【SSスレ】ここだけ救護騎士団の子育て奮闘記 Part4

  • 1二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:38:27

    トリニティ付近に捨てられて衰弱していた赤ん坊を拾ってしまったセリナ
    周辺状況のきな臭さから救護騎士団で世話をすることを決める団長
    以降救護騎士団の出動時、背中に赤ん坊がおんぶされている姿が目撃されるように
    ----------------------
    という概念をSSにするスレ。なんだかんだで4スレ目。

    概念や、ありそうなシチュエーション、見たいものの概要を書いてくれたら
    俺がSSにしていく、そういうスレです

    お前らが考えて、俺が書く
    書きたい人は自分で書いてもいいのよ!

    スレが落ちない限り、ネタが続く限り
    だらだらと書かせてもらおうと思う
    お付き合い頂けるととても嬉しい

  • 2二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:38:39
  • 3二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:39:17

    このレスは削除されています

  • 4二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:39:34

    建て乙
    すずらんちゃんかわいいね

  • 5二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:41:41

    建て乙
    スレが動画になってて笑った
    ミネママが貫禄あるからだないいことだ

  • 6二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:42:07

    前スレにpart4のリンク貼っときました

  • 7二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:42:45

    前スレ埋めても大丈夫ですかね?

  • 8二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:44:46

    羽の違いは確かにありそうだよね
    なんで尾がないの?とか思うよね

  • 9二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:55:53

    埋めるまでもなく前スレも埋まりましたね
    みんな楽しんでるみたいで嬉しくなっちゃうね

  • 10二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:56:30

    そうだ
    10スレまでは進めておかないとすぐ落ちちゃうね

  • 11二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:57:44

    時間帯によっては伸びずに落ちてしまうから難儀ペロ

  • 12二次元好きの匿名さん24/05/14(火) 23:58:04

    子育ての解像度が高くてスズラン育成に参加している気になれるのだ

  • 13二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 00:00:47

    前スレ>193,>>6:誘導たすかった!埋まるあぶね!ってなってた!

    前スレ>194:自分で消化する術が少ないからね。こういうのも親の悩みかなって

    前スレ>195:ハナエはほんと純粋にぶつかっていくし

    優しくて明るい子だから物語として展開しやすいなって思うよ

    手術さえしようとしなければね!!!!

    前スレ>196:マコトはやらかすからね…悪い子ではないんだけどね…

    前スレ>199:たぶん、ナギちゃんに引っ張られてきた、そして一人息切らしてるよ!

    前スレ>200:子育てエアプだけどな!!!!!!


    >>4:おつあり!そう思ってもらえてうれしい!

    >>5:あの動画俺も見て来た、というか見ながら書いてたけど

    ちゃんとADV調になってるし、光ってる時ハイライト入るし、クオリティすげえよな…

    >>7,>>9:ね、うれしい、めっちゃ嬉しい

    >>8:鳥の尾羽もいいよね、かわいいよね、ぷりぷり!って振るのかわいいよね…

    >>10;え、そんな仕様あるのか。。。

    というか落ちるのが1日後になってる!どういう仕様なのかいまだに理解してない…

    >>11:みんなが保守してくれてるのマジでたすかるよね…

    >>12:ごめんな…エアプなんだ…子育てエアプで書いてるんだ…でもそう思ってもらえるのはとても嬉しい

  • 14二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 00:04:09

    ……違うペシ。カッコつけたかったわけじゃないんだペシ。いやまあ0ではないけれど、>>1の解像度に称賛を送りたくて…195,6ぐらいで投げて誰かが200なら云々て言って終わると思ったら早くて…人気コンテンツになったペシね。動画のおかげかな?

  • 15二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 00:58:57

    建て乙です。
    前partにあったのに倣って、既出でまだ書かれてない概念・テーマまとめをここに
    (私の主観も混じってたりしますので抜けや誤り等ありましたら補足頂ければ)

    ・他校ひっくるめて大冒険するスズラン
    ・クリスマスとスズラン
    ・(マリー孤児院育ち概念)

    ・スズラン、ママたちへプレゼント(似顔絵・お手紙など)
    ・スズランのおうた(シスターの聖歌編、ミカとキリエ編など)
    ・スズラン、はじめてのおつかい
    ・言葉を覚えるスズラン(わっぴー編、ばにたす編など)
    その他、便利屋やモモフレ関係などのリクエストあり(このあたりは上記概念との複合も見込めそう?)

  • 16二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 06:26:41

    朝の保守

  • 17二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 11:05:05

    保守

  • 18二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 13:07:09

    せくしーペシ先ですまない…

    「只今戻りました。」
    「スゥちゃんただいまー」

    「おかえり!」

    「スゥちゃんは元気だねえ」

    「ふたりともお疲れ様でした。クッキーもそろそろ焼けるので、荷物の準備をしましょうか」

    コンコンと救護室の扉を叩く音がする
    ここに来る方は基本けが人、病人。一瞬私達は救護せねばと緊張を感じる

    「失礼するよ」

    …どうやら流血沙汰ではなさそうだが…

    「せいあ!きゅうご?」

    「セイア様。どういたしました?」

    「救護じゃないよ、スズラン」
    「ナギサからの伝言だ。」

    「ナギ!」

  • 19二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 13:07:39

    「『お泊り会と聞きました。
    本当は私も参加したいところですが、
    どうしても外せない用事があるので
    今回は諦めます。
    先生によろしくお伝え下さい。』とのことだ。ヘリを用意したらしいから、ナギサの過保護に付き合ってあげてくれ。」

    「あの人はまた…電車で十分だと言っているのに…」

    「そういってやらないでくれ、彼女なりの愛だろうからね」

    「団長、ありがたく使わせていただきましょう。」

    「…そうですね。」

    さも知っていて当たり前のように話が進んでいるが、この話をナギサさんにした覚えはない。
    どこで知ったのか、恐ろしいほどの情報網に感心しますが、相変わらずその使い方は過保護なナギサさんらしい。

  • 20二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 13:09:45

    「しゃーれ!」

    ヘリの窓に顔をつけて外を見ていたスズランが指を指す

    「そろそろシャーレにつきますね」

    「もうすぐパパに会えるねスゥちゃん」

    「ぱぱ!」

    「着陸します。つかまっていてください」

    操縦する生徒会の方の指示に従いスズランを抱えてグリップを掴む
    ズン…と着地の衝撃が伝わる

    「とーちゃーく!」

    スズランが全身で喜ぶ

    そんなスズランを抱いたままヘリを降りる

    「お帰りの際も呼んでいただければお迎えに来ます」

    「帰りは電車で…いや、帰りもお願いします」

    「かしこまりました。」

    セイアさんの言葉を思い出し、せめてナギサさんのご厚意はありがたく受け取っておこうと思った。

  • 21二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 13:10:41

    離陸するヘリを見送って建物の中に入ろうとすると、中から出迎えだろうか。一人近づいてきた。

    「いらっしゃいませ、スズラン様。救護騎士団の皆様。お荷物お預かりいたします。」

    メイド服にウサギの耳をつけた奇妙な格好の方が出迎えてくださった

    「とき!うさぎさん!」

    「はい、うさぎさんですよ。ぴょんぴょん」

    感情の読めない顔のままスズランと目線をあわせうさぎのジェスチャーをする

    「ふくちがう?」

    「ええ、前回のものは本日、先生に止められてしまいました」

    私達の荷物をドローンと手分けして持つと
    『ビッグシスター、コレも持ってください』
    声は小さくてよく聞き取れなかったが
    なにか頼んでいるようだった

    「誰と話してるんです?」

    私も抱いた疑問をハナエが口にする

    「失礼しました。なんでもありません。先生のお部屋まで案内いたします。」

    この方が飛鳥馬トキ…ミレニアムのC&Cの方のはず…なぜシャーレに…なぜウサギの耳を…

  • 22二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 13:17:42

    思ったより長くなっちまったペシ。

    前後編で終わるつもりがすんごく長くなったので相談ペシ

    このまま昼に更新し続けると>>1と違う話が同じスレで進むカオスになるペシ

    なので、書ききってテレグラフ?だかなんだかを使い、次で終わらせたいペシ

    二,三日待たせるかもしれないけどそれでよろしいペシ?

  • 23二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 13:22:34

    大丈夫ですよ

  • 24二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 13:25:39

    >>22

    そっちの方が良さそうに感じます

  • 25二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 14:13:22

    関係ないけど予防接種の話が出てきたら面白そう
    他の子供みたいに泣くのか興味津々で「おー!」となるのか

  • 26二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 16:03:30

    >>15

    まとめかんしゃあ〜

    というか作るの忘れてたので助かります


    もうPart4まで来たと思うと感慨深い

  • 27二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 16:29:11

    どうも、最初から読み直してきました。
    順調に成長してるな〜スズランちゃん。ゲーム開発部推しの自分としてはゲーム開発部とも関わらせたいけど、ゲヘナ編が終わってからかな?

  • 28二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 17:43:10

    イブキとも知り合えたし、一緒に百鬼の忍研とか?
    トリニティメンバーでもいいけど、スズランちゃんが忍者にどんな反応するのか気になるな

  • 29二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 19:42:13

    ミッ(死因:スズランと生徒たちの仲睦まじい姿を見たことによる尊死)

  • 30二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:38:05

    トキは何故こうも出来るメイド感を出しながら他者を雑に使うのが似合うのか

  • 31二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 22:52:55

    >>22

    1です。

    こちらの更新を2、3日待つ?

    スレ始まりでちょうどいい切れ目だから、それもよいかなーと思うけども。

    ペシ先が一区切りついたら、別にこっちも書き溜めてわー!って一気に投下するのもありかなって

  • 32二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 23:12:47

    どっちの更新か分かるようにコテハン付けてもいいと思ったペロ。ただ、それでもごっちゃになるペロね

  • 33二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 23:24:27

    >>32

    どうするのがいいんだろうね…

    とりあえず今日の分は書き終わったよ。

    そろそろクリスマスですね、季節感あるよね!!!!


    幕間はテレグラフでまとめると読みやすいのかなぁ…

    でもあれ600行程度しか書けないんだ…


    本編は入りきらないから無理だけど、

    幕間書くときは俺もテレグラフにまとめるにすると読む人は読みやすいのかな

  • 34二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 23:34:45

    >>33

    あなたは今まで通りやってほしいペシ

    私は週末にドーンと一気に上げるペシ

  • 35二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 23:35:42

    >>34

    承知!じゃあ今日の上納をあげてくね!

  • 36二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 23:36:42

    >>35

    わくわく

  • 37二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 23:38:04

    どちらの更新も楽しみペロ。この概念、ここ最近の楽しみになってるペロ

  • 38二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 23:49:05

    >>2わすれかけてた雑なあらすじ。急いで書いた。

    セリナが拾ってきた子供に「スズラン」と名付けて育てることを決めた救護騎士団

    しかしトリニティのお嬢様には子供の扱いがわからぬ。

    救護騎士団、ティーパーティー、正義実行委員会、シスターフッド

    それらを振り回すスズランに、トリニティは子育て大混乱を迎える


    そして、救護騎士団に育てられてしまったが故

    最初に言い放った言葉は「救護!」いや、赤子は救護言わんやろ。

    ――ここまで1スレ目

    言葉を話し始めたスズラン、先生のことをパパと呼んでしまい

    それを誰が教えたのか、救護騎士団は窮地に立たされる


    そして邂逅したアリウススクワッドを撃墜するスズラン

    その勢いで不良生徒達を撃墜したかと思うと次の標的はハナコ。

    ズタズタにされたハナコのメンタル、次回!ハナコ、死す!

    ついでにシスフも撃墜された


    そしてスズランは誘拐されたが無事だった。

    ――ここまで2スレ目

    スズランはセリナのストーキング能力を手に入れた。こわいね。

    形成されていく人格、増える被害者。

    具体的には図書委員会がやられちまった。そしてスイーツ部もちょっとやべえ。


    ちょっとシャーレに行ったり

    ハナエ、セリナ、ミネがそれぞれ正妻ムーブかましたり


    危うく第二次エデン条約事件もおきかけた。

    イブキがなんとかした。

    ――ここまで3スレ目――

    以上だ、そろそろ書いてる俺も何を書いたのか覚えてねえ!!!

  • 39二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 23:49:37

    >>38

    子育て日記:151日目 鷲見セリナ

    そういえば、そろそろクリスマスの時期だなぁ

    とまだ少し先を思い、物置からサンタ服を取り出した。

    1年ぶりに取り出したそれは、少し埃っぽくてお洗濯に出さなければとしげしげと眺めていると

    スズランちゃんが物珍しそうに、サンタ服を見ていました

    ――――――――――――――――――


    「せりまま、それなあに」


    「これはサンタさんのお洋服なんですよ。

     毎年、クリスマスには私達はサンタさんのお手伝いをするんです」


    「さんた?」


    「はい、サンタクロースさん。いい子にプレゼントをあげる不思議な妖精さんです」


    きっとクリスマスというものを初めて経験するスズランは

    それが何か分からない顔で頭の上に疑問符を浮かべている。

    確か、サンタクロースに関する絵本は同じところに仕舞っていたはず

    毎年の読み聞かせで使う絵本をハナエの服の下から取り出すと、私はスズランに読み聞かせを始めた。


    「――『ふぉっふぉっ、プレゼントはひみつだからわくわくするのじゃよ。

     サンタさんは笑いながらトナカイさんといっしょに夜空を駆けてゆくのでした』


    「さんたさん、すごいねえ…」


    「ふふ、そうですね。スズランちゃんは良い子ですから

     スズランちゃんのところにもサンタさんが来てくれますよ」

  • 40二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 23:50:02

    >>39

    「え!?」と口に手を充てて驚いた顔をするスズラン

    しかし、その後は少し考えて、うーんうーんと頭を抱える

    そしてそれは悩んでみても解決しなかったようで、言葉を探して質問をする


    「ままは?ままたちのとこは?」


    「ママたち、ですか?うーんどうでしょうか

     もしかしたら、来てくれるかもしれませんね。」


    その回答をしながら、ふと過る先生の顔。

    きっとクリスマスには山盛りのプレゼントを両手にやってくるんだろうな

    というのが少しだけ想像できて笑ってしまう。


    「ままたち、いいこ。」


    「ありがとうございます。」


    さすがに、サンタさんの正体を知ってしまっている身では

    なんと答えたらいいものか私は悩みながら言葉を紡ぐ。

    「ママたちは大人だから、サンタさんは来ないんだよ」?

    「ママたちは、サンタさんのお手伝い係だから」?

    どう答えても夢を壊してしまいそうで、次の言葉に詰まってしまう。


    そんな姿を見たスズランは、私の膝の上からすっくと立ちあがる。

    私の腕と絵本を潜り抜け、パタパタと自分のポーチのもとへと駆けてゆく。

    お出かけをしたいのだろうか、いや、先ほどお散歩から帰ったばかりだ


    なんてどうするつもりなのかを考えていると

    スズランはポーチを胸にかけて、お出かけ前のチェックを始めた。

  • 41二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 23:50:17

    >>40

    そして私の前に駆けて戻ると、絵本をかして、と手を出す。


    「らこしゃまのとこいく!なぎちゃのとこいく!」


    そうは言っても、今は部室に私一人、ミネ団長とハナエはそれぞれお手伝いに行っている。

    部室を空けるわけにも、と悩んでいると、部室に顔を覗かせたシミコさん。


    「すみませーん、紙で手を切ってしまいまして、絆創膏を一枚…あれ?」


    とたとたとシミコさんの方に駆けていくと、絵本を置いて絆創膏をはい!と差し出す。

    いつもなら自分で貼りたがるのに、と不思議に思っていると

    それを受け取って、てきぱきと貼ってしまったシミコさんへ、スズランはぎゅっと抱きついた。


    「しゅみこ!ごほん!」


    「本を読んで欲しいんですか?」


    「ちがーの!ちがーの!!

     しゅみこと、ういのとこいく!しょしょかん!」


    「古書館ですか?」


    うんうん、と興奮気味に頷くスズラン。

    大切そうにサンタクロースの絵本を抱えて、バサバサと翼を広げるスズランを見て

    ちらり、とこちらに目線を向けて回答を求める

  • 42二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 23:50:28

    >>41

    「すみません、シミコさん、お願いできますか?

     今部室を空けることが出来なくて…」


    「はい!委員長も喜ぶと思います!」

    ――――――――――――――――――

    セリナさんからスズランちゃんを預かり

    スズランちゃんと手を繋いで、古書館の扉を開ける。

    ウイ委員長は相変わらず、いつもの司書机で本の修復に勤しんでいた。


    「シミコ、戻ったんですね。あれ?スズランさんも一緒ですか。」


    「はい、救護騎士団の部室を空けられないけど、スズランちゃんが外出したいらしくて。」


    「そうですか。そういえば一人で来るのは初めてでしたか。

     ホットミルクでも淹れましょうか?」


    そういえば、シスターフッドの皆さんや、救護騎士団の誰かと来ることはあったが

    スズランちゃんだけがここにいるのは初めてだな、なんて考えているとスズランちゃんが私の手から消えた。

    消えた手の感触に驚いて見回すと、スズランちゃんはウイ委員長の隣で手に持った絵本を指さしていた


    「"ひみつのクリスマスプレゼント"…懐かしいですね。読めばいいんですか?

     読み聞かせなら…シミコの方が上手だと思いますが」


    「ちゃの!これ!こーれ!」


    床に座って絵本を捲る。そこにはプレゼントを枕元に置くサンタさんのイラスト。

    スヤスヤと眠る女の子の隣にプレゼントが置かれている、そこを指さす。


    「ままに、ままのぷれぜんと!」

  • 43二次元好きの匿名さん24/05/15(水) 23:51:08

    >>42「…プレゼントで欲しいものがあるんですか?」


    何が言いたいのかを掴めていない様子のウイ委員長は困り顔

    私も少し考えてみると、もしかして、と考えが浮かぶ


    「ママたちに、何かプレゼントをしたい、ですか?」


    やっと通じたのが嬉しいのか、足をじたばた、キラキラと目を輝かせるスズランちゃん。

    うん!うん!と興奮気味に頷くと、私とウイ委員長の顔を交互に見る。


    「そうですね、何かを買う、というのは難しいですし…お手紙とか…?

     でも、文字はまだ難しいですかね…だとすれば…」


    「委員長、似顔絵、なんでどうでしょうか?」


    「ああ、そうですね、似顔絵。とてもいいと思います。

     幸い、ここには紙はたくさんありますし、色鉛筆…クレヨンは…ありましたかね」


    「ままのえ?ままにえ、あげる!」


    スズランちゃんがポーチから8色のクレヨンを取り出す。

    それと同時に、ウイ委員長は司書机の奥底から少し古ぼけた24色のクレヨンを取り出した。

    「しゅごいね、しゅごいね」とウイ委員長に抱きつくスズランちゃん

    ウイ委員長は少し照れながら、そのクレヨンをスズランちゃんに手渡した


    「いいの!?」


    「まあ、机の中で眠らせていてももったいないですからね。使ってください。」


    「まったく、委員長ったら素直じゃないんですから。」

  • 44二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 00:03:52

    今日のは最近のマイブーム、数日にわたるお話だよ!

    実は何も考えずにカレンダー進めすぎて、1年の残りがすくねえ!っていうだけだよ!

    卒業式とかがあるのはそうなんだけど、詳しく語られてないから卒業式までは語らないよ!


    今回は概念:スズランとクリスマス+似顔絵プレゼント、だよ!


    >>15:ぐう有能…スレ見返すのたいへんだからありがてえ…

    >>16:朝保守は俺の健康を支えてくれている…朝早くからお疲れ様です。

    >>17:保守されるとね、俺の寿命が延びるんだ、そして寿命が仕事中の俺に余裕を与えてくれるんだ

    >>26:思えば遠くまできたもんだ…みんなが落とさないでいてくれたおかげだね

    >>27:最初の方とかちゃんと定まってなくて申し訳ない…

    トリニティ校外は年越し(今はもうすぐクリスマス)後に旅行編を書くか

    先に結末まで走って、幕間として書くか、って感じにさせてもらおうかな、と。

    ゲヘナはエデン条約で関わりが深いから、ちょこっと先に出させてもらったよ!

    ゲーム部承知!スレが落ちさえしなければ、必ず書くね!

    >>28:忍研もたぶん旅行編か、幕間に入れるね!

    ミチル…文字起こしで書くの…難易度高い気がしてきた…


    全部閑話だが閑話

    実は最近、メダルでセナをお迎えしたのだが

    …この人、ミネ団長と相性よくない?良すぎない?

  • 45二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 00:23:36

    いつになくスゥちゃんが喋ってて癒やされるペシ
    成長早いので
    「ミネママまだそれ持ってるの!?恥ずかしいから捨ててよ!」
    っていう思春期…そこまでいかなくてもいいな、9,10歳あたりの概念につながる…良いペシ。

  • 46二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 00:39:19

    >>45

    そんなことを言って、子供の成長を喜びつつ少し寂しそうにしてるミネママを見て母の日にお花と成長して上手になった絵を描いて送るペロ

  • 47二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 01:17:31

    >>43

    ウイ委員長から受け取った紙とクレヨン

    司書机の前に、小さな子供用のテーブルと椅子を用意する。

    実は、スズランちゃんのために二人で話し合って買ったテーブルと椅子

    そんなに高価なものではないが、それを目にするとスズランちゃんはびっくりしたように目を丸めた。


    そこに座り、ふんす!と鼻息ひとつ、スズランちゃんは絵を描き始める

    順番に、水色、ピンク、紫のクレヨンを見繕って、真剣な顔つき

    頭と体を左右に揺らしながら、きっとママたちの顔を思い浮かべているのだろう


    まずぐーで握ったクレヨンはピンク色、セリナさんから書き始めるのかな?

    なんて観察をしていると、ピンクの十字が紙に書かれた。

    救護騎士団の紋章、優しい色合いの十字

    なるほど、と私は感心してしまう


    それからも司書仕事の合間に覗き込んでは絵の進捗を確認すると

    何枚も何枚も手を汚して、時には上手くできずに泣きそうになりながらも画用紙に向かっていった。

    ―――――――――

    何時間くらい経ったのだろう、ゴーン、ゴーンと長針がてっぺんに到達した音

    その直後に、静かな古書館中、扉からノックする音が響く


    「すみません、スゥちゃんを迎えにきましたー」


    扉の向こうから聞こえてくるハナエさんの声に、スズランちゃんは手元の絵を体の下に隠す。

    なるほど、"ひみつのクリスマスプレゼント"か。

    スズランちゃんの隣に駆け寄って、絵を指さすと慌てて絵を描いた紙とクレヨンを私に渡す。

    急ぎ足でそれを司書机に隠して、スズランちゃんの座るテーブルに絵本を置く

    それを確認した委員長が扉を開けると、ハナエさんが駆け寄って来る


    「しー!」と口の前に指を立て、スズランちゃんは「ひみつ!」のジェスチャーを残して帰って行った

  • 48二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 01:21:55

    いつかやるとは思ってたけど、コピペミスしちゃった…

    まだ最後のレス忘れでよかったよ…


    >>45,>>46,ペシ先とペロ先が並ぶとなんか笑うw

    せめてサザエさん時空なのか、1年で本当に卒業入学が繰り返されてるのかそれがわかると、続きが書けるんだけどね…

    俺には少なくとも残りの4カ月くらいを大切に書くくらいしかできないんだ…

  • 49二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 09:30:11

    成長しておる…秘密ができるのそういうのだよな

  • 50二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 10:03:14

    >>48

    アビドス3章を見るに、おそらく1年で本当に卒業入学が繰り返されてるのかなと...

  • 51二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 15:13:03

    >>48

    まぁ、ペシ先はキャラ立ってるからペロね

  • 52二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 20:54:17

    スズランが入学する?なるほど

  • 53二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 23:38:16

    >>51

    ペシのキャラ…ペシの原点…

    ありがとうペロ先。わかったよ、私のすべきこと

    まってろよハスミぃ!

  • 54二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 02:02:25

    >>47

    子育て日記:154日目 朝顔ハナエ

    最近、スズランちゃんが古書館に通い詰めています。

    しかもなぜだか、私達が忙しいときに限って「こしょかん!」と自分でお出かけの準備を始めます

    今日はみんなで、クリスマスに配るプレゼントを作っていたのですがお出かけの準備を始めてしまいました

    ―――――――――――――――――――


    「こしょかん!ういのとこ、しゅみこのとこ!」


    毛糸球と編み棒を準備して、みんなで編み物を始めたときでした。

    いつのまにかポーチを準備して、既にドアノブに手を掛けている。

    ばいばい、と手を振るスズランちゃんを追いかけようとするが、私達が立ちあがるとそれぞれの膝から毛糸玉が転がった


    「スゥちゃん、ちょっとまって!」


    「いてきます!」


    仕方がないのでモモトークでシミコさんに連絡すると「OKです!お待ちしてますね」との返信

    画面を見守りモードに変えると、一直線に古書館へと向かうスズランちゃんの光点が移動していた

    ―――――――――――――――

    『シミコさんすみません

     スゥちゃんが古書館に向かっちゃったのですが、ご都合大丈夫でしょうか?』


    というハナエさんから連絡を受けてしばらくすると扉がノックされる

    来たかな、どドアを開けに向かおうとしたが、私よりも先にウイ委員長がパタパタと向かい

    ドアを開けると、その隙間からスズランちゃんが顔を覗かせた


    「こんちわ!」


    「はい、こんにちは。絵を描きに来たんですね」

  • 55二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 02:02:38

    >>54

    「おねがーしゃす」


    「はい、もう準備はしてありますから」


    二人が手を繋いで歩いて来る

    ウイ委員長もなんだか柔らかく笑っていて、一緒にいるのが楽しいのだと分かる。


    準備しておいたテーブルと椅子に座ると、同じく準備しておいた紙とクレヨンに向かい合い

    クレヨンをしっかりと握りしめ、ふんすふんす、と気合を入れた


    もう横に積まれた失敗した、と思わしき絵が描かれた紙には

    びっしりと隅から隅まで練習をした跡がいっぱい残されている。


    「がんばってくださいね」


    「あい!ままよろこぶ!」


    この数日で絵はずいぶんと上手になった。

    グズグズだった線はだんだんと綺麗な孤を描くようになり

    ウイ委員長に習ってクレヨンの持ち方で、綺麗な持ち方で絵を描いている。


    普段なら人が尋ねて来ても、すぐに司書のお仕事に戻ってしまうウイ委員長が

    スズランちゃんの横に膝をついて、絵を描くのをずっと眺めているのがなんだか微笑ましい。


    「ホットミルクを淹れてきますね

     委員長も何か飲みますか?」


    「ありがとうございます、すみませんが何か適当にお願いします」

  • 56二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 02:02:50

    >>55

    声をかけると、少し笑顔だったのがいつもの顔に戻る。

    いや、頑張って戻したのだろう。

    少し頬が緩んでしまっているのを隠しきれてはいなかった。

    ―――――――――

    私がホットミルクと紅茶を淹れて戻ると

    ウイ委員長は自席に戻って古書の修復をしながらチラチラとスズランちゃんの様子を伺っていた

    紅茶を机に置くと、少しびっくりしたように肩をすくめた


    「スズランちゃん、頑張ってますね」


    「ええ、きっと騎士団の皆さんも受け取ったらすごく喜ぶでしょうね」


    「ふふふ、そうですね。もしかしたら泣いちゃうかも」


    「……ミネ団長が泣くところなんて、なんだか想像がつきませんけどね。」


    二人で少し笑いあい、スズランちゃんのところにホットミルクを届ける。

    真剣に一生懸命に向かい合っていた絵から目を離し「ありがうござます」と

    こちらに目を向けてお礼を言った。

    邪魔をしてはいけないかな、と離れようとしたのだがそれはスズランちゃんに呼び止められる


    「しみこ!あのね、まますきって書く!」


    「文字を書きたいんですか?」


    「かきたい!」


    「はい、じゃあ文字を書く練習をしましょうか」

  • 57二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 02:03:20

    >>56

    私は白紙を準備して、胸ポケットからペンを取り出す。

    今から文字を練習したとして、さすがに自分で文章にするのはさすがに難しいだろうか

    なんとなく、この子ならできそうな気がしなくもないが、さすがにちょっと考える


    「なんて書きたいですか?」


    「みねまま、せりまま、はなまま、すき!」


    スズランちゃんの方向に向けて、一文字一文字読み上げながら文字を書く


    「み・ね・ま・ま、ミネ団長とのことですね」


    「みー、ねー、まー、まー」


    一生懸命に新しい紙に練習を始めるスズランちゃん。

    紙の上にはまだ文字としては認識できない線がぐにゃぐにゃと揺れる。

    何度も何度も繰り返しにその文字を書いてはふすふすとその文字を眺めて私のお手本と重ね合わせる


    何か違うぞ、と首をひねるスズランちゃん。どうやら「ま」の字が鏡文字になってしまっているようだ。

    スズランちゃんの手を取って、一緒に文字をなぞる。


    「まー、のまるは、こっちからぐーるん、ですよー」


    「しゅみこ、じょうずねぇ」


    「ありがとうございます。すぐにスズランちゃんもできるようになりますよ。」


    がんばるぞ、という意味だろうか、ガッツポーズをするスズランちゃんの目には火が灯っていた

    そんなスズランちゃんを眺めていると、ウイ委員長が後ろから私の裾を引っ張った

  • 58二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 02:03:31

    >>57

    「シミコ、これをスズランさんに…」


    手渡された紙束には「みねまま・せりなまま・はなえまま」の3つの言葉

    それがなぞり書きで練習できるように、何度も何度も繰り返されている。

    この短時間でこれを準備したと思うと、さすが古書館の魔女、ではあるのだが

    その才能を何に使っているのやら、と少し苦笑い


    「それは自分で渡してあげてください。」


    はい、と道を空けるとウイ委員長がおずおずと紙を差し出す。

    これはなんだろう、という顔のスズランちゃんの手を持って、一緒になぞり書きをする。

    その練習方法に納得したようで、スズランちゃんは「ほほぉ!」と感嘆の声を漏らしていた。

    ――――――――――――

    しばらく練習をすると、スズランちゃんを迎えにミネ団長が訪ねてくる、とのこと。

    それをスズランちゃんに伝えると、慌てて絵を隠し始める。

    ずいぶんと上達したその絵は、それぞれの特徴をよく捉えている。

    もう十分上手だな、と思いつつその絵を受け取って引き出しに隠し

    手に着いたクレヨンを綺麗に拭き上げたところで、ミネ団長が訪れた


    「スズランを迎えに上がりました

     ウイ委員長、シミコさん、いつもありがとうございます。」


    「いえいえ、ウイ委員長なんて来るのが待ち遠しいようで、大歓迎ですよ」


    司書机に猫背で隠れつつ、借りてきた猫のようになるウイ委員長を指す。

    そんなこんな隠れながらも、スズランちゃんに手を振っているのは

    やっぱりというか、きっと楽しかったのだろう。


    「ところで、ここ数日毎日伺っているようですが、毎日何をしているのでしょうか?」

  • 59二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 02:03:42

    >>58

    ミネ団長の質問に、スズランちゃんの背筋がピンと伸びる

    きっとこの子は隠しごとが苦手な子に育つんだろうな、と少し感じながら

    私は言葉を探して空を見る


    「絵本を読んだり、古書館を探検したり、ですかね」


    嘘ではない、絵を描くのに疲れると、ウイ委員長が絵本を読み聞かせたり

    私と一緒に古書館の中を探検したりもしてはいた。

    とはいえ、ここにいる時間の9割は、絵を描くことに一生懸命になっているのだが。


    「何か、気に入ることでもあったのでしょうか…」


    「そのうち、スズランちゃんから教えてもらえるんじゃないですか?」


    その答えにミネ団長は釈然としない顔。

    スズランちゃんの顔を覗き込んではいるものの、スズランちゃんはにっと笑う。

    きっとこの子の中では、ミネ団長があと二人のお母さんが喜んでくれる姿がもう思い描けているのだろう。


    「また明日もお待ちしていますね、スズランちゃん」


    「よろしーおねがいしゃす!しゃみ、うい、ばいばい!」


    ミネ団長に手を引かれて古書館を後にするスズランちゃん

    私とウイ委員長の二人で手を振り返すと、ぴょんぴょん、と跳ねて扉の向こうに消えた

  • 60二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 02:10:44

    >>49:優しい秘密ってなんかいいよね…

    本当はこういうのってもうちょっと大人になってからだろうけど

    まあスズランちゃんなので…スズランちゃん、なので…

    >>50:まあそんな気はするよね…

    ともすると、卒業後のヘイロウ持ちがいないから、ヘタに本編で書くのもなあ

    ってなっちゃうんだよね…困ったね…世界観の公開情報来ないかなあ

    >>51:そんな他人事みたいに…

    >>52:そう…だったね…ハスミの腹ペシから始まったんだったね…

    つまり、2本目が、書かれるという事で、よろしいか?


    はい、というわけでクリスマス編が続きます

    クリスマス当日は、聖堂のメリークリスマス本編中の時間軸は避けるよ!

    というかその裏側でお話をするよ!

    ので、俺が聖堂のメリークリスマスを数周読み終わるまで

    クリスマス回は、こないよ!!!!!

  • 61二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 08:15:34

    クリスマスはスズランがいる所に集まりそうだしな

  • 62二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 08:18:28

    保守

  • 63二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 15:55:07

    保守

  • 64二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 20:34:31

    保守

  • 65二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 20:37:53

    >>59

    子育て日記:154日目 鷲莧セサモ

    スズランちゃんが帰ってくる頃にはもうへとへとくたくた、今日も大冒険だったようで

    すぐにぐっすサと眠うてしほいまもた。なにやら夢にの中でも天冒険をもているようです

    どんな夢を見ていゑのでじはうか?幸せで楽しヽい夢だといいなを思います

    ゐねまょ、せ丶)よすレよナょ よよ 、ナ ニ レ ゞょ、さ

    ゐ ぬ よま、也りょ ょ、レ よナょはま、たょき

    ――――――――――――――――――――

    私の名前はスズラン、ここはどこだろうか。ぽかぽかしている。

    上は青い、おそら。下はふわふわしている、おそら。

    お腹にはウェーブキャットさん。一緒に遊びにきた。


    「いいこですね、スズラン。ねんねーねんねー」


    ミネママがふわふわしている。

    ねんね、と言われても眠くない、困った。

    ちょっと寝ようと頑張ってはみたが、困った。眠くない。


    「ミネママ、眠くない」


    「ふふ、お返事しちゃいましたね。」


    ミネママが頭を撫でる。ふわりと体を包んだのはミネママの羽根。

    最近、寒くなってきたから、よくミネママが羽を乗せてくれる。これすき。

    お腹の中でウェーブキャットさんが踊りながらハナママの声で歌う。


    「ねーんねん、こーろーりよーおころーりーよー」


    だから眠くない、こまった。ハナママはこまったひと。

    どこにいるんだろう、と見回すと、ずいぶん大きなハナママがぶんぶんとなにかしてる。

  • 66二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 20:38:05

    >>65

    「もうハナエ、スズランちゃんが起きちゃったらどうするんですか?」


    そんな大きなハナママをセリママがぺしん。

    あー、叩いたいけないんだー。きゅうごだー!

    私はハナママの所にいってぎゅっとすると、セリママが頭を撫でてくれた。


    「どんな夢を、見ているんでしょうね…」


    夢とはなんだろう、見る。目の前にある。ママたち。ゆめ?

    うーん、と悩んでみると、ママたちがふんわりと私を包んで世界がぐるぐるした。

    ――――――――――――

    気が付くと、目の前にはサクラコ。

    とっても美人、でも今日は大きさがなんだかかわいい。


    「さくらこだー、わっぴー」


    「わっぴー!わぴわぴーわっぴー!」


    きゅっきゅっきゅきゅきゅとわっぴーに合わせて踊るサクラコ。

    一緒に踊ると、楽しい気持ちになってきた。

    サクラコと遊ぶのはとても楽しい、サクラコもずっと一緒にいればいいのに。

    なんだか楽しくなって私も踊ると、サクラコのそっくり服を着たパンの色の猫さんが近寄ってきた


    「マリー!」


    「にゃー!」


    マリーをぎゅっとして、一緒にウェーブキャットさんダンスを踊る。

    すると、ヒナタが後ろからぎゅっとする、やわらかい。

  • 67二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 20:38:18

    >>66

    白黒の人たちとお空を歩く、白黒のひとたちは歌う。私も歌う。

    なにを言ってるのかはわからないけど歌う。歌っていると、おうちの外にいた。

    今度は黒い服のみんながいる。おべんとうをひろげてピクニックだろうか。


    「スズランさん、おなかぐーぐーですね。」


    「ハスミ!いっしょクッキーたべる!」


    おなかがグーグーしているハスミにクッキーをあげて一緒に食べる。

    ハスミはおおきいから、おおきいクッキーをあげる。

    すると、ハスミの肩の上にツルギが隠れていた。


    「…ギヘヘ、スズランちゃん、こんにちわ」


    「ツルギもはい!」


    ツルギにもクッキーをあげると、受け取ってハスミの髪の毛の中に隠れてしまう。

    でも、チラチラとこっちを見ながらクッキーを食べている。

    いつのまにかマシロがいる。マシロはバナナを「あーん」してくれる。


    口を開けてモグモグしていると、誰かが頭を撫でてくれる。イチカだ。

    イチカに気付いて手を引こうとしたが、ふいっと消えてしまった。

    と思ったのだけど、黒いみんなの中に隠れている。


    黒い服の人はかくれんぼが好きだ。ツルギもイチカもかくれんぼが好きだから

    きっとみんなでかくれんぼをすると楽しい。

    でもかくれんぼすると、ママたちが心配するのでやめておこう

  • 68二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 20:38:35

    >>67

    ちょっと喉が渇いたなー、と思っていると

    ナギサとセイアが茶色い飲み物を持っている。ミカもいる。

    ミカはロールケーキもぐもぐしている。いつものだ。きっとナギサを怒らせた。


    「スズランも飲むかい?」


    「飲む!」


    セイアが茶色い飲み物をくれる。オレンジジュースだ。

    ごくごくと飲むと、ナギサはロールケーキをくれた。怒らせてしまっただろうか。

    ちょっとナギサの顔を見ると、ニコニコしていた。

    怒ってない。これは嬉しいときのロールケーキのようだ。


    「スズランさんもはやくロールケーキできるといいですね。」


    ロールケーキをたべる。あまい。前に一回くれたときと同じ味。ふわふわしている。

    ミカと一緒にロールケーキもぐもぐ、苦しそうなミカ、あっちのロールケーキはきっと苦い。

    なんとか食べ終わったミカが私をだっこする。

    ミカのだっこ嫌い。ちょっと痛い。


    私が羽をバサバサすると、ミカの手を離れて空を飛ぶ。

    ナギサもミカも、羽で私の後をおいかけてきた。

    セイアがきてない、迎えに行こう。

    セイアの耳を掴んで羽根をバサバサ、4人でお空を散歩する。


    どんどんと小さくなるおうち。今日は上手に飛べている。あんまり落ちない。

    かなり高く飛んだところで、頑張って羽をバタバタしても飛べなくなった。

    羽根が何かにぶつかっている。周りを見渡すが何もない。

    ぶわーっと地面が近づいて来る。着地しなきゃ。

  • 69二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 20:38:45

    >>68

    大きく羽を広げるが、地面に一直線。

    地面にどーんとすると、へんな帽子と怖い服の人たちが吹き飛んだ。


    「ス ズ ラ ン ち ゃ ん ! !」


    レイサだ。うるさい。ぎゅっとされるとちょっと苦しい。

    でもレイサはかわいい、ライバル。かわいいのライバル。


    「こら、レイサうるさいのはダメだぞ。

     べいび、べいび、べいびおーぅいぇーい」


    「スズミさん!うざわ、うるさくないです!」


    「うるさいよ、べいび、べいび、べいびおーぅいぇーい」


    スズミが歌ってる。歌いながら怖い服の人を叩いてる。なんだこれ。

    でも怖い服の人が悪い事をしているようなので、レイサに抱えられてぺしんとすると

    絆創膏と包帯ぐるぐるで、ミネママみたいに上手に救護できた。


    「ス ズ ラ ン ち ゃ ん き ゅ う ご じ ょ う ず で す ね え」


    うるさい、レイサうるさい。レイサの腕から抜け出すと

    スズミが歌いながらばいばいする。私もばいばいするとスズミがぴかっと光った。

    眩しいけどかっこいい。いつか真似したい。

    きっとあの歌に秘密があるに違いがない、今度教えてもらおう。


    ぴかっとしたあと、気づくとぺろろのおうち。

    そこに住んでいるのはヒフミとアズサ。

  • 70二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 20:39:01

    >>69

    「ペロロ、ぺろろぺろー」


    「ばにばに。」


    「ぺろろー」


    「ばにばにばにばに」


    ヒフミとアズサがお話をしている。何を言ってるか分からないけど楽しそう。

    とりあえず参加してみよう、羽をバサバサとビッグブラザーさんの真似すると、私の羽根が青くなる


    「びぐびぐ!」


    「ぺろろー。」


    「ばにばに。」


    仲間にいれてくれた二人となかよくペロペロばにばにしていると、コハルとハナコが笑っている。

    なんで二人はいっしょにペロペロばにばにしないんだろう。

    こっちこっち、と手招きしてみても、仲間にはいってくれない。


    二人とも動かない。ハナコはわかるけど、なんでコハルもなんだろう。

    じっとしてる二人のところに行くと、ハナコがよくわからない呪文を言う。コハルが怒った。

    きっとハナコが言ったのはコハルを怒らせる呪文なんだろう


    この二人はきっと仲良しなのに、なんで怒らせたいのだろう

    まあいいや。きっといつかは分かるのだろう

    コハルが怒って爆弾を投げると、煙がもくもくして本が飛び出した。

  • 71二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 20:39:32

    >>70

    ばらばら、と本がいっぱい積み重なって本の部屋になる。

    ここは、知ってる。こしょかんだ。

    ウイとシミコを探すと、ウイがクレヨンを持って、シミコが紙をいっぱい持って待っててくれる


    そうだ、お絵かきの時間だ。ママの絵を描かなければ。

    ママ達にはサンタさんが来てくれないかもしれないから、わたしがひみつのプレゼントをするのだ。

    一生懸命ママを描き始めるけれど、上手にかけない。

    練習練習、いっぱい絵を描く練習をしよう。ママの名前をいっぱい書こう。


    「スズランさん、上手ですね」


    「スズランちゃん、ミネママはこう書くんですよ」


    たすかる。とてもたすかる。

    シミコがくれたホットミルクをごくごく飲む。トイレいきたい。トイレを探さなければ。


    でも、どこまで歩いても、右も左も本棚。

    こまった、とても困った。

    いっぱい歩いているうちに、ウイもシミコも迷子になってしまったようだ。

    ミネママも、セリママも、ハナママも見つからない。とてもこまった。


    いっぱい歩いて、いっぱい我慢をしてみたが、トイレはついに見つからなくて

    私は噴水におっこちた。

    ――――――――――

    目が覚めると、いつもの部屋の中。

    右を見ると、ミネママ、左を見るとハナエママ。

    ちょっと先にはセリママが「どうしたんですか?」とむくりと起きる。


    本当に困った。本当に困ってしまったので、私は大きく、息を吸い込んだ。

  • 72二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 20:47:04

    >>52,メンションミスってた…

    するだろうねえ、いつかはするんだろうねえ…

    そしてそこできっと幼少期の思い出や、新しい友達と救護騎士団をやるんだろうね

    >>61,困ったことに、どうやってスズランを話の中に登場してない人たちの所に置いていこうか、取り回しに困る、とても、困る、

    >>62,>>63,>>64:保守たすかる、とても助かる


    はい、今日は完全な閑話こと、スズランの夢の中のお話。

    もう番外でやれよ、ってのは若干俺も感じてはいる。


    でもやりたくなったんだよ!!!

    子供から見た(自分から見ての)大人の認識ってやりたいじゃん!!!


    整合性を考えなくていいから楽なはず、って書き始めるまでは思ってたんだけど

    思考を抽象的に落とし込んで、思考回路を子供に落とし込んで

    その上で文章考えるのとっても難しかった…やらなきゃよかったってくらい難しかった…


    次回、ツルギに脅されて、スイーツ部がケーキ作りを教えさせられる、になる予定。

    スイーツ部、ケーキ食う側だけど、作れるのかな…

  • 73二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 21:38:10

    お布団に世界地図描いちゃったかー

  • 74二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 21:55:34

    高熱を出した時に見る夢ペロか?ってなるほど、カオスな夢ペロね

  • 75二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 23:49:32

    スズランから見た世界…観測した夢…
    我々が悪夢と思うものが正しい世界であり、
    我々が現実だとするものは、ないものが見え、あるものを見落とした間違いの世界なのかもしれないペシ。
    純粋さとは子供故に持つものか、大人故に失ったものか、
    思いのすれ違うこの青春の世界でこの感性は大変に尊いものペシ
    ほらナギサ、見習って!ナギサは疑いすぎ!


    …幼児退行ナギサ×スズラン概念…だめだそんな業の深いこと私には…

  • 76二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 06:58:31

    朝保守ペロ

  • 77二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 11:12:31

    動画みて本スレ全部読んでしまった
    是非とも続いてほしい

  • 78二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 12:47:24

    このレスは削除されています

  • 79二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 13:03:54

    >>78

    スレは12時間は持つ

    保守は余裕を持って10時間経ったあたりでやればよろし

    あまりやりすぎるとスレが埋まる

  • 80二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 18:55:24

    幼児退行ナギサ概念面白いな

  • 81二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 20:54:09

    書き終えたペシ先だよ
    テレグラフについて教えて有識者ぁああ!

  • 82二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 20:58:55

    今テレグラフ使えたっけ…?

  • 83二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 20:59:58

    ついさっき立ったスレにも貼ってたからいけるのでは?

  • 84二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 21:14:13

    >>81

    やあ、1だよ。

    まずはここにアクセスして内容を書くんだ

    TelegraphTelegra.ph is a minimalist publishing tool that allows you to create richly formatted posts and push them to the Web in just a click. Telegraph posts also get beautiful Instant View pages on Telegram.telegra.ph

    そして右上の「PUBLISH」を押下するとアドレスバーに表示されるアドレスが変わるよ。

    つまり、アドレスが取得され、公開できる状態になったってことだね。


    それをコピペするとこうなる

    TelegraphTelegra.ph is a minimalist publishing tool that allows you to create richly formatted posts and push them to the Web in just a click. Telegraph posts also get beautiful Instant View pages on Telegram.telegra.ph
    %E3%81%82%E3%81%82%E3%81%82%E3%81%82-05-18

    編集するときは、右上にあった「PUBLISH」が「EDIT」に変わってると思うから

    それを押せば、編集モードに入れるよ

    編集が終わったらまた「PUBLISH」を押すんだ。

    すると、内容が更新されるよ


    ちなみに、今もアクセスはできるみたいだよ

    障害情報については、わからないや…

  • 85二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 21:14:35

    そうだったか
    なら普通に書き出してURL貼り付ければいいな

  • 86二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 21:16:13

    おや、なんか更新できてないな…

    昔まとめようとしたところは、見られるみたいなんだけどな…


    救護騎士団の子育て奮闘記 1スレ目ほんのりと汗ばむ季節になった。もう少ししたら夏がやってくるのだろう。

    そんな陽気にあてられながら、衣料品の袋を胸に抱えて少女は歩く。

    自分のストロベリーブロンドの髪が決して長くはないものの。額に張り付いて少しだけ気持ちが悪い。

    救護騎士団に荷物を置いたら、シャワーでも浴びに行こうかと思いながら歩くいていると

    かすかに、ほんのかすかにだが、子供の泣き声が聞こえた気がした

    その声に誘われるまま、地下へと続く道へと歩みを進める。

    どれだけ歩いただろうか、もう泣き声は聞こえはしないが子供が取り残されていたら、と探すのを諦められずにいた。

    さすがに、地下とだけあって地上よりは少し涼しいものの、それでもやはり暑いと感じる温度だ

    古ぼけた地下墓地の中、墓標のようなものの上に置かれていたのは、周囲の古さに似合わない真新しいバスケット

    「これは、なんでしょうか…」

    つい中を覗き込んでしまったセリナが見たのは

    見つけてしまったのはバスケットの中、バスタオルに包まれて、ぐったりとした赤ん坊だった。

    泣きもせず、目は薄く開かれて、その双眸は期待もなく、少女を見上げていた。

    反射的にバスケットに手を伸ばし、額に手を充てると赤子にしても異様に高いと感じる体温。…
    telegra.ph
  • 87二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 22:26:22
  • 88二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 22:28:35

    ちゃんと読めるペロね

  • 89二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 22:31:56

    読めるじゃんねかわいいじゃんね

  • 90二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 22:34:03

    >>87

    So Good👍

  • 91二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 22:35:13

    トリニティにもお姉ちゃんの座を狙う生徒居そうペロね

    >>87

  • 92二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 22:39:55
    「おとまり!」後半「スズランさんは散歩がお好きなのですね」

    「うん!」


    「最近は新しいところに行ってはさんぽしたがって…子どもの体力と侮れないです」


    「なるほど」


    「好奇心が強い子で…」


    「あれもそれでですか」


    「みねまま!とき!ねこさんつかまえた!」


    「また捕まえてきて…ネコさんも嫌がってますから、元いたところに返してあげてください」


    「はーい…」


    固まってしまった、横を向いて何かを見つめている。いや、探している?


    「どうかしましたか?」


    「みねまま!きゅうご!」


    !!

    感じる、聞こえる、救護の声が


    「ええ、救護を求める声が聞こえます」


    いつの間にかスズランのほうが救護を求める声に敏感になっていたようで、私より早くそれに気づいていた。


    チンピラ「おらああああ!!!ここは今日からうちらのシマや!!!」


    「なるほど、サポートします。アビ・エシュフ」


    チンピラ「蹴散らしてやる!」


    数分後


    チンピラ「チッ!!覚えていろよ!」


    こちらは全員無事、向こうの負傷者何名かもすでに手当済み

    あっけない救護だった


    「おとといきやがれ、です。いえい」


    「トキさん、助かりました。そのスーツ…飛べるのですね…」…
    telegra.ph

    さあ後半ペシ!長いぞ覚悟しろペシ!

  • 93二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 23:04:00

    >>92

    読んでると、ナギサ様とお菓子作りをするスズランちゃん良いペロね………色々作ってる中でミカがつまみ食いをして、ナギサ様が完成したロールケーキをミカの口にぶち込むペロ。それを見てキャッキャするスズランちゃんを見たいペロ

  • 94二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 23:09:35

    >>92

    Very Good👍

  • 95二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 01:47:29

    保守

  • 96二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 01:57:48

    >>71

    子育て日記:155日目 朝顔ハナエ

    スズランちゃんがおねしょをしてしまいました。

    そのせいかスズランちゃんは朝からご機嫌斜めです。というよりも恥ずかしそうにしています。

    天日干しされたシーツを見るたびに、ちょっと頬を膨らませています。

    しかもその噂を聞きつけたみんなが嬉々として見に来るせいで、ご機嫌斜めになっていきます

    ―――――――――――

    シーツとマットレス、団長と私、そしてスズランちゃんの寝巻が冷たい風と冬の陽気に揺れる。

    そんな中、私達は部室の中で、その隅っこでスズランは小さくなっていた。


    「スゥちゃん、怒らないでください

     みんなスゥちゃんのかわいいところが見たいんですよ」


    「やぁだぁー!」


    部屋の隅っこで小さくなるスズランの頭を撫でるが、べちん、私の手を弾く。

    その顔はとても拗ねた顔になってしまっている。

    少し離れたところでは、そんな姿を写真に収めるセリナ先輩。

    その顔は、団長と同じでスゥちゃんの子供らしい大失敗に緩み切っている。


    「子供は誰しも失敗するものです。そうやって成長するのですよ、スズラン」


    「そうですよ、スズランちゃん、失敗するから大人になるんですよ」


    その顔で言っても、スズランの不機嫌が加速するだけだと思う

    そしてやっぱり、それは予想通り、スズランを部屋の隅の隅へと追いやった。


    ちょっとした大失敗をし続ける二人を置いておいて

    なんとかスズランの期限を取ろうと悪戦苦闘していると、部室の扉が開いて、ハスミさんが扉の間から顔を覗かせる。

    その後ろには黒い制服の子が一人、膝を擦りむいているようだ。

  • 97二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 01:57:59

    >>96

    「すみません、この子が怪我をしてしまいまして…

     あれ…どうしたんですかスズランさん。」


    ハスミさんが部室に入ってくると、部屋の隅にぎゅっと収まるスズランに目を向ける。

    ちらりとスズランさんがハスミさんの方を見ると、私の横を何かがすり抜けた。


    そうかと思えば、いつのまにかハスミさんの足の後ろにスズラン。

    ぎゅっとハスミさんのスカートにしがみ付いて、私達をむーっと睨んでいた。


    「あら…お母様たちとケンカしちゃったんですか?」


    「ママきらい!」


    その言葉にミネ団長が膝から崩れ落ち、セリナ先輩は驚いた表情のまま固まりつくしていた。

    ミネ団長が膝をつくなんて、私達が見ることなど滅多にない。

    それどころか、始めて見る気すらするその姿にちょっとびっくりした。


    「…困りましたね。ケンカの理由はともかく、今日はうちでお預かりしましょうか。」


    「……お願い…いたします…」


    ミネ団長が絞り出すように言うと、スズランはふん!とポーチと水筒

    そして最近のお気に入りのサンタさんの絵本を用意して

    お出かけにしては珍しく、こちらを振り向かずに部室を後にした。


    「怒られちゃいましたねぇ…」


    床に突っ伏して、ドン!と床を叩くミネ団長を横目に

    私は苦笑いする正義実現委員会の部員さんの治療を始めた。

  • 98二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 01:58:26

    >>97

    ――――――――――――――

    「なんでお母様とケンカしてしまったんですか?」


    「おねしょした。ママわらった…」


    「ああ、それで…」


    よほど怒っているのか、てちんてちんと大きな足音で踏み鳴らしながら歩くスズランさん

    つんと怒った表情がかわいいので、こっそり写真を撮ると、私の足をぺしりと叩く


    「はーしゅー!」


    「はい、ごめんなさい…」


    部室に帰り着き、扉を開けると、いつも預かる時に座っているソファへと向かう。

    スズランさんの突然の来訪に、そのソファで呆けていたツルギが背筋を正す。

    いつもなら、他の部員を怖がらせると変な気を使い見回りにばかり出ているのに

    こんな時に限っては、タイミングよくいるものだ。


    「…ス、スズラン…ちゃん…?」


    「つるぎ!きいて!ママひどい!」


    「…うん?…うん!あ、はいぃ!」


    ツルギの隣、ソファへとよじ登ってぼすんと音を立てて座ると、スズランさんはツルギへと一生懸命に事情を話す。

    (スズランさん、たぶんツルギは緊張のあまり、何を言っているか理解していませんよ。)

    なんて水を差すことは言う必要もないだろう、と放置をしていると

    しばらく話をすると落ち着いたようで、ふぅ…と一息ついて、ツルギの翼ごとソファにもたれかかった。

  • 99二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 01:58:37

    >>98

    身動きがとれなくなったツルギの横で、スズランさんが絵本を開く

    もくもくと絵本を読むスズランさんの隣で、ツルギは「これは?」と指さされる言葉に

    しどろもどろ、一生懸命に説明をしていた。


    「これなーに?」


    「け、ケーキ…クリスマスケーキ…」

     …クリスマスは、みんなでケーキを食べる…から…」


    「くりますけーき…」


    ぴょんとソファから飛び降りるスズランさん。

    崩れる姿勢を器用に翼で整えて、事務仕事をする私に駆け寄って来る。

    どうしたのだろう、と机を離れてスズランさんが来るのを待っていると、べちん!と盛大な音を立てて転ぶ。

    大丈夫かな、と手を差し伸べようとしたのだが、スズランさんはそのまま絵本のケーキを指さした。

    その挿絵には、オーブンから出てくるケーキのスポンジと、それにクリームを塗る子供の姿。


    「はしゅ!けーき、ケーキつくる!くりすますけーき!」


    「クリスマスケーキを作るのですか…?」


    困ったことに、ケーキを作ったことはない。

    作り方は、調べればわからない事はないのだろうが、上手にできる気はしない。

    それをうまく伝える事ができるだろうか、と思い悩む。

    考え込んでいた私に、慌てておいかけてきていたツルギが言う


    「奴らに任せればいい。…部活があっただろう」


    「スイーツ部ですか?彼女たちも食べる専門なのでは?」

  • 100二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 02:00:43

    >>99

    「知らん。いざとなれば…、そうだな、ゲヘナに恩を返してもらうとしよう」


    ギヘヘヘと笑うツルギ。何か悪い事でも思いついていそうな邪悪な表情だが

    この表情にして、たぶんみんなで一緒に楽しくケーキを作ることしか考えていない。

    まあ、ツルギも楽しそうではあるし、協力をしてあげるのもいいかもしれない。

    ――――――――――

    1時間後、ツルギによって、縄で縛られた四人組が運び込まれた。

    ツルギに理由も言われず追い回され、捕縛され、ここに連れてこられたらしい。


    「あの…なんで私達、ここに連れてこられたんでしょうか…」


    「そうよ!悪い事なんてしていないわよ!」


    口々に文句を言う彼女たちに、ツルギは睨みを効かせる。

    怯える3人に、睨み返す1人。私は頭を抱える。なんで素直に事情を説明してお願いをしなかったのか。

    なんて口にしようと思ったが、ツルギがそんな器用なことができるわけもなかった。


    「手荒なお招きとなり、申し訳ありません」


    私が縄をほどくと、彼女たちはぐでっと床にばらける。

    すぐに起き上がったり、床の上にとろけたままだったり四者四様、なんともまとまりのない4人組

    そのうちに縛られていた手首をさすりながら、カズサさんが口を開く。


    「で、こんな真似したってことは、何かあるんでしょ。」


    「はい。あなた達には、ケーキを作って欲しいのです。」


    「「「「はぁ?」」」」

    唖然とする彼女たちをさておいて、ツルギの顔は不気味にそして私にしか分からないわくわくをひそめていた。

  • 101二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 02:23:49

    >>73:子供と言えば、というネタを消化してなかったからね

    正直、作者としてはやってやったぜ、という気持ちだぜ…

    >>74:むしろ、意味が分かるようにするの大変だったんだよ!!!

    というかみんな夢ってこんなもんじゃないの…もっとちゃんとしてるの?

    俺の夢は毎回整合性なくて夢の記憶が残ってる間に「なんだったんだあれ…」ってなってるんだが…

    >>75,>>80:そこまで行くともはや別スレだよwww

    なんでみんなナギ様にそんなおいたわしい事させたがるんだwwww

    というわけで、俺は書きません。書きたければ誰か書いてもいいけどもw

    いや、誰もいない時に乳児期スズランに赤ちゃん目線で接するナギ様は…アリか…?アリかもしれん

    >>77,動画から!いらっしゃい!

    誤字脱字も多いけど、ゆっくりしていっておくれ。

    もうすぐ本編は完結すると思うけど、終わったらスレが落ちるまで番外編を書いていくと思うよ

    >>78,>>95:もしかして動画から見に来てくれたんかな…

    >>79の言う通り、 最新の書き込みから12時間 保つからそんな急がなくて大丈夫だよ

    たぶんPCもスマホも最新のレスのしたくらいにピンク色で何時で落ちるよ、って書いてある。

    具体的に俺は残り2~3時間前になると焦り、残り1時間で過呼吸を始めるよ…

    俺としては気持ちがすごく楽になってうれしいとこではあるんだけどもね

    よかったら保守がてらその日の更新分の感想とか読みたいネタをくれるとすごく、とても、嬉しいんだ


    はい、今日はスイーツ部への導線通しでした


    もしかするとお察しの方もいらっしゃるかと思いますが、

    スズランちゃんが「ケーキ」でハスミに駆け寄っていく、ということは

    そ う い う こ と、でございます。


    明日はたぶん、スイーツ部+ツルギ+フウカのわくわくパティシエールです

    フウカが出てくるかどうかは、最近勝手に文章を書いてくれるようになった俺の指に聞いてください

    最近ネタからどういう展開になるか、マジで、書いてる本人も、わかりません

  • 102二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 02:37:25

    >>101

    夢はなんか同じ作業を繰り返す夢を見るペロね。スズランとハスミ……ペシってことペロ?

  • 103二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 02:44:01

    >>102

    食いしん坊キャラ認定…

  • 104二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 06:57:36

    保守
    先生とお出かけしてラビット小隊やヴァルキューレと出会うのみたいな

  • 105二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 08:27:56

    そ う い う こ と
    かぁ…美味しいケーキできたらはしゅにも分けてあげてねペシ

  • 106二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 12:31:19

    ケーキをたくさん作るなら専用機材がいるけどスズランのプラン次第じゃな

  • 107二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 20:15:55

    スイーツ部ならレイサも来るペシかねぇ

  • 108二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 22:12:33

    スズランに初めてちゅーをしたのは誰だろう

  • 109二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 23:09:12

    >>100

    調理室を貸し切ったまではいいものの、部屋の隅で立ち尽くすツルギ

    ひそひそと相談をするスイーツ部の皆さん

    これはダメかもしれない、と見守る私とスズランさん。

    そんなグダグダな様相で始まったケーキ作り。


    「…どうした。」


    「ひぃ…!ツルギ委員長…!あのいま段取りの相談をしていますから…」


    怯えた様子のアイリさん。

    そんな怯えなくても、ツルギもお手伝いしたいが何をすればいいか分からないだけですよ

    なんて言っても、この部屋中、誰もそんな言葉を信じはしないだろう。


    その言葉に無言で返し、部屋の隅に戻っていくツルギ

    きっと何をすればいいか指示されるまで待つつもりなのだろうが

    そこは唯一の出入り口、スイーツ部の皆さんからすると、退路を塞がれた形になる

    という事には気づいてなさそうだ。


    相変わらずひそひそとした声でヨシミさんが言う


    「どーすんのよ!ケーキなんて作ったことないのに!」


    それにカズサさんが言葉を返す


    「…強行突破で逃げる?」


    「そんなことできるのはキャスパリーグくらいでしょ!」


    「誰がキャスパリーグだって!」

  • 110二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 23:09:27

    >>109

    そんな小さな争いを止めるアイリさんの傍ら

    ナツさんがスマートフォンをポチポチと、なにやら探し物をしている様子


    「ケーキのレシピ、割と簡単そ~じゃない?」


    その画面を覗き込む3人、一生懸命にレシピを読もうとしているようだが

    ケーキ作りのレシピがそんな簡単なわけもなくぎゅうぎゅう詰めになりながら画面を見る。

    私も同様に調べてみると、レシピはいくつも見つかるものの

    何やらよくわからない用語が多分に含まれていて、ため息ひとつ画面を見るのをやめた

    ヨシミさん、カズサさん、アイリさん口々にレシピを見ながら文句を漏らす


    「えっと、なに?材料が…薄力粉…無塩バター…バターって普通塩入ってるの?」


    「うげ、こんな砂糖入ってるんだ…そりゃ太る…」


    「そもそも冬にイチゴって…スーパーに売ってるのかな…」


    椅子に座った私の膝の上、絵本を一生懸命に読んでいるスズランさんが

    ふぅ、と小さくため息、そして私の顔を覗き込むと「これ、大丈夫?」と言わんばかりに不安顔。


    「危ないので、しばらくの間見ていましょうね」


    「あい。」


    大人しく私の膝で見学モードのスズランさん。

    大丈夫な気こそしていないが、かといって他に頼れる人もなく

    ツルギ自身はやる気満々とくれば、きっと彼女は意見を変えはしないだろう。

    そんなこんなの進まないやり取りに、しびれをきらしたツルギはまたも近寄っていく。

  • 111二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 23:09:40

    >>110

    「始め、ないのか?」


    「えっと、あの…はい、まずは材料の買い出しに行かないと…」


    「…わかった。」


    アイリさんの提案で買い出しに、とにもかくにもと進み始めたケーキ作り

    そんな様子を見守りながら、モモトークを開いて先生へと連絡をした。

    ――――――――――――

    ドカーンと盛大な爆発音、そして調理室内に巻き上がる黒煙。

    それを見守っていた私とスズランさんは、自分にふりかかる煙を二人で翼で仰いで逃がしていると

    聞こえてきたのはヨシミさんとカズサさんの怒声。


    「なんで爆発するの!?」


    「ナツ、あんたオーブンの設定間違えたんじゃない?」


    料理をしていて、オーブンが大爆発をするなんて

    フィクションの中の出来事だと思っていたのだが、ともすればこういう事も起きるものだ。

    やはり食べるプロと、作るプロというのは、得てして違うものだというのがよくわかる


    「まあ、こういうことにもなるよね~」


    「そもそも余熱の段階でバチバチ言ってたような…」


    「キエェェェェアアアアアア」


    そんな中、私のモモトークがピコンと音を鳴らす。

    先ほど送ったメッセージ、先生からの返信は"大丈夫、教えてくれるって。"

  • 112二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 23:09:50

    >>111

    呆れ顔、というよりも、頼む人を間違えたかもしれない

    と言わんばかりのスズランさんを抱きかかえ私は立ち上がる。


    「今日はこのあたりにしましょうか。

     また後日、プロに教わることにいたしましょう。」


    払いきれなかった煤をスズランさんの羽根から払うと

    思ったよりもその柔らかな翼が煤を吐き出した。

    その言葉にしばらく考える4人、そして何かに気付いたようにヨシミさんが声を上げる


    「そんな人に伝手があるなら私達いらなくない?」


    「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」


    「……なんでも…ないです」


    が、それもツルギに阻まれたようで、どうにも逃がしてはもらえないようだ。

    きっとツルギは、みんなでケーキを焼くという経験をしたいのだろう。


    どうしてもと言うのなら、正義実現委員会の部員とやればいいのに。

    なん考えたりはするものの捉えられてきたこの4人の手前

    今更言い出すこともできず、私は気付かなかったふりをした。


    モモトークの通知を見ると"明後日のこの時間にしよう"との返信を見つけ、私は言う


    「では、また明後日。この時間に調理室に集まることにしましょうか。」

  • 113二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 23:10:00

    >>112

    ―――――――

    なんとか調理室を片付けたあと、私とツルギで廊下を歩く。

    スズランさんは私の肩車の上で羽をバサバサと、あちらこちらを見渡していた。


    「お前の、肩の上はさぞ眺めがいいだろうな」


    「あら、羨ましいのですかツルギ。」


    くだらない会話をしていると、スズランさんが私の頭にぎゅっと抱きつく。

    私の特等席、と言わんばかりに腕と羽根のハグに視界を塞がれる。


    「スズランさん、前が見えないですから。

     ほら、お母様のところに帰りつけませんよ」


    「やーだー!」


    「やだではなく…あぁ、そうでしたね。ケンカの最中でしたね。」


    視界を塞がれた状態の私の袖を引いて、ツルギが「こっちだ」と言う。

    どこに連れていくのかと思ったら、塞がれた視界の端にはベンチが見える。

    しばらくベンチに座って少し休んでいると、近寄って来る3つの足音。

    視界に捕えようと、私の視界にかかる翼に手をかけた瞬間には、もう肩の上から重さが消えており

    私の目の前には、見たこともない表情、しょんぼり顔のミネ団長がいた。


    「あの…スズランを迎えに参りました。」


    「やーだー!」


    「スズラン。笑ってごめんなさい。」

  • 114二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 23:10:55

    >>113

    いつの間にやら、私とツルギを盾にするように背中に回っていたスズランさん。

    ツルギは盾にされてまんざらでもない表情だが、私は困り果てる。


    「ごめんなさい。スズランちゃん、ほら一緒に帰りましょう?」


    「ねー、スゥちゃん。二人も謝ってるので、許してあげてください」


    「やぁ!だぁ!」


    どうしてもスズランさんは許せない様子で、3人の手からすり抜けて逃げ回っては

    毎度、私たちの背中に隠れて3人をむーっとした顔で睨んでいた


    「今日は、私の部屋に泊まりますか?」


    「はーしゅ!はしゅのとこいく!ツルギも!」


    突然巻き込まれたツルギ、状況的にまた奇声が上がるかな。とちらりと横を見るが

    認識はしたようだが許容量オーバーな様子、ベンチに干された掛け布団のように、だらりと溶けてだしていた。


    「……はあ。仕方ありませんね…こればかりは私達の失態です

     ハスミさん、お願いをできますでしょうか。」


    「ええ、かまいませんよ。ツルギも喜んでいるようですし。

     パジャマなどはあとで届けて頂けますか?」


    「承知いたしました。…よろしく、お願いいたします。」


    救護騎士団の3人が揃って頭を下げる。

    その後ろで、スズランさんが「べぇ!」と舌を出した

  • 115二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 23:12:08

    >>108

    先生意外だと争いになりそうペロ……

  • 116二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 23:18:36

    ツルギ、ケーキ皆で作りたいツルギ、かわいいペシね、乙女ペシね、青春ペシね
    もともとツルギの保護者みたいなハスミなので救護騎士団以外だと一番安心できるペシ
    ハスミが暴走して暴食に走ってもツルギが止めるからこの二人好きペシ
    補い合ってるコンビな感じが良いペシ

  • 117二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 23:20:09

    >>104:学外は番外編で書くよ!

    いまのところ、忍研、ゲーム部は書けるかな、ってイメージ。

    ラビット小隊…うち、誰もおらんのよな…こまった…

    >>105:たぶん、一番にフォークを口に突っ込まれるのがハスミなんじゃないか説がある

    どう進むのか正直俺にもわからねえ…

    >>106:大量生産まではしないと思う、たぶん作って救護騎士団の3人+スズラン分かな。

    でもクリスマス当日までに、何個ケーキが作られるのかは、謎。

    >>107:すまねえ、たぶんレイサの出番はねえ…

    スイ部だけでも割とキャラが多くて手一杯になるのにそこにレイサを足せる余裕がねえ…

    一気に1場面に出しちゃうと、立ち絵が無い分、誰が誰やらになっちゃうからね…

    >>108,>>115:かんがえて、ないよ!!!!!!!!!!!

    俺にそんな繊細なお話づくりができると思うてか!!!!!

    >>116:割と夏イベでもそんな感じだったし、ツルギはね、いいよね…いまだに顔怖いけど。



    やらかした感が、あります。

    申し訳、ございません…


    親子ケンカをちょうど離れる口実にいいかなー

    とか軽い気持ちで始めて見ましたが、ケーキ作りと親子喧嘩が重なって

    何が何やらと云うことになってしまいました。


    自分の腕以上の事やっちゃだめだね!!!


    というわけで、次回、親子喧嘩解決編で片づけて

    次々回、ケーキ作り回(フウカ呼び出し)、という献立でございます

  • 118二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 23:28:34

    親子喧嘩することで、親も子もまた成長するペロ。そして、親から離れて学べることもあるんだなぁ。と、親がそこからこの成長を感じるんペロ。だから、気にせず進行していいと思うペロ

  • 119二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 23:30:13

    親が子離れしないといけないこともあるペシからねぇ

  • 120二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 06:15:37

    仲直りできたらいいな、
    次はフウカかぁ、楽しみです

  • 121二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 07:46:20

    大きくなったらイブキと出かけたりする時に、マコトのことがあるから心配するトリニティ組は居そうペロ

  • 122二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 14:57:38

    ちょっと早めの保守

  • 123二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 19:26:32

    こういうのは自立として記録に残さなきゃってなるのわかる

  • 124二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 20:49:14

    >>114

    子育て日記:155日目‐夜 羽川ハスミ

    シャンプーハットを被せると、スズランさんはわしゃわしゃと上手に髪を洗っていました。

    自分の体を洗うと、他の生徒のところに駆け寄って行き

    背中を流してあげているのはいつものことなのでしょうか

    風邪をひかないかと少し心配になりましたが、寒くなるとお風呂に戻ってくるようで

    皆さんがしっかり健康に対する教育をされているのがよくわかりました

    ――――――――――――――――――

    「ぬくいねぇ」


    肩まで湯舟に浸かって、目を細めているスズランさん。

    はふー、とため息をつくようにお湯にひたっているのはそれはそうだ。

    知り合いの生徒に出会っては背中を流してあげたり

    ちょっとした怪我に「きゅーご!いく!」と叱っていたり、あちこち行っては体も冷えるだろう。


    「今日はハスミさんがお風呂に入れてあげているんですね。

     救護騎士団の皆さんはどうされたのですか?」


    髪と体を洗い終えたのか、濡れ髪のマリーさんがその華奢な体にタオル掛けて目の前に現れる。

    その向こうには洗い場でまだ髪を流している様子のサクラコさんとヒナタさん

    よくよく見れば、わしゃわしゃとシミコさんに頭で泡を立てられるウイさんもいるようで

    きっと何かの流れでお風呂に入りに来た、というところだろう。


    「マリーさん、こんな所でお会いするなんて。

     それが、お母様達とケンカをしてしまったらしく…」


    大浴場の時間が派閥ごとに区切られていたついこの前までは、こんな場所で会う事もなかった。

    しかし、最近になって急に派閥での使用時間制限が解除された。

    それは一部の生徒の活動から生まれたものらしかった。

  • 125二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 20:49:27

    >>124

    まことしやかに囁かれるその活動の理由と言うのが実にくだらない。

    「偶然時間が重なって、スズランちゃんに背中を流してもらえた生徒がいる」

    それとともに、派閥的に時間が合わない生徒が上申した、なんて噂が流れていたが


    それとなしに聞いてみたところ、スズランさんが背中を流すようになったのはその後で

    仲のいい友達と一緒にお風呂に入りたかっただけの生徒の苦し紛れの言い訳だったのだろう。


    もちろんいまだに大きな派閥には専用の時間が設けられてはいるものの

    無制限となっている主要な時間帯に入りに来る生徒、というのも割合としてはかなり多い。


    「お隣、よいですか?」と訪ねてくるマリーさんに少し場所を詰める

    そもそも詰める必要があるほどこの大浴場は狭くもないが、これは肯定の意思表示。


    「それは、困りましたね…大丈夫なのでしょうか」


    「本当に、そのケンカの理由と言うのが、また困ったものでして…」


    私達が話を始めると、十分に温まったのかまた生徒達の背中を流しにいくスズランさん。

    冷えないように絞ったタオルを巻いて転ばないように

    「走ってはだめですよ」と声を掛けると「はい!」と手を挙げて歩いてゆく


    「はぁそんな事が…」


    「ミネ団長も、子供がかわいいのは分かりますが

     一番救護が必要なのは、あの人の頭なのではないかと思う事があります」


    「辛辣ですね…」


    「まあ…、彼女とは昔の頃から色々とありまして。」

  • 126二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 20:49:42

    >>125

    とりとめのない話をしながらスズランさんを見守っていると

    体を洗うウイさん達を見つけたようでシミコさんによりシャンプーで目を塞がれたウイさんに忍び寄り

    突然と体をわしゃわしゃと洗いだすと、その唐突な来訪者にウイさんが飛び跳ねて驚くと

    その隣にいたサクラコさんを巻き込んで転んでいた。


    「何をやっているのだか…」


    最近はサクラコさんのイメージが変わったようにも見受けられる。

    未だに恐れている生徒も多く、おいたわしいなんて言葉をたまに聞くことがある程度のものだが

    確実に、サクラコさんという人だけでなく、シスターフッドという存在も変わりつつあるのだろう


    スズランさんが、サクラコさんとヒナタさん、シミコさんとウイさんの4人を連れて戻って来る。

    サクラコさんとヒナタさんが体を隠すように前に構えたタオルを引っ張って、こちらに連れてきていた。

    湯舟に転ばないようにと添えた手は、すっかりと冷えてしまっている。


    「ほー、ぬくいねぇ…」


    「今日はスズランさんは救護騎士団の方々とご一緒ではないのですね」


    スズランさんの後を追いかけるように湯舟に入りながら何の気なしの話を振るサクラコさん。

    その後ろで、大浴場へと入ってきた救護騎士団の3人組とスズランさんの目が合うとぷい、と目を背けられたのを見て察した面々。


    「……風の噂で聞き及んでいましたが、本当だったのですね。」


    「でも今日も古書館に来てましたよね?」


    湯舟に足先だけを漬けて「あれ」と不思議そうなウイさん。

    確かに、ケーキ作りのあとに古書館に行きたいと言うので確かに連れて行った。

  • 127二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 20:49:52

    >>126

    「それは、私がお連れしたのですが、入口で追い返されてしまいまして…」


    「今日も一生懸命に…」


    そんな話題にスズランさんは不安げな顔、何かを隠している風ではあるが

    それに優しくシミコさんが微笑みかけて、ウイさんへとヒミツのジェスチャーを送る


    「それでも、お母さんたちは、大好きなんですよね。」


    スズランさんは肩から口までススス、とお湯に潜ると口から泡をぶくぶく。

    恥ずかしそうな顔をして、知らんぷりを決め込んでいた。

    ―――――――――

    「…キェェアアアアア!!私は、私は…夜警をする!!」


    「ツルギ、煩いですよ。何時だと思っているのですか。覚悟を決めなさい。」


    時計はもう消灯時刻を回り、寝巻に着替えて私の私室で騒ぐツルギ。

    袖をスズランさんに捕まれていても、子供の力から逃げられないツルギではないはずなのだが

    それでも振り払うことをしないのは、ある意味スズランさん"力"が強いのかもしれない。


    「つるぎ、うーしゃい、ねんね。」


    水色の鳥のぬいぐるみを抱いて、ツルギをぐいぐいと引っ張ってゆくスズランさんと

    そんなスズランさんに抵抗できず、ベッドまで引きずられてゆく間奇声を上げるツルギ。

    ここ、と指さされた私のベッドに大人しく寝ころぶ。


    「はぁ、ようやく観念しましたか。」


    私もスズランさんを挟んでベッドに寝ころぶと、ホラー映画のようなツルギの顔を目が合った。

  • 128二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 20:50:03

    >>127

    「なんて顔をしているのですか。目が怖いですよ」


    「………黙れぇ。」


    それは私が聞いた中で、最も迫力のないツルギの「黙れ」の一言だった。

    そんな私たちの間からスズランさんは月を眺める。

    今日は満月とだけあって、煌々とした月の光が窓から部屋の中を照らしていた。


    「スズランさん、お母様たちを許してあげないのですか?」


    「やーだ…」


    「でも、ケンカしていたら離れ離れになってしまいますよ」


    「…やーだ!」


    「…じゃあ仲直り…しないとな…、ケンカしたら…仲直りだ…」


    どの口が、と言葉が飛び出しかけるが、その穏やかな顔に私は口を噤む。

    優しくスズランさんの頭を撫でているツルギの手の中、スズランさんは少し涙ぐんで

    その瞳に月の光を貯めると、ゆっくりとその目を閉じて眠りについた。

    私達もそのうちに瞼が重くなり、静かな夜が深けてゆく。


    目が覚めた時にはもうスズランさんはお布団の中にいなかった。


    そして、モモトークには2通の通知。

    深夜に1通、こちらはツルギ「スズランちゃんが抜け出した。後を追いかける。寝ていろ。」

    朝に1通、こちらはミネ団長「ありがとうございました。スズランはこちらに居ます。御礼は後日改めて。」

  • 129二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 21:00:54

    >>118,120:ペロ先、ありがと。親子喧嘩ってなんかいいよね

    自分だったら、親めんどくせえ、ごめん被る、なんだけどねw

    >>119:ね、子育てと言えばちょっと離れていく寂しさも、いいよね!エアプだけど!

    >>120:安心しろ!そしてフウカは次回来るよ!どんな顔で来るかは決めてないよ!

    >>122:保守あり!その時間に保守されると、よっしゃ深夜まで締め切り伸びた!!!って安堵する…

    >>123:自分が親だったら気が気じゃないんだろうけどねw


    お風呂回だったよ!!!サービス回だと思うたか!!!!!!

    ただちょっと学校の雰囲気の変化を書くために、みんなで使う場所だっただけだよ!!


    はい、というわけでサイレント仲直りです。

    最近、自分の書き方がよりにもよってまた回りくどい書き方するようになったな…

    と感じております。


    明日はフウカのお料理教室かなあ…


    そのあと何もなければ、古書館組の締めをして、クリスマスに直行するよ

    もしかすると、合間で救護騎士団と編み物する…かもしれない。


    クリスマスが完結ではないけど本編中に差し込みたい概念があれば

    今のうちに書いておいてくれるととても助かる


    たぶんこのペースなら、次スレ前半あたりで本編は完結するんじゃないかなあ

    ちょっと終わり方はまだ道筋立たずふわふわしているので引き伸ばしするかもだけど…

    すまない…俺の構成力は…信用ならないんだ…

  • 130二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 21:43:45

    ケンカ中だったけど、クリスマスケーキもママ3人といっしょに笑顔で食べてるのを思い浮かべたんだろうなぁ

  • 131二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 22:29:27

    しかし、名誉美食研究会のフウカたんが関わるということは美食研究会も出てくる可能性あるペロか。フウカたんが美食と関わってる時が可哀想だけど可愛いと思ってしまうペロ

  • 132二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 23:32:09

    夜中ということは夢を見たから途中で起きたペシかね
    このままだと仲直りできなくなる夢か
    仲直りして一緒にケーキを食べる夢か
    あるいはハスミが寝たあとも実は考え込んで起きていて、
    それをツルギは気づいていて
    考え終わりに飛び出してツルギが追いかけてか。
    何を考えているかツルギはわかっていた。だから連絡も「連れ戻す」とかでなく、「追いかける」≒「送り届ける」のようなことを…

    いやまあ寝てるってハスミが言ってるから後者はなさそうペシね、わかってるペシよ。でも過保護ツルギいいじゃんねペシ。

    ペシ。(余韻)

  • 133二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 07:58:40

    コタツの居心地が良くてあまり外に出かけなかったせいで正月太りするスズランちゃん概念。ハスミと頑張ってダイエットしてもらうしかないな

  • 134二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 07:59:54

    ペシ(過余韻)

  • 135二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 14:45:15

    ペシ先がレスしてるから時間に余裕あるペロね。スズランちゃんに交流が増えるのは喜ばしい半面、マコトみたいな輩が居ないか保護者組は心配になりそうペロね

  • 136二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 18:19:31

    ゲヘナが絡むと心配事が一挙に増えるの実にゲヘナ

  • 137二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 19:29:47

    すいません、この期間限定の初めて雪を見てはしゃぐスズランってまだやってます?
    ……トリニティって雪降るのかな?
    数年に一回の大雪でみんなではしゃぐっていうのも良いかもしれないな……

  • 138二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 20:30:08

    クリスマスが終われば年越し、正月、バレンタイン、卒業、エイプリルフールがあるペロ

  • 139二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 23:20:50

    >>128

    子育て日記:157日目 羽川ハスミ

    今日もスズランさんを預かることになりました。

    スズランさんとお会いした時に、飛びつくように来て下さるのは

    いつものことではあるのですが、何度でもやはり嬉しい事ものですね。

    ――――――――――――――

    いつもの笑顔な先生と、不承不承という顔のゲヘナの生徒会長の間に挟まれて

    エプロンをしているのが愛清フウカさん。

    ゲヘナの食を一挙に担う、調理のスペシャリストだという。


    なんで自分がここにいるのか理解していない顔で唖然としているフウカさんを

    スイーツ部の皆さんと、ツルギと私、そしてスズランさんが並んで出迎える。


    「先生、私はなぜここにいるのでしょう…」


    "美食研究会の被害のお詫びにって呼び出されちゃってね。

    "ケーキの作り方を教えて欲しいんだって。"


    「ケーキ作りは構いませんが…、なんで私が…」


    「ふん、これで貸し借りは無しだ」と一言、ゲヘナの生徒会長が踵を返した。

    フウカさんの表情は相変わらず釈然せず、その背を見送ろうとしたのだが

    それはその後ろで両手を腰に手を当てて見ていた少女によって阻まれる


    「マコト先輩!スズランちゃんにいう事があるだよね!」


    「イブキ…私には立場というものが…

     トリニティの奴らなぞに頭を下げるわけには…」


    「言う事が、あるんだよね!」

  • 140二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 23:21:09

    >>139

    イブキさんの声に押し返されて、ゲヘナの生徒会長ことマコトさんがこちらへと振り返る。

    スズランさんはその顔に「うげぇ…」と言わんばかりの顔をしているが

    どうやらイブキさんの方が立場が強いらしく、マコトさんはスズランさんの前に膝を折る


    「この前は…その、侮辱したかったわけではない。その翼はとても珍しい、特別なものだと…」


    「マコト先輩!ちゃんと練習したでしょ!」


    「…ごめんなさい……」


    頭を下げて見せるマコトさんに、スズランさんは「ふぅ」とため息。

    無言でその目の前に、自分の羽根を一枚差し出した。

    これはスズランさんなりの仲直りの合図なのだろう。


    「なんだこれは…くれるのか…?」


    「ごめんねした。あげる。」


    「そうか…大切にさせてもらおう。どうだイブキ、ちゃんと仲直りしたぞ。」


    イブキさんに受け取った羽を自慢げに見せるマコトさん。

    「よくできました!」と褒めるイブキさんに気を良くしたのか

    部屋を出る足取りでフウカさんの肩を叩き「キシシシシ!あとは任せる!」と気前よく言い放つ


    まったく、どちらが大人か分かったものではないな、なんて思っていると

    部屋を出たマコトさんと入れ違いに、イブキさんが飛び込んできてスズランさんに抱きついた。


    「えへへ~。スズランちゃん久しぶり~。遊びに来たよ~

     じゃあ、マコト先輩またあとでね」

  • 141二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 23:21:22

    >>140

    イブキさんのその言葉にマコトさんは絶望をする顔を残して、先生と共に部屋を出る。

    というよりも、先生に引かれて連れていかれた、と言う方が正しいのだろうか。

    ナギサさんと会合がある、と言っていたのできっとその件なのだろう。


    場もようやく落ち着きを取り戻すと、フウカさんがぱちんと手を叩く。


    「では、ケーキ作りを始めましょうか。」

    ―――――――――――

    黒板に書かれたレシピをみんなで復習をしていた。

    インターネットで調べたレシピとは材料から全然違うそのレシピは

    スズランさんの年齢が不詳であることを伝えると、フウカさんが少し考えて書き出したレシピだ


    「いいですか、お菓子作りは精密作業です。必ず手順通りに行ってくださいね」


    スイーツ部の皆さんの手元にはそれぞれノート。

    覗き込んで見ると、個性はそれぞれ出るもので几帳面だったりイラスト交じりだったり。

    スズランさんと、イブキさん手元には落書き帳。

    イブキさんは幼いイメージの割に、かなり几帳面に書かれている

    スズランさんのほうは、残念ながら何を書いているのかわからない。


    「では、みんなで調理を始めましょう。まずは計量からです」


    「これは?小麦粉が600gと書いているのに空っぽで300gもあるんだけど~」


    「ナツちゃん…まずボウルの乗せたらリセットボタンを押さないと…」


    楽しいお料理教室が始まったのだが、前途多難なのかもしれない。

    頭を抱えるフウカさんに共感しながら、私はその様子を写真に収める。

    そのフレームの隅では、ツルギが仲間に入りたそうに様子を見ていた。

  • 142二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 23:21:37

    >>141

    「ツルギ、あなたも参加をしてください」


    「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……」


    ツルギに声をかけると、ゆらりゆらりとこちらに近づく。

    そして、ヨシミさんとカズサさんが開けてくれた隙間へとぬるりと入り込む

    ヨシミさんは少し怯えているようにも見えるが、カズサさんはなんだこれ、と言いたげな表情

    とは言いつつも間にいれてくれるあたり、よほど嫌われているようではなくて一安心だ。

    何をすればいいのかわからない様子のツルギにカズサさんがボウルと卵を渡す。


    「はい、ツルギ委員長は卵の準備して………ください…」


    目が合ったカズサさんの勢いが少し失せる。

    その向こうで、そんなカズサさんの姿を笑うヨシミさんとナツさん。

    フフ、ぷぷ、と珍妙なものでも見るかのような笑い声


    「カズサが押されてる」


    「さすがの正義実現委員長の前ではかのキャスパリーグも形無しか」


    「だからキャスパリーグって言うな!」


    「もう、ケンカしちゃダメだってば!」


    ツルギにを挟んでの仲の良いやり取りに、ツルギが「ギヒヒヒヒ」と笑うと

    4人の目が一斉にツルギに目が向かい、信じられないようなものを見る目で見た、

    そんな表情を向けられることに、ツルギが周りを見渡して「?」を浮かべる。

  • 143二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 23:22:02

    >>142

    「もしかして、笑ってる…?」


    「ギェヒ…私が笑うのは、そんなにおかしいか?」


    「……ツルギの笑い声は普段からそんなものです。笑い方が不気味で不器用なだけなのです」


    私の一言にツルギが少しムッとした顔をする。

    しかし、そんな事はお構いなしに誰ともなしに、場の空気が笑いへと傾いてゆく。


    「ふふ、そんな笑い方ある?」


    「ただ怖い人なのかと思っていました…」


    「正義実現委員の長だからね。ナメられまいとしていたのかもね~」


    そんな感想を口々に言う彼女らに、スズランさんが口を挟む。

    とてもまじめな顔をして、自分は間違っていないことを確信しているとばかりの言葉。


    「つるぎは、かわいい。」


    誰一人としてそんな事を言う人はいなかっただろう、考える人もいなかっただろう。

    しかし、彼女の真剣な顔が「なんでそんなにみんな不思議そうなの?」と語っていた


    「これでも、かわいい一面はあったりするのですよ

     先ほど先生がいらした時なんて、緊張のあまり膝が笑っていましたし。」


    「…ハスミ、いらないことを言うな…」


    「事実ではありませんか。今に膝から崩れ落ちる所だったというのに。」

  • 144二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 23:22:31

    >>143

    こんなにも、ツルギがいる場が笑いに満ちた事があっただろうか。

    その不器用さから、どうしてもその中心にツルギがいることなんて無かった。

    しかし、今は違う。それが私の中で、何よりもどんなことよりも嬉しかった。


    みんなが談笑するのをしばらく見守ってくれていたフウカさんがパンパンと手を叩く。


    「はーい、皆さん手が止まってますよ!

     あ、ツルギさん、卵に殻が…というか握り潰してるじゃないですか!?」


    「卵握りつぶすとか、どんな握力してんの…?」


    「あら…手が卵塗れですね…」


    アイリさんがタオルでツルギの手を拭う。

    スズランさんとイブキさんが笑う。私も笑う。


    その後も、ツルギが粉塗れになったり

    スズランさんとイブキさんがクリーム塗れになったり、レンジとオーブンの操作を間違えて爆発させたり

    いくつもの難を乗り越えて、ケーキ作りを達成することになる。

    お昼から始めたケーキ作りも、そのころにはもう冬の太陽が山頂の少し上まで迫っていた。


    私はきっと忘れない。

    ツルギがぽろりと零した「楽しい」という一言を。

    こちらをちらりと見て、わざと聞こえないように言った「ありがとう」の言葉を。

  • 145二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 23:39:15

    >>130,>>132:俺さ、こういう「言わなかったこと」を読んだ人がいろいろ想像してくれるのが

    とても、とてつもなく好きなんだよ。あぁ、読んでくれてるんだな、って考えるだけで嬉しくなる。

    流し読みとかではなく、想像してくれて物語として読んでくれるのがとても嬉しい。

    >>131:ないです。すみません。ないです。たぶん…

    >>133:あぁ…いいね…正月太りか…子育て、って感じじゃないから、自由に書ける番外になると思うけど

    いいな…団長とハスミとランニングに励むのいいな…書きたいな…

    >>134:保守助かる。

    >>135:裏側としてはある気がするよね…、冗長になっちゃうから書きにくいけど

    色々と心配する救護騎士団のみんな、ってのはちょっと書きたいかもしれん…

    >>137:聖堂のメリークリスマスで降ってたから雪はクリスマスに絡めようかと思ったけど

    確かに雪遊びするのは挟みたいかもしれない。クリスマスまで救護騎士団の親らしい出番ないから

    どこかに挟みたいな…そして、エンディングが先送りになるのであった…

    >>138:正月明けくらいにエンディングで、それ以降はちょっと余白にしようと思う…

    理由としては

    ・他学校番外編を挟む場所にする(かなり成長したので、学区外にも出られるかなと)

    ・3月まで描こうとすると本編で降られていない3年組の進路の話が否が応でも出るから俺解釈になる

    ・超個人的な好みとして読む人が想像する上で、想像しやすい日常の余白をエンディング後に残したい

    ・引き伸ばし過ぎ感を自分で感じてる…


    すまねえ、出す意味はあんまりないんだけどマコトに出てきて頂いた。

    前にも言った通り、俺はゲヘナは箱推しなんだ…主に風紀委員会ではあるんだけど…

    その上でマコトを自分の手で「ただ嫌な奴」としか書かなかったのがちょっと後悔してたので

    どうしても、ちょっと間抜けでかわいいマコト、を書きたかったんだ…


    次回がクリスマスケーキ編の締めになるので

    フウカたんにはそこでスズランちゃんと絡んでもらおうかなと。

    登場人物が多いの、とっても難しい…

    そして、スイーツ部の解像度不足が甚だしい…

  • 146二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 23:52:23

    ツルギ可愛いいいいいいペシねええええええええええええええええええええええ!!!!!

  • 147二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 00:16:48

    番外編でもいいので誕生日(拾った日?)の話は欲しかったけど、想像で補うか

  • 148二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 01:26:06

    晄輪大祭で応援するスズランちゃんとかも有りペロね

  • 149二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 07:46:36

    朝保守

  • 150二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 07:53:09

    一回誘拐されてるからね…心配になるのは当然。
    アリス・イブキ・スズランのクエストを護衛する三大校連合とかありですか?

  • 151二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 16:09:57

    ケーキ作りはやはりワイワイしながら出来るのがいいよね

  • 152二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 21:34:26

    ペロぉぉぉぉ!?保守を忘れてたペロ………

    >>150

    ユウカを護衛につけるなよあいつは攫う側ペロ(ユウカへの偏見)

  • 153二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 23:51:31

    >>144

    ―――――――――――――

    合計3つのケーキが出来上がり、それをお皿に取り分ける

    一つは売り物のようなケーキ。これはフウカさんがお手本に作ったケーキ。

    一つは少しだけ不格好。スイーツ部の皆さんと、ツルギが作ったケーキ。

    そして最後の一つは、ボロボロながらもとてもかわいい、スズランさんとイブキさんが作ったケーキ。


    「お連れ様でした…」


    クタクタな様子で出来上がったケーキを切り分けてくれるフウカさん。

    それもそうだろう、つい先ほどまでさんざんスイーツ部の皆さんとツルギに振り回されて

    てんやわんやの大騒ぎだったのだから。


    「ありがとうございました…」


    「いえいえ、いつもに比べればかわいいものですから。」


    それぞれのお皿の上に、ケーキが一切れずつ置かれ

    スズランさんはフォークを手に持って人生で初めての自分で作ったケーキに目を輝かせた。


    「たべていい?たべていいの?」


    「どうぞ、きっと美味しくできていますよ。」


    ケーキにフォークを立て、一口分を切り分ける。

    その一口大のケーキの断面、イチゴの赤と、クリームの白、スポンジのきつね色をしげしげと眺める

    隣のイブキさんもそれを優しい目で、最初の一口を見守っていた。


    ぱくり、とフォークを口に含む。おくちに対して少し大きかったのか

    口の周りにクリームをつけて、もぐもぐもちもち、口を動かすごとに笑顔が輝く

  • 154二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 23:51:45

    >>153

    「どう?スズランちゃん?美味しい?」


    ふんふん、と頷くスズランちゃん。

    それを聞いて、自分もと一口食べるイブキさんも、同じように笑顔になった

    二人で笑顔を向け合いながら、ケーキをもぐもぐ。

    一生懸命につくったケーキの幸せを嚙みしめるその表情にこちらまで幸せになる。


    ようやく自分の口の中のケーキを呑み込み終わったのか牛乳を一口

    「ぷはー!」と声を上げて、もう一口ケーキをフォークに取り分ける。

    またそれをしげしげと眺めると、何かを思いついたかのように椅子から飛び降りる

    そしてフウカさんの隣へと駆けていくと、フウカさんの前にそれを差し出した


    「え?くれるんですか?」


    「ふーか、けーき、おいしい!ありゃまます!」


    フウカさんが口を近づけると、優しくその口にフォークを差し入れる。

    もぐもぐと口を動かすフウカさんの表情を見ながら、わくわくと何かを待っているスズランさん。


    「はい、とってもおいしいですね。初めてなのにすごいです!」


    フウカさんの感想に、ほっぺたに手を当てて足をバタバタ。

    最上級の喜びの表現に、フウカさんの頬も緩んで見える。

    それを見たフウカさんはこちらへと目を向けて、信じられない物を見るような顔


    「……なんですか、この子、とってもかわいいんですけど…」


    「ふふ、ですよね。とっても素直で優しいトリニティの至宝です」

  • 155二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 23:51:55

    >>154

    ひとしきり感情が落ち着いたのか、いったん自分の席に戻ったスズランさん

    椅子によじ登ろうとするのを助けると、まってまってとフォークをお皿に置いて

    「もいかい!もいかい!」と、もう一回床に降ろしてくれと指を指す。


    「どうしたのですか?」


    床に降ろすと、自分の羽根をガサゴソ。

    なるほど、と眺めていると、やっぱりというか羽根を抜いてまたフウカさんのもとへと駆けてゆく。

    もう一度自分のもとに戻ってきたスズランさんにフウカさんは不思議顔。

    にっこり笑顔のスズランさんは羽根を、いや羽根束を差し出した。


    「あげる!ふうかすき!あじゃます!」


    「ありがとうございます、喜んでもらえてとっても嬉しいです」


    「ふふ、フウカさんとっても気に入られましたね

     他の人はもらえても1枚なんですよ、こんなに貰えるなんて本当に嬉しいんでしょうね」


    「え、そうなんですか?…照れちゃいますね…」


    フウカさんは羽を受け取ると、それをしげしげと眺める。

    その不思議な模様に目を奪われていると、スズランさんも何かに目を奪われる。

    その目線の先には、大きな角。その視線に気づいたのか、フウカさんが少し上に目を向ける


    「角が不思議ですか?そうですね、トリニティの方には無いですからね。」


    床に膝をついて、スズランさんと同じ目線まで頭を下げる。

    それをしげしげと眺めながら不思議顔のスズランさんに「触ってみますか?」と尋ねると

    スズランさんは恐る恐る、指先でその角に触れた

  • 156二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 23:52:09

    >>155

    「かちゃいねぇ…かっこいいねえ…」


    「カッコいいですか?ふふ、ありがとうございます。」


    「ほほぉ」と感嘆を漏らしながらその不思議なものを眺めていると、いつのまにか隣にイブキさん


    「イブキにも角あるんだよ!

     そしてね、今日はスズランちゃんにこれをあげようと思って!」


    帽子をとって見せてくれるそこには、小さな2本の角がある。

    フウカさんに比べると小さなその角にをスズランさんが見つけて目を輝かせると

    イブキさんはその後ろ手に隠していた何かをスズランさんに差しだした。


    それは角がついたカチューシャ。それをひょいとスズランさんの頭につけると

    スズランさんはその頭の上で感触を確認しながら初めての感触に不思議顔


    「これでお揃い!」


    「スズランちゃん、よく似合っていますよ。」


    「はしゅ!みて!しゃしん、しゃしん!」


    「はい、とってもよく似合っています」


    スズランさんに急かされるままに写真を撮ると、3人はその画面を覗き込む

    仲良く肩を寄せ合うそこには、私が今までこだわっていた

    トリニティだ、ゲヘナだという境目はそこにはなかった。

  • 157二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 23:52:25

    >>156

    「その写真、私にも送って貰っていいですか?」


    「イブキにも!送って送って~!」


    二人の連絡先を教えてもらい、その写真を送る。

    その姿を神妙な面持ちで見守るスズランさんさん。

    それぞれに写真が送られたのを確認すると、スズランさんは私の腕を引っ張った


    「もういっかい!」


    少し離れて、もう一枚写真を撮ろうとするが、スズランさんは放してはくれない。

    ぎゅっと私の腕を握って二人の方へと引っ張り

    さらにツルギとスイーツ部の皆さんも呼び寄せた


    なるほど、スズランさんの意図を理解する。

    インカメラに切り替えて、腕を伸ばすも画角が足りずになかなか収まりきれない

    そんな中、そのカメラに収まろうとぎゅうぎゅうと肩を寄せ合い

    なんとかフレームに収まった瞬間に写真を撮ると

    私に被らないように一生懸命に顔を傾けたフウカさんに

    そこにはクリームを口につけたままのツルギ、先ほどツルギに粉塗れにされたスイーツ部の皆さん

    まだ洋服にクリームをつけたままのイブキさんとスズランさん。

    写真が取れたことを確認すると、誰からともなく笑いだす。


    そんなひと時を過ごしながら、食べ残していたケーキを食べているともう夕暮れが窓の外を染めていた

    こんな平穏で幸せな毎日が続くならきっとこれが実現されるべき正義なのだろう。


    なんてそんなことを考えていると何やら学園の中が騒がしい

    またネズミでも出たのかな、なんて軽い考えをしていたのだが銃声が入り混じりそんな事態ではないと思い知った

  • 158二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 23:52:38

    >>157

    緩んでいたツルギの顔に迫力が戻り、一気に普段の仕事に引き戻される。。

    それでも私達の仕事が、つい先ほどまでの幸せな時間を作るのだ、と自分に気合を入れると

    調理室の窓とドアが吹き飛ばされて、4人のゲヘナの生徒が姿を現した。


    「フウカさんがトリニティに誘拐されたと聞いて助けに参りましたわ!」


    「えっ、は!?ちょっとハルナ!?なんでここに美食研究会が!?」


    「確保ですわ!さあ、フウカさん!逃げますわよ!!」


    唖然とする私達をさておいて、アカリさんといったか金髪の方にフウカさんが担がれる。

    その状況にもかかわらず、慣れた事のようにフウカさんがたままこちらに手を振って声を上げた。


    「あの!クリスマスケーキ!本番が上手くいくと、いいですね!」


    「さあ逃げますわよ!正義実現委員会が来る前に…なんでここにいるんですの!?」


    私とツルギの顔を確認すると、げっ、と言わんばかりの4人組。

    私達が反応するよりも早く、部屋中には煙幕が炊かれ、それが明けるころには

    爆破された調理室のドアを残して、彼女たちは影も形もなくなっていた。


    「ツルギ!追ってください!」


    「キェェアアアアア!!!!!」


    それをツルギ達が追い回している間のこと。

    クリスマスに備えてケーキを冷蔵庫に仕舞っておこうとするスズランさんになんとか説得を試みて

    その理由を納得してもらえるまでに随分と時間をかけてしまった。

  • 159二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 00:02:08

    >>146:ツルギいいよな、ブルアカ始めた当初はこんなイメージになるとは思いもしなかった…

    >>147:そうか…誕生日か…でも卒業式後が分からないんだ…

    すまねえ…すまねえ…

    >>148:すまねえ!俺には書けないよ!俺には公式のタイムラインと相反することは書けないよ!!

    原作と二次創作のストーリーがケンカすると、もう頭の中で整合取れなくなるからね!!!

    >>149:保守たすかる!!!

    >>150,151:どんな登場人物の量になるんだ…

    俺の実力で書けるわけがないんだ…少なくともトリニティ総出と万魔とセミナー、ゲーム部

    10人とか俺の腕を考えたら確実に物語が立ちいかなくなるよ!!!!!!


    はい、というわけでケーキ作り編、終わり。

    たぶん次回で12月中頃だから、雪を降らせるか

    古書館を先に終わらせるか、ちょっと悩みどころかな…


    ずっとクリスマスが伸び伸びだし

    先にクリスマスを終わらせて、雪はクリスマス~正月間の方がいいのかもなあ

  • 160二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 00:38:46

    フウカたんは勘違いした仲間の美食に連れ去られたペロね。それはそれとしてエデン条約はここにあったペロ

  • 161二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 05:10:26

    人と人はいつしか分かり合い、互いに笑って過ごせるようになれると…わしは、信じちゅうぜよ!

  • 162二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 06:17:36

    まーた、美食はァ…

    >>160

    …仲間……ペシ?…………

  • 163二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 09:51:00

    このレスは削除されています

  • 164二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 09:52:30

    このレスは削除されています

  • 165二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 10:06:16

    感想ついでに思いつきのお目汚しを一つ‥

    ・トリニティテンシモドキ
    トリニティ全域に生息が確認されている生き物。
    未だ幼体であり、警戒心が少なく、興味のある対象に「きゅーご」という鳴き声とともにマーキングを施す姿が確認されており、一説によるとマーキングを施した相手は救護対象兼お気に入りであるとされている。
    トリニティアオゴリラと共生する姿が主に目撃されており、他にもトリニティクロゴリラや極小数の目撃例であるが、トリニティピンクゴリラとも行動をともにしている様で、将来は生態としてトリニティテンシゴリラになると学会では囁かれている。
    関係が親密になると自らの羽を渡す生態も確認されていて、対象に危害を加えるようなことがあれば、トリニティに住む羽を持つ様々な生き物から敵対される恐れがある。
    トリニティから生息域を大きく逸脱する姿は確認されていないが、ゲヘナシロモップやレンポウセイトカイギョウセイカンとの邂逅も確認しているため、トリニティだけではなくキヴォトスのテンシになる日も近いという専門家の意見もある

    スズランちゃんの生態に目が話せない今日このごろ

  • 166二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 15:55:32

    このレスは削除されています

  • 167二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 19:26:21

    >>162

    ペロ?フウカたんは美食に車を貸したり、いつも一緒にいるから美食の仲間じゃないのかペロ?

  • 168二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 20:29:58

    >>158

    子育て日記:170日目 蒼森ミネ

    最近のスズランの隠し事がなんなのか、誰も教えてはくれません。

    きっと悪い事ではないとは思います、そしてそれが親離れであることも分かります。

    子供というのはそうやって成長していくものだという事は分かっているつもりでした。

    しかし、それが何かを知りたくなってしまうのが親というものです。

    ―――――――――――――

    スズランがシミコさんに連れられて古書館に向かった後

    私達は作りかけていたマフラーをそれぞれが完成させるころ顔を見合わせる


    「…行きますよ。セリナ、ハナエ。」


    「団長、やめておきませんか?」


    「先輩は気にならないんですか!?

     スゥちゃんが毎日何をしているのか!」


    「それは気になりますが…自立を邪魔してしまうのは…」


    セリナは難色を示しながらも出掛ける準備をしていた。

    セリナの言う通り、私達の方こそ子離れができていないのかもしれない。

    きっとスズランが自分の力でやり遂げたいことを邪魔してしまうのは良くないことだ。

    だが、少しだけ何をしているのかをこっそりと覗くくらいは許されてもいいのではないだろうか。


    無理のある持論を無理繰りに飲み込みながら、私はテーブルに救急キットを準備。

    それは部室を空ける時にいつも置いているもの。そこに置手紙を添えて部室を後にした。


    「セリナ、スズランの居場所は?」


    「古書館ですね。ずっと動きはないようです。」

  • 169二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 20:30:12

    >>168

    建屋を出ると、もう肌を刺すように冷たくなった風が袖から吹き込む。

    できる限り目立たないように古書館を目指そうとしていると、その道を塞ぐようにシスター服の方たち。

    その先頭に立っていたのはサクラコさん。


    「あら?ミネ団長…救護騎士団皆さん揃って、どこかにお出かけですか?」


    「少し、お散歩と言いましょうか…

     ……あまり部室にじっとしていても健康に悪いですから…」


    「そうでしたか。子育てに追われていては自分の時間というのも取れないでしょうからね

     たまには子育てを離れて、少しお祈りでもしていきませんか?」


    遠慮しておきます、と断ってしまうのも散歩という体を崩してしまうだろうか。

    しかし聖堂は古書館とは反対側、ちらりと古書館に目を向けると

    その隣にいたマリーさんとヒナタさんに私達は挟まれてしまう。

    私に強く勧めるようにぐいぐいと背中を押すヒナタさん


    「きょ、今日は日曜礼拝で、聖歌のお披露目などもあるんですよ」


    「そのあとは皆でお茶会でもしようかとお話をしていたんです」


    隣にいたセリナの手をマリーさんが引く。お茶会の言葉にハナエは少し気になり顔。

    なんだか少し強引な気もするが、スズランの秘密を暴こうとしていた後ろめたさに

    私達は逆らえずに少しずつ教会の方へと押されかけていた。


    「実はセイント・アンド・メディカル者の関係者の方も日曜礼拝に顔を出される予定でして

     普段、あの会社の製品をお使いになることも多いでしょうし、お礼をいう良い機会では?」」


    その一言につい私の心は揺らいで、ついに教会へと足向きを変えた

  • 170二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 20:30:26

    >>169

    ――――――――――――――――


    静かな古書館の中、私とシミコはスズランさんの様子を見守る。

    私は古書の修復作業を止めて、シミコは書架の整理の手を止めて

    その大仕事を終えようとするスズランさんの様子を固唾を飲んで見守っていた


    紙に顔を近づけて、一生懸命に最後の塗り残しを丁寧に丁寧に塗りつぶしてゆく。

    手元には3枚の絵。そしてその3つを並べては同じように塗り残しがないか

    失敗しているところはないかとその橙色のぱっちりとした目をさらに大きく見開いて

    端から端まで眺めては慎重に慎重に、息を止めては綺麗に塗ってゆく。


    うん、うん、うん。何度かスズランさんが頷く。

    そしてガタン、と椅子を引く音がする。

    その表情はとても嬉しそうで、クレヨンで頬を汚しながらも透き通った笑顔。


    「うい!しみこ!できた!」


    スズランさんが紙を掲げるとそこには4人の人影が描かれた絵。

    きっと、丁寧にとても丁寧に書かれたのであろうそれを自慢げに空中に掲げる

    その背中ではピコピコと羽根が上下に揺れて、その嬉しさを表現している


    「ふふ、いよいよ完成しましたか。」


    「おめでとうございます!」


    見て見て、と私達のもとへと駆け寄って来るスズランさん。

    私達に絵を渡して、もじもじと顔を伏せた。

    そしてちらりと前髪の隙間から見せた不安げな顔でこちらを覗き込んで尋ねる

  • 171二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 20:30:42

    >>170

    「まま、よろこんでくれる?」


    「はい、絶対に!ですよね。委員長!」


    「きっと一生大切にするでしょうね。

     …スズランさん少し絵をお預かりしてもよいですか?」


    私は思いついてしまう。きっと彼女たちはこの絵をとても大切にするだろう。

    でも、いつか紙や文字、絵という物は色あせてしまう、朽ちてしまうものだ。


    紙の品質は悪くないはず、クレヨンだって写本を作るために準備したもの、生半可なものではない

    しかし、この絵はいつか擦り切れてしまうだろう

    彼女たちが思い出に浸る時、それを見る時にそんなことになってしまったら悲しむだろう。


    きっと、私はスズランさん達の力になれる。


    私は司書の上にあった修復中の本を避けてスペースを空ける

    シミコが何かを察したかのように棚から様々な道具を持ちだしてくる。

    それは古書の修復、特に重要な文献を扱うときにその保護を目的として利用する道具たち。


    「シミコ、準備をお願いします。

     この絵を、本当に一生大切にできるようにしましょう」


    「はい!委員長!」


    「おねがいしゃす!」


    私はスズランさんの手から3枚の絵を受け取る。

    それは他人から見ればただの3枚の紙、その重さがずっしりと手に感じられた。

  • 172二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 20:31:30

    >>171

    ――――――――――

    「…できました。スズランさん羽根を3枚、頂けますか?」


    私の言葉に横で助手をしてくれていたシミコが床にへたり込む。

    私たちの作業の合間、また楽しそうに絵を描いていたスズランさんに話しかけると

    「まってね」とスズランさんは今描いていた絵を完成させると、私たちのもとへと歩んでくる


    「はい!」


    3枚の絵に1枚ずつ羽根を添えて額縁を閉じる。

    キュ、と子気味のいい音を立てて、ビスが木を締める音が静かな書庫の中に響いて

    額縁を裏返してスズランさんに見せると、大きく目を見開いて足をジタバタと鳴らした。


    「あとは包装が残ってはいますけど、それはシミコの方が上手いでしょう」


    「はい、お任せください!」


    「あがと!うい、しみこ、ありがと!」


    バタバタと今まで絵を描いていた机の方に駆けて戻り

    その手に2枚の絵を持って戻って来る、その興奮気味な動きに転ばないかと心配したが

    ちょっとよろめきながらも、私たちの目の前までたどり着く


    その絵には黒髪で背の高い女と、明るい髪色に眼鏡をかけた女の子。

    私たちの特徴を捉えた人影が描かれていた2枚の絵をスズランさんが私達に差し出す。

    『ありがとだいすき』最近覚えた文字が描かれたそれに、私の口を笑みがひとつ零れた。


    「永久保存しなければならないものが、もう二枚増えましたね」

  • 173二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 20:41:41

    >>160,>>161:バタフライエフェクトだ(ドヤァ)

    小さな環境の変化が、大きく世界を変えてゆくのってなんか素敵よね。

    1人の人も小さなきっかけで大きく変化するのもまた、とても素敵よね…

    >>162:美食はデウスエクスマキナみたいなもんだよ!!

    どう締めようか悩んでたら、もう美食しかいねえって…

    とりあえず出してみたらまじでデウスエクスマキナしてくれたよ…

    >>165:やった!あにまん学名ついた!!

    あにまん学名、地味に好きなんだよね…なんかこう言い表せない好きがある

    またテンシモドキもこう脳内設定にかみ合ってるのが…

    >>167:仲間。。。うん…仲間だよね、うん!!!!

    だって、フウカと美食で仲良く世界の危機救ったもんね!


    というわけで、クリスマスプレゼント編も終わり!

    明日のスレ残量次第でこのスレでクリスマス編まで行くか

    スレ立ててから書くかは決めようかなって

    (地味に1スレごとにオチ持ってきたいというアレ)


    いつものペース的にないとは思うけど

    もしお昼に埋まりそうだったら誰かスレ立てを頼みます…

  • 174二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 21:54:35

    そう、ウイは意外とでかいのであるペシ
    ここ大事。
    私は小さい生き物だと思っていたペシ。隣にホシノとヒナを並べて首を傾げる。ヒナタを並べると
    oh...yeah....

  • 175二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 21:58:59

    シスフによる母親たちの追跡阻止ナイスペロ。そして、協力してくれた2人にも描いてるスズランちゃん、将来は人を思う優しい子に成長するの間違いないペロね

  • 176二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 23:49:50

    自分の羽根躊躇なく引っこ抜くのも生徒たちの「守護らねばポイント」稼いでそう
    野生の鳥でそんなのするのって巣作りか求愛行動のイメージしかない

  • 177二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 01:24:27

    >>172

    子育て日記:クリスマス 蒼森ミネ

    学内はクリスマス一色、電飾やツリー、スノースプレーの飾り付け

    毎年この季節は街も賑わい、救護騎士団のイベントもありと朝から大忙しです。

    ―――――――――――――

    私が目を覚まし寝ぼけ眼をこすっていると、スズランが窓に張り付いて外を眺めていた。

    窓の外には雪が舞っていた。天気予報では昨日の深夜から降り続いているらしく少し雪が積もり始めていた。


    「まま、おはよ!おそらきれい!はねいっぱい!」


    「おはようございます。とてもきれいですね。これは雪と言うんですよ。」


    「ゆき…」と呟いて目を輝かせるスズランは、自分の翼をケープのように体に巻き付けている。

    そこにブランケットを肩へと被せると、セリナとハナエを揺り起こす。

    もういつもの光景と化してしまった私の私室でみんなで眠るこの光景。


    「そうですね、今日は大忙しですから、着替えたら少し雪の中をお散歩しましょうか」


    スズランが「いいの!?」と目を輝かせる。

    今日はお昼のボランティアの間はティーパーティーの皆さんに預かって頂き

    夜はみんなでクリスマスパーティーの予定だが、その前にお散歩くらいは良いだろう。


    顔を洗い、服を着替えて髪と整えて外に出る準備を済ませる。

    セリナとハナエは先生がお手伝いに来てくださるとのことなので先に部室に行ってもらった。

    サンタ衣装に身を包んだ二人をキラキラとした目で送り出したスズラン。

    私の手元では鳴りやまないモモトーク。その犯人はナギサさん。


    「さあ、待ちきれない人がいるようですし、お出かけをしましょうか。」


    「あい!めりくりめりくり!」

  • 178二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 01:24:39

    >>177

    スズランにサンタのような真っ赤な上着を着せると、大きな白いリュックを背に立ち上がる。

    扉を開けると、その光景にスズランは目をまん丸にして大きく息を吸った。

    校庭が白一面に染められたその光景に目を疑うように、何度もぱちくりと瞬きをする

    慎重に、慎重に一歩そこに足を踏み出すと軽やかにサク、と軽快な音が鳴った


    サクサクと音を立てて進むスズラン。

    ずいぶんと大きくなった小さな足跡を残して、ずんずんと進んでゆく。


    「ゆき!」


    「気を付けて歩くんですよ。雪と氷は滑りますからね。」


    ご機嫌に手と羽根を振って歩くスズラン。

    つららを作った噴水まで歩くと、朝日を吸い込んでキラキラと輝くそれを見て駆けだすのだが

    慌てて駆け寄る私よりも先に、近くにいた生徒がスズランに手を差し伸べた。


    「みかね!」


    「スズランちゃん。だいじょぶ?あ、ママといっしょか!」


    「ミカさん、おはようございます。」


    私が駆け寄るのを見ながら新雪に天使のシルエットを残して立ち上がるスズランを抱え上げ

    その服についた雪を払いスズランを地面に降ろすと、スズランはカバンをおろしてごそごそ。


    「はい!みかね!めりーくります!」

  • 179二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 01:25:19

    >>178

    スズランの手に握られたそれはクリスマスまでに何日もかけて一生懸命に準備していた

    学園のみんなへのクリスマスプレゼント

    一緒に作った手作りのシュシュと、手書きのクリスマスカード。


    最初につくったものであろうちょっと不格好なそれを受け取るとミカさんは花のような笑顔を浮かべてそれを受け取る。


    「私にくれるの?わー!嬉しいなぁ!…えへへ…似合うかな…?」


    「みかね!かわい!」


    シュシュを髪のお団子につけて見せるミカさん。スズランはそれを見てにっこりと笑って、Vサイン。

    スズランはミカさんの嬉しそうな顔にじたじたと足を踏み鳴らす。


    「私も何か返せればいいんだけど…そうだ!」


    自分の羽根飾りを外し、スズランの羽根につけてくれるミカさん。

    キラキラとしたチェーン状のそれをスズランの翼にぱちりと留めるとスズランは自分の翼を振り返る


    「みかねのきらきら!」


    「うん、スズランちゃんにあげる!」


    顔を見合わせて「にっ」と笑う二人。

    なんだか友達同士のようなその姿に私がふふ、と笑うとミカさんは少しだけ恥ずかしそうな顔をして駆けだした


    「スズランちゃん、またあとでね!ミネ団長もメリークリスマース!」


    手を振って校外へと駆けてゆくミカさん。

    嬉しそうに時々シュシュと触りながら姿が見えなくなるまで手を振っていた

  • 180二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 01:25:32

    >>179

    その姿を見送っていると、スズランがまた何かを見つけてリュックを引きずって駆けだした。。

    今度はこの子は何を見つけたのか、リュックが残す軌跡を追いかけるとその方向には大聖堂。

    この方向と言えば、と思っていると「らこしゃま!」とサクラコさん達を呼ぶ声

    少し先では、スズランがサクラコさんの足に抱きついていた。


    「おはようございます。スズランさん、初めての雪はいかがですか?」


    「ゆき!きれい!さくらことおなじ!」


    「うふふ、サクラコさんったら上手ですね。

     ミネ団長、今日はスズランさんもサンタさんなんですね」


    「今日はクリスマスですからね。

     スズラン、サクラコさんには渡さなくてよいのですか?」


    私の言葉にはっとして、足元に置いたリュックサックをがさごそ。

    一生懸命にかばんの中を探して、サクラコさんあてのクリスマスカードを探し出す。

    そんなことをしていると、マリーさんとヒナタさんが段ボール箱を抱えて聖堂の中から顔を出す。


    「まり!ひなた!」


    さらにリュックに頭を突っ込む勢いでガサゴソと探して

    3つのシュシュとクリスマスカードを見つけたし、3人にそれを差し出すと

    それぞれがそれを受け取ると、思い思いの場所に着ける


    サクラコさんは手首、マリーさんは耳に掛け、ヒナタさんは髪を束ねて体の横に流す

    お互いの姿を見ると「ふふふ」と笑いあう彼女たちに満足げなスズラン


    「めりーくりすます!」

  • 181二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 01:25:55

    >>180

    「メリークリスマス…そうだ!サクラコ様、これ…」


    ヒナタさんが段ボール箱を地面に置いてその中からクリスマスの飾りを取り出す。

    杖のキャンディーやきらきらの球、天使のお人形にベルに松ぼっくり

    たくさんの飾りを取り出すと、何かを察したようにサクラコさんとマリーさんが受け取ると

    少し、3人はいたずらっぽく笑って見せた。


    「スズランちゃん、ちょっとあちらを向いていてくださいね」


    マリーさんがスズランを背中に向けて、その羽根に色々なクリスマスの飾りを掛けてゆく

    終わった頃には、ミカさんのアクセサリーの周りがクリスマスに飾られていた。

    スズランはそれを見て、羽を軽く揺らす。

    ゆらゆらと揺れたり、リンリンと音を鳴らすその飾りを気に入ったようで

    私にそれを見せて「みねまま!みてみて!」とはしゃいでいた。

    そんなスズランを撫でながら、私はシスターフッドの皆さんへと尋ねる。


    「聖堂の飾りでしょうに、よろしかったのですか?」


    「はい、主もこれくらいならお許し下さるでしょう。」


    「あがとござーます!」


    「いえいえ、私達こそ、ありがとうございます。大切にさせて頂きますね。」


    3人はスズランに向けて頭を下げる。

    スズランは満足そうに「これ、みんなにみせるの!」と羽根を揺らす。

    はやくはやくと手を引くスズランに、シスターフッドの皆さんへと別れを告げて校庭を歩き始める。

  • 182二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 01:26:09

    >>181

    生徒会室へと向かうその道中、たくさんの生徒に出会っては

    たくさんのシュシュを配って、ようやくとたどり着い生徒会室。

    その扉を開けると、平然を装ったナギサさんと、少し呆れ顔のセイアさん

    その足元にはプレゼントボックスが隠しきれておらず、空のティーカップには浮かれた姿が見て取れる


    「なぎー、めりーくりすます!」


    「はい、スズランさんメリークリスマス」


    部屋の前で準備をしたシュシュとクリスマスカードを手にスズランはセイアさんのもとへと駆けだす

    きっと自分が渡すことしか予想していなかったナギサさんはそれを差し出されて驚き顔


    「これは…、頂いてよろしいでしょうか…あの…」


    「素直に受け取るべきじゃないかな。

     子供に対して利害だ与える側だ受け取る側だ、というのも無粋な話だよ」


    スズランの頭を撫でながらそのシュシュを受け取ったセイアさんは

    それを自分の耳にかけると、袖口から何かを取り出した。

    それは狐のキーホルダー、ふわふわとした素材でつくられたそれは少しだけ不格好


    「スズランは私の耳を気に入ってくれているからね

     ニードルフェルト、というやつだよ。……少し、不格好だけれどね」


    スズランははそれを受け取ると、キラキラと目を輝かせて私を呼び寄せる。

    それを私に手渡して、羽に着けてくれとせがむと背中を向ける

    ミカさんの羽根飾りにそれを引っ掻けると、ナギサさんがそれに気づく


    「それは、ミカさんがいつもつけている羽根飾り、ですか?」

  • 183二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 01:26:30

    >>182

    「はい、道中ミカさんにお会いしまして頂いたんですよ」


    「そうでしたか…、ミカさんやってくれますね…」


    何かを隠したナギサさん、スズランはその手に隠されたものを覗き見る。

    それは少し大きめのアクセサリーのような大きさの箱

    ついに完全に隠されてしまったその箱をセイアさんが取り上げる


    「まったく、ナギサは見栄っ張りだね。一生懸命に探していたというのに。

     ほらスズラン、これはナギサからのプレゼントだよ」


    赤と緑で包装されたクリスマス色のその包。

    なんだろう、という顔でスズランはその箱を眺める。

    少し恥ずかしそうなナギサ様はその顔を伏せて「帰ってから開けてください」と言う

    しかし、そんなお願いなんて守らないのが子供の性だ。


    スズランは床にぺたんと座り込み、その包をできるだけ丁寧に剥く。

    少し包装紙が破れてしまったが、それを剥ぎ取ってみるとやはりアクセサリの箱が見える。

    最高級ブランドのその箱に少し私は気が引けながらも、スズランは臆せず箱を開けた


    「はねの!」


    箱の中から現れたのはキラキラとした羽根飾り。色とりどり宝石がちりばめられたそれは

    少し子供向けに可愛らしいデザインだ

    それを取り出すとナギサさんに手渡して「ね、つけてつけて!」とお願いする

    既にいろんなものがひっかけられてごてごてとしてしまったその翼

    それでもスズランは自分の羽根をナギサさんに向けてナギサさんを振り返る


    「なぎ!あがとね!」

  • 184二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 01:26:40

    >>183

    「いいえ、私こそ、スズランさんにこの1年、いろんなものを頂きましたから。」


    私もスズランの後ろで頭を下げると「やめてください」と照れた顔

    はにかむ彼女の顔は、とても、とても穏やか顔をしていた。

    ほんの少しだけ生徒会室でゆっくりとして私は生徒会室を後にする。

    そんな廊下で生徒会室から少しだけ耳に届いた掛け声


    「クリスマス大作戦を、開始します!」

    ―――――――――――――――――――

    私達は正義実現委員会のクリスマス会にお呼ばれしていた。

    いつの間にやらセリナが連絡をしてくれていたようで

    スズランもこちらに連れてきて下さっているとの事だった。


    ティーパーティーが連れてきてくれるのであれば、きっと危険なことなど無いだろう。

    むしろ、怪しい動きをした周囲の方々の方が危険なくらいだ。

    なんて考えていると、クリスマスパーティーの会場の扉が開かれて

    両手で箱を抱えたスズランと、それを転ばないように付き添ったティーパーティーのお二人


    「まーま!めりーくりすます!」


    私達のもとに、謎の箱を持って歩んできたスズラン

    その少しひんやりとした箱を私の膝に置くと、任務完了!とばかりにスズランは自慢げな顔

    心配そうに見守っていたナギサさん達とへと振り返る


    「これは…?」


    「けーき!くりすますけーき!みんなでたべる!」

  • 185二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 01:26:53

    >>184

    その箱をテーブルに移して中身を出してみると、そこには少し不格好なクリスマスケーキ

    少しまだらになってしまったクリームに、不均一に並んだいちご。

    ひと目で手作りなのだと分かってしまった。

    ああ、秘密とはこれの事だったのだろう。私の胸にこみ上げたスズランの成長への感動

    少し泣きそうになっていると、テーブルの上にいくつも同じ箱が並べられる


    「…ちょうどよかったよ、少なくとも私達ではこれを消費しきれなかったからね

     どこぞの過保護なおバカさんが、材料を有り余るほど買ってしまってね…」


    その箱の中から現れたケーキはどれ1つとして同じ形はしていない。

    スズランが一生懸命にクリームを塗るその姿が私の瞼の裏に浮かんだ


    「スゥちゃん、とっても頑張ってくれたんですね!」


    「スズランちゃん…隠し事って、これだったんですね…」


    ハナエとセリナも同じだったようで、泣きそうな顔でスズランを抱きしめる。

    このケーキの幸せは、きっと私達だけで独占するべきものではないだろう

    幸せは、分かち合えてこそ、私は席を立ちあがる


    「すみません、よろしければ皆さんで、このケーキを頂きませんか?

     この子の成長を見守って下さった皆さんに、食べて頂きたいのです。」


    私の申し出に会場が沸いた。

    既に会場の中には正義実現委員会の方々の黒い制服だけでなく

    生徒会の方々の白い制服が所々、白も黒も関係なく楽しそうな雰囲気。

    私がナイフを受け取って、みんなに取り分け始めると、スズランが言う


    「はしゅ、おっきいのね!」

  • 186二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 01:27:06

    >>185

    ―――――――――――――――――

    そんな楽しいクリスマスパーティーも私たちは少しだけ早めに切り上げて

    私の私室に戻ってようやくと1日が終わろうとしていた。


    シャン、シャンとまだ遠くで鳴り響くジングル。

    まだまだ街ではクリスマスの真っただ中。

    それでも子供にはちょっと晩くなってしまったその時間

    スズランはリュックサックを大切そうに抱えてフラフラと部屋に戻る。


    「スズランちゃん、たいぶお疲れですね。」


    「ふふ、もうほとんど寝ちゃってますね。」


    部屋の隅のクリスマスツリー、せっかくだからと飾っておいたそのツリーへとスズランが歩み寄る

    ちらちらとこちらを気にしながら、その姿を翼で隠しながら

    リュックサックからこそこそと何かを出して胸に抱く

    そしてぽちり、とクリスマスの電飾を点けて歌い始めた


    「うぃー、うぃしゅあくりすます、めりくりすます!」


    突然の歌に私達は聞き入る。

    街のどこかで聞いた曲を覚えたのだろうか、なんて思っていたが

    この歌はきっと、シスターフッドが練習していた聖歌隊の歌。


    最後まで歌い終えて私たちのもとに駆け寄ると、その腕に抱いた包を私達に差し出す


    「みねまま、せりまま、はなまま、だいすき。」


    箱のそれぞれに私達の名前が書かれたその包みを受け取る

  • 187二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 01:27:45

    >>186

    ニコニコと、すこし恥ずかしそうな顔をしてスズランはそれを見守る

    「開けていいんですか?」と尋ねた私に、こくり、と小さく頷いた


    丁寧に包装を解いてゆく。

    一端を空けると、見えてきたのは木で出来た額縁。

    もう一端を空けると、そこには私達の象徴たる桃色の十字。

    そこまで開けると、セリナ、ハナエと顔を見合わせる。

    最後の一端をほどくと、そこにはそれぞれ4人が描かれた絵が月明かりに照らされた。


    『みねまま、だいすき。』


    私の絵にはそう描かれて私の腕に抱かれ、セリナとハナエに囲まれたたスズランの絵

    隣を見ると、きっと二人の絵にもそれぞれが描かれていたのだろう。

    私の視界がぼやけてゆく、胸の中が熱くなって瞳から零れ落ちてゆく。

    もうこの溢れ出す涙は止められそうにはなかった。


    ボロボロと零れる涙を何度も、何度も掌で拭う。

    右からはセリナが肩を寄せる、左からはハナエが肩を寄せる。

    涙でまともに機能しない視界の中で、私は二人が鼻を啜る音を聞いていた。


    スズランがとても不安そうに訪ねる


    「…うれしくない?」


    私達は声を揃えて答える


    「「「とっても、嬉しいんです」」」


    涙で滲む世界のまん中で、スズランの笑顔が咲いた。

  • 188二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 01:31:02

    やっぱスレの終わりにはオチ持ってきたいよなー

    ってなわけで、ちょっと一気に書き上げてみた

    俺、明日6時起きでお仕事なんだけども…やらかしたよね!


    そしてすまねえ…俺に感動系を書くのは無理かもしれん…

    でも一応頑張ったんだよ…頑張りはしたんだよ…


    と、いうわけでこのスレの終わりはクリスマスでした。

    実はちょっと正実のクリスマス回中にあのチキン食って喜ぶスズランとか

    先生にケーキを食わせるスズランとか色々書きたかったけどね…

    テキストエディタ上これだけで330行あるからね…泣く泣くオミットしたよ

    感動って意味ではなく520行あった中320行まで削った俺が一番泣いてるよ…


    >>174:ウイ意外と165cmあるからね…

    まあうちおりゃんので、wikiで見ただけなんだけどな!!!!

    >>175:実はすげえファインプレーをしているのであった

    概念消化概念消化…暗躍はシスターフッドの強みだからね…

    実は書き直す前には「シスフは、何に諜報力使ってるんでしょうね…」っていう

    ナギ様の台詞も準備してたけど、オミットの憂き目にあったよ

    >>176:お気づきに…なりましたか

    そうです…求愛表現です。スズランは羽根をもらうことが愛情だと思ってて

    スズランには羽根を渡すことが愛情だとも思っているのです


    というわけで次スレだよ!当初1スレで終わらせようと思ってたのになんだろうねこれ!

    正直、スズランの出生の設定とかエンディング後のおまけ話とか

    そこら辺がもう後付け設定で整合性取れるのかこれ。ってなってるよ!!!


    次スレ(たぶんできてる)

    【SSスレ】ここだけ救護騎士団の子育て奮闘記 Part5|あにまん掲示板トリニティ付近に捨てられて衰弱していた赤ん坊を拾ってしまったセリナ周辺状況のきな臭さから救護騎士団で世話をすることを決める団長以降救護騎士団の出動時、背中に赤ん坊がおんぶされている姿が目撃されるように…bbs.animanch.com
  • 189二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 06:54:15

    うめ

  • 190二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 07:11:10

    幸せな気持ちになれたし、目頭が熱くなったよ。ありがとう

  • 191二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 07:47:01

    愛情の物語ペシ…
    テンシモドキ、言いえて妙というか相応しいというか…
    はしゅ!おっきいのちゃんと食べるペシよ!

  • 192二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 11:34:30

    暖かい話ですよ素晴らしい

  • 193二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 20:56:56

    おつうめ

  • 194二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 20:57:35

    このスレ埋まってなかったのか埋め

  • 195二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 20:57:48

    埋め

  • 196二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 00:14:51

    >>190,>>192:ありがとう、少しは感情動かせたみたいで嬉しい

    >>191:子育ては愛だよペシ先…愛ってなんだ…?


    というわけでうめたてる

  • 197二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 00:15:33

    埋める

  • 198二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 00:15:51

    埋め埋め

  • 199二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 00:22:11

  • 200二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 00:22:45

    (◎'ω')ウメェ!

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています