けなかったものなのでしょうか。それでも、息子があまりに誇らしそうに言うので、私なんかがそれを否定しては行けないと思うと、言葉は浮かんでは消えるばかりでした。
息子「片手でも生活は割と不便しない。…母さん。俺は、母さんの思う強くて優しい子になれただろうか。」
私は喉が引きつるような感覚に襲われました。息子に名前の由来は教えたことがありません。「なんで、それを」と震えた声で聞くと、息子は笑って「母さんが言っていたんだろう?」と言いました。
私は青ざめました。息子とすごしたあの時間、もしかしたら私は気が触れて色んなことを息子に言ってしまったのかもしれません。覚えていないけれど、きっとそれは、優しい言葉なんかじゃなかったと思います。先のとがった言葉を放った私は忘れて、息子はずっと抱えて生きてきたのだと思うと、会う選択をしたことすら間違いだと思えてきてしまい、私は俯いてしまいました。 - 8二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 17:38:25
息子の提案で私たちは駅から少し離れた人の少ない喫茶店へと入ることになりました。
息子はよく分からない、スピリチュアルな話を始めたので、少し心配にはなりましたが、私は静かに聞きました。
息子「ということで、(??)を祓う必要が無くなった。俺も他の(???)も役割を果たしたというわけだ。俺は貯蓄もあるし、大学に行こうと思う。」
私「その、じゅ…って、なんなの?」
息子「母さんは知らなくてもいいことさ。要するに、高校を卒業した後に決まっていた就職先を失ったということだ。この片手に関しては高専から手当が出るし、国からも障害等級2級にあたる援助が貰える。だが、何もせずに貯蓄と手当で生きていくのは退屈だ。片手でもできることを探したいし、義手があればもっと幅は広がるはず。だからこそ、視野を広げるために大学に行きたいんだ。」
私は、息子の話を聞きながら、本当に立派に育ったんだなぁとどこか他人事のように考えていました。1度に色んな情報を受けて一周まわって落ち着き始めていました。
私は息子に、左手を見せて欲しいと言いました。息子は「見て気分のいいものじゃない」と嫌がりましたが、引き下がらない私に観念したのか袖を捲って見せてくれました。
そこには先が丸くなった手首があり、未だ痛々しい縫い目が大きく存在を主張していました。そしてよく見れば、右手の手のひらも爛れたようにざらついていました。息子は傷だらけでした。どうして息子がこんな目に遭わなければいけなかったのか、色んな話を聞いたけれど私にはやっぱりひとつも理解できませんでした。 - 9二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 17:44:57
形の変わってしまった左手首を両手の手のひらで包むと、縫い目の感触がどうにもおぞましくはありましたが、確かに生きているのだという温かさがそこにはありました。
優しく何度か撫でて、私は涙が溢れ出ました。
10年ぶりに触れた息子の体温が愛しくてたまらないと、その感情だけははっきりと理解出来ました。
肩を震わせて泣いていると、息子の方からも鼻をすする音が聞こえました。
顔を上げると、涙や鼻水を垂らしながら泣いている息子の姿があり、それが小学生の頃と全く変わらない泣き方だったので、私はさらに泣き出してしまいました。
良く、元旦那が「○○○(息子の名前)の泣き方はお前によく似てるなあ」と言っていたことも、その時一緒に思い出していました。
姿はかなり変われど、息子の根っこの部分は変わっておらず、私のよく知る息子のままなのだと実感しました。 - 10二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 17:54:10
しばらく二人で泣いた後、息子はティッシュを取りだして一枚私に差し出してくれました。
二人で赤くなった鼻をかむ姿は、少し間抜けだったように思えます。
息子は「大学進学の話と、身体の現状を伝えられて良かった。」と言いました。その言い方は、息子がいつも電話を切りあげる時の話し方によく似ていたので、息子がもう帰るのだと私は何となく感じました。
「もう帰るの?また会えるわよね?」私は図々しくもそんな言葉を並べました。息子は笑って「じいさんとばあさんに俺と会うことは伝えていないんだろう?駅待ち合わせにした時点で分かる。だから、あまり長居は出来ん。大学が決まったらまた連絡する。」と言いました。
私はいつの間にか、察し能力というのか、そういったものもかなり成長していたのだと感心していましたが、ハッとして会計に進もうと立ち上がる息子の腕を掴みました。
私「お母さんが、払うから」
息子「しかし」
私「久しぶりに息子に会えたのよ、母親らしいこともさせて」
母親らしいことがたかだか1000円の喫茶店代を払うことだというのがあまりにも情けなかったのですが、そこは頑なとして私が支払うと言い切り、息子は折れて「ごちそうさま」と言って引き下がりました。 - 11二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 17:59:27
会計を終えて店を出て、このまま駅に向かえば暫くまた息子と会えないのだと思うと途端に寂しくなりました。息子の名前を呼び止めると、息子は立ち止まって振り返ります。2m弱ある息子と、150程度の私の身長差だと、普通に歩いていても息子の方が先に行ってしまいます。それがなんだか、今の私たちのような気がしました。いつまでも昔の記憶に縋って母親であろうとする私と、立派に育ち未来を見すえて歩き続けている息子。そんな揶揄のように思えて仕方がありませんでした。
「どうした」
呼び止めておいて、黙り込んでいる私に、息子はゆっくりと来た道をもどるように歩いてきてくれました。
「母さん」
いつの間にかまた泣いてしまっている私に、息子はハンカチを差し出してくれました。そのハンカチがまるで女の子のような匂いがするもので、私は泣いたらいいのか笑ったらいいのか分からないような複雑な気持ちになってしまいました。 - 12二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 18:13:45
私は目の前の息子を抱きしめて、と言っても体格や身長の差で抱きついているような体勢ではありましたが、とにかく抱きしめて言いたいことを全部ぶちまけていました。
「昔のこと、ごめんなさい。あなたに寄り添ってあげられなくて、あなたを一人にしてごめんなさい。それでも私はあなたの母親だし、母親でいさせて欲しい、いつでも帰ってきて欲しいし困った時にはすぐに連絡して欲しい。あなたも一人じゃないってことを忘れないで、いつでも頼って、また母親らしいことをさせて欲しい」
そんな自分勝手な、利己的な内容をべらべらと喋ってしまって、私はすぐに自己嫌悪に陥りました。
息子はしばらく黙り込んだ後に私を抱き締め返して「ありがとう」と、一言だけ返してくれました。
その声は震えていて、また泣きそうなんだと言うことがわかりました。 - 13二次元好きの匿名さん24/05/11(土) 18:19:25
暫くそうしてから、息子と離れ、駅へと向かい、改札の前まで一緒に行きました。
私は泣いてしまったことや恥ずかしいことを沢山言ってしまったことで何だか息子の顔が見られず、息子もまたおなじようで気まずそうに黙り込んでいました。
息子が切符を買い終えて、本当に帰るとなった時、私に改めて向き直り「ずっと言いたかった。俺を産んでくれて、悩みながらも育ててくれて、ありがとう。」と言いました。私はまた泣きそうになりましたが、必死に笑って「当然じゃない、あなたは私の大事な息子なんだから」と返しました。
今思うとあまりに図々しい言葉だった気もしますが、息子はニッと笑って改札を通り大きく右手を振って「また連絡する」と言い、ホームへと向かいました。
以上が息子との再会報告です。
書きそびれましたが、今になってようやくLINEの連各先を交換できたので、今後はもう少し気軽に話せるような気がします。
前回に合わせ今回も読んでくださった方、ありがとうございます。引き続き東京は復旧が大変だそうなので、不便されてる方も多くいらっしゃるとは思います、お気をつけてお過ごしください。 - 14二次元好きの匿名さん24/05/12(日) 05:14:22
東堂ママ…会えてよかったね……いいもん読ませていただきましたわ…