- 1二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 00:36:56
シャーレ:居住区
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・
一日の業務が終わり、書類をまとめた後当番として来ていた美食研究会はぐったりしていた
自業自得ではあるが例によって風紀委員会からの厳罰としてシャーレの激務を手伝うことになった
ゲヘナ風紀委員からの要望で
『先生の手伝いをすること、また業務中は手配した弁当以外口にしないこと』
とあった
ただ美食研究会は不運にも当日の業務内容が
『百鬼夜行連合学園』の陰陽部ニヤからの依頼でグルメレポートを出すことになっていたこと
そして前日までに対象店舗の実食が終わっていたことであった
並ぶグルメの写真の数々、先生の的確な味の表現の文字列、実食できない嘆き
(ごはんが邪魔されないと喜ぶものもいたが)
そんなこんなで朝から箱詰で冊子にレポートを作成していたためぐったりとしている
「実際に食べられないのはつらいですわ・・・」
「配給であまり食べられなかったのは少々痛手ですねぇ」
「私は邪魔入らずにごはん食べれたのいつぶりだろ~」
「ふぇ~薄味でおいしくないのはグルメじゃないよぉ・・・」
口々に愚痴を垂らす面々、だが空気が変わったのにジュンコが一早く気づく
否、匂いが変わった
同時に先生が入ってくる
”お疲れ様、みんな”
”指定が入ってたから業務中はどうしようもなかったからね”
”業務後ならとおもって差し入れだよ”
「先生後ろのカートは何?いいにおいするけど」
”おにぎりと豚汁だよ”
”時々フウカから教えてもらってるんだ”
遠回しな『手料理』の宣言で目つきが変わる - 2二次元好きの匿名さん24/05/24(金) 00:54:07
ミレニアム印の保温カートから先生が配膳をする
鮮やかな黄色のたくあんの小皿
いびつながらも三角を保つ白米の塩おにぎり
味噌とニンニクが香る湯気立つ豚汁
「「「「いただきます」」」」
豚汁の温かさが胃壁を流れる感覚がする
鼻奥をニンニクが刺激し舌を辛めの味噌がなでる
「これは・・・モツですか?」
具を食べようとつまんだ肉が違うことに気づくハルナ
そう、ぷるっとした豚モツである
辛めの味噌が舌をなでたのはモツ煮をベースとした豚汁だったからだ
臭くもなく、脂が強すぎることもなく、下処理がしっかりとされていることがわかる
こと食べることを部にしている面々はこれが特別な豚汁か理解した
モツ煮は下茹でと煮詰めが必要なものである、時間がかかるものなのだ
”業務内容がちょっと酷だったからね・・・”
朝から時間をかけて煮られたモツ豚汁と厳罰とはいえ酷使した頭と空腹の胃袋
じっくり味わいたいと思いつつも鍋が空になるのは時間かからなかった