ここだけちょっと奇行が多いモモイ【微ホラー?】④

  • 1スレ主24/07/02(火) 19:40:43

    スレ主です
    このスレも中々長期スレになりましたね

    唐突に大きな音で拍手したり、見慣れた学校で何故か迷ってたらいつのまにか後ろにいて手を引いてきたり、塩をいつも持ち歩いて仲のいい人にも偶にその塩をかけてくる
    教室のすみに岩塩を投げつけたりもする

    それ以外の言動、性格は原作通り

    そんなモモイと、他にも対怪異能力に目覚めた人達とかの妄想アレソレです。

  • 2スレ主24/07/02(火) 19:42:08
  • 3二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 19:42:37

    立て乙!!

  • 4二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 19:43:25

    このレスは削除されています

  • 5二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 19:45:44

    立て乙
    キヴォトスにはまだまだ怪異が沢山あるのです

  • 6パンドラボックスの人24/07/02(火) 19:55:10

    立て乙!

  • 7二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 19:57:56

    立て乙!

  • 8二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:07:54

    とりあえず10までやるかー

  • 9二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:09:16

    立て乙!

  • 10パンドラボックスの人24/07/02(火) 20:10:29

    そういえば。前スレの183の「黒服どう来るんだろうな」の意図を図りかねていますが
    まぁ黒服は、あの宣言をもって「極力干渉しない」とした…ということにしてください。(答えになってるかな…

  • 11二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:32:27

    盾乙デース

  • 12二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:32:50

    まぁ、こういうオカルトは大人があまり絡んでこないほうが良いのかもしれない。

  • 13パンドラボックスの人24/07/02(火) 20:50:34

    >>12

    まぁ、あくまでも自分が書いてる物語には(なるべく)出てこないための説得力を持たせるための発言ですので、

    別の筆者様の登場を阻害させる意図はありません。とだけ

  • 14二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:55:04

    そのうちゲマトリア視点で怪異を観察・研究したネタが書かれるかもしれない
    或いはゲマトリアが怪異をどうにか既知の概念で解釈しようと神秘だの恐怖だのの考え方を当て嵌めて的外れな事を言うかもしれない
    逆に怪異の起こす現象には神秘とかあんまり関係無いって早々に見切りを付けてノータッチかもしれない
    ゲマトリアの望む研究対象では無い事を理解した上で黒服あたりが実はオカルト好きで完全に趣味で首を突っ込むかもしれない

    まぁ書き手の好きにすれば良いさね

  • 15パンドラボックスの人24/07/02(火) 21:19:18

    >>14

    既存の用語をあえて使わなかったのも、その意図があります。

    「解釈」を読者、もしくはこれから物語を紡ぐ物…それ次第です。あくまでも自分の物語は自分の物語にすぎず。

    そこから新たな物語を見出すのであればどんな形であれ歓迎です。

    実際問題として黒服、観察してるだけで怪異と恐怖を分けられる十分な考察の材料があるかって言うとどうかなーっていうのもありますし(

  • 16過去編のひと24/07/02(火) 21:23:19

    私も他の方の世界を邪魔する気はないので
    書き手の好きにしてくださいな。
    現象型怪異に関してですが、現象そのものである怪異
    といった所です。
    郵便番号...?に関してですが私が思っているものと同じで
    あればそうです。多分。検索すれば元ネタが分かります
    まあ本編でも出るから、先に知りたかったらどうぞ
    この怪異はどちらかと云うと超常現象の類です。
    怪異の中に無理矢理押し込んでわかりやすくしたって事情ですかね

  • 17二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:28:17

    このレスは削除されています

  • 18二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 23:38:15

    世界線に関しては好きにすれば良いと思います。でも相手にリスペクトは持つべき。
    それはそれとして当スレ最初のミレニアム**不思議はいただきよ。


    ミレニアム**不思議
    No.16800000「ゲーミングくねくね」

    危険度:S(SS〜D)
    モモイ判定:ユウカ、ゲームを作るのに必要だからパソコン買って! ビカビカ光るヤツ!
    ユウカ判定:却下よ!

    概要:当怪異は光り輝くくねくねです。当怪異が発見されたのは百鬼夜行連合学院が治める地域の田んぼです。
    ウチの田んぼがピカピカ光っとる、と一般市民からの通報があったのち、霊障被害が拡がった為、才羽モモイが派遣された経緯があります。
    当怪異は光り輝くくねくねですが、その光量は1万カンデラ以上であり一般的な車のヘッドライト以上です。その為、くねくねの持つ「正体を知った人を発狂させる」という特性がゲーミングくねくねの場合、本体が眩しすぎて何もわからないという結果になり消失しています。
    また、才羽モモイが派遣された原因である霊障もゲーミングくねくねが発する光が原因である光過敏性発作である事が判明しました。

    現在、当怪異は百鬼夜行連合学院内の神木にイルミネーションとして飾り付けられています。

  • 19二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 02:19:12

    現象型怪異、既出の怪異にも当てはめるとしたら「不帰の館」が該当するのかな

  • 20二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 04:51:22

    >>18

    地味に厄介だけど、本末転倒化してるし、何なら有効活用されてる・・・w

  • 21二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 08:12:42

    >>18

    アニメの『謎の光』を自ら発するくねくねとか面白過ぎる

  • 22パンドラボックスの人24/07/03(水) 09:30:02

    前スレ178から

    帰路へと戻るモモイは先ほどの言葉を思い返していた
    そういえば元はと言えば怪異にさらされた私の制御不能な防衛反応みたいなものだったっけ
    今では思ってあの子の許可をとるだけで、あの子の包丁を借りる事すらできるようになった
    こうなってからの本気で使ったことは無いが、使いすぎるとまずいのだろう
    あの黒い人はタダで物を教えるタイプには見えなかったが、今思えばあっちの方が警戒していたのだろう
    「神様」すら手玉に取るこの力に…
    「なーんで私ばっかり、厄ネタばっかり降ってくるかなぁ。まぁ私が解決しないとみんなが困るからやらないってことは出来ないけどね」
    思わず独り言をつぶやく
    「I'LL HELP YOU.」
    「えへへ、ありがとね」
    誰にも聞こえない会話がモモイの中で響いた


    ~Stargazer~
    それは星を見るひと
    望遠鏡を持っていなくとも大袈裟な荷物がなくとも
    その人は・・・ミドリは星を見ていた。

    それが他の誰にも見えずに、だんだんと近づいてくるのでなければいつもの光景だったのだろう
    「どうして誰もアレに気がつかないの・・・!?」

    その日は「ほしのふるよる」だった。

  • 23二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 18:22:20

    星をみるひと…かりう…ふっかつしゃ…

  • 24過去編のひと24/07/03(水) 21:20:05

    遅くなりそうです

  • 25パンドラボックスの人24/07/04(木) 02:24:57

    >>22

    ミドリはすぐさま姉に連絡した。自分だけが見えるのはおかしいがそれはそういう怪異ではないかと思って

    しかし連絡を受けたモモイからの返事は意外なものだった

    「今、空見えるけどそんなのないよ?」

    「そ、そんな」

    では何か、あれは自分だけに見える幻なのだろうか

    「でも一応調べてみようか。こういうのは最悪を想定した方が良いからね」

    お姉ちゃんは信じてくれる気になったのがなぜか嬉しかった


    夜の街の踏切で合流した。時刻は午前二時

    スマホに表示される天気は晴れ

    なのでアレがはっきりと見える。最初は小さな動く点だったが、明らかに徐々に大きくなっていた。周りの星の輝きをかき消すかのように

    しかし姉はやはり見えないという

    「うーん。これが他の人だったら幻覚を見せられているのを疑うんだけど、ミドリだからなぁ」

    先日発覚したミドリの特性、「怪異などの影響を受けない(物理は除く)」から、いろんな可能性が消えていた

    「もしかして…私たちが受けてる?」

    そう考えると辻褄が合う。もうとっくに影響を受けていたのだ

    「参ったな、また自己隠蔽型の怪異か…しかも前までのは直接見れば流石にわかるのに、今回はそれもダメと来た」

    「ど、どうするの?」

    「どんなやつなのか見てみないと何ともなんだけどその手段がないんだよねぇ・・・むしろ間接的に見てみる?」

    「というと?」

    「ほら、昔ゲームでやったじゃん、レンズを通すと本物が見えるようなやつ。あれはレンズが特殊だったけど多分普通のレンズでもいけるんじゃないかなー、根拠はないけど」

    アレが大きくなっているペースから考えると朝までは持たないだろう。急ぐ必要があった

    「学校に望遠鏡くらいあるでしょ!連絡しながら行くよ!」

    「うん!」

    二人は駆け出した

  • 26二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 12:01:53

    駆け抜ける姉妹! 続きが楽しみ。

  • 27二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 16:19:49

    前スレ180から

    第参章 彼の者との邂逅

    「永遠の..雲霧林?」
    現象型怪異。領域形成。情報の洪水に見舞われた私が出せたのはその一言だけだった。
    「どんな場所にいる奴でも無差別に別空間に引きずり込む。簡単に云えばそんな感じだ」
    情報の整理が終わった脳がある疑問を繰り出す。
    「コレ自体に危険性は?」
    「特に危険性はない。ただ引きずり込むだけ。君を襲った怪異はこれを活用しているだけだよ」
    彼は炎に薪を焚べながら疑問に答えた。
    「此処に入り込んだ怪異は直接祓うまで消えない。だから天然のトラップみたいになってるんだ」
    餌はないけどね、と目を瞑った。
    「直接祓うまで?」
    炎がしっかりと燃えているのを確認すると、彼は後ろに手をおいて体をリラックスさせながら答えた。
    「勘がいいね。そう。つまり、噂の変更とか、知名度の減少とか、そう云うので消えないってこと」
    木々を抜けた風に委ねつつ彼は気怠げに溜息をつく。
    「だからこっちから出向いて消滅させるしかない。正直めんどくさい。まあこっちに入りこんだ奴は大抵外で現れないんだけどな」
    一概に悪いとは云えない。そう云って更に面倒臭そうに笑う。何処か神秘的な雰囲気を纏っていた彼が、子供っぽく口を尖らせた様子に少し微笑ましく思ってしまう。めんどくさい。その一言がとても美しく思えた。
    「そういうのもあって年寄り――上は破壊を命じない。万が一に使える可能性があるからな。まあそもそもこの怪異を破壊できる奴なんて5人いるかどうかだけどね」
    彼が浮かべた笑顔は、やはり直ぐに蓋をされる。彼が笑顔を浮かべたと思ったら直ぐにそれは消えてしまう。子供っぽく感じられた彼も直ぐに仮面の下に隠される。
    「それ以外にもまだある。此処の景観は変化しない。一時的に木を切ったりしても、瞬きした瞬間とか、目を逸らした瞬間に治る。爆発を起こしても、木を燃やしても、地面を掘っても、何をしても。次の瞬間には元に戻る」

  • 28二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 17:02:04

    >>27

    「生物はどうなるの?」

    入り込んだ生物――例えば人間はどうなるんだろうと思い聞いてみる。彼は心底どうでもいいと云う様に答えた。

    「死んだやつは直ぐに消える。人間は死んだら消える。服も何もかも。人間以外も、死んだら消える。この空間には元より、植物以外に生命体が存在しない。微生物も虫も。どうやって保っているかは分かっていない」

    人の下りはとても面倒臭そうだった。

    「なんでそんなめんどくさそうなの?」

    「そんな風に云っていたのか。癖なんだよ。特に深い意味はない」

    何があったのだろう。感情や表情を全て隠すこの少年が、あそこまでわかり易く変化する程。知りたかった。でもそれを聞くのは止めた。触れてはいけない気がしたから。

    開かれた彼の瞳はとても真っ黒だった。

    「こんなとんでもない怪異、一体何から作られたの?」

    話題をずらそうとして最初に思い浮かんだ疑問がそれだ。目の前に座る少年にはヘイローはない。だけど、この人は学生だ。つまり生徒。生徒なのにヘイローがないのは、キヴォトスでは聞いたことがなかった。つまりこの人は外の人。制服もみたことがないし、外見も大分違う。距離は意外とあるのだろう。そんな距離ですら簡単に繋いでしまうのだ。それにさっきの説明を聞けば、とんでもないと、云うしかなかった。

    「モチーフ、根源はただの森林。僕の生まれた国にある自然豊かなただの樹海だよ」

  • 29二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 17:20:43

    >>28

    ただの森林。そんなありふれたものからこんな怪異が生まれるのか。

    「ただの森林から生まれるなんて、何があったの?」

    彼は目を炎に向ける。表情はあまり変わっていないのにその瞳の奥には諦観が込められていた。

    「人間にかかればただの森林だって、心霊スポットに早変わりだ。なんせ神話なんてモンを作り出せるんだからな。ま、噂が立った。ただそれだけだよ」

    「どんな噂?」

    そう聞けば彼は溜息交じりに答える。

    「コンパス――磁石が狂うとか、人の死体があるとか。あることないこと広がったんだ。でも、運が悪いことに、深めの霧が広がっていて、噂に信憑性を持たせる環境があった。」

    指を立て数えるように教えてくれる。

    「実際どうなの?噂は本当?」

    彼は顔を横にふった。遠くの出来事を思い出す様に空を見上げる。

    「いいや。磁気が発生している場所なんてほんの一部。そこも磁気の発生源に密着でもさせなければ狂うことはない。人の死体なんてない。」

    「事実は公表しなかったの?」

    事実をネットにでも上げればここまで強大な怪異になる気がしなかったから、そう聞いた。だけど彼は嘲笑う様に息を吐く。

    「したさ。だけど、人間っていうのは事実よりも面白い話があったらそっちによって行くモンなんだ。アイツらからすれば人の死体がある方が面白かったんだろう」

    良い趣味してるよなと、諦観の笑みを浮かべる。

    「この空間に『引きずり込む』って云うのは、霧があることによる別空間的な認識。そして、『コンパスが狂う=迷う』ということから、『閉じ込める』となって、この怪異は『別空間に生物を引きずり込む』となった。『時間』は白骨化した死体が『未だ』残っているという噂。だけどそれが、『不明な生命体に依るもの』とはならなかったから、この現象そのものが一つの怪異、『永遠の雲霧林』になった。」

    今までの要素を全て繋げて、怪異を説明してくれた。これが別空間に存在する怪異。というより、別空間そのものである怪異という解釈であると教えてくれる。この怪異を破壊できる人が少ないのは、『この怪異の破壊』が『別空間の破壊』とほぼ同義であるから。そう説明してくれた。

  • 30二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 17:53:49

    >>29

    「あと3つ聞きたいんだけど」

    彼の長い前髪を髪がからかっている。

    「ああ。小さい内は年上に甘えておけ」

    我儘を聞き入れてくれたことに心の中で感謝する。感情を表に出さない人だけど優しいんだなと口元が緩む。

    「私を最後に襲った怪異は何?」

    あの不快感を与えられた怪異の正体を知っておきたい。ただそれだけだった。その瞬間、彼の表情が、氷の様に冷たくなった。周囲の風が一変しあの時の様な圧がかかる。

    「アイツのことが、知りたいか?」

    「うん」

    そう答えることが精一杯だった。そう答えた時、体にかかった重圧が抜ける。

    「すまない。アイツのことが嫌いでね。」

    既に圧も、冷たい空気も去っているのに体が少し震えた。一息ついて、彼は答える。

    『アイツは――No.66。地獄の伝達者だ』

    「最も忌み嫌われる、幻惑を見せる系統の怪異」

    違和感があった。この人はどんなに酷い幻惑でも、心が折れる未来が見えない。まだ学生。だというのにそんな強く思えてしまうのは異常と言う他ないが。だからこそだ。この人が自分が見たあの地獄の情景すら普通に乗り切る気がしたのだ。なのに何故この人はここまで感情を見せた?まだ私は、この人のことを少しも知らない。

    「この怪異は最初は白い封筒の形をしている。対象を見つけると対象の疲労が限界を迎えるまで追跡してくる。コイツの能力は呪いを掛けること。コイツの見せる呪いは正に『地獄』そのものだ。」

    いつもと同じ口調だった。なのに、とても辛そうで、憎しみが籠もっていた。

  • 31二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 17:54:10

    >>30

    「呪いってことは、継続的に効果があるってこと?」

    あの時の景色が脳裏によぎる。吐き気を抑え、質問する。自分が受けた呪いが恐ろしくなって、自分の体を擦る。

    「ああ。定期的にあの景色を見せてくる。寝ようと思ったらとか、日常の一コマにあの景色が入ってくる。おかしくなった奴を何人も見てきた。呪ったら封筒は消滅し、呪われた奴が同じ様になる。定期的に起こる呪いの効果は周囲を巻き込んで発動する。巻き込まれた奴も同じようになって...みたいに永遠に広がっていく。」

    聞いただけでも恐ろしい怪異だ。この人は一体この怪異の何が嫌いなんだろう。

    「だが、その内の一人でも解呪したら、全ての呪いは解呪される。そしたらまた同じ様に手紙が出現する。」

    自分に掛けられた呪いが効果を発動したら、彼も巻き込まれる。その事に罪悪感が走る。

    「解呪方法は?」

    彼は目を伏せる。沈黙が広がる。薪の小気味いい音のみが辺に響いている。

    「二通りある。呪いを掛ける前と後で一つづつ」

    彼はそうとしか答えなかった。何故云わないのかという疑問が一面。反面何故か安堵している自分がいた。

  • 32二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 18:02:26

    大分長くなってしまったな。

    すまない。テレグラフは使わないと決めたのだ。

    >>22

    神すら手玉にとる、か。その神は果たして怪異を示しているのか、別のものか。気になる〜!

    まあどちらにしろモモイが大分強そう。

    皆さんの書く怪異が面白すぎるんだが。

    駄文で本当に、申し訳ない。

    安心して下さい。これから無双ゲーが始まります。

    こんなに話しているのはモモイの体力回復の為と思って下さい。

  • 33二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 18:21:26

    このレスは削除されています

  • 34二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 19:45:58

    >>31

    怪異と怪異が合わさり最強に厄介に見える(

    掛け合わせで力が増してる様には見えないけど、どっちかだけでも一般人なら積みかねない能力してる…

  • 35二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 22:16:59

    スレの方々の文章を見て書きたくなったので
    ミレニアム**不思議
    No.1617「吊し上げの館」
    危険度:元SS(現在は退治済み)(SS~D)
    モモイ判定:多分とてもヤバい怪異だったと思うんだけど…まぁ、巻き込んだ相手が悪かったというか…
    ミネ判定:けが人がいるのならば救護は当然!まして重症者なら猶更です!

    概要:当怪異は10人以上入れる部屋に発生する現象型の怪異です。当怪異はこの怪異に巻き込まれたシスターフッドに
    所属している生徒の歌住サクラコへの報告により歌住サクラコ経由で当学園のゲーム開発部所属才羽モモイへと伝わり
    存在が発覚しました。
    当怪異は発覚時点でトリニティ総合学園・救護騎士団団長の蒼森ミネにより退治されていました。
    当怪異は発生している部屋の前を通る2人の共に行動している人間を部屋に転移させます。
    その部屋の中には円形に並べられた10脚の椅子と7体の違う服装をした椅子に座っている人型、
    及びその中心に重症の人型が確認されたそうですが、それ以上のことは分かっておりません。
    理由としては、当怪異に巻き込まれた蒼森ミネが座っている人型たちが何かを言う前に即座に中心部へ移動し、
    重傷を負った人型に治療を行い、その結果当怪異が発生させたと思われる物体、
    及び人型がすべて消失したことが理由です。

  • 36二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 00:31:00

    >>35

    普通ならそういう状況に陥ったら思考停止しそうだけど、彼女はまぁ考えるより前に動くからな…w

    にしても名前からして「人狼」かしら

  • 37二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 03:35:08

    レッドウィンター**不思議
    No.58「常夏校舎」

    危険度:B(SS〜D)
    モモイ判定:本当ならあまり害はない怪異なんだけどレッドウィンターに出るのはマズイよね……

    概要:当怪異はレッドウィンター自治区のとある廃校舎、およびその校舎に生徒が足を踏み入れた際に発生する一連の幻覚症状です。当該校舎に立ち入った生徒は「そこが真夏のビーチである」という認知の歪みを発症します。これが第一段階です。第二段階では真夏のビーチの光景を幻視するようになり、第三段階では視覚だけでなく温度感覚にまで幻覚が発生。実際の周囲の温度に関わりなく暑さを感じるようになり、防寒具や衣服を脱ぎ捨てます。

     当怪異は当該校舎の解体工事に従事していた工務部の生徒達が、吹雪の中、半裸で倒れているところを救助されたことで発覚しました。当初は矛盾脱衣現象と考えられていましたが、当該校舎の解体時に必ずこの現象が起きることを訝しんだ工務部部長・安守ミノリがシャーレの先生に相談。先生を通じてミレニアムサイエンススクール所属の才羽モモイ女史が調査のために派遣され、怪異であることが判明しました。以下、モモイ女史の調査報告です。

    モモイ:悪意はないよ。というか、そもそも自我もないね。ここで過ごしてた人たちの強い思いが校舎に染みついてて、それに触れちゃった人が勝手に幻を見てるだけなんだと思う。この校舎を使ってた人たちはよっぽど夏のビーチに行きたかったんだろうね……。対策? そうだなあ…ドローンを使って工事するか暖かくなるまで待つしかないんじゃないかな?

     以上の調査結果から、当該校舎の解体は当分の間延期することが決定しました。また過去の記録を精査したところ、当該校舎が密かに映画の上映会場としてを使用されていたこと、そこで上映されていた映画は主に常夏の自治区でのロマンスを描いた作品だったということが判明しました。幻覚の内容を踏まえ、自治区内で上映する映画作品の内容、あるいは上映場所について考慮する必要性が指摘されています。
    以下、安森ミノリのコメントです。

    ミノリ:こんな怪異、レッドウィンターじゃ洒落にならないぞ……

  • 38二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 06:44:45

    ミレニアム***不思議

    No2134「催眠アプリ詐欺」

    危険度B(SS~D)
    モモイ判定:「違法ダウンロードはダメ絶対ってやつだよねこれ。」

    当怪異はミレニアムの裏ネットでダウンロード可能な携帯アプリです。
    このアプリは催眠をかけたい相手に向けてカメラを向けてタップすることで発動します。
    ただし、発動するのは対象ではなく、”催眠アプリを使った人”に発動します。
    催眠をかけられた使用者は直ちに銀行に向かい指定の口座に自分の所持金を振り込んでしまいます。
    その間使用者は”対象に催眠アプリをかけて好き放題している”幻覚を見続けます。
    使用者は催眠アプリで対象を好き放題していると思い込みながら
    実際は所定の口座に自分の財産を振り込んでいるだけという一種の詐欺行為が行われているわけです。

    なぜこれが怪異扱いされているかというと、
    催眠アプリのダウンロードが何故かミレニアムでしかできないということ。
    振り込まれた資金がどこに行ったのか全然突き止められないということ。
    何より実際にダウンロードした催眠アプリの解析をしたところ、
    プログラミング言語ですらない解析不能な漢字の羅列が表示され、解析機器ごと破壊してしまうという怪異現象が起きたこと等が挙げられますが。
    このアプリが怪異であるとされた決め手となったのは才賀ミドリがこっそりこのアプリをダウンロードして、
    先生に使用したけど何も起きなかったと報告したことが決め手となりました。

    モモイ追記「何やってんのミドリ…。」

  • 39二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 07:16:43

    〉〉35 続きです
    以下は録音された巻き込まれた生徒と才羽モモイとの会話記録になります。
    (少しのノイズと共に音声が再生される)
    「一応サクラコさんから概要は聞いてはいるけど、貴方から見たこの怪異について教えてもらってもいいかな?
     もちろん辛ければ話さなくても大丈夫なんだけど…」
    「いえ、大丈夫です。それにサクラコ様から伝えられていたのであれば、ことの顛末も知っておられるでしょう。」
    「ああ、聞いたよ。なんでもあなたと一緒に巻き込まれちゃった人が退治しちゃったんだって?」
    「はい。その時、私とミネ様は偶然同じ方向に歩いていたんですけれども、気が付くとどこかの教室にミネ様と
     一緒にいて、目の前には椅子とそこに座っている人達と、それと…うぷっ」
    「ああ!無理しなくていいからね!?」「すいません…いまになってちょっと気持ち悪く…」
    「そこは言わなくて大丈夫だよ、そのミネさんからも話は聞いてはいるし。」
    「え?それならば何故?」「一応ね。もしかしたら、ミネさんとは違うものが見えてたかもしれないし。」
    「では…と言っても見たものはそれで全てですね。」
    「じゃあ何か聞いた音はない?こう「ギャリギャリッ!」ていう音とか。」
    「そういった音は聞こえませんでしたが…あ、そういえば。」「何々?何か思い出した?」
    「はい、ミネ様が椅子で囲われた中心部にいた人の治療を行っている際に周りの人達が口々に
     「~が死んだ!」「犯人は誰だ!」と仰っていたのを思い出したのですが…」
    「ふむ。何かに引き寄せられるような感覚とかはあった。」
    「そういえば…はい。部屋に入ったときに空いている椅子に『座らなければならない』と思いました。
     今思えば、何故そのようなことを考えたのか不思議でなりませんが。」「なるほどね。」
    「あの、これで何かわかったのでしょうか…」「うん、分かったよ。この怪異の正体」「え!?」

  • 40二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 07:24:30

    >>37

    さすがのミノリも怪異相手にはどうしようもないのか...

  • 41二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 09:19:12

    >>40

    ミノリ相手のペースを破壊して自分のペースの会話をするタイプだけど…そもそも対話が成立しない現象にはどうしようもないのだ…

  • 42二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 10:13:10

    >>37

    あらかじめこのことを聞いてて幻覚だと強く念じてても第三段階になったらきっついだろうな…


    >>38

    これ現実でもあったらめっちゃ厄介だろうなぁ…

  • 43二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 10:30:50

    このレスは削除されています

  • 44二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 10:49:43

    あと前スレの奴を見ていただければ分かる通り、
    ワタシの世界(過去編)では、既にモモイの体に
    デスモモイがいます。
    憑かれているだったり、守護霊的な感じです。
    モモイが精神的ダメージとかでぶっ倒れそうになった瞬間出てきそうになっています。
    その時青年はアイツが出てくる前で良かったよ、と云っています。
    と、云うことで私の世界ではデスモモイが出てくると、モモイにダメージがある、制御出来ない、馬鹿強い。
    という感じです。

  • 45二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 12:30:50

    トリニティ***不思議

    No1365「学校の七不思議」

    危険度B(SS~D)
    モモイ判定:触らぬ神に祟りなし。この話をしないければ何も起こらないよ。でも、もししてしまったら命の保障はないからね。

     当該怪異は、「七不思議」と呼ばれる七つの話から成り立つ怪談です。この話は古くからキヴォトス中で知られており、七つの話も様々なバリエーションがあり一定ではありません。
     しかし、七つの話を全て聞いてしまうと死ぬ、という伝承だけはどのパターンでも共通しています。
     先日、トリニティにおいてとある部活が学園内で泊まり込みの合宿をした際、余興としてこの七不思議の話を行いました。
     念の為、七不思議の語り部は交代制で、聴衆も七つの話全てを聞きたくなければ聞かなくとも良いとしましたが、とある生徒が好奇心から七つ全ての話を聞いてしまい、翌日にその生徒は失踪しました。
     すぐさま歌住サクラコと先生を通じてミレニアムの才羽モモイに連絡が行き、才羽モモイは調査の為現地に赴きました。
     歌住サクラコの協力を得て調べた結果、十年前にも同じ現象によって失踪した生徒が存在することが確認されました。当該生徒は数週間行方不明になったあと、トリニティの*****において遺体となって発見されました。死因は不明です。
     才羽モモイはこの怪異はミームとして広がりを見せたことによって怪異として力をつけたものと判断。すぐに歌住サクラコ、空崎ヒナ、小鳥遊ホシノの協力を得て失踪事件が起こった教室で七不思議を語り合いました。
     その日の深夜、怪異を待ち構えていた四人の元にブラックホールのような小さな隙間が出現し、そこからトリニティの制服を着た血まみれの生徒が現れ、四人に危害を加えようとした為四人は応戦し、怪異を払いました。そして、発生した隙間の中から行方不明になった生徒を見つけ出し、救出しました。
     
    モモイ追記:あの怪異は、七不思議を全て聞いた生徒を取り殺して力を増幅させていた。もし今回失踪した生徒を救出できていなければ、もっと厄介なことになっていただろうね。

  • 46二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 19:11:36

    >>45

    そもそもその条件に行くまでが普通は難しいけど興味持ってやったら一発アウトは怖いね・・・

  • 47二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 20:16:49

    >>45

    今になって読み返すと文章に粗が目立つな…。もっと推敲すべきだった。

  • 48二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 20:47:20

    >>39追記2です。なんどもすいません。そしてとてつもなく長文です

    「あくまで推論だけど…」「それでも構いません。」「じゃあその前に、そろそろ来る筈なんだけど…」「?」

    (ドアの開く音と共にコツコツという足音が近づいてきた)「ねぇモモイ、この資料ってここに置けば…ってあら?」

    「ああ、ちょうど良かった!ありがと!ユウカ!」「はいはい、それじゃ私はこれで。」(再びドアが開く音がした)

    「ええっと、これは?」「あなたの言ってた部屋について調べた資料だよ!」

    (パラパラと紙をめくる音がする)「ふむふむ…ああ、やっぱり。」「なにか分かったんですか?」

    「うん。推論だったのが確信に変わったよ。」

    「まずこの怪異はいわゆる領域型の怪異だよ。」「領域型…ですか?」

    「うん、特定の場所に発生する怪異で物によっては条件を満たせばどんな場所にも出現する可能性もあるんだ。」

    「そして条件を満たした人を自分の領域に蜘蛛みたいに絡めとるんだ。」「蜘蛛のように…」

    「この怪異は多分条件を満たした部屋ならどこでも出現するタイプの怪異だったんだと思うよ。」

    「えっ!?それって…」「ああ、大丈夫大丈夫。多分もう出てこないと思うから」「え?」

    「この怪異が巻き込むのは2人で行動している人で、巻き込まれた2人が席に着いたら裁判を始めるの。」

    「裁判…ですか?」「そう、中心にいる人を殺したのはだれか~ってね。」「で、これ見て?」

    「これは…?」「怪異が消えた後にあの部屋に残されていたものをまとめた資料だよ。読んでみて。」

    「はぁ。えぇっと…青い髪の毛、返り血のついたナース服、

     蒼森ミネのものと一致する指紋と血のついた包丁…ってこれって!」

    「そうだよ。まぁそこに書いてあるのは包丁以外は全部調べた人間が触った瞬間に消えたらしいんだけどね。

     包丁だけは指紋を鑑定したら消えたらしいよ。多分元々そういう『条件』で消えるから

     こそ怪異が消失した後も残ってたんだろうね。」

    「えぇ…いや、そうではなく!これは!」

    「うん、分かってるよ。どう考えても『蒼森ミネが犯人としか思えない』でしょ?」

    「まぁ消えたことからも分かるとおり、怪異が作った偽物だけどね…」

  • 49二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 20:51:02

    >>18

    百鬼夜行ならあの中古車店のくねくねのぼりも怪異化するのかな

  • 50二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 21:31:33

    >>48

    2人なのはもう一人に印象付けるためかぁ…

  • 51パンドラボックスの人24/07/05(金) 21:55:15

    >>25

    セミナーに連絡を取ったところ、理科室の備品に望遠鏡があることが判明し、早速借りて屋上に来た。

    ミドリの証言を頼りに向きを調整する。

    「見えないものを見ようとするのって不思議だね」

    「そう?まぁ私は怪異慣れし過ぎか…これで見えるはず…」

    ミドリ曰く動いてるらしいがそれも込みで調整した。

    「どれどれ…っ!!?」

    無数の目と『目が合った』

    『深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ』とはよく言ったもので、

    どちらが先だったかはわからないが、間違いなくこちらを認識された

    頭がくらくらする。怪異慣れしているはずなのに吐き気もする

    「はは…ははははは…!でかしたよミドリ。これに気がつかなかったら確かにまずかった」

    「な、なんなの…?」

    「ラクスちゃんなんて比較ならないほどのとんでもない『宇宙の神様』。その中でもとびっきりの邪神とお見受けしたね。一体いくつの星を喰ってきたのやら……」

    「何を言ってるの………?」

    これを言ってるのがモモイじゃなければあまりの恐怖にやられたかと思っただろう

    「なるほど、あまりにも存在感を大きくし過ぎたから、他の神様や獲物の星に気がつかれないように隠蔽に特化したのか…」

    ぶつぶつと喋りながら望遠鏡を覗いたままのモモイ

    一方褒められたはずのミドリは異様な姉を見て震え上がっていた。もう一人のアレとも違う、「冷たさ」の雰囲気を纏っていた

    「どっどうするの?」「どうしたもんかねぇ」

    声かけと独り言がかぶった。そうするとモモイの口が動く

    「THAT THING IS TOUGH, BUT NOT RESISTANT TO PHYSICS.」

    「え、あれ物理的なダメージ通るの!?じゃあわざわざこんな広範囲な隠蔽してるのもそういうこと!?」

    「私にもわかるように説明して…」

    「神様とか怪異とかって大抵の場合本体そのものは物理的にどうこうできないことが多いんだけど、

    あれは『星』そのものに憑りついてるから壊せれば消滅するんだよ。規模が規模だから一筋縄ではいかないだろうけどね…」

    「壊せるって言ったって星なんてどうやって…」

    「星と言ったけど、まぁ実際は隕石くらい。それでも落ちてくるだけで大被害だし、『降りてきたら』この星の生命を吸うだろうね


    でも私たちにはとびっきりの光の剣がある」

  • 52二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 22:59:24

  • 53二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 23:03:29

    >>51

    アトラ・ハシースの箱舟もブチ抜いた最強の剣だ面構えが違う

    考えてみればあれの名前はスーパーノヴァだもんな。星の怪異を終わらせるのにこれほど適した名前もない

  • 54二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 23:10:28

    >>48

    追記3ですもっと文章を短くしたかった…

    「ええ、しかしなぜそのようなことを…」「そこでさっきの裁判の話に戻ってくるの。」「え?」

    「裁判なら判決があるでしょ?」「そうですね。」

    「で、多分この怪異はその判決を巻き込まれた片方に下させるんだ」「…でもそれじゃぁ…」

    「うん、普通ならもう片方の人犯人だとは思わない。」「ええ、あまりにも露骨すぎますし、それに…」

    「うん」『キヴォトスの学生は包丁を刺されたぐらいじゃ死なない』

    「そもそも包丁自体が通らない。でもこの怪異に巻き込まれた人は『普通じゃない』。」

    「なんせ部屋に入った瞬間に『椅子に座らなきゃ』なんて考えちゃうんだから」

    「つまりその怪異が催眠、あるいは洗脳が出来ても不思議ではない…と?」「そういうことだね。」

    「多分この怪異は入った人間に『椅子に座らなければならない』、調査により証拠を見つけた

     人間に『この証拠から罪を犯したのはこいつだ』『罪は裁かなければならない』

     という強迫観念を植え付けるんじゃないかな。」「成程。そしてその人、今回は私に罪を裁かせると。」

    「うん。そして罪を犯した人への罰として…ちょっとココを見てもらえる?」

    「はぁ…えぇっと…灯油?…ッ!?まさか!」「そう。火炙りだよ。」「そんなことをしたら!」

    「うん。『死ぬ』流石に無酸素状態で生きられるほど私たちは頑丈じゃない。」「そんな…」

    「…まぁいろいろ脅すような事言ったけど、怪異はもうしばらくは出て来ないと思うから

     今のところは大丈夫だよ。」

    「ああ、そうでした!なぜそのようなことを…」

    「『確信を持って言えるのか?』でしょ?まあ何というか…『バグ』のようなことが起こったんだよね」

    「『バグ』…たしか虫という意味でしたか?」

    「ああごめん。ミレニアムならともかくトリニティにはあまり馴染みが無い言葉だったね。」

    「簡単に言えば怪異の在り方に不具合がおきたんだよ。」「不具合…ですか?」

    「うん。怪異っていうのは良くも悪くも誰かの認識に影響されやすいからね。」

  • 55二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 23:58:14

    >>54追記4です 最後です

    「この怪異は『①怪異が発生している空間の中に2人の人がいる

     ②その周りに10脚の椅子があってそこに7人の人が座っている③椅子で囲まれている中心に死人がいる』

     この3つの条件で成立している怪異なんだけど、今回のケースはその条件の一部が成立しなかったのが原因だよ。」

    「人伝に聞いた話にはなるんだけど、あなたと一緒に巻き込まれたミネさんはけが人がいたら絶対に治療を

     行うという信念を持ってるんだよね?」「はい。あの方曰く『救護』だそうですが。」

    「まず、ミネさんは部屋に入った瞬間にけが人を目撃した。しかも今にも死にそうになっている

     あるいは死んでいるかもしれない状態の。」

    「…疑問なのですがいくら遠くても教室の入り口から中央部にいる人なら、まして救護騎士団の団長ならば、

     見れば死んでいるかどうかはすぐにわかるのでは?」

    「それぐらいの距離からなら明らかに首がなかったり、ありえない方向に曲がっていたならわかるけど、

     今回の想定は腹部に刺さった刃物が抜けた時の大量出血による出血性ショックみたいだし

     遠目にはわかりづらいと思うよ?」「…やけに詳しいですね?」

    「…こんなことをやってるとちょっとね。聞く?」「いいですいいです別にいいです!」

    「そうだね~あれはいつ頃の…」「絶対に聞きたくないです!」「冗談だよ。」「はぁ…」

    「まぁ仮に死んでいると分かっていてもそんな人なら迷わずに治療をしていたと思うけどね。」

    「ああ。それはそうですね。」「あ、認めるんだ。」「事実ですから。」

  • 56二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 00:02:57

    >>55行数のオーバーにより分割しました。これが本当に最後です

    「まぁとりあえず、ミネさんは中心にいる人に治療を行おうとした。それこそ怪異の洗脳を弾くほどの使命感で。」

    「えぇと…あんなことを言った私が言うのもどうかと思いますがいくらあの人でもそれって出来るんですか?」

    「一応出来るよ。よっぽど何かへの情熱とかが強くて、それに対することのみで脳を埋め尽くすことが

     出来るなら…だけど。」「それは…無理では?」「基本的にはそうだね。」

    「話を戻すよ?で、どんな治療を行っても人は蘇らない。これは分かるよね?」「はい。」

    「それが普通なんだけど、今回の場合は死体を予め怪異が生成していたから、いわば死体が怪異そのものだったの。」

    「…なぜそれが怪異の消失に繋がったのです?」「言ったでしょ?『怪異は誰かの認識の影響を受けやすい』って。」

    「ミネさんは怪異の作った死体に対して治療を行った。『絶対に生きている』という思いの元」

    「その強い認識を受けたことにより、怪異が変質し、その結果、死体役が『生き返った』。」

    「はぁ…はぁ!?」「正確には『生きている状態』になったていうのが正しいんだと思うけどね。」

    「で、この怪異が成立する条件、覚えてる?」「ええっと確か…『①怪異が発生している空間の中に2人の人がいる

     ②その周りに10脚の椅子があってそこに7人の人が座っている③椅子で囲まれている中心に死人がいる』

     でしたっけ?でもこれがどういう…あぁっ!」「そう。『死体役』が生きているのならば」

    「③の条件を満たさず…」『怪異は成立しない』「あり得るんですかそんなことが!?」

    「普通は無理だよ。怪異の在り方を歪めるなんてそれこそ10人20人いてもまだ足りないぐらい。」

    「でもやってのけたんだよ。ミネさんは。その強い意志で。」

    「で、怪異から見ると条件を満たしている筈なのに、死体役が生きているから条件を満たしていないことになる。」

    「怪異…『吊し上げの館』はその矛盾を処理しきれず消失したんだ。次に現れるとしたら『死んでいるが生きている』

     という状態に対する明確な回答を用意してからになるんじゃないかな?」「は…はぁ」

    「まぁそんなもの、もしかしたら千年難題よりも難しいかもしれないけどね!」

    「…でももし、それに対しての答えを見つけることが出来たら…」「ああ。それについては大丈夫。」「え?」

  • 57二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 00:05:13

    >>56が最後の書き込みだと言ったな。あれは嘘だ(何度もすいません!)

    「なんせうちの学校には1度見聞きしたものを忘れない頼もしい書記がいるからね!でしょ!ノア!」

    (録音データの再生が終了しました。もう1度再生しますか?)

    「これを聞いて私にどうしろっていうんですかぁモモイちゃぁん!!」

    ミレニアム学園にある教室の1つで生塩ノアの嘆きが虚しく響いたのであった。

    ミレニアム**不思議No.1617「吊し上げの館」退治完了!

  • 58二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 00:12:54

    >>57

    乙!30行制限意外とあっという間だよねぇ…


    まーそりゃ怪異からしてみれば普通に想像つかないわな…w洗脳突き抜けるどころか真ん中の死体に文字通り飛んでいって治療するとか…w

    後、現実では死亡判定は医師がするもんなので、医療関係者が治療始めたら「生きてるんじゃ?」に一般人でも認識が傾くのもそうねぇ

  • 59二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 01:51:19

    生きているが死んでいる状態…つまり次に出てくる時は人狼ゲームとシュレーディンガーの猫を組み合わせた全く新しい何かになってるということか(違うそうじゃない)
    さておき、怪異の条件を利用してバグらせるって正統派な怪異退治という感じがして良いね

  • 60二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 09:58:12

    『吊し上げの館』を書いたものです。
    この怪異のモチーフは魔女裁判です。証拠のでっち上げ、火炙り、裁かなきゃという強迫観念などが要素だったの
    ですが、もう少しわかりやすくした方が良かったですかね?

  • 61二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 10:27:01

    >>60

    その辺はなんとなく伝わるくらいかなぁ

    作者の好みにもよるんだけど、

    個人的には怪異系を書くときはあえて「わからない」ことも混ぜると恐怖と不条理感を煽れるかなぁって感じがする

  • 62二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 14:05:21

    このレスは削除されています

  • 63二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 14:06:38

    >>62 すいません。誤字を発見したので削除しました

    それならいっそ怪異が消失したからモモイ視点では何もわかんないようにして

    後でゲマトリアとかから見た報告書形式の方がそれぽかったですかねぇ。

    上手い文章を書くっていうのはやっぱり難しいですねぇ…

  • 64二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 19:54:08

    七不思議が被るとは思わなかったけど、別世界の話だし、まま、ええわ(白目)


    ミレニアム**不思議
    No.37564「■■■小学校七不思議」

    危険度:SS(SS〜D)
    モモイ判定:絶対にこの学校には近付かないこと。特に夜は絶対に!

    概要:当怪異はミレニアム自治区内に存在する■■■小学校に起こる一連の怪異群です。
    ■■■小学校は15年前に廃校になっているものの、校舎は怪異群の霊障により取り壊しが出来ない状態です。
    当怪異は■■■小学校が存続していた時期から生徒たちによって噂されていた所謂、七不思議です。
    その内容は以下の通りです。
    ①理科室の走る人体模型
    ②音楽室の独りでに音楽を奏でるピアノ
    ③美術室の目が動くモナ・リザ
    ④3階と屋上を繋ぐ階段が13段に増える怪現象
    ⑤2階女子トイレの花子さん(トリニティ生の浦和ハナコとは無関係です)
    ⑥グラウンドで自分の首をリフティングする首の無い男子生徒
    ⑦【閲覧規制】

    以上の7つの怪異の内①〜⑥の怪異は危険性が低く、ただの悪戯好きの幽霊ですが、⑦の怪異は危険性があまりに高く、その怪異に纏わる単語を目にしただけでも深刻な霊障が発生します。
    ■■■小学校が存続していた時からその存在は危険視されており、夜の学校への立入禁止措置が取られていました。ですが、肝試しに訪れた当時5年生の生徒4名が【閲覧規制】された惨殺死体で発見されたのが原因で■■■小学校は廃校処分となりました。

    補遺:カイザーコンストラクション及びカイザーPMCにより計画された高高度爆撃及び遠方からの砲撃による校舎の取り壊しは、才羽モモイの提言により中止されました。
    理由としては、■■■小学校の校舎がある種の結界の役割を果たしておりその校舎が破壊された場合、怪異が街に解き放たれてしまう危険性があるとのことです。
    現在、■■■小学校の取り壊しは無期限延期されています。

  • 65二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 20:19:09

    >>31

    「で、残り2つは?」

    こちらを向いて聞いてくる。さっきの圧や冷酷な表情が幻覚だったのかと思える程静かな顔だった。

    「えっと、あの時はどうやって怪異を撃退したの?」

    私が倒れた時、この少年は、声による圧だけで怪異を撃退した。直接的な干渉もせず、ただ圧をかけただけで、私の周りにいる怪異が消えたのを覚えている。戸惑いを隠しきれていない私を他所に彼は答える。

    「あの時?普通に圧をかけただけだよ」

    それ以外何があるの、とでも云うように答える。

    「でも、圧をかけただけで撃退することなんてできないよ!!!」

    彼は視線を少し下にやり目を瞑った。悲しそうな顔が炎に照らされていた。

    「誰だって慣れれば出来るさ。怪異を知ればね」

    怪異を知れば出来る。魅力的な様に聞こえた。けど、彼の云い方だろうか。危うさを、恐ろしさを孕んでいた。

    「生き物だって、危険を感じれば逃げるか、臨戦態勢をとるものだ。それと同じ。怪異に恐怖を与えればいい」

    本来怪異にとって、人間は悪戯をする対象だ。それはつまり、怪異は人間に対して、恐怖に近しい感情すら持っていないということになる。『怪異に恐怖を与えればいい』。それはつまり―――

    「で、最後の一つは?」

    思案と困惑に満ちているであろう私を特に気にすることも無く瞳で捉える。

    「あの時云った、『アイツ』って誰の事?」

    感情を押し殺し、彼に聞く。倒れる寸前に聞こえた気がした『アイツが出てくる前で良かったよ』という言葉。この人でなければ恐らく幻聴だ。

    「隠すことでもないしいいか。えーっと、端的に云えば君に憑いている守護霊みたいな奴のこと」

    彼は頬を掻きながら答える。相当説明しづらいのだろう。

    「まあ不利には働かないと思っていいよ。ただそいつが出てくると君が動けるか分からない位になる」

    現段階で云えるのは其れ位だと、申し訳無さそうに彼は続ける。

    「ああ、そろそろか」

    ふと、顔を上げる少年。顔を向けずにそのまま、

    「まあ、大丈夫だ。僕がやる」

    そう云って制服の上から腰に手をあて、スポーツバッグを引き寄せた。その瞬間、あの『呪い』が発動する。

  • 66二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 20:26:09

    久し振りに更新ですね。

    遅れましたわ。

    ま、ようやく二人は出発します。


    >>64

    う~ん。怖いね。

    私は恐怖の発想が出来ないから尊敬するわ。

    ➄、まあ確かにそう書いておかないと、いらぬ疑いかけられるしね。

  • 67二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 20:33:30

    >>65

    そうだ。『怪異に恐怖を与える』を

    わかり易く説明すると、

    我々人間に、何の変哲もない紙が『頃すぞ』って云って

    それに対して我々が怖がっているのと同じです。


    怪異を知る。それはつまり、

    『怪異の様に生き、怪異の様にモノを考え、怪異の様に命に向き合う。怪異という、悪戯で命を奪う存在の様に』

    さて、この通りに青年が生きているとしたら、

    彼はどんな人生を生きてきたのでしょうか。

    次回で、少し分かります。

  • 68二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 20:35:13

    あ、でも紙が喋ったら怖いか。
    えっと、そこは考えないで下さい。

  • 69こっくりさん 1/824/07/06(土) 20:43:22

    8レス頂きまして、拙作を投稿させて頂きます。クソ暑い梅雨の夜、皆様の心胆を寒からしめてやる(使命感)



     才羽モモイはミレニアムサイエンススクールにおいて異質な生徒であると言える。
     本人の気質としては明るく元気、陽気なムードメーカー。しかし精神的には幼稚な部分があり、セミナーと騒動を起こしC&Cと戦闘をするほどの武闘派であるゲーム開発部に所属している。それを含めても、人に好かれる生徒である。
     
     だが、彼女は所謂「見える」人であった。
     人ならざる何か。幽霊。妖怪。怪異。不思議なもの。
     そういった、普通は見えないものが見える人であった。
     ミレニアムサイエンススクールといえば、学園都市キヴォトスの最先端科学のさらに先を行く科学者たちの学び舎である。そんな中で、「見える人」などという科学と合理の外にある生徒というのは異物であり研究対象でもある。実際、調月リオや特異現象捜査部と色々あったらしい。「もう昔の話だよ」と、本人は言ってはいるが。
     閑話休題。
     そんな「見える人」なモモイの元には、怪異についての相談事が度々持ち込まれる。

    「モモイちゃん助けて!!」

     彼女がゲーム開発部の部室に駆け込んできたのは、放課後。ゲーム開発部が活動を開始してしばらく、今日提出期限の書類が提出されてないと早瀬ユウカが怒鳴り込んできた数分後であった。

    「えっ、松岡ちゃんどうしたの?」

     モモイは四つん這いになりながら答えた。部室の何処かに埋没された書類を探すためであった。
     モモイに助けを求めたのは、松岡ヒロミ。モモイのクラスメイトだ。
     
    「ダイチちゃんが! ダイチちゃんがこっくりさんに連れてかれちゃった!!」

  • 70こっくりさん 2/824/07/06(土) 20:45:01

     城島シゲコ。
     国分ダイチ。
     松岡ヒロミ。
     この3人はモモイのクラスメイトであり、よく3人で遊びに行くほど仲が良かった。また音楽から農業漁業まで、幅広い分野を研究対象とする秀才たちでもある。
     そんな3人ではあるものの花も恥じらう女学生でもあるわけで。不思議な話や占い、恋の話に興味津々である。
     だからこそ、それらを一気に楽しめる「おまじない」をやろうというのは当然の話であった。
    「こっくりさんこっくりさんおいでください」
     こっくりさん。
     テーブル・ターニングという降霊術の一種である。三人で一つの机を囲み、机の上に置いた十円玉に人差し指をのせて、呪文を唱え続けている。十円玉の下にはA4の紙が一枚。鳥居、はい、いいえ、男、女、零〜九の漢数字、五十音が書かれている。
     十円玉を霊が動かして、紙に書かれた文字を示して質問に答える訳だ。
    「お、おおっ! 十円玉動いたで!」
     少し訛った口調でシゲコが言う。
     彼女の言う通り、三人が指を乗せる十円玉が右に左に、前に後ろに蠢いていた。
    「うわっ、本当にこっくりさんっているんだ」
     そう言うのはダイチであった。
     ヒロミがシゲコを見る。
    「リーダー、早く質問してみようぜ」
     ヒロミが今回のこっくりさんの発起人である。
     だが、三人のリーダー格であるシゲコに最初の質問を譲る気配りを見せる。
    「い、いきなり言われてもやな……」
    「リーダー、今度の数学のテスト範囲聞いてみようよ」
     ダイチが提案する。
     今度、三人のクラスでは数学の小テストがあるのだった。ちなみにモモイは勉強していない。
    「せやな。こっくりさんこっくりさん、今度の数学のテスト範囲を教えてください」
     シゲコがそう聞くと、十円玉がずずっ、ずずっ、と動き出す。

  • 71こっくりさん 3/8 24/07/06(土) 20:47:16

    「動いた!」
    「十円玉離すなよ」
     ダイチとヒロミがそう言い合う。
     そう言っている間にこっくりさんが答えを示す。
    「えっと、に、し、か、ん、す、う、く、ら、ふ」
    「二次関数グラフ! やっぱそこ出るのかぁ」
    「ダイチちゃんはそこ苦手だからな」
    「ヒロミちゃんもでしょ」
    「ふたりとも僕が教えたるわ」
    「それにしても、こっくりさんスゴイなぁ」
    「他にも色々聞いてみようよ」
     そうして、三人はこっくりさんに色々質問した。
     クラスメイトのこと、シャーレの先生のこと、調月リオのスタイルの秘訣。
     そうして、聞くこともなくなった頃。三人はこっくりさんを終えることにした。
    「こっくりさんこっくりさん、お戻りください」
     十円玉は動かなかった。
     本来なら、十円玉が【はい】の位置に行ってから鳥居の中に動くはずである。
    「あ、あれ?」
    「なんか、おかしくない?」
    「も、もう一回言うで。こっくりさんこっくりさん、お戻りください」
     十円玉が動いた。
     だが、十円玉は【はい】の位置に行かずに、言葉を示しだす。

     お、み、き。

  • 72こっくりさん 4/8 24/07/06(土) 20:49:50

    「お神酒!?」
    「お神酒が欲しいってこと!? そんなの無いよ!」
     ダイチとヒロミが叫ぶ。
     こっくりさんが何かを要求するなんて、聞いたことがないからだ。
    「ふたりとも落ち着き」
     シゲコが二人をなだめる。
     ダイチとヒロミからリーダー扱いされているだけあり、冷静であった。
    「こっくりさんこっくりさん、お神酒はありません。どうかお戻りください」
     シゲコが冷静にそう言う。
     十円玉は暫く動かなかったが、また言葉を示した。
     
     あ、ふ、ら、あ、け
     
    「……油揚げ」
     誰かが、口に出す。
     お神酒、油揚げ。
     自分たちの呼び出したこっくりさんは、本当にただの霊だったのかと畏れはじめていた。
    「こっくりさんこっくりさん、油揚げもありません。どうかお戻りください」
     シゲコが言う。
     十円玉は、また、言葉を示した。

     ひ、と、り、つ、れ、て、い、く

  • 73こっくりさん 5/924/07/06(土) 20:51:44

    8レスやなくて9レスでした。1レス30行制限なんてあったのね。


    「え?」
     シゲコから言葉が漏れる。
     一人連れて行く。
     こっくりさんは、そう言ったのだ。
    「え、待っ」
     ダイチの言葉は最後まで続けられる事はなかった。
     虚空から現れた大きなくすんだ白毛の獣の腕に掴まれたからだ。
    「うわあああっ!」
    「ダイチちゃん!」
     その腕はダイチを掴むと、引っ張り上げる。
     獣の腕は虚空に消えた。
     ダイチを連れて。
    「ダイチ!!」
    「ダイチちゃんが! どうしようリーダー!」
     普段は頼れるリーダーも、さすがにダイチが良く分からないナニカに連れ去られると考えが纒められなかった。
     何をどうすればいい?
     得体のしれないナニカ、こっくりさん。
     その時、シゲコの脳裏に一つの噂がよぎった。
    『才羽モモイは所謂見える人である』
     シゲコはヒロミに叫ぶ。
    「モモイちゃんや!」
    「リーダー!?」
    「モモイちゃん呼んできてくれ!」
    「え、なんでモモイちゃんを?」
    「いいから早く!」
     なにがなんだか分からなかったが。
     ヒロミはゲーム開発部の部室に向けて走り出した。

  • 74こっくりさん 6/924/07/06(土) 20:52:47

    「やっちゃったね、三人とも」
     ヒロミに連れられて、三人がこっくりさんをしていた教室に来たモモイはシゲコから事情を聞いてそう言った。
    「こっくりさんみたいな降霊術は素人がやっても上手くいかないものなのに、三人はうっかり大成功させちゃったんだね」
    「大成功なの?」
     モモイと一緒に着いてきたミドリが聞く。ちなみにユズもアリスもユウカも一緒である。
    「大成功だよ。だって今回来たの神様の遣い、眷属ってやつだろうし」
    「お神酒、とか油揚げ、とか要求してたもんね」
    「アリス知ってます! お稲荷さんです!」
     ユズとアリスが言う。
    「うん。お稲荷さん。正確にはウカノミタマって神様の御使い。霊格の高い神様の身内だから、こっくりさんで呼ばれても対価を要求したんだ」
    「それで、お神酒と油揚げね。モモイ、どうにかなるの?」
     ユウカが聞く。
    「必要な物がいっぱいあるよ。お神酒と油揚げもそう。あとはダイチちゃんとの交換材料として山海の珍味、野菜とか果物とかお魚とかが欲しいけど」
    「そんなのすぐには……」
     モモイの要求に、ミドリがそう言うが。
    「あるで!」
     シゲコが叫ぶ。
    「僕らが育てたお米や野菜は保管してるし、魚も採ってきたのがあるで!」
    「自慢じゃないけど質もいいよ」
     ヒロミも言った。
    「あとは、お神酒と油揚げだね」
     ユズの言葉にユウカが答えた。
    「あるわよ」
    「あるの!?」
     モモイが叫ぶ。
    「百鬼夜行連合学園との間でドローンを用いた交易取引が実験的に始まって、それであるのよね。お神酒と油揚げ」
    「ユウカでかした!」
     モモイが立ち上がる。
    「よし、すぐに準備しよう!」

  • 75こっくりさん 7/924/07/06(土) 20:55:39

     モモイ、シゲコ、ヒロミ。
     三人で一つの机を囲み、机の上に置いた十円玉に人差し指をのせて、呪文を唱え続けている。十円玉の下にはA4の紙が一枚。鳥居、はい、いいえ、男、女、零〜九の漢数字、五十音が書かれている。
     こっくりさんの再演である。
     だが、今回は先程とは異なり、他の机の上に山海の珍味、野菜や果物、お米。そして尾頭付きの鯛やヒラメなどが所狭しと置かれている。他にはお神酒と油揚げ。
     ミドリ、ユズ、アリス、ユウカは教室の端で見守っている。
    「こっくりさんこっくりさん、どうかもう一度お越しください」
     三人はそう続ける。かれこれ十分。そうしていた。だが、十円玉は動かない。
    「モモイちゃん」
    「大丈夫」
     シゲコがモモイを心配そうに見る。モモイは短く答える。
    「こっくりさんこっくりさん、どうかもう一度お越しください」
     だが、十円玉は動かない。シゲコとヒロミが口を開こうとした時。
     ぴちゃり、と。 
     足音がした。
    「え?」
     誰かが口を開くがそれに被せるようにモモイが叫ぶ。
    「全員顔伏せて!!!」
     モモイの言葉にただならぬ雰囲気を感じた全員は言われたように顔を伏せた。
     それと同時に、教室中に異臭が漂った。
    「う……」
     ヒロミが呻く。
     ぴちゃり、ぴちゃり。
     湿った裸足の足音が、モモイたちに近付いてくる。
     モモイだけがソレの姿を直視していた。
     それ以外の面々は、それの足を見た。パンパンに膨れた脚。小さい子どものような脚だが、膨れている。
     そして、青黒く変色していた。まるで水死体のようだった。
     それは口を聞いた。

    「ちょうだい」

  • 76こっくりさん 8/924/07/06(土) 20:58:01

     ソレは、教室に並べられた山海の珍味を指差していた。
    「ちょうだい」
     舌足らずな声でソレが言う。
    「これはあげられないよ」
     モモイが硬い口調で答える。
     毅然としたモモイ、だが顔には冷や汗が流れている。
    「ちょうだい。ちょうだい」
    「だめ。友だちを返してもらう為のものだから」
    「ともだち?」
    「そうだよ。こっくりさんに連れていかれたの」
     モモイの言葉にソレは嗤いながら言う。
    「ともだち、とりかえしたら、ちょうだい」
    「……取り返して、くれたらね」
    「うん、やくそく。やくそく」
     ソレは嗤いながらぴちゃりぴちゃり足音を立てて消えていった。
    「ふぅ」
     誰かがため息をついたのを皮切りに全員の緊張の糸が切れた。
    「お姉ちゃん、今のなに!?」
     ミドリがモモイに聞く。
    「たぶん、神様」
    「い、今のが?」
     シゲコが驚いた。
    「うん。でも、誰からも信仰されなくなって零落した神様、だと思う。たぶん」
    「確信はないの?」
     ユウカが尋ねた。
    「うん。だいぶ変形してたから」
    「どんな顔してたんですか?」
     アリスの言葉にモモイが返した。
    「まず頭が割れててそこから大きなヒルが出てて」

  • 77こっくりさん 9/1024/07/06(土) 20:59:19

    「もういいわ」
     ユウカが止めた。
     あまりに悍ましい姿である。
     
     その時である。
     ぴちゃり、ぴちゃりと湿った足音がした。
     モモイ以外の全員が顔を伏せた。
     青黒く膨れた脚。
     だが、今は真っ赤な血で汚れている。
     異臭の他に、鉄臭い臭いを漂わせている。
     ドサリ、と音がした。
     ソレが投げ出したのは、国分ダイチだった。
     返り血を浴びているものの、眠っているようだった。
    「ダイチ!」
     シゲコが叫ぶ。
    「ともだち、ともだち」
    「うん、ありがとう」
     モモイが礼を言う。
     だが、ソレは意に介さず続けた。
    「ちょうだい、ちょうだい」
    「うん、いいよ」
    「きゃははは」
     ソレは笑いながら山海の珍味に駆け寄ると、むしゃむしゃと食べだす。
     あっという間に、山海の珍味はソレの腹に収まった。
    「きゃははは」
     ソレはぴちゃりぴちゃりと足音と立てて消えていった。

  • 78こっくりさん 10/1024/07/06(土) 21:04:50

    「ダイチ!」
    「ダイチちゃん!」
     シゲコとヒロミが弾けたように立ち上がり、眠るダイチに駆け寄ると肩を揺すった。
    「ダイチ!」
    「う、うーん。……あれ? リーダー? ヒロミちゃんも。どうしたのさ?」
    「よ、よかったぁ」
     シゲコとヒロミは腰を抜かした。
     安心しきった顔である。
    「……あ、そうだこっくりさんは?」
    「暫くこっくりさんの事は聞きたないわ」
     シゲコがそう言うと、ダイチは首を傾げたのだった。

    「ねぇ、お姉ちゃん」
     あれから。
     シゲコたち三人がこっくりさんを密かに行った件について、ユウカが説教をする事になって。
     ゲーム開発部の面々は部室に引き上げることになった。
     その廊下で、ミドリが姉に聞く。
    「ダイチちゃんを連れ帰った零落した神様が鉄臭かったのって……」
    「うん、アイツの身体血まみれだったよ」
    「血で血を洗う死闘ですね!」
     アリスがそう言うが、モモイは首を振った。
    「死闘というか、たぶん一方的だったよ」
     だって、とモモイは続けた。
    「傷らしい傷なかったし、割れた頭から出てたヒルが狐の頭を咥えていたもの。しかも狐が白目剥きながらビクンビクンと……」
    「踊り食いです! アリスも今度やってみます!」
     アリスがトンチキな事を言った。
    「アリス、ヒルだからむしろ踊り飲み? 啜り?」
    「お姉ちゃん直すところはそこじゃないよ」
     ミドリは阿呆な事をいう姉に呆れて言った。
     ユズはそんな光景を可笑しく見ていたのだった。

  • 79二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 21:09:04

    お稲荷様の眷属が死んだ!この人でなし!

  • 80こっくりさん 10/1024/07/06(土) 21:10:19

    そんな訳で、拙作「こっくりさん」でした。
    皆さん心胆寒からしめましたか?暑気払いとなれば幸いです。
    さて、今回出したオリキャラ三人。元ネタはTOKIOの三人でした。
    元々は田所、三浦、木村にしようと思ってたけど字面が汚かったからね、仕方ないね。

    あとは8レスって言ったのに10レス消費したアホがいるらしいですよ。ごめんなさい。
    1000文字以内なら、どれだけ改行してもいいと思ってた。ごめんなさい。

  • 81こっくりさんの人24/07/06(土) 21:11:50

    >>79

    しょせんアイツは人間相手に油揚げ要求する腹ペコよ。さらに腹ペコなヤベーやつが来たからね、そら負けるわ。

  • 82二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 21:22:17

    このレスは削除されています

  • 83二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 21:26:02

    このレスは削除されています

  • 84二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 21:31:42

    このレスは削除されています

  • 85二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 22:08:27

    ここまで読んだがだれかガチ陰陽師系の技を使って怪異と相対する生徒はいないのか。

    陰陽師となると百鬼夜行が一番合いそうだが……

  • 86二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 22:50:48

    >>78

    名前ネタは某何でもやる鉄腕なアイドルじゃないか…w

    不条理に次ぐ不条理!

    適切な供物と臨機応変な対応による事件の解決…いいねぇ…


    >>85

    単純に知識が必要そうなのと、主人公枠が確かに百鬼夜行にずれそうな感じはあるね

  • 87二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 22:57:03

    >>85

    ブルアカ、キャラのモチーフには神格とかバンバン使う割にそういう術は全然出てこないからな。仕方ないっちゃあ仕方ない。強いて言えば、チセが撃つ弾にはチセ謹製の俳句が書き込まれてるっていう謎設定は流用できそうな気がしないでもない

  • 88二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 01:14:25

    >>69


    長文お疲れ様でした、怪異ものでコックリさんはお約束。

    何を呼び出すかはほんとに運次第なのはかなり怖いですね。

  • 89パンドラボックスの人24/07/07(日) 05:01:17

    >>51

    セミナーとゲーム開発部に連絡を取っていると、エンジニア部のウタハ先輩からモモトークに連絡が入った

    「話は聞かせてもらった。アリスも交えて少し話がしたい」

    いつの間にか話が広がっていたのだろうかと驚くが協力してくれるなら頼りになるのもわかっていた

    エンジニア部室には、セミナーのユウカ、ゲーム開発部全員、ウタハが一堂に会していた

    「えっと…確かにおおごとにしようとは思ってたけど、集まりが良すぎない?」

    「私が呼んだからよ。まぁ、モモイの名前を出したらすんなり行ったのもそうだけど…」

    以前、ミレニアムを巻き込む大破壊怪異騒動で頼ったのは事実だが、その教訓が生きたのか、連絡網が形成されていたようだった

    「ともかく!失敗したらミレニアムどころか、この社会が無くなりかねないんでしょ…?だったら予算に糸目をつけていられないわ!」

    「予算の件もそうなんだが、時間も惜しいな…というわけで、モモイの提案に全面的乗ることにしたのだ。何、こんなこともあろうかと勝算もある」

    「アリスは、みんなのためになるならどんなことだってやります!」

    「よーし、その息だ。というわけで、アリスのレールガンをいじるぞ。『こういう時のためにな』」

    「…何をする気?」

    「いやぁ、聞くところによるとアリスはこれよりも高出力を撃ったことがあるじゃないか。『人工的に再現』するんだよ」

    「私はアリスの『光の剣』を使えれば良いと考えていたけど、さらにできるんだ?」

    「そう、それこそミレニアムの電力の大半を突っ込むのさ」

    「!アリス知ってます!『ヤジマ作戦』です!グレートロボット全戦で見ました!」

    「もちろんあれと同じように一筋縄でも行かないし、時間も欲しい。そしてモモイの証言を信じるなら妨害が無いとは言い切れない」

    「準備が完了するまでの間、ひたすら防衛してほしいってことだね…」

    ユズの言葉にウタハがうなずく

    「それなら…あの怪異、空に張り付いてるし、近づいて来たらレンズ越しなら一般人でも見えるから、銃にスコープ付けて狙うのが手っ取り早いかな」

    「まるで対空射撃ね…」

    「襲ってきてるのはインベーダーだけどね」

  • 90二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 15:40:07

    >>78

    登場した妖怪(?)がおぞましくて良かった。腹ペコは強い。

  • 91二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 16:55:11

    書きたくなったので書きます!
    ミレニアム**不思議
    No.2021 「Happy birthday my dear!」
    危険度 D (SS~D)
    モモイ判定:殆ど無害な部類の怪異だね。放置しといても害はないよ。というかこの怪異の条件を満たすなんて
          やっぱりユウカって私たちの事結構【検閲済み】
    ユウカ判定:それ以上は言わせないわよ!

    概要:怪異No.2021は誰かの誕生日を祝うために用意したケーキから10分以上目を離した際に出現する怪異です。
      当怪異は誕生日を祝う人間と祝われる人間には視認できず、また当怪異によって引き起こされた
      出来事に対して一切の違和感を抱きません。
      当怪異はミレニアムサイエンススクールセミナー所属の早瀬ユウカが【検閲済み】の誕生日を
      祝うためのケーキを作り冷蔵庫に入れた後、仕事のためにセミナーへ戻る一連の動きを生塩ノアが確認。
      3時間後に冷蔵庫に入れられたケーキを両名で確認したところ生塩ノアが見たケーキよりも数倍豪華なケーキを
      確認。同行していた早瀬ユウカに聞いたところ、何も違和感を持っていなかったところから発覚しました。
    検証1:生塩ノアが変化前の絵を描き、【検閲済み】に変化後と見比べさせたところ、何も違和感を抱かなかった
    検証2:明星ヒマリが和泉元エイミの誕生日を祝うために購入したケーキを入れた冷蔵庫に監視カメラを設置。
        【検閲済み】のアドバイスの元一定時間カメラを起動させた状態で放置したところ、7分間放置すると怪異の 
        出現を確認。しかし、当怪異を明星ヒマリ、和泉元エイミの両名は視認できなかった。

  • 92二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 20:05:52

    >>91

    本当に珍しく全く害がないタイプだ。しいて言うなら周りとの認識の齟齬くらいか?

  • 93二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 21:12:38

    >>92

    あとは誕生日会の参加者にダイエット中の人がいたらカロリー計算に支障が出そうなくらいか。本当に害がないな。

  • 94二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 03:13:39

    >>91

    豪華になってる分お得感半端ないな、本人たちに自覚ないけど。

  • 95パンドラボックスの人24/07/08(月) 11:24:45

    >>89

    数時間後。夜明けまであと一時間


    防衛戦 STAR EATER SPACE EVIL GOD

    状況はミレニアム全体がそれぞれ準備完了をした頃。数多のビルの屋上には生徒たちが空に向かって銃を構え、

    ミレニアムの各所には普段はあまり使われない対空砲が置かれている

    これから撃ち落とす対象は前代未聞の見えない星。落とせずに降りてこられたらゲームオーバーだ

    「だいぶ近づいてきたね。この距離ならまぁ銃弾は当たるんじゃないかな。そして降りてくるスピード的に夜明けがリミットだ」

    「こっちがあれこれやってるのに何もしてこなかったね」

    「まぁあっちとしては星の表面に居るだけの生命体が何をしようが、それごと喰らいつくすだけだからねぇ・・・」

    「つまり舐められてるのか、確かに大きさは敵わないかもしれねーけどよ…何もできないかと思ったら大間違いだ」

    いつの間にかC&Cのネルもやってきた

    「でも油断しないでね。あっちの手の内を自分たちはまだ知らないって言うことでもあるから」

    「アリスちゃんの方はどうなの?」 

    「換装やら接続は終わったみたいだが、充電に時間がかかってるらしい。撃てて一発か二発だろうな…」

    「ほんとに必殺兵器にしちゃったんだ…提案したのは私だけどさ」

    「実際のところ行けそうなの…?」

    「正直に言うとわかんない。でも概念的にも火力的にも致命打にはなりそうかな。どっちにしてもこのまま指くわえて待ってるわけにはいかないよ」

    そこに通信を受けたネルが何かを聞いたようだ

    「…わかった。アリスの方も充電が終わったらしい。いつでも始められるらしいぞ」

    「よーし!作戦開始!星落としを実行するよ!」


    その瞬間、ミレニアムの中心から一筋の光の線が空に向かって放たれた。

    が、空のとある地点で光の線が途絶えた。やはりレンズ越しじゃないとやつは見えないのだ

    「着弾した・・・!効いてるけどまだ足りてない!充電急いで!他はもう全力で撃っちゃって!」

    ビルの屋上で銃を構えていた生徒たちが、狙いを定めるために光学機器を覗き込む

    「ヒッ」一部の生徒が、悲鳴を上げたり、銃を取り落としたり、わけのわからないことを延々と言っていたりする

    「ウグッ…確かにこりゃきついな……これが本物の怪異で捕食者か!」

    ネルの額から冷や汗が落ちてきた

  • 96二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 16:03:10

    このレスは削除されています

  • 97二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 16:04:09

    このレスは削除されています

  • 98二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 16:06:38

    >>65

    「それでも俺ぁ、あいつらの前じゃ『先生』でいるって、決めてんだよ。」


    彼の者との邂逅


    「始まったね」

    彼は立ち上がって周りを見渡す。

    「いつ見ても、嫌な光景だ」

    言葉とは裏腹に、彼の顔は変わっていない。私は動けないままでいた。地面についていた筈の手には真っ赤な液体が付着している。この人も同じ苦しみを受けている筈なのに。震えが止まらない頭を少し上げれば、彼が手を差し伸べていた。

    「立てるか?」

    その手を反射的に受け取り体を起こす。耳元で鳴る歯軋りと悲鳴。足に付着している真っ赤なぐちゃぐちゃ。その足は血の海に置いている。顔が足元に転がっている。体を抉られた死体が鮮血を吹き出す。そんな状況なのに周りの人々は銃を構え駆けだしていく。

    「そろそろ、かな」

    彼はスポーツバッグを下に置き、開く。予想できていた筈だ。この人はこうなっても普通にしていると。だけどやっぱり、異質。地獄の中に平気に立っていられる。目に映るモノが知らないことで一杯で嫌になって瞼を閉じる。

    「大丈夫。云った筈だ。僕がやると」

    そう云って、私の頭を惹き寄せる。とても柔らかく。優しく触れられた手はとても冷たかった。彼の胸元に引き寄せられた瞬間、とても優しい温かさを感じた。妹と話している時の様な安心感。心地好い温かさを宿した優しい香り。触れられた手も、彼の左胸も、冷たかった。

    「目を瞑っていろ。耳も塞いでおけ。心を壊されたくなければな」

    顔は見えないけれど、少し笑っている気がした。気色悪い感触の全てが綺麗サッパリ流れ落ちた。つい口元が緩む。「少し我慢してくれ」

    彼の左腕が動いた気がした。


    ――モモイは忘れていた。『心のケアまではできない』

    そう笑った彼の瞳を。モモイは知らなかった。

    『怪異を知る』ということの、恐ろしさを。

    何よりモモイは『知る』ことはできても『理解する』事はできない。少年は、孤独を望んだから。

  • 99同じ人24/07/08(月) 16:25:54

    >>98

    私は一方通行っていい先生になると思うんだ。

  • 100二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 17:02:29

    >>64

    ⑦ってこの校舎そのものなんじゃ?

  • 101二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 21:58:45

    書いてみました

    ミレニアム**不思議
    No.1200 「時の部屋」
    危険度:D (SS~D)
    モモイ判定:影響はかなり大きいけど、意図的に入らなければ何も起こらないタイプだね。
          封鎖もできてるし、これ以降はなにもしちゃダメだよ。

    概要:怪異No.1200はミレニアム学区内の廃校舎端にある教室です。
       何故か撤去できない大量の時計が寄せ集められており、その全てが原理不明のまま寸分の狂いなく動作しています。
       深夜12時(前後1分範囲)に該当教室に侵入すると、教室の前後逆の扉から侵入者と同一人物が侵入してきます。
       退出の際にはどのような手段であっても同一人物は一人のみ出てきます。
       過去・未来ランダムで『別の時間地点にある同一人物』であるらしく、一般生徒の「未来の自分から宝くじの番号を教えてもらった」という発言から波及して発覚しました。
       ただし、当該生徒(生徒A)の発言にある当選番号がはずれていたこと、また別の生徒(生徒B)が戻ってきた際に友人たちとの会話・記憶の連続性に齟齬が生じていたこと、更に別の生徒(生徒C)は身長体重等の生体情報にも齟齬が生じていたことから、完全に同一な時間軸である保証も無く、『こちら側』と『あちら側』が入れ替わってしまう可能性すらあることが判明。
       才羽モモイによる調査・検証ののち、才羽ミドリの怪異耐性体質を利用し、『ずれた』生徒をそれぞれの時間軸に弾き戻すかたちで収束させました。

       怪異である教室自体には誘因性などは無く、特定の時間内に侵入しなければ怪異現象は起こり得ないため、厳重な封鎖を施し、侵入を禁止する方向での対応にて落ち着いています。


    補遺(モモイ):もともと何故か壊せてなかったみたいだけど、やっぱりこの廃教室は壊しちゃダメだよ。
           時間が捻じ曲がった地点なんて、無理に手を加えてもロクな事にならないからね。

  • 102二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 22:29:58

    >>98

    地獄を見てきたからか・・・

    >>101

    時間だけじゃなくてパラレルからも来てるなら、まぁ少なくともややこしい事になるし、何もしなければ何も起きないならそりゃ封印だなぁ・・・

  • 103二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 23:25:13

    >>101

    平行世界と繋がる部屋か……。クロコがいた世界と繋がったらえらいことになりそうだな

  • 104二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 00:21:17

    このレスは削除されています

  • 105パンドラボックスの人24/07/09(火) 00:22:59

    >>95

    モモイすら吐き気を催しかけた存在を普通の人が見て無事なわけが無かった

    存在の格が違う。あれはただ無機物ではなく意思を持ってこちらを捕食せんという強大な存在だ

    それでも覚悟を決めて見たからか、一部の生徒の行動不能に収まった

    各所に置かれてる対空砲も念のため人員を複数配置してある

    撃ち始めが遅れてるのが見受けられるが、それは人員を交代したためだろう

    「…第一関門はまだマシってところかな」

    「もしかしてあれを直視して動じてない私の方が稀なの…?」

    「否定してあげたいけどそうなんだよねぇ…」

    この場においては、そのほうがありがたいがために感情的には複雑だ

    そんな会話をしつつ、ありったけの銃弾を空に向かって撃つ

    的がでかすぎるので適当に撃ってもあたるが、そもそもの大きさが違いすぎるため効いてるかは正直なところわからなかった

    そうしていると変化があった

    「?何か小さいものが分裂して…先に落ちてきてる!?」

    「まずい!あれも意思を持ってる!例えるなら『ミサイル』だよ!撃ち落として!」

    なるほど、抵抗された時用に、反撃する手段も備えていたようだと感心してる時間も惜しかった

    ここでは、対空砲よりも小回りの利く生徒の方が活躍した。的は小さいが、耐久はそれほどでもなかったのだ

    次々と撃破され、空気との摩擦で燃え尽きていく

    ふとミドリをみると、赤い線が当たっていることに気がついた

    「ミドリ!そこを動いて!」

    モモイの叫びに反応して咄嗟に横に飛ぶミドリ。赤い線は濃くなり、地面を軽く焦がした

    「対生物用レーザー・・・!?各員、動き続けて!狙い撃たれるよ!」

    相変わらず『ミサイル』も降り続けているため、移動しながらの精度の悪い射撃でも、続けるしかなかった

    レーザーに対物性能が無いため対空砲が稼働し続けているのは救いか

    「そういえばアリスは!?」

    「はい!アリスは大丈夫です!光の剣がレーザーを弾き返しています!」

    「そういえば盾としても使っていたね・・・!」

    「充電完了までもう少しだ、『ミサイル』だけは着弾させないように気をつけてくれ!」

    「簡単に言ってくれるが…そのためにあたしたちが居る!」

    その後もレーザーを避けながら『ミサイル』を撃ち落としていく。そして本日二本目の光の線が打ち上がった

  • 106二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 07:19:58

    >>98

    追いついた

    陰ながら応援してます

  • 107「時の部屋」書きました24/07/09(火) 08:41:05

    >>103

    もちろん結果として平行世界との邂逅になるわけなのですが、『平行世界と繋がる』というより、あくまで『人物の別軸同位体が出会ってしまう』、みたいなイメージでした。

    「時の部屋」が単体で隔絶された特異点で、そこにそれぞれから侵入して同一人物が出会う。


    物凄く極端な例えで、『10月10日に侵入した10歳』のA1と、『8月8日に侵入した80歳』のA2が、「時の部屋」からすれば前後の扉から同時に侵入してきたかたちとして処理される、と。


    概要の通り情報や、あるいは互いにその時点では存在し得ない物品などの交換も出来てしまうし、本人の入れ替わりも起こってしまう。

    そしてこれも概要の通り、『どの時間軸のA1(またはA2)』なのかは、多分しっちゃかめっちゃかになってます。

  • 108二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 13:24:07

    このレスは削除されています

  • 109二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 13:33:08

    >>98

    注意『左胸も、冷たかった』

    わざわざ『左胸』って書いてる時点で何かあるだろ

    『左胸』ね〜。つまりこれはそういうことか?比喩か?

    温かさを感じたのに彼自身は『冷たい』何かあるやん。

    そういえばこの人、あの二次小説読んで歓喜してたな。

    四肢の一つは経費で落ちるとかも云ってたし。

    第零章では色々と銃についてとか、暗めの話してたし。

    念の為、テレグラフだったから読んでないって人はテレグラフ全部読め。最後の微笑ましい会話で『透き通る様な世界観』にはなったけど、嫌な予感しかしないんだが。

  • 110二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 15:55:27

    百鬼夜行***不思議

    No2378「眠りの姫」

    危険度C(SS~D)
    モモイ判定:この枕を使いさえしなければ、問題ないよ。

     当該怪異は枕の形状をしています。この枕は百鬼夜行連合学院の春日ツバキが学院郊外の寝具店で購入したものです。
     この枕を用いて眠ると、大変寝心地がよく誰でもぐっすりと眠ることができます。しかし、枕を使う度に段々と睡眠時間が長くなっていき、やがて永遠に目が覚めなくなります。
     目覚めない間でも心臓を始めとした体の各器官は動き、死亡するわけではありません。しかし、何をどうやっても起きなくなります。
     この枕を実際に使用した春日ツバキが昏睡状態に陥り、学院は陰陽部を中心に怪異の調査を行い、学院から連絡を受けたミレニアムの才羽モモイもこれに協力しました。
     まず、春日ツバキがこの枕を購入したという学院郊外の寝具店を探しましたが、そのような店は見つからず、どこでこの枕を入手したのかはわからず終いでした。
     学院は入手経路の調査を諦め、直接事態の解決に乗り出しました。使用者である春日ツバキに対して大きな音や光、体を強く揺さぶるなどの方法で覚醒させようとしましたが、これは失敗しました。
     解決策が依然として不明であることから、陰陽部と才羽モモイはシャーレの先生に事件の解決を依頼。駆けつけた先生に経緯を報告しました。そして先生が試しに春日ツバキを起こしてみたところ、他の場合と異なって先生の声や体への揺さぶりに反応を示しました。
     引き続き先生に春日ツバキへのハグなどのスキンシップを行ってもらったところ、春日ツバキは更なる反応を示しました。
     そのため才羽モモイは物は試しにと先生に頬へのキスを行ってもらいました。すると、それまで眠っていた春日ツバキが目を覚まし、事件は解決しました。
     枕は百鬼夜行連合学院が責任を持って保管することになりました。

    モモイ追記:あの怪異は人の意識を刈り取る働きがある。でも、使用者が強く意識する事柄なら眠りを妨害できる。ツバキにとってみれば、先生のキスは強烈に意識に訴えかけるものだったんだろうね。

  • 111二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 16:48:08

    このレスは削除されています

  • 112二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 20:48:22

    >>110

    使わなければということはこの枕に関してはこの後問題が起きる可能性は少ないだろうが

    出自不明なのが怖いポイントだな・・・

  • 113二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 21:03:33

    ここは全然『透き通る様な世界観で送る青春学園RPG』
    してないけど。
    怪異って大体透き通らないんだよな。
    ここは私が過去編のエピローグで晴らすか。(遠い)
    安心しろ。第零章並みに微笑ましくしてやる。
    まあその会話にも『血』が出てるから
    綺麗ではないんだけど。彼らは『血』からは逃れられないのだよ。真っ赤な『血』からはな。
    そういう表現と、話が大好きなのだ。
    すまない。

  • 114二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 21:05:31

    >>110

    先生、素晴らしいですよ。

    本当に眠れるお姫様ではないですか。

    ああ、羨ましい。クックック...

  • 115二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 22:03:39

    >>114

    黒服眠り姫はちょっと…

    ……萌えるじゃん❤

  • 116二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 22:40:40

    ミレニアム***不思議

    No493618「何かが変形するボタン」

    危険度S(D~SS)
    モモイ判定「何が起こるか分からないからできるなら触らないほうが良いんだけど、
    ぱっと見では区別がつかないから厄介過ぎる…。」

    概要:ミレニアム校舎に設置された全ての非常ベルのボタンのどれかが日替わりでこの怪異に変化します。
    どのボタンがこの怪異に変化するかは完全にランダムであり、それが怪異かどうかは実際に押して見るまで
    モモイですら見分けがつきません。
    もし、この怪異に変化した非常ベルのスイッチを押してしまった場合、
    なぜかベルの代わりにロボットアニメの出撃シーンに流れそうなBGMが大音量で流れ、
    近くの無機物が何らかの乗り物に変形し暴走します。
    怪異による被害として最も最近のケースは非常ベルが押された途端。
    ゲーム開発部に置かれている花岡ユズのロッカーが中にユズ本人を入れたままロケットに変形。
    そのまま天井を突き破って大空へと飛んでいってしまう事態になってしまいました。
    その後、花岡ユズのロッカーは飛翔方向の計算とドローンによる捜索の結果、事件発生の半日後に
    元のロッカーに戻った状態でアビドス砂漠に逆さまに突き刺さっているのを発見。
    中身の花岡ユズごとアビドス廃校対策委員会の手によって回収されました。

    ランダム性の強すぎる怪異のため、
    現在立てることのできる対策は「本当に非常事態でない限り非常ベルにみだりに触らない」という
    当たり前といえば当たり前なことしか出来ません。

  • 117二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 23:01:04

    >>116

    完全ランダムなのは厄介すぎる(

    しかも、通報と言う本来の役割を果たすには確率問題とは言え別所で二回目押さないといけないとか(

    一周回ってみだりに押すなよって言う教訓にはなるかもしれないけどさぁ・・・(

  • 118二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 00:12:58

    >>116

    某ロボトミーなシミュレーションゲームの「触れてはならない」みたいな怪異ですね…

  • 119二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 07:41:15

    >>116

    あの暑いアビドス砂漠にロッカー(多分鉄製)ごと突き刺さるとか……何の拷問だよ……

  • 120二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 12:08:52

    このレスは削除されています

  • 121パンドラボックスの人24/07/10(水) 12:14:33

    >>105

    二本目の光の線が着弾した。効いてはいるが…

    「駄目、まだ足りない…!」

    見た目的にはひび割れてはいるが、まだ健在だ。しかも「無数の目」が一斉に閉じて…「開いた」

    それは完全ランダムな無数の光線。無差別攻撃は大半の生徒の意識を刈り取った

    「くっそ……!被弾した連中も心配だがそれ以前に手数が足りなくなりやがった!」

    「STGのボスの体力低くなった時に出る発狂みたいな攻撃はずるいって!」

    「三発目充電!ケーブルが焦げても構わん!急げ!」

    生徒の数が半壊したことで、『ミサイル』の迎撃に穴が出来てしまい、対空砲に着弾を許してしまう。被弾した対空砲は砲身がひしゃげていた

    「まずい、アリスに向かう『ミサイル』は優先的に落としているがこのままでは時間の問題だぞ!」

    パワーバランスが完全に逆転した

    「これじゃあそもそも降りてくる前に全滅しちゃうよ!」

    ミドリが泣き言を叫んだ。周りには生徒たちが倒れ、対空砲からは火が上がっている。阿鼻叫喚の様相だった。そこに突如通信が入る

    「こちら、トリニティの阿慈谷ヒフミと申します!ミレニアム近郊で『花火大会』を今から開きたいのですがよろしいですか・・・?」

    「キキッ、ヒフミとやら、こういう場でそういうのは伝わりにくいぞ。こちら、ゲヘナの万魔殿、羽沼マコト、これから同じくミレニアム近郊で戦車隊の対空演習に入るが…

    『ミレニアムの高空』で砲弾が飛んで勝手に爆発するのは構わんよな?」

    「ん、ミレニアム内での戦闘許可が欲しい。『神様』を襲う」

    それは援軍の申し入れだった。

    「ここだけの話、ティーパーティもアレは脅威だと認識しました。しかし急な事だったのでとりあえず動かせるだけでもと」

    「ヒナの助けになるのは癪に障るのだが、イブキや私のキヴォトスを害するのだろう?ならばそれが何を意味するか、教えてやらんとな」

    「うちの先輩がそちらの生徒にお世話になったようだし恩を返したい」

    「それって…」

    「待たせたわね。たかが石ころ一つ。押し返してしまっても構わないのでしょう?」

    驚いた様子の足跡

    「うへ―大変なことになってるね…『私たち』の場所を守る…!」

    「ひぃん…最近柔和な雰囲気になったと思ったら今は昔みたいになっちゃった…」

    「バルバラが珍しく慌てた様子でしたので急いで連絡したり、準備してきましたが…そういうことでしたか」

    バルバラ、すでに戦闘開始

  • 122二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 12:21:58

    >>98 彼の者との邂逅


    その後、数秒。

    たった数秒で真っ赤な地獄は消え失せる。

    「終わったよ」

    頭に置かれていた手を離して彼は云う。

    「結局どういう解呪方法だったの?」

    頭を上げれば笑みとは云えぬまでも、威圧感のない真剣な顔をしていた。聞いてはいけないと思いつつも、聞かずにはいられなかった。

    「数秒で終わることさ」

    彼は目を瞑って、溜息をつく。そういえば彼は、『いつ見ても』と云っていた。それはつまり、彼が何回も怪異と対峙してきた事を意味する。思った程辛い事では無いのかと考え直す。ならば一応あの態度にも説明がつく。

    「君が他の人に『コレ』を打ち明ける事が出来たなら、教えるよ」

    頭にポンポンと手を置きながら歩を踏み出す。

    「どういう事?」

    理解出来ずに聞き返す。多分この怪異を倒す行為の事だろうけど。でも何故、そうならないといけないのか。

    「君は責任感が強そうだから」

    彼は前にいる。右手は強く握られていた。彼とは意外と身長差があった。座ってると分からないものだなと思う。だけどあんなに強く見えた彼の背中は小さく見えた。

    「教えてくれなそうだし、いいや」

    彼は振り向いて私に告げる。

    「それじゃ行きますか」

    私は少し足を早めて隣に立つ。

    「そういえば何で制服着てるの?」

    「学生だから。それ以外無くない?」

    彼は何かに気づいたように顔を上げた。ふっと笑ってスポーツバッグを肩に掛け直す。

    「なんか面白いモノでもあった?」

    彼の正面から吹く向かい風が髪を浮かせている。

    「思い出し笑いって奴だよ」

    彼はあまり笑わない。感情を隠しているのは分かる。なのに居心地の悪さは感じなかった。

    「私はモモイだよ!!宜しく!」

    「僕は『WORT』。まあ好きな様に呼んでくれ」

    私の心は、とても弾んでいた。

  • 123二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 12:25:53

    このまま行くと大分かかりそうなので、
    モモイの現在編で説明します。
    『WORT』読み方はヴォルトです。

  • 124二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 16:55:58

    >>122

    彼が最後にふっと笑った理由は

    思い出し笑い。

    彼が思い出した出来事は遠い彼方のある記憶。

    ―――――――――――――――――――――――――


    『え、で?どうなったの?』

    『どうなったと思う?』

    『知らねえよ!!聞いてんだから答えろや!!!』

    『まあ特に難しいことではなかったかな』

    『あれだけのことが?やっぱバケモンだよ』

    『僕はずっとバケモンだよ。君達と出会う前から』

    『やっぱ一目置かれるだけあるね』

    『皮肉?一目置かれるの意味が違うんだよ』

    『まあどっかで一緒に成ることもあるだろうし』

    『そうならない様祈ってるけどね』

    『ああ。こっちもだ。でもそうなったら絶対帰ろう』

    『それ、フラグって云うんだよ』

    『うるせえやい!でもさ、叶えたい夢だってあるし』

    『お前はそうだったな』

    『お前はどうなんだ?』

    『なんだと思う?』

  • 125二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 17:03:00

    >>124

    『スーッ..質問を質問で返すなッ!!!私はどうなんだと聞いているんだッ!!!』

    『プッ..ハハッ..それどこのネタだよ』

    『え?ああ。昔読んだマンガ』

    『面白かった?』

    『ああ。とっても』

    『そりゃ良かった』

    『で、お前は何するんだ?』

    『う~んまだ決まってないけど』

    『俺は焼き肉でもしたい。皆と一緒にな』

    『じゃあ僕は...そうだな。嫌いなやつをぶっ飛ばす』

    『ハハッいいねえ!!』

    『だろ?まあ精々――』

    『フラグになんないよう気を付ける、だな』

  • 126二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 17:08:50

    >>125

    『ああ。ま、僕がそっちに行けるかは微妙だけどね』

    『いけるだろ。まあ大人になったら色々食べようぜ』

    『了解、っと。呼び出しだ』

    『やらかし乙でーす』

    『後で2発殴る』

    『やめろ洒落になんないから』

    『じゃ、行ってくる』

    『ああ。頑張れ』

    『...河原で闘った男同士の友情かよ』

    『んだとお前。てかいつからいた?』

    『えーっと、どうだった?の所から』

    『全部じゃねえか!アイツに気付かれなかったのか?』

    『いや?もうバッチリバレてた』

    『まそりゃそっか』

    『あの子、大丈夫かな』

    『大丈夫だろ。アイツは強い』

    『いや、このまま行ってってことだよ』

    『...わかんねえな。だけどまあ、アイツも人間だ』

    『私達がって事だね』

    『ああ。で、肉と寿司、どっちがいい?』

    『台無しだよホント。え〜〜。あの子が作った料理』

    『ま、そうなるか』

    『あの子は、苦しみ過ぎた』

    『ああ。子供が背負っていい重さじゃない』

    『......まあ、大丈夫だ。だってアイツ』

    『ぶっ飛ばすって云ったもんね』

    『ビックリしたよ。でもあの時の顔は綺麗だった』

    『あの子...前に3km位だったら聞こえるって...』

    『あ...頑張れ!!!』

  • 127二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 20:45:54

    >>126

    殴られたら洒落になんない

    3kmだったら聞こえる。

    この2つの化け物設定が、本編の青年と同じだったら、

    青年ってホントに何者なんだ?

    バケモンだよ、君達に会う前からね→ん?曇らせか?

    いや、多分、この青年の世界は曇ってるんだ。

    時々の『晴れた』会話とか、微笑ましい個性バリバリの

    喋り方とか、その『晴れ』と、中の人の理論に基づく

    『曇り』が嫌なくらいに綺麗な対比してる。

    スーッ...現在編の曇らせ。期待してますぜ

  • 128二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 20:53:26

    このレスは削除されています

  • 129二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 02:10:37

    >>121

    キヴォトス怪異対策班の総力戦だ…!

    よく考えると三大校が協力してことにあたるってだいぶヤバい状況だな。

  • 130二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 09:48:03

    うわーん! 【注意】他の人と世界観が違います!


    x.gd
  • 131二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 10:18:15

    >>130

    王道で、あの二人ならやってそうで、オチも印象に残るというかなりいい文章だ…

  • 132二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 15:06:02

    >>122

    「ん?なんて?」

    聞き取れなくて顔を傾げる。

    どうしようと云うように頬を人差し指で掻く。

    「あ~ね。ん〜じゃあどうしようかな~」

    悩み方が子供っぽく幼稚で純粋。つい笑みを漏らしてしまう。目を少し大きく開き、その名を名乗った。

    「じゃあミレイ。まあ数ある名前の一つだけどね」

    ミレイ。綺麗な名前だ。どこか青い雰囲気を感じる。

    「数ある名前の一つって何?」

    彼は自嘲を含めた声で答える。

    「呼ばれ方の一つ?まあミレイは本名に近いけど」

    異名とかで沢山呼ばれているって事だろうか。ミレイ。本当に綺麗な名前だと思った。だから自嘲気味に云った理由がわからなかった。

    「どんな理由でミレイって付けられたの?」

    そこを知ればわかるかもしれない。彼の隠す秘密が。彼が急に喋らなくなった。不味い事を聞いてしまったかもしれない。そう思って顔を上げる。

    「ミレイ...ん〜??嫌でも...なんか...スーッ...知らん!」

    単純に悩んでいるだけだった。彼もこの冷たくなった空気に気づいていたのだろう。最後に強く云って場を解す。

    「ええ...ま、いっか。ミドリの場所、分かってるの?」

    ナチュラルに行くことになっていたが、ミドリの場所について、何も云われていない。

    「ん?ああ云ってなかったか。そう。分かってるよ」

    じゃあ何で自分が寝ている間に助けに行かなかったんだ!!と思ったけど、

    「まあ、怪異がいてね。どれだけ時間がかかるか分からなかったって云うのもある。君が寝てる間に怪異が来ないとも限らんし」

    「結界みたいなモノ作れないの?」

    彼は淡々と云う。

    「意外と高等技術なんだよ。ましてや此処は全部怪異の領域。人の結界の中に自分の領域を作るのは大分難しい」

    未知の知識に少し心躍る。だけどそれなら何故

    「なんで話してる時は来なかったの?それにどうして、タイミングがわかったの?ご都合展開って奴になるよ」

  • 133二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 15:07:42

    『お姉ちゃんこれご都合じゃない?』そう妹に言われた言葉が蘇る。私が読んでいた漫画に対してそう云ったっけ
    「話してる時に来なかったのは寄ってくる怪異を視界内に入る前に祓ったから。タイミングは計れるんだよ」
    視界内に来る前に。どんだけ射程が長い攻撃だよと思う。タイミングを計るには、秒数が必要だ。計るとはそういうことだろう。そんな困惑と思案に満ちた私に気づいたのか彼はこちらを見ずに云う。
    「数えてただけ。後は君が最初に呪いを見たタイミングをざっくり推定した。時計もズレるしそれしかない」
    彼は右手首につけている時計を見せる。
    「...左利きなの?」
    彼は腕をおろして答える。
    「いや、右利き。右の方がよく使う。動作の合間に見れるからこっちにしてる」
    なんか違った感覚だなあと感心していると、
    「あ、そっか。フリーみたいなモンだからよく知らないのか」
    顔を少し上げながらそう云われた。彼はそのまま肩に提げているスポーツバッグを開く。
    「はい、これ。色々書いてある奴」
    と、分厚い本を渡された。『色々』て。そこ一番大事でしょうが。
    「ナニコレ...ん?著者..『言の葉?』」
    怪異の対応の本。一般人が手に取るようなモノでは無い。なのにどうして『著者』なんてものが書いてあるのか。
    「そ。まあ正式にやってない奴が勝手に本を出すこともある。そしたらどれが信頼できる情報か分からないだろ?」
    私の思考をズバズバと。心でも読めてんのか。
    「成る程。だから信頼性向上の為に、ね」

  • 134二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 15:16:07

    「その通り。『言の葉』は、最強って云われていてね。自分でも怪異退治をしている。噂では若い女性だとか、はたまた男性だとか、子供だとか。色々云われてはいる、が誰も見たことがないらしい。過去もわからない。知っているのは『会長』て呼ばれている奴だけ。でもだからこそ信頼性がある」

  • 135二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 15:18:34

    不敵な笑みを浮かべながら面白そうに云う。
    「『言の葉』の名前を騙った本、及びその本当の著者は、罰を受ける」
    罰。でも追放をするわけには行かない筈だ。一般世界に万が一でも流出したら、とんでもないことになりそう。
    「まあ、僕も詳しくは知らないけど、記憶処理でもすんじゃない?」
    頬の近くまで持ってきていた人差し指をくるくる回す
    「どこぞの財団?」
    S◯P財団みたいなヤバい組織なのかも知れない。ちょっとしたジョークだった。彼は皮肉る様に鼻で笑う。
    「かもね。もしかしたらあの怪物は全員怪異なのかも」
    「っと。話がズレたね。で、その本は色々書いてあって現在登録済みの怪異とか、祓い方。君が云っていた結界に関しても載ってる」
    いつも通りの淡々とした顔に戻る。
    「あとどれくらいかかる?」
    目を瞑って溜息を吐いた。彼は時々慈しむような目をする。そして決まって悲哀が籠っている。
    「まあ、あと数分かな?」
    ここまで時間をかけてしまった。私が云うことでもない。だけど、

  • 136二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 15:18:49

    「無事でいて。すぐ行くから」
    彼は笑って私に問う。
    「走る?」
    私はその問いかけに挑発的な笑みで答える。
    「もちろん」
    彼も同じ様に皓い歯を見せ、待ってましたと云うように指を鳴らす。
    「じゃあカモン」
    彼はしゃがみ込む。
    「こっちのほうが速い」
    私も少し楽しくなった。ミドリを攫った奴に対して漸く怒りをぶつけられる。
    「うん!!」
    彼はスポーツバッグを掛け直す。鉄のぶつかる音がした。
    「っしゃあッ!!行くぞ!!」
    彼はまた微笑む。
    「また思い出し笑い?」
    この人がそこまでする理由がわからないけど。
    「ああ」
    一瞬の静寂。二人の周りには風が渦巻いている。不安ももう何も無い。少女にあるのは静かな?怒り。愛と友情に包まれた双子と共にいるのは、冷たい一人の青年。包まんとする暗黒と焦燥を青年の声が突き破る。
    「ブチ飛ばして行くぜーッ!!!!!」

  • 137二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 15:20:04

    彼の脳内に浮かんでいたのは、遠方の彼方。流れ行く記憶の一欠片。
    『よっしゃあッ!!帰っぞッ!!』
    『ホント元気だよね』
    『いいと...思います』
    『仕方がないですよ』
    『今に始まったことじゃないし』
    『......うん。勝ったね』
    『あ、マジ?そんなうまく行った?』
    『まあ...そういう人...ですから』
    『なんか貶されてない?』
    『気の所為だよ』
    『そう...まあいいや』
    『おっしゃァッ!!帰ったら飯作って貰うかんなッ!!』
    『いいですねッ!!!』
    『拒否権なくないですか?そう思いません?お二方』
    『ああっ!あまりに理不尽で敬語に!!!』
    『.....執事...いけますね』
    『どうでもいいねッ!!!っしゃあッ!!行くぞッ!!
    全速前進だァッ!!!!』
    『はあ...あと片付けは僕の仕事ね...もういいよ』

  • 138二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 15:54:11

    ゲヘナ***不思議

    No2433「底なしカバン」

    危険度D(SS~D)
    モモイ判定:使用さえしなければ何も起こらないし、余程のことがなければ大丈夫だよ。

     当該怪異は手に提げる持ち手がついた黒いカバンです。このカバンはゲヘナ高校の風紀委員会の落とし物保管所で発見されました。
     落とし主と名乗り出る者がいなかった為処分されるはずでしたが、職権を濫用してこのカバンを私物化した委員会メンバーがおり、それによって当該怪異が発見されるに至りました。
     このカバンは、中に物を入れるとどこかへ消えてしまうという物で、これまでに本や筆記用具、財布などの貴重品が紛失される原因となりました。
     その性質によって、そのうちゴミ箱の代わりとして使用されるようになり、様々なゴミがこのカバンに投棄されるようになりました。このカバンはいかに大きく重いゴミであっても簡単に処分できる為、拾い主の風紀委員会メンバーだけでなく多くの人々に使用されるようになりましたが、そこからしばらくして様々な問題が発生しました。
     まず、ゲヘナ自治区においてあちこちでゴミが空から降ってくるという現象が発生し、続いてこのカバンに投棄された巨大な岩石やアスファルトの大きな破片が空から落ちてくるという事態が起こり、風紀委員会が調査に乗り出しました。
     結果として、このカバンに捨てられた物が空から落下してくる事が判明し、このカバンは改めて風紀委員会に回収されました。

  • 139二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 16:06:34

    >>137

    五人います。by.中の人。

  • 140二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 16:15:40

    6レス頂きました。
    皆さんに心からの感謝を。
    財団かよと云われて皮肉る。
    もしかしてガチだったりします?ミレイさん。
    あ、はい。中の人が考えてない!?馬鹿なんですか!?
    はあ...だからプロットにしっかり書いておけとアレ程..
    あ、流れで書いた?はあ...素人が....
    ええ?現代編も描きたい?原稿は...あっ..ない....
    いえ、止まってください!!流石に!団長出さないで!!!
    定期テストの提出物出して無いんですよね!!!?
    ばッ..馬鹿かコイツッ...!!貴方の肉体因数分解しますよ!?

  • 141二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 16:25:06

    >>137

    謎多き彼。徐々にいろいろ開示はされてはいるが・・・?

    >>138

    本来の用途としても使えないうえに、裏技を見つけたと思って利用しても一周回ってどこかに押し付けているだけと言うめんどくさい怪異だなぁ・・・w

  • 142二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 16:31:47

    >>137 by.作者

    こういうのは『晴れ』なんだ。

    できる限り一人一人に対して愛着とかを

    湧かせていくんだ。

    え、何をするかって?勿論...最高のタイミングで

    「お前を頃す..」するのさ。

    その時外に見える雨雲がッ!!積乱雲がッ!!

    その世界を曇らせていく。

    だからッ!!ありったけを!!注ぎ込んで、楽しい世界に

    し、て、あ、げ、る♡

    うん..『また』、なんだ...すまない。(1回目どこ〜???)

  • 143二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 16:55:22

    ミレニアム***不思議

    No.508 「クロス・ドリーム」

    危険度 D (SS~D)
    モモイ判定:夢の中だから本当にその人かは分からないけど、
          例え偽物でも、心残りが無くせるのなら、それでいいんじゃないかな

    概要:当怪異はその人にとって会うことが難しい人に後ろめたいこと
       や伝えたい事がある人の睡眠時に発生する怪異です。
       当怪異はゲーム開発部所属の天童アリスが「夢の中でケイに会いました!」とゲーム開発部における部活動中に
       言ったことにより調査が行われ発覚しました。当怪異は条件を満たしたものが眠り、夢を見ている時に発生
       します。当怪異が発生した対象は夢の中で今会うことが難しいと本人が思っている人と話をすることが可能です
       当怪異はその人に対する後ろめたさや謝りたいと思う感情、又は伝えたいと思っている事が無くなるまで
       条件を満たした者の夢に発生します。この怪異が発生した人が夢の中で話した人が怪異の発生させたもので
       あるかは現在調査中です。

  • 144二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 18:26:22

    >>143

    夢って不思議な領域だよね。条件を満たせば条件を満たした人に会えるというのは救いなのかもね

  • 145二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 18:57:07

    >>143

    もはや夢が一番欲望の怪異なのかもしれない。

    夢って一番『人間が生み出した』怪異って云えるかも

  • 146パンドラボックスの人24/07/11(木) 19:00:22

    >>121

    「あー、もう!本来ならこんな惨事になったら引いて損切りするのが定石だけど、負けたら全部持ってかれるならALLINしてやるわ!」

    ユウカが通信越しに叫んだ。それは「許可」も同義で各員、戦闘態勢に移った

    相変わらずミレニアムの戦力は壊滅状態だったが、援軍が来たおかげで負傷者の救護も機能し始めた

    花火が星に継続したダメージを与え、砲弾がミサイルを一撃で落とし、連携の取れた5人が撃ち落としを落として支援する

    マシンガンが常に火を噴き、リボルバーカノンが殲滅し、ミニガンが薙ぎ払われた

    あたふたしている足跡と、「ひぃんひぃん」言ってるユメも居るが、レーザーの対象になってるようで、居ないよりかはマシ…だと思いたい

    「電力充填145589パーセント…行きます!」

    本日三本目の光の線が打ち上がった

    「足り・・・てない!?」

    ひび割れは多くなって今にも崩壊しそうにはなっていたが今だに健在だった。「無数の目」が一斉に閉じて…「開いた」

    先ほど半数を刈り取ったよりもさらに密度が濃い光線が、戦場を貫いた。

    戦場を包む静寂…

    しかし、それで終わったわけではなかった。

    光線の照射が終わったころ、戦場にある無数の石像から生徒が「出てきた」

    「この光線が対物性能ほぼなくて助かったわ。『私の大事な美術品たち』や、そして何よりも『ミドリ』に手を出したのは許さない・・・!」

    「えっ、誰・・・?」

    「嘘、ミドリ、あれ見えてるの…?ほら、美術室の子…」

    「披露するのはもう少しロマンティックなシチュがよかったのですが、仕方ありません。ここが無くなってしまったら元も子もないですからね」

    「実体化に、大集団石化能力…あなたは一体…」

    「それよりも、彼女も来たようです」

    彼女が指さす方向を見ると、二度と見ることはないと思っていた巨大な物体が動いていた。

    それは巨大な戦車。いや、仰角を高くとった砲身は、二本ある物の太さは全く変わらなかった

    「全く、こんな物の予算を許可した覚えはないのだけど?」

    「当り前じゃない、『今作った』んだから…それにこのまますべて0にするよりかはマシなんじゃなかったの?」

    「言うようになったわね…計算するから絶対外すんじゃないわよ!」

    「Yes, My Master」

    ラクスとユウカの二人が数字を呟くと「耳撃ち砲」二門が星のど真ん中を撃ちぬいた

  • 147二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 19:57:37

    >>146

    今まで出てきた怪異集結は胸熱すぎる

  • 148現代編(単発?)24/07/11(木) 20:04:24

    私はゲーム開発部の面々に『出かけてくる』とだけ云い扉を開いた。
    「雨降るらしいから傘持ってってね」
    ミドリはそう云ってゲームに戻る。何処に行くかは聞かなかった。
    「レアイベント発生です!!」
    アリスは眩しい位の笑顔を浮かべる。まあ、確かに私が独りで出かけることはあまりない。
    「うん..気を付けてね..」
    ユズはロッカーから出てきて静かにそう云う。
    「じゃ、行ってくるね!!」
    私は部屋の方に皓い歯を見せ笑いかける。とは云っても本命の場所にはまだ行かない。寄っておく場所がある。
    「こんな晴れてるんだけどなあ」
    雨ってホントに降るのかなとそんな疑問を浮かべながらお昼ご飯後の街を歩く。意外と離れた場所にある白い建物に向かった。
    「先生!!おはよー!!!」
    机で書類を捌いていた大人に話しかける。彼はこちらを向く。随分と寝惚けた顔だった。スーツやコートが乱れている。とんでもない量の書類が山となっている。
    「やあ。モモイ。元気だね」
    先生のやっている仕事量は尋常ではない。その上締め切りも間近だ。恐らく今日も終わらせなければならない仕事で一杯なのだろう。
    「飲み物いる?」
    だと云うのにこちらを気遣い、用意する。やはりとんでもないと思う。
    「いや、大丈夫!!」
    彼は少しだけ目を細める。いつも眠そうで細くなっている目がさらに引き絞られて、線になる。
    「そう..行くんだね」
    彼は少し微笑み席を立つ。シャーレには丁度いい音量で静かな音楽が流れていた。彼の笑みを見ていると心が温まるのだ。覚悟を固め、目を見つめる。
    「知っておかないと。云われた条件も満たしたしね」
    『打ち明けられる様になったら』あの霧の静寂の中私と一緒に歩いていた青年に云われた言葉が蘇る。
    「うん。私が云うことはないみたいだ」
    行ってらっしゃい。そう先生は云う。音楽のみがそこに流れている。
    「行ってきます!!」
    扉の方に足を向け、向かう。彼は微笑みを崩さぬまま、私を送り出した。扉を開き外へ出る。振り返れば彼は視界の端で右手を胸元で握り、目を瞑っていた。
    「頑張れ。モモイ」

  • 149二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 05:31:57

    保守

  • 150二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 11:01:16

    保守

  • 151白鯨の人24/07/12(金) 11:10:19

    また書いてしまった……くっ、この概念が楽しいから…!!

    今回は前回が白の話ならこれは黒の話と思いつつ書いています。

    続きはゆっくり待っててください。

    x.gd
  • 152二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 15:25:09

    >>151

    楽しみ

    ゆっくりお待ちしておりますぞ

  • 153現代編(単発?)24/07/12(金) 17:30:14

    >>148

    「此処が、ねえ」

    教えられた場所は此処。住所の表記は間違っていない。純白に染った建物。鳥が翼を広げたように横に広がっている。小さめの噴水とツツジの咲いた花壇。地面にはレンガがある。彼は住みたくはないけどまあいい場所と云っていたっけ。

    「気圧されても、仕方がないよね」

    私もこう見えて沢山怪異を解決してきた。今は手伝ってくれる仲間もいる。デカい扉に近付き両手を伸ばす。

    「行くよ。ミレイ」

    両開きの扉を押し開ける。思ったよりも重くなかった。中は外とは違い豪勢には作られていなかった。絨毯とか、石像とか階段の所に肖像画とかもない。床も木。壁も木。柱も木。木のみではなく石があったりする。

    「へえー。確かに落ち着けはするね」

    きょろきょろと周囲を見渡す。目の前には、座っている女性がいた。明らかに受付的な人だ。だけどその人は別に姿勢を正したりはせず、座ったまま椅子をくるくる回している。女性とは云っても私達と同じか私達より少し下位。こちらに気づくと、頭を下げ、挨拶してくれた。駆け寄り名前を告げる。

    「はじめまして。私はモモイ」

  • 154現代編(単発?)24/07/12(金) 17:36:27

    >>153

    彼女は微笑んだ。シャーレの建物にあるコンビニの店員ちゃんや先生、あのラーメン屋の大将等以外にこういう所でビジネススマイル以外をする人を初めて見て、こちらも笑みを返す。

    「はい。どんなご要望で?」

    ご要望。何かを頼む家政なのかとも思う。私はここの初見だし、普通の対応をされてもおかしくない。ということは最も意味がありそうな名前を出す。

    「私はミレイの知り合いだよ」

    彼女はそのまま微笑む。丁度いい音量で音楽が流れていた。木々のゆったりとした香りが鼻に入る。

    「はい。ですからどんなご要望で?」

    ちょっとした驚きを感じつつそれを隠す。

    「知ってたの?」

    彼女は微笑みを浮かべたままだ。それでも不快に感じさせないのは彼女の才能だろうか。

    「勿論。ミレイさんが云っていましたから」

    私の容姿も何もかもを教えたのだろうか。それなら写真を撮る位しかない。だけど撮っていない筈だ。まああれこれ考えても仕方ないか。

    「それじゃあNO.66の資料、見せてもらえる?」

    彼女は微笑みを崩し、真剣な顔になる。空気が一変したのを感じながら目を見つめる。

    「覚悟は宜しいでしょうか?」

    私は打ち明けられる友達もいる。一緒に考えてくれる仲間もいる。彼は抱え込みそうだからと云った。もう、苦悩することもない。

    「うん。大丈夫だよ」

    彼女は笑わなかった。後悔の念が滲み出ていた。

    「貴方は、大切な人を殺した人殺しを許せますか?」

    青天の霹靂だった。音楽も、今までの景色も何もかもが優しく心地よく、柔和であったのに。彼女はその反応を見た後、目を瞑って告げた。

    「意地悪な質問でしたね。申し訳ありません」

    彼女はとても冷静だった。冷静すぎて怖かった。機械の様な冷酷さを纏っているように見えてしまったから。その質問の仕方はまるで、この子が自分は、問答無用で殺しに行くと、そう答えているように見えてしまった。

  • 155現代編(単発?)24/07/12(金) 17:37:08

    >>154

    「大切にしてくれた人達を殺した人を許す?」

    想像してみる。あの時、ミドリを殺されていたらどうなったか。ミドリの命を奪おうとした怪異を今まで自分はどうしてきた?復讐なんてしてはいけない。そうわかっていても、どうしても止まれるイメージがわかなかった。

    「もう二度と会えないようにした人を...?」

    ミドリだったら、ユズだったら、アリスだったら。あの陽気な空間の中から1人いなくなったら。そして、先生がいなくなったら。私はあの人達が大好きだ。私はあの空間が大好きだ。ならなくなったとき私は多分...

    「でき..ない..と思う」

    彼女は少し笑みを浮かべる。何故笑っているのかと問い返そうとして口が開いた。でも私が云うより前に彼女が口を開く。

    「なら、大丈夫そうですね」

    「...へ?」

    彼女は、淡々とデスクに手を伸ばし、ファイルを手に取った。

    「電子でしょうか。それとも紙で?」

    「あっ紙で」

    彼女は分厚いファイルから資料を取り出す。余りにも自然にするものだから、聞くのが遅れてしまった。

    「え、どういうこと?」

    彼女は微笑む。資料を手渡しながら口を開いた。

  • 156現代編(単発?)24/07/12(金) 17:37:38

    >>155

    「ミレイさんから云われていたんです。今のモモイさんに渡して問題ないかを確認する様に、と。高校に入る前なら問答無用で。後ならまあいいんじゃない?と云っていました。とはいえ、私の判断で決めていいとのことで」

    さっきまで纏っていた雰囲気は風に攫われている。

    「意地悪な質問でした。もう一度お詫びします」

    どこか大人っぽいけど、云われた通りに真似した所とかが年相応の子供っぽさがあった。

    「あれはどう答えたら良かったの?」

    彼女は口元を指で隠し、笑いをこぼした。

    「貴方の反応でいいのです。悩むということは、人殺しをいいとは思っていない証拠。だけど、自分が復讐をすると仲間がどんな反応をするかで悩んだ。貴方はとても優しく強い。」

    困惑を浮かべながら私は聞く。

    「つまるところ、貴方の仲間は今の貴方の友達なのです。人殺しではなく、優しい貴方の。良い仲間がいるのなら心配することは別にありませんから」

    ファイルを片付けながら静かな笑みでそう云う。天井から入る陽光が花畑のように照らしていた。

    「そういうものなの?」

    彼女は静かに笑っていた。笑みが綺麗だった。だけど何かが隠されている気がした。自嘲だろうか。愚弄だろうか。後悔だろうか。自責だろうか。とても儚く、綺麗な笑みをしていた。

    「そういうものです。仲間というのは」

  • 157現代編(単発?)24/07/12(金) 17:39:51

    私は資料を受け取り、問いかけた。達観しているというか何というか。色々知っている気がした。
    「貴方は何歳?何者?ここはどういう場所?」
    彼女は体を伸ばして欠伸をする。
    「私は14歳。この家政の受付です。ここはミレイさんが設計した別荘の様なもの。家政の拠点とでも云いましょうか。何よりも、怪異対応の拠点です」
    「じゅっ..じゅじゅじゅっ..14歳!!!?」
    お人形さんに見えてきた。
    「ここの環境は良くてですね。好きなことをしていいんですよ。外を出歩いてもいいし、おやつ食べてもいいし、ゲームをしてもいいし、電話してもいいし、鳴っている音楽も私のセレクトなんです」
    「えっ..てことはそれ私服?」
    彼女は胸元に手を当て、微笑む。
    「もちろん。私の好きな服です。思い出なんですよ。これを買いに出かけたあの日が」
    とてもいい笑顔でそういう。彼女の後ろに青空が見えた気がした。
    「労働と云うより、家にインターホンを鳴らしに来た人の対応をしてるだけ。この労働環境を作ったのはミレイさんなんですよ」
    感謝してもしきれませんと、口元に軽く手を被せ困ったように微笑んだ。
    「そう...また来てもいい?」
    あまりにもいい場所だったから、ゲーム開発部の皆と来たくなってそう聞いた。彼女は目を見開いて、笑顔の花を咲かせる。
    「はいっ!!いつでも!!いつでも時間は空いてます!!」
    私も嬉しくなって笑う。
    「フッフッフッ..ゲームじゃ負けないよ~!?」
    彼女も挑発的な笑みを浮かべ言葉を返す。
    「ミレイさんの愛弟子、舐めないでください!!」
    そこには、さっきの冷酷さもなくただの、少女が座っていた。ここで1人でいるのも寂しかったのかもしれない
    「じゃあ!!ありがとねー!!!」
    踵を向け、扉へ向かう。後ろで彼女がお辞儀しているのを感じた。
    「ご利用頂き、誠にありがとう御座いました」
    「...あ、ちょっと待って下さい」
    後ろから駆け寄ってきた少女が傘を渡す。
    「雨が降りますから。あと、私から行っても良いでしょうか?」
    私も傘を受け取りながら、微笑み返す。
    「うん!!是非ミレニアムに!!」
    扉が閉まる。そこには静寂が残った。

  • 158二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 19:23:46

    >>151

    やったー!、新しい怪異だー! にしても何かに心を奪われてるような状態…

    >>157

    彼の情報源を利用できるようになったうえにお友達も増えたの良かったね・・・

  • 159二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 19:48:12

    >>151

    モモイの敬語新鮮だな

  • 160パンドラボックスの人24/07/12(金) 21:30:25

    >>146

    星がとうとう割れた。

    ヒビがあまりにも細かすぎて崩壊した瞬間、ほとんどがバラバラになってすぐに燃え尽きた

    そして、その中にあったものが露わになった

    それは先ほどまでとうって変わって目は見えない。あるのは夜の暗闇よりもさらに暗い漆黒

    気を抜くと吸い込まれそうなそれを見ていると、頭の中に声が響く

    「「「欲しい…欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい!全て欲しい!!!」」」

    漆黒の端から「手」が伸びてきた

    「それがあなたの正体ね。スターイーター!」

    モモイがドスの利いた声を発した。それだけで周りが委縮するような声だったが、周りはそれどころではなかった

    「お姉ちゃん!みんなの様子が変なの!」

    周りの生徒は取り乱し、ヒナは放心し、ホシノたちは銃を乱射し、サクラコは胸で十字を切り続けていた

    「まずい、精神に負荷がかかりすぎて発狂している・・・!」

    すでにもうやつは大分降りてきてしまってもいる。

    あの「手」が届けば、今発狂している人たちは間違いなく逃げられないだろう

    「くそっ、どうすればいい!あたしにできる事は無いか!?」ネルが駆け寄ってきた

    「無事だったの!?でもどうすればいいかなんて…」

    「あのー…もう一人のあなたならどうにかならないかなって…」ユメが提案をした

    「確かにあの包丁ならアイツに有効打は与えられる可能性はあるけど…到底届かないよ…」

    弱音を吐くモモイを何者かが手を引いた。見えないけどそこにいる「今日は快晴」が空に足跡をつけ始めた。

    「…まさか『道』を作ってるの…!?」

    モモイが同じように歩くと、何も無いはずの空中で歩くことが出来る。いや、そこには足跡があった。

    「よし、ならばやる事は一つだ、行って来いチビ!あたしらは援護するぞ!」

    バルバラは頷いた。と言うかまだ空に向かって撃ち続けている

    ユメはホシノが放りだした盾を担いだ。「私がみんなを守るからね…」

    先ほどよりもかなりの数減ったが、まだ各所で弾が撃ち上がっている。動ける人たちはまだ誰も諦めていなかった。

    「はい、アリスはモモイ達の行く先を照らす光になります!魔力充填100パーセント…行きます!」

    先ほどよりかは細いが、「手」を蹴散らすには十分な光が、スターイーターの中心部に向かっていく

    「お姉ちゃんには指一本触れさせないんだから…!」

    「行ってくるよ」光で示された道をモモイが駆け上がっていった

  • 161二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 21:33:24

    >>160

    登りゆく朝日よりも明るい輝きで『道』を照らしている……

  • 162二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 23:05:37

    FATALITY…

  • 163二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 23:55:54

    >>160

    モモミド、アリス、足跡ちゃんたちといかにもスターイーターの力が効きそうにないメンツにさらっと混ざるネル先輩よww

    たぶん根性がスターイーターの精神干渉能力を上回ってるんやろうな…

  • 164二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 00:49:10

    書きます。長くなると思います

    その日はいつも以上に忙しかった。いつもより多い万魔殿からの嫌がらせの仕事、
    温泉開発部の源泉の掘り当て、美食研究会の給食部誘拐、その他大量のチンピラの逮捕や起こした犯罪の後始末等々…
    それ以外にもモモイに持ち込まれた案件における怪異退治のためのモモイやサクラコ達との共同作戦。
    それによりいつもの2倍3倍、あるいは5倍以上疲れていた空崎ヒナは最低限シャワーだけを浴びて、
    下着姿のまま泥のように眠った。
    眠りに落ちる瞬間、『快晴の足跡』のペタペタという足音がやけに耳についた

    そして空崎ヒナは『夢』を見た

  • 165二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 06:14:12

    >>164

    がんば

  • 166二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 11:35:41

    新しい話がいっぱいでウレシイウレシイ

  • 167二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 12:22:06

    このレスは削除されています

  • 168現代編(単発?)24/07/13(土) 14:51:41

    キヴォトス**不思議
    NO.66「地獄の伝達者」

    危険度A(SS〜D)
    評定︰ご〜み♡

    当怪異は最初は白い封筒の形をしています。対象の発見に伴い追跡を開始し、対象の疲労が限界を迎えた時、呪いを掛けることが確認されています。呪いの内容は「地獄を見せる」という内容と一貫しており、悪夢を見せます。悪夢の舞台は戦場であり、悪夢の中において、五感が研ぎ澄まされることが確認されました。悪夢の中では、不快感に対して敏感になる結果となり、之に耐えられる者はこの報告書が作成された時点では、2人しか存在しません。尚、この悪夢は人によって変わることが確認されています。現在最大の脅威である悪夢の内容は、「不快」や「恐怖」、「絶望」といった「概念」を脳内に送り込むモノです。この悪夢の場合、耐えられた者は現在1人しか存在しません。この呪いは継続的、定期的に発動し、解呪が終わる迄絶対に終了しません。この継続的、定期的な呪いの発動は周囲を巻き込む性質があります。巻き込まれた者も同じ様になる為、延々と広がる結果となります。尚、呪いを掛けられた者が1人でもいる場合、本体にあたる、白い封筒は何処にも存在しません。解呪方法は二通り存在します。誰にも呪いが掛けられていない状況であれば、白い封筒を「焼却」すること。呪いが掛けられている状況であれば、「悪夢の中に出てくる、対象の『大切な存在』を破壊する」ことで解呪が達成します。1人解呪が達成すれば、その他全ての呪詛の対象も解呪を達成します。尚、この『大切な存在』は怪異が作り出した物であり、本物ではありません。是は本物の姿形を完璧に再現しています。声色、性格なども同じです。ですが認識障害を起こしている可能性を示唆しています。本物である、という認識を強制している可能性があります。命乞いをする相手もいればしない相手も存在します。この怪異は軍人が家族へ向けた手紙、そしてその家族の想いが積み重なった結果です。手紙の内容は家族に対しての申し訳なさ、そして『二度と起こさないようにしてほしいという願望』から生まれた、戦場の恐ろしさでした。この内容が捻れて歪んだ結果と考えられます。この怪異の祓除は不可能とされています。

  • 169二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 14:55:49

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  • 170現代編(単発?)24/07/13(土) 14:59:39

    「命乞いをしてくる人もしてこない人もいる」と書いたのは先生が命乞いをしてくるとは思わないからです。
    「そう...それでいい...あり..がとう..ね....」
    そう云いそうじゃない?

  • 171二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 19:45:15

    >>168

    そもそも解呪にはそれを知らないとだし、知ったうえでもそれをやるのは筆舌にしがたいから評価がそうなるのは無理もない。

    さらに言えば無効化出来ないし勝手に伝播するしで。某財団なら最上位クラスつけてもおかしくない。

  • 172二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 20:32:10

    >>168

    曇らせに使えるんじゃね?と思いながら書きました。

    サオリとかヒナとかホシノとか。因みに、

    「大切な存在」は一人とは限りません。

    大切な存在が複数人いる場合、全員殺さないと

    終了しません。モモイの場合はゲーム開発部の皆、

    ヴェリタスやC&Cとか。セミナーもかな?今のモモイならヒナやホシノ、サクラコとかもかな?

    そして何より先生。全員殺さないと終わらないよ!

    モモイ♡頑張れ♡

  • 173パンドラボックスの人24/07/13(土) 21:55:38

    >>160

    モモイが光で出来た道で夜に駆ける。向かう先は夜の暗さよりも暗い漆黒だ。

    もちろん近づけば近づくほど「手」の密度が上がる。最初は包丁で追い払うつもりだったが…

    まず地表付近で巨大な陰陽陣が浮かび上がる。それが手の動きを鈍くした。

    雪が積もる地域から「見ろ、邪悪な欲望の塊が本性を現したぞ!」と叫んだ声が手に威圧したのは誰だったのだろうか

    ミドリ以外の発射源不明の狙撃や、不意に飛んできた巡航ミサイルの一撃、

    アビドス方面から飛んできた、高出力レーザーで手が薙ぎ払われた時にはもう思わず笑ってしまっていた

    「こりゃあ、負けてられないね」

    すべてを託された気がした。

    「「「なんで?なんで?なんで?どうして自分の物にならないの!?」」」

    「そっか、あなたは知らないんだ。『他』と言う存在を。理解しようとしないままここまで大きくなっちゃったんだ」

    「「「何を知ったように・・・!」」」

    「そりゃ知らないよ、あなたが何を思ってるか、あなたが何を取り込んできたか。でも少なくともあなたは交流をしたことがないことだけはわかるよ」

    「「「交流・・・?それこそ意味がないものだ、この広大な宇宙において、自分を大きくしたものの方が勝つ!」」」

    「自分を隠すということには頭が回るだけに、そっちに理解が及ばないのは残念だよ。だからこそあえて断言させてもらうよ、あなたこそ宇宙の害獣だよ!」

    「「「矮小な存在の癖に!!!」」」 

    「あなたの罪、私が裁く(捌く)ね……FATALITY…」

    そこから先は、何がどうなったかの説明は難しい。

    スターイーターに絡みついたあらゆる因果や魂を切り離し、本体を一刺しするまでが一本の包丁で済んだことは確かだった。

    奴は強大な「一つ」でしかなかったのだ

    「「「逃がしはせん!お前は私と共に滅びるのだああああ!!」」」

    トドメを刺したかと思った瞬間、スターイーターが最期の叫びを元に、持てる全エネルギーを使い大爆発を起こした。

    「うわぁぁぁぁぁぁ!?」

    モモイは、流れ星のように、いや、流れ星よりも速く地面に落ち始めた

  • 174二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 22:48:19

    >>164 続きです


    気が付けばヒナは制服を着て走行中の電車の中に立っていた。

    電車の中には自分と目の前の『何か』と1つの肉塊以外何もなく、電車の外の空は真っ赤に染まっていた。

    目の前の『何か』に焦点を合わせるとその『何か』はいつのまにか2匹の服を着た『猿』へと変わっていた。

    猿の片方は電車の車掌が使う無線端末を片手に持っており、側面のボタンを押すと、

    『ピンポンパンポーン』という気の抜けるような音の後に『次は~銃撃~銃撃~』というアナウンスが車内に響いた。

    アナウンスについて疑問を覚える暇もなく、もう一匹の猿と肉塊に変化が起きた。

    猿と肉塊は、ゴキゴキと嫌な音を立てながら変化し、2つの人型が現れた。

    猿は特徴的なマスクに白いコート、黒に近い青色の髪と青い大きな十字が象られたヘイローを持つ少女…

    『錠前サオリ』へと変わった。彼女の姿と先ほどのアナウンスから嫌な予感がしたヒナは肉塊の方を向くと、

    その予感が最悪の形で当たった。そこにいたのは”先生”だった。

  • 175二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 23:24:32

    >>174 続きの続き ヒナ視点です

    ”先生”、ここキヴォトスの外から来た私たち生徒を導く者、少し変なところもあるけれど、辛いことがあったら

    寄り添ってくれる。私たちのやりたいことを手助けしてくれる。そんな人に瓜2つな『何か』が今目の前にいた。

    先生を見た瞬間に予感が当たったと確信し動き出そうとした…でも足は杭でも打ち付けられたかのように動かず、

    私は目の前の光景をただ見ているしか無かった。

    ”先生”、いや”先生”を模倣したなにかに錠前サオリを模倣した猿が彼女の銃を突きつける。

    それは場所は違えど、『あの時』と同じ状況で、私は何もできず、引き金がひかれた。

  • 176二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 01:19:28

    >>175

    成程、猿ユメですね。

  • 177二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 11:04:40

    >>175

    的確にトラウマを想起させるのはきっついなぁ

  • 178二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 11:31:38

    ほっしゅ〜

  • 179二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 19:50:22

    保守

  • 180二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 21:26:09

    >>176

    ひぃん

  • 181二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 21:28:39

    過去編遅れます。
    皆さん頑張れ!

  • 182二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 21:30:28

    このレスは削除されています

  • 183パンドラボックスの人24/07/14(日) 21:33:54

    >>173

    神はバラバラになった

    この星の、少なくともキヴォトス中に立ち入る事を拒否され、その星のほんの一部、立った二つの個体に引導を渡された

    認められるはずがない。今まで何のために数多の星を喰ってきたのか。抵抗されることは予想がついたが、ここまで踏みにじられたこともない

    だからせめて、この二つの個体の息の根を止めるために、全てを奪われる前に全てを投げ捨てた

    どうせこのまま消えゆくのだ、あとはどうなろうが知ったことではない…


    もう一人のモモイは到底書き起こせないような悪態をついていた

    単純なエネルギー量もそうだが、神と昇華した存在が、その身を贄に「呪い」を「自分たち」にかけてきたの

    その呪いが何とかなったとしても、このままではモモイが地面の赤い染みになるのは必至

    「I HAVE DO WHAT I CAN」

    降りかかる呪いを対処してるうちに、あっという間に6本の包丁が駄目になってしまった

    後はこの身に掛かる重力と加速度のみ。残る呪いの残滓は全部自分が引き受けよう

    だから、せめて…君だけは無事でいて…


    モモイは目覚めた。爆発から1秒も立たないうちに

    先ほど爆発に巻き込まれたはず…と今は物凄い勢いで地面で落ちていることは認識出来た

    「何がどうなって」と言って気がついた。自分についた白い腕がほぼすべてだらんと垂れ下がっていて、

    右手のみに包丁が握られていることに。返答が無いことを考慮するに、すでに彼女の意識は無い

    心配ではあるが、そんなことを悠長に考えている余裕もなかった

    落ちる先は、先ほど自分が屋上に立ってたビルの真横。一か八か、ビルの外壁に包丁を突き立て、速度を落とすしかない。

    ビルの屋上と交差する刹那。ネルが躊躇なくビルを飛び降りた

    何をするつもりか理解はできなかったものの、やる事は変わらなかった。ビルの外壁に包丁を突き立てる。

    火花が飛び散り、見る見るうちに摩耗していく。

    それでも着実に速度が落ちていき、ビルを駆け下りてきたネルが追い付いてきたころ

    包丁の柄が折れた。

    「歯食いしばれぇチビ!」

    長いチェーンが体に纏わりつき、それによって引き上げられた衝撃で、何かまるで地面にぶち当たったような轟音を聞きながら意識を手放した

  • 184二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 22:15:50

    >>168

    忘れてはならない。

    彼の青年は『大切な存在』を撃ち殺した事を。

    その直前に笑みを浮かべる事が出来た事実を

  • 185二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 22:29:42

    >>136

    「あれがミドリを攫ったやつ?」

    木々に身を隠しながら、人型の人形を除く。

    「そうみたいだね」

    彼はそういいながらスポーツバッグから何かを取り出した。視線の先に見える木の人形からは、今まで以上の威圧感が漏れ出ている。常に背骨を掴まれている様な不快感と恐怖。額に汗が滲む。

    「で?正面突破で行く?」

    彼は指出しの手袋をつけ、その皺を伸ばしている。危険性で云っても、不快感で云っても、アレよりも上だ。だと云うのに大丈夫なのは、この人がいるからだろう。

    「行くしかないよね」

    彼は衣服の下からペンダントを取り出す。

    「それじゃ、行きますか!」

    あの怪異をぶっ潰す。それだけだ。

  • 186二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 22:35:56
  • 187二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 01:06:27

    >>183

    デスモモイのほうが心配だあ・・・。

  • 188二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 01:23:34

    >>175 続きの続きの続きです 書きたいところその①です

    >>176 Exactly!(その通りで御座います)


    先生が撃たれた、血が出てる、助けなきゃ、どうやっテ?動かなキャ。ウゴケナイ。

    『次は~銃撃~銃撃~』アア、マタダ、マタウタレタ。ナニモデキナイ。マタ、ナニモ。

    『次は~』マタウタレタ。『次は~』ウタレタ。『次』ウタレタ『次』ウタレタ『次』ウタレタ『つ』ウタレタ

    ウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタ

    ウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタ

    ウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタウタレタ

    『次は~串刺し~串刺し~終点です。』アナウンスが変わった。ずっと先生を撃っていた猿がナイフを持って

    こっちに近づいてくるでも私に何が出来る?『また』先生を守れなかったわたしに?もう何もできない。したくない。なら、ならいっそ「もう、いいかな」さるのもっていたナイフがわたしにふりおろされ、そしてー

  • 189二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 11:07:36

    >>185

    スポーツバッグからは鉄の音がしたらしい。

    地獄の伝達者に対処するときもスポーツバッグから取り出してた。

    で、その後片手で対処したってことは

    恐らく拳銃だよね。

    でも普通の学生なら持ってるわけ無いし

    てことは某リコリスみたいな秘密組織的な人だったり?

  • 190スレ主24/07/15(月) 11:13:55
  • 191二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 11:19:59

    スレ主ナイス〜!
    こっちは埋め立てて行きますか

  • 192二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 12:54:18

    埋め埋め

  • 193二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 12:54:57

    このレスは削除されています

  • 194二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 12:55:21

    うめ

  • 195二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 13:11:15

    うめ

  • 196二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 13:13:16

    >>185

    衣服の下(シャツの下)

    妄想しないでね。

    ペンダントは金色で『ある彫刻』がされてる。

    特段豪華な訳ではなく、ただ何処か目を引かれる。

    首元から掛けてるけど、ペンダント自体は服の下に

    隠している。

    彼の着ている制服はまあ普通の。

    特別感とかはない。

    さて、「教えてやる」と云ったのに、彼自身が教える訳ではなかった。果たしてこれは何を意味するのでしょう

  • 197二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 13:32:22

    うめー

  • 198二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 17:28:12

    うめうめ

  • 199二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 20:02:47

    うめ

  • 200二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 22:58:45

    うめ

オススメ

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