【🎲・SS】こちら『元SRT』WOLF小隊(4スレ目)

[1 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 22:31:08]

ダイス神の悪ふざけの結果、閉鎖騒動の際に全生徒の6割が去ったSRT特殊学園。
それにより危惧される様々な事態に対処するべく、ヴァルキューレ警察学校警備局内で緊急対応部隊としてSRT小隊『WOLF』が再編された。
これはイマイチ倫理観が低いが信念を持って犯罪者と戦う、四人の元SRT生徒の物語である。

[2 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 22:33:06]

過去スレ

1スレ目　単発だったのにダイスが荒ぶって……

【🎲】ヴァルキューレ警察学校だ！｜あにまん掲示板

2スレ目　子ウサギ公園の件

【🎲】こちら『元SRT』WOLF小隊(2スレ目)｜あにまん掲示板

3スレ目

オリジナル要素マシマシ中断

【🎲】こちら『元SRT』WOLF小隊(3スレ目)｜あにまん掲示板

[3 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 22:34:35]

●WOLF小隊/緊急対応部隊『WOLF』
　SRT特殊学園・戦術科2年生チームのひとつで、前年度に行われた警察学校の粛正作戦において多大な活躍を見せている。
　倫理観や慈悲がやや低い傾向にあるが、隊員ひとり一人が『平和を守るもの』としての確固たる信念を持ち、唯一ヴァルキューレ転籍後も士気を維持している。
　現警備局長とはよく知った関係で、元SRT隊員すら犯罪者側に回りかねない現状に対処するため、直属の緊急対応部隊として再編された。
　比較的自由な活動を許されているが、その権限はあくまで警察学校に与えられた範囲内に留まっており、SRT時代と比べて不自由な環境に置かれている。
　『正当なSRTの系譜』を強調するためヴァルキューレ校章が記された腕章を着けたSRTの制服を着ている他、WOLF小隊の部隊章をそのまま使用している。
　装備品の多くは隊員の持参物であり、共通のサイドアームとしてSIG SAUER P320を所持している。
　命令受諾時には『ウィルコゥ』と答える。

　あまり関係ないが全員が恵まれたプロポーションの持ち主であり、凸凹している兎や全員絶壁の兎とは対照的。

[4 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 22:35:39]

●WOLF1/狼谷(おおかみ)ハルキ
　山海経出身　一人称「自分」または「私」　16歳
　武器種SR『ターゲット・インサイト』(H&K G28)
　身長142cm　白髪(92)　犬耳を生やしたトランジスタグラマー
　戦闘82　事務96　医療6　知性52　運動87　技術100
　政治48　交渉95　料理68　倫理90　慈悲16　神秘71
　電子戦76　解錠46　変装58　ステルス42　走力100　聞き耳36
　勤務態度48　真面目さ78　正義感70
　：WOLF小隊の隊長兼マークスマン。通称チーフ。
　目立った弱点がない万能選手であると同時に、SRTではトップクラスの足の速さを持つスピードスター。
　優秀ではあるのだが繊細な性格をしており、結構な泣き虫でもある。しかし同時に立ち直りも早く、どんな苦境にも負けない心を持っている。
　そんな彼女を知り互いに支え合ってきたからこそ、WOLF小隊は不屈の絆で結ばれている。
　一方で重大な責任を持つ立場にあるまじきだらしの無さを知ったことで、先生の事は好ましく思っていない。

●WOLF2/津軽(つがる)ヒスイ
　トリニティ出身　一人称「僕」　16歳
　武器種MG『慈愛と救護』(FN EVOLYS 5.56)
　身長175cm　橙髪(56)　胸と尻がデカい
　戦闘96　事務83　医療91　知性88　運動77　技術92
　政治98　交渉75　料理26　倫理4　慈悲34　神秘70
　電子戦52　解錠90　変装73　ステルス46　走力72　聞き耳93
　勤務態度80　真面目さ53　正義感67
　：救護魂を宿したWOLF小隊の『暴』担当。ライフルマンもしくは機関銃手。
　ヨハネ分派に連なる名家の出で、救護騎士団の蒼森ミネは従姉にあたる。
　予てよりヴァルキューレの腐敗を目の当たりにしており、『キヴォトスに巣食う病気の根本的な治療』のためトリニティで約束されたポストを蹴りSRTへと進学した。
　ハルキの最大の理解者であり同時に親友、少々重い感情を抱いている。
　SRT閉鎖騒動の際は再就職か脱走を考えていたが、『どうして相談してくれなかった』と泣き出したハルキを見て思い直した経緯がある。
　SRTの装備品を使えない現状、WOLF小隊は自前で代用品を用意しなければならず、超がつく金持ちである彼女が『寄付』という形でパトロンになっている。

[5 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 22:36:01]

●WOLF3/防人(さきもり) ユイ
　アビドス出身　一人称「わたし」　16歳
　身長174cm　水色髪(44)　カリンなみの褐色肌
　武器種HG『オラクル』(OAディフェンス OA2311)
　戦闘71　事務61　医療41　知性96　運動85　技術63
　政治43　交渉57　料理74　倫理73　慈悲2　神秘40
　電子戦79　解錠30　変装67　ステルス77　走力3　聞き耳10
　勤務態度94　真面目さ51　正義感74
　：WOLF小隊のブレイン兼オペレーター。
　隊員の中で最も隠密行動が得意であるため、諜報活動だけでなく斬首作戦が必要になった際には前線まで赴く。
　自作のスーパータブレットPCを持ち歩いており、様々な場所へと潜入しては必要な情報を抜き取っている。
　運動神経はいいが足の速さは小隊中最低で、緊急時にはエリに抱えられて運ばれる。
　戦車やヘリなどの操縦ライセンスを持つが、金のないヴァルキューレでは基本的に宝の持ち腐れである。
　プライベートでは仲間を『ハルちゃん(ハルキ)』『スイちゃん(ヒスイ)』『エリちゃん(エリ)』と愛称で呼んでいる。

●WOLF4/砂(いさご) エリ
　アビドス出身　一人称「俺」　16歳
　武器種AR『ペンドラゴン』(Mk18+マスターキー)
　身長168cm　桃髪(41)　胸と太腿を少し削ったハナコ体型
　戦闘73　事務60　医療67　知性95　運動59　技術69
　政治24　交渉36　料理83　倫理18　慈悲48　神秘26
　電子戦12　解錠27　変装45　ステルス42　走力72　聞き耳4
　爆破63　危険物解体47　勤務態度74　真面目さ100　正義感88
　：小隊のライフルマン兼工兵。ユイとは幼馴染の関係。
　WOLF小隊の中では特に秀でた能力を持たないが、その生真面目さに起因する気遣いが隊員間に調和を齎している。
　SRT閉鎖騒動の際、脱走を持ちかけたユイと殴り合いの喧嘩になった事がある。
　隊員の中で唯一爆発物処理技能を所持しているため、SRT亡き今では地味に換えが利かない。
　片眼鏡を着用しているが、これはSRTからちょろまかした多目的デバイスである。

[6 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 22:36:26]

●このスレのSRT特殊学園
生徒数16小隊64名、キヴォトスにおける一個大隊規模。
　原作同様に連邦生徒会長が失踪した途端に『責任者不在』を理由に活動を禁止され廃止が内定。それにFOX小隊による生徒会襲撃事件が発生した事で反対派が多数となり、与えられた権限を逸脱した学園の閉鎖が決定される。
　だが経緯を伏せて一方的に閉鎖命令を下したために怒り狂った生徒達が反乱を起こし、FOX小隊とRABBIT小隊を含む33名が学園外不出のSRT装備を奪って脱走する大惨事となってしまった。
　残る31名のうち3名が失意のうちに他校へ転校し、4名が自主退学して失踪。
　ヴァルキューレ警察学校へ編入された24名のうち、WOLF小隊を除いた20名が燃え尽き症候群を患いSRT隊員としては使い物にならなくなっている。

●このスレのヴァルキューレ警察学校
　ダイスがｷｭﾋﾟｰﾝした結果、前年度初頭までは生活安全局を除いて上から下まで汚職にまみれた『絵に描いたような警察の姿』をしていた。
　発足間もないSRT特殊学園がカイザーと防衛室の事件の次に捜査のメスを入れ、最終的に腐敗をほぼ一掃(120%→4%)する事に成功した。
　ただし管理職も大半が失脚した影響でピラミッド構造が崩壊しており、指揮官や実務経験者が圧倒的に不足している。
　SRT生徒が連邦生徒会にブチ切れた原因は、本件で公権力の腐敗を目の当たりにしそれを正したも関わらず、用済みとばかりに使い捨てたようにしか見えないという点もある。

[7 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 22:41:34]

皆様お久しぶりです。少し余裕が出たのと過去スレのストックが尽きたので再開致します。
加筆修正を行ったハーメルン版に合わせて設定が以前と変わっています

●固有武器の名称を設定
●ユイの武器(シグザウエル P320→OAディフェンス OA2311)
●エリの武器(カールグスタフM3→Mk.18+マスターキー)
●SRT生徒の脱走者数を変更(37名→33名)
●説明文の修正
●順次説明しますが登場人物の増加

[8 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 22:51:05]

●これまでのあらすじ
　きれいなヴァルキューレ警察学校において特殊部隊として再編された元SRTのWOLF小隊。
　後輩(RABBIT小隊)の暴走を公安局とシャーレに協力して鎮圧したが、防衛室長のカヤが『SRT閉鎖の決定打はFOX小隊による連邦生徒会襲撃』と話しているのを聞いてしまう。
　その後は(話と話の間に)順調に活動していたが、連邦生徒会の杜撰な管理と政争によるSRT装備強奪事件の責任を押し付けられ謹慎に追いやられてしまう。
　生徒会内に黒幕がいると踏んだ一行は警備局長が休めと言ってるのに休日返上で捜査を開始、ミレニアムに転校した元同僚の助けを借りて最重要容疑者を絞ることに成功する。
　だが同時に『FOX小隊が襲った行政官のほとんどはリン代行派閥の人間』だとも教えられてしまい頭を抱えることに……。

[9 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 22:55:19]

立ち絵間に合わなかったよ……スレ立て時期宣言するんじゃなかった

[10 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 23:03:48]

今シーズンの目標である『カルバノグ編1章終了』までのプロットは既に完成していますが、スレ時点で設定が固まってなかった事情もあって後半で起きる『ヴァルキューレ公安局の汚職事件』の前振りをハメ版の方で書いてしまいました。
という事で保守を兼ねて該当部分を掲載していきます。

[11 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 23:09:43]

(WOLF小隊が子ウサギ公園へ到着した頃……)

同時刻。ヴァルキューレ警察学校本館、第三応接室。
　「この度はお時間を頂き、誠にありがとうございます」
　公安局副局長、向田(コウダ)アサミは対面に座るスーツ姿のロボット営業マンから名刺を受け取った。

　ヴァルキューレ公安局は『狂犬』の異名を持つ尾刃カンナに憧れる者ばかりが所属する、いわゆる親衛隊のような状態にある。
　不健全極まりない現状をカンナ本人は問題視しているものの、残念ながらその気持ちを汲んでくれる者はわずかしかいない。
　そのうちの一人が彼女である。
　カンナと共に公安局の暗黒時代を戦い抜いた戦友にして、警察学校では数少ない気の知れた友人。

　だが副局長というポストに就きながらも部下の大半からは蔑ろにされ、現場におけるカンナの副官である宗方(ムナカタ)セイカが次席と本気で思っている者すらいた。
　理由は単純明快、舐められきっている。
　本来ならば局長であるカンナが処理するべき諸々の手続きを一人で引き受け、オフィスへこもってひたすら事務作業を続けている。
　そのおかげで通常ではあり得ないほどスムーズに出動までこぎ着けれる*3のだが、カンナに心酔する生徒は現場での華々しい活躍ばかりに目を向け縁の下の力持ちには見向きもしないのだ。

　(子ウサギ公園の駐車場にいる某生徒「別な意味で腐ってませんか？　これ」)

　連邦生徒会による出動命令が下った今回もオフィスに残って書類を捌いていたのだが、そこへ喜ばしく思えない来客が来たのでやむなく応対にあたったのだ。

　「……公安局は現在作戦行動中です。手短に用件をお聞かせ願いたい。カイザーインダストリーがどのような御用でしょうか？」

[12 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 23:14:25]

　Tips：カイザーインダストリー
　カイザーグループの重工業系会社。原作中では銃器からそれに取り付ける照準眼鏡など、様々な小火器関連の製品を製造販売しているとされている。
　風倉モエはカイザーインダストリーのVVIPであり、RABBIT小隊の装備品を横流ししている疑惑が浮上していたが、アッサリ流されて追求されなかった。

[13 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 23:16:42]

　カイザーインダストリーの営業マンは、顔面の液晶画面に愛想笑いを浮かべながらアサミにセールストークを始めた。
　「公表されているヴァルキューレ公安局の活動実績ですが、どうも今年に入ってからは損害が激増しているように思えますが……？」
　「正確には『連邦生徒会長が失踪してから』です。ある程度の資金力を持つ犯罪組織が、違法スレスレの兵器を保有している事例が激増していますから」
　アサミはなんともないように言いながら目を細める。
　「カイザーインダストリーとその子会社が製品もずいぶんと多いですが」
　「弊社の商品は大変評価が高く、市場価値もきわめて高くなっております。秩序を乱す側の人間が欲しがるのも無理はございません」
　白々しい、とアサミは内心で毒づいた。


　D.U.近傍には犯罪者や悪徳業者が闊歩し、不法占拠も同然ながら独自の秩序を確立し実質的に住民による自治が行われている非学園エリアがある。
　『ブラックマーケット』というそのままな名前で呼ばれている暗黒街は、社会のゴミの最終処分場であると同時に莫大な利益を水面下でもたらしている。
　本来土地を管理する立場である連邦生徒会がこれを放置し、ヴァルキューレ警察学校も積極的に警察活動を行わないのも、表向きには出てこない資金の流れがキヴォトス中央部の社会そのものへ大きな影響力を持っているからだ。

[14 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 23:18:17]

　キヴォトス社会最大級の複合企業であるカイザーコーポレーションもブラックマーケットの『お得意様』である。
　かの『覆面水着団』最初の目撃例となった闇銀行の襲撃事件も、『カイザーローンがアビドス高等学校から借金の返済として徴収した金を闇銀行を通し、アビドスへ差し向けたヘルメット団を雇うための金として利用していた』のが背後にあった。

　カイザーグループの軍需産業部門があるカイザーインダストリーは、ブラックマーケットに設けた窓口から堂々と武器を裏社会へと流している。
　『使う人間の問題であり道具に罪はない』とはいうが、悪用するのが明白な相手に売るのは問題だ。
　それが罪に問われることがないのは前述の影響力、そしてカイザーそのものが連邦生徒会に対して深く取り入っているからに他ならない。
　現に連邦生徒会に議席を持つ生徒の何割かは、大なり小なりカイザーの息がかかっている。
　責任者が居なくなった混乱に乗じてSRT特殊学園廃止論が俎上に上がったのも、『そういうこと』なのだろう。

[15 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 23:20:22]

　「いまクロノスが中継していますけど、『SRT特殊学園を名乗るテロリスト』は凄いですね？　失礼を承知で言いますが、まるでヴァルキューレがその辺を彷徨いている浮浪者のように蹴散らされていると感じました」

　売りこみをかけている相手を見下しているのを隠さない営業マンだが、『浮浪者』という言葉を聞いたアサミは眉をわずかにつり上がらせた。
　最近キヴォトスで噂になっている『ヴァルキューレ警察学校を上回る重武装の放浪者集団』、それがD.U.圏内で目撃されたという情報が入っていたからだ。
　「何を仰っしゃりたいのです？」

　「もしそちらが宜しければなのですが、御社から公安局へ銃器類を『寄付』する用意がございます」
　「贈収賄罪です。お断りします」
　「あくまで寄付です。警察学校がこのような『心付け』を受け取ることなど、当たり前ではありませんか？」
　「それは去年までの話です。今のヴァルキューレには、不浄役人など片手の指が余る程度しかいないでしょう」

(※何しろｷｭﾋﾟｰﾝしたせいで原作を上回る腐敗率120%だったのを4%まで減らしたので、それ以前には色々あったのでしょう)

[16 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 23:28:45]

　相容れぬ話が平行線を辿るなか、営業マンは肩をすくめて大きなため息をついた。

　「……いやはや。力なき正義は無力だと『偉大な先輩方』から教わらなかったのですか？　子供じみた空論を振りかざすような立場じゃないでしょう？」

　「穢れた力に頼っていたこれまでの公安局とは違います。……今日のところはお帰りください。正面ゲートまで送りましょう」

　カイザーの営業マンは仏頂面のアサミを愉快そうに見ながら最後にこう告げた。

　「我々カイザーインダストリーは、いつでもご連絡をお待ちしておりますよ」

(以下即興加筆)

　「くそっ！！　舐めた態度しやがってカイザーの犬が！」

　アサミは公安局に割り当てられたロッカー室で盛大に毒を吐いた。

　「ウチらはブタ箱送りになった前の公安局長(クソヤロウ)とは違う……！」

　前任の防衛室長に媚びへつらい自分たちには横柄に接する能無しの局長と、権力を笠に着てパワハラやいじめを繰り返していた副局長。

　連中は当然のごとくカイザーと繋がっており、随分と甘い汁を啜っていたそうである。

アサミはWOLF小隊と以前から面識があるか？　dice1d2=1 (1)

1.はい　2.いいえ

[17 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 23:35:32]

　「ハァ……ハッ！　ゴミの集まりだった警備局にはリリカ(※本作の警備局長。原作とは別人)がいて、今はあのオオカミがいる」
　アサミは己に言い聞かせるように呟く。
　「大丈夫、きっと大丈夫……」
　このまま黙っていてはおそらく、心に抱え込んだ傷が開いてしまいそうだから。


●向田アサミ
：三年生、ヴァルキューレ公安局の副局長。
　周囲と壁を作りがちなカンナとは気心の知れた関係の一方で、カンナ親衛隊と化している一般隊員からは蔑ろにされており完全に舐められている。
　仕事はデスクワーク主体で本来はカンナが行うべき書類作成や提出を一手に引き受けているため、公安局は原作と比べて驚くほど円滑に出動が出来ているのだが、それを評価している者は少ない。

　元は単発で建てたスレ(疲労による誤操作で削除)で作ったキャラクター。
　基本的はパーソナリティはそこで決まったが、他人のスレ進行を真似して進めた結果、待っていたのは『公安局の汚職の責任を押し付けられ、先生が知らないところで退学処分になる』という地獄であった。

[19 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/22(土) 23:58:01]

明日仕事→職場の歓送迎会があるのに突然のブルアカらいぶとか冗談じゃ……
いったい今年のハーフアニバは誰が来るのでしょうね？
それでは皆様おやすみなさい

[20 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/23(日) 08:01:30]

皆様おはようございます。今日は仕事と職場付き合いのためストーリーを進めれません。

オリキャラスレといえば『原作には存在しないキャラの追加』による歴史の変化が見ものですね。
どこぞの公式クソチートマンチのせいで当初の期待を裏切ったお労しい扱いになってる原作キャラかわいそう
明らかにそいつの影響で雑に滅びようとしてるカイザーもまた不憫(それぐらい強引な展開でないとどうにかできない存在なのは今更とはいえ)

[21 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/23(日) 08:05:12]

本スレは元が『元SRTのヴァルキューレ生徒』という点からスタートしている関係上、主役であるWOLF小隊が直接的に原作へ介入するタイミングが諸先輩方と比べて非常に遅くなっています。

んじゃあこれまでに原作と比べて歴史の変化があったのか、ダイスを振ってみましょう。

対策委員会編(2章まで)　dice1d4=2 (2)

パヴァーヌ編(1章)　dice1d4=2 (2)

エデン条約編(2章まで)　dice1d4=3 (3)

エデン条約編(3章)　dice1d4=2 (2)

1.良い方向へ修正があった　2・3.変化なし　4.ｷｭﾋﾟｰﾝ

[22 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/23(日) 08:11:41]

何の成果も、得られませんでした!!(画像略)

この先生ほんま……

先生の行動は多少の揺れ幅はあれど良くも悪くも原作通りと(シレッとニュアンスを変える厚顔無恥)

んじゃ各章何かキャラ生えてきてないよね？

プロローグ(シャーレ)　dice1d4=3 (3)

対策委員会編(アビドス・ゲヘナ)　dice1d4=4 (4)

パヴァーヌ編(ミレニアム)　dice1d4=4 (4)

エデン条約編(トリニティ)　dice1d4=3 (3)

1.いないでしょ

2.もうオリキャラだらけのスレなのに

3.これ以上増やしてどうすんねん

4.ｷｭﾋﾟｰﾝ

[23 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/23(日) 08:13:52]

仕事行ってきます！(現実逃避)

[24 二次元好きの匿名さん 24/06/23(日) 09:34:26]

アビドスは失踪した4人関連かな

[25 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/23(日) 12:10:00]

>>24

流石に他方と同じく在校生を想定しております

ミレニアムはC&C加入前のダイヤで済ませるとして、対策委員会編か……

どっち？　dice1d4=2 (2)

1.アビドス　2.ゲヘナ　3.両方　4.ｷｭﾋﾟｰﾝ

学年　dice1d4=1 (1)

4が出た場合は留年した3年生

[26 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/23(日) 12:25:35]

ゲヘナとな？アビドスなら借金返済RTAのチャンスがあったから少しだけ残念

対策委員会編関与するゲヘナは便利屋68と風紀委員会のふたつ

dice1d4=1 (1)

1.2.3.風紀委員会　4.便利屋68

[27 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/23(日) 12:57:32]

昼休み終わる前に役職を振っておこう。出すか以前に出せるか謎だけど

dice1d5=4 (4) 　数字が小さいほど地位が高く、1と2で幹部

[28 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/23(日) 12:58:14]

せいぜい小隊長クラスですね！現実は非情である

[29 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/23(日) 15:52:44]

(小休止中)

出すタイミングが限られてるけど気になるからストーリーに何の影響を出したのか振ってみようか

対策委員会編　dice1d4=3 (3)

？

エデン条約編2章　dice1d3=2 (2)

1.2.目立った影響なし　3.補習授業部と関わりを持つ

エデン条約編3章　dice1d3=2 (2)

1.2.目立った影響なし　3.先生を守りきった

[30 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/23(日) 15:57:13]

あっ(察し)ふーん…
4引いとけばカイザー関連でアビドスに助力できたのに、3だからあくまで便利屋68とアコの命令で先生を探ってたのみ。
んで3なので

「乱戦中に先生を人質に取ってアビドスに無条件降伏を要求する」

という実にロックな事になりましたね(目逸らし)

[31 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/23(日) 19:50:27]

仕事しながら考えた結果
『風紀委員会情報部の優秀な新人だがゲヘナ基準でも難がある性格かつ煽りカス、責任転嫁が得意(自分だけしか居ない場合は流石に別)なヘイトタンク』
『先生を人質にし『ここはカイザーの土地で連邦生徒会も見捨ててるから指図は受けない』とアコに責任転換しながらアビドスを煽り、結果的に土地の権利の件に気付くのを早める』
『イオリの足案件で『指詰めろよw』と煽ったら即座にやる寸前まで行った先生にドン引きし完敗』
『TTTで可哀想なイオリに代わって登場。案の定煽り散らしてヘイト稼いだのでイチカにブチのめされてもユーザーから同情されない』
という、完全に原作キャラの引き立て役というポジションで確定しました
スレの主役だったら絶対に途中でエタるやつ

[32 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/23(日) 21:35:34]

スレに出る予定がないオリ生徒はひとまず置いておいて、次の公式イベントがまさかのヴァルキューレ。
もう部署も仕事もヘッタクレもないいつもの組み合わせとエロすぎる水着で頭が混乱しますね

で、ヘイローの形が複雑なので「ヴァルキューレじゃないのか?」と疑われている新キャラはなんでしょうね?
ただのモブや普通に不良側の可能性もありますけど。
仮に生活安全局長だったら、これまで公式から蔑ろにされすぎてて「今更そんな情報がなんだというんだ！」案件ですねこれ

[33 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/24(月) 00:43:00]

アニメ版は対策委員会編2章までなので爽やかに終わりましたね。
絶対に許さねえぞ地下生活者

ですがこのスレは賛否両論のカルバノグの兎編、それを更にギスギスした感じにした展開を避けられません。
なにしろきれいになっても所詮はRABBIT小隊の活躍を引き立てるための舞台装置でしかない、ヴァルキューレ警察学校が主題なのですから(自暴自棄)

[34 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/24(月) 09:30:25]

おはようございます。
ストーリーの進行予定について

WOLF小隊の謹慎期間は一週間。その直前に『所活幸に先生が誘拐される』というイベントが挟まっており、そこから『数日後』に大雨が降ってRABBIT小隊は装備品の多くを浸水で失います。
先生がリンに公園の復興計画を出し、ようやく『子ウサギタウンは再開発予定で退去が進められている』と知るのとカヤがカンナに汚職を強要するのはほぼ同じタイミングです

SRT装備品強奪事件発生→(数日後)先生誘拐→(翌日)WOLF小隊の謹慎→(謹慎期間中)独断で捜査中に大雨が降り、先生と兎小隊の関係が改善される
という流れなので、当初の予定とは裏腹に『謹慎明けと同時に1章後半がスタート』かもしれません。

[35 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/24(月) 13:22:36]

SSを書き始める前に必要な要素をダイス振っていきましょうか

先生が再開発事業に気付くタイミング　dice1d4=2 (2)

1.2.原作通り　3.他の生徒が教える　4.ｷｭﾋﾟｰﾝ

アサミのWOLF小隊に対する好感度　dice1d100=40 (40)

???　dice1d100=41 (41)

6割以上で…

[36 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/24(月) 13:28:10]

ほんまあのミニヒマリ…
副局長はWOLF小隊のことをあまり信用していませんね(カンナは48、モブは62)。
まぁこのスレでSRTがやった事を考えれは当然でしょう
そして三つ目は「カヤの警戒度」。この様子だと「所詮はヴァルキューレ編入組だ」と考えて脅威と見做していませんね

[37 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/24(月) 20:09:31]

ぼちぼち始めます。

[38 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/24(月) 20:54:12]

　「……なんですか、これは？」
　先生から急なアポイントが入ったリンは、レセプションルームで彼女から差し出された書類の束を見て首を傾げた。
　「"忙しいところ申し訳ないんだけど、リンに一度見て欲しくて……"」
　使い捨てのマスクごしにややかすれた声を出す先生の顔はほんのり赤い。まるで風邪でもひいたかのようだ。
　ワードソフトで打たれた『それ』の見出しにはこう書かれている。
　「『浸水被害に遭った『子ウサギ公園』における設備補修の提案書』ですか……」

　一昨日、キヴォトス中央部を襲った記録的な豪雨。
　それはD.U.各地にも様々な被害をもたらしたが、それはRABBIT小隊が居座っている子ウサギ公園も例外ではない。

　ミヤコたちは陣地形成の際に排水のための十分な溝や水の逃げ道を作っておらず、ベースキャンプ内に雨水がたまりやすい状態にあった。
　そして建物代わりのテントはあそこまでひどい荒天下での使用を想定していない種類であるため、四人の必死の抵抗も空しく重みであっさりと潰れてしまった。
　ミヤコ以外が我に返って諦め始める中、ロクな雨具を着ずに駆け付けた先生が排水溝を掘るのを手伝い始めたことを切っ掛けとして、バラバラだった四人の心はついに一つになった。

　日が沈み雨が止むころにはベースキャンプ復旧を終わらせた一行だったが、公園の施設そのものは少なくない損害を被ったままだ。

[39 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/24(月) 21:02:16]

　「……市民が使う公園を補修すること、それ自体には何も異論はありませんが──」

　リンは心底不思議そうに先生の顔を見た。

　「これは、シャーレの活動に必要なことなのですか？」

　「"そうではないんだけど……"」

　「ならば……SRTの生徒たちにとって必要、という事ですか？」

　子供のような風貌の大人は、その一言で押し黙ってしまった。

　「……カヤからお話は聞きました」

　ヴァルキューレ警察学校への転入を拒んで大暴れしたSRT特殊学園の生徒たち。

　彼女らが問題の公園に居座って野宿を続けており、監督責任者となった先生がそれにあれこれ便宜を図っている──

　「それについて、何かを言おうという訳ではありません」

　シャーレは超法規的権限だけが与えられた、活動方針のない『自由な』組織。連邦生徒会長が作ったそれに口出しする権利は自分にはない。

リンの先生への好感度　30+dice1d70=21 (21)

[40 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/24(月) 21:02:42]

フラットで草生える

[41 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/24(月) 21:20:37]

「ただ私の立場から言わせていただきますと、彼女たちが公園に居続けるのを是とする事はできません」
　市民の憩いの場をいち集団が占拠しているから？
　いや違う。あそこは利用者が少なく近々撤去予定の場所である。
　リンはテーブルの上に置いておいた業務用のタブレット端末を手に取り、あるPDFを開いた。
　「そもそも実のところ、近いうちに撤去する予定の公園なのです。ただ、それとは関係なく……」
　タブレットの画面を先生へと向ける。
　「……確かにSRTは連邦生徒会長から特権を与えれた、迅速に犯罪者を制圧するための特殊な組織です」

　だがその『力』は正しく適切に扱わなければ、却って混乱を招くだけの危ういものである。
　そしてSRTは実際に牙を剥き、そして多くの生徒が危険性を帯びたまま姿を消してしまった。
　「そんな中、彼女たちを支援するような動きをした場合……行政委員会から強い反発が挙がるでしょう」

　PDFに記された文章は、ヴァルキューレへ編入された者を含めたSRT生徒の『処分』見直しを議題とした会議の内容。
　全員を犯罪者予備軍と見做し、連邦矯正局ではなく刑務所へ重犯罪者として収容しろという過激な意見を唱える者までいた。
　「"リンが説得してくれたりは……"」
　「しません」
　即答だった。
　「"だよね……"」

[42 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/24(月) 21:24:15]

これ事前に振るのを忘れてた　アオイとの面識　dice1d2=2 (2)

1.ある　2.ない

[43 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/24(月) 21:33:57]

　その後、先生はサンクトゥムタワーを右往左往して行政委員会に話をつけようと試みた。
　しかし室長に会う前に門前払いを食らい、あるいはどこからか聞きつけたのか『先生がSRT残党を支援している』と知った行政官から銃を向けられまでした。

　「SRTがどうとかは別にいいんだけどさ。厄介ごとを持ちこまないでもらえる？」
　モモカはソファーに寝転がりながら、興味なさげに言い放つ。

　「すみません……私じゃお役に立てそうにありません……」
　アユムは深々と頭を下げ、先生に聞こえないほどの小声で『助けてくださいネリス先輩』と呟いた。

　今まで顔を合わせていなかった財務室長の扇喜アオイからは、とうとう『シャーレという得体のしれない組織に無駄に出す予算はない』とシャーレそのものを罵られてしまった。
　「("……得体の知れない？　シャーレって連邦生徒会長か作ったって話だよね？")」

[44 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/24(月) 21:36:39]

ちょっと中断します。今夜再開できるかは未定

[45 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/25(火) 00:34:14]

　「……なるほど、それでこちららへお越しになったと」
　先生はとうとうRABBIT小隊の件の仕掛け人でもあるカヤのもとへやってきた。
　「結論から申し上げますと……申し訳ないのですが、私の方もお手伝いはできそうにありません」
　現実は非情である。
　「公的な扱いとして、SRT特殊学園はすでに閉鎖され(消滅し)た学園……。名目はさておき、実体としては『存在しない学園の生徒のために、連邦生徒会が直接支援する』という形になってしまいます。これは難しいでしょう」

　学園都市キヴォトスにおいて、連邦国家におけるひとつの自治州……国家に等しい存在である学園。
　だがその規模は大小さまざまであり、シャーレの業務でよく赴くトリニティやゲヘナのような広大な土地面積を持つ学園がある一方で、小さな市町村程度の土地しかない学園だって存在する。
　そういった有象無象のなかには、財政破綻や過疎化、災害によって廃校……消滅するものも日常的にある。
　先生にとって全ての始まりであるアビドス高等学校からして、広大な自治区の権利がほぼ人手(カイザー)の手に渡っており、いまだに潰れていないのが不思議な状態である。


　『ハハハハ……！　お前らはバカだよ。アコ行政官が言いたいのは『ここは全部カイザーの土地なんだから、アビドス高等学校の自治権を行使できない』ってこと！　現にずっと前にヴァルキューレ警察学校だって引き上げているだろう？　連邦生徒会はずっと前にこんな価値のない学園なんざ見捨ててるってわけだよ！』
　天雨アコが『便利屋68の捕縛』を建前とし、先生の身柄を狙ってアビドスへ侵攻したあの日。
　自身の首を絞めあげながら銃を突き付けてきた、ある風紀委員の煽る声がふと思い出された。

[46 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/25(火) 00:53:13]

入れる余地があったから>>31でドロップした煽りカス風紀委員を混ぜておく

　『RABBIT小隊ではなく子ウサギ公園を～』という抜け道も考えたカヤだったが、それもまた既知であるはずの事実によって覆される。

　「あの地域は元々、再開発予定区域ということもあり……。私にできることと言えば、以前お伝えした通り、彼女たちの学籍データをそのまま維持することぐらいで……」

　申し訳なさそうに謝罪するカヤにお礼を告げオフィスを出ようとする先生だったが、その背中に声がかけられた。

　「先生。彼女たちと過ごす日々は、楽しいですか？」

　声を出しての返事はなく、ただ頷くのみ。だが返答に満足したカヤは笑いながら言う。

　「では引き続き、RABBIT小隊をよろしくお願いいたしますね」

　駐車場へ向かうためエレベーターホールへ向かう途中、先生は思いがけない人物と再会を果たした。

　「あっ……」

　「"久しぶり"」

　ヴァルキューレ公安局長の尾刃カンナ。会うのはカヤがヴァルキューレ本館へ来た時以来のことだ。

　「……またお会いするとは、奇遇ですね。先生も、防衛室長にご用が？」

　「"さっき済ませたよ。あなたは？"」

　先生にとっては特に深い意味のない世間話程度の質問。だがそれを聞かれたカンナは露骨に狼狽えた。

　「私は……その、『個人的な用事』とでも言いましょうか……」

　言い淀んだカンナは逃げるように去ってゆく。

　「"……"」

　何かあったのだろうか？

[47 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/25(火) 00:55:19]

続きは明日にでも。次はいよいよ大きな変化があるであろうカヤによるパワハラシーンです。
皆様おやすみなさい

[48 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/25(火) 08:15:23]

皆様おはようございいます。本日仕事は休みですが予定があるので再開は遅れます。

せっかくだから煽りカス風紀委員のスベックを決めてしまいましょう

変装を考慮して身体的特徴のダイスは振りません

一人称　dice1d6=5 (5)

1.私　2.僕　3.俺　4.自分　5.自分の名前　6.その他

髪色　dice1d12=10 (10)

1.黒　2.茶　3.金　4.銀　5.青　6.水色　7.紫　8.薄紫　9.橙　10.赤　11.桃　12.白

長さ　dice1d100=75 (75) 　100で足元

身長　150+dice1d40=37 (37)

胸　dice1d5=3 (3)

1.絶壁　2.小盛　3.並盛　4.大盛　5.メガ盛

腹　dice1d3=2 (2)

1.ガリガリ　2.細　3.中

尻　dice1d5=1 (1)

1.キュッ　2.小さめ　3.やわらか　4.もちっ　5.ドーン

顔立ち　dice1d100=31 (31) 　1ほど可愛く100ほど綺麗　

肌の濃さ　dice1d5=1 (1) 　4でイオリ5でカリン

[49 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/25(火) 08:20:19]

銃の種類　dice1d5=3 (3)

1.AR　2.SMG　3.SG　4.SR　5.HG

戦闘　30+dice1d70=53 (53)

事務　30+dice1d70=57 (57)

医療　dice1d100=24 (24)

知性　40+dice1d60=56 (56)

運動　40+dice1d60=48 (48)

技術　40+dice1d60=45 (45)

政治　dice1d50=30 (30)

交渉　30+dice1d70=66 (66)

料理　dice1d100=52 (52)

倫理　0

慈悲　0

神秘　dice1d100=59 (59)

[50 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/25(火) 08:22:11]

……ゲタ要らん出目だなこれ

[51 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/25(火) 15:25:17]

一人称は「自分の名前」か……まあ出すときに決めようか

[53 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/25(火) 20:29:20]

すいません微調整したときにヘイローのレイヤーを非表示にしたままでした
家事が終わり次第、きのうの続きをやります

[55 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/25(火) 22:50:38]

再開します

カヤの不機嫌度　dice1d100=53 (53)

[56 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/25(火) 23:05:11]

この数字なら原作そのままの態度で大丈夫そうだな。
低ければノリノリで煽ってきて、高ければカルバノグ編終盤なみに余裕がない感じ

　「お疲れ様です、お待ちしていましたよ」
　防衛室長のオフィスに足を踏み入れたカンナを待っていたのは、ニコニコといつも通りの胡散臭い笑みを浮かべた部屋の主。
　「カンナ、そんなに緊張しないでください。何もあなたを虐めたくて呼んだ訳ではありません」
　どうだか、と内心で毒づく。
　「それで、『子ウサギタウン』の建設についてはいかがですか？」
　上質な豆で淹れたコーヒーを口に含みながら、カヤは『計画』の進捗を訪ねた。

　ここでいう『子ウサギタウン』というのは、子ウサギ公園の所在地である地域のことではない。
　そこから住人を全員退去させ、既存の建物を取り壊し森を切り開いて造ろうとしている『新・子ウサギタウン』のことだ。
　地下鉄道網とターミナル駅を設置し、外部から多数の企業を誘致した繁華街に作り替える大規模計画。
　連邦生徒会はそれを『厳正なる入札の結果』、カイザーコンストラクションへと依頼していた。

[57 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/25(火) 23:33:36]

　「それが、付近で野宿している者たちが多く……。建物の撤去作業が、少々遅れており……」
　「……はい？」
　言い淀むカンナの報告に首をかしげたカヤは、カップを置いて席から立ち上がる。
　「それはつまり、こういうことでしょうか？」
　一歩、二歩とカンナへとにじり寄っていく。まるで嫌がるした幼子を押さえこもうとするかのように。
　「キヴォトスの治安を担うヴァルキューレ警察学校……その精鋭である公安局が、浮浪者(※原作では「放浪者」)の立ち退きに苦労していると？」
　困ったような表情の裏から苛立ちと『弱者』を弄る愉悦の感情を漏らしながら、目前のカンナの顔を見上げた。
　「で、ですがその、どうやら普通では有り得ないな銃火器で武装しておりまして……！　こちらの武器では、なかなか対応しきれず……」


　SRTの装備品強奪事件発生から今日で一〇日目。
　住民の退去が進む子ウサギタウンにはRABBIT小隊と噂の『所活幸』のほか、住所不定のチンピラや不審者が多数居ついてしまっていた。
　最初のうちは不法占拠の罪で警備局が対応を行っていたが、ある日を境にそういった『社会のゴミ』がその経済状況では考えられないような高性能の武器を持つようになった。
　警備局は半月前のRABBIT小隊との交戦の損害からは完全には立ち直っておらず、また虎の子のWOLF小隊もお上の責任を押し付けられ謹慎状態にあり、警備局長はもはや自分たちでは対応不能と判断。
　公安局がそれを引き継いで『不法占拠者』の排除を開始したのだが、武器の流通経路の捜査をする余裕もなく彼女たちもまたジリ貧へと追いこまれていた。

[58 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/25(火) 23:46:56]

　「それに加えて、あのSRTの生徒たちも公園に残り続けているため……」

　「あら、つまり私のせいだと？」

　心外だなぁと目つきがわずかに鋭くなった。

　「し、失礼しました！　そのような事は決して……！」

　たじろぐカンナから一歩距離を置き、カヤはまじめくさった顔で弁舌を始める。

　「カンナ、私は責任感のある方が好きです。私は私の、あなたはあなたの責任をそれぞれ果たしましょう」

　コツ、コツと足音を立てて室内を歩く。

　「万が一、その責任を放棄されてしまうと……」

　足を止め、再び困った顔をカンナへ向ける。

　「SRTみたいになってしまったとしてもも私からは何も言えませんよ？　……ましてや、今の公安局には『仮想敵』がいるではないですか？」

　それが何であるか、言うまでもない。

　「誰の仕業かは知りませんが、今のヴァルキューレには仕事のできない金食い虫を養うだけの余裕はありません。これを機に公安局を潰してその後釜に座ろうとしているかもしれませんよ？」

カヤの脅迫　dice1d100=18 (18)

(カンナのWOLF小隊に対する好感度(48)を上回った場合、疑心暗鬼に囚われる)

[60 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/25(火) 23:58:54]

　これは相手が『元SRT』であることを利用した脅迫だ。
　しかしカンナはその見え透いた魂胆にだけは屈しなかった。全体で見れば短い付き合いではあるが、ハルキたちがそのような政治的野心を持つような人間ではない事ぐらいわかっている。

　「ふふっ、では私からひとつアドバイスを差し上げましょう」
　緊張した面持ちで黙ったカンナを見て脅しに屈したと思いこんだカヤは、上機嫌である『提案』を行う。
　「カンナは『三本の矢』についてご存じですか？　一本の矢では簡単に折れてしまいます。しかしそれが複数集まれば、そうそう簡単には折れません──」
　まさか。とカンナの頬を一筋の冷や汗が伝った。

　「公安局だけで難しいのであれば、『利害関係が合う人たち』を呼んではいかがですか？」
　カイザーインダストリーが副局長(アサミ)に『心付け』をしようとした事がバレている！？

[61 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/26(水) 00:10:14]

　「それは、つまり……」
　「あら、そういうのは最後まで言わない方が『粋』ですよ」
　音声記録、監視カメラの映像に『汚職の強要』の証拠を残さず、現場の人間が勝手にやったと全責任を押し付ける。
　不知火カヤに限らず、これまでの防衛室がやってきたはしっこい手口だった。
　「……はい」
　「それでは、次回はもっと良いお知らせを期待していますね」
　カヤはいやらしい笑みを浮かべて『話は終わりだ』と退室を促した。
　いますぐこいつに手錠をかけてやりたい。そんな衝動を必死に押し殺しながら、カンナは敬礼と共にその場を後にした。


　「はぁ……。まったく、しっかり動いてくれる人が少なくて寂しいです。どうにも人に恵まれませんねぇ……」
　まるで自分は被害者だと言わんばかりに大げさな素振りでため息をつくカヤ。
　その言葉に反応するように、物陰から一人の武装兵が姿を現した。
　「……役に立てていなかったら申し訳ない」
　「いえいえ、あなたの事ではありません」
　頭を下げようとする武装兵を手で制し、営業スマイルを相手に向ける。
　「むしろあなたは、私にとって最高のパートナーですよ♡」

[62 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/26(水) 00:13:37]

　武装兵が何者があるかは、まだ語るべきことではない。
　ただ、ここで起きたやり取りがキヴォトスそのものを揺るがすような大事件へと繋がっていくというのは確実だった。

　WOLF小隊の謹慎が解けるまで、あと二日──。


　Ep.11「前兆」(終)

[66 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/26(水) 08:24:57]

……どうやら私の先生はどうやっても異世界人であるようです。

一応ｷｭﾋﾟｰﾝについて説明します。これは
『そもそも『先生』という個人は存在せず、キヴォトスそのものの神秘が防衛本能として作り出した虚像の救世主』
という少々露悪的な考えを反映したものです。
ハーメルンで有名な某小説と同じく、先生はキヴォトス(生徒)に尽くしキヴォトスために死ぬ。そんな舞台装置的な存在。
やる事(キヴォトスの救済)やったら先生は大人のカードの使い過ぎで消滅し、元の『生徒が絶対的支配者として君臨する』キヴォトスへ戻る。さながらソシャゲのサービス終了で世界にアクセスできなくなったプレイヤーのように。
ありきたりですけど悪趣味ですね、私。

[67 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/26(水) 09:18:53]

変化自在の先生エルダーサキュバス概念いいよね

異世界人だし体型変化ダイス　dice1d4=1 (1)

1.2.変化なし　3.別の体型がある　4.ｷｭﾋﾟｰﾝ

[68 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/26(水) 09:19:36]

はい、大人しくペチャパイちびヒマリで進めます

[69 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/26(水) 12:50:49]

種族　dice1d4=1 (1)

属性　dice1d4=2 (2)

[70 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/26(水) 12:51:52]

種族は普通のヒト。属性は1(なし)じゃなくて2だから……うーん

[71 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/26(水) 18:37:02]

皆様水着カンナとフブキを引く覚悟はできましたか？
私はしてます

[73 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/26(水) 22:52:13]

イベント読了。上層部はまーたクソムーブしてんな
オーナーは横柄ではあったがマトモな人でしたね、希少性が高い
とうとう公式でエンジニア部がやらかしてて笑えないっすね今回。

で？　きみカルバノグ編で何してたの？　脳みそまで筋肉詰まってるのキン肉マン？

[75 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/27(木) 07:01:22]

おはようございます。
今回のイベント、今まで存在すら怪しまれていた『生活安全局長』がようやく言及されたのですよね。
ただ、原作のヴァルキューレのアレさと生活安全局の底辺扱いぶりを見ると色々お察しというか……
カンナ、君カルバノグ編で絶対に局長を無視して生安生徒を動かしただろ(そもそもこの時のカンナはヒラ未満の立場)

[76 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/27(木) 07:41:53]

イベントストーリーの内容に関しては、『大人は悪人とは限らない』『未熟な子供であるエンジニア部』とかやりたい事は色々あったのでしょう。ヘルメット団生々しすぎるけど。
ただコノカだけは個人的には受け入れがたい生徒ですね。
カンナと共にカルバノグ編の最初から登場してて稀にでもかっこいい場面があるならともかく、今回突然ポッと出てきてアッパラパーぶりを発揮しながら公安局全体を振り回す『頭ヴァルキューレ』をやられても……と。
警備局長を生活安全局グルストで出してしまったのが仇になったのかもしれません。

初スレでダイスを振った結果、原作を上回る腐敗率(120%)がSRTの介入で4%まで下がったことになりましたが、それに合わせて人材面のボーナスを後付けで決めております。

100〜51%：ボーナスなし
　50%：向田アサミが公安局副局長として登場する(コノカは原作より下の立場へ)
　40%：生活安全局長が原作と違う人物になる
　30%：小説前作の主人公が出現する(万が一世界が詰んだの救済措置)
　20%：警備局長が原作の人物ではなくなる(WOLF小隊再結成の条件)
　10%：警備局モブの質がだいぶ改善される(?)
　0% ：連邦生徒会内で大きな変化があり、SRT特殊学園が閉鎖されない

[79 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/27(木) 20:24:43]

アﾞアﾞアﾞアﾞァﾞｱﾞｱﾞ～↑！！！

[80 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/27(木) 21:05:42]

～まさか冗談で回したダイスがｷｭﾋﾟるとは思わず脳内で話を再構成中～

[82 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/27(木) 22:43:04]

ちなみに先生の年齢は15+11で26歳です

で、シークレットダイスのｷｭﾋﾟｰﾝ内容なんですけど

想定では先生が追加されます

先　生　が　も　う　一　人　い　ま　し　た


どうしよう。冗談で振ったんだしダイス無効化しようかしら？

[83 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/28(金) 08:10:41]

おはようございます。
Xのフォロワーに相談したり睡眠をとったりで慎重に検討を重ねた結果、ダイス目は振る予定だった『エデン条約編4章』関連の方に振り替えることに決定いたしました。
今後は冗談でダイスを振らないように気を付ける事にします

[84 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/28(金) 12:05:07]

さて、クリティカルなので原作とは大きな変化が訪れる訳ですが、振ってみましょう

dice1d4=4 (4)

1.ファンブル！トリニティ側の足並みが乱れてアリウス生徒の大半が逃走

2.アリウススクワッドがシャーレによる保護観察処分を受け指名手配解除

3.逃げようとしたアリウス生徒全員を確保

4.クリティカル！アリウス自治区に有力な資源が見つかり、まともなスポンサーがついて新生アリウス分校設立(過去作ネタ)

[85 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/28(金) 12:08:46]

記載忘れですが2以降にそれぞれ+がつきます
なので「アリウススクワッドが指名手配されず、アリウス浄化作戦で一人も逃がすことなく生徒の身柄を確保、近いうちにアリウス分校が太陽の下で復興する」事が決定しました。
カルバノグ編に直接関係しないのでフレーバー程度ですが、ようやく先生はより良い結末を掴み取ったようです

[86 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 21:49:35]

とんでもない変化で草

[87 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/28(金) 21:59:19]

>>86

「アリウススクワッドばかりでモブが放置されている！」という叫びに独自設定と自分なりの独自解釈をぶっこんだ結果、アリウス自治区そのものが解析可能なオーパーツの一種であるとしたのが上記の経緯です。

いくら紅茶風呂に金を湯水のように使うトリニティでも「敵」に対してモブはホイホイ金は出したくないでしょうから、金目のものを用意することにしたのです。

そちらではクソ優秀な異世界学者である人が先生をしてて自力で気付きましたけど、本作では識者を別に用意する必要があります。

なのでそれを踏まえた上で進行の準備をしております

[88 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/29(土) 07:52:04]

　公安局長が『上』からの圧力に屈してから数時間後。

　トリニティ総合学園自治区、トリニティ・スクエア近辺の商店街。
　ヴァルキューレ生活安全局の夢月リュウカと朝倉マーヤの二人は、休暇を利用して同僚(キリノ)が話していた喫茶店へと赴いたの……だが。

　「聖園ミカを許すな！」
　「邪悪な魔女に裁きの鉄槌を！」

　噂に聞いていた店の近くを、複数人のトリニティ生徒がプラカードを掲げ大声を張り上げながら徘徊していた。
　「最悪。なにさ、あのデモ隊？」
　「……そんな時期でしたか」
　ポツリとつぶやくリュウカに何ごとかと振り返ろうとすると、通りの向こうから黒い服の一団が近付いてくるのが目に入った。
　「正義実現委員会だ」

[89 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/29(土) 07:53:08]

　制式ライフルを肩に担いで全力疾走してくるグループの名は『正義実現委員会』。
　トリニティ総合学園の風紀委員会であると同時に、キヴォトス中央部では上位に入る規模の治安維持部隊である。
　『仮想敵』のゲヘナ学園風紀委員会とは対象的な面が多く、幹部クラスを除けば一般的には気勢も穏やかな小動物の集まりと見做されている。

(※エデン条約編3章に出てくる『相手がゲヘナというだけで喧嘩腰になる』者など、悪い意味でトリニティらしい部員もいるが。)

　そう、『一般的には』である。

[90 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/29(土) 07:54:05]

　『そこのデモ隊！　周辺店舗より営業妨害だと苦情が来ている！　ただちに解散せよ！』

　先頭に立つ指揮官が拡声器を使って、デモ行進を続けている集団へと高圧的に呼びかけた。
　一般的な正実部員であるならば『今すぐデモをやめてくださーい』『周りの人たちの迷惑になってますぅ』などと可愛らしい姿を見せていただろう。
　だがこの中隊は周りと比べて浮きがちな、気勢が荒い武闘派の部員ばかりが集められていた。

　「なんですの偉そうに！」
　「私達は正しい行いをしているのになんて口ぶり！」
　「ティーパーティーへ苦情を入れてやりましょう！」
　そう強気に喚き散らしながらも、デモ隊は見ててあきれるほどの早さで四方へ散らばり去っていった。

[91 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/29(土) 07:55:03]

　しばらくその場に留まって周りの店への聞き取りを始めた正実部員たちだったが、その内の一人が遠巻きに様子を見ていたリュウカとマーヤに気付いた。
　「あっ」
　その生徒は眠そうな目を向けるとアッシュグレーの髪を揺らしながらこちらへ駆け寄ってきた。
　「やっほチハル。忙しそうだね」
　「なにさ、今日は休み？」
　「そこのお店に用がありましてね。……それよりも、今の騒ぎはどうされたのですか？」
　チハルと呼ばれた正実部員は質問に対して顔をしかめ、面倒くさそうに口を開いた。

　「トリニティ生徒会(ティーパーティー)のおえらいさん……聖園ミカって言うんだけど、その人が内ゲバかなんかで他の幹部に危害を加えたから、明日開かれる聴聞会で処罰が下されるんだって」
　「まだ処分が決まった訳じゃないのに、もう文句を言ってるのかい？」
　「ミカ様が率いてるパテル分派は色々やましい噂が絶えないんだよ。そこのトップがやらかしたっていう分かりやすいワルモノが現れたから、これ幸いって感じで騒いでるんだと思う」

[92 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/29(土) 07:55:41]

　ティーパーティーはフィリウス・サンクトゥス・パテルの三大分派による三位一体で構成されている。
　実際には救護騎士団の蒼森ミネが属する『ヨハネ』を含めた多数の分派が存在するが、トリニティ生徒会は基本的にこの三派閥によって運営されている。
　そのうち『反ゲヘナ』思想が色濃く過激な主張や行動が目立つのがミカが属するパテル分派だ。

　チハルはそこまで言ったところで小さく手招きし、耳を近付けてきた二人にささやいた。
　「……さっきのデモ隊、パテル所属の人たちだよ。この間の騒ぎに乗じて勝手にクーデター起こしたらしくて、それに失敗したから無関係だったミカ様に責任転換してるみたい」
　「うわ」
　チハルはこれといって尊い血と縁がない一般人(平民)だが、先ほどの部隊長が『異常なほど』の情報通であったため、そういった普通は耳に入らないような噂や知識を覚えさせられていた。
　委員長の剣先ツルギら幹部もその辺を買っているのか、部隊には時おりデリケートな任務を任されるという。
　たまたま配属されただけのチハルにとってはありがた迷惑であるのだが。

[93 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/29(土) 07:57:51]

WOLF小隊が復帰した日のパートを入れて1話ぶんとしようと思っていましたけど、これエデン条約編パートだけで想定してる文字数に達しそうです。
内容上、ヴァルキューレもSRTも関係ないのに。

[94 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/29(土) 12:19:16]

　入店前にひと悶着起きはしたが、二人はウワサの喫茶店でティータイムを楽しんだ。
　店を出て街路を歩く最中、話の話題は先ほどの集団(トリカス)へと移っていく。
　「ねえリュウカ。さっきのデモ隊が魔女魔女って言ってたけど、トリニティじゃ魔女は悪の象徴かなんかなの？」
　「ええ。トリニティはイギリスに近い文化を持っている上で、地球の大宗教に近い『主』を信仰していますから」
　ゆえに『魔女』という言葉は蔑称、転じてレッテル貼りに利用されている。
　「……あー。だからああやってミカって人と『魔女』を結びつけるように騒ぎ続ければ──」
　「『こいつは悪人だから何してもいい』と捉えて、面白半分で拳をふり上げる人が現れるでしょうね」

　『自分は正しい行いをしている』と思いこんだ人間ほど恐ろしいものはない。
　それは高度な情報化社会が築かれた二一世紀地球も、それより進んだ科学文明を持つキヴォトスも同じであった。

[95 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/29(土) 12:20:16]

　他愛もない会話を続けていると、ふとリュウカが足を止めた。
　「どしたのリュウカ？」
　「マーヤ、誰かが呼んでる気がしませんか？」
　「え？」
　そう曖昧なことを言われたマーヤは首をかしげつつも目を閉じ、耳を澄ませどこか遠くにいる『それ』を探し始める。

　「……北西方向、六〇メートル」
　「行きましょう」


　大まかな情報を頼りに歩を進め、日は差すが人通りの少ない裏通りへとやってきた。
　「あっ！」
　そこで見つけたのは壁を背に地面へ座りこんだ小さな女性、服装といい髪色といい見間違えようがない相手だった。
　慌てて駆け寄り俯いた顔を上げさせると、息は荒くひと目でわかるほど顔を赤く火照らせていた。
　「ひどい熱……」
　「マーヤ、車まで運びますよ」

　シャーレの先生。
　彼女は医学の心得がある生徒たちによって手厚いサポートを受けているとされる。
　実態はたまたま先生の手当てをした生徒、ひいては所属団体を面白おかしくネタにするため誇張したウワサでしかない。
　ゆえに、誰かが帳尻を合わせる必要があった。
　「どこでもセリナなんて嘘ですね……」(小声)

[96 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/29(土) 12:24:15]

絆ストーリーでの神出鬼没ぶりからしょっちゅうネタにされてるセリナですけど、あれワープしてるように見えて必死に走って駆けつける場面もあったりで描写が一定してないですよね。
そしてストーリー中で先生が窮地に陥った時には全く現れないし状況を把握もしていませんし、切り離して考えた方が良さそうですね。

[97 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/29(土) 20:49:38]

今進行中の話は番外編のようなものなのでダイス判定がなく、スラスラと書いてはいます。
ですが書きあがってる分を朝と昼に出してしまったので今夜続きを出せるかは未定です

[98 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/30(日) 07:47:43]

皆様おはようございます
本日も仕事ですので進行は少し難しいかもしれません

……というか寝坊した！

[99 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/30(日) 12:21:43]

　『そしてこれは、あのホシノさんも望んでいることのはず。いかがですか？』
　『"断る"』
　子供を食い物に私欲を満たす悪意ある者の誘惑、それにノーを突きつけた。

　『それがどれほど愚かな選択か、理解しているのか？』
　『"私は最初から何もしてないし、全部シズコが決めたことだ。……生徒を信じ、ついて行っているに過ぎないよ"』
　生徒が自ら考え信念に基づいて選んだ選択と行動を、支配者が愚行に及んだと勘違いした者に否を告げた。
　
　『ただ信じたところで、何も変わりはしない。信じたところで、そこには何の意味も無いだろう……！？』
　『"水着じゃなくて下着だと思えば、それは下着だから"』
　悲観論に浸り明日へ進む事を拒む生徒を諭した。

　『……先生。私たちは、あなたのような大人が一番嫌いです』
　『"うーん、元気だ"』
　やり場のない生徒の八つ当たりを笑って受け流した


　『あなたが『先生』として背負う責任というのは、そんなに薄っぺらいものなのか？』
　『"　　　　"』
　己の責任を問う生徒の怒りに何も言えなかった。

　「……私は」

[100 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/30(日) 12:23:07]

　ぼんやりとした視界に広がるのは低い車の天井、背に伝わるのは程よい硬さのシートの感触。
　女性はどうも誰かの車に連れこまれ、助手席へと寝かされているらしい。
　「リュウカ、気がついたみたい」
　顔を覗きこむ見慣れた少女、顔を少し横へ向ければ運転席に座るその相棒。
　「念のため確認しますね。あなたはどちら様でしょうか？」
　「"私はシャーレの──"」
　「あなたの名前ですよ？　親御さんから貰った名前」
　「"……"」

　女性はズキリと一瞬頭が痛んだが、サンクトゥムタワーを出てからあれだけ苦しかった熱も気だるさも消えている事に気が付いた。
　気を失っている間に二人が『すごいかぜくすり』を飲ませたのだろう。毎度の事ながら頭が上がらないなとため息をつく。

[101 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/30(日) 12:24:11]

　「……明日見 シャノン」
　「ええ。『先生』としか呼ばれないといっても、それを忘れてはいけませんよ？」
　リュウカが彼女に関わるようになってからそれなりの月日が経過しているが、ある時ふと気付いた事があった。

　他の人は彼女の名前を口にしない。
　誰も彼もが彼女を『シャーレの先生』『先生』と呼び、決して個人名を言わないのだ。
　(※ゲーム中ではプレイヤー名と併せて『●●先生』と呼ぶ場面が多い)

　そんな環境に身を置くうちに、いつしかシャノンは自分の名前を思い出せなくなっていった。
　仕事で作成する書類の署名にすら『Schale』と書き、それが当然のように承認されているのだからそうもなろう。
　(※引継ぎコードでログインすると、募集画面の封筒に『Schale』と自動で署名される)

[102 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/30(日) 12:24:49]

シャーレの先生って何者なんでしょうね？(哲学)

[103 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 12:34:30]

学籍ある生徒を全員把握してる変態です
周回疑惑もあるし本当になんなんでしょうね

[104 ◆VKx6AxqrEkx6 24/06/30(日) 20:58:21]

昼間立っているのを見たこのスレ

ヴァルキューレって生徒会長いたのか｜あにまん掲示板

実際に確認するとキリノの絆ストーリー4での話なんですよね

ヴァルキューレの上部組織は防衛室と明確にされている一方で、生徒会の有無については有耶無耶で単に「上層部」としか言及されておりません。

作中の扱いと、カルバノグ2章とヴァルキューレ・SRT関連ストーリーを書いた人が同じ(ピカおじの後任となるシナリオディレクター)なのを踏まえるとヴァルキューレ上層部≒防衛室というのは現状では間違いないでしょう。

上記スレの推察も含めて考えると、昔はもっと独立性の高い学園だったのかもしれませんが、連邦生徒会に権力を集中する過程で生徒会が解散され防衛室の直轄に……かもしれません。

いずれにせよ、本作では独自に生徒会を用意する予定がありません。

[105 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/01(月) 00:05:29]

寝る前に
カンナはモモトークで「ヴァルキューレの食堂は閉まるのが早い」と書いているのですが、今回のイベント……
公式で「撃つ弾を買う金に困る程」母校が困窮した挙げ句汚職に手を染めた公安局が、専用の食堂を持っている……？

[106 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/01(月) 07:54:09]

　「……そうだ！？　ナギサに呼ばれて──」
　「ここはティーパーティーの本部に一番近い駐車場ですよ？」
　「えっ？」
　慌てて上体を起こして窓を覗くと、二百メートルもない距離に見慣れた建物がそびえ立っているのが見えた。
　「正義実現委員会に友達がいるので、無理を言って通してもらいました」
　「まぁボクたちヴァルキューレだし、先生が一緒だったから大してチェックは受けてないけどね？」
　時計に目をやれば約束の時間までにはまだ余裕がある。
　安堵のため息をつくと、マーヤから差し出されたミネラルウォーターのボトルを手に取り封を開けた。

　「シャノン先生。最近耳にした都市伝説的なお話なのですが、少しよろしいでしょうか？」
　「うん」
　「概念(テクスト)論という、キヴォトスそのものに影響を及ぼす仮説を唱える人がいるそうです」

[107 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/01(月) 08:00:21]

　キヴォトスとそこにある『神秘』は本来は全く姿形が異なる存在である。
　だがそれに『学園もの』というジャンルの概念的テクスチャを貼り付け、『高校生が世界を支配する学園都市』という構造へと作り変えたのが今のキヴォトスである──
　極めて大雑把に説明するならば、このような感じになるだろう。
　ただし、キヴォトスには学園ものに不可欠な『ある要素』が抜け落ちていた。

　「この仮説に基づくのであれば、下敷きとなるテクストに準じた要素を満たすものには世界全体で補正効果が働きます。学園ものであるなら、話の中心にいる生徒に『ご都合主義』が働くでしょう」
　「話の中心に……？」
　「そうですね……。シャーレの活動記録を参照するなら、『アビドス高等学校の人たち』『ゲーム開発部の子たち』『補習授業部の皆さん』でしょうか？」

[108 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/01(月) 08:01:42]

昨日合間を縫って書いたストックが尽きました
今日は用事があるので執筆に集中できそうにないですね……

[109 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/01(月) 16:44:15]

　ご都合主義。
　その言葉を聞いたシャノンは露骨に顔をしかめた。
　確かにモモイの行いに関しては思うところはあるが、これまで関わってきた生徒たちの頑張りや悩みを指を差してあざ笑われたような気がしたのだ。
　「ええ、その反応が自然ですよ。ここはまぎれもない現実世界なのですから」
　「結構顔に出るタイプなんだね？」
　そう指摘されハッとなる。昔から表情を繕えだの少しは腹芸を覚えろだの周りに言われてきた。

　「……それで？　リュウカは何が言いたいの？」
　「キヴォトスでは電子教材による自己学習、リモートによる遠隔教育が当たり前になって久しいです。……そんな中、あなたが連邦生徒会長に招かれてこの地に訪れました」

[110 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/01(月) 16:44:43]

　先生(Teacher)、いまの学園都市で失われた存在。生徒を従える立場を有する上位者。

　「連邦生徒会長不在のいま、キヴォトスで最も権力を有するのはシャーレの責任者であるあなただけです。それが『先生』というのは、仮説を信じるのなら少し窺った見方をしてしまいます」
　「私はそんなつもりじゃ……！」
　目に見えて狼狽えるシャノンを見て『そりゃそうだよね』とマーヤは笑う。
　「だいたい会長がいなくなったのと因果関係もわかんないし、『仮説』って言ってる通りボクたちも半信半疑だよ？」
　「ですが、きっとそう遠くないうちにイコールで結ぶ人と対峙するかもしれませんよ？」
　「……」


　たった一人世界に君臨する上位者、あらゆる者に分け隔てなく手を差し伸べる外様の最高権力者。
　その行き着く先は──

[111 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/01(月) 23:34:01]

　「シャノンさん。私たちはあなたが『ゴルゴタの丘に磔にされた人』のようにはなって欲しくありません」
　「だからさ、どうしても困った時にはボクたちに頼ってよ？」

　彼女に重ねられた『シャーレの先生』としてのテクストが、目の前の二人に対して猛烈な異物感を感じさせていた。
　まるで“黒服”を相手にしているかのように、こいつは生徒じゃないと五月蝿く警報を鳴らしている。
　その一方で、今また消え去りかけていた『明日見シャノン』としての意識が、それはあり得ないことだと本能が否定する──

　「二人は生徒なの？　それとも……」
　「さあ？　両方じゃない？」
　「齢一五歳の“白魔女”とそのパートナーがキヴォトスで高校生をしている。今はそれでいいではないですか」
　目を細めて寂しそうな表情を浮かべるリュウカと、ただ無垢に笑うマーヤ。
　「私たちはあなたの味方です。シャノンさん、あなたが『先を生きる者(Sensei)』としての道を誤らない限り……」

[112 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/01(月) 23:36:28]

人気がないから保守も自分でやらなきゃならないのが少しつらい

キヴォトス、しかもトリニティでガチの魔女やってるケイカクちゃんいいですよね
あのスレに救われた人だっているんです

[114 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/02(火) 15:48:15]

(執筆中)
よく転生者or原作知識持ちがストーリーへ介入して歴史を変えていくものってあるじゃないですか？
基本的には先生側の味方、まれに「先生なんてくそくらえ！俺(達)の方がよっぽど人を救えるんだ！」と第三勢力になるパターン。
ですが明確に『先生側の敵』っていうのは少ない方なんでしょうかね？

この手の論調として『原作ストーリーはク.ソゲーなみの崩壊した難易度なので、下手にいじると滅亡まっしぐら』ってのがあります。
神のような存在である連邦生徒会長が「私のミスでした」と「必ず同じ選択を選ぶ」先生に丸投げするところから始まっているので、転生者が警戒するのも無理はないですが。

[115 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/02(火) 19:32:42]

　新たな体制となったトリニティ上層部からの事情説明。
　聴聞会に出る気のないミカの説得、現実と夢の区別がつかなくなりつつあるセイアとの対面。

　「……誰なんだろう？」
　そしてシャーレ業務用のスマートフォンにかかってきた一本の電話。
　それは聞き覚えのある女の声で、短く『この場所へ来てほしい』という頼みごとであった。
　明らかに怪しいが、無視するという選択肢はなかった。

　「困ったな……」
　だが問題の地域はトリニティ中心部からはだいぶ離れている。
　本当ならティーパーティーの用事が終わり次第シャーレへ戻るつもりだったのだが、無関係な『急な頼みごと』の連続でこんな時間になってもトリニティ自治区の中にいた。
　風邪をこじらせていたので車の運転は危ないと考え、電車やバスを乗り継いでここに来たのが裏目に出てしまった。

　昼間はあれだけ晴れていたにもかかわらず、夕暮れ時のトリニティの街並みを雨が濡らす。
　一昨日の雨の名残りであろうか？　予報にもなかった空模様に先生は困り果てた。
　このままでは現地に着く頃には真夜中になってしまうだろう。

[116 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/02(火) 20:00:01]

　先生はこのままバス停の屋根の下で雨宿りを続けるか、遅れを取り戻すためレンタサイクルでも借りて現地へ向かうか迷った。
　トリニティの路線バスはあまり大きな遅延は起きないはずなのだが、今回に限っては不思議とやってくる気配がないのだ。

　「"あれっ？"」
　傘を差す人影もまばらな大通りを、人ではない何かがこちらへ駆け寄ってくるのが目に入った。
　周りの薄暗さもあってすぐには形を捉えられなかったが、数秒もしないうちに目と鼻の先にまで近づいて停止した。

　「……エイル？」
　「わうっ」
　目前にドドンと行儀よく座りこんだのは、黒く鮮やかな毛並みを持つ犬のような動物だった。
　ただその体躯はかなり大きく、地球にかつて生息していたイヌ科最大といわれる『ダイアウルフ』を二回りほどは上回っている。
　毛は長くふわふわもふもふしており、メッシュのようにマゼンダが混じる尻尾は狐の尾のようにも見えるので、具体的にイヌなのかオオカミなのかサッパリ分からなかった。
　飼い主は夢月リュウカ。あの自称“白魔女”の生徒だ。

[117 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/02(火) 20:13:08]

　『──シャノン先生、聴こえますか？』
　エイルにはめられた首輪についた水晶のようなアクセサリーから飼い主の声が聞こえてくる。
　「リュウカ？」
　通信機の向こうにいる人間の声に合わせて、水晶が蒼い光を放って明滅している。ロボツトアニメで意思を持つロボットが『目』をチカチカさせるのを思い浮かべる。
　『なんとなく嫌な予感がしたのでエイルを向かわせました。どこか急いで向かうところはありますか？』
　「いや、急いではいるんだけど……」

　乗れというのか？　このわんこ(？)に。
　『シャーレの先生は高身長の男性である』という現実には一つも合っていないイメージが流布しているが、シャノンの背丈はたったの151センチしかない。
　(※イロハ・コトリ・マリーと同じ)
　これだけ大きな犬(？)であるなら背中に乗って移動もできるであろうが、多少の心得がある乗馬とは全く勝手が違う。

[118 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/02(火) 20:28:58]

　『ハーネスに掴まっていればエイルが自分でバランスを保ってくれます。さあ、急いでください』
　「……わかった」
　すっくと立ちあがったエイルの背に手を置き、おそるおそる跨いで座る。
　雨の中を突っ切ってきたとは思えない、余分な湿り気のないもふもふが心地よい。
　リボルバーの入ったホルスターがぶら下げられているハーネスをしっかり握り、大まかにこれから行く場所を告げる。
　『ではエイル、先生の護衛を頼みますよ』

　足を止めて遠巻きにこの様子を眺めていた市民たちは、犬(？)に跨った先生らしき人間が一瞬で視界から消えたことに驚きの声を上げた。
　一瞬で時速119キロメートルに加速されてはそうなるのも無理はない。


　「ちょ、ちょ、ちょっ！？　速い速いぃぃぃぃ！？」
　『私の自慢のパートナーですよ。キヴォトスの外から連れてきた、ね』


　決められたはずの歴史(ストーリー)は変わりつつある。我々が知らない形へと。


　Ep.12「虚像の救済者と白魔女(イレギュラー)」(終)

[119 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/02(火) 20:39:43]

よし、ファンタジー回終わり！　次からはいつものWOLF小隊が始まります。

●夢月リュウカ
　ヴァルキューレ生活安全局1年生。キリノとフブキの同期。
　『白魔女』を自称する若干胡散臭い子だが、その名乗りにふさわしいだけの才能を持っている。
　元は生まれて間もなく捨てられたていた所を『キヴォトスの外』からやってきた女性に拾われ、今に至っている。
　ハーメルンにおける前作の主人公の平行同位体。
　今回ケイカクちゃんのおかげで堂々と魔女を名乗っている。
●朝倉マーヤ
　リュウカの幼馴染で相棒。
　素性についてはなんとなく想像がつくように書いているが、まぁコラボキャラに種族と年齢不詳の一姫がいるのでセーフということで……。
　前作では普通のキヴォトス人。

[120 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 20:47:28]

乙でした
先生って何なんでしょうね

[121 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/02(火) 20:51:12]

>>120

マジでなんなんでしょうね……？

少なくとも今回は「『シャーレの先生』というテクストを被せられた人間」として書いております。原作先生になれってニュアンスです。

「自分の家族も昔の思い出も既に思い出せない」という文を入れようと思いましたが、あまりにも先生が悲惨すぎるのでやめました。

[122 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/03(水) 08:14:27]

おはようございます
本日執筆できるかは未定です

[123 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/03(水) 12:30:42]

登場未定なので名前がない煽りカス風紀委員(仮)以外にも、チラホラ他編に存在しないはずのオリキャラが混じっているかもなぁとふと。

>>22は「ストーリーに直接絡むキャラ」として振っていますので、話の補強なり原作に対する「ゆらぎ」で増えた出来事に関連してキャラが増えてもおかしくないです。

事実、今回は明らかに先生がサオリと合流するのを妨害するような動きがあります。

リュウカとマーヤは別枠として、誰か増えている？(判定は22と同じ)

トリニティ　dice1d4=2 (2)

アリウス　dice1d4=3 (3)

[124 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/03(水) 12:32:13]

いないのか。地下生活者かオメー

[125 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/03(水) 21:47:45]

10時過ぎに少し進めます

[126 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/03(水) 22:47:49]

　聖園ミカの聴聞会の翌日。
　D.U.某所、ヴァルキューレ警察学校本館の第四会議室……。

　「皆様集まりましたね？　それでは緊急会議を始めたいと思います」
　『警備局』『公安局』『生活安全局』『交通局』『捜査局』『情報通信局』など……、各部署の局長やそれに準ずる立場の生徒がここに集められていた。
　今回会議を取り仕切っているのは、実家がトリニティの名家である生活安全局長の天田ミヤビだ。

　「昨日早朝、『アリウス分校を名乗る過激派テロ組織』の本拠地をトリニティ総合学園が襲撃。これを壊滅せしめたという報告が入りました」
　連邦生徒会にすら入っていない重要情報を伝えられ、警察学校の幹部たちからざわめきの声が上がった。
　その中で無言を貫いているのは、一週間の謹慎期間が明けて業務に復帰した“緊急対応部隊『WOLF』”の隊長だった。

[127 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/03(水) 22:49:43]

　遡ること数百年前。創設されたばかりのトリニティ総合学園によって異端者として弾圧され、歴史の闇へと消えた分派『アリウス分校』。
　その末裔を名乗るテロリスト集団が、トリニティ・ゲヘナ間で締結されようとしていた不可侵条約『エデン』の式典を襲撃したのがつい先月の話である。

　『自称』アリウス分校は『トリニティとゲヘナを地図から消し去る』と宣戦布告。
　大量破壊兵器と思わしきミサイルで会場を破壊し双方の首脳陣を全滅させると、無限に湧いて現れる幽霊のような武装兵団を駆使して無差別破壊を始めた。
　だがオブザーバーとして参列していた所を巻きこまれたシャーレの先生が即席の連合軍を編成し、破壊された古聖堂跡に集結していたアリウスの大部隊を退けることに成功した。

　これで一旦事態は終息を迎えたのだが、テロ組織がどこから来てどこへ消えていったのかは不明のまま。
　そしてアリウスの敗残兵と思わしき犯罪集団がD.U.領内へ散発的に現れるようになり、ヴァルキューレは対応に追われることとなった。

[128 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/03(水) 22:50:25]

　「(仮にSRTが閉鎖されていなくとも、あれでは間違いなく見て見ぬ振りを決めこむだろうな)」

　なお、締結式当日は連邦生徒会の通達により『自治権の侵害となるので何が起きても介入を禁止する』という命令が下されていたため、ヴァルキューレの公式上で活動は記録されていない。
　しかし首脳部全滅により各派閥の統率が取れなくなったことで正義実現委員会が麻痺、それに加えてテロに便乗した襲撃や略奪行為があちこちで発生。
　トリニティ方面隊は『市民からの通報を受けた』事を理由に出動し、現地の自警団や混乱を逃れた正実部隊と協力して事態の収拾に努めたことを記しておく。
　(※原作？どうせドーナツ食いながらテレビでも見てたんでしょ？)

[129 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/03(水) 22:56:45]

そもそもヴァルキューレの扱いがフワフワすぎるんですよ原作
カルバノグ編ではさも首都警察のように扱われてるけど、ストーリー全体で見れば国家警察として扱われてる場面が多いという。
その二つは性質が違いすぎます。東京警視庁に日本警察(全体)をやらせるようなものですよ。
こういう事情もあり、本作では『D.U.内のヴァルキューレ』とそれ以外を分けて扱っています。

キリノ、そういう訳だから山海経まで仕事と称して行くのは始末書で済まんよ。

[130 二次元好きの匿名さん 24/07/04(木) 00:45:35]

連邦生徒会直下の警察組織
が、各自治区への介入権も捜査権も逮捕権も無し、ゴミかな？

[131 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/04(木) 07:31:48]

>>130

しかもホームグラウンドであるD.U.内でも自治権を振りかざせられると追い出される模様

そして連邦生徒会からの命令を守りましたー(棒)の建前のために根こそぎ動員して周りを囲い出す始末

治安維持はどうした

なにが狂ってるかって、これはスピンオフの便利屋漫画と違ってれっきとした正史ってことなんですよね

[132 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/04(木) 12:15:34]

今回の話をする上で課題になるのは「アリウスの生徒数」
何分数百年もほぼ閉鎖された環境で生きてきて、かつ10年前には大規模な内戦が起きているわけで
ミカが引き込んだ戦力を撃退しただけで「もうトリニティを攻撃する力は残ってないだろう」と楽観視されているぐらいなので、単純な人数ではトリニティに遠く及ばないと考えるのが自然でしょう

[133 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/04(木) 12:16:30]

考察材料となるのはエデン条約編2章17話におけるアズサの発言
「……数が多い、大隊単位だ。多分、アリウスの半数近くが……」
先に倒したグループを含めて数個大隊規模が投入されたのだと思われますが、ここで注意点がひとつ
地球における「大隊」というのは歩兵大隊で500〜600人ですが、キヴォトスでは4〜5人で小隊を組んでいる点を留意しなければなりません。

[134 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/04(木) 12:35:20]

一方でトリニティの生徒数ですが、ゲヘナの生徒が「学食利用者だけで」4千人を数えているので、最低でもそのぐらいの人数がいてもおかしくありません。
ただゲヘナは小中高一貫校なので単純に「高校生が4千人以上」とはいえませんが。

仮にアリウスの一般部隊が他の例と同じく一個小隊4名として
小隊(4名)→中隊(四個小隊16名)→大隊(四個中隊64名)→連隊(三個大隊192名)
アリウスの総数は2個連隊総勢約400名とすればいい感じではないでしょうか？
ただしいくら敷地が広くミカが正実を追い払っていたとはいえ、何百人も入り込んだら誰かしらに目撃されそうなものです(作中では当事者以外気付いてない)
なので絶賛訓練中の中等部あたりを含めてこの総数かなとスレ主は考えています。

[135 二次元好きの匿名さん 24/07/04(木) 12:45:06]

電撃戦できなかったらヴァルキューレにすら負けそうな人数

[136 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/04(木) 13:01:25]

>>135

だからこそ(ゲマトリアの魂胆はともかく)エデン条約締結式を利用したミメシスの掌握が絶対の勝利条件だった訳ですね。

アリウス自体内戦やら貧困やらでもう行き詰まってた状態のようですし、10年で人口をV字回復させるのは無理でしょう。

一番気になるところは、単に「撃退した」としか言ってないのにさも消えてなくなったかのような扱いになってる2章のアリウス生徒たちですね……。

トリニティがあれだけ自信を持って言うぐらいだし、どこやったのマジで？

[137 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/04(木) 22:27:57]

一年戦争で総人口の半分(110億→55億)減ってサイド(1個あたり40基前後のコロニーがある)も4つ殲滅されたのに、Zガンダムまでの7年で大量のコロニーが生えてきて人口も100億に回復してるケース
あれは1stガンダムの設定資料を紛失したせいで設定し直したというメタ事情が絡んでるから参考にならない奴

ガンダムの話はさておき、昼間出した約400名のうち、120名(2個大隊)ぐらいを「実戦投入可能な中等部」と定義。
残る280名が高校生としよう。
えっと自治区の治安維持部隊(ミカに嬲られたり攻めてきたトリニティに袋叩きにされた勢)は100、ベアトリーチェの親衛隊や数は少ないが後方担当で60。
となると作戦部隊は240。これの半分がアズサがいう『アリウスの半数近く』でいいかな？

[138 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/04(木) 23:53:50]

　「詳細は教えていただいておりませんが、『あの』いつもバラバラなトリニティが全戦力を投入。敵を包囲殲滅したとのことです」
　「ミヤビ局長、質問」
　ミヤビが告げる皮肉交じりの報告に捜査局長が手を挙げた。
　「はい」
　「トリニティの内情は正直どうでもいい。しかし何故連邦生徒会を無視して直接ヴァルキューレへと連絡が行っているのか教えて貰いたい」
　連邦生徒会が各学園から侮られているのは今更だが、ヴァルキューレ警察学校に対する認識はその評判を更に下回っている。
　『役に立たない癖にしゃしゃり出て、むしろ事件を悪化させる』という過去の穢れきった印象は一朝一夕でそそげる物ではなく、このような重大な情報を上層部を通り越して現場に直接伝えるというのは『異常事態』だ。

　「どうも本件には、またシャーレの先生が関わっているようです。……誰かしらがこちらに気を利かせるよう根回ししたのかもしれませんが」



　「へくちっ」「っくしゅん！」
　「あれ？　二人とも風邪ですか？」

[139 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/05(金) 00:15:13]

　「ミヤビ、報告の中に『捕縛されていない戦闘員』の総数はあるのか？」

　続けて手を挙げ返事を待たずに質問を述べたのは警備局長。

　「リリカ局長、はやる気持ちはわかりますけど順序というものがあるでしょう？」

　アリウス生徒は一般には出回っていないか法規制が行われている兵器を多数所持しており、真っ先に対応に当たらなければならない警備局としては『子ウサギタウンに居付いた浮浪者連中』よりも厄介な存在である。

　サーモバリック爆薬を用いた手榴弾は特に厄介で、外傷にはめっぽう強いキヴォトスの人間と言えども気道熱傷や肺の損傷……最悪窒息死に至ってしまう。

　それ故にキヴォトス全土で全面規制が敷かれている兵器となっており、二年前のカイザーインダストリーによる密造事件は大きな騒ぎとなったのだ。

アリウス残党はサーモバリック手榴弾を使ったか？　dice1d4=4 (4)

1.使っていない　2.使ってはいないが大量に発見された　3.使った　4.ｷｭﾋﾟｰﾝ

[140 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/05(金) 00:15:51]

寝よう、おやすみなさい(現実逃避)

[141 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/05(金) 08:31:40]

最初にナギサ拉致のため突入したグループが二個中隊(24名)+指揮官、後からミカが呼び込んだ大隊が雑に増強72名(48+24)+αでだいたい100人。そいつら全員がトリニティに捕まったとして、残るは140名

ミメシス顕現までに総攻撃が行われたとして、何人アリウス自治区へ退却できたのか？dice1d140=4 (4)

[142 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/05(金) 08:32:35]

まだだ！　そのうちの何人が拘束されたのか？dice1d136=5 (5)

[143 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/05(金) 08:32:54]

仕事行ってきます！

[144 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/05(金) 09:28:28]

　その一方でアリウス分校の総攻撃となったエデン条約締結式襲撃において、トリニティに拘束された構成員はわずか五名にすぎなかった。

　だが攻撃を受けた二大校は首脳部の全滅と無限湧きする敵による戦力の消耗、それに加えてそれぞれのトラブルを抱えていた。

　トリニティは『各派閥の統率が取れなくなり、挙句の果てにクーデター勃発』『生徒・市民を問わず暴動による混乱』。

　ゲヘナは『“敵地”での孤立とトリニティ側暴徒による襲撃』『風紀委員会の支柱である風紀委員長(空崎ヒナ)の一時失踪による士気の著しい低下』。

　これらをシャーレの権限と先生の信用で強引に繋ぎとめて組んだ臨時のETO(エデン条約機構)に、倒した普通の敵兵を捕らえるだけの余力は残されていなかったのだ。

　「提供されたリストによりますと、所在が確認できていないアリウス構成員は136名、学園側に拘束されたのが5名ですから──」

　「こちらで捕まえたのはdice1d131=46 (46) 　だな」

[145 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/05(金) 12:34:29]

　あと85人も野放しになっているのか、あいつら。

　相手は組織の頭領に長年洗脳教育を受け、徹底的な虚無感を植え付けられ自己肯定感を奪われた少女兵だ。
　拘束した者の中には小学生レベルの学力があるかすら怪しい奴もいたが、『人殺し』の技術だけは飛び抜けていた。
　そんな人間が悪人の軍門に下ったら？　そうでなくともその日を生きるため強盗でもしたら？
　結局は警察の延長線上でしかないヴァルキューレでは対応が難しいだろう。
　事実、暴動を起こしたグループを逮捕した時に警備局はかなりの損害を被っている。
　公安局は不法滞在者排除に苦戦しており、WOLF小隊は謹慎中の時期であったので完全な独力で対処を余儀なくされたからだ。

[146 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/05(金) 13:01:23]

アリウス側主人公がミカを抱き込んでベアおば討伐RTAしたケースにおける資金繰りパターン、および過去には残党がPMCを立ち上げるスレもありました(エター)

仮に同じようにPMCを立ち上げるとして、85人中何人が参加するのかな？

dice1d85=4 (4)

[147 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/05(金) 13:01:52]

ア　ル　バ　イ　ト　ス　ク　ワ　ッ　ド

[148 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/05(金) 20:07:29]

保護観察処分を受けたアリスクが生活費稼いでるだけですねこれ(4人)


　「……拘束したアリウス生徒に関しては間もなく留置期限が切れる子もいますが、全員トリニティが引き取るとのことです」
　そのあと彼女たちをどうするかについてはヴァルキューレの知ったことではない。
　処分を下すにせよ娑婆で生きていけるよう再教育するにしても、他人の迷惑にならないようにしてもらいたいものだ。一同はそう思わざるを得なかった。
　「アリウスに関してはトリニティ生徒会による正式な発表を受け次第、連邦生徒会が具体的な方針を決定すると思われます」
　期待できそうにない。という誰かの呟きがハルキの耳に入った。

[149 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/05(金) 20:08:25]

　「次、カンナ局長。最近頻繁に防衛室へ呼び出しを受けていますが、何かトラブルがありましたか？」

　生活安全局長のくせにどうしてお前はこう目ざといのか。カンナは口をへの字に曲げて仏頂面をさらにひどくした。

　「いつもの事だろう？　大きな金が動いている子ウサギタウンの件で、最近は随分と神経質になっている」

　『その金でどこかへ消えた弾薬費の補填をしてもらいたいものだ』と毒を吐き、生徒会から昨日受け取った紙切れを手に立ち上がった。

　「脱走したSRT特殊学園の生徒の扱いに関して、連邦生徒会が正式な決定を下した」

dice1d4=1 (1)

1.全員犯罪者として逮捕せよ

2.奪った装備をすべて返却するならヴァルキューレに入れてやる

3.武器流出したしもう知らん。勝手に野垂れ氏ね

4.ｷｭﾋﾟｰﾝ

[150 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/05(金) 20:13:42]

残念でもないし当然の結果か(ｷｭﾋﾟｰﾝはｷｭﾋﾟｰﾝなので内容を考えてなかった)
家事済んだら続きを書こう

[151 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/05(金) 23:51:35]

　SRTの脱走者全員を窃盗の罪で逮捕せよ──
　過激な意見すら飛び交った議会が下した結論がこれだ。

　一部の参加者が不躾にもハルキの方へチラチラと視線を向け始めた。
　部隊の設置は警備局長肝いりであり、その期待に応える実績を既に築き上げているWOLF小隊ではあるが、それはあくまで警備局内での話だ。
　業務内容が近く共同作戦の経験がある公安局と生活安全局を除けば、ヴァルキューレ本部内での立場は決して良いとは言えない。
　特に捜査局の管轄にもしゃしゃり出てくるため、同部門に所属する荒くれもの揃いの刑事たちからの評判は特に悪いのだ。

　「……ふん、連邦生徒会が腐り果てていないようで安心した。自分たち31名まで犯罪者呼ばわりされてはかなわないからな」
　ハルキは平静さを保ったまま、目上への礼儀を捨て威圧するように言い放つ。
　「カンナ局長、連絡事項はそれだけか？」
　「ああ」
　「警備局よりリリカ局長に代わり、狼谷が報告申し上げます。先日のSRT装備強奪事件、ならびに突然のヴァルキューレ予算不足の犯人に関し──」

　『通信指令室より第四会議室！　非常事態発生！　非常事態発生！』

[152 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/06(土) 00:00:00]

　館内放送で通信指令室のオペレーターが緊迫した声で呼び出しをかけ始めた。
　ミヤビは近くに置いておいた内線電話の受話器を手に取り、指令室へと回線を繋いだ。
　「こちら第四会議室、天田。スイッチが全館放送になっています。すぐ切り替えてください」
　『局長！　それどころじゃないんです！』
　「後で反省文。……それで？」

　『市民から『シャーレのビルが爆発した』という通報が相次いでいます！』

　「……は？」

[153 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/06(土) 00:03:29]

地下生活者「小生知らん……怖っ」

サーモバリックのダイスでｷｭﾋﾟった結果がこれだよ。

爆弾を使ったのは？　dice1d4=1 (1)

1.2.残党から爆弾を買い上げたチンピラ　3.アリウス残党　4.SRT脱走者(!?)

[154 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/06(土) 00:04:23]

4だったらユキノ早くも曇ってたね、うん(真顔)
ではおやすみなさい

[155 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/06(土) 08:11:24]

おはようございます(仕事)

スレ再開に合わせて謹慎期間前後の時系列を纏めたのですが
0日：盗難当日(Ep.09)
2日：先生がリュウカづてにSRT装備盗難を知らされる(Ep.10冒頭、原作9話「這い寄る影」)
3日：WOLF小隊に一週間の謹慎が言い渡される
6日：謹慎3日目。アンジュを頼ってミレニアムへ(Ep.10)
7日：謹慎4日目。大雨で子ウサギ公園水没(原作11話「大雨注意報」)
8日：謹慎6日目。カンナが汚職を強要される(Ep.11「前兆」、原作12話「雨に濡れた請求書」)
同日：先生はティーパーティーに呼ばれてトリニティへ、サオリに助けを乞われてアリウスへ(Ep.12「虚像の救済者と白魔女」、エデン条約編4章)
9日：謹慎7日目。アリウス浄化作戦、ミカの聴聞会(エデン条約編4章)　公安局がカイザーから兵器を受け取る
10日：謹慎明け。ヴァルキューレ緊急会議とシャーレ爆発事件発生(今ここ)

ぼちぼちダメになった弾薬とかの仕分けとリストアップ終わっただろうし、原作13話「おいなりさん」へ進めようと思ったのですが、これニコが待ちぼうけ食わない……？

[156 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/06(土) 12:34:11]

俗称アロナバリアの性能考察
プラナと力を合わせたゼンラ流星と「怪談」というテクストを用いたシュロの暴行を防げなかったケースを除外すると
●銃弾などの飛来物を「当たらない」ように逸らす(最終編、アニメ1話)
●至近距離からの攻撃は銃の作動不良を起こすなどして「そもそも攻撃させない」(最終編)
●爆発という複合的な要素が絡む事象から先生を守り切る(多数)
●建物の崩落により瓦礫に埋まった際、簡単には崩壊しない隙間(生存空間)を作り出す(エデン条約編3章)
●条件次第ではアロナバリア破り前提の攻撃すら防ぐ(対策委員会編3章)
●催眠ガスは「何故か」防がなかった(カルバノグ編1章)

デカルトがノイズですねこりゃ

[157 二次元好きの匿名さん 24/07/06(土) 12:48:29]

まぁ因果律操作なんだろう、死なないものはリソース削減のためにスルー
アロナとプラナの「疲れる」描写が謎、箱ではなく二人のリソースを使っているんだろうか

[158 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/06(土) 20:41:04]

プロットを練り練りシャーレ爆発までを書いておりますが、体の調子が良くないので今夜は投下できないかなと。

代わりにミヤビ生活安全局長を以下のメーカーで作りました

新ろかめか

公式の生活安全局長、ようやく存在に触れられましたけど扱いは期待できそうにないですね

コノカもそうですが、そもそも居るんだったらカルバノグ編の時点で台詞だけでも出しなよイチカとかレイサみたいに

[159 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/06(土) 22:20:15]

寝る前に爆発の規模を振っておこう。

両方のプロットは練ってあるけどね　dice1d14=8 (8)

1〜3.地下生活者　4.コラ画像

[160 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/06(土) 22:20:47]

数字打ち間違えたdice1d4=1 (1)

[161 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/06(土) 22:22:04]

あにまんではコラ画像が流行りすぎて最近影が薄いこいつに近い規模になりました
では皆様おやすみなさい

[162 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/07(日) 08:08:18]

　通報の少し前──

　サンクトゥムタワーから遠く離れたD.U.の外縁部に、今やキヴォトスで名を知らぬ者はない謎の組織『連邦捜査部S.C.H.A.L.E(シャーレ)』のオフィスビルが建っている。
　そびえ立つ数十階建てビルのフロアの大半は何もない空き部屋となっており、これをたった一人しかいない職員のために用意した連邦生徒会長がいかなる意図を持っていたかはリンでも知らない。

　これだけ大きく様々な学園の情報が集まる場所であるならば、さぞかし警備も厳重かと思うであろう。
　だが実際はザルに大穴が開いているに等しい無防備きわまりない建物である。
　何しろ『すべてを先生に任せている』。逆に言えば先生が申請を出さない限りは、連邦生徒会は何もしない。

[163 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/07(日) 08:08:51]

　最低限の機械警備システムを備えるのみでドローンやタレットによる攻撃設備はなし、その機械警備も夜間に警報を鳴らすのみで警備会社との契約もなし。
　導入費用が高い非常用発電機も備えておらず、停電なり地下送電線を切られるなりで電力を失うと全機能が停止する。
　そして付近にはヴァルキューレ警察学校の分校どころか、自治体警察(セントラルポリス)の交番すらないガバガバの治安状況である。

　……もっとも、警備をする人間が居ないのはサンクトゥムタワーという最重要施設内にある連邦生徒会事務局からしてそうなのだが。

[164 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/07(日) 12:32:14]

　シャーレへの出入りが多いとされる某ミレニアム生徒会役員が提言し、先生は警備体制の見直しを含めた施設整備プランを提出した事はある。
　連邦生徒会からの返事は『浪費家に貢ぐほど財政に余裕はない』という、いくらなんでもあんまりなものであったが。

　加えて今日は間が悪いことに、地上階にあるコンビニの店員(ソラ)は『どうせ暇だろ』と他店へのヘルプへ回されており不在。
　レッドウィンター連邦学園から来る予定だった当番生徒も毎週恒例の『革命』に巻きこまれてキャンセルと、最早何らかの意思が働いてると勘繰ってしまうような状況である。

　地下生活者「小生何もしておりませんよ！？」

　そんな現状がために、朝から侵入者が建物の奥深くにまで入りこんでも不思議ではないのだ。残念ながら。

[165 二次元好きの匿名さん 24/07/07(日) 13:31:49]

やはり幼女化してサボってる女の捜索にリソースの大半を割いてるような奴らはダメだな！

[166 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/08(月) 00:02:13]

　中央ホールのエレベーター扉が開き、中から二人の女が姿を現した。
　「えーっと、先生のいる階はここだったよな？」
　「案内図見た限りはそうだな」
　見た目は謎の服装規定に沿った画一的なロングスカートのセーラー服、バツマークがついたマスクをつけたそれを『スケバン』と呼ぶ。
　罪をおかし学園を退学になる、やむにやまれず社会の輪から追い出される、あるいは刺激を求めて自らワルになる……。
　社会的地位は千差万別だが基本的に懐が寒く、『ヘルメット団』のような集団にも加わる機会もない。
　ゆえに悪い奴の鉄砲玉として雇われ騒ぎを起こす。それがスケバンたちの『役割』だった。

　下に停めたオンボロ軽トラで待っている者を含めた三人もそんな雇われであり、身なりは良いがよく分からない奴から
　『シャーレの先生を脅したいから』
　と結構な報酬額を見せられてホイホイと依頼に飛びついたのだ。

[167 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/08(月) 00:02:54]

　「金が入ったらどうする？」
　「一人頭百万だろ？　少しは軽トラの修理に回そうぜ？」
　依頼人より渡された軽自動車のエンジンほどの大きさの機械。これはちょっとした花火と煙幕の発生装置であるらしい。
　これを先生の目の前で作動させろというのが今回の仕事だ。
　先生が現れる、または居る部屋にたどり着いたら装置を載せている台車ごと押し付けてリモコンで起動。
　イメージトレーニングもバッチリだ。

　通路の案内図を頼りに執務室へ続く通路を歩くと、曲がり角の向こう側から扉を開け閉めする音が聞こえてきた。
　「来るぞ」
　「合わせて三百万……合わせて三百万……」

[168 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/08(月) 00:19:12]

　視界に白髪を揺らす小柄な女性の姿を捉えた直後、大柄なスケバンは渾身の力をこめて台車を押しだした。
　ガラガラと大きな音を立てて迫る何かに女性が気付いて驚きの表情を浮かべたのを確認し

　「サプラーイズ！！」
　手に握られたスイッチが押され


　視界が紅蓮に染まった。


　Ep.13「インターミッション」(終)

[169 二次元好きの匿名さん 24/07/08(月) 02:58:10]

不良だからといって子供を凶悪犯罪に利用していい訳がない
被害者が先生なのも含めて、黒幕はただでは済まないね

[170 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/08(月) 08:21:20]

おはようございます

……これカルバノグ編どころじゃないな

>>169

ライター間の情報共有が上手く行ってなかったのか、最初のイベントである「桜花絢爛お祭り騒ぎ！」では大人の悪人であるニャン天丸が「雇い入れた魑魅一座(=子供)を使って先生を●害しようとする」という、他の話ではまず無い場面があります。

現実問題やり方を選ばなければキヴォトス人でも普通に氏ぬので、社会的な立場のない子供を利用し自分の手を汚さない悪人は普通にいると考えています。

[171 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/08(月) 15:36:48]

スレ主の課題

①爆破事件の黒幕を決める

②先生の安否

③カルバノグ編の進行

④↑と並行し汚職役人の逮捕までの進行

中々これは大変だ……。

ちなみに>>166で「身なりは良いがよくわからない奴」としか書いてないので、黒幕が大人ではなく子供という可能性も普通にあります。

[173 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/08(月) 21:08:19]

誤投稿してしまった。ダイス

①のダイス　dice1d4=3 (3)

②のダイス(実験的に多数決)　dice10d4=1 2 3 3 4 2 2 3 1 4 (25)

[174 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/08(月) 21:09:51]

そういや偶数だと数が揃うことがあるのか　dice9d4=3 4 2 4 2 2 2 1 4 (24)

[175 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/08(月) 21:14:30]

黒幕に関しては……4ではなく3か。少なくともカイザーが動いた訳ではない
先生の安否……2が最多で次点が4。うーむ

[176 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/08(月) 22:48:55]

物語全体の黒幕まではたどり着かないし、カヤやカイザーが直接動いた訳でもない。
となると一段下がる相手かカイザーだとしても末端になるか
②は2が最多で先生は例によってアロナバリアで無傷。しかしもう一つがクリティカルかー…

[177 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/09(火) 09:04:52]

おはようございいます。

このままじゃ話が進まないので4のダイス振りましょうか……。

性別　多数決dice10d2=1 1 1 2 2 2 1 1 2 1 (14)

1.男　2.女

[178 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/09(火) 09:15:25]

……不思議なことが起きるのは確定事項でしたが、以前アリウスの方に振り替えたダイスが戻ってきやがりましたね
つまり　先　生　が　増　え　ま　す
女だったら『先生の適正を持つが庇護されるべき子供』、つまりシャーレの先生ならぬシャーレの『部長』となる生徒がドロップする予定でした。
ていうか最初の方、ところどころ削除されてるな…

[179 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/09(火) 16:20:48]

現在話を考えているところです(悩)
とりあえずシャノン先生の絵が出来たので置いておきます

[180 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/09(火) 23:02:36]

　現在、広域指名手配されているSRT特殊学園の脱走者はどこに潜伏しているのか？
　かつてSRTに所属していた生徒は軍隊の特殊部隊なみの訓練を受けており、『味方からの補給が見こめない状況での長期作戦行動』について座学で講習を受けている者もいる。
　とはいえ基本的には連邦生徒会長の強権による潤沢な活動資金と支援体制を前提としており、実際に技能として習得しているのは市井に紛れて日頃から情報収集を行う『情報科』の隊員だけである。

　学園の象徴にして現在は内々に最悪の存在として扱われている、戦術科部隊『FOX小隊』とて例外ではない。
　七度ユキノら四人は『ある権力者』の傘下に入ることで資金面での後ろ盾を得ていた。
　そんな現状でユキノは隊員に対して独自の判断である指示を下していた。

　『シャーレの先生』がどのような人間なのかを、実際に確認する──


　「おかしいなぁ……」
　実際に動く事になった『FOX2』ニコは、肝心の先生が来る気配がないことに首をかしげていた。
　『先日に公園で大雨に浸かったRABBIT小隊の様子を見に来るだろう』と当たりを付け、子ウサギタウンの旧商店街で待ち構えていたのだが……。
　ニコは弁当屋のアルバイトを装って近づき、ついでに後輩たちへ渡すことを期待して大量のいなり寿司を用意していた。
　学園があった頃は目にかけていたRABBIT小隊へとよく振舞っていたのだが、もし先生が来なかったら自分たちで食べる羽目になるだろう。

[181 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/09(火) 23:25:23]

　しばし空き家の陰に潜んで、秘密拠点にいるユキノへ連絡を取ろうかと悩み始めたとき
　「(……来た)」
　連邦生徒会の制服を模したコートを着た大人が、あたりをキョロキョロ見回しながら歩いて来るのが見えた。
　正午には少し早いが昼食をとるために飲食店を探しているのだろう。
　しかしこの辺は既にすべての店が立ち退いており、コンビニすらないので間違いなく無駄骨になる。

　「美味しい美味しい、『おいなりさん』はいかがですか～？」
　だからこそこの策はきわめて有効である。
　たまたま通りかかった売り子の振りをして、それとなく先生の進路上へと割りこむ。

　「あ、そこのお客様！　もしお食事がまだでしたら、こちらはいかがです？」
　そして少々押しつけがましいが手製いなり弁当を売りつける。
　「今日はなんと言っても、会心の出来でして！　それに今なら出来立てです！　今が一番美味しいですよー！」
　ウソ。移動時間もあるので作ってから一時間ばかり経っている。
　でもたかが一時間で味が落ちるようなものは作らない。ニコはいなり寿司に関しては間違いなくプロフェッショナルであった。

　「“じゃあせっかくだし……”」
　「毎度ありです！」
　先生はあっさりと釣れた。

[182 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/09(火) 23:49:14]

　先生は近くのベンチに腰掛け、早速いなり弁当を食べ始めた。

　ニコは隣に座って『人が居なくて全然売れない』と愚痴をこぼすことで会話のとっかかりを作り、先生が乗ってくるように仕向ける。

　どうも先生も先ほどから人を一人も見かけないことを疑問に持っていた。

　「そうですねー。実はこの辺、もうすぐ再開発が始まるんですよ。多分そのせいだと思います」

　「“……えっ？”」

　「あれ、もしかしてご存じなかった感じですか？」

　想定外の反応にニコは素で面喰ってしまう。どうしてシャーレの先生が、世話をしている後輩たちが住んでる場所の話を知らないのか？

　カヤ「私は>>46で『再開発予定区域』だと言いましたよ？　原作にある台詞ですよ？」

　「どうやら噂によると、この辺に新しい地下鉄を開通させる予定だそうで。この辺の商店街やら何やらを崩した上で、地下鉄工事をして、そこに新しいショッピングタウンを建てるんだとか」

　新・子ウサギタウンは今までの子ウサギタウンとは全くの別物になる。建物だけでなく、住民もそれら繁華街を運営する企業や店舗の従業員ばかりになると見込まれている。

　「何でしたっけ、確かタコさんみたいなマークの会社がそれを……」

　「“……カイザーグループ？”」

　「あ、そうですそうです！　そのグループの『カイザーコンストラクション』という会社だったかと！」

　今度は先生の方が考えこんだ。

　以前アビドス高等学校で対峙したかつてのカイザーコーポレーション理事。彼は軍事部門のカイザーPMCの代表取締役のほか、金融部門のカイザーローンと問題のカイザーコンストラクションの理事も務めていた。

　彼の失脚後は別の人物が理事を務めているはずだが、前任の悪評が祟ってか表に出てくることは少ない。

[183 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/09(火) 23:50:46]

時間切れですね…色々な事に時間を割きすぎた。
明日の夜には次スレに移行することになると思います。ではおやすみなさい

[184 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/10(水) 08:18:14]

　「それはもう社運を賭けるレベルで、おっきな再開発をする予定なんだとか。それによってお店は閉店を余儀なくされ、住民の方の追い出しなんかも進んでいるようなのですが……」
　自嘲気味に笑うニコからいなり弁当を追加で買う先生の心境は穏やかではない。
　生徒が大げさに言った所はあるのだろうが、カイザーの末端企業ではなく中核を成す会社が『社運を賭けるレベル』？
　これまでのやり口からして、絶対になにか良からぬことを目論んでいるだろう。

　一方おいなりさんを追加購入した先生を見て、ニコはアルバイトを装っているのに『自家製で自信作』『いつも先輩や後輩が喜んでいた』とつい口を滑らせてしまった。
　まさか相手が“心ここに有らず”とは気付かないまま、自分がしゃべり過ぎた事に気づいたニコは少し気まずそうな顔を浮かべた。
　「……ああ、話が逸れてしまいましたね」

　話を戻そうとするニコの心中にある懸念が浮かんでいた。
　子ウサギタウン周辺は『なぜか』重武装で身を固めた浮浪者が大勢住み着いており、ヴァルキューレ警察学校も不法占拠者の立ち退きに苦慮している。
　そして防衛室の命令で動いている公安局は、下心丸出しのカイザーインダストリーと手を組んで武器の提供を受けている。
　おそらくは浮浪者だけではなく、この間の大雨でデリケートなSRT装備の多くを失ったであろう後輩たちも『不法占拠者』として排除するに違いない。
　先生はRABBIT小隊の後見人でしかなく、いまの居住地を維持するほどの発言権を持っていない……。

　ニコは『沢山買ってくれたからサービス』としてある情報を口にする。
　「先ほどの『カイザーコンストラクション』による再開発のお話なのですが……どうやら、取り消されるという噂もあるようです」
　カイザーが裏で進めている『計画』と先生を利用する形で、後輩たちの生活を守るために。

[185 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/10(水) 12:27:07]

職場の会議で帰りが遅れるので保守がてら身長ダイスを振っておこう

170+dice1d30=20 (20)

[186 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/10(水) 22:51:24]

　「“それはまた、どうして？”」
　掛かった。ニコはあくまで他人から聞いた噂話を装いながら先生へヒントを与える。
　「実はこの辺には、放浪者さんの集団がいまして。結構な銃火器で武装しているのですが、『カイザーコンストラクション』の方々が来るたびに騒ぎを起こしていまして……」

　『私たち『所活幸』の武装は、ヴァルキューレを軽く凌駕していますからね！』
　『何だこいつら！？　服はボロボロなのに、武器だけやたら最新式で……！』

　九日前、コンビニの廃棄弁当を巡る争いで姿を現したヒッピー集団『所活幸』。
　リーダー格である『デカルト』が豪語した通り、どこから手に入れたのか真新しく強力な武器を所持していた。
　ミヤコたちRABBIT小隊に敗退した結果『所活幸』は離散したようだが、それでもその構成員が子ウサギタウン内に住み着いている事実には変わりない。

　「さらに近くの公園でも、武装したどこかの生徒たちが公園を占拠したとかで、ヴァルキューレも色々手を焼いているようですし」
　「“……”」
　「こんな状況では、『カイザーコンストラクション』も困ってしまっている……という感じでしょうか？」
　この計画にかなりの公費が投入されている以上、度を越えた工事の遅延はいくらカイザーといえども許されるものではない。
　だからこそカイザーは防衛室から解散をちらつかされた公安局へと取り入り、浮浪者排除とヴァルキューレ内部への侵食を同時に行おうとしている。

[187 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/11(木) 08:03:38]

　粗方ヒントを与えたところで、ニコは本来の任務へと戻った。
　『先生をこの目で確かめて評価する』
　そのために、後輩たちをダシにして揺さぶりをかける。
　元エリートである『らしい』四人が、なぜあのような行動に出ているのか？　という切り口で。

　「これは推測でしかありませんが、何かを偽装しようとしているのかもしれませんし、取り返しのつかない失敗でそうせざるを得ないのかもしれません」
　『自分たちがそうである』ように。

　事実あれだけ騒ぎを起こしたせいで、後ろ盾となってくれているシャーレの立場すら危うくしている事に、あの子たちは気付いているのだろうか。
　「あるいは……夢を見ているのかもしれませんね」


　温室育ちの花が見るような、淡くて優しい、だが叶うことがない夢を。

　
　「そんな夢に浸った生徒たちを導く立場にある方は、それはもう大変でしょうね」
　「“そんなこと無いんじゃないかな”」
　だが彼女の皮肉めいた言葉に対して、先生はノーと答えた。

[188 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/11(木) 12:26:47]

　「“生徒たちの夢を応援するのは、導く側の義務だからね”」
　打算も偽りもない真っ直ぐな瞳でそう言う姿は、今のニコにはひどく輝いて見えた。
　「……変な人ですね。まあ、そういう考えもあるのかもしれません」

　『これまで自分たちが見てきた大人とはまるで違うタイプの、子供っぽいように見えて予測不能な思考の人間』。
　『だが生徒に関しては一定の信頼を置いてもいい』。

　呆気にとられながらも自分なりに先生の評価を出したニコは、仕切り直すためにこの場を離れることにした。
　「さて、今日はもう店じまいとしましょうか。お買い上げ、ありがとうございました！」
　いくつものいなり弁当を入れたコンテナを手に取り、流れるように先生へと差し出した。

　「“……これは？”」
　「売れ残りです。私だけでは食べきれませんし……おまけということで、差し上げます」
　この人なら間違いなく後輩たちへと届けてくれるだろうが、一応念は押しておく。
　「もしよろしければ、お腹が空いてる子にでもあげてください。……それでは、今日はお会いできて嬉しかったです」

　ニコは一礼して目の前の大人を『見上げる』と、ほほ笑みながらから別れの挨拶をする。
　「また機会があれば会いましょうね、『先生』」
　そして一目散に駆け出し、あっという間に先生の視界から消えていった。

[189 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/11(木) 19:47:20]

　ニコは先生が子ウサギ公園の方へ向かったのを物陰から確認すると、秘密拠点にいるユキノへと回線を開いた。
　「FOX2よりFOX1へ、目標“T”と接触。一次評価を完了、追跡を──」
　『FOX2、予定変更だ。ただちに『シエラ・オスカー』の偵察行動に移れ』
　かすかに焦りを滲ませる声色と指示に、ニコは頭に疑問符を浮かべた。
　シエラ(S)・オスカー(O)はSchale Office、つまりシャーレのオフィスが入っているビルを指す符号だ。
　今日は当番生徒がいない日で先生は不在。空き巣でもしろと言うのだろうか？

　『シャーレが爆発したという情報が一部で流布されている』
　「！？」
　『私たちが今から向かっても間に合わないだろう。すまないが頼めるか？』

[190 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/11(木) 23:46:52]

　ニコの心に迷いが生じた。
　自分たちの『目的』を考えれば先生にこれを教える必要はなく、むしろ知らないままオフィスが全焼した方が都合がいい。
　しかし本当にそれでいいのか？　各地に影響力がある今の先生が職を失うようなことがあれば、様々な学園が混乱する可能性がある。
　『キヴォトスの平和を守るためのSRT』として、それで良いのだろうか？


　「……」
　『この状況を利用して『ミラージュ』が何かしらの指示を出す可能性がある。向こうは『近くに居ないので出来ません』が通じる相手ではない』
　「……FOX2了解、シエラ・オスカーの偵察に向かうね。通信終わり(アウト)」

　小さくなっていく先生の姿に、少し後ろ髪を引かれる思いはある。
　しかし今の自分たちはただの道具でしかない。『武器はものを考えない』のだ。

[191 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/12(金) 08:15:40]

今夜には次スレいけるかな？

[192 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/12(金) 12:33:33]

「透き通るログ」のシャーレ奪還作戦の描写いいですよね

— 2024年01月01日

相手はロボットだし使ったのはSRTの特殊武器だからと容赦なくジェネラルの手を吹き飛ばすシーン。

原作だったらこうもいかないのでしょうけど、色々と「これぐらいならしてもいいか」ってなりましたね。

(オリキャラスレの諸先輩方は生命の有無を問わず相手を屑鉄にするキャラがいますけど)

何が言いたいというと、今執筆中のパートでロボット族の欠損描写があります。

[193 二次元好きの匿名さん 24/07/12(金) 12:58:16]

前から思ってたが後書きだけとはいえ他スレ作者揶揄してるように取られかねない発言はやめた方が良くない？
無いとは思うけどもトラブルになりかねないし

[194 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/12(金) 14:47:16]

>>193

申し訳ありません。以後気をつけます

[195 二次元好きの匿名さん 24/07/12(金) 16:15:15]

ヴァルキューレ、連邦生徒会、先生に対してどう思っているのか文章から透けて見える
原作の扱いに対して恨み骨髄か定かではないが、露悪的に書かれるのが悪口を節々に聞かされてるようで鼻につくし目に余る
多くの目に触れてもらいたいなら、そこをぼかすなり隠すなりしてほしい

非常に個人的なことを申し上げるなら、キヴォトスに巣くう病に立ち向かう津軽ヒスイの物語をもっと見たかった

[196 二次元好きの匿名さん 24/07/12(金) 16:28:54]

>>195

その気持ち分かる

ちょっと連邦生徒会とか先生とかを悪いように描き過ぎてる気するし原作新キャラのコノカへの扱いとか今から作品に登場させるのは難しいから出しませんだけでいいはずなのにわざわざ悪いように表現してから出さない表明とかコノカを好きになったファンに喧嘩売ってるようにしか思えなかったし

津軽ヒスイちゃんとしての物語見て見たかった気持ちも分かる

[197 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/12(金) 16:43:41]

>>195

>>196

完全に私の力不足かつ配慮不足です。

弁解させていただきますが、連邦生徒会を悪し様に書いているのはヘイト目的ではなく作劇上の意図です。

シャーレと先生の排除を目論んでいるカヤとはまた別の人間が連邦生徒会内を煽っており、兎編2章でカヤのクーデターに便乗して悪さをするという流れを想定していました。

原作のヴァルキューレと一部の先生に対する悪印象が反映された内容ばかりは、完全にこちらの落ち度です。言い訳のしようがありません。

ヒスイに関してはもう、SRTが閉鎖された時点からのスタートと言う時点でどうしようもありません。

ご期待に添えなくて本当に申し訳ございません。

[198 ◆VKx6AxqrEkx6 24/07/12(金) 16:49:11]

コノカに関しては「話に出さない」ではなく「副局長としては出さない」です。これから登場させるつもりでした。

いずれにせよ本作の継続は好ましくないものと判断し、本掲示板での連載は打ち切りとさせていただきます。
もし次に新しくオリキャラスレを立てる機会があった時には、皆様方がご満足していただけるような内容にできるように努力いたします。

諸先輩方、ならびにスレを読んでくださった方々には大変ご迷惑をお掛けしました。

[199 二次元好きの匿名さん 24/07/12(金) 17:36:45]

二度とスレ建てんなオリキャラスレの面汚しめ

[200 二次元好きの匿名さん 24/07/12(金) 17:36:56]

クソスレ終了