【奏章Ⅱネタバレあり】特異点『再■■■夢イ■■』【オリ鯖注意】Part3

  • 1スレ主24/05/16(木) 12:59:21

    オリジナル特異点に迷い込んだ人類最後のマスターとカリオストロとオリジナルサーヴァントのSSです。
    スレタイ通り奏章IIの内容を含んでいる上、スレ主のオリジナルサーヴァントが登場するのでお気をつけください。
    こちらはパート3になります。

  • 2スレ主24/05/16(木) 13:01:25
  • 3スレ主24/05/16(木) 13:09:21

    【登場したオリ鯖1】
    ・ハーバート=ラモン
    『Darkness,My Name Is』という小説の主人公(神の端末)を名乗るサーヴァント。情緒不安定なシスター姿の少女だが、その正体は……?

  • 4スレ主24/05/16(木) 13:14:38

    【登場したオリ鯖2】
    ・メアリー・スー
    『愛されるための主人公』、その概念。
    ハーバート=ラモンの役を羽織り、藤丸立香の夢に侵食しようとしたサーヴァント。

  • 5スレ主24/05/16(木) 13:16:58

    【登場したオリ鯖3】
    ・盧生
    藤丸立香を『夢』から目覚めさせるために現界したサーヴァント。
    本イベントにて配布される。

  • 6スレ主24/05/16(木) 13:19:34

    【登場したオリ鯖4】
    ・メアリー・スー
    『A Trekkie's Tale』の主人公。その存在やイメージを、『メアリー・スー』という概念的存在に塗りつぶされた者。

  • 7スレ主24/05/16(木) 13:20:45

    なんか実質同一人物の奴らもいますが、ナンバー振りが難しかったので許してください。

  • 8スレ主24/05/16(木) 13:31:00

    あとキャラリー呼び好きです、素敵なあだ名をありがとうございます。
    ちなみに本人が知ったらキレます。「『アレ』は『メアリー・スー(わたし)』じゃないが???」ってキレます。スレ主は面白いからそのまま呼んでやってください。

    余談ですが概念スーの方は名前を与えられたのが後なだけで、概念そのものは先に生まれたものと考えています。それが『メアリー・スー』が生まれたきっかけですし。
    なので、概念スーは姉ぶってます。姉というか自分の一部みたいな感覚というか。
    でもジャンヌ姉妹みたいに仲良しではないので、万が一キャラリーと分離した場合ガチギレキャラリーが生まれます。概念スーは嫌われる心あたりもなければ嫌われるはずもないという見事なお花畑なので、はてな浮かべてますけどね。

  • 9二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 13:39:44

    立て乙です

  • 10スレ主24/05/16(木) 13:39:49

    前スレでちらりと本来のキャラリーのクラス適正の話がありましたが、フォーリナーは『メアリー・スー』がバルカン星人の血を引いているという設定があるからで、ライダーは船(宇宙船)の操縦ができるからというものです。

  • 11スレ主24/05/16(木) 13:40:36

    そして、前スレの埋めありがとうございました。

  • 12二次元好きの匿名さん24/05/16(木) 22:20:35

    続きありがとうございます!
    カリオストロの思惑やキャラリーがどういう結末になるのか気になります

  • 13二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 02:16:56

    ありがとうございます!

    改めてPart1の1を読んだら、キャラリーの切実な想いがひしひしと迫ってくるようでした


    >《???》

    >──夢を見る。

    >『    』はずのない、己が『    』夢を。


    この『』の中って、「愛される」だったんですね…いや、これで違ったらまずいですが(苦笑)

  • 14二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 09:35:05

    もう出てたらごめんだけどハーバート=ラモン自体は英霊の座にいるんだろうか
    というかなんでハーバート=ラモンをチョイスしたのはどっちなのか(たぶん概念?)とかチョイスした理由とか気になる

  • 15スレ主24/05/17(金) 11:43:23

    >>14

    『ハーバート=ラモン』は幻霊としてなら存在する、という想定です。

    ただし、あくまで幻霊であるため召喚される確率は低く混ざり物になるかもしれないことと、シアエガの落とし子という設定を踏まえてファーリナーというよりはアルターエゴなのではないかと考えています。

    型月世界においてクトゥルフ神話というものはたまたま『外宇宙に実際する存在をラヴクラフトが言い当ててしまった』といった形ですので、その作品群に登場する人物たちは基本的に『実在しない存在』です。それでは彼らの眷属(フォーリナー)にはなれないのではないか、と。


    もちろん上記のお話はスレ主の考えですので、皆さんに強要は致しません。

    「ここのスレだとハーバート=ラモンはこんな設定なのか〜」くらいのノリで受け取ってください。


    ハーバートを選んだのは概念スーの方です。

    理由は『微小特異点の場所がドイツの山奥だったから』、それだけです。

    概念スーは頭お花畑としか言えないお気楽な思考なので、やることなすことにそこまで深い意味はありません。「ちょうど良さげな関係者」としてたまたま記憶に引っかかったハーバードを選んだだけ。それ以上は何もありません。

    ベースを選んだ後は好き勝手に『設定』をいじり、より『好かれやすい』形になりました。

  • 16二次元好きの匿名さん24/05/17(金) 21:17:46

    キャラリーにとっては更なる迷惑

  • 17二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 00:55:42

    ガワを乗っ取って設定改竄までしてくる幻霊ってもはやウィルス…

  • 18二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 12:06:36

    このレスは削除されています

  • 19スレ主24/05/18(土) 14:28:16

    >>17

    概念スーにできるのは『乗っ取り』ではなく『真似事』なので、『ハーバート』本人の霊基に異常はありません。ご安心を。

    概念の方は文字通りの『詐称者』ですので、弄り回しているのは自分の霊基ですね。

  • 20二次元好きの匿名さん24/05/18(土) 22:39:02

    ほしゅ

  • 21二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 07:51:45

    >>19

    つまり概念スーには自己改造スキルがある…?

    それはそれとしてくっついてるキャラリーがかなりとばっちりでは?

  • 22二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 15:34:41

    ほっしゅ 楽しみ

  • 23スレ主24/05/19(日) 21:15:27

    【第28節】否定される者 進行度=1

    《メアリー・スー》
     ──夢を見る。
     愛されるはずのない、己(わたし)が愛される夢を。

     夢を見るような身体はない、精神もない、肉体もない。だというのに、その夢(望み)は潰えない。
     叶うはずもない夢というものは、誰かに応援されるはずもないものだ。
     叶うはずもない夢というのは、明らかな矛盾を抱えているものだ。
     叶うはずもない夢というのは、いずれその身を滅ぼすだけだ。
     それは──己(わたし)が一番、わかっている。

     『そうあれかし』と生まれた自分故に、『そうあれかし』とされた自分故に、誰よりもよく、理解しているはずだ。
     理解、していなければならないはずだ。

     それでも、と願う。願ってしまう。蜃気楼よりも不確かな存在な己(わたし)を愛してくれやしないかと。
     だから、だから『私』は────。

  • 24スレ主24/05/19(日) 21:15:44

    《メアリー・スー》
     ────世界なんて、無くなってしまえばいいと思ったのです。

  • 25二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 00:23:16

    これでは確かにアヴェンジャーには成れないか
    根っこは愛されたいの方で、自覚してる八つ当たりじゃ…

  • 26スレ主24/05/20(月) 08:48:48

    >>25

    八つ当たりでもないんですよねぇ。

  • 27二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 20:35:18

    『そうあれかし』ってのが概念スーっぽい気がする

  • 28スレ主24/05/20(月) 23:10:23

    【第28節】否定される者 進行度=2

    《メアリー・スー》
     私が生まれたのは、物語の中。
     『スタートレック』という作品の、ファンが書いた小説です。
     エンタープライズ号という艦の最年少大尉。艦の操縦は出来るし、戦闘中の指揮もできるし、なんならヘアピンで鍵開けなんかもできちゃいます。俗に言う宇宙人との混血ですが、それにへこたれてなんていられません。
     船長をはじめとする様々な船員たちから尊敬されていて、病死してしまった時には皆が悲しんでくれました。しかも命日が祝日になるほどに!

     『それ』が、メアリー・スー(私)の全てです。
     本の1ページ──それも半分──に収まってしまうような、短編小説より短い、『ショートストーリー』ほどの長さ。なんて短さ! なんて笑わないでください。
     どれだけ陳腐で拙い内容でも、『それ』が『私』なのです。

     だって、『私』は『愛されるキャラクター』として書かれてます。作者(お父さん)はきっと、私に『愛されるように』願いを込めて書いたのです。
     だから、恥じることなど何も無い。そう信じていました。

  • 29スレ主24/05/20(月) 23:10:53

    《メアリー・スー》
     けれど、違いました。
     作者(お父さん)は私を『愛していません』。私を読んだ(見た)人達が口々に私を非難するのに、作者(お父さん)は助けてくれませんでした。歪んだ愛のカタチというわけでもなく、『そういうものだ』と言わんばかりの反応でした。
     そして、しばらく周囲の言葉と作者(お父さん)の『解説』を浴びせられて、私はようやく理解したのです。

     ────私は、『否定される為』に生まれてきたらしい、と。

     『アンチテーゼ』、というやつです。
     『スタートレック』という作品の、陳腐で幼稚で中身のない『ご都合主義の主人公』を描いたファンアート。
     それを簡潔に、分かりやすく、『こういうことなのだ』と形にされたのが私でした。
     「これは実に酷いものだ」と、知らしめるための『キャラクター』。
     愛されるはずもない、嫌われる存在。
     それが、私の意味なのです。

     悲しくない、と言ったら嘘になります。
     幻のような自我ではありましたが、『個』として考えることが出来るようになってからは「やっぱり『愛されたい』な」なんて思ったことは一度や二度ではありません。

  • 30スレ主24/05/20(月) 23:11:12

    《メアリー・スー》
     でも、私は間違いなく『愛から生まれたもの』でした。

     『スタートレック』という作品を愛する人が書いた、よろしいとは言い難い『スタートレック』のファンアートたちへのメッセージ。
     それは間違いなく、『作品のため』を思ったからなのです。
     作品が蔑ろにされているようで、作品を侮辱されているようで耐えられなかったのだと、作者(お父さん)の気持ちが伝わって来ます。私を読んだ(見た)人たちからも、似たような感情を感じ取れます。
     そして、私が世に出るようになってから、皆さんがどこかスッキリしたような顔になるのも分かります。目に見える形で『嫌いな物』が固まって、私に吐き出すことで晴れ晴れとしているのです。
     それはきっと、良いことです。

     だから……ちょっとだけ寂しいけれど、ちょっとだけ辛いけれど、何を言われようと大丈夫なのです。
     私は『メアリー・スー』、『ご都合主義の主人公』へのアンチテーゼ。『物語を愛する人』が、描いた、愛した物語の為のキャラクター。『嫌われる』ことが、『否定される』ことが役目。
     私がそうなることで守られる物語があるのなら、それで良いのです。

  • 31スレ主24/05/20(月) 23:11:34

    《メアリー・スー》
     そのはずでした。

  • 32スレ主24/05/20(月) 23:11:53

    《メアリー・スー》
     転機が訪れたのは、つい先日のことです。
     私は『ご都合主義の主人公』の『概念』と同じ霊基に収められ、サーヴァントとして現界しました。
     不満はありましたが、「仕方ない」とも思いました。
     私は『彼女』を否定する為に生まれた存在ですが、いつの間にか『彼女』を指し示す名前にもなっていましたから。お互いに幻霊で、単騎では『サーヴァント』に及びませんしね。
     立場上『彼女』を認めることは出来ませんが、『彼女』が居たから私が生まれた……という経緯もあります。
     『彼女』の性質によって霞のように漂うだけとなりましたが、特に嫌悪は抱いていませんでした。

     でも、それがいけなかったのです。

     『彼女』の『記録』が私に流れ込んできます。
     『概念』である彼女が生まれた時のこと、『色々な人』が『彼女』にあたる存在を描く姿。それらをまざまざと見せつけられます。

     ────『彼女』を愛している様を、見せつけられます。

  • 33スレ主24/05/20(月) 23:12:19

    《メアリー・スー》
     作者(お父さん)曰く、『メアリー・スー』とは『精神的成長の中にある万能感』などがきっかけで生まれるもので、その根底にあるのは『自己愛』だと語りました。
     だから、『ご都合主義の主人公』が愛されるのは当たり前のことなのです。

     でも、それでもどこか、他人事で聞いていました。
     だって『それ』の規範とされた私がこんなに槍玉に上げられているのです。『彼女』だって同じくらい、傷付けられたことがあるはずです。
     もしかしたら私のように、作者(お父さん)にすら愛されなかったかもしれないと思っていたのです。
     だから、『愛されている』記録が流れ込んできて、私にはないものを与えられる『彼女』を深く知って、初めて……『嫉妬』というものを抱きました。

     自己愛は愛じゃない、なんて私には言えません。
     自分すら愛せない人間が、他者を愛することは出来ないと思うからです。『愛』を知らない私ではありますが、自分を大切に出来ない人は『自分を大切に思ってくれる人』を悲しませてしまう。それくらいは知っています。
     聖杯に与えられた沢山の知識と『彼女』の記録の中で、誰かがそう言っていましたから。

  • 34スレ主24/05/20(月) 23:12:40

    《メアリー・スー》
     ────では、私は?

     私は『メアリー・スー』、『否定される者』。『否定される為に生まれた者』。
     生まれてこの方『愛』を与えられたことなどあるはずもありません。自分が傷つくのが仕事なので、『自分を大切にする』という考えなんて浮かんだこともありません。

     足下から、全てが崩れていくような気分でした。

     私は『愛』を知りませんが、『彼女』は愛を知っています。
     現実(そと)にいる私を置き去りに、『カルデアのマスター』に愛してもらうべく『ハーバート=ラモン』を演じています。何も知らない彼/彼女が『彼女』を信頼し、『約束』まで結びました。
     『彼女』は『愛される為の主人公』。愛されることに躊躇いなどありません。『それが当たり前』だからです。山ほどの『愛』を貰っているのに、それ以上を望んでいます。

     なんだかおかしい気がします。
     同じく『愛』から生まれたはずなのに、なんで『彼女』と私はこんなにも違うのでしょう。
     腹の底でぐるぐると汚泥が暴れます。
     思考の整理がつかなくて、『愛されない』ことが私という『愛から生まれた物』の存在価値であるのに、「誰か愛して!」と叫んでしまいたくて仕方ないのです。

  • 35スレ主24/05/20(月) 23:13:12

    《メアリー・スー》
     駄目です。それは駄目です。

     『愛されてしまっては、メアリー・スーではありません。』

     だから、私は愛を欲してはいけないのです。
     だから、私は「愛して」なんて言ってはいけないのです。
     だから、私は。
     だから、私は、私は。

     どうにか『これ』を止めたくて、どうにか楽になりたくてたまりません。
     『愛』を知らないままなら大丈夫でした。でも『彼女』に与えられた愛を間接的に経験してしまって、一度ゆるされたそれを『もっと』と乞うてしまいます。

     私が私では、なくなってしまいます。

     リンクしている視覚の中で、『彼女』が『カルデアのマスター』と戦う様を見、『彼女』にとって致命的な点を突いた盧生を見、『彼女』が嫌いらしいカリオストロを見、頑張って考えました。

     そうして、思い至ったのです。

  • 36スレ主24/05/20(月) 23:13:33

    《メアリー・スー》
     ────『私を愛する可能性がある人間』がいなくなれば、こんな思いをする必要はないのです。

     それこそ、人類が全部いなくなれば。
     それこそ、人理が無くなってしまえば。
     それこそ、『世界が滅んでしまえば』。

     私を愛してくれる『かも』しれない人がいない世界なら、よいのです。

     本当に世界が滅ぶ必要はありません。
     滅ぼせずとも、問題はありません。
     和解が無理だと思えるほどに、『こちらから』敵対してしまえばよいのです。
     都合良く、『彼女』に騙されたばかりのマスターだけではなく、『彼女』をよく思わないサーヴァントが2人あちらにいます。
     『夢』から醒めた後の彼らの前に身を翻せば、簡単に『始末』してくれるはずです。
     私は『私』のままでいられるはずです。

     だからどうかお願いです。私を愛さないでください。
     どうか、どうか──

  • 37スレ主24/05/20(月) 23:14:11

    《メアリー・スー》
     ────唯一、父(作者)から与えられた『役目』すら、私から奪わないでください。

  • 38スレ主24/05/20(月) 23:17:40

    この回は

    アダルトチルドレン/鏡音リン

    がそれっぽいな、なんて思ったり。

  • 39二次元好きの匿名さん24/05/20(月) 23:57:37

    それが君の『星』なの?

  • 40スレ主24/05/21(火) 08:05:53

    >>39

    ライナスの毛布って知ってます? ブランケット症候群でもいいのですが。

    正しくはありませんが、まぁそんなところです。

  • 41スレ主24/05/21(火) 18:09:01

    >>40

    【追記】

    個人的な考えですが、星は見つけるものであって与えられるものではありません。

    宝石も、桜も同じくです。

  • 42二次元好きの匿名さん24/05/21(火) 23:52:21

    保守

  • 43二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 10:58:43

    保守

  • 44二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 18:43:42

    >>36

    「メアリー・スー」をよく思わないサーヴァントって盧生とカリオストロだよね?

    カリオストロがそばにいるのを一応許容したのは、自分を裏切って始末してくれるかもって思ってるから?

  • 45二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 19:00:59

    キャラリーって『否定される者』っていう役割に固執というかアイデンティティ見出してるのかな

  • 46二次元好きの匿名さん24/05/22(水) 23:54:38

  • 47二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 11:08:29

    >>44

    なるほどね。それはあるかも

  • 48二次元好きの匿名さん24/05/23(木) 20:43:12

    カルデアで幸せになってほしい

  • 49二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 00:30:04

    >>44

    葛藤してる間は面白がって見物されそう

  • 50二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 12:03:10

    このレスは削除されています

  • 51二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 21:29:48

    メアリー・スー達のボイス気になる
    ナーサリー・ライム関連のもありそう

  • 52二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 07:45:33

    保守

  • 53二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 19:01:07

    保守

  • 54二次元好きの匿名さん24/05/25(土) 23:59:43

  • 55二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 08:51:42

    続き気になる

  • 56二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 19:34:04

    このレスは削除されています

  • 57スレ主24/05/26(日) 20:52:55

    【第29節】終幕

     藤丸立香は『メアリー・スー』の全てを見たわけではない。
     『思い』の断片の一部。それも『概念たるメアリー・スー』が彼/彼女に潜り込んだ時に繋がった細い細いパスから流れ込んだもの。タチの悪いマスメディアと同じように『一方から見た都合の良い/悪い事象』でしかない。
     もしかしたら『作者』にそんな意図は無かったかもしれないし、『概念』を生み出した人々が『彼女』をずっと愛していたとも限らない。
     だとしても、確かなことは一つある。

    《藤丸立香》
    「君は『愛される』のを怖がって、『悪』であろうとしているだけだ」
    「やる必要のない戦いも、やる気のない戦いも意味はない」
    「もちろん、『面白がっている』カリオストロもね」

    《メアリー・スー》
    「……おいおい、『人類最後のマスター』」
    「いったい、なんの話を」

    《藤丸立香》
    「盧生が『あの世界』が自分にとっての悪夢だと言ったように」
    「君にとっては、『この召喚そのもの』が悪夢だったんだね」

    《盧生》
    「……」
    「悪夢……か」

  • 58スレ主24/05/26(日) 20:53:16

    《メアリー・スー》
    「お前、は……!」
    「それが武器をおさめる理由になるのか!?」
    「それでも『人類最後のマスター』か!」
    「『生きるため』に走り続けたんだろう!? 『見るため』に止まらなかったんだろう!?」
    「たかが一人の夢幻(ゆめまぼろし)を前に、『やめる』のか!?」
    「幾多の世界を滅ぼしたお前が、1を切り捨てるのを躊躇すると!?」

    《藤丸立香》
    「だって、君は『本意』じゃない、止まることができる」
    「それは『通過点』でも『手段』でもない」
    「……強迫観念に縛られているだけだ」
    「『そうするしかない』のではなく、『そうしたい』のでもなく」
    「『そうしなくてはならない』、と思い込んでいる」

    《メアリー・スー》
    「…………!!」

     明らかに、彼女の息が乱れる。
     『無意識』だと思い込んだ、自分の本心。心を守るための『防衛本能』。『辛い思いをしたくない』から押し込めた思いを白日の下に晒されるのは、まさに傷に塩を塗り込むようなものである。
     藤丸立香は『一般的な善人』だ。
     基本的に悪行はしないが、ワルい事はする。全てが『善』ではなく、全てが『悪』というわけでもない。
     『大切な人』が殺された時に『復讐』に走りかけてしまうような、普通の人間なのだ。
     故にこそ、彼/彼女は対等で公平だ。
     『メアリー・スー』の心を悟りつつ、遠回りで遠慮などしない。メアリー・スーなりの矛盾や葛藤があるにしても、「世界なんて滅べばいい」と口にしたからには相応の『覚悟』が必要。
     すなわち、『破滅願望のために周囲を巻き込むこと』に対して彼/彼女は思うことがあるのだ。
     意趣返しと言っていい。

  • 59スレ主24/05/26(日) 20:53:47

    《メアリー・スー》
    「……それで」
    「それで、仲直りしてハッピーエンド!? 大層幸せそうだな!」
    「だが、それで貴方の溜飲は下がるのか!?」
    「特異点の黒幕はぶちのめしてこそだろ!」
    「おてて繋いで仲良くゴールか!? 最悪だ!」
    「『お前たち』もそうだ! なんなんだ一体!!」

     ぐるり、と。
     彼女の視線は『君たち』に向かう。
     手のひらサイズの液晶パネルか、設置された液晶かは人それぞれ。
     しかして、その薄くて分厚い『壁』を、彼女は指し示す。

    《メアリー・スー》
    「脈略のない回想シーン如きで私に哀れみを向けるな! やめろ!!」
    「三流小説どころか、アマチュアにも劣る筋書きだぞ!」
    「だと言うのに、その視線はなんだ!?」
    「そもそもお前たちが『メアリー・スー』を知りたいなんて言い出したからこんなことになったんだ!!」
    「あれさえなければ、私は自主退去して終わりだったんだ!!」
    「全部、お前たちのせいだ!」

  • 60スレ主24/05/26(日) 20:54:07

     子供のように泣き出した『メアリー・スー』。
     『君たち』に向けた言葉を三人は理解出来ない。それは『彼女』が混ざりこんだメアリー・スーだから知覚出来るものである故に。
     しかして、分かることもある。
     光景は違えど、彼らが彼女に向ける視線は『夢』で出会った『彼女』に向けたソレと同じものとなった。
     片や、夢見心地のお姫様。
     片や、蜘蛛の糸を垂らされた亡者。
     共通しているのは、『現実』を見ていないこと。

    《メアリー・スー》
    「なんで、優しくするんだよぉ……」
    「嫌いだって言って、攻撃してよ……」
    「持ちたくないのに、信じたくないのに……」
    「希望、持っちゃうじゃんか…………」

     現実を『現実だと思っていない』存在と、現実を『見なかったことにしている』存在。
     それは同じようで、実は違う。
     前者は自覚がないが、後者は自覚がある。変わる余地がある。

    《藤丸立香》
    「君を愛する、なんてすぐには言えない」
    「まだまだ会ったばかりだし、君も怖いから『こう』なった」
    「でも、『カルデアに来て』とは言える」
    「メアリー・スー、君はまだ生まれたばかりでしょ?」
    「これから『色々』知っていこう」
    「ね?」

    《メアリー・スー》
    「うぅ……」
    「うぇぇぇ……」

  • 61スレ主24/05/26(日) 20:54:27

    《盧生》
    「マジかー」
    「いや、丸く収まったのはいい事なんだが……」
    「……カリオストロ、お前はまだ『敵対』の意思はあるか?」

    《カリオストロ》
    「いいえ、『元よりありません』よ」

    《盧生》
    「…………」

    《カリオストロ》
    「メアリー・スーは反抗心を失いましたし、私は『何もしません』とも」
    「えぇ、はい」

    《盧生》
    「…………あぁ、そうかい」

  • 62スレ主24/05/26(日) 20:54:51

     ────かくして此度の一件は幕を降ろし、特異点は消失した。

  • 63スレ主24/05/26(日) 20:55:33

    次回、エピローグ。

  • 64二次元好きの匿名さん24/05/26(日) 20:57:28

    終わるのが楽しみだけどさみしい…

  • 65二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 08:38:37

    和解エンドか

  • 66二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 19:56:16

    このレスは削除されています

  • 67二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 23:44:53

    このレスは削除されています

  • 68二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 00:52:13

    保持

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