- 1二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 18:19:13
ホシノと先生が兄妹な世界線でのあれこれを語るスレです。
前スレは文豪の皆様が彩り1週間で埋まり7スレ目を突入です!
前スレ
ここだけホシノが先生の妹 その6|あにまん掲示板ホシノと先生が兄妹な世界線でのあれこれを語るスレです。アニメ終わってロスが来てますが6スレ目を突入です!bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 18:20:38
歴代スレ
ここだけホシノが先生の妹|あにまん掲示板兄なのに兄らしいこと全然できてないなかったけど今度こそ兄らしいことができる!って意気揚々に先生として再開したらキレたナイフのホシノがうへうへおじさんになっててショック受けてほしい先生は毎月手紙を送って…bbs.animanch.comここだけホシノが先生の妹 その2|あにまん掲示板ホシノと先生が兄妹な世界線でのあれこれを語るスレです。あちらの立て主ではありませんがまだまだ語りたい人が多そうなので立てさせて頂きました前スレhttps://bbs.animanch.com/boar…bbs.animanch.comここだけホシノが先生の妹 その3|あにまん掲示板ホシノと先生が兄妹な世界線でのあれこれを語るスレです。アニメでホシノの過去話の映像化という燃料が投下されたのでまだまだ語れそうなので3スレ目を立てました。bbs.animanch.comここだけホシノが先生の妹 その4|あにまん掲示板ホシノと先生が兄妹な世界線でのあれこれを語るスレです。アニメもいよいよクライマックスの中で4スレ目を突入です。bbs.animanch.comここだけホシノが先生の妹 その5|あにまん掲示板ホシノと先生が兄妹な世界線でのあれこれを語るスレです。アニメの最終回を過ぎた所で5スレ目を突入です。まだまだ盛り上がって行きましょう!bbs.animanch.com - 3二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 18:25:41
盾乙
- 4二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 18:26:26
主要キャラ解説
・ホシノ
この世界では先生の妹でブラコン。最終章経てからヨスガりそうな気配を出している
兄先生の事は『兄貴』呼び。中学頃までは『お兄ちゃん』呼びだった。今では甘える時に『お兄ちゃん』呼びする。
兄と一緒に行動するからあちこちに交遊関係が広がっている。
・先生
通称は『兄先生』『兄先』。こちらもシスコン気味で「どけ!私はお兄ちゃんだ!」が似合う少女マンガ系長身&結構筋肉質な男。
ホシノとは7~8歳くらい歳が離れている。
妹と話す時だけ砕けた口調になったりする。
昔彼女作って脱童貞したけどフラれたらしい。
本気で怒らせた時の迫力はカイザーや対策委員会、便利屋達さえ怯ませる程。
自分とホシノの兄妹関係が微妙に特殊な事に自覚がない。 - 5二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 18:26:32
たておつ
前スレは早かったね〜 - 6二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 18:27:53
・ホシノ*テラー
このスレの世界と別世界のホシノ。
こちらの世界のホシノと入れ替わる形で潜入し、もう一度兄妹になろうとしてホシノとは壮絶な死闘を繰り広げた。
現在はクロコを一人にしない為、そして自分達の辿ったバッドエンドを迎えさせない為に活動中。
クロコと一緒に兄先生の滅多に帰らない自宅に滞在している。
ホシノとは喧嘩友達みたいな感じになりつつある。
・シロコ*テラー
このスレではホシノ*テラーと行動を共にしている。
たまにシロコと芝関ラーメンでホシノについてちょっと愚痴る仲。
・プレ先
概ね原作と同じだが、例え別世界の自分でも妹をよろしくとは言わないシスコンの鏡。
ホシノテラーと兄先が甘い雰囲気になったらどこからともかく威圧してくる。 - 7二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 18:29:47
・梔子姉
このスレのオリキャラでありユメ先輩の姉で彼女と兄先生が知り合いであり、そこから兄先生はユメ先輩が亡くなった事を聞いた。
キヴォトスの卒業生であり、キヴォトスの学生達の「その後」の象徴。
・ユメ先輩
兄先生が非童貞(フラれた)ネタが出て暫く後に年齢偽って兄先生と一時期付き合っていた可能性が出ている。その場合は先生と(自主規制)していたかもしれない。
エデン条約編にて兄先生が撃たれた手術中にあの世に向かいそうな兄先生を引き留めて現世へと送り返したという。それは本物かそれとも幻か。 - 8二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 18:37:36
・シロコ
この世界ではシロコがホシノに貰ったマフラーは兄先生のお下がりなのでもっと大切な宝物になった。兄先生への好感度は高い。
・アヤネ
やたら兄先生への好感度が低かった事により二人の間の生々しさある空気に少し引いている状態。
ヨスガらないように起動修正させるか、飲み込まれるかは不明。
なんか兄がいるという設定が生えてきた。
ホシノの本気を目撃して兄先生と共に万が一の対策を考えるなど、出番が一番多い。
・ノノミ
幼少期からキヴォトス育ちということもあり男性観が少女マンガから来てるようで小鳥遊兄妹が思い切り好み。それが初期好感度の高さと繋がった。
尚、兄先生の好みが『おっとり巨乳』という噂を聞いて密かにガッツポーズした。
・セリカ
兄先生からは色々危ういからなんかほっとけないとなっており、見守る事も兼ねて兄先生が柴関ラーメンの常連になった。 - 9二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 18:39:28
・ヒナ
この世界では「小鳥遊ホシノになれない」の意味が重くなってしまった。
ホシノを助ける為の兄先生の行動力に感心しているがシスコンとブラコンには宇宙猫。
エデン条約以降はホシノとは友人関係になりつつある。
・便利屋68
ホシノから兄の様子を調べるように頼まれたりしている。
アルは兄思いの妹と思っておりヨスガに気付いてない。
カヨコはさりげなく兄先生へアプローチを気付かれず行っている。
・ユウカ
ホシノからは最初は警戒されているがシャーレの激務からユウカが居ないと兄貴が過労死してしまうとなり、段々と絆されている。 - 10二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 18:39:31
ユメ先輩生存時代にお兄ちゃんがいるってことで話してほしい
ちょうどここのユメ先輩も姉がいることだし妹としての会話をしてくれ… - 11二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 18:45:32
ヤってた世界線だとユメパイセンが一瞬硬直してヤベェとかなったのを
ホシノがイケメンだからね、しかたないとスルーしててほしい
後々ツーショット写真がハイランダーの子から出されて愕然とする前振りの為に
建て乙 - 12二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 18:45:34
・補習授業部
小鳥遊兄妹のヨスガ兄妹ぶりでアズサがそれを一般的な兄妹観である認識しそうになっており、ハナコがどうにか止めようと苦労人化してしまった。
・アリウススクワッド
エデン条約での紆余曲折を経て、小鳥遊兄妹の『お互いに命懸けで思い合う』というヨスガ的な部分を学習してしまった。
そしてサオリは弟が欲しくなった。 - 13二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 19:28:27
- 14二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 19:41:05
- 15二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 20:28:45
- 16二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 20:29:39
そして寝不足の兄を連れて添い寝を強行
- 17二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 20:37:31
仮に兄先が実家に自分の部屋持ってたら、3スレで言われてたピンクのイルカ抱えた涙目の幼少期ホシノが自室訪れるとかありそう
- 18二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 20:52:09
- 19二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 21:30:35
- 20二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 21:31:27
構わん、読ませてくれ
- 21二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 21:32:53
- 22二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 21:37:51
どっちにも良さがあって、昨今の人達はソシャゲの文章慣れしてるのもあってキャラの会話+SEっていう構成に慣れてるだろうし、単純に情景の想像力を自分で補える分気持ちがいいなって思ったのよ。
んで対して地の文は情景からキャラの心情まで事細かに説明する分、そこら辺の想像が少ししにくい人達には丁度いいガイドでシーンをイメージしやすいなって思って、結局どっちがいいのかめちゃくちゃ悩んでまする。
まあ、どっちも好きだからどうってわけでもないけど
- 23二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 21:43:55
私も思いっきり小説(ラノベ)のノリでSS書いてるから先達がいてくれるなら大変ありがたい。参考になる
というわけで書けー! 出せー!!(豹変) - 24二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 21:46:01
- 25二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 22:00:09
悪い言い方になるかもしれないけど、自分の思うままに書いたものを雑に投げれるのがSSの魅力の一つなんだし難しく考えずにとりあえず書いたら投下してみればいいのよ
自分も似たようなこと考えて躊躇ってたけど、開き直って地の文付きの長めのSS投げてみたら♡付けてくれる人はちゃんといたし書く側が思ってるよりも読んでくれる人は案外いるもんよ
- 26二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 22:00:43
いや、たぶんノノミが「スゴイネー(棒)」枠じゃないか?
恐らくユメ先輩は最初は熱心に聞くけど5分経って、(結構出るな…)って思い始めて30分辺りから(これまずいかも…)となり2時間後には(ひぃん、ホシノちゃんが止まらない…)でべそかきはじめて最終的に日没ごろには机に突っ伏しててそれ見たホシノが我に返ってようやく止まる
- 27二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 22:07:33
兄妹ものでは定番だけどホシノが「兄貴が過保護で鬱陶しくてさ~」なんて愚痴風自慢をしてたらたまたま扉の向こうとかで兄先が聞いてて距離を置くようになった兄先にホシノがガチ泣きして仲直り後は今まで以上にベタベタくっつくみたいなシチュ好き
- 28二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 22:20:16
――シャーレオフィスにて
カタカタカタカタカ…ッターン
”………ユウカ、最後の書類確認をお願い。”
「分かりました。……これで大丈夫です。一通りの事務処理は終わりましたね、先生。」
”よし!よし!よし!もう仕事ないよね!?仕事作ってるとか無いよね!?”
「えっ…まあ、無いですし、私も5徹はしんどいので流石に休みたいです…。いったい何をしたらこんなに仕事が溜まるんですか?」
”もう、こまけぇこたぁいいのよ!さあ!それぞれの家に帰ろう、ユウカ!暖かいお風呂とご飯とベッドが私たちを待ってるよ~!”
「そうですね。私もノアがご飯作ってくれてるみたいなので急いで帰りましょうか」
「それじゃ、先生今週もお疲れ様でした!」
――兄先自宅にて
ガチャッ
”ああ、ようやく帰ってきた愛しの我が家…!”
「ありゃ?お帰りお兄ちゃん~、今日は珍しくこっちなんだね?って顔やっば!どうしたのそれ…ってお風呂場に行っちゃった…」
ザアーッジャバジャバジャバ
”フゥーッ!風呂最高!”
「……うへぇ、こりゃ仕事で寝てないな?ほんと無茶するんだから。お風呂で寝ちゃダメだよ~!」
数分後
”……寝る。しんどい。無理。”
「お!ちゃんと寝ずに出てきたね~。偉いよ~お兄ちゃん。」
”ホシノ抱き枕になって”
「うへ、ちょっと寝なさすぎで壊れちゃ――」
そのまま抱きしめながらベッドに寝ころび、入眠
「――は?ちょ、ちょちょっとお兄ちゃん!?起きて!?ちょいちょい!」
”ぐぅ……スゥスゥ”
「――嘘でしょ…。こっちの私毎回これしてんの?羨ましいとかの次元超えてるんだけど。」
「……お兄ちゃんに抱き枕代わりにされたの久しぶりだなぁ。今回は役得って事で許してよね。」
ポンポン
「よしよし、よく頑張ったねお兄ちゃん。私はちゃんとここにいるから安心して寝てね。」
ホシノのつもりがテラーになっちゃった。どうしよう。 - 29二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 22:25:58
- 30二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 22:30:08
- 31二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 23:19:15
SS乙
後々このことを知ったホシノがめっちゃ拗ねて同じことを兄先に要求しそう - 32二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 23:52:32
「うへへ、いや~昨日お兄ちゃんに情熱的に抱かれちゃってさぁ?一晩中離してくれなかったんだよね~」
「そういう嘘いいから…兄貴がそんなことする訳ないじゃん」
“………”
「…兄貴?嘘だよね?ねぇ、こっち見てよ兄貴」
“いや、違うんだよホシノ…間違ってはないけど間違ってないだけというか…”
(私(こいつ)の焦り顔も見れたしそろそろネタばらししようかな?)「あっちなみにだけど~…
「ふーん間違ってはいないんだ…分かったよ兄貴、ちょっと時間貰うよ?私(こいつ)にやったこと私にもやってもらうから」
“ちょ、ホシノ落ち着いて…首根っこ掴んで自室に引きずっていかないで…っていうか力強っ!?”
こうして兄先はホシノに喰われた
一線を越えた後に勘違いだと兄貴に説明されたホシノはちょっとだけ申し訳なさそうにしてたけどそれ以上に幸せそうな顔をしていた
みたいなif電波を受信した - 33二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 02:06:03
カイザー理事の企みを挫き、ホシノを救出し日常が帰ってきたある日のアビドス高校
「それにしてもあの時の先生は凄かったわね……」
「そんなに凄かったの?あの時の兄貴」
雑談の話題になったのはカイザー理事に啖呵を切ってみせた先生、ホシノの兄についてだった。
「先生からあんなプレッシャーを感じるとは思わなかった」
「風紀委員会や便利屋の皆さんも気圧されてましたからね……」
「ふふ、愛されてますね~ホシノ先輩」
「うへ!?きゅ、急に何言い出すのさノノミちゃん!?」
穏やかに流れていく時間。その時間を終わらせたのは……
「でもあの時、先生がお兄ちゃんがいたらいいなって思っ「駄目」ホシノ先輩……?」
「絶対に駄目」
「いや、ただの冗談……」
「セリカちゃんは妹力が高いから冗談にならないの」
「妹力って何ですか!?」
セリカの冗談とその冗談に対して想像以上のガチなリアクションを返したホシノだった。
「よかった……ホシノ先輩と先生、本当に仲直り出来たみたいですね」
「ん、仲が良いのはいいこと」
「そうですね~……」
その二人は微笑ましく見つめるノノミ、シロコ、アヤネ。
そして詰め寄られるセリカを不憫に思ったシロコとアヤネが二人を止めようと動こうとしたとき
「……ふふふ♧」
「「ノノミ(先輩)?」
ノノミから聞こえた何かを企んでるような笑いに思わず動きを止める二人、そして…… - 34二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 02:07:06
「でも以前セリカちゃんが間違えて先生をお兄ちゃんって呼んだ時、あげてもいいって言ってましたよね~♧」
「うへ!?」
「ノノミ先輩!?」
ノノミによって爆弾が投下された。
「い、いやあの時は私もどうかしてて……」
「私も昔からお兄ちゃんが欲しかったんですよね~♧」
「え……」
「だからあの時私も立候補しようかなぁって思ったんですよ♧」
(楽しそうですね、ノノミ先輩……)
(いつものじゃれ合いの範疇かな)
(これノノミ先輩がホシノ先輩をからかってるだけよね……)
もちろんノノミはホシノをからかっているだけであり、シロコやアヤネは勿論途中でセリカもそれを理解できたため止めようとはしなかった。
彼女たちにとって想定外だったことは……
(あの時は私もおかしくなってただけで……でも兄貴に酷いことをしたのは事実だし……)
(あんな醜い私よりもノノミちゃんみたいな子のほうがお兄ちゃんも……)
「……」
「ホシノ先輩?」
じわ……
((((な、泣いてる?))))
「ノノミちゃん!!」
「きゃっ!!」
「私からお兄ちゃんを取らないで!!」
「ええ!?」
ホシノがその時の言動を彼女たちの思ってた以上に気に病んでいることだった。
- 35二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 02:10:26
「お、落ち着いて下さいホシノ先輩!からかっただけ……」
「もうこれ以上私から大切な人を取らないで!!」
「ちょ、揺らさないで……!!」
「落ち着いて下さい、ホシノ先輩……って力強っ!?」
「思ってた以上にあの時のこと気にしてたんですね、ホシノ先輩……」
「ん、これ以上はノノミがまずい。ホシノ先輩を切り離して落ち着かせる」
「は、はい!!」
(でも今のホシノ先輩を落ち着かせるのは先生だけな気が……ね、念の為先生に連絡しておきましょう)
その後ホシノを切り離すのには成功したもののアヤネの予想通りアビドスメンバーではホシノを落ち着かせることが出来ず
アヤネの連絡を受けて飛んできた先生に抱きつき、甘えさせることでようやく沈静化に成功
助けられたノノミは「もう二度と先生を使ってホシノ先輩をからかわない」と決めた。
なお余談だがこの日の夜、ホシノはこの時の自分の言動と兄に甘える自分を見つめる後輩達の生暖かい視線も思い出し
ベッドを転げ回りながら結局一睡も出来ずに朝を迎えることになった。
前スレ46の「間違って先生をお兄ちゃんと呼ぶセリカとそれに対してあげてもいいと返答する和解前ホシノ」のネタを見て思いついたネタ。出来れば前スレで投下したかった……
- 36二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 07:26:23
SS乙
ホシノはかわいいなぁ! - 37二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 07:29:54
今後寝る時に兄先に対して妹面するノノミちゃんな悪夢見るようになるんだよね…
- 38二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 08:13:23
このレスは削除されています
- 39二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 08:16:35
ss感謝
割とトラウマになってるの草 - 40二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 10:53:32
- 41二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 14:05:33
- 42二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 15:15:06
シナシナになったホシノがヒナに慰められるのは草
- 43二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 17:29:02
SS感謝ァ
焦るあまり妹モード発揮するホシノ可愛いねぇ - 44二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 18:05:03
そのうち退行して泣き出す
- 45二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 18:29:02
うへ〜先輩としての威厳がマッハで消えてってるよ〜
- 46二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 19:08:30
久々に友人に会いに行ったらシナシナになってるとかヒナもびっくりだろ
- 47二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 19:10:37
しばらく甘えまくるホシノ なお先生ガチLOVE勢
- 48二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 20:19:41
- 49二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 20:24:11
ここのホシノはエデン編の二回目のアズサとサオリ一騎打ちの時普通に兄先ついていくし、兄先の大人のカードからは絶対ホシノが出てくる
- 50二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 20:46:10
- 51二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 20:55:48
- 52二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 21:30:52
- 53二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 21:34:34
飲食店にておまけでホシノサクサクを出された時の三者の反応
「無理だ…妹を食べるなんて…俺にはできない…」
アニキノオカゲデタスカッタ!
兄先の場合:救出
「えぇ…?おじさんサクサクになっちゃったの?…とりあえずこれはいいや」
デキタテサクサクダヨ~
ホシノの場合:困惑→放置
「食べられるだけでみんなの役に立てるなんてこのおじさんは幸せ者だね~」モグモグ
テラーの場合:摂食 - 54二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 22:18:48
- 55二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 22:34:53
自分とほぼ同じ見た目の食材?を出されて困惑するだけで済むホシノもよく考えたらけっこう凄いのでは?
- 56二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 22:55:45
台詞を見るに自己肯定感が低いだけな気がする……
- 57二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 06:42:51
悪夢見てて草
- 58二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 07:34:31
どういうことなの……?w
- 59二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 08:12:51
人の心アビドス砂漠にでも埋めてきたんか?
- 60二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 15:30:52
- 61二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 17:11:44
そうだったとしても、どうせそのうち威嚇し始めるよ
- 62二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 17:14:12
- 63二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 17:17:02
- 64二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 18:11:10
- 65二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 18:13:36
この絶妙さが全てと言っても過言じゃない
下手に90以上だったりしたら一線超えたR-18スレになっていただろう
逆に普通の仲良し兄妹だとここまで伸びなかった可能性もある
全ては一線は超えず、かと言ってもインモラル到達の危ない兄妹感が原因
- 66二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 19:21:42
確かに健全とは言い難いけどソッチ方面にするには少々足りないって言うなかなか面白い数値だよね
- 67二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 19:45:51
- 68二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 20:06:16
仕方ねーだろ仲直りしたと思ったら兄貴が銃で撃たれるし、別世界の自分に兄貴を盗られかけたんだから
- 69二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 20:08:18
- 70>>6724/07/10(水) 20:31:15
- 71二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 20:34:13
このスレの設定でメインシナリオ進んだ場合をプロット風に並べてみたことあるけど、ホシノが何かしら決意を新たにするたんびにそれを台無しにするイベント起こりまくってて笑い事じゃないけど笑っちゃうんすよね
この世界はあれですか、ホシノにはやくヨスガに目覚めるんだ間に合わなくなってもしらんぞーっ! とかやってらっしゃる??? - 72二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 20:36:08
- 73二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 20:38:45
- 74二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 20:39:44
初期だとただの兄妹概念だったはずなのに原作以上にホシノの尊厳が破壊されてるのまじでヤバイ
- 75二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 20:54:02
- 76二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 21:10:48
兄先生、ホシノ救出の時にカイザー基地(アビドス本校舎跡地)で理事との会話入った辺りでその辺の机か椅子の残骸かデカい三角定規を投げ付けてセリフキャンセル入れそうなイメージある
"うるさい"(椅子を投げる)
"黙れ"(机を投げる)
"さっさとそこを退け!"(三角定規手裏剣) - 77二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 21:10:53
この世界線の何が酷いって、先生がほど良く妹とスキンシップできるぐらいには大人もだいぶマシだし
生徒達も大分マシだろうけど、くっつこうがハメようがそれで幸せになる事は絶対ないって言いきれる世界だという
- 78二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 21:12:44
当然ありですねぇ!
後外の世界から付き合ってきたキヴォトスでは馴染みのないオタクトークで盛り上がる二人もありかもしれない。
「ヒナちゃんって月を背景に戦う姿が似合うと思うんだ」
『確かに』
「二人共何を言ってるの?」
「ヒナちゃん、デストロイヤーだけじゃなくて鎌も持ってみない?」
「なんで鎌……?」
『いやデカブツ銃器と羽繋がりで、羽の種類は違うけどツインバスターライフルもいいかもしれない』
「それも様になりそうだねぇ」
「ツインバスターライフルって何!?」
>最終章序盤でテラーに制圧され入れ替わられる。代わりに守護ってあげる宣言
きっとこの時「キヴォトス崩壊の引き金を引いたのは自分(ホシノ)」って言われた上に誰も入れ替わったことに気づいてくれなくて、一度心が折れるんだよね。
でも兄がテラーが偽物って気づいてくれて「自分相手でもお兄ちゃんは渡せない」って復活するんだ。
- 79二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 21:17:14
仲良し兄妹のアレコレも先生とのイチャコラも曇らせも楽しめる概念
- 80二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 21:18:53
- 81二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 21:20:51
- 82二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 21:22:31
- 83二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 21:38:53
パヴァーヌ編・カルバノグ編・百花繚乱編は相対的に平和(探せば曇り要素見つかるかもだが)
対策委員会編・エデン条約編・あまねく奇跡の始発点ではホシノの心を全力で圧搾しに来るメインシナリオ布陣
どんなシーン描写しても脳裏に「※ネタバレ:●●編で××します」って過るのホンマ……(顔を覆う) - 84二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 21:43:38
ユウカは普通に経済面から止めるのに対しホシノは自分が構ってもらえる時間が減るから止めようとするのか…やり手ですなぁ
- 85二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 21:46:59
- 86二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 21:48:16
- 87二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 21:50:16
- 88二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 21:52:39
- 89二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 21:57:03
- 90二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 21:58:50
あまりにも罰が重すぎやしませんかねぇ…
- 91二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 22:03:44
- 92二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 22:06:39
なお法よりも愛を、一度は世界よりも兄を選んだテラー
”だが待ってほしい、アリス救出時にアバンギャルド君に対抗するためにもこちらも巨大ロボを用意する必要があるのではないか?”
”ほら、開発部とかシャーレのチェンバーとかならガ●ダムとかマジ●ガーとかバーチャ●イドとか作れそうじゃない!?”
- 93二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 22:16:11
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- 94二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 22:16:20
いっそのことホシノに「私が兄貴と結ばれたって誰にも迷惑かけないじゃん」って近親相姦上等で開き直って常に兄先の傍にいる強さがあればここまで曇ることも無かったのかな…
- 95二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 22:27:07
アリスの光の剣をみて「カラサワだ!」って興奮するホシノ……?
- 96二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 22:27:40
でもそのうち黒服辺りから「キヴォトス人と普通の人間では近親交配しても生物学的には問題無い」とか言われそう
とゆうか、そう言っておじさんの理性をグラグラにして欲しい - 97二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 22:35:02
けどバイクなら後ろに乗せて貰って密着できるからOKする可能性がある
- 98二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 22:39:21
「…小鳥遊ホシノ。――兄妹、姉妹というのはそんなにいいものなのか?」
「……へ?」
昼食を持ってきてくれた仕事仲間、錠前サオリにそう問われて私は固まってしまった。
どこからどう伝えようか。お兄ちゃんの良さから?いや、兄妹、姉妹の良さを聞いているのだから今は関係ないか。まあ、お兄ちゃんの良さもおいおい全部丁寧に教えるとしてどう説明したものか。
そもそも、どうして私がサオリとバイトをしているのかというと昨夜まで遡ることになる。
「……うん、そろそろマズいかも」
シロコちゃんが家計簿をつけながら頬杖を付きながらため息をつく。
「どうかした?もしかしてお金がないとか?」
「うん、その通り。少し遊び過ぎたから今月は私の稼ぎだけじゃ厳しい。」
思い当たる節がある。シロコちゃんと遊びに行きつつ、『私』と兄のデートの監視。シロコちゃんと最近見つけた綺麗な景色でピクニックとか、ゲームセンターに行ってUFOキャッチャーで鯨と狼のぬいぐるみを取ったり、ゲーム開発部の子たちが出したゲームソフトを買ったり等々。…いや、監視はともかく普通に豪遊しすぎでは?ともかく、そのせいでお金が無いらしい。
「お金が無いなら悪徳銀行を襲えばいいじゃん。今から行く?」
「…それはダメ。先生に怒られちゃう。」
『こんな方法に慣れちゃうと…ゆくゆくは、きっと平気で同じことするようになる』そう言ったのはホシノ先輩だよ、と諭されてしまった。耳が痛い。そういえばそんな事を言った覚えはある。そして、シロコちゃんはそれに、と続けて
「先輩はお金を入れてくれない。住む場所を見つけてくれたのは感謝してるけど、それとこれとは話が違う。日がな一日先生と『こっちの先輩』の様子を盗み見してるだけ。正直穀潰しに食べさせるご飯はない。」
まるでダメダメな住人にぶつけるが如きお言葉の数々。反論したいところだが、心当たりしかないので返す言葉もない。まったくもってその通り。身に染みる思いである。
「そして、そんな先輩の為に仕事を見つけてきた。明日はここで日雇いバイトしてきて。日給は7万クレジットで仕事内容も含めてかなり割りがいい仕事。頑張って。」
「うへ…準備良すぎない?絶対狙ってたでしょ…。」
……おじさんは強かに育ってくれてうれしいよ。そんな要領が良い後輩に紹介された日雇いバイトにサオリもいて今に至るのである。 - 99二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 22:41:04
そして話を現在に戻して昼休憩中。なんと説明したモノか。そう悩んでいるとサオリが続ける。
「小鳥遊ホシノ、貴方は先生の話をする時は楽しそうに、恥ずかしそうに話していたと思うと途端に心配したり、怒ったりしている。本当に愛おしそうに話してくれるんだ。…だから気になったんだ。」
「私には兄弟や姉妹と呼べるものは無い。…近しい者ならいるが正確には該当しないだろう。故に先生と兄妹である貴方なら教えてくれるのではないかと思ったんだ。」
迷惑だっただろうか?と少し困った顔で言われる。…この物言いは兄に似てるところはある。嫌なわけないって分かっているのに、あえてそう言ってくる。ともかくずるい、それに何というかお姉ちゃん味がある。おそらく近しい人はきっと妹なり弟なのだろう。であれば分かりそうなものだが、自分以外の兄妹、姉妹というのもある種珍しいので少し聞いてみることにした。
「うへぇ、迷惑じゃないけど……そうだなぁ。質問で返しちゃって悪いんだけど、サオリちゃんはさ、その兄弟や姉妹に近い人がいるんだよね?その人達を普段どんな風に想ったり感じたりするの?」
「私の場合か?…そうだな。」
そう言うと思案しながら、ゆっくりと答えてくれる。
小さい頃から戒野ミサキ、槌永ヒヨリと共にストリートチルドレンのような生活をしていた事。それから秤アツコという子と知り合った事を話してくれた。
ミサキは自殺癖があり、目を離せない手の掛かる子だと。そして彼女がそうなった一因は自分にも責任がある。だけど、それだけで面倒を見ているというわけでなく、一緒に生きていたいから。あの子にもきっと様々な未来があるのだと、なりたいものになってもいいのだとあの時のサオリでは言えなかった事をお兄ちゃんが言ってくれたらしい。ミサキが『この先』どんな選択をするのか隣で見届けたいし一緒に選んでいきたいと思っている事。
そしてヒヨリは引っ込み思案で小心者だけど、特に打たれ強い。自分にはない良さがある。なんだかんだ強かで自分たちの中では一番人生を楽しんでいそうな事。卑屈なところもあるがやる時はしっかりやる出来る子だが、頼まれると断れない性格のようで、少し心配らしい。最近よく読み物を書いてるらしいのであの子が何かを生み出したのであれば、共に分かち合いたいと。
- 100二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 22:42:50
「姫……秤アツコというんだが、アツコとの出会いは少し特殊なんだ。」
アツコに関しては、こっちの世界で兄から聞いた覚えがある。特別な血統の女の子で、その血統故に大人に利用されていたらしい。兄が助けてくれなかったら世界の色も知らぬままにこの世を去ることになっていたかもしれないと。
知り合ったころからアツコは少し不思議なところがあった。こちらをからかうような事を言ってくると思ったら、隣に寄り添ってくれる。心優しい子なんだとか。エデン条約の一件の後は自分を縛る枷が無くなって色んな事に興味を持ち始めたようで様々な事に挑戦しているらしいと誇らしそうに言っていた。ミサキもヒヨリもアツコもみんな私の自慢の子達だとも。
そして、最近アツコちゃんは兄と一緒に花壇を始めたと教えてくれたらしい。……いや、何も言うまい。『こっちの私』に知られるとちょっとこじれそうだし、お兄ちゃんにちゃんと説明しとくように言っておくか。
「こんなところだろう…。どうだろうか?聞いててあまり楽しいものではなかっただろう?」
「そう?おじさんは幸せそうなサオリちゃんの顔が見れて良かったよ?」
そうか、と照れたように頬をかいていた。その通り、楽しくないわけない。なんならもっと聞きたいくらいだ。
それにしても他人のそういう話はあまり聞かないのですごく新鮮だった。どこか心が温かくなる。それも話している本人が一番幸せそうに話すのだ。なおの事だろう。
「さて、次はおじさんがさっきの質問に答える番かな?」
「そうだな、よろしく頼む。」
「兄妹が良いものかっていう問いに関しては、率直に言ってすごく良かったよ。おじさ――私は『お兄ちゃん』の妹で良かった。本当に。」
小さい頃に結婚の約束したときもあった。ダメな事の分別もない頃だったから、しちゃいけないなんて分かってない。それでも真摯に向き合ってくれる兄だから。心の底から好きで、愛おしくて、でもお人好しで危ない事を断ることのないあなたが心配だった。
「本当に好きだったんだ。何をするにしても後を付いていったりしたっけ。いつの間にか染みついていた口癖もお兄ちゃんから伝染したものだったらしいしね。困ったことがあったらすぐ助けてくれたし、私が助けてあげることもあったなぁ。きっと、私がお兄ちゃんを心配だったように、お兄ちゃんも私の事がすごく心配だったんだなって。」
- 101二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 22:44:11
「それにね、たまに見せる子供みたいな笑顔が好きだった。ゲームをして勝つと大人げないけど、子供みたいにはしゃいだりしてたなぁ。逆に負けるとね、不機嫌になったりしたっけ。」
「そうなのか。意外と可愛らしいところがあるな。」
「でしょ~?そこがまたいいんだよねぇ~。」
クスリとサオリが笑う。あまりそういった側面を見る前に別れちゃったんだろうし、普段の生徒ファーストだけ見てると想像つかないだろうなぁ。……いや、ちょっと審議で。
時々、『私』以外の生徒に結構過激な事してるみたいだし何とも言い難いか。それは置いておいて今は私たちの話だった。
「それであまりにも機嫌が悪いとご機嫌取りでお兄ちゃんの胡坐かいてるところにすっぽりハマってあげるんだ。そうするとギュッとしてきてねぇ、途端に機嫌が良くなるんだよね。」
「ほう、兄妹というのは意外とスキンシップが多いのだな。」
「大体の兄妹こんなもんだと思うよ?」
そうか、と神妙な面持ちでうなずいている。
私だって、不機嫌になる時はあるし、そんな時は抱きしめて頭を撫でてくれていた。それが堪らなく気持ちよくてわざと不機嫌を装ってみたりして撫でてもらったりしていた。きっとわざとそういう風にしていたことはバレているだろうし、しょうがないなぁと言いながらしてくれるところが本当に愛おしかった。どうしようもない程の大きくなっていく想いを優しく包んでくれる。兄のその大きな優しい両手が本当に大好きだった。
「……今でも思うんだ。何か、ボタンの掛け違いがあれば私たちは今でも――。」
おもむろに指輪を撫でる。後悔なんてない。きっと『私』は貴方を選ぶ。どんな時でも何があっても。『お兄ちゃん』もきっと『私』を選んでくれると自然と確信できた。
でもきっと、『こっちの私』と『こっちのお兄ちゃん』は違う選択をすると思う。でなければ、こんな奇跡みたいな日常を何度も取り戻せるはずがないから。
「……今でも、なんだ?」
「ううん、何でもない。……ほら、もうすぐ休憩時間終わっちゃうしササっとご飯食べちゃお!」
「そうだな、ありがとう。いい話が聞けた。妹は既にいるみたいなものだからな。弟が、私も欲しかったな。」
「そっか。いないものは仕方ないし、その子達を大事にしてあげなよ?」
その日、家に帰るとシロコちゃんが豪勢な晩御飯を作って待ってくれていた。
- 102二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 22:45:42
今日アプデの日で且つ仕事が休みだったのでSS書いてたらとんでもない文量になったので半分だけおすそ分けです。
クロコちゃんはいいお嫁さんになるので先生、テラーとクロコちゃんとアビドス全員もらってもらえませんかね? - 103二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 22:53:47
ss感謝!文豪に感謝!
こうして関係が広がっていくのか - 104二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 23:17:05
- 105二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 23:27:25
2スレ目辺りに出されてたSSの時点で『兄とエッチするなら他をうまく扇動して共有するのが一番』ってのはわかってるし
テラーにしても『ゾンビの群れのその他大勢』でするのはコレジャナイと思ってる上で
『好きは好きだけどエッチしたいのかしたくないのか、兄が『先生』だからそう思ってるのか兄だからそういう感情を抱いているのか』
を整理しきれないのがヨスガ度79という醍醐味なんじゃろうな - 106二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 23:29:58
うわ、キャラスト読んでて気が付いた!金額表記円じゃん!
もう終わりじゃんね… - 107二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 23:41:43
- 108二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 06:46:20
良質なSS誠に感謝
なぜかこの概念だとクロコの嫁力がどんどん上がっていくな
良き - 109二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 07:24:55
未来の旦那さんに「(嫁力は)先輩のお世話で鍛えた」ってするクロコ奥様?
- 110二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 08:02:20
「アヤネちゃん、おじさんそろそろ兄貴離れしようと思うんだ」
「兄貴…先生離れってことですか?いいことだと思いますよ。先輩と先生の距離が近すぎるなって思ったこと、正直一度や二度じゃありませんから。それで、具体的にはどういうことをするつもりなんですか?」
「うへ、アヤネちゃんって妙に目敏いし気になってるのかなとは思ってたけどそこまでかぁ。まあ一先ずは会いに行く回数を減らすところからかな。あと兄貴に色目使う子たちに牽制するのもちょっと控えるつもり。」
「――なんか思った以上に真っ当な案で逆にビックリですね…週6で行き来してて気づかない人がいたら目か頭の病院に行くべきですよ。それと他の生徒に「おじさんは兄貴にオムツ代えてもらったこともあるよ?」とか言ってたあれって牽制とかいうレベルなんですか?」
「いやぁ、言葉だけで収めてるうちは牽制でしょ?おじさんが本気出したら兄貴に近づく泥棒猫は問答無用で排除だよ?」
「まあいいですけど…あっ先輩、先生離れするならこれからは先生のじゃなくて自前の制服のシャツを着てくださいよ?ブカブカのワイシャツ着てるのずっと気になってたんですから。」
「えっ」
「えっ?――い、いやいや…先生離れをするんですよね?だったら先生の服を着るのもやめるんじゃないんですか?」
「うへ~何言ってるのさアヤネちゃん、兄貴離れと兄貴の服は関係ないでしょ?」
「――わ、分かりました。物事には段階というものがありますし、服はとりあえずそのままでいいですけど…。じゃあ添い寝!先生によくしてもらってる添い寝はもうやめるんですよね!?」
「んも~アヤネちゃんったらさっきから何言ってるのさ~添い寝はおじさんが頼まなくても兄貴の方からやってくるんだからノーカンだよ?」
「元々は先輩からあれこれと理由を付けて頼んでたのが習慣化してるだけで元凶は先輩ですよね!?というか先生にやめてほしいって言えば済む話じゃないですか!」
“やあホシノにアヤネ、喋り声が廊下まで聞こえてたよ?”
「おはよ~兄貴、ちょうど兄貴の話をしてたとこだよ?」
「あっ先生…すみません、ちょっと熱くなり過ぎてました…」
“私は別に構わないけど…何かあったの?もしかして喧嘩とか…”
「それがかくかくしかじかでさ~」
“なるほど、ホシノの私離れについてね…” - 111二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 08:02:31
「なんでそれで通じるんですかとか今更突っ込みませんからね?というかそもそも先生がもっと先輩に対して毅然とした態度で接していればですね…」
「うへ~兄貴にまで説教が始まっちゃったよ~」
“――いや、アヤネが私たちのことを本気で心配してくれてるってことはよく理解できたよ…ここは私も心を鬼にしてホシノの私離れに協力しよう。”
「ほ、本当ですか!?よかった…先生なら分かってくれると信じて…」
“とりあえずハグの回数を1日10回までに抑えようと思う。”
「―――あの、何を言ってるんですか?今ハグって言いました?初耳なんですけど。」
「兄貴…本気なんだね…」
“うん、他ならぬホシノのためだからね。とても辛いけどお互い頑張ろう。”
「兄貴…うへ、わかったよ。でも急に厳しくしても逆に続かないって言うし、まずは一日20回くらいでいいんじゃないかな?」
“むむ…確かにそれもそうか…正直なところ自分でも10回は厳し過ぎるかなって思ってたんだ。という訳でアヤネ、一先ず1日のハグを20回までに抑えることにしたよ。辛く厳しい戦いになるけど、どうか私たちを信じて温かく見守っていてほしいな。”
「………ワカリマシタ。オフタリトモ、ガンバッテクダサイネ。」
「じゃあ兄貴!早速…ぎゅー」
“今日はあと19回だからちゃんと数えておくんだぞ?ホシノ”
「うへ…カウントは明日からでいいでしょ?今日は気兼ねなくハグできる最後の日ってことでいつもより多めに兄貴分を補充しておくべきだよ」
“それもそうだな!いやぁホシノは賢いなぁ、こんな妹がいるなんて俺はキヴォトス一の幸せ者だ。”
「うへへ、キヴォトス一の幸せ者は私だよ?そこは絶対に譲らないからね?」
「――私、お邪魔でしょうから外に出てますね…お幸せな似た者同士仲良くやっててください…」
「いや~そんな、お似合いの兄妹だなんて…」
「言ってません!失礼します!!」
「あっアヤネちゃん、ホシノ先輩と先生見てませんか?久しぶりに皆で柴関ラーメンに行こうって話になったんですけど~」
「ノノミ先輩、先生たちはお取込み中なので入らない方がいいですよ…スマホに連絡だけ入れて先に行ってましょう…」
「あら~、あの二人も飽きないですねぇ…まあ先輩が幸せそうならそれでよしとしますか☆」
「よしと…していいんでしょうかね…?」 - 112二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 08:02:41
みたいな感じで湿度の欠片もないキヴォトスでシスコンブラコンを拗らせすぎて頭悪くなった先ホシ兄妹とそんな二人に振り回されるアヤネというギャグ概念もたまにはあっていいと思うんだ
- 113二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 08:09:23
めんどくせぇバカップルみたいな言動になるのマジで草
- 114二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 08:56:39
1日20回に抑える…?あなたら1日何回してるんだよ…
- 115二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 09:04:03
- 116二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 09:12:03
※ハグの話です
- 117二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 09:51:53
先生の服の匂いを嗅ぐ卑しい生徒がいたら先生のとは違う匂いも感じるってことか…
- 118二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 10:04:11
夏真っ盛りという言葉が相応しいくらいの暑さが続くある日のこと
「アビドスの人達は何をしにシャーレまで来たんでしょうか……?」
「さぁ?先生は心当たりある?」
『いや、自分も分からないな……』
『お疲れ兄貴~、ちょっと更衣室借りるね~』
午前の業務も一段落し、今日の当番であるヒナとユウカそして先生の元にやってきたアビドスの五人は挨拶も早々に更衣室に入っていたのである。
その行動の早さに三人は呆然とした後にアビドスメンバーの目的が何か話し合っていた。そしてそのタイミングで更衣室から出てきたのは
「どう兄貴?みんな似合うでしょ?」
水着に着替えたアビドスメンバーだった。
「うう……なんでこんなところで水着に着替えなきゃいけないのよ……」
「恥ずかしがってちゃ駄目ですよセリカちゃん♧先生に可愛い姿を見てもらいましょう♧」
「ん、これで先生も悩殺間違いなし」
「シロコ先輩、そういう言い方はちょっと……」
『おお……』
「そういえばホシノがこの間がアビドスのメンバーと先生で一緒に海に行くって言ってたわね……」
「なるほどそれで……(いや、でも普通こんな場所で水着披露しないと思うんですけど)」
ちなみにこの水着披露会開催が決まったのは完全にその場のノリである。
「それで兄貴は皆の水着姿どう思う?正直な感想が聞きたいな~」
発言者のホシノだけではなく他のアビドスのメンバー、嫌がっていたセリカでさえ期待を込めた目線で先生を見つめる中、先生から出てきたのは
『ホシノ……お前そういう水着を選べたんだな……』
「はぁ!?」
「「「「え」」」」
誰にとっても想定外の発言だった
「うぐっ」
「ヒナさん?」 - 119二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 10:05:20
「ちょっと兄貴、見た目麗しい水着少女達を前にいう台詞がそれってどういうこと!?」
「ホシノ先輩、言い方がオヤジ臭い……」
「セリカちゃん、しー!」
「あの先生の言い方もしかして……」
「まだ決まったわけじゃないですから、シロコちゃん……」
あまりにもあんまりな兄の台詞に噛みつくホシノを他所に、先生の台詞からある疑惑をもつ他のアビドスメンバー。
そしてその答え合わせは続く先生の台詞によってなされることになる。
『そうは言ってもお前……中学生の時お母さんから海水浴用の水着を買いに行こうって誘われたときに『学校の水着でいいよ』って断ってただろ?』
『昔のホシノ先輩は水着なんてどうでもいいと思ってたんじゃないか?』という疑惑への答え合わせが。
「待って待って。流石にそんなこと言った記憶は……」
そう言って反論のために当時を思い出そうとするホシノ。
『水着~?……別に学校の水着でいいよ』
『そんなことよりお兄ちゃん!機能クリア出来なかったボスの攻略手伝って!』
「あっ……」
言 っ て た。
実際のところ当時のホシノは水着をどうでもいいと思っていたわけではなく、むしろ可愛い水着への興味は人並みにあった。ただ母親と買い物に行くよりも兄と遊ぶことを優先しただけだ。
それでも兄の言った台詞で母との買い物を断ったのは事実でありそれ故に
「「「「ホシノ先輩……」」」」
「皆やめて!そんな目でおじさんを見ないで!?」
後輩達から可哀想なものを見る目線で見られるのを止めることは出来ないのだ。
所でこの話の流れでホシノとは別に密かにダメージを受けていた人物がいた。
「……」
空崎ヒナである
- 120二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 10:06:54
「流石に海水浴に行くのに学校の水着はちょっと……」
「……」
「……ヒナさん?」
「え、ええそうね!ユウカの言う通りだと思うわ!」
「先程のリアクションといい、もしかしてヒナさんも……」
「お願いユウカ、これ以上は追求しないで……」
ヒナの態度から深堀りしようとするユウカとそれを止めようとするヒナ。しかしその隙を
「ヒナちゃん!!」
「きゃあ!?」
「ホ、ホシノ!?」
「似た者同士仲良くしよう!!」
『暁のホルス』は見逃さなかった。
「は?……って貴方自分が恥ずかしい目にあったからって私を巻き込まないで!!」
「人聞きの悪いこと言うなぁ、ヒナちゃん。おじさんは同じ経験をしてヒナちゃんとより一層仲良くなりたいだけだよ?」
「恥を共有するなんて形で仲を深めたくなんてない!!」
(これ間に入って止めるのは無理そうね……)
そして始まるキヴォトス最強候補による高次元かつ低レベルなキャットファイト、そしてそれを眺めるしか出来ない他メンバー。
- 121二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 10:10:51
『うわぁ、なんかすごいことになってきたぞ』
「でもこうなったのって元はといえば先生の発言のせいですよね?」
『まぁ確かにそうなんだけど……』
「あんな戦いなのに体の動かし方の参考になるのが、なんか腹立つ」
「あれはちょっと止められそうにない……」
「ヒナさんが抜ける分の業務は私達でフォローしましょうか……」
『ありがとうねノノミ……』
その後、午後の業務はアビドスのメンバーがヒナが抜けた穴を埋めて無事に完了。
ホシノとヒナのキャットファイトは精神と肉体両方のダメージの蓄積によるWKOという形で決着。ホシノはアビドスメンバーによって水着から着替えさせられ、ヒナは先生からの連絡を受けたアコによって回収された。
その際、アコは先生からの「ホシノとの模擬戦が盛り上がりすぎて止めれないまま相打ちになった」という説明に疑問を抱いたものの先生の言動から深入りしてはならないと判断、他の風紀委員のメンバーも同様に深入りしないこと、そして外に話を漏らさないよう厳重注意することになる。
流れに便乗してアビ夏イベント前日譚的なギャグSS投下。
ちなみに水着発表会の発案はノノミだったのでこの発案がなければもしかしたら……
- 122二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 10:50:37
ナイスss
最強同士の喧嘩の原因がスク水とか誰が予想できるよ - 123二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 11:39:26
ほのぼの路線いいぞ…いいぞ…もっと流行れ…
- 124二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 18:03:35
原作以上に凄惨な経験してるテラー達が平和に生きてるだけでちょっとグッと來る
- 125二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 20:42:23
ここのホシノもうあと何回か尊厳破壊されちゃったらヒナの比じゃないレベルでシナシナになりそう
- 126二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 21:20:22
(そっと目を逸らす地下生活者)
- 127二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 21:25:43
すでにされてる定期
- 128二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 21:32:37
終わりがハッピーエンドなら途中でどれだけキャラが曇っても問題ないんだ…
という訳で兄先、なんとかしろ - 129二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 21:48:36
テラー「言いたいことがありそうだね~、おじさん優しいから聞いたげるよ?…だからさっさとこっち向け」銃口ぐりぐり
- 130二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 21:50:18
"しかし、妹を孕ませても幸せにはなれんのです。私も、妹も!”
「……うわぁ、クククとか笑えないんですが。イマジナリー私とかだったら笑えてたかもしれないですけど
普通ドン引きしますよ。シッテムの箱の守りがない状態でそれ言い出すとか反射的に撃つ前に逃げ出す予定なのですが」
“すまない、しかし君も大分気づいてた言動してたからこういう時にちょっと深く飲んでるタイミングで言うならば安心かなと思ったんだ”
「大丈夫じゃないです、安心でもないです。疲れ切ってるのはわかりますがそれは『貴方達の世界では脅威ではない』でしょう?
私達が再現された存在なのかあるいはその逆かそうでないのかはわかりませんが世界と生徒、
市民たちの在り方がかつての私達が予想したものとは変わっているのは理解できています
アリウスでのマダムへの対処しかり、その結末しかり。生徒である小鳥遊ホシノと先生である
貴方との遺伝子の在り方は違う事を貴方が承知の上で聞きますが“肉の交わりを持って愛となす事を善としますか?” という事です。人の思う愛は時によって生への渇望をすり替えている可能性だってある」
“わからない。生命の危機だけじゃないんだ。プレナパデスの思いだけじゃない……。妹として愛しているのも
恐らく一人の女性として愛しているのも多分私の内から出ている。先生としてしかホシノの前に認識されない事も”
「職業的聖域とのジレンマもありますか。……テラーの方の彼女の言う『上がり』も救いにならないとは確かに
難儀な事です。その二律背反を受けて生徒達の信頼が貴方へと向かうのもあるのでしょうね」
“先生でなければ彼女を愛せず” - 131二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 21:54:18
“兄でなければ彼女に愛されない”
「剣ならば折れますが、先生を折る事は我々にも不可能ですよ。あなた自身にとっても」
“つくづくこういう事を話せる相手がいない事を呪うよ”
「うっかり者で空気の読めないフランシスが同席してたらと思うと気が気じゃありませんがね。解散したのは不幸中の幸いですとも。
他の封印されたものについてはまたいつかお話しますよ……。こういう場で話されたとあっては目覚めも悪いでしょうからね」
“ではまたいつか”
「ええ、またいつか。お悩み相談ではないタイミングで」
※なんとなくの憑き物落とししようとして失敗した会話を - 132二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 22:16:40
割と兄先のせいでこうなっているのでは?黒服は訝しんだ
- 133二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 22:20:22
インモラルでぶっ壊れた先生の対応する黒服かわいそう…
黒服も俺はお兄ちゃんだぞ!された時はあの暁のホルスの兄として大人として先生として関心してたと思うのに… - 134二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 22:39:51
「私が今まで苦しんできたのも、悲しんできたのも、兄貴のせいだよ。」
「兄貴という希望が無ければ、それに裏切られた時の絶望も無かった。兄貴という守りたいものが無ければ、それが傷ついた時の悲しみも無かった。」
「ねえ、私を守ってくれるって約束は何だったの?私が辛い目に遭ったら助けてくれるって言ったのは嘘だったの?私を悲しませはしないって言葉、今でも目を見て同じこと言える?」
「――うへ、ごめんね。別に兄貴を責めるつもりはないんだ、これは本当。」
「ただ…たださ、もういいかなってふと思っちゃったんだよね。」
「我慢するのも、他人の目や世間体を気にするのも、自分に嘘をつくのも、もうどうでもよくなっちゃった。」
「後輩や友人たちも、アビドスも、ユメ先輩との思い出も、もちろん全部大事だけど…どれが一番とかちょっと前までは決められなかったけど…やっぱり私の一番は兄貴だって気付けたからさ。」
「―――それでも兄貴はそうやって私を止めようとするんだね、こんな私なんかのために。うん、その気持ちはありがたく受け取っておくよ。」
「大丈夫だよ兄貴、私が絶対に幸せにしてあげるから。だから、ちょっとの間だけ辛抱しててよね?」 - 135二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 22:42:34
個人的に黒服は科学者的な側面が目立ちがちだけど、哲学的思考回路してると思うんよな。だからこそ、兄先にとって飲み仲間足り得るのかもしれんな
- 136二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 22:45:00
にしても本当にこの兄妹一生味がするな。意味が分からん。一生味変できる概念とか脳が焼き切れる。
- 137二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 22:47:14
供給が入ればさらに味がするぞ!
- 138二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 23:02:21
概念種まきおじさんと文豪様のおかげで毎日供給過多でうれしい。モットホシィ…
- 139二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 23:02:55
- 140二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 23:06:33
- 141二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 23:22:10
- 142二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 23:28:23
- 143二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 07:20:39
小鳥遊ホシノが決定的/致命的に「逸脱した/壊れた」日……
この宣言の後にいったい何をやらかすというのか - 144二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 07:23:25
ナニじゃない?
- 145二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 07:50:16
- 146二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 07:52:08
- 147二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 07:53:17
お前もお医者様にならないか?
- 148二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 08:01:21
お医者様はなんぼいてもいいですからね
- 149二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 08:13:56
お陰でまた1週間くらいで1スレ埋まりきりそうだぜぇ
- 150二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 09:12:45
疲れた、もう終わりたい――――
「そんなこという資格あると思ってんの、私?」
そう呟き、自嘲して弱音を必死に飲み込む。
何故キヴォトスはこんなことになったのか?と問われた時ホシノはこう答えるだろう「自分のせいだ」と。
自分の愚かさが引き金となってシロコ以外のアビドスのメンバーが死に、また自分もシロコも守れず色彩に呑まれ反転することもなかったはずだと。
だからこそホシノが決めたのだ「もうこれ以上シロコちゃんは傷つけさせない」と。
そうと決めればホシノの行動は早かった。便利屋68にヒフミと自分たちと交友があった人間達を積極的に狙い、そして殺した。
キヴォトスを壊滅させることは決定事項だ。そしてそのためには当然キヴォトスの住人を殺さなければならない。
その時シロコがかつての友人達を殺すとなった時彼女にの精神に係る負担は計り知れない。
故に自分が先にかつての友人達を殺すのだ。シロコが見ず知らずの、関係の薄い人間を殺すことは避けられないがそれでも友人達を殺すよりマシだと信じて。
そうして友人達を殺し、シロコとの合流場所に到着し―――
「どう…して…?」
『……』
色彩に呑まれ反転した最も愛おしい兄と
「ごめんなさいホシノ先輩……先生を殺せなかったっ……!!」
兄を殺せなかったことを詫びるシロコを見た時、結局自分はまた何も守れなかったことを理解させられたのだった。
「何で……生存は絶望的だって……」
色彩により反転させられた兄を前に呆然と呟くホシノ。そのホシノの疑問に対してシロコが説明する。
奇跡的に意識が戻ったこと。自分達を止めるために病院を抜け出したこと。その先生を自分が返り討ちににしたこと。
―――そして先生にトドメをさせず、そのまま先生が色彩に呑まれたことを。 - 151二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 09:14:00
「う……あ……」
崩れ落ちそうになる所を踏みとどまり自分は何を間違えたのかと思考する。
そもそもあの時点で生存は絶望的と言われていたし何より兄の周りは守りが固められていた。
もし仮に兄を襲撃したとしても守りを抜けず、先生が襲撃されたと知った生徒が一致団結して攻撃してくる可能性が高かった。
だから兄を後回しにしたのは何も間違って―――
(まだ嘘を付き続けるつもり?)
(え……?)
心の中の冷静な自分が問いかける。
(そもそも守りなんてワープゲートを使えば問題にならないでしょ?増援から逃げるのもワープゲートを使えばいい)
(そ、れは……)
(何より……)
(お兄ちゃんは生徒のためならいくらでも立ち上がるって知ってるでしょ)
そうだ、兄はそういう人だ。実際自分もシロコの話を聞いた時に兄が復活したことに何の疑問も持たなかった。
では何故自分は兄を殺すことを後回しにした?
(そんなの決まってるじゃん)
(やめて……これ以上言わないで!!)
簡単なことだ。
(お兄ちゃんを自分で殺したくなかっただけでしょ?)
ただ兄の返り血に染まりたくなかっただけだ。だからこそ後回しにした、あわよくばそのまま死んでくれないかと期待して。
『……』
「ごめんなさい……ごめんなさいっ!!」
そしてそんな自分への甘えが最悪の形で返ってきたのだ。
- 152二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 09:17:28
(いや……まだ間に合う)
それでもホシノは思考を止めなかった。まだ自分には出来ることがあると。
(ここでお兄ちゃんを殺す)
確かに兄が色彩に呑まれることは防げなかった。でもここで兄を殺せれば兄を色彩から解放出来る。
(シロコちゃんの眼の前でお兄ちゃんを殺すことになるけど、それでもこんなお兄ちゃんとずっと一緒にいるよりは……)
今まで友人に対してしてきたことと同じことをすればいい。そうして兄を殺そうとして……
「やだ……」
体に力が入らずそのまま膝から崩れ落ちる。
元々兄を意識不明の兄を殺せなかったからこんなことになったのだ。どんな形でも生きてる兄を殺せるはずがない。
それどころか兄が自分と同じ存在になってしまったことに救い難いことに喜びを感じてしまっている。
色彩に呑まれ反転した少女二人は絶大な力を手に入れた。混乱の只中とはいえ、キヴォトスを壊滅寸前まで追い詰めてるのはその力故だ。
「あ……」
「ああああああああああっ!!」
「ごめんなさい先輩っ、ごめんなさい先生っ……!」
『……』
それでも今この瞬間、二人の少女達はこの世界で最も無力な存在だった。
最後にハッピーエンドならいくらでも曇らせていいって言われたから妄想のテラーとプレ先の初遭遇場面投下するぜ!
ちゃんとテラーのギャグシナリオも考えてるから許して……。
- 153二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 09:41:18
- 154二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 11:46:26
ホシノが風邪でも引いたら兄先はありえんくらい取り乱しそう
- 155二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 12:44:24
- 156二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 12:51:06
- 157二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 12:56:31
テレグラフでも…って思ったけど今規制されてるんだっけ
- 158二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 13:04:58
- 159二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 13:06:38
毎回毎回添削して、1000に収めてお出しするの色々齟齬が出てて気持ちよくなかったのよな
でもスレ開いてすぐ見れるってのもいいよなぁって思ったりジレンマじゃな - 160二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 13:12:51
2万!?ちょ、超大作だ…
- 161二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 13:18:32
二万か…
お薬として出されたら治るどころか中毒になりそうなレベルだな
いいぞ、どんとこい
むしろ原液で寄越せ - 162二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 13:25:25
分かりました。今まで1000に収めるために消してた分も入れておきますね。
- 163二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 14:25:42
テレグラフのURLが規制されてるからこれでURL短縮すると良さげらしい。別のスレで最近知った
URL短縮サービス X.gdX.gdは長いURLを短く変換する完全無料で登録不要の短縮URL発行サービスです。QRコード発行やアクセス解析にも対応しています。x.gd - 164二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 16:53:28
兄先とくっつくその日まで果たしてホシノは折れずにいられるのだろうか
- 165二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 17:01:07
- 166二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 17:36:58
兄先が頑張って介護すればするほど、ホシノが罪悪感で立てなくなってそうだ…
- 167二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 17:39:01
プレ先でセイアがああなるのかは確定じゃないがその概念は見たいぞ
- 168二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 18:57:09
心折れたとしてもヒナ筆頭に友人達に声かけられて立ち上がって、兄先のピンチに颯爽と助けに来るんだろう?
俺は詳しいんだ - 169二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 20:04:44
- 170二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 20:15:50
地獄の添削タイムか外部サイト使って一括投稿、選ぶといいゾ♡
- 171二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 20:16:38
なんか別のとこで30レス以上の大作をあげておられる文豪がいる…………文豪様は素直に尊敬するよ
だからこそ読みたい - 172二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 20:18:05
- 173二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 21:41:44
スレの残り的にここで上げるとなると次スレからになりそうかな
- 174二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:02:16
「そうだ、ゲヘナの不良どもをぶちのめせばいいんだ」
この一言が今回の騒動の始まりだった。
『「不良狩り?」』
「そう」
相談したいことがあるとシャーレを訪れたヒナから告げられたのはその言葉だった。
ヒナによるとここ最近ゲヘナでは暴れる不良たちを打ち倒しては去っていく人物があらわれたのだとか。
そして風紀委員会もその人物を追いかけているのだが未だにその尻尾もつかめていないとも。
『なるほど……』
「それで先生に力を貸して貰いたくて……」
「ヒナちゃんがシャーレに来た理由は分かったんだけどさぁ……」
ヒナがシャーレを訪れた理由を受け疑問を投げかけるホシノ。
先生の妹である彼女は頻繁にシャーレを訪れており、彼女がこの話を聞いているのも別に不思議なことではなかった。
しかし今回は事情を違った。なぜなら―――
「どうしておじさんも呼ばれたの?」
今回彼女はヒナに頼まれこの場にいるのだから。
その疑問に答えるようにヒナが懐から紙を取り出し、先生に渡す。
『これは?』
「不良たちから聞き出した情報を元に描いた似顔絵よ」
そう言われ渡された紙を確認する先生。そこに書かれていたのは―――
『ホシノ?』
「うへ?」
小鳥遊ホシノその人だった。 - 175二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:03:10
「待って、おじさんはゲヘナになんて行ってないよ!?」
『そうだな。ホシノはずっとアビドスかシャーレにいたからゲヘナになんているはずがない』
「やっぱりそうよね……」
そもそもホシノはゲヘナに訪れる理由なんてない。にも関わらず不良達はホシノが自分たち打ち倒したという。ならば……
「ねぇ兄貴ちょっと聞きたいんだけど……」
「『あいつ』最近、兄貴の家に帰ってる?」
「……え?」
『……そういえばクロコが先輩が家に帰ってないって言ってたな』
「ということは……」
『ゲヘナで暴れてるのは……』
「ちょっと待って!」
『「ホシノテラー」』
「先生の家ってどういうこと!?」
「うーん今日もいい天気だなぁ」
場所は替わりゲヘナ学園。仮の住まいで並行世界のホシノ、ホシノテラーが目を覚ます。
「それじゃあ……」
「今日も悪い子達を懲らしめようか!」
- 176二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:04:26
そしてまた始まる【不良狩り】
「はーい、悪い子はお仕置きだよー」
有象無象の不良どもを薙ぎ払い
「そういうのは誘拐って言うんだよー」
「すごい……ハルナ達を一瞬で……」
美食研究会を黙らせ、フウカを救出し
「ちゃんと許可取ってやってるのかなー?」
「ひえええええええ!?」
温泉開発部のカスミに新たなトラウマを刻み込む。
『死屍累々……』
「何やってんのさ、私……」
「取り敢えず彼女を止めないと!」
そんなホシノテラーを追いかける先生、ホシノ、ヒナ。
ホシノテラーの目的とは!?
「ヒナちゃんの仕事を助けてあげられたらなって思ったんだけど……」
『「「え?」」』
最終章あまねく奇跡の始発点外伝
【ホシノテラーのゲヘナ不良鎮圧記】
「許して貰えるなんて思ってないし、そもそも許して貰おうとも思ってない」
「それでも自分がやったことの償いはしたいんだ」
◯/◯(◯)メンテナンス後、開催です!
- 177二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:05:17
おまけの後日談1
「確かに貴方が不良共、特に美食研究会と温泉開発部を黙らせてくれたおかげでヒナ委員長の外回り業務は楽になりました」
「だったら「ただし!」」
「外部の人間に暴れ回られるのはそれはそれで問題なんです!分かってますか!?」
「ハイ、スイマセン……」
「アコがホシノを怒鳴りつけてる……」
『凄い絵面だ……』
「何か居た堪れない気分になってきたんだけど……」
おまけの後日談2
「うちのバカ先輩がご迷惑をおかけしてすいません……」
「シロコちゃん、バカって……」
「なにか言ったバカ先輩」
「ナンデモナイデス……」
「先生、ホシノが倒れたわ!」
『眼の前の光景に耐えきれなくなったか……』
- 178二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:06:27
>.178
おまけの後日談3
「ところで何で最初にヒナちゃんを助けようと思ったの?」
「実は最初はユウカちゃんを助けようと思ったんだけど……」
「けど?」
「ユウカちゃんの助けになれそうなことがないなって……」
「ああ……」
「それで色々考えた結果ヒナちゃんを助ける方法を思いついたんだよね」
「まぁただのありがた迷惑になったみたいだけどね」
「……」
「……」
『ホシノ達が喧嘩を始めた!?』
「あの二人は何をしてるのよ!?」
「もういい加減にして……」
ホシノテラーメインのイベスト妄想。
頭の中の妄想を全部吐き出せて満足したぜ……。
- 179二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:08:26
- 180二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:39:34
レスもらいます
連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの構成員で『先生』でもある私は今、再びおぞましいまでの仕事量に忙殺されている。
他学園の雑務処理、S.C.H.A.L.Eとしての調査報告書、備品発注、カフェの運営調査、エンジェル24の納品及び販売実績の確認等々。
取り上げた内容はあくまで業務の一部、生徒とのコミュニケーションや連邦生徒会へ報告の為に向かったり、とやる事がありえない量で私を追い詰めてくる。これも生徒の為、身を粉にして挑む覚悟ではあるものの、流石の私も人の子だ。ほんのちょっと休憩したいのは人情であろう。
「多いなぁ…。ねえ、ユウカ。」
「ダメです。」
「……うえ、まだ何も言ってないのに。」
手入れの行き届いた綺麗な菫色の髪をツーサイドアップにした生徒、早瀬ユウカは綺麗な青色の瞳を呆れたように細めながら即答する。まるで何を言われるか分かっていたかのような即答ぶりであった。当番で無い日も手伝ってくれることもあり、もしかしたら一番付き合いが長いかもしれない生徒だろうし仕方ない。
お互いにわだかまりが解けてすぐの頃のホシノは最初ユウカの事に関してとてつもなく渋い顔をしていたが、今では普通にしている。仲良くしてくれるに越したことはないので私としては大変うれしい。
どうせ、仕事に少し飽きがきたから休憩しようと言いたいのでしょう?と目論見を看破される。うぐ、私はそんなに分かりやすいのか?
「ただでさえ、とんでもない業務量してるんですから。ちょっとでも今のうちに減らしておかないとまた5徹することになりますよ?」
無茶してノアにこっぴどく怒られるのはもう懲り懲りですよ、と言う顔はうれしそうでありつつも恐怖を感じていたり、申し訳なさそうな感情が同居した、これまた面妖な表情をしている。私も覚えてないが、『ホシノ』を抱き枕にしていたみたいで、起きてすぐ『ホシノ』に無茶はしないって約束したでしょ?と懇々と諭されてしまった。その後、抱き枕にしていた事がホシノにバレて二人が大喧嘩してシャーレオフィスにハチャメチャが押し寄せたのは記憶に新しい。
でも、少しは休憩したいなぁ…。そう、顔に出ていたのだろう。ユウカが立ち上がり
「……分かりました。飲み物を準備してくるのでその間は休んでていいですよ。」
「ホントに?うれしいなぁ」
「……全くもう、仕方ないんだから。」
- 181二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:40:29
顔を綻ばせながら飲み物を準備しに行った。確かナギサからもらった紅茶の茶葉があったはず、それを一緒に準備しようか。ユウカを手伝いに行こうとした時にアヤネからモモトークの通知が来た。何が来たのか見た時に私は頭が真っ白になった。
『先生!ホシノ先輩が倒れました!』
倒れた?ホシノが?ひどく現実感がなく、頭が回らない。
ひとまず病院、は対応してくれているはず。落ち着け、病気なのか怪我なのかはっきりしていない。どちらも倒れるほどだ、よろしくは無いが確認が先だろう。いや、それよりもホシノが今どこにいるのか聞いたほうがいい。すぐに行かないと。
「先生、この高そうな紅茶の茶葉はなんです――どうしたんですか?すごい顔してますよ?」
「……え?ああ、ホシノが倒れたみたいで。ちょっと悪いけど俺行かないといけないから後を任せてもいい?キリのいいところで切り上げて帰ってもいいから。」
そう言うと驚いたようで少し固まっていた。仮に止められても行くつもりだった。大事な妹を三度も辛い目に遭わせるわけにもいかない。約束したのだから。今度こそ隣に、どんな時も一緒にいるって、そう約束したから。
ユウカは少し考えた後に息を吐き、答える。
「……はあ、いいですよ。行ってあげてください。先生しか判断できない書類以外はやっておきます。」
「ありがとう!この埋め合わせは近いうちにするから、後をお願い!」
そのまま着のみ着のまま走りだす。約束を全うするためにそのままシャーレを飛び出すのだった。
―――――――
先生がシャーレを出た後、私は独りごちる。
「……ああ、羨ましいなぁ。私も先生に――」
一人の女性として愛してほしい。特別な存在として扱われる小鳥遊ホシノに羨望を感じ、漏れ出そうになった一言を飲み込み、息を吐き両頬を叩く。きっと先生は私も慈しんだり、心配したりしてくれる。あくまで生徒としてだけど。それに今、私が全うすべき事はあの人が少しでもホシノさんと一緒にいられるように仕事を減らすこと。余計なことを考えずに先生の為に動くのよ、私。
………とは言ったものの、この物量はちょっと。
「……格好よく啖呵切ったのはいいけど、流石に私ひとりじゃ無理。……ノアに手伝ってもらうしかないか。」
- 182二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:41:34
そう言い、私はノアのモモトークに連絡を入れる。
『先生がどうしても外せない用事が出来たみたいだから先に上がってもらって書類の処理をしようと思ったんだけど、私だけじゃ手が足りなくて…。時間が空いてたらでいいから手伝ってくれない?』
流石にミレニアムでの業務もあるだろうし、すぐには返ってこないだろう。書類を片付けながら返信を待とう。そう思ってスマホを置いた途端に返信が来た。
『今業務が片付いて暇なのでいいですよ。それに可愛いユウカちゃんの頼みですからね。断れないですよ。』
『ありがとうノア!助かるわ!』
これで書類関係は何とかなる。後は今後困らないように新しく出た書類関連のテンプレートとマクロを作っておけば少しは先生の仕事の時短になるだろうか。これで完璧ね。そう算段を立てているとノアから追加でモモトークが来ていた。
『今回は無茶する前に頼ることができて偉いですよユウカちゃん。』
「うぐ…」
これは根に持ってるわね……。どうすれば許してもらえるのか。薄っすらとそんな事を考えながら書類を片付けていく。
―――――――
シャーレを出て、タクシーを捕まえようと思ったが思うように捕まらない。仮に上手くタクシーに乗り込めたとは言え、かなりの距離渋滞している。一体どうすれば。
ホシノが黒服と取引をして身代わりになったあの時と同じ気持ちが首をもたげる。お前はまた約束を守れない。肝心な時に、妹が一番辛い時に一緒にいることができないお前には何もできない。妹の気持ちを察することのできないお前は妹の隣に立つ資格はない。
目の前がどんどん暗くなっていく。そんな時に声をかけられる
「…うん?先生、どうかしたの?」
声をかけられた方向へ振り向くとそこには買い物の帰り道なのか、買い物袋を持った『シロコ』がいた。そうか、その手があった。彼女がまだ力が残っているか分からないが、もし残っているのだとしたら。一縷の望みをかけて聞いてみる。
「シロコ!あのワープってまだ使える?」
「……うん、多分まだ使えると思うけど、どうかしたの?」
- 183二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:42:51
流石に焦っている雰囲気が伝わってしまったのか。少し不安そうに問われる。我ながら本当に余裕が無いのだ。今にも吐き出しそうな程不安感が強い。あの時の黒服みたいなことは無いって分かっている。きっと心配しすぎなのも理性では分かってる。でも、久しぶりに会ったあの時からずっと抜けずにいる返しの付いた針がジクジクと疼く。
「ホシノが倒れちゃって。急いでホシノの元に行きたいんだけど、私の足だけじゃ絶対に時間がかかるから。力を借りたいんだ。」
「……そっか、分かった。私に任せて。」
そう言うと黒い靄を展開していた。やはり、まだ使えたようだ。これなら間に合うかもしれない。
「ここのホシノ先輩の座標は既に把握済み、これを抜ければそのまま目的につく。」
「ありがとねシロコ!」
「うん、元気になったらご飯食べに行こうね。」
また、いつか埋め合わせするね、そう言って俺はゲートを越えてホシノの元へ向かう。約束を果たすために。
「うん、待ってる。……いつまでも。」
ゲートを越えた先はアビドス高等学校保健室の扉の前だった。
俺はそのままの勢いで扉を開け、中に入る。
「ホシノ!」
それに驚いたセリカ達が口元に人差し指を当ててシーッと言っていた。ベッドの様子を見ると穏やかな寝息を立てているホシノがいた。
あわわと狼狽しているアヤネと困ったように笑うノノミとシロコ、そして詰め寄ってくるセリカ。どういう事なんだろうか?
「ちょっと、先生!アヤネちゃんのモモトークちゃんとみた?」
「見たよ?ホシノ倒れたんだよね?大丈夫なの?」
- 184二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:43:27
大きめのため息、それも超特大のため息をつかれた。何かしてしまったのだろうか?
「……ちゃんとアヤネちゃんのモモトーク全部見て、今すぐ!」
そう言われてモモトークを開く。
『先生!ホシノ先輩が倒れました!』
『今かかりつけのお医者さんを呼んで対応してもらってますので、落ち着いてくださいね?』
『先生、見てくれてますか?』
『先生、とりあえず睡眠不足による体調不良のようですのでご安心ください!』
『先生?』
近くの椅子にへたり込む。なるほど、これはあまりにも視野が狭すぎた。それに案の定というべきか心配のし過ぎだ。
天を仰ぎ、手で目を覆っているとアヤネが近づいてきて事の仔細を伝えてくれる。
朝の時点でホシノはいつもと様子が違った。ずっとフラフラしていて心配していたら、急に倒れた事。そしたら凄い熱で急いでかかりつけの医者に連絡し、来てもらうことにした。医者の診断はすぐ済んだので、その後俺にモモトークで連絡を入れたが、一番最初のモモトーク以降の既読が付かず、それ以降を見ずにものすごく焦っているのでは?と思って電話をしようと決めたタイミングで先生が現れた事。申し訳なさそうな顔をしながら説明してくれた。
「最初から電話での連絡の方が良かったですね…。すいません。」
「いや、早とちりして飛び出してきた私が悪かったよ。ごめんね?うるさくしちゃって…。」
俺が未だに引きずり続けているせいだろう。早く割り切ればいいのに、引きずって、引きずり続けて今回の顛末だ。きっとホシノはもう赦してくれているのに。未だに俺は自分を赦せずにいる。
「ともかく!ホシノ先輩は薬は飲ませて寝てるから!安心して」
「ありがとね皆、後は私がホシノの面倒を見ておくから任せておいて。」
「……先生、本当に大丈夫ですか?先生も顔色があまり良くなさそうですが。」
ノノミは鋭い。彼女は感情の機微を誰よりも強く察することができる。恐らく今の私の気持ちを察したのだろう。本当に聡い子だ。そんな優しい子にこれ以上気を遣わせるわけにはいかない。私はいつも通りの笑顔で、いつも通りの声音で、いつも通りの話し方で、彼女を安心させる他ないのだ。
「気にしないで。ちょっと気疲れしただけだから。それに私は先生でホシノの兄貴だからね、安心して。」
- 185二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:44:33
「……そうですか。分かりました♪ホシノ先輩をお任せしますね♪」
それじゃ、みんな行きましょうか、とノノミがシロコ達を連れて保健室を出て行った。
私は椅子をベッドに寄せてホシノの近くに座る。
「……全く、無茶しないでって言ったのお前だろ?お前が無茶して倒れたら意味がないだろうに。」
スゥスゥと寝息を立てているホシノ。サラサラとした綺麗な桃色の髪の毛を目に入らないように分けていく。幼さが残るが、数多の葛藤を越えた自慢の妹の頭を撫でる。
「……本当は分かっているんだ。お前が本当に辛い時にいてやれなかった事や助けてやれなかった事、それを全部赦してくれているって。……ホシノは優しいから。」
赦せずにいるのは『俺』だ。
色彩の一件の時までは赦してもらえていると思っていたし、俺も自分自身を赦していた。だが、違った。俺は俺を赦してはならなかった。
ふと梔子姉さんとここに来る前の最後の会話を思い出した。
『……小鳥遊君、ホシノちゃんキヴォトスにいるんだよね?』
『そうですね。急にそこの学校に行かされることになったらしく。今はキヴォトスのアビドス高等学校ってところに。』
『……そっか。私の妹と一緒だね。』
『……』
『小鳥遊君、私はね後悔してるんだ。私は妹に、ユメに何も姉らしいことをしてあげられなかった。キヴォトスに行くときですら私は反対していた。危ないからって、安全って言う保証がないからって。大喧嘩したの。』
『でも進学が決まってるのに今更覆るわけもないでしょ?無駄なのにね…。でもね、私からしたら妹がどこか遠くに行っちゃうようで怖かったの。子供みたいな駄々だった。』
『でも、いざもう家を出るってなった時に私はものすごく泣いてユメに縋ったの。怒っちゃってごめんって、行かないでって。私を置いていかないでって。』
- 186二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:44:46
テラー組がこれだけストーリーやイベントに密接に関わると結構早い段階で実装されていそう
タイミングとしてはアビドス3章part1あたりとか? - 187二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:45:44
私がお姉ちゃんなのに笑っちゃうよね、と自嘲気味に笑っていた。でもその瞳は今にも泣き出しそうだった。
『あの子ね、言ったの。心配しないでって、ちゃんと手紙とか連絡するからって。だからちゃんと待っててって。きっと帰ってくるからって。』
『……あの時の私は浅はかだった。心配になるんだったら自分でユメを守るために動けばよかったの。それこそ今の小鳥遊君みたいに先生になる方法だってあったはずなの。』
でも、それをしなかったのは私、とこれまで聞いたことのないようなドス黒い感情が渦巻いた声音だった。今でも思い出せる。梔子姉さんがあんなに自身を呪った言葉を言う人ではなかったから。
『私がユメを見殺しにしたも同然なの。でもきっとあの子はそんなことを言わない。私のせいじゃないよって。あの子は私と違って底抜けに優しいから。』
『だからこそ、私は私を赦せない。何もしなかった愚かで浅慮な私を赦せない。あの子をあの場所に送ることを是とした私を心の底から赦せない。』
私の時間は『ユメをキヴォトスという地獄の釜に送ってしまったあの時』から動いていない。止まったままなんだ、と涙を流しながら話していた。
『……だからね、小鳥遊君。君はホシノちゃんの手を絶対に離しちゃダメ。私と違って自分で助けるという選択を取れた君はホシノちゃんを守ることができる。だから。』
ホシノちゃんとの時間を大事にしてあげて。何があってもあの子の盾になってあげて。私たちの二の舞にはならないで、と言われた。その時は何を当たり前のことを、と思っていたが現実は言われた通りにできなかった。俺はホシノを守り切れていなかった。
「俺はお前の兄足り得ない。お前が本当に辛い時に傍にいられなかった。あの時だって、お前が本当に追い詰められていた事に気が付くことすらできなかった。」
- 188二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:46:19
今ですらお前がこんなに辛い思いをしていた事になんて気が付いていなかった。お前が辛かったら助けてって言えって言っても言う奴じゃないのに。やせ我慢を続けるって知っていたのに。
色んな思いが蜷局を巻いている。どれだけ絡め取られようともこの手を伸ばすしかないのは分かっている。しかし、妹の本来青いはずのこのよすがを綺麗なままで残してやることが出来なかったのはこの俺の責任だ。一人で学校の存続を背負うことになったのも、親しかった人間を失うことになったのも全て間に合う事が出来なかった俺が悪いのだ。
お前自身が妹を、ホシノを不幸せにしているのだ。お前さえ間に合っていれば、お前さえ入学を止めていれば。全てお前が招いた結果だ。『もう一人の悪魔』が囁く。
「俺は俺を赦してはいけなかった。俺はお前が苦しみぬいた分苦しむべきだったんだ。なのに俺は今の現状に少し胡坐をかいた。」
誰も死なずに済んだ。何も失わずに済んだ。これは俺が来てからの結果論であって、ホシノにとっては既に失ったものが多いのに。
「ごめんな、ホシノ。どこまでも間の悪い兄貴で。」
「うへ、おじさんとしては謝らないでほしいんだけどなぁ」
ぎょっとした。まさか、起きていた?いつから?どこまで聞いていた?またホシノに余計な心労をかけることになる。ダメだ、兄としてこれ以上妹に背負わせるわけにはいかない。
どう訊ねたモノか。思考をフル回転させていると肩透かしを食らうことになる。
「おじさん、起き抜けでおなか減ってるから兄貴のおいしーいお粥が食べたいなぁ~」
「はあ?」
余りにも予想してなかったからついつい素っ頓狂な声が出てしまった。
「分かった。ちょっと待ってろよ。……そうだ、卵粥と普通の梅粥とどっちがいい?」
「ん~、梅で!」
- 189二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:47:45
「あいよ、梅粥のご注文いただきました~。」
そう言い、仮設されていたコンロを使ってお粥を作っていく。
コトコトという音のみが響き渡る静寂の中、誤魔化すように話す。
「お前、最近寝てないんだってな?倒れたの寝不足だって聞いたぞ。」
「うへ、バレちゃったか~。いやあ最近買ったゲームが面白くてねぇ。あ、兄貴も後でやる?ゲーム開発部の子達が作ったゲームなんだよ!あの子達ク〇ゲーばっかり量産してたのに今回出したのめちゃくちゃ面白くってね?」
嘘だ。ゲームでお前は夜更かしできない。すぐに船をこぎ始めて寝てしまう。何度も起こしてここまで進めて寝ようって言っても聞かなかったからよく知っている。それに一緒にパトロールもしただろ。夜遅くまで辺りを回ってるって、覚えてるだろ?
そんなことを言えるはずもなく
「へえ、どのシリーズ?もしかしたら俺が関わった奴かも。」
「やる専門だった兄貴が?嘘でしょ?……あ、言わないでね?クリアしてからクレジットで見るから!」
こういうとぼけたような所に救われる。何気ない会話をしているとホシノが生きているって、あの頃と同じ感じがして、あの時に戻れたような気がするから。
そうこうしているとトロトロになった粥が出来上がる。茶碗によそって真ん中に梅干しを乗せる。少量の塩を小皿に盛ってもって行く。
「はい、おまたせ。」
折敷を机の上に置く。そうして食べるのを待っていると全然食べ始めないので気になって聞いてみると。
「……どうした?食べないのか?」
「……てほし…。」
なんて言ったのか聞き取れなかった。聞き間違いで無いのであれば何となく分かるが、一応聞きなおしておこう。
「えっと、なんだって?」
「だから!あーんってしてほしいの!食べさせてほしいの!」
- 190二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:48:29
恥ずかしいのか逆ギレしながら要求してきた。まあ、それくらいならいつもしてたし構わないだろう。アヤネに見られても問題ないのではないか。最近はよくホシノに関して怒られていたし、気をつけてはいるのだが、どこが地雷か分からないのが困ったものだ。
「それくらいならお安い御用だよ。ほれ、器とスプーン貸してみな。」
「やった!」
そうしてスプーンでお粥をすくい、熱くないように息を吹きかけ冷ました後に
「はい、あーん」
「あ、あーん」
そのままパクっと食べる。うーん!と唸って手足をバタつかせていた。熱かったのだろうか?なるべく冷やしたつもりだったのだが、気になった俺はホシノの口の安否を尋ねる。
「あ、悪い熱かったか?」
「いやぁ、久々に食べた兄貴のお粥がおいしくてね~。おじさんはうれしいねぇ。兄貴、また料理の腕上げたでしょ?」
「そうか?あまり実感はないけど。」
「昔の兄貴じゃありえなかったからね。お粥がトロトロになるまで煮込まれていて、口の中で溶けていくんだよ。後極めつけは味付け!絶妙だよ!どうやったらこの塩加減表現できるの!?おじさん本当にびっくり!」
これはお嫁さんに出してもいいくらいだよ~!よよよ…と元気そうだった。誰がお嫁さんだ、誰が。
そのままお粥を間食し、洗い物をしていた。食欲は問題なし。熱に関しても計ってみたら無さそうだし後は安静にするだけだろう。
「はあ~、食った食ったぁ。」
とつま楊枝でも取り出しそうな勢いのおっさん味を出していく。これでは嫁の貰い手はおらんな。もう少し女の子らしくすればよいものを。
そうして洗い物を済ませてホシノのベッドの近くに置いた椅子に座る。本を読みながらホシノが眠るのをまた待っていた。
「ごめんね兄貴。今日多分仕事だったよね?」
「…ん?いや、いいんだ。生徒が倒れてるんだ。俺の仕事なんて後回しでもいいさ。」
「……そっか、じゃあ今日は役得だ!」
- 191二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:49:43
そう言ってにっこりと無邪気に笑う。これでよかったのだ。
まあ、後回しにしたものをユウカに無理を言って出てきている手前偉そうなことは言えない。すまないユウカ。
「……ねえ、兄貴。ちょっと聞いてもいいかな?」
「いいぞ、何が聞きたい?」
「……兄貴はさ、どうして自分を赦してあげられないの?」
驚きのあまり、ホシノの方を見て固まってしまった。
穏やかな気分だった。ようやく首をもたげた罪悪感が引いたところだった。そこに氷水をぶちまけられたようだった。
「……何言ってんだ?赦すも赦さないもないだろ?自分の事なんだから。」
右頬をかいて誤魔化す。
嘘だ。本当は赦すべきではない。一生苛まれなければならない。俺はどこまでも罪深いのだから。
「嘘つかないで!」
「嘘なわけあるもんか。だってそうだろ?俺自身をどうやって赦すなり赦さないなり決められるんだよ!」
「右頬!」
「はあ?」
「……兄貴は嘘をつく時右頬をかく癖がある。」
もう逃げられない。そう思った。どう言い繕っても今のホシノを退けることはできない。もう、確信を得ているからだろう。そして、俺もまた確信を得ていた。ホシノは起きていたんだ。初めからずっと。寝たふりをしていたんだ。
「……いつからだ。」
「……全部、最初から。」
目頭を抑えてうつむく。ああ、どこまでも間の悪い。こういうところだ。詰めの甘さがすべてを台無しにする。俺の罪を無意識とは言え妹の前で告白すべきではなかったのだ。ただ、耐えられなかっただけでホシノの前で弱音を吐くべきではなかった。
「……ねえ、何がそんなに赦せない?いつも最善を尽くしてくれてる。そのおかげで私は今も何も失わずにいることが出来てる!全部!全部兄貴が!お兄ちゃんが助けてくれたからでしょ!?これ以上の最善なんて無いよ!」
- 192二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:52:00
「……違う。俺は本来もっとやれたはずなんだ。お前を悲しませることなく、全てを解決できたはずなんだ。」
「そんなの無理だよ!何もかも全てを思い通りなんて出来るわけない!」
その通りだった。何もかも思い通りに行くなんてありえない。それこそ神にでもならないとありえない。俺はずっとホシノと目が合わせられずに答える。目を見れるはずもない。俺はホシノに重荷しか渡せていないのだから。
「……ねえ、なんでさっきからなんで私を見てくれないの?……こっちを見てよ。こっちを見て!」
胸倉をつかまれて顔をこちらに向けられる。ホシノが本当に怒っている。綺麗なオレンジと水色の瞳が怒りに打ち震えている。こんなに怒っているのはキヴォトスにきて一番最初の頃以来か。
「全部思い通りにできるなんて傲慢だよ。兄貴は神様じゃないんだから思い上がらないで!」
「もういいでしょ!?十分やったでしょ!これ以上何をどうするつもりなのさ!自分をそんなに追い込んで!ありもしない『もしも』を追いかけて!思い通りの結果じゃないからって言って『今の最善』を作った自分を蔑ろにして!その先に何があるの!?」
自分の中で何かが切れる音がした。ああ、いけない。これだけは、この怒りだけはぶつけてはいけない。ホシノは関係ないんだ。俺が俺だけにぶつけるだけでいいのに。この言葉だけはお互いに傷付くだけだから。
「お前に辛い思いをしてほしくないからに決まってるだろ!『最上』を残せてないのに!お前に辛い思いばかりさせてるのに!自分を赦せ!?そんな甘ったれた事できるか!」
「お前が辛くてたまらない時に隣にいることが出来なかったと知った時、俺は自分の愚鈍さを死ぬほど呪った!隣にいて支えることもできず、ただ全てを失っていく事を防ぐこともできずに!何が大人だ!何が先生だ!何が兄貴だ!ホシノが背負う必要のないモノを必要以上に背負わせて!お前を居場所を守る事すら出来ない奴に赦す道理なんてあるわけないだろ!」
ふいに胸倉をつかむ力が抜ける。驚き、困惑している。いや、それだけではない。これは、後悔だ。彼女の顔に深い後悔が刻まれつつある。ああ、やってしまった。俺はまたホシノに余計なものを背負わせてしまった。
そのままホシノはベッドに座り込んでしまう。
- 193二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:52:43
「……それでも、お兄ちゃんがお兄ちゃんの残してくれた『今』を悪く言わないでよ。私がそれにどれだけ救われているか。――お兄ちゃんなら分かるでしょ?」
「初めてだったの……。全部失わずに済んだことが。……本当は私だけ消えるつもりだった。学校を守れず、大切な人も守れなかった私に対する罰だと思ったから。」
「それでも、お兄ちゃんは私を救いあげてくれた。――無いと思った『その先』をくれたのは紛れもない貴方なの。」
「……だからお願い、約束して。自分を赦せないならそれでもいいから、自分をこれ以上蔑ろにしないで。私の大事な貴方を貴方自身が否定するのが私はどうしても堪えられない。」
「たとえ、貴方が赦せなかったとしても私が貴方を赦すから……。だから――」
そっと彼女を抱きしめる。俺の言葉で傷付いた彼女を、兄を思う故に悲痛な想いをしている彼女の姿を見ていられなかった。言葉よりも先に体が動いてしまった。
「――怖いの。今が夢で、目が覚めると全部無くなっちゃってるんじゃないかって。そう思うと眠れなくなるの。」
「……」
初めて聞いたホシノの弱音。それこそ、ここまで追い詰められていたのに気が付けなかった。
「眠れたとしても夢を見るの。兄貴がエデン条約で撃たれた時の姿が出てくる。血を止めようと止血するんだけど、止まらなくて……。そのまま兄貴の体がどんどん冷たくなって。必死に処置するんだけど間に合わなくて。自分の叫び声で目が覚めるの。」
「目が覚めた時に自分の手に血が付いてないか朝一番確認するの。そこでやっと夢だったって安心できる。」
想いが溢れて頬を伝う。ここまで追い詰められて、なお俺の事を想ってくれるホシノに気持ちが溢れる。このホシノの想いに答えてやれなくてどうするのか。
「……隣にいてやる。うなされてるなら俺が起こしてやる。辛いなら抱きしめてやる。」
「――だからホシノ、お前も辛いなら辛いって、一緒にいてほしいなら一緒にいてって言葉にしてくれ。お察しの通り、俺は鈍感だ。妹の苦悩に今気が付いた程だ。だから、俺にお前を背負わせてくれ。頼む。」
それを聞いてホシノは泣き始めて強く抱きしめてくる。まるで今が泡沫の夢でないことを確かめるように、強く、強く。
最終レスまで申し訳ない後で立てとく
- 194二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 01:58:09
- 195二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 02:14:44
神SSそしてスレ立て感謝です
どこぞの呪いの世界のお兄ちゃん並みに過去の自身の選択に後悔がある兄先人間味があってめっちゃ良い
二人とも自罰感情マシマシでほんと似たもの兄妹だな… - 196二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 02:20:26
建て乙&SSですー
やだ、完成度も密度も情緒パワーもつよつよすぎ……かてない(確信) - 197二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 08:09:58
立て乙&ナイス長編
そして埋めー - 198二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 08:28:14
朝から最高のSSをありがとう
- 199二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 09:01:25
前回のスレも早かったけど今スレは更に早かったな
SS投下ありがたや - 200二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 09:28:47