虎杖「どうすりゃいいんだ…」

1二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 21:15:55

人外魔境、新宿で迎えた宿儺戦
先発五条悟が世界斬で惨死、後続も勢いを見せず惨敗だった
戦場に響く仲間の断末魔、目の前から聞こえる「小僧お前は本当につまらんな」の声
物言わぬ死体と成り果てる高専一同の中、元宿儺の器虎杖は独り地に伏して泣いていた
高専で手にした強さ、呪術師としての心構え、そして何より信頼できるクラスメイト・・・
それを今の世界で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」虎杖は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、虎杖ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい地面の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、早くみんなのところ行かなきゃな」虎杖は苦笑しながら呟いた
立ち上がって呪力を練り始めた時、虎杖はふと気付いた

「あれ・・・？誰かいる・・・？」
地面から跳ね起きた虎杖が目にしたのは、地平線まで埋めつくさんばかりの術師だった
弦が千切れそうなほどに琵琶が掻き鳴らされ、地鳴りのように単独禁区の応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする虎杖の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「虎杖、何ヘタってんの、早く行くわよ」「こんなときに遅れるなよ、虎杖」声の方に振り返った虎杖は目を疑った
「く・・・釘崎と伏黒？」「どうしたんだ虎杖くん、居眠りでもしてたのかい？」
「あんたは最悪の呪詛師の夏油・・・でも額に縫い目がない？」「なんだよ悠仁、かってに傑を呪詛師堕ちさせやがって」
「五条先生・・・」　虎杖は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
１番手：五条悟　２番手：鹿紫雲一　３番手：夏油傑　４番手：日車寛見＆高羽史彦　５番手：猪野琢真＆七海建人
６番手：内川聖一　７番手：日下部篤也　８番手：京都校一同　９番手：東京校一同
暫時、唖然としていた虎杖だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ！」
這いつくばる真人に黒閃をぶち込み、ボルテージをブチ上げる虎杖、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、新宿跡地で冷たくなっている虎杖が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った