- 1スレ主24/07/15(月) 11:12:13
- 2スレ主24/07/15(月) 11:12:54
前スレ
ここだけちょっと奇行が多いモモイ【微ホラー?】④|あにまん掲示板スレ主ですこのスレも中々長期スレになりましたね唐突に大きな音で拍手したり、見慣れた学校で何故か迷ってたらいつのまにか後ろにいて手を引いてきたり、塩をいつも持ち歩いて仲のいい人にも偶にその塩をかけてくる…bbs.animanch.com初代
ここだけちょっと奇行が多いモモイ【微ホラー?】|あにまん掲示板唐突に大きな音で拍手したり、見慣れた学校で何故か迷ってたらいつのまにか後ろにいて手を引いてきたり、塩をいつも持ち歩いて仲のいい人にも偶にその塩をかけてくる教室のすみに岩塩を投げつけたりもするそれ以外の…bbs.animanch.com - 3二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 11:17:44
立て乙です。
まだまだ続きそうだな? - 4二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 11:19:04
立て乙
このスルメ概念は、まだ味がする…!! - 5二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 11:21:30
スレ主さんが楽しそうで良かった良かった。
おっしゃー!!皆さんSS書いていくぞ~!! - 6二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 12:05:17
とりあえず10までやるかー
- 7二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 12:09:11
立て乙、けっこう楽しみにしてるんだこのスレ
- 8二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 12:10:40
すっかり長期スレよね。この感じでゆるゆる伸びてて欲しい
- 9二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 12:15:18
建て保守
- 10二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 12:15:40
ほしゆ
- 11二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 12:56:06
立て乙です〜
初代スレから見てるけどここまで長寿スレになるとは… - 12二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 13:01:57
10まで埋まったのでとりあえず前スレの>>188からの続きです。
1つのスレで完結できず申し訳ありません!そしてまだ終わりません!
…よく考えてみたら串刺しだったらナイフ使えねぇな!?(語感のみで決めた馬鹿)
「待てぇい!」急にどこかから声が聞こえた。今にも私にナイフを突き立てようとしていた猿たちは私から目線を外し
「誰だ!」「どこにいる!」とあたりを見回していた。すると「あそこだ!」と誰かが声を上げて外を指さした。
誰あなた?指した方を見ると、電車から遠くにある山の上に姿はよく見えないが人影が見えた。
人影は「とう!」という声を出して跳躍したかと思うと一瞬で電車の窓を蹴破りながら電車の中に入って来た。人影は仮面をつけており、顔は分からないが澄んだ青、快晴の日のような髪色をしていた。「誰だ貴様は!名を名乗れ!」
と猿の片方…恐らく私にナイフを突き立てようとした方の猿が叫ぶと、仮面の人は
「貴様らのような外道に名乗るような名など無し!」と叫んだ。猿たちがその勢いに怯んだのを見て
その人は左手の人差し指から薬指を上げてその前に後ろの手が見えるようにもう片方の手を指をすべて閉じた状態で
横に向け、「貴様らには3つの罪がある!」と叫んだ。「1つ!」と叫び仮面の人は右手の人差し指を立てた。
「そこの無垢なる少女の心の傷を抉ったこと!」別に私、無垢って言われるような人じゃないんだけど…
という私の言葉を無視して中指を立て、「2つ!」と仮面の人は続けた。
「少女の心の傷を抉り、少女の魂を食らおうとしたこと!」何故猿たちの目的を知っているのかとか、そもそもあなたは何者なのかといった私の疑問は口から出る前に親指を立てた仮面の人の「3つ!」という言葉に掻き消された。
「私の『親友』を傷つけた。さぁ!罰を受けよ!外道ども!」えっと私が言った瞬間に、
仮面の人に片方の猿が「かかれえぃ!」言ってもう片方の猿と共に飛び掛かり、乱闘が始まった。
- 13二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 13:15:46
快晴ちゃん!?
- 14パンドラボックスの人24/07/15(月) 13:36:43
- 15二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 18:55:44
下手に喋れなくてよかった、大分騒がしいタイプの子だw
- 16二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 21:29:22
- 17二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 21:29:37
ということでまだかかります
- 18パンドラボックスの人24/07/15(月) 21:42:15
前スレ>183
一夜明けたミレニアムは凄惨な光景だった
精神に不調を訴えるだけならまだいい方で、対生物レーザーで火傷を負った者、対空砲を狙った『ミサイル』の破片に巻き込まれた者
スターイーターが消えてからも精神に異常が残る者、そして二名は落下による重傷もあった
「私の銅像だと?今はいい、それよりも今はミレニアムに支援を送ってやれ。あれは私たちの被害を肩代わりしてくれたようなものだ」
「ナギサ様!確かに私たちはミレニアムの支援に行って役割を遂行しましたが、力及びませんでした!少なくとも救護が必要です!」
「うへぇー申し訳ないけど今日は休みたいかな・・・」
ミレニアムへの増援組もなんとか帰ったものの、疲弊していた
とある場所にて・・・
“黒服、実はあの存在には気がついてたでしょ“
「ええ、ですが私自身が向かっても意味がありませんでしたので、機械仕掛けの砂漠の主にお知らせして支援するにとどめました」
“ぎりぎりまで私が気がつかなかったのも、黒服の性でしょ?“
「おや、それにも気がつかれましたか。先ほど私が言ったように私が行っても意味が無かったように、あなたが行っても意味がないですので連絡を遮断させていただきました」
“余計なことをしたね?“
「そうでもしないとあなた現場に向かったでしょう。そこで万が一のことがあればそれこそ今以上の惨状の光景が広がっていたでしょう。
いいですか、私に最初にあった時はともかくとして、あなたは既に各地に縁を築いている。
あなたが言う、『生徒と寄り添って笑う』ことが今のキヴォトスに必要な要素になっているのですよ」
“・・・妨害の意図はないんだね?“
「当り前じゃないですか、研究机の上をぐちゃぐちゃにされるどころか研究机ごと持って行かれるようなものですから…
そして、その机に立っていたら、真っ先に持ってかれた可能性があるのが私たちやあなたなのですよ」
“あなたの言い分はわかった。忙しくなるからこれで“
「事態の収拾を願っていますよ」
先生退室後…
「もっとも、新たな脅威が生まれる可能性はありますが…静観することにしましょう…」
ミレニアムにて…
「どうなってるんだ…?地面に激突したあたしより落下の衝撃を逃がしたチビの方が目覚めるのが遅いって…」
「わかりません、爆発を受けたダメージがあるのは確かですが…」
医師の説明に困惑するネルの姿があった
- 19二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 22:07:20
モモイ!?モモイー!?!?
- 20猿夢執筆者24/07/15(月) 23:02:35
- 21二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 23:49:02
ミレニアム**不思議
No.50860「万物ホームラン打法」
危険度:C⁺(SS~D)
モモイ評価:出来ること自体は危険っちゃ危険だし、方法も手軽なんだけど…う~ん
概要:「万物ホームラン打法」は特定の人物が特定の手順を踏むことで起こせる現象型の怪異です。
この怪異が発動した対象は次に棒に見立てられる物を重量200㎏以下のあらゆる物を全力で掬い上げるように
打った際に独特の殴打音を出して打った対象は仰角35°の角度で秒速150mで200m以上の距離を
飛んでいきます。
この現象は物を打つ時と同条件で生物を打った場合でも適用されますが、この一連の現象において、
打たれた対象に、この現象が主体的要因となる物理的、精神的な損傷は一切ありません。
一例をあげると打たれる瞬間や、対象が落下する際の衝撃などで対象が壊れることはありません。
「特定の人物」の条件は判明している範囲で
①白髪であること(染めていてもOK)、②体重が33㎏以上113㎏以下であること(重りなどで調整しても可)
の2つのみです。「条件」は特定の叫び声を打つ時に上げる事のみです。 - 22二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 01:30:13
先生が出てこないのが不思議だったけど黒服が手を回してたのか
- 23二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 04:51:56
- 24二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 08:43:21
標的はアビドス砂漠閉鎖区画35-9
- 25二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 09:22:48
アビドス砂漠閉鎖区画35-9はノースカロライナだった…?
- 26二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 09:42:53
- 27パンドラボックスの人24/07/16(火) 11:15:55
チビを助けるためにビルから飛び降りたのは確かだ。しかし考えなしに降りたわけではない
地面にぶつかる寸前でビルを思いっきり蹴り、ほぼ平行に飛び出すことで重力とのベクトルを無理やりずらし、
きちんと受け身をとることでダメージは受けつつも生き残るという作戦だったのだ
チビとの打ち合わせはできないし、そんな器用な真似ができるとは思えなかったので無理やりチェーンで引っ張ったのは
心残りだったが、それも跡はついたものの勝手に治る程度だったという。確かに二人とも生き残ったはずなのだ
医者が説明を終え退室する。あれから数日はたったか。怪我人はほとんど退院したという
自分は無茶をしたため医者にもう少し安静にしろと言われたが、どうしてもチビの様子が気がかかりだった。そうして様子を見ているとチビが起き上がる。
「あれ…ネル先輩じゃん。そっか、助けてくれたんだね…ありがとう」
「ふっ…なんだか面と向かって言われると照れるな…にしてもお寝坊さんなだけだったか」
「え?今何時?」
「あれから数日後だぞ。寝過ごし過ぎだ」
「あちゃー…あれだけの活躍したから何とかしてくれないかな…」
「それはあたしには決めらんないな。とりあえず医者呼んでくるわ。それからでも遅くないだろ」
「わかった。いってらっしゃい」
ネルがモモイから目を離すと、背中からの衝撃と共にネルの意識が暗転した。
しばらくして、モモイが病室を出ると、廊下でアリスと出会った
「モモイ!もうHPは満タンなのですか!?」
「それを確認しようと医者呼ぼうと思ってたところだよ」
「そうだったのですか…アリス、心配なので一緒に行きます」
「ありがと、じゃあ『いこう』か」
アリスがモモイの向かっていこうとする方を見ると、まるでそこで記憶が切り落とされたかのように意識を刈り取られた
モモイが廊下を歩いていると、病院服姿だが見覚えのある顔にあった
「あれ、ゲヘナの風紀委員長がなんでここに?」
「恥ずかしながらあの後倒れてしまってね…医者によるとストレス性の不調で、あの出来事がトドメになったのはそうだけど、普段からちゃんと寝なさいと怒られてしまったわ…」
「そうなんだ…風紀委員も大変だなぁ…『よく眠れる』と良いね?」
「ええ。じゃあまた今度…」
別れを告げた後ヒナはまるで眠るように倒れ込んだ。足跡がこちらに駆け寄ってきた気がした
- 28二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 12:22:29
今書かれているSSとはあまり関係ないのだが
ちょっとしたアイディアとして聞いてくれ。
私はクズノハが好きなんだ。そこで、是を使えば匂わせが出来る説を考えた。過去編を書いていると溢れるのだよ
「恋しくば尋ね来てみよ和泉なる
信太の森のうらみ葛の葉」
まあ皆さんご存知安倍晴明の父と母の話で出て来る奴。
良くない!?まあ早く過去編書けよって話なんだけどね。
しょうがないじゃん!!皆さんのSSが良いいから書く自信失せるんだもん!! - 29二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 14:02:24
前スレ185からだぜ。まあ終わった後に仕掛けた匂わせとかは説明していくさ。燃やしちゃいなよ!!そんなSS(過去編)なんて!!
彼の者との邂逅
「まずはミドリ最優先でいいよね?」
彼は笑みを浮かべた。だけど笑ってない。絶対キレてる筈だ。目は笑ってないし、右の頬をあげ皓い歯を見せるその顔は、もう捕食者の顔そのものだ。
「勿論。ミドリを救出して後は流れで行くとしよう」
強烈な眼光。何でキレてるんだろう。この人。いや確かにキレるかも知れないけど此処までは普通キレなくない?そんな私の心には目もくれずペンダントを開いた。今まで見たことない柔らかい笑顔を浮かべたと思ったけど、やはりペンダントを閉じると同時に笑みを消す。
「そういえばミレイは何で戦うの?」
彼はちょっと驚いたようにこっちを向いた。成程。いきなり名前呼びされると駄目なタイプね。
「まあ本当だったら火なんだけどね。金属で行こうか」
そう云って彼は手に握ったものを見せてくる。指出しの黒い手袋に包まれた物は拳銃だった。
「...何で持ってるの..?」
「君達には云われたくないね」
彼は肩を竦める。というかこの人キヴォトスの人が日常的に銃を持っていることを知っているんだ。彼の持つ拳銃はS&WM500。リボルバーの中でも最高威力と云われる程の衝撃力を持つ。だけど、リボルバーなのにシリンダーが回転式になっていない。いや、正確に云えばシリンダーが露出していないということだろう。というかリボルバーらしからぬ見た目をしている。
「陰陽五行説とやらを試してみようか」
弾をシリンダーに入れ、彼はこちらを向く。
「僕が気を引く。その間に君はミドリを」
私は頷き銃を握った。そういえばコート着たまんまだったね。後で返そ。彼がモラルだかなんだか云った気がするけどいいや。
「レディ..ファイト!!」 - 30二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 17:24:15
すまないが戦闘はほぼ一瞬で終わるのだ。
まあ概念の共有て所かな。木には金が勝つという基本を自分と相手の間で共有のルールとして適応するようにした。私達が平等に物理法則を体に受けてるとの同じ。
第肆章 始まりを告げる悪魔の掛け声
私と彼は同時に駆け出した。湖畔の周りに立つ木の人形に向かって。ミドリは湖畔の真ん中付近に木で縛られている。木がまるで触手みたいだ。気色悪い。彼は幹や枝を掴んでパルクールみたいに速く木々の間を駆け抜ける。最早空気を裂く風。直後彼は消えた。誰かが切り取った様に何の兆候もなく。それとほぼ同時に突っ立っていた人形が吹き飛ばされた。
「モモイ、こいつを弱らせないとミドリの救出が出来ないっぽい」
湖畔の周りの開けた空間に出た私の傍に彼がふわりと降り立つ。吹き飛んだ方向を睨みながら私は問いを返す。
「どういうこと?」
視界の端で彼の無表情を捉える。完璧な無表情だ。下手な笑顔より怖い。
「ミドリを引きずり出そうとしても四肢がもげるだろうし、木の切断は無理。燃やしでもしたらミドリが無傷ではいられないだろうね」
口の中で舌打ちをつく。何だその死にゲー感は。だけどそうだ。獲物をすぐ食べずに放っておく様な奴が簡単に救出させてくれる訳がなかった。
「アァ?オマヱもジャマするノ゙か?」
あのスピードで吹き飛ばされたらキヴォトス人でも無事ではいられないだろうに、何も無かった様に立ち上がってくる。
「『笑顔の起源は弱った獲物を前にした時の喜びだ』とはよく云った物だね」
彼がそういう程にアイツの顔は狂気的な笑顔だった。さっき吹き飛ばされたと云うのにニタニタ嗤っている。球体関節の細い腕で立ち上がって来る。
「木偶人形風情が気色悪ィ」
彼は声ですら起伏がない。どこまでも狂気的な笑顔である人形と、何処までも感情の無い声と顔を貼り付ける青年の二人。人形はそれにも笑みを返した後喉元に触れる。
「アーアー。これでいいだろ?」
急激に人間っぽくなったことに驚く。人形はソレに気づいて満足そうに更に笑った。
「声帯無しで喋れんのが気色悪いっつってんだよ」
平坦な声で私とは対称的に告げる。巨体というか、縦に異様に長いタイプの人形だった。キモい。
「じゃあ次は、こっちの番」
人形が右手を伸ばす。ほぼ同時に体を浮遊感が襲う。
「最初に子供から狙うとかふざけんじゃねえぞ」
- 31二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 17:28:37
- 32二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 17:45:53
ミレイ視点とモモイ視点
どっちが宜しい?
ミレイ視点だと、しっかりアレがこうだからこうして〜ていうのが書かれます。(スピード感は速く出来るかわかんないけど)
モモイ視点だと今まで通り。ミレイの表情とかをしっかり書けるから、まあコイツ何なんだは考えやすいかも。
因みに今回の怪異はピノッキオモチーフ。あくまでもピノッキオに影響を受けた第三者が呪いを込めて作った奴です。だから鼻は長くなりません。戦闘中に鼻が伸びたら面白いかなとは思った。
何故ミレイだとしっかり描けるか?それはミレイが全てを『視えている』上で動いているから。今回みたいにモモイは見えないことが多いからね。
彼は、この反応速度と反射神経の良さをこう例えます
「えっと、予備動作が1Fしかないク.ソゲーをクリアするようなモンだよね。正直1F未満でも、予備動作が
『あるかないか』で『ある』なら、避けれるよね。そういうこと。僕に攻撃をしたいならタイムラグ無しで攻撃するしかない。1Fの秒数にも依るかもね〜アハハハッ!」
とのことです。例えるならシャン◯ロのサンラクをリアルでやる人。どうやって神経の伝達速度を短縮しているかは企業秘密だって。教えると実験されかねないからねと、とても哀しそうに云っていました。まあ攻撃判定の発生とか諸々考えると結局タイミングゲーにはなりそうだけどね。 - 33二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 17:46:55
このレスは削除されています
- 34二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 17:57:06
このレスは削除されています
- 35二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 18:03:01
- 36二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 18:15:51
- 37二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 19:01:42
- 38二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 19:37:17
- 39二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 21:28:52
ということで
ミレイ視点かモモイ視点か
アンサー頼みました。
ミレイのプロフィールも書きます。色々ね。
因みにミレイの漢字は二通りあり、
そのどちらも別々の二つ名として存在します。
一つは『光玲』。
もう一つは『御零』。これは『零』が『霊』と書かれる事もあります。
クズノハは私の気分が乗ったら書きます。
皆さんも読んでみるとよろしくってよ。
- 40二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 22:30:56
なんだこれ……スターイーターに乗っ取られてる?
- 41二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 23:22:55
ミレニアム**不思議
No.999「宇宙布論を用いた怪異の実在証明」
危険度:S(SS〜D)
モモイ判定:タイトルの意味は全くわからないけど、私が見ているものを証明しようとしたんだね。タイトルの意味はわからないけど。
概要:当怪異はミレニアム総合学会誌Vol.28に掲載された、全42ページの論文です。執筆者である『燎原 夏火子(りょうげん なつひこ)』ですが、ミレニアムサイエンススクールに在籍していた記録はなく、ミレニアム総合学会誌に論文を掲載した経緯は不明です。
当怪異は、論文を読むことで異常性を発揮します。論文を読んだ人間はあちこちに怪異が居ると認識するようになります。才羽モモイに確認したところ、論文を読んだ人間が怪異が居ると主張した空間には、一切の怪異は存在していないとのことでした。
このことから、この論文を読んだ人間が主張する怪異は幻覚であるか、才羽モモイが認識できない怪異である可能性があります。現在、ミレニアム総合学会誌Vol.28は禁書指定されています。
補遺:『燎原 夏火子』名義の論文が新たに見つかりました。「宇宙布論を用いた異世界転生の実践」「宇宙布論を用いた平行世界の証明」「宇宙布論を用いた【閲覧規制】」など多数あり、また掲載されている学会誌も、ミレニアムのものだけでなくトリニティやゲヘナ、古いアビドスのものまで多岐にわたります。
調査の結果、『燎原 夏火子』名義の論文は見つかっているもので■■■年前の学会誌からも見つかっています。掲載誌は、「ゲマトリア神秘研究誌 第四巻」であり掲載された論文は「宇宙布論を用いた神秘と実在証明とその実践法」です。中身は絶対に読まないでください。また、見つけた際はシャーレの先生に報告してください。
- 42猿夢執筆者24/07/16(火) 23:48:56
>>35カクノデスカクノデス…
>>12許可が出たのでまだ書くぜ!ヒナ視点です
勝負は一瞬で着いた。仮面の人が二匹の猿を一瞬で掴み、車両の壁に叩きつけたのだ。仮面の人が掴まれた猿に
「消えろ外道!ここに、この世界に怪異がいる資格などありはしないのだ!」と裂帛すると猿も電車も、
肉塊も一瞬で消え、暗い暗い、夜のような空間だけが残った。
仮面の人はその様子を見ると「ふぅ」と一つ息をついて「大丈夫だった?ヒナ」と私に聞いてきた。
私は「え、ええ。大丈夫よ。ありがとう。心配してくれて。」とその人に言った。
「大丈夫?あんな強い怪異だったんだし、怪我はしていないくても、何か嫌なものを見せてきたりしなかった?」
とその人は更に聞いてきた。「本当に大丈夫よ。で、ええと…強い?」図星を当てられた事を誤魔化しながら、私は
浮かんだ疑問をぶつけてみた。「私に見えた範囲では一瞬で片が付いたような気がしたんだけど…」
「うん。この怪異…『猿夢』はとっても疲れた人、その中でも『怪異と深く関わった人』だけを取り込んで
その人を魂を食べちゃう怪異なの。条件が重い分、代償でその力もとっても強いの。」
成程。確かに今日の夜はとても疲れていたし、私はいつも怪異と一緒にいる。条件にはぴったり当てはまる。
「それで…あなたは誰?」私はその人に聞いてみた。その人は快晴の時の青空のような髪だけを出して、顔を虫…
確か『ハンミョウ』という虫の仮面に隠していた。「う~ん。それはちょっと言えないの。」ごめんね。とその人
は私に謝った。「じゃぁ、あなたはどうしてここに?」私は重ねて聞いてみた。「言ったでしょ。『親友』の
為だって」とその人は言った。「悪いけど、私には貴方に見覚えはないのだけど…」「あはは!そりゃそうでしょ!
だっていつも貴方といるときはこんな格好してないしね。」とその人は言った。私がそれはどういうことか聞く瞬間、
一発の銃声が轟き、その人の仮面を吹っ飛ばした。音がした方を見ると、猿の片割れが硝煙を出している拳銃を
その人の方に向けながら消失しているところだった。その人が顔を上げると、そこには夕焼けのときのような
橙色の目がじっと申し訳なさそうに私を見つめていた。
- 43二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 00:08:48
- 44二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 06:58:08
宇宙布論…何となく宇宙布団に見えてしまった。
- 45二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 08:54:34
顛末がまだわからないけど、「逃亡者」を思い起こさせるなぁ
- 46二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 09:33:25
- 47パンドラボックスの人24/07/17(水) 14:52:52
さらにモモイが廊下を歩いていると、ユウカに出会った
「モモイ!もう大丈夫なの!?」
「げ、ユウカ。いやぁ、それが医者に聞きたかったんだけども見当たらなくってさ…」
「ベットにナースコールあったでしょ。まずそれで呼びなさいよ」
「あー…すっかり失念してた」
「世話が焼けるわね…まずは病室に戻るわよ」
モモイの手を取り、向かおうとすると計算外の視界の暗転を観測しながら意識が途切れた
病室に戻ろうとするとウタハ先輩が病室を覗いてることに気がついた
「おや、なかなか目を覚まさないと聞いたが大丈夫なのかい?」
「御覧の通り目は覚ましたよ。あとは医者に大丈夫かどうか聞こうと思ったんだけどそういやナースコールがあったじゃんって気がついてさ」
「おいおい、無理はしないでくれよ、何しろ君は英雄なのだから、無事でないと困る」
「そんな、大げさだって。照れるなぁ・・・」
「ともかく、医者との邪魔しちゃいけないだろうから戻るよ」
別れのための手を振ってその場を離れようとするウタハは、まるで電源が切れたロボットのように倒れ込んだ
医者の話によると、外傷は生徒の回復速度に対してはあまり大したことは無く、検査の結果も問題無しで意識を取り戻さないことが問題だっただけとのことで
手続きさえ終われば退院が出来るとのことだった、ならば明日は休まなくてもよさそうだ
「早く、みんなと会いたいなぁ…」
先生はミレニアムを駆けていた。
前回のパンドラの箱事件よりも規模が大きい被害は、まずはインフラの復旧が進められていた
幸いか否か、ここはミレニアム。各種ドローンやロボットの連携で数だけなら揃っていた
また、他学園からの支援によって、比較的金銭面的な予算が早めに付いたのも大きい
しかしそれだけではうまくいかない部分もある。一番深刻だったのはPTSD…いわゆるトラウマだった
銃を持ってることが日常のキヴォトスだが、常に引き金を引けるようにしてないと安心できない生徒や
空を見るのが怖いと言って、窓を閉め切りあまつさえ窓との障害物の陰に丸まるように震える生徒や、ただひたすらに無気力になった生徒もいた
症状は様々だが根本的な原因はスターイーターに圧し潰された事
彼が出来る事は彼女らに寄り添って、「もう奴はいない」と安心させることだった。
- 48二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 14:54:27
『―――は悪魔である』
その事実は、覆せない。
『―――は死神である』
その事実は、付き纏う。
『悪魔は救い足りうるか?』
その出題者は、もういない。
『―――は地獄である』
全ての意を継ぐ二つ名は
『―――は畏怖そのものである』
未だ深淵を知り得ない。
――――――――――――――――――――――――
一人の少女を体に引き寄せ宙へと舞う。
「えっ..と...どういうこと?」
疑問符を浮かべながら問いを投げる少女。それに僕は無表情の笑みを返す。
「舌噛まないように」
愛銃をしっかりと握り締め、意識を周囲に向ける。音という音を全て聞き取る。触覚を研ぎ澄ます。モノが動く時に起こる風を肌で感じ取る。第六感を全力で強化する。とは云っても空中ではあまり大きく動かせない。なら向かってくるモノ全てを弾き飛ばせばいい。体に吹き付けた風から位置を判断し、土を裂く音からも場所を割り出す。下からの突き上げ、完全な死角である後ろからも3本。自分の1点を360°全て埋め尽くす密度と速度で放たれた木は命を刈り取る姿をしている。下から突き上げた木。触手みたいな形。所謂円錐だ。自身の足を少しずらして側面を滑るように受ける。後方から来た木は全てノールックで撃ち落とす。木が吹っ飛んでいったのを体で感じながら、視界を埋め尽くす木をどうするか考える。一本一本弾いていたら時間が足りない。
『形状変化を行います...完了..続けて、弾丸の性質を変化...完了..了。弾丸を強化散弾へと移行しました』
脳内に響く起伏の少ない声。頭の中でお礼を告げる。
『いえ、それ程でもありません』
...空耳だな。小型散弾銃へと変形した銃を構え視界内のすべての木を撃ち抜いた。同時に弾丸を後ろに投げ捨てる。下から突き上げ続けている木を足場にして後方へ跳躍。空中に舞う弾丸はしっかりシリンダーと同じ配置だ。直接シリンダーに弾丸を入れる。上から来ている4本を撃ち抜き、迫ってくる全てを弾くことに成功した。抱えている少女を妹の方に投げる。
「えっ...ゑ?」
...まあ頭良いし上手くいくでしょ。空中から落ちつつ人形と相対する。
- 49二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 15:29:06
戦闘描写むっず!!!
- 50二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 17:11:06
>>48 ちょっとした...過去の話さ..
『はじめまして...でしょうか』
清潔感漂う部屋に二人。表と裏で色の違う髪を下げた人が語りかけた。静寂に満ちた空気が再び広がる。
『...少なくとも記憶にはない』
素っ気なく机に寄りかかりながら云った。窓から入り込む陽光が女性を照らしている。
『此処はキヴォトス。貴方に頼みたい事があって呼ばせて頂きました』
キヴォトス。昔友人が云っていたっけ当たり前の様に銃を持つ世界。その理由は銃を受けても致命傷にならないから。それはこの女性も含め頭の上にヘイローがあるからだとか。信じ難くはある。最早世界が違うレベルだ。
『貴方に頼みたい事は、百鬼夜行連合学院という場所に跋扈する怪異の殲滅です』
百鬼夜行連合学院。聞いたことはある。キヴォトスという空間には怪異が発生しやすい。恐らくは、この人達が関係しているのだろう。そんなキヴォトスの中でも、トップクラスに発生しやすい地域。量だけではなく、その強さも常識外れな、感情の坩堝。
『怪異の名は..?』
彼女は微笑んだ。百鬼夜行連合学院の怪異が微笑ましい様な怪異である筈がないのに。
『神話から来たる大蛇。ヤマタノオロチ』
- 51二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 17:12:43
やっぱりか。そうなると思った。どうせ神話と同じ名を冠するのだろうと。嫌なくらいに眩しい空に溜息を吐く
『殲滅、と云った。一つではないのでしょう?』
椅子に座る彼女が心底楽しそうにこちらを眺めている。
『勿論。貴方という逸材を呼ぶ事が出来たのです。之くらいで帰すはずが無いでしょう?』
それからは頭が痛くなる話をした。『青春』という物に収まらない話を。青春ってこんな物なのかなと、考えもした。話の合間に溜息をし過ぎて肺が潰れるかと思った。彼女はそんな姿を見る度に口に手を当てクスクス笑っていた
『それでは出発するとしましょう』
彼女は椅子から立ちあがり、扉へと向かう。白い制服が陽光を反射する。彼女の浮かべる笑顔も相まってとても眩しかった。眩しすぎる位だった。
『今日で342の怪異を倒さないと終わりませんね』
それに応える為に頭を掻きながら女性の隣に立つ。発言に酷く驚いたらしい顔で答えた。
『連邦生徒会に招待したい位です。暇なんでしょう?』
『それは断る。というか暇じゃない。単位取らないといけないし、試験もある』
これでも『学生』をしているんだ。長い間開けるわけにはいかない。
『私ぐらいしかいないのですよ?怪異に対応できる人』
その返答に分かりやすく肩を落とす。仕事量も可笑しいらしいし、そういうことだろう。
『一人で抱えないようにして下さい。貴方が倒れたらそれこそ阿鼻叫喚の地獄絵図一直線ですから』
とても驚いた顔をして、その後声を出して笑い始める。肩を揺らして困ったように笑みを浮かべる彼女がとても綺麗に映っていた。
女性の隣に立ってスポーツバッグを肩に提げた。 - 52二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 17:18:36
―――やあ。久しぶりだね~。現はどうだい?
『相変わらず此処は真っ白だな』
―――そんなこと云わないで。これがいいんじゃん
『僕からすると真っ白は嫌悪感しかないんだが』
―――それはそうとキヴォトスについたみたいだね
『神の気配が大き過ぎ。もう帰りたい』
―――私も一応神なんだけどね
『で、何の用?』
―――君に『本質』を渡そうって話になったからさ
『今度は誰の?僕は神の力の掃き溜めじゃないんだ』
―――仕方ないでしょ?君しか神の力を受けれる人いないんだから
『まあいいよ。で、今度の力は?』
―――ヘファイストスちゃん
『おお...知り合いが来たな』
―――全員知り合いだろ。まいいや次は現のお話持ってきてね〜
『キヴォトスって何なの?』
―――...まあ、君の旧友が一杯いるよ
『ええ...大丈夫?それ』
―――だいじょぶだいじょぶ。記憶ないから
『...ならええか』
―――軽っ!あそうだヘファイストスちゃんは〜
『知ってる。鍛冶でしょ』
―――その通り。キヴォトスガンバレ~
『怪異も神だし...ええ..?体がもたんて』 - 53二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 17:20:04
- 54二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 17:25:58
まあ私の独自設定があります。
怪異は神。キヴォトスの生徒は神をモチーフとしてそこに美少女生徒というテクストを貼り付けています。
だから神である怪異にも対抗出来る。
でも彼は神ではない。只の(只のじゃない)人間なんだ
じゃあどうやって対抗しているか。それが同じ様に神の力を落とし込むこと。でも普通の人間は神の力なんて使えません。
ではどうするか。
人間の伝家の宝刀。実験です。
さて、彼は真っ白に嫌悪感があるらしいですね。
どんな『実験』をされていたんですかね - 55二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 23:54:40
- 56二次元好きの匿名さん24/07/18(木) 10:18:16
保守
- 57パンドラボックスの人24/07/18(木) 11:42:47
モモイは問題なく退院した。まだ日が高いことだし、部室に寄って、「無事」を伝えよう
いろいろ落ち着いたら、助けに来てくれたみんなにも「礼」をしなくちゃ
病院のベットから起きたばかりだが、足取りは軽かった
ここは確か対空砲が置かれていた地点・・・なるほど、もうとっくに撤去されたのか
改めて数日間意識が無かったんだなぁと思い知らされる
この分だと街の被害もほとんど元通りだろう
ミレニアムのみんなも無茶をしてたが無事だろうか、でもまずは、ゲーム開発部だ
いつもの校舎の、いつもの廊下を歩き、見慣れた部屋の前の立つ
なんだか久しぶりな気もするなぁ。感慨に耽っていると声を掛けられる
「お姉ちゃん…?大丈夫なの!?」
「ミドリ!この通りちゃんと退院してきたよ!」
「良かった…!なかなか目を覚まさないからみんな心配してたんだよ」
「どうやらそのようだね…心配かけちゃってごめんね?」
「ううん、無事なら良かった…、ところでアリスちゃんと会わなかった?」
「退院のちょっと前に来たけど、その後どっか行っちゃった。クエストでもあったんじゃない?」
「そっか、戻りが遅いんだよね…」
「いつものことじゃない?そういえばユズは?」
「珍しく買い出しだよ。当番のローテが変わったからね」
「ほんとに珍しいなぁ。でもお菓子とか買うくらいなら問題ないよね多分」
「お姉ちゃん、ユズちゃんのことなんだと思ってるの?」
取り留めもないいつも通りの会話。「日常」が帰ってきたのを感じる
「ここで立ち話もなんだし、部室に入ってお菓子でも食べようか」
「賛成ー!」
ミドリの無防備な背中に、包丁を振り下ろした
「あなた誰?」
包丁の刃は素手で受け止められていた。あり得ない
「おかしいなぁ、なんでわかるの?と言うかなんでそれで無事なのさ」
「私に怪異の力は効かない。そう教えてくれたのはお姉ちゃんだよ、さあ、答えてよ」
「しょうがないなぁ。モモイであることは間違いないんだけど、同時に神の力を継承した誰も彼も目を奪っていく一番星の生まれ変わり、『星の子』だよ」
- 58二次元好きの匿名さん24/07/18(木) 15:07:31
壮大になってきた
- 59二次元好きの匿名さん24/07/18(木) 16:27:07
モモイがゲッターに……!?
- 60二次元好きの匿名さん24/07/18(木) 21:26:40
「よい、しょっ!!」
落下しつつ人形に対して一発撃ち込む。それに対し人形は地中から木を出すことで防いだ。
「ホント、ヘファイストスの権能って便利〜」
リロードを繰り返しながら、迫りくる木々を弾き、人形に銃撃を入れていく。当たる事は少ないが、此方に意識を割かせることは出来ている。このまま続けば、モモイがミドリを救出してくれる筈だ。
『銃弾の性質を変化...完了..ご武運を』
行った性質変化は、弾丸の圧縮。一発撃っただけで腕の骨とそちら側の胸骨が砕け散る反動を持った弾丸になる。『ご武運を』とはそう云う事だ。代わりに圧倒的な火力を押し付けることができる。圧縮である為、一発が通常時の五発分に相当する。つまりシリンダーに入れた弾が一発でなくなる。燃費が悪い!!視界の端でモモイがミドリに近付いたのを捉える。
「一発食らっとけや!!木偶人形!!」
片目を瞑りサイトを覗く。一発ぶち抜けばそれでいい。後方への跳躍に合わせて引き金を引き抜く。放たれた弾丸は煌めいて、人形の頭へと直進していく。火薬は5倍。つまる速度も5倍。因みに弾丸の圧縮は、火薬のみを圧縮する。頭の悪い計算式から導き出された弾倉は人形が反応する暇はない。右手の骨は粉々に砕け散る。肩は外れ、腕は砕かれ、胸骨にはヒビが入っている。まあ骨が肺とかに刺さるとマズいからな!!因みにその他の骨も、ハンマーで思いっきりぶっ叩かれた様な痛みが走る。手の骨の痛みは例えるならミシンやインパクトでギョリギョリ削られてる感じだ。僕は反動で後ろの木に向かって吹っ飛んだ。が、
『ブースターON..完了』
反動を利用し、僕は凄い速度で後方へ吹っ飛んでいる。だけどそれすら利用し反作用と、足場を確保。無理矢理上半身を前に傾けた結果、結局は足で着地..着木する。ブースターが、起動した。推進力が上がり切る前に、自分も木を蹴り前に飛び出す。プラスブースターの速度を利用して左腕で人形の胸をぶち抜く。
「モモイ!!」
木の拘束が緩まり、モモイがミドリを助け出すことに成功した。
「いつでもいいよ!!」
モモイの声が響き渡る。僕はそのまま人形の脇腹に回し蹴りをぶちこみ、湖に吹き飛ばした。水切りの様に跳ねている。着地し、足を折り曲げ、モモイの所に飛んだ。
- 61二次元好きの匿名さん24/07/18(木) 21:29:45
「よっしゃ!帰っぞッ!!」
旧友の言葉を借り、モモイを抱っこし、ミドリも抱っこする。
「うぐゥ..!!!ウゥ..!!ゥ゙ァ゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ア゙ア゙ァ゙ア゙ァ゙ッ!!!!」
「ひゅー。うるっさ〜い」
人形から離れ、湖畔の傍に移動した。
「フーッ...それじゃあ最終ラウンドと行こうかッ!!」
湖畔の真ん中で、人形は叫びながらその狂気を、肥大させていた。
「モモイ。僕の視界内には絶対に入るな。そして動くな。ミドリが起きても、声を出させるな。流石に僕も、仲間だけ殺さないなんて事はまだ出来ない」
自分よりも数十倍はあろうかという巨体が、湖畔に立っていた。
――――――――――――――――――――――――
私も、流石に驚いた。急に投げ飛ばされたのだから。だけど何より、この人が云った言葉が脳を揺らした。
「モモイ。僕の視界内には絶対に入るな。そして動くな。ミドリが起きても、声を出させるな。流石に僕も、仲間だけ殺さないなんて事はまだ出来ない」
彼の綺麗な指の先からは、揺らめく綺麗な光の線があった。 - 62猿夢執筆者24/07/18(木) 23:54:45
>>42書きます ヒナ視点です
その人は「あちゃ~」と言って額に手を当てた後に私に「ごめんね…もう少し話をしていたかったけど、そうもいかなくなっちゃった。」と言ってきた。どういうことか私が聞くと、その人…彼女は「私はここに来る為に1つ契約を
したの。」と言った。「契約は大きく分けて2つ。1つはずっと貴方の夢の中に居ないこと。もう1つは貴方の夢の中にいる時、さっきの仮面をずっと着けていること。この2つだよ。」私は少し考えた後に、その契約を破ったら
どうなるのか聞いてみた。彼女が消えてしまうなどだと嫌すぎるのだが…「大丈夫だよ。破った時の罰は貴方の夢
から強制的に叩き出されることと…」「…「と」?」「いや、これは別に言わなくてもいいや。」「え?」
「それよりも!もうすぐ起きる時間だよ。起きる用意をした方が良いんじゃないの?」「え、ええ…」少し釈然と
しないながらも私は彼女のアドバイスに「あ、ちょっと待って。」従って…え?「今から貴方を起こすから、
ちょっと私の手を掴んでもらってもいい?」「え、ええ。分かったわ」と言って私は彼女の手を取った。
ふと見上げると、いつの間にか、真っ暗だった空間には太陽が昇りかけ、空には雲一つない快晴が広がっていた。
「それで、ここからどう?…」「ーーんね。」「え?」彼女が何かを言ったかと思ったら、突然私の視界は真っ白に
染まって、そして____________________________________________
目覚まし時計がけたたましく鳴り響き、朝日が閉じた瞼を通して目に染みる。『二度寝したい』という欲求に抗って
体を起こし、アラームを止めて時計を見ると時間は6時前を指していた。私は大きく欠伸を一つして、出勤の為の準備
を始めた。『昨日は夢を見なかった』という事に、あの『悪夢』を見ないでよかったという安堵と
自分をそこまで疲労させたわが校の問題児達への少しの恨みを持ちながら。
- 63二次元好きの匿名さん24/07/19(金) 04:52:46
- 64二次元好きの匿名さん24/07/19(金) 08:05:00
このレスは削除されています
- 65二次元好きの匿名さん24/07/19(金) 10:35:08
『――必要なのはたった一つ』
『一撃で核を潰す』
『それだけで、全ては終了する』
水面に揺らめく月が形を取り戻し始めた頃。一人の人間と狂気はその高低差を以て、睨み続けていた。
「ファイナルラウンドだ。準備はいいかい?」
『―――。モモイとミドリを頼むね』
鈴が鳴り響く。とても優しく、その音は水面を優しく撫でている。僕一人では、時間が掛る。ならどうするか。
「ずる賢く行こうじゃないか。人間らしくさ」
『酒呑童子――』
掛けた封印を解除し、体を媒体として酒呑童子を一時的にここに呼び出す。
「久し振りだなあ。我が主?」
「寝起きに悪いんだけどさ。一緒にアイツ殺らない?」
酒呑童子と呼ばれた黒色に近い肌色をした鬼は八重歯を見せ、嗤った。そして後ろの二人を少し見て告げる。
「そんじゃあ久々に暴れていいんだな?」
僕も、それに笑みを返す。
「勿論」
酒呑童子は腕を伸ばして準備運動を始める。伸脚したりジャンプしたりして体を温めている。
「でも珍しいね。主が呼ぶなんて」
ひょうたんを出して飲むか?と言われたが流石に断った。
「うっし。久々にストレス発散といきますかあ」
二人は足を肩幅に開き、怪異と相対する。水面の揺れが完全になくなった時、あちらから攻撃を仕掛けてきた。更に速く、重い。暴力性が増してるな。だけど、見れればどうということはない。酒呑童子が腰の刀に火を着け迫りくる木々を燃やし尽くす。その刀をトントンと肩に叩きながらゆっくりと歩き出す。
「あんたも不運だなあ...せめてあの子らに手を出さんかったらちょっと死ぬだけで済んどったモンを...」
刀を肩に置き、足を引く。腰を落とし、もう片方の腕を下ろしている。因みに僕はまだ動かない。
「はあ...相手をまちごうたなあ..唐変木。せめて灰になってから死にぃや」
迫りくる木々を鬼特有の膂力と炎で切り裂く。空中を歩けるとかいうチート。酒呑童子も大概荒々しいが、怪異も大概だな。
「そろそろかな」
酒呑童子がわざと木々に吹っ飛ばされ僕の隣に着地する
「――真打ち登場って奴や」
- 66二次元好きの匿名さん24/07/19(金) 11:14:48
―――――――――――――――――――――――
『鬼人』。それがあの人だった。仲間の鬼から『鬼神』と呼ばれていた俺にとって、それはライバルの様なものだった。だが違った。あの人にとって俺達はただの『障害物程度』でしかなかった。幾ら刀を振るってもその刃は届くことはなく、幾ら焔を使っても火傷を無視して歩いて来た。ああ死ぬんだと、首元に刀を突き付けられながら思った。けど違った。
『その子達は..なんの為に攫った?..』
餌のためだ。
『食わなきゃ死ぬのか?』
そりゃあそうだ。食わなきゃ力が足りなくなって死ぬ。
『もし僕について来るなら、人を食わずに生き延びさせてやる。着いてこないなら今此処でお前を殺す』
珍しいな。人間が鬼に選択肢を与えるなんて。
『...食わなきゃ死ぬなら、人間と変わらないだろう』
――燃え盛る屋敷の中、それが最初の出会いだった。
契約内容は幾つかあった。人を食わないこと。危害を加えないこと。家以外で勝手に出て来ないこと。その代わりにこの人はめっちゃ美味い料理を作ってくれる。そして力を貸すこと。主が承認した人以外が俺を殺しに来たら、やり返していい事。但し治療可能な範囲で収めること。その他諸々だ。主に仕える仲間と一緒にルールを作った。子供に手を出すのは禁忌であること。呼ばれた場合はすぐ応じることなどだ。その中でも、最も重要なのは、
『主がキレていたら全力で手伝う事』。
そして今が、その時だ。
――――この人の沸点は二つ。子供に危害を加えられた時と、大切なものを壊された時。今は前者。
『さあ、見れるぜ。同士よ。鬼神にすらなり得る『人』の、怒りだ』
――――――――――――――――――――――――
酒呑童子とスイッチする様な形で静かに足を踏み出す。速く静かに。僕に取って最も得意な得物。腰の帯刀した刀に触れ、柄に手を置く。『鬼人』を開放するとどうなるか。『敵対存在に限らず、生命体と判断した存在を、一匹残らず殺戮するマシーンになる』代わりに『馬鹿みたいな力を得る』。核を狙う技は連携技。抜刀術の奥義。その名の由来は鏡に映った様な残像が見える、立体的に動く様子が鏡で反射している様だから。そして――
「神威流」
神話由来の技を用いる流派。名前もさることながら絶技と認定される極致の抜刀術。
『真経津鏡』
瞬きの一瞬にすら満たない本当の一瞬。怪異の四肢は全て切り落とされる。 - 67二次元好きの匿名さん24/07/19(金) 11:15:52
――真経津鏡/まふつのかがみ。神威流に該当する抜刀術の一つの極致。刃渡りが足りないのなら自分が移動すればいいという考え方に基づき考案された高速移動と高速斬撃を繰り返す奥義。その名の由来は、鏡に映った様な残像が生まれること、三次元的な動きが鏡によって光が反射する様に自由だから。なによりも、
『使用者のどれほど近くに水があろうと、映った太陽が揺らぐことはない』という、些細な波すら立たないその水面が正に鏡である、という理想体から来たものである。
創作です。抜刀術を穢した気がするけど...まあいいや - 68筆者本人のすっとぼけ24/07/19(金) 11:27:10
真経津鏡...八咫鏡か。
敢えて説明を『太陽』にしたのは、
神話が太陽に関わりがあるからだろうなあ。
にしても『瞬きにすら満たない本当の一瞬』て。
速すぎんだろ...!!
酒呑童子が焔なのはやはり酒か...
それだけ速いのに振動が伝わらない、つまり空気に些細な風ですら起こさない繊細さ。
腐っても抜刀術だから、速く、静かに、『一瞬の動』で仕留める。
...ハッ!私は一体何を..!?
『生命体と判断した者を誰彼構わず殺戮する』という
デメリット上、モモイとミドリが心配ですね。
でも大丈夫!!『―――』君がやってくれてるから!!
因みに此処でちょっとキヴォトス怪異談スレをお借りします。何卒宜しく...クックック.. - 69二次元好きの匿名さん24/07/19(金) 21:28:16
どの話も盛り上がってきたなぁ。
- 70パンドラボックスの人24/07/19(金) 21:32:04
「星の子?」スターイーター本人にしては、まるで微妙に違うというニュアンスだ
そもそもミドリが変だと気がついたのは、怪異による力を受けないという能力が関係している
モモイが張っていた認識阻害の影響を受けなかったうえで、普段の会話中に「憎悪の炎」を瞳に灯しているのを見たからだ
だから少なくともモモイでは無いと判断したうえで気がつかれないように警戒していたのだが…
身体も、会話も、振りかざした包丁も…間違いなくモモイともう一人そのものだった。憎悪を除いて…
「分かるように区別しただけで、私は私、才羽モモイだよ。その様子だとそっちも確信してるようだけど」
「だとしても、決定的に違うところがある。少なくとも何かがあったはず」
「そりゃそうだね、以前の私だったらこんなことしないだろうし…
でもどうしようかなー。ここまでバレなかったからそのままこっそりと終わらせたかったんだけど…
怪異の力を受けないって言ったのは覚えてたけど、まさか包丁がすり抜けるわけでもなく、かといって傷が出来るわけでもなく止められちゃうとはね」
つまり、ここでミドリを仕留められないということ自体は想定済みと言外に匂わせていた
モモイはいつもの愛銃「ユニーク・アイディア」を構えつつ、6本の白い腕で包丁を構えた
「…包丁は効かないってわかったはずだけど?」
「もちろん、でも使い方はいろいろあるからね」
パンドラの箱事件、対影戦を思い出す。影は実体のある弾を撃ってきていたが、その弾を弾いていた
ミドリも「フレッシュ・インスピレーション」を構えるが、包丁を加味しなくてもこの距離では不利だった
元はと言えばどちらの銃も同じように作られている。モモイはそのままアサルトライフルとしての連射性を重視し、
ミドリは的確に当てるための精度重視だ。つまり、お互いに確実に当たる距離なら精度などまるで意味がない
「姉妹喧嘩なんていつぶりかなぁ?」
「私はこれをそうだとはカウントしないよ…」
「まぁどちらにせよ、とことん付き合ってもらうよ。『じゃないとこの身を焦がしそうな呪いをどうにかできそうにない』」
「それが理由?」
「そうなるね」
MOMOI_STAR VS MIDORI FIGHT!
- 71猿夢執筆者24/07/20(土) 01:01:15
>>62 書きます。もう語るに落ちてるけど一応???視点です。
一瞬の光と共に『あの子』の姿が消えた。一応この夢の内容は消しておいたから大丈夫だと思いたいけど…
突然「Fatality…」という声と共に空間が裂かれ、中からいつもあの子が私たち関連の案件を処理する際に連絡する…
確かモモイという子に似た顔に腕を6本生やした異形が入ってきた。「やっほー。ありがとね、此処に入るの
手伝ってくれて!いや~私、道を作ることはできても、こういったことはどうしてもできなくて…」
「…」「どうしたの?」「why?」「ん?」「I don't you say」「ん~と?『なんであんな事をやったのか?』と
『私はそんなことを言っていない?』」「Fatality…」「それ肯定なんだ…えっとね、まず1つめの答えとしては…
やっぱり『あの子にいらない負担をかけたくない』っていうのが理由かな。」「what?」「あの子は『自分が
救えなかった』という事実を何度も見せつけられた。そんなことを覚えた状態で戻しちゃったらあの子はもっとひどい
『悪夢』に苛まれちゃう。あの子は責任感が強いからね。だからここで起きた出来事に関する記憶を消したの。幸い
ここは夢の世界だから、あまり難儀はしなかったけどね。できれば、『悪夢』自体も消してしまいたかったけど…」
「We can't」「そうだね。私たちにはそんなことが出来る力はない。」「Second…」「ああ、2つ目ね。2つ目は…
その場の気分?」「Fatality!!Fuck!!」「わぁーやめてやめて!一応ちゃんとした理由があるから包丁を
振り回すのはやめて!?」「…why?」「落ち着いてくれたのは助かるけどそれ突きつけるのやめてくれない?理由
としては『帰る』為だよ。『言霊』ってあるでしょ?ああいうのはこういった『夢の世界』いわば『領域』の中での
効力が普段よりも大きいんだ。多分色々不安定だからそういった影響を受けやすいのかもね?だから貴方も私が
契約を宣言した時に『私をこの世界から出す存在』としてこの世界に来れたでしょ?空気を読んで隠れててくれた
みたいだけど。」「…understand」「納得してくれた?」「…another?」「もう一つ?ああ簡単だよ。
『私の顔を見た時、この夢で起きたすべてを忘れる』ってこと。一応君の質問にはこれで全部答えたと思うよ?」
- 72二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 10:54:14
記憶を消すのは織り込み済みであとはちゃんと帰るための布石だったのね
- 73二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 18:49:11
デスモモイの肯定“Fatality”説は草
- 74二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 19:59:07
私は、ミドリを傍に、彼の動きを観察していた。褐色肌の人がどこからともなく現れたかと思うと、少し談笑してかと思ったら目に負えない速さで怪異の繰り出す木を燃やし尽くす。彼はその場からは動かず、ペンダントを胸元で握り締めていた。褐色肌の人が吹っ飛ばされて彼の近くに着地したと思えば彼はその場から消え、気付いたら怪異の四肢が切り落とされていた。波の立たない湖に違和感を覚えながら、彼を探していた。
『その罪における罰を受けよ』
脳内に響く低い声。ミドリの額に優しく手を置く。
『『ギルティ』天秤の導く縛りを受けよ』
その瞬間、怪異の切り落とされた四肢は停止し、本体の怪異は、腕を持ち上げられ、足は纏められる。腕と足は切り落とされているが、所謂『十字』の形だ。これが何を意味するのか、私は知らない。けど底しれない恐ろしさは感じた。
『偏に、生命を穢したことこそ、貴様の罰の理由だ。
故に、死罪とする』
直後、怪異は叫び声を上げ始める。今まで浮かべていた笑顔は、恐怖に滲んでいる。胴体が動く。痛み、苦しみから逃れようと身を捩っているのだろう。声が湖を荒らす。ミドリの耳を、優しく、強く抑えた。
『酒呑童子、貴様は契約により無罪とする。其の物に感謝しろ。但し、神界に手を出せば死罪とする』
褐色肌の人――恐らく酒呑童子――の顔は見えなかったが微笑んでいるように見えた。怪異の奥に、人影が見える。湖の奥側で俯いていた。距離もあり、顔なんて見えはしなかった。だけど、彼の周囲の空気が歪んで見えて、恐怖を感じてしまった。彼が手を体の前で握ったように見えた直後、怪異の四肢も、胴体も、バラバラに分解された。
- 75二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 20:43:18
視界の中から人影が消えた。直後、制服の上着を靡かせたミレイが傍に立っていた。彼は無表情のまま、私達を見る。目は暗く、瞳孔のみがこちらを覗いていた。
『天秤の導くままに、其身にば――』
『声』が脳内でそこまで告げた時、私達を見下ろすミレイの腕が素早く動く。その左手に握られていたのは、拳銃だった。私の体が条件反射で殴りかかりに行こうとした、その瞬間。
「え...?」
その銃口は、私を覗いてはいなかった。勿論、ミドリに向いている訳でもない。酒呑童子に向けてでもない。その銃口は
「あ゙ぁ゙〜..痛ってぇ〜」
ミレイの右肩に、向けられていた。
「そっから先は契約違反だって云ってんだろうが」
「痛ってぇ〜」と云っている割には、顔が笑っている。
「ああ〜。モモイすまんなあ。ちょっとミスったわ」
銃をスポーツバッグの中に入れ、左手で右肩を抑える。そして、後ろから左肩に手を置く人が一人。
「歳とってんだから無理すんなよ。おじいちゃん♪」
酒呑童子だ。自分で自分の肩を撃ち抜いた事に大して驚いた様子もなく、撃ち抜いた其の人である、ミレイを茶化している。それに対し、困った様に払うミレイ。
「うっせ。それより気付いてんなら止めろよ酒呑童子」
そう云いながらも、やりすぎかあ~、と困った様に笑う。
「えっ...と..あの〜?」
二人は気付いて此方に手を上げる。
「「や」」
二人共中学生みたいなノリと無邪気さで挨拶してきた。
「心配かけてすまなかったね」
そう云ったあと、ミレイはしゃがみこんで私達の近くの地面に目を向ける。
「フラル。ちょっとご飯があるんだけど...いる?」
鈴の音と可愛らしい猫の鳴き声が聞こえたかと思うと、彼が目を向けていた地面に青白く光った猫がいた。尻尾が二股に分かれていて、先から蒼白色の炎が上がっている。
「それじゃ、僕はフラルに餌上げてくるから」
酒呑童子お願いね、とそう言い残し湖の方に向かった。
「餌やりがんばー。さて、ちょっとその子見せて?」
酒呑童子は私が訳も分からず頷いたのを見ると、ミドリの方に向かった。
- 76二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 21:26:29
湖に足を置き、フラル――猫又――と水面を歩く。水面に何度か雨粒の様な波紋を起こし、浮いている人形の頭を見下ろした。
「さて...執行は任せてくれたっぽいから来たけど..」
人形の丸っこい頭を見つめれば、笑みはなかった。さながらぽっかりと空いた穴の様に、虚無感に満ちていた。
「これじゃあ罰にはならないなあ。あ、そうだ」
額に手を当て、目を瞑る。ふわふわの動物が足に擦り寄ってきた。
「大丈夫。共有じゃない。コピーだ」
神経を共有すると、今から起こる事がこちらにも感じるようになってしまう。それはフラルに申し訳ない。
「今まで散々やってきたことだよね。恐怖を与えてゆっくりゆっくり壊していく。悲鳴を上げることすら許されないで、足から、或いは手からやっていく。痛くても、苦しくても、悲鳴という発散方法がなくなる。その苦しみ。君は自分が受けないと思ってるの?」
口を糸で縛り、フラルに目を向ける。
「恐怖を感じろ。苦しめ。永遠とも思える程長い、魂の一瞬の燃焼を感じろ」
猫又とは、二種類ある。有り体に言えば『怨霊』と『守護霊』に近しい存在との二つだ。
「反省しろ。悔いろ。懺悔しろ。その全てを痛みで贖え」
『それ』に背を向け、モモイ達の所に足を踏み出した。
――報告 No.XX
「彼から聞いた場所に到着した。見た限りでは特に問題は見当たらない。前述の内容を否定。ある位置(下記X)から湖の中心に向かって、血が付いている。この怪異の特性上異常は消される。血が付着したままというのは明らかな異常だ。X地点には特に違和感はない。
彼が云うには、湖で怪異にトドメを刺したとの事――」
この報告の主は、後にこの風景を撮った写真を提出している。『一人ぼっち』撮影者はそう書き残している。
写真には、現場と思われる湖、そこに向かう血が鮮明に撮影されている。尚、データ上の報告書にも出されており、写真を拡大すると、湖畔の中心に赤色がある事がわかる。それに画像処理を施した者は報告書に加筆修正をしておりそれと一緒に画像処理後の画像も投稿している。
その画像には湖畔の中心に『彼岸花』が咲いていた。
- 77パンドラボックスの人24/07/20(土) 22:03:45
包丁による攻撃は効かないとはいえ、圧倒的に不利な戦いが始まった
やはり手数が足りない。対する相手は腕ごと多い。
ならば状況を打開するためには情報を集めるしかないだろう
「戦いながらで良いから答えて、結局のところスターイーターは関係あるの?」
相手には本来答える義理は無い。そのまま攻撃を続けてこちらを気絶させるだけで実質勝ちなのだから
しかし確信をもって質問をした。彼女はちゃんと答えると
「あるにはあるね。私をここまで突き動かしてるのは、もう滅んだアイツの影響だから」
ああ、またしても頭への一撃は包丁で弾かれた
「スターイーターが滅んだのなら、その影響が続いているのはおかしくない?」
二人とも同じ速さで動くため距離が一向に変わらない。依然として不利だ
「それが呪いなら願った本人が居なくても持続するんだよね。しかもきっちり言霊付きと来た」
「言霊?スターイーターが最期に何か言ったってこと?」
「『逃がしはせん!お前は私と共に滅びるのだ』だったかな。じゃあ私は滅びて無いから叶ってないね?
叶ってないなら叶うまで契約は継続だね?」
迫ってくる顔は真顔。表情を変える事すら隙になるとでも思っているのだろうか
「それだと、一番手っ取り早い方法をとらなかったのはなぜ?」
その方法についてはあえて口にしなかった。口にするのも憚られるし、やってないということは相手にとっても都合が悪いからやらないという確信をもって
「アイツがやりたかったこと、まだまだあってさ。それも呪いとして私にかけたもんだから、一番重要なのに一番最後になっちゃったんだよね」
フェイントをかけて足に向けて撃った銃弾も難なく飛ばれて回避される、普段なら絶対引っかかってるのに…
「そのうちの一つが私を襲うことか…」
だとしたら彼女の命を長くするためにはなおさら負けるのだけは避けなければならない
しかし、どうやって?
「何をやってるの・・・?」
ユズちゃん・・・!?
「ターゲット発見!もらったぁ!」
何が起こってるかわからずに硬直するユズに包丁が投げつけられ…
ユズに刺さってそのままユズが動かなくなった…
「アハハハハハハ!」
モモイの目標の一つが達成された瞬間だった
- 78二次元好きの匿名さん24/07/21(日) 04:41:13
ゆ、ユズううう!?
- 79二次元好きの匿名さん24/07/21(日) 12:21:59
フォックスだなあ。
食ってきた星の中に地球もあったのか?
これ、モモイと会って意識を取られた人はどうなるんだ
過去編はちょっと間隔を開けて投稿していきます
私の奴で密度が高くなったからね
一回休憩します
- 80パンドラボックスの人24/07/21(日) 20:51:50
ユズはまるで物理演算が効いた3Dゲーのキャラみたいにそのまま後ろに倒れた
銃撃に気を取られていたのもあるが、咄嗟のことで反応が遅れた
一瞬のためらいもなかったのはモモイの方でしかもそれを銃撃の片手間…
いや8本あるうちの1本の腕だけでやったのだから、阻害することも難しかった
「さて、ゆっくり『処理』したいけど…今は忙しすぎるなぁ」
今も銃撃の最中で、流石に距離を詰めるのは難しいようだった。何をするかは想像はしたくない…
もしや、見舞いに行ったアリスもやられたのかと思ったがそれを確認する術はない
そういえば…パンドラの箱事件対影戦の後のことを思い出す。考えが正しければやってみる価値はありそうだ
自分の立ち位置と、モモイとユズの立ち位置の関係を確認し、モモイを牽制しながらユズに急いで近づいた
ゆっくり観察する暇は無かったが、ピクリとも動かなくなったユズを見て最悪の想像が走る
ミドリはユズの腹部刺さる包丁の柄を持つと、躊躇なく引き抜いた。これが普通の包丁であれば逆効果に可能性が高いが、これは普通の包丁ではない
「かっはっ・・・!?」
とても普段聞くことのないよな声でユズが息を吹き返した
「ユズちゃん、私の声がわかる?わかったら、この場からいち速く離れてみんなと連絡を取って」
包丁を持った友人に一瞬気が動転しそうになるが、諭すような落ち着いた声色に何とか冷静さを取り戻した
「で、でもそれだとミドリが・・・」
「この包丁は私には効かない。時間稼ぎをするなら私が一番最適なんだ。でも打破するための力もない…ユズちゃんなら最適解を持ってきてくれると信じてるから…」
このまま加勢をしたところだが、先ほどの包丁を考えると、また刺されて行動不能に陥る可能性が高かった
「…わかった」それだけを言うとユズは駆け出した
「うわ、復活されちゃった!?逃がしたら大損じゃん!」
またしてもモモイがユズに包丁を投げる。それをミドリが撃ち落とした
「あなたの相手は私、そもそも姉妹喧嘩って言ったのはそっちだよね?」
「確かに言ったけどさー!」
しばらく撃ち合って居ると唐突に声が響いた
“姉妹喧嘩とは、穏やかじゃないね?“
「あれ、先生じゃん、申し訳ないけどこっちは真剣だから、巻き込まれたくなければ離れててほしいなー」
“そういうわけにもいかないよ“
あれ…?ユズの時と反応が違うことに気がついた
- 81猿夢執筆者24/07/21(日) 21:31:45
>>71書きます。まだ説明です。書いた後で表現の矛盾に気が付いたけどそのまま突っ走ります。???視点です
「No」と彼女が答えた。え?と私が聞き返すと彼女は「How…」と私に聞いてきた。「え~と?私が
『どうやってあの子をあちら側に返したか』?」「you don't say」「『私は記憶云々は言ってないのになぜ記憶が
消せたのか?』結構細かいところ気にするね君…えっとじゃぁまず…1つ目は私がつけてた仮面の力だよ。」
「斑猫…人の前を跳ぶ様が迷子に道を教えているように見える事から、『道教え』という通称を着けられた虫だよ。
これを被ることで私は世界に『私は迷子を導く者』だと判断させたの。仮面には着けた人の役割を表す力が
あるからね。あとは私の力をチョチョイッと組み合わせて、あの子の帰り道を作ったってわけ。」
「Hmm…」「まぁこんな手段が取れるのは此処ぐらいだけどね。だって普段の私には顔がないから!」「…ha」
「鼻で笑わないで!?それ無反応よりも傷つくから!」「lol」「笑えってわけでも無いからね!…話が逸れたね。
2つ目の質問の答えは簡単だよ。『彼女がそれを望んだから』だよ。」「Huh?」
「正確には、彼女の『脳が』だけど…彼女は自分の力が足りなかった事で起きた出来事を何度も見せられた。
それによる脳にかかる負担に対して脳が防衛反応を起こしたんだよ。あの子の脳が、あの子にかかる負担を少しでも
減らすために、夢で起きた出来事を無理やり忘れたの。それにここは今あの子の夢の世界だから、あの子
が望んだことがなんでも起きうるってことも忘れた原因の1つだね。これで全て答えたんじゃないの?」
- 82猿夢執筆者24/07/21(日) 22:56:14
>>81書きます。最後です 三人称です
「さて、それじゃ…私のことを元の世界に戻してもらってもいいかな?」と『今日は快晴』は軽く言った
デスモモイはそれに対し「…」と沈黙で返した。それに対し『今日は快晴』は得心が行った様子
「ん?…ああ、大丈夫だよ。私をあっちに戻したら、契約が履行された扱いになって帰れるはずだから。」
と言った。しかしそれにも「Hmm…」とデスモモイは曖昧な返事をした。その様子に『今日は快晴』は少しの怯えと
共に「どうしたの?まさか帰し方が分からない…とか?」と聞いた。しかしそれにデスモモイは強い口調で「No」
と反対した「違う?ああ。それは良かった。でもじゃぁ何で?」と疑問をぶつける『今日は快晴』に
デスモモイは少しの逡巡と共に「Ah~ can you endure pain?」と心配するような声を出した。それに
「ん?何でも良いよ!バッチ来い!」と『今日は快晴』は強く言い切った。
それを見て、「…Fatality」というとデスモモイは体についた包丁を『今日は快晴』に突きつけた。
それに対して『今日は快晴』は少し怯えた様子で「え~ともしかして…それに切られなきゃ駄目?」と聞いた。
デスモモイは「Fatality!」と叫んで、『今日は快晴』に突撃した。「え、ちょ、待って!まだ心の準備が_」
という声は無視され、『今日は快晴』がぶった切られたかと思うと、2つの怪異はその場から『消失』した。
『猿夢』_退治完了!!
- 83猿夢執筆者24/07/21(日) 22:59:22
これにて完結です!長々とお付き合い頂きありがとうございました!
一応書いた話に関する質問があれば出来る範囲で答えます - 84二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 01:14:19
デスモモイの行動よw
- 85二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 11:43:35
デスモモイ、知り合いを斬るのをためらうほどの理性があったんだな…(失礼)
- 86二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 20:25:06
「酒呑童子、どう?」
しゃがみこんでいる酒呑童子の傍に座り、同じ様にミドリを見る。
「特に問題なし。が...」
言い淀む酒呑童子の瞳孔。それがチラチラと心配そうに見つめる先は、恐らく
「成程。『足』ね。やってくれるじゃん」
『足』。木の怪異、そして、『根』に当たる場所。つまり
「呪い、か」
あの怪異は恐らく『呪いの人形』と、『ピノッキオ』が合わさった形。それはどちらも『願いの代行』であり、『呪いの人形』に至っては『死』の強制だ。あの怪異は恐らく最初からこのつもり。目的はあくまでも『対象の』死だ。自身の死すら利用し、ひときわ強い呪いをかけたのだろう...が、
「相手が悪かったな。呪術は僕らの専売特許なんだ」
呪術が主に使われていた時代。正確に云えばいつだって使われているが、平安という、陰陽術が盛んだった時代からやられている神威流には、物理的に呪術を返す技だってある。
「呪詛返しは、得意分野なんでね」
左手をミドリの顔に翳す。とは云っても呪詛師が既にいない為に、その呪術を引き受けるのは
「これは..僕の仕事だ」
術を解読。その全てを引き寄せ体に落とし込む。一つ一つを吸収していく。結果何が起こるかと云えば
「フーッ...吸収完了」
こちらを驚いた顔で見つめるモモイ。
「吸収っ...て、大丈夫なの!?」
「問題ない...いつも通りだ」
肩を回し酒呑童子に確認を頼む。
「ああ。問題ない...が、肝冷えるから無言でやるのはやめてくれ。頼むから」
もう僕は、呪いの形を見えない。
「ヨシッ..!帰ろう。君達の家にさ」
まだ君達にはあるんだから、とそう口に出かかった言葉を押し殺す。お前は、それを云ってはいけないだろう。
「本当に大丈夫か?」
小声でそう聞いてくる酒呑童子。
「まあ...今更一つ増えた位で変わらない..多分」
まあ10000以上に1増えた所で変わらないのはそうだ。それに、今この子達に必要な言葉はそれじゃない。
そして、既に見つけていた『穴』に向かう。
- 87二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 21:21:42
「...モモイ...幾つか伝えたいことがある」
『穴』の直ぐ側に近付いた時、ミレイが口を開いた。視線を私に合わせてくれているのが、ミレイの優しさを物語っている。酒呑童子は、『穴』に手を翳している。縮小を抑えているようだ。
「何?」
ちょっと嫌な云い方になってしまったかもしれない。彼はちょっと困った様に笑う。
「いや、アレはすまなかった。少し挑戦された気がしてしまってね...」
そう云って、彼は紙を渡してくる。
「これは僕の電話番号と、念の為の僕の家の住所」
その紙を見つめて、彼の顔を見つめ返す。
「これは何で?」
彼はバツが悪そうに笑う。
「住所は...まあ、『念の為』だよ。電話番号は..えっと..君が抱え込まない様に」
『言葉』は、もう一つ、と、そう云って頭に手を置く。
「いい?君は『頑張って』いるんだ」
私はその意味がわからず首を傾げる。
「君は..そうだな。『頑張ろう』としてない?」
それに対して、私は頷く。そうだ。私は―――
「『お姉ちゃんだから』って頑張ってない?」
それに対して、何か引っ掛かるものを感じた。それはなんだろうか。何か、『自分の中』の隠し通してきた何かが、段々と形を成していく。
「おい...もう少しほら、アイスブレイクとか...」
酒呑童子はミレイに向けて少しだけ溜息をつく。それを手で制して私をしっかり見つめる。
「モモイはさ...何を背負ってる?」
大丈夫...私はまだ..
「...背負い過ぎたその荷を」
「僕がいえることじゃない。でも...」
いやだ。そんな目で見ないで..
「『君は、どれだけのものを背負っている?』」
何かが、切れた。
- 88二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 21:23:17
「私は..わた、しは..お姉ちゃん..だ、から...」
「おい。流石にそれは」
「うん..僕がこれをするのは似合わないね。僕は...いや、いいや。モモイ。今は吐き出して」
「だって..私は...!!」
「今だけは、その『姉』という立場を捨てて。吐き出して。僕は、その全てを受け止める。僕は、君からその荷の少しだけでも、背負うから。今だけは、『コレ』の辛さをわかる奴がいる..だから...『それは、僕らが背負うものだよ』...」
泣いて、泣いて、泣いて。彼は私の横に顔を持ってきて背中を擦る。優しくて、心地良くて...久し振りの感覚だった。散々泣いて、泣き疲れて..私は―― - 89二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 21:29:29
「泣き疲れて眠っちゃったね」
そう云って、僕はモモイを抱っこする。
「お前...それはないよ。それをするならお前の知り合いかそいつらに任せれば良かっただろうが」
「うん..だからこの子に力を貸してもらったんだ」
バンシー。『嘆きの妖精』の手を取る。
「お前は...自分を知らな過ぎだ。お前ならそれもできただろうが」
「...僕が?ハハッ..出来るわけ無いだろ。『僕』に」
そうだ。僕はそう云う奴だ。
「彼女に触れた時はフラル――『仔猫』の『生に対しての想い』と『フラルの花への想い』で、『仮初めの暖かさ』と『仮初めの安心』を付与した」
酒呑童子は辛そうだ。
「あの66の怪異の不快感は全て『呪い』として判断し僕が全て受けることで解決した」
全て。そう。つまり、『二人分のアレ』を受けた。
「そしてあの怪異と相対した時は結界で怪異の威圧感を退けた...そしてモモイ自身が救う事でこの状況を造り易くした」
酒呑童子はミドリを抱え、『穴』へ足を向ける。
「極めつけは『バンシー』さんの力。人間『泣く時は本音が出易い』という設定を結界に付与した。だからこの子は僕に本音を云えた...結局――」
酒呑童子は口を開く。その先を云わせまいと。
「『自分の力じゃない』と、そう云うつもりか?確かにお前は『苦しみ』を知ってる。けど、だからこそだろうが。だからこそお前は人を...!!」
「ハハッ...酒呑童子..やっぱり君は、僕なんかより余っ程優しいよ。そうだね。云うなれば『君は、僕なんかより余っ程人間らしい』よ」
「..ッ......!!!」
「帰ろう。『この子達の愛が、溢れる場所に』」
「..帰ったら説教な」
「....程々にしてくれよ」
「お帰りなさい..久し振りですね。史実通り、貴方は歳を取らないのですか?」
青い髪の女性に目を向ける。今の僕は、上手に笑えているだろうか。
「ええ..本当に...久し振りです。『会長』。これでも見た目は変わっているんですよ」
そう云って、ミドリとモモイを縁側に置く。
「おかえりなさい」
「...ハッ..うん。ただいま」 - 90二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 22:42:57
- 91二次元好きの匿名さん24/07/23(火) 07:38:24
保守
- 92パンドラボックスの人24/07/23(火) 11:19:09
ユズは走った。確実に彼女からの死角になるように。銃声も遠くなったころまず連絡したのは先生だったのだ
先生はユズの「モモイの様子がおかしい。なぜかミドリと交戦している」の文字を見ただけで現場に赴いた
先生には身の危険がどうとかの考えはほぼ無かった
「言い方悪くなるようで申し訳ないんだけど、先生関係ないよね?危ないから下がっててほしいんだってば」
“ユズからモモイを助けてほしいと言われた。それだけで関係ないなんてことは無い。それじゃ不足かい?“
「助けるってどうやって?止まる気は全くないよ?」
いまだに銃も包丁を構えているうえ、こちらの狙撃は確実に弾いてくる。いつ動き出してきてもおかしくはない
ただ、それよりも違和感が大きい。ユズの時は問答無用だったのにかかわらず、こうして動きが止まっているのだ
包丁どころか、銃を撃てば先生の言うことを聞かずに目的の続行が出来るはずなのに
“ミドリ、情報が少しでもほしい、何があったの?“
「アリスちゃんが帰ってこなくなって、その後お姉ちゃんが退院して帰ってきて、急に襲われた。彼女が言うにはスターイーターに呪われたって…」
“自分じゃ制御出来なくなってるってことか…一つ推測が立ったんだけど答え合わせしてもいいかな?“
先生がモモイの方を見る。相変わらず構えたままだ
「答えられるなら答えるよ。別にそれは呪われて制限されてるわけでもないしね」
“さっき、君は「先生は関係ない」って言った。そして今言ってるように呪いの影響でやる事を強制されている
…スターイーターに私を襲えって伝えられてないから、元の性格が出てきて躊躇している。違うかな?“
「鋭いねぇー…まぁ隠してなかったって言うのもあるけど。アイツ焦っていたからさー『私に害したやつを襲え』って願うしか出来なかったっぽいんだよ」
“なるほど…じゃあついでに聞いてもいいかな。一通り襲った後どうするつもりだったの?“
「喰った魂ごと自分を消そうかなーって思ってた。呪いの性でこの世のあらゆる苦痛が体を駆け巡っているようだし、
知り合いを襲って心苦しいはずなのに呪いが軽くなって心底嬉しく感じるようになっちゃってもう心身めちゃくちゃなのに呪いで正気は失えないしね。」
“悪いんだけど、どれもやらせるわけにはいかないね“
「仕方ないなぁ・・・そこに障害が『あるのがいけない』よね?」
- 93二次元好きの匿名さん24/07/23(火) 13:28:49
過去編は一旦終わりのつもりでいます。
あとはエピローグで過去編終了にしたいですが
私が何か思い浮かんだらもうちょい続くかも
クズノハは考えていますがどうも難しく...
そもそもがミリしらなんですよね..
番外的な感じで過去編の続きは思いつき次第やって...
という感じになるかも。
メシウマモモイ概念お借りします。
私的にはまあ最後の回収で結局全てが『怪異』のお陰だったという感じに出来て、『ミレイ』自身は何もやっていない(本人曰く)が出来たのでまあぼちぼちの出来。
エピローグまで駆け抜けたら匂わせ、伏線、私が何故『こういう』表現をしたかというのを説明するつもりです。
皆さんが考える時間欲しかったら待ちます。
恐らく『完全な』初SS。お粗末様でした!! - 94二次元好きの匿名さん24/07/23(火) 13:38:31
- 95二次元好きの匿名さん24/07/23(火) 13:42:00
乙です!面白かったです!
- 96二次元好きの匿名さん24/07/23(火) 18:58:12
本編完結お疲れさまでした!
- 97二次元好きの匿名さん24/07/23(火) 21:29:22
ほ
- 98トウビョウ124/07/23(火) 23:46:11
前スレでこっくりさんを書いた人です。今日も皆さんの心胆を寒からしめる話を考えてきました。タイトルは「トウビョウ」。よろしくお願いします。
キヴォトスは学園都市であり、学生の街である。それじゃあ大人は居ないのかと言うと、そういう訳では無い。建物の建築や生活インフラの保全、その他学生ではどうにもできない事柄をどうにかするために、大人もキヴォトスに暮らしている。
『毒島 八右衛門』という黒猫獣人もそうだ。センサ系の開発販売企業の社長である。学生に数百種類もあるセンサーの安定した量産など難しい。だから、彼のような人もいる。
そんな毒島はまた、大変なコレクターとしても知られている。ネロ帝の使っていたコップ、殺生石の欠片、天羽々斬の欠片。大衆にとって価値が分かりづらいものも、毒島にとっては宝である。
そんな毒島が、ミレニアムサイエンススクールを訪問した。
奇妙なのは才羽モモイの同席を求めたことである。 - 99トウビョウ224/07/23(火) 23:47:55
「君が才羽モモイか」
ミレニアムの第二応接室に呼ばれたモモイを、じろりと黒猫獣人が見る。ジョルジオ・アルマーニのダブルスーツを着た、威厳のある男である。
「ユウカ、この人だれ?」
モモイは同席していたユウカに尋ねる。
「モモイ失礼なこと言っちゃダメよ! この人は毒島工業の社長、毒島八右衛門さんよ。モモイも毒島のセンサーの事は聞いたことがあるでしょ!」
慌てたユウカを毒島が制する。
「いや、名も名乗らず人を品定めするような事を言ったこちらが悪かった」
改めて、毒島はモモイに名乗る。
「毒島八右衛門という。早瀬さんの言う通り、毒島工業という会社の社長をしている。こちらへは我が社の製品を卸している縁で寄せてもらった」
「あ、才羽モモイです。ゲーム開発部っていう部活に入っています」
「テイルズ・サガ・クロニクルを作ったところだな? 1も2もプレイさせてもらったよ」
「え、本当?」
「ああ、2はとても面白かったよ」
あえて初代には言及しない毒島であった。
だが、敬語を辞めたモモイをユウカが注意する。
「モモイ、だから失礼な口を聞いちゃダメよ」
「いや、構わないよ。相談を聞いてもらうのはこちらだ、普通にしてくれていい」
「……毒島さんに取り憑く『蛇』の事?」
モモイが、ユウカの隣に座りながら聞いた。 - 100トウビョウ324/07/23(火) 23:49:39
「……! わかるかね」
毒島が驚きながら聞く。
「うん、小さな蛇がたくさんいるね」
「怪異が見える、その噂は本当だったか」
「モモイ、どういう事よ?」
と、怪異が見えないユウカ。
「毒島さん、たくさんの小さな蛇に憑かれてるよ。色は黒、あと首のところに金色の輪っかを着けてる」
「……ここに来たのは正解だったか」
毒島がひとりごちる。
「毒島さん、どういうことか教えてもらえませんか?」
「ああ、勿論だ」
そうして、毒島は語り始めた。
始まりは、数ヶ月前にブラックマーケットで開かれた珍品のオークションだ。人の入りは10人ほど、何人かは毒島と顔見知りである。
いくつかの珍品が出品され、毒島も数点購入した。千利休の茶筅、アーサー王の円卓の欠片、茨木童子の爪。そうこうしている内に、最後の品物が出てきた。
それは、土製の瓶であった。
「秦の始皇帝由来の水瓶」
という触れ込みであった。
ひと目見た瞬間、毒島の心が奪われた。
その形状は豊満な女性のようにおおらかで、色は大地の豊饒を象徴するような褐色。表面の模様はラスコー洞窟の壁画のような素朴さだ。
毒島はその水瓶を競り落とした。
事件は、水瓶を持ち帰ったあとに起こった。 - 101トウビョウ424/07/23(火) 23:51:31
秦の始皇帝由来の水瓶は、毒島の家のコレクションを集めた部屋の、一番目立つ中央のテーブルの上に置かれた。
その水瓶をとっくりと舐め回すように見る毒島。
その時である。
水瓶の口から黒い靄が湧き上がる。
中に埃か煤でも溜まってたのか、と訝しげに見る毒島。
その靄はみるみる内に量を増し、より固まっていく。
それは、無数の小さな蛇のように細長くなり毒島に向かい、纏わりつく。
「うわあああ!!」
叫ぶ毒島。
黒い小蛇たちが毒島の身体を覆う。
ヌルヌルとしたものたちが、身体を這い回る。
毒島の気が遠くなった。
それからすぐ、毒島の家族や使用人が毒島をベッドに運び、目を覚ましたのは翌朝であった。
夢か幻だったのか、そう思う毒島。
だが、蛇たちは夢でも幻でもなかったし、おかしなことが起こり始めた。
すべてが順調になりだしたのだ。
開発が難航していた新方式のセンサーがすんなり形になり、同業他社とのセールス合戦にも連戦連勝。
私的なことでは、不妊治療をしていた娘夫婦が子供を授かった。毒島の初孫であった。
すべてが上手く行っていた。行き過ぎていた。 - 102トウビョウ524/07/23(火) 23:52:21
「それなら、良いのではないですか?」
ユウカが毒島の話を聞いてそう言う。
だが、モモイがそれを否定した。
「その蛇たちが、対価を要求してきたんでしょ」
「ああ、その通りだ」
毒島が頷いた。
水瓶を買って一月ほど。
毒島が妻と就寝していた時だ。
『おきろ』
と、声をかけられた。
「……む」
目を開けた毒島。その前には小蛇の顔、顔、顔。
無数の蛇たちが毒島を見ていた。
「ぬおっ!?」
驚き飛び上がろうとした毒島。だが、その身体は石になったかのように動かなかった。金縛りである。
『さしだせ』
蛇たちが口を開く。
『さけをさしだせ』
酒。
蛇たちが寝室脇の棚を見る。中にあるのは百鬼夜行で作られた高級な清酒である。
『おまえにつくした』『だからさしだせ』『たいかをさしだせ』
対価を差し出せと、蛇たちは言い出したのだ。
「わ、わかった!」
あまりの事に慌ててそう言う毒島。
それを聞くと蛇たちは身を這わせて寝室から出ていった。数匹の蛇は棚から清酒を持ち出した。 - 103トウビョウ624/07/23(火) 23:54:37
だが、それだけで終わらなかった。
蛇たちの要求はエスカレートしだしたのだ。
───新しい工場を建てた。
『いけのこいをさしだせ』
───初孫も娘も健康だ。
『とちをさしだせ』
───新規事業に参入した。
『こうじょうをさしだせ』
そしてつい先日、蛇たちの要求は一線を越えた。
『まごをさしだせ』
その日も、毒島が寝ている時に蛇たちは来た。
そして、毒島に孫を差し出せと言ってきたのだ。
「出来ん」
『さしだせ』
拒否する毒島に対して蛇たちは、毒島の身体を締め上げた。膝を、肘を。小さな身体で、ギチギチと。
「断る」
毒島の意思は固い。
毒島の首が絞められる。
『さしだせ』『たいじをさしだせ』『たいかをさしだせ』
「い、いやだ!」
『さしだせ!』
「う、うぐぅ!」
蛇たちの力が強くなる。
金縛りで動けない毒島は、抵抗できず───
「あなた!」
毒島の妻が呼びかける
「すごくうなされていたわよ……?」 - 104トウビョウ724/07/23(火) 23:55:27
蛇たちは消えていた。
動くようになった右腕で、毒島は喉を触る。
蛇の鱗の跡がついていた。
「あなた、大丈夫?」
毒島の妻が心配そうに聞く。
「ああ、大丈夫だ。心配させてすまんな」
そう言いながら、毒島はとある噂を思い出していた。
ミレニアムには、怪異の見える少女がいると。
「と、いう訳だ」
毒島が説明し終える。
「お孫さんは大丈夫なの?」
モモイが聞く。
「ああ、母子ともに健康だ。だが、出産まであの蛇たちが待つかどうか」
「モモイ、どうにかならないの?」
ユウカが問う。
「毒島さんは公私ともにミレニアムを援助していただいてるわ。こういう時にこそ恩を返したいけど……」
ユウカの心配はもっともである。ミレニアムの発明品のいくつかには、毒島のセンサーが使われている。また、卒業生の就職先としても人気だ。世話になっているからこそ、助けたいのだ。
「うん、コイツらはトウビョウだね」
モモイが言う。
「トウビョウ?」
「うん、土の瓶って書いてトウビョウ」 - 105トウビョウ824/07/23(火) 23:56:36
トウビョウ。あるいはトンボガミ。
日本の中国地方や四国地方に伝わる憑き物である。土製の瓶に住まわせ、酒や食物を世話することでトウビョウが憑いた家はどんどん裕福になり、敵対者には体の節々を激しく痛ませる。また、粗末に扱うと家人に祟るという。
その姿は10〜20cmの小さな黒蛇であり首の部分に金の輪を着け、75匹で群れるという。
「なるほど、あの始皇帝由来の水瓶に憑いていたのはトウビョウか」
「うん、だからその水瓶は始皇帝とは何にも関係無いと思うよ」
「そうか、いやデザインを気に入ったから始皇帝由来かどうかはあまり気にしていないが……。あのオークショニアめ、嘘をつくとは」
毒島は悔しさに顔を歪ませる。
「モモイ、トウビョウはどうにかできそう?」
「うーん……」
ユウカの問いに珍しく悩むモモイ。
「毒島さんのお孫さんは無事……、家人を祟るトウビョウがまだ殺していない……、水瓶はコレクションルームにあるから……」
モモイはぽん、と手を叩いた。
「よし、毒島さんの家に行こう!」
「い、今から?」
「うん!」
「では、行こうか」
そういう事になった。 - 106トウビョウ924/07/23(火) 23:57:30
毒島の邸宅はミレニアム自治区の郊外、高級住宅街にあった。
毒島家の家族。つまり毒島の妻、お腹の大きな娘、その夫。そしてたくさんの家令や家政婦に出迎えられたモモイとユウカ。
毒島に案内されるまま、二人は大きな家の奥。毒島のコレクションルームに連れられた。
「あれだ」
毒島が指差す先には、マホガニー材のテーブルに乗せられた土製の瓶があった。
ずんぐりむっくりとした土色で、変な模様で飾られた土瓶だった。
「変な瓶だねユウカ」
「シーッ!」
小声で言い合う二人。
だが、二人が部屋に入った途端、その瓶から黒いモノが溢れ出した。
「うわあっ!」
「な、なにっ!」
それは、75匹のヘビの群れだ。モモイを脅威に感じて、排除に動いたのだ。コレクションルームの床が黒に侵されていく。
「ユウカ、バリアー張って!」
「わかったわ!」
ユウカがいつものバリアーを張り、モモイと毒島を守る。モモイが銃で迎撃するが、効いていない。
『むだだ』
トウビョウが喋る。
『われらはいちにしてぜん』『きえぬ』『むだ』『さしだせ』『あかご』『にく』『れぎおん』『さしだせ』 - 107トウビョウ1024/07/23(火) 23:58:48
「ど、どうするの!? バリアーだってずっとは張れないわよ!」
ユウカが半泣きで叫びながらモモイに問う。
「ちょっとまってユウカ、たぶんこの部屋に……」
そう言ってコレクションルームを見渡すモモイ。
「……、…………、あった!」
モモイの視線の先には、コレクションの置かれた棚の一つがある。だが、不思議なことにその棚にだけトウビョウたちは近付いていない。
「毒島さん、あの棚には何が置いてるの?」
「あそこか? 確か、日本神話由来の物を。カヤノヒメの着物の切れ端とか天羽々斬の欠片とか」
「それだ!」
モモイが叫ぶ。
「ユウカ、あの棚まで連れてって!」
「わかったわ!」
ユウカはバリアーの中にモモイと毒島を入れながら棚まで連れ歩く。
『させるか』『いかせぬ』『あきらめろ』
トウビョウたちが、バリアーに噛みつき、体当たり、頭突きをする。
だが、それでも……。
「着いたわよ!」
「ありがとユウカ!」
棚にたどり着いた三人。
モモイが棚から掴んだのは、鈍色の欠片。
天羽々斬、その欠片だ。 - 108トウビョウ1124/07/23(火) 23:59:27
天羽々斬、日本神話の三貴神の一柱スサノオの神剣。
ヤマタノオロチの尾を切ろうとした際、尾の中にあった天叢雲剣に当たって切っ先が欠けたという。
その名にある羽々とは、大蛇の意味だ。
すなわち、天羽々斬とは大蛇を斬る神剣である。
「だからコイツらこの棚に近付かなかったんだ」
モモイが天羽々斬の欠片を掲げる。トウビョウたちが、たじろぎ3人から離れていく。
「神剣の神威、これほどか……」
毒島が慄くように呟く。
「それだけじゃないよ、トウビョウが毒島さんを殺せなかったのも、お孫さんがいまだに無事なのも、きっとこの天羽々斬が守ってたんだ」
「切っ先だけでも、蛇から守るか。まさに防人よ」
「で、でもそんな小さな欠片でどうするのよ」
ユウカが聞く。
「あの瓶の中に入れればいいんだよ。そうしたら、トウビョウは瓶の中に帰れない。散り散りに逃げるしかないよ!」
モモイが瓶に近付く。
『やめろ』『やめてくれ』『ひきかえせ』『ゆるしてくれ』『きえたくない』『たすけて』『もうしない』
トウビョウたちが口々に命乞いをする。
「……待ってくれ」
と、毒島。
「少しだけ、待ってくれないか」
「毒島さん? どうしたの?」
毒島が口を開いた。 - 109トウビョウ1224/07/24(水) 00:00:53
「……誰も殺さず、誰も祟るな。僅かな幸運、自販機の下で100円玉を見つける程度の幸運で十分だ。それだけしてくれたら、酒と食べ物は世話してやる」
「毒島さん、トウビョウを許すの?」
「……どうにも、可哀想に思えてな」
毒島は遠くを見ていた。ボロアパートに暮らし、妻と二人で助け合って暮らしていたあの頃を。小さな町工場だった毒島工業と社員を守る為、駆け抜けた日々を。
『いいのか』
「ああ。約束は守れよ」
『やくそくする。ありがとう』
トウビョウたちはそう言うと、土瓶の中に帰っていった。
「良かったの、毒島さん?」
「ああ、いいさ」
毒島は土瓶を見た。毒島にとっては美しい瓶を。
「家族がバラバラになるのは哀しい事だからな」
それから。
毒島は家の神棚に天羽々斬の欠片を祀った。
毒島家の守り神だということだ。
また、コレクションルームに置かれた秦の始皇帝由来の水瓶の前には百鬼夜行の清酒とそれに合うビーフジャーキーが置かれているが、いつもいつの間にか無くなっているらしい。
毒島の会社は順調で、娘も孫も大事なく過ごしている。妻とは今もラブラブだ。
毒島は豊かな人生を送っている。 - 110トウビョウ1324/07/24(水) 00:03:03
そんな訳で今回のオチ。
「で、結局毒島さんから何もらったのよ」
ゲーム開発部部室。ユウカとモモイは揃ってテレビの前に座っていた。ユズも少し離れたところに座っている。
「というかミドリとアリスちゃんはどうしたのよ」
「あの二人はちょっとお使いだよ。これはシゲキが強いからねー」
そう言いながら、モモイはゲームカセットをレトロなゲーム機に挿し込む。
毒島のコレクションの一つを事件解決の報酬で貰ってきたのだ。
「それで、そのゲームはなんなのよ。毒島さんは見る目があるって言ってたけど。あと大人になってからやりなさいって」
「ふふーん、それはプレイしたらわかるよ」
「ピーコサッカーを?」
ゲームカセットには確かにピーコサッカーと書かれたシールが貼ってある。だが、世の中には大人の事情で大々的に売れないゲームがあり……。
そうしてゲームが読み込まれて、テレビに映し出されたのは『SM調教師アイ』の文字であった。
「没収よッ!」
「す、少しだけ」
「さ、先っぽだけでも」
「ダメッ! ダメッ!」
「ただいまー」
「お使いクエスト完了です!」
「二人とも見ちゃダメよッ!」
今日もゲーム開発部は賑やかであった。 - 111トウビョウあとがき24/07/24(水) 00:09:56
そんな訳でトウビョウでした。みんな心胆寒からしめたかな? 寒からしめろ。
トウビョウ、初めて知ったのは女神転生でした。種族は邪竜。瓢箪からニョロニョロ蛇が飛び出るデザインで、やっぱ金子御大のデザインは最高やな!
あとオリキャラの毒島さん。最初はトウビョウを騙して大儲けして、でもモモイにそれがバレてトウビョウに八つ裂きにされるという役どころでしたが、俺悪党書きたくないんだわ(ワガママお姫様並感)
そんな訳で善人になったし家族思いで社員思いになった。
天羽々斬はシンフォギア見てたので出したかった。その内ガングニールやイチイバルも出してぇなぁ。先生に”大人だから夢を見るんだ”って言わせてぇなぁ(夢いっぱい)
ピーコサッカーもといジーコサッカーとSM調教師瞳の話は有名ですね、でもやったことはないです。僕はポケモン世代だから。
そんな訳でまた次回、やる気が出たら会いましょう。ネタはたくさんあるんだ。イツマデとか人形神とか。
それでは。 - 112二次元好きの匿名さん24/07/24(水) 07:57:53
乙!
最高だった! - 113二次元好きの匿名さん24/07/24(水) 13:22:59
乙です!面白かったです!
- 114二次元好きの匿名さん24/07/24(水) 15:24:34
乙ですぞ! 楽しかった!
(規制で中々書き込めなかった…。規制こそ怪異では…?) - 115二次元好きの匿名さん24/07/24(水) 19:02:05
ごちですっ!!!良いSSでしたっ!!
いいですね~。私のはオリ設定とか出て来ちゃって分かりづらくなっちゃってたのに...素晴らしい!!
エピローグはまだ先ですよ(過去編) - 116トウビョウあとがき24/07/24(水) 21:24:28
- 117パンドラボックスの人24/07/24(水) 23:13:03
「先生伏せて!」
ミドリが叫ぶのと同時に先生はしゃがんだ。間一髪で先生が居たところに銃弾が飛んでいく
遮蔽越しに話していたから、その次からの弾は当たる可能性もない
「そうやって伏せたままにしてくれるだけでもういいや。邪魔はしないでよね」
彼女なりの妥協の言葉が聞こえた。彼女は「やる事という名の呪い」に忙殺されているが、『心までは亡くしていない』
「お姉ちゃんを止めないと!」
“わかってる!そろそろ援軍が来るはずだ!“
「全く、なんで仕事を増やしてくれてるのかしら、スターイーターのやつ。もう消えてるけど、もう一回消しに行きたいわ」
廊下の奥から見慣れない人型サイズの移動タレットが履帯の音を響かせながらやってきた。
いや、タレットと表現したが履帯より上は人の上半身のようだ。肩に二連グレネード、二連ミサイル
そして手には長砲身のグレネードと、いかにも重そうなショットガンが握られていた。それよりも・・・
「その声はラクスちゃん!?」
「ずるい!それ、ラクスは遠隔操作してるでしょ!?頑張って何とかしてもここでは何も得られないじゃん!こうなったら…」
「ミドリを何とかしようと考えたのよね?私の『作品』がそうはさせません」
ずらりと並ぶ三体のミドリの石像。銃を構えて静止をしているが、『動いている』のを見た
「げぇ!『リビングスタチュー』!?『無機物』だから包丁も効かないうえに銃で撃っても表面削れるだけじゃん!」
先ほどまで、1対1のタイマンだったのにも関わらず、いつの間にか逆転していた
数だけではなく、質としてみても、『メタを張っている』
「ああもう!やっぱりもう少し慎重に行動するべきだった!」
全ては『後の祭り』。それを駄目押しするかのような存在が、『空間を斬り裂いて』出現した
「FATALITY…」
モモイと、『もう一人』が同時に同じ空間の別の場所に現れた現象だった
いつの間にかモモイからは白い6本の腕が消えている
「HER TOOK THE CURSE AWAY FROM ME」
彼女は起こっている表情に悲しさも含んだ顔をしていた
先生を中心に因果が集まり、同じ目標に動き出していた
“呪いと言う因果からモモイを救うよ“
「あれぇ…これって…」
最近似たよな状況に心当たりがあったモモイは本人も気がつかない安堵の表情を浮かべていた
- 118二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 07:51:54
早めのほ
- 119二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 18:17:42
にゃん
- 120二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 21:03:23
「終わったのですね...」
「はい...まあ..いつも通りですね」
私は、『穴』から出て来た酒呑童子と、彼を目に捉えた。
「...その子達は?」
彼はその子達を縁側にそっと寝かせ、私を見た。
「ああ...僕ら以外の子だよ..」
「そうですか...」
「貴方の案件ですよ...」
彼は苦笑し頭を掻く。そして、その双子の隣に座り、目で合図した。私は、双子を挟んで、縁側に座る。双子の額に掛かった前髪を優しく撫でている。その顔は嘗てないほど優しく、悲しそうだった。
「私のですか...わかりました」
「すいませんね...ある程度の期間中は滞在してあのときと同じ様にヤバい怪異を消すつもりです..」
「頼みます...」
彼は苦笑して立ち上がる。双子の、仲の良さそうな姿の上に青白い半円球のドームが被さった気がした。それが結界であることを判断し、私は双子の傍に近寄る。
「...貴方、また『バンシー』を使ったんですか?」
「ええ..僭越ながら。僕には出来ませんからね」
「私よりも何倍も寄り添えるでしょうに..」
「それは謙遜しすぎですよ?連邦生徒会長」
そして彼と酒呑童子は背中を思いっ切り叩き合った後、一瞬でその姿を消した。その瞬間、私の知覚できる範囲の怪異が一斉に消失を始めた。
「...バンシーを使ってまで...貴女達は幸運ですね...」
バンシーの使用。それは彼にとって『絶対に救う』という覚悟の表れ。でも、やはり悲しみが心を襲う。何れ立ち上げる『連邦捜査部』に来て欲しい。けど、あの人は来ないだろう。絶対に、『はい』とは云わない。
「...二度と..あの人にそれをさせない為に...才羽モモイ、才羽ミドリ。貴方達二人を、『会長』の名の下に保護下に置きます」
- 121二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 21:03:38
「ふわぁ〜...」
「あ、ミドリ」
「お姉ちゃんおはよ〜...え、その人誰?」
「始めまして。ミレイだ。暫く居ることになってね」
「え?」
「よっしゃ!!ホットケーキ出来たぞ!!」
「やった〜!!!!」
「え、今何時?」
「3時だよ。午後の」
「ええ〜!!?」
この風景を見ていると、久しく感じていない暖かさを感じる。モモイに『教えて』と云われたから、怪異に対する戦い方を教える次いでに守護をする。『会長』の仕事はとんでもない量だ。午前中や、夜は大抵僕がやり、深夜、仕事を終えた『会長』が来て、その間午前中には手の届かなかった怪異を殲滅する。そのルーチンを繰り返していた。
「ホットケーキとパンケーキって何が違うの?」
「..何で作るかじゃ無かったっけ..あいつらに聞かれてないからわかんないや」
そんな他愛の無い会話をして過ごす。モモイの吸収力は尋常じゃなかった。教えた事を直ぐ覚え、段々と怪異対応に慣れていく。そして段々と、周りに打ち明ける準備も出来て行った。そして、それから少し経って、モモイ達が中学2年になった。そして僕は、連邦生徒会の溜まりに溜まった仕事を全て解消した後、キヴォトスを去った。
- 122二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 21:05:12
次はモモイサイド。
それで多分終わり。
面白い事実が待っているので首を東京タワー位に伸ばしてお待ち下さい。
雷に打たれるかもしれないけど - 123二次元好きの匿名さん24/07/26(金) 05:35:42
首は長くしないけど楽しみに待ってます
- 124二次元好きの匿名さん24/07/26(金) 07:31:50
『ホットケーキ出来たぞ』
の流れをしたいが為に一番最初に二人の会話で
『甘い物食べた〜い』
をさせました。メシウマモモイ概念は最初の方にもあるけど、モモイが唯一作れるスイーツが『ホットケーキ』だった気がしたので(メシウマモモイ概念スレにて)
こうしました。これをしたかっただけです。 - 125二次元好きの匿名さん24/07/26(金) 09:49:03
サンクトゥムタワー並に首を長くして待ってます
- 126二次元好きの匿名さん24/07/26(金) 18:20:48
俺は今からキリンになって待ちます
- 127二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 01:56:23
ほ
- 128白鯨の人24/07/27(土) 08:35:15
- 129二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 10:35:39
- 130二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 12:23:50
楽しみ楽しみ
- 131二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 22:25:38
来たぁ!!!
- 132二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 02:46:41
銃を遠慮なくブッパするところまじでキヴォトス人
- 133パンドラボックスの人24/07/28(日) 12:16:18
「まるで私がラスボスだね…まぁアイツの呪いを受けてアイツの思いのまま動いてるから間違ってないのか。と言うか、分離できるなんて聞いてないんだけど?」
「I JUST TRIED IT AND GOT SEPARATION」
「何それ、理不尽じゃん…まぁ怪異はもともとそうか。じゃあここまで『理不尽』が集まっているのであれば…私をこの呪いの底から『すくいあげて』くれるよね?」
モモイが放つ圧にミドリ以外のその場にいる全員が怯んだ
逆に言えば、ミドリは全く感じることが出来ず、そのままスコープを覗いていた
“何をしたの…?“
「簡単な話だよ。もう一人の私の力を使えない以上、『このままだと「スターイーター」の願いは何一つ敵わないよ』って呪いに言ってやった
メインの呪いは結局のところ私が滅んだら他の要望が聞き入られる事は無いって言うのも変わらない…
つまり核を除いた全部の呪いは願いをかなえるために表出している…言いたいことはわかるよね?」
「SO WE JUST BREAK EVERYTHING?」
「そういうことだねぇ…言っとくけど、手加減しようなんて思わないでよね。最悪、私のヘイローが壊れたってそれはそれで『私』はいいんだからさ・・・」
“そうはさせないために私が居る“
「頼もしいねぇ…じゃあラストバトル…いくよ?『ミスティカル☆ももいちゃんスター』!」
BGM:Unwelcome School
桃色の球体が五つ浮かびあがり、そこに星のマークが浮かび上がる。即座に一つが撃ちぬかれた
「…確かに待ってる必要はないよね。これはゲームでもアニメでも何でもないんだから」
「その名前、この前やってた弾幕STGのキャラのオプションの通称のもじりでしょ」
「ミドリは鋭いなぁ。まぁねー。私は巫女が好きだけど」
「そこはメイドじゃないんだ…」
“何の話をしているのかな…?“
「お姉ちゃんがフザケだしたってことはもう『怖いもの』は無いってこと」
「星のモモイ カースデラックスに勝てるかな?」
「事態を『まるく』治めるには叩きのめすしかないってことだね…」
「システム、戦闘モードを起動」
「私の作品に美しくないものは認めないわ…とくに『バットエンド』とかね」
「SAVE EVERYTHING」
それぞれ構えた後、4つの球体から見覚えのあるレーザーが発射された
紛れもなく奴の物だった
- 134二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 13:34:16
ミスティカル☆ももいちゃんスター!手に入れた者を自機キャラに昇格させるというミスティカル☆ももいちゃんスターじゃないか!!
- 135二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 22:15:44
ほ
- 136二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 03:23:15
ゲームネタパロディまつりだー。
- 137二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 07:38:41
しゅ
- 138パンドラボックスの人24/07/29(月) 19:15:23
- 139二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 04:20:31
保守
- 140二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 07:58:31
ほ
- 141パンドラボックスの人24/07/30(火) 12:34:14
かろうじて避けることが出来たが掠っただけで熱さが伝わってきた
「やっぱりこれだけだと単調だよねぇ。じゃあこれはどうかなぁ?」
モモイはおもむろに自分の銃をしまい何かを取り出した。あれは・・・ネルのサブマシンガンだ
2丁「約束された勝利の象徴」
「なんでそれをお姉ちゃんが持ってるの?」
「取り込んだ力を使えるのは悪役の特権だったりするよねぇ」
“さっきから、自分の事を悪く言うような物言い…もしかしてこちらが手加減しないようにってことかな“
「割と遠慮なくぶっ飛ばしてもらわないとどっちにしてもしつこい呪いがはがれそうにないからねぇ」
そう言うとミドリと先生に向かって距離を詰めてきた。三体のミドリ像がそれぞれ撃つが、躱されてしまう
「いつものお姉ちゃんなら当たってるのに!?」
“もしかして元の人の真似事も出来るのかな“
「でもこれならさすがに避けられないでしょ…!」
ラクス操る移動タレットが、モモイを覆いながら容赦なく肩と腕グレネードとミサイルを交互に撃ち、モモイは爆風に包まれる
障壁「証明された完璧な理論」
そこにはバリアを張ったモモイの姿があった
「敵バリア分析完了、端末に表示するわね」
先生が情報を確認すると耐久値が表示されていた
「流石に今のは危なかったかなぁ。放置はできなさそうだね」
砲台「召喚されしマイスターの雷」
制圧「隙無き破壊者」
貫通「覚醒する超新星爆発」
モモイの近くにタレットが出現し、マシンガンがモモイの手に、レールガンがラクスのいるほうの廊下を全部撃ちぬけるように置かれた
「重いから持ち運べないけど、流石に引き金引くくらいだったら出来るよね」
モモイはタレットとマシンガンでミドリや石像やもう一人の彼女に牽制し、サブマシンガンについたチェーンで器用にレールガンのトリガーを引いた
ラクスのタレットはそれなりの大きさがあり、機械の塊なうえ装甲もあったはずでかなりの重さになるはずなのに、まるで車のおもちゃのように吹っ飛んだ
“ラクス!“
「派手にやられたわね…とりあえず自分はそこには居ないからそれを何とかすることを考えて!」
そんなやり取りをしているともう一人の彼女はタレットの弾を弾きながら、レーザーのように降り注ぐ弾幕を搔い潜り着実に距離を詰めていた
包丁がモモイに振り下ろされるがバリアで止まる。火花を散らしながら彼女はそれを斬り開いた
- 142呪いのラブレター 1/224/07/30(火) 22:13:42
”モモイ、私宛に来ていたモモフレンズの封筒知らない? さっきまで机の上にあったはずなんだけど”
「あー、あれ? 悪いけど燃やしておいたよ」
”……え、なんで?”
「あれ、イヤーな気配感じて中身見たら呪いの手紙だったし」
”呪いの手紙? 期限内に何人に同じ手紙を出さないと呪われます、みたいな?”
「ううん。ガチの呪い」
「ガチってどういう事、お姉ちゃん」
「中の手紙、四隅が欠けてて、念入りに焼かれてたんだよね。しかも空きスペースに『かけまくもかしこき〜』って祝詞が書いてあってね。破れたり折れたりした御札を持ってると危ないって聞いたことない? 霊験あらたかなモノって反転して危険な呪物になったりするんだよ。だから燃やしたの」
”送り主は……?”
「……封筒ごと燃やしたからわからないや。ごめん。でも知らないほうがいいと思うよ」
”……”20
「お姉ちゃん、中の手紙何が書いてあったの? 空きスペースに祝詞が書いてあったってことは、他に書いてあるものがあったんでしょ」
「……」
”モモイ、教えて?”
「……ラブレター。先生が好きですって、書いてあったよ」
”そっか……”
「なんでラブレターを呪いの手紙にしたのか、私にはわからないよ」 - 143呪いのラブレター 2/224/07/30(火) 22:16:25
- 144呪いのラブレター あとがき24/07/30(火) 22:19:47
そんな訳で短編『呪いのラブレター』でした。みんな心胆寒からしめたかな? 寒からしめろ。
久々に梨さんのホラー読んで思い浮かんだのでパッと形にしました。
ラブレターを送ったのはモブキャラの女の子です。何処にでもいて、特筆するべき特徴のない、普通の恋する女の子です。でもそんな普通の子が愛憎併せ持つの良いよね、いい。
ちなみに某ペロキチは関係ないです。あの子は普通という名のクレイジーよ(震え声) - 145二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 00:09:04
- 146二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 06:54:11
先生に限らずソシャゲ主人公宛の呪いのラブレターなんて
それこそ一枚くらいじゃ済まないと思う今日このごろ。 - 147二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 18:13:23
- 148呪いのラブレターの人24/07/31(水) 22:34:11
- 149二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 07:53:25
うーん…卑しい…!!!
- 150パンドラボックスの人24/08/01(木) 12:10:18
「あなたが最初に近づいて来るのはわかってた」
突如、『彼女』の足に衝撃が走り、視界が横向きになる。足を払われたのだ
「ずっと不思議だったんだよね。あなたはこんなにも強いのに、わざわざ弾を弾くの。私の体を使っていた時は傷をつけないようにで説明つくけど、分離した今はそうじゃないはず。
ではなぜか?こんな風に体の頑丈さは私と一緒だからだよね。」
転んだ『彼女』はまだ立ち上がれない。その間にもう「ユニーク・アイディア」を必中の距離で突き付けられていた
“ミドリ!“
先生の声ではっとしたミドリは構えたままの「フレッシュ・インスピレーション」で狙いを素早く定めた。狙うはモモイの銃口。当たるかどうかは正直分からないがやるしかない
“決してあきらめないで、自分の感覚を信じて“
5発分の銃声が一斉に響いた
「CHECKMATE!」
「…強くなったね、ミドリ」
次の瞬間にはモモイを包丁で突き刺し倒れる体を支えた『彼女』が居た
「何が起きたの…?」
「私の作った作品もあなたと同じなのよ。1発で当たらないなら4発撃てばいいじゃない」
”モモイももう引き金引いてたから間一髪だったけどね…でもこれで何とかなるのかな”
「DISCONNECT FROM STAREATER」
「そっか、お姉ちゃんの呪いを『関係なく』したんだね・・・」
”今度こそ本当に終わったんだね”
「ユニーク・アイディア」の銃口には四発分の傷がついていた
その後、「彼女」は桃色の球体を拾い上げると、丁寧に切り開き中身を解放した。煙のようなものが、どこかに飛んで行ってしまった
「THAT'S FIVE SOULS」
"もしかして、ユズみたいに刺した後、あれに封印してた…?"
ならば途中で五人の力を使っていたことに説明がつく
「怪異である私が言うのもなんですけど、スターイーター本体も残した呪いもめちゃくちゃ強いですわね…」
誰かが居なかっただけでもこの場は乗り切れなかっただろう
『彼女』はモモイをよく観察した後、OKサインを出し、包丁を引き抜いた。フラフラとだが、着実に立ち上がるモモイ
「いやぁ…帰って来れちゃった。…ただいま!」
「おかえり、お姉ちゃん…」
- 151二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 12:21:20
『蒼』に溶け出た『赤い絵の具』
会長から伝えられた事実は、簡略で簡潔。
そして、絶望的だった。
彼が去った後、会長と一緒に怪異を祓っていた。これだけの数でもキツいのに、これの何十倍もの怪異を、あの短期間で祓ったと云うのだから、やっぱり彼は凄い人だ。
彼に定期連絡をすることが、その時の私の楽しみだった。その日だけは、違った。
『モモイ?』
「え、そっちどういう状況?」
そう聞きたくなる程に、彼の方は雑音が酷かった。彼の声も、少し辛そうだった。
『前に渡した住所の紙って...持ってる...?』
「うん。あるけど?」
『...心の準備ができたら...行ってね...』
「え?どういうこと?」
私は、分かっていた。彼が疲労を隠せない状況であり、その一言が彼の『未来』を物語っている事も。ただ、認めたくなかった。
『会長から...聞いてくれ』
その思考を読んだ様に彼はそう呟いて、無言で電話を切った。
その後の会長は、いつものように笑ってはいなかった。一言目は、それだった。
『彼は...任務中に...死にました』
その任務は、『成功』だった。でも、その『成功』は、『彼の死』と引き換えに得た勝利だった。
その死とほぼ同時期に会長はキヴォトスから姿を消し、代わりにキヴォトスにやって来たのは『先生』だった。
先生は沢山の事を知っていた。特異現象捜査部でも一端しか知り得ないその情報を、知っていた。
聞く所によると、先生は以前自分の元に飛んできた弾丸を『止めた』らしい。
色々と謎があった。でも、悪い人では無いと分かったから失わない様に、努力して、努力して努力して...
あの、空が赤く染まったキヴォトスを乗り切った。彼の後ろには、大きな人がいた。『人』と形容するのも何か変な存在が。肩幅が大きかった。先生は時々話していて、その時の先生はとても悲しそうな目をしている。
深夜までゲームをして料理している時、先生がやって来て『スイーツ』を作ってくれた。
彼の得意料理らしい『ホットケーキ』は、とても美味しかった。 - 152二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 12:25:23
モモイの慟哭は敢えて描写していません。
そんなことをしている時間が無い程に『直ぐ』だったと思って下さい。
彼の最終任務は『鬼王討滅』です。
第零章の話は過去編の時間から大体...5年前。
鬼王がよく姿を現すようになったのは...過去編から大体5年前...
なんか関係あるんですかね?
因みに鬼王の数は『二人』です。
なんかあるのかな〜?() - 153二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 22:53:01
感想も書きたいところだけど時間が危ういので保守
- 154二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 00:19:32
彼は結局誰だったのか。居なくなった以上知る術は、もはや他者が語る彼のお話のみ
- 155二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 11:01:32
保守
- 156二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 20:32:18
おいついた。おいついたんだけどさ、俺バカだからSSで、何が起こってるか分かんねえわ
- 157二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 05:34:19
保守
- 158二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 11:12:55
モモイはその場で自分の状態を確認した
怪我は無し、先ほど刺されたが、あれは概念的なものだから血すら出ていない
呪いが残存している可能性もあったが、きれいさっぱり気配が無くなっていた
何でも『彼女』曰く元々地道に呪いを減らしていて、先ほど大元からすべての繋がりを切ったからとのこと
そして、その『彼女』・・・色が白いとはいえ自分の姿が目の前にあるのは変な感じだ
「対面するのは初めてかな?改めてよろしくね」
「ONCE AGAIN, IT'S NICE TO MEET YOU」
「にしても分離しちゃったかぁ。今までも私と違う感じだったけど明確に別として扱わないとねぇ」
「お姉ちゃん、なんか不都合でもあるの?」
「この子、その力や存在感から今は明確に形作られてるけど『何者でもなくなっちゃった』とも言えるのよねぇ」
"今まではモモイについていたから『モモイ』として振舞えてたってことかな"
「そうそう、こういう時手っ取り早いのは『名前』を付けてその対象を印象付けるのがメジャーだけど…
そうだなぁ、『死』を操るモモイだから『デスモモイ』とか?」
「適当過ぎない?」
「OK」
"いいんだ…"
キヴォトスに降ってきた神の如く力を持った星の縁は今度こそ切れた
後は復興していくだけ…と言うタイミングでミレニアムの大災害を聞きつけたリオから
数時間後にモモイ達が呼び出された
「ちょっと待って頂戴!
なんでミレニアムに怪異達が暴れているのよ!
ヒマリはどうしたのよヒマリは!
あなたたち異能を使う戦闘を当たり前のようにやってるじゃないの!
分かってるの!?ミレニアムが出来たのは科学によって問題を解決するためなのよ!?
解決したばっかり?なんですって!?」
「会長のツッコミ激しすぎるでしょ…」
"いや、まぁ言ってることはごもっともだと思うよ…?"
その後、リオ名義でミレニアムに大金が振り込まれたのは言うまでもない
「ほしのふるよる」おわり
- 159二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 11:18:27
保守
- 160二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 12:30:26
とりあえずモモイは二人になりましたということでいいのかな。
- 161二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 13:34:53
これで、最初の方のスレで見た、モモイとデスモモイが別々に存在してる状態に説明がつくのか…
- 162二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 15:18:58
デスモモイ生誕祭
- 163二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 22:19:26
- 164二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 09:56:59
保守
- 165パンドラボックスの人24/08/04(日) 20:37:26
- 166二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 03:48:53
ほ
- 167二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 08:04:15
ほ
- 168二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 19:19:52
ふぉふぉ
- 169二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 06:34:42
謎マキをネタになにか書きたい。
- 170二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 17:24:00
待ってる
- 171パンドラボックスの人24/08/06(火) 20:19:55
ミドリ「ティーパーティー、正義現委員会、シスターフッド、救護騎士団、トリニティ自警団連名・・・?」
モモイ「うん、この時点でやばいのはひしひしと感じている…」
「私たちが調べてもわからない『彼女』について情報を出来る限り望みます…最悪、未知のスケバン、ヘルメット団でも構いません…」
もはやすがるような依頼文の対象はよりによってトリニティ治安維持のトップ、ツルギに関しての物だった… - 172二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 07:57:21
ほ
- 173パンドラボックスの人24/08/07(水) 17:08:25
話は少し遡る。キヴォトスが大惨事になりかねない超常現象事件がミレニアムに起きた際、
才羽モモイが最終的に解決してくれるという話がキヴォトス中に広がってしまった。
事実としては確かにそうなのだが、あれはあくまでみんなとつかんだ勝利だとモモイは謙遜する。
しかしながら、あれほどではないもののキヴォトスには「奇奇怪怪」なことが起きることも事実
調べるだけなら特異現象捜査部でもよかったかもしれないが、
あちらは他のことも調べてる上に最終的には「見えないものは見えない」
今回の手紙も、トリニティのトップの名前が並んでいることから相当念入りに調査が行われたはずだ
だというのに、「彼女」の足取りすらわからないとは何事か。
ツルギが意図的に隠しているというわけでも無いという情報も奇怪さが増している
手紙にはツルギは普段の委員会の活動はしっかりしているものの、「友人に会いに行く」と言って一人でどこかに行くことが増えた。
行先は、トリニティ近郊の所有者不明の屋敷で、そこに一人で入っていく様子が確認されているが、
その屋敷には他の誰も入ることが出来ず、また、ツルギ以外の他の誰かが出てきてこないことも確認されている。
中の様子も窺うことが出来ないというから行き詰まってしまったようだ
「こう言っちゃ物騒だけどさ、誰か押し入らなかったの?ほら、トリニティにはサクラコ先輩と、バルバラも居るじゃん?」
「ツルギ先輩はあくまで『友人』と仲が良さそうだから、目の前で暴れるのは論外って結論になったそうだし、
郊外と言ってもそれぞれの派閥の影響力がある地域だから、変に破壊活動するとそれこそ大事になるって書いてあるよ…」
「…変に突っつくと何が出てくるかどころか、後ろから刺される可能性すらあるから動けないのか…」
つまるところ、「極力穏便に解決してほしい」と言外に依頼されていることになる
「これ、ほんとに私に解決できるかなぁ…?」
珍しくモモイが弱音を吐いた
- 174二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 18:17:07
- 175二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 23:11:58
⭐︎
- 176二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 07:50:16
ほし
- 177二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 18:35:21
サザンクロスさえ越えれそうだな…
- 178パンドラボックスの人24/08/08(木) 22:58:36
弱音を吐いていてもしょうがないので早速現場に向かうことにした
ツルギと言う人はあまり詳しく知らないが、危険な目に遭ってる可能性も高いので救いたいし、
何より、前金として結構な額が送られた上に成功報酬も高い…やらない理由が無かった
件の屋敷に到着したが、ミドリが開口一番に質問してきた
「それで、なんで私も来てるのかな…?」
「こういうときって、一人で行動すると大抵碌な目に遭わないからね…って言うのもあるけど、怪異の影響がないフラットな視点も欲しいからかな」
怪異が場を支配している場合、普通の人間や見える人はむしろ惑わされる可能性が高い
「お姉ちゃんはどう見えてるの?」
「今のところは普通のお屋敷かなぁ、入ろうとしたら流石に何かあると思う」
「こっちも普通に見えるね。と言うか扉開いてない?」
「え?」
モモイは素っ頓狂な声を上げてしまった。どう見ても閉まっている…
「もうすでに影響範囲内かぁ…」
ツルギと言う人もおそらく開いて見えていたに違いない
ミドリが扉に手を触れると、観念したかのように扉が開いた。いや開いていたのだ
屋敷に入ってもやはり一見普通に見える。
「うーん。ちょっと埃っぽいけど普通のお屋敷だなぁ」
ミドリも同じ感想を抱いたようだ
「キヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
「訂正、とても変だった…」
「いや、たぶんあれ調査対象の正義実現委員委員長の声だよ…」
銃声も響く屋敷の奥から、とんでもない圧が感じられる
「とても進みたくない…」
モモイはまだ怪異本体にあってない段階から戦意を喪失していた
- 179二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 02:30:53
- 180二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 08:39:21
早めに保守
- 181二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 19:21:47
まあ…確かに…
- 182二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 21:56:18
この屋敷···何か変···(変なのは普通に人)
- 183二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 00:16:19
「買い出しくらい私一人で良かったのに…。」
「いいのよ、人数が人数だし荷物持ち1人くらいいないと大変よ。」
今日はゲーム開発部の部室に用があってミレニアムに来ていたのだが、何やかんやあってホシノやサクラコにも連絡を取りキヴォトス怪異対策部が集まる事になりモモイと買い出しに出ていた。
買い出しも終わり2人で最近あった怪異の話しや他愛もない話しをしながら歩いているとモモイが急に立ち止まり黙った。私は声が聞こえなくなったのでふり返ると慎重な面持ちで前をみていた。
「どうかしたの?なにか買い忘れでもあった?」
「ヒナさんごめんちょっと……あの前に歩いてる人…どう見える?」
「どうって別に普通の…………待って。何かモヤがかかっているというかブレているというか…。」
モモイに言われてよく見てみると黒いモヤがかかって見えるような焦点が合わないように時々ブレて見えるような不思議な感覚に陥った。
「おー、ヒナさんにはそう見えるんてすね。怪異に触れてきて感覚が開花してきたのかな?」
「それよりも私にはって……貴女は違う風に見えてるの?」
「あー、まぁ、ガッツリと。すごいですよ、多分女の人だと思うけど上半身が裂けててそこから手やら足やらが出ててそれを巻き付けてあの人に憑いてる感じでーー」
「わ、分かったから!全部言わなくていいから!それで?どうするの?話し合ってあの人から離れてもらう?」
「アレは関わると良いことないパターンっぽいから……ヒナさん今からあっち見ないでね?それと私の方を見て。」
言われるままにする。モモイは口元に指を持っていきごにょごにょと何かを唱える。偶にみるのだが何かの術なのか以前尋ねた時ははぐらかして教えてくれなかった。唱え終わるとその指で何かの印を私の前に描く。
「ヒナさんもういいよ!でー、アレは…まだ気付いてないね!よしそれなら……ごめんね、ちょっと離れてもらう〜…よっ!!」
今度は前にいる人に向かって印を描いたと思ったらそのまま勢いよく上から下に指を下ろす。すると嫌な生温い風が私達の間を吹き抜けていった。 - 184二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 00:17:47
「ふいー!やっぱこっち向かってきたかぁ…あっぶなぁ、対策しといて良かったや〜。」
「あの嫌な風、そういう事?それよりあの人は……普通に見える…。」
先程と違いモヤがかかったようなブレて見えるような違和感は無くなり普通に認識できるようになった。そのままその人を曲がり角を曲がるまで2人で見ていた。
「ヒナさんからも普通に見えるならマーキングもないっぽいし完全にアレとは縁切れたみたいだね!も〜、あの人一体何処からあんなの拾ってきたんだか!」
「えっと、もう大丈夫なの?」
「うん!りあえず離れてもらう事にしたよ!要は縁切りだね〜。でも最後絶対力が伝わるからその方向に居る私達に気付くからそれの対処もしといたから私もヒナさんもアレに絡まれる事となく終われたよ!」
「アレは…消えたの?」
「消えた、というか元の場所に戻ってると思う。アレはちょっと普通の子とは違うから。ちょっと強めにやっといたから…にしても、うぅん…。」
モモイがこめかみに指をトントンと当てて考え込んでしまった。私は先程の嫌な風を思い出す。全身に纏わりつくような、怪異特有のあの空気が。私でも分かる、アレはヤバい存在だったのだと。そんなものが道端を歩いていたら出くわしたという事実にじんわりと汗が滲む。
「まぁ、大丈夫かな…。場所関係っぽいしあんなのがいるのなんて相当な厄い所だと思うし近付かなければ…あっ、ヒナさんごめん!考えごとしてた!早く帰ろっ!」
私達は帰路に着く。口には出さないがお互い胸にもやもやを抱えながら。そして私達は知らない。トリニティのとある一軒の廃屋で上半身が裂けた異形が目撃される噂を。
〜〜〜
「ここが例の噂の一軒家だよ☆肝試しにいいじゃんね?」
- 185二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 10:43:56
ほ
- 186二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 10:54:48
このままだとまだ何も解決してないENDだけどなんかさらに最後の一言で不安に(
- 187二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 22:00:48
まだ…まだ終わるな……!!
- 188パンドラボックスの人24/08/10(土) 22:21:34
「一番奥から聞こえてきたけどどうする?」
ミドリが質問してくるが、あれこれ考えていた。こんな怪異が出るはずのお屋敷で聞こえてくる声の候補は多くは無いが
あれは「歓喜」の声だ。認めたくはないが…怪異の影響を受けてないのもなんとなくわかる
「他ならぬ副委員長から、『他人が聞けば奇声や威圧に聞こえる声を出すことがありますが、本人にとってはテンションが高いだけですので気になさらずに』と書かれてたけどさぁ…!」
さっきから感じる圧を考えるに、怪異以前に直接対峙したらどうなってしまうか想像もしたくなかった。日記に「きつい…つら…」って雨傘のマークを描きたいくらいには…
しかしここまで来てしまった以上引き返すのもリスクが高かった。何しろもはや怪異の中に居るのだ。解決しなかったら自分たちの身が無事な保証もない
「…進もう。おそらく時間をかけても良いことなんて無い…」
「…わかった」
屋敷の廊下を慎重に歩を進めた
一番奥の扉にようやくたどり着きそうと思ったころ、その扉が急に開け放たれた
「くかかかかかかか…!他人の家に勝手に入る~…悪い子は誰だぁ?」
依頼に当たり写真などでよく見たはずなのに、まるで心の臓を掴まれたような感情を抱いてしまった。彼女は間違いなくツルギ本人なはずなのに…
動けなくなってしまった自分とは違い、即座に構えたミドリ
「あなたを探しに来たの。話は聞いてもらえる?」
「探しに来た?話を聞いてもらえるか?…悪いことをしている奴の言うことを聞く必要があるか?」
威圧がさらに上がった。そして直感的に理解した。彼女は怪異の影響なしで、「目の前の悪に対処をしようとしている」ことに。
普通であれば、ここから誤解を解く猶予もあったであろう。しかしながら、彼女はもうすでに「キレていた」
本来であれば、なすすべなくそのまま「制圧」されたのであろう。白い私、「デスモモイ」が居なければ
- 189二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 03:32:26
買い出しを終え、ゲーム開発部の部室に帰って来た私達は扉を開ける。ホシノとサクラコもすでに到着していたらしくゲーム開発部の面々と一緒に出迎えられた。
「やぁやぁやぁ〜モモイちゃんヒナちゃん〜。買い出しに出てたんだって?おつかれおつかれ〜。ほらヒナちゃんもこっちきなよ〜?」
「はい!アリスの膝はもう片方空いてます!」
「お邪魔していますモモイさん、ヒナさん。」
「すみませんヒナさん、お姉ちゃんに付き添ってもらっちゃって…。」
「モモイ、お疲れ様…買ってきた物、預かるよ…?」
アリスに膝枕されながらこちらに手をひらひらさせながらソファに横になっているホシノ。ミドリとユズと並んでお茶やジュース、お菓子の用意をしながらこちらに会釈するサクラコ。
「うーん、素晴らしきかなthe・日常…。」
「ホントね…良い意味で緊張が解けたわ…。」
目をキラキラと輝かせながらふんすふんすと膝を叩くアリスの横に腰掛ける。残念そうな顔を向けられてもホシノの頭がアリスの膝を占領しているのでそもそも寝られないしホシノもスペースを空ける気はなさそうだし。私達3人に向かい合うように荷物を預けたモモイがどかっと胡座をかいて座る。
「もーお姉ちゃんはしたないって〜…。」
「いーんだよ!一仕事終えたからホントは横になりたいくらいだし〜。」
「一仕事って…買い出しでしょ?そんなに疲れた?」
「最近は気温も高いですし体力も余計奪われますよ、しっかり水分とりましょう。」
モモイのいう一仕事は先程の事だろう。通行人に取り憑いていた怪異の対処。恐らくモモイは話そうかどうか迷っているのだろう。
「ん…?あれ、モモイちゃん何かあったの…!?」
「あーユメ先輩…やっぱ分かっちゃう?」
ふよふよと部室を漂っていたユメがモモイの隣に来るなり慌てた様子でそう言った。続けてーー
「分かるも何もだって…!その!いっぱいの手と足、どうしたの!?」
その一言で場の空気が緊張が支配し全員の目線がモモイに集中した。
〜〜〜
「うふふ♡何だかドキドキしちゃいますね〜?」
「あ、あうう〜…本当に入っちゃって平気なんでしょうかね…?」
「うぅ、やっぱり私は待ってれば良かった…。」
「大丈夫だコハル、何かあったら私の後ろに。あとはミカが何とかすると思う。ミカは強いから。」
「んー?それってどういう意味かな☆?」
- 190スレ主24/08/11(日) 08:56:33
- 191二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 09:46:05
- 192二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 11:07:37
変に関わると拾ってきちゃうよねぇ…
- 193二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 13:52:23
次スレ感謝
- 194二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 19:11:30
埋めるかー
- 195二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 21:50:52
埋め
- 196二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 22:03:24
梅
- 197二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 22:14:47
梅〜