【オリウマ・オリトレ】トレーナーさん大好きです

  • 1◆iGjCJthFblL724/05/27(月) 16:34:17

    聞こえてきた愛バの声により、俺は眉間に手を当てながらも振り返る。

    「ハート、あんまり外で誤解を産むような発言はしないでくれと言っているだろう」
    「まぁ誤解なんて、純度100%正真正銘私の恋心ですよ」
    「そうだから誤解を産むと言っているんだよ……」

    色素が薄く、儚げな芦毛とは全くもって反対の性格を持つウマ娘‪──‬ユアラブハート。
    コイツが俺の愛する大切な愛バの名前だ。

  • 2◆iGjCJthFblL724/05/27(月) 16:36:11

    「確かに私とトレーナーさんはお付き合いもしてない生徒と教育者の関係性ではあります」
    「うんうん、偉いぞハート。しっかりと客観的に物事を見れ‪──‬」
    「ですが心は既に通じあってます!」
    「入ってる入ってる、主観がガッツリ入ってる」
    「トレーナーさんはおかしな事を言いますね、恋なんて主観たっぷりが世の常ですよ」
    「違う、俺が言いたいのはそうじゃない」

  • 3◆iGjCJthFblL724/05/27(月) 16:40:38

    「ったく、とりあえずその話は後にして」
    「そうですね、人生設計はやはり腰を据えてやるべき物ですものね」
    「練習メニュー言うぞー💢」

    ユアラブハートはジュニア級3戦2勝、デビュー戦とオープン戦を1回ずつ勝ち取っている。現在は年末に控えている重賞、G1レースのホープフルステークスに向けて練習負荷を増やしている段階だ。

    「前よりも練習量が増えた、ソレによってお前の体調の変化も前とはまた変わってくる。いつも言っているが、ナニカあれば絶対、必ず、確実に報告するように。いいか?」
    「はい!」

  • 4◆iGjCJthFblL724/05/27(月) 16:45:26

    「よし!なら行ってこい!」
    「はい!」

    ハートはジュニア級という未発達時期においてでも分かる位にはスタミナがとても〝強い〟、心肺機能が恵まれているんだろう。体力があると言うことは、ソレだけ競り合いながらでも脚を溜めれるという事。競り合いで周りを潰した後に、末脚という第2の刃をもって他を切り捨てる。試行回数は未だに少ないが、実戦でもやれる程のクオリティはある。

  • 5◆iGjCJthFblL724/05/27(月) 16:50:00

    はっきり言ってジュニア戦線じゃ負けないと確信していたが、誤算があった。自惚れていたが、その自惚れを抱えながらでも勝てる目論見はあった。けれども俺らは1回既に敗れている。

    「はぁ、はぁ、トレーナー終わりました」
    「おう、それじゃあ一旦休憩してから別メニューに移るぞ」
    「はい!」

    そのウマ娘の名前はミナモヨイヅキ、良家の出身で一族で受け継いできた金剛体とも言える頑丈・頑強な肉体で圧倒的練習も、バ群も、全てをとばしてきたウマ娘だ。

  • 6◆iGjCJthFblL724/05/27(月) 16:52:12

    「あの黄金の肉体に打ち勝つには、ハートはまだまだ力不足だ。けれど、負けっぱなしのままクラシック路線に挑んでちゃ悔しいからな」

    だから

    「必ず一勝、もぎ取ってお返ししてやるんだからァァァ!!!」
    「ふっ、あいつも同じ気持ちか」

  • 7◆iGjCJthFblL724/05/27(月) 16:59:18

    休日、俺はアラームの音によって目を覚ます。

    「ふわぁ〜っん」
    「トレーナーさん、おはようございます」
    「………ハートか」
    「はい♪」
    「……………………お前に鍵は渡してないと思うが、俺の記憶違いか?」
    「トレーナーさん、今どき不用心ですよ?鍵が空いてました」
    「そうか、なんで入ってきた」
    「朝食をご用意しようかとアダダダダダダダダダ」
    「俺の通い妻気取りはやめろって言ってるだろうが」
    「通い妻なんてそんな、まだ愛の言葉も貰ってないのにおこがましいです。だからこうして好感度あげる為に行動をあのトレーナーさん本当に痛いからアイアンクローやめて!?」

  • 8◆iGjCJthFblL724/05/27(月) 17:03:36

    「全く……嫁入り前の娘がそうホイホイと男の部屋に上がるなって何度も言ってんだろアホ」
    「でもでもそうやって私の事心配しながらも許してくれますよねトレーナーさんって」
    「なんか言ったか?」
    「なんでもありませーん」
    「ふんっ飯の用意するけどお前はどうすんだ?食ったのか?」
    「いえまだです、ご一緒しようかと」
    「わかった」

  • 9◆iGjCJthFblL724/05/27(月) 17:11:32

    色々あって懐かれ……いや、ハートに好かれちまっていこうこうやってプライベートタイムでもガツガツアタックされるようになってしまった。
    お陰様でたづなさんやら他の同僚やらからの目線が日に日に少し怖くなってきてるんだが……

    「美味しい、トレーナーさん毎日私に味噌汁作ってください」
    「冗談も休み休み言いやがれ小童が」
    「冗談じゃないのになぁ」
    「やかましい」

    此奴との日常がいいかもと思う自分も居る、ちゃんと正さなきゃな。コイツも、俺も

  • 10◆iGjCJthFblL724/05/27(月) 17:15:17

    「それでトレーナーさん、今日は何かご予定が?まぁないと思いますけど」
    「その断定の仕方は酷くないか?」
    「だって昨日帰る途中になんの映画家で見るかボケーッと考えるくらいだったじゃないですか」
    「そうだね……はぁ、そうだよ特に予定なしのグータラ日だよ」
    「それなら良かった、実はそんなトレーナーさんの為にお菓子とジュース買ってきてたんです!一緒に映画見ながら過ごしましょ」
    「………………」
    「あ、えっと……トレーナー3?どうですか?」
    「分かったよ、ソレでお前のリフレッシュに繋がんならな」
    「ヤッター!トレーナーさん大好き〜!」
    「あっこら!抱きつくなバカ!」

  • 11二次元好きの匿名さん24/05/27(月) 17:35:39

    座布団引いて座ったら何食わぬ顔で股の間にハートが陣取って来たが、こういう時はテコでも動かないのを知っているからそのままにする事にした。

    それからえいがを2本ほど観て時刻は昼少し前、腹も好き始めた頃合いだ。

    「昼はどうする?なにか食いたいのあるか?」
    「うーん、あ!近所に新しくラーメン屋さんが出来たって聞いたのでそこに行きたいです」
    「分かった、部屋着から着替えるからお前は別の部屋で待ってろ」
    「えー、私は気にしないのにー」
    「そう言ってお前ら俺が本当に着替え始めたら慌てて逃げたくせに」
    「あ、アレは本当にするとは思わなかったからで」
    「いいから、出なさい」
    「はーい」

  • 12二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 05:06:37

    保守

  • 13二次元好きの匿名さん24/05/28(火) 16:25:15

    続きが気になる

  • 14◆iGjCJthFblL724/05/28(火) 18:13:09
  • 15◆iGjCJthFblL724/05/28(火) 23:05:46

    昼飯を食べ終わり、また部屋へと戻る俺たち

    「トレーナーさんはさ、私の事……迷惑じゃないんですか?」
    「随分と今更な質問だなオイ」
    「いやまぁこれ迄は恋する乙女パワー全開だっただけで、気にしてなかったわけじゃないけどスルーしてたというか」
    「おいコラ」
    「それで、実際の所どうなんですか」
    「そうだな…………迷惑だよ、実際」
    「そうですか‪──‬ってえ!?トレーナーさん!?」

    俺の言葉を聞いてひと目でわかる程落ち込むハートを、俺は抱き寄せる。そのままハートの顎を俺の手に置き、少しあげる。

    「こっちの気も知らないであんなにもアピールされたら、色々と困るんだよ」
    「えっと、あのその…とれーなーひゃん、ちかぃ」
    「少しは俺の辛さ、分かってくれたか?」
    「分かりましたれ充分分かりましたからいったんはなれてくださると……」
    「分かればよろしい」
    「はぁ〜っ……はぁ、はぁ、はぁ」

  • 16◆iGjCJthFblL724/05/28(火) 23:07:47

    ハートはへたり込むと、しばし息を整えるため深呼吸をし恨めしそうな顔でこちらを振り返る

    「トレーナーさんのイジワルッ乙女にそんな事しちゃいけないんですよ!」
    「特段ナニカをした訳じゃない、そっちが勝手にダメージ受けてるだけだろ」
    「このッ〜〜〜〜ばーか!」
    「なんとでも言え、恋する房総列車」

  • 17◆iGjCJthFblL724/05/29(水) 00:47:11

    >>16

    房総❌

    暴走〇

  • 18◆iGjCJthFblL724/05/29(水) 02:07:14

    保守

  • 19◆iGjCJthFblL724/05/29(水) 06:58:19

    保守

  • 20二次元好きの匿名さん24/05/29(水) 16:33:21

    房総だと小湊鉄道になっちゃうな

  • 21◆iGjCJthFblL724/05/30(木) 00:52:15

    保守

  • 22◆iGjCJthFblL724/05/30(木) 07:00:39

    保守

  • 23二次元好きの匿名さん24/05/30(木) 16:17:32

  • 24◆iGjCJthFblL724/05/30(木) 23:07:41

    保守

  • 25二次元好きの匿名さん24/05/31(金) 07:02:46

    保守

  • 26◆iGjCJthFblL724/05/31(金) 16:43:22

    その後、映画を何本か見たら寮までハートを送り迎えし、休日は終わった……



    風呂上がり特有の気だるさに身を任せ、私はベッドに倒れ込む

    「はぁ……結局チューも出来なかった、私の意気地無し」
    「なぁに言ってるんだかこの浮かれぽんちは、はしたないこと言ってんじゃないのよ」

    私の愚痴を聞き口を挟んできたのは何を隠そう私をレースで抜いたミナモヨイヅキである

    「はしたないって何さはしたないって」
    「言葉の通りだよ、学生と教論者でそんなふしだらな事をしたいだなんて……慎みを持ちなさいよ」
    「そういうみーちゃんは自分のトレーナーさんとイチャイチャラッブラブな癖に!何言ってんの!」
    「私たちは元々親が決めた許嫁同士だったし〜?なんならもう既に結納迄果たした仲だし〜?入籍してないのはトレーナーさんの風向きを悪くさせない為に卒業まで待ってるだけであって、プライベートタイムで何しようが外野からなにか言われる筋合いは無いんですよね」
    「グギギギギッ良家の年下許嫁幼なじみとか、学園モノだったら3番目くらいに出てきて負け確みたいなポジションの癖に」
    「この話題になるとホントマジで口悪くなるよねアンタ」
    「くっ!仕方ないからみーちゃんの惚気に付き合ってあげる!今日も普段トレーナーさんとどんな事してるか教えて!参考にする!」
    「ほんと〜にふてぶてしいというか、図々しいというか、めげないよねぇ……分かったよ、じゃあ今日は先週の事を‪──‬」

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