- 1スレ主24/07/02(火) 19:40:43
- 2スレ主24/07/02(火) 19:42:08
前スレ
ここだけちょっと奇行が多いモモイ【微ホラー?】③|あにまん掲示板唐突に大きな音で拍手したり、見慣れた学校で何故か迷ってたらいつのまにか後ろにいて手を引いてきたり、塩をいつも持ち歩いて仲のいい人にも偶にその塩をかけてくる教室のすみに岩塩を投げつけたりもするそれ以外の…bbs.animanch.com初スレ
ここだけちょっと奇行が多いモモイ【微ホラー?】|あにまん掲示板唐突に大きな音で拍手したり、見慣れた学校で何故か迷ってたらいつのまにか後ろにいて手を引いてきたり、塩をいつも持ち歩いて仲のいい人にも偶にその塩をかけてくる教室のすみに岩塩を投げつけたりもするそれ以外の…bbs.animanch.com - 3二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 19:42:37
立て乙!!
- 4二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 19:43:25
このレスは削除されています
- 5二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 19:45:44
立て乙
キヴォトスにはまだまだ怪異が沢山あるのです - 6パンドラボックスの人24/07/02(火) 19:55:10
立て乙!
- 7二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 19:57:56
立て乙!
- 8二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:07:54
とりあえず10までやるかー
- 9二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:09:16
立て乙!
- 10パンドラボックスの人24/07/02(火) 20:10:29
そういえば。前スレの183の「黒服どう来るんだろうな」の意図を図りかねていますが
まぁ黒服は、あの宣言をもって「極力干渉しない」とした…ということにしてください。(答えになってるかな… - 11二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:32:27
盾乙デース
- 12二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:32:50
まぁ、こういうオカルトは大人があまり絡んでこないほうが良いのかもしれない。
- 13パンドラボックスの人24/07/02(火) 20:50:34
- 14二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:55:04
そのうちゲマトリア視点で怪異を観察・研究したネタが書かれるかもしれない
或いはゲマトリアが怪異をどうにか既知の概念で解釈しようと神秘だの恐怖だのの考え方を当て嵌めて的外れな事を言うかもしれない
逆に怪異の起こす現象には神秘とかあんまり関係無いって早々に見切りを付けてノータッチかもしれない
ゲマトリアの望む研究対象では無い事を理解した上で黒服あたりが実はオカルト好きで完全に趣味で首を突っ込むかもしれない
まぁ書き手の好きにすれば良いさね - 15パンドラボックスの人24/07/02(火) 21:19:18
既存の用語をあえて使わなかったのも、その意図があります。
「解釈」を読者、もしくはこれから物語を紡ぐ物…それ次第です。あくまでも自分の物語は自分の物語にすぎず。
そこから新たな物語を見出すのであればどんな形であれ歓迎です。
実際問題として黒服、観察してるだけで怪異と恐怖を分けられる十分な考察の材料があるかって言うとどうかなーっていうのもありますし(
- 16過去編のひと24/07/02(火) 21:23:19
私も他の方の世界を邪魔する気はないので
書き手の好きにしてくださいな。
現象型怪異に関してですが、現象そのものである怪異
といった所です。
郵便番号...?に関してですが私が思っているものと同じで
あればそうです。多分。検索すれば元ネタが分かります
まあ本編でも出るから、先に知りたかったらどうぞ
この怪異はどちらかと云うと超常現象の類です。
怪異の中に無理矢理押し込んでわかりやすくしたって事情ですかね - 17過去編のひと24/07/02(火) 21:28:17
そもそも世界線は別でいいしね。
まあ私は繋げられるとこは繋げたい派なので
設定借りることもあるかもしれんけど - 18二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 23:38:15
世界線に関しては好きにすれば良いと思います。でも相手にリスペクトは持つべき。
それはそれとして当スレ最初のミレニアム**不思議はいただきよ。
ミレニアム**不思議
No.16800000「ゲーミングくねくね」
危険度:S(SS〜D)
モモイ判定:ユウカ、ゲームを作るのに必要だからパソコン買って! ビカビカ光るヤツ!
ユウカ判定:却下よ!
概要:当怪異は光り輝くくねくねです。当怪異が発見されたのは百鬼夜行連合学院が治める地域の田んぼです。
ウチの田んぼがピカピカ光っとる、と一般市民からの通報があったのち、霊障被害が拡がった為、才羽モモイが派遣された経緯があります。
当怪異は光り輝くくねくねですが、その光量は1万カンデラ以上であり一般的な車のヘッドライト以上です。その為、くねくねの持つ「正体を知った人を発狂させる」という特性がゲーミングくねくねの場合、本体が眩しすぎて何もわからないという結果になり消失しています。
また、才羽モモイが派遣された原因である霊障もゲーミングくねくねが発する光が原因である光過敏性発作である事が判明しました。
現在、当怪異は百鬼夜行連合学院内の神木にイルミネーションとして飾り付けられています。 - 19二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 02:19:12
現象型怪異、既出の怪異にも当てはめるとしたら「不帰の館」が該当するのかな
- 20二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 04:51:22
地味に厄介だけど、本末転倒化してるし、何なら有効活用されてる・・・w
- 21二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 08:12:42
アニメの『謎の光』を自ら発するくねくねとか面白過ぎる
- 22パンドラボックスの人24/07/03(水) 09:30:02
前スレ178から
帰路へと戻るモモイは先ほどの言葉を思い返していた
そういえば元はと言えば怪異にさらされた私の制御不能な防衛反応みたいなものだったっけ
今では思ってあの子の許可をとるだけで、あの子の包丁を借りる事すらできるようになった
こうなってからの本気で使ったことは無いが、使いすぎるとまずいのだろう
あの黒い人はタダで物を教えるタイプには見えなかったが、今思えばあっちの方が警戒していたのだろう
「神様」すら手玉に取るこの力に…
「なーんで私ばっかり、厄ネタばっかり降ってくるかなぁ。まぁ私が解決しないとみんなが困るからやらないってことは出来ないけどね」
思わず独り言をつぶやく
「I'LL HELP YOU.」
「えへへ、ありがとね」
誰にも聞こえない会話がモモイの中で響いた
~Stargazer~
それは星を見るひと
望遠鏡を持っていなくとも大袈裟な荷物がなくとも
その人は・・・ミドリは星を見ていた。
それが他の誰にも見えずに、だんだんと近づいてくるのでなければいつもの光景だったのだろう
「どうして誰もアレに気がつかないの・・・!?」
その日は「ほしのふるよる」だった。 - 23二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 18:22:20
星をみるひと…かりう…ふっかつしゃ…
- 24過去編のひと24/07/03(水) 21:20:05
遅くなりそうです
- 25パンドラボックスの人24/07/04(木) 02:24:57
ミドリはすぐさま姉に連絡した。自分だけが見えるのはおかしいがそれはそういう怪異ではないかと思って
しかし連絡を受けたモモイからの返事は意外なものだった
「今、空見えるけどそんなのないよ?」
「そ、そんな」
では何か、あれは自分だけに見える幻なのだろうか
「でも一応調べてみようか。こういうのは最悪を想定した方が良いからね」
お姉ちゃんは信じてくれる気になったのがなぜか嬉しかった
夜の街の踏切で合流した。時刻は午前二時
スマホに表示される天気は晴れ
なのでアレがはっきりと見える。最初は小さな動く点だったが、明らかに徐々に大きくなっていた。周りの星の輝きをかき消すかのように
しかし姉はやはり見えないという
「うーん。これが他の人だったら幻覚を見せられているのを疑うんだけど、ミドリだからなぁ」
先日発覚したミドリの特性、「怪異などの影響を受けない(物理は除く)」から、いろんな可能性が消えていた
「もしかして…私たちが受けてる?」
そう考えると辻褄が合う。もうとっくに影響を受けていたのだ
「参ったな、また自己隠蔽型の怪異か…しかも前までのは直接見れば流石にわかるのに、今回はそれもダメと来た」
「ど、どうするの?」
「どんなやつなのか見てみないと何ともなんだけどその手段がないんだよねぇ・・・むしろ間接的に見てみる?」
「というと?」
「ほら、昔ゲームでやったじゃん、レンズを通すと本物が見えるようなやつ。あれはレンズが特殊だったけど多分普通のレンズでもいけるんじゃないかなー、根拠はないけど」
アレが大きくなっているペースから考えると朝までは持たないだろう。急ぐ必要があった
「学校に望遠鏡くらいあるでしょ!連絡しながら行くよ!」
「うん!」
二人は駆け出した
- 26二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 12:01:53
駆け抜ける姉妹! 続きが楽しみ。
- 27二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 16:19:49
前スレ180から
第参章 彼の者との邂逅
「永遠の..雲霧林?」
現象型怪異。領域形成。情報の洪水に見舞われた私が出せたのはその一言だけだった。
「どんな場所にいる奴でも無差別に別空間に引きずり込む。簡単に云えばそんな感じだ」
情報の整理が終わった脳がある疑問を繰り出す。
「コレ自体に危険性は?」
「特に危険性はない。ただ引きずり込むだけ。君を襲った怪異はこれを活用しているだけだよ」
彼は炎に薪を焚べながら疑問に答えた。
「此処に入り込んだ怪異は直接祓うまで消えない。だから天然のトラップみたいになってるんだ」
餌はないけどね、と目を瞑った。
「直接祓うまで?」
炎がしっかりと燃えているのを確認すると、彼は後ろに手をおいて体をリラックスさせながら答えた。
「勘がいいね。そう。つまり、噂の変更とか、知名度の減少とか、そう云うので消えないってこと」
木々を抜けた風に委ねつつ彼は気怠げに溜息をつく。
「だからこっちから出向いて消滅させるしかない。正直めんどくさい。まあこっちに入りこんだ奴は大抵外で現れないんだけどな」
一概に悪いとは云えない。そう云って更に面倒臭そうに笑う。何処か神秘的な雰囲気を纏っていた彼が、子供っぽく口を尖らせた様子に少し微笑ましく思ってしまう。めんどくさい。その一言がとても美しく思えた。
「そういうのもあって年寄り――上は破壊を命じない。万が一に使える可能性があるからな。まあそもそもこの怪異を破壊できる奴なんて5人いるかどうかだけどね」
彼が浮かべた笑顔は、やはり直ぐに蓋をされる。彼が笑顔を浮かべたと思ったら直ぐにそれは消えてしまう。子供っぽく感じられた彼も直ぐに仮面の下に隠される。
「それ以外にもまだある。此処の景観は変化しない。一時的に木を切ったりしても、瞬きした瞬間とか、目を逸らした瞬間に治る。爆発を起こしても、木を燃やしても、地面を掘っても、何をしても。次の瞬間には元に戻る」 - 28二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 17:02:04
「生物はどうなるの?」
入り込んだ生物――例えば人間はどうなるんだろうと思い聞いてみる。彼は心底どうでもいいと云う様に答えた。
「死んだやつは直ぐに消える。人間は死んだら消える。服も何もかも。人間以外も、死んだら消える。この空間には元より、植物以外に生命体が存在しない。微生物も虫も。どうやって保っているかは分かっていない」
人の下りはとても面倒臭そうだった。
「なんでそんなめんどくさそうなの?」
「そんな風に云っていたのか。癖なんだよ。特に深い意味はない」
何があったのだろう。感情や表情を全て隠すこの少年が、あそこまでわかり易く変化する程。知りたかった。でもそれを聞くのは止めた。触れてはいけない気がしたから。
開かれた彼の瞳はとても真っ黒だった。
「こんなとんでもない怪異、一体何から作られたの?」
話題をずらそうとして最初に思い浮かんだ疑問がそれだ。目の前に座る少年にはヘイローはない。だけど、この人は学生だ。つまり生徒。生徒なのにヘイローがないのは、キヴォトスでは聞いたことがなかった。つまりこの人は外の人。制服もみたことがないし、外見も大分違う。距離は意外とあるのだろう。そんな距離ですら簡単に繋いでしまうのだ。それにさっきの説明を聞けば、とんでもないと、云うしかなかった。
「モチーフ、根源はただの森林。僕の生まれた国にある自然豊かなただの樹海だよ」
- 29二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 17:20:43
ただの森林。そんなありふれたものからこんな怪異が生まれるのか。
「ただの森林から生まれるなんて、何があったの?」
彼は目を炎に向ける。表情はあまり変わっていないのにその瞳の奥には諦観が込められていた。
「人間にかかればただの森林だって、心霊スポットに早変わりだ。なんせ神話なんてモンを作り出せるんだからな。ま、噂が立った。ただそれだけだよ」
「どんな噂?」
そう聞けば彼は溜息交じりに答える。
「コンパス――磁石が狂うとか、人の死体があるとか。あることないこと広がったんだ。でも、運が悪いことに、深めの霧が広がっていて、噂に信憑性を持たせる環境があった。」
指を立て数えるように教えてくれる。
「実際どうなの?噂は本当?」
彼は顔を横にふった。遠くの出来事を思い出す様に空を見上げる。
「いいや。磁気が発生している場所なんてほんの一部。そこも磁気の発生源に密着でもさせなければ狂うことはない。人の死体なんてない。」
「事実は公表しなかったの?」
事実をネットにでも上げればここまで強大な怪異になる気がしなかったから、そう聞いた。だけど彼は嘲笑う様に息を吐く。
「したさ。だけど、人間っていうのは事実よりも面白い話があったらそっちによって行くモンなんだ。アイツらからすれば人の死体がある方が面白かったんだろう」
良い趣味してるよなと、諦観の笑みを浮かべる。
「この空間に『引きずり込む』って云うのは、霧があることによる別空間的な認識。そして、『コンパスが狂う=迷う』ということから、『閉じ込める』となって、この怪異は『別空間に生物を引きずり込む』となった。『時間』は白骨化した死体が『未だ』残っているという噂。だけどそれが、『不明な生命体に依るもの』とはならなかったから、この現象そのものが一つの怪異、『永遠の雲霧林』になった。」
今までの要素を全て繋げて、怪異を説明してくれた。これが別空間に存在する怪異。というより、別空間そのものである怪異という解釈であると教えてくれる。この怪異を破壊できる人が少ないのは、『この怪異の破壊』が『別空間の破壊』とほぼ同義であるから。そう説明してくれた。
- 30二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 17:53:49
「あと3つ聞きたいんだけど」
彼の長い前髪を髪がからかっている。
「ああ。小さい内は年上に甘えておけ」
我儘を聞き入れてくれたことに心の中で感謝する。感情を表に出さない人だけど優しいんだなと口元が緩む。
「私を最後に襲った怪異は何?」
あの不快感を与えられた怪異の正体を知っておきたい。ただそれだけだった。その瞬間、彼の表情が、氷の様に冷たくなった。周囲の風が一変しあの時の様な圧がかかる。
「アイツのことが、知りたいか?」
「うん」
そう答えることが精一杯だった。そう答えた時、体にかかった重圧が抜ける。
「すまない。アイツのことが嫌いでね。」
既に圧も、冷たい空気も去っているのに体が少し震えた。一息ついて、彼は答える。
『アイツは――No.66。地獄の伝達者だ』
「最も忌み嫌われる、幻惑を見せる系統の怪異」
違和感があった。この人はどんなに酷い幻惑でも、心が折れる未来が見えない。まだ学生。だというのにそんな強く思えてしまうのは異常と言う他ないが。だからこそだ。この人が自分が見たあの地獄の情景すら普通に乗り切る気がしたのだ。なのに何故この人はここまで感情を見せた?まだ私は、この人のことを少しも知らない。
「この怪異は最初は白い封筒の形をしている。対象を見つけると対象の疲労が限界を迎えるまで追跡してくる。コイツの能力は呪いを掛けること。コイツの見せる呪いは正に『地獄』そのものだ。」
いつもと同じ口調だった。なのに、とても辛そうで、憎しみが籠もっていた。
- 31二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 17:54:10
「呪いってことは、継続的に効果があるってこと?」
あの時の景色が脳裏によぎる。吐き気を抑え、質問する。自分が受けた呪いが恐ろしくなって、自分の体を擦る。
「ああ。定期的にあの景色を見せてくる。寝ようと思ったらとか、日常の一コマにあの景色が入ってくる。おかしくなった奴を何人も見てきた。呪ったら封筒は消滅し、呪われた奴が同じ様になる。定期的に起こる呪いの効果は周囲を巻き込んで発動する。巻き込まれた奴も同じようになって...みたいに永遠に広がっていく。」
聞いただけでも恐ろしい怪異だ。この人は一体この怪異の何が嫌いなんだろう。
「だが、その内の一人でも解呪したら、全ての呪いは解呪される。そしたらまた同じ様に手紙が出現する。」
自分に掛けられた呪いが効果を発動したら、彼も巻き込まれる。その事に罪悪感が走る。
「解呪方法は?」
彼は目を伏せる。沈黙が広がる。薪の小気味いい音のみが辺に響いている。
「二通りある。呪いを掛ける前と後で一つづつ」
彼はそうとしか答えなかった。何故云わないのかという疑問が一面。反面何故か安堵している自分がいた。
- 32二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 18:02:26
大分長くなってしまったな。
すまない。テレグラフは使わないと決めたのだ。
神すら手玉にとる、か。その神は果たして怪異を示しているのか、別のものか。気になる〜!
まあどちらにしろモモイが大分強そう。
皆さんの書く怪異が面白すぎるんだが。
駄文で本当に、申し訳ない。
安心して下さい。これから無双ゲーが始まります。
こんなに話しているのはモモイの体力回復の為と思って下さい。
- 33二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 18:21:26
このレスは削除されています
- 34二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 19:45:58
- 35二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 22:16:59
スレの方々の文章を見て書きたくなったので
ミレニアム**不思議
No.1617「吊し上げの館」
危険度:元SS(現在は退治済み)(SS~D)
モモイ判定:多分とてもヤバい怪異だったと思うんだけど…まぁ、巻き込んだ相手が悪かったというか…
ミネ判定:けが人がいるのならば救護は当然!まして重症者なら猶更です!
概要:当怪異は10人以上入れる部屋に発生する現象型の怪異です。当怪異はこの怪異に巻き込まれたシスターフッドに
所属している生徒の歌住サクラコへの報告により歌住サクラコ経由で当学園のゲーム開発部所属才羽モモイへと伝わり
存在が発覚しました。
当怪異は発覚時点でトリニティ総合学園・救護騎士団団長の蒼森ミネにより退治されていました。
当怪異は発生している部屋の前を通る2人の共に行動している人間を部屋に転移させます。
その部屋の中には円形に並べられた10脚の椅子と7体の違う服装をした椅子に座っている人型、
及びその中心に重症の人型が確認されたそうですが、それ以上のことは分かっておりません。
理由としては、当怪異に巻き込まれた蒼森ミネが座っている人型たちが何かを言う前に即座に中心部へ移動し、
重傷を負った人型に治療を行い、その結果当怪異が発生させたと思われる物体、
及び人型がすべて消失したことが理由です。 - 36二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 00:31:00
- 37二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 03:35:08
レッドウィンター**不思議
No.58「常夏校舎」
危険度:B(SS〜D)
モモイ判定:本当ならあまり害はない怪異なんだけどレッドウィンターに出るのはマズイよね……
概要:当怪異はレッドウィンター自治区のとある廃校舎、およびその校舎に生徒が足を踏み入れた際に発生する一連の幻覚症状です。当該校舎に立ち入った生徒は「そこが真夏のビーチである」という認知の歪みを発症します。これが第一段階です。第二段階では真夏のビーチの光景を幻視するようになり、第三段階では視覚だけでなく温度感覚にまで幻覚が発生。実際の周囲の温度に関わりなく暑さを感じるようになり、防寒具や衣服を脱ぎ捨てます。
当怪異は当該校舎の解体工事に従事していた工務部の生徒達が、吹雪の中、半裸で倒れているところを救助されたことで発覚しました。当初は矛盾脱衣現象と考えられていましたが、当該校舎の解体時に必ずこの現象が起きることを訝しんだ工務部部長・安守ミノリがシャーレの先生に相談。先生を通じてミレニアムサイエンススクール所属の才羽モモイ女史が調査のために派遣され、怪異であることが判明しました。以下、モモイ女史の調査報告です。
モモイ:悪意はないよ。というか、そもそも自我もないね。ここで過ごしてた人たちの強い思いが校舎に染みついてて、それに触れちゃった人が勝手に幻を見てるだけなんだと思う。この校舎を使ってた人たちはよっぽど夏のビーチに行きたかったんだろうね……。対策? そうだなあ…ドローンを使って工事するか暖かくなるまで待つしかないんじゃないかな?
以上の調査結果から、当該校舎の解体は当分の間延期することが決定しました。また過去の記録を精査したところ、当該校舎が密かに映画の上映会場としてを使用されていたこと、そこで上映されていた映画は主に常夏の自治区でのロマンスを描いた作品だったということが判明しました。幻覚の内容を踏まえ、自治区内で上映する映画作品の内容、あるいは上映場所について考慮する必要性が指摘されています。
以下、安森ミノリのコメントです。
ミノリ:こんな怪異、レッドウィンターじゃ洒落にならないぞ…… - 38二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 06:44:45
ミレニアム***不思議
No2134「催眠アプリ詐欺」
危険度B(SS~D)
モモイ判定:「違法ダウンロードはダメ絶対ってやつだよねこれ。」
当怪異はミレニアムの裏ネットでダウンロード可能な携帯アプリです。
このアプリは催眠をかけたい相手に向けてカメラを向けてタップすることで発動します。
ただし、発動するのは対象ではなく、”催眠アプリを使った人”に発動します。
催眠をかけられた使用者は直ちに銀行に向かい指定の口座に自分の所持金を振り込んでしまいます。
その間使用者は”対象に催眠アプリをかけて好き放題している”幻覚を見続けます。
使用者は催眠アプリで対象を好き放題していると思い込みながら
実際は所定の口座に自分の財産を振り込んでいるだけという一種の詐欺行為が行われているわけです。
なぜこれが怪異扱いされているかというと、
催眠アプリのダウンロードが何故かミレニアムでしかできないということ。
振り込まれた資金がどこに行ったのか全然突き止められないということ。
何より実際にダウンロードした催眠アプリの解析をしたところ、
プログラミング言語ですらない解析不能な漢字の羅列が表示され、解析機器ごと破壊してしまうという怪異現象が起きたこと等が挙げられますが。
このアプリが怪異であるとされた決め手となったのは才賀ミドリがこっそりこのアプリをダウンロードして、
先生に使用したけど何も起きなかったと報告したことが決め手となりました。
モモイ追記「何やってんのミドリ…。」 - 39二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 07:16:43
〉〉35 続きです
以下は録音された巻き込まれた生徒と才羽モモイとの会話記録になります。
(少しのノイズと共に音声が再生される)
「一応サクラコさんから概要は聞いてはいるけど、貴方から見たこの怪異について教えてもらってもいいかな?
もちろん辛ければ話さなくても大丈夫なんだけど…」
「いえ、大丈夫です。それにサクラコ様から伝えられていたのであれば、ことの顛末も知っておられるでしょう。」
「ああ、聞いたよ。なんでもあなたと一緒に巻き込まれちゃった人が退治しちゃったんだって?」
「はい。その時、私とミネ様は偶然同じ方向に歩いていたんですけれども、気が付くとどこかの教室にミネ様と
一緒にいて、目の前には椅子とそこに座っている人達と、それと…うぷっ」
「ああ!無理しなくていいからね!?」「すいません…いまになってちょっと気持ち悪く…」
「そこは言わなくて大丈夫だよ、そのミネさんからも話は聞いてはいるし。」
「え?それならば何故?」「一応ね。もしかしたら、ミネさんとは違うものが見えてたかもしれないし。」
「では…と言っても見たものはそれで全てですね。」
「じゃあ何か聞いた音はない?こう「ギャリギャリッ!」ていう音とか。」
「そういった音は聞こえませんでしたが…あ、そういえば。」「何々?何か思い出した?」
「はい、ミネ様が椅子で囲われた中心部にいた人の治療を行っている際に周りの人達が口々に
「~が死んだ!」「犯人は誰だ!」と仰っていたのを思い出したのですが…」
「ふむ。何かに引き寄せられるような感覚とかはあった。」
「そういえば…はい。部屋に入ったときに空いている椅子に『座らなければならない』と思いました。
今思えば、何故そのようなことを考えたのか不思議でなりませんが。」「なるほどね。」
「あの、これで何かわかったのでしょうか…」「うん、分かったよ。この怪異の正体」「え!?」 - 40二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 07:24:30
- 41二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 09:19:12
ミノリ相手のペースを破壊して自分のペースの会話をするタイプだけど…そもそも対話が成立しない現象にはどうしようもないのだ…
- 42二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 10:13:10
- 43二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 10:30:50
- 44二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 10:49:43
あと前スレの奴を見ていただければ分かる通り、
ワタシの世界(過去編)では、既にモモイの体に
デスモモイがいます。
憑かれているだったり、守護霊的な感じです。
モモイが精神的ダメージとかでぶっ倒れそうになった瞬間出てきそうになっています。
その時青年はアイツが出てくる前で良かったよ、と云っています。
と、云うことで私の世界ではデスモモイが出てくると、モモイにダメージがある、制御出来ない、馬鹿強い。
という感じです。 - 45二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 12:30:50
トリニティ***不思議
No1365「学校の七不思議」
危険度B(SS~D)
モモイ判定:触らぬ神に祟りなし。この話をしないければ何も起こらないよ。でも、もししてしまったら命の保障はないからね。
当該怪異は、「七不思議」と呼ばれる七つの話から成り立つ怪談です。この話は古くからキヴォトス中で知られており、七つの話も様々なバリエーションがあり一定ではありません。
しかし、七つの話を全て聞いてしまうと死ぬ、という伝承だけはどのパターンでも共通しています。
先日、トリニティにおいてとある部活が学園内で泊まり込みの合宿をした際、余興としてこの七不思議の話を行いました。
念の為、七不思議の語り部は交代制で、聴衆も七つの話全てを聞きたくなければ聞かなくとも良いとしましたが、とある生徒が好奇心から七つ全ての話を聞いてしまい、翌日にその生徒は失踪しました。
すぐさま歌住サクラコと先生を通じてミレニアムの才羽モモイに連絡が行き、才羽モモイは調査の為現地に赴きました。
歌住サクラコの協力を得て調べた結果、十年前にも同じ現象によって失踪した生徒が存在することが確認されました。当該生徒は数週間行方不明になったあと、トリニティの*****において遺体となって発見されました。死因は不明です。
才羽モモイはこの怪異はミームとして広がりを見せたことによって怪異として力をつけたものと判断。すぐに歌住サクラコ、空崎ヒナ、小鳥遊ホシノの協力を得て失踪事件が起こった教室で七不思議を語り合いました。
その日の深夜、怪異を待ち構えていた四人の元にブラックホールのような小さな隙間が出現し、そこからトリニティの制服を着た血まみれの生徒が現れ、四人に危害を加えようとした為四人は応戦し、怪異を払いました。そして、発生した隙間の中から行方不明になった生徒を見つけ出し、救出しました。
モモイ追記:あの怪異は、七不思議を全て聞いた生徒を取り殺して力を増幅させていた。もし今回失踪した生徒を救出できていなければ、もっと厄介なことになっていただろうね。 - 46二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 19:11:36
そもそもその条件に行くまでが普通は難しいけど興味持ってやったら一発アウトは怖いね・・・
- 47二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 20:16:49
今になって読み返すと文章に粗が目立つな…。もっと推敲すべきだった。
- 48二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 20:47:20
>>39追記2です。なんどもすいません。そしてとてつもなく長文です
「あくまで推論だけど…」「それでも構いません。」「じゃあその前に、そろそろ来る筈なんだけど…」「?」
(ドアの開く音と共にコツコツという足音が近づいてきた)「ねぇモモイ、この資料ってここに置けば…ってあら?」
「ああ、ちょうど良かった!ありがと!ユウカ!」「はいはい、それじゃ私はこれで。」(再びドアが開く音がした)
「ええっと、これは?」「あなたの言ってた部屋について調べた資料だよ!」
(パラパラと紙をめくる音がする)「ふむふむ…ああ、やっぱり。」「なにか分かったんですか?」
「うん。推論だったのが確信に変わったよ。」
「まずこの怪異はいわゆる領域型の怪異だよ。」「領域型…ですか?」
「うん、特定の場所に発生する怪異で物によっては条件を満たせばどんな場所にも出現する可能性もあるんだ。」
「そして条件を満たした人を自分の領域に蜘蛛みたいに絡めとるんだ。」「蜘蛛のように…」
「この怪異は多分条件を満たした部屋ならどこでも出現するタイプの怪異だったんだと思うよ。」
「えっ!?それって…」「ああ、大丈夫大丈夫。多分もう出てこないと思うから」「え?」
「この怪異が巻き込むのは2人で行動している人で、巻き込まれた2人が席に着いたら裁判を始めるの。」
「裁判…ですか?」「そう、中心にいる人を殺したのはだれか~ってね。」「で、これ見て?」
「これは…?」「怪異が消えた後にあの部屋に残されていたものをまとめた資料だよ。読んでみて。」
「はぁ。えぇっと…青い髪の毛、返り血のついたナース服、
蒼森ミネのものと一致する指紋と血のついた包丁…ってこれって!」
「そうだよ。まぁそこに書いてあるのは包丁以外は全部調べた人間が触った瞬間に消えたらしいんだけどね。
包丁だけは指紋を鑑定したら消えたらしいよ。多分元々そういう『条件』で消えるから
こそ怪異が消失した後も残ってたんだろうね。」
「えぇ…いや、そうではなく!これは!」
「うん、分かってるよ。どう考えても『蒼森ミネが犯人としか思えない』でしょ?」
「まぁ消えたことからも分かるとおり、怪異が作った偽物だけどね…」
- 49二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 20:51:02
百鬼夜行ならあの中古車店のくねくねのぼりも怪異化するのかな
- 50二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 21:31:33
2人なのはもう一人に印象付けるためかぁ…
- 51パンドラボックスの人24/07/05(金) 21:55:15
セミナーに連絡を取ったところ、理科室の備品に望遠鏡があることが判明し、早速借りて屋上に来た。
ミドリの証言を頼りに向きを調整する。
「見えないものを見ようとするのって不思議だね」
「そう?まぁ私は怪異慣れし過ぎか…これで見えるはず…」
ミドリ曰く動いてるらしいがそれも込みで調整した。
「どれどれ…っ!!?」
無数の目と『目が合った』
『深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ』とはよく言ったもので、
どちらが先だったかはわからないが、間違いなくこちらを認識された
頭がくらくらする。怪異慣れしているはずなのに吐き気もする
「はは…ははははは…!でかしたよミドリ。これに気がつかなかったら確かにまずかった」
「な、なんなの…?」
「ラクスちゃんなんて比較ならないほどのとんでもない『宇宙の神様』。その中でもとびっきりの邪神とお見受けしたね。一体いくつの星を喰ってきたのやら……」
「何を言ってるの………?」
これを言ってるのがモモイじゃなければあまりの恐怖にやられたかと思っただろう
「なるほど、あまりにも存在感を大きくし過ぎたから、他の神様や獲物の星に気がつかれないように隠蔽に特化したのか…」
ぶつぶつと喋りながら望遠鏡を覗いたままのモモイ
一方褒められたはずのミドリは異様な姉を見て震え上がっていた。もう一人のアレとも違う、「冷たさ」の雰囲気を纏っていた
「どっどうするの?」「どうしたもんかねぇ」
声かけと独り言がかぶった。そうするとモモイの口が動く
「THAT THING IS TOUGH, BUT NOT RESISTANT TO PHYSICS.」
「え、あれ物理的なダメージ通るの!?じゃあわざわざこんな広範囲な隠蔽してるのもそういうこと!?」
「私にもわかるように説明して…」
「神様とか怪異とかって大抵の場合本体そのものは物理的にどうこうできないことが多いんだけど、
あれは『星』そのものに憑りついてるから壊せれば消滅するんだよ。規模が規模だから一筋縄ではいかないだろうけどね…」
「壊せるって言ったって星なんてどうやって…」
「星と言ったけど、まぁ実際は隕石くらい。それでも落ちてくるだけで大被害だし、『降りてきたら』この星の生命を吸うだろうね
でも私たちにはとびっきりの光の剣がある」
- 52二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 22:59:24
ほ
- 53二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 23:03:29
- 54二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 23:10:28
追記3ですもっと文章を短くしたかった…
「ええ、しかしなぜそのようなことを…」「そこでさっきの裁判の話に戻ってくるの。」「え?」
「裁判なら判決があるでしょ?」「そうですね。」
「で、多分この怪異はその判決を巻き込まれた片方に下させるんだ」「…でもそれじゃぁ…」
「うん、普通ならもう片方の人犯人だとは思わない。」「ええ、あまりにも露骨すぎますし、それに…」
「うん」『キヴォトスの学生は包丁を刺されたぐらいじゃ死なない』
「そもそも包丁自体が通らない。でもこの怪異に巻き込まれた人は『普通じゃない』。」
「なんせ部屋に入った瞬間に『椅子に座らなきゃ』なんて考えちゃうんだから」
「つまりその怪異が催眠、あるいは洗脳が出来ても不思議ではない…と?」「そういうことだね。」
「多分この怪異は入った人間に『椅子に座らなければならない』、調査により証拠を見つけた
人間に『この証拠から罪を犯したのはこいつだ』『罪は裁かなければならない』
という強迫観念を植え付けるんじゃないかな。」「成程。そしてその人、今回は私に罪を裁かせると。」
「うん。そして罪を犯した人への罰として…ちょっとココを見てもらえる?」
「はぁ…えぇっと…灯油?…ッ!?まさか!」「そう。火炙りだよ。」「そんなことをしたら!」
「うん。『死ぬ』流石に無酸素状態で生きられるほど私たちは頑丈じゃない。」「そんな…」
「…まぁいろいろ脅すような事言ったけど、怪異はもうしばらくは出て来ないと思うから
今のところは大丈夫だよ。」
「ああ、そうでした!なぜそのようなことを…」
「『確信を持って言えるのか?』でしょ?まあ何というか…『バグ』のようなことが起こったんだよね」
「『バグ』…たしか虫という意味でしたか?」
「ああごめん。ミレニアムならともかくトリニティにはあまり馴染みが無い言葉だったね。」
「簡単に言えば怪異の在り方に不具合がおきたんだよ。」「不具合…ですか?」
「うん。怪異っていうのは良くも悪くも誰かの認識に影響されやすいからね。」
- 55二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 23:58:14
>>54追記4です 最後です
「この怪異は『①怪異が発生している空間の中に2人の人がいる
②その周りに10脚の椅子があってそこに7人の人が座っている③椅子で囲まれている中心に死人がいる』
この3つの条件で成立している怪異なんだけど、今回のケースはその条件の一部が成立しなかったのが原因だよ。」
「人伝に聞いた話にはなるんだけど、あなたと一緒に巻き込まれたミネさんはけが人がいたら絶対に治療を
行うという信念を持ってるんだよね?」「はい。あの方曰く『救護』だそうですが。」
「まず、ミネさんは部屋に入った瞬間にけが人を目撃した。しかも今にも死にそうになっている
あるいは死んでいるかもしれない状態の。」
「…疑問なのですがいくら遠くても教室の入り口から中央部にいる人なら、まして救護騎士団の団長ならば、
見れば死んでいるかどうかはすぐにわかるのでは?」
「それぐらいの距離からなら明らかに首がなかったり、ありえない方向に曲がっていたならわかるけど、
今回の想定は腹部に刺さった刃物が抜けた時の大量出血による出血性ショックみたいだし
遠目にはわかりづらいと思うよ?」「…やけに詳しいですね?」
「…こんなことをやってるとちょっとね。聞く?」「いいですいいです別にいいです!」
「そうだね~あれはいつ頃の…」「絶対に聞きたくないです!」「冗談だよ。」「はぁ…」
「まぁ仮に死んでいると分かっていてもそんな人なら迷わずに治療をしていたと思うけどね。」
「ああ。それはそうですね。」「あ、認めるんだ。」「事実ですから。」
- 56二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 00:02:57
>>55行数のオーバーにより分割しました。これが本当に最後です
「まぁとりあえず、ミネさんは中心にいる人に治療を行おうとした。それこそ怪異の洗脳を弾くほどの使命感で。」
「えぇと…あんなことを言った私が言うのもどうかと思いますがいくらあの人でもそれって出来るんですか?」
「一応出来るよ。よっぽど何かへの情熱とかが強くて、それに対することのみで脳を埋め尽くすことが
出来るなら…だけど。」「それは…無理では?」「基本的にはそうだね。」
「話を戻すよ?で、どんな治療を行っても人は蘇らない。これは分かるよね?」「はい。」
「それが普通なんだけど、今回の場合は死体を予め怪異が生成していたから、いわば死体が怪異そのものだったの。」
「…なぜそれが怪異の消失に繋がったのです?」「言ったでしょ?『怪異は誰かの認識の影響を受けやすい』って。」
「ミネさんは怪異の作った死体に対して治療を行った。『絶対に生きている』という思いの元」
「その強い認識を受けたことにより、怪異が変質し、その結果、死体役が『生き返った』。」
「はぁ…はぁ!?」「正確には『生きている状態』になったていうのが正しいんだと思うけどね。」
「で、この怪異が成立する条件、覚えてる?」「ええっと確か…『①怪異が発生している空間の中に2人の人がいる
②その周りに10脚の椅子があってそこに7人の人が座っている③椅子で囲まれている中心に死人がいる』
でしたっけ?でもこれがどういう…あぁっ!」「そう。『死体役』が生きているのならば」
「③の条件を満たさず…」『怪異は成立しない』「あり得るんですかそんなことが!?」
「普通は無理だよ。怪異の在り方を歪めるなんてそれこそ10人20人いてもまだ足りないぐらい。」
「でもやってのけたんだよ。ミネさんは。その強い意志で。」
「で、怪異から見ると条件を満たしている筈なのに、死体役が生きているから条件を満たしていないことになる。」
「怪異…『吊し上げの館』はその矛盾を処理しきれず消失したんだ。次に現れるとしたら『死んでいるが生きている』
という状態に対する明確な回答を用意してからになるんじゃないかな?」「は…はぁ」
「まぁそんなもの、もしかしたら千年難題よりも難しいかもしれないけどね!」
「…でももし、それに対しての答えを見つけることが出来たら…」「ああ。それについては大丈夫。」「え?」
- 57二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 00:05:13
- 58二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 00:12:54
乙!30行制限意外とあっという間だよねぇ…
まーそりゃ怪異からしてみれば普通に想像つかないわな…w洗脳突き抜けるどころか真ん中の死体に文字通り飛んでいって治療するとか…w
後、現実では死亡判定は医師がするもんなので、医療関係者が治療始めたら「生きてるんじゃ?」に一般人でも認識が傾くのもそうねぇ
- 59二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 01:51:19
生きているが死んでいる状態…つまり次に出てくる時は人狼ゲームとシュレーディンガーの猫を組み合わせた全く新しい何かになってるということか(違うそうじゃない)
さておき、怪異の条件を利用してバグらせるって正統派な怪異退治という感じがして良いね - 60二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 09:58:12
『吊し上げの館』を書いたものです。
この怪異のモチーフは魔女裁判です。証拠のでっち上げ、火炙り、裁かなきゃという強迫観念などが要素だったの
ですが、もう少しわかりやすくした方が良かったですかね? - 61二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 10:27:01
- 62二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 14:05:21
このレスは削除されています
- 63二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 14:06:38
>>62 すいません。誤字を発見したので削除しました
それならいっそ怪異が消失したからモモイ視点では何もわかんないようにして
後でゲマトリアとかから見た報告書形式の方がそれぽかったですかねぇ。
上手い文章を書くっていうのはやっぱり難しいですねぇ…
- 64二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 19:54:08
七不思議が被るとは思わなかったけど、別世界の話だし、まま、ええわ(白目)
ミレニアム**不思議
No.37564「■■■小学校七不思議」
危険度:SS(SS〜D)
モモイ判定:絶対にこの学校には近付かないこと。特に夜は絶対に!
概要:当怪異はミレニアム自治区内に存在する■■■小学校に起こる一連の怪異群です。
■■■小学校は15年前に廃校になっているものの、校舎は怪異群の霊障により取り壊しが出来ない状態です。
当怪異は■■■小学校が存続していた時期から生徒たちによって噂されていた所謂、七不思議です。
その内容は以下の通りです。
①理科室の走る人体模型
②音楽室の独りでに音楽を奏でるピアノ
③美術室の目が動くモナ・リザ
④3階と屋上を繋ぐ階段が13段に増える怪現象
⑤2階女子トイレの花子さん(トリニティ生の浦和ハナコとは無関係です)
⑥グラウンドで自分の首をリフティングする首の無い男子生徒
⑦【閲覧規制】
以上の7つの怪異の内①〜⑥の怪異は危険性が低く、ただの悪戯好きの幽霊ですが、⑦の怪異は危険性があまりに高く、その怪異に纏わる単語を目にしただけでも深刻な霊障が発生します。
■■■小学校が存続していた時からその存在は危険視されており、夜の学校への立入禁止措置が取られていました。ですが、肝試しに訪れた当時5年生の生徒4名が【閲覧規制】された惨殺死体で発見されたのが原因で■■■小学校は廃校処分となりました。
補遺:カイザーコンストラクション及びカイザーPMCにより計画された高高度爆撃及び遠方からの砲撃による校舎の取り壊しは、才羽モモイの提言により中止されました。
理由としては、■■■小学校の校舎がある種の結界の役割を果たしておりその校舎が破壊された場合、怪異が街に解き放たれてしまう危険性があるとのことです。
現在、■■■小学校の取り壊しは無期限延期されています。 - 65二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 20:19:09
「で、残り2つは?」
こちらを向いて聞いてくる。さっきの圧や冷酷な表情が幻覚だったのかと思える程静かな顔だった。
「えっと、あの時はどうやって怪異を撃退したの?」
私が倒れた時、この少年は、声による圧だけで怪異を撃退した。直接的な干渉もせず、ただ圧をかけただけで、私の周りにいる怪異が消えたのを覚えている。戸惑いを隠しきれていない私を他所に彼は答える。
「あの時?普通に圧をかけただけだよ」
それ以外何があるの、とでも云うように答える。
「でも、圧をかけただけで撃退することなんてできないよ!!!」
彼は視線を少し下にやり目を瞑った。悲しそうな顔が炎に照らされていた。
「誰だって慣れれば出来るさ。怪異を知ればね」
怪異を知れば出来る。魅力的な様に聞こえた。けど、彼の云い方だろうか。危うさを、恐ろしさを孕んでいた。
「生き物だって、危険を感じれば逃げるか、臨戦態勢をとるものだ。それと同じ。怪異に恐怖を与えればいい」
本来怪異にとって、人間は悪戯をする対象だ。それはつまり、怪異は人間に対して、恐怖に近しい感情すら持っていないということになる。『怪異に恐怖を与えればいい』。それはつまり―――
「で、最後の一つは?」
思案と困惑に満ちているであろう私を特に気にすることも無く瞳で捉える。
「あの時云った、『アイツ』って誰の事?」
感情を押し殺し、彼に聞く。倒れる寸前に聞こえた気がした『アイツが出てくる前で良かったよ』という言葉。この人でなければ恐らく幻聴だ。
「隠すことでもないしいいか。えーっと、端的に云えば君に憑いている守護霊みたいな奴のこと」
彼は頬を掻きながら答える。相当説明しづらいのだろう。
「まあ不利には働かないと思っていいよ。ただそいつが出てくると君が動けるか分からない位になる」
現段階で云えるのは其れ位だと、申し訳無さそうに彼は続ける。
「ああ、そろそろか」
ふと、顔を上げる少年。顔を向けずにそのまま、
「まあ、大丈夫だ。僕がやる」
そう云って制服の上から腰に手をあて、スポーツバッグを引き寄せた。その瞬間、あの『呪い』が発動する。
- 66二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 20:26:09
- 67二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 20:33:30
そうだ。『怪異に恐怖を与える』を
わかり易く説明すると、
我々人間に、何の変哲もない紙が『頃すぞ』って云って
それに対して我々が怖がっているのと同じです。
怪異を知る。それはつまり、
『怪異の様に生き、怪異の様にモノを考え、怪異の様に命に向き合う。怪異という、悪戯で命を奪う存在の様に』
さて、この通りに青年が生きているとしたら、
彼はどんな人生を生きてきたのでしょうか。
次回で、少し分かります。
- 68二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 20:35:13
あ、でも紙が喋ったら怖いか。
えっと、そこは考えないで下さい。 - 69こっくりさん 1/824/07/06(土) 20:43:22
8レス頂きまして、拙作を投稿させて頂きます。クソ暑い梅雨の夜、皆様の心胆を寒からしめてやる(使命感)
才羽モモイはミレニアムサイエンススクールにおいて異質な生徒であると言える。
本人の気質としては明るく元気、陽気なムードメーカー。しかし精神的には幼稚な部分があり、セミナーと騒動を起こしC&Cと戦闘をするほどの武闘派であるゲーム開発部に所属している。それを含めても、人に好かれる生徒である。
だが、彼女は所謂「見える」人であった。
人ならざる何か。幽霊。妖怪。怪異。不思議なもの。
そういった、普通は見えないものが見える人であった。
ミレニアムサイエンススクールといえば、学園都市キヴォトスの最先端科学のさらに先を行く科学者たちの学び舎である。そんな中で、「見える人」などという科学と合理の外にある生徒というのは異物であり研究対象でもある。実際、調月リオや特異現象捜査部と色々あったらしい。「もう昔の話だよ」と、本人は言ってはいるが。
閑話休題。
そんな「見える人」なモモイの元には、怪異についての相談事が度々持ち込まれる。
「モモイちゃん助けて!!」
彼女がゲーム開発部の部室に駆け込んできたのは、放課後。ゲーム開発部が活動を開始してしばらく、今日提出期限の書類が提出されてないと早瀬ユウカが怒鳴り込んできた数分後であった。
「えっ、松岡ちゃんどうしたの?」
モモイは四つん這いになりながら答えた。部室の何処かに埋没された書類を探すためであった。
モモイに助けを求めたのは、松岡ヒロミ。モモイのクラスメイトだ。
「ダイチちゃんが! ダイチちゃんがこっくりさんに連れてかれちゃった!!」 - 70こっくりさん 2/824/07/06(土) 20:45:01
城島シゲコ。
国分ダイチ。
松岡ヒロミ。
この3人はモモイのクラスメイトであり、よく3人で遊びに行くほど仲が良かった。また音楽から農業漁業まで、幅広い分野を研究対象とする秀才たちでもある。
そんな3人ではあるものの花も恥じらう女学生でもあるわけで。不思議な話や占い、恋の話に興味津々である。
だからこそ、それらを一気に楽しめる「おまじない」をやろうというのは当然の話であった。
「こっくりさんこっくりさんおいでください」
こっくりさん。
テーブル・ターニングという降霊術の一種である。三人で一つの机を囲み、机の上に置いた十円玉に人差し指をのせて、呪文を唱え続けている。十円玉の下にはA4の紙が一枚。鳥居、はい、いいえ、男、女、零〜九の漢数字、五十音が書かれている。
十円玉を霊が動かして、紙に書かれた文字を示して質問に答える訳だ。
「お、おおっ! 十円玉動いたで!」
少し訛った口調でシゲコが言う。
彼女の言う通り、三人が指を乗せる十円玉が右に左に、前に後ろに蠢いていた。
「うわっ、本当にこっくりさんっているんだ」
そう言うのはダイチであった。
ヒロミがシゲコを見る。
「リーダー、早く質問してみようぜ」
ヒロミが今回のこっくりさんの発起人である。
だが、三人のリーダー格であるシゲコに最初の質問を譲る気配りを見せる。
「い、いきなり言われてもやな……」
「リーダー、今度の数学のテスト範囲聞いてみようよ」
ダイチが提案する。
今度、三人のクラスでは数学の小テストがあるのだった。ちなみにモモイは勉強していない。
「せやな。こっくりさんこっくりさん、今度の数学のテスト範囲を教えてください」
シゲコがそう聞くと、十円玉がずずっ、ずずっ、と動き出す。 - 71こっくりさん 3/8 24/07/06(土) 20:47:16
「動いた!」
「十円玉離すなよ」
ダイチとヒロミがそう言い合う。
そう言っている間にこっくりさんが答えを示す。
「えっと、に、し、か、ん、す、う、く、ら、ふ」
「二次関数グラフ! やっぱそこ出るのかぁ」
「ダイチちゃんはそこ苦手だからな」
「ヒロミちゃんもでしょ」
「ふたりとも僕が教えたるわ」
「それにしても、こっくりさんスゴイなぁ」
「他にも色々聞いてみようよ」
そうして、三人はこっくりさんに色々質問した。
クラスメイトのこと、シャーレの先生のこと、調月リオのスタイルの秘訣。
そうして、聞くこともなくなった頃。三人はこっくりさんを終えることにした。
「こっくりさんこっくりさん、お戻りください」
十円玉は動かなかった。
本来なら、十円玉が【はい】の位置に行ってから鳥居の中に動くはずである。
「あ、あれ?」
「なんか、おかしくない?」
「も、もう一回言うで。こっくりさんこっくりさん、お戻りください」
十円玉が動いた。
だが、十円玉は【はい】の位置に行かずに、言葉を示しだす。
お、み、き。 - 72こっくりさん 4/8 24/07/06(土) 20:49:50
「お神酒!?」
「お神酒が欲しいってこと!? そんなの無いよ!」
ダイチとヒロミが叫ぶ。
こっくりさんが何かを要求するなんて、聞いたことがないからだ。
「ふたりとも落ち着き」
シゲコが二人をなだめる。
ダイチとヒロミからリーダー扱いされているだけあり、冷静であった。
「こっくりさんこっくりさん、お神酒はありません。どうかお戻りください」
シゲコが冷静にそう言う。
十円玉は暫く動かなかったが、また言葉を示した。
あ、ふ、ら、あ、け
「……油揚げ」
誰かが、口に出す。
お神酒、油揚げ。
自分たちの呼び出したこっくりさんは、本当にただの霊だったのかと畏れはじめていた。
「こっくりさんこっくりさん、油揚げもありません。どうかお戻りください」
シゲコが言う。
十円玉は、また、言葉を示した。
ひ、と、り、つ、れ、て、い、く - 73こっくりさん 5/924/07/06(土) 20:51:44
8レスやなくて9レスでした。1レス30行制限なんてあったのね。
「え?」
シゲコから言葉が漏れる。
一人連れて行く。
こっくりさんは、そう言ったのだ。
「え、待っ」
ダイチの言葉は最後まで続けられる事はなかった。
虚空から現れた大きなくすんだ白毛の獣の腕に掴まれたからだ。
「うわあああっ!」
「ダイチちゃん!」
その腕はダイチを掴むと、引っ張り上げる。
獣の腕は虚空に消えた。
ダイチを連れて。
「ダイチ!!」
「ダイチちゃんが! どうしようリーダー!」
普段は頼れるリーダーも、さすがにダイチが良く分からないナニカに連れ去られると考えが纒められなかった。
何をどうすればいい?
得体のしれないナニカ、こっくりさん。
その時、シゲコの脳裏に一つの噂がよぎった。
『才羽モモイは所謂見える人である』
シゲコはヒロミに叫ぶ。
「モモイちゃんや!」
「リーダー!?」
「モモイちゃん呼んできてくれ!」
「え、なんでモモイちゃんを?」
「いいから早く!」
なにがなんだか分からなかったが。
ヒロミはゲーム開発部の部室に向けて走り出した。 - 74こっくりさん 6/924/07/06(土) 20:52:47
「やっちゃったね、三人とも」
ヒロミに連れられて、三人がこっくりさんをしていた教室に来たモモイはシゲコから事情を聞いてそう言った。
「こっくりさんみたいな降霊術は素人がやっても上手くいかないものなのに、三人はうっかり大成功させちゃったんだね」
「大成功なの?」
モモイと一緒に着いてきたミドリが聞く。ちなみにユズもアリスもユウカも一緒である。
「大成功だよ。だって今回来たの神様の遣い、眷属ってやつだろうし」
「お神酒、とか油揚げ、とか要求してたもんね」
「アリス知ってます! お稲荷さんです!」
ユズとアリスが言う。
「うん。お稲荷さん。正確にはウカノミタマって神様の御使い。霊格の高い神様の身内だから、こっくりさんで呼ばれても対価を要求したんだ」
「それで、お神酒と油揚げね。モモイ、どうにかなるの?」
ユウカが聞く。
「必要な物がいっぱいあるよ。お神酒と油揚げもそう。あとはダイチちゃんとの交換材料として山海の珍味、野菜とか果物とかお魚とかが欲しいけど」
「そんなのすぐには……」
モモイの要求に、ミドリがそう言うが。
「あるで!」
シゲコが叫ぶ。
「僕らが育てたお米や野菜は保管してるし、魚も採ってきたのがあるで!」
「自慢じゃないけど質もいいよ」
ヒロミも言った。
「あとは、お神酒と油揚げだね」
ユズの言葉にユウカが答えた。
「あるわよ」
「あるの!?」
モモイが叫ぶ。
「百鬼夜行連合学園との間でドローンを用いた交易取引が実験的に始まって、それであるのよね。お神酒と油揚げ」
「ユウカでかした!」
モモイが立ち上がる。
「よし、すぐに準備しよう!」 - 75こっくりさん 7/924/07/06(土) 20:55:39
モモイ、シゲコ、ヒロミ。
三人で一つの机を囲み、机の上に置いた十円玉に人差し指をのせて、呪文を唱え続けている。十円玉の下にはA4の紙が一枚。鳥居、はい、いいえ、男、女、零〜九の漢数字、五十音が書かれている。
こっくりさんの再演である。
だが、今回は先程とは異なり、他の机の上に山海の珍味、野菜や果物、お米。そして尾頭付きの鯛やヒラメなどが所狭しと置かれている。他にはお神酒と油揚げ。
ミドリ、ユズ、アリス、ユウカは教室の端で見守っている。
「こっくりさんこっくりさん、どうかもう一度お越しください」
三人はそう続ける。かれこれ十分。そうしていた。だが、十円玉は動かない。
「モモイちゃん」
「大丈夫」
シゲコがモモイを心配そうに見る。モモイは短く答える。
「こっくりさんこっくりさん、どうかもう一度お越しください」
だが、十円玉は動かない。シゲコとヒロミが口を開こうとした時。
ぴちゃり、と。
足音がした。
「え?」
誰かが口を開くがそれに被せるようにモモイが叫ぶ。
「全員顔伏せて!!!」
モモイの言葉にただならぬ雰囲気を感じた全員は言われたように顔を伏せた。
それと同時に、教室中に異臭が漂った。
「う……」
ヒロミが呻く。
ぴちゃり、ぴちゃり。
湿った裸足の足音が、モモイたちに近付いてくる。
モモイだけがソレの姿を直視していた。
それ以外の面々は、それの足を見た。パンパンに膨れた脚。小さい子どものような脚だが、膨れている。
そして、青黒く変色していた。まるで水死体のようだった。
それは口を聞いた。
「ちょうだい」 - 76こっくりさん 8/924/07/06(土) 20:58:01
ソレは、教室に並べられた山海の珍味を指差していた。
「ちょうだい」
舌足らずな声でソレが言う。
「これはあげられないよ」
モモイが硬い口調で答える。
毅然としたモモイ、だが顔には冷や汗が流れている。
「ちょうだい。ちょうだい」
「だめ。友だちを返してもらう為のものだから」
「ともだち?」
「そうだよ。こっくりさんに連れていかれたの」
モモイの言葉にソレは嗤いながら言う。
「ともだち、とりかえしたら、ちょうだい」
「……取り返して、くれたらね」
「うん、やくそく。やくそく」
ソレは嗤いながらぴちゃりぴちゃり足音を立てて消えていった。
「ふぅ」
誰かがため息をついたのを皮切りに全員の緊張の糸が切れた。
「お姉ちゃん、今のなに!?」
ミドリがモモイに聞く。
「たぶん、神様」
「い、今のが?」
シゲコが驚いた。
「うん。でも、誰からも信仰されなくなって零落した神様、だと思う。たぶん」
「確信はないの?」
ユウカが尋ねた。
「うん。だいぶ変形してたから」
「どんな顔してたんですか?」
アリスの言葉にモモイが返した。
「まず頭が割れててそこから大きなヒルが出てて」 - 77こっくりさん 9/1024/07/06(土) 20:59:19
「もういいわ」
ユウカが止めた。
あまりに悍ましい姿である。
その時である。
ぴちゃり、ぴちゃりと湿った足音がした。
モモイ以外の全員が顔を伏せた。
青黒く膨れた脚。
だが、今は真っ赤な血で汚れている。
異臭の他に、鉄臭い臭いを漂わせている。
ドサリ、と音がした。
ソレが投げ出したのは、国分ダイチだった。
返り血を浴びているものの、眠っているようだった。
「ダイチ!」
シゲコが叫ぶ。
「ともだち、ともだち」
「うん、ありがとう」
モモイが礼を言う。
だが、ソレは意に介さず続けた。
「ちょうだい、ちょうだい」
「うん、いいよ」
「きゃははは」
ソレは笑いながら山海の珍味に駆け寄ると、むしゃむしゃと食べだす。
あっという間に、山海の珍味はソレの腹に収まった。
「きゃははは」
ソレはぴちゃりぴちゃりと足音と立てて消えていった。 - 78こっくりさん 10/1024/07/06(土) 21:04:50
「ダイチ!」
「ダイチちゃん!」
シゲコとヒロミが弾けたように立ち上がり、眠るダイチに駆け寄ると肩を揺すった。
「ダイチ!」
「う、うーん。……あれ? リーダー? ヒロミちゃんも。どうしたのさ?」
「よ、よかったぁ」
シゲコとヒロミは腰を抜かした。
安心しきった顔である。
「……あ、そうだこっくりさんは?」
「暫くこっくりさんの事は聞きたないわ」
シゲコがそう言うと、ダイチは首を傾げたのだった。
「ねぇ、お姉ちゃん」
あれから。
シゲコたち三人がこっくりさんを密かに行った件について、ユウカが説教をする事になって。
ゲーム開発部の面々は部室に引き上げることになった。
その廊下で、ミドリが姉に聞く。
「ダイチちゃんを連れ帰った零落した神様が鉄臭かったのって……」
「うん、アイツの身体血まみれだったよ」
「血で血を洗う死闘ですね!」
アリスがそう言うが、モモイは首を振った。
「死闘というか、たぶん一方的だったよ」
だって、とモモイは続けた。
「傷らしい傷なかったし、割れた頭から出てたヒルが狐の頭を咥えていたもの。しかも狐が白目剥きながらビクンビクンと……」
「踊り食いです! アリスも今度やってみます!」
アリスがトンチキな事を言った。
「アリス、ヒルだからむしろ踊り飲み? 啜り?」
「お姉ちゃん直すところはそこじゃないよ」
ミドリは阿呆な事をいう姉に呆れて言った。
ユズはそんな光景を可笑しく見ていたのだった。 - 79二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 21:09:04
お稲荷様の眷属が死んだ!この人でなし!
- 80こっくりさん 10/1024/07/06(土) 21:10:19
そんな訳で、拙作「こっくりさん」でした。
皆さん心胆寒からしめましたか?暑気払いとなれば幸いです。
さて、今回出したオリキャラ三人。元ネタはTOKIOの三人でした。
元々は田所、三浦、木村にしようと思ってたけど字面が汚かったからね、仕方ないね。
あとは8レスって言ったのに10レス消費したアホがいるらしいですよ。ごめんなさい。
1000文字以内なら、どれだけ改行してもいいと思ってた。ごめんなさい。 - 81こっくりさんの人24/07/06(土) 21:11:50
しょせんアイツは人間相手に油揚げ要求する腹ペコよ。さらに腹ペコなヤベーやつが来たからね、そら負けるわ。
- 82二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 21:22:17
このレスは削除されています
- 83二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 21:26:02
このレスは削除されています
- 84二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 21:31:42
このレスは削除されています
- 85二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 22:08:27
- 86二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 22:50:48
- 87二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 22:57:03
ブルアカ、キャラのモチーフには神格とかバンバン使う割にそういう術は全然出てこないからな。仕方ないっちゃあ仕方ない。強いて言えば、チセが撃つ弾にはチセ謹製の俳句が書き込まれてるっていう謎設定は流用できそうな気がしないでもない
- 88二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 01:14:25
- 89パンドラボックスの人24/07/07(日) 05:01:17
セミナーとゲーム開発部に連絡を取っていると、エンジニア部のウタハ先輩からモモトークに連絡が入った
「話は聞かせてもらった。アリスも交えて少し話がしたい」
いつの間にか話が広がっていたのだろうかと驚くが協力してくれるなら頼りになるのもわかっていた
エンジニア部室には、セミナーのユウカ、ゲーム開発部全員、ウタハが一堂に会していた
「えっと…確かにおおごとにしようとは思ってたけど、集まりが良すぎない?」
「私が呼んだからよ。まぁ、モモイの名前を出したらすんなり行ったのもそうだけど…」
以前、ミレニアムを巻き込む大破壊怪異騒動で頼ったのは事実だが、その教訓が生きたのか、連絡網が形成されていたようだった
「ともかく!失敗したらミレニアムどころか、この社会が無くなりかねないんでしょ…?だったら予算に糸目をつけていられないわ!」
「予算の件もそうなんだが、時間も惜しいな…というわけで、モモイの提案に全面的乗ることにしたのだ。何、こんなこともあろうかと勝算もある」
「アリスは、みんなのためになるならどんなことだってやります!」
「よーし、その息だ。というわけで、アリスのレールガンをいじるぞ。『こういう時のためにな』」
「…何をする気?」
「いやぁ、聞くところによるとアリスはこれよりも高出力を撃ったことがあるじゃないか。『人工的に再現』するんだよ」
「私はアリスの『光の剣』を使えれば良いと考えていたけど、さらにできるんだ?」
「そう、それこそミレニアムの電力の大半を突っ込むのさ」
「!アリス知ってます!『ヤジマ作戦』です!グレートロボット全戦で見ました!」
「もちろんあれと同じように一筋縄でも行かないし、時間も欲しい。そしてモモイの証言を信じるなら妨害が無いとは言い切れない」
「準備が完了するまでの間、ひたすら防衛してほしいってことだね…」
ユズの言葉にウタハがうなずく
「それなら…あの怪異、空に張り付いてるし、近づいて来たらレンズ越しなら一般人でも見えるから、銃にスコープ付けて狙うのが手っ取り早いかな」
「まるで対空射撃ね…」
「襲ってきてるのはインベーダーだけどね」